変革するメディア業界、Uber vs Google vs Lyft – 米国発Web業界ニュース2月中旬号

2月中旬の米国ウェブ業界ニュースをまとめて。ソーシャルのみならずメディア業界の変化や、コラボレティブエコノミーを代表するライドシェアサービスの激しい主権争いなど。 — SEO Japan


Brian Williams' replacement?

今週のウェブマーケニュースでは、・メディアの象徴が他界 ・ソーシャルの現状を知るためのEブック ・NY Timesのデジタル化 ・House of Cardsがリークの被害に遭う ・死後、誰にFacebookのアカウトを任せますか? ・Twitter、広告をさらに活用する予定 ・収益を独り占めしたいPinterest ・見過ごされがちな最強のツール ・競合者分析のノウハウ ・Flipboardがウェブサイトを公開 ・隠れたプライバシーの脅威 ・世界を変えたYouTubeの軌跡 ・私が利用するツール等の話題を伝える。

それでは、デジタルマーケティング業界に影響を与える重要なリンクをまとめて紹介していく。

毎週、経営者の方々が、最新の変化、レポートする価値のあるアイテム、そして、仕事で役に立つ可能性があるコンテンツを把握することが出来るように、テクノロジー、ソーシャルメディア、モバイル、デジタルコミュニケーション、そして、マーケティング業界の現在のイベントとトレンドに関するリンクを集めて、ニュースレターを提供している。ニュースレターを購読することも可能だ。

また、Flipboardを利用しているなら、This Week in Digital Magazineを購読すると、同じリンクを手に入れることが出来る。

インダストリー

  • デジタルへの転換[以前、私が行った分析はここで見ることが出来る]が引き続きNew York Timesで行われており、広告の買い手側はこの取り組みを前向きにとらえている。とりわけ、規模と品質、さらに、複数の層を持つコンテンツが重要視されている(Digiday)
  • 広告およびマーケティングにおいて革新的な取り組みを行っている10社をチェックしておこう(Fast Company)
  • スポーツに焦点を絞ったYouTubeのコンテンツプロバイダー、Whistle Sportsが2800万ドルの資金を調達し、米国外へとサービスを拡大していく(TechCrunch)
  • SprintやMartha Stewart Omnimediaに続き、Hewlett Packardが年1回のオンラインオンリーのイベントを開催する。コストを低く抑えることが出来るだけでなく、より大勢の参加者を招待することが可能だ。ただし、CEOと顔を合わせる機会が減るため、一部の株主の活動家グループはこの取り組みを問題視している(re/code)
  • ホワイトハウスを舞台にした人気ドラマ、House of Cardsのシーズン 3が今週誤ってNetflixで配信されてしまった。Netflixはすぐに停止したものの、10エピソード目までの要旨は既に記録されてしまっていた。
    • この出来事に対して、@HouseofCards自身が真っ当なリアクションを起こしていた。

    こちらはワシントン。常にリークは起きるものだ。13のエピソードは2月27日に配信される。

    プラットフォーム

    • ソーシャルメディア戦略においてデータに基づいた決定を下し、そして、2014年に頭角を現した新たなイノベーション等、ソーシャルメディアの領域の変化を理解したいなら、SHIFTのThe State of Social 2014(eブック)を参考にすると良いだろう(SHIFT Communications)
    • Facebook
  • Twitter
  • Pinterest
  • FacebookとTwitterで生まれた動画が大きな注目を集めており、このアイテムを活用する方法を理解しておく必要がある(Social Times)
  • Snapchatの画像は魔法のように「消える」のではない — データ自体は追跡可能であり、スクリーンショットを残すことも出来る。あるティーンの少年は、仲間を殺害し、その後、Snapchatに死体と一緒に撮影した自分の写真を投稿した(Pittsburgh Post Gazette)
  • 医師向けのInstagramとYouTubeと言ったところか。アプリが展開されれば、オンライン学習、および、通信診察が発展するはずだ。
  • Medical photo and video apps make online education and medical consultation easier

    コラボレーティブエコノミー

    コンテンツ

    • 大半のマーケッターは、Eメールリストのサイズに不満を持っており、購読者を増やす障害として、コンテンツの関連性と価値を挙げている(eMarketer)
    Marketers' excuses for not growing email
    • ボイスとトーンを同一視するべきではない。リサーチは重要だ。明確で、有益で、フレンドリーなコピーが欠かせない。その他にも「21世紀のウェブコンテンツを書く方法」では様々なアドバイスが提供されている(Contently)
    • コンテンツにはそれぞれ特徴がある。例えば、Facebookでファンと交流する時は、コンテンツによって異なる対応を取る必要がある(Hyperbad Social Media)
    • 既に優れたモバイル体験を確立したFlipboardはウェブサイトを立ち上げた。ウェブ版スクロールボードとも呼べるが、移動しやすいレイアウトが提供されており、また、見つけやすく、シェアしやすいようにコンテンツが並べられ、提示されている。もちろん、このシリーズも見ることが可能だ(GigaOm)

    オーディオ

    • ポッドキャストは、メジャーな存在になったと言える。例えば、評価が高く、記録的なダウンロード数を誇るポッドキャスト番組、Serialは、現実の世界の出来事に影響を与えている。殺人罪で服役中の主人公、アドナン・サイドに不服申し立ての機会が与えられたl(Baltimore Sun)
    • 時間を割く価値のあるポッドキャストを紹介しよう — 一流のデジタルマーケッターが用いるツール、ソフトウェア、そして、プロセスをこっそり教えるSocial Toolkitは一聴の価値がある。
    • 自分でポッドキャストを始めたいなら、このページでポッドキャストの作り方を学んでおこう(Buzz Sprout)

    指標/計測/ビッグデータ

    プライバシー/セキュリティ/法律

    • 注意 – ウェブでシェアした情報は全て見つけることが可能だ

    その他の重要な記事、動画 & オーディオ

    • 2013年12月、広報を務めていたジャスティン・サッコは、投稿したツイートが原因で、人生が180度変わってしまった。この記事を見れば、何が起きたのか、どのように生活に影響を与えたのか、そして、どのように乗り越えたのかが分かる(New York Times)
    • 何らかの戦略を立てているなら、戦略の立案を台無しにする3つの誤解に注意し、体制を整えておくべきだ(HBR)
    • YouTubeは、社会を変える力を持つサイトの一つだ。YouTubeが世界を変えた経緯を取り上げたこの記事は、文化的なインパクト、政治、セレブリティ、ビデオゲーム、学習、そして、広告における影響を検証している(Telegraph)
    • コンテンツマーケティングに着手する際は、キュレーションを薦める。私のキュレーションの秘訣とツールに興味がある方には、Social Toolkitのこのエピソードをチェックしてもらいたい(socialfresh)




    この記事は、Scott Montyに掲載された「This Week in Digital February 13th 2015」を翻訳した内容です。

    記事中で紹介されていたState of Social Media 2014のレポートは読み込んでおきたいですね。メールアドレス登録だけで、PDFファイルをダウンロードできます。 — SEO Japan

    カラーeインクのPebble Time、Kickstarterで半日に650万ドルを集める

    今日(米国時間2/24)の午前本誌は、Pebble Time ― Pebbleの新しいeインクスマートウォッチ ― が、Kickstarterで50万ドルのゴールを、非常識としか思えない17分間で達成したことを報じた。

    通常本誌ではKickstarterキャンペーンの実況はしないが、これは書かないわけにはいかない異常さだ。Pebbleトレインは止まらない。

    キャンペーン開始から9時間後、Kickstarterは〈未だに〉ばかばかしい速さで現金を吸い取っている。現在金額は〈650万ドル〉を超え、同サイトの調達金額歴代トップ5に入った。

    これ以上集めたプロジェクト? Ouyaコンソール(850万ドル)、Oatmealのカードゲーム Exploding Kittens(870万ドル)、初代Pebble(1020万ドル)、そしてCoolestクーラー(1320万ドル)だ。いずれも1ヵ月以上かかってこの合計金額を達成したが、Pebble Timeは〈半日〉でランキング入りした。

    PebbleのKickstarterでの成功の連続は、ちょっとした議論を呼んでおり、クラウドファンディングを利用するには成功しすぎているという批判がある。「まるでビル・ゲイツとマーク・キューバンとウォーレン・バフェットがシアトルの路上で物乞いしているようなもの」とEngadgetのDaniel Cooperは書いている。

    しかし、それは本当にKickstarterが解決すべき問題なのか?どこに線を引くのか?何をもってある会社をKickstarterには成功しすぎていると言うのか?一般大衆の認識?Kickstarterで成功して小売りでも成功したら、古巣に戻ってはいけないのか? それとも、人々に財布で投票させて、Kickstarterを本来以上に美化するのをやめるべきなのか?

    Kickstarterキャンペーンページ
    Pebble Timeの紹介記事(未訳)

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    (翻訳:Nob Takahashi / facebook


    Google、Facebook利用のアプリ・マーケティング・ツールのスタートアップ、Toroを買収

    デベロッパーがFacebook上でアプリをプロモーションするのを助けるツールを提供しているスタートアップのToroが、Googleに買収されたことを発表した

    Toroの共同ファウンダーはAmitt Mahajan、Joel Poloneyで、当初はRed Hot Labsという社名だった。2人はToro以前にMyMiniLifeというFarmVille(後にZyngaが買収)の原型となったゲームを開発している。

    昨年秋にわれわれがMahajanとPoloneyにインタビューしたとき、彼らはモバイル・アプリのデベロッパーがFacebook広告でプロモーションを行うことを助けるツールの開発に取り組んでいることを明かした。このツールは何百種類もの広告を自動的に作成し、テストすることによって誰でも簡単に効果的なキャンペーンができるようになる。

    今回のプレスリリースでToroは「Googleに加わることでわれわれのチームはさらに大きなリソースと流通チャンネルへのアクセスが可能になる。われわれは引き続きデベロッパーの役に立つツールを作るという使命に取り組んでいく」と書いている。

    ToroがGoogleに加わったということは、開発の中心がFacebookから離れるということを意味するのだろうか? そのようだ。Toroは既存の広告キャンペーンについては引き続きサポートしていくとしたものの、新たなキャンペーンについては受付を中止したという。

    買収金額などの詳細は明かされていない。ToroはこれまでにAndreessen Horowitz、Greylock Partners、SV Angel、General Catalyst、Keith Rabois、Chris Dixon、Bill Tai、それにGuitar Heroの共同考案者Charles HuangとKai Huangらの投資家から150万ドル調達している

    私はGoogleにこの情報の確認を求めるメールを送っておいた。

    アップデート:Googleの広報担当者は「ToroはGoogleのモバイル広告チームに参加する」と確認してきた。

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    (翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


    Google、Bloggerプラットフォームからアダルト・コンテツを完全追放へ

    GoogleはBloggerサービスの約款を改定し、これに伴って来月からBlogger利用サイトでのアダルト・コンテンツを完全に禁止すると発表した。

    Bloggerの公式ページによれば、「2015年3月23日以降、ユーザーはヌードおよび性的に露骨な内容の画像、ビデオをBlogger上で公開することができない」という。

    Global Newsは、「Bloggerのユーザーにこの約款の変を伝えるメールが送信された」と伝えている。

    ただしGoogleはアダルト・コンテツを含むページを直接削除することはしない。新約款に違反する既存ブログは3月23日以降、アダルト・コンテンツを削除しない限り、「プライベート」に移されるという。つまり管理者権限を持っていないユーザーに対しては非表示となる。ただし、3月23日以降にアダルト・コンテンツを含むブログを作成した場合は、直接削除されることがあるとGoogleは説明している。

    ただし、若干の例外がある。

    「芸術的、教育的、記録的価値が高く公共の福祉に資すると認められる場合は、ヌード画像が許容される場合がある」ということだ。だがこの恩恵にあずかれる例はあまり多くないと考えた方がよいだろう。

    Bloggerの現行約款では、性的コンテンツは(それが合法であるかぎり)、「アダルト」というタグが付与されて閲覧者に注意を与える。

    Googleは2013年にBloggeにおけるアダルト・コンテンツの商用利用を禁止した。今回はさらに一歩推し進め、アダルト・コンテンツの全面追放となった。

    画像: Shutterstock

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    (翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


    StopLiftは、セルフレジの万引きをリアルタイムで監視する


    もし、Whole Foodsで万引きをしてそれをネットに書いたりしたことのある人は、繰り返す前によく考えた方がいい。Malay KunduのStopLiftというサービスが目を光らせている。

    StopLiftは、カメラと画像認識システムを組み合わせることによって、店のレジ(有人、セルフ共)を監視して、万引きや「スイートハーティング」(店員が共謀して行う窃盗行為)の兆候を見つける。

    Kunduは、MITの修士とハーバードのMBAを持ち、卒業以来の起業家だ。プロジェクトの資金は個人で調達した。

    「当初は自己資金で始め、後に民間投資家から資金を調達した。彼らは小売業に投資をした経験から、〈在庫減耗〉の有害さを知り尽していた」

    アイデアのきっかけは、Walmartにおける「減耗」がチェーン全体で年間10億ドルの損失を与えているという記事を読んでいた時だった。彼は、空港でテロリストを発見するための「リアルタイム顔認識システム」にも関わった。それらを組み合わせることによって、問題解決のためのプロジェクトを複数立ち上げた。

    「在庫減耗のおよそ1/3はビデオに捕えられているが、そのビデオのうち実際に見られているのは1%以下だ」とKunduは言った。「われわれは本格的なビデオ解析によって、レジ係や客による商品の取扱いを分析し、POSデータとリアルタイムで比較する」。

    つまりシステムは、見た物と売れた物を比較する。レジを通過する品物は、カートの下段にあってもチェックされる。データはリアルタイムで分析され、窃盗行為があればマネージャーに通知される。

    同社は現在月間10億ドルの取引きデータを処理しており、リアルタイム監視ではなくデータマイニングを使用するライバルと競っている。これは小さいが魅力的な市場だ。彼らはこの監視技術によってセルフレジシステムを合理化して、小売店の時間と費用を削減しようとしている。つまるところこのシステムの目標は、買い物の楽しみを増やし労力を減らすことにある ― 万引き犯以外にとって。

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    (翻訳:Nob Takahashi / facebook


    広告主200万社のFacebookがiOS向け広告管理アプリをリリース

    今日(米国時間2/24)、Facebookは200万にも及ぶアクテティブ広告主がスマートフォンから広告を管理できるようになるアプリを発表した。 Facebook Ads ManagerはまずiOS版がリリースされた。広告主はこのアプリ内で広告を作成、編集、プレビューし、費用を管理し、効果をモニタするなどができる。また広告に関する各種の通知を受け取ることも可能だ。

    この通知には、広告主の広告が期限や予算限度に近づいているという注意やページの「いいね!」数その他パフォーマンスに関する情報などが含まれる。

    アプリのUIはシンプルだが、アプリ内で初めから終わりまで広告をデザインできる。スマートフォン内、あるいは自分のページ内から写真を選び、広告コピーを書き、スライダーとボタンを操作して想定される広告ターゲットの属性を設定する。

    これに加えて広告主は予算、スケジュールの設定ができる。また必要があれば支払方法の編集も可能だ。

    広告の作成は途中でいったん保存し、後で続きを再開することもできる。

    Facebookは昨年の夏、モバイルウェブサイト版のAds Managerをローンチした。Facebookによれば、このサイトを利用する広告主は月間で80万社に上っているという。モバイルからの広告主の多さから、さらに使い勝手のいい専用アプリの開発となったものだろう。

    今日公開されたアプリはアメリカ専用だが、Facebookによれば数週間の中に世界各国版がリリースされる。Android版も開発中だという。

    この数ヶ月、Facebookは広告ツールの強化に務めてきた。その効果もあって、アメリカとカナダの2億600万人のユーザーからの1人あたり売上を2014年第四四半期に6.64ドルから8.26ドルへ24%も改善することに成功している。この間にユーザー数そのものはほとんど増えていなかった。TechCrunchは以前にも指摘したが、広告ターゲティングの改良によりFacebookはユーザー数の増加割合の25倍のスピードで広告売上を成長させてきた。

    〔日本版〕Facebook Ads ManagerはiTunesプレビューには表示されるが、日本のApp Storeには登録されていない。記事中にもあるように、数週間後の日本版のリリースを待つことになるようだ。

    [原文へ]

    (翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


    ポルシェ、911に搭載する純正のBluetoothナビゲーションシステムを販売開始

    クラシックカーに魅力を感じる人は多い。見た目も美しいし、満足感も得られる。ついでながらメンテナンス費用も一級品だ。ただ、時代を経た味わいを感じさせてくれるとはいえ、安全性や利便性の面からいえば最新モデルと比べて見劣りがするのは否めない。ポルシェはこの問題を解決するため、昔ながらのスタイルに最新技術を組み込んだラジオおよびナビゲーションシステムをリリースした。現代社会のいろいろから逃れるためにクラシック・ポルシェを運転しているのだという人意外にとっては、なかなか魅力的なプロダクトとなり得るのではなかろうか。

    このラジオ/ナビゲーションユニットは、ポルシェの1dinスロットにぴったりおさまるようにできている。ポルシェ自家製のプロダクトであるので、Best Buyなどで購入するものとは違って、911の内装にもぴったりフィットするものとなっている。また、BluetoothおよびSDカードスロットも搭載されている。

    昔のプロダクトに新技術を搭載する例として、なかなか魅力的なものになっているように思う。もちろん、911にナビを搭載することを「冒涜的」と考える人もいるのだろう。しかし一方で、まさに待ち望んでいたプロダクトであると考える人もいることだろう。

    ドイツでの販売価格は€1,184となっている。アメリカでも販売されるのかどうかについて、まだ情報が得られていない。

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    (翻訳:Maeda, H


    Twitterの「While You Were Away」、iOS版に続きAndroid版にも登場

    iOSアプリケーションに登場して1ヶ月、「While You Were Away」(見逃した重要なツイートを再提示する機能)がAndroid版にもやってきた

    Twitterが「While You Were Away」の機能を最初にテストし始めたのは昨年秋のことだった。コミュニケーションの「リアルタイム性」で人気を集めてきたTwitterとしては、かなり思い切った変更であると見ることもできる。「While You Were Away」では、見逃したツイートをすべて遡って表示するわけではなく、ツイートの人気具合などから「ベストツイート」を選んで表示するものだ。重要であると見做されたツイートは、アプリケーションを開いた際トップに表示されることとなる。最新のツイートをリアルタイムに見たいと思っている人にとっては、邪魔モノとなるケースもあるかもしれない。

    Twitterのアナウンスに対する反応を見てみれば、フィードを汚すものであり、最新のツイートを見るまでに無駄な労力を強いるものであるという意見も多いようだ。TwitterをFacebook風にしてしまうものだという反対意見もある様子。

    ただし「While You Were Away」機能をオフにすることはできないが、「リアルタイム性」を云々するヘビーユーザーには表示されないものなので、実際上の問題は少ないのかもしれない。Twitterアプリケーションを「たまに」開いてみるような利用者が、この「While You Were Away」の想定利用者であるわけだ。

    TechCrunchのAnthony Haが書いていたように、フィードをあまりチェックしておらずアプリケーションを起動したときやウェブを覗いたときに話が見えなくて困るというような利用者には、便利なものとして受け入れられる可能性もあるだろう(twitter.comにも「While You Were Away」の機能は実装される予定)。あまり熱心でない利用者にも有用性を示すことができれば、株価に悪影響を与えている利用者数の伸び悩みに対する解決策となることも考えられる。

    原文へ

    (翻訳:Maeda, H


    壁などにスマホの画面を投射する電球型ピコプロジェクタBeamはそれ自身がAndroidデバイス

    【抄訳】

    ピコプロジェクタを搭載したスマートフォンは、たとえばSamsung Galaxy Beamのように前からあったが、それはほとんど、客寄せのための小細工だったから、すぐにすたれてしまった。裏面のLEDライトは、スマートフォンをコンサート会場などでトーチのようにも使えるため、定着したようだけど。

    ピコプロジェクタのモバイル搭載は、費用と電池の両方を食うため、ニッチの便利用品にとどまり、大衆化はしなかった。スマートフォン上にプロジェクタが欲しい、という人はあまりいない。でも、スマートフォンが多くの機能で混み合ってくると、少なくとも家では、小さな画面で目を疲れさせたくない、と思うのも人情だ。そこで、画面を一時的に大きくする技術が、歓迎されるかもしれない。

    最近Kickstarterに登場したBeamは、そう信じている。しかもわずか数日で、1000人あまりの支援者から目標額の倍以上の40万ドル強を集めたから、その信念にはある程度普遍性があるようだ。締め切りまで、まだあと1か月あるから、目標額を上げるべきだろう。

    彼らの製品は、上図でお分かりのように、ピコプロジェクタを缶に入れて、ふつうの電球用のねじをつけたものだ。だから、電池寿命の問題は最初からない。ポータブルではないが、でも、家で使うにはこの方が断然便利だ。どっかよそで使うときでも、プロジェクタを使うような場所はたいがい、一般電源のある場所だからね。

    AndroidやiOSのスマートフォンにWi-FiまたはBluetoothで接続し、スマホ上のアプリからコンテンツと操作命令を送る。スマホ以外のBluetoothデバイスでもよい。そのLEDライトを、プロジェクタとして使わないならふつうの電球として使うこともできる。

    解像度は854×480で明るさは100ルーメンだ。もちろん、HDのホームシアター用プロジェクタとしては使えないし、支援者もそれを期待してはいない。

    2ワットのスピーカを内蔵しているが、ご自分のBluetoothスピーカを使ってもよい。内蔵ストレージは8GBだが、目標額が上がれば増えるかもしれない。使っているプロセッサは1.3GHzのデュアルコアだ。最大映写画面サイズは、3メートル(120インチ)と仕様ではなっている。

    アプリはiOS用とAndroid用が提供されているが、プロジェクタ本体はAndroidマシンだ。だから、やる気のあるデベロッパなら、このプロジェクタ用の独自のアプリを作れる。ただしコンテンツの‘空輸’は、Airplay(iOSのみ)やMiracastにすでに対応している。また最初からの提供アプリも、今後の(最終発売までの)アップデートによってさまざまな、「もし〜〜なら〜〜を投射せよ」機能が実装されるようだ。

    【後略】

    [原文へ]
    (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


    初来日のVINEチームにQ&A 日本ユーザーは3カ月で3倍、Twitter動画との住み分け、マネタイズは?

    2周年を迎えた「VINE」のチームが初来日し、日本ユーザーが過去3カ月で3倍に増えていることを明かした。世界でのVINEの1日のループ数は15億回、月間アクティブユーザー数は1億人(アプリとウェブ含む)に上るという。TwitterでVINEを率いるJason Toffらが報道陣からの質問に答える形で、VINEの現状を語った。

    ――日本のユーザーが3カ月で3倍になった要因は?

    正直なところわからないが、理解を深めるために来日した。考えられる要因としては、日本のスマホ浸透率の高さと、通信速度の速さ。特に通信は地下鉄を含めて高速にネット接続できるのが大きい。

    ――Twitterの「30秒動画」との住み分けは?

    TwitterとVINEは目的が違う。Twitterについては「今この瞬間」のリアルタイム性が重視。一方、VINEは物語性がある。フォーマットも違う。世界は広いので両者が共存できるスペースはある。

    ――Instagramにユーザーを奪われない?

    心配していない。VINEはエンタメを提供している。Instagramは、個人的な出来事を友達と共有するために使っている。VINEもそういった要素はあるが、少人数が大勢にエンタメ作品を発信している部分がある。

    ご飯を食べるときに、1つのレストランだけで事足りる人はいない。動画関連プロダクトは増えているが、それと同じことが言える。VINEチームにもInstagramを使っている人がいる。

    ――日本ではVINEでの著作権違反はどう対応してる?

    コンテンツオーナーから、違法アップロードされていると報告があった場合、確認し次第削除している。米国ではメディアが、VINEにコンテンツを提供する例もある。

    ――広告展開やマネタイズはどう考えている?

    模索はしているが、現時点で発表の予定はない。今はクリエイターの満足度を高めることに注力しているし、Twitterも寛大でそれを認めてくれている。

    ――VINE発のスターをサポートしているというが、具体的には何をしている?

    まだ始めたばかりで、特定のVINEスターにリーチしはじめたところ。試みとしては、VINE発のスターたちとイベントを共催している。そうすることで彼や彼女らも、VINEに後押しされる感覚を持ってもらえる。VINEには5人からなるキュレーターチームがいて、VINEのスターの卵を発掘して、「オススメ動画」としてプッシュしている。


    デベロッパのためのWebRTCサービスAPI集Respokeは接続管理機能も提供

    オープンソースのPBXソフトウェアAsteriskで人気のDigiumが今日(米国時間2/23)、デベロッパのためにWebRTCサービスのバックエンド(API集)を提供するRespokeを立ち上げた。Respokeは、類似のサービスBistriやTelefonicaのTokBoxなどの仲間だ。いずれも、デベロッパのためにWebRTCによる通信/コミュニケーションプラットホームを提供している。

    RespokeのAPIを使ってデベロッパは、ビデオ通話、リアルタイムチャット、画面共有などの機能を自分のアプリケーションに加えられる。今はWebで使うためのJavaScriptライブラリとREST APIを提供しているが、今春内にAndroidとiOSのSDKも提供する。Internet ExplorerとSafariは現在、WebRTCをサポートしていないが、Respokeはそれらのためのプラグインをリリースする予定だ。

    WebRTCは優れた技術だが、現状では1対1のピアツーピア通信が中心だ。そのような直接接続は、ファイヤーウォールやネットワークの構成によって妨害されることもある。そこで、Respokeのようなバックエンドサービスの出番になる。それらのサービスは、上記のような問題をメディアリレーを使って回避するだけでなく、WebRTCの規格にないログイン認証やアイデンティティ、プレゼンスなどの管理機能も提供する。デベロッパがコミュニケーションのアプリケーションを作ろうとすると、どうしてもそれらの機能が欲しくなるからだ。

    Respokeを使うとデベロッパは、アプリケーションのユーザに電話との通話もさせられる。つまり同社の伝統は電話技術だから、Asteriskベースの電話システムを容易に統合できるのだ。

    Digiumの社内スタートアッププロジェクトRespokeは、数か月かかって孵化した。数か月前にベータに入り、その後、そのフィードバックで求められた、入呼起呼の処理(電話通話)、画面共有などの機能を実装した。

    Respokeの料金は、ユーザが望む並行接続の最大数、メディアリレーの帯域、電話番号の数と電話使用時間で決められる。5つの並行接続でメディアリレイが5GBの帯域までは、無料だ。有料プランは月額50ドル(50接続、帯域50GB、電話番号1、通話時間500分)から始まる。

    [原文へ]
    (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


    TechCrunch School第7回は3月9日開催-テーマは「CTOというキャリアを考える」

    2014年1月から不定期で開催しているイベント「TechCrunch School」では、これまでに「学生の起業」、「スタートアップのマーケティング」、「大企業からのスピンアウト」、「IoT」、「シェアリングエコノミー」などのテーマでセッションを繰り広げてきた。7回目の開催となる次回は、3月9日月曜日午後7時から「CTOというキャリアを考える」というテーマで開催する。参加は無料で、本日よりこちらで参加登録を受け付けている。

    会場となる「TECH LAB PAAK」

    テック系のスタートアップに欠かせないエンジニアリングチーム。このエンジニア集団をリードし、ときにはゼロから1人でチームを作り上げるのがCTOだ。会社が成長した暁には、経営陣の1人として技術面から多くの経営判断に加わりつつ、同時にコードを書き続けることも珍しくない。

    日本でスタートアップ企業が多く誕生しつつある今、CTOという役職が注目されつつある。今後、あらゆる業種においてソフトウェアの果たす役割が大きくなっていくだろうから、この傾向はますます加速するだろう。外部から「ソリューション」を調達したり、開発を外部へ委託する情報部門やCIOではなく、自らビジネスのコアになるシステムやアプリを作り出すチーム体制への移行が時代背景としてあると思う。

    そう考えると、エンジニアとしてのキャリアを考える上で「CTO」というのは何もスタートアップ企業やネット企業だけに限った話ではなくなってくるのだろう。CTOとしてキャリアを積み、複数のスタートアップの立ち上げに携わる「シリアルCTO」というキャリア形成も増えつつあるように見える。

    グリー、クックパッド、トレタのCTOが登壇

    3月のTechCrunch Schoolでは、CTOというキャリアに焦点をあてて、経験豊富な注目CTOたちに、ざっくばらんにエンジニアリング、経営、スタートアップというテーマで語っていただこうと思っている。

    登壇者となる3人のCTOは、グリーの藤本真樹氏、クックパッドの舘野祐一氏、トレタの増井雄一郎氏だ。3人ともエンジニアコミュニティでは、よく知られているが、改めて簡単にご紹介したい。

    グリーの藤本CTOは、創業初期から同社プラットフォームを支えてきたCTOだ。マンションの1室からスタートして1000〜2000人規模の組織となる10年間を、CTOという立場で見てきた人は日本では多くないだろう。これまでを振り返りつつ、今後CTOとして取り組んでいきたい領域やチャレンジについて聞いてみたいと思う。クックパッドの舘野祐一CTOは、RubyやJavaScriptのコミュニティでも良く知られたエンジニアで、2010年クックパッドへ入社。技術基盤やビッグデータ基盤の開発、構築を行い、2012年に技術部長、2013年のエンジニア統括マネージャを経て、2014年2月からクックパッド執行役CTOとなった人物だ。経歴から分かる通り、1人のエンジニアからCTOへというキャリアを歩んでる。舘野氏にはエンジニアにとって、マネジメントやビジネスを理解することの意味ということをお聞きしようと思っている。トレタの増井雄一郎CTOは、料理写真共有サービスの「ミイル」の元CTOで、現在は店舗向け予約受け付けサービスのトレタのCTOとして活動している。立ち上げ期のスタートアップ企業に関わるエンジニアという視点から話を聞ければと思う。

    今回の会場は東京・渋谷の「TECH LAB PAAK」

    さて、これまでTechCrunch Schoolは基本的にTechCrunchのオフィスが入居している東京・末広町の3331 Arts Chiyodaで開催していたが、今回は前回同様にリクルートホールディングスが東京・渋谷に開設したばかりの会員制スペース「TECH LAB PAAK」で開催する。

    TECH LAB PAAKは入会審査ありの会員制だが、施設自体は会員であれば無料で利用できる。会員になれるのは「スペースを通じてみずからの持つスキルを深めたり、情報共有したりしたい」「技術やアルゴリズムの研究・開発に取り組んでおり、コラボレーションして発展させたい」といった思いを持つ個人やチームで、同社が定期的に開催する審査に通過する必要がある。リクルートホールディングスいわく、「本気でテクノロジーで世界をよくしたいと思っている」「イノベーションを起こすスキルを持ちながら、リソースが不足している」という人の応募を待っているとのこと。当日はその辺り話もRecruit Institute of Technology戦略統括室 室長の麻生要一氏からお話いただける予定だ。

    TechCrunch School #7
    「CTOというキャリアを考える」

    【開催日時】 3月9日(月曜日) 18時開場、19時開始
    【会場】 東京・渋谷 TECH LAB PAAK (地図)
    【定員】 80名程度
    【参加費】 無料
    【参加資格】 CTOもしくはCTOに準じるエンジニア、もしくは今後CTOを目指したいエンジニア
    【ハッシュタグ】#tcschool
    【主催】 AOLオンラインジャパン
    【内容】
    19:00〜19:05 TechCrunch Japan 挨拶
    19:05〜20:05 パネルセッション「CTOというキャリアを考える」
    パネリスト
    藤本真樹氏(グリー株式会社 取締役 執行役員常務 最高技術責任者)
    舘野祐一氏(クックパッド株式会社 執行役 最高技術責任者)
    増井雄一郎氏(株式会社トレタCTO)
    モデレーター
    西村賢(TechCrunch Japan編集長)
    20:05〜20:20 講演セッション「リクルートが考えるオープンイノベーションとその取り組みについて」
    麻生要一氏(Recruit Institute of Technology戦略統括室 室長)
    20:20〜20:30 ブレーク
    20:30〜22:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
    【申し込み】イベントページから事前登録必須
    【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

    ダンスミュージックの無料ストリーミングサービスBeatportは音楽を売るための巧妙な仕掛け

    世界中のDJたちが自分がかける音楽を買っているBeatportで、無料で聴けるのは2分間のサンプルに限られていた。そのBeatportが、無料無制限のストリーミングを開始し、販促を強化しようとしている。ダンスミュージックの無料ストリーミングサービスは今日(米国時間2/23)から、招待制の非公開ベータを始めるが、本誌TechCrunchはその前にちょいと試してみることができた。

    2003年に創業されたBeatportのストアは、DJが自分が使うための電子音楽をHiFiでダウンロードできる。最近ではDJたちとそのファンのためのソーシャルネットワークにもなり、また、リミックスを作るためのステム曲のステム==リミックスのための部材)を見つけるためのプラットホームにもなっている。電子ダンス音楽(electronic dance music, EDM)のコングロマリットSFXに2013年に買収されてから、不採算部門を切り捨てるためのレイオフを何度か行った

    今Beatportは、プロダクトの全面的なオーバーホールに力を入れている。音楽ストアBeatportはBeatport Proになり、Newsは前と同じく電子音楽の人気作家/奏者のアップデートやインタビュー、ビデオなどを提供、今準備中のShowsは、今後のコンサートの予定をスキャンしてカレンダーを作れる。

    新しく始まるストリーミングサービスは、単純にBeatportと呼ばれる。初期ユーザとして招待されたい人は、ここで申し込む

    そのWebインタフェイスは、音楽を閲覧して見つけることに特化し、知ってる曲の検索や再生の機能はない。ホームページには、特集アーチスト、チャート上位者、テーマ別のプレイリスト、編集者のお気に入り、クラブミュージックの名作、などがある。お気に入りマークをつけた曲は、まとめられてあなたのプロフィールに載る。

    どの曲もすぐにストリーミングされ、全曲をBeatportの埋め込みプレーヤーで聴ける。ほかのサイトへ行っても曲は鳴り続ける。ひとつの曲をかけるたびに、その曲が載っているチャートやプレイリスト、アルバムなどもキューに並ぶから、これまでのストリーミングサービスのビッグな欠点がなくなっている…そして、沈黙(音無し)の時間というものがない。

    なお、Beatport Proには曲の完全なジャンル別リストがあるが、無料ストリーミングサービスではジャンル分けは簡単なものしかない。だから、DJのための選曲ツールとしてはやや使いづらいだろう。

    でもBeatportは、全体としてスムーズですっきりしている。競合サイトによくある、中途半端に機能山盛りにするよりも、必要最小限主義を貫いている。意外にもv1インタフェイスで使えるし、そのジャンルもうまく捕捉する。

    Beatportのカタログには、Spotifyで見つからないものもたくさんある。クレジットのはっきりしないトラックやリミックスなどもある。だからSpotifyのような完全に合法的なアプリと、SoundCloudなどのごたごたしたサービスの、法的には灰色(グレーゾーン)の、リミックスなどのロングテールの両者を、橋渡ししている。

    BeatportのストリーミングサービスからBeatport Proのストアへすぐに行って、曲を買う(ダウンロードする)こともできる。つまりストリーミングサービスは、売上につなげるための陳列棚だ。無料で、しかも、広告もない。いわゆる、ロスリーダーである。今の世界でDJたちは、身銭を切って音楽を買う貴重なる少数民族だから、だいじにしてやらないと、いけないのだ。ビットレートが低い(HiFiではない)から、そのままクラブ/ディスコなどで鳴らすのには向いていない。

    Beatportのサンプル〜曲発見機能を利用している電子音楽のミュージシャンはとても多い。音楽というものは、全曲聴いて感動したからお金を出して買う、というパターンが多いから、無料の場面でも、短いサンプルよりは全曲提供が正解である。Beatportの新しいストリーミングサービスは、大衆受けする必要はない。DJにとって曲を見つけるためのベストの場であれば、それで十分だ。Beatportは、スタートアップとしてはとてもうまいやり方で、「有料」と「無料」を調和させている。

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    (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


    Google、Google Appsアカウント用Inboxの招待プログラムを開始


    昨年秋、GoogleはウェブとモバイルのGmail体験の全面的に改訂するInboxを(ゆっくりと)提供し始めた。。未だにサービスは招待制だ(ただし、最近は簡単に招待してもらえる)。そしてこれまで、InboxをGoogle Apps for Workアカウントで使うことはできなかった。それが今日(米国時間2/23)変わる。Googleは、Google Apps for Workの管理者が同サービスのアクセスを要求できる招待プロセスを開始した。

    またしてもGoogleのスタートは遅い。これはアーリーアダプター向けのプログラムとなるもので、既にGoogle Apps for Workを使っている会社の管理者が、Googleにメールで招待状をリクエストしなければならない(inboxforwork@google.com)。招待状が届いたら ― そして会社のInbox利用が有効になったら ― ユーザーは使えるようになる。Googleは招待状の第一群を来月発信する予定。

    ちなみに招待状をリクエストできるのは管理者だけなので、7月31日には近くのシスアドに何か良いことをするのをお忘れなく。

    Googleは、このアーリーアダプタープログラムへの参加を検鼎すべき企業について、Inboxを主たるメールサービストして使用し、従業員がモバイルメールのヘビーユーザーであり、従業員がどのようにサービスを使うかをもっとよく知るために、Googleと協力してユーザー研究をする意志のある会社だと言っている。

    Inboxのゴールは、先週GoogleのAlex Gawleyが私に言ったところによると、人々がどうやって物事を成し遂げるかを常に考え直すことにある。メールの利用は、初期に比べて大きく変わったが、殆どのメールクライアントが未だにこの新しい現実に適応していない。Google自身、Inbox for Workを内部で数ヵ月使ってきており、チームはそこから多くを学んだとGawleyは私に言った。

    Inbox for Workの体験は、最終的には事実上消費者版と区別できなくなるだろう。しかしGawleyは、人々が仕事でメールを利用するやり方は、個人メールとは違うことを認めた。

    Inbox for Workでは、PurchaseおよびSocialのバンドル(Inbox版のフォルダー)を、一般Gmailユーザーほど頻繁には使わない可能性が高い。例えばGawleyによると、Google Appsユーザーは優先受信箱への依存が人よりも高くなる傾向にある。さらに彼は、ユーザーはいつでも独自のフィルターを作ることができるが、Googleとしては、全ユーザーがそのままで最高の体験を得られる解を作りたいと考えていると言った。これを実現するために、Googleは例えば仕事環境における自動メール分類を、どうすれば改善できるかを考えている。

    仕事環境でうまく使えるバンドルを作るには、かなりの手作業が必要になると思われるが、Inboxのスヌーズおよびリマインダー機能は、利用環境によらず、追加設定なしで実にうまく働く。

    「われわれはユーザーから学びたい」とGwaleyは強調した。「われわれのゴールは、この製品に関してみんなと協力関係を作ることだ。昨年終りにInboxを公開した時 ― あれはまだ旅を始まりにすぎなかった」

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    (翻訳:Nob Takahashi / facebook


    2015年にマスターしたい5つのSEOスキル

    久々のサーチエンジンランドの記事は、今年SEOのエキスパートとして生き残っていくために必要な5つのスキルをまとめた記事を。コンテンツマーケティングに押され気味のSEOですが、真のプロフェッショナルとして活躍を続けていくために求められるものとは? — SEO Japan

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    毎年、SEOは進化し、より高度な領域へと姿を変えていく。マーケッターがスキルを改善していくにつれ、検索エンジンは検索製品を改善する。そして、様々な業界のブランドが自然な検索が成長に与える影響を実感するにつれ、控え目な取り組みであったSEOは、マーケティングの領域の一つとして確固たる地位を築くようになった。

    自然な検索の過去と現在

    2014年、あらゆる業界がSEOからメリットを得ていた。この傾向は、2015年に入ってからも続いている。National Retail Federationが実施したこの調査によると、SEOを含む検索マーケティングは、2014年、85%のショッピングサイトにおいて、新しい顧客を獲得する上で最も効果の高い取り組みであったようだ。

    また、他のデータにおいても、自然な検索は、製品やサービスをターゲットの顧客に提示する上で、主要な出発点となることが明らかになっている。Kenshooのデータを参考にすると、大多数の消費者は、旅行を予約する際に最初に検索を行うようだ(レジャー目的の旅行者の58%、そして、出張目的の旅行者の64%)。

    BrightEdge(私が勤める会社)が行った調査では、自然な検索が、分析したほぼ全ての業界において、最大のトラフィックの源であることが分かった。B2Bのマーケッター達は、自然な検索はトラフィックの51%をもたらすと指摘している。

    BrightEdge traffic study by industry

    それでは、現在の勢いを維持するため、SEO業者は何をすればいいのだろうか?そこで今回の投稿では、2015年に、あらゆるマーケッターがマスターするべき5つのSEOの領域を紹介していく。

    1. 戦略をオーディエンスに合わせる & 競合者分析

    ここ数年、SEO業界は、キーワードの意図の理解、および、意図にマッチするマーケティング戦略の分割を大幅にレベルアップしてきた。

    Google アナリティクスでキーワードのデータが提供されなくなり、また、領域としてSEOが進化してきたことを受け、従来型のマーケティングのコンセプトをSEOに統合し、オーディエンスの分割における新たな手法が生まれ始めている。

    量的なデータを検索の需要を生むトピックに結びつけ、オーディエンスの人物像、および、購入プロセスの有益な情報のタイプと組み合わせなければならない。

    また、需要をもたらすトピックに対して、競合者が何をしているのか理解する必要もある。なぜなら、ご存知の通り、検索は片方が利益を得れば、もう片方は必ず減益を出すシステムだからだ。

    要するに、次のタスクを行う上で有効に働くデータを探す必要がある。

    • 関連するマーケットに参入する新たな方法を特定する
    • ターゲットにする新しいキーワードを発見する
    • コンテンツのパフォーマンスのタイプを理解する
    • 競合者が得意とする分野、自分が改善するべき分野を確認する

    進歩的なSEOは、テクニカル、分析、そして、従来のマーケティングを全て網羅する。

    2. コンテンツ & SEOチームを調整する

    SEOの取り組みは、ターゲットのオーディエンス像のために体験を作り出す行為そのものである。だからこそ、SEOを成功させるには、優れたコンテンツと連携する必要があるのだ。時間を割いて、先程説明したステップ 1に従えば、ユーザーを重要視したコンテンツとSEOの調整を行う際のしっかりとした土台を築くことが出来る。

    2014年にContent Marketing Instituteが公表したデータによると、B2BおよびB2Cは、コンテンツマーケティングの主要なパーツとして、ブログの記事とウェブコンテンツの形式でコンテンツを活用しているようだ。

    SEOの関係者の多くは、まずは戦略的なコンテンツに着手し、SEOのベストプラクティスを応用して、メリットとビジビリティ(検索結果でユーザーの視界に入る能力)を高めるのがベストなアプローチだと考えている。一方、パンダ等のGoogleのアルゴリズムは、ユーザーエクスペリエンスと品質のために力を尽くすべきだと示唆している。

    また、独創的なコンテンツとテクニカルなSEOの両立を薦める意見は、確かに理論としては魅力的だが、現実として、多くのブランドが、どの部門やチームが何をすればいいのか、そして、どんな順番で行えばいいのか分からずに苦労している。

    この点は、コンテンツとSEOに関する記事でも取り上げている。この記事では、コンテンツ作成とSEOを担当するチームが協力する体制を裏づける1つのソリューションとして、コンテンツの作成から最適化までの明確なワークフローを策定するアプローチを紹介した。

    Content Optimization

    テクニカルチーム & コンテンツ作成のチームが連携する手立てを決めようと試みているブランドに対して、この記事で指摘した考えに再び言及されてもらう — デジタルマーケティングチームの役割とスキルを全て明らかにして、重複、そして、コンテンツ作成担当スタッフがSEOを学び、SEOのスタッフがコンテンツの作成を学ぶための相互トレーニングの機会を発見すると良い。

    2015年にコンテンツを介してメリットを作り出す取り組みに関しては、Marketing Landに投稿されたこの記事を参考にすると良いだろう。

    3. モバイルSEOを優先する

    数年前から、SEO業界では、ウェブサイト、および、企業はモバイルマーケティング戦略を策定するべきだと言う指摘が行われていた。2015年はモバイルの1年になると言って間違いなさそうだ。

    事実、comScoreによると、デジタルメディアを消化する時間において、モバイルデバイスはデスクトップを既に上回っている。

    5月[2014年]はモバイルが躍進した1ヶ月となった。過去数年間のモバイルメディアの勢いが、いかに強烈であったかを強調する節目を迎えた。モバイルプラットフォーム(スマートフォンとタブレット)が、デジタルメディアを消化する時間において、全体の60%に達したのだ(昨年同時期は50%)。

    SEOにおいては、モバイルサイトの作成は、2015年における強固なSEO計画の中核を成す取り組みだと言える。しかし、構成には注意が必要だ — 昨年、BrightEdgeが実施した調査では、モバイルの構成を誤ると、平均でスマートフォンのトラフィックを68%失うことが明らかになっている。

    また、Googleはレスポンシブデザインを推奨しているものの、マーケティングのニーズを満たすためには、ハイブリッドなアプローチの方が適している可能性がある。

    ちなみに、どんなルートを辿ったとしても、Googleは1秒以内に上半分のコンテンツを読み込むことをサイトに要求している点を忘れないでもらいたい。読み込みに時間がかかると、モバイルの検索結果にマイナスの影響を与える可能性がある。

    4. 役に立つ計測 & レポートを探す

    自然な検索に関する調査資料は、業界としてのパフォーマンスを計測する上で重要だが、ブランド、そして、マーケッターは、結果を計測し、取り組みを定量化し、SEOが予算の分配に値する点を証明することに苦労している。

    2013年、分析スキルを持つマーケッターに対するニーズを記事で取り上げたことがある。事実、2014年にCMOSurvey.orgが行った調査では、調査の参加者の44%が、マーケティングのインパクトを証明する計測指標を持っていないと答えていた。

    この感想は2014年のAdobeの調査でも表れており、マーケティングの資金を投入する場所を考える際、マーケッターの49%はデータではなく、直感に頼ると打ち明けていた。

    ただし、レポートは必ずしも複雑化しているとは限らない。今年は、データのソースを簡素化し、構造化したデータのソースを介して、正しい情報を見出す取り組みに力を入れるべきである。

    つまり、マーケティングの取り組み(その中でも、会社の収益に影響をもたらすもの)を証明する上で紛れもなく重要なKPI(主要業績評価指数)を特定し、複数のデータソースを単一のプラットフォームに取り込み、パフォーマンスにおける真の見解を手に入れる必要がある。

    5. SEOのデータを全てのチームに統合する

    SEOの担当者や担当チームは、他のチームと同じ目標を掲げなければならない。様々なマーケティングを担当するチームが、得た情報をシェアし、複数のチャンネルをまたぐマーケティングを行うために連携すれば、各々で行動を起こす場合と比べて、大幅にパワーアップするはずだ。

    例えば、共生関係を持つ2つのチャンネルとしてSEOとPPCが挙げられる。SEOのデータはPPCにとって有益であり、反対に、PPCのデータはSEOの役に立つ。Google、Kenshoo等のデータは、自然な検索および有料検索がお互いの成果に与える影響を明らかにする。

    2015年、SEOのデータを他のチームとシェアし、マーケティングキャンペーンにおいて連携した取り組みを行う手段を皆さんは用意しているだろうか?

    小さなステップを踏み、最終的にマスターする

    「人生は終わることのない旅」と言う格言はSEOにも当てはまる。

    SEOは、ウェブサイトの一部となり、継続的にブランド(そして、コンテンツ)をより大勢のオーディエンスに提示し、ユーザーにより優しい体験を作り出す能力を改善する。

    1日でSEOをマスターすることは出来ないものの、SEOの各領域で少しずつ前に進むことは可能だ。そうすれば、サイトは改善され、SEOに対する取り組みはより大きなインパクトを与えるようになる。

    この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


    この記事は、Search Engine Landに掲載された「5 Essential SEO Techniques To Master In 2015」を翻訳した内容です。

    SEO単独のスキルというよりは、SEOをいかにウェブマーケティングに統合していくか?というお話でした。実際、実用性や有効性考えても、単体のSEOスキルよりはコンテンツマーケティング含めたウェブマーケティング全体にいかにSEOを融合していけるかということが、はるかに重要と思いますし、SEOのエキスパートに求められているものかと思います。 — SEO Japan

    Microsoft、フィットネス系ウェアラブルのBAND用SDKを発表

    Microsoftがフィットネス系ウェアラブルデバイスであるBandのアップデートを発表した。デバイス上でできることを増やし、また取得データの取り扱いを容易にするためのウェブポータルを構築し、そしてサードパーティーがアプリケーションの開発をできるようにするSDKのリリースを行った。既存アプリケーションのアップデートは、iOS、Android、そしてWindows Phone版のそれぞれについて行われることになっている。

    今回のアップデートにて、Bandに自転車に乗る際に利用するモードが追加された。たとえば「Speed Analysis」や高度記録を行う機能が追加されたのだ。Microsoftによると「利用者からの希望が多かったので機能を追加しました」とのこと。健康目的で自転車に乗る人は多く、自転車モードの実装は好意的に受け入れられることだろう。

    Microsoft Healthの一貫としてウェブ版のダッシュボードが用意され、そこで収集したデータの「Insights」が行えるようになったのも嬉しいところだ。PCでウェブを見る人は減り、さらにウェブコンテンツはアプリケーションに移行してしまったという流れはある。しかしそれでもPCの大きな画面からウェブを利用することで、データを便利に扱えるということはあるだろう。

    そうした数々の変更も十分に魅力的であるとは思うが、もちろん最重要なのはSDKの発表だろう。Bandで利用するアプリケーションが開発できるようになる。興味のある人はこちらビジュアルガイドライン(PDF)を見てみると良いだろう。Microsoft Bandを持っていた頃(Uberだか映画館だかで忘れて失くしてしまった)、こんなに小さなスクリーンにどのようなアプリケーションが登場してくるのだろうと考えていたものだった。思いもよらないようなアプリケーションが登場してくるのではないかと、楽しみな気持ちもある。すぐにもいろいろなアプリケーションが登場してくることだろう。

    Bandの初期出荷台数は非常に少なく、年末には品薄状態となっていた。徐々に供給も安定してきた様子。今回の発表と相まって販売に拍車がかかることになるかどうか、注目していきたいところだ。

    原文へ

    (翻訳:Maeda, H


    Chromebook Pixelの最新バージョンアップ機がもうすぐ発売に

    GoogleのChromebook Pixelを、お好きだったかな? 画面が超高精細で、しかもタッチスクリーン、200ドルや300ドルではなくて、1300ドルのChromebookを作るとこうなる、という製品だった。

    しかも、一回作って終わり、ではなかった。Googleはあれの続編を作っているらしい。

    公式発表はまだないが、GoogleのRenee Niemeがサンディエゴで行われたあるイベントで、ふと漏らした。

    そのときのビデオもあるが、Googleは素早く発禁処分にしてしまった。しかし幸いにもOMG!CHROME!の連中が、スピーチの書き起こしを入手することに成功した。以下は、その、さわりの部分だ:

    “もうすぐ、新しいPixelを出す予定だ。もちろん売るつもりだが、期待していただきたいのは、それが開発プラットホームであること。つまり実際には、概念実証のための製品だ。だから、大量生産はしない。”

    噂は前からあったが、Googleの人がそれを口にしたのはこれが初めてだ。噂では、新型PixelにはType-CのUSBポートがついてるそうだ。リバーシブルなので、プラグの上下左右を差し間違える心配がない。今年はいろんな製品が、実装するだろう。今は、正しく差し替えたつもりでも、逆だった、なんてことがある。あたまにくるね。

    大きながっかりは、Googleがほんの少ししかそれを作らない/売らないらしいこと。Chromebookの売れ線は200ドルから300ドルだ。しかも売れている!。Amazonのラップトップの売れ行きトップテンに、350ドル以下のChromebookが三つも入っている。でも1300ドルもしたら、みんな、そっぽを向くだろう。

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    (翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


    最強AIが人間と切磋琢磨、将棋に続いてバックギャモンとチェスで世界に挑戦するHEROZ

    モバイルゲームのアイテム課金といえば、ほかのプレイヤーより速く何かを達成したいとか、強くなる何かのためにお金を出して優越感や満足感を得るためのものという印象を持っていたのだけど、2009年創業のスタートアップ企業、HEROZ(ヒーローズ)が提供するオンライン将棋対戦「将棋ウォーズ」のちょっと変わった「アイテム」の話を聞いて、こんなマネタイズもあったのかと膝を叩いた。

    「将棋って偶然性がない実力の世界なので、モバイルゲームのようにお金をかければ勝てるわけではないんです。羽生善治名人には勝てません。そこで人工知能(AI)を投入しているんです」

    HEROZの共同創業者で代表取締役の高橋知裕氏によれば、同社が2012年から提供している「将棋ウォーズ」の課金アイテムは、世界最強の人工知能(AI)による「5手分の指し手」なのだという。ユーザーは1回100円で「棋神」と呼ばれるAI搭載の将棋の神キャラを召喚することができる。この棋神が、その局面に合った最良の5手をユーザーに代わって指してくれる。HEROZはゲーム含めた他のエンターテイメント系のアプリ開発経験もあるため、最近のゲームに見られる派手な演出でババーンと最強の手を指してくれる(上の右画面)

    このAIはプロ棋士に勝利した世界最強レベルで、普通の人はもちろん、プロ棋士でも簡単に勝てるようなものではない。

    上達の「お手本」を示す指導役としてのAI

    こう説明すると、なんだ、やっぱり勝つためのチートのようなものかと思うかもしれないが、実は棋神を使うのは1局あたり1、2回というユーザーが多いという。実力勝負の世界なので、AIに代理で打ってもらって勝ったとしても何も嬉しくないからだ。では、なぜユーザーが棋神を呼ぶかというと、それは学びのためだ。

    「勉強でもスポーツでもゲームでもお手本って必要じゃないですか。それと同じです。AIにリアルタイムで教えてもらえるんです。だから棋神が使える将棋ウォーズは、eラーニングも兼ねているんです。ユーザーの方には将棋で強くなりたいっていう人が多くて、ただ単に勝ちたいという人は、そんなにいません」

    「実は初心者よりも上位の人同士のほうが棋神を使います。それは、より局面が難解だからです。上級者ほど感動するみたいですね。なるほど、こういう手があったのか、と」

    ちなみに、棋神が指しているのか人間が指しているのかは対局相手には表面上は分からなくなっているそうだ。

    将棋は1局が平均して100手ぐらいで、双方50手ずつ。終盤で明らかに勝ち目がない局面には棋神は使えないので、このアイテムが使えるのはせいぜい1000円分ぐらいまで。将棋に限らないが、一流のプロに個別指導を受けると1000円などでは済まない。だから、棋神を使うことは将棋ファンのユーザーにしてみれば「安い」のだそう。その局面で打つべき手を教えてもらえる上に、デジタル対局なので後から棋譜を振り返れるというメリットもある。

    最強の将棋プログラムを作る人工知能研究者たち

    「指導者としてのAI」という新たなマネタイズ手法を得た将棋ウォーズだが、これが可能になった背景には、アルゴリズムの改善とコンピューターの高速化があるという。

    コンピューター将棋が初めて人間のプロ棋士に勝ったのは、2012年のこと。チェスで世界チャンピオンのカスパロフがIBMのディープブルーに負けて話題になったのが1997年というのを考えると、割と最近のことだ。

    HEROZには人工知能の研究者として広く知られたプログラマ達がいる。当初インターンとしてHEROZに参画した山本一成氏はその一人で、東京大学将棋部の出身で、山本氏が開発している将棋プログラム「Ponanza」こそが、現役のプロ棋士に勝利した初めての将棋プログラムだ。HEROZ共同創業者の林隆弘氏もアマ将棋の世界選手権で優勝したり、朝日アマ名人戦他で多数全国優勝した経験もあるほどの将棋の指し手。

    アイテム課金の理由が指導にあるとしたら、強くなければ意味がない。もともとオンラインで将棋AIを提供する競合サービスというのはほとんどないそうだが、HEROZがこの分野で「他社には真似ができない」(高橋氏)と胸を張るのは、AIエンジンの開発競争で先頭を走っているという自負があるからだそうだ。

    HEROZの売上規模に占める対戦型ストラテジーゲームの割合は徐々に拡大しており、将棋ウォーズは2014年末に累計1億局の大台を突破。1日の将棋対局数は現在20万局以上という。同時期、AI分野での取り組みが評価されてRed Herring Globalのトップ100にも選出されている。HEROZ自体は、モバイルアプリの売上が大きく拡大し、過去3年間で売上規模が約20倍になったことから日本テクノロジー Fast50で1位を受賞している。

    人間とAIによる切磋琢磨は始まったばかり

    すでに将棋ではプロ棋士が負け始めている。チェスに至っては世界チャンピオンが負けてから10年近くが経過している。将棋もチェスも偶然性がなく、すべての情報がプレイヤーに見えている「完全情報ゲーム」だ。理論的には打つ前から最善手があって、対局前から勝ち負けが決まっている。「解明されてしまったゲーム」に人間は興味を失わないのだろうか?

    そう思ったのは素人のぼくの勘違いで、現状は全く違うらしい。

    人間のチャンピオンが負けてしまうほどAIが強くなることと、盤面の組み合わせ全てを解析しきる「完全解析」は全く意味が異なるという。ゲームとしての完全解析が終わるのは、チェスも将棋もはるか遠い未来のこと。盤面の組み合わせが将棋などよりはるかに少ないオセロでは1960年代にはAIが人間よりも強くなっているが、それでも完全解析にはほど遠い。探索空間が広すぎるのだ。

    オセロは本当にAIが強くなりすぎてしまって、もう対局している人間が「指し手の意味が理解できない神のような手」に思えることが良くあるぐらいだそうだ。これに対してAI将棋では、ときどき人間が想定していない手が繰り出されるものの、そうした手こそが人間とコンピューターとが互いに切磋琢磨して将棋の未探索領域を開拓している現場という。

    「1997年にディープブルーが出てどうなったか。チェスは成長しているんです。コンピューターは人間のプレイヤーが自己を高めるツールにもなっています。プロはコンピューターを使って研究しています。こういう局面だと何が良いかを指し示してくれる」

    「チェスの元世界チャンピオンのカスパロフさんが来日して羽生善治名人とチェスで対戦したとき、両者とも同じことを言っていました。コンピューターが成長して、人間が考えなかった手筋を考えてきたんです。コンピューターと人間が一緒に成長しています。テクノロジーって人類の進化のためにあると思うんです。AIが出ることによって、気付かなかったことが発見できるようになる」

    将棋の世界でも、あるとき森内俊之名人(当時)というトップ棋士が指した新手が、将棋AIが指した手だったと話題になったこともあるという。昔は良いと言われた手筋が、最近になってそうではなかったと分かるようになったのも膨大な棋譜がコンピューターに蓄積、解析できるようになってきたからだという。こうした事情もあってか、むしろ将棋人口は増加傾向にあるという。

    将棋1270万人、バックギャモン3億人、チェス7億人

    HEROZは将棋ウォーズでやってきた「AIを活用したボードゲームのオンライン対戦」を、2014年5月からバックギャモンでも「BackgammonAce」(バックギャモンエース)として提供している。「グローバル風のデザインにして、将棋ウォーズで培ってきたサービス性を入れていく」(高橋氏)といい、すでに世界150カ国以上でプレイされているそうだ。

    将棋はあくまで日本のゲームだ。プレイヤー数は増加傾向にあるといっても1270万人にすぎない。これが囲碁となると5000万〜6000万人のプレイヤーがいる。そして世界最古のボードゲームと言われるバックギャモンは全世界で3億人のプレイヤー、チェスに至っては全世界で7億人がいると言われているそうだ。

    「バックギャモンはトルコ発祥で、中東では地面に描いてやるぐらいだそうです。日本のバックギャモン人口は小さいですが、世界チャンピオンが日本から3人出てきています。チャンピオンはコンピューターが強いところ、先進国から出てくるんです」

    日本から出てきたチャンピオンの1人、望月正行選手とHEROZは1月にスポンサー契約を締結した。この契約は世界展開を考える上でHEROZにとって大きな意味があるという。オンライン対戦はコミュニティでもあるため、強い人がいることが重要だからだ。望月氏は去年から今年の世界ナンバーワンランク。バックギャモン界でモチヅキという日本人を知らない人はいないというくらいに影響力があって、今後オフラインの大会で「グランド・マスター」を創設しようという動きが出てきている中でも望月氏の影響力が大きいのだとか。

    望月氏はコンピューター利用によって強くなったバックギャモンプレイヤーの第1世代といい、その望月氏はブログの中で、面白いことを言っている。

    「コンピューターが強くなると、人間のレベルはどんどん上がると思いますよ。(中略)BOTによって創造的なムーブが増えた。自分の引き出しが増えていった感じ。将棋でもそういうことが今後どんどん出てくるんじゃないか。BOTは創造しているわけじゃないんだけど、固定観念がないから人間にとっては面白い手を指すと思う」

    振り返ってみると、バックギャモンでは2000年代前半には人間がBOTに負け始めていたというものの、人間のプレイヤーのレベルはまだ発展途上にあって、その歩みはコンピューターとともにあるということだ。

    HEROZは強いAIを活用したという以外にも、ゲーミフィケーション的要素を多く取り入れている。

    例えば、バックギャモンには定石のような動きがあって、それぞれに名前が付いているが、それぞれの指し手を初めてプレイヤーが使ったときに、派手な演出で指し手の名前を表示してカードを集めるようになっている。また、これまで良く研究されていなかった、指し手ごとの勝率も表示する。この解析は望月氏のような経験豊富なプレイヤーも驚かせたりもしているそう。

    まだ、HEROZのバックギャモンのユーザー数は数万単位だそうだけど、バックギャモンは市場としても有望と見ているという。というのも、ヨーロッパでは装飾品の一種としてヴィトンやダンヒルがバックギャモンのボードを販売していて、富裕層が嗜んだりするという文化があるからという。

    HEROZは1999年にNECに同期入社した高橋知裕氏と林隆弘氏が独立して2009年に創業。同年、ジャフコ、モバイル・インターネットキャピタル、ジェービィックベンチャーキャピタル、BIGLOBEキャピタルなどから総額1億円の資金を調達している。また、バックギャモンに続いて2014年12月には「CHESS HEROZ」(チェスヒーローズ)というチェスアプリも世界中に提供していて、こちらも今後注目だ。

    以下にバックギャモンアプリのデモと高橋氏自身による説明動画、チェスアプリのデモを貼っておこう。


    コンテンツショック時代を生き抜く最高の方法

    コンテンツショックコンテンツショックへの反論等の記事を紹介してきました。内容については人によって意見あると思いますが、コンテンツマーケティングが単純にコンテンツを作れば良い時代では既になくなっているのもまた事実。コンテンツショックに陥らないためにあなたができることとは? — SEO Japan

    be more human

    ここ数年、幸運にも、世界でも指折りのマーケティングおよびビジネスのエキスパート達と話をする機会を得てきた。多くのことを学んだが、毎日必ず心の中に浮かび上がるのは、ロバート・チャルディーニ博士の一言だ。

    2012年にもこの発言を取り上げたことがあるが、時を重ねるごとに、チャルディーニ博士のアドバイスはより深みを増しているような気がしてならない。

    チャルディーニ博士は、権力および影響力に関しては、世界で最も著名な研究者であり、作家でもある。著書の一つ、影響力の正体: 説得のカラクリを心理学があばくはベストセラー作品である。

    自分の本を書くためにリサーチを行っている時、Return On Influence私はチャルディーニ博士に、大量の情報が存在する世界で、リーダーはどのように注目を集めているのか、と尋ねたことがあった。

    「より人間らしく行動することだ」が、博士の答えであった。

    このデジタルな世界に没頭すればするほど、チャルディーニ博士の指摘の正しさを確信することが出来るようになった。

    最終的に、消費者は、知っている人、信頼している人から製品を購入する。最高の被リンクや巧みに最適化されたコンテンツではない。この競争の激しい世界を勝ち抜くのは、人間らしいコンテンツ、そして、人間らしい会社だと私は思っている。

    人間らしくつながりを持つことで、信頼関係が築かれる。信頼関係から忠誠が生まれる。そして、忠誠は他の何よりも強い影響力を持っている。

    Johnson & Johnsonからアメリカ空軍に至るまで、様々な組織と仕事をする中で、私は「より人間らしく行動すること」を心の中で何度も繰り返すようになっていった。

    • 本気で仕事に取り組む際は、人間らしさこそが最も大事にするポイントなのではないだろうか?
    • 「人間らしさ」は大企業全体に拡大することは出来るのか?そのためには、どうすればよいのか?
    • 人間らしさとプライバシーの尊重の境界線はどこか?この境界線は変化しているのか?
    • 「人間らしさ」は戦略なのか?戦略にするべきなのか?

    このアイデアは、様々な疑問を生む。私は自分自身にとって、そして、デジタルマーケティング業界にとって、「人間らしさ」が何を意味するのか理解しようと試みている。

    最も人間らしい企業が勝つのだろうか?最も人間らしいブログが勝つのだろうか?最も人間らしい人物が勝つのだろうか?私はそう思う。人間らしさこそが、コンテンツショック時代を生き抜くための最高のアプリなのではないだろうか。

    皆さんの意見を聞かせてもらいたい。

    イラストは、Flickrのクリエイティブコモンズの作品、および、Thomasの作品を利用した。


    この記事は、{grow}に掲載された「The best marketing insight I’ve received in the past 5 years」を翻訳した内容です。

    意外な内容に肩透かしを食った印象を持った人も多いかもしれませんが(私自身も正直そうでした)、改めて読み直してみると、確かにそうだと思わせる記事でした。「人間らしさ」、これまた定義が難しい言葉ですが、大量のコンテンツが溢れる今日、究極の差別化につながるキーワードでもある気がします。 — SEO Japan

    この愛すべきロボットは、走るあなたの肩に乗りトマトを食べさせてくれる

    ロボット。彼らは着々と人間の仕事を奪っていく、と人は言う。

    彼らは酒を振舞い、チップをせがまない。

    彼らはニュース記事を書き、特ダネもウィスキーも欲しがらない。
    そして今・・・彼らはあなたの肩に乗り、走るあなたにトマトを食べさせる。世界中の肩乗りトマト給仕は気をつけよう。もうすぐ時代遅れになる。

    Tomatanを紹介しよう。

    作ったのはカゴメ(おそらく一番わかりやすい説明は、日本のハインツ)。トマトはマラソンランナーが完走するのに役立つかもしれない栄養分を含んでいる、というのが開発のきっかけだった。

    重さ8キロのウェイトを背負う以上に、ランナーの走りを助けるものはない、そうだろ?

    Tomatanは一度にわずか7個しかトマトを保持できないので、ランナーが割り当てられたトマトを早く消費しすぎないようにタイマーを内蔵している。

    さあ次はこれを改造して、肩に乗って私がブログを書いている間にウィスキーを作っくれるロボットが欲しい。究極のマシンだ。

    [via boingboing, video via NowThis]

    [原文へ]

    (翻訳:Nob Takahashi / facebook