エネチェンジがLooopと共同で海外特化の脱炭素エネルギーファンド設立、1000億規模の投資目指す

テクノロジーを活用したエネルギー関連の事業を手がけるENECHANGE(エネチェンジ)は4月21日、太陽光発電システムや電力小売り事業を展開するLooopと共同で海外特化の海外特化型の脱炭素エネルギーファンド「JAPAN ENERGY ファンド」を設立したことを明らかにした。

同ファンドは脱炭素・ESG投資を実施する国内外の投資家の協力を受けながら、投資総額1000億円規模を目指す計画。2019年12月に組成した第1号ファンドでは1億米ドル(110億円規模)での展開を予定していて、運営はENECHANGEとLooopがJapan Energy Capitalを介して共同で行う。LPには2社に加えて大和エナジー・インフラ、北陸電力が参画を決めた。

ENECHANGEとしてはデータ解析技術を持つエネルギーテック企業として、海外の再生可能エネルギー領域により深く進出していく計画だ。

ENECHANGE代表取締役会長兼CEOの城口洋平氏によると、今回のファンドは「日本企業による海外への脱炭素エネルギー投資促進」を通じて、持続可能な社会の実現へ向けた取り組みを推進するのが目的だ。

特にエマージング諸国(新興国)は先進国と比べてプレイヤーが少なく、テクノロジーの活用によって発電量や収益性向上を見込める余地も大きい。そのような背景からトルコやヨルダンなど新興国での展開を中心としたファンドの立ち上げを決めたようだ。

本ファンドは具体的に2つのプロジェクトで構成される。1つが新興国の再生可能エネルギー事業へ投資をする「JEF Renewables」。もう1つが電力ビジネスの先進国である欧米諸国などに拠点を置くエネルギー系スタートアップへ投資する「JEF Ventures」だ。

メインとなるのは前者。エネルギー自給率が低く再生可能エネルギーによるインフラ開発の必要性が高い新興国で稼働中の再生可能エネルギー発電所(太陽光発電所など)に対し、日本政府や現地政府、地元事業者と連携して投資をする。

城口氏によると新興国の発電所に関しては運営や管理が不十分なことから、発電量や収益性などの観点で本来のポテンシャルを発揮できていないところも多いそう。そこにENECHANGEグループが培ってきたデータ解析技術や設備保守点検ノウハウを取り入れバリューアップを行い、売電や再販売によって収益をあげる。

イメージとしては不動産の二次流通に考え方が近く、仕入れてきた中古不動産をリノベーションしてより高い価格で販売するようなものだという。

「センサーを設置してパネルやインバーターなどのデータをリアルタイムで取得し、発電量や日射量、パネル温度などを緻密に解析すると、本来はもっと効率的に運用できる可能性を秘めた発電所がわかる。イギリスやドイツなど一部の先進国ではこのような取り組みが進んでいるが、新興国はまだまだ水準が低い。AIやデータ解析技術を使うことで改善できる余地が大きい」(城口氏)

1号投資案件としてはトルコの太陽光発電所に対して約1000万米ドル(約11億円)を出資し、共同運営権を取得する。この発電所も東京ドーム数個分の大きさのため、人力でくまなく状況をチェックするのは極めて難しく、そこにテクノロジーを活かせるという。

これまでENECHANGEではグループ会社であるSMAP ENERGYの技術を用いてスマートメーターの解析に力を入れてきたが、電力分野においては電力の消費側だけでなく、発電側にもデータを活用できるチャンスがあり市場も大きい。同社としてはその市場に進出していきたいという考えもあるようだ。

「再生可能エネルギー領域ではもともと二次流通市場が存在していなかったところから、徐々にグローバルで市場ができ始めている状況。日本では固定価格買取制度(FIT)があるため現時点で大きな市場ではないものの、2030年代から広がっていくと考えられる。ゆくゆくは日本での事業展開も視野に入れながら事業を作っていきたい」(城口氏)

上述した通りJAPAN ENERGYファンドでは先端技術を有する海外スタートアップへの投資も並行して実施して行く計画。こちらではENECHANGEが運営する欧州エネルギーベンチャー開拓プログラム「Japan Energy Challenge」と連携し、脱炭素技術に関して先行する有望なスタートアップへの投資を通じて、日本国内での脱炭素化に繋がるオープンイノベーションの実現を目指すという。

Y Combinatorが本年夏季からアクセラレーターのクラスを全面的にリモートへ移行

先月はCOVID-19の全国的なアウトブレークで急遽、リモートのデモデーを余儀なくされたY Combinatorが今日(米国時間4/20)、次回は全セッションを完全にリモートで行う、と発表した。

Y CombinatorのCEO Michael Seibel氏は同社のサイトへのポストで、その発表を行なった。そこで彼は、「2020年夏季はリモートで行うと決定した。COVID-19の危機のさなかでは、創業者たちとYCのスタッフの安全が優先されるからである」、と述べている。

2020年夏季を受ける創業者たちは、面接も執務時間も夜の会合もすべてビデオ会議で行う。ということは、まだ発表はないが、彼らのデモデーもリモートになるのだろう。最前のクラスではスタートアップたちが、ステージ上のローンチを今後のデモデーに延ばしてもよい、というオプションを与えられたが、今後それはないだろう。

YCがオンライン化されると当然、創業者としてはクラスの質が気になる。従来、YCのアクセラレーター事業に参加する創業者たちは、15万ドルの資金を得てその見返りに会社の所有権の7%をYCに提供していた。そしてその後は、YCのネットワークやアドバイザー集団にアクセスできるようになる。

Y Combinatorのクラスは、今ではとても大きいが、今回はその形の全体が変わることになる。今度の夏季のサイズはまだ確定していないが、前回は240のスタートアップが参加した。これだけの数にオンラインで対応するためにYCは、スタートアップをグループ化するやり方や、彼らが投資家にプレゼンするやり方などを工夫しなければならない。前回も対面のデモデーがなくなって創業者たちは、このイベントに集まるVCたちの大きな集団に生身の自分を紹介する機会を失った。

先週TechCrunchは、YCが、その比例案分制の投資をやめて、スタートアップへの投資をケースバイケースで行う、と報じた。既存の持ち分に応じての比例的なシード資金やシリーズAの投資は、これまでの同社の伝統だった。

関連記事: Changing policy, Y Combinator cuts its pro rata stake and makes investments case-by-case…Y Combinatorが比例案分制をやめてケースバイケースの投資に移行(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

英政府が新型コロナで苦戦するスタートアップ向けの330億円ファンド新設を発表

英国のテックスタートアップエコシステムからのプレッシャーが高まり、英政府は4月19日に多くの議論を経て「Future Fund(未来ファンド)」を新設する計画を発表した。英国の高成長企業、つまりスタートアップが十分な額の投資を受け、新型コロナウイルス危機の間も存続できるようにする。

まず、政府が税金を財源として合計2億5000万ポンド(約330億円)をBritish Business Bankを通じて新ファンドに拠出する。企業が投資として引き出すには、英国に登記された民間企業であること、民間の投資家から同額かそれ以上のマッチング資金を確保していること、過去5年間に少なくとも25万ポンド(約3300万円)を民間から調達していることが条件だ。「投資」の形式はコンバーチブルローンノート(株式に転換可能だが事前に転換価格が決まっていない貸付金)のようだ。

Future Fundは5月に設立される予定で、要件を満たすスタートアップに政府が12万5000ポンド(約1700万円)から500万ポンド(約6億7000万円)を投資する。ファンドの規模は引き続き「検討中」。つまり、将来もっと多くの税金が投入される可能性があるということだ。申請はまずは9月末まで可能だ。

一方、Future Fundのコンバーチブルローンが実際にどう機能するかについては混乱がある。英財務省の初期計画には「ローンが返済されない場合は株式に転換される」と記載されていたため、次の資金調達ラウンドで強制的に株式に転換されるのではなく企業に借入返済の選択権があると考える人もいる。

しかし批判する向きは、返済オプションがあるなら、英国の納税者はアップサイドはほとんどまたはまったく取れずに、ダウンサイドリスクに全面的にさらされると指摘している。理論的には、すばらしい業績を上げた企業は借入返済を選択する可能性が高く、すばらしくない業績の企業(または何とか破綻を免れている企業)は株式への転換を選択することになる。

簡単にいえばコンバーチブルローンノートは強制転換される方が有利だ。政府は、破綻しないスタートアップの株式を割安で取得し、破綻するスタートアップの株式と価値を相殺できる。

当初の議論がお粗末だったり、政府内で多くの人が返済オプションを主張したりしたにも関わらず、財務省の計画を知る情報筋によると、ありがたいことに、おそらく企業側がかなりのプレミアムを払うような特定の場合を除いて、株式への転換が強制されることになりそうだ。そのプレミアムは「100%返済プレミアム」で、借入が転換されずに返済される場合、納税者は利息も含めると2倍以上のリターンを得ることになる。

筆者は英財務省広報局に正式な説明を求めた。返信があり次第この投稿を更新する。なお、財務省が公表したタームシートで骨子の詳細がわかる。

約1000億円の研究開発支援資金

英政府はFuture Fundとは別に「研究開発を重点的に行う中小企業」を対象とする7億5000万ポンド(約1000億円)の支援も約束した。資金は、Innovate UK(イノベートUK)の助成金と融資に関する既存の制度を通じて提供される。

「国の研究開発助成機関であるInnovate UKは、英国の2500の既存支援先の要望に応じて最大2億ポンド(約270億円)の助成金と融資をすみやかに提供する」と英財務省は述べた。

「既存支援先へのサポートを厚くするため追加で5億5000万ポンド(約730億円)を用意した。また現在Innovate UKの資金を受けていない約1200の企業に対し17万5000ポンド(約2300万円)を提供する」

Innovate UKによる最初の支払いは「5月中旬」までに行われるとのことだ。

画像クレジット:Carlos Delgado / Wikimedia Commons under a CC BY-SA 3.0 license.

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(翻訳:Mizoguchi

フェイスブックが新型コロナアンケートシステムを米国で公開、全世界にも拡大予定

新型コロナウイルス(COVID-19)感染の兆候をモニタするアプリはこれまでも無数に開発されてきたが、今回発表されたFacebookのプロジェクトは影響範囲の広さが桁違いだ。

2020年4月初め、Facebookはカーネギーメロン大学(CMU)のDelphi疫学研究センター(Delphi Epidemiological Research Center)と新型コロナウイルス感染症のモニターに関して提携した。今回、Facebookはこのプロジェクトを全世界に拡大するという。同じく4月上旬から同社は米国のユーザーの一部に対し、新型コロナウイルス感染の自覚症状の有無をCMUの方法により自己チェックしてレポートするよう要請し始めている。これは流行が今後どこに拡大するか政府や医療当局が予測できるようにするプロジェクトだ。

Facebookのプロジェクトの拡大についてはメリーランド大学の研究者が協力する一方、CMUのDelphiチームはすべての研究者がデータを利用できるAPIを開発している。

Facebookは収集した調査データを独自の症候追跡マップに表示する。これにより郡(カウンティ)あるいは担当医療区域ごとに新型コロナウイルス感染症の症状を持つ住民が人口に占める割合を一覧することができる。マップには、新型コロナウイルスとは異なるインフルエンザに対する感染症候も表示される。多くの場所でまだ十分な報告が得られず、能力はまだ限られているが、この調査はウイルス感染拡大のトレンドを示すことで流行を予測可能とすることを目指している。

Delphi COVID-19対策チームの共同責任者、Ryan Tibshirani(ライアン・ティブシラニ)氏「我々が算出したリアルタイムの推定は、新型コロナウイルス流行に関する入手可能な最も確実なデータと高い相関があった。これにより、流行が拡大する可能性が高い地域を数週間前に予測して医療関係者に提供できるようになると確信している」と声明で述べている。

CMU Delphiの調査にオプトインしたFacebookメンバーは咳、発熱、息切れ、または嗅覚の喪失が発生しているかどうかを回答する。これら新型コロナウイルス感染の初期症状であり、治療が必要な重症化の前に現れる可能性が高いため医療関係者にとって重要だ。

CMUが月曜に発表した最初のレポートによれば、 Facebookで収集された新型コロナウイルス感染に関するデータは公衆衛生機関からの確認ずみデータと高い相関があったという。研究チームはCOVIDcastと呼ばれるツールを発表した。これは、新型コロナウイルス関連データを地域別に集約する。 Googleもこの調査に協力を始めているので今週後半にはCOVIDcastはFacebookとGoogle双方のアンケートの結果を統合できる。現在までにFacebookで毎週100万件、Googleのインセンティブ付きアンケートアプリ、GoogleアンケートモニターとAdMobアプリを通じて毎週60万件の近くの回答が得られている。

Washington Postの意見コラムでFacebookのファウンダーであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)はこう書いている。

「全米で郡ごとに正確なデータを取得することは難しい事業だ。そうした厳密なデータを全世界から取得するとなると困難さははるかに大きくなる。しかしFacebookは膨大な人たちに対してアンケートを行う上で極めてユニークな立場にある」。

プライバシーやセキュリティー上の問題で長らく批判されてきたソーシャルメディアは、新型コロナウイルスとの戦いを機に自らの重要性を再認識させようと努力している。ことにネガティブな報道に苦しめられてきたFacebookは医療専門家からの新型コロナウイルス情報をプラットフォームに掲載するなどいち早く対応を開始した。しかしFacebookや他のソーシャルネットワークは、新型コロナウイルスの場合でもデマ火事場泥棒陰謀論に悩まされ続けており、こうしたノイズを運営者が一掃するのは簡単ではないようだ。

【略】

画像クレジット:Angela Weiss / AFP / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ロサンゼルスの新型コロナウイルス抗体保有者は公式感染者数の55倍

南カリフォルニア大学(USC)がロサンゼルス郡公衆衛生局と共同で実施した最新研究で、ロサンゼルス郡人口の2.8~5.6%がCOVID-19(新型コロナウイルス)の抗体をもっていることが示された。これは22万1000~44万2000人の市民が過去に感染していたことを示唆しており、検査によって確認されたよりも最大55倍の人数に上る。これは、感染は以前考えられていたよりもはるかに広がっていると疑っているカリフォルニア州が、短期間に行った2回目の抗体調査であり、ソーシャル・ディスタンス対策を継続する正当な理由でもある。

ロサンゼルス郡の研究結果には、よいニュースもある。もし抗体検査の結果が正確であれば(われわれは現時点で彼らの報告が正しいかどうか確信は持っていない。特に免疫性については)、感染者の致死率は公式診断例のデータよりもずっと低いことになる。USCの研究による抗体検査を通じて計算された感染率は、先週スタンフォード大学が発表したサンタクララ郡の感染率と驚くほど似通っていて、同郡では4万8000~8万1000人が感染から回復したことを示している。

ロサンゼルスの研究が、誤差を考慮した上で郡人口全体に外挿した結果、2.8~5.6%の市民が抗体をもっていることを示しているのに対して、スタンフォード大学の研究では、2.5~4.2%の住民が新型コロナウイルスの抗体をもっているという結果がでている。これらの数値は、検査キットの精度および検査標本の性別年齢層に基づいて補正されている。

いずれの研究論文も相互査読を受けていないので、ある程度疑ってかかる必要がある。しかし、双方の数値の密な近似や、世界で行われた過去の類似研究の結果を踏まえると、新型コロナウイルスの実際の感染数は公表されている数値よりはるかに多いことを示唆していると考えられる。公表数値は通常、診察で確認されたものだけを数えるが、その大部分は中度から重度の症状を示している患者が対象だ。

未検知感染者率の高さは、新型コロナウイルスの脅威が見かけより低いことを意味すると捉えるべきでは決してなく、この新しい情報は、外的症状がないために診察を受けることも隔離や接触者追跡の対象になることもなかった人々からの感染が、誰の予想よりもはるかに多いことを意味しているにすぎない。

これは、ソーシャル・ディスタンス対策がいっそう重要であることを意味している。なぜなら、新型コロナウイルスの潜在保菌者を識別することがこれまで思っていた以上に困難だからだ。感染の特質を理解することは、究極的にはウイルスにさらされる最大の危険を避ける対策の向上に役立つのだろうが、現時点でこの新しい情報からわかっているのは、新型コロナウイルスはわれわれがこれまで理解していたような早期の前兆をみせることなく、はるかに効果的に人々に伝わっている、ということだけだ。

画像クレジット:Kit Karzen https://www.kitkarzen.com/ /

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Wantedlyに「社内報」機能が登場、記事を通じてメンバー間で思いや考えを共有可能に

ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーは4月21日、同サービスの有料プラン利用企業向けの新機能として、自社メンバーに限定して記事を公開できる「社内報」機能のα版をローンチした。

この機能は先月β版を公開した従業員特典サービス「Wantedly Perk」に続くエンゲージメント事業の第二弾という位置付け。Wantedlyの有料プラン利用企業は専用の登録フォームから利用申込み後、無料で利用可能だ。

以前からWantedlyではブログのような形で会社のストーリーやメンバーに関する記事を外部へ発信できる「Feed」機能を提供してきた。今回の社内報機能はこのFeedを拡張し、自社メンバーのみを対象にした記事を作成・公開できるようにしたものだ。

基本的な記事の作成方法はFeed機能と変わらない。Wantedlyの管理画面のメニューからフィードを選択し、社内報を選んでエディタから記事を作成する。公開された記事の見栄えなどもFeedと同様だ。

ウォンテッドリーによると社内報機能の構想自体は以前からあったものの、新型コロナウイルスの影響などを踏まえて予定を大幅に前倒しし、急ピッチで開発を進めてきたとのこと。背景にはリモートワークへの移行により、対面で考えを共有できる機会が減ったことがあるという。

同社では毎週金曜日に全社会議を開催し、経営陣や各部門のメンバーが事業のアップデートや会社の現状、今考えていることなどをメンバーにシェアする機会を設けてきた。現在もオンラインで実施はしているものの、通常時と比べるとメンバーの反応が見えづらかったり、伝えづらかったりする部分も感じていたそう。今回の新機能はそんな状況を改善するためのものでもある。

テキストを通じてメンバー間で思いや考えを気軽に共有できる仕組みを作ることで、リモート環境であってもチーム内のコミュニケーションを促進し、ビジョンやカルチャーの浸透をサポートするのが狙いだ。

今後の追加機能などはα版の反応も見ながら決めていく予定だが、今のところ「いいね!」以外のリアクションやコメントができる機能のほか、社内でのシェアが楽になるSlack連携などを検討しているそう。エンゲージメント事業第一弾のWantedly Perkもβ版リリースから1ヶ月でサービス掲載パートナーが50社を突破するなど出だしは好調とのことで、これらのサービスを通じて従業員の定着やさらなる活躍に向けた支援を強化していきたいという。

国連PS機関がソニーとタッグ、神戸拠点に気候変動への対処に取り組むスタートアップなどを募集

国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)とソニーは4月21日、UNOPSが開催する持続可能な開発目標(SDGs)に取り組むスタートアップ起業やテクノロジー企業を支援する「Global Innovation Challenge」プログラムを通じて協業を開始することを発表した。

本プログラムに選定された企業は、兵庫県神戸市に開設予定のUNOPSのGlobal Innovation Center Japan(グローバル・イノベーション・センター・ジャパン、GIC Japan)に入居し、Sony Startup Acceleration Program(ソニー・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム、SSAP)の育成プログラムにも参加可能で、アイデアの実現に向けたさまざまな支援を得られるのが特徴だ。

募集テーマは「テクノロジーを用いた強靭なインフラを作り、気候変動への対処を強化する」。地域ごとに多様性をもった非構造データである気候や森、海といった資源のデータを、データをセンシングとAI技術で的確に分析し活用することで、迅速な気候変動の対処や豊かな森と海の創出に貢献することを狙うテーマ設定となっている。募集概要は以下のとおり。

  • 募集期間:中央ヨーロッパ時間2020年7月31日24時まで(日本時間2020年8月1日8時まで)
  • 応募方法:UNOPSの応募サイトにて受け付け
  • GIC Japan開設時期:2020年夏以降を予定
  • GIC Japan開設場所:三井住友銀行神戸本部ビル2階(兵庫県神戸市中央区浪花町56)

UNOPSは、デンマーク・コペンハーゲンに本部を置く、プロジェクトサービス(事業運営・実施)に特化した国連機関。世界80か国以上で毎年1000件以上の援助事業を実施している。通常資金(コア予算)に対して各国政府から資金提供を受けず、事業運営の実施のみですべての経費をまかなう完全独立採算の機関で、ほかの国連機関や国際開発金融機関、援助国および被援助国政府などからの依頼に基づき、援助事業のプロジェクト推進を進めている。具体的には、アフガニスタンでの道路舗装や太陽光発電を利用した街灯の敷設、ヨルダン北部では老朽化した配水管を修復して漏水を削減する事業などを進めた。

GIC Japanは、国内外におけるスタートアップを集積・育成と、日本で創出されたSDGs課題解決型サービスが国連を通じて調達に結び付けるインキュベーション施設。グローバルでは神戸が3拠点目となり、2018年1月にカリブ海東部の小アンティル諸島にあるアンティグア・バブーダ、2019年10月に本部のデンマークの隣国であるスウェーデンに開設している。今後は発展途上国を中心にGICの設置を進めていく予定で、すでにモンテネグロ、チュニジアへの設置も決まっている。

SSAPは、2014年にソニーのスタートアップの創出と事業運営を支援するSeed Acceleration Program(シード・アクセラレーション・プログラム)として始まった取り組み。これまでに国内外でソニー社内を中心に750件の新規事業案件を審査し34件を育成し、14件の事業立ち上げを通じて培ってきた経験やノウハウを、スタートアップ支援サービスとして社外にも提供するものだ。2018年12月にはソニー本社オフィス内に、社外の新規事業プロジェクトが入居可能な専用スペースが設置し、社外との連携を強化。2019年2月20日より、名称をSony Startup Acceleration Programに変更している。

なお、SSAPでは本プログラムの応募に向けてアイデアをもう少し整理したい応募者に対して、新規事業を始めるために必要な準備を効率よく進めるための無料のウェブアプリ「StartDash」を提供している。アイデアはあるが何から始めたらいいかわからないという場合に、チェックリスト形式の質問に回答していくだけで事業化に向けた準備を進められる。

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緊急用人工呼吸器のSpiro Waveが米食品医薬品局の認可を取得して新型コロナ需要に応える

新型コロナウイルス(COVID-19)重篤患者の治療に必要な人工呼吸器の不足を補う新規プロジェクトが、米国時間4月20日に大きな節目を達成した。米食品医薬品局(FDA)の緊急時使用認可(EUA)が下りて、同プロジェクトの機器の使用と量産が認められた。「Spiro Wave」(スパイロ・ウェイブ)と呼ばれるそのハードウェアは緊急用の自動人工蘇生器で、1台5000ドル(約54万円)で製造できる。技術者、医師、研究者らからなる開発チームはすでに製造を開始して、介護施設に提供している。

Spiro Waveは、基本的に手動の人工蘇生器の機能を再現する。人工蘇生器は、緊急時に救急患者に手動で人工呼吸を行う持ち運び可能な装置だが、Spiro Waveはその作業を自動化し、かつ従来の手動式と同じタイプのバッグを使うので、機材の供給が容易だ。

Spiro Waveはマサチューセッツ工科大学(MIT)のオープンソースプロジェクトであるE-Vent(イーベント)のプロトタイプデザインを基にしている。E-Ventは新型コロナ危機による機器不足を緩和する位置手段として、MITの研究者らが開発した。Spiro WaveをつくったのはNewlab(ニューラブ)、10XBeta(テンエックス・ベータ)、Boyce Technologies(ボイス・テクノロジーズ)の共同ファウンダーたちからなるチームで、E-Ventのデザインを出発点にすることで、緊急用人口蘇生器の設計と製造をわずか数週間で成し遂げることができた。

製造パートナーのBoyce社は、ニューヨーク市クイーンズ地区にある同社のLong Island City製造工場で、1日に最大500台作ることが目標だといっている。最初の数百台は既に今週からニューヨーク市内の施設に届けられている。同チームは、FDAの医療機器製造許可を取得している海外パートナーを探して製造規模を拡大し、さらに多くの台数を供給することを考えている。

開発チームによると、これは本格的な人工呼吸器を置き換えることものではないという。緊急時の現場で、人工蘇生器で十分だが、手動式では操作者の配置や長期の利用が現実的ではないという場面に使用することで、機材不足を緩和することを目的としている。緊急時使用許可が与えられている他の多くの機材と同様、これは正式なFDA認可を受けた機器や治療方法を完全に置き換えるものではないが、革新的でスケーラブルな解決方法であり、過大な負荷のかかる医療機関における治療レベルに大きな違いをもたらすだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトが新型コロナの元患者に血漿提供の可否を問うボットを開発

新型コロナウイルス(COVID-19)から回復した元患者の血液から取り出す血漿は、世界的パンデミックをコントロールしようと展開されている取り組みの中で、差し当たって活用できる有効な手法となる可能性を秘めている。米食品医薬品局(FDA)はすでに対象となる個人に献血を広く呼びかけている。そして今度はMicrosoft(マイクロソフト)がCoVIg-19 Plasma Alliance(ビル&メリンダ・ゲイツ財団が資金の一部を拠出している)の代理でオンラインスクリーニングツールを構築した。

マイクロソフトが財団のために開発した「CoVIg-19 Plasma Bot」は同社がテクノロジーを駆使して作った新型コロナ関連の最新ボット事例となる。同社が米疾病予防管理センター(CDC)向けに手がけた症状自己チェックサイトは、米国で初期に大規模展開されたものの1つだ。Plasma Botは個人が生物学上、そして健康上、血漿提供の条件に合致するか、個人が貢献したいかどうか、献血センターでの血漿回収に参加できるかどうかを判断するために、いくつかの簡単な質問をする。

新型コロナに感染し、完全に回復した人の血液から分離される液体である回復期血漿の使用は、多くの科学者や研究者が模索している治療方法だ。血漿の使用方法は主に2つある。1つは、予防や素早い回復のための免疫アップを目的に新型コロナ患者やリスクの高い人に直接血漿を注入するというもの。もう1つは高度免疫治療と呼ばれる治療法の開発だ。容易かつ効率的に大規模展開できるかもしれない治療法を開発するために提供された血漿から抗体を集める。

回復期血漿にかかる開発の試験や療法研究で最大のボトルネックが、血漿そのものだ。新型コロナウイルス感染症の元患者で完全に回復し、献血に必要な条件をクリアした人からしか集められない。

新型コロナウイルスを克服するために研究や開発が進められている他の多くの治療法と異なり、回復期血漿は他の呼吸器感染症の治療で既に効果が確かめられており、長く活用されてきた歴史がある。

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(翻訳:Mizoguchi

インドの大手配車プラットフォームOlaが新型コロナ対策で政府に協力

インドが国民を新型コロナウイルス(COVID-19)から守るために緊急体制をとる中、配車サービス大手のOlaが支援に乗り出した。同社テクノロジープラットフォーム機能のうち、リアルタイムの追跡とナビゲーション、そして群衆に対応する機能を連邦政府と州政府に無償で公開する。

すでにパンジャブ州政府と連携しているOlaは、同社のプラットフォームを政府や公共サービス機関のリアルタイムの戦略に役立つよう調整できるとしている。

同社のプラットフォームでは多くの車両と人を追跡でき、人がマスクを着用しているかどうかをセルフィーの写真で確認する機能もある。後者のセルフィーの機能は、Olaでは運転席に座っている人が登録済みのドライバーパートナーかどうかを認証するために使っている。同社は「最高レベルのデータのプライバシーとセキュリティを保証します」と強調している。

Olaによれば、パンジャブ州政府は同社のテクノロジーを使って野菜市場で170万人以上の農業従事者の生産物と車両の動きを追跡管理し、対人距離の基準が確実に守られるようにしているという。

このような機能は州政府にとって有用だろう。地元メディアの報道によると、多くの地域でここ数週間に、野菜市場内や食料品店の外に大勢の人々が集まってしまうことがあったからだ。連邦政府は2020年3月に、全土に対して人の移動を制限する命令を出している。

パンジャブ州では、Olaのプラットフォームは州政府がデジタルの移動許可証を発行するのにも使われている。インド各州の政府は、医療従事者や緊急の業務のために家から出なくてはならない人に対して許可証を発行している。

政府機関のPunjab Mandi Boardの秘書官でガバナンス改革特別秘書官のRavi Bhagat(ラビ・バガット)氏は声明で「現在の危機的状況において、Ola CONNECTSは市民全体の利益のために政府関係者が迅速に展開できる強力なプラットフォームだ」と述べた。

Ola Connectというのが、危機的状況を支援するOlaの最新の取り組みの名前だ。ここ数週間で、同社はドライバーパートナーのリース契約を放棄した。また、新型コロナウイルスの検査で陽性と診断されたドライバーパートナーとその家族に対し、数百ドル(数万円)の支援をすることを明らかにしている。

Olaの共同創業者のPranay Jivrajka(プラネイ・ジブラージカ)氏は声明で「AI、追跡技術、配置とフローの管理にわたるOlaのイノベーションはすべて、CONNECTSプラットフォームに活かされる。我々は国のためにできる限りの方法で尽力する。先頭に立って新型コロナウイルスと戦っている多くの医師、医療従事者、最前線のスタッフのために、このプラットフォームを無償で提供する」と述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

外出禁止の影響でビデオチャットのHousepartyが1カ月で5000万ものサインアップを記録

「フォートナイト」で知られるゲームメーカーのEpic Gamesが2019年に買収した人気のビデオチャットアプリであるHousepartyが新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で大幅な成長を見せている。外出禁止措置のため友達や大切な人と直接会えなくなり、ビデオチャットアプリの需要が突然増えた。アプリストア分析会社のApp Annieによると、アプリのビデオ会議カテゴリーは2020年3月に過去最高を記録した。ただしHousepartyは、これまで数字を公表していなかった。

米国時間4月15日、Housepartyは方針を変えて過去1カ月のサインアップ数が5000万だったことを明らかにした。一部の市場では普段のおよそ70倍になった。

アプリ分析会社のApptopiaのデータによると、ここ数週間でインストール数が急増し、モバイルのダウンロード数も記録的な結果となった。Housepartyは、過去30日間でiOSとAndroidの新規インストールは1720万回と推計している。一方、調査会社のSensor Towerは2800万インストールと推計している。

HousepartyアプリはMacChromeでも利用できるが、これらの数字には含まれていない。

Housepartyによると、需要が増加し多くの市場でモバイルアプリストアのランキングの第1位になったという。

Housepartyは、米国のApp Storeなど82カ国でソーシャルアプリの第1位になった。米国のGoogle Play Storeではソーシャルアプリの第3位になった。

16カ国ではアプリ全体でも第1位になっている。米国のApp StoreとGoogle Play Storeではアプリ全体の第2位に近い結果となった。

同社によれば、ユーザーがこのアプリを使う時間は長く、平均で60分以上会話をしていた。新型コロナウイルスの影響が発生してからは、平均で80分ほどになることもあったという。

Housepartyは溜まり場のように設計されているため、ほかのビデオチャットアプリに比べると主に若年層のユーザーに訴求してきた。まず、Snapchatと統合している。そしてSnapchatと同様に、年齢の高いユーザーが苦手とするジェスチャー主体のナビゲーションを大幅に取り入れている。さらにアプリ内で他の人たちとトリビアや言葉当てゲームも楽しめる。

一方、ZoomやSkype、Google Hangoutsといったビデオチャットアプリのライバルたちは、リモートワーカーや企業向けとして多く使用されていたところに、新たにコンシューマーの使用が増えてきた。そのためこれらのアプリはやや古くさく、「楽しむ」という意図とは距離がある。

とはいうものの、Housepartyは新型コロナウイルス感染拡大を受けて利用が広がり、今はあらゆる年齢や属性の人たちがこのアプリを使っていると同社は述べている。

Housepartyのユーザーは平均23人の友達とつながり、ユーザーの半数近くは会話をしながらゲームをしている。この数字も、同社は以前は明らかにしていなかった(最近すべてのゲームを無料にしたことが利用状況に影響していると思われる)。

これまでずっと米国がHousepartyの最大の市場だったが、App AnnieがHousepartyの成長に関する2020年3月の報告によると、ヨーロッパでの需要が顕著だという。3月21日の週のインストール数は、2019年第4四半期の週あたりの平均インストール数と比較して、イタリアで423倍、スペインで2360倍と急上昇した。新型コロナウイルスの危機が起きる前はスペインなどの市場で広く普及したアプリではなかったことを考えると、驚くべき成長だ。

Housepartyはユーザー数や売上など重要な数字を公開しない傾向があるが、最新の数字を今回公開したのにはさまざまな理由があるようだ。

まずHousepartyは、最近複数のユーザーからソーシャルメディアの投稿を通じてデータ流出を告発されたという困った状況に注目されたくないのかもしれない。ユーザーがTwitterで、Housepartyの自分のユーザーデータがNetflixやSpotifyなどほかのアカウントへのアクセスに使われたと主張した。しかしHousepartyは流出を否定し、さらにソーシャルメディアの投稿が同社のビジネスに損害を与えることを目的とした「お金をもらっている商業活動」の一部であったとさえほのめかしている。同社はこの説を裏付ける証拠に対して100万ドル(約1億700万円)の報奨金を提供するとした。証拠はまだ見つからず、告発の投稿は消えた。

さらに、Housepartyの競合であるZoomはセキュリティとプライバシーに関する多くの問題で最近批判されている。これについてZoomのCEOのEric Yuan(エリック・ユアン)氏は謝罪し、修正すると約束した。当面、HousepartyはZoomの代替を求める人々にアピールして、インストールベースをさらに増やしたいと期待しているかもしれない。

最後に、企業の歴史の中でこれほど規格外の成長を詳しく公表できる場面は、そう何回もない。米国で1億5800万人、世界中で何億人もの人々が家にいるように指示されるとは前代未聞の事態だ。この事態は、ビデオチャットアプリにとっては成長の絶好の機会となっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Uberが小売品や個人の荷物配送サービスも開始、新型コロナによる事業環境の変化に対応

Uberは今週、Uber DirectとUber Connectという2種類の新サービスを導入すると発表した。Directは小売品の配送プラットフォームで、Connectは家族や友人に荷物を送るためのピア・ツー・ピアのパッケージ配送サービスだ。これは、新型コロナウイルスのパンデミックがライドシェアリング事業を抑制し続けているため、既にUber Eatsプラットフォームを食料品に導入しているが、今回の発表はUberが宅配サービスにこれまでで最も積極的に進出することを意味する。

Uberは既に、最前線の労働者に個人用保護具を輸送するプラットフォームの新たな拡張を導入しており、一部の市場ではEatsも食料品に加えて、便利な商品を配送している。DirectとConnectのサービスは、当初は一部の都市で開始される予定だが、その内容は利用する場所によって大きく異なる。例えばニューヨークでは、Cabinetと提携して市販薬の配送を行う一方、ポルトガルでは郵便小包の配送で公共郵便サービスを補完する。

Uber Connectはある人から別の人との間で当日中に連絡を取り合って配送を行うサービスで、同社はこれを介護用品、必需品、ゲーム、その他の日用品を友人や家族に送る方法だとしている。サービスはオーストラリア、メキシコ、アメリカの25以上の都市で開始される。Connectは本質的にはUberの基本的なライドシェアサービスと大差はないが、ドア・ツー・ドアで人を運ぶのではなく、荷物を移動させる。

どちらのサービスも米国時間4月20日から導入されるが、Uberが利用状況を把握し、ユーザーがサービスに何を求めているのかを見極めながら、徐々に進化していくだろう。また、Uber Eatsの利用が急増している一方、一般的なライドシェアサービスの需要が大幅に減少している中で、荷物の配送事業を強化することは、ドライバーの稼働率を高め、さらには収入を継続させることにもつながる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Alibaba Cloudが今後3年間で約3兆円をインフラに追加投資

Alibaba Cloudは米国時間4月20日、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックへの対応に適応し、ビデオ会議やライブストリーミングなどのサービスへの需要が高まっていることから、今後3年間でさらに2000億人民元(約3兆円)を同社のインフラに投資すると発表した。

今回の投資はAlibaba CloudのOS、サーバー、チップの技術を、同社データセンターに拡大することに重点を置いている。Alibaba Cloudは現在、アジア、オーストラリア、中東、ヨーロッパ、米国に63のアベイラビリティゾーンを設けている。

Alibaba Cloud Intelligenceの社長であり、Alibaba(アリババ)グループの最高技術責任者であるJeff Zhang(ジェフ・チャン)氏はプレスリリースで「クラウドインフラストラクチャと基盤技術への投資を増やすことで、世界クラスの信頼性の高いコンピューティングリソースを引き続き提供し、企業のリカバリプロセスのスピードアップを支援するとともに、クラウドベースのインテリジェントソリューションを提供して、パンデミック後の世界におけるデジタルトランスフォーメーションをサポートしていきたいと考えている」と述べている。

アリババは2020年2月に発表した直近の四半期決算報告書では、クラウド部門の収益が62%増の15億ドル(約1600億円)だった。Gartner(ガートナー)によると、Alibaba Cloudはアジア太平洋市場におけるトップのクラウドプロバイダーだという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

フランスの配信サービスMolotovが教育用ビデオを提供

フランスでは3月に学校が休校になった。そこでフランスのスタートアップのMolotovは、自社のテレビ配信サービスを利用して幅広い年齢の子供向けコンテンツを提供する。特に、ビデオや演習などのコンテンツを提供するSchoolMouvと提携する。

Molotov for School」と名付けた新しいセクションから、子供向けのビデオを視聴できる。France 4、Arte、TF1、M6といったフランスのテレビ局の教育関連コンテンツが集められている。

このようなキュレーションの取り組みに加え、ユーザーはSchoolMouvのビデオもアプリから見ることができる。中学と高校のあらゆる科目をカバーする約1000本のレッスンがある。SchoolMouvの利用料金は通常は30ユーロ(約3500円)で、現在は15ユーロ(約1750円)に割引されている。

MolotovはSchoolMouvのビデオを5月15日まで無料で提供する。インタラクティブな演習は利用できないが、SchoolMouvのビデオを2020年5月まですべて視聴できる。クレジットカード情報を入力する必要はない。

さらにMolotovは、歴史上の出来事や科学の話題に関するドキュメンタリーも提供する。保護者は子供が学習についていけるように多くの時間をかけて教員と連絡を取り合っているが、Molotovは忙しい保護者の役に立つかもしれない。

Molotovはこの機に、現在1000万人の登録ユーザーがいることを公表した。2019年、通信・メディア企業のAlticeがMolotovの過半数の株式を取得すると発表した際、Molotovの登録ユーザー数は700万人だった。Alticeは過半数の株式を取得したが、Molotovは独立した企業として事業を継続している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Facebookのゲーム専用アプリがAndroidで2カ月前倒しで公開、iOS版もまもなく

Facebook(フェイスブック)のゲーム専用アプリGamingが、6月リリースの予定を前倒ししてAndroidで使えるようになった。新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックで多くの人が自宅に閉じこもり、エンターテインメントの選択肢を渇望している中で、予定よりも2カ月早く公開された。

ニューヨークタイムズ紙が週末に特ダネとしてこのアプリのリリースを報じた。そこには、Facebookがゲーム開発にかなり投資し、同社のユーザー25億人のうちプラットフォームでゲームをする月間ユーザー数は7億人超に達したと書かれている。ゲーム専用アプリの立ち上げは、これまで専用タブで展開されてきたコンテンツの次なるステップだ。

多くのユーザー獲得が目的であり(当然だ)、ほどなくiOSバージョンも加わる見込みだ(Appleの承認待ち)。「ただ『消費』するだけではなく、インタラクティブで人々をつなげるエンターテインメントだ」とアプリの責任者Fidji Simo (フィドジ・シーモ)氏は話し、「このところの外出禁止でゲームの利用は急増している」とも付け加えた。

Go Liveストリーミング機能があるこのアプリにとって、最大のライバルはTwitchとYouTubeだ。FacebookはすでにLive機能の中に巨大プラッフォームを持っている。Live機能は新型コロナウイルスによる外出禁止が続く中、人とつながる方法を模索する隔離されたユーザーにかなり利用されている。Go Liveでユーザーはゲームを直接自分のFacebookページにストリームして共有することができる。

ライブストリーミングはこのアプリの最大の目玉機能だ。その他にも、友人のアクティビティやカテゴリー別を通じてゲームを探すことができ、チャットプラットフォームも備えている。

このアプリは南米や東南アジアなどでの1年半にわたるテストを経て公開された。差し当たっては広告なしで提供されるが、閲覧者がストリーマーに贈る寄付「スター」の手数料を取ることで収益を上げる計画だ、と同社はニューヨークタイムズ紙に語った。

TwitchやYouTube方式が、Words With Friendなどのカジュアルなゲームによりフォーカスしている従来型のプラットフォームにいかに合わせるかはまだはっきりしていない。専門アプリとして機能を切り離すFacebookの試みのすべてが成功しているわけではないが、世界中で外出が禁止される中でユーザーは新たな形のコンテンツや社会とのつながりを探していて、リリースを早めたことは利用増につながるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi

素晴らしいオンライン体験型コンテンツをビジネスに取りいれた事例

現地での体験をオンライン体験型に変化させたビジネス事例を6つ紹介した。・ディズニーの「Magic Moment」・ニューヨークの街をバーチャル体験「Virtual NYC」・360°バーチャルツアー「EPICアイルランド移民博物館」・インターンシップ体験をオンライン化「PwC」・オンライン体験のプラットフォーム提供「Airbnb(エアビーアンドビー)」・オンラインレストランでのデート体験を機能実装「Dine(ダイン)」ぜひ、実際に体験してみてみなさんのビジネスに応用できないか考えてみて欲しい。

IT最大手のCognizantがランサムウェア攻撃を受けたことが判明

Fortune 500の中で、最大の技術およびコンサルティング会社の1つであるCognizantが、ランサムウェア攻撃を受けたことを認めた。サイト上には事件を知らせる簡単な声明が出されているだけで、まだ詳細は公表されていない。

「Cognizantは、社内システムを巻き込んだセキュリティインシデントの発生を確認しました、このことによって一部の顧客に対するサービスが中断されていますが、これはMazeランサムウェア攻撃によるものです」と声明には示されている。「私たちの内部セキュリティチームは、有名サイバー防衛会社の支援を受けながら、このインシデントを解決するための積極的対策を講じています」。

ニュージャージーに本社を置くこのITの巨人は、法執行機関を顧客としていることを表明している。同社は、80か国以上のクライアントにITコンサルティングを含む幅広いサービスを提供しており、昨年の売上高は168億ドル(約1兆8000億円)にのぼった。数十年の歴史を持つこの会社は、Facebookとの間で、プラットフォーム上のコンテンツ管理支援の契約も結んでいる。Cognizantの従業員数は約29万人で、そのほとんどがインドに居住している。Cognizantの広報担当者であるRichard Lacroix(リチャード・ラクロワ)氏は、声明以上のコメントすることを拒否した。

Mazeは典型的なデータ暗号化ランサムウェアとは異なるものだ。Mazeはネットワーク全体に広がり、その途上にあるすべてのコンピューターに感染して暗号化するだけでなく、身代金のために管理されている攻撃者のサーバー側に被害者のデータを転送してしまう。もし身代金が支払われない場合には、攻撃者はファイルをオンラインで公開する。とはいえ、Maze攻撃者に関連付けられていることが知られているとあるウェブサイトは、Cognizantに関連付けられたデータをまだ公開していない。

FBIは昨年の12月時点で、Maze関連のランサムウェアインシデントの増加を企業向けに非公式に警告していた。その警告以降、サイバー保険会社Chubb、会計大手事務所MNP、そのほかにも法律事務所や石油会社など、いくつかの主要企業がMazeの被害を受けている。

最初に攻撃を報告したBleeping Computerによると、Mazeハッカーたちは一連の攻撃への関与を否定している。

「それはMazeに責任がないという意味ではありません」と、セキュリティ会社Emsisoftの脅威アナリストでランサムウェアの専門家でもあるBrett Callow(ブレット・キャロウ)氏は述べている。「過去3週間のある時点で、Mazeは2つのマニトバ州の法律事務所も攻撃しましたが、どちらも同様にリストには上げられていません」。

「攻撃者のグループが企業の名前を明かすことを延期し、交渉の結果が出るまでデータの公開をペンディングにしている可能性があります。それはCognizantの場合も同様です」とキャロウ氏は述べている。

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(翻訳:sako)

マーク・アンドリーセンが決起の呼びかけ、何か有意義なものを作ろう

私たちの生活を完全にひっくり返した殺人ウイルスと共に生活するのは実に恐ろしい。希望を捨てて観念してしまうのは簡単だ。

それではいけない、とMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)氏が米国時間4月19日、自身のベンチャーキャピタル会社であるAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のサイトに書いた思慮に富んだエッセイで呼びかけた。文中でアンドリーセン氏は、何かをどんなものでも社会を今より前へ進ませるものをつくることを提唱している。「アメリカンドリームを再起動」するために我々は「政界のリーダーに、この国のCEOに、起業家に、投資家にもっと多くを要求する必要がある。そして、お互いにもっと多くを要求する必要がある。我々全員が必要であり全員が貢献できる、なにかを作ることに。

アンドリーセン氏は、テクノロジーの大部分はすでに作られていると指摘する。そして住宅、教育、製造、輸送の分野を取り上げ、それぞれを明るい未来に向けて加速するのに必要なツールはほとんどがすでに存在していると言う。そしてかつて我々の役に立ったシステムにしがみつくのは簡単だが、みんなが力を合わせて現状を捨てて置き換えることが重要だと説いた。我々はそういうものを「欲しがる」必要がある。問題は勢いだ。それを防ぎたい気持ちより、それを欲しがる力のほうが大きくなるようにしなくてはならない。問題は「規制の虜」(Regulatory Capture)だ。我々は新しい会社がこれらの新しいものを作ることを望まなくてはならない、たとえ既存勢力が望まなくても。たとえ既存勢力にそれを作るよう強制することになったとしても。そして問題は意志だ。我々はそういうものを作る必要がある。

もちろん彼のいうことは正しいが、アンドリーセン氏からはもっと規範的な何かを学びたい。彼はこの数年ほとんど人前に姿を見せていないが、その2万フィート(6km)の視野は想像をかきたてるものであるとともに、まだ出発点にすぎないことを期待したい。

社会がたった今なにを必要としているかは、トップダウンではなくボトムアップで決まる。問題を解決するためには大きな課題を小さな部分に分けることから始まる。アンドリーセン氏のような人は、今すぐ必要な目標を達成するために現在のテクノロジーに何ができるか、何をすべきかをもっと明確に話すことで、先頭に立って指揮を取ることができるだろう。お金を早く必要とする人に手に渡したり、ビジネス・インテリジェンスを使って緊急治療室の医師から新型コロナ患者の治療状況の情報を収集したり、政府のサプライチェーン管理に役立てたりなど。

米国には精力的な行動が必要であるとアンドリーセン氏は強調する。今ほどそれが明確なときはないと彼は言い、「コロナウイルス検査は足りていない、検査備品もだ。驚くべきごとに綿棒や一般的な試薬すら不足している。人工呼吸器も、陰圧室も、ICUのベッドも足りない。外科用マスク、アイシールド、医療用ガウンも。これを書いている今、ニューヨーク市はレインポンチョを医療用ガウンの代わりに使うよう非常命令を出している。レインポンチョ!2020年に!米国で!

今は恐ろしい状況であり、その大部分は政治システムが招いたものだとアンドリーセン氏は考察する。そしてアンドリーセン氏は口に出していないが、米国の収入格差はG7諸国中最大であり、毎年ごくわずかな人々のところに富が集まり、中流層は減り、貧困層が急増しているという事実がある。

しかし、一度にはひとつずつしかできない。

我々が今本当に必要としているのは、新型コロナ版のマンハッタン・プロジェクトであり、シリコンバレーがそれをリードする必要がある。

もしアンドリーセン氏がこれを手助けしたいのなら、みんな大賛成だ。私たちは耳を傾けている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

神戸市が新型コロナと戦うスタートアップを募集、2営業日以内のオンライン一次審査後に社会実装へ

神戸市は4月20日、新型コロナウイルス(COVID-19)蔓延に伴う経済停滞や市民生活支援などのソリューショを有するスタートアップを募集することを発表した。本日から募集を開始し、最短2営業日で一次審査を実施し、その後1週間をメドを2次審査と実証実験の開始時期を随時連絡するという、スピード感のあるプログラムだ。つまり、手を揚げたスタートアップから順に、1次審査、2次審査を通過すれば神戸市と共同で実証実験を進められる。募集終了の期限は現在のところ決まっていない。

募集テーマは以下のとおりで、対象となるスタートアップは創業年数や資金調達のステージを問わない。新型コロナウイルスと戦えるサービスや製品を開発しているスタートアップすべてが対象だ。同プログラムは専用のウェブページから申し込める。

  • データ解析
  • 感染恐れ確認
  • 困窮事業者支援
  • 市民生活支援などのための技術

採択企業への支援内容は以下のとおり。

  1. 市担当部署とのサービス開発に向けた調整
  2. 実証実験の実施協力
  3. 開発のための支援金提供(上限50万円/チーム)
  4. 成功モデルについての早期実装をサポート

審査により選ばれたスタートアップへは1件あたり上限50万円の事業資金が神戸市から提供されるほか、市民によるテスト利用や市役所業務の中での試行導入・実証実験などが可能になる。実証実験に成功したモデル(製品、サービス)については神戸市での実装も検討する。

担当者によると、このプログラムは4月上旬に発案し、神戸市役所でも異例のスピードで実現に漕ぎ着けたという。同市は2018年から柔軟な発想や優れた技術力を持つスタートアップと社会・地域課題を詳しく知る職員が協働して最適な解決手法を見出し、サービスとして構築・実証までを支援する「Urban Innovation KOBE」(UIK)と呼ばれる取り組みを進めており、今回のプログラムもUIKの枠組みの中で実施される。

そのほか神戸市は、米国サンフランシスコのベンチャーキャピタルである500 Stattupと共同開催のアクセラレーションプログラム「500 KOBE ACCELERATOR」を過去4年開催しているほか、2019年11月には、国連の機関であるUNOPS(United Nations Office for Project Services、国連プロジェクトサービス機関)との間で、テクノロジーを活用してSDGs(持続可能な開発目標)上の課題解決を目指すグローバルイノベーションセンター(GIC)の開設に向け、基本合意書(MOU)を締結。2020年4月にはUber Eatsとの提携による飲食店のデリバリーサービスの開始支援を始めるなど、スタートアップ企業との関わりが深い。

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