元グーグル社員が立ち上げたFIVE、グリーVとDonutsから資金調達–スマホ向け動画広告の”再発明”を目指す

ニュース系アプリをはじめとして、スマートフォンでも見かけるようになってきた動画広告だが、FIVEは「短尺」「ユーザーネイティブ」「パフォーマンス」の3つのキーワードで新しいアプローチをする。同社は3月30日、グリーベンチャーズおよびDonutsを引受先とする第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達額や出資比率は非公開。

同社が手がけるのはスマートフォン向け動画広告 「FIVE VIDEO NETWORK 」。どんなモノか紹介するよりも、まず動画をご覧頂くほうが分かりやすいだろう。

彼らが「バウンス」と呼ぶこの広告は、ユーザーがスマートフォンアプリの画面最下部までスクロールすると広告を音声付き(もちろん音声オフの設定も指定できる)で表示する。ユーザーが広告を見たいと思わなければ、少し上にスクロールさえすれば広告はひょいと表示されなくなる。FIVE VIDEO NETWORKでは、このバウンス広告のほかにも、動画のインフィード広告やインタースティシャル広告なども提供する。

FIVEでは2014年11月に広告配信サーバを立ち上げ、試験的にサービスを開始している。バウンス広告の定量的な成果については非公開だが、「通常のスタティックバナーと比較して高いCTR、アクションを記録している」(FIVE代表取締役社長の菅野圭介氏)とのことだ。ちなみにこのバウンス広告のフォーマットについて特許出願をしているとのこと。FIVE VIDEO NETWORKの詳細は以下の通り。

・320 x 180px サイズ or フルスクリーンのビデオフォーマット
・提携するスマートフォンアプリケーションへ配信
・独自のプリフェッチ技術による超高速の動画広告表示
・音声環境(Audibility)シグナルの判定および配信
・広告枠のインビュー判定および表示制御
・ユーザーに“コントロール” を与える独自UI
・独自 “短尺クリエイティブ” 制作のサポート、運用コンサルティング

創業メンバーは元グーグルが中心に

FIVEは2014年10月の設立。代表の菅野氏は、グーグル日本法人の出身。米Googleが買収したAdMob、そしてYouTubeでモバイル広告、動画広告事業に従事してきた人物。現在のメンバーは4人で、菅野氏以外のエンジニア3人のうち2人がグーグル出身だそうだ。

菅野氏は、「ウェブの動画は『Made for Web』、つまり(動画表現の広がりや共有を前提とするなど)ウェブでの提供を意識したモノだった。それと同じとは言わないが、今はモバイル、スマートフォンでの動画を新たに(概念から)作り直すことができる時期。320×50ピクセルの一般的なモバイル向けのバナーが最終形かというと絶対違うと思っていた」とサービス提供のきっかけについて語る。

そこで同社が重要視するのが、冒頭にあった「短尺」「ユーザーネイティブ」「パフォーマンス」という3つのキーワードだ。

同社が提示する動画広告はまず、5秒程度の短尺なクリエイティブだ。これはインストリームでも受容できる尺の長さだし、ゲームアプリなんかではプロモーションムービーを作ることが増えているので、そのクリエイティブを再編集して流用できるためにスクラッチでクリエイティブを作るより工数も少なくてすむということもある。

またユーザーが指先の操作1つで動画広告へのアクセスを自由に扱えることによって、好きな広告は見る、嫌いなら見ないという環境を作っている。これはユーザーの自由度を高めるだけでなく、コンバージョンに関するデータとして蓄積されるので、将来的には非常にパフォーマンスの高い広告配信を実現することができるのではないか、というわけだ。

もちろんFIVEはあくまでプラットフォーム。クリエイティブはクライアントサイドで作ることになるが、コンサルティングを含めて、現在ナレッジを蓄積するためにもクリエイティブ制作に関する試行錯誤は続けているそう。例えばビジュアル、音声、ロゴの掲載タイミングなど、様々に組み合わせて効果検証を実施し、5秒動画に最適なクリエイティブを模索しているという。

FIVEでは今後、ゲームやアプリケーションの効果的なプロモーションを求める広告主を中心に、配信先メディアの拡大を進めるという。また、ブランド広告主向けのプレミアム動画プロダクトも開発・展開する。第1弾としてDonuts が運営する「MixChannel」 のプレミアム動画広告を3月よりトライアルで開始しており、4月より正式販売が決定しているという。


huluが国内100万ユーザー突破、Netflixの国内参入については「切磋琢磨して市場を大きく」

月額定額制動画ストリーミングサービス「hulu」を国内で展開する日本テレビグループのHJホールディングスは3月30日、国内ユーザーが100万人を突破したと発表した。4月1日からはPlayStation 4への対応も開始する。同日開催された発表会でHJホールディングスヴァイス・チェアマンの船越雅史氏が語った。

日本テレビグループがhuluを買収したのは2014年4月1日。船越氏が語ったところによると、の買収前のユーザー数は61万人。これまでの総視聴時間は3億6000万時間にも上るそうだ。ユーザー属性は明確にはされなかったが、「20代30代40代が中心だが、50代以上、未就学児含めて観られているのではないか」(船越氏)とのこと。ようはいろんな世代に観られています、ということだろうか。

さて今後の展開で気になるのは、今秋にも日本でサービスを開始する競合サービス米「Netflix」の存在だ。これについて船越氏は、「VOD市場は成長途上。これまで以上にサービスを拡充していくが、切磋琢磨してまずはVODのマーケットスケールを大きくできれば」と語るにとどまっている。

huluでは4月以降、「フールー、オン」と呼ぶ年間キャンペーンを開始するとしている。詳細は4月中にも発表される予定だ。また、オリジナルコンテンツの展開も進めるという。フジテレビ、テレビ朝日グループからのコンテンツ提供についても話を進めているとのこと。


テキストメッセージングがモバイルコマースを変える

編集部注:Tom Hadfieldはモバイル購入アプリケーション、Fetchの創業者・CEO

先週、モバイルメッセージングの将来の大変革を予感させる発表が2つあった。近々6億人のFacebook Messengerユーザーは企業や店にテキストメッセージを送るだけで、食料品を注文したり、商品を買ったりできるようになる。一方、MagicはSequoiaから驚きの1200万ドルを調達し、あらゆるオンデマンドサービスをテキストメッセージを送るだけで発注できるようにする。

アメリカはようやく、アジアが何年も前から知っていたことを発見しつつある:モバイルメッセージングは商業プラットフォームである。

こうした展開は、最近Chris Messinaが提起した対話型コマースという新たなトレンドの到来を告げるものだ。ユーザーはさまざまな企業の無数のアプリを使う代わりに、シンプルなモバイルメッセージングのインターフェースだけを使えばよくなる。

「対話型コマースは利便性、パーソナル化、および意思決定支援を、どこにいるときも僅かな集中力で利用できるようにするたのものだ」とMessinaは言う。つまるところ、今ほどテキストメッセージを使っている時はなく、その潜在能力を、送金や商品の購入、オンデマンドサービスの発注、請求書の支払いなどに使わない手はない。

対話型コマースがテキストメッセージ革命の次期段階であることに大きく賭けて出たのはFacebookとSequoiaだけではない。我々は今、正真正銘のメッセージングゴールドラッシュの中にいる。今月 AlibabaはSnapChatに2億ドルをつぎ込み、新たに公開したSnapCashを使って友達に送金したり商品を買ったりできるようにした。これは、Alibabaが昨年Tangoに2.15億ドル投資したことに続くものだ。楽天は最近Viberを9億ドルで買収した

今ほどテキストメッセージを使っている時はなく、その潜在能力を、送金や商品の購入、オンデマンドサービスの発注、請求書の支払いなどに使わない手はない

アジアの投資家らがこのトレンドを先導したのは、モバイルメッセージングの真の潜在能力を活かすことに関してアジアがアメリカの先をいっていたという単純な理由からだ。

例えば中国のWeChatは、4.4億人のユーザーに請求書の支払い、タクシーの呼び出し、商品の注文等をテキストメッセージでできるオールインワンアプローチを提供することによって、11億ドル以上の収益を生んだ。日本のメッセージングアプリ、LineはLinePayを提供し、ユーザーがモバイル支払いや日用品の注文、タクシー予約などをできるようにした。

対話型コマースのトレンドは、人間と人工知能を組み合わせた新たな「コンセルジュ」メッセージングサービスにも後押しされている。Magicは、テキストメッセージで食料品を注文したり、花を贈ったり、洗剤を1時間以内に配達してもらうことを可能にして、評判を呼んだ

他の「対話型コマース」分野にいるスタートアップには、収集型ショッピング推奨サービスのScratchBRANDiD、テキスト経由でフライトやホテルを予約できるパーソナルトラベルアシスタントサービスのNativeがある。Path Talkは 企業に直接メッセージを送れるようにした最初のメッセージングアプリだ。

いずれ、自然言語処理によってこうしたコンセルジュサービスも自動化され、一方、正確性を確保しつつ自動化できないロングテールの要求を処理するために鍵となる人間が残されることになるだろう。

このような革新は、小さな画面や扱いにくい「ショッピングカート」の入力フォームといったモバイルの伝統的制約から解放される楽しみな方向へとわれわれを導く。もうオンデマンドサービス毎に別々のアプリをダウンロードしなくてよくなる。いずれ、自然言語処理によってこうしたコンセルジュサービスも自動化され、一方、正確性を確保しつつ自動化できないロングテールの要求を処理するために鍵となる人間が残されることになるだろう。

Facebook MessengerやSnapChatなどのメッセージングアプリの商用プラットフォームへの必然的進化は、われわれのモバイルコマースに対する考え方を変える。テキストメッセージでDoorDashに料理を注文し、SMSで支払いを済ませ、あるいはFacebook Messengerから愛する人に花を贈るようになる日は遠くない。

Magicは、 玄関先に虎を届ける約束は果たせないかもしれないが、モバイルメッセージングがまだまだ強力になっていくことは明白だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、Facebookなどの巨大IT企業は、外国人労働者にいくら払っているのか

編集部注: Kiran DhillonはFindTheBestの上級編集者。大量のデータに挑み興味深い洞察を生み出している。

上院では、H-1Bビザプログラム拡大に関する法的議論が熱を帯びている。H-1Bビザは、外国人、特に技術系労働者が米国で合法的に働くことを許可するものだ。現行H1-Bビザプログラム拡大のためのロビー活動で、Google幹部のEric Schmidtは、「われわれは極めて優れた人々をこの国へ連れてきて、彼らに卒業証書を渡した後、どこかわれわれと競合する会社を作る場所へと彼らを追い払っている」と言った。

この議論の渦中にある、Google、Facebook、その他の巨大テクノロジー企業の職は、アメリカ人にとっても外国人にとっても著しく実入りが良い。

外国人雇用証明室(OFLC)の記録を分析した結果、巨大IT企業5社 ー Amazon、Apple、Facebook、Google、およびMicrosoft ー によるH-1B申請者の中央値給与は優に10万ドルを越え、さらに上昇を続けている。

 

Facebookは、2015年現在(上記5社の中で)H-1Bビザ保有者にとってもっとも実入りの良い会社で、全職種の中央値給与は13万5000ドルである。しかし、会社、職種ごとにはどうなのだろうか。

上記5社のH-1B申請者の中でもっとも一般的な職種を調べたところ、各社に共通する5つのキャリアパスが見つかった。ソフトウェアエンジニア、システムソフトウェアエンジニア、ファイナンシャルアナリスト、コンピュータシステムアナリスト、およびマーケティングマネージャーが、H-1Bビザ申請者の大半を占めた。

ソフトウェアエンジニアの給与は全体トレンドをよく表しており、Facebookが最高の中央値給与を払い、Amazonは最低だった。

 

ファイナンシャルアナリストでは、5つの職種の中で最大の外れ値を示し、FacebookのH-1B中央値給与は、次点(Microsoft)より46%も高かった。

 

一方、コンピュータシステムアナリストの中央値給与の幅はずっと狭く、もっとも気前のいい会社(Google)ともっとも締り屋の会社(Amazon)の差は2万3100ドルだった。コンピュータシステムアナリスト職は、Facebookの外国人労働者給与がワースト2に入った唯一の職種である点も注目される。

 

外国人システムソフトウェアエンジニアはMicrosoftを避けた方がいいかもしれない。ここでは2番目に大きい外れ値が見つかった。MicrsofotのH-1B中央値給与8万2828ドルは、次に給与の低い会社(Amazon)より27%も少ない。

 

マーケティングマネージャーに関してもMicrosoftは最下位だったが、ここでの差はコンピュータシステムアナリストほど極端ではない。Microsoftの中央値給与はAmazonおよびAppleより10%低いだけだ。

 

では、これらの会社は、他社のH-1B従業員と比べてどうなのだろうか?

2014年の給与分布によると、この5社はもっとも高給を払う集団に含まれてはいるが、最高というわけではない。昨年約7000人のH-1B申請者が、2万ドル以上の給与を提示された。

全米の企業におけるH-1B給与分布を次に示す。

 

注記:本稿の全データはH-1Bビザ労働条件申請書(LCA)の中間値給与データに基づいている。これは実際に認可されたH-1Bビザのデータとは異なる。申請が認可された後、企業は自社の申請者らを抽選にかけることができる。認可されたH-1Bビザに関する統計データはOFLCから得ることができない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Pebble Timeの2000万ドルKickstarterキャンペーンを分析する


Pebbleは、同社ハードウェアの第二弾、Pebble Timeの資金獲得のために、再びクラウドファンディングサイトのKickstarterに戻った。彼らはふつうに製品発表をして多少の予約期間を設けるか、一般販売することもできたはずだが、キャンペーンは7万8741人の支援者からKickstarter史上最高の2000万ドル以上(正確には2033万8986ドル)を集め、実際の商品以上に話題を呼んだ。

キャンペーンが終わればPebble Timeも製品として独り立ちしなくてはならないが、PebbleがKickstarterを使ったおかげで、われわれはこの発売キャンペーンがどれだけの確定予約注文を集めたかを正確に知ることができる。

7万8740人がプロジェクトを支持したと書いたが、これは必ずしも予約総数とは一致しない。支援報酬には様々なバリエーションがあるためだ。その違いを考慮したPebble Time(TimeおよびTime Steel両方を含む)の予約台数がこれだ。

  • 95,906

うち、Pebble Timeが:

  • 58,966

そして、Pebble Time Steelが:

  • 36,940

Pebbleは、初期支援者に約束した出荷目標をまもるために、今年の5月までに4万8690個のPebble Timeを出荷しなければならない。さらに高価なPebble Time Steelを予約した人々に、7月までに2万9997台を送らなくてはならない。

比較のために見てみると、初代Pebbleキャンペーンは全支援レベルを合わせて8万5419台の予約注文を受けた(プロトタイプ機100台を除く)。つまり、初代キャンペーンは今回に比べて手にした金額は65.8%少なかったが、予約台数では11.6%しか少なくなかったことになる。

新しいPebble Timeの方が開始価格が高く、キャンペーン中にPebble Time Steelがオプションとして加わったことにより、全体の平均販売価格はさらに上がった。しかし、最終的にPebble Timeのキャンペーンは、実際の製品に対する需要は、初代Pebbleウォッチと比べてさほど増えてはいなかったことを示している(ただし、支援者を募る期間はPebbleの方がPebble Timeよりも6日間長かった)。

Pebble Timesのキャンペーン中にApple Watchのイベントが行われ、支援者が急増したことを踏まえると、キャンペーン終了後のPebble Timeの売れ行きを予測することは難しい。しかし、消費者のウエアラブルに対する欲求がここ数年で著しく増加したことを示す明確な証拠を求める人々にとって、Apple Watchの発売が注目の元であることに変わりはない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


[寄稿] 新米Webディレクターが最初におさえたいSEOのこと

セカイラボの岸と申します。この春で自社Webサービス「セカイラボ」のWebディレクターになってから1年になります。業務ではアクセス解析、サービス改善、SEO、開発マネジメント、コンテンツ作成、プロダクト戦略を担当しています。 今回は自社WebサービスやWebサイトを担当する新米Webディレクター向けに、私のSEO経験をもとにWebディレクターとして最初におさえたいSEOのことを紹介します。

GoogleがWSJの非難記事に反論、ロビー活動ならMicrosoftの方が激しいと

Googleが今日(米国時間3/27)、検索企業として、ここ数週間Wall Street Journalに載った一連の批判記事に反論した。

WSJの記事は、Googleが連邦政府の意思決定をゆがませる影響力持ち、そして連邦通商委員会(Federal Trade Commission, FTC)は、内部的にはGoogleが反競争的であるとの見解を持っていたにもかかわらず、同社に対する法的アクションを取らなかった、と示唆している。

FTCこれに対してすでに反論した。今日はGoogleの番だ。

Googleが反論で使用した動画の一つ

Googleに対する過去の事案をメディアがいまどきまた取り上げたのは、政府が今月、ある内部文書の公開をうっかり認めてしまったからだ。その文書には、Googleがいくつかの策略によって“検索一般に対する独占を不法に維持している”、と書かれている。そのときの処置が最終決定に達して、2013年の1月に発表されたとき、Googleはその事業慣行の一部を変えることに自発的に合意した。それで、FTCの仕事は終わったはずだった。

Googleは今日、動画(GIFアニメ)まで動員して、さまざまな“検索疑惑”に対する当時のFTCの最終決定は、FTC内部(Bureau of Competition、Bureau of Economics、Office of General Counsel)からの推奨に即しており、そしてそれらの推奨事項は、当時のWSJの記事でも、FTCの委員たちの結論と異なるものではなかった、といやみたっぷりに主張している。

同じくGoogleの主張では、WSJは同社がホワイトハウスで行ったミーティングの回数を、Googleの前社員のものも数えるなどして、過大に見積もっている。同社はこれに続けて、その時期におけるホワイトハウスで行ったミーティングの回数はMicrosoftの方が多い、と主張している。政府に対して不当な影響力を及ぼしてはいない、と言いたいのだ。

ちなみに、Googleの反論は、こんな言葉で始まる:

昨年、[WSJの親会社]News CorpのCEO Robert Thomsonは、Googleが“正しい情報に基づかない混乱した対話を社会の中に作り出している”、と非難した。御社の刊行物の傾向をよく知っている多くの人びとは、それを読んで苦笑した。

これでは、楽しいピクニックは無理だね。

WSJがGoogleとFTCを攻撃する動機については、あらゆる推測が可能だが、でも今いちばん視聴率を稼げるレスリングの実況といえば、テクノロジ企業がいちばん、カモにされやすいのだ。

それに、新しい規則を一つ作ろう: あなたの会社がタバコを買えるほど古い会社なら、gifアニメはやめよう。〔喫煙年齢==18歳、gifアニメ==子ども〜女子高低学年まで(大人が使うものではない)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


3Dプリントして組み立てるドローンElecFreaksはIggで買ってもよいし無料でダウンロードもできる

ELF VR Nanoと名付けられた3Dプリントのドローンを、Indiegogoで予約購入できるし、Thingiverseからダウンロードできる。つまり、そのプロダクトを買ってもよいし、自分でプリントしてもよい。これほど純粋で完全なオープンソースのハードウェアプロジェクトは珍しいし、自分ちでプラスチックのパーツをプリントできることが、とってもクールであることを、実際に体験できる。

ELFは昨年10月に設計のプロジェクトとして始まり、そのクワッドコプターは今では完成している。キットをIndiegogoで65ドルで買えるし、パーツを自分でプリントするなら無料だ。ただしDIYの場合もモーターや電子部品は買うことになるが、今やDIYのためのツールや用品は何でもあるから、それほど難しいことではない。

同社はこう書いている:

ELFプロジェクトには、完全にオープンなハードウェアとソフトウェアのプラットホームを目標として着手した。ハードウェアは自由に変えたり新しい機能を加えたりできる。またアプリケーションの個人化も承認や監視なしで行える。さらにオープンソースは、そこからの今後の発展に制限や限界がない(可能性は無限だ)。リリースされているファイルで誰もがELFの学習と構築を開始でき、メインボードの設計やその電子回路などをあらゆる細部まで知ることができる。われわれは、オープンソースの意義と重要性を深く認識している。開始したのがたまたまわれわれであっても、それが真にオープンであれば、もっと高度なデベロッパたちによってさらに大きな前進ができ、最先端の技術に万人がアクセスできるようになる。

そのドローンはとても小さいが、ビデオの撮影と送信ができる。ELfのチームは、720pで撮ったビデオをGoogle CardboardのようなVRデバイスにストリーミングできる、と想定している。組み立てははめ込み式なので、ネジや接着剤は不要だ。

発売は7月の予定だが、クラウドファンディングの目標額は軽く達成しそうだ〔すでに目標額の3倍を超えている〕。ところで、このぼくは、3Dプリントのドローンが人類の王になるなら、大歓迎だ。

出典: 3Ders

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GoogleとJohnson & Johnsonが共同でロボットがアシストする手術台を開発

GoogleとJohnson & Johnsonが、両社のパートナーシップにより、ロボットがアシストする高度な手術台を開発する、と発表した。この共同事業には両社の“能力と知財と専門的知識・技術”が注入され、Johnson & Johnsonの子会社で医療機器のメーカーEthiconも参加する。

発表声明の骨子は、ロボットを利用して人間外科医を、置換するのではなく補助する点にある。それが少なくとも、このパートナーシップの現段階の主題だ。発表声明から、その趣旨的な部分を引用してみよう:

ロボットがアシストする外科手術は、侵襲性がきわめて低い手術技法であり、外科医には手術行為の間により大きなコントロールとアクセスと正確性を提供し、一方患者にはトラウマと恐怖を最小化し、術後の快癒を早める。両社は新しいロボットツールの開発を探究し、外科医と手術室の専門スタッフに、今日最良の医療機器技術と最先端のロボット工学システム、および画像とデータの分析技術を組み合わせた能力を提供する。

ロボットがアシストする手術では一般的に、人間外科医がコンピュータや遠隔操作機器を介して器具をコントロールする。それにより、人間の手が行う場合よりも細かいコントロールと精度が得られる。またその手術は、手が行う場合よりも侵襲性が少なく、したがって回復も早い。

ここに記述されている新しい手術台は、おそらく、手術関連のデータ収集や分析にも利用されるものと思われる。それらのデータの蓄積が、今後長期的には、治療技術や外科技術の向上に貢献するだろう。これまで、一部のロボットアシスト手術でGoogle Glassが利用されたが、今回のGoogleの参加は、ロボットアシスト手術の運用コストの低減にも寄与することが期待される。

出典: Business Insider

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パーキンソン病の患者が作った病態自己管理アプリMyHealthPalは研究機関へのデータ提供も目指す

【抄訳】

ウェアラブルは、その開発と利用の進展とともに、保健医療方面の応用への関心が急速に拡大している。アプリやデバイスによる健康管理が、徐々に日常化しつつある。毎日、状態を監視する必要のある患者は、とりわけ、このハードとソフトの組み合わせから得る利益が大きい。そしてもちろん、今は多くのスタートアップがこの流れに乗ろうとしている。

今日ステルスを脱したiOSアプリ+プラットホームのMyHealthPalは、ユーザに長期的な健康管理機能を提供するが、最初はとくにパーキンソン病に焦点を当て、またこれと同様の疾病も対象にする。

【中略】(投資関連)

ファウンダのMike Barlowは、2年前の41歳のとき、パーキンソン病と診断された。そして彼は、治療の効果を自分で管理し、測定し、症状の変化をチェックし、各日の気分や食事やエクササイズなどを記録する便利な方法がないことに気づいた。

そこで彼が作ったMyHealthPalは、患者の日々の各種データを、その患者用のダッシュボードに記録し表示する。

類似のアプリとしてmpowerやGluko、GlucoSuccessなど(主に糖尿病関連)がある。AppleのHealthKitとResearchKitも忘れてはならない。NEAをはじめVCたちも、こういう、個人の健康管理分野に着目している。

しかしmyHealthPalは、その疾病の患者自身がそのほかの患者のために設計した、という点が、大きなメリットだ。

myHealthPalでは、ユーザが自分のデータを匿名化して寄贈すると謝礼として売上の一部をもらえ、それが研究機関や介護施設などへユーザの名前で寄付される。それはまさに、患者たちのための共有経済だ。

この件でMyHealthPalはEUや合衆国のプライバシー規則へのコンプライアンスを重視し、また同社の技術は、合衆国の電算化医療情報保護のための法律HIPAAにも準拠している。

CEOのMary Keane-Dawsonは、こう言う: “最終的にMyHealthPalはデータ分析のプラットホームになり、研究者たちがここで大量のデータを利用できるようになる。そういう展望があるからこそMyHealthPalは、投資家と医学研究機関の両方が関心を持つビジネスなのだ”。

今現在、ニューヨークの高名な病院、Mount Sinai Hospitalで試験を行っている同社は、今後イギリスと合衆国のそのほかの機関やチャリティーなどと連携していく予定だ。

これをあえて‘市場’と呼ぶなら、不幸にしてとても大きな市場だ。国連の世界保健機構(WHO)によると、慢性疾患(パーキンソン病、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、過敏性腸症候群、HIV/AIDS、アルツハイマー病など)の患者は全世界で4億2100万人もいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


ヤフーが位置情報共有サービスの米「Life360」と提携、日本向けにサービス開始


ヤフーは3月27日、米スタートアップのLife360との業務提携を発表した。この発表にあわせて、Life360は位置情報共有アプリ「Life360」のAndroid日本語版を公開。ヤフーは今後の国内展開を支援していく。なおiOS版は現在英語のみで提供されており、日本語版は近日公開予定。

Life360 は家族や友達などをグループとして登録し、お互いの居場所をリアルタイムで把握できるアプリだ。アプリ内の設定で位置情報共有のオンオフを切り替え可能。

グループは複数作成でき、「家族は常に共有をオンにして、友人は待ち合わせの時以外はオフにする」といった設定が可能。また、自宅や学校など、特定の場所やエリアを「通知エリア」として設定すれば、グループに通知する機能などを備える。さらに、グループメンバー全員に助けを求める通知を送れる「緊急通知」ボタンも備える。

今後は、警察機関などから提供されるデータをもとに、犯罪発生地点をアプリ内地図に搭載する機能も提供する予定(米国ではすでに同様の機能が提供されている)。有料版では、通常2点までの通知エリアの登録が無制限になるなど、追加機能を提供する。

そういえばGoogleも、友人とお互いの現在地を共有するサービス「Google Latitude」を提供していたが、現在はサービスを終了している。このLife360はGoogle Latitudeと比べると、「家族や知人の安全確認」といった方向でブラッシュアップしたサービスに思えた(ただ設定次第では家族間のプライバシーはあってないようなものになるのかも)。

ちなみにヤフーによると、米国では主に子どもの登下校時や1人での外出時に位置を把握する目的で利用されているとのこと。ファミリー層を中心にして、現在全世界5000万グループが利用している。


若い女子の間で人気、3000万人が使うWe Heart It写真共有アプリにメッセージ機能が付いた


We Heart Itは10代を中心に人気を得ている画像ブックマークサービスだ。このアプリに、この度Postcardsと呼ばれるメッセージ機能が追加された。

少し前までの若い女子は、ファッション雑誌を数人で持ち寄り、大好きな写真をはさみで切り取って、ベッドルームに飾るためのコラージュやアート作品を作っていた。今のデジタル時代の10代の女子はそうする代わりに、Pinterest、TumblrやWe Heart Itといったオンラインサービスを使う。

We Heart Itは、そもそもこのような若い女子向けのアプリとして立ち上がったのではなかったが、時間が経つにつれ、インスピレーションが湧く写真を集めるアプリとしてこの層の支持を得た。今では、3000万の登録ユーザーがこのアプリを利用している。15歳から24歳の年齢層で、平均ユーザーの年齢は18歳だ。

彼女達のほとんどがモバイル端末でこのサービスを利用している。モバイルからのアクセスが80%から90%近くを占め、iOSとAndroidのユーザーはちょうど半々だ。

このアプリはある意味Pinterestをより若い層向けにしたサービスと言える。画像のサムネイルが流れるフィードはPinterestでいう「ボード」に近く、ユーザープロフィール、画像のハートのアイコンをタップすることでお気に入りに登録したり、自分のコレクションに追加したりできる機能もPinterestに似ている。Pinterestの場合、画像の多くはソースとなるページにリンクされていることが多い。例えば画像の商品が購入できるページや雑誌記事にリンクされている。一方、We Heart Itでは画像が主役だ。

ここで彼女たちは自分にとって魅力的な画像を探す。それは、お気に入りのセレブやバンド、かわいい洋服やインスピレーションを受けたり心揺さぶられたりする言葉、自然やアウトドアや動物の写真、ネイルアートといった美容関連、面白いネタ、食べ物、レシピ、インテリア、アートなどの画像だ。

そして、今回このプロダクトは次のステージに進んだ。今あるソーシャルサービスに留まらず、モバイルでプライベートメッセージを送る機能を実装することで、より大きいトレンドになることを考えた。

Postcards機能では、We Heart Itのユーザーが、アプリ内の何万もの画像を使って、他のユーザーにプライベートメッセージを送ることができる。これによりユーザーを惹き付け、頻繁にこのアプリが利用されることを企業側は期待している。

「この機能により、We Heart Itの使用状況や使用時間の幅が増すと考えています」。We Heart Itの代表のDave Williamsはそう話した。彼は、若い女子の間で人気があるのをとても嬉しく思うと話し、そのユーザー層が求める機能を提供していきたいと語った。

「Postcardsをローンチしたのは、ユーザーから他のユーザーとコミュニケーションが取りたいという要望があったからです。かといって新たなメッセージアプリを求めているわけでもないのです」と彼は言った。「Postcardsは、今のサービスの中核となる体験に埋め込むようにしました。Postcardはどの画像からでも送ることができます。メッセージ機能を全面に押し出そうということではないのです」と続けた。

この機能の使い方は簡単だ。そして、We Heart Itがいままで提供してきた体験を損なうものでもないのも確かだった。インスピレーションが湧く画像がサービスの中核にあって、メッセージ機能は補足的なものだ。ユーザーがこの機能があることによって、アプリを頻繁に使用することになれば、We Heart Itの価値は高まるだろう。

最近、このスタートアップは彼らのアプリに写真を供給したい企業との契約を進めている。このような企業は、自社のブランドをアプリを使用するユーザー層にアピールしたいと考えている。また彼らは、We Heart Itのメインのフィードと検索結果に自社の写真を表示するプロモーション施策を有料で利用することもできる。このようなプランを既にDisney、Lionsgate/CBS Films、Hollister、Macy’s、Vera Wangなどを含む12社ほどの企業が利用している。

Williamsは、これらの企業との契約内容について詳細は開示しなかったが、それらの多くは「6桁(少なくとも10万ドル)」で「それなりの規模」だったと話した。

初回のトライアル期間を過ぎた後、広告の出稿を希望する企業もあるという。

企業のプロモーションの成果はそのブランドの画像に付いたユーザーからの「ハート率」で計測していると、Williamsは説明した。一人のユーザーが「ハート」を付けると、そのユーザーのフォロワーがその画像を見るようになり、さらに「ハート」が付くのだ。Williamsは、「場合によっては、30%かそれ以上のインプレッションを得ることができる」と話した。

ShakiraTeen VogueStarbucksなどのブランドやセレブの参加も発表され、Postcardsのローンチを飾った。

We Heart Itの新機能は、iOSとAndroidアプリの両方で既に利用することができる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook


お金のないバイオテク・スタートアップのために試験を低費用で代行するTranscripticが広い建物に引っ越した

 

Transcripticはクラウドを利用するバイオテクのラボで、まだ実験段階の薬の試験をロボットなどにより自動化する。このラボは、シリコンバレーの多くのバイオテク企業にとって、重要なプラットホームになっている。

このプラットホームはとくに、Y Combinatorのようなインキュベータ(孵化器)から巣立ったバイオテク企業が重宝している。まだほとんどお金のない連中でも、低料金で、しかも早く、試験結果が得られるからだ。Transcripticは一社あたり2万ドルのクレジットを、Notable LabsやAtomWiseなどYC出身のスタートアップに提供して、シリコンバレーの中に新薬発見産業を育てようとしている。

新薬が市場に出るまでには平均して12年の時間と数十億ドルの費用がかかる、と言われている。Transcripticによると、同社のサービスは科学者たちがリモートで大量のデータを自動化機器(〜ロボット)で生成処理することを可能にし、わずか数日で、かつ低費用で、試験結果を作り出す。新薬の市場化のためにはほかにもいろいろやるべきことがあるが、このラボのおかげで、人の命を救える新薬をよりはやく、より低コストで市場に出すことができる。

こういう、ロボットを利用する試験施設はEmerald Cloud Laboratoryなどほかにもあるが、Transcripticの場合は、高価で従来的な自動化装置を購入するのではなく、ロボットも、それらを動かすコードも、自作だ。このやり方が低コスト化に貢献し、またスケールアップも迅速にできる。

Transcripticは最近、サンフランシスコに近いMenlo Parkの22000平方フィートの施設に引っ越した。これで今後の成長が可能になるし、サービスの内容も多様化できる。本誌TechCrunchは、ファウンダのMax Hodakと一緒に、新しいスペースを見学した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


コロプラが子会社設立で学生特化の投資を始めたので、理由を聞いてきた

昨日報じたとおり、コロプラが学生起業に特化した投資活動を開始する。100%子会社のコロプラネクストを新たに設立し、コロプラ創業メンバーで代表取締役社長の馬場功淳氏がメンター、同副社長の千葉功太郎氏がエバンジェリストとして起業を支援する。

TechCrunch Japanでは早速、新会社代表に就任した山上慎太郎氏、新会社で投資を担当するキャピタリストの緒形仁暁氏、エバンジェリストの千葉功太郎氏の3人に話を聞いた。

左から緒形仁暁氏、山上慎太郎氏、千葉功太郎氏

日本のネット業界の発展のために必要なこと

コロプラネクストの1号ファンドの規模は非公開だが、特別大きいというわけではなく出資額も1社あたり数百万円から多くても1000万円程度という。分類としてはCVC(コーポレートVC)ということになるが、コロプラとしてはキャピタルゲインを狙っているわけでも、事業シナジーを考えた投資をするわけでもないという。投資対象も、代表者が学生であることと、ネットを使った事業を展開していることという2つがあるだけで、ゲーム分野に限らない。

エバンジェリストの千葉氏は「自分の時間の半分を投入する。飛び込んでくる学生起業家には全員会う」と意気込む。年商が500億円を超え、従業員数も500人に迫る伸び盛りのベンチャー企業の副社長として半分の時間を使うというのは、かなりのリソースの割き方だ。なぜそこまでするのか?

「いや、もうこれは業界貢献です。稼ぐという観点でいえば、われわれはゲームを作っていたほうがいいのです。でも、短期的にはそうかもしれなくても、中長期では違うかもしれません。長い目で見ればネット業界に注目が集まらないといけないと思っています。日本のネット業界が発展していくには、われわれのような事業家が次世代の事業家を育てていく、自分たちが得てきた何かを伝えていくというのが大切なんです」

「子を持つ親たちが、自分の子どもに行かせたいと思うような業界にしないといけない。医者とか弁護士とかピアニストとか、そういう職業に就かせるために親は子どもに投資するわけじゃないですか。教育をする。でも、プログラマにしようとか、ネットサービスを作れるようにしようとか、起業家にしようとか、そういう人って今のところ多くないですよね」

「起業家がうまくいって、若くしてしっかりと利益もだし、社会に必要だと思われる会社を作る。良い人材が活躍して、そういうストーリーが出てこないと、ネット業界が変わっていかない。コロプラネクストでは、そこを応援したい」

コロプラネクストは内部的なKPIを持ってはいるものの、目指しているのは数ではなく、「スター」と呼べるような人材の輩出。3〜5年でスター的な起業家が2、3人も出てくれば、という。これまでネット業界は、ITバブルやライブドア・ショックなどで否定的イメージで捉えられることもあったが、「2000年代前半のITイメージと違う、その次となるITのイメージを作っていかないといけない」と千葉氏は言う。

すでにコロプラネクストで投資を検討している会社は数社あるといい、4月にも発表予定だ。事業計画アドバイス、設立事務のサポート、オフィス活用、プロダクトアドバイス、定期面談、学生起業家コミュニティのための勉強会・懇親会の開催などを通して支援していく。

千葉氏は、今までも非常に多くの起業家志望の学生に会ってきているが、起業を推めづらいもどかしさもあったそうだ。「かつて起業したら、というアドバイスをしてしまったことがあるんですが、人事から怒られました(笑)。この人は起業したほうがいいと心底思ったとしても、これまでならコロプラに来たらというべき立場でしたからね」。

千葉氏は、これまで20年近くに渡って自分と同世代や後進にあたる世代で、多くの起業家志望の学生たちを見てきた。起業で成功した人もいれば、そうでない人もいて、そこの目利きができるという。

支援することで成功率を上げたい

たくさんの学生に会ってきたという意味では、コロプラネクストで「キャピタリスト」との肩書きで活動を開始した緒形仁暁氏も同じだ。もともとは前職ではスタートアップ企業の採用担当をしていたことから、むしろ千葉氏よりも学生に会っているという。

「1年で1000人以上というペースで、これまで起業に興味があるような学生たちに会ってきました。ただ、その後を見てみると、意外に就職していることが多いのです。9割ぐらいでしょうか、ほとんどです。それで話を聞いてみると、ささいなところで躓いていたりするんですね。財務の知識がなかったとか、仲間と喧嘩したとか。こうしたところでは支援できることがあると思っています。やるなら成功率を上げたいんですよね。知識があるかないか、ゴールが描けてるかどうかで最終的に全然違ってきますから。成功率を上げれば、もうちょっと面白いことが起きるんじゃないかと思います」

「学生なので視野が狭くなりがちということはあります。事業アイデアも身の回りのことから出てくる。そこはいったん崩すということもやりますが、最終的には事業を選ぶのは本人たちです。起業家が持つ信念とかポリシーを大切にしたいです。だからこそ本気でやる粘りが重要ですね」

山上氏は、大手銀行を経て上場株を中心にアセットマネジメントを行う会社にいて新興企業を見てきた人物だ。2000年にさんざん持ち上げられた後にITバブルが来て、「ほら、言わんこっちゃない」と叩かれた時期を見てきた。「あれから15年が経って、ネット業界も認知が上がってきたなと思います。波がありつつも、存在感が大きくなってきている。時間とともに社会にも受け入れられていくと思っています」

2015年の現在の日本のスタートアップ業界は資金供給過多ではないか、という見方もあるが、学生向けについては、そうでもないと山上氏。

「学生相手というのは手間がかかります。だから逆に真空地帯というかスイートスポットになっていたのかなと思います。ほかのVCはやりませんよね。でも、(コロプラ創業社長の)馬場がエンジニアなので、そういう視点でも見れるのが強いと思っています」

TechCrunch Japanを読んでいる学生諸君! プロトタイプも事業プランも、何もない状態でも会って話を聞いてくれるそうだから、起業に興味がある人は、コロプラネクストのページから申し込んでみては。


gumi、100人規模の希望退職者募集へ、ブラウザゲーム2タイトルはマイネットに移管

業績の下方修正、韓国子会社での横領など厳しいニュースの続くgumi。同社は3月27日開催の取締役会で希望退職者の募集について決議したと発表した。

gumiの発表によると、同社はブラウザゲームからネイティブアプリへと主軸のサービスを転換(2015年4月期第3四半期累計でブラウザゲーム売上が連結売上高全体の9.3%にまで低下)しているが、一部でスキルセットの転換や配置換えが遅れているケースもあったため、これを機に他社への転進等を求める社員に対する選択肢として、希望退職を募集することを決定したという。

対象とするのはgumiおよびgumi Westの全社員で、募集する人員は100人程度。2015年4月期第3四半期決算で発表されたグループ従業員(正社員)数は901人だった。募集期間は3月30日から4月17日までで、退職日は4月30日を予定する。また今回の希望退職制度に応じて退職する従業員については会社都合の退職として扱い、特別退職金を支給する。希望者には再就職支援会社を通じた再就職支援を行うとしている。

gumiでは、今回の退職者募集に伴い発生する費用や業績への影響等について、確定次第速やかに開示するとしている。

あわせてgumiでは、ブラウザゲームタイトルの「ドラゴンジェネシス」および「幻獣姫」について、マイネットへの運営移管を行う旨の発表もしている。


「5円チョコが売れないECを変えたい」BASEとWebPayの創業者が語る”決済の未来”

スタートアップ業界を取り巻く旬のキーワードを読み解くイベント「TechCrunch School」。3月24日には、オンラインでの売買に欠かせない「決済」をテーマに、先日LINEの傘下に入った、クレジットカード決済機能を組み込める開発者向けサービス「WebPay」創業者の久保渓氏と、近日中に新たな決済サービス「PAY.JP」の提供を表明している、BASE創業者の鶴岡裕太氏が登場した。

2人をリクルートホールディングスが東京・渋谷に開設した会員制スペース「TECH LAB PAAK」に招き、TechCrunch Japanの増田覚が司会を務め、オンラインにおける決済という処理が抱える課題について語ってもらった。

LINEの買収で何が変わる?

久保氏は、API形式でクレジットカード決済機能を提供し、開発者がサイトやアプリなどに簡単に決済機能を組み込めるようにするサービス、WebPayを2013年5月に立ち上げ、提供してきた。

同社は2015年2月、モバイル送金・決済サービスを提供する「LINE Pay」を通じてLINEに買収されることを発表した。スマートフォンでの購入の広がりという大きなうねりにチャンスを見出していることが、買収に同意した大きな理由だったという。

現に、久保氏が会場で「スマホでものを買ったことのない人は?」と尋ねたところ、ほぼゼロという結果だった。「僕自身もそうだけれど、机に座っていて目の前にPCがあるのに、なぜかスマホでものを買ったりする。これって大きな習慣の変化だと思う」(久保氏)。検索などに時間のかかるPCに比べ、スマホは導線が短く、楽で、リアルタイムな購買体験を提供できる可能性がある。そこに、LINEと組む意味があると考えているそうだ。

「WebPayとLINE Payが組んで何が変わるの?」という率直な質問に対し、久保氏は「世界が変わります」と答えた。

「これまで、ものを買う行為って、土日など時間のあるときにやっていた。それが、スマホの決済が変わることで、空き時間、ほんの30秒あれば買うといったことが可能になる。決済という行為が、ストレスなく、リアルタイムで一瞬で終わるような世界を目指しています。安全で、ユーザー自身が意識して渡すと同意したとき以外は個人情報を渡さないという、エンドユーザーにとって理想的な世界の中で、モノやサービスを享受する体験ができる世界というのが、LINE PAYの提供する価値」(久保氏)。

これまで通り、開発者向けのWebPayも継続していく。ただ、WebPayがどちらかというとものやサービスを提供するマーチャント、サービス事業者向けのサービスだったのに対し、LINE Payではコンシューマーの視点に重点を置くことになる。

「決済がインフラだけで満足してもらう時代って、2014年で終わったと思っています。使いやすさや便利さも含め、使ってくれているサービス事業者の売り上げにどれだけ貢献できるかが決済事業者にも求められる時代です。マーチャントを向いて商売するだけでなく、一般のコンシューマーも見てサービスを提供していかなくてはならない。購買行動を全て設計するのが決済事業者」と久保氏。LINEが抱えるユーザーベースを基に、その人たちが買いたいものを最も買いやすく、心地よい導線を設計して、欲しいときにすぐ買える決済サービスを提供して、売り上げに貢献していきたいという。

ちなみにLINEによる買収の別の効果が、「門前払いがなくなりました」(久保氏)ということ。ある会社と新たにパートナーとなりたい、話をしたい、という時に、相手側も積極的に高いモチベーションで関わってくれるようになったそうだ。

「決済はうまみのないビジネス」

一方、「PAY.JP」の名称で決済ビジネスへの参入を表明した鶴岡氏だが、意外にも「決済って、あまりうまみのないビジネス。ビジネス的なうまみという観点なら、もっと他にいいビジネスがある」と述べる。

この点には久保氏も賛同する。しっかり、堅牢にやらなければいけないビジネスの性質上、導入までのリードタイムが3カ月程度かかることもざらにあり、「全部、3〜4カ月遅れで数字が出てくる」(同氏)。従って、いわゆるWebのスタートアップの感覚からすれば、決済ビジネスのスピード感は非常にゆっくりなのだそうだ。

「でも、決済業界に対する明確な課題意識があって、その課題を解決するために必要なことをやりたいんだ、という形であれば、カード会社も協力してくれるし、耐えられると思う」(鶴岡氏)。久保氏も、「N年コミットするつもりでやるのかどうかがすごく重要。僕はWebPayをやっていて、資本主義社会の根幹を自分が担えるかもしれない、というくらい、社会に触れ合っている感覚がある。自分たちが資本主義社会のインフラ、プラットフォームとして、社会を一歩前進させるところにコミットしているんだという信念があって、N年がんばろう、というのがあれば、すごくやりがいがある」と述べる。

5円チョコが売れないECサイト

鶴岡氏が抱いているその課題というのは、「今の決済が、過去のオフラインでの決済のプロセス、形式の影響をあまりに受け過ぎていること」だ。

例えば、インターネット上で1つの決済を処理しようとすると、間に非常に多くのプレイヤーが挟まることになる。「僕、これってすっごい無駄だなと思うんですよ。既に、Bitcoinのように二者間で直接お金をやり取りできる手段もあるし、自分の与信枠を与えるというやり取りだってできるのに、そうなっていない。そうした効率の良くない部分をPAY.JPで変えていきたいと思っています」(鶴岡氏)。

究極的には、オフラインの世界と同じような価値の交換スキームをオンラインでも実現するのが同社のミッションだという。

「オフラインだと、モノを売る人と買う人の2者だけで価値の交換が完結するわけですよ。でもひとたびインターネットが間に入るとそうはいかない。今、ECサイトで5円チョコって売れないんですよね。手数料がそれ以上にかかるので。だから、負担なく5円チョコを売れるECサイトができるように……つまり、手数料を誰か事業者が代わりに負担して『無料』にするのではなく、本質的に手数料のないスキームというのを構築できないかと考えています」(鶴岡氏)。

久保氏も、「決済のシステムでは、1980年代の仕組み、下手をすると1970年代後半の仕組みが動いている。そこでは、1つのトランザクションを処理するために原価として5円、10円という手数料がかかってしまい、それ以下にはできないんですよね。『オフラインを引きずっている』ってそういう意味です」と述べた。

「左手にクレカ、右手にスマホなEC体験は20年後に爆笑される」

1990年代、インターネットが広がりECサイトが生まれ始めた時期に、そうした過去のシステムとWebとを無理矢理つなげた仕組みによって、今の決済の仕組みは何とか保っている。とはいえそろそろひずみが来ており、トランザクションの仕組みを2010年代の今の技術に置き換えていくことができれば、原価を引き下げ、コストのかからない決済ができるのではないかと期待しているという。

鶴岡氏は、「今は、左手にクレジットカードを持ち、右手にスマホ持って番号を打ち込んで決済をしていますけど、20年後の人がこの姿を見たら爆笑すると思うんです。いろいろな方法で個人を特定できるこの時代において、オンラインにおいてもクレジットカードというものを使うのがなんかすごく効率が良くないなと思っていて、そういうところで『与信枠』というテーマを追求したいと思っています」と述べた。

これからの決済手段、「一回は多様化」?

決済をめぐるプレイヤーは多様化している。方やApplePayがあり、日本ではSuicaという存在がある他、ID決済の可能性もあるなど混沌とした状況だ。今後、決済手段はますます多様化するのだろうか?

この問いに対し久保氏は「一回は多様化すると思います。WebでさまざまなAPI標準がうわーっと出てきてREST APIに収束したのと同じで、一回は決済も多様化して、どこかでマジョリティが使っている良いものに集約される流れになるのではないか」と述べた。

一方鶴岡氏は、「決済という仕組みの中で、最強の立場にあるのがビザとマスターで、そこが変わらなければ言うほど大きく変わらないと思います。その意味で、これからの10年、20年で、あの立場に立つもの、入れ替わるものが出てくるかどうかが面白いポイントだと思っています」と言う。

取り残された領域にテクノロジの力を、「Airレジ」の取り組み

セッションの後半には、リクルートライフスタイルの執行役員、大宮英紀氏が登場し、POSレジの機能を提供する無料アプリ「Airレジ」について紹介した。2013年11月にリリースされてから、Airレジの導入件数は当初の予定を上回るペースで伸び、今や10万アカウントを突破。クラウド関連サービスとも連携を広げている。

Airレジというアプリをリリースした目的について、大宮氏は「テクノロジや環境が変わっていく中で、取り残されている領域がある、それを変えたいと思って数人で始めた」と振り返る。Airレジというプロダクトを通じて、それと意識することなく、テクノロジをうまく活用できるようにしたかったのだそうだ。

飲食店や小売店鋪、サービス業などの場合、店舗を開くには相応のイニシャルコストが必要になる。同じ金額をPOSレジに投じる代わりに、Airレジでまかない、マーケティングなどほかの部分に力を入れることで、中小企業の成長を後押ししたいという。


日本で大人気のFantasicalがバージョンアップ、カレンダー上のアポイント管理がさらに便利に

Fantasticalの熱狂的なファンのみなさま、お喜び下され! カレンダーにアポイントメントを記入できるこのアプリケーションは、Macのメニューバーの上のボタンをクリックして、ふつうの文章で”Eat pork with Alex at 5pm on Wednesday”(水曜日の午後5時にAlexと豚焼き肉を食べる)とタイプするだけでカレンダーに載ってしまう、というすぐれものだが、このたびシステム…自然言語処理の部分…が大幅に改良されて、より高度なリクエスト”Eat pork with Alex every Tuesday”(毎週火曜日にAlexと豚焼き肉を食べる)とか、リマインダーの”Remind me to eat pork with Alex when I get home”(帰宅したときAlexと豚焼き肉を食べることを思い出させてくれ)などにも対応できるようになった。またユーザは、今後のアポイントメントのすべてをざっと一望できるようになった。

作者のMichael Simmonsは語る: “Fantasticalを始めたときはカレンダーを良くしたいと思った。今度のFantastical 2では、Fantasticalを良くすることに努めた”。

デザインも一新され、全アポイント一望画面とともに、iCalよりも情報密度の高いカレンダー画面が提供される。Simmonsがとくに自慢したいのは、日本語対応の実装で、日本語で入力した文章も、同アプリケーションの自然言語処理で正しく理解される。だから日本語でも、簡単にアポイントを記入できる。


〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

Fantasicalの核心的な機能は、ユーザが文章で書いたアポイントの構文解析だ。入力の中に、「何を」と「いつ」という情報さえあればよい。アプリケーションは文章の各部を解析して、結果をカレンダーの欄に入れる。そのワザを見てると、楽しい。今度のアップデートでは、すべてのアポイントを一覧できる色分けされたカレンダーと、複数のカレンダーがサポートされた。リマインダーは位置を指定できるし、また、複数のカレンダーのうち、今いる位置と関係のないアポイントカレンダーは隠してくれる。

アプリケーション(Mac用)のお値段は1-4つが単価4000円、5-9つが3600円、10以上の大量一括購入が単価3200円だ。ここで買える(日本語ストア)。

Fantasticalは、今やMailboxやSunriseやOutlook for iOSなどで一般的になった自動的な個人情報管理の、さきがけとなったアプリケーションだ。このアプリケーションは細部にひたすら目を向けて、ユーザが必要とするものを、必要とするときに、拾い上げる。それがデスクトップでもモバイルでも変わらない。Simmonsによるとこのアプリケーションはとくに日本で人気があり、もともと日本では、こういう“秘書タイプの”アプリケーションが広く使われているのだ。さて、Alexが塩豚を好きだといいんだけど…。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Facebookの人工知能は、文章や動画の内容を理解して最適なコンテンツをユーザーに届ける


Facebookは、人工知能の研究において目覚ましい進展を見せた。今日のF8カンファレンスでは、CTOのMike Schroepferが、動画や文章の内容や文脈を認識する新しいシステムについて明かした。

二日目のF8では、オープンソースのネイティブアプリの開発ツールReact Nativeや、Aquilaという名の郊外の場所にインターネットを届ける巨大な無人飛行機 を紹介、そしてOculusのMichael Abrashは彼らの錯視の技術を見せながら、仮想現実の未来を切り開くには、ハプティクス(皮膚感覚へのフィードバック)機能の開発が必要であることを説明した。

Facebookは昨日、新しいコンテンツを作成したり、企業と直接チャットすることが可能になる、 Messengerのプラットフォームを発表した。私が先週掲載した スクープ記事の内容が正しかったことが確認できた。

これを見てみよう

この動画AIのプロトタイプは、487種類のスポーツを判別することができる。しかもアイススケートとアイスホッケーのような少ししか違いのない競技も判別することができるのだ。この下の動画では、この技術におけるスポーツの判別の正確性にFacebookが自信を持っていることが分かる。

もう一つのAIは文章を理解し、誰が何を持っているか、あるいはどこに物が置いてあるかなどを理解する。

こちらの動画では、指輪物語の内容を数行にまとめたコンテンツをAIが理解している様子が見て取れる。AIはこのファンタジー小説の予備知識やキャラクターについては知らない。AIはFacebookのMemory Network機能のおかげで、ストーリーの内容についての質問に答えることができる。Facebookは、この技術で「機械は質問に対し、比較的正確な答えを導きだすことができる」と話した。

Facebookは、人工知能や自然言語情報の解析技術に投資を始めていた。昨年、ニューヨーク大学での人工知能開発を行う研究室を設立するために、ディープラーニングの研究で知られるYann LeCunを雇用した。

2015年の初めには、Facebookは、音声での指令を認識する技術を開発しているWit.AIを自社にLanguage Technology Groupを作るために買収した。そのすぐ後には、音声の書き起こし機能を開発していることを明らかにした。これによりユーザーがMessengerを使用する際、音声で録音したメッセージでも、受け取り側は書き起こしたテキストでそれを読むことができる。またFacebookは以前から翻訳システムの開発を行ってきた。これは、違う言語で投稿された投稿やコメントを、ユーザーの第一言語に自動で翻訳して表示する機能だ。

なぜこれがFacebookにとって意味があるのか?

コンテンツの内容を認識することで、関連するユーザーに最適なコンテンツを届けることができるようになるからだ。例えば、あるユーザーはサッカーが好きで野球が嫌いということが分かっていた場合、動画に映されているスポーツを認識することができれば、そのユーザーに興味のある動画のみを提供することができる。

Facebookは、猫の動画を例に出して説明した。インターネットにアップロードされている猫の動画の量は急増しているが、私たちの起きている時間は変わらない。どの動画がそのユーザーにとって最適で意味のあるものかを判別することにより、Facebookは情報のオーバーロードを防ぐことができると話した。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook


FacebookがAndroidデベロッパ向けに便利なオープンソースツール3種をローンチ

今週行われたFacebookのデベロッパカンファレンスF8で発表されたものの多くがiOS関連だったが、今日(米国時間3/26)はAndroidデベロッパ向けに三つのオープンソースのツールがリリースされた。

最初のYear Classと名付けられたライブラリは、ユーザが使っているデバイスの古さ新しさに合わせてデベロッパがアプリの機能を自動的に変えられる。たとえば古いデバイス向けにはアニメーションの方式を変えたり、最新のスマホ向けには美麗な表示機能を有効にしたりする。Year Classは生物個体の出生年別分類を表す“年級”という意味で、CPUのスピードやコアの数、RAMのサイズなどから、ユーザデバイスがどんだけ古いか新しいかを判断する。下図は、各年の代表的な機種だ(もちろんAndroidに限定)。

第二のツールNetwork Connection Classは、同じくClassでも出生年ではなくネットワーク接続のクォリティを表す。たとえばHSPAという言葉は、実際の接続速度を表していない。Facebookによると、HSPAの実効速度には最大で5倍の開き(差)がある。

そこでデベロッパは、このツールを使ってユーザごとの実効速度を知り、アプリの機能を調整できる。Year Classに比べるとセットアップのためのコードが多くなり、また実効速度を知るためには最初にかなりの量のデータを集めなければならない。

第三のツールFrescoは、Androidアプリ用の画像ライブラリだ。とくに、アプリが複数の画像をロードしようとしたときに、巧妙なメモリ管理と画像のストリーミングにより、メモリ不足に陥らないようにする(GIFアニメなんかは、サイズが大きくなりがちだ)。

そのほかこのライブラリには、プレースホルダを表示する機能や、画像をキャッシングする機能がある。技術的な詳細は、ここで読める。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


Instapaper 6.2、速読オプションを追加


betaworks傘下のオフラインリーダーアプリ、Instapaperが、アップデートされ、新たな体験をもたらす機能が追加された。

Instapaper 6.2には、Speed Reader(下のビデオ)機能が加わり、単語が1つずつハイライトされ、集中して効果的な読書体験ができる。またモバイルで高速に記事を保存できるようになった他、iOSのInstapaperアプリに高速確実にく記事を送れる、Instant Sync機能が追加された。

最近Instapaperは、アプリ全体の体験をデザイン改訂し、バージョン6.0を初のフリーミアム版として提供した。それまでのInstapaperは有償モデルで、アプリはApp Storeで3~4ドル、他に毎月の購読料が1ドル必要だった。デザイン変更に伴い付加価値も加わり、Appleのテキスト音声変換を統合してInstapaper記事の読み上げを聞けるようになった。

今日の6.2アップデートでは、Speed Readerの利用は月間10回までが無料で、その先はプレミアムサービスとなる。

Instapaperは2008年1月に、モバイルで保存した記事を後で(オフラインで)読む最初のリーダーの一つとしてデビューした。スタート以来、同アプリはこの分野で激しい競争にさらされ(特にPocket)、2013年4月にbetaworksに買収された。

Instapaper 6.2 Speed Reading from Brian Donohue on Vimeo.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook