Uber、100億ドルのIPO目指す

Uberは11日にもIPOの登録届出書を公開する予定、そして約100億ドル相当の株式を売却する見込みだ。ロイターが報じた。 もしそうであれば、2014年のアリババのIPO以来、そしてテック業界において史上最大規模のIPOの1つとなる。

これまで、Uberの評価額は約1200億ドルとなるという報道もあったが、Uberは900億から1000億ドルのバリュエーションを目指しているという。 その減少はLyftの「さえないパフォーマンス」が原因だと伝えられている。 それでも、バリュエーションは直近の資金調達ラウンド時の760億ドルよりも上がっている。

Uberは今月末、投資家向けに説明会を今月末にも開始し、5月上旬にニューヨーク証券取引所に上場する予定だ。TechCrunchではUberが来月に上場する見通しだという情報を独自の取材から得た。

Uberから追加の情報を得られた場合、この記事を更新する予定だ。

(本稿は米国版TechCrunchの記事を翻訳・編集したものです)

[US版TechCrunchの記事はこちら]

空飛ぶタクシーは長距離ではガソリンや電気自動車より効率がいい?

空飛ぶ車問を響きはは間違いなくクールだが、実際に良いアイデアなのかどうかは議論のあるところだ。うれしいことに、どうやら確実なご利益がありそうだ。期待するのは効率の改善(理論上かつ長距離で)だ。

空の旅には膨大な量のエネルギーが必要で、それは非常に重いものを空中に持ち上げ、長時間維持しなければならないからだ。重力が重労働を引き受けてくれる陸路と比べて、スピードは速くても効率が良いことはめったにない。

ただし、ひとたび一定の高度まで機体を持ち上げれば、摩擦が少ないので高速航行できるし、100フィート進むのも50マイル進むのにも離陸は1回だけだ。そこでミシガン大学の研究者たちは、空飛ぶ車の方が実際に省エネになるスイートスポットがあるかもしれないと考えた。結果は、それらしきものが見つかった。チームは今日のNature Communicationsで結果を発表する。

同大学の技術者たちは、陸上輸送と電動垂直離着陸機(VTOL)それぞれの効率モデルを、関連航空会社の仕様に基づいて作成した。

Lift Aircraft’s Hexa may be your first multirotor drone ride

「我々のモデルはVTOL分野一般のトレンドを表すものであり、複数の研究と航空機デザインのパラメータを使用して、重量、揚抗比、バッテリーエネルギー比などを決定した」と論文共著者のNoah Furbush氏がミシガン大学のプレスリリースで語った。

彼らは、これらの理論上の乗り物が、さまざまな人数を載せ、さまざまな距離を航行したときの性能を調べ、エネルギー消費を比較した。

誰もが想像できるように、飛行は1~2マイルの移動には実用的ではなく、それは上空までいくのに全エネルギーを費やしすぐに降りてくるからだ。しかし、100kmを境に状況は変わってくる。

100kmを移動する場合、乗客1名の空飛ぶ車はガソリン車よりエネルギー消費が35%少なかったが、電気自動車より28%多かった。実際、空飛ぶ車は40kmあたりからガソリンより良くなり始める。しかし、EVの効率には近づいたものの追いつくことはなかった。グラフが見たいって?

ICEV:内燃機関車両 VTOL:垂直離着陸機 BEV:バッテリー駆動電気自動車 縦軸は二酸化炭素排出量

良い結果を出すために、彼らは少々数字をいじって、空飛ぶタクシーはパイロットと乗客3人の満席で飛ぶ可能性が高いと仮定し、一方陸上走行車は平均乗車人数1.5人という設定になっている。それを考慮すると、乗客3名を100 km移動したとき、1人あたりの効率はEVをわずかに上回ることがわかった。

ずいぶんと際どい勝利ではあるが、空飛ぶ車は移動時間がわずか1/4で、渋滞その他の問題にも影響されないことを忘れてはならない。しかも景色がいい。

もちろん、すべては理論上の話だが、こうした研究は、このビジネスへの参入を考えている企業がサービスの運用、販売を考えるうえで役に立つ。現実は理論とは少し違ってみえるだろうが、私は空飛ぶ車に関してはどんな現実も受け入れるつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラが車載ディスプレイ用にAtariのゲームを追加

Tesla(テスラ)は、同社のダッシュボード・ディスプレイで同乗者がプレイできるゲームのラインアップに、2048およびAtari Super Breakoutを追加した。

同社は昨年8月のソフトウェアアップデートで、対応アプリ・サービス群にAtariのゲームを加えた。当初提供されたゲームは、Missle Command、Asteroids、Lunar Lander、およびCentipedeなどだった。

我々の予想に反して、ハンドルを入力装置としたPole Positionは提供されなかった。

新しいゲームの入ったアップデートは早ければ4月4日にTeslaオーナーのもとにやってくるが、全体に行き渡るには時間がかかるかもしれない。4万5000ドルの車でどうしても今すぐSuper Breakoutをプレイしたい中毒患者は、Wi-Fiと接続すればアップデートを早く入手できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラの第1四半期の納車台数は減少、海外出荷で問題多発

Tesla(テスラ)は今年の第1四半期に6万3000台の電気自動車を納車したことを米国時間4月3日遅くに発表した。前四半期より3分の1近く少ない。Teslaは、納車台数の予測未達および価格調整が、第1四半期の利益にマイナスの影響を与える可能性があることを警告した。

納車台数の内訳は、Model 3が5万900台、Model S、X、およびSUVが1万2100台。Teslaは、数々の苦難にも関わらず、「十分な現金を残して四半期を終えた」と語った。Teslaは、著しい数字の食い違いについて、Model 3のヨーロッパと中国での販売増加を理由に挙げた。当地での数多くの課題が遅れの原因となった。

「ヨーロッパ、中国への納車が著しく増加し、それまでのピークの5倍に達したことに加えて、初めて遭遇した問題が多かったために、四半期終了まであと10日の3月21日時点で、予定台数の半分しか納車できていなかった。このため多数の納車予定車両が第2四半期にずれこんだ。第1四半期末時点で、全世界で約1万600台の車両が輸送途中だった」とTeslaが報告書に書いた。

これらの数字は、Model SとModel Xの販売減少によってさらに圧力を受けたようだ。Model S/Xの納車台数は前四半期と比べて半分近くまで落ち込んだ。2018年4Qに、Teslaは9万966台の車両を納車した。そのうち2万7607台がModel SセダンとModel X SUVで、6万3359台がModel 3だった。同社が製造した台数も前期より少なかった。減少の理由はすべてModel SとXによるものだ。

2019年第1四半期、Teslaは計7万7100台の車両を製造し、Model 3が6万2950台、Model SおよびXが1万4150台だった。これは8万6555台(Model 3が6万1394台、Model S/Xが2万5161台)を製造した第4四半期より11%少ない。第1四半期にTeslaは、Model 3を第4四半期より1555台多く製造した。

それでもTeslaは、売上、特に販売期間の長い北米での売上は依然として好調であることを強調した。同社によると北米におけるModel 3の在庫は極めて少なく、第1四半期末時点での在庫は約2週間分で、業界平均は2~3カ月ぶんだ。Teslaは、2019年中に36~40万台の電気自動車を納車するという以前のガイダンスを再確認した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

世界初のAIと測位による自動運転デモの成功を英国Wayveが主張

Google(グーグル)のWaymo、Uber、Cruise、Auroraは交通ルールに基づき、すべてのケースに対応するシステムをあらかじめ組み込み、たくさんのセンサーから得られるデータによる自動運転を実現しようとしている。これは非常に秩序立った環境では上手くいくが、現実のように刻々と状況が変わる環境に柔軟に対応することができない。

一方でマンパワーや設備の限られているスタートアップは、AI(人工知能)による問題解決を試みている。英国ベースのスタートアップ「Wayve」もそのうちの1社で、とうとう世界初のマシンラーニングを活用した自動運転のデモに成功したと主張しているのだ。

Wayveのシステムは、マシンラーニングにて一度もトレーニングしたことがない道を走ることができ、さらに高解像度マップも必要としない。これは、Waymoとの大きな違いだ。なお、テスト車両には2019 ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したジャガーの「 I-PACE SUV」を利用している。奇しくも、これはWaymoと一緒だ。

Wayveの創業者かつCTOを務めるAlex Kendall氏はTechCrunchに対し、「我々の車両はマシンラーニングのデータから運転を学習する。また、必要な場合には適時ドライバーが運転を取って代わり、これによりさらに学習が進められる。運転方法を教わるのではなく、人のように経験や具体例、フィードバックから学習するのだ。これは今日の他社のアプローチよりも安全かつ効率的だ」と述べている。

Wayveはケンブリッジ大学と共同で、英国の公道にて広域なテストをすでに実施している。

Kendall氏「他社によるアプローチは、高解像度マップや高価なセンサー、あらかじめ組み込んだルールによって、車を制御するというものだ。しかし我々はエンドツーエンドなマシンラーニングを採用した。これにより、世界初の公道での走行を可能にしたのだ。他社に比べ、コンピュターやセンサーの費用は10%以下しかかかっていない」

下の動画は、英国のケンブリッジにてWayveの車両が走行する模様だ。衛星ナビによるルートマップとベーシックなカメラだけで、未知の道を走行している。

「我々は運転の仕方について、あらかじめルールを組み込むことはしない。すべてはエンドツーエンドのマシンラーニングによる、データからの学習を利用する。これにより、未知の細くて複雑なヨーロッパの路地も走行できる」

「我々のシステムは車両の緯度と経度(ハンドル操作とアクセル操作)から、エンドツーエンドのマシンラーニングにより学習する。車両コントロールに最も必要な入力データを学習することで、より効率化が進むのだ。実際に、システムは一般的なラップトップで動作している。これによりセンサーやコンピューターの費用を10%以下にまで大幅に削減しているのだ」

おそらく英国のスタートアップが自動運転業界における大幅な進展を遂げたことは、今後確認されることだろう。なお、Wayveの出資者としてはUberでチーフサイエンティストを務めるZoubin Ghahramani教授の名前のみがあげられている。

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(文/塚本直樹 Twitter

東南アジアで事業終了したUberがAPAC本部をシンガポールに残存させる理由

Uberは、昨年現地事業をGrab(グラブ)に売却して、東南アジアでの営業を終了したが、引き続きシンガポールに留まり、アジアパシフィック地域のための新たな地域本部を開設し、現在スタッフを雇用している。

近日中のIPOを目指している同社が、彼の地でサービスを再開するわけではない。しかしその新しい本部(HQ)が置かれたのはシンガポールの中でも興味深い場所だ。

だがここしばらくは行き詰まった空気が流れていた。昨年8TechCrunchは、Uberがシンガポールで大々的な採用活動を行っていると報じたが、結局その成果は新しい2000平方メートルのオフィスとして現れた。その場所は、シンガポールの中央ビジネス地区の近くである。これは、Uberがアジア太平洋地域で関わっている9つのマーケット(日本、韓国、オーストラリアなどを含む)のマネジメントセンターとして機能する。なおUberにとって2番目に大きいマーケットであるインドは、他の地域とは別に管理されている。

Uberの東南アジアでの売却(これによってUberはシンガポールのライバル企業の株式の27.5%を戦術的に取得した)では、Uberはその運営人材を、Grabにわたすことを基本的に拒否した。その代りにUberの大部分のコアマネジメントチームは、シンガポールの同社に留まったままなのである。例えば、2017年にアジアパシフィック地域の最高経営責任者として雇用されたたBrooks Entwistle(ブルックス・エントウィッスル)氏は、Uberの国際最高ビジネス責任者として留まっている。

シンガポールの地元紙であるStraits Timesによれば、シンガポールのUberの人員は少なくとも165人であり、現在さらに17人を募集中である。昨年報告したときには、同社はシンガポールに本拠を置くチームを100人以上にするために、少なくとも75のロールに対して雇用を行うことを目指していた。どうやらその目標は達成し、更にある程度の雇用も行ったようだ。

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(翻訳:sako)

上場後の暴落で憂鬱な月曜日を迎えたLyft

米国時間4月1日、投資家たちは赤色のメガネ(とピンク色の付け髭)を外し、金曜日(3月29日)の鮮烈なデビュー後初めて新鮮な目でLyftの株価を見た。そして彼らが見たものは、(同社の終値から判断するに)必ずしも見たかったものではなかったようだ。

Lyftの株価は、かなり憂鬱な月曜日に見舞われ、NASDAQ証券取引所での終値は9.28ドル(11.85%)安だった。ひとたびピンクの紙吹雪が床の上から掃き出されると、アナリストや投資家たちはユニコーンとして上場デビューを果たした数少ない会社の1つである同社について前とは違う話をしていた。

暴落の一因は、Guggenheim PartnersのアナリストであるJake Fuller氏のレポートに、ライドシェアリング会社の黒字化への道について懐疑的な意見が書かれていたことだ。Lyftの財務状況は常に厳しかった。そのことは上場前に証券取引委員会に財務諸表が提出されたときから明白だった。

当時TechCrunchはこう書いている。「提出書類によると、Lyftは2018年に売上22億ドルを記録し、2017年の10億ドルを2倍以上に増やした。一方、損失は目に見えて増え続けている。本年度同社は売上22億ドルに対して純損失9.11億ドル、2017年は売上10億ドル、損失6.88億ドルだった」。

Fuller氏の分析は、Lytfの黒字化への道が同社にとって極めて実現が難しいいくつかの手順に依存していることをわかりやすく説明したものだ。

「我々は、Lyftには黒字化に向けて4つの方法があると見ている。ドライバーへの支払いを減らす、インセンティブをなくす、保険料を削減する、あるいは自動運転車に切り替える」とFuller氏がMarketWatchの記事で語った。「最初の2つは競争の激しい分野では困難であり、3番目はそれ自体効果が十分ではなく、4番目はまだ10年早いと言わざるを得ない」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

電動バイクのスタートアップLightning Motorcyclesが300キロ以上の航続性能を備えるモデルを発表

Lightning Motorcyclesが数カ月前からじらすように宣伝していた電動バイクが、ようやくお披露目された。1万2000ドル(約133万円)から1万9000ドル(約210万円)の価格帯で売られるStrike電動バイクには、200マイル(約322キロ)の航続距離、時速150マイル(約240キロ)の最高速度、そして35分のDC急速充電時間のオプションが提供されている。

新しいマシンは、LightningのデビューマシンであるLS-218よりも、より直立したライディングポジションと、よりお財布に優しい価格で提供される(最高時速218マイル、時速約351キロ)で3万8888ドル(約430万円)のスーパーバイクLS-218は、世界最速の量産型ストリートバイクであることが売りだった)。

LS-218では、Lightningは販売量を望めないニッチなハイパーパフォーマンス市場に注力していた。

今回このスタートアップは、Strikeを乗り手と価格の観点からより広い市場に魅力と買いやすさを提供するモデルだと予告していた

Strikeが登場した今年は、EVスタートアップたちがよりスペックと価格の厳しい競争にさらされ、大きなバイクメーカーたちが電動への切り替えの圧力をより強く感じている年である。

Strikeは3つのバリエーションと価格帯を提供する。その1万9998ドル(約222万円)のCarbonエディションは20kWhのバッテリー、約322キロまでの航続距離、そして時速約240キロの最高速度を誇っている。もっとも低価格である1万2998ドル(約144万円)のStandardエディションは、バッテリーの容量は半分、ハイウエイと市街地における航続距離は70マイル(113キロ)から100マイル(161キロ)、そして最高速度は時速135マイル(時速約217キロ)である。

Lightningはこの数カ月の間、Strikeのチラ見せを行いながら注文を受け付けていたが実際の出荷は7月に始まる。

ここ数年、電動バイクのスタートアップたちは、ガソリンバイクと比べた際の、価格、走行距離、エネルギー充填時間、そしてパフォーマンスのギャップを埋めるモデルを生み出そうと努力を重ねてきていた。彼らはまた、若い世代に対する新しいオートバイの販売を活性化させたいという希望も抱いている。

米国のオートバイ産業は、リーマンショック以降かなり悪い状況に置かれてきた。2008年以降、新規売上高は約50%減少し、40歳未満の所有者は急激に減少した。例外は女性たちであり、唯一の成長を続けるオートバイ所有セグメントとなっている。

ホンダ、カワサキ、スズキ、BMWなど、 ビッグネームのメーカーのいずれも米国内では量産型の路上走行電動バイクを提供していない。だがハーレー・ダビッドソンはこの夏に2万9000ドル(約322万円)のLiveWireで市場に参入を予定している。LiveWireの時速0〜100キロ加速は3秒であり、航続距離は177キロを予定している。ハーレーはまた、さらなる電動バイクモデルの投入だけでなく、電動自転車、電動スクーターの生産にも参入し、完全に電動化へ舵を切る計画であることも明らかにしている。

また別のカリフォルニアのスタートアップであるZero Motorcyclesは、より広い市場を相手にモデルラインアップを提供している。その最も安い機種は8000ドル(約87万円)のFXモデルである。 Zeroは最近そのゲームをさらに進め、出力110馬力で価格1万8000ドル(約222万円)のSR/Fモデルを発表した。航続距離は322キロ、充電時間は1時間、そして最高速度は時速124マイル(約200キロ)である。

さらにイタリアに本拠を置くEnergicaというメーカーもある。これは高性能バイク市場に応える電動バイクスタートアップであり、米国内で重点的なマーケティングを行っている。同社は研究開発と各種の支援を、筆頭投資者であるCRPグループから得ている。CRPグループは、F1やNASCARの支援経験を通したエンジニアリングの裏付けを持つイタリアの企業だ。

この先の会社の競争を考えるときに、Lightningの新しいStrikeには注目すべき2つの観点がある。1つ目は、新しい低価格モデルに関する資金繰りと収益の伸び方だ。

(四輪の世界の)Teslaのように、Zeroのような電動バイクのスタートアップたちは、皆その資本燃焼率に苦しんでいて、最終的には閉鎖に追い込まれてしまう企業もある。そうした例には、Brammo、Mission Motorcycles、そして最近では、VCから4500万ドルの資金を受けていたが昨年10月に操業停止したカリフォルニアのEVベンチャーであるAlta Motorsなどがある。

Lightningがどのようにして資金を得ているのかはよくわかっていない(CrunchbaseにはVCからの5万ドルが書かれているだけである)し、Zeroよりも売上が少なく、Energiaのような研究開発支援も受けていないこの電動バイクスタートアップが、一体どのようにして新しい低価格のStrikeのための資金繰りを行っているのかも不明なのだ。

そして、それは注目すべき第2の観点につながる。それは、バイク乗りの人々(もしくは非バイク乗りの人びと)は、Strikeの新しいデザイン、性能、そして価格の組み合わせを気に入ってくれるのかという問題だ。

Strikeのデザインが、ほとんど明らかにされていなかったチラ見せ期間の間、私はLightningがもっとスポーツ要素が少なく姿勢を起こした状態で乗るものを発表するものだと思い込んでいた。 Zeroの新しいSR/Fにより近いものだ。そうすることで初心者と、電動に切り替えたいと考えている旧来のバイク経験者に対するアピールができるからだ。

だが発表されたスポーティな形状は、Strikeをレース仕様に触発されたEnergicaの高価なEGO(2万2000ドル、約244万円)の競争相手として位置付けるものだ。これはLightningが新しいバイクのターゲットとして予告していた、より大衆的な客層からは乖離したものである。

タイミング、需要、そしてスタートアップが新しいVCを引き付ける能力によって、Lightningの新しい自転車が購入予定者を魅了できるかどうかが決まるだろう。

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(翻訳:sako)

Lyftが予定価格幅の最高額72ドルで株式公開

Lyft は米国時間3月28日午後、70~72ドルに予定されていた価格幅の最高額となる1株当たり72ドルで新規株式を公開し、20億ドル(約2216億円)以上を調達した。これによりLyftの完全希薄化市場価格は240億ドル(約2.6兆円)となった。

同社は米国時間3月29日午前にNASDAQ証券取引所にてデビューする予定で、ティッカーシンボルは「LYFT」。

ライドシェアリング会社の新規株式公開は史上初めてのことであり、サンフランシスコ拠点の同社に数十億ドルをつぎ込んできた個人取引投資家にとって記念すべき換金イベントとなった。Lyftは総額51億ドルを借入および株式で調達し、昨年には評価額が151億ドルに達した。

Lyftの特大IPOは、「サービスとしての輸送」をビジネスとする会社が上場すること以外にも、いくつかの理由で独特だ。Lyftの損失はプレIPO企業の中でも最大で、2018年は収益22億ドルに対して9.11億ドルの損失を計上した。一方その収益は、プレIPO企業としてGoogleとFacebookに次ぐ最大級だ。後者の事実がウォール街で人気を博し、価格決定を前にアナリストから「買い」の評価を得ていた。

Uberは次のITユニコーン、すなわち評価額10億ドルを超える会社であり、IPOのゲートをくぐることが予想されている。同社はニューヨーク証券取引所に上場する予定であり、史上最大級の期待を受けているIPOだ。同社は2018年Q4に収益30億ドル、純損失8.65億ドルを計上し、来月 IPO目論見書を提出すると報じられている。

次に控えているのがPinterestで、先週S-1上場申請書を提出し、ウォール街の投資家の支持を受けるであろう黒字化への道筋を示した。ビジュアル検索エンジンはNYSEでティッカーシンボル「PINS」として取引される予定。昨年の売上は7.559億ドルで、2017年の4.728億ドルから上昇した。一方同社の純損失は2017年の1.30億ドルから昨年は0.629億ドルへと縮小した。

2019年の株式公開を目指している他の有名スタートアップは、Slack、Zoom(稀な黒字プレIPOユニコーン)、そしてAirbnbにも可能性はある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

LyftがIPO価格を引き上げ2400億円超を調達へ

米国時間3月29日、に重要な新規株式公開(IPO)を控えているLyftが公募価格を引き上げた。

先週提出された修正版IPO目論見書で同社は、1株あたり62~68ドルで売り出すと言っていた。ウォール街の高い需要を追い風に(ロードショウの2日目には予定数量を超える購入希望があったと言われている)、Lyftは一般投資家への要求を増やすことを選んだ。

仮にLyftが1株当たり72ドルで3070万株を売ったとすると、22億ドル(約2420億円)以上を調達し初期評価額は200億ドル(約2.2兆円)以上になる。Lyftは2018年の個人取引投資家による6億ドルのシリーズ1ラウンドでは、評価額が151億ドルだった。

LyftはNASDAQに上場し、ティッカーシンボルは「LYFT」。

Lyftの2018年の実績は、ブッキング(ドライバー給与支払い前売上)が81億ドル、売上が21億ドルで、9.113億ドルの損失だった。同社は売上の増加に合わせて急速に損失を減らしていて、2016年には売上3.433億ドル、損失6.82億ドルだった。

S-1書類によると、Lyftの共同創業者で最高経営責任者を務めるLogan Green氏は発行済株式数の29.31%を、共同創業者で社長のJohn Zimmer氏は19.45%を保有する見込みだ。

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相乗りアプリのNearMe、都市部で最大9人をピックアップしてゴルフ場まで運ぶシャトルバスの運用開始

タクシーの相乗りアプリ「nearMe.」を提供するNearMeは3月28日、同社がもつ乗客ピックアップルートの最適化アルゴリズムを応用し、都市部の住民とゴルフ場をつなぐ相乗りシャトル運用の実証実験を、東急リゾートサービスと共同で実施すると発表した。

NearMeは、タクシーで同じ方向に行きたい人同士をつなぐ相乗りアプリを提供するスタートアップ。深夜、終バスの時間が過ぎた頃の郊外の駅では、タクシーに乗るために長い列ができているところをよく目にする。その中には同じ方角に向かう人もいるはずだが、1人に1台というかたちでタクシーが割り当てられるので、待ち時間がどうしても長くなってしまう。そんな中、NearMeは同じ方角に向かう人をアプリでつなげることで、その無駄を解消しようとしている。同社についてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、参考にしてほしい。

同社はこのアプリの提供と同時に、NearMeは、最適なルートで複数人をピックアップすることを目的としたアルゴリズムの開発にも取り組んできた。今回の実証実験は、そのアルゴリズムを活用することで都市部とリゾート地をつなぐシャトルバスの運用を行うことが目的だ。シャトルバスの定員は最大9名。東京都渋谷区や東急沿線沿いに住むゴルフ利用客を効率的にピックアップして、ゴルフ場まで届ける。

NearMeは、2018年11月に開かれたPlug and Play Japanのアクセラレータープログラムに採択され、その公式コーポレートパートナーである東急不動産と実証実験の検討を開始。約3ヶ月間の期間をへて実施に至った。実証実験の開始は2019年5月頃を予定しているという。

JapanTaxiのタブレット端末に世界74言語の通訳機能が追加、ソースネクストと業務提携

JapanTaxiは3月28日、AI通訳機「ポケトーク」を提供するソースネクストとの業務提携を発表した。2019年6月より、JapanTaxiが全国1万台のタクシーに提供する車載型タブレット端末「広告タブレット」および「決済機付きタブレット」にソースネクストの通訳機能が追加される。

ソースネクストのポケトークは2018年12月時点で世界74言語に対応。ボタンを押しながら話しかけるだけで、まるで通訳がいるかのように対話ができるデバイスだ。ソースネクストはこの通訳機能をSDK化し、JapanTaxiのタブレット端末に機能を導入する。乗客がタブレット上でポケトークを起動し、タブレット下部に搭載されたマイクに向けて話すと、運転手側のタブレットに日本語が表示され、音声も流れる仕組みだ。

JapanTaxiのタブレット自体はこれまでも多言語化されていたが(英語、韓国語、中国語)、タクシー運転手との会話まではカバーしきれていなかった。この提携によって通訳機能が追加されることで、外国人乗客の利便性は大きく改善されることになる。

JapanTaxiは今回の業務提携について、「JapanTaxiでは2020年までにタブレット搭載タクシーを5万台まで増やす計画があり、この度の本タブレットへの通訳機能追加により、タクシー業界の課題である増え続けるインバウンド需要の対応を加速させ、顧客サービスの向上に繋げていく予定」とコメントしている。

ソフバンとトヨタ共同出資のMaaS企業「MONET」、ホンダと日野自動車から資金調達

ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資で誕生したMaaS事業のMONET Technologies(以下、MONET)は、日野自動車と本田技研工業(以下、ホンダ)から資金調達を実施したと発表した。両社はそれぞれMONETに対して2億4995万円を出資し、9.998%の株式を取得する。これにより、MONETの株主構成は以下のようになる。

今回の出資に関して、MONET代表取締役の宮川潤一氏は「この提携によって、日野のトラックやバスから得られる人や物の移動に関する車両のデータと、Hondaの乗用車などを活用したモビリティサービスから得られるデータが連携できるようになり、MONETのプラットフォームはさらに進化する」とコメント。

また、トヨタ自動車とは競合関係に位置するホンダ代表取締役の八郷隆弘氏は「Hondaは、MONETとの連携を通じて、モビリティサービスの社会受容性・顧客受容性獲得のための普及活動、モビリティサービスの実証実験、関連法令整備に向けた渉外活動などをよりスピーディーに推進し、日本のモビリティサービス産業の振興と日本における交通関連の社会課題の解決を目指してまいります」と話し、業界をあげたモビリティサービスの普及や渉外活動の重要性について触れている。

配車サービス大手のUberが中東のライバルCareemを約3400億円で買収へ

何カ月もになっていたが、ようやく配車サービス大手のUberは、中東のライバル企業Careemを31億ドル(約3400億円、17億ドルが転換社債で、残りの14億ドルは現金)で買収すると明らかにした。

Uberは、この買収は規制当局の承認を得たうえで2020年第1四半期に完了する見込みだと発表文に書いている。

また、Careemのモロッコからパキスタンにまたがる広範な中東地域におけるモビリティ事業、デリバリー事業、そして決済事業の全てを買収する、とも記している。

Careemの主要マーケットはエジプト、ヨルダン、パキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦で、計15カ国120都市で展開している。

Crunchbaseによると、Careemはこれまでに7億7200万ドルを調達していて、出資者にはサウジアラビアのKingdom Holdings、中国の配車サービス大手Didi、そして日本のテック大企業の楽天が含まれる。

Careemは、Uberのライバルとして2012年に設立されたが、以来、食べ物や荷物の配達、バスサービス、送金など事業が多角化されてきた。この多角化はRoundMenuとCommutの買収(2つとも昨年発表された)も支えている。

UberがCareemに支払う額は、最近の評価額よりもかなり大きいという点で注目に値する。昨秋Careemが2億ドルを調達したとき、Careemの評価額は20億ドルほどと報じられていた。

また今回の買収額は、中東テックスタートアップのエグジットとしては最高額になると同時に、グローバルでの配車サービスがらみのM&Aの中でも最大規模の案件の1つとなる。(例えば、中国のDidiは昨年初めにブラジルの配車スタートアップである99に6億ドル超を払い、ラテンアメリカでの評価額は10億ドルになった)。

また東南アジアにおけるような事業撤退ではなく、Uberが中東で積極的に展開するというのも特筆に値する。

Careemの買収について、UberのCEO、Dara Khosrowshahi氏は以下のようにコメントしている。

我々のプラットフォームの強みを世界中で継続して拡大させるなかで、この買収はUberにとって重要な局面だ。イノベーティブなローカルソリューションをつくりだすことができることからもわかるように、Careemは中東におけるアーバンモビリティの未来形成で重要な役割を果たし、この地域で最も成功したスタートアップの一つとなった。Careemの創業者らと親密に連携し、我々が動きの速いこの業界で乗客やドライバー、都市に優れた結果をもたらせると確信している。

一方、CareemのCEOで共同創業者のMudassir Sheikha氏は別の声明文で以下のように述べた。

Uberと手を携えることで、人々の生活をシンプルにして改善させ、影響を与えるような素晴らしい組織をつくるというCareemの目的をさらに推進させることができる。この地域におけるモビリティと幅広いインターネットの機会は巨大で、手付かずだ。そしてデジタルの未来に向けてこの地域を飛躍させる可能性を持つ。今回Daraがリーダーシップを発揮したことで実現し、我々はUberよりもいいパートナーを探すことはできなかった。これは我々、そしてこの地域にとって記念すべきマイルストーンだ。世に出始めた起業家が地元や世界の投資家から資金を得る機会を増やすことで、我々はこの地域のテックエコシステムに刺激を与える存在となるだろう。

買収完了後は、CareemはUberの全額出資子会社となる。そしてSheikhaのリーダーシップのもと、自社ブランドで事業展開を続ける。

そしてUber傘下企業として、Careemの役員会はUberからの1人と、Careemからの2人で構成される見込みだ。

2社の事業は最近、地方マーケットでいくらか重複がある。カイロやカサブランカのような都市で2つのブランドが事業をそれぞれ継続させるのか、あるいは中東といくつかのアジアマーケットにおけるブランドとしてCareemに統一するのかは不明だ。

この件についてUberの広報は「規制当局の承認次第ではあるが、この買収が2020年第1四半期にクローズするまでは何も変わらない。その後、我々は2つの個別のブランドとして現在展開している全マーケットで事業を続ける」。

2社が独立したブランドとしてそれぞれに事業展開するとUberが強調していたこともあって、最初は主要マーケットに大きな変更はなさそうに思えた。しかし、この2社合併は競争とイノベーションを制限するものではないと規制当局を安心させるねらいがある可能性も否定できない。

Uberはこの買収を、「Careemの地域におけるテクノロジーインフラと、イノベーティブなローカルソリューションを生み出す能力でもって、グローバルリーダーシップとテクニカルな専門性」の結婚、と表現する。これは、買収が地域の交通インフラを「スケール展開」するのを支える一方で、「幅のあるモビリティ、デリバリー、支払いのオプション」の共有をサポートすることを意味している。

Careemのデジタル決済プラットフォーム(Careem Pay)やラストマイル配達(Careem Now)といったサービスを提供する消費者向けのスーパーアプリの開発を通じて、この買収は地域に住む人へのデジタルサービスの提供をスピードアップさせる」とも述べた。

Uberはまた、配車を依頼する消費者を幅広い価格帯で誘う、「バラエティーに富んだ信頼の置ける」サービス拡大もこの買収で実現する、と語る。2つのブランドのドライバーに関しては、ドライバーの時間を最大限活用することで、より良い労働機会と「今よりも高く、予測のつく収入」を提供する、ともしている。

配車サービスでライバル関係にあった2社による今回の合併が、価格面などでどのように好影響をもたらすのかはまだ見えない。

CNBCが入手した、Uberスタッフにあてたメモで、Khosrowshahi氏はパキスタンや、女性の運転が解禁され配車サービスに追い風が吹いているサウジアラビアのようなマーケットで急成長がみられることを指摘しながら、今回の買収はUberにとって「“大きなジャンプ」と表現した。

このメモでは言及されていないが、Uberの事業は西欧マーケットでより厳しい規制制度に直面していることをメモは物語っている。西欧マーケットでは法規制や当局の厳しい監視により事業コストが増大している。昨年Uberがヨーロッパ全体に拡大した、ドライバーや荷物配達者向けの無料保険などはその例だ。

また、行政が渋滞や大気汚染に関する規制を強化するのに伴い、Uberは配車サービスから、マイクロモビリティ(昨年、電動自転車スタートアップのJumpを買収した)を含む多様なサービス展開へと舵を切ってきた。

それとは対照的に、石油が豊富な中東は規制がさほど厳しくなく、気温が高いためにエアコンのきいた交通手段が好まれていて、間違いなく配車サービスにとっては完璧なマーケットコン状況だ。ゆえに、この地域はおそらくUberにより確かな需要を提供する。

Careemが独立したブランドを維持し、運営も別に行うというこの構造について、Khosrowshahi氏は熟慮の末に至った、とスタッフへのメモに記している。

このフレームワークは、新たなプロダクトを作ったり、2社にまたがる新たなアイデアを試したりするうえでメリットがあると判断した。我々のネットワークを部分的に統合することでより効率的な運営ができ、待ち時間を短くし、大型車両や決済のような新たなプロダクトを拡充させられる。そしてこの地域で展開されているイノベーションの驚くべきペースをさらに加速させることができる」と書いている。また、両社は買収後もほぼ別々に運営されるので、両社のチームの日々のオペレーションに変更はほとんどないと考えている、とも付け加えた。

2つのブランドを展開するという戦略は、中国のDidiが2016年にUberの中国事業を買収するのに同意したときにもとられた。

その他の要素としてはUberのIPOがある。これはようやく来月に行われると報道されている。

Careemの獲得は、今後予定されている株式公開で株主となりえる人たちに成長ストーリーを提供する。これを相殺することになるのが、頑固な損失だ。現金で14億ドルをCareemに支払わなければならず、四半期決算での損失計上は続く。

つい先日、Uberは2018年第4四半期の決算で売上高30億ドル、純損失8億6500万ドルを計上した。損失の方は本当は12億ドルだったが、税制上の優遇措置で縮小した。

一方、年間ベースでは、2018年の損失は18億ドルで、2017年の損失22億ドルから少なくとも縮小している。

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(翻訳:Mizoguchi)

Ustreamの元CEOが高効率電動モーターのスタートアップLinear Labsを創業

電動モーターを開発しているLinear Labsが、Science Inc.とKindred Venturesが率いるシードラウンドで450万ドル(約5億円)を調達した。同社のモーターは、自動車やスクーター、ロボット、風力タービン、そして空調機など、さまざまな用途に使われている。

投資家のChrisおよびCrystal Sacca、Saltwater VenturesのRyan Graves、Dynamic SignalのCEO Russ Fradin、Masergyの常勤会長で元CEOのChris MacFarland、Ustreamの協同ファウンダーGyula Feherらも、このラウンドに参加した。

創業4年になる同社の創業者であるBrad Hunstable氏とFred Hunstable氏によると、彼らはこれまでよりも軽くて柔軟性のある電動モーターを発明した。彼らは世界各地の低開発国の小さなコミュニティで、きれいな水を汲み上げたり、水力発電に使うデバイスを設計しているときそのモーターを着想し、Hunstable Electric Turbine(HET)と名付けた。

Linear Labsは現在50の特許を出願しており、内21件には特許が下りて、29件はまだ審査中だ。

二人の創業者には、起業家と電気工学の経歴がある。Brad Hunstable氏は、ライブのビデオストリーミングサービスUstreamの元CEOで創業者だが、それは2016年に1億5000万ドルでIBMに売った。Fred Hunstable氏には電気工学と原子力技術の経歴があり、EbascoとWalker Engineeringで、電気のインフラストラクチャや、環境およびエンタープライズのプロジェクト、また高度な安全性評価事業の、設計とアップグレードを担当した。

同社によると、HETは状況の変化や多様な状況に適応できる複数のローターを使っている。永久磁石を使ったモーターに比べてトルク密度は2倍、電力密度は3倍ある。出力は同じサイズのモーターに比べて2倍、レンジは10%以上大きい。

HETの設計は電気自動車のようなモビリティ用途に向いている。ギアボックス不要で高いトルクを産出するからだ。そのため、電気自動車の生産コストも低くなる、と同社は主張する。

「電動モーターが長年追い続けてきた夢は、ギアボックスなしで高いトルクを生むことだ。HETはそれを、小型軽量でかつ、従来のモーターよりも効率的なパッケージで実現している」とLinear LabsのCTOであるFred Hunstable氏が声明の中で言っている。

これにより、航続距離の長い電気自動車や、より強力な電気スクーターが実現するだろう。

テキサス大学の再生エネルギーと自動車技術に関する研究所(Renewable Energy and Vehicular Technology、REVT)を創設したBabak Fahimi氏によると、「この電気モーターはエネルギーの節約と信頼性の向上、および自動車の製造コストの削減に大きく寄与する」という。

同社はこのシード資金を、自分たちの発明を顧客に広めるマーケティング活動に使いたい、と考えている。同社はまた、人材も求めているし、最近確保した新しい人びとを同社のリーダーシップチームに加えたい、としている。具体的には、John Curry氏を社長に、Jon Hurry氏をバイスプレジデントにしたい。Curry氏はこれまで、KLA-TencorやNanoPhotonicsにいた人だ。Hurry氏は、TeslaとFaraday Futureで高い地位にあった。

画像クレジット: Linear Labs

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ニューヨークなどの交通機関でApple Payが使えるようになる

携帯電話で地下鉄やバスの運賃を支払えるのは不思議でもなんでもないかもしれないが、米国の大半では今も紙の切符や、いかにもなくしそうなプリペイドカードなどが必要だ。

日本時間3月26日のプレスイベントで、アップルは米国のいくつかの主要都市でApple Payがサポートされ、iPhoneやApple Watchをかざして運賃を支払えるようになると発表した。

詳しくは語られなかったが、アップルはニューヨーク、シカゴ、ポートランドで今年の後半にApple Payで公共交通機関の運賃を支払えるようになると認めた。

Apple Payが交通機関に対応するのは初めてではない。たとえば北京と上海ではおよそ1年前に利用できるようになっている。多くの都市で使えるようになれば、そこを訪れた時に交通機関を簡単に利用できる。それだけでも素晴らしいことだ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

シリコンバレーのCEOを渋滞から救う、空飛ぶタクシーのスタートアップBlade

1年前に、3800万ドル(約41億円)のシリーズBの資金を調達したBladeは、オンデマンドの航空サービスを提供するスタートアップ。ベイエリアのエリートを対象にタクシー事業を始めた。

Bladeは、新しい試験的なプログラムとして、サンフランシスコとシリコンバレー周辺の200人限定で、同社のモバイルアプリを配布した。それを使ってヘリコプター、プライベートジェット、さらには水陸両用機までも、直前の予約で利用できる。料金は一人200ドル(約2万2000円)からだ。

Bladeは、ベンチャーキャピタルのLerer Hippeau、Airbus(エアバス)、元Google CEOのEric Schmidt氏などからの支援を受けている。現在は、自らの本社があるニューヨーク市周辺で旅客を運んでいる。Hamptonsへの贅沢な800ドル(9万円弱)のフライトをはじめとして、さまざまな価格帯で航路を提供している。Business Insiderによれば、過去にはUberと協力して、交通の便が悪いカリフォルニア州のCoachellaの乗客のために、Van Nuys空港とPalm Springsの間を運行していた。6人乗りのヘリコプターをチャーターすると、料金は1回の飛行あたり4000ドル(約44万円)以上かかっていた。

その最新の試行プログラムは、ビジネス旅行者をターゲットにして、サンフランシスコ国際空港やオークランド国際空港から、Palo Alto、San Jose、Monterey、そしてNapa Valleyへの便を提供する。目標としているのは、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの主要都市で、交通渋滞のために耐え難いほど長くなる移動時間を短縮すること。さらにこのスタートアップは、最近アメリカン航空と提携して、ヘリコプターのネットワークをうまく構築することに成功した。これは、既存の交通インフラとの統合に取り組んでいる同社にとって、大きな1歩となった。

Bladeを率いる創立者で最高経営責任者でもあるRob Wiesenthal氏は、元Warner Music Groupの幹部だった。これまでに約5000万ドル(約55億円)のベンチャーキャピタル資金を調達している。最初から大きな規模で立ち上げ、最終的には、もはやほぼ公共交通機関のようになったUberのような大企業と競合するためには、さらに多くの投資を呼び込む必要があるだろう。

そのUberも、一般向けの航空機相乗りビジネスを開拓するという崇高な計画を持っている。他にも、同様の計画を持った個人出資のスタートアップが何社かある。Uberは早ければ2023年にも、UberAIRと呼ぶ短距離の相乗りフライトを通勤用に提供する予定だ。同社は、すでに数十億ドルを調達して、このSF的な構想を現実のものにしようとしている。

他にはKitty Hawkもある。元Google副社長で、Udacityの共同創立者でもあるSebastian Thrun氏によって立ち上げられた会社だ。ヘリコプターのように離陸し、飛行機のように飛ぶことのできる、短距離用の都市交通手段として使える航空機を開発している。エアタクシーや、垂直離着陸機の分野では、Volocopter、Lilium、Joby Aviationといった会社もある。すでに何千万ドルもの資金を調達し、交通渋滞を解消することを、あるいは富裕層を焚きつけることを目指している。

Bladeが次に狙いを定めているのはインドだ、とFinancial Times紙が報じている。そこで、MubaiのダウンタウンとPuneの間で旅行者に移動手段を提供するプログラムを試行する。同社はTechCrunchに対し、現在米国内で1つ、米国外でも1つ、試行プログラムを検討中だと明かした。

(関連記事:Uber’s aerial taxi play

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

外回りの営業社員を効率的に管理するSkeduloが30億円のシリーズBを調達

企業の外回りの社員の管理を助けるサービスSkeduloが米国時間3月22日、マイクロソフトのベンチャーファンドM12がリードするシリーズBのラウンドで2800万ドル(約30億円)を調達したことを発表した。これまでの投資家BlackbirdとCastanoa Venturesもこのラウンドに参加した。

同社のサービスは、企業が外で動いている社員のスケジュールなどを管理するために必要なすべてのツールを提供する。小企業の多くはいまだにスプレッドシートとメールを使っているが、社員と仕事を正しくマッチングさせるといった管理業務をあまり効率的に行えない。

SkeduloのCEOで共同創業者のMatt Fairhurst氏はこう言う。「ワークフォース管理といえば従来はもっぱら、会社にいてほとんど1日中机にかじりついている社員が対象だった。でも2020年には労働者の圧倒的多数、80%がデスクレスになる、と予想されている。しかしこれまでは誰も、この増加する人口のニーズに十分な規模で対応してこなかった。エンタープライズは今、急速に変化している顧客と社員の期待に応えて競争力を高めようと、躍起になっている。そういう前向きな企業を助ける仕事には、本当にやりがいを感じる」。

SkeduloのサービスはモバイルのアプリとWebから提供され、同社が「Mastermind」と呼ぶエンジンが、社員と仕事を企業が定めた優先順に基づいて自動的に正しくマッチングする。同社は今回の資金で機械学習の機能を導入し、このツールを強化する計画だ。近くアナリティクスのツールと、人事や給与、財務管理などサードパーティのサービスとの統合も提供する予定だ。

また、とくにオーストラリアのブリスベーンとシドニーで60名以上の新社員を雇用したい、と考えている。

このラウンドの一環として、M12のプリンシパル(パートナーの下)であるPriya Saiprasad氏がSkeduloの取締役会に加わる。Fairhurst氏は次のように語る。「Priya SaiprasadおよびM12のチームとは、目的観が見事に一致している。彼らもまた、労働者の時間効率を上げるようなツールやサービスに投資したいと考えている。基本的には、Skeduloもそんな生産性企業だ。うちは企業とバックオフィスと外回りのワークフォースを助けて、仕事から無駄な時間を排除する。それによって企業と社員は、もっとも重要な仕事に時間を割り当てることができるようになる”。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

FirefoxのiOSバージョンがiPad向けに最適化、デスクトップに近い機能も

Mozillaは米国時間3月22日、FirefoxiOSバージョン発表した。今回はアップルのiPad向けに最適化されている。今週は新しいiPad miniが発売されたから完璧なタイミングだ。タブレットに適したブラウザーの制作は、Mozillaが近年集中していたスマートフォン向けのブラウザーとは違う、という認識の表明でもある。

Mozillaは今日の発表声明でこう書いている。「iPadは単なる大きなiPhoneではない。使い方も違うし、目的も違う。そこで、iOS向けのブラウザーの大型バージョンを作るのではなくて、今回のFirefox for iPadのルック&フィールをタブレットに適したものにした”。

この新しいバージョンでは、Firefox for iPadが画面分割などiOSの機能をサポートするようになり、またOutlook for iOSの中でFirefoxをデフォルトのブラウザーに指定できる。タブの管理を大きな画面向けに最適化し、タブを大きなタイルのようにして、見やすい、開きやすい、閉じやすいを実現した。そして他の端末とシェアしたいタブがあれば、URLをコピペしなくても、昨年導入されたSend Tabs機能で簡単にできるようになった(タブのメニューで「タブを端末へ送信」)。

プライベートブラウジングの開始はiOSではかなり面倒だったが、このiPadバージョンでは一回のタップで済み、そのことがタブバーに強調表示されている。

iPadはキーボードを使うユーザーも多いから、今度のFirefoxには当然ながらキーボードショートカットがある。

iPadのユーザーで別のブラウザーを探していた人には、Firefoxがいい候補になりうるだろう。ぜひ試してみて、感想をコメントで知らせてほしい。なお、ついでながら、ブログのコメント欄に広告スパムを投稿するのだけは、やめておくれ。もう、みんな、見飽きてるから。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

社員たちのスマホに第2番号を割り当てるMoviusが新CEOを迎え約50億円を調達

アトランタ出身のMoviusは、企業が社員たちの電話機の音声通話とテキストメッセージングに、仕事専用の別の電話番号を割り当てられるようにする。同社は米国時間3月22日、JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)が仕切るシリーズDのラウンドにより、4500万ドル(約50億円)の資金を調達した。これに既存の投資家であるPointGuard VenturesとNew Enterprise AssociatesおよびAnschutz Investmentが参加した。これで、同社の累計調達額は1億ドルになる。

さらにMoviusは、AdobeやSunの役員だったJohn Loiacono氏を新たなCEOとして迎えたことを発表した。Loiacono氏は、ネットワークアナリティクスのスタートアップJolataの創立時のCEOだった。

新CEOはこう言っている。「Moviusの商機はどんどん拡大している。地球という惑星の上のすべての企業でワークフォースが流動化しているが、それに伴い、さまざまな通信手段による顧客や社員たちとの安全な対話が難しい課題になっている。音声でも、SMSでも、あるいはそのほかの彼らが日常的に使用するどんな通信チャネルでもそうだ。私が今感激しているのは、すごく情熱的で実績のあるイノベーターたちのチームに加わろうとしているからだ。彼らはまさに、その難題のソリューションを提供することに、激しく燃えている人びとだ。この会社の成長の次の章を率いていくことが、楽しみである」。

Hyperloop Transportation Technologiesの最高戦略責任者(CSO)のSanjay Jain氏と、JPMorgan ChaseのTechnology Innovation, Strategy & Partnerships部門のトップのLarry Feinsmith氏が、Moviusの取締役会に加わる。

Moviusの現在の顧客数は1400社を超えている。そしてSprintとTelstra、Telefonicaなどがパートナーのキャリアだ。ここで重要なのは、Moviusが提供するものがスマートフォン向けのベーシックなVoIPアプリではない、という点だ。同社が約束しているのは、顧客にキャリア級の本格的なネットワークを提供して、彼らの社員のスマートフォンに第2の番号を割り当てることだ。そのため、社員が自分のデバイスを仕事に使っていても、雇用者は安眠できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa