Instagramはその拡散力を生かして正しい新型コロナ対策の伝達にひと役買う

Instagramは常にたくさんの人が利用しているという特徴を生かして、ホーム画面を新型コロナウイルス予防情報のニュースページにしてしまった。一部の国ではそこに、WHO(世界保健機構)とその国の保健衛生機関などへのリンクとともに「新型コロナウイルス(COVID-19)の拡散防止のために、保健衛生関連機関からの最新の情報をチェックしよう。厚生労働省へのリンク」といったメッセージが表示される。

Instagramのスポークスパーソンによると、これらの注記はウイルス被害の大きい国から順に表示しているという。

またCOVID-19関連の拡張現実エフェクトは、合法的な保健衛生機関とのパートナーシップで作られたもの以外は検索できない。これはウイルスに関する不正確な情報や、無神経なジョークの拡散を防ぐためだ。Instagramはすでに偽情報をファクトチェッカーに送っており、新型コロナウイルス関連の検索結果上部には公的保健医療機関のリストがある。

この緊急事態への集中を維持するためにFacebookは、ARによる顔写真フィルターを始めるために2016に買収したMSQRDアプリを閉鎖した。このアプリを4月13日に利用できなくなるが、その技術はすでにFacebookやInstagramに完全に統合されている。

一方Snapchatは、パートナーが偽情報を共有するのを禁じ、同社のクローズドなプラットフォームだけを利用している。それはFacebookといったオープンなプラットフォームを悩ませている、ニュースデマを防ぐためだ。SnapchatはDiscoverのパートナーであるテレビ局や新聞社、通信社(NBCのStay Tuned、Sky News、The Wall Street Journal、The Washington Post、CNN、NowThisなど)などがシェアしている健康情報を強調表示しており、以下のようなものがある(ただし、モバイルでしか見られないコンテンツもある)。

  • Washington Postには手の正しい洗い方の説明がある。
  • WSJはCOVID-19の世界的拡散の様相を説明している。
  • 英国のSkyNews Explainsは自分を隔離する方法を列挙している。

現在、多くの人が伝統的なニュース媒体よりもソーシャルメディアを頻繁に見ることをよく知るソーシャルプラットフォームの賢明な取り組みだ。Instagramの月間ユーザーは10億人あまりで、Snapchatは1日のユーザーが2億人を超えている。彼らには重要な情報を広める力があり、新しいかたちの緊急放送システムとして機能することができる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

物言う株主はTwitterの収益力強化のために経営刷新を要求

ニューヨークのアクティビスト投資企業Elliott Management(EM)がある企業に目をつけるときは、通常、その企業が期待以下の業績で、ポテンシャルのほとんどが眠ったままであることを意味している。米国時間2月28日のロイターの記事は、同社がTwitterの株を大量に買って取締役会の椅子を狙っている、と報じている。

複数の情報筋がこの情報を確認し、購入した株式は総株数の4〜5%の範囲だ、としている。同社は3名ないし4名の取締役の座を得て、すでに報道されているJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏に代わるCEOの任命をはじめ、大きな変化を要求するものと見られる。

その情報筋の説では、まずドーシー氏はSquareをはじめとして副業が多すぎるし、他にも暗号通貨やアフリカへの関心が大きくなっているため、Twitterには彼に代わってフルタイムで専門職の最高経営責任者が必要であるという。ただしドーシー氏を完全に下ろすというのではなく、もし彼が他のプロジェクトを捨てるなら、EMは喜んで彼をつなぎとめるとのことだ。

また同社は、プロダクトマネージャーのような重要なポジションの役員交代がコンスタントに行われていることを懸念しており、安定させたいと考えている言われている。Elliotのターゲットがどれもそうであるように、Twitterの業績もずっと低空飛行だが、現在よりも大きな収益を得るポテンシャルは十分にある。

過去にもそうであったように、ある時点でElliotは、同社が見出した問題の概要を記した公開書簡を株主たちと共有し、その中でより安定高収益な未来への道筋を示すだろう。同様の書簡を同社は2019年にはeBayに送り、計画の実行を近く開始すると発表した。Twitterの場合も同じパターンになると見てよいだろう。

この動きを、Elliotの創業者で代表でもあるPaul Singer(ポール・シンガー)氏の政治姿勢との関連で見ないわけにはいかない。しかし彼は共和党の有力なスポンサーだが、今回は金が目的であり政治は関係ないと情報筋は言う。

情報筋の説によると、このファンドは年金基金や慈善団体の基金など、多数の投資家を管理している。そういう団体には受託者責任というものがあり、したがって投資の意思決定に政治が入り込むことは、ある情報筋の言葉では「ばかばかしい」ことだという。しかしTwitter上では先週末から、シンガー氏の政治的な動きだという声が多い。

いずれにせよTwitterには大きな変化が訪れて、その波はユーザー体験や新製品、そして広告の増加にも反映されるだろう。ドーシー氏に代わる新しいボスは、このプラットホームが持つ財務的ポテンシャルを解き放つだろう。

本記事を書いている米国時間3月2日の時点でTwitterの株価は、このニュースの影響で8%あまりも上がった。

関連記事: Elliott Management letter puts eBay on notice to improve stock performance, sell StubHub…Elliott Managementの書簡はeBayの株のパフォーマンス向上とStubHubの売却を示唆(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Instagramが最新投稿の見逃しを防ぐ機能を開発中?

フォローしている人たちの写真やビデオを新しい順に見たいと思ってた人は、やっとその願いが叶うかもしれない。どうやらInstagramは、メインフィード上に特別なポップアップを出して、新しい投稿を表示する「最新ポスト(Latest Posts)」機能を開発しているようだ。

Instagramの最新ポスト

現在のところ、それはFacebookのニュースフィードのように完全に新しい順ではないが、何も見逃したくないと思ってる人や、今何があるか知りたい人の欲求を満たしてくれるだろう。

「最新ポスト」機能のプロトタイプを発見したJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏はリバースエンジニアリングの達人で、これまでも数多くの開発中にある新機能をTechCrunchに教えてくれた。上の画像は、InstagramのAndroidアプリのコードから生成したスクリーンショットで、ホーム画面上に出るポップアップには「おかえりなさい! ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名からのポストがあったわ」というメッセージがある。「ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名」のところはもちろん、あなたがフォローしてる人の名前になる。「Not Now(あとで見る)」の下にある「See Posts(ポストを見る)」をタップすることで、別画面に最新のポストが表示される。

このプロトタイプの詳細をInstagramに問い合わせたが、記事の締め切りまでに返事はこなかった。しかしInstagramはウォン氏の発見が本物であることをこれまで何度も確認してくれたし、機能の正式ローンチが数カ月後になることもあった。

Instagramは以前、You’re All Caught Up(あなたはすべてを見ました)という機能を試したことがある。これはユーザーが過去48時間以内のポストをすべて見たら、それを教えてくれる機能だ。今回の「最新ポスト」も、熱心なインスタユーザーが最新のポストを何ひとつ見落とさないようにしてくれる機能だ。

ユーザーは安心してアプリを閉じ、生活に戻れるだろう。

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Wikipediaの英語バージョンの記事数が600万超え

米国時間1月23日、Wikipediaが重要なマイルストーンを超えた。この世界最大のオンライン百科事典の英語バージョンの記事が今や600万本以上になったのだ。

この偉業は、このウェブサイトの創設から約19年後に達成され、Wikimediaの主席顧問であるRyan Merkley(ライアン・マークリー)氏によると、「人間が力を合わせればできること」の証(あかし)だ。なおWikimediaは、この遍在的なオンライン百科事典を運営している非営利団体だ。

600万番目は、19世紀のカナダの学校教師で紀行作家でフィクションのライターでもあったMaria Elise Turner Lauder(マリア・エリーゼ・ターナー・ローダー)氏に関する記事だ。この記事は、Wikipediaの長年のエディターであるRosie Stephenson-Goodknight(ロージー・スティーブンソンーグッドナイト)氏が執筆した。

Wikipediaは数十か国語で利用できるが、最も記事数が多いのは英語バージョンだ。英語エディションは2015年後期に500万記事を超え、第2位はおよそ230万記事のドイツ語バージョン、第3位が約210万記事のフランス語バージョンだ。

ウェブサイトとしてビジター数がいちばん多いのも英語エディションで、公表されている数字によると英語バージョンのウェブサイトは1日の平均ページビュー数が2億5500万PVだ。SimilarWebのウェブアナリティクスによると、Wikipedia全体はビジター数が8番目に多いウェブサイトだ。

ここ数年Wikipediaは各国でセミナーを開き、それぞれの国の言葉による寄稿者(コントリビューター)を育成してきた。またツールを改良して、執筆や公開、他からの引用などがやりやすいようにした。

今日600万記事を達成した英語版Wikipedia、おめでとう! @WikiWomenInRedの@Rosiestepが作ったその記念すべきページは、19世紀の旅行好きで博愛主義者のライターMarie “Toofie” Lauderの略歴だ。

Jimmy Wales(ジミー・ウェールズ)がWikipediaを創設したとき彼は、目標は「人類のすべての知識へのフリーなアクセスだ」と言った。一部の推計によると、人類のすべての知識は1億400万記事を必要とする。そしてその達成には、あと20年かかる。

画像クレジット: Simon Dawson/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Spotifyがソーシャルに曲を「発見」できるTastebuds機能を開発中

Spotify(スポティファイ)は、友だちが何を聴いているかを調べられる「Tastebuds」(テイストバッズ、味蕾という意味)のプロトタイプを開発している。音楽発見サービスは本来ソーシャルなものだが、2017年にInboxを廃止して以来、Spotifyにはモバイルアプリで友だちと直接コミュニケートできる機能がない。「友達のアクティビティー」の表示機能はデスクトップ版に限定されている。

どうやらSpotifyは、同社が用意したプレイリストと「発見」の画面だけをユーザーに見せるために、故意にソーシャル機能を制限しているようだ。それが、Spotifyにキングメーカーの地位を与えている。ここで紹介されたアーティストはスターへの道が開かれるため、Spotifyは大変な影響力を手にしたわけだ。そのため、レコードレーベルはSpotifyと仲良くしておかないと、つまり持続可能なロイヤリティー料率と独占権を提供しなければ、自社のアーティストがプレイリストから外されてしまうと恐れるようになり、Spotifyのレコードレーベルとの交渉態度はさらに強気になった。

この戦略が功を奏し、Spotifyはライセンス契約数を増やし、レーベルにとっては決定的な意味を持つ重要なプロモーションパートナーとなり、やがては新規株式公開への道筋が付いた。Spotifyの株価は、公開価格132ドルでスタートし、公開当日は165ドルまで上昇したが、152ドル近辺で推移している。この地位に大変に満足したSpotifyは今回、「発見」に関する制限を解除。ユーザーが、友だちが聴いている音楽からよりよいインスピレーションが得られるようにしようと考えたようだ。

ジェーン・マンチャン・ウォンによるSpotifyのTestebudsのコード

Testebudsは、友だちの音楽の嗜好を探れるというものだ。Tastebudsは、My Library、Home、Browsのセクションと並んで、ナビゲーションのオプションという位置づけになる。まだ機能していないが、この機能のランディングページには誰でもアクセス可能だ。説明もわかりやすい。そして「Tastebudsとは?味覚の確かな友だちを通じて音楽を発見できるようになります」と書かれている。

プロトタイプの機能は、リバースエンジニアリングの魔女でありTechCrunchの常連情報屋であるJane Manchun Wong(ジェーン・マンチャン・ウォン)氏がSpotifyのウェブ版から発見した。彼女はその仕組みを詳しく教えてくれた。「フォローしている人の検索」を行うペンのアイコンをタップすると、そのユーザーたちが一番よく聴いている曲の情報が示され、その曲を簡単に聴くことができ、彼らのライブラリに曲を追加することもできるという。

Tastebudsがなければ、Spotifyでソーシャルに他の人たちと関わり合える手段は、目立たないわずかなものに限られる。SMSやFacebook Messengerなどのボタンで曲を友だちに送るか、InstagramやSnapchatのストリーに曲を貼り付けるかだ。Spotifyでは、以前はアプリに内蔵されたInboxで曲のやりとりができたのだが、もっと人気のあるメッセージアプリを使ったほうがユーザーのためになるという理由から廃止されてしまった。

モバイル版とウェブ版では廃止されたが、デスクトップ版アプリでは、Facebookの「友達」が今聴いている曲を「友達のアクティビティー」のティッカーで見ることができる。また、特定のユーザーを探してフォローすれば、その人が公開しているプレイリストが見られるようになる。だが、Spotifyはユーザーの検索を積極的に推奨はしていない。

Spotifyには、他にも、実験は行ったが採用されなかったソーシャル機能がいくつかあった。そのひとつが、The Vergeのkly-playlist” rel=”noopener”>Dani Deahl(ダニー・ディール)氏が去年発見したFrends Weeklyというプレイリストだ。今年の5月には、ウォン氏が発見して我々が報じた、キューを共有して、離れていても友だちと同じ曲を同時に聴けるSocial Listening機能があった。 2014年には、Spotifyはブロブ的なブランジングから、アルゴリズムによるお勧め、好きなアーティストの新曲、友だちがよく聴いている曲などをもとに動的に更新されるPlayFeedプレイリストを作るようになると私が報じたが、その後、Discovery WeeklyとRelease Radarが追加された。Tastebudsも、最新のソーシャル機能として加わる可能性が高い。

Spotifyの友だちと同時に聴けるソーシャル視聴機能のプロトタイプ

結果としてできるのは、友だちが今何を聴いているかをほんの少しだけのぞくか、非常に数が少なく、それでいて古くなってることが多い友だちが自分で公開したプレイリストを手に入れるか、別のメッセージアプリで曲を送るぐらいなものだ。友だちが最近何を聴いているのか、またその人の音楽の好みを全体的に知る優れた手段がない。

我々は、Tastebudsがどのように動作するのか、誰が何を見られるのかに関するプライバシー機能、この機能は実際に採用されるのか、されるとしたらいつかといった詳しい話をSpotifyに問い合わせている。我々はまた、音楽を共有することで人と人がつながり、恋が芽生えるようにと2010年に設立されたTastebuds.fm(テイストバッズ・エフエム)という音楽出会い系サービスのスタートアップと何らかの契約を交わしているのかについても興味がある。

【更新】Spotifyの広報担当者は「私たちは常に新しい製品やエクスペリエンスを試していますが、現時点でお知らせできるニュースはありません」と断言した。また、スタートアップのTastebuds.fmとは関係がないことも話した。

Spotifyにとってソーシャルは、巨大にして、いまだその恩恵を引き出せていない要素だ。ソーシャルなお勧めがSpotifyで音楽を楽しむユーザーを長く引き留めるというだけでなく、それによってより多くの広告を聞いてもらえるようになり、サブスクリプションの解約も減らせるだろう。さらに、他にはない独自のソーシャルグラフにユーザーを固定するこにもつながる。Apple MusicやYouTubeといった競合サービスが類似の音楽カタログを提供する可能性はあるが、Tastebudsのソーシャルな「発見」でユーザーたちを虜にできれば、Spotifyからの離脱を防げるはずだ。

関連記事:Spotifyはどのようにしてレーベルへの影響力を強めたのか(未訳)

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(翻訳:金井哲夫)

Facebookが災害対応ツールを拡張し、WhatsAppと統合

これまで80あまりの国の300件の災害で通信のために利用されてきたFacebookのCrisis Response機能が拡張される。米国時間12月2日に発表された新しい機能の中には、WhatsAppの統合、現地体験情報のサポートと共有、人道支援データに災害や避難などに関連した地図を含めるといった内容が含まれる。

Crisis Responseは最初、災害時に家族や友だちが連絡し合うささやかな機能だった。2年前にFacebookはそれらのSafety Check(安全確認)、Community Help(コミュニティ支援)、Fundraisers(募金)などのツールを、中心的なハブであるCrisis Responseへとまとめた。

本日、Crisis Responseに新たに加わったのは、被災地の人々が見たものや考えたことなどの体験情報を共有する機能だ。それらは例えば、建物の倒壊や道路の封鎖といった情報だ。これまでは、援助の要求とそれらへの対応という通信がメインだったが、これからは災害そのものの情報が加わる。

さらに、FacebookのCrisis ResponseがWhatsAppから使えるようになる。ただし、まだ浅い統合で、すべての機能ではない。ヘルプのリクエストをFacebook MessengerだけでなくWhatsAppのメッセージでも送れる程度のことだ。

Facebookの人道支援データツールであるData for Goodが、100あまりの企業団体とのパートナーシップにより拡大される。また災害地図の提供により、救援団体が支援物資の送り先を知ることができる。それらのまとめられたデータの上では、人名は匿名化されている。

Facebookによると、今回のアップデートでCrisis Responseは国や地方の行政も利用できるようになる。とくに米国では、Crisis Responseは災害救援NPOのDirect ReliefやNational Alliance for Public Safety GIS(NAPSG)Foundationもパートナーになっている。

災害地図も改良され、特ににInternational Displacement Monitoring Centreの協力により、国内避難民関連の情報が地図上でわかるようになる。また通勤のパターンや観光客の人口などの情報も、より正しくなった。新しい機能は現在展開中だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterの2段階認証で電話番号が不要になる

2段階認証は必要だが、携帯電話のSMSを使うのはベストの方法ではない。SIMスワップ詐欺で電話番号やSMSを乗っ取られた話がとても多いので、SMSが第2のログインコードを送る正しい方法でないことは明らかだ。

でも長年Twitterでは、それが強制されていた。その後Google AuthenticatorやYubikeyのハードウェアなども使えるようになったが、そのためにはTwitterに電話番号を登録してSMSを使わなければならない。

しかしついにTwitterも、それを改めるようだ。Twitter Safetyチームの発表によると、本日からは電話番号を必要とせずに2段階認証を有効にできる。

このニュースの数カ月前には、Twitterの創業者であるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のアカウントがハックされた。これもSIMスワップによるもののようだ。しかも数週間前には、2段階認証で提供される電話番号を広告のターゲティングに利用していると、Twitter自身が認めた

一部のユーザーが、セットアップにはやはり電話番号を求められる、と報告している。だからこの変更は一挙に全ユーザーにローンチするのではなく段階的な展開のようだ。

画像クレジット: Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

サウジアラビアはTwitterの社員に活動家の個人データを盗ませた

最近公開された裁判所の文書によると、サウジアラビアの政府職員がTwitter(ツイッター)の少なくとも2人の社員を買収して、同国政府が関心を持つユーザーの個人情報にアクセスしたとされている。それらのユーザーは2015年に彼らのその行為について警告されたが、事件の全容はまだ明らかではない。

その連邦レベルの告訴を引用しているAP通信の記事によると、サウジ政府はAhmad Abouammo(アフマド・アブアムモ)とAli Alzabarah(アリ・アルザバラ)の2人に接近して「特定ユーザーの個人情報を取り出すことができたら高級腕時計と数万ドルを与える」と約束した。

アブアムモはTwitterで中東のメディアパートナーシップを担当し、アルザバラはエンジニアだった。どちらも正規の登録のないサウジのエージェント、すなわちスパイとして行動したとして告発された。

アルザバラは、2015年にワシントンD.C.でサウジの王族の一人と会い、その後の1週間以内に数千人のユーザーのデータへのアクセスを開始し、その中にはサウジアラビアが公式にTwitterにコンタクトして情報を求めた少なくとも33名が含まれていたとされる。これらのユーザーの中には、王室とサウジ政府にとって危険な政治活動家やジャーナリストが含まれていた。

その行為が社内で発覚し、上司に詰問されたアルザバラは「単なる好奇心でアクセスした」と言ったとされる。しかし彼は解雇されると、文字どおりその翌日に家族とともにサウジアラビアに飛び、現在は当地政府の職にある。

関連記事:サウジ政府に誘惑されたTwitter社員が2015年の国家によるハッキングの警告の契機だった(未訳)

この事件によりTwitterは数千名のユーザーに、彼らが国家がスポンサーである攻撃の対象かもしれないと警告したが、実際に彼らの個人データが秘かに盗まれた証拠はない。The New York Timesの報道では、この警告活動は個人情報取得の目的のためにサウジの政府職員に買収されたTwitter社員が契機だった。そして今回明らかになったのは、同様の行為に関わった社員がもう一人いたことだ。

問題の事件はまだ未確定であり、今後さらなる情報が明るみに出るものと思われる。将来の類似事件の防止策についてTwitterに尋ねたが、同社は明確な回答ではなく、次のような声明をくれた。

今回の捜査に関してFBIと司法省の支援に感謝する。悪者たちが弊社のサービスを毀損しようとする試みについては、十分に承知している。弊社は機密扱いであるアカウント情報へのアクセスを、訓練され審査された特定の社員グループに限定している。弊社は、Twitterを使って自分たちの考えを世界と共有しようとする権能の座にある人びとが直面する、大きなリスクを承知している。弊社には、彼らのプライバシーと重要な仕事をする能力を保護するツールが配備されている。弊社は、われわれのサービスを使って平等と個人の自由と人権を唱道する人びとの保護に真剣に取り組んでいる。

画像クレジット: Bryce Durbin/TechCrunch

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民主主義の大規模な破壊を恐れたインド政府がネットサービスを一部規制へ

インド政府は米国時間10月21日、情報仲介企業を規制する既存のルールを改定する計画であることを発表した。情報仲介企業(Intermediary、Intermediarries)とは、コンテンツの作成をユーザーに依存しているソーシャルメディアアプリケーションなどのことで「彼らは民主主義にとんでもない破壊をもたらしている」と政府は見ている。

最高裁判所に提出された法的文書で、エレクトロニクスと情報技術省(Ministry of Electronics and Information Technology)は「情報仲介企業を規制する規則を2020年1月15日までに起草する」と表明している。

さらにその文書の中で同省は「インターネットは民主的な政体に想像を絶する破壊をもたらす強力なツールとして勃興した」とコメントしている。そこで同省によれば、情報仲介企業を監視監督することによって「個人の権利や国の統一性、尊厳性、および安全性に対する現在ますます増加している脅威に対抗できる」としている。

インド政府は昨年後半に、法案協議に関するガイドラインの草案を発表した。それによると「提案されている規則は2011年の法律を改訂するもので、情報仲介企業として500万以上のユーザーがいるソーシャルメディアなどのサービスを対象とする」ことを明らかにした。

政府の職員によると、規則の今日的な改定が必要なときとは放置すれば偽の情報やインターネットのそのほかの悪用が継続的に氾濫すると思われる時代や社会状況を指す。

10月21日に提出された文書は、WhatsApp上のメッセージの発信源を明らかにするシステムを導入せよとするインド政府の要求に対するFacebookからの拒否への応答だ。WhatsAppはインドで人気最大のインスタントメッセージングプラットホームで、ユーザー数は4億人を超えている

インドではソーシャルメディアのユーザーがアカウントに、政府発行の12桁のバイオメトリックスIDであるAadhaar(アーダール)をリンクさせるべきだという意見もある。12億人がこのシステムに登録している。

Facebookの役員は「インド政府の要求である発信源の開示に応じたら、全世界のWhatsAppユーザーが享受しているエンドツーエンドの暗号化が無意味になる」と主張している。「暗号化をなくしたらユーザーの安全性とプライバシーが侵される」と彼らは主張する。最高裁判所は米国時間10月22日にFacebookの言いぶんを聴く予定だ。

インドのインターネット人口は近年増大し、業界の推計によると現在は6億人を超えている。安価なAndroidハンドセットと低料金のモバイルデータの増殖により、ますます多くのインド人がインターネットとソーシャルメディアプラットホームのユーザーになっている。

ある下級裁判所は最高裁判所に対して「テクノロジーは経済成長と社会開発に寄与する半面、ヘイトスピーチやフェイクニュース、公序紊乱、反国家的活動、名誉毀損的投稿、などなどの違法行為がインターネットとソーシャルメディアの上で急増している」と伝えた。

画像クレジット: HABIB NAQASH/AFP/Getty Images

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Twitterが世界のリーダーたちの暴言のリツイートを禁止

Twitterは、ルールに違反している世界のリーダーからのツイートへの対話の仕方を制限することを発表した。

同社によると、今後は人を不快にさせるようなツイートをいいねしたり、リプライ、シェア、またはリツイートすることを禁ずるが、コメントや普通のツイートの中で問題のツイートを引用することは許される。

その理由は、ユーザーは今世界で起きていることを、口汚いツイートも含めて知るべきだが「ルール無視の黙認は許さないためだ」という。

口汚いツイートへのいいね、リプライ、シェア、リツイートはできなくなる。コメントでリツイートして自分の意見を表明することはできる。

Twitterは「ルールを破っている世界のリーダーに対して何もしない」という非難と、表現の自由の間で板挟みになっていた。

Twitterは米国時間10月15日の無署名のブログ記事で、「世界のリーダーたちのTwitter上の行為に対して前例のない措置を講じた」と言っている。

昨年Twitterは「北朝鮮に対する宣戦布告の脅しなど物騒なツイートを書くドナルド・トランプを禁じない」という立場を明らかにした。しかし、イランの最高指導者ハメネイ師の場合は、彼のツイートの1つが削除された

Twitterは「世界のリーダーたちのアカウントが弊社のポリシーよりも上位にあることはない」とし、「テロを奨励するツイートや暴力による脅し、プライベート情報のポストなどを行う者は、誰であれ禁止される」と説明する。

しかし、Twitterはこれに続けて「世界のリーダーが関与している場合は、その発言への公共的関心が明らかに存在するならば、そのコンテンツをそのまま残すという小さな過ちを、私たちはあえて犯すこともある」とも語る。、

そしてそんな場合には「そのコンテンツにルール違反であるという注記を付け、人々がコンテンツを見られるためのリンクを置く」として、7月の約束を補足している。

Twitterは、こんなツイートもしている。「目標は、ルールを正しく公平に適用することである。そうすることによって、弊社の検閲方針を正しく理解していただけると思っている。弊社はオープンな会話の場を提供するとともに、人々がリーダーの言葉を聞き、彼らの説明責任を明らかにする権利を保護する」。

関連記事:Twitter asserts that it won’t ban Trump because he’s a world leader(トランプは世界のリーダーだから暴言ツイートを禁じないとTwitterが発表、未訳)

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Twitterが悪質なDMに対するフィルター機能を提供開始

Twitterがテスト開始を発表してから1か月半後米国時間9月30日から、ダイレクトメッセージのスパムや暴言に対するフィルターの実装展開を始めた。このフィルターはTwitterのiOS、Android、およびウェブアプリで利用できる。

このフィルターでは、フォローしてない人からのDMが行く「追加のメッセージ」に新しいビューが加わり、それをクリックすると、悪質と思われるメッセージのプレビューが隠され、オプションでそれらを開かずに消すこともできる。

フィルターの実装展開を告げる日本時間10月1日早朝のサポートメッセージが以下のとおりだ。

この新しいDMフィルターは、メッセージをオープンにしておきたいけど暴言は見たくないという人たちに向いている。でも悪質メッセージはかなり前からあるし、サードパーティ製のフィルタリングツールも出回ってるから、Twitterはもっと早くやるべきだった。

9月はじめにTwitterは米国とカナダでHide Replies(返事を隠す)機能を、カナダでテストしてからリリースした。これはツイートへの返事を隠すのだが、それらを事前に削除はしない。元のツイートのリンクボタンをクリックすれば見ることができる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

YouTubeインフルエンサーのスポンサーになるための正しい方法

私が主宰するマーケティングエージェンシーであるBellCurve.comには、2カ月に一度優秀なグロースマーケターたちが集まって、彼らの最も有効な成長戦術を共有し、それらをGrowth Reportと題する記事にまとめている。

これは最新のグロースマーケティング戦術に触れる良い機会であり、しかも他に類のない機会だ。

弊社のコミュニティには600社のスタートアップと、それら後期段階企業の成長担当副社長たちが集まっている。内300社はYCを卒業したスタートアップ。また、Medium、Docker、Invision、Intuit、Pinterest、Discord、Webflow、Lambda School、Perfect Keto、Typeform、Modern Fertility、Segment、Udemy、Puma、Cameo、Ritualなど著名スタートアップのシニアマーケターも参加している。

私たちのこのコミュニティには、Demand CurveのマーケティングウェビナーSlackグループ、弊社のマーケティング教育訓練事業などから参加できる。過去のGrowth Reportの例は、これこれ、そしてこれなどだ。

では、そろそろ本題に入ろう。

YouTubeのインフルエンサーを費用効率よくスポンサーする方法

Rune(LinkedIn)のBjarke Felboの考察を、許可を得てわずかに編集した。

  • インフルエンサーは、サブスクライバー(YouTubeの場合はチャンネル登録者)の数に比例する報酬を期待することが多い。しかしコンバージョン(実買率)はビュー(視聴数)に比例している。だからビューが多くてサブスクライバーの少ないインフルエンサーをつかまえよう
  • 最良の結果が得られる広告は、インフルエンサーのビデオの冒頭30〜60秒のスポットである
  • そのインフルエンサーのビデオがよく見られる曜日や時間帯をよく把握し、いい曜日のいい時間帯にポストされるビデオにはボーナスを出してもいい
  • 同じインフルエンサーに同じ広告を繰り返しても、あまり効果がない。間隔を数か月空けても同じだ。オーディエンスがすでに飽和している

2019年にもなってSEOのためにリンクビルディングはどれだけ重要か?

Growth MachineNat Eliasonより。許可を得てDemand Curveがわずかに編集した。

  • リンクは今でも重要だが、その重要性は着実に減少している。Googleはコンテンツのクオリティーを重視するようになっており、ますますそっちに注力している
  • 最近のGoogleは、騙されないよう用心している。トップドメインやリンクビルディングは往々にして騙しの手口だ。コンテンツのクオリティーは騙しが効かない。良いコンテンツはフェイクできない
  • メジャーな権威あるブログの外で、高品質なコンテンツが、リンクビルディングをせずに急速に伸びている。彼らは、正しいキーワードの選択に力を注ぐ。他と競合せず、まあまあの量のビューを稼げるキーワードを選ぶ。検索者の関心を満足させる有益なコンテンツを書く努力をしている
  • しかしそれでも、タイムラインが厳しいときはリンクビルディングでスピードアップができる。3〜4か月経ってもランクが上がらないようなとき、リンクビルディングが有効なことがある

グロースマスタークラスが開講する

今日から、高度なグロースマスタークラスが始まる。どれも無料だ。

これらはどれも、短くて速効性のある高度なウェビナーだ。退屈なイントロはない。私たちがこれまでに作った最良のコンテンツの一部だ。無料だから見逃すと損だ。

登録はここでdemandcurve.com/webinars

Twitterの使われていないアカウントを横取りするにはどうするか?

AtomsのAndrew Ettingerの考察より。許可を得てわずかに編集した。

誰かが、あなたのブランド名をTwitterのハンドルとして使っている。でもそのアカウントはもう使われていない。どうやってそれにアクセスするか?

  1. あなたが取り戻したいアカウントと交換するための広告アカウントを既存の適当なハンドルで作る
  2. twitter.com/en/help(Twitterのヘルプ)へ行く
  3. 「Account issues」(アカウントの問題) →「Claim an inactive username」(使われていないユーザー名を取得する)をクリックする
  4. その正当な理由を申し立てる

そして、Twitterの広告アカウントのマネージャーがあなたの訴えを重視してくれるよう願う(訴えに#を付ける)。

必ずうまくいく保証はない。そのハンドルを取得できるチャンスは、Twitterの社員がその申し立てを真剣に取り上げてくれることにかかっている。

なお、Demand CurveのAsher King Abramsonがリードするグロースマーケティングセッションでは、ライブのオーディエンスの前で彼があなたのランディングページとFacebook/Instagramの広告をボロクソに批判し、以下の諸点につき、その実効性を脱構築する。(1)伝えたいことが伝わっているか、(2)ついついクリックしてみたくなるほどそそられる表現になっているか。

10月に米国サンフランシスコで開催されるDisruptに参加して、彼にボロクソに言われてみたい人は、ec_editors@techcrunch.comに申し込むべし。

【編集部注】著者のJulian Shapiro(ジュリアン・シャピロ)氏は、マーケティングのプロを育てるグロウスマーケティングエージェンシーBellCurve.comの創業者だ。彼はJulian.comにも書いている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ニューヨーク州の司法長官がFacebookへの反トラスト捜査を指揮

米国ニューヨーク州の司法長官であるLetitia James(レティーシャ・ジェームス)市は米国時間9月6日朝、自らの指揮でFacebookの反トラスト問題を取り調べていると発表した。嫌疑は、Facebookがそのソーシャルメディアの支配を利用して反競争的な行為に関与したのではないか、というものだ。

ジェームス氏は「最大のソーシャルメディアプラットホームであっても、法を守り、消費者を尊重しなければならない。各州司法長官の党派を超えたチームを率いて、Facebookが競争を抑圧しユーザーを危険に陥れなかったか取り調べていることを、誇りに思う。われわれはあらゆる捜査ツールを広く利用して、Facebookの行動が消費者のデータを危険にさらし、消費者の選択の質を貶め、あるいは広告の価格を高騰させなかったかを調べたい」と語る。

発表によると、その各州司法長官のチームは、コロラド州、フロリダ州、アイオワ州、ネブラスカ州、ノースカロライナ州、オハイオ州、テネシー州、そしてコロンビア特別区の司法長官から成る。

Facebookはすでに6月に、反トラストで連邦取引委員会(FTC)の取り調べを受けていると発表した。それは、同じ日に発表されたプライバシー関連のFTCとの和解とは別だ。今、大手テクノロジー企業の多くが、FTCや司法省による反トラスト捜査に直面しているようだ。

新たな取り調べが発表されたあとの声明で、Facebookの州と地方ポリシー担当副社長のWill Castleberry(ウィル・キャッスルベリー)氏は「私たちが提供するどのサービスにも、複数の選択肢がある。私たちがイノベーションをやめれば、人々は自由にここを去ることができる。それは米国だけでなく世界的な競争に私たちが直面していることの証だ。もちろん私たちは州の司法長官たちに建設的に協力するし、私たちがその中にいる競争的な環境について、政策立案者のみなさまと会話することを歓迎する」と述べている

関連記事:Facebookが連邦取引委員会の捜査を受けていることを公表

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ゲームの世界のビデオによるソーシャルネットワークMedal.tvが10億円近くを調達

最初からMedal.tvは、ゲーム世代のためのソーシャルネットワークを目指していた。

2月のデビュー以来、このゲーマーのためのクリッピングとメッセージングサービスは500万人のユーザーを獲得し、1日のアクティブユーザー(DAU)は数十万に達した。そして今回はHorizons Venturesがリードするラウンドにより、900万ドル(約9億6200億円)の資金を調達した。Horizonsは、香港の富豪Li Ka-shing(李嘉誠、り かせい)氏が設立したベンチャーキャピタルファンドだ。

関連記事:Medal.tv’s clipping service allows gamers to share the moments of their digital lives(Medal.tvのクリッピングサービスでゲームの決定的瞬間を共有、未訳)

Horizons Venturesの投資家Jonathan Tam(ジョナサン・タム)氏は「短編ビデオの共有が、今の世代の自己表現とエンターテインメントの手段になっている。そんな中でMedalのプラットホームは、ゲームそのものを超える対話的ソーシャル体験の基盤になるだろう」と語る。

Medalは、ソーシャルネットワークと、ゲームデベロッパーにとってのマーケティングのツールであることの両方に可能性を見出している。後者としてのMedalは、ゲーマーたちにとって新しい発見の場になるのだ。

Medalに投資したエンジェル投資家でヨーロッパのGoogle Play GamesのトップだったMatteo Vallone(マッテオ・バローネ)氏は、「友だちがゲーム発見の重要な契機だ。だからデベロッパーにとっては、共有できるゲームが有利だ。Medal.tvでは、ストリーミングにはない気軽さで友だちとゲームの共有ができる」と語る。

Assets Web 1

一方、投資家たちが2000万ドルでも出すと言っているこのプラットホームのCEO Pim de Witte(ピム・デ・ウィット)氏は、「まだまだいろんなリスクがあるから、そんな大金には手を出せない」、と言っている。

むしろHorizonsや前の投資家Makers Fundからの900万ドルぐらいが、企業の堅実な成長のためにはちょうどいい。

ウィット氏は声明で「Medalで我々が信じているのは、次のビッグなソーシャルプラットホームはゲームから生まれるということだ。おそらく短編ビデオがそのベースになるだろう。またゲームの出版者たちが独自のゲームストアやシステムを作っていることも、その流れに貢献するだろう。後者によって市場にはソーシャルな分裂が生じるから、ますますMedalやDiscordのようなプラットホームのニーズが大きくなる。そこではいろんなゲームからやってきたゲーマーたちが、有意義な形で一体になれる」と語る。

ある特定の世代にとっては、デジタルゲームがもっとも好きなソーシャルメディアであり、消費者が仮想的体験を共有するためのツールがますます広まっている。この現象は、フォートナイトのマシュメロコンサートのようなイベントが普通になるにつれて、ますます加速するだろう。

Makers FundのRyann Lai(リャン・ライ)氏は「Medalには、仮想体験のソーシャルな交換をきわめて自然に気楽に行えるエキサイティングなパワーがある」とコメントしている。

画像クレジット: Marshmelloのライセンスによる

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Skypeが下書きなどメッセージング機能を拡充

Skypeはビデオ電話のアプリとして最もよく知られているが、対照的にメッセージングの機能はやや未熟だ。米国時間8月30日、同社はそんな企業イメージを一掃すべく、チャット機能に一連の改善を導入し、ライバルとの差別化を強化しようとしている。

それらの中でもっとも便利なのは、メッセージのドラフト(下書き)だろう。

メールの場合と同様にSkypeでも、書いたけどまだ送ってないメッセージを「draft」(下書き)タグを付けて保存できる。あとでそのメッセージを仕上げてから送ればいい。Skype new features 1b

今のビジネスとパーソナルのコミュニケーションはどちらも、メール以外がとても増えているから、ほかのメッセージングアプリも絶対に下書き機能を導入すべきだ。

iMessageでも人々は長年、下書きと送信スケジューリング機能を求めている。一部の頭のいいデベロッパーは、消費者のニーズに答えてアプリごとの工夫を編み出している。その中にはなんと、メッセージのテキストをNotpadに書いておいて、送るべき時に送るという素朴なやり方もある。

これまたメールの真似のようだが、今度のSkypeには重要なメッセージのブックマークがある。モバイルではメッセージを長押しし、デスクトップでは右クリックして、それから「Add Bookmark」(ブックマークを加える)をタップまたはクリックする。そうするとメッセージはBookmarksの画面に加えられ、容易に取り出せる。Skype new features 2

写真やビデオ、ファイルなどは、メッセージで送る前にプレビューできる。有意義な改良だが、革新的というよりほかのコミュニケーションアプリへの追随だろう。Skype new features 4

大量の写真やビデオを一度に送るときは、それらをソーシャルメディアで行われているようにグループ化できる。実際に表示されるのはごくわずかで、プラスボタン「+」をクリックすると残りを次々と見られる。Skype new features 3b

Windows 10ではすでにサポートされていたが、これからはすべてのバージョンのWindowsとMacそしてLinuxで分割ウィンドウがサポートされる。

今でもまだ使われているメッセージングアプリの古顔だが、Skypeはもはや最大でも人気最高でもない。例えば公表している月間アクティブユーザー3億人は、WhatsAppの15億人に遠くおよばない。

でも今なお、こうやってきめ細かい親切な消費者対応を図っているのは偉い。昔やったSnapchatのモノマネはあっさり引っ込めて本当によかった。今でもSkypeを使っている人は、その使いやすさと仕事に便利であることを買っている。今回のアップデートも、その方向を意識している。

Skypeによると、上述の分割ウィンドウの拡張サポート以外では、すべての新しい機能がSkypeのあるすべてのプラットホームに一斉に展開される。

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Twitterは国がコントロールしているメディアの広告出稿をブロック

Twitter(ツイッター)は今、同プラットホーム上における国営メディアを広告出稿を禁じている

この新しいポリシーは同社が、中国と結びついた数百ものアカウントが関与している情報操作を見つけてから数時間後という早さで発表された。それらの情報操作は、香港で数週間続いている抗議活動に続くさまざまな出来事をめぐって「政治的不和」を撒き散らそうとする努力の一環だ。週末には100万を超える香港住民が、彼らが中国政府による権利の侵害と見なすものに対して通りに出て抗議運動を展開した。

関連記事
Twitter says accounts linked to China tried to ‘sow political discord’ in Hong Kong(中国と結びついている複数のアカウントが香港の政治抗争を煽っている、未訳)
Twitter is blocked in China, but its state news agency is buying promoted tweets to portray Hong Kong protestors as violent(Twitterがブロックされている中国で国営通信が香港の抗議運動は暴力と主張するツイートによる広告を展開、未訳)

Twitterは今回の声明で、国が資金を提供していて、言論機関として政府から独立していないメディア企業による同プラットホーム上の広告出稿を禁ずる、と言っている。BBCのDave Lee(デイブ・リー)記者によると、同じように国が資金を出していても、Associated Press(AP)やBritish Broadcasting Corp.(BBC)、Public Broadcasting Service(PBS)、そしてNational Public Radio(NPR))などは今回の規制対象にならない。

Twitterの声明によると、規制対象となるアカウントはTwitterの利用はできるが、同社の広告プロダクトにはアクセスできない。

声明では「あなたがフォローすることを選んだアカウントとの会話に参加することと、フォローしていないアカウントからの広告上でコンテンツを目にすることとは異なる。どちらに対しても弊社のポリシーはあるが、とくに広告主対してはより厳しい基準を設定している」とも記載されている。

そのより厳しい基準が今回適用される対象は、その財務や編集を国がコントロールしているメディアだ。Twitterによると、そのポリシーの適用はメディアのメディアとしての自由や独立性を基準にしている。とりわけ、記事やビデオに対して編集的コントロールが及んでいたり、出版物に対して財務的所有権を有していたり、政府が編集者や放送者やジャーナリストに影響力や妨害を揮っていたり、出版や流通に政治的圧力が及んでいたりするメディアは広告出稿を禁じられる。

また、エンターテインメントやスポーツ、旅行などの広告は規制を免れるが、その中にニュースがある場合には、その広告へのアクセスをTwitterはブロックする。

規制対象となるメディアは本日から30日以内にそれらの広告を取り去ること。それをしなかった場合は、Twitterが現在行われている広告キャンペーンを停止する。

国営メディアは相当前から、偽情報の源として非難されてきたし、2016年の大統領選ではロシアが行った主に民主党を非難する広告キャンペーンが問題になった。Twitterは、前にも国が金を出しているニュース企業を追放したことがある。2017年10月には同社プラットホーム上におけるRussia TodayとSputnik紙の広告出稿を禁じた。しかしRussia Todayは、Twitterは選挙前には同紙に広告出稿を強力に売り込んだと言っている。

関連記事: Twitter bans Russia Today and Sputnik from advertising on its service(Twitterがロシアの有力メディアの広告出稿を禁止、未訳)

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Instagramの新しい機能で悪質コメントを牽制したりいじめユーザーを制限できる

Instagram(インスタグラム)が今日(米国時間7/8)、ネット上のいじめと戦うための二つの新しい機能を発表した。

今回このFacebook傘下のサービスがやろうとしているのは、どちらも、露骨に投稿をブロックしたりユーザーを締め出したりせずに悪い行いを制限することだ。

InstagramのトップAdam Mosseri氏は発表の中でこう述べている。「Instagramでいじめ防止のためにできることや、いじめのターゲットが自分で戦う方法はもっといろいろある。今日発表するのは、その両方での新しい機能だ。これらのツールは、いじめの実態に対する深い理解に基づいて考案されているが、でも今後の長い道のりのわずか二歩にすぎない」。

最初の機能は人工知能を利用してコメントに、「悪質かもしれない」というマークをつける。コメントを投稿しようとするユーザーにはそのとき、「これを本当に投稿したいですか?」という質問と、「投稿しない」というボタンが表示される。

ユーザーはそのコメントを投稿したければできるので、これは対策として弱いのではないか。でもMosseri氏によると、これまでのテストでは、「反省する機会を与えられたら考えなおしてもっと無害なコメントをシェアする人が多かった」そうだ。

Instagram warning

もうひとつの機能はMosseri氏によると、「ユーザーが人のアカウントを見ることを制限する」機能で、近くテストを開始する。

Mosseri氏は曰く、「低年齢のユーザーには、いじめをブロックしたり、アンフォローしたり、報告することをためらう人が多い。それは、ネット上でなく現実世界のいじめへとエスカレートすることが多いからだ」。

そこで、この新しいオプションを使うと、ほかのユーザーが自分のアカウントと対話することを制限できる。アカウントを隠す必要はない。対話を制限すると、コメントはそれを承認するまでは投稿した本人にしか見えない。いじめる相手が今Instagram上にいるか、ダイレクトメッセージを読んだか、などもコメントの投稿者には分からない。

4月に行われたFacebookのデベロッパーカンファレンスF8で、Mosseri氏はこれらの機能の初期のバージョンを説明した

関連記事: Instagramは「いいね!」数の非表示などの新機能をカナダで公式テストへInstagramが「いいね!」数公開を中止を検討、群衆心理の抑制を狙う

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「古着女子」のyutoriが仮想モデルエージェント「VIM」設立

インスタメディア/コミュニティの「古着女子」や古着ECショップ連動型のインスタグラムアカウント「9090」などを運営するyutori。同社が6月、追加資金調達を発表した際に、「インスタグラムを軸にしたIP創出」に関するものと言及していた新規事業の詳細が7月5日、明らかになった。

yutoriが展開するのは、バーチャルインフルエンサーのみが所属するモデルエージェント「VIM(ヴィム)」。VIMでは、バーチャルインフルエンサーのプロデュース、マネジメントのほか、企業やブランドとのコラボレーションなどのサポートを行っていく。

米国では開発・投資が続くバーチャルインフルエンサー

「バーチャルインフルエンサー」の概念誕生は、インスタグラムに仮想セレブアカウントのLil Miquelaが登場した時点にさかのぼる。2016年4月に投稿が始まったMiquelaのインスタグラムアカウントは現在フォロワー数160万。“彼女”はPRADAやMONCLERなど有名ブランドとのコラボレーションに加え、自身のブランドやミュージシャンとしての活動も行っている。

「Miquelaプロジェクト」を動かすスタートアップ、Brudの企業価値は、最新の調達ラウンドで少なくとも1億2500万ドルと見積もられている。ほかにも“よりリアルな”バーチャルアバターの開発と投資が、米国では盛んに行われている(参考記事〈英文〉)。

日本人により親しみやすいキャラクターでは「バーチャルガール」immaが挙げられる。ピンクのボブスタイルのimmaの写真を見たことがある、という人も多いのではないだろうか。

今回VIMに所属が決まったのは、葵プリズムuca(ウカ)の2名のバーチャルインフルエンサーだ。“彼女”たちに共通するのは「世界観」や「キャラ」の濃さ、精密さ。葵プリズムは「バーチャルギャル」、ucaは「バーチャルドール」と銘打っており、投稿で身に付けるファッションアイテムや撮影場所、コメントなどに“彼女”たちの好みや性格が反映されている。VOCALOIDの初音ミクが「何でも歌えるし何でも歌う」のと比較すると、一口にバーチャルなキャラクターと言っても対照的に感じられる。

「バーチャルギャル」葵プリズム

「バーチャルドール」uca

「インスタハックで服を売る」腹を決めた片石氏

「腹決めができた」。yutori代表取締役CEOの片石貴展氏は、古着女子アカウント開設から約1年半、会社設立から約1年を経た現在の心境について、そう語る。

2018年5月に元エウレカの赤坂優氏らから、同年10月には家入一真氏らが率いるNOWから資金調達を行ったyutoriは、今年に入ってさらにNOW、アカツキ、KVP、野口圭登氏、中川綾太郎氏を引受先とする第三者割当増資を実施した。

昨年10月の資金調達を機に「広く浅く、いろいろやってみた」という片石氏。だが「非IT出身で『インスタ起業』をきっかけにして、カルチャーやファッション、コミュニティをベースに事業を進めてきたところを、ITスタートアップの動向など情報量の多い中に入ることになり、自信が持ちきれずにいた」という。

その後「やはり、インスタグラムハックによって洋服を売る、というところが軸になる」と確信した片石氏。「インスタグラムによるファッションのコミュニティという基盤もあり、人材もいて、ECなども含めたノウハウもある。“古着”という世界観を踏まえながら、新品の洋服も売れると考えている。ファッションレーベルを生産基盤を持ってプロデュースし、他社とも協業していきたい」と、今後の古着事業の展開について述べている。

現在、古着女子をはじめ、同社が運営するインスタグラムアカウントの総フォロワー数は35万を超え、古着女子のフォロワーは現在でも毎日300〜500アカウントほど増えているという。2つあるECストアも毎月売上がアップして順調に推移し、いずれも継続的に数字を伸ばしているとのことだ。

「Tシャツなど型のあるアイテムについては、工場と提携して(新アイテムを)5日で発送できる体制も整備した。古着事業については数字はまだまだ伸びるので、ブレずにやっていこう、と話している」(片石氏)

yutoriでは「コンプレックスをベースにポップなプロダクトをつくる」ところに核があると片石氏はいう。以前から古着を通じて「好きなことを好きと言う」「誰も恐れずに好きを体現できる」ことを目指してきた、片石氏らしい言葉だ。「(小柄な女性のためのブランド)COHINAとちょっと似ているかもしれない。メディアっぽいブランド展開は、ストリートブランドより再現性がある」(片石氏)

バーチャルだからできる日本発インフルエンサー

モデルエージェントのVIM立ち上げのきっかけは、2018年秋のことだと片石氏はいう。古着女子などの運営を通して「モデルとして服を着せたり、インフルエンサーのマネジメントをしたり、人のプロデュースもしたい」と考えていた片石氏だが「インスタグラマーでは、せっかく育ててきた人がより大きな事務所へ移るといったことも起こり得るので、よりウェットに攻めなければならない」と人主軸のプロデュースに難しさを感じていた。そんなとき、友人から前述したMiquelaについて書かれた記事を紹介してもらい、求めていたものだと考えたそうだ。

「バーチャルインフルエンサーなら、今までになかったアプローチでグローバルに展開でき、日本をいろんなアングルからシームレスに世界に打ち出して、認知を取ることができる」(片石氏)

片石氏は「CGのテッキーな部分とファッション性、キャラクターによるマーケティングの3つをすべて備えてバーチャルインフルエンサーを提供できる人は、まだ日本ではいないのではないか」と話している。「VTuber(のアバター)と違い、クオリティがすごく求められる」というCG制作については、業務委託によりプロの技を借りる。

「周りにどれだけ頼れるかがカギだ」と語る片石氏。2月に葵プリズムのアカウントが開設されてから5カ月が経ち、「ファッションもCGも含めて、周りの人を巻き込んで風を渦巻きのように起こすゲーム」と新事業についての感想を述べる。

既にいくつかの企業と協業でうごいており、グローバルに向けて強いメディアを持つ企業との提携も進んでいるというVIM事業。今後グローバルで100万フォロワーを獲得するため、認知拡大をさらに進めていくという。

「今後は所属するキャラクターを育てつつ、実在する売れっ子モデルをアバター化して登場機会を増やすことや、亡くなった著名人に現代なりの解釈を付加して教育に役立てることも可能性として検討している。あるいは、葵プリズムのように全く新しい人を生み出し、世界をつくることも考えている。アバターを取り巻く人やメディアも含めて、色を付け、ぬり続けることになるので、こちらは総力戦で取りかかることになるだろう。動画作成や生配信にもチャレンジしたい」(片石氏)

yutori代表取締役CEO 片石貴展氏

YouTubeは悪質コメント対策としてコメントをデフォルトで隠す方式をテスト中

YouTubeのコメント欄は評判が悪い。「インターネット上で最悪」「YouTube全体の有毒な文化の反映」「クリエイターはむちゃくちゃなことをしないと報酬がない」などとも言われた。大騒ぎになったものの中には、児童虐待自殺者の実写ビデオ危険な「奇跡の治療」の宣伝共謀罪の仲間集めなどがある。そこでYouTubeは、デフォルトでコメントを隠すデザイン変更を検討している。

XDA DevelopersがインドのAndroidデバイスでそのテストを最初に目撃した。従来、YouTubeのiOSとAndroidのモバイルアプリではコメントが目立つ場所にない。ビデオは画面上部に出るが、その下には追加、共有、その他、評価などのエンゲージボタンがあるだけだ。さらにその下はYouTubeのアルゴリズムからの推奨ビデオ「次の動画」がある。本当にコメントを見たければ、ページの底までスクロールしなければならない。

テストでは、そのコメント欄すらまったくなかった。その代わり、ボタンをクリックして別の場所へ行かないとコメントは見られない。

その「コメント」(Comments)ボタンは、ビデオの直下の、低く評価と共有の両ボタンの間にある。これでコメントが今後増えるのか、減るのか、横ばいか、それもYouTubeは知りたいのだろう。

ユーザーは、スクロールしてもコメントは見られず、ボタンをタップする必要がある。とはいえ、これまでのように延々とスクロールしないとコメントを見られないのとは、どちらが使いやすいのか?ボタンのほうが楽かもしれない。

XDA Developersの記事によると、そうやって表示した新しいコメント欄は、ページをリフレッシュすれば新しく加わったコメントも見られる。ウィンドウ上部の「X」ボタンをタップすればコメント欄は閉じる。

インドのAndroidデバイスでテスト中とのことだが、現にiOSにもあるし、地域も特定されていない。つまりテストは広範囲に行われていて、インド向けにローカライズされたアプリの機能ではない。

このコメント欄の変更が登場した背景には、YouTubeのコメントがいじめや虐待、口論など、何の役にも立たないコンテンツの棲家になってるだけでなく、小児性愛者が悪用するツールになってることがある。彼らは徒党を組み、コメントでコミュニケーションして、ビデオやタイムスタンプを他と共有している。

YouTubeは最初、子どもが登場するビデオでコメントを無効にした。もっと最近では子どものいるコンテンツを別のアプリに移すことを検討している。子どもビデオをたくさん見られるプラットホームが全世界的に完全オープンになることのおそろしさを、まず検討してほしいところだ。

YouTubeのスポークスパーソンは「Comments」ボタンのテストの件を確認したが「小さな実験をたくさんやってる中の1つにすぎない」と軽視の態度を見せた。

そのスポークスパーソンはこう述べた。「人々にとって重要な意義のあるビデオの発見や視聴、共有、対話等がもっと容易にできるように常に実験を重ねております。ビデオを見るページにコメントをどのように表示すべきかについても、いくつかのオプションをテストしています。ご指摘の機能も、YouTubeが常に行っている小さな実験の1つです。実験のフィードバックに基づいて、機能の一般公開の是非を検討することになります」。

画像クレジット: TechCrunch

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アップルは「非」ソーシャルネットワークになってフェイスブックに対抗

全員と共有することは時代遅れで、いまや少々恐怖さえ感じるものとなった。写真は公開することなく、友人たちに送りたいものだ。タイムラインに永遠に刻まれるような形ではなく、思い出に浸りたいし、また開発者に自分の連絡先情報を手渡してしまうことなく、便利なアプリを使いたい。

だが問題は、広告の視聴回数を稼ぐために、投稿されたコンテンツをなるべく広く拡散し、ユーザーを引きつける必要のあるソーシャルネットにとっては、こうした哲学では収益化が難しいという点だ。だが、もし携帯電話を売りながら、その上でユーザーたちが望む限りのプライバシーを提供しようというなら、収益化は簡単だ。それこそが、米国時間6月3日のWWDCで、AppleがiOSを「非」ソーシャル(asocial)ネットワークに転換する変革を示した理由なのだ。それはFacebookのツールを模倣したソフトウェアでありながら、過剰共有の負担を取り除いてくれるものだ。

最も素晴らしいのは、Appleは、FacebookやGoogleのようなサードパーティのログインオプションを提供するアプリの中で、”Sign In With Apple”(Appleでサインイン)という新しいオプションも提供することを要求するようになるということだ。こうすることでユーザーたちは自分の電子メールアドレスをアプリに対して提供する必要がなくなる。これは、これまでのFacebookのやり方を乱暴なものに見せてしまうようになる、力強い動きだ。

プライバシーは、何年も前からAppleが語ってきた核心的な話題だ。それはiPhoneのセキュアエンクレーブ(セキュリティチップ)やFaceID、メッセージの暗号化、そして追跡からの保護などといった形で実現されてきた。とはいえ、こうした安全保護策は、Appleの製品を「ただ動作するだけ」といった状態から抜け出すように焦点を絞って行われてきた。徐々にAppleは、ユーザー体験中のプライバシーはより少なく共有しながら、より多くの便益が得られるようなものへと変えつつある。iTunes PingやApple Music Connect、およびiMessageなどの例を通して、本格的なソーシャルネットワークを構築する力がないことを証明したAppleにとって、それは賢明な戦略だ。

「Appleは、プライバシーは基本的人権であると考えています。私たちはプライバシーの保護を、あらゆる行動に組み込んでいます」とAppleの上級副社長であるクレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)氏は語った。1か月前のFacebook F8カンファレンスで、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は「未来はプライベートだ」と宣言したが、ユーザーを保護する製品を発表できていなかったことを明言することで、Facebookが過去も現在もプライベートを守る会社ではなかったことを世の中に示してしまった。Googeが数週間前のI/Oで大量のプライバシー技術を発表したように、AppleもiOS 13のベータリリースで、その主張に対する期待に応えたのだ。

写真のメッセージ共有の推奨:iOS 13で写真やビデオのシェアシート(共有シート)を表示すると、Appleはそのコンテンツを、最もよく共有する相手や、コンテンツの中に現れている相手かどうかを判断して、iMessageやMailを使って共有することを推奨する。数回タップするだけで、多数の親しい友人やお気に入りのグループチャットに、個人的に画像を配信することができる。これによって、FacebookやInstagramを使ったより広い投稿を行う必要がなくなる。

非ソーシャルメディアツール:Instagramは、写真や動画を、フィードに投稿するときにしか編集することができない。その欲張りな要求は、Appleがよりクリエイティブなプロセスを提供できる余地を残している。iOS 13ではビデオの、照明、色、コントラストなどを編集でき、さらに誤って横向きに撮影したクリップを回転させることもできる。これらは皆、InstagramやFacebookでは不可能な操作だ。ソーシャルネットワークの側面を差し控えることで、Appleはユーザーが自由に使用できるツールに集中することができる。

また、新しいPhoto Day機能によって、Appleは毎日異なる写真を自動的に隠したり強調したりして、雑誌スタイルのレイアウトを作成する。これを使うことで、TimeHopやFacebookの「過去のこの日」機能を使うために、すべてのコンテンツをソーシャルメディア上に置くという恥ずかしさを感じる必要なしに、ノスタルジアに浸りビジュアルな日記を作成することができる。

Memoji(ミー文字):これまでAppleは、FaceTimeやビデオメッセージの中で、利用者に似た動くアバターを提供することに興味を持っていた。だが今や、つながりがより深くなる中で、この「仮想的ミニme」たちが、どれほどプライバシーを改善してくれるのかを、彼らは認識し始めている。iOS 13では名前とMemoji(あるいは本当の写真)の共有を、iMessageの中のメッセージスレッドのサムネール上で選べるようになる。このためグループチャットなどに登場するよく知らない新しい友人の友人たちに、実際の顔を晒すことなく、自分自身を識別してもらうことができるようになる。また、Memojiはチャットの中で予め生成されたスタンプとして使用できるようになり、これはSnapchatのBitmojiFacebookのAvatarsと直接競合するようになる。

AirPods Audio Sharing:もし現在聞いている音楽をソーシャルメディアで自慢したり、曲へのリンクを友人に送るのに手間取ったりする代わりに、簡単にそのサウンドを相手のヘッドホンに送り込んで一緒に楽しむことができたらどうだろうか?これこそが、このあと登場するAirPods Audio Sharingが、あなたに罪悪感を感じさせることなく、Bluetoothを介して個人的に音楽を交換することを可能にするやりかただ。

FacebookではなくAppleでサインインしよう

Appleの最も派手な攻撃は、WWDCのスクリーン上で、他のソーシャルネットワークを名指ししたことだ。“Sign In With Facebook”(Facebookでサインイン)や“Sign In With Google” (Googleでサインイン)といった、新しいアプリをアカウントをセットアップすることなく利用させる、人気のある手段のロゴを、ステージ上で強調してみせたのだ。フェデリギ氏は「これは便利なやりかたですが、でも同時にユーザーのプライバシーを犠牲にして成り立っていることでもあるのです。あなたの個人情報は、目に見えないところで共有されているかもしれません。これらのログインはあなたを追跡するために使用することもできます」と注意を促した。

代替案として、Appleは“Sign In With Apple”(Appleでサインイン)を提供する。サードパーティのアプリに登録するための新しいユーザー名とパスワードを作成するように要求する代わりに、Sign In With AppleはFaceIDを利用するのだ。フェデリギ氏はユーザーはメールアドレスをアプリ開発者たちから隠すことを選択することが可能になり、メールを実際のアドレスに転送することができるランダムな代理アドレスをAppleが提供すると語った。これが意味することは、ユーザーはアプリからのスパムメッセージを恒久的にブロックし、開発者が連絡先情報を共有したり販売したりすることを防ぎ、Facebook Custom Audience広告のような、電子メールアドレスを介したマーケティングの対象になることを、回避できるということだ。

この発表は、WWDCでの中で最も大きな歓声を集めた。そしてAppleはそのサインイン機能から、できるだけ多くの競争上の優位性を引き出すことを決心したように見える。とはいえ読者は、開発者たちがその機能を採用するか否かはAppleがコントロールできる範囲を超えているのではないか、そしてこれまでのような実際の電子メールアドレスを提供する方法よりも長い目でみたときに高い価値を与えられることをAppleは証明しなければならないのではないか、と考えるかもしれない。

しかしAppleはステージ上で言及しなかったが、開発者向けニュースサマリーの詳細の中に以下のような記述があった。「Sign In with Appleはこの夏までにベータテスティングが始まります。今年後半に正式に発表される際には、サードパーティサインインを行わせるアプリは皆、このオプションを提供することが求められるようになります」。

書かれた通りだ。Appleは開発者に、そのサインインツールを追加することを強いるつもりだ。また、位置情報の利用許可に関しても、恒久的な許可ではなく、開発者に1回限りのアクセスを提供する新しい位置情報共有許可画面の利用も要求するようになる。しかし現段階では、Appleは正確にどのように行うかは発表していない。それは──たとえプライバシーがAppleのビジネスにとって有害であるとしても──AppleはFacebookやGoogleのオプションと同じくらい、Appleとのサインインを提供することが大切であることを開発者に納得させなければならないことを意味する。確かに開発者たちは、登録時の面倒を最小限に抑えることで、サインアップの数を最大限にしたいと考えている。これこそが、もうこれ以上パスワードを覚えなくてもよい“Sign In With”機能が、人気のある手段となった理由だ。Appleのサインインオプションを追加することは、理論的には役立つはずだ。しかし、開発者たちはまた、利用しなくなってしまったユーザーたちにメッセージを送って目覚めさせたり、対象者や対象者に似た人たちを再び勧誘したり広告を出したり、新規ユーザー獲得の際に既存のユーザーに対しては広告を出さないことで広告費を節約したりするために、電子メールアドレスを取り込むことに頼ってもいるのだ。

もし開発者たちが、(サードパーティサインインオプションの便利さと引き換えに)ユーザーに真の連絡先情報を隠すオプションを与えないFacebookやGoogleによるサインインの情報を、Sign In With Appleの代理メールアドレス機能が侵食してしまうと恐れた場合には、開発者たちはその強制的な要求をわかりにくくしたり、最小限の露出を行うようにあらゆる手を使うだろう。Appleはおそらく開発者たちを他の手段で動機付ける必要があるかもしれない。たとえばもしアプリ開発者が、連絡先情報を失ってユーザー1人あたりの生涯価値を失うことと引き換えに、Appleのログインオプションを優先的に採用してくれるなら、App Storeの中でそのアプリを重点的にプロモーションするといったやりかたが考えられる。何らかの倫理的な要請によって強制されない限り、開発者が、プライバシーの名の下に、彼らがどうしても行わなければならないこと以上に彼らのビジネスを危険にさらすことはほとんどない。

だが正道を歩もうとするAppleが、様々な困難に出会う場所もここだ。それはハードウェアの販売には貢献するかもしれないが、その開発パートナーたちは、今でも私達の注意を引きつけることが重要なのだ。

プライバシーは多くの消費者にとって抽象的な概念であることが多く、Facebookのユーザー数が継続的に成長しているところから判断すると、プライバシーは消費者の意思決定を左右するものではない。それこそが、プライバシー哲学を宣伝するキャンペーンに、ほとんど効果がないように見える理由なのだ。しかし、競合他社よりも客観的に有用でありながら、よりプライバシーにやさしい製品やプラットフォームを構築することで、Appleは自然な市場の力によってユーザーたちが正しい方向へ向かうことを促すことができるだろう(図らずも、そのピカピカの販売店に向かわせることも含めて)。

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(翻訳:sako)