アマゾンAWSが米国政府向けに「トップシークレット」リージョンをさらに開設

Amazon(アマゾン)のクラウド部門AWSが米国政府向けに特化して作られた新たな「トップシークレット」リージョンを発表した。Amazonにとって、この種のリージョンはこれで2つ目になる。これで同社は、米国の東海岸と西海岸それぞれに「トップシークレット」リージョンを置くことになった。

「AWS Top Secret-Westは、米国秘密区分レベルのトップシークレットで運用されることが認定されています。新しいリージョンは、AWS Top Secret-Eastと地理的に分離された複数のアベイラビリティゾーンを追加します」とAmazonのMax Peterson(マックス・ピーターソン)氏が新リージョンを発表する公式ブログ記事で述べた。

米国時間12月7日、東海岸リージョンで機能停止を起こしている同社は、政府クライアントのニーズが異なることを認識している。彼らを他の人類と同じ雑居サーバーに置くことはできない。隔離とセキュリティが必要であり、それこそがトップシークレット・リージョンが彼らにもたらすものだ。

「AWSは防衛、諜報、国家安全保障を司る当社の顧客とパートナーの役に立つために全力を尽くします」とピーターパン氏は書いた。

2020年同社がMicrosoft(マイクロソフト)と10年におよぶJEDI(ジェダイ)クラウドの契約を巡って争った時、さまざまな特殊要件を成し遂げる自社の能力として、このトップシークレット・リージョンを挙げることができた。その契約は訴訟の末、最終的に白紙となったが、おそらく今回の発表は、Amazonがいかに、将来国防総省で扱うような機密資料を取り扱う準備ができているかを誇示する手段の1つなのだろう。

新しい施設は、政府クライアントが作業負荷を地理的に分散し、その中から異なるアベイラビリティゾーンを選ぶ手段を与える。このゾーンは、ターゲット利用者であるNational Intelligence(DNI、国家情報長官)のIntelligence Community Directive(情報機関司令、ICD)503やNational Institute of Standards and Technology(米国標準技術局、NIST)のSpecial Publication(特別出版物、SP)800-53 Revision 4などが要求するセキュリティ水準を満たしていることが多数の政府機関によって認定されている。

画像クレジット:baranozdemir / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ツイッターがデータ分析により問題行動をより早期に特定する新しい違反ツイート報告システムをテスト中

Twitter(ツイッター)は、ユーザーがTwitterのルールに違反していると思われるツイートを報告する方法に、いくつかの変更を加えようとしている。

多くのソーシャルメディア企業と同様に、Twitterはこれまで、ポリシー違反の可能性があるツイートにフラグを立てるために、ユーザーからの報告に頼ってきた。しかし、同社が思い描いている新しいシステムでは、報告された情報は、個々のインシデントを単独評価する方法ではなく、そのユーザーのプラットフォーム上の行動パターンをより詳細に把握できるようになる。

画像クレジット:Twitter

Twitterは現在、米国内の一部のユーザーを対象に新システムのテストを行っているが、2022年からはより広範囲のユーザーにこのシステムを提供する予定だ。このシステムは、Twitterユーザーがコンテンツを報告する際に表示される既存のプロンプトを置き換える。

最も大きな変更点の1つは、ユーザーが報告する際、特定のツイートがTwitterのどのポリシーに違反しているか尋ねるのではなく、ユーザーは情報を提供し、Twitterは自動システムを使って、そのツイートがどのルールに違反しているかを提案することだ。

ツイートを報告したユーザーは、その提案を受け入れることも、正しくないと指摘することもできる。このフィードバックは、Twitterが報告システムにさらに磨きをかけるために利用される。Twitterはこれを、医者に行って自分の症状を説明するのと、自己診断するのとの違いになぞらえている。

担当チームのシニアUXマネージャーであるRena Al-Yassini(レナ・アル・ヤシーニ)氏は次のように述べている。「違反を報告する際にもどかしく複雑なのは、プロセスがTwitterルールで定義されている利用規約違反に基づいているということです。報告される内容の大部分は、Twitterの違反行為という特定の基準を満たしていない、より大きなグレーの領域に属していますが、ユーザーは自分が経験していることを、深刻で、非常に害悪なものとして報告しているのです」。

Twitterは、このようなグレーエリアに属する報告を収集・分析し、プラットフォーム上の問題行動のスナップショットを得たいと考えている。理想的には、ハラスメント、偽情報、ヘイトスピーチ、その他の問題領域の新たな傾向を、それらがすでに定着した後ではなく、浮上してきた時点で特定できるようになる。Twitterは、この変更によって人間のモデレーターを増員する必要があるかどうかについてはコメントを避け、人間によるモデレーションと自動化されたモデレーションを併用して情報を処理するとしている。

また同社は、ユーザーからの報告プロセスを改善し「ループを閉じる」ことで、たとえあるツイートが執行措置に至らなかったとしても、報告プロセスをより有意義なものにしたいと考えている。この新システムは、プラットフォームをより安全にするための調査で判明した、よくある苦情を解決することを目指している。

Twitterのヘルスチームに属する製品管理担当ディレクターのFay Johnson(フェイ・ジョンソン)氏はこう語っている。「このシステムは、まだ把握されていない未知の問題に対処するのに役立ちます。また、まだルールが存在しないような新たな問題が発生した場合、それを知るためのメソッドを確保していきたいと考えています」。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

米証券取引委員会がトランプ氏のSPAC合併話に興味津々

Digital World Acquisition Corp.(DWAC、デジタル・ワールド・アクイジション)は最近の提出種類で、予定されているTrump Media & Technology Group(TMTG、トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ)との合併について、米国政府から質問を受けたことを明らかにした。TechCrunchは、このSPAC(特別買収目的会社)と元米国大統領であるDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏と関連のある企業との合併計画についてこちらで報じている。

TechCrunchは、この合併の契約や製品目的や全体的雰囲気すべてに対して非常に懐疑的だった。

  • 10月後半The New York Timesは、トランプ氏がDWACのCEOであるPatrick Orlando(パトリック・オーランド)氏とSPACが作られる前の段階で会話していたことを報じた。「その際、オーランド氏のSPACはセキュリティ法や証券取引規則を回避した可能性がある」と同紙は伝えていた。
  • DWACとTMTGは「合併完了時に10億ドル(約1137億円)分の非貨幣的資本を受け取る契約」を12月4日に結んだとリリースに書かれている。

2件の報道を受けて、Financial Industry Regulatory Authority(FINRA、金融業規制機構)およびU.S. Securities and Exchange Commission(SEC、米国証券取引委員会)が質問していることは驚くに当たらない。

DWACの提出書類に次のように書かれている(強調は筆者による)。

DWACはある予備的な事実確認質問を規制当局から受けており、現在協力している。具体的には、2021年10月後半および11月前半、DWACはFINRAから、2021年10月20日の合併契約公表に先立つ事象(特に取引の見直し)に関する情報要求を受け取った。FINRAによるとその問い合わせは、FINRAが、何らかのNASDAQ規則違反や連邦証券法違反が起きたと断定した、あるいは、関連する証券に関わる利益もしくは当該証券の取引に影響を与えた人物を非難している、と解釈すべきではないという。さらに、2021年11月初めDWACは、SECから任意の情報および文書要求を受けた、具体的にはDWACの取締役会、取引に関わるポリシーと手続き、銀行、電話、およびメールアドレスの識別情報、特定の投資家の識別情報、DWACおよびTMTG間の特定の文書および会話についてである。SECの要求文書によると、その調査はSECが何者かが法律に反したと結論づけたものではなく、SECがDWACあるいはいかなる人物、事象、もしくは証券に対して否定的な意見を持つことを意味するものでもない。

文面からわかるように、同社は不正行為を非難されているのではないことを強調している。とはいえ、それは説明の難しい取引に対する監視としては相当なものであり、大きな疑問をもたざるをえない。

TMTGとDWACの投資家向けプレゼンテーションの内容は薄かった。そして、TMTG製品であるTRUTH Social(トゥルース・ソーシャル)を作るために使われたコードの一部が不正入手されたことがすぐに明らかになった。率直にいってうさん臭い。

このSPACがなぜ、企業というよりアイデアを集めただけのように思われるところと合併したいのかは疑問である。あの評価がどのように決められたのかも謎だ。取引に総額10億ドルを投じた投資家たちも。

一連の出来事は、製品出荷前の企業が通常許されるよりも未熟な状態で上場することを認めた、なんとも奇っ怪なメカニズムがすでに十分白い目で見られているSPACに対する印象をいっそう悪くするものだ。この取引は、ほんの少し前投資家向けに再ブランドだかでSPACと呼ばれるようになった連中に、白紙小切手会社という元の名前を改めて教える出来事だった。

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Staff / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが新コーディングプログラム開始のためBoys & Girls Clubs of Americaと提携

Apple(アップル)は、全米の子どもたちやティーンエイジャーにコーディングの機会を提供することを目的とした新しいプログラムを開始するためにBoys & Girls Clubs of America(ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ・オブ・アメリカ)と提携した。Appleの「Everyone Can Code」カリキュラムを使用して、Boys & Girls Clubの子どもたちやティーンエイジャーは、活動の中にコーディングを取り入れることになる。Appleによると、この新しいコラボレーションにより、生徒たちはアプリのデザインと開発の基本を学び、創作する機会を得ることができるようになる。このプログラムは、批判的思考と創造的な問題解決に焦点を当てる。

この新しいプログラムは、まずアトランタ、テキサス州オースティン、ワシントンD.C.、フロリダ州マイアミ・デイド郡、ノースカロライナ州ウェイク郡、シリコンバレーなど、10の地域で開始され、その後、コーディングの機会を全国のクラブに拡大していくことを目標としている。すでに、ニュージャージー州アトランティックシティ、シカゴ、デトロイト、テネシー州ナッシュビル、ニュージャージー州ニューアークでサービスを開始している。

画像クレジット:Apple

「Boys & Girls Clubs of Americaと協力して、何千人もの学生に革新的なテクノロジーの体験を提供してきました、そして、私たちは、Swiftによるコーディングを国内のさらに多くのコミュニティに提供するためこのパートナーシップを拡大することをうれしく思っています」とAppleの環境・政策・社会的イニシアチブ担当副社長であるLisa Jackson(リサ・ジャクソン)氏は、今回の発表に関するプレスリリースの中で述べた。

この最新の取り組みは、AppleのRacial Equity and Justice Initiative(人種的公平と正義のイニシアチブ)を支援するCommunity Education Initiative(コミュニティ・エデュケーション・イニシアチブ)を通じたBoys & Girls Clubs of Americaとの既存のパートナーシップに基づいている。

Appleの「Everyone Can Code」カリキュラムの最新の拡張は、新しい「Everyone Can Code Early Learners」アクティビティガイドを含む、小学生向けの新しいリソースを発表してから2カ月後に行われた。最近発表されたガイドは、Appleのカリキュラムリソースを幼稚園から大学まで拡大するものだ。「Everyone Can Code Early Learners」ガイドによって、幼稚園から小学校3年生までの生徒は、音楽、美術、科学、体育などの複数の科目を通じて、コーディングの中核となる概念の基礎を築くことができる。

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同社は、Everyone Can Codeプログラムを年々拡大し、より多くの年齢層で利用できるようにしてきた。2019年に、Appleは学生がコンセプトを試してみることを目的としているEveryone Can Code Puzzlesというプログラムを開始した。2020年、Appleは、より高度なコーディングアクティビティを行うプログラムEveryone Can Code Adventuresを開始した

画像クレジット:Apple

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

トヨタが米国初のバッテリー工場をノースカロライナに建設

自動車メーカーの多くが自社のバッテリー生産工場でサプライチェーンの主導権を握ろうとしている中、トヨタ自動車は米国初のバッテリー工場をノースカロライナ州に建設する。同社と同州政府幹部が米国時間12月6日、明らかにした。

トヨタは、トヨタ・バッテリー・マニュファクチャリング・ノースカロライナ(TBMNC)という名称のこの工場に12億9000万ドル(約1460億円)を投資し、2025年に生産を開始する予定だ。この投資は、2030年までに米国で自動車用バッテリーに34億ドル(約3860億円)を投資するという広範な約束の一部だ。

稼働開始時にはTBMNCには4本の生産ラインが設置され、各ラインが電気自動車やハイブリッド車約20万台分のバッテリーを生産できるようになる。トヨタは、生産ラインを少なくとも6本に拡張し、年間120万台分のバッテリーを生産することを目指している。新工場では約1750人の新規雇用を創出し、バッテリーの生産には100%再生可能エネルギーを使用すると同社は述べている。

このニュースは、米議会が電気自動車に対する消費者税控除の見直しを検討している中でのものだ。現在、電気自動車の販売台数が20万台以下のOEMに対しては約7500ドル(約85万円)の控除が適用されている。民主党のグループは、電気自動車のバッテリーが米国内で製造されたものであれば追加で500ドル(約5万7000円)を、また組合員のいる米国内工場で生産された電気自動車についてはさらに4500ドル(約51万円)を加算することを提案している。

トヨタは、この税控除の改正に真っ向から反対しており、議員に宛てた手紙の中で「露骨に偏っている」と指摘している。この法案は、Ford(フォード)、General Motors(ゼネラルモーターズ)、Stellantis(ステランティス)の大手3社と全米自動車労組に支持されている。

トヨタは、バッテリー生産工場の設置を発表した最新の主要自動車メーカー企業だ。こうした動きは、原材料や主要バッテリー部品のサプライチェーンが逼迫する可能性を考慮した取り組みの一環だ。Rebecca Bellan(レベッカ・ベラン)がTechCrunch+に書いたように、GMがLG Chem(LG 化学)との合弁会社Ultium(アルティウム)を設立したり、Ford MotorがSK Innovation(SKイノベーション)と契約したりするなど、バッテリーサプライヤーとの提携や合弁事業は、OEMが供給をコントロールする必要性を認識していることを示している。

画像クレジット:Kirsten Korosec

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

数十億円規模の暗号資産を盗難、SIMハイジャック事件に関与した米国ハッカーが投獄される

米国司法省は現地時間11月30日、「The Community」として知られる国際的なハッキンググループの最後のメンバーが、数千万ドル(数十億円)規模のSIMハイジャック事件に関与したとして判決を受けたことを発表した。

ミズーリ州在住のGarrett Endicott(ギャレット・エンディコット)被告(22歳)は、ハッキンググループの6人目のメンバーとして判決を受けた。同被告は、複数の被害者から数千万ドル(数十億円)相当の暗号資産を奪ったこのハッキング活動に参加したことにより、10カ月の懲役刑を受け、12万1549ドル(約1370万円)の賠償金の支払いを命じられた。

SIMハイジャックは、SIMスワップ詐欺とも呼ばれ、攻撃者がターゲットの電話番号を乗っ取ることで、テキストメッセージやその他の形式の2要素認証(2FA)コードを受信できるようにし、被害者のEメールやクラウドストレージ、最終的には暗号資産取引所のアカウントにログインできるようにする手法だ。

The CommunityのSIMハイジャックは「携帯電話会社の従業員を買収することで可能になったケースが多かった」と検察官は述べている。「他にも、SIMハイジャックは、The Communityのメンバーが被害者を装って携帯電話会社のカスタマーサービスに連絡し、被害者の電話番号をThe Communityが管理するSIMカード(ひいてはモバイル機器)に交換するように要求することで達成されました」とも。

今回の事件では、数千万ドル(数十億円)相当の暗号資産が盗まれた。カリフォルニア州、ミズーリ州、ミシガン州、ユタ州、テキサス州、ニューヨーク州、イリノイ州など、米国中の被害者が、(盗難時)2000ドル(約22万5000円)以下から500万ドル(約5億6500万円)以上の価値のある暗号資産を失ったとのこと。

司法省によると、判決を受けた被告らは、それぞれ合計約5万ドル(約565万円)から900万ドル(約10億1700万円)以上の窃盗に関与していたという。

エンディコット被告は「The Community」の他のメンバーよりも軽い刑罰を受けた。フロリダ州在住のRicky Handschumacher(リッキー・ハンシュマッカー)被告は4年の懲役と760万ドル(約8億6000万円)超の罰金、アイオワ州在住のColton Jurisic(コルトン・ジュリシック)被告は42カ月の懲役と950万ドル(約10億7300万円)超の支払いを命じられ、サウスカロライナ州在住のReyad Gafar Abbas(レイアド・ガファール・アッバス)被告は2年の懲役と31万ドル(約3500万円)超の罰金を言い渡された。

アイルランド在住のConor Freedman(コナー・フリードマン)被告は以前アイルランドの裁判所から3年の懲役刑を言い渡されており、コネチカット州在住のRyan Stevenson(ライアン・スティーブンソン)被告は執行猶予を言い渡された。両者とも、何らかの形での賠償を命じられている。

エンディコット被告の判決は、FCC(連邦通信委員会)がSIMハイジャック詐欺に対抗するための新ルールを提案してから数週間後に下されたものだ。FCCは、新しい携帯電話や他の通信事業者へのサービスの移行に同意する前に、プロバイダがより安全な方法で本人確認を行うことを求めている。また、SIMの切り替えやポートアウトの要求があった場合には、プロバイダは顧客に通知することを義務付ける規則も提案している。

関連記事:米連邦通信委員会がSIMスワップ詐欺に対抗する新規則を提案

画像クレジット:Samuel Corum / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

Facebook Messengerが米国で新しい割り勘機能「Split Payments」をテスト中

Facebook Messenger(メッセンジャー)は、ユーザーが同アプリを通じて請求書や費用を割り勘できるようにする新機能「Split Payments」のテストを開始すると発表した。同社は、この新機能は、Messengerを通じて財務処理を行うための「無料かつ迅速な」方法であるとしている。この新機能は、米国のユーザーを対象に来週から展開される。

Split Paymentsを使用するには、ユーザーはMessengerのグループチャットまたはPayments Hubで「Get Started」ボタンをクリックする必要がある。そこから、食事の勘定を均等に分割したり、自分を含めた、または含めないで、グループチャット内の各ユーザーの貢献額を修正することができる。また、パーソナライズされたメッセージを入力するオプションも用意されている。最後に、Facebook Payの詳細を確認するように求められる。その後、リクエストが送信され、グループチャットのスレッドで見ることができる。

同社はこの新機能について、ブログで次のように述べている。「グループでのディナーや共同の生活費、月々の家賃などで、うまく分担するのに(そして後から払ってもらうのに)苦労していた方は、これで楽になります」。

今回のSplit Paymentsの開始は、Messengerが数カ月前に個人間の支払いのためにVenmoのようなQRコードを追加した中でのことだ。QRコード機能は米国で提供開始され、Facebook(フェイスブック)の友達でなくても、誰でもFacebook Payを通じてお金を送ったりリクエストすることができる。この機能は、Messengerの設定にある「Facebook Pay」の項目からアクセスできる。

関連記事:米国でFacebook MessengerにQRコードによる個人間送金機能追加

Facebook Payは、個人間の支払いだけでなく、寄付やEC取引など、同社のアプリ全体に広がる決済システムを確立するための手段として、2019年11月に初めて登場した。

Split Paymentsは、クリエイターのEmma Chamberlain(エマ・チェンバレン)氏、Zach King(ザック・キング)氏、Bella Poarch(ベラ・ポールチ)氏、King Bach(キング・バーチ)氏がデザインした4つの新しいグループARエフェクトなど、他のいくつかのMessengerアップデートとともに導入された。また、Messenger内で送信すると音が鳴る絵文字である「Stranger Things(ストレンジャー・シングス)」のSoundmojiを新たに2つ、そして新しいチャットテーマをリリースした。Messengerは他にも最近、アルバム「Red」のリリースを記念して、新しいTaylor Swift(テイラー・スウィフト)のSoundmojiを発表している。

画像クレジット:Messenger

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

中国の配車サービス大手Didiがニューヨーク証券取引所の上場廃止へ

中国の配車サービス大手Didi(滴滴出行)は米国時間12月3日朝、ニューヨーク証券取引所の上場を廃止し、代わりに香港での上場を申請する手続きを開始したことを、Weibo(微博)への投稿で発表した

この決定は、中国政府が安全保障上の懸念からDidiに米国での上場廃止を要請したとBloombergが報じてから数日後のことだ。その際、TechCrunchはDidiにコメントを求めようとしたが、連絡が取れなかった。

上場廃止の動きは驚くべきことではない。ソフトバンクが支援するモビリティ企業Didiは、7月の超大型IPOの前に、データ処理の安全性を中国政府に保証できなかったことから、規制面で大きな圧力を受けていた。

ここ数カ月、中国はユーザーのプライバシー保護を強化したり、国境を越えたデータ転送を制限したりするなど、多くの新しいデータ規制を導入してきた。Didiの幹部は以前、同社がデータを中国国内に保存しており「他の多くの米国上場の中国企業」と同様に、米国にデータを渡したことは「絶対にあり得ない」と述べていた。

Didiの時価総額は現在376億ドル(約4兆2540億円)だ。同社の株式は、デビュー時には1株あたり15ドル(約1700円)を超えていたが、12月2日時点では7.8ドル(約880円)まで大きく落ち込んでいる。

画像クレジット:STR/AFP / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

アイルランドのベッティング界ベテランが米国でラグビーに賭けNFT対応ファンタジースポーツ取引所を設立

アイルランドのベッティング界のベテラン、Paddy Power(パディー・パワー)氏が設立したファンタジースポーツ取引所が、グローバルな展開を目指し、NFT対応のライブトレーディングをラグビーファンに提供開始する。

American Sports Exchange(ASX Sports、アメリカン・スポーツ・エクスチェンジ)は、ニュージーランドのデジタルメディア企業であるRugbyPassと契約を結び、同社のデータを利用して、ASXが運営するラグビー試合の仮想株式市場にファンが参加できるようにした。

ASX Sportsは2021年5月に立ち上げられ、11月初めにApple(アップル)およびAndroidアプリストアで同社の取引所を公開した。この取引所では、ユーザーがeスポーツやファンタジースポーツ選手の仮想株式を売買することができ、選手のパフォーマンスやファンの需要に応じて、その価格がリアルタイムに反映される。Six Nations Rugby Championship(シックス・ネイションズ、6カ国対抗)に先駆けて、2022年初頭にASXの取引所でバーチャルラグビーゲームが開始される予定であると、パワー氏はTechCrunchのインタビューで述べている。

RugbyPassは、1千万人以上の視聴者にリーチするという。米国市場への進出を明確に掲げているASX Sportsにとって、欧州、オーストラリア、アジアで人気のあるラグビーは意外な選択のように思える。

しかし、ダブリンからマイアミに本社を移したばかりの同社は、スポーツ分析会社Gembaによると、880万人の熱心なラグビーファンがいるアメリカで、ラグビーの人気が高まっていることに賭けている。

「NFTは非常にエキサイティングなバズワードで、米国がその中心となっています。米国は次世代ファンタジー(スポーツ)の本拠地であり、それは事実上、当社がしようとしていることです。だからこそ、マイアミに拠点を置き、そのおかげで多くのチャンスを得ているのです」とパワー氏は語る。

ASX取引所のユーザーは、特定の選手の株式を購入・保有することができるが、NFTのオーナーとなるのは、スポーツチーム自身とそのスポンサーだ。ASXでのバーチャルチームのオーナーシップに関するパートナーシップ契約の細部については、各チームが個別に交渉することになるとパワー氏は述べている。

パワー氏は以前、彼の父親にあたるDavid Power(デビッド・パワー)氏の会社であるPaddy Power Betfair(パディ・パワー・ベットフェア)でマーケティングを担当していた。Paddy Power Betfairは2019年にFlutter Entertainment(フラッター・エンターテインメント)としてリブランドし、米国のスポーツベッティング最大手であるFanDuel(ファンデュエル)の株式の過半数を取得した。ASXは、米国の多くの州、特にニューヨークのような大きな市場がスポーツベッティングを合法化しようと動いていることから、NFLやNBAなどのリーグと提携するパートナーとして自社を位置付けたいと考えている。

ASXは、Disney(ディズニー)、Caesars(シーザーズ)、Fox Sports(Foxスポーツ)などの既存企業とのパートナーシップを獲得するために、急速に資金を調達しているが、その背景には、規制緩和がある。ASXは、5月のローンチに先立ち、クラウドファンディングで250万ユーロ(約3億2000万円)の資金を調達し、その資金で約30名の開発者チームを雇用した。

パワー氏によると、同社は2022年初めにシリーズAラウンドの調達を予定しており、現在、米国の一流スポーツフランチャイズやリーグとの交渉を進めているとのこと。

ASXは先週、初の公開ゲームを開催した。これは、イングランドのプレミアリーグのLiverpool(リヴァプール)対Arsenal(アーセナル)戦をバーチャルに再現したものだ。

「何千人ものプレイヤーが参加し、プレイ中に取引が行われるなど、非常に高いエンゲージメントを得ることができました。喜ばしいことです」とパワー氏は語った。

画像クレジット:under a CC BY-SA 2.0 license.

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(文:Anita Ramaswamy、翻訳:Aya Nakazato)

米国でのサイバーウィークのオンライン支出は1.4%減の3.8兆円、早めに始まったセールが影響

米国の消費者がサプライチェーン不足を意識して早い時期に買い物したため、ホリデーショッピングシーズンの幕開けとなる、感謝祭からサイバーマンデーにかけてのサイバーウィークでは、eコマースの売上がわずかに減少した可能性がある。2020年のサイバーウィークの米消費者の消費額は344億ドル(約3兆8910億円)で、前年比20.7%増だった。しかし、AdobeのDigital Economy Indexのデータによると、2021年のオンライン消費は同1.4%減の339億ドル(約3兆8350億円)だった。

Adobeの分析は、米国のeコマースサイトへの1兆回を超える訪問データから得られたもので、18の製品カテゴリーにまたがる1億個の個別SKUを網羅しており、ホリデーショッピングの傾向を包括的に把握することができる。

分析で、ブラックフライデーから売上が減少していることが明らかになった。2021年のブラックフライデーのオンライン売上高は89億ドル(約1兆60億円)で、過去最高だった2020年の90億3000万ドル(約1兆210億円)から1.3%減少し、史上初の前年割れとなった。サイバーマンデーの売上高も前年比1.4%減の107億ドル(約1兆2100億円)で、2020年の108億ドル(約1兆2210億円)に1億ドル(約110億円)及ばなかった。一方、サンクスギビングデーのオンライン売上高は51億ドル(約5770億円)で横ばいだった。

これらの減少額は比較的小さいものだが、ホリデーショッピングの売上高が年々増加するという通常の傾向に逆行している。2020年の報道によると、パンデミックの影響で数年加速したとされるこの業界にとって、これはパンデミックの長期にわたる影響(現在ではサプライチェーンの不足も含む)が、消費者の心理にどのように作用したかを示す顕著な例となっている。Adobeによると、2021年は品不足を心配して、消費者がより早く買い物をした可能性があるという。

これを裏づけるデータがあるようだ。11月(11月1日〜11月29日)の消費者の消費額は1098億ドル(約12兆4155億円)で、2020年に比べて11.9%の大幅増となった。11月のうち22日がオンラインでの消費額が30億ドル(約3390億円)を超えたことを意味する、とAdobeは指摘している。これは新記録で、2020年に同じマイルストーンを達成したのがわずか9日だった。さらに、消費者は10月も買い物をした可能性があると同社は指摘している。

Adobe Digital InsightsのディレクターTaylor Schreiner(テイラー・シュライナー)氏は、サイバーウィークの調査結果について次のように述べている。「10月に早いセールがあり、消費者はサイバーマンデーやブラックフライデーといった大きな買い物デーをずっと待っていませんでした。サプライチェーンの問題や商品の在庫状況に対する懸念の高まりがさらに拍車をかけました。10月と11月のeコマース支出が分散され、オンラインショッピングの記録を更新するシーズンになりそうです」。

言い換えれば、2021年の売上は必ずしも全体的に減少するわけではなく、以前ほど集中しないということだ。実際、パンデミックの影響でオンラインショッピングが習慣化され、消費者は例年のようにブラックフライデーやサイバーマンデーの大規模なセールを待つのではなく、通常の活動と並行してホリデーシーズンの買い物をするようになったのかもしれない。

今回の減少にもかかわらず、年末商戦のピーク時には、例年とほぼ同じような状況が見られた。サイバーマンデーの買い物客は、おもちゃ(売上は2021年9月のシーズン前水準の約11倍)、ギフトカード(7倍)、書籍(7倍)、ビデオゲーム(6倍)、ベビー・幼児用品(6倍)など通常のカテゴリーで、2021年9月の売上と比較してより多く購入した。また、電子レンジや小型キッチン用品などの電化製品の売上もそれぞれ9.6倍、7.1倍となり、このカテゴリーの増加率は5.6倍となった。

加えて、2021年はスマートフォンによる売上も増加しており、例えばサイバーマンデーのスマートフォンによる売上は前年比8.4%増だった。しかし、これは実際には軌道修正を意味している。パンデミック前は、スマートフォンでの売上がオンライン売上の50%超を占めると予想されていた。しかし現在、自宅で仕事をしている消費者は、以前ほどスマホから買い物をする必要がないのだろう、とAdobeは指摘している。

買い物のパターンは異なるようだが、ホリデーシーズン全体では新記録を更新するとAdobeは見込んでいる。11月1日から12月31日までの期間、消費支出額は前年同期比10%増の2070億ドル(約23兆4000億円)に達すると同社は予測している。

画像クレジット:John Lamb / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブッックを内部告発したフランセス・ハウゲン氏、今度はプラットフォームの免責保護で証言へ

Facebookの内部告発者であるFrances Haugen(フランセス・ハウゲン)氏が今週、再び議会の出て、今度は、通信品位法230条関連で、同社のモデレーションとポリシーの失敗に関する独自の見解を述べる。この条項は、オンラインプラットフォームがユーザーが作ったコンテンツを掲載する際の、プラットフォーム側の責任を免除する重要な法的保護だ。

下院の通信と技術委員会のエネルギーと商業小委員会が行なうこのヒアリングは「Holding Big Tech Accountable: Targeted Reforms to Tech’s Legal Immunity(大手テクノロジー企業の有責化:テクノロジー企業の法的免責を標的とする改革)」と題され、米国東部標準時12月1日午前10時30分から行われる。Color of Changeの理事長Rashad Robinson(ラシャド・ロビンソン)氏とCommon Sense MediaのCEOであるJames Steyer(ジム・スタイアー)氏も、同日に証言する。

このヒアリングは、下院の委員会が行なう230条に関する議論として最新のものだ。3月にはFacebookとGoogleとTwitterが議員たちの前で、誤報や偽情報と戦うために彼らが行っている対策を擁護した。この2つの粗悪情報に対する懸念が民主党議員たちの関心を目覚めさせ、テクノロジー業界の長年の免責隔壁を再検討することになった。

10月の上院でのヒアリングではハウゲン氏は、プラットフォームがアルゴリズムによって特定のコンテンツを目立つようにしている件ではプラットフォームを有責とするよう230条の改正を提議した。今日のソーシャルメディアの病根に対してハウゲン氏は法的ソリューションのエキスパートではないが、長年Facebookの、その後解体されたシビックインテグリティチームにいた彼女は、アルゴリズムによって増幅されたコンテンツの危険な社会的影響についての洞察を、議員たちに提供できるユニークな立場にいる。

「ユーザーが作るコンテンツは、企業のコントロールがなかなか及ばないものです。しかし企業は、自らのアルゴリズムは100%のコントロールできます。人気が急上昇したり、バイラルで拡散されたり、公共の安全を害するようなコンテンツを、Facebookが思いどおりに選べるべきではありません」と彼女はいう。

Facebookの元ニュースフィードのトップで、現在Instagramを率いるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏も、初めて来週上院で証言し、同社の事業が、一部の若く傷つきやすいユーザーのメンタルヘルスに危害を及ぼしていたとする遺漏文書の内容について述べる予定だ。

下院エネルギー・商業委員会は、発表で現在、議会が審議している4つのテクノロジー改革法案を挙げている。

最初の法案を提出したのは、水曜日のヒアリングを行なう委員会で、この法はプラットフォームがアルゴリズムを使って「意図的または無謀にも」有害なコンテンツを推奨したときには、230条の免責保護を撤廃する。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

全米労働関係委員会がアマゾン労働者による新しい組合投票を認可

全米労働関係委員会(NLRB)の第10地域のディレクターが、アラバマ州ベッセマーのアマゾンフルフィルメントセンターで働く労働者の新たな組合選挙を許可した。NLRBの代表者がTechCrunchにこの決定を確認したところによると、小売・卸売・百貨店労働組合(RWDSU)は2021年4月に敗北した後、同センターで働く労働者を組合に加入させる2度目のチャンスを得ることになる。

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その勝利はAmazon(アマゾン)の一方的なものだったが、RWDSUは、技術系ブルーカラー労働者の組合結成活動にとって大きな試練となることが予想されていた中、すぐにこの勝利はごまかしだと訴えた。当時、RWDSUはAmazonが「ひどく露骨な違法行為」によって従業員を「ガスライティング」していると非難した。

Amazonは当然ながらこの非難を否定し、次のように述べた「Amazonがこの選挙に勝ったのは、私たちが従業員を脅したからだと、組合がいうことは容易に予想できますが、それは事実ではありません。私たちの従業員は、私たちから聞いたことよりも、組合や政策立案者、メディアからはるかに多い反アマゾンのメッセージを聞いたのです」。

RWDSUの責任者であるStuart Appelbaum(スチュアート・アッペルバウム)氏は米国時間11月29日日の声明で、今回の判決がこれまでの主張を裏づけるものであると述べている。「本日の決定は、我々がずっと言っていたことを裏付づるものです。アマゾンの脅迫と妨害によって、労働者が自分の職場に組合を作るかどうかについて公正な発言をすることができなくなったということであり、地域局長が指摘したように、それは受け入れがたいことであり、違法なことです。アマゾンの労働者は職場で自分自身の声を持つべきであり、それは組合でなければできないことなのです」。

新たな選挙の日程はまだ決まっていない。しかし、パンデミックとそれに続く経済不況の中で勢いを増した組合活動にとって、新たな全国的な火薬庫となることは間違いない。

「NLRBは、単位従業員の間で2回目の無記名投票による選挙を行う」と判決で述べた。「従業員は、団体交渉のためにRWDSUによって代表されることを希望するかどうかを投票します。選挙の方法、日時、場所は、第二次選挙の通知に明記されます」。

Amazonは、本日の判決に不快感を示しめしている。広報担当のKelly Nantel(ケリー・ナンテル)氏は声明の中で次のように指摘している。

当社の従業員は常に組合に加入するかどうかの選択権を持っており、2021年初めにはRWDSUに加入しないことを圧倒的多数で選択しました。今回、NLRBがこれらの票を数えるべきではないと判断したことは残念です。会社としては、組合が従業員にとって最良の答えであるとは考えていません。私たちは日々、従業員が自分の仕事を改善する方法を見つけられるようサポートし、それが見つかった時には、その変化を早く起こしています。このような継続的な改善は、労働組合が介在すると迅速かつ軽快に行うことができません。マネージャーと従業員が直接関係を持つことのメリットは、いくら強調してもし過ぎることはありません。この関係によって、一部の人の声だけでなく、すべての従業員の声を聞くことができます。賃金や安全性などの重要な分野では大きな進歩を遂げていますが、フルフィルメントセンターでもコーポレートオフィスでも、毎日をよくするために従業員と直接協力し、より良い方法を続けることができるものがたくさんあることを知っています。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Yuta Kaminishi)

宝くじをユーザーの代わりにゲットしてくれるアプリ「Jackpocket」、購入者層も変化

これまで実際にその場へ出向いて行わなければならなかったことを、バーチャルでできるようにしたアプリは過去20カ月間のパンデミック渦で飛躍的な伸びを見せているが、そのうちの1つが米国時間11月9日、好調な成長を背景に大きな資金調達を発表した。Jackpocket(ジャックポケット)は250万人のアクティブユーザーを擁するアプリで、ユーザーが同アプリを通して米国10州で宝くじのチケットを購入できるというものだ。その同社が今回シリーズDラウンドで1億2000万ドル(約136億9000万円)を調達した。CEO兼創業者のPeter Sullivan(ピーター・サリバン)氏は、宝くじ販売というコアビジネスからより幅広いモバイルゲームへと事業を拡大し、他社との提携も見据えて米国内外のより多くの市場に事業を展開していく計画であると話している。

「第1四半期末までに少なくとも5つの州に新しく進出する予定です」とサリバン氏は意気込んでおり、テクノロジーへ投資してeコマース、サブスクリプション、モバイルウォレットサービスの世界からの「ベストプラクティス」を導入しつつ、他の形態のゲームも検討していると付け加えている。

「多くの人はご存じないでしょうが、宝くじの何パーセントかは慈善活動に使われています」と同氏。Jackpocketは新たにラッフル、懸賞、ビンゴ、ソーシャルカジノゲームなどの分野を開拓しようとしている。「より楽しいゲームプレイと勝利のチャンスを提供し、より多くをお返しできる方法を考えています」。

Jackpocket最新のピッチデッキによると、同社の拡大戦略は以下の通りである。

今回の投資はLeft Lane Capital(レフトレーンキャピタル)が主導しており、コメディアンのKevin Hart(ケヴィン・ハート)氏、Whitney Cummings(ウィットニー・カミングス)氏、Mark Cuban(マーク・キューバン)氏、Manny Machado(マニー・マチャド)氏などが参加している他、Greenspring Associates(グリーンスプリング・アソシエイツ)、The Raine Group(ザ・レインル・グループ)、Anchor Capital(アンカーキャピタル)、Gaingels(ゲインジェルズ)、Conductive Ventures(コンダクティブ・ベンチャーズ)、Blue Run Ventures(ブルーラン・ベンチャーズ)などの以前からの支援者、そして新たにSanta Barbara Venture Partners(サンタバーバラ・ベンチャーパートナーズ)が出資している(Jackpocketはニューヨークで設立されているが、カリフォルニア州サンタバーバラからも事業を展開しており、CEO兼創業者のピーター・サリバン氏はここを拠点にしている。この記事のためにインタビューをさせてもらった際も同氏はサンタバーバラにいた)。

サリバン氏は今回のラウンドでの評価額を公表していないが、これにより同社の調達額は2億ドル(約228億1000万円)弱となった。

もう少し背景を説明しよう。PitchBook(ピッチブック)のデータによるとJackpocketが最後に資金調達を行ったのは2021年2月の5000万ドル(約 57億円)のシリーズCラウンドで、その時の評価額は1億6000万ドル(約182億6000万円)(ポストマネー)だった。しかしそれ以降も同社は成長を続けており、現在のアクティブユーザー数は250万人、過去8カ月で300%の増加となっている。

サリバン氏によるとJackpocketのアイデアは「ニューヨーク州の宝くじをいつも買っていたがパソコンには弱い、ブルックリン生まれのブルーカラー階級」というサリバン氏の父親から一部着想を得ているという。

時は2012年、テック界における当時の大きなテーマの1つは、それまでオフラインであったサービスをデジタル化するという「アプリの台頭」だった。もう1つの大きなテーマは、モバイルゲームへの関心の高まりだ。サリバン氏はこれらのトレンドを考慮して、宝くじを注文するアプリを作るチャンスがあると考えたのだ。従来はコンビニに行かなければできなかったことが、携帯でできるようになればと。

「私たちは自身を宝くじ版のUber(ウーバー)やInstacart(インスタカート)のような存在だと位置づけています」と同氏は話す。

Jackpocketは宝くじ売り場であると同時に、宝くじ体験全体を仮想化するものだと考えて良い。サリバン氏が説明してくれたように、ユーザーはモバイルアプリを使って宝くじを注文する。バックエンドではJackpocketが独自に開発したソフトウェアを使って、プレイヤーに代わって実際のチケット購入を行い、プレイヤーが注文した各チケットの「スキャン」を行っている。プレイヤーはそのチケットを見ることができ、チケットにはJackpocketが透かしを入れているため真正性も維持することができる。

他のリアルマネーオンラインゲームと同様に、Jackpocketは年齢や地理的位置(Jackpocketが運営されている州に物理的に位置していないと注文できない)など、さまざまな規制に対応するためにあらゆる対策を講じている。GPS技術を使ってユーザーの位置を特定するだけでなく、VPNを使用していないかどうか、あるいは他のアプリケーションを使ってコンピュータに接続していないかなどもチェックしているようだ。また、プレイヤーは本人確認と年齢確認のために身分証明書をアップロードする必要がある。

また、同社はギャンブル界でより「責任ある」プレイヤーになることを目指しており、ユーザーの支出を監視して1日あたり100ドル(約11400 円)を上限として設定しているが、それ以下の価格に自身で制限することも可能である。

ビジネスモデルは、顧客から入金された金額に対して9%の手数料を取ることを基本としている。つまりアプリにお金を入れてチケットを購入すると9%の手数料がかかるわけだが、獲得したお金を使ってプレイする場合に手数料はかからない。また、お金を引き出す際の手数料がかかることもない。

かなり明確な市場機会があったにもかかわらず(当時の最大の競争相手は、細分化されたコンビニ市場のみ)、当初は資金調達が非常に困難だったという。

サリバン氏は初期の頃にサンドヒル・ロードで各投資家を個別にまわった経験を振り返る。「当時はリアルマネーゲーミングを行うことはタブーとされていました」。2021年のシリーズCまでに調達した資金が約2500万ドル(約28億6000万円)と比較的少なかった理由の1つがこれである。「9年前投資家は見向きもしてくれませんでしたが、私は宝くじが鍵を握ると信じていました。宝くじは最大のリアルマネーゲームにして最大のネットワークであり、他のフォーマットとのクロスセルにも適しているのです」。

FanDuel(ファンデュエル)などのリアルマネーゲームの成功を受けて投資の流れが本格的に変わり始めたことで、宝くじ、そしてJackpocketにも変化が訪れた。業界団体であるNorth American State and Provincial Lotteriesが発表したところによると、消費者が宝くじに費やす年間の総額は856億ドル(約9兆7805億円)と推定されるという。これは、印刷およびデジタル書籍(18億ドル、約2057億円)、映画チケット(119億ドル、約1兆3597億円)、ビデオゲーム(315億ドル、約3兆5996億円)、コンサートチケット(104億ドル、約1兆1884億円)、スポーツイベント(177億ドル、約2兆226億円)など、他のレジャーカテゴリー消費額の合計を上回る額である。

「父が宝くじを買っているのを見たことはありますが、それがどのくらいの規模なのかは知りませんでした」とサリバン氏はいう。また、Jackpocketが把握している宝くじ購入者の層は変化しており、購入者の約70%が45歳以下であることにも注目したい。サリバン氏は「テクノロジーに精通した裕福な購入者が増えています」と話しており、これはアプリベースの体験にも最適な条件である。

過去2年間の特殊な状況も、Jackpocketのような企業に大きな影響を与えている。以前は宝くじなどを買うために街角の店を訪れていた消費者が、新型コロナウイルスの蔓延を避けるためにソーシャルディスタンスを保って自宅で過ごす時間を増やした他、営業を続けていた小規模店舗の多くも配送サービスに切り替えるなどしたため、チケットを買いに行くことが容易ではなくなったのである。

サリバン氏がいうような他のフォーマットの「クロスセル」は、今後重要な分野になるだろう。他のタイプの宝くじ体験を販売することだけでなく、例えばインスタント食料品配送のスタートアップなど、これまで宝くじの小売業の糧となってきたコンビニのデジタル拡張である企業や他のゲーム会社と提携する可能性もあるだろう。その可能性こそが、まさに今多くの資金を集めている理由の1つなのである。

Left Lane Capitalの創設者兼マネージングパートナーであるHarley Mille(ハーレー・ミル)氏は声明の中で次のように述べている。「モバイルゲームと宝くじは今、エキサイティングで前例のないレベルの成長と拡大を経験しています。Jackpocketがこの進歩の先頭に立ち、この業界でかつてないペースで革新を続けていることが我々には明白です。我々はこの歴史的瞬間に参加する機会を得たことに胸を踊らせており、この状況下でJackpocketの役割をサポートできることを楽しみにしています」。

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Dragonfly)

ライブ配信で表情や雰囲気を確認できる、英語圏在住のアジア人向け恋活・婚活マッチングアプリEME Hiveが約8億円調達

ライブ配信でお互いの表情や雰囲気を確認できる、英語圏在住のアジア人向けマッチングアプリ「EME Hive」が約8億円調達

英語圏在住のアジア人向けマッチング・ライブ配信アプリ「EME Hive」(イーエムイー ハイブ。Android版iOS版)を運営する米国EAST MEET EAST(EME)は11月25日、第三者割当増資による700万ドル(約8億円)の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のディー・エヌ・エー、朝日メディアラボベンチャーズ、モバイル・インターネットキャピタル。

調達した資金により、画期的かつコロナ禍でも安心して利用できるマッチング×ライブ配信のシステムを強化する。さらに、ヒスパニック系をはじめとする多人種コミュニティのシェア拡大を進める。

EME Hiveは、英語を主要言語としたアジア人を主な対象とする恋活・婚活マッチングサービスで、2013年12月にニューヨークでローンチした。ユーザー登録数は累計14万人以上という。コロナ禍で直接会うことができなかった時期でもリアルタイムにコミュニケーションが取れたことから、ユーザー数が急増したそうだ。

従来のマッチングアプリでは、「相手の写真だけを確認し、チャットのみでコミュニケーションを行いその後に直接会う」といった形式が多く、「実際に会ってみると写真と違っていた」「チャットだけでは雰囲気がわからない」などの問題が起こっている。

これに対してEME Hiveでは、写真・チャットだけではなく、ライブ配信によりお互いの表情や雰囲気を確認できるため、安心してコミュニケーションを取ることが可能だ。また米国移住時の年齢、母国語など、アジア人の関心事項に的を絞った項目を検索条件に設定できる上、アルゴリズムを入れることによってマッチングの成功率を最大化している。共通の文化コミュニティを通じて、恋愛に向けた出会いだけではなく、同じ趣味の仲間を見つけることもできるという。ライブ配信でお互いの表情や雰囲気を確認できる、英語圏在住のアジア人向けマッチングアプリ「EME Hive」が約8億円調達

米国、中国軍の量子コンピューター開発に協力する企業として日本含む4カ国27社ををエンティティリストに追加

米国、中国軍の量子コンピューター開発に協力する企業として日本含む4カ国27社ををエンティティリストに追加

Han Xu/Xinhua via Getty Images

米国商務省は、国家安全保障上の懸念があるとして中国企業12社を貿易ブラックリスト、いわゆるエンティティリストに追加したと発表しました。これら企業は、中国軍の量子コンピューターへの取り組みを支援しているとされます。

11月24付で公表されたエンティティリストには先の中国企業含め、パキスタン、シンガポール、そして日本の4か国計27企業が新たに追加されています。また中国、パキスタンの企業のなかにはパキスタンで核開発や弾道ミサイルの計画に携わっている言われている企業13社が含まれています。

ジーナ・レモンド商務長官は声明において「国際的な通商・貿易は、国家安全保障上のリスクでなく、平和と繁栄、そして良質な雇用を支えるものでなければならない」と述べました。

なお、今回リスト入りした日本の企業というのは、Corad Technologyと称する中国企業の関連会社とのこと。Corad Technologyは2019年にイランの軍事および宇宙計画のためにに米国技術を販売したとしてリスト登録されており、関連会社は日本やシンガポールに所在しています。

その他の企業の多くは、中国軍による対潜水艦兵器の開発、暗号の解読、逆に解読不可能な暗号の開発などで量子コンピューターを活用する目的のため、米国の新技術を盗み出そうとしたとされます。またほかにはパキスタンの”安全でない核開発活動”に協力しているとされる3社が含まれています。

エンティティリストに登録された企業に部品やその他物資を供給する米国のサプライヤー企業には、事前にライセンスを得る必要が生じます。しかし、米商務省産業安全保障局(BIS)側は、これを許可する可能性は低いと考えられます。

量子コンピューターを軍事的に利用しようとするには、その方法などをこれから研究開発していく必要があります。そのためエンティティリスト登録だけでは、将来的な量子コンピューターの軍事利用を阻止することはまずできません。

とはいえ、開発を手助けする米国産のプロセッサーや関連機器の供給を止めることは、中国における軍事量子コンピューター開発の流れを少しでも弱めることにつながります。

米国は、中国の量子コンピューター開発が経済的な面だけでなく軍事的な面でも、米国が優位に立つための障害になると考えているということです。

(Source:U.S. Department of Commerce(PDF)Engadget日本版より転載)

Instagramのアダム・モセリ氏、 10代のメンタルヘルスについて上院で証言

Instagram(インスタグラム)の責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は、子どもや10代の若者のオンラインの安全性に関する一連の公聴会の一環として、初めて上院で証言する。The New York Timesによると、モセリ氏の公聴会は米国時間12月6日に行われる。

モセリ氏の公聴会は、Richard Blumenthal(リチャード・ブルーメンタール)上院議員(民主党)が、Facebook(現Meta)のCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏に手紙を送り、彼かモセリ氏のどちらかが上院の公聴会に参加するよう要請したことに端を発する。

モセリ氏は、上院議会への出席のニュースを受けて動画を投稿した。彼は、10代の若者のオンラインでの安全性に対する懸念が高まっていることを話し、10代の若者のアカウントをデフォルトで非公開にしたり、若者が目にする広告の種類を制限したりするなど、Instagramが若いユーザーを保護するために行ってきた過去の対策を紹介した。

関連記事:Instagramが10代ユーザーのアカウントをデフォルトで非公開に、広告や望まない大人からの接触を制限

「これらの問題について、比較的近いうちに議会で話すつもりです」とモセリ氏は語った。「これらは重要な問題ですが、私たちは共通の目標を持っています。私たちは皆、若い人たちがオンラインで安全に過ごして欲しいと願っています」。

9月にInstagramが10代の少女に危険な影響を与えていることを知っていたという報道が流れたとき、上院商務科学運輸委員会はそれを重くみた。委員会はまず、Facebookのセキュリティ部門のグローバルヘッドであるAntigone Davis(アンティゴン・デイビス)氏に質問したが、上院からの直接の質問には答えなかった。その数週間後、委員会はFacebookの内部告発者であるFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏の証言を聴取した。ハウゲン氏は「Facebook Papers(フェイスブック・ペーパーズ)」として知られる何千もの内部文書を流出させた元シビックインテグリティプロダクトマネージャーだ。ハウゲン氏はこの証言で、Facebookはユーザーの安全よりも利益を重視していると上院に訴えた。

「Facebookが、私や他の議員、一般市民に対して完全に透明性を保とうとせず、若者のメンタルヘルスや依存症に関する重要な情報を隠しているように見えることに失望しています」と、この公聴会を主催する上院委員会の議長を務めるブルメンタール上院議員は書いている。「私が8月の手紙でInstagramと10代の若者に関する具体的な情報を求めたとき、Facebookは、ハウゲン氏が直接反論した明らかに回避的で誤解を招くような回答をした」。

2021年10月、Snap(スナップ)、TikTok(ティックトック)、YouTube(ユーチューブ)の幹部から話を聞いた後、再びInstagramの代表者から話を聞くために委員会は開催される。思春期の摂食障害の発症とInstagramの関連性について委員会が関心を示していることを考えると、モセリ氏は、Instagramが10代の少女に与える影響についてMetaが行いリークされた内部研究について質問されることが予想される。

関連記事:Snap、TikTok、YouTubeの公聴会で、米議員がオンラインで子どもたちを守る新ルールを声高にアピール

The Wall Street Journalが入手し、後にMeta自身が発表したこの内部研究によると、Instagramは10代の女の子の3人に1人のボディイメージの問題を悪化させ、10代の女の子は不安や鬱病の増加をInstagramのせいにしていることがわかった。自殺願望のある10代の若者の間では、6%のユーザーが自殺で死にたいと思ったきっかけをInstagramだとしている。さらに、調査対象となった10代の女の子の32%が、自分の体に悪い印象を受けたとき、Instagramがその気持ちをさらに悪化させたと報告している。

これらの文書が流出した直後、モセリ氏はInstagramがInstagram Kids(インスタグラムキッズ)の構築を一時停止することを発表した。Metaには、13歳未満のユーザーが親の承認した相手とチャットできるMessenger Kids(メッセンジャーキッズ)などの製品がすでにある。

「この体験を開発する必要性を支持しますが、このプロジェクトを一時停止することにしました」とモセリ氏は書いた。「これにより、保護者、専門家、政策立案者、規制当局と協力し、彼らの懸念に耳を傾け、10代の若者のオンライン経験にとってこのプロジェクトの価値と重要性を示すための時間を得ることができます」。

しかし、批評家たちは、Metaが責任を持ってInstagram Kids製品を構築する能力があるかどうかについて懐疑的だ。2021年11月に発表された調査によると、Facebookは広告ターゲティングのために10代の若者を監視し続けていると言われている。

「あなたかアダム・モセリ氏が証言して、記録を整理し、議会のメンバーや親たちに、あなたがどのように子どもたちを守るのかという計画を示すことが緊急かつ必要です」とブルメンタール上院議員はザッカーバーグ氏に書き送った。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Yuta Kaminishi)

ゲームクリエイター小島秀夫氏率いるコジマプロダクションがLAに映画・TV・音楽コンテンツ関連の新部門開設

ゲームクリエイター小島秀夫氏率いるコジマプロダクションがLAに映画・TV・音楽コンテンツ関連の新部門開設

Kojima Productions

『メタルギアソリッド』シリーズや『デス・ストランディング』で世界的な支持を集めるゲームクリエイター、小島秀夫氏が率いるコジマプロダクションが、映画・テレビ・音楽に関する新しい部門を開設しました。GamesIndustry.Bizによると、コジマプロダクションはロサンゼルスにこれら新部門の拠点を置き、元SIEのライリー・ラッセル氏が陣頭指揮を執るとのこと。

ラッセル氏は28年間SIEに務め、PlayStationの法務や商務部門を率いてきた人物で、今回のコジマプロダクションとの合流について新部門の役割を「ゲーム業界に加え映画・テレビ・音楽の各業界でクリエイティブな才能を持つプロフェッショナルたちとの協力体制を構築する」ことだと述べ「コジマプロダクション作品の認知度向上、大衆化を目指す」としています。

また「新しいビジネス開発チームはロサンゼルスを拠点としてすべてのエンターテインメント業界で、できる限り最高のエンターテインメントの才能と協力することを楽しみにしている」と続けました。

小島作品はこれまででもすでに『メタルギアソリッドV』でスネーク役の声優としてキーファー・サザーランドを起用し、『デス・ストランディング』ではノーマン・リーダス、マッツ・ミケルセン、レア・セドゥ、ギレルモ・デル・トロ、リンゼイ・ワグナーといった豪華キャストを揃えてきました。

今回の新部門開設は、ゲームというジャンルを超える創造的な物語を提供し、ファンがその世界に没頭しコミュニケーションできるようにする方法を切り開いていくためと考えられます。小島作品はそのストーリー展開や”見せ方”における映画的なアプローチを特徴としており、新しい部門は将来、ゲームのコンセプトを長編映画、サウンドトラック、さらには配信向け映像作品といったジャンルに展開していく可能性を示しているのかもしれません。

ちなみに現在、ハリウッドでは『メタルギアソリッド』の実写映画化が進められており、スネーク役にオスカー・アイザックの起用が発表済みです。

(Source:GamesIndustry.BizEngadget日本版より転載)

【コラム】米議会はインフラ法案が暗号資産に与える影響を明確にしなければならない

先日、Joe Biden(ジョー・バイデン)米国大統領が署名した1兆ドル(約114兆円)規模のインフラ法案には、暗号資産取引に課税する条項が含まれており、これによって米国政府は年間約28億ドル(約3200億円)の税収を得ることになる見込みだ。

率直に言って、これは大した金額ではない。

問題は、この法律の暗号資産税の部分が明確に記されていないことだ。米国政府は急成長している経済の一部を潰してしまう恐れがある。

このインフラ法案では「ブローカー(仲介者)」に税務報告義務が課せられるとしている。しかし、ブローカーを介さなくてもスマートコントラクトを締結することはできる。その場合の報告義務は誰が負うのだろうか? 採掘業者がブローカーとみなされるのだろうか?

あるレベルにおいては、他の投資利益と同様に、暗号資産取引で得た利益に政府が課税するべきであることは疑いの余地がない。一般的には、暗号資産を清算するとき、あるいは譲渡するときだ。しかし、この法律の曖昧さは、取引プラットフォームが米国市民のアクセスを排除したり、あるいは単に小規模な暗号資産投資家が市場に参入または残留することを妨げる危険性がある。

以前にもこんなことがあった。FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)が施行された際に、一部の金融機関は、リスクと潜在的な利益に比べてコンプライアンス法の負担があまりにも大きいため、米国市民のサービス利用を拒んだのだ。

単純なものから複雑なものまで、考えなければならないシナリオをいくつか紹介しよう。

  • ビットコインを使って自動車を購入する場合、自動車を購入するためにビットコインを使った時点で課税されることになる。これは簡単なことだ。
  • 暗号資産取引所でドルを使ってEther(イーサ)を買った場合、どうやって課税するかを考えるのは簡単だろう。これもわかりやすい取引だ。
  • 他の人が購入するNFT(非代替性トークン)を保持するために、自分が使用しているスマートコントラクトに自分の暗号資産を転送する場合。物事はあっという間に面倒になり、個人が法人取引のような複雑な税金に対処するリスクが発生する。

その最低額は1万ドル(約114万円)で、これは銀行秘密保護法から引き継がれたものだ。この金額以下の取引には課税されないが、1万ドルというのは複雑な税務処理が必要になるにしてはかなり低い金額だ。

取引プラットフォームや投資家にとっては、税金の申告が大変なものになり、さらなる投資意欲を削ぐ可能性がある。それによって、最終的には課税が無意味になるか、少なくとも推定よりもはるかに少ない税収しか得られなくなるかもしれない。

そしてIRS(米国内国歳入庁)にとっては、これは複雑な監査対象となる可能性が高い。IRSには、IDとこれらの取引を結びつける方法が必要になる。これは、Coinbase(コインベース)のような取引プラットフォームではすでに行われているが、個人の採掘者は通常行っていない。

この法案で注目すべき点は、多くの税法は当初は問題があっても、時間の経過とともに明確になっていくことがほとんどだが、今回のインフラ法案はその逆を行っているように思えることだ。議会はまずインパクトのある数字(1.1兆ドル、約125兆6000億円)を提示し、それに見合うだけの税金を生み出す方法を探ろうとした。

これはいくつかの意味で異常なことだ。しかし、おそらく米国の現在の政治状況を示しているのだろう。これまでの政治家は、まず資金を供給したい具体的なプログラムを考え、そのコストをできるだけ小さくしようとしたものだ。今回は、どちらの政党も、自分の政党が政権を取ったときに、より多くの数を約束するために戦っていた。Trump(トランプ)元大統領は、2兆ドル(228兆円)規模のインフラ法案に取り組んだものの、結局それが法律として成立されることはなかった。

米国では政治的に少々奇妙な時代になっている。マイアミやニューヨークの市長をはじめ、さまざまな自治体の長が給与を暗号資産で受け取ることを提案している一方で、国レベルでは、連邦政府の長期的な計画における明確な指針はない。

最終的には、暗号資産は何らかのかたちで存続することになるはずだが、連邦政府は経済学者や研究者、暗号資産プラットフォーム開発者などの専門家と話をして、アプローチを真剣に考える必要がある。

編集部注:本稿を執筆したChristopher MortonはCognito(コグニート)のCOO。

画像クレジット:hamzaturkkol / Getty Images

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(文:Christopher Morton、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米当局が重大なサイバーセキュリティ事案の36時間以内の報告を銀行に義務付け

米国の金融規制当局は、銀行が「重大な」サイバーセキュリティ事案を発見した場合、発見から36時間以内に報告することを義務付ける新ルールを承認した。

この規則では、銀行は業務の実行可能性、商品やサービスを提供する能力、または米国の金融セクターの安定性に重大な影響を与えているか、または与える可能性が高い事案について、連邦監督機関に報告しなければならない。対象には、顧客の銀行サービスへのアクセスを妨害する大規模なDDoS(分散型サービス妨害)攻撃や、銀行業務を長期間不能にするコンピュータハッキング事案などが含まれる。

さらに、銀行(この規則では国立銀行、連邦協会、外国銀行の連邦支店を含む「銀行組織」と定義されている)は、事案が4時間以上にわたって顧客に重大な影響を与えた場合、または与える可能性がある場合には「できるだけ早く」顧客に通知しなければならない。

「コンピュータセキュリティ事案は、破壊的なマルウェアや悪意あるソフトウェア(サイバー攻撃)だけでなく、ハードウェアやソフトウェアの悪意のない故障、人為的なミス、その他の原因によっても発生する可能性があります」と、コンピュータセキュリテインシデント通知最終規則は説明している。「金融サービス業界を標的としたサイバー攻撃は近年、その頻度と深刻さが増しています。これらのサイバー攻撃は、銀行組織のネットワーク、データ、システムに悪影響を及ぼし、最終的には通常の業務を再開する能力にまで影響を及ぼす可能性があります」。

連邦預金保険公社(FDIC)、連邦準備制度理事会(Board)、通貨監督庁(OCC)によって承認されたこの最終規則は2022年4月1日に発効し、2022年5月1日までの完全遵守が求められる。

このルールが、銀行スタートアップやフィンテック企業にも適用されるかどうかは不明だ。TechCrunchはFDICに詳細を問い合わせたが、すぐには返答が得られなかった。

金融規制当局は2020年12月に初めて通知義務を提案したが、業界団体から否定的なフィードバックがあったため、最終規則の一部要素の変更を余儀なくされた。例えば、当初の案では、銀行が重大なサイバー事案に見舞われたと「誠意を持って信じた」場合に事案を報告しなければならないとされていたが、銀行はかなりのサイバー事案に直面してきており、これでは広範な事案が過剰に報告される恐れがあると業界から警告され、ルールは変更された。

「コメントを慎重に検討した結果、当局は『誠意の信念』の基準を銀行組織の判断に置き換えています」と最終規則の概要に記載されている。「提案されていた『誠意をもって信じる』という基準は主観的で不明確すぎると批判したコメントに、当局は同意しています」。

この規制についてコメントしていた業界団体の1つであるBank Policy Institute(BPI、銀行政策研究所)は、最終規則を支持すると声明で述べた

BPIのテクノロジーリスク戦略担当上級副社長であるHeather Hogsett(ヘザー・ホグセット)氏は「BPIはタイムリーな通知の価値を認識しており、重大なインシデントが発生した際に規制当局や関係者に通知するための明確なタイムラインと柔軟なプロセスを確立した最終規則を支持します。この規則はまた、通知と報告を明確に区別している点でも重要です。サイバー事案の通知は、規制当局と銀行の早期の連携を促し、銀行が事案に対応したり調査を行ったりしている間に、規制当局が金融システム全体に広範な影響を及ぼす可能性のある状況を認識できるようにします」と述べた。

画像クレジット:Robert Alexander / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

米ピザチェーンで10万人分の社会保障番号が漏洩

カリフォルニア・ピザ・キッチン(CPK)は、従業員および元従業員10万人分の社会保障番号(SSN)がデータ侵害によって暴露されたことを発表した。

全米32州に250以上の店舗を持つピザチェーンは、今週掲載したデータ侵害報告で事件を正式に認めた。同社によると、9月15日にシステムの「破壊」を認識し、システム環境を「ただちに安全にする」行動をとった。10月4日までにサイバー犯罪者が同社システムに侵入して一部のファイルをアクセスし、その中には従業員の名前とSSNが含まれていたことを確認した、と同社は語った。

CPKは、侵害の影響を受けた人数を明らかにしなかったが、メイン州検事当局からの通知によると、現行および過去の従業員合わせて10万3767人(メイン州在住者8名を含む)が影響を受けた。CPKは2017年時点で約1万4000人を雇用していたことから、影響を受けた人の大部分は元従業員と思われる(TechCrunchはCPKに詳細を確認したがすぐに返答はなかった)。

「情報セキュリティは、当社の最大優先事項の1つであり、情報を保護するために厳格なセキュリティ対策を施しています」とCPKは語った。「本事象を発見した後、当社はただちに行動を起こし、コンピューター環境のセキュリティの見直しと強化を行いました。現在セキュリティポリシーを見直しており、今後の同様の事象に対する保護を強化するための追加措置を実施しました」。

しかし、CPKは事件を受けてセキュリティを強化しているものの、事件を州当局に報告するのになぜ2カ月もかかったかは不明である。同社は、データ侵害通知の「警察当局による遅延はなかった」と言っている。

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画像クレジット:Anne Cusack / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Nob Takahashi / facebook