8月に使うべきコード決済、前半はメルペイ70%還元、後半はd払い20%還元

7月はセブン&アイ・ホールディングスの独自コード決済である7payが、別の話題で大いに盛り上げてくれたQR/バーコード決済。セブン-イレブンを皮切りにデニーズやイトーヨーカドーなどのグループ店舗に7payが波及すれば大きな勢力になると期待されたが、早々に自滅してしまった。とはいえ7payが導入されたおかげで長らくコード決済を静観していたセブン&アイ・ホールディングスがようやく動き、セブン-イレブン各店でPayPayとLINE Pay、メルペイが利用可能になったのは7payの大きな功績だ。

7月はキャンペーン系だと、d払いほぼ一択だったので迷う場面は少なかった。d払いもしくは(ドコモのdカードに紐付いた)iDの決済で通常20%還元、金土曜は25%還元、ドコモユーザーで諸条件をクリアすればさらにプラス最大7%還元という大盤振る舞いのキャンペーンだった。では、8月はどう戦えばいいのか。

8月11日まではメルペイあと払いで最大70%還元

既報のとおり、メルペイは8月11日まで「あと払い」限定ながら還元上限1500円の最大70%の還元キャンペーンを実施中だ。ただし対象は18歳以上に限られ、あと払いの手数料が月額300円必要になる。。メルペイ加盟店では通常50%だが、吉野家(一部店舗を除く)、マクドナルド、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、デイリーヤマザキ、ミニストップ、ポプラグループでは70%の還元となる。

関連記事:メルペイ70%還元の対象店舗拡大、主要コンビニやマクド、吉野家も

吉野家なら牛丼並盛が実質114円、マクドナルドではバリューランチのダブルチーズバーガーセットが実質165円で食べられる。iPhone 7以降のスマートフォンを使っている場合は、コード決済のほかApple Payに登録したメルペイのiD(iDプリペイド)も利用可能だ、iDは、イオングループやイトーヨーカドーなどのスーパーマーケットやショッピングモール、やまやなどの酒類販売の専門店などでも使えるので、惣菜やアルコール類なら実質の代金はコンビニより安いこともあるので、使い分けるのがいいだろう。

メルペイあと払いの還元上限に達したらPayPayでランチタイム最大20%還元

メルペイあと払いによる50〜70%還元キャンペーンの還元上限金額は1500円相当(メルペイ残高1500ポイント)なので、2100〜3000円ぶんを使うとそれ以上の還元は受けられない。メルペイの還元上限額を使い切ったあとはPayPayを利用しよう。11時〜14時の時間限定となるが、金融機関の口座からのチャージなど10%還元、ソフトバンク/ワイモバイルユーザー、もしくはYahoo!プレミアム会員なら20%還元となるキャンペーンを実施中だ。1回の還元上限額は10%還元の対象者で1000円ぶん、20%還元の対象者で2000円。1カ月の累計還元上限額はいずれも3万円ぶんだ。

対象店舗は、PayPayでの支払いが可能な全国の飲食店やスーパーマーケットなど。飲食店については、グルメ検索サービス「Retty」を利用すれば見つけやすい。ちなみに対象となるスーパーマーケットでは、首都圏ではOKストアやロピアが入っている。両社とも低価格をウリにしたスーパーなので、10%、20%の還元は家計を多いに助けるはずだ。

対象店舗は少ないが楽天ペイで10%還元も

楽天ペイは9月2日まで10%の還元キャンペーンも実施している。対象店舗は、スギ薬局/ジャパン、JR博多シティ(アミュプラザ博多、アミュエスト、デイトス、デイトス アネックス、いっぴん通り)、東急ハンズ、島村楽器、ジャンカラ、サンキュードラッグ、ファーストキッチン/ウェンディーズ・ファーストキッチン、サイクルスポット、東京駅一番街(東京キャラクターストリート、東京おかしランド)と限られているのが残念。なお、楽天カードを所持している場合は、これ以外の対象店舗で常時5%の還元を受けられる(内1%は楽天カード側の還元)。いずれも事前にキャンペーンサイトでのエントリーが必要なのをお忘れなく。

ウエルシアグループのドラッグストアなら8月7日までOrigami Payで計1000円割引

ドラッグストアチェーンのウエルシアグループ各店、ウエルシア、ハックドラッグ、ダックス、B.B.ON、ハッピー・ドラッグ、マルエドラッグ、MASAYA、金光薬品(一部店舗を除く)であれば、8月7日までOrigami Payで最大500円の割引クーポンが2回使える。具体的には税込み10円以上の決済で利用できる50%還元のクーポンなので、1000円程度の買い物にOrigami Payを使うと合計1000円の割引となる。

8月12日はPayPayか楽天ペイで5〜20%還元

メルペイのキャンペーンが終了した翌日は、いまのところ大型のキャンペーンは告知されていない。前述した、11時〜14時限定で10〜20%還元を実施しているPayPayか、10%還元を実施している楽天ペイを利用しよう。

8月13日以降のコンビニ利用はd払いで20%還元

d払いは7月に続き、8月13日からも20%還元を敢行する。還元上限は5000円相当(5000ポイント)で、有効期限3カ月限定の特別ポイントとなる。今回はコンビニ利用に限られるが、セブン-イレブン以外の大手コンビニが対象だ。なお、アプリにからの事前エントリーが必須なので忘れないように。なお、ドコモ回線の料金をdカードで支払う、dマーケットを利用する、DAZN for docomoやDisney DELUXEに加入するなどの条件をクリアすれば、最大7%、計27%還元を受けられる。利用できるコンビニは、ローソン、ローソン100、ファミリーマート、ポプラ、生活彩家、くらしハウス、スリーエイト、ミニストップ。

8月13日以降のコンビニ以外の利用はPayPayと楽天ペイ

8月はLINE Payがまだキャンペーンを発表していないので、いまのところ8月13日以降にコンビニ以外でコード決済を利用するなら、前述のPayPayと楽天ペイだろう。

なおau PAYは、3日、13日、23日の3が付く日に還元上限額5000円ぶんの最大20%還元を受けられるが、税別月額499円のauスマートパスプレミアム会員でないと適用されないうえ、そもそもau PAYはau回線を契約していないと使えないなど、だれでもすぐに使える条件ではないので除外した。

次世代のFitbit VersaはAlexaに対応する

Versa(バーサ)はまさに、不調だったFitbit(フィットビット)が必要としていたヒット商品だった。VersaはApple Watchに対抗する、シンプルで手頃な価格のデバイスだ。この製品のおかげで同社は、ついにウェアラブル分野の中の明るい場所に参入することができた。米国時間8月1日の決算報告によると、Versa Liteは機能を削って廉価にしたことで失敗し、Versaの成功の再現とはならなかった。

しかし、いいニュースがある。Fitbitはすでに新しいVersaを開発している。さまざまなリーク情報の発信で知られるEvan Blass(エバン・ブラス)氏によると、2018年モデルに対し一部のハードウェアがアップグレードされるという。画面はLCDからAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)になり、ケースも新しくなる。Vergeが指摘しているように、これまでよりもApple Watchに似た、角丸四角形のデザインになるようだ。

そして最大のニュースは、スマートアシスタントを利用できるようになりそうだということだ。ウェアラブルと音声操作は重要な関係にあるので、当然だろう。しかしウェアラブルデバイスのライバルはSiriやGoogleアシスタントを搭載している。開発費用が限られているウェアラブルメーカーはどうすればいいのか。答えは簡単。Amazonと組む。

Alexaがどのように使われるかは不明だが、Fitbitは考えるまでもなくAlexaの採用を決めたと思われる。Ionic(アイオニック)とVersaを作るための買収に多額の費用をつぎこんだので、プロプライエタリーのスマートアシスタントは現時点ではおそらく無理だ(サムスンのAIアシスタントであるBixbyの費用は、成長が難しいことを示している)。そこでFitbitは、すでに大変人気があるがウェアラブル市場ではほとんど使われていないアシスタントを採用することにしたのだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

デニーロがデジタルで脅威の若返り、Netflixが「アイリッシュマン」の予告編公開

Netflixオリジナルの「アイリッシュマン」が素晴らしいフィルムノワールである理由はいくつもある。まず監督が巨匠マーティン・スコセッシだ。主演はロバート・デニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシというアカデミー賞俳優で、1960年代の米国の闇社会に君臨した労働組合のボス、ジミー・ホッファとアイルランド系ヒットマンのフランク・シーランを描いている。ただしTechCrunchとしては、この映画の驚異的なデジタルエフェクトを紹介したい。

一般メディアではスコセッシ監督の作品を紹介するのにデジタル・テクノロジーの話からは始めない(デニーロとパチーノという監督お気に入りのアカデミー賞俳優がスクリーンで顔をあわせる作品ならなおさらだ)。しかし「アイリッシュマン」におけるILMの役割は非常に大きく、少なくともインターネット上で大きな話題になっている。

ILM(インダストリアル・ライト&マジック)は1970年代に「スターウォーズ」のオリジナルの製作にあたってジョージ・ルーカス監督によって設立されたハリウッドを代表するSFX企業だ。「アイリッシュマン」ではILMは主演俳優、ことにデニーロをデジタル・テクノロジーで若返らせることに成功している。なんといっても現実のデニーロは1943年生まれで70代半ばだが、中年の人物を演ずる必要があった。昨日発表された最初の予告編にはジミー・ホッファからの電話受けるシーンが登場するがデニーロの若返りに驚く。

2分間の予告編を見たところでは、この作品はスコセッシ監督ならではのスタイリッシュな映画になっている。ドラマッティックな緊張が高まり、激しい暴力が散りばめられる。公開は「この秋」というだけで正確なスケジュールは不明だが、デニーロ、パチーノ、ペシに加えて共演者もハーヴェイ・カイテル、ボビー・カンナバーレ、アンナ・パキン、レイ・ロマノといったオールスターメンバーだという。

Netflixでのストリーミングに加えて劇場公開も予定されているが、これは劇場公開がアカデミー賞の選考対象の条件の一つだからだ。Netflixが昨年公開し、大きな反響を呼んだ60年代のメキシコの中流家庭を描いた傑作「Roma/ローマ」がこのアプローチを採用している。

【Japan編集部追記】この作品のワールドプレミアはニューヨーク・フィルム・フェスティバルが舞台で9月27日だという観測が出ている。またTechCrunchでは人工知能を利用した特殊効果技法の発達によって第三者の顔情報を用いて動画を合成する「ディープフェイク」が問題となっていることを報じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Amazonへの米政府からのデータ提出要請が増加

Amazon(アマゾン)は、米政府からのデータ提出要請が2019年上期は2018年下期よりも増えたことを明らかにした。7月31日に密かにウェブサイトで公にしていたAmazonの透明性レポートの最新データによると、同社が受け取った要請の数は14%増え、捜索令状は35%近く増えた。

この数字には、Amazon Echo音声アシスタントサービス、Kindle、Fireタブレット、ホームセキュリティデバイスから収集されたデータが含まれる。レポートでは、Amazonがおおよそ5件のうち4件の割合でデータの一部または全てを提出したことが明らかになっている。

しかし、Amazonが受けた法的な要求の件数はわずかに減っている。

Amazonとは別に、年間営業利益のかなりの割合を占めるクラウド事業Amazon Web Servicesについてもデータを明らかにし、それによるとクラウドに保存している顧客データに関して受けた要請件数は77%増え、捜索令状の数は減った。

司法省が定めたレポートに関するルールにより、Amazonはコンシューマー、そしてクラウドの両方で0〜249件の国家安全リクエストがあった、とした。

プライバシー擁護者からのプレッシャーにもかかわらず、Amazonは最後まで透明性レポートを出さなかったメジャーなテック企業の1社だった。同社は最終的に圧力に屈し、告発者エドワード・スノーデンが米国国家安全保障局と世界の情報収集当局による大規模な監視を明らかにした、かなり機密性の高い文書をリークした数日後に初めてデータを明らかにした。

Amazonは当時、そして最近までその主張は続いていたが、NSAのいわゆるPRISMプログラムには「参加したことがない」と話していた。このプログラムでは政府が、Apple(アップル)やGoogle(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、そのほかいくつかのテック企業からデータを入手することができる。

しかしTechCrunchは、Amazonが数週間前にそうした文言を透明性レポートから削除したことに気づいた。そのことについてAmazonに問い合わせたところ、同社の広報は「変更は単にいくぶん古いレポートだからだ」と話した。

イメージクレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

巨額買収を完了したIBMはRed Hatの翼で飛翔する

IBMの340億ドル(約3.6兆円)という巨額なRed Hatの買収は数週間前に完了し、米国時間8月1日に両社はその最初の成果を発表した。今日の発表の大部分は、あらゆるパブリックおよびプライベートクラウドにプロダクトを持ち込みたいとするIBMの野心の拡大の表れだ。そもそもIBMがRed Hatを買った理由がそれだから何も意外ではないが、多くの業界ウォッチャーにとって意外だったのはその実現の早さだ。

具体的には、IBMはそのソフトウェアポートフォリオをRed Hat OpenShiftに持ち込む。それはRed HatのKubernetesをベースとするコンテナプラットホームで、顧客がRed Hat Enterprise Linuxを使用するかぎりどんなクラウドでもそれを使える。

IBMはすでに100製品を超えるプロダクトをOpenShift向けに最適化し、それらを同社がCloud Paksと呼んでいるものにバンドルした。そのPaksなるものは現在5つあり、それらはCloud Pak for Data、Cloud Pak for Application、Cloud Pak for Integration、Cloud Pak for Automation、そしてCloud Pak for Multicloud Managerだ。これらの技術をIBMの顧客は、AWS、Azure、Google Cloud Platform、そしてほかでもないIBM自身のクラウドで利用でき、そこにはDB2やWebSphere、API Connect、Watson Studio、 Cognos Analyticsなどが含まれている。

今日の発表声明でRed HatのCEO Jim Whitehurst(ジム・ホワイトハースト)氏は「Red HatはコンテナやKubernetesなども含むLinuxベースの技術でイノベーションを駆動しており、それはハイブリッドクラウド環境の基盤的ビルディングブロックになっている。ハイブリッドクラウドのためのこのオープンな基盤により、「any app, anywhere, anytime」(どのアプリケーションもどこでもいつでも動く)というビジョンが実現可能になる。それがIBMの強力な専門的能力と結びつき、意欲的なデベロッパーやパートナーから成る巨大なエコシステムにサポートされれば、顧客は自ら選んだ技術で現代的なアプリケーションを作り、オンプレミスでも複数のパブリッククラウドにまたがるものでも、そのアプリケーションにとって最良の環境でデプロイする柔軟性を持つことができる」と述べている。

IBMは、クラウド上の初期のイノベーションの多くは現代的で顧客志向のアプリケーションを市場化することにあり、主にベーシックなクラウドインフラストラクチャにフォーカスしていた、と主張している。しかしながら今日では、エンタープライズは自分たちのミッションクリティカルなアプリケーションをクラウドで動かすことにも関心がある。そのために彼らは、複数のクラウドにまたがって使えるオープンなスタックを求めているのだ。

さらにIBMは今日、完全な管理を伴うマネージドなRed Hat OpenShiftサービスを自身のパブリッククラウド上でローンチする、と発表した。そのほかに同時に、IBM ZやLinuxONEメインフレームなどIBM Systems上のOpenShiftと、Red Hatに関するコンサルティングおよび技術的サービスの立ち上げも発表された。

関連記事: With $34B Red Hat deal closed, IBM needs to execute now(IBMが340億ドルのRed Hat買収を完了し次は執行だ、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

EVに自動充電するロボチャージャーがサンフランシスコにやってくる

現在の電気自動車の充電スタンドは、人間の運転者向けに設計されている。Electrify America(エレクトリファイ・アメリカ)と、米国サンフランシスコに拠点を置くスタートアップのStable(ステーブル)は、運転者が人間ではなくなる日に向けて準備中だ。

Electrify Americaは、フォルクスワーゲンが創立した会社。例のスキャンダルとなったディーゼル車の排気ガスに関する不正行為に対して、米規制当局との和解に基づいて設立された。今回、Stableと提携し、人間が操作しなくても電気自動車を充電できるシステムをテストする。

この自律型電気自動車充電システムは、Electrify Americaの150kw DC急速充電装置と、Stableのソフトウェアおよびロボット工学を組み合わせたもの。EV充電装置に取り付けられるロボットアームは、電気自動車の充電ポートを見るためのコンピュータービジョンを備えている。両社は、2020年初頭までにサンフランシスコに自動充電ステーションを開設する予定だ。

自律型電気自動車充電ステーションのイメージ

このシステムは、単にちょっと気の利いたロボットアームというだけのものではない。Stableのソフトウェアとモデリングのアルゴリズムが、いつ来るとも知れないロボタクシーだらけの時代を待つことなく、今日でも立派に役立つものとなる上で、非常に重要な役割を果たしているのだ。

現在の道路は自動運転車であふれているわけではないものの、企業や政府が使う車両群、UberやLyftのようなライドヘイリングのプラットフォームが使う車両を合わせれば、何千台もの車で埋め尽くされている。こうした、いわば商用車両は、経済状況や規制の影響もあって、どんどん電動化が進んでいる。

「そろそろ、そうした車両群について真剣に考えなければならなくなっています。自動運転車であるかどうかに関係なく、大量の電気自動車群をどうやって充電すればいいのか」と、Stableの共同創立者兼CEOであるRohan Puri(ローハン・プーリ)氏は、最近のTechCrunchのインタビューで語っている。

Stableは、まだ従業員が10人程度の小さな会社。その多くは、テスラ、EVgo、Faraday Future、グーグル、スタンフォード大学、およびMITの出身者だ。EVステーションを配備する際に、充電装置を設置する最適な場所を定め、スケジューリングのソフトウェアを最適化するデータサイエンスのアルゴリズムを開発した。

同社のデータサイエンスに基づくアルゴリズムは、設置コスト、利用可能な電力、土地の価格、といった要素に加えて、充電が必要となった車が、充電サイトに移動し、充電を終えて元の業務に復帰するのに要する時間までを考慮したものとなっている。Stableでは、商用車群に関しては、1つの巨大な集約型充電ハブを設けるよりも、市街地に分散された充電サイトのネットワークの方が利用されやすく、運用コストも低いという結論に達している。

そのようなサイトからは、Stableのソフトウェアが、電気自動車を、いつ、どれだけの時間をかけて、どれくらいの速度で充電すればよいのか、といった指示を出す。

2017年に創立されたStableは、Trucks VC、Upside Partnership、MITのE14 Fundからの投資を受け、NerdWalletの共同創立者のJake Gibson(ジェイク・ギブソン)氏、Sidecarの共同創立者兼CEOのSunil Paul(スニル・パウル)氏など、多くのエンジェル投資家の出資も受けている。

サンフランシスコでの試験的なプロジェクトは、プーリ氏が期待するような大量の車両群に注力した充電サイトへ進展するための第1歩となる。そのプロジェクトに共同で取り組むElectrify Americaは、これまでは主に消費者向けの充電ステーションに注力してきた。Electrify Americaは、今後10年で、クリーンエネルギーのインフラと教育のために20億ドル(約2142億円)を投資すると発表した。同社は、すでに486以上の電気自動車充電ステーションを設置済、または建設中としている。そのうち262の充電ステーションは、すでに認可され、一般向けに公開されている。

一方のStableは、自律型電気自動車充電システムのデモンストレーションと、車両群を抱える顧客の獲得に熱心だ。

「我々がやろうとしたのは、この新しい交通手段の時代のために、ガソリンスタンドを再発明することです。それは、大規模な車両群を中心としたもので、もちろん電気です」と、プーリ氏は説明する。「確かなのは、適切なインフラが、適切な場所に十分設置されているという状況には、まだほど遠いということです」。

画像クレジット:Stable

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

楽天がこんまりに「ときめく」、運営会社の株式を過半数取得、近藤麻理恵氏が楽天のJoy Ambassadorに

楽天は8月2日、片付けコンサルタント「こんまり」こと近藤麻理恵氏のプロデュースを手掛けるKonMari Mediaの株式過半数を取得。パートナーシップ契約を締結したことを発表した。

関連記事:Netflixスターの片づけエキスパート「こんまり」が40億円超の資金調達へ

楽天によると、片付けを通じて自分の内面を見つめ直すという本質を追求する姿勢「こんまりメソッド」に共感(ときめく、Sparkle Joy)し、過半数の株式取得に至ったとのこと。今後近藤氏は、楽天社内の片付け習慣を監修・推進する「Joy Ambassador」に就任する。

近藤氏は、2014年に拠点を米国に移したあと、2018年には「数百万ドル台の低いほう」の調達ラウンドを米名門VCであるSequoia Capitalのリードで完了。今年3月には4000万ドル(約42.8億円)の資金を調達すべく、ベンチャーキャピタルと交渉中であることが明らかになっていた。2019年1月からは、Netflixの番組「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」で米国での人気が沸騰。著書「人生がときめく片付けの魔法」シリーズは世界40か国で累計1100万部突破のベストセラーになっている。なお著書は、2011年にサンマーク出版から刊行されたが、2019年2月から河出書房新社に変わり改訂版が販売されている。

音声通話できない状況での緊急時連絡機能を米国でAndroidに導入

Googleが米国時間8月1日、災害時などに音声による連絡ができなくても対話できる機能をPixelやそのほかのAndroidデバイスに導入した。怪我などで声を出すと危険な状況や、発話機能に障害のある人が、タッチメニューでコミュニケーションできる。

この緊急通話を開始すると、火災、医療、警察などの状況やニーズを伝えることができる。これらの情報はオペレーターに伝わるので、通話者は話せなくてもよい。位置もGPSから伝わるので、自分が具体的なアドレスを知らなくてもよい。

AED Lower Speech Rate 06

メニューの情報は電話機上にローカルに保存され、すべての情報の守秘性が、オペレーター以外に対して保たれる。また可能なら、情報入力後にはオペレーターとは直接に話せる。

この機能は、National Emergency Number Association(全国緊急番号協会)とのコラボレーションで作られた。数か月以内に米国のPixelと一部のAndroidデバイスにやってくる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

今年のスマホ販売台数はグローバルで2.5%落ち込むとの予想

スマートフォンの販売台数が世界的に減少し続けている。Gartner(ガートナー)の新たな予想では今年は2.5%減の15億台となる見込みだ。減少が最も顕著なのが、日本、西欧、北米で、落ち込み幅はそれぞれ6.5%、5.3%、4.4%が予想される。

これは、アップグレードサイクルが伸びたこと、スマホが高価になったこと、そして経済の悪化など、これまでに何回となくTechCrunchでも取り上げ、そしてまだ続いている傾向の一環だ。世界最大のスマホマーケットの中国ですら国内経済の悪化に直面し、今年は販売台数が減少する。

米国のHuawei(ファーウェイ)に対する禁輸措置もまた少なからず影響を及ぼしたが、ファーウェイそのものは中国国内で引き続き受け入れられていて、成長を続けている。しかしながら同社は中国外ではまだ厳しい環境に置かれていて、米国企業へのアクセスを失ったことで影響は避けられない。

スマホメーカーにとって明るい兆しが見えてくるのは来年下期で、それは5Gによるものだ。一番最初の5G端末が今年リリースされるが、iPhoneを含め他の5Gスマホは来年まで登場しない。たとえ一時期にしてもスマホの販売台数が上向くには、かなりの変化が起こる必要がある。多くのスマホが米国では1000ドル超と最高値に達し、5Gの利用可能なエリアの拡大や価格の低下が求められる。

イメージクレジット: Joan Cros Garcia/Corbis

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(翻訳:Mizoguchi)

米国トッププチェスプレイヤー対Tesla Model 3の勝負

Tesla(テスラ)の車両は、先月車に配信されたソフトウェアアップデートのおかげで、人間相手にチェスをプレイすることができるようになった。その担当プログラマーたちは、おそらく世界で最高の選手を相手にするためにチェスプログラムをデザインしているつもりではなかっただろう。それなのに、米国ランキング1位(世界では2位)のチェスプレイヤー、Fabiano Caruana(ファビアーノ・カルアナ)氏がTesla Model 3と対戦を行ってみた。結果はディープ・ブルー(Deep Blue)とガルリ・カスパロフ氏の対戦の再現とはならなかった。

カルアナ氏は、追い詰められた様子もなく、試合の途中で解説を行いながら、わずか5分以内の競技時間で車を打ち負かした。車の打つ手には怪しいものもあったが、公平を期すならば、これは深い人工知能を備えたスーパーコンピューターではないし、カルアナ氏は世界最強のプレイヤーの1人なのだ。最後に彼は試合を「面白かった」と評したが、そこからは、彼が自動車のインフォテインメントシステムに期待していたもの以上のものを得たというニュアンスを感じることができる。

この車はおそらく私には勝つだろう、私はランキングにも無縁だしチェスをおそらく15年もやっていないのだから当然だ。

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(翻訳:sako)

グーグルが検索結果アルゴリズムを変更、最新情報を優先

フィーチャードスニペットは、Google(グーグル)が近年になって検索エンジンに追加した機能の中で、最も便利なものの1つだろう。米国時間の8月1日、Googleは、スニペット表示を実現するためのアルゴリズムを最近になってアップデートし、より新しい情報を優先するようにしたと発表した。

Google自身が示した例を見ると、これまでの検索結果には、平然と期限切れの情報が表示されていた。そうなってしまうのは、ユーザーが本当は何を知りたいのか、検索エンジンが理解しきれていなかったから。検索欄に入力されたクエリの本当の意図を理解するのは、けっこう難しいのだ。

「検索の真髄は言語の理解にあります。私たちの検索エンジンは、人間と同じように言語を理解するわけではありません」と、Googleの検索担当副社長、Pandu Nayak(パンドゥー・ナヤック)氏は述べている。「だからこそ私たちは、ユーザーによる検索の意図をよりよく理解し、適切な結果を提供するための新しい方法を開発し続けているのです。とりわけ、情報の鮮度に大きな意味があることが暗に示されている場合には、それを汲み取ることが重要です」。

Googleの例では、「upcoming uk school holidays」(今後の英国の学校の休校日)を検索している。その結果のスニペットには、以前は2018〜2019年の休校日が表示されていたが、今では2019〜2020年のものが表示されるようになった。

同様に、例えば今後のイベントについて検索したとすれば、新しいアルゴリズムによって、より新しい、的を射た情報が表示されるはずだ。Googleが示したもう1つの例では、「when does stranger things season 3 start」(ストレンジャー・シングスのシーズン3はいつから始まる)を検索している。今回のアップデートの前は、この今ひとつぱっとしないシーズン3がNetflixで始まる前に検索したとしたら、以前のアルゴリズムは、2018年の古い記事で日時もはっきり示されていないものを表示していた。それがアップデート後には、より新しく、正確な日付が掲載された記事を表示するようになる。

画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Amazonは8月いっぱいでダッシュボタンを廃止

それは単純なアイデアのように思えた。コーヒーとか洗剤とか、同じ品物をAmazonから定期的に買う人は、その注文を家にあるボタンひとつでできたら便利ではないか。ボタンを押す、それだけだ。

そこでAmazonのダッシュボタンが生まれた。2015年のエイプリルフールの前日に発表されたから信じない人もいた。それは結局、嘘ではなかったことになる。

Amazonはすでに今年の早期からダッシュボタンの販売をやめている。そして今度は、そのサポートもやめるのだ。ユーザーへのメールでAmazonは、ダッシュボタンデバイスが2019年8月31日で機能を停止すると告知している。

なぜだろう?そもそもそれをすでに売ってないし、今実際に使っている人もとても少ない。Amazonの社員がCNETに、最近の数か月でボタンを使用頻度がとても減った、と言っている。

Amazonのアプリやウェブサイトの画面上でプッシュする「バーチャルダッシュボタン」は健在だし、自動再注文サービスも残る。それは、洗濯機に洗剤注文ボタンが付いていたり、コーヒーメーカーが自分で豆を注文するような仕組みだ。これまでの、商品別の物理的ボタンがなくなるだけだ。

ダッシュボタンは、Amazonの事業としては挫折したが、でも最初からいろんな人が独自の遊び方を考案していた。Amazonがインターネット上の目的を自由に設定できるボタンを発売してからは、外出時に自分の行きつけのスターバックスに好きなコーヒーを自動的に注文するボタンを作った人もいる。

家にダッシュボタンがあって、それをどうしたらよいかわからない人は、そのボタンをAmazonのリサイクル事業に送るよう、Amazonは勧めている。送料と廃棄の手間はAmazonがもつ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Capital Oneの1億人データ漏えいで内部犯行リスクに再び注目

最近のCapital Oneの1億人分の個人データ漏えいは テクノロジー界の注目を再びクラウドのセキュリティーに集めることとなった。実際なにがあったのかについてはまだ不明な部分が多い。公開された起訴状はCapital One以外の企業を匿名としている。クラウド企業側は広報上の一大危機を迎えている。

ここでは単なる推測でなく、確実な事実に焦点を当てたい。不愉快ではあるが避けて通れない問題、つまりクラウドのセキュリティーだ。

皆が気づかないフリをしようとしているのは、クラウドプラットフォームが本質的に抱えるセキュリティー上の問題だ。つまりクラウドサービスの顧客はクラウド企業の従業員の誰がどれほどのアクセス権限を持っているのか知りようがない。クラウド上の自社データに対し管理者レベルのアクセス権が与えられているのは誰なのか?

クラウドの顧客Xはクラウド企業Yで誰がどんな権限を持っているのか分からない。仮にクラウド企業の社員が倫理的義務にあえて違反すると決めれば、その社員は認証情報を含む特権的な内部情報を悪用してデータに対する不正なアクセスができる。顧客Xのデータをコピーするだけでなく、勝手にシステムを改変したりすることも可能だ。

念のために断っておくが、これはCaptal Oneのデータ漏えいがクラウド企業の社員ないし内部情報を利用できた人物の犯行だと示唆しているわけではない。FBIに逮捕された容疑者の職歴にはAmazon Web Services(AWS) も含まれており、データがダウンロードされたのはAWSのサーバーからだとみられている。しかし犯行に使われた知識、技能は必ずしもAWSに関する詳細な内部情報を必要とせず、インターネットにアクセスできるコンピュータと必要な好奇心があれば入手できる程度のものだったかもしれない。

問題はもっと幅広いものだ。企業トップが契約書にサインし、多数の顧客情報を含む機密データを第三者、つまりクラウド企業に引き渡すとき、トップはクラウド・プラットフォームに内在するメリット、デメリットの双方を正確に認識している必要がある。

簡単に言えば、クラウドに業務を移した後はオペレーションンのすべてがクラウドのホスト側に支配される。最悪の場合、クラウド企業が倒産してしまえば顧客のデータはいきなり路頭に迷う。もちろんそんなことになれば弁護士が慎重に作文した契約書のどこかの条項に対する違反となるだろう。しかし契約書や契約書上の文言には、例えばクラウド企業やその契約社員が悪事を働くことを止める力はない。しかもたとえ悪事が行われてもクラウドの顧客側では知りようがないのが普通だ。

つまりこういう状況を簡単に解決できる特効薬はないと認識することが重要だ。 今回の事件は、クラウドホスト側にとってビジネスに好影響をもたらしそうない極めて不愉快な話題であっても、クラウドに内在する危険を率直に検討するにはいい機会となった。こうした事件がなければクラウド内部の人間による悪行が公開される可能性はないからだ。

画像:Getty Images

【編集部注】この記事は米国カリフォルニア州のセキュリティー企業であるUpgurdChris Vickery氏(クリス・ヴィッカリー)の寄稿だ。同氏は、サイバーセキュリティー・リサーチ担当ディレクターとしてVickery氏は25億人のオンラインデータの保護にあたってきた。

【Japan編集部追記】 司法省の起訴状ではデータがダウンロードされたのはCloud Computing Companyからとあり、企業名は明かされていない。アメリカ議会の下院監視・政府改革委員会はCaptal OneとAWSに対し議会休会中の調査に協力するよう求めている。なおAWSの日本語サイトには成功したクラウド化事例としてCapital Oneが紹介されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

エネルギーと通信企業を狙う新しいハッキンググループ

アフリカと中東の通信企業と石油やガスの企業を狙う、新たなハッキンググループが登場したようだ。

産業セキュリティの専門企業Dragosは、同社が見つけたそのグループを「Hexane」(ヘキサン)と呼んでいるが、その活動についてはまだほとんど口をつぐんでいる。しかし米国時間8月1日の同社の発表によると、そのグループの活動は最近の数か月で活発化し、それはこのグループが初めて登場した1年前以後激化した同地域の緊張と時期が一致している。

HexaneはDragosが今追跡している9つのハッキンググループの中で最新だが、通信企業をターゲットにしていることが観察された。それは、石油やガス企業のネットワークにアクセスするための踏石としての攻撃と考えられるとDragosはコメントしている。

Dragosの上級索敵官であるCasey Brooks(ケーシー・ブルックス)氏は「通信企業をターゲットにすれば、下流の石油ガス精製企業や上流のプロダクションのオペレーションにセルネットワーク(携帯電話のネットワーク)からアクセスできるようになる可能性がある」と語る。

Dragosの話は具体的ではないが、このグループは被害者のネットワークを内部から侵犯するために利用できるサプライチェーンの中の「デバイスやファームウェアや通信ネットワーク」をターゲットにするという。

彼らDragosの研究者たちは、Hexaneがまだ発電所やエネルギーのサプライヤーなど重要なインフラストラクチャの運転の継続に必要な産業制御ネットワークを破壊するほどの攻撃能力を持っていないと「ほぼ確信している」が、しかし通信企業のネットワークに対する攻撃をそのためのテコのような前段として利用するかもしれないと考えている。Dragosの予想では、中東アフリカ地域の石油およびガス企業がターゲットになる機会が増えるそうだ。

Dragosの専門は社会のインフラストラクチャに対する脅威の発見や理解だが、Hexaneが最初に観察されたのは2018年の半ばだった。グループの動き方は、やはり産業制御システムを狙う他の同様のグループと同じだった。しかしサードパーティの企業を狙う脅威グループはHexaneだけではない。Dragosによると、同社が追跡している他のグループは、産業制御ネットワークが使っているハードウェアやソフトウェアのサプライヤーをターゲットにしている。

Hexaneの動きは、前に報じた、イランとの結びつきが疑われる脅威グループのOilRigと似ている。しかしこれまで観察した他のグループと比較すると、Hexaneのやり方やツールや狙う被害者が異なるので、他に類似例のない「ユニークな実体だ」という。

Dragosによると、一般的にハッキンググループにとって石油やガスは、「社会的に重要な工程や設備機器の破壊、または生命の喪失」を惹き起こすための格好のターゲットだそうだ。

関連記事:Why ICS security startup Dragos’ CEO puts a premium on people not profits(産業制御システムのセキュリティスタートアップDragosは利益よりも人命を重視、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Alexaが複雑な質問に答えるための新しい方法をAmazonが開発

AmazonのAlexa AIチームは、ややこしい質問の扱いを大幅に向上させる新しいトレーニング方法を開発した。チームリーダーのAbdalghani Abujabal氏は、ブログでこの新しい方法を詳しく紹介している。通常は競合する2つの方法、テキストベースの検索とカスタムで構築されるナレッジグラフを組み合わせたものだという。

Abujabal氏は「ノーランの映画でオスカーはとったがゴールデングローブを逃がしたものは?」という質問を例として挙げている。この質問に答えるには多くのことが必要だ。「ノーラン」が映画監督のクリストファー・ノーランだと特定し、彼が監督した映画を見つけた上で(結果のリストを作るにはノーランが「監督」という役割であることも推測する必要がある)、オスカーを獲得した作品リストAとゴールデングローブを獲得した作品リストBをクロスリファレンスで調べて、リストAにあってリストBにない作品をつきとめる。

このような難しい質問に適切に答えるために、この方法ではまずできるだけ網羅的なデータセットを集める。最初はノイズの多い(すなわち、不要なデータばかりの)大量のデータセットだが、そこからアルゴリズムを使って自動でナレッジグラフを構築する。このアルゴリズムは研究チームが作ったオリジナルのもので、ゴミを取り除いて有力と考えられる結果にたどり着くためのものだ。

Amazonが考え出したシステムは、表面上はわりあいにシンプルだ。というのも、2つのわりあいにシンプルな方法を組み合わせている。まず基本的なウェブ検索で、例えばGoogleに「ノーランの映画でオスカーはとったがゴールデングローブを逃がしたものは?」と入力したのと同様に、質問の全文を使ってウェブをクロールし結果を見つける(実際の研究では複数のウェブエンジンが使われている)。次にランク付けされた上位10ぺージを調べ、識別された名前と文法ユニットに分解する。

こうして得られた結果のデータセットに加え、Alexa AIは文の構造の中で手がかりを探してフラグを立て、上位のテキストのうち「ノーランが監督したインセプション」というような重要な文に重みづけをし、それ以外の文は軽くする。こうしてアドホックのナレッジグラフが構築され、この中を評価して「コーナーストーン」(よりどころ)が特定される。コーナーストーンは基本的には、検索されたもともとの文字列に含まれるいくつかの語とよく似ている。これを取り出し、質問に対する実際の答えの出典として中間にある情報を見るのではなく、コーナーストーンにフォーカスする。

アルゴリズムは、残ったデータを最終的に重みづけしてソートし「インセプション」と正しい答えを返す。Amazonのチームは、テキスト検索だけにフォーカスする、あるいはカスタムのナレッジグラフを単独で構築する複雑な最先端のアプローチよりも、実はこの方法は優れていることを発見した。チームはこのアプローチをさらに改良できると考えている。難しいトリビアで議論が白熱したときに、スマートスピーカーに聞けば解決できようになるかもしれない。Alexaユーザーにとっては楽しみだ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ワコールが米国インナーウェアブランドの「Lively」を約92億円で買収

ワコールが、ニューヨークに本社を置くインナーウェアブランドのLively(ライブリー)を8500万ドル(約92億円)で買収した。この契約には追加の成果報酬として最大5500万ドル(約60億円)が含まれる。

LivelyはVictoria’s SecretのエグゼクティブだったMichelle Cordeiro Grant(ミシェル・コルデロ・グラント)氏が2015年に設立したブランドで、これまでに1500万ドル(約16億円)を調達していた。このうち、昨年後半のシリーズAでは、GGV Capital、NF Ventures、NauticaのCEOだったHarvey Sanders氏から650万ドル(約7億円)を調達したと発表していた。PitchBookによれば、シリーズAでは1億100万ドル(約110億円)と評価されていた。

この買収では、ワコールホールディングスが米国子会社のWacoal International Corp.を通じて株式を取得する。これによりワコールは、ミレニアル世代の顧客層で成功をおさめた優れたeコマースのチームを手に入れられる。

Livelyは、オンラインと、シカゴとニューヨークにある2つの実店舗でインナーウェアを販売している。ランジェリーやスポーツカジュアルウェアを販売する競合の新興企業には、ThirdLove、AdoreMe、TomboyX、Outdoor Voicesなどがある。

グラント氏は声明で「『LIVELY』は、女性たちが活き活きとし、自ら情熱的に、意図的に、自信を持って人生をおくることができるよう、彼女たちをインスパイアしています。私たちは、コミュニティとお客様が自分を大切にできるよう、お客様が最も美しく快適でいられる製品を届けることに努めています。『ワコール』と『LIVELY』、両ブランドの核となっている価値観を通して生まれる美しいシナジーは、マーケットシェアを高めるだけでなく、新しい市場を生み出すことを可能にするでしょう」と述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ANAやLINE Fukuokaがドローン配送実験、玄界島からアワビとサザエ運ぶ

LINE Fukuokaは8月1日、ANAホールディングスと協業によるドローンを利用した海産物輸送の実証実験を報道関係者に公開した。

福岡市西区の玄界島と糸島半島の東側に位置する釣り船茶屋ざうお本店までの片道6.4kmの距離、玄界島と能古島キャンプ村までの片道10.3kmの距離を、完全自律・自動操縦のドローンを複数使って、アワビとサザエを運ぶという内容だ。代表事業者はANAホールディングス。

ドローンは、自動制御システム研究所(ACSL)が開発した「PF-1」と呼ばれる機体を使用。PF-1は、建物・インフラ点検用の「PF1-Vision」、計量・測量用の「PF1-Survey」、防災・災害用の「PF1-Protection」、物流・宅配用の「PF1-Delivery」の4モデルがある。今回の実証実験で使われたのはPF-1をベースにカスタマイズしたもので、通常はオプションのLTE通信機能を搭載している。なお、PF-1自体のペイロード(積載可能重量)は3kgだが、今回の機体は0.9kgとなっている。

LTE通信にはNTTドコモの回線を使用。ドコモでは今回の実証実験のため、上空のLTEの電波状況などのデータを提供し、飛行ルート作成に協力したそうだ。またウェザーニュースが、気象情報やドクターヘリなどの有人航空機の飛行位置データなどを提供している。もちろん実証実験エリアを提供しているのは福岡市だ。

LINE Fukuokaでは、LINEアプリ内に実装したモバイルオーダー機能を提供。BBQ会場でスマートフォンから海産物をオーダーすることで、そのオーダーが玄界島に届き、海産物がドローンで運ばれてくるという流れだ。なお、ドローンの離着陸時には30m以上に離れなければならないという規制があるため、実際にはスマートフォンで注文後にBBQ会場まで運ばれるわけではなく、ドローンの着地点に取りに行く必要がある。とはいえ、この取り組みが実用化すれば、いけすなどの貯蔵施設を持たない飲食店に新鮮な海産物をすぐに届けられるという大きなメリットが生まれる。

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今回のドローン制御はすべてANAホールディングスが担当。同社は現地での人間の監視が不要の完全自立・自動操縦技術を確立しており、今回の実験は3回目(初回のみ人間の監視付き)。位置制御には基本的にGPSなどを利用しているが、GPSなどでの位置捕捉では数mの誤差が生じる。そのため、着陸地点には専用のマーカーを用意し、このマーカーをドローン内蔵のカメラが認識して誤差50cmのレベルで位置を捕捉する。このマーカーを認識して位置情報を補正する処理を担っているのは、英ラズベリー財団が開発するワンボードマイコンのRaspberry Pi 3。ちなみに、RF-1の建物・インフラ点検モデルであるPF1-Visionには、エヌビディア社のJETSON TX2を搭載しており、PF-1の柔軟性が伺える。今回の実証実験では便宜上、ざうお本店2階に制御ルームが設けられていたが、制御ルームをドローン着地点近くに設置する必要はなく、天神や博多はもちろん、東京からの制御も可能だ。

現在のところ規制や住民の合意が得られるかという問題があるため、ドローンは無人地帯での飛行に限られているが、ANAホールディングスでは将来的に有人地帯での完全自立・自動操縦を進めたいという意向だ。

今回の実証実験ではランニングコストは明らかにされなかった。今回の実証実験を踏まえて2020年の導入を目指すとしているが、完全自立・自動制御が実現できたとしても、30m以内に人が侵入できない離着陸場所の確保、ドローンのバッテリーの取り替え作業、ペイロードの増量など課題は山積している。特に離着陸場所やバッテリーの交換にはどうしても人員が必要となるので、そのぶんのランニングコストをBBQのメニューの価格に転嫁するのは現実的ではない。

建物の屋上など人が立ち入れない場所に離着陸場所を設け、着陸した際に自動的にバッテリーを充電できるシステムなどが考案されないと、本格導入はまだまだ先だと感じた。今回の実証実験の最大高度150mなので飛行に関してはそれほどの騒音にはならないため、都市部であっても近隣住民の理解は得られやすいかもしれない。しかし、看板は電柱などの障害物も多いので着陸地点の詳細なマッピングや万が一の衝突回避機能なども実装する必要があるだろう。

当面は、浜辺やリゾート地など人口や建物が密集していない場所間での輸送が現実的だが、スマートフォンでオーダーした食材がドローンで届くという未来は、すぐそこにある。

iPad Proに対抗するハイエンドタブGalaxy Tab S6は8月23日予約開始

今回も噂は事実だった。Samsung(サムスン)のGalaxy Tab S6はハイエンドが狙いのフラグシップタブレットとなる。S4からS6になるという製品名の付け方がやや混乱を招きそうだが(低価格のS5Eというモデルは存在する)、例によって優れたプロダクトで、iPad ProやMicrosoft(マイクロソフト)のSurfaceのライバルとなるはずだ。

実はS6というネーミングにヒントが隠されていた。ハイエンドのモバイルデバイスにはQualcomm Snapdragonが必須だが、その中でもGalaxy Tab S6が搭載する855は強力だ。これは、S5Eの670大きなジャンプになるしS4の835と比べてもさらに強力だ。強力なCPUの採用はGalaxy TabがSurfaceと同様、タブレットとノートの両用狙いであることを意味する。7040mAhのバッテリー15インチのディスプレイを15時間駆動できるという。

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649ドルという価格を考えればスマート・スタイラス、S Penが標準でバンドルされるのはナイスタッチだ。 Androidタブレットとしてはかなりの価格だが、それでもiPad Proのエントリーモデルより数百ドル安い。スタイラスはワイヤレスで充電される。またデバイスの裏側に具合よく吸着するのでうっかり失くす心配をかなり減らしている。もっと重要な点だが、ホルダーに逆向きに挿そうとして壊してしまう危険がなくなった。

iPad Proの側面に比べると磁石の吸着力はかなり弱いが、筐体にはS Penを収めるスロットが用意されている。私はS4のキーボードのフィーリングが気に入らなかったのでキーボードも新しくなったのは歓迎だ。【略】

リアカメラもリニューアルされ、デユアルカメラで一方はワイドレンズになった。ワイドレンズを搭載するもでるタブレットはS6が最初だ。ワイドレンズは123度の画角があり、人間の視野とほぼ同じ範囲を見ることができる。Sサムスンのスマートフォンカメラ同様、ニューラルネットワークを用いてシーンを認識し、最適化するなど画質の改善に努めている。

iPad Proに(それを言うならiPhoneにも)なくてS6だけにある機能としてはスクリーン裏の指紋センサーだ。Galaxy S10(やこの後発表されるGalaxy Note 10)のような超音波センサーではなく光学スキャナーを用いている。Sサムスンの説明では高度な超音波センサーを使わなかった理由はスペースの問題だというのだが、これは少々おかしい。タブレットのほうがスマートフォンよりスペースにはずっと余裕があるはずだ。

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スペースといえば、10.5インチのSuper AMOLEDディスプレイモデルは厚みが5.7mmとかなり薄い。実際S4より薄く、軽い。またサムスンはモバイル用ドックステーション、DeXを熱心にプロモーションしている。サムスンは Discordと提携して専用のゲームランチャーをバンドルする。これもApple(アップル)のArcadeに予め対抗しようとするものだろう。Discordは来月からサムスンタブレットに登場するという。

Wi-Fiモデルの予約受付は8月23日スタートでメモリー6GB、ストレージ128GBモデルが649ドル。80ドルをプラスすると8GB、256GBが手に入る。最初の予約ではキーボード兼用カバーを注文した場合半額になる。携帯網に接続できるモデルは今年末に投入される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ロボットは教室に居場所を見つけることができるのか?

数年前、投資家たちは、各家庭にロボットがある未来の到来に沸いた。Jibo、AnkiのCozmo、Mayfield RoboticsのKuriのようなロボットがブームとなり、ベンチャーキャピタルから数億ドル(数百億円)の投資を集めたのだ。そしてその後、上に挙げた3つの会社は、すべて潰れた。子ども用のハイテク製品に詳しいRobin Raskin氏をして「ハイテク玩具の世界の輝きは失われてしまったのか?」と言わしめることになった。

こうしたロボットと、そのメーカーが消滅してしまうのを見れば、いったいいつになったら、ロボットが私たちの生活の中で現実的な役割を果たす日が来るのだろうか、ほんとうにそんな日が来るのだろうか、と疑いたくなるのは当然だ。しかしロボットの中には、すぐには思いつきにくいようなところに居場所を見つけているものもある。学校だ。

ロボットが成功するためには、人間のニーズを満たし、実際の問題を解決し、そして使われ続けるようなアプリケーションを見つける必要がある。家庭では、現在の世代のロボットは、確かに子どもたちに数時間の娯楽を提供するかもしれない。しかし、やがて他の新しいおもちゃと同じように、見向きもされなくなってしまうのがオチだ。

しかし学校では、ロボットは、コーディングによって命を吹き込むことにより、デジタルと現実世界の溝を埋める役割を果たすことができるのを証明している。技術に明るい教師は、ロボットがプロジェクトベースの学習に活力を与えることができるのを目の当たりにしている。価値のある批判的な思考力と、問題解決のスキルの獲得を促すのだ。

K-12(幼稚園から小中高校まで)の学校が、いち早く最新技術を導入することに道を開くのは、今回が初めてではないだろう。40年前、Apple IIは、まず学校で広く採用された。デスクトップコンピュータが一般の家庭に入り込むより前のことだ。ノートパソコンも、まず学校で盛んに利用され始めたのは、よく知られた話だ。軽量で持ち運びもしやすく、クラス内での補習的な授業や、マルチメディア普及にも一役買った。さらにタブレットについても、いち早く採用したのは学校だった。目立った失敗もあったが、今ではK-12の教室の中のどこにでもあるものとなった。

K-12の学校におけるロボット類の進出は、新しいガジェットの可能性に興味をそそられたことによるものだけではなく、コンピュータサイエンスの教育に力を注ぐ必要性にも支えられたものだった。ほんの10年前には、STEM教育の要件として、コンピュータサイエンスを含めることを承認していたのは、わずか2、3の州しかなかった。今日では、ほぼすべての州が、コンピュータサイエンスのコースを、卒業要件の1つとしてカウントすることを認めている。そして17の州では、すべての高校に、コンピュータサイエンスのコースを提供することを義務付けている。

高校レベルで、コンピュータサイエンスの重要性が増していることが、小中学校の教育にも影響を及ぼすようになってきた。生徒を、州の新しいK-12コンピュータサイエンスの基準に導くための効果的な方法として、教師がロボットを利用するようになっているのだ。カリフォルニア州の教育委員会は、ロボットを使用することで、州の基準のうちの5つを満たすよう、学校に指示するまでになった。

教育者は、おもちゃとしてではなく、学習のための強力なツールとしての、ロボットの可能性を認識しつつある

教室で使われるロボットは、家庭用のロボットとは、設計レベルから根本的に異なるものだ。学習用として利用するには、家庭用にありがちな手軽なだけに底の浅い体験ではなく、生徒が数ヶ月から数年にわたって取り組み続けることができるような、深く多様な体験を提供できるものでなければならない。また教室で成功するためには、教師がそれに沿って教えられるよう、よく考えられたカリキュラムとともに提供されなければならない。ロボットは比較的高価なので、教師は長期間にわたって使える信頼性の高いものを必要としている。

LittleBitsやSpheroのような会社は、こうしたトレンドを見逃さなかった。これらの会社は、レゴのような伝統的な会社が支配していたK-12市場に向けて素早く舵を切り直した。またWonder Workshop(ワンダーワークショップ)のロボットは、アップルストアやアマゾンといった小売チャンネルを通して人気を得ることになったものだが、今では全世界で2万以上の学校に採用されている。今のところは、米国内のK-5(幼稚園から小学5年生まで)の教室の、ほんの一部で使われるようになっただけだが、彼らの成功は、投資家からの関心を集めるだけでなく、イノベーションを加速する可能性もある。ただし、それは、今だにSTEM教育のクラスや、ハイテク産業そのものを悩ましている、やっかいな公平性の壁と無縁ではいられないかもしれない。

玩具業界は、長年にわたり、男の子用と女の子用に分けて、製品を企画し、販売してきた。それが製品のデザインから広告にまでおよぶ、ある種の偏見を助長してきた。教室で使われるロボットのデザインは、すべての生徒にアピールするものでなければならない。たとえば、Wonder WorkshopのDashロボットの初期のバージョンは、駆動用の車輪が露出したものだった。

最初のユーザー調査で、同社は、生徒が車輪付きロボットを、車やトラックに見立てていることを理解した。言い換えれば、彼らはDashを男の子用のものと見なしていたのだ。そこでWonder Workshopは、Dashの車輪をカバーで覆うことにした。それは当たりだった。今では、同社のWonder League Robotics Competition(ワンダーリーグロボット競技会)の参加者のほぼ50%が女子で、毎年の優勝チームの多くが、女子だけで構成されたチームとなっている。

現在では、ロボットが人間の仕事を奪うようになるといったディストピア的な未来がまことしやかに語られがちだ。しかし教室用のロボットは、ますます多様化する教育のニーズに対応できるよう、実際に教師の役に立っている。さらに、生徒の実行力、創造性、そして他の人とのコミュニケーション能力を向上させるのにも一役買っているのだ。

教育者は、おもちゃとしてではなく、学習のための強力なツールとしての、ロボットの潜在能力を認識しつつある。そして幼稚園に通うくらいの年頃の子供たちは、ロボットを使うことで、数学的な概念を、より早く、深く理解することができるようになっている。今日、教室でロボットから学び、さらにロボットといっしょになって学ぶ機会を持っている生徒が、新しい世代のロボットを開発することになるかもしれない。将来にわたって私たちの生活の中で役割を果たすことができるようなロボットだ。彼らは、単なる技術の消費者としてではなく、技術のクリエーターとして成長していくだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

audiobook.jpがポッドキャスト配信者のマネタイズを支援、「課金システム」を提供開始

オーディオブックの配信サービス「audiobook.jp」を展開するオトバンクは8月1日、ポッドキャスト配信者に課金システムの提供を開始した。これにより、配信者はaudiobook.jpの「聴き放題プラン」と「単品販売」を通じ、ポッドキャストでロイヤリティ収益を得ることが可能となる。

オトバンクいわく、近年、ポッドキャスト市場は世界的に急成長している。特に市場が大きいというアメリカでは、「2018年のポッドキャストにおける広告収入が前年比53%、史上最高額となる4億7900万ドル(約520億円)に到達した」そうだ。

同社によると、ポッドキャストは日本でも徐々に注目番組や配信者が増えているなど一定の盛り上がりを見せている一方、「ポッドキャストの配信により収益を得られるシステムが少ない」といった課題が残っているという。

オトバンク代表取締役社長の久保田裕也氏は、「近年個人でポッドキャストを配信する例も増えていますが、サーバー費やコンテンツの制作費の負担により番組の継続が難しいという話も耳にします」と話す。そのため、この課金システムにより、オトバンクはポッドキャストの配信者が継続してコンテンツを配信できるように基盤構築を進め、新しいコンテンツ制作などに寄与していく。

また、久保田氏は「2009年ごろから一部ポッドキャストの有料化を行ってきましたが、限られた番組での実施にとどまっていました」と説明。だが、「昨年から聴き放題を開始し、ユーザーの求めるコンテンツニーズが多様化していること、またポッドキャストを提供する媒体としてもより親和性の高いものになったため」(久保田氏)、audiobook.jpでもポッドキャストの取り扱い、そして課金システムの提供を本格的に開始した。

本日より、audiobook.jpでは2種類のポッドキャストの配信方法を提供開始。1つ目は、「聴き放題プラン」の対象コンテンツとしての配信。配信者には再生時間に応じたロイヤリティが支払われる。そして2つ目は各コンテンツの「単品販売」。配信者には販売数に応じたロイヤリティが支払われる。

近年、声のブログ「Voicy」や「Radiotalk」などの音声配信プラットフォームが誕生してきた。noteでも音声コンテンツに対し料金を課することが可能となっている。ポッドキャスト配信者が活躍できる場は増えてきたが、今後、audiobook.jpの課金システムのような取り組みが増え、より多くの配信者が無理なく優良なコンテンツを継続的に配信できるような環境が整うことを期待したい。

オトバンクでは今後、順次ポッドキャスト配信者を増やしていくべく、応募を受け付けている。