Google Mapsのエラーでタイの首都バンコク全体が公園になった

夢でなければ、おもしろい話だ。今日(米国時間1/27)Google Mapsは、タイの首都バンコクを含む広大な土地を、世界最大の公園に変えてしまった。

モバイルアプリやWebブラウザーでGoogle Mapsを開き、タイの首都を調べた人は、その都市全体と、その周辺の大部分がグリーンになっていることに気づくだろう。グリーンは草の色、そして公園を意味している。

bangkok-park-life

グリーンがとても目立つ

これは、バンコクにとっては嬉しい変化かもしれない。同市は大気汚染のひどい上位100都市に選ばれているが、グリーンに変わったのは同市の都市再生努力の結果ではない。どうやらこれはGoogleのミスで、この国のThung Yai Naresuan野生保護区の境界を間違えて描いたためだ、とKhao Sodが報じている。おかげでおもしろい画面になったけど、これでは本物の公園がどこにあるのか分からない。

すでに誰かが直し作業にとりかかっているはずだから、見るなら今の内だ。

世界最大のインターネット企業がタイでドジッたのは、今回が初めてではない。Facebookはクリスマスの直後に、偽ニュース記事に騙されて、バンコクに対してSafety Checkサービスを発動した

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleマップに新機能(現状アメリカ限定) ー 目的地周辺の駐車場の混雑具合がわかるように

google-maps-parking

Googleマップに新たに追加された機能によって、ユーザーは駐車場をみつけやすく、というよりは目的地周辺で駐車場をみつけるのはどのくらい難しいかということを事前に知ることができる。Googleによれば、この新機能は「駐車場のヒストリカルデータ」を使って駐車難易度に関するスコアを割り出し、Googleマップのルート情報が表示される箇所に、目的地周辺の駐車場の状況を「Limited(少ない)」「Medium(普通)」「Easy(多い)」の3段階で表示するようになっている。

本機能は、Android上でGoogleマップのベータ版を使っていたユーザーが、今月初旬に発見した

この駐車情報機能は、GoogleがGoogleマップの巨大なユーザーベースとそこから生み出されるデータを利用し、ユーザーに目的地の情報を伝えるという、最近同社が開発を進めている新機能の新たな例だ。

他の例として、Googleは昨年11月に、匿名の位置情報や検索情報を使った「混雑する時間帯」機能をローンチした。この機能はそれ以前に開発された、お店の混雑状況を確認できる機能が進化したものだ。ちなみにGoogle検索やGoogleマップに表示される「混在する時間帯」の情報は、現在はリアルタイムでアップデートされている。

しかし今回発見された駐車情報機能には、Googleが「ヒストリカル」データを使っていると言っているように、リアルタイムの情報は(少なくとも現段階では)反映されていないようだ。

なお実際には、ユーザーがGoogleマップ上で目的地までの順路を表示すると、画面下部に新しく駐車情報が表示されるようになっている。

ご想像の通り、このようなツールは人口密度の高い都市部でこそ力を発揮する。

そのためGoogleは、まずアメリカの25都市でこの機能をローンチした。対象都市は、サンフランシスコ、シアトル、マイアミ、アトランタ、ボストン、シャーロット、シカゴ、デトロイト、ロサンゼルス、ミネアポリス/セントポール、ニューヨークシティ、オーランド、フィラデルフィア、ピッツバーグ、サンディエゴ、セントルイス、タンパ、ワシントンDC、クリーブランド、ダラス/フォートワース、デンバー、ヒューストン、フェニックス、ポートランド、サクラメントだ。

現在のところ、この機能はAndroid版のGoogleマップでしか使えないようだが、その他の機能のようにそのうちiOSでも使えるようになるだろう。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Googleマップの、Foursquareに似たリスト作成機能の一般公開はもうすぐ

google-maps-places-lists

ユーザー自身が、場所のリストを作成できるGoogleマップの機能が、もうすぐ一般公開されるようだ。今月に入り、沢山のGoogleマップユーザーが、モバイルアプリケーションに加えられた新しい機能に気が付いた。スターをつけたりお気に入りとした場所のリストだけでなく、いつか訪れたい場所のリスト、そして自分自身カスタムリストを作ることができる。

Foursquareのリスト作成ツールを思い起こさせるこの機能は、何ヶ月ものあいだGoogleローカルガイドプログラムの中でテストされていた。このプログラムは利用者のマップコミュニティへの個々の貢献に対して、新しい機能への早期アクセスという形で応えてきた。昨年の夏に最初に報告されたときには、この機能はローカルガイドとしてレベル4以上を達成し、かつ、Androidデバイスを使用している人たちだけが利用可能なものとなっていた。

しかし今週Googleは、ローカルガイドたちに対して、この機能がiOSあるいはAndroidを使っている、レベル2以上を達成している人に利用可能になったことを、メールで通知した(このレベルは、特に、クチコミや写真のようなものの投稿を通して、マップへの参加と貢献を重ねることで与えられる)。

多くのGoogleマップユーザーが、一般公開に先立ち、そのマップモバイルアプリの中にリストツールが出現していることに気がついている。これらのユーザーの中には何人かのレベル2ローカルガイドが含まれているので、彼らがこの機能を見ることができた理由もわかる。

この場所をリストに加えられるスター機能はいいね。でもデスクトップとモバイルの正式機能にはまだなっていないのかな!?

遂にリストが入った。ありがとう。

リスト機能が入った。Foursquareみたいだな。

私のiOSのGoogleマップに、場所に単にスターを付けるだけでなくリストに保存する機能がはいった。

このリスト機能と、Googleの新しい旅行計画アプリであるGoogle Trips(このアプリでは、目的地であなたが訪れたいと考える「保存場所」リストが作成できる)の間にはおそらく何らかの重なりがある筈だ。

とはいえ、マップリスト作成ツールは、1回の旅行よりも広いスコープを対象にしていて、覚えておきたい場所をなんでも保存してくれる。例えば近所のお気に入りのレストランとか、いつか訪れてみたい場所などだ。これによってFoursquareアプリだけではなく、例えばSoonのような小さなスタートアップなどとも、より直接的に競合することになるだろう。

この機能へのアクセス権を持っている場合は、メニュー内の「マイプレイス」の中の「保存済み」タブの中にリストを見つけることができる。

私たちはGoogleに対して一般公開時期に関するコメントを求めたが、「私たちはGoogleマップの新しい機能を常に実験しています」という回答と、一般公開の時期はユーザーのフィードバックによって決定される、ということ以上の詳細な情報は得られなかった。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

自動運転車のためのリアルタイム道路状況地図技術でHereとMobileyeが協働

future_of_mobility7

自動運転の分野ではこのところ、複数の企業による共同開発という傾向が多く見られるようになった。Nokiaからスピンアウトした地図スタートアップHereは、コンピューターヴィジョン用のチップやカメラなどを作っているMobileyeと協働し、自動運転技術の重要な要素であるマッピングサービスのサポートで、コラボレーションしていくことになった。

両社がパートナーシップを発表したのは木曜日(米国時間12/29)で、この提携により、クラウドソースなデータを利用してリアルタイムで最適ルートを見つけ、地図上に表示するMobileyeのRoadbookと、Hereの地図サービスHD Live Mapを重ね合わせたようなサービスを提供していく、とされた。これにより自動運転車は、HDの地図の上に車載のセンサーからの情報をオーバレイで表示して、今まわりに何が見えるかを知らせるだけでなく、これから先の路上に何があるか、という情報も絶えずアップデートしていくことができる。

このパートナーシップの一環として、MobileyeはHereのOpen Location Platformを利用し、またHereは、MobileyeのREM技術で道路状況のリアルタイムモニタを行っている車両の、センサーから得られる生データにアクセスする。これによりHereのHD Live Mapのアップデートがさらに高速化することが期待され、実際のリアルタイムの運転状況を自動運転車により適格に反映させることができる。

地図は自動運転の重要な要素であり、このパートナーシップによって両社は、自動運転車やフリートサービスを展開しようとする企業にとって、より魅力的なサプライパートナーになれるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

お好きな場所を入力するとその地域の立体地形図を3DプリントしてくれるTopoTopo、ギフトとしておしゃれかも

topotopo

クリスマスのギフトが、買ったあとそれを3Dプリントしなければならないものでもよい人に、朗報がある。Web上のその使いやすいツールで、世界中のどこでもよいから指定すると、その場所の小さな立体地形図を作ってくれるのだ。その際、高低差などの表現をカスタマイズできる。

そのTopoTopoというサイトは、すぐに理解できる。まず、地球上の位置(場所)を指定する。それから高度差をどれくらい強調するかを指定する。最後に、地形図全体か、それともパズル用の矩形のピースが欲しいか、を指定する。

次は、その3Dモデルをダウンロードするか、それともShapewaysでプリントしてもらうかを指定する。後者は40ドル強だが、プリントをご近所のメイカーさんに頼む手もある。

このサービスは、デザインスタジオのHushが提供している。地図データはGoogleを利用し、地形データはNASAのShuttle Radar Topography Missionから得ている。まだ対応していない地球上の地域もありうるが、ぼくがチェックした場所はどこもOKだった。でもラベルのついてない場所は、見つけるのが難しいかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Mapsのクラウドソースの地図エディティングツールMap Makerが閉鎖、Local Guidesへ移行

google-map-maker

【抄訳】
2008年以降、Google Mapsには、世界中の誰もが地図データを寄与貢献できるツールMap Makerがあった。そのツールが、閉鎖される。Googleはこのプロジェクトのフォーラムで今日(米国時間11/8)、独立のプロダクトとしてのGoogle Map Makerは2017年3月に撤退する、と発表した。しかしGoogle Mapsへのクラウドソースの寄与貢献が終わるわけではなく、それらはGoogleのLocal Guidesプログラムへ移行する、としている。

Local Guides(地域案内)は、今や古くなったMap Makerサービスの現代版、と言えなくもない。

Map MakerサービスではMap上にオンラインのツールとエディターが現れて、誰もが地図情報のアップデートを投稿できる。それをモデレーターが認めたら、地図上に反映される。その重要な目標は、僻地や低開発国など詳細な地域地図のないところで、Google Mapsに道路や事業所などの情報を盛り込むことだった。

しかしご存知のように、Map Makerのクラウドソース機能が悪用される事件も相次いだ。たとえば2015年には、AndroidのマスコットキャラクターがAppleのロゴにおしっこをかけている絵がMap Makerを使ってGoogle Mapsに載った。Googleは、そんないたずらがあるたびに、Map Makerを一時的に閉鎖せざるを得なかった

mapmakerhack

そうやってMap Makerがコミュニティの管理で苦労している間に、GoogleはLocal Guides の開発に着手していた

この企画はYelp ElitesのGoogle版とも言われ、ボランティアがGoogle MapsやGoogleの企業リストに貢献すると、ポイントがもらえたり、イベントに招待されたり、新しい機能に一般よりも早くアクセスできたりする。

ポイントは地図への貢献だけでなく、レビューを書いたり、写真をポストしたり、いろいろな理由でもらえる。

またMap Maker独特の機能、たとえば道路をエディットする機能などは、2027年3月の閉鎖以降、Local Guidesで利用できるようになる。機能が可利用になれば、プロダクトのWebサイト: Map Maker Help ForumLocalGuidesConnect.comで告知される。

また今日以降は、Google Mapsに提出されたエディットはMap Makerのモデレーションを経由しない。それは作業を簡素化して、それらのエディットの公開を早めるためだ、とGoogleは言っている。

同じような機能がMap MakerとLocal Guidesの両方にあってもしょうがないし、Guidesの承認プロセスではいたずらを防げそうだから、今回の閉鎖と移行はよろしいけれども、問題は、Map Makerのけっこう高度なエディティング機能が、完全にGuidesでも提供されるのか、という点だ。

Googleはプロダクトの閉鎖を‘春の大掃除’でまとめてやることが多いが、今回のMap Makerの閉鎖は単独かつ静かだ。同じく昨日(米国時間11/7)は、映画サイトGoogle Showtimesが、やはり静かに閉鎖された。

【中略】

以下は、「Google Map MakerがGoogle Mapsを卒業する」と題する発表声明だ:

screen-shot-2016-11-08-at-4-29-29-pm

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

双子の人工衛星が5年間飛び続けて集めたデータから地球の精密な立体地図を作れた…ドイツ航空宇宙センター

avenidadelosvolcanos_3d_xl

2基の人工衛星が5年間、連繋して飛び続け、この惑星の正確な立体マップを作った。あまりにも正確だから、たとえば路上のレベルまズームダウンできたら、大人と子どもの違いが分かり、マリブ海岸で砕ける波を捉えることができる。その膨大なデータベースは約2.6ペタバイトあり、研究者は無料で利用できる。

双子の衛星TanDEM-XとTerraSAR-Xはドイツの航空宇宙センターで作られ、それぞれ2007年と2010年に打ち上げられた。その後はお互いが相手を認識し、編隊で飛び始めた。両者の距離は350フィートで、その誤差は数ミリメートルの範囲に収まる。

2つの宇宙航行機は間隔を精密に維持しながら地球を何度も何度も周回し、干渉計レーダー装置が同じ領域を少しずつ違う角度でスキャンした。空の上の、超鋭い目のように。

tandem-x-new

数年間にわたって彼らが送り続けた500テラバイトのデータは継続的に処理され、実際の高度差を作り出した。得られた3Dの地形図は、精度が1メートルで、このような大規模マップでは初めての高精度だ。

センターのRichard Bamlerがニューズリリースの中で述べている: “私たちは今やますます、最初の科学的発見に魅了されている。現在の高度差モデルを使って、地球の一部地域の氷河の先端部分が1年で最大30メートルも厚さを失っていることを示すことができた”。

この新しいデータセットの解像度と正確性は、きわめて強力だが、衛星たちの仕事はまだ終わっていない。5年もつという設計だが、さらにあと5年は大丈夫だろう。燃料も十分残っているから、撮像の仕事をやめる理由はない。

mauretanien_detail_xl

というか、すでに今後のミッションは提案されており、それは、世界の主要大陸の立体マップを、新しい、あまり高忠実度ではない方法により、8日ごとに提供する、というものだ。

プロジェクトの主席研究官Alberto Moreiraは語る: “科学的関心が再び盛り上がることを期待したい。地球科学とその応用系のためには、正確な地形データが必須である。システムとしての地球はきわめてダイナミックであり、地形にもそのことが反映している。したがって、アップデートの頻度を上げることにより、そのダイナミックな過程を将来にわたって体系的に捕捉できる”。

ドイツ航空宇宙センターのデータを、研究者は無料で利用できる。地球の、解像度の高い地形地図を必要とする理由をお持ちの方は、ここで登録しよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Mapsが地図の分析/視覚化スタートアップUrban Enginesを買収、‘人の動き’という要素を都市の地図に加える

city-pulse

これは買収というよりむしろ、古巣への帰還だ。Urban Engines2004年に元Googleの仲良し社員たちが創り、Google VenturesとEric Schmidtに支援された。同社は、都市の交通渋滞に対応して通勤環境を良くすることをねらった。

この前の金曜日(米国時間9/9)に同社は、モバイルの地図の機能性をアップする社名と同名のアプリを立ち上げた。そのアプリの主な特長は、地図まわりの計算処理の高速化、地図への拡張現実(AR)の導入、北米地区主要都市(Boston, Chicago, Los Angeles, New York, Portland, San Francisco, Seattle, Toronto, Vancouver, Washington, D.C.)における地図のオフライン利用、などだ。

Urban Enginesは会社のスローガンとして、物のインターネットならぬ“動く物のインターネット(internet of moving things)”を掲げている。都市の通勤者から集めた情報を分析して、都市の物流ならぬ“人流”をコントロールするのだ。そして今回同社は、そのデータ収集能力とそのためのプラットホームを、Mountain Viewの母艦(Google)に持ち帰る。

ブログに載っている同社の社歴記事によると、その最後の方にGoogle Mapsのチームへの参加が書かれている。“二つの力を合わせて、企業が人の動きをもっとよく理解できるための仕事をしていきたい”、というのが彼らの抱負だ。

彼らの、Googleの中での位置づけについては、まだよく分からないが、彼らがGoogle Mapsに持参するおみやげは大きいだろう。とくに彼らのデータ分析の能力は、Mapsの今後のインフラに貢献するだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

羊にビューカメラをくくりつけたフェロー諸島の自家製ストリートビューをついにGoogle が本格支援

pasted-image-03

7月にフェロー諸島のあるグループが、Street Viewの自己バージョンを作り、厚かましくもそれを“Sheep View 360”と呼んだ〔sheep==羊〕。というのもそれは、羊を使って島を360度カメラで撮らえたもので、彼らはそれを契機として自分たちのマッピングプロジェクトを立ち上げた。フェロー諸島の連中は、自分たちの島がGoogleのストリートビューに載ってないことを補うために、独自のプロジェクトを作り、このデンマーク領の島でもっとも人口の多い生き物を利用したのだ。でも今ではGoogleがこのプロジェクトを公認して支援し、本格的なサポートを提供している。

このケースでは、フェロー諸島のチームは独力でやるよりGoogleとパートナーした方が有利だ。Googleは彼らのプロジェクトにStreet View Trekkerを提供し、また同社のストリートビュー事業の一環として360度カメラも貸し出した。そのTrekkerは、Google Street Viewのマッピングカーと同じような360度撮影装置だ。ただし車ではなく、バックパックなどそのほかの装着方法で、車が入れないところで使用する。

pasted image 0-4

でも今度は羊ではなく、島の住民の協力を求め、上の写真のように、いろんな機会・場所で撮影してもらった。右端の写真では手押し車に装着している。

でも今、フェロー諸島の羊達のメーメー声を通訳すると、こう言っているよ: “すべてはSheep Viewから始まったことを忘れないでね”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google MapsのStreet Viewの画像が大幅に改良、奇怪な画面がほぼなくなる

screen-shot-2016-08-18-at-10-11-49-am

Googleが、Google MapsのStreet Viewのレンダリングを改良する大量のアップデートについて、同社のデベロッパー・ブログで詳しく述べている。それらは主に、MapsのJavaScript APIの手直しだ。

改良の一例として、場所から場所への移動がよりスムーズになったことが挙げられる。それはフレーム数(コマ数)を増やし、アニメーションのロードを良くしたためだ。これまでは前の画像を繰り返すことが多くて、ぎくしゃくした遷移になっていた。今回はあえて画像の解像度を落としてコマ数を増やし、焦点を正確にし、輪郭がぼけることを防いでいる。

オブジェクトのモデリングのアップデートにより、あらゆるパースペクティブ(遠近法)に対応できるようになった。そのため、以前の(下図左の)世界の終わりのような画像が、右のように正常になった。

Screen Shot 2016-08-18 at 10.11.59 AM

新しいレンダリングシステムはWebGLを使用し、モバイル上で魚眼レンズ写真のようになっていた画像(記事冒頭図左)が、直線状になった(右)。またモバイル上ではユーザーの動きをセンスして、それに合わせてStreet Viewの景色画像を変えていく。またデスクトップでは、座標システムが別のカメラへの切り替えを正しく検知する。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

これがNianticがテスト中の「近くのポケモンを探す」新機能―ビデオあり

2016-08-10-nearby-pokemongo

ポケモンGOの「近くにいるポケモンを探す(Nearby tracking)」 システムはあてもなくむやみに歩きまわることなしにポケモンがどこに隠れているかをプレイヤーに教える機能になるはずだった。ところがゲームのリリース後2、3日でこの機能に障害が起き始めた。

「ポケモンを探す」は、機能するがわかりにくい「足跡」システム(足跡3つなら遠い、1つなら近い等)から、完全に役に立たない(距離に無関係にすべてのポケモンが3歩の足跡を残すなど)機能になり、やがてほとんどのユーザーで機能そのものが削除されてしまった。

今日(米国時間8/9)、新たに公開されたアップデートに付属する変更ログによれば「近くのポケモンを探す」ための新たな機能が開発され「一部のユーザーを対象にテストが行われる」ということだ。

暗号通貨Dogecoinの開発で有名なJackson Palmerがアップした紹介ビデオによれば、こんな具合らしい。

これが皆さんがお求めのビデオだ。

こちらは別のビデオ。

なんのことやらわかりにくい?

新しい「近くにいるポケモン(Nearby)」画面には2つのセクションがある。「近くにいるポケモン(Nearby)」と「見かけたポケモン(Sightings)」だ。

Nearbyポケモンはポケモンストップの近くにいる。背景画像はそのポケストップだ。タップするとマップはズームアウトして真上から見た地図になり、どのポケストップを目指せばいいかがわかる。これは禁止されたPokevisionに似ている。ポケモンGOの開発者は「勝てないなら真似しろ」という格言を思い出したのかもしれない。

ともあれ、目指すポケモンは表示されたポケストップの近くで発見できるはずだ。プレイヤーの報告によればだいたいポケストップから1ブロックぐらいの距離にいるという。現在ポケストップの回りには円が表示される。プレイヤー自身の周囲に表示される円とほぼおなじサイズだ。ポケモンがこの円内にいるならポケストップの「近く(Nearby)」にいるポケモンということになる。

「見かけたポケモン(Sightings)」セクションに表示されるポケモンの背景はポケストップではなく雑草になっている。つまり野放しのポケモンということでどこかのポケストップの近くにいるわけではない。ゲーム内にはこうしたポケモンを探すシステムはない。Sightingsセクションのポケモンは現在のところ特別な機能は何もないないようだ。また距離の順にソートされているわけでもないらしい(早くソート機能をつけてもらたい)。このセクションもポケモンを発見するにはやはりあてもなく歩き回らねばならない。わかっているのは「ポケストップの近所にはいない」ことだけだ。

nearby

「ちょっと待て。私のポケモンGOは最新版だがNearbyセクションなんかないぞ?」という抗議が聞こえてきそうだ。

さて、そこが問題だ。上記のようにこの機能は「一部のユーザー」を対象として公開されている。私の知るかぎりサンフランシスコ周辺のユーザーが多いが他の大都市からも利用しているという報告が上がっている。それ以外のユーザーの場合はたとえ近所にポケストップがあってもSightingsセクションしか表示されない。

(注:Nianticではこのシステムはテスト中だと注意を喚起している。そのため一般公開前に機能が大きく変更されることはあり得る。そもそも近くにポケストップがない地方のプレイヤーのために開発者が何か適切なシステムを考え出してくれるといいのだが。

その他の変更点
– 発見する前に「消滅(despawns)」したポケモンはやっとNearby/Sightings画面からも消えるようになった。ゲームのローンチ以來つきまとっていたバグのせいで、別のポケモンと入れ替わるかゲーム自体を再起動するかしないかぎり消えたポケモンが表示され続け、プレイヤーに無駄足を踏ませることがあった。
– 同様に、ポケモンが簡単に近づけない距離まで離れると自動的に位置追跡画面から消える。
– Nearbyセクションのポケモンをタップして位置を追跡し始めた後でそのポケモンが消えた場合、ポップアップでそのことが通知される。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Android版Googleマップ、「Wi-Fiのみ」オプションと、SDカードへのデータダウンロードをサポート

maps2-side

Googleが地図アプリケーションのAndroid版でリニューアルを行った。新興国などでの利用も念頭にいれたアップデートだ。

アナウンスされた新機能とは、先月からテストされていた「Wi-Fiのみ」のオプションと、SDカードへのデータダウンロード機能だ。

新しい機能について、さほど便利に思わない人もいるかもしれない。しかしプリペイド式のスマートフォンや、データ容量に制限のあるプランを使っている人、また内部容量が少ない人にはとても便利な機能だ。

海外に出かける人にも「Wi-Fiのみ」のオプションは便利だろう。旅行時に利用するプランではデータ容量に制限があるのが一般的だし、多額のデータローミング料金を請求されるようなことを避けることができる。

SDカードへのデータダウンロード機能も以前から望まれていたものだ。訪問する地域のデータをWi-Fi環境にいるうちに、予めダウンロードしておくことができるわけだ。かつスマートフォンの内部記憶容量が限られている場合には、SDカードに保存しておくことができる。ブログ記事の中でGoogleは次のように記している。

エントリーレベルのスマートフォンでは、内部容量が4GB程度しかないこともよくあります。8GBないし32GBの容量をもつデバイスの価格は高額になっている。さらに、たとえ大きな容量のデバイスを使っていても、たくさんのビデオ、音楽、アプリケーション、そして写真を保存しているうちに、残り容量が気になってくることになります。そこでGoogleはデータを保存しておいてオフラインで利用するオプションを用意するとともに、SDカードにダウンロードする機能も加えたのです(もちろんデバイスがSDカードをサポートしている必要があります)。たくさん食べ物の写真を撮りたいけれど、そうすると地図のデータを削除しなくちゃいけなくなるなどといったケースも少なくなることでしょう。

さらに、アイルランド、ポーランド、イタリア、オーストリア、ロシア、およびイスラエルなどで行なっていたGett、Hailo、あるいはMyTaxiといった交通サービスとの連携に加え、東南アジアにてGo-JekやGrabと連携するようにもなった。

これはGoogleが最近強化している「モバイルオンリー」の利用者に対するサービス拡充の一貫だ。他にもインドの鉄道駅における無料Wi-Fiの提供YouTubeのオフライン再生機能の実装などを行なっており、さらには東南アジアでは初めてとなる買収で、シンガポールのスタートアップであるPieを傘下に加えている。いずれも、新興国を対象とした“Next Billion”ムーブメントの一環でもある。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Google Mapsの3D画像を利用する世界探検アプリ、まず、雪男の子になってヒマラヤ山脈を踏破するバージョンがローンチ

tablet

Googleが今日(米国時間8/1)、子どもが地図と3D画像を使って世界を探検するアプリケーションをリリースした。この新しいAndroidアプリを同社は“実験”と呼んでおり、Google Mapsのヒマラヤの3D画像を利用するが、3Dのシーンをズームして動き回ることをよりおもしろく、参加性のあるものにするために、ゲームの要素も加えている。

Verne: The Himalayas,”と呼ばれるこのアプリには、Verneという名のキャラクターが登場する。彼は身長500フィートの雪男の子だが、とてもフレンドリーで、ヒマラヤのシーンを歩きまわる。雪男だからエベレスト山にも登れるし、凍った湖でスケートし、ヤクを追いかけ、ジェットパックで飛行し、ヒマラヤの楽器を演奏し、さらにもっといろんなことをする。

ユーザーが教育的な情報を見つけることもできるが、それを子どもに言っちゃだめ! 情報は合成音声で語られ、“ヒマラヤは世界最大の山脈だよ”、などの、ちょっとした事実を教えてくれる。

header-bg

Mapsを舞台とするアプリケーションの中でキャラクターにいろんなことをさせるのは、世界はいろんなやり方で経験できるんだよ、と子どもに教えることがねらいだ。子どもたちは過去にGoogle MapsやGoogle Earthで3D画像を見たことがあっても、そこを自分流儀で歩きまわる、という発想はしなかっただろう。

“Verne: The Himalayas”は、Googleの社員たちが自分の子どもでテストしながら作った。そしてGoogle Mapsの3D画像と、ゲームエンジンのUnityを使って制作した。このアプリのWebサイトは、そう説明している。

今はヒマラヤだけだが、最初のうちの何度かは、子どもたちは、自分で登山したり、空を飛んだり、スケートしたりすることを楽しむだろう。でもしかし、十分に遊んだら、今度は別の場所へ行きたいだろうね。だからこの3Dマップを利用する世界探検アプリが、今後本当に世界各地に展開されれば、いわばGoogle Earthの子どもバージョンが出来上がる。そう、願いたいね。

“Verne: The Himalayas”は今のところ、Google Playで無料ダウンロードできるAndroidアプリのみだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ポケモンGO、iOS版は1億ダウンロード、売上合計は1000万ドル/日―他ゲーム、アプリへの悪影響なし

This photo illustration taken in Tokyo on July 13, 2016 shows the Pokemon official site through a Japanese internet website announcing the latest information for "Pokémon GO".
With Pokemon-mania sweeping the planet, Nintendo's nascent shift into mobile gaming has proved a massive hit, vindicating the Japanese videogame giant's decision to unshackle itself from a long-standing consoles-only policy. / AFP / KAZUHIRO NOGI / TO GO WITH Japan-US-IT-Nintendo-Pokemon-lifestyle,FOCUS by Harumi OZAWA
        (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

ポケモンGOのプレイヤーは サードパーティーの位置モニターが禁止されたことやゲーム中での位置追跡機能も削除されたことに強い不満を抱いているかもしれない。

しかしそうしたことがあってもこのゲームが口コミで拡散するスピードはまったく衰えていないようだ。App Storeの情報を分析しているApp AnnieによればポケモンGOアプリはこの週末に世界で1億ダウンロードを達成した。7月の末の数字が7500万ダウンロード だった。

Androidでも5000万ダウンロードを達成したのが新記録の速さだった―わずか19日だ。これに次ぐ記録は Color Switchの77日、Slither.ioの81日で、大きく差をつけている。Appleの発表でもポケモンGOはリリース当初の週のダウンロードとしてこれまでで最多だったという。

App Annieによれば、ポケモンGOの一日あたり売上はiOSとAndroidを合計して1000万ドだ。ただし、売上や利用時間に関して他のアプリ、ゲームに与えた影響一時的なもので、ごくわずかだったという。

App Annieの調査によれば、ポケモンGOのプレイ時間が長く頻繁なことは事実だが、これはアプリ・エコシステム全体を拡大する効果をもたらしているという。

01-Pokemon-GO-Impact-Revenue-Mobile-Games

ポケモンGOがiOSとGoogle Playで他の有力アプリに悪影響を与えた形跡はない。アメリカではポケモンGOのリリース直後に1日あたり売上の一時的なダウンがあったが数日で平常に戻っている。オーストラリアではポケモンGOのローンチ後に他のゲームの売上が多少だが増加している。しかもポケモンの故郷であり、文化的にも結びつきの深い日本でも7月22日以前の10日間の平均を通常のレベルとした場合、ポケモンはGOはその5%しか占めていないという。

App AnnieはMobile Strike、Clash of Clans、Candy Crush Sagaなどのトップ・ゲームについてもポケモンGOのリリースによる影響はみられなかったとしている。

Updated-2

「有力ゲームの売上の大部分はそれぞれのゲームのコアなファンから来ている。こうしたファンが複数のゲームに熱中することはまずない。そのため、全体としては〔ポケモンGOの影響が見られないのは〕不思議ではない」とApp Annieは結論している。

もうひとつ注目すべき統計はアメリカ市場におけるポケモンGOの利用時間と利用回数がAndroidアプリをリリースして以來のFacebookを抜いたという点だ。App Annieでは「ポケモンGOはモバイル外の時間を利用している可能性がある」と述べている。つまりユーザーはショッピングしたり犬を散歩させたりしながらアプリを開いているのではないかということだ。

長期的な影響については、ポケモンGOが他のデベロッパーにゲームに拡張現実を取り入れさせるきっかけになるかもしれないとApp Annieは見ている。もちろんポケモンGOのレベルでこれを達成することは不可能だろう。ポケモンGOのベースになったIngressについて開発元のNianticは何年にもわたって膨大な数のユーザーからのフィードバックを収集しているとApp Annieは指摘している。

そうであっても、デベロッパーはARを用いてゲームに近隣のビジネスを取り入れることができる。こうしたビジネスのオーナーは徒歩の顧客数を増加させることに対して料金を支払う可能性が高い。またビジネス自身がアプリ内でバーチャル宝探しなどのアトラクションをホストすることも十分考えられる。実際これはSearsがアプリ内ですでに実験しているところだ。

現在のアプリのエコシステムでは、新しいアプリが発見され、ユーザーを獲得することがますます困難になっている。 ポケモンGOの長期的影響でもっとも重要なのは、オンラインとオフラインの融合によって新しい収入源が発見される可能性をデベロッパーに示したことにあるかもしれない。

画像: KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

CRMと地図を統合して「サラリーマン巡回」最適化―、UPWARDが2億円を調達

自社プロダクトの資料ダウンロードが起こった瞬間に、その資料を閲覧している企業担当者のすぐ近くにいる営業マンに「○○ビル5階に訪問してご説明すべき」とスマホの地図で示せたら良くないだろうか?

最近横浜から東京・日本橋へオフィスを移転するとともに社名も変更したUPWARDがやっているのは、まさにこのCRMと位置情報の統合だ。マーケティング・オートメーションツールやCRMといったツールには、今のところ地図・位置情報を扱うレイヤーが欠けている。

2002年創業で受託中心の開発会社だった「オークニー」は社名を「UPWARD」へ変更し、改めて自社プロダクトで勝負する。受託開発中心だった横浜時代に区切りを付け、Draper Nexus Venture Partners日本ベンチャーキャピタル(NVCC)から総額2億円の資金調達を行ったことを今日発表した。

UPWARDはCRMと地図・位置情報の連携で実現したフィールドセールス向けのクラウドサービス。ツールとしては、iOSアプリがあるほかモバイルブラウザで動くHTML5版がある(次期プロダクトではReact Nativeの採用を検討しているそうだ)。すでに大手メーカーやサービス業を中心に、約140社でUPWARDは導入されている。グリコ、ダスキン、アサンテなどが顧客企業の例だ。直近での導入事例としても大手機械メーカーに全国で約1600人いるフィールドセールスマンが利用する行動支援サービスとして採用された。この機械メーカーでは一人の営業マンの担当エリアが大きいためUPWARDの採用は効率化のメリットが大きいという。

UPWARDの金木竜介CEOは、「都内で動く人のナビゲーションが提供されてない。いまは住所で検索して地図を見てるだけ。それで訪問している」と現状の非効率を指摘する。UPWARDではエリアごとの集計営業計画の立案効率的な訪問ルートの計算といったことができる。移動時間も考慮して直帰の設定も可能だ。「顧客とのアポ設定やターゲットリストの絞り込みは時間がかかっていて、これをマネージャーがやってたりするのが現状です。ここをオートメーション化していく」(金木CEO)。UPWARDは、もともとオークニーの受託時代から主にオープンソースを使ったサーバーサイドの地図情報システムに取り組んでいて「ある区画の顧客情報だけを引っ張ってくる」というような処理が得意という。


upward02

UPWARDは2011年から動作しているプロダクトで、2013年にはセールスフォースと資本提携して3000万円の投資を受けた。その後、シリーズAでみずほキャピタルから3000万円、2014年のシリーズBでサイバーエージェント・ベンチャーズSMBCから8000万円、2016年に入って4月と6月にDraper NexusとNVCCからそれぞれ1.5億円、5000万円の合計2億円を調達した形だ。ピーク時30人だったときよりも社員数は12人と減ったが「筋肉質となった」と金木CEO。受託開発から急速な成長を目指すスタートアップへの脱皮には、変化に伴う「成長痛」もあったようだが、CRMへの位置情報レイヤーの統合は興味深い領域。セールスフォースから出資を受けていることもあるし、日本市場にとどまらず、新社名どおりUPWARDが上向きにスケールできるか注目だ。

Google Mapsが各種の場所情報を一般ユーザーからクラウドソーシング、10億人の編集者がいる地図出版事業だ

screen-shot-2016-07-21-at-10-31-58-am

Googleの今朝(米国時間7/21)の発表によると同社は、ユーザーの力を借りてGoogle Mapsを改良しようとする動きを、さらに強めていく。それは、いくつかの新しい機能によってユーザーがもっと容易に詳しい位置情報を共有できるようにしたり、ほかの人が提案した編集の正否を確認できたり、というものだ。すでにこれらの変化を経験しているユーザーも多いが、今日Googleはそれらをオフィシャルにして、より広範な展開に備えている。

Mapsのアップデートは毎日“何百万”もやってる、とGoogleは言うが、あらゆる位置の情報が詳しくて正確、とまでは行っていない。そこで多くのユーザーに頼って地図サービスを改良していこう、という話になったのだ。

これからはユーザーが、欠けている場所(お店、施設、古蹟、etc., etc.)を加えたり、iOSやAndroidのGoogle Mapsアプリから、あるいはGoogle検索の中で、企業やお店の情報を訂正したりできる。すでにメニューには、”Suggest an Edit”(編集を提案する)や”Add a Missing Place”(欠けてる場所を加える)などの項目がある。

Screen Shot 2016-07-21 at 10.32.19 AM

ただし、編集はすぐには反映されない。一人のユーザーの入力がそれだけで正しいとは限らないからだ。

新しい編集が提案されると、ほかのユーザーの画面にその提案の内容が表示され、その提案の正否を投稿できる。十分に多い人たちが同じ情報を“正”と評価したら、地図に載る。ただしそれができるのは、今のところ、AndroidのGoogle Mapsと、iOSおよびAndroidのGoogle検索(Google Search)のみだ。

また、お店の情報も住所と営業時間だけでなく、もっと充実させようとしている。

今ではGoogle Mapsアプリがレストランなどを探すために利用され、Yelpの対抗馬になりつつある。Googleはこれまでも、レストラン情報の充実に努めてきた。今では営業時間、値段、メニュー、まわりの環境などなどの要素で今日夕食を食べる場所を探せる。

FinalGIF

しかしこれからは、従来のようにGoogleの内部的情報努力によってではなく、一般ユーザーの情報提供によって、飲み会に適しているか、とか、健康食や菜食メニューがあるか、などより細かいリアルなことが分かるようになる。この機能はGoogleのモバイル上の検索のほか、AndroidのGoogle Mapsにもある。

お店や企業の情報をGoogleがクラウドソーシングで集めるのは、これが初めてではない。昨年はお店のレビューや訂正情報を頻繁に投稿してLocal Guideの内容充実に貢献した人にご褒美を進呈する制度を始めた。

そして今回からは、これまでのクラウドソーシング努力を一挙にすべての一般ユーザーに拡大する。すべての一般ユーザーといえば10億人以上いるから、Google Mapsには膨大な数の編集者が存在することになる。すでにあなたの画面ではGoogle MapsやGoogle Searchにこれらのメニュー項目があるなら、あなたも立派に、編集者の一人だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ロッキード・マーチンのHydra Fusionはドローン撮影のビデオからリアルタイムで3Dマップを作成する

2016-07-21-hydra-fusion

ドローンのカメラはすばらしい鷹の目だが、単にカメラが撮影した映像以上のデータが必要な場合―たとえば詳細な3Dマップなど―その処理には何時間もかかることを覚悟しなければならない。しかしロッキード・マーチンの場合は事情が違うようだ。その名もクールなHydra Fusion Tooslと呼ばれるシステムはドローンが撮影したビデオだけを使ってリアルタイムで 3Dマップを作成できるという。

写真測量法(photogrammetry)の大進歩だ。ご存知ない読者のために説明しておくと、これは連続撮影された映像を詳細に比較することによって対象物の絶対的サイズ、距離を決定する技術を意味する。コンピューター写真測量法はきわめて有用なため、科学、軍事方面でさまざまな利用法が知られている。最近ではドローンの映像をベース史跡l驚くほど精密に再構成されている。

An example of Lockheed's photogrammetry in action -- a 3D map of Oahu.

ロッキードの写真測量法の例―ハワイのオアフ島の一部の3Dマッップ

ただしこの処理はすべてのピクセルを詳細にチェックしなければならないためコンピューターに非常な大きな負荷をかける。HDビデオを処理するとなれば以前のスーパーコンピューターなみのパワーが必要になる。幸い、現在のGPUボードはサンドイッチくらいのサイズに小型化されたスーパーコンピューターといってよい。ロッキード・マーチンは何枚かのGPUボードを使ってリアルタイムで3Dマップを作ることを可能にしたようだ。

出力結果は壁紙にして眺めたくなるような出来ばえではないが―初期のAppleマップのレベルを考えてみるとよい―ドローンのビデオがベースだということを考えると十分な精密さだ。このマップを利用すれば、ドローンはマップがなければ気づかないであろうビルや塔を避けながら地形に沿って低空を飛ぶことが可能だという。
これはドローンの偵察飛行ですばやく大まかな地図を作るのにも使えそうだ。米軍特殊部隊が使っているというiPhoneで表示するのによいかもしれない。

ロッキードのプレスリリースではHydra Fusionを作動させるために必要なハードウェアについては単に「商用コンピューターが利用できる」としているだけだ。私は価格とコンピューターの仕様についてロッキードに問い合わせておいた。回答があればアップデートするつもりだが、おそらく相当に高額なものになるのだろう。

画像: Lockheed Martin

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

地理的データの視覚化をデータサイエンスの知識技能のない人でも簡単にできるCARTO

carto-featureimage

マドリッドで2012年に創業されたデータ視覚化企業CartoDBが、分析ツールCARTO Builderの発売を機に、社名をCARTOに変え、これまでもっぱらデベロッパーだけだったユーザー層を、企業の一般社員やノンプログラマーにも拡大しようとしている。

CartoLogo

元々CartoDBは、SQLができるデータのスペシャリストを助けて、彼らが位置データの分析をできるようにするのが、本業だった。また、データの視覚化は大好きだがコーディングはできない人びと、たとえば一部のジャーナリストなどは、同社を利用して対話的なマップをスクラッチから(はじめから、ゼロから)作ることができた。そしてこれからの同社は大企業にデータ分析ツールをCARTO Builder提供して、彼らのビジネスの意思決定や、消費者トレンドの予測などを助けていく。

CARTOのCEO Javier de la Torreはこう語る: “CARTO Builderはどんな業種でも利用できるが、当面は金融と通信方面に営業を注力して、彼らのいろんな分野に対する投資のリスクを、予測するサービスを提供していきたい”。

CARTO BuilderはWeb上(ブラウザー上)で使うドラッグ&ドロップ方式の分析ツールで、いろんな公開プラットホームから集めたさまざまなデータシートもある。今のバージョンには新たに、ウィジェットと予測ファンクションという二つの機能が加わった。どちらも、コーディングの知識がなくても使える。

Carto-USmap

ウィジェットは、データセット中のとくに関心のある項目を指定すると、それらに関する分析をインスタントにやってくれる。ウィジェットには4つのタイプがあり、それらは、(1)カテゴリー、(2)ヒストグラム、(3)フォーミュラ、(4)時系列、だ。マップの色を、使用するウィジェットごとに指定できる。

たとえば、アメリカのすべての列車事故の平均被害額を知りたい、としよう。すべての事故と、それら個々の被害額を羅列したデータが、手元にある。そうするとユーザーは、“フォーミュラ”ウィジェットで正しいパラメータを指定するだけだ。マップが即座に、列車事故の平均被害額を表示してくれる。

“こんなのは昔は、JavaScriptをたくさん書かないとできなかった”、ニューヨーク市の事業開発マネージャーJeff Ferzocoが、CARTOでそう言った。

Carto-styling

CARTO Builderはコーディングの知識を必要とせず、データ中にパターンを外挿するスキルも要らない。CARTO Builderのエキスパートユーザーは前と同じくSQLを使ってデータベースの操作ができるが、専門家でない一般ユーザーはこのツールの“Analyze and predict”へ行ってパラメータを指定するだけだ。そこでユーザーにできるのは、(1)点のクラスターを計算する、(2)アウトライアーとクラスターを検出する、(3)トレンドとボラティリティを予測する、のどれかだ。

“CARTO Builderのおかげで、それまではデータサイエンティストがやっていたたくさんの仕事を、今ではデータアナリストでない人でも容易にできる”、とFerzocoは語る。

1万行のデータベースをCARTO Builderに分析させると1分30秒かかる。5000万行だったら、たぶん40分だろう、とFerzocoは言う。“実際にやってみたことはないけどね”。

De la Torreによると、CARTO Builderのベーシックバージョンの料金は月額149ドルからだ。“エンタープライズバージョンを使う企業が多いけど、それなら年額1万ドルからだ”、と彼は言う。

同社によると、CARTO Builderの展開は7月7日から始めて、その後段階的に進めていく。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

地図上の地形的特徴でクェリすると各都市のマッチ結果(野球場、テニス場、etc.)を返してくれる画像検索エンジンTerrapattern

terrapattern

Terrapatternは画像検索エンジンだが、誰もがそれを初めて使ったとき、“何でGoogleがこれを10年前からやってないの?”、と不思議に思うだろう。地図上の特徴(施設など)…野球場、マリーナ、ロータリー、などなど…をクリックすると、アルゴリズムが複数の都市の「それはここだ!」と信じたものの写真を見せてくれる。速いし、使い方は簡単、そして可能性としてはとっても役に立つ。

実際に試してみると、その検索がとても自然であることが分かるだろう。どんな原理なのか? ひとにぎりのデジタルアーチストとデベロッパーが、35000ドル足らずでどうやって作ったのか?

最近のおもしろいヴィジュアルコンピューティングプロジェクトの多くがそうであるように、このプロジェクトも畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network)を使っている。基本的にはそれはAIのようなプログラムで、画像からあらゆるデテール(細部情報)を取り出し、さまざまな構造体の中に、そのパターンを探す。それは、人間の目が相似のパターンを探すやり方と同じだが、その精妙さと柔軟性は、人間の脳が上だ。

Terrapatternの場合は、小さな矩形の地形図を見て、それをOpenStreetMapが提供している地図上の特徴のタグ付き画像の、巨大なデータベースと比較するよう、ニューラルネットワークを訓練する。それは、地形図上の情報を何らかのコンセプトに結びつけることを学習する。

たとえばカメラが人間の顔を認識して、その顔が瞬(まばた)きしてるか微笑んでいるかを判断するとき、何をどうやっているのか。それは顔や微笑みや目などを“知っている”のではなくて、それらを画素の何らかのパターンに結びつけ、相似性の高いものを拾い上げているだけだ。

terrapattern patterns

Terrapatternを訓練して、船や貯水塔など、ありとあらゆる地理的特徴を認識しカテゴライズできるようになると、それに、ニューヨークやピッツバーグ、デトロイト、サンフランシスコなどの大きな詳細地図を見せる。するとTerrapatternはそれらの地形図を舐めるように見て、特徴と類似性の巨大なデータベースを作る。そしてそれに対して、小さな矩形の地形図でクェリすると、相似物が直ちに返される。ユーザーが地形図(施設など)をクリックしたときニューラルネットワークは“考える”のではなくて、データベースのデータ集合を照合するだけだ。

そうやってユーザーはたとえば、“オークラウンドのテニス場”を見つけたり、いろんな視覚的検索が完全にできるが、Terrapatternが探すのはあくまでもパターンの相似だから、原っぱの真ん中の家、とか、行き止まりの袋小路、とか、枯れた芝生、円形の駐車場などなども、そんなパターンが見つかれば検索結果として返す。Terrapatternにとってそれは、空港やフェリーのターミナルを探すことと、なんら変わらない。それらはすべて、ニューラルネットワークにとっては、特徴の集まり〜組み合わせにすぎない。

TerrapatternはGolan Levin, David Newbury, Kyle McDonaldの三名がKnight FoundationのPrototype Fundから得たお金で作った。彼らの資金と時間では、4つの都市の特徴マップデータベースを作るのが精一杯だったが、今後はほかの都市もやっていくつもりだ。そしてうまくいけば、もっと高いレベルと低いレベルの特徴を検出したい。野球場を見つけるのはふつうのレベルだが、小さな交差点(低レベル)や刑務所(高レベル)を見つけるのは難しい。

この作品はCreative Commons 4.0のライセンスにより、無料で利用できる。彼らのコードは、GitHubにある

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

地図上のピンやメモ情報などを(旅行目的などのために)完全にカスタマイズできる便利アプリRelay

relay

今の地図アプリケーションは、どこかへ行くためのナビ役とか、目当ての企業やお店を探すためなど、実用目的で使うことが多くて、“おもしろい”とか“楽しい”という要素はあまりない。そこで、このたび登場したRelayは、それを変えようとする。この単純だけどうまくできてるアプリは、ユーザーに今度の旅行のためのカスタムマップを作らせてくれるので、一枚の地図の上に行きたい場所や行くべき場所をすべて載せて、それらを視覚化できる。

たとえば、行ってみたいレストランや、美術館や劇場のような観光スポット、買い物をしたいお店、ホテルやAirbnbの宿などをピンできる(下図)。一枚の地図の上にすべてのピンが表示されるので、どこに何があってどれぐらい遠いか、なんてことを一瞬で把握できる。

masthead-screenshot@2x

Relayのデザインはユーザーの便宜をよく考えているので、とてもシンプルだ。ごてごてしていない。

カスタムマップは同時に何枚でも作れる。どれにもピンを置ける。また、それぞれの目的地にメモを付けられるから、忘れてはいけないことなどを、書いておける。また企業の電話番号やWebサイトのURLなどの便利情報は、アプリ自身が提供してくれる。

それぞれのピンは、名前を変えたり、“すでに行った”とマークしたり、行き方を教えてもらったりできる。つまりRelayは、ふつうの地図+個人的ナビ情報、というアプリだ。

maps-screenshot@2x

このアプリは新しいスタートアップの製品ではなくて、カナダのデジタルプロダクトデザイナーOliver Brooksの個人的作品だ。ふだんはヴィクトリア(ブリティッシュコロンビア州)のデザイン企業MetalLabのデザイン部長で、同社はSlack, Coinbase, TED, Brit + Co.などの顧客を抱えている。

彼自身がモバイルアプリを作るのはこれが初めてだが、前にフリーで仕事をしたことはある。彼がRelayをデザインし、友だちの友だちのデベロッパーCraig Merchantがコードを書いた。

Brooksによると、このアプリの発想は彼自身の旅行経験から得ている。そのとき体験した問題を、解決しようと思ったのだ。

“Google MapsもApple Mapsも、ピンとかメモの記入など、カスタム化がいっさいできないのは、腹立たしいよ。じゃあ、自分でやろう、と思ったんだ。便利で使いやすいアプリを、作りたかっただけさ”、と彼は言う。

  1. img_4991.png

  2. masthead-screenshot2x.png

  3. maps-screenshot2x.png

  4. multiple-maps-screenshot2x.png

  5. location-notes-screenshot2x.png

  6. img_4992.png

夜とか週末などの余暇時間を利用したので、完成までに2年かかった(!!!)。でも、できあがったときには満足感があった。

実際にはこういう余暇プロジェクトは、途中で放棄されることが多い。

今はピンの色をApple Mapsの流儀(業種別、など)に従っているが、数週間後のアップデートではユーザーが選べるようにしたい。今、共有の形式はメールの添付ファイルだけだが、次のバージョンではアプリ内にカスタムマップのディープリンクを置けるようにしたい。まだRelayをインストールしていない人のために、App Storeのページを指してもよい。

RelayはiTunes App Storeで1ドル99セントだ。

私は近くTechCrunch Disruptのためにニューヨークへ行くので、このアプリをiPhoneの第二画面の目立つところへ置いている。

それと、Brooksはビデオを作ることも好きだそうだ:

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))