楽天/SliceのUnroll.Meはジャンクメールの購読を解除する――iOSに続いてAndroidアプリが登場

Androidユーザーに代わってジャンクメールが届かないよう処理してくれるUnroll.Meという新しいアプリ が登場した。

正確にいえば、このサービスはこれまでもプラットフォームによらずモバイル・ユーザーなら誰でも恩恵に浴することができた。ただしまず最初にUnroll.Meにメール・アカウントを登録する必要があった。するとUnroll.meは不要なメール購読を解除し、それ以外のメールを1日分まとめてダイジェストで通知してくれるようになる。

まずiOS、続いて今回リリースされたAndroidアプリをCEOのJojo Hedayaは大いに自慢にしている。なるほどインターフェイスがオンライン・デート・アプリのTinderに似ており操作が愉快だ。メールの購読を解除したい場合は左にスワイプすればよい。上にスワイプするとUnroll.meからの毎日のダイジェストに追加される。右にスワイプすればそのまま受信トレイに残される。

Hedayaは「受信トレイの大混乱を整理するのにこれがベストな方法だと思う」と語っている。

しかし普通のユーザーはスワイプで購読解除が必要になるほどほどたくさんのメールを購読しているのだろうか? Unroll.Meの調査によるとイェスだ。平均して62件も購読しているという。しかもこのアプリは単に購読を解除するだけでなく、購読しているメールを毎日Rollupにまとめてくれる。

Unroll.me unsubscribe

Unroll.Meにはいろいろな機能があるがHedayaは「これは従来のメール・クライアントを代替するものではない」と強調する。

「私の見るところではこれまでメール・アプリは受信トレイのごたごたを解決する試みとして、いいところで75%程度の成功だ。われわれは伝統的なやり方とは違ったアプローチで受信トレイの混雑を処理する」とHedayaは言う。

Unroll.Meの他のサービスと同様、Androidアプリも無料だ。同社は楽天/Sliceの傘下にあり、ビジネスモデルはユーザーデータの販売だ(実はUnroll.Meは今年、この点に関して批判を浴びたことがある。Hedayaは今後事業の透明性を確保することを約束した)。

画像: dvs/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ハッカー攻撃されるリスクが特別高い人たちにGoogleが“最強のセキュリティ”を提供

【抄訳】
Googleが今日(米国時間10/17)、Gmail, Drive, YouTubeなどなどGoogleのアカウントが、尋常でない、きわめて高い攻撃のリスクにさらされている、と信じているユーザーのための、無料でオプトイン(非強制)のプログラムを立ち上げた。

そのAdvanced Protection(高度な保護)と呼ばれるプログラムは現在のところ、三つの主要成分がある:

  1. ハードウェアのセキュリティキー〔U2F〕が生成するトークンを用いる2FA(二要素認証)によりGmailとGoogleのアカウント保有者をフィッシング攻撃から守る。
  2. GmailとDriveへのアクセスをGoogleのアプリ/アプリケーションのみに限定して悪質なアプリケーションによるデータの窃盗を防ぐ。
  3. アカウントのリカバリ処理を複雑にして、なりすましがGmailのアカウントにアクセスすることを防ぐ。

要するにこれは、便利さを犠牲にしてセキュリティを高める措置だ。万人向きではない、とGoogleも言ってるように、たとえば一部のセレブとか、とにかくハッキングされる高いリスクがある、ないし、あると思っている、少数の人びとのためのサービスだ。

Googleが挙げている例は、選挙戦のスタッフや、やばい情報を扱っているジャーナリスト、環境や人権などの活動家、“ネットいじめネットセクハラ”に遭ってる人たち、などだ。この前の大統領選で現にあったように、選挙参謀のメールはハックされやすい。

昨年は民主党の選挙参謀John Podestaのメールがハックされて、メールアカウントの危険性にスポットライトが当たった。メールの内容が世間に公開されたために、選挙戦にかなりの影響を与えただろう。そして今年はフランスの大統領選で現大統領Emmanuel Macronのスタッフのメールアカウントがハックされた。メールがリークされたのは投票日の前夜だった。

【中略】

このプログラムはGoogleのアカウントのある人なら誰でも登録できるが、当面はChromeブラウザーを使う必要がある。Googleによると、ChromeはハードウェアセキュリティキーのスタンダードU2Fをサポートしているからだ。ただし、“ほかのブラウザーもこのスタンダードをなるべく早くサポートしてほしい”、ということだ。

【中略】

Advanced Protectionの登録申し込みはここで受け付けている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ついにやっとGmailの住所電話番号メールアドレスなどの情報がリンクに換わるようになった

Gmailには、モバイルのSmart Repliesなどをはじめ、時間節約機能がたくさんあるから、アドレス(住所)や電話番号や連絡先(メアド)を自動的に検出してそれらをリンクに換える機能がやっと今日(米国時間9/18)から使える、と知ったときには意外だった。

この機能は今日からiOSとAndroidとWebのGmailやInboxで使えるようになるが、主なeメールクライアントのほとんどにすでにあるから、みんなよく知ってるはずだ。リンクになった住所をクリックするとGoogle Mapsが開き、メールアドレスをクリックするとメールの作成ウィンドウが開き、電話番号ならHangoutsなどから電話をかける。

G Suiteのチームのブログにこう書かれている: “Gmailのユーザーは住所や電話番号などの情報を互いに交換して、ミーティングをセットアップしたり、同僚を紹介したり、イベントを計画したりなどによく利用している。これらの情報をメールからほかのアプリへいちいちコピペするのは時間の無駄だから、もっと良い方法を提供するべきである、と考えた”。まったく、そのとおり。

この機能は三日かけて全ユーザーに行き渡るそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

中小企業のメールによるターゲット・マーケティングを助けるAutopilotが$12Mを調達

これまでのお客さんからもっと稼げるのに、なんで新しいお客さんを追うの?、とAutopilotはあなたに問う。同社は企業の、既存の顧客へのマーケティングを助ける。

同社はこのほど、Blackbird VenturesやSalesforce Venturesなどから成る投資団から、1200万ドルを調達した。そのほかの投資家として、Rembrandt Venture PartnersやSouthern Cross Venture Partnersも投資に参加した。同社の調達総額は、これで3200万ドルになる

CEOのMike Sharkeyはこう語る: “中小企業のお役に立ちたい。こんなターゲティング技術は、これまで費用が高すぎて中小企業は手が出なかったからね”。

しかしユーザーは、中小企業ばかりではない。およそ2300の顧客の中には、最近契約したMicrosoftやAtlassian、Lyftなどもいる。なお、同社の料金は年会費制だ。

Autopilotは、選んだターゲットに新製品やディスカウントを案内するメールを送る。その基本方針は、送るメールをなるべく少なくすることだ。Sharkeyはこう言う、“信号の強いメッセージを少なめに送ることが、集客のコツだ”。送るべき相手とタイミングは、同社のアルゴリズムが決めている。

熱心なユーザーを対象とするウェビナーやイベントも開催している。またInsightsと名付けたサービスで、顧客のマーケティング目標の追跡〜達成管理を提供している。

Rembrandt VenturesのゼネラルパートナーScott Irwinが、Autopilotに投資した理由を語る: “マーケティングにデータをどう生かすか、という大きな問題に挑戦しているからね。そして中小企業の市場は、なんといっても数が多い”。

ファウンダーはすでにスタートアップ経営の経験者で、Sharkeyはオーストラリア出身だが、スタートアップを創業してそれをHomeAwayに売ったこともある。オーストラリアのテクノロジーコミュニティと縁は深いが、兄弟たちと一緒にサンフランシスコに移ったのは、Autopilotにとって良い市場を選びたかったからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Gmailのアドオンを誰でも作れる、マーケットプレースで売れる

Gmailのユーザーにとって、嬉しいニュースだ。Gmailが、サードパーティ製のアドオンをサポートする。つまり、あなたが作った新しい機能が、Gmailにダイレクトに統合される。Gmailに新しい機能を加えるサービスはすでに山のようにあるが、それらはGmailのというより、ブラウザーのエクステンションである場合が多い。

今日(米国時間3/9)サンフランシスコで行われたCloud Nextカンファレンスで発表されたこの新規軸により、ユーザーはG Suite Marketplaceからアドオンをインストールできる。そこはすでに生産性ツールDocsやSheetsのためのマーケットプレースである場所だ。ただしアドオンを実際に扱うのは、今年後半からとなる。

アドオンは、Web上のGmailとモバイルのGmailアプリの両方で使える。ただしGoogleの次世代メールクライアントと言われるInboxについては、何ら言及がない。

デベロッパーは、アドオンをひとつだけ書けば、それが上記の両プラットホームで動く。GoogleはIntuitやSalesforce、ProsperWorksなどと協働してこの機能をテストしてきたが、トライしてみたいデベロッパーはここのDeveloper Previewに登録する。

アドオンは主に企業ユーザーがねらいだが、G Suiteの有料ユーザーでない一般消費者もアドオンをインストールできる。ただしデベロッパーは、自分の作品に、‘G Suiteの有料ユーザーのみ’という指定ができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Gmailで最大50MBの添付ファイルを送れるようになった

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メールの添付ファイルが50メガバイトを超えない方が良い唯一の場合は、それが拒否されて届かないときだ。でもこれからは、その心配もない。GoogleがGmailのアカウントのバーを高く上げて、最大50メガバイトまでなら何でもOKになったのだ。

でも、だからといって、大きな添付ファイルをしょっちゅう送るべきではないね。それに、今でも直接送れるのは25メガバイトまでだ。それ以上は、Google Drive経由になる。しかしメールの添付ファイルは、いちばん簡便なファイル転送の方法だ。これからは大きなファイルを送っても、メーラーからエラーが返ってこないのはありがたい。

真面目な話としては、仕事などでファイルを共有するなら、それ専門のサービスを使うべきだ。残念ながらメールは、ファイル共有のツールではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

暗号化メールサービスProtonMailの新規ユーザーが選挙後に急増、トランプ新大統領の不寛容を懸念

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Donald Trumpの当選で、プライバシーを心配する人が増えており、一部はコミュニケーションを暗号化して自分を守ろうとしている。昨日のインタビューで、かつてNSAを内部告発したEdward Snowdenは、TrumpがNSAを統括することが不安な人は、暗号を利用するよう、すすめている。多くの人が、彼の説に従ったようだ。

スイスの暗号化メールサービスProtonMailが今日(米国時間11/11)、選挙以後、新規のユーザーが急増した、と発表した。

CEOのAndy Yenがブログにこう書いている: “Trumpが勝利してから以降、ProtonMailの新規ユーザーの数は前の週に比べて倍増した。選挙戦のときの彼の、ジャーナリストや政敵、移民、ムスリムなどへの不寛容な言及を見るかぎり、彼は今後新しいツールを好き勝手に使って、特定のグループを標的にするかもしれない”。

ただしYenはそのあと続けて、Trumpが統括することになる大量監視の装置は、オバマ大統領の下(もと)で肥大し、勢力を増したのだ、と述べている:

“このところ一般人のユーザーが急増しているが、しかしProtonMailこれまで、政治的権利を主張する人びとにも人気があった。彼らは大きな政府による諜報行為に深刻に悩んでおり、そしてオバマ政権は彼らの通信にもアクセスしていたのだ。しかし今や、状況が変わった。政治的活動家が経験していたのと同じ恐怖を、今ではシリコンバレーなどの一般の人びとが感じている”。

Snowdenと同じくYenも、Trumpは政府というものが短期間で変わることを示す一例であり、彼のような人間が最高権力を持ったことは、プライバシーの重要性をますます示している、と主張する。いや、ホワイトハウスに座る者が、だれであってもだ。彼は自分のサービスを、監視を避けたい人びとに勧めているが、同様の暗号化メッセージングサービスにSignalがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GmailのiOS版がAndroid版と同じデザインに―送信取り消しなど機能も強化

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iOS版Gmailユーザーに朗報だ。メール・サービスをほぼ独占しているGmailだが、iOS版の最新バージョン、 5.0.3(iTunesページ)には重要なアップデートが含まれている。特にUIの強化は目立つ。これでiOS版はAndroid版と見た目もそっくりになった。

カラースキーム、アイコンのデザインも改善された(少なくともiOS版は改善された)。一見したところでは目立たないかもしれないが、こうしたデザイン上の改良は使い勝手を向上させ、結局はユーザーの生産性をアップする。ともあれiOSのGmailはほぼAndroidと同一になった。

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アップデート版にはメールをスワイプでアーカイブしたり削除できるなど すばやく直感的に操作できる機能が含まれている。スワイプがアーカイブになるか削除になるかはアプリの設定で変えることができる。メール検索もスピードアップした。スペルチェッカーも強化され、正しい綴りの候補が即座に表示される。

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最大の機能向上は(個人の好みもあるだろうが)、送信取り消し(Undo Send)の追加だ。これで非常に恥ずかしい間違いをしなくてすむようになる。メールを送信すると、直後に灰色のバーが画面下部にポップアップする。短時間表示されるこのバーの「取り消し(Undo)」をクリックすればメールが相手に届かずにすむというわけだ。メールは「下書き」状態に戻される。それから―その後下書きをどう処理するかはユーザーの責任だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ローンチ5年で10億ユーザー、Facebookメッセンジャーの過去と未来

How Facebook Messenger clawed its way to 1 billion users   TechCrunch

Facebookがメッセンジャーのダウンロードを強制させるという賭けに成功した。その反動にかかわらず、20ヶ月の間にメッセンジャーはユーザー数を倍にし、開始から5年でユーザー数は10億人に到達した。メッセンジャーはFacebookや、Facebookが買収したWhatsApp、GoogleのYoutubeなどで構成される10億ユーザークラブに参加した。

メッセンジャーアプリは他にも印象的な記録を残してきた。毎月170億枚の写真が送信され、ユーザーと企業の間で10億メッセージのやりとりがなされている。また、毎日3億8000万のスタンプと2200万のGIFが送信されている。そしてVoIP電話全体の内10%はメッセンジャー経由とのことだ。メッセンジャーが新しく開設したチャットボットのプラットフォームには現在1万8000チャットボットが存在し、2万3000のデベロッパーがFacebookのWit.ai ボットエンジンに登録してきた。

ユーザー数10億人という節目となる記録はFacebookが企業、デベロッパーのメッセンジャーのプラットフォームへの関心を引くことを容易にする。メッセンジャーの普及が進むことは次のようなことを意味する。新たにメッセンジャーを利用し始めた他のユーザーの存在が、未だにSMSやメッセンジャーの競合サービスを使っている人にメッセンジャーをより便利なアプリだと思わせるのだ。

Facebookのようなネットワーク効果を持っている企業は他に類を見ない。

Facebook Messenger Team

David Marcus氏とマーク・ザッカーバーグ氏がロゴをかたどったメッセンジャチームの万歳をリードしている

メッセンジャーは元Googleの社員が起ち上げたチャットアプリBelugaを元に名前だけ変えて始めたものだ。FacebookはBelugaを2011年の3月に買収している。「10億人ものユーザーを獲得するなんて想像もできませんでした。しかし、それを実現したいとは思っていました。それが私たちのビジョンでした。世界中の人々をそのようにつなげたかったのです」Beluga共同創業者のLucy Zhang氏はそう語る。

「みんなが飛び上がってこのことを祝うと思っていますよね」Facebookの現在のメッセンジャーの責任者David Marcus氏はそう語る。「しかし、サービスをユーザーに提供すること、正しいものを作ること、問題なく運用すること、人々の日々の生活を支援することなど一層の責任が発生します」。

すべての人がメッセンジャーのユーザー数10億人突破のお祝いに参加できるようにしている。風船の絵文字をFacebook上で送ると画面上でユーザー数10億人突破を祝うライトアップを見ることができる。

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ユーザー数10億人への道のり

Zhang氏とMarcus氏は、派手な機能、利用のしやすさ、地味だがパフォーマンスの向上につながることまでの全てに継続的なイテレーション(分析、設計、開発、テストのサイクルを回すこと)を行ったことがメッセンジャーの発展につながったと語る。以下に時系列でメッセンジャーのこれまでの変遷を紹介する。

Beluga

Belugaは「グループ」ではなく「ポッド」を持っていた

Belugaは「グループ」ではなく「ポッド」を持っていた

2010年、グループチャットが人気を獲得し始めていたが、SMSはひどい有様だった。同年に開催されたTechCrunch Disruptのハッカソンで生まれたGroupMeは勢い良く成長した。しかし、GroupMeはネイティブアプリではなくコストの高いSMSに依拠していた。

2010年の7月、Belugaはデータ通信のチャットに焦点を当てて設立され12月までに大きく成長した。「友達のそばにいたいという私たち自身の希望、要望から生まれました」とZhang氏は語る。その時、Facebookチャットはどちらかというと非同期のメッセージサービスで、Facebookアプリの中に埋もれていたために快適さに欠けていた。Facebookはメッセージに特化したアプリをリリースする機会を得るためにBelugaを2011年の3月に買収した。

 メッセンジャーのファースト・バージョン

「メッセンジャーのファースト・バージョンをリリースするのに3、4ヶ月を費やしました」とZhang氏は回想する。その当時、メッセンジャーのチームメンバーはZhang氏、共同創業者のJonathan Perlow氏(現Facebook社員)、Ben Davenport氏、そしてエンジニア1名、プロダクトマネージャー1名、デザイナー1名だった。

メッセンジャーは2011年の8月にサービスの提供を開始した。デスクトップ、モバイルなどの異なるプラットフォームでメッセージを送受信することができるものだった。写真と位置情報の共有以外の今でもメッセンジャーにあるいくつかの機能を備えていた。その1年後には既読機能を実装し、まるで顔を合わせて話しをしているかのようなチャットへと変化した。

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左がメッセンジャーファースト・バージョン、右が現在のメッセンジャーのデザイン

Facebook本体のアプリから分離した初めてのアプリとして、メッセンジャーアプリは1つの重要な機能に特化したシンプルなモバイルプロダクトの価値を証明した。

使いやすくなったメッセンジャー

Facebookはメッセンジャー普及のために戦略を練ってきた。ユーザーがやりたいコミュニケーションができるようにフレキシブルさを追加してきた。2012年から2013年までの間に、メッセンジャーを利用するのにFacebookアカウントを必要とする条件を撤廃し始めた。Facebook友達でない場合、電話番号を利用してSMS経由で連絡を取ることができるようにした。VoIP電話をコミュニケーションツールとして当たり前のものとするための賭けに打って出た。メッセンジャーのデザインは本元のFacebookとは異なり、操作スピード、シンプルさを追求するためより洗練されたものとなった。

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メッセンジャーはデザインの一新でアイデンティティーを得た

アプリダウンロードの強制

How Facebook Messenger clawed its way to 1 billion users 2TechCrunchメッセンジャーのサービス提供開始から3年間の成長は停滞していた。しかし2014年4月、Facebookがユーザー数2億人到達を発表する少し前、同社の高圧的な告知によりコミュニティーがざわついた。その告知とはFacebookアプリからチャット機能をなくし、代わりに強制的にメッセンジャーをダウンロードさせるというものだった。この強制の言い分としてはメッセンジャーアプリによって、ユーザー間でのやり取りがより早くなり、メッセージを見逃すことも少なくなるということだった。

ユーザーは腹を立てている。Facebookがスマホのホームスクリーンを占有しようとしているとしてFacebookを責めた。ユーザーは1つのアプリでも十分快適だったのに、なぜFacebookのアプリを2つも利用しなければならないのだろうか?メッセンジャーの平均的なレビューは星1つとなったがAppストアでダウンロード数がトップにもなった。

Facebookは膨らみすぎたアプリからメッセンジャーを解放することで、新たにメッセンジャーにたくさんの機能を追加することができるようになった。そして結果的に、ユーザーもついてきたのだ。ユーザーはメッセンジャーを頻繁に使うようになった。もしメッセンジャーがFacebookアプリに埋め込まれたままだったとしたら、メッセンジャーを開く手間にストレスを感じるほどにだ。2014年の11月までにユーザー数は5億人に到達した。

スピードの必要性

さほど関心を集めなかったが、2014年の末にFacebookはメッセンジャーの大幅な技術的改良を実施した。数十億のメッセージがやりとりされる規模においては、ミリ秒の短縮はメッセージの送受信に大きな差を生み出す。私がここで説明する言葉より表現豊かに、メッセンジャーチームはユーザー間の送受信における遅延を減らすためのパフォーマンス、安定性に対して多くの時間を費やしたとMarcus氏は語った。Marcus氏はPayPalの会長を務めた人物で、Paypalを退任後に初めて取り組んだのがメッセンジャーのプロジェクトだった。

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ユーザーが送信したメッセージがどのような状況にあるのか分かりやすくするため、メッセンジャーはメッセージの横に小さなサークル(円のマーク)を設置した。サークルが空白の表示は送信中であること、空白にチェックマークが表示されれば送信完了、サークルに色とチェックマークが付けば相手に届いたこと、サークルにプロフィール写真が表示されると相手がメッセージを読んだことを示す。繰り返すが、これは小さなことかもしれないが、これによりSMSで発生していたようなコミュニケーションにおける曖昧さを排除することができた。それは2014年初めにFacebookがWhatsAppを買収した後からMessengerにとって問題となっていたことだった。

アプリとビデオ

2015年はメッセンジャーが単なるチャット以上の存在になった年だ。SMSを時代遅れなものとし、現代風のメッセンジャーを通してユーザーの生活を支えるように改良がなされた。ビデオがいたるところで盛り上がりを見せ始めていたが、ビデオチャットはFaceTime、GoogleHangoutsのような限られたプラットフォームのみだったところで、メッセンジャーはビデオチャットを開始した。Marcus氏はビデオチャットを実装したことがメッセンジャーが電話に代わる多機能なコミュニケーションツールになるきっかけになったとしている。

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メッセンジャーのプロダクト責任者Stan Chaudonovsky氏がビデオチャットを実演

FacebookはVenmo風の個人間で送金ができる機能をメッセンジャーに追加した。そしてF8デベロッパー・カンファレンスにおいてメッセンジャー・プラットフォームについて明らかにした。そのプラットフォームでは、Giphyのようなコンテンツを共有することを始め、最終的にUberの車を呼んだり航空会社のカスタマーサービスを受けることができるようになった。2016年内には、チャットボットのデベロッパーやニュースメディアもメッセンジャーに参加するだろう。また、Facebookはたらい回しにされ苛々させられる電話のカスタマーサービスの代わりにメッセンジャーを使うことを法人に提案している。

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メッセンジャー・プラットフォーム

 

有用であることが先、おもちゃではない

ユーザーがチャットボットに慣れ始めているところだが、世界中のユーザーがメッセンジャーを利用できるようにすることに再び焦点を当てている。「全ての人が電話を持っているように思いがちですが、世界のすべての国には当てはまらないのです」とMarcus氏は語る。

Marcus氏は、最近のメッセンジャーの成長の理由についてアカウントの切り替え機能を実装し始めたことを挙げる。一家で1台の電話を共有しているような発展途上国の家族全員が自分のアカウントでメッセンジャーを使うことができる。

メッセンジャーは電話番号の代わりとなるため、メッセージリクエストを実装した。これはユーザーが誰にでもメッセージを送ることを可能にし、知らない人からのメッセージはフィルタリングして別の受信箱へと選り分ける門番のようなものだ。新しくなったメッセンジャーではユーザ名、短縮URL、QRコードでよりシンプルにユーザー同士がお互いに見つけることができるようになった。
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メッセンジャーのこれらの特徴は、誰かと連絡するために任意の連絡先情報を必要とすることから、幅広く使われている名前だけでコミュニケーションができる世界への抜本的な転換を示す。良くも悪くも電話番号を聞くというような気まずい質問をする必要がなくなる一方、受信者は話したくない人をブロックすることも容易になる。

失速するSMSをついに葬り去ることに期待して、先日FacebookはAndroidユーザーがメッセンジャー上でSMSの送受信をできるようにした。今月7月にはFacebookはさらに高度なセキュリティが必要な送受信のためにエンドツーエンドの暗号化機能「秘密の会話」を実装した。

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メッセンジャーの未来

これらの着実な発展で、Facebookメッセンジャーは競合である他のモバイルメッセージアプリよりも一歩抜きん出ている。KakaoTalkは5000万人ユーザー、Kikは1億7500万人ユーザー、LINEは2億1800万人ユーザーだ。今のところ、メッセンジャーの最大の競合は、メッセンジャーが営業できない中国拠点の7億6000万人ユーザーを持つWeChatだ。そしてメッセージを送るためというよりは話題を共有したり、写真を送ることで人気のあるアプリ1日1億5000万人の利用ユーザーを持つSnapchatだ。

WhatsAppがいる中国を除く地域では、Facebookのメッセンジャーはチャット市場の覇権争いで優位に立つだろう(打たれ強いSMSを除く)。Marcus氏は以下の様に結論付ける。もともとのテキストメッセージのスタンダードを打ち壊すには、メッセンジャーを徹底的に普及させなければならない。ユーザーの友達が1人でもメッセンジャーを利用していないだけで、ユーザーをiMessageやAndroidのメールに引き戻してしまうからだ。

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Sheryl Sandberg氏とDavid Marcus氏

「1つのプラットフォームに話したい人がほとんどいる場合、電話番号は必要なくなります。名前で彼らを見つけることができるし、さらに多くのものを送ることができて、ビデオ電話も可能です」。Marcus氏は自信を持って、「メッセンジャーはこの世界にとって重要なコミュニケーションツールになりつつあると信じています」と言う。

 

現在、メッセンジャーが必要としていることに関して、Marcus氏は「一番必要なのは時間です。メッセンジャーに対して多くの人が持つイメージを変えなければならないのです。多くの人は、電話番号を持っていないFacebookの友達にメッセージを送る手段と考えています。10億人を超えるユーザーの考え方を変えるために多くのことをしなければならないのです。しかし徐々にですが、その方向に進みつつあります」と語った。

これまでの人類の歴史で、無料でここまで活発に多くの人がつながったことはない。10億人が名前とインターネットアクセスのほか何も必要なく、簡単にコミュニケーションを取ることができるのだ。歴史的に「恐怖」というのは分離や未知から発生する副産物であった。しかしメッセンジャーによって私たちはより簡単にお互いを知ることができるようになるのだ。

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原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

 

大統領候補に指名されたヒラリー・クリントンの「消えたメール」を見つけ出すようトランプがロシアに要請

Republican presidential nominee Donald Trump speaks at a campaign event at Trump Doral golf course in Miami, Florida, U.S., July 27, 2016.  REUTERS/Carlo Allegri

民主党大会でヒラリー・クリントンが正式に大統領候補に指名されたことがトップ・ニュースとなっているが、そのスポットライトのいくぶんかを奪おうとしたのか、共和党の大統領候補、ドナルド・トランプが奇妙な発言をしている。

今日(米国時間7/27)、フロリダで開かれたプレス・カンファレンスでトランプ候補はロシア(そうロシアだ)がクリントン候補の私用サーバーから消えたとされる「3万通のメールを回復するよう」求めた。

これはなんとしても無責任な発言だと思う。

クリントン候補の自宅サーバーから消えたとされるメールに国家機密が含まれているなら、それを外国勢力に解読させようとするのはアメリカの利益とならない。しかしトランプ候補には選挙に勝つという目的以外は眼中にないようだ。

トランプ候補は「ロシアの皆さん、これを聞いているのであれば消えた3万通のメールを発見する力があることを期待します。成功すればわが国のメディアに大々的に取り上げられるでしょう。そうなることを期待しています」と述べた。

トランプ候補は同趣旨の発言をツイッターに投稿している。クリントン候補は国務長官時代に私用のメールサーバーを利用しており、このサーバーに保管されていた3万通の公用メールを安全保障上の調査に協力するため国務省に引き渡した。サーバーには別に3万通の私用メールが保存されていたが、調査では安全保障に無関係とされた。トランプ候補が公開を求めているのはこの私用メールだ。

トランプのコメントは民主党全国委員会のメールがハックされウィキリークスに公開された直後に行われた。民主党全国委員会のメールの暴露にはロシアのハッカーが関与しているという疑いが持たれている。Washington Postの記事によればロシア政府に関連があるハッカーが1年前から民主党の秘密ファイルにアクセスしていたということだ。【略】

2015年12月にトランプはプーチン大統領をリーダーに相応しい人物だと称賛し、アメリカは「プーチンともっとうまくやっていく道を探らねばならない」と主張した。これに対してプーチンはトランプを「聡明で才能がある」と評した

現在トランプはプーチンについての無条件の称賛をトーンダウンさせており、「私はプーチンに会ったことはない。〔だから〕プーチンがどんな人物であるか知らない」と述べた。トランプ候補によれば「プーチンは一度私について良いことを言ってくれた。プーチンは私は天才だと言った。そこで私は新聞に『どうもありがとう』と言った。それだけの話だ」だそうだ。

〔民主党全国委員長を辞任に追い込んだ〕メールのリークの背後にロシア政府がいるのかどうかはともかく、トランプは重要な政治的課題が議論された民主党大会への関心を多少でも奪おうとしてこういう発言をしているのだろう。しかし仮にFBIがロシア政府が大統領選挙に不当な関与をしている証拠を発見するなら苦境に立つのはトランプ候補の方になるだろう。

〔日本版〕TechCrunchにはシリコンバレーを中心とするテクノロジー界には「反トランプ派が多い」という記事も掲載されてる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FBI、ヒラリー・クリントン候補が秘密メールを私用サーバーで処理した件で「訴追せず」と勧告

2016-07-06-hillary-clinton-shutterstock

〔この記事の執筆者は Lucia Maffei

事実上の民主党大統領候補であるヒラリー・クリントンが国務長官時代に私用サーバーで秘密メールを処理したことについて、FBIは司法省への勧告の中でクリントンとスタッフは「著しく軽率」だったが、「正式な訴追は必要ない」と結論した。このことはジェームズ・コミーFBI長官が記者会見で明らかにした

長期にわたった捜査の過程でFBIはクリントン候補を訴追するに足る証拠を収集できなかった。コミー長官は訴追を勧告しなかった理由について「訴追された類似のケースでは秘密情報の誤った処理に加えて合衆国への忠誠の欠如、司法妨害が加わっていた」と説明した。

コミー長官はクリントン候補が国務長官として私用サーバーで秘密メールを受信、保存していたことについて、「こうした〔不利な付加的〕状況はなかった」と述べた。

簡単にいえば、FBIはクリントとスタッフが故意に法令に違反したという証拠を得ることができなかった点が訴追を勧告しなかった理由の核心だ。ただしFBI長官は「こうした〔秘密メールの不適切な処理という〕行動を取った人物が、決して訴追されないことを意味するものではない。逆にこうした対象者の多くはセキュリティー違反による組織管理上の処分を受けている」と述べた。

コミー長官によれば、FBIと司法省は3万通に及ぶ国務省の保管するメールを精査し、52件のメール・スレッド中の110通が「送信、受信された時点における秘密情報(classified information)に当たる」と判断した。52のメール・スレッドのうち、8つのスレッドは当時「最高機密(Top Secret)」だった。36のスレッドは「機密(Secret)」、8スレッドは「部外秘(Confidential)」だったと判断された。

当然ながら、共和党の事実上の大統領候補、ドナルド・トランプはコミー長官の声明を強く非難するツイートを投稿し、元CIA長官のデビッド・ペトレイアス大将が「はるかにささいな」な罪で起訴され有罪を認めたことを指摘した。

このシステムはインチキだ。ペトレイアス大将ははるかにささいな件でトラブルに巻き込まれた。非常に不公平だ! 誤った判断でもある。

FBI長官はろくでなしヒラリーが「わが国の安全保障に脅威を与えた」と言った。それが訴追なしだそうだ。ワオ!

画像:: a katz/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Front、Eメールの新境地を開拓するために1000万ドルを調達

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現在のEメールは破綻していると言っても差し支えないだろう。しかし、新しいEメールの発明とまではいかなくとも、もう少しマシなものにしたいと考えている Frontという名前のスタートアップがある。Frontは、企業向けにサポートや求人、問い合わせの代表アドレスに届くEメールに、複数人体制で対応可能なEメールサービスの提供を目的に設立された企業だが、Social Capitalをリード投資家として、シリーズAラウンドで1000万ドルの資金を獲得した。

このラウンドには、Stewart Butterfield(Slack)、Eoghan McCabe(Intercom)、Ilya Fushman、Pierre Valadeといったエンジェル投資家も参加している。Social CapitalのMamoon Hamidは、これまでにYammer、Slack、Box、Intercomと提携している。Frontが今回の資金調達でこのファンドに決めたのはそこに理由がある。

現在Frontのサービスを利用している企業は、LVMH、Mailchimp、Hubspotなど1000社を超える。また、同社は最近大規模アップデートを行い、Frontを利用した共同作業がより簡単になる多くの新機能を追加した。特に重要なのは、Frontが単に受信箱を共有する以上のことに挑戦した点だ。たとえば、多忙な各社のCEOは、Eメール対応を同僚に委任することができるようになった。あるいは、休暇中の1週間だけ、誰かに受信箱へのアクセス権を付与することもできる。

受信箱の共有は、Frontにとって最初の一歩にすぎないが、人々に同社に親しんでもらうという意味では良い一歩だった。しかし、Frontはさらに先に進もうとしている。全てがうまくいけば、たくさんのEメールに対処する必要のある人は誰でもFrontを利用したいと思うようになるだろう。

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Eメールの技術革新が止まって何年も経つ。Eメールに関して言えば、おそらく最後の有意義なイノベーションはGmailの登場だろう。スレッドやタグ、スター、アーカイブなどにより、多くの人がEメールを管理する方法が変わった。

しかし、ほかの多くのことについては一向に代わり映えがしない。未だに一連のEメールを転送すると、同じスレッドで異なる相手との複数の会話を管理する羽目になる。誰かを追加する必要がある場合、Eメールのチェーン化は厄介なものになりうる。また、Eメールのプロトコルもずっと変化していない。

それでも、私が知る限り誰もが今でもEメールを使用している。Eメールは無くならないし、滅びる運命にもない。しかし、誰かが修正する必要がある。

Frontは、Eメールを複数人で扱うものに変え、通知やメンション、そして現代のコミュニケーションの標準機能(絵文字、タイプ中の表示など)によって受信トレイにソーシャルレイヤーを追加してきた。Frontは、他にも多くのサードパーティのサービスを統合している。

Eメールの再開発というのは、生半可な作業ではない。Frontにそれが可能なのかもわからない。一般に広まっているEメールに関して、劇的な変更を強制するには同社の規模が小さすぎるということは明らかだ。しかし、彼らなら止まってしまった時計の針を進められるかもしれない。

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(翻訳:Nakabayashi)

返信を自動的に書いてくれるSmart Reply機能がWeb上のInboxにもやってきた

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Gmailチームが作ったInboxは、GoogleがGmailユーザーに贈る次世代eメールクライアントで、とくに、入信メッセージを便利に扱えるためのさまざまな機能がある。それらの中で、前から最良と言われている機能のひとつがSmart Replyだ。これは、Googleの機械学習のインテリジェンスがユーザーのメールを見て、とても短い三つの返信を提案する

これまで、この機能が使えたのはInboxのモバイルアプリだけだったが、しかし今日からは(米国時間3/15)、Webでも使える、Googleによると、モバイルアプリでは返信の10%がSmart Replyを使っている。

ぼくの経験では、Smart Replyが提案する返信は、使える場合が多い。というか、使える返信がたいてい一つか二つはあるから、なかなかお利口なアプリである。

ぼくはメールの返事が長い方だが、Smart Replyが提案する返事はセンテンスが3つか4つぐらいだ。でも、町を歩いていたり、空港であせって駆け足していて、しかもメールに早めにとりあえず返事しなければならないときには、とても便利だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

WebサイトビルダーのWeeblyがeコマース機能の次にメールマーケティングのプラットホームを開設

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Weebly日本)はもはや、単なるWebサイトビルダーではなくなった。同社が最近ローンチしたPromoteは、メールによるマーケティングのためのプラットホームなのだ。

CEOのDavid Rusenkoによると、これは、この前eコマースのプラットホームを加えたことに次ぐ二番目の大きな拡張だ。でも、eコマースは確かにWebサイトの一部だが、なぜメールを?

“メールによるマーケティングは、Webサイトのある小企業にとって、eコマースに次ぐ二番目にやりたいことなんだ”、とRusenkoは説明する。メールを送ることは“誰にでもできる”し、しかもDirect Marketing Associationの報告書によれば、メールマーケティングのリターン率は投資額の4300%と高い。

しかしRusenkoによると、Weeblyのユーザーの半数以上は、既存のメールマーケティングツールを利用していない。それは、彼らにとって使い方が難しいからだ。そこでPromoteは、Weebly本体と同じような、簡単なドラッグ&ドロップ操作でメールマーケティングができるようにした。

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インタフェイスは単純だけど、Promoteは機能も性能も既存の類似ツールに負けていない、とRusenkoは強調する。コンタクト(連絡先リスト)をインポートする機能、セグメントをカスタマイズ、既製のテンプレートを利用、即席のアナリティクスを見る、といった機能が揃っている。困ったことがあれば、Weeblyのエキスパートたちに相談できる。

しかも、すでに一部の小企業ユーザーが使い始めている。サングラスショップDangShadesのChris Beresfordによると、メールを作るのに要した時間は20分。彼の店のコンタクトリストに載っている顧客全員に送ったら、二日後の売上が600%と急増した。

Weebly Promoteが使えるのは今のところ、すでにWeeblyのユーザーである者のみだが、近く、単独でも利用できるようにする。料金は月額8ドルからだ。

“Webでビジネスを始めたい人たちに、完全なプラットホームを提供すること、われわれはそれに情熱を燃やしている”、とRusenkoは述べている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Gmailの企業ユーザー向けのセキュリティ機能が向上–DLPサービスをアップデート

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Googleが今日(米国時間2/29)、Gmailの企業ユーザーのための新しいセキュリティ機能をいくつか発表した。昨年同社はGoogle Apps Unlimitedのユーザーのために、機密データがメールに入り込まないようにするためのData Loss Prevention(DLP)機能をローンチした。そして今日同社は、このサービスの初めての大型アップデートを、サンフランシスコで行われているRSA Conferenceでローンチした。

DLP機能により企業は、メールに乗ってその企業のファイヤーウォールを出入りしてもよい機密情報の種類を指定できる。

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DLP for Gmailの今日発表されたもっとも重要な機能は、添付ファイルをOCRでスキャンして機密情報や不適切な言葉を見つける機能だ。前者はたとえばクレジットカードの番号、運転免許証の番号、社会保障番号など、後者は悪口や秘密プロジェクトのコードネームなどだ。

DLPはこれまでも添付ファイルをスキャンできたが、画像ファイルの中の社会保障番号などは検出できなかった。これからはDLPは、アドミンの指定に基づいて、それらの語や番号などのある画像ファイルも排除できる。

また今回のアップデートで、DLPが検出できる情報や、とくに個人を同定できる情報の種類も各国ごとに増え、とくに合衆国ではHIPPAデータも広くカバーすることになった〔参考資料〕。

さらに今日のアップデートでは、ルール違反の数に基づいてアドミンが容易に、メールの扱い方を変えることができるようになった。たとえば、クレジットカード番号が一つだけあるメールは当人に書き直しを命じるが、ルール違反が50件以上もあるメールは問答無用で拒絶する、といった扱い方のバラエティだ。

またこのサービスが提供している各種検出機能のゆるさや厳しさをアドミンが指定できる。これによりたとえば、違反の“偽陽性”を防げる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Mailboxの後継をねらうメールアプリSparkがiPadにも上陸

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Sparkは、相変わらず広く使われているけど、今や死に体のMailboxに代わって使われることを期待している、新しいメールアプリだ。それがこのほど、iPadとiPad Proにもやってきたので、メールのパワーユーザーには嬉しいだろう。

このアプリには、「あとで読む」や「メールボックスの整理」など、人気の機能がいくつかある。でもこのシステムには、「読みました」(読了証)を作ったり、「顔文字」の返事を送ったりする機能もある。

9つの言語をサポートし、Watch OSでも使える。今回、UX(ユーザー体験)もアップデートした。チームは立ち上げのタイミングを、もうすぐ訪れるMailboxの死に合わせたかったようだ。後者は、“スヌージング”(休眠メール)のできる人気のメールアプリだった。

Macバージョンも、もうすぐ出る。アプリのダウンロードは、ここから。

参考ページ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AndroidのGmailにリッチテキストとインスタントRSVPがやっと導入

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GoogleがAndroid上のGmailの、二つの小さいけど便利なアップデートを発表した。

まず、Web上のGmailには前からあったリッチテキスト形式が、初めてモバイルにも導入された。この書式のオプションはかなり単純明快で、太字と斜体と下線と色と強調(ハイライト)を指定できる。メッセージング中のテキストのリンクはできないが、でも日常的には太字が使えれば十分だろう。

インスタントRSVPも、WebバージョンのGmailから今回持ち込まれた。これまでのようにGoogle CalendarやMicrosoft Exchangeを別途立ち上げてスケジュールをチェックしなくても、招待メールの日付をタップするだけで、自分のスケジュールがポップアップする。つまりスケジュールチェックをGmailの中でできてしまうのだ。

なお、MicrosoftのOutlookのモバイルバージョンには、かなり前から同様の機能がある。

iOSのGmailにこれらの機能がいつやってくるのか、Googleはその予定を発表していないが、最初Inboxに登場しても意外ではないだろう。InboxはGoogleの次世代メールクライアントだから、リッチテキストなどがまずInboxでローンチしない方が、むしろ意外だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleがアカウントなしでもGmailの便利な機能が使えるGmailifyを発表―YahooとMSのメールをサポート

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2015年初頭にGmailのAndroidアプリにGoogle以外のメール・アカウントをチェックできる機能が追加された。これはYahooのメールやOutlookのユーザーにとっては朗報だった。今日(米国時間2/17)、Googleはこの方向をさらに一歩進め、Gmailifyと呼ばれる新機能をリリースした。これでGmailのアカウントがないユーザーでもGmailのスパム防止、インボックス整理、Google Nowなどの便利な機能をメール・アプリ内から利用できるようになった。もちろんメールアドレスが変わることはない。

Gmailモバイルアプリで@Yahoo.com、@Hotmail.com、@Outlook.comのアドレスでメールを送受信できるだけではなく、GmailアプリでGmailの設定ができるのとまったく同様に他メールの各種設定ができる。Gmailの優秀さは認めながら、各種の理由からGmailにアカウントを移行できない(またはしたくない)多数のユーザーにとってこれは大いに便利な機能だろう。

Gmailのアカウントを持ち、Gmailアプリ内から他のメール・アカウントをチェックしているユーザーもGmailify機能にオプトインすることができる。Googleのブログの説明によると、Gmailアプリを開き、他メールにログインしてから「Gmailifyを有効にする」にチェックを入れるだけいいという。 .

多少テクニカルな説明になるがこれは他のアカウントのアドレスをGmailにリンクさせる操作だ。アプリの「アカウントを追加」画面からGmail以外のアカウントを選択し、アドレスを入力して、「アカウントを関連づける」をタップする。これで他のメールでGmailの各種機能を利用できるようになる。この操作はAndroiアプリとウェブのmail.google.comの双方で可能だ。またGoogleは「ユーザーはいつでも簡単に関連付けの解除ができる」としている。

Gmailifyのおかでで、Gmailのセールスポイントの一つであるスパム防止フィルターを着信メールに適用できるようになった。また他のメール・アドレスに来たメッセージをメイン、ソーシャル、プロモーションなどのように分類して表示させることができる。他のメールのメッセージを高度な演算子で検索でき、交通機関やホテルの予約の確認メールをGmailの場合と同様にGoogle Nowで表示させることも可能になった。

ただしアカウントを持たないユーザーに自社メールの優れた機能を提供しようという動きはGoogleだけのものではない。たとえば昨年12月にYahooはメールのモバイル・アプリでGmailをサポートした。ユーザーはYahooの「パスワードなしサインイン」などの独自機能をGmailアカウントでも利用できるようになった。一方、MicrosoftのOutlook.comは逆インポート・ツールを発表して、Gmailからのユーザーの取り戻しを図っている。

Gmailify機能が発表されたのが、MicrosoftのOutlook.comがプレビュー版から正式版に昇格したのと同日であるのは面白い。

現在、Gmailify機能がサポートするのはYahooメールとMicrosoftのHotmail/Outlookメールだけだが、Googleでは対象を他のプロバイダーにも拡大していくとしている。

〔日本語版〕日本語GmailアプリもGmailify機能をサポートしている。上の紹介ビデオには日本語字幕が表示される。なおネーティブ話者はGmailifyの2番目の"i"を発音せず「ジーメールファイ」のように発音するもよう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AmazonのメールとカレンダーのサービスAmazon WorkMailがプレビューを終える…直接AWSからサービスを提供

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Amazonの企業向けメール/カレンダーサービスWorkMailが今週、プレビューを終えた。1年前にデビューしたこのプロダクトはAmazon Web Servicesを利用し、Microsoft Exchangeなどのレガシーソリューションに取って代わることをねらっている。

ただしWorkMailはMicrosoft Outlookのようなメールクライアントソフトウェアと競合するのではなく、それを統合する。またMicrosoft ExchangeのActiveSyncプロトコルを使用しているApple Mailなど、そのほかのメールクライアントからも利用できる。iPhone, iPad, Kindle Fire, Fire Phone, Android, Windows Phone, BlackBerry 10など、モバイルのメールクライアントアプリもだ。

また同社によれば、WorkMailのWebアプリケーションバージョンも提供される。

Amazonはこのところ企業顧客を取り込む方向に舵を切っているが、今回のプロダクトもその路線…Zocaloの買収による共有化ストレージサービスWorkDocsや、企業のIT部門がエンドユーザにクラウドベースのデスクトップ環境を提供できるサービスAmazon WorkSpacesなど…の一環となる。これら既存のサービスと同じくWorkMailも、Amazon Web Servicesのパワーを活用して、ビジネスユーザのニーズに直接奉仕することをねらう。つまりそれは、単なるバックエンドソリューションではない。

WorkMailは企業が利用するメールプロダクトとして、暗号化や、スパムやウィルスを事前に見つけるメッセージスキャン、メールボックスが置かれる場所(リージョン)の指定など、セキュリティ機能を強化している。とくにリージョンという要素は、Snowdenが政府による盗視行為を暴露して以降の今日、ヨーロッパの顧客には喜ばれるだろう。

ほかにもプレビューの段階でさまざまな機能が導入された。それらはたとえばKMS(AWS Key Management Service)の統合、ISO 27001, ISO 27017, ISO 27018証明への準拠、会議の場所、機器などを手配するリソース作成、ExchangeからWorkMailへ移行するためのマイグレーションツールなどだ。

そのほか同社は、この製品が一般公開される時点ではセットアッププロセスが今よりもずっと容易になる、と言っている。Microsoft Active Directory対応のSimple ADを使用するので、セットアップは10分で終わるそうだ。Apple MailやOutlookなど、OS X上のクライアントにも対応する。

まだ準備中の機能もある。それはたとえば、単一のグローバルアドレス帳のサポート、フリー(空いている)/ビジー(混んでいる)の情報提供、メールのジャーナリング機能、などだ。

Amazon WorkMailの一般公開時の料金は、これまでと同じユーザ一人あたり月額4ドル(メールボックスのストレージは50GBを提供)と、他社との競合を意識した設定になっている。一人あたり2ドルの追加料金で、一人あたりクラウドストレージが200GBのAmazon WorkDocsを利用できる。

WorkMailを利用できるAWSのリージョンは、U.S. East(Northern Virginia), U.S. West(Oregon), そしてEurope(Ireland)だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

社員のうっかりメールで機密情報が社外に漏れることを防ぐ機能がGoogle Appsに加わる

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Google Appsの“何でもあり”バージョン(10ドル/月/人)Google Apps Unlimitedに今日(米国時間12/9)から、新しいプライバシーツールData Loss Prevention(データ喪失保護)機能が加わる。それは、社員がうっかり機密情報を外部にメールすることを防ぐ機能だ。

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Unlimitedを使っている企業は、この機能を有効にして、さまざまなルールを指定できる。たとえば、社会保障番号やクレジットカードの番号のあるメールは送らずに隔離する、など。番号だけでなく、特定のキーワードなども“禁句”として指定できる。極秘裏に進行しているプロジェクトが、外部に漏れることを、防げるだろう。既製のルール集合は今後もっと多くする、とGoogleは言っている。

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今のところGoogleの既製のルールがカバーしているのは、合衆国とカナダとフランスの社会保障番号、運転免許証の番号、イギリスの国民健康保険番号、すべてのクレジットカード番号、銀行の店番号、銀行口座のSWIFTコードなどだ。

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なお、チェックはメールの本文と添付ファイルの両方に対して行われる。

ルールは発信だけでなく入信メッセージに対しても適用できる。また、ルールの適用を特定の部課や社員たちに限定することもできる。社内のみと指定されたLAN上のメールも、それが外部に送られようとしたときには送出を拒絶される。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。