無茶しやがって…。「史上最大の素数」まさかの書籍化

思いつきだけでなく、実行してしまった人は世界で唯一かもしれない。

2017年末に発見された「史上最大の素数」が書籍になったのだ。手がけたのは、オンデマンド出版事業を手がける虹色社(なないろしゃ)。ISBNコードも取得済みの正式な本で、税込み1944円。この「2017年最大の素数」は、1月13日からはAmazonでも購入可能だ。

ページ総数は、実に719ページ。電話帳サイズの本の中にびっしりと細かい文字で2324万9425ケタの文字が書いてある。じーっと眺めていると、なんだか頭がボーッとしてくる。これが、史上最大の素数「M77232917」の威力か…。

一体、なぜこんな無茶なことをしたのか。1月19日、東京・早稲田の事務所で虹色社の山口和男さんに聞いた。

全ページにびっしりと数字が。写真だと、細かすぎてトーンにしか見えない。

ページを接写した写真。ようやく数字が見えてきた。

「本にしたら面白いんじゃないか」

— なぜ史上最大の素数を書籍化しようと思ったのですか?

ネットニュースで史上最大の素数が発見されたと知って、これは本にしたら面白いんじゃないかとひらめきました。とりあえずデータを製本用のソフトにデータを入稿したのがきっかけですね。

—虹色社はオンデマンド出版事業を手がけてますが、そのPR目的もあるんですよね?

いえ、全く考えてなかったです。一冊の本にしたかったというだけですね。以前からケタ数が多い数の書籍化には興味があって、円周率の書籍化を考えたことがあります。しかし、円周率は小数点以下のケタ数が無限にあって、どこまでいっても完結しない。一方で、今回の素数は2324万9425ケタもあるけど、そこで完結している。最後のページでちゃんと数字が終わっているので、手に取れる1冊の本という形になると、やっぱり美しいじゃないですか。

—なるほど、分冊にしなかったのはそれが理由ですか。ちなみに、最初の1冊を作るまでにはどれくらいかかりましたか?

約1週間くらいかかりましたね。GIMPSプロジェクトが発表したデータファイルは一定の文字数で改行が入っていたので、それを製本用に整形し直すのが非常に手間でしたね。今は量産できるので、1時間に5冊ほど作れます。

—Amazonで買おうとすると「一時的に在庫切れ」になっていますね。

注文を受けてからAmazonの倉庫に送るようにしているだけで、問題なく買えます。数日で商品がお手元に届くはずです。

—こちらの事務所でも買えますか?

大丈夫ですよ。はい、どうぞ。

—ありがとうございます。ちなみにこれまでに何冊売れましたか?

あなたが世界で初めてです。

虹色社の山口和男さん

HuffPost Japanからの転載。

JapanTaxiがライドシェア実証実験に参加、公式アプリ「相乗りタクシー」をリリース

日本交通の関連会社で、タクシー配車アプリ「全国タクシー」を運営するJapanTaxiは1月22日、国土交通省のライドシェア実証実験に参加するための公式アプリ「相乗りタクシー」をリリースした。

このアプリでは、ユーザーが乗る場所と行き先を指定することで、付近にいる同方向への相乗り希望ユーザーを検索してマッチング。乗車地や降車地が離れすぎているユーザー同士や、合理的なルートを算出できない位置にいるユーザー同士では相乗りが成立しないようになっているので、必ず通常のタクシー料金より安くなる仕組みだ。

同乗者がマッチして、ユーザー双方が相乗り条件に合意すると、近くのタクシーが配車システムで自動的に手配され、ユーザーの指定した場所へ順番に迎車に向かう。料金は乗車前に、ユーザーの乗車距離に応じて振り分けられた金額を確認できる。支払いは事前にアプリに登録したクレジットカードで行われる。

実証実験は1月22日から3月11日まで行われる。実験には日本交通グループの300台のタクシーが参加。配車エリアは東京都23区と武蔵野市、三鷹市だが、22日から23日にかけての大規模な積雪予報を受けて、安全性の面から、配車自体の開始は1月24日午前9時にずれ込むことになった。

アプリのダウンロードと会員登録は1月22日時点から受け付けており、実験期間中限定で公開される。提供されるのはiOS版のみとなる。

また相乗りタクシーは、ヴァル研究所、NTTドコモ、ナビタイムジャパン、日本航空の4企業とパートナーとしてサービス連携し、終電後などの交通手段としての利用促進や、ポータルサイトからの利用促進などを行っていく。

なお、ライドシェア実証実験には、大和自動車交通グループの参加も決まっている。こちらは既存の配車アプリ「大和自動車交通タクシー配車」内で、相乗りのマッチング機能を提供。アプリの地図上でターミナル駅近辺に配置された「乗場」アイコンをタップすることで、各乗場の相乗り募集を確認し、アプリ内で「相乗り乗車券」を購入するスタイルとなっている。

日本では、Uberが2012年に進出して、2014年3月にハイヤーの配車サービスを開始しているが、ライドシェア事業に関しては規制の壁があり、現在もサービス実現には至っていない。Uberが2015年2月に福岡で実施していた実験は国交省による行政指導で中止されている。

大和自動車交通のアプリでの相乗りのフロー

レシピ動画サイトのdelyがソフトバンクなどから33.5億円の大型調達、新規事業やM&Aも視野に

この2年ほどで大きく市場を拡大させたレシピ動画サービスだが、その競争はさらに激化しているようだ。2017年末には「DELISH KITCHEN」を運営するエブリーが20億円超の資金調達を発表して業界を騒がせたが、今日1月22日には「kurashiru(クラシル)」を運営するdelyがその金額を上回る33億5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。今後は調達した資金をもとに、人材やマーケティングを強化。さらに新事業やM&Aなども視野に入れているという。

今回の資金調達はソフトバンク、YJキャピタルの運用するファンドであるYJ2号投資事業組合、アカツキ、ユナイテッドなどを引受先とした第三者割当増資。なおYJキャピタルやユナイテッドはdelyの既存投資家だ。今回の調達により、同社は累計約70億円を調達したことになる。

dely代表取締役の堀江裕介氏

delyは2014年の創業。もともとはデリバリーサービスを展開していたが、約半年でピボット。その後はキュレーションメディア事業を展開。その中で反響のあった「動画」を軸にして、現在のクラシルを作った。

クラシルは当初、FacebookやInstagramなどのプラットフォームに動画を掲載する「分散型」の動画コンテンツを配信していたが、その後スマホアプリを展開。2017年8月には、レシピ動画数が世界一になった(ナイルの「Appliv」調べ。料理レシピ動画掲載アプリ内のレシピ動画数)と発表した。同年12月時点でのアプリダウンロード数は1000万件を超えた。

「マーケティングコストをかけたこともあるが、テレビ(でのプロダクト紹介)での露出も多いので、マスへ展開できつつある。本来オンラインマーケティングとテレビCMだけでは時間がかかるところが、うまくいっている。僕自身もテレビに何回か出演しているが、そこまでになるとテレビCMを見てもダウンロードしてくれないような属性……例えばガラケー(フィーチャーフォン)からスマートフォンに変えたばかり、というような人にもリーチできるようになってきた」(dely代表取締役の堀江裕介氏)

そう語る一方で、「料理のサイトでは、お金がかかるのは分かっていた。50億円なり、100億円なり必要だと思っていた。スピードが速い戦いではあるが、想定どおりだ」(堀江氏)と周辺環境も踏まえて説明する。

クラシルでは現在、タイアップ広告のほか、アドネットワークと月額480円の課金サービスを展開してマネタイズを進めている。

「課金は積み重ねるモデルなので、直近は広告(アドネットワーク)が中心になる。またタイアップも順調。(クライアントとして)想定していた上位50社に関してはほとんどタイアップをやらせてもらった。メーカーの広告予算は『テレビCM+ネット広告』で毎年すでに用意されているので、(その年度の)途中から入るのは難しかった。だが、一度やってくれた企業は翌年の予算を用意してくれている」

「(クックパッドなどの競合と)コンペでバチバチに当たるかというとそうでもない。オンラインに対する予算は全体的に増えており、かつ分散している。彼ら(クライアント)にとって『次のヘビーユーザー』となる40歳以下の層は、テレビを観なくなってきている。そこに当てるのはモバイル動画。テレビが観られないようになってから、その層にアプローチするのでは遅い。そういう流れができている」(堀江氏)

業績については開示していないが、狙えば今年度の単月黒字化も見えている状況だという。「とは言えまだまだ成長フェーズ。(黒字化するより)広告費用にどんどんつぎ込む」(堀江氏)

また冒頭に触れたとおり、今後は新規事業の展開に加えて、スタートアップのM&Aや投資も検討しているという。

「料理のメディアだけに閉じたマーケットは(規模が)見えているので、会社としては事業を複数作ろうとしている。今で言えば仮想通貨回りだとか、いろいろなものがある。僕は『モバイル動画』の波(トレンド)にはギリギリ乗れたが、それまで大きな波はなかった。今の会社を経験しつつも、新しいことを探し続けるのは役目では無いのか。どこまでいっても『大きいこと』を言ってしまうので、いつも自分との戦い。でもそれを達成しつつあって、やっと“ほら吹き”から“マトモ”になってきた」(堀江氏)

現在は新規事業に向けた人材も採用中だ。海外で活躍するエンジニアなども新規事業に向けて採用を薦めているという。「情報を僕自身が取って、インタビューして、発信して、仲間を集めるフェーズだと思っている」(堀江氏)

ドミノピザが20分以内の宅配サービスを開始、ただしシステムがいけると判断した場合のみ

空腹のせいなのか、ワクワクが抑えきれないのか。ピザのデリバリーを待つ時間は、やけに長く感じる。

そりゃ少しでも早く届けてくれるに越したことはないけれど、そんなことを保証してしまっても大丈夫なのだろうか。ドミノピザが本日から始めた「ミッション20ミニッツ」には、ついついそんなコメントを残したくなってしまう。

ネーミングが全てを物語っているが、これは「注文からデリバリーまでを、たった20分で完了させる」という取り組みだ。

創業時から焼き立てのピザを30分で届けることを目指してきたドミノピザ。それでもアツアツの感動を届けるためには30分では物足りない、ということなのだろうか。“デリバリーは時間がかかる”という業界の常識を打ち破る挑戦を始める。

ミッション20ミニッツではピザの料金にプラス200円(税抜き)で20分以内、プラス300円(税抜き)で15分以内の注文を保証する。もちろん「いつでもどこでも」ということはない。

ウェブサイトでピザの注文を受け付つける際に、独自の計測システムで配達予測時間を導き出す。住所や混雑状況、交通状況をもとにシステムが「これはいける!」と思ったときにだけ、サービスを利用できるというわけだ。

注文後はピザトラッカー画面で、ミッションの進行状況を確認できるようになっている。もし時間内にピザを届けることができなかったら、次回使えるMサイズピザの無料クーポンをプレゼントするそうだ。

そういえば僕自身は体験したことがないけれど、かつては30分以内に宅配できなければピザを無料にするという取り組みもしていたと耳にした。交通事故やスピード違反の原因にもなりえるため現在は実施していないようだが、確かにリスクもありそうだ。

この点について、今回のサービスでは独自の技術で開発した3分オーブン、磨き上げてきたピザメイクの技術、ドライバーの運転速度や配送ルートを管理できるデリバリーテクノロジーを結集することで可能になったという。

ネット注文限定で本日より利用できるので(一部店舗では利用できないとのこと)、まずは一度試してみたいところだ。

ユーザーがあそびを発明する工作キット「Nintendo Labo」公開——Switchと連動、4月20日から販売

明日18日(木)の朝7時より、Nintendo Switchを活用した「新しいあそび」を、こちらのページで紹介いたします。——昨夜、任天堂が公式のTwitterアカウントでこんな投稿をして、大きな話題をよんだ。

このツイートを見てワクワクしながら今日の7時を待ち望んでいた人も少なくないだろう。実際に僕もそのひとりだが、Twitterなどでも「VRの活用」などさまざまな予想が飛び交っていた。

そして本日、任天堂は予告していた「新しいあそび」を公開。その概要はNintendo Switchと連動した段ボール製の工作キット「Nintendo Labo(ニンテンドー ラボ)」だ。

Nintendo Laboではピアノやつりざお、バイク、ロボットといった「Toy-Con(トイコン)」と呼ばれるコントローラーを自分の手でつくるところからスタート。完成したToy-ConをNintendo Switchと合体させることで、自分で新しいあそびを発明し、体験できるという(たとえばピアノで演奏したり、つりざおで魚をつったり、バイクでレースをしたり、といった具合に)。

まず第一弾の製品として「VARIETY KIT」と「ROBOT KIT」の2タイプが4月20日に発売されることが明かされた。リモコンカーやピアノなど5種類のキットが入ったVARIETY KITは6980円(税別)、ロボットToy-Conが入ったROBOT KITは7980円(税別)だ。

合わせてToy-Conをデコレーションできる「デコるセット」(980円、税別)も同日より販売の予定。

詳しい情報は今後公式サイトでお知らせされるとのことなので、続報を待ちたい。

なお任天堂は2017年12月にNintendo Switchの全世界における累計販売台数が1,000万台を超えたことを公表している(12月10日時点)。

 

テーマ型投資のFOLIOが70億円の大型調達、LINEを使っての投資も可能に

TC Tokyo 2017に登壇したFOLIO代表取締役の甲斐真一郎氏

日本のフィンテック業界にまた新しいビックニュースが飛び込んできた。

テーマ投資型の資産運用サービス「FOLIO」を提供するFOLIOは1月18日、LINE、米国のゴールドマン・サックス電通ベンチャーズ三井物産SMBCベンチャーキャピタルDCM VenturesDraper Nexus Venturesを引受先とした第三者割当増資を実施した。調達金額は70億円。これにより、創業から約2年のFOLIOの累計調達金額は91億円となった。

でも、今回のニュースは資金調達だけではない。FOLIOはコミュニケーションアプリ「LINE」との業務提携も併せて発表しており、2018年下半期をめどにLINEアプリ上から直接FOLIOの資産運用サービスが利用できるようになる予定だという。

FOLIO代表取締役の甲斐真一郎氏はTechCrunch Japanの取材に対し、サービスの共同開発はこれから進めていくところだとした上で、「チャットをUIとした場合、ユーザー体験が金融取引とは親和性が良くないと考えている。イメージとしては、LINEのなかに独立した機能としてFOLIOが組み込まれるカタチを想像している」と話す。

ユーザーは普段利用するLINEから簡単に資産運用サービスを利用できるようになるだけでなく、特に若年層のユーザーにとっては資産運用を始める良いきっかけとなりそうだ(証券免許を持つのはFOLIOなので、同社を通した口座開設は必要)。

今回のプレスリリースの中でもう1つ注目の点がある。FOLIOは今回調達した資金をもとに「機械学習・分散型台帳技術などの先端技術研究機関を創設」するとしているのだ。これについて甲斐氏はこう話す。

「FOLIOには個人でトークンを発行した経験をもつ社員もいるなど、ブロックチェーン分野は社員の関心が高い領域でもある。個別株のやり取りをP2Pでできないかなど、これから模索をしている段階だが、金融と親和性が高い分野でもあるので先鞭をつけたいと思っている」(甲斐氏)

また、これまでほとんどPR・広告活動を行ってこなかったFOLIOだが、今後はテレビCMなどのマス広告を含めた大規模な広告活動を開始するそうだ。

今回の資金調達と業務提携について、LINE代表取締役社長の出澤剛氏は「FOLIOの、テーマに投資するというこれまでにない新たな投資スタイルや洗練されたUIは、投資をより身近で手軽にするものであり、投資経験者はもちろんのこと、投資に興味があっても手を出せていない投資初心者や投資から離れてしまっている方などが投資を始めるきっかけになります。また、オンライン証券は、LINEのスマートポータル戦略においても今後重要な役割を果たすものになる」とコメントしている。

FOLIOはTechCrunch Tokyo 2016のスタートアップバトルで優勝を争い、翌年にも登壇して事業の進捗を語ってくれた。今回のシリーズAでは70億円という大型調達を実施した同社だが、はたしてFOLIOはコミュニケーションアプリのLINEと融合してどんな未来を見せてくれるのだろうか。

旅の魅力を引き立てる“物語”をポケットに、音声ガイドアプリ「Pokke」提供元が数千万円を調達

旅行で有名な観光スポットへ行くと、いわゆる「音声ガイド」を目にすることがたまにある。スポットの見どころや背景などを音声で紹介してくれるあの機械だ。

僕は割と現地のことを事前に調べてから行く派なのだけど、それでも音声ガイドを聞けば初めて知ることもあり、旅の満足感がさらに上がる。そんな体験を昨年とある鍾乳洞へ行った時にもしたばかりだ。もちろん機械ではなく、人間のガイドを雇って現地の案内をお願いすることが多いという人もいるだろう。

ガイドで紹介されるような土地の背景やエピソードを、常にポケットに入れて持ち運ぶことができたら、もっと多くの人が旅を楽しめるのではないか。そんな思いから生まれたのが、多言語トラベル音声ガイドアプリ「Pokke」だ。

30都市、400以上の音声ガイドコンテンツを提供

Pokkeはヴェネツィアやパリ、鎌倉といった観光都市の物語を音声で楽しめるサービス。自分専用のガイドをいつでもどこでも持ち運べ、テキストや動画アプリとは違ってハンズフリー。手だけでなく目も画面に奪われることなく、訪れた場所を見ながら自分のペースでガイドを聞ける。

音声ガイドはスポットごとに作られていて、見所ごとに複数のチャプターに分かれている。長さは平均で30分ほど、ガイドによって20分〜60分と幅が広いという。料金はひとつのガイドあたり数百円(240円〜600円)のものが多く、無料コンテンツもある。

現地で実際に行われているガイドと同レベルの情報を、事実を淡々と紹介するのではなく、より興味を抱きやすいような“物語”として届けるというのがPokkeのチャレンジであり特徴だ。

現在は世界30都市、合計で400以上のコンテンツを配信。日本語を含む10ヵ国語に対応しているので「旅行先で、母国語のガイドが雇えない問題も解決できる」(Pokke提供元であるMEBUKU代表取締役の入江田翔太氏)という。

GPS連動によって現在位置と音声ガイドの位置を地図上で確認できる機能を備えるなど、基本的には現地で「旅ナカ」に使われることを想定。ただPokkeのガイドを参考に旅行の日程を組んだり見どころを調べたりなど、旅マエに使うこともできそうだ。

物語を知ることで旅がもっと楽しくなる

MEBUKUは代表の入江田氏を含む5人のメンバーが集まって、2015年の7月に創業したスタートアップ。同社は本日ANRIとノーマディックを引受先とした第三者割当増資により、数千万円を調達したことを明らかにしている。

具体的なプロダクトのアイデアが固まっていない状態で起業したそうだが、同年秋にPokkeの構想が生まれ、2016年3月にAndroid版をリリースした。きっかけとなったのは、あるメンバーが旅先のアルカトラズ刑務所で音声ガイドを聞いた時の体験だという。

「一見何もないような空間でも『スプーンで掘って逃げようとした』という物語を聞いたことで、心を揺さぶられて旅の体験が変わった。自分自身もアウシュビッツで音声ガイドを聞いた際に同じ経験をしたので、普通に旅するだけでは気づけない各所の物語や歴史、秘密を提供することで、もっと旅を楽しいものにできるのではと考えた」(入江田氏)

当初は事実をシンプルに紹介するという割とオーソドックスな形式でコンテンツを作っていたが、より多くの人に楽しんでもらうために構成や演出を変えた。

「(当初のコンテンツを)自分たちで聞いていても、あまり面白くないと感じた。同じ情報でも演出や見せ方次第で大きく変わる。問いかけを入れるなど構成を変えたり、臨場感を作るために効果音やBGM、『住職の生の声』を入れるなどしている。音声ガイドももっと進化していかないといけない」(入江田氏)

新たな切り口のガイドや、訪日外国人向けコンテンツも強化

新たな取り組みとして、ひとつのスポットを複数の切り口で紹介することもはじめている。たとえばPokkeでは台湾の九份に関して“DJがラジオ番組風に紹介した”特別版のガイドを提供。今後はこのような見せ方のガイド制作に加えて、ユーザーへのパーソナライズやグループで楽しめる機能、ゲーミフィケーションの活用といった機能開発に取り組む方針だ。

また現在は8〜9割が海外のガイドとなっているが、訪日外国人向けに日本国内のガイドも増やしていくという。

現代では「個人での旅行」「現地により深く没入する体験的な旅行」を求める人も少なくない。スマートフォンを1人1台所有する時代だからこそ、持ち運べる音声ガイドアプリを通じて普通に旅するだけでは気づけない発見や、物語を提供していきたいという。

「(土地や作品の背景にある物語などを)知らないがゆえに十分楽しめなかった、というのはもったいない。知らない土地に旅行に行ったり、知らない作品を目にすることは多いと思うので、そこをどう埋めていけるか。Pokkeを通じて取り組んでいきたい」(入江田氏)

クラウドファンディング版“ライブコマース”「CAMPFIRE Fireball」1月22日から提供開始

動画でライブ配信しながら物を売る、ライブコマース。中国の動画配信プラットフォームでの成功を得て、2017年には日本でも続々と各社の参入が始まっている。国内の先駆者によれば「猛烈に売れるのは100人もいないのでは」との声もあるが、新たなECのスタイルとして注目を集めていることは間違いない。

今日、クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」から発表された、分散型ライブファンディング機能「CAMPFIRE Fireball」は、ライブコマースのクラウドファンディング版、と言えば分かりやすいだろうか。CAMPFIREのプロジェクトオーナーが配信するライブ動画上にリアルタイムで支援金額やコメントを反映・表示させ、双方向コミュニケーションも可能となるこの新機能は、1月22日から提供開始される。プロジェクト掲載者であれば誰でも、無料で機能を利用することができる。

対応するライブ配信ソフトは「OBS(Open Broadcaster Software)」と「Wirecast」、動画配信プラットフォームは「YouTube Live」「ニコニコ生放送」「SHOWROOM」「LINE LIVE」「FRESH!」「Facebook Live」「Twitch」「Periscope」への対応が確認済みだ。

実はCAMPFIREでは2017年2月に、動画ストリーミングとチャットを組み合わせた似たような機能を「FIRESIDE」ベータ版として提供していた。この時には、動画配信機能はCAMPFIRE自前のものが提供されていたのだが、今回は既存のプラットフォームを取り入れて、活用する道を選んだようだ。

CAMPFIREは「一つの動画配信サービスに依存する集約型ではなく、複数の動画配信サービスから選択可能な分散型として提供することにより、特定のサービス(既存のプラットフォーム)内にフォロワーやファンを持つ方の既存のコミュニティをクラウドファンディングプロジェクトと繋げることができる」と説明している(カッコ内は筆者注)。YouTuberはYouTuber、ニコ生主はニコ生主として活動してもらって、クラウドファンディングをするならCAMPFIREを使ってね、ということだろう。

1月22日からのCAMPFIRE Fireball正式提供に先駆け、1月6日に行われたテストでは、3人組アイドルグループ「TOKYO SWEET PARTY」の楽曲とMV制作費用を集めるプロジェクトが、1時間余りのライブ配信中に150万円の目標金額の半分を達成。公開から48時間後には目標額を達成したそうだ。

また正式版リリース日の17時からは、民間の観測ロケット「MOMO」2号機の打ち上げプロジェクトについて、公開イベントで初回配信を行う予定だという。

リクルート「SUUMO」がAirbnbと業務提携、民泊事業へ参入

リクルートホールディングス傘下で不動産情報サイト「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニーは1月17日、Airbnbとの業務提携により、民泊関連事業へ参入することを発表した。

リクルートでは、SUUMOに物件を掲載する賃貸管理会社やオーナーに対して、空き室を民泊として活用できるよう提案し、運営も支援。と民泊の2通りの活用を勧めることで、物件の収益向上を支援することを目指す。

民泊運営を希望する空き物件の管理会社・オーナーには、同社が提携する民泊運営代行会社を紹介。家財手配をはじめとした民泊運営の開始準備から、Airbnb等の民泊プラットフォームへの情報掲載、予約や問い合わせ対応、鍵の受け渡し、クチコミ管理、清掃など、運営業務一式を委託することで、民泊運営経験のない管理会社やオーナーでも利用しやすくする。また同社では、Airbnbサイト以外に、特別サイトなどを通じた集客施策の展開も予定している。

AIがダイエットメニュー・レシピを提案するアプリ「CALNA」運営が1億円を調達

健康的な食生活をサポートする人工知能アシスタント「CALNA」を提供するmeuron(ミューロン)は1月17日、INTAGE Open Innovation FundSBIインベストメントを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達金額は1億円だ。

アプリのリリース時にTechCrunch Japanでも紹介したCALNAは、ユーザーが入力した身長や体重などのデータとアンケート診断の結果をもとに、AIがユーザーに最適なダイエットメニューを提案してくれるアプリだ。

同アプリを単に“料理レシピ”として捉えると、競合には今では定番アプリとなった「クックパッド」がある。しかし、CALNAはユーザーの好みを学習したAIが何品分ものレシピをまとめて提案し、それをすべて考慮したうえで作業工程を最適化し、買い物リストや調理手順まで教えてくれるという特徴がある。

CALNAは2016年10月のリリース時より、大手コンビニや外食チェーンのメニューの中から適切な組み合わせを提案する「外食中心ダイエットプログラム」を無料で提供。また、2017年3月からは、レンジで簡単につくれるレシピなど、1品あたり5〜20分で調理できる作り置きレシピを毎月配信する「あっという間の作り置きプログラム」を月額480円で提供開始した。

有料プログラム「あっという間の作り置きプログラム」のリリース後の状況についてmeuron代表取締役の金澤俊昌氏は、「徐々に継続率も伸びてきているが、まだユーザーからは沢山の要望を頂いており、今月末にリニューアルする予定だ」としている。

これまでにユーザーとCALNAの人工知能との会話は1900万件を超えた。同社は今回の資金調達により、ラウンドに参加したINTAGE Open Innovation Fundの設立会社であるインテージホールディングスおよびSBIインベストメントとの連携を開始する。具体的には、市場調査とマーケットリサーチを本業とするインテージホールディングスの協力の下、ユーザーと人工知能との会話データを活用した事業開発を進めていくと金澤氏は話す。

meuronは2014年10月の創業。今回を含む累計調達金額は2億1800万円となる。

AIが1000万件のデータから「賃貸と購入どっちがお得?」を鑑定、物件売買サービス「カウル」

「今家を買う人は30〜40代前半の人が中心。何か物を購入する際はスマホを使って情報を集め、比較検討をするのが当たり前になっている。“家”というのは数千万円ものお金を支払う人生で1番高い買い物なのに、情報開示が進んでいなくて適正価格がわかりづらい」——Housmart(ハウスマート)代表取締役の針山昌幸氏は不動産売買の課題について、そのように話す。

Housmartが現在手がけているのは、物件の売買ができるサービス「カウル」。近年需要が増えている一方で、特に価格の不透明性が高い「中古マンション」に焦点を当てる形で2016年1月に立ち上げた。

そのカウル内で本日「カウル鑑定」という新たな機能がリリースされた。興味がある部屋について、データをもとにAIが将来価格を予想。「賃貸と購入のどちらがお得か」を瞬時に鑑定してくれるというものだ。

同じ建物でも部屋によって「どちらが得か」は変わる

カウル鑑定では過去から現在にいたるまでの不動産売買や賃貸に関するデータを活用し、AIが1〜35年後の物件価格を算出。そこに物件価格の値下がり金額や住宅ローン金利、マンションの管理費、税金などを考慮した上で、購入する場合と賃貸で借りる場合どちらが得かを瞬時に鑑定する。

使用料金は無料。カウルでローンの返済計画を立てると、その情報から物件ごとにトータルコストの差額を見ることができる。

不動産関連の雑誌でも賃貸と購入を比較する特集はよくあるが、支払う価格だけをベースに比較したものも少なくない。針山氏の話では「中古マンションは購入から10年、20年が経過してもけっこうな金額で売れることがよくある」そう。売却した場合に手元に残る金額を含めて、部屋単位で料金を比較できるのがカウル鑑定の特徴だ。

開発に至ったきっかけのひとつは、中古マンションの購入を検討するユーザーの「買ったマンションが将来いくらで売れるのか知りたい」というニーズ。以前からカウルではデータをもとにAIで適正価格を算出し、カウル推定価格という形で情報を提供してきた。そこからさらにシステムを改良し、35年後までの将来価格の予測や賃貸との比較をできるようにしたのがカウル鑑定だ。

「実は同じマンションでも部屋によって(賃貸と購入の)どちらが得かというのも変わってくる。そこをユーザーがオンライン上で直感的に判断できるようにすれば、利便性も高い」(針山氏)

カウル鑑定の対象となるマンションは販売用のため、同じ部屋を実際に借りることは難しい。ただし「この部屋を借りる場合、いくらぐらいで借りられるか」を推定することで、周辺の似たようなマンションや同じマンションの賃貸に出されている部屋を借りられる可能性はあるという。

将来的な価格を人間が算出するのは難しい

もともと針山氏は新卒で不動産会社に入社。自身も体感した業界の課題を解決するべく、楽天を経て2014年の10月にHousmartを創業している。物件価格の透明化や将来価格の算出もかつてからニーズはあれど、実現されてこなかったものだ。

「1社の不動産会社が売り主と買い主の双方を担当していたのが従来の一般的な不動産売買。多くの会社は売り主サイドに立つため、買い主に価格を透明化するインセンティブもなかった。これは買い主サイドに立つと大変な割に儲からないという、ビジネスの構造上の課題もある」(針山氏)

カウルの場合はこれまで人力で対応していた物件提案などの業務を自動化。余計なコストを削減することで、買い主サイドに立ってもビジネスとして成り立つ仕組みの構築にチャレンジしてきた。

加えて約1000万件に及ぶ売買事例や賃貸事例、物件データなどをもとにAIで適正価格や将来価格を割り出す取り組みも実施。現場経験のある針山氏らが半年から1年ほどチューニングを重ね、カウル鑑定のリリースに至ったという。

あくまで過去のデータをもとにしているので、完全に将来価格を的中させられるわけではない。針山氏によると「(将来の)インフレ率や日本全体の景気、エリアの再開発状況といった要因は含まない。築年数や立地条件などのスペックをもとに、将来的に最大でこのくらいのペースで価格が下がるという数値を出す」仕組みではあるが、人力に比べればはるかに適正な価格が出せるという考えだ。

カウルのリリースからは約2年が経過し、現在の登録ユーザー数は1.5万人を突破。2015年と2016年にはVCから資金調達もするなど、事業を拡大してきた。

今後は現在賃貸で暮らす人が家賃を入力することで、「現在住んでいる賃貸住宅と検討している住宅を購入した場合のシミュレーション」ができる機能も搭載予定。これまでは不透明だった情報を開示してわかりやすくすることで、不動産購入のリスクを減らしていきたいという。

iPadやiPod touch等「iPhone以外のアップル製品」は電池劣化で性能低下せず

eng-logo-2015電池劣化したiPhoneのパフォーマンスを近年のiOSが意図的に低下させていた件に関連して、アップルは「iPhone のバッテリーとパフォーマンス」と題したサポート文書で「電源管理機能(速度の低下)はiPhone 固有のもので、他の Apple 製品には適用されません」と明記しました。

ここで言う他のアップル製品といえば、iPadシリーズやiPod touchシリーズ。これらはバッテリー性能の劣化があったとしてもパフォーマンス低下をしないと、公式に約束した格好です。

2017年末に発覚して以来、いまだに物議をかもしているバッテリー劣化iPhoneの性能低下問題。フランスでも消費者団体がアップルを告訴したことを受けて、現地検察局が予備的調査に着手したことが報じられました。ロイター記事によると、フランスの国内法では「買い替え需要を高める目的で製品の寿命を故意に縮めた場合、年間売上高の最大5%相当の制裁金が科される可能性がある」とのこと。

アップルは2017年12月28日に「iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」という文書を公開。電池劣化したiPhoneを意図的に速度低下させていたのは事実だが、予期しないシャットダウンを避けるための対策であること(新機種への買い替えを促すことが目的ではない)。そしてiPhone 6以降の端末でバッテリー交換が必要な場合、保証対象外の交換費用を現在の79ドル(8800円)から29ドル(3200円)へ改定すること(2018年末まで)などを発表しました。

速度低下を起こしている「電源管理」機能は、iOS10.2.1以降がインストールされたiPhoneで導入されたもの。同じくiOSに対応したiPadおよびiPod Touch(第6世代)にはこれまで言及されていませんでしたが、今回「他のアップル製品には適用されない」とサポート文書に記載され、疑いは払拭されました。

逆に考えれば「予期しないシャットダウン」への対策や、バッテリーの安価な交換サービスもないということ。いずれにせよ、われわれユーザーとしては製品そのものやバッテリーの寿命が尽きるその日まで、ガジェットを大切に使いたいものです。

Engadget 日本版からの転載。

ネット広告のレポート作成を自動化、AIが運用を支援する「Roboma」ベータ版リリース——運営会社が4000万円を資金調達

GoogleやFacebook、Twitterといったインターネット広告の出現で、小さな企業や事業部門、スタートアップなどでも比較的低価格で“それなりに”効果的な広告出稿が可能になった今。一方で、マーケティング担当者は広告レポートの作成や、GoogleやFacebook広告の運用の最適化などに追われ、特に小規模な組織では兼務でこうした作業に時間を費やさなければならないことから、本来やるべき分析やマーケティング戦略立案に手が回らない、といったケースも増えている。

こうしたネットマーケティング業務の負荷を、AIの活用によって自動化しようというサービスが始まった。RoboMarketerが1月16日、提供を開始した「Roboma(ロボマ)」ベータ版は、AIによりネット広告のマーケティング業務を支援するクラウドサービスだ。

Robomaは、Facebook、Instagram、Google Adwords、Twitterといったプラットフォームの広告アカウントを連携。連携した広告アカウントのレポートを自動し、費用やCPA(Cost Per Acquisition:ユーザー獲得コスト)などの指標をグラフ化できる。管理画面の閲覧権限を広告代理店やチームに付与することで、レポートの共有も容易に行える。これまでクローズドベータ版として一部企業に限定してサービスを提供してきた。

「Roboma」のスクリーンショット

現状はいわゆるダッシュボードとしての機能が中心だが、今後はデータに基づいてAIアシスタントが運用型広告の最適化をアドバイス。経験やノウハウがない担当者でも最適な運用ができるようになることを目指す。一部のテストユーザーに関してはすでに広告の運用の自動化を行っており、CPAベースで20%の改善が実現した事例もあるという。

「マーケティングの部署は慢性的にリソース不足で、コストセンターとみられることが多い。企業の成長に連れてやることは増える一方だが、その割には人材が全然増えないということもあり、効率化や自動化は絶対に求められる。だが(自社製品と比較すると、マーケティング向けの自社ツールの)開発は後回しになってしまうし、(運用を担当する)代理店も深くは関わらない。(Robomaにより)本来的なブランディング、マーケティング戦略といった『頭を使う』というところに集中できれば」(RoboMarketer 代表取締役の岡崎哲朗氏)

利用料金は、広告アカウント数が1アカウント・広告数100までは月額無料で利用可。3アカウント・広告数500までのベーシックプランが月額9800円、10アカウント・広告数2000までのプロプランが月額2万9800円だ。

またRoboMarketerはRobomaベータ版リリースと同時に、総額約4000万円の第三者割当増資の実施も発表している。引受先はエウレカ創業者の赤坂優氏など、個人投資家だという。

RoboMarketerは、2017年6月の設立。岡崎氏はグリーでマーケティングプロモーションを担当し、海外プロモーションの責任者を務めたのち、スタートアップでのマーケティング責任者を経て起業した人物だ。同社には元ミクシィのマーケターなども参画し、サービスを開発。インターネットマーケティングの最新のトレンドを取り入れ、専門知識がなくても使えるサービスを目指すとしている。

RoboMarketerは今回の調達資金をもとに開発体制の強化を進める。また、将来的には海外でのサービス展開についても検討している。

語学講師と生徒をマッチングする「フラミンゴ」が「メルカリアッテ」とサービス連携を開始

語学講師と生徒のマッチングアプリ/ウェブサイトの「フラミンゴ」は、外国語を学びたい人が講師を探してレッスンを予約でき、カフェで待ち合わせてレッスンが受けられるサービスだ。1月16日、そのフラミンゴが「メルカリアッテ」とのサービス連携を開始した。

フラミンゴは2016年10月から、iOS版アプリの提供を開始。フラミンゴを通したレッスンの利用料金は講師側の設定により異なるが、教わる側がその設定額に一律プラス500円を手数料として支払う仕組み。講師側は登録・承認後は無料で利用することができる。

メルカリアッテはメルカリ子会社のソウゾウが提供する、地域コミュニティアプリ。ネイルや家事代行など、直接会ってサービスを提供する場合や、大きな家具などをご近所同士で売買する場合のマッチング、またスポーツチームやバンドのメンバー募集や、飲み会などイベント情報のやり取りに利用されている。

今回のサービス連携により、メルカリアッテのアプリ内から「習い事」「外国語」「英会話」といったカテゴリやキーワードで、フラミンゴに登録されている語学講師を見つけることができるようになった。気に入った講師が見つかったら、講師の紹介ページに表示されたリンクからフラミンゴのウェブ版サービスサイトを開き、レッスンの予約を行うことが可能だ。

運営会社のフラミンゴは2017年6月に、メルカリとエンジェル投資家らから資金調達を行っている。メルカリは2017年7月に投資プロジェクトとして「メルカリファンド」の立ち上げを発表しているが、フラミンゴへの出資はメルカリファンドによるものと位置付けられていて、今回の連携はそのシナジーの一例といえるだろう。

またフラミンゴは2017年11月にも、グロービス・キャピタル・パートナーズ、グローバル・ブレイン、および個人投資家を引受先として総額1.7億円の資金調達を実施している。11月の資金調達後には、iOS版に加えて、講師からもユーザーからも要望が多かったウェブ版・Android版をリリース。登録する外国語講師数は在留外国人コミュニティの口コミを中心に増え、サービス開始から1年あまりで2000人を超えた。

今回のサービス連携により、フラミンゴではさらに在留外国人の活躍の場を増やしたい考え。 今後もアライアンス連携や新規事業をとおして事業規模の拡大を目指す。

Softbank、Auto1に4.6億ユーロ投資と発表――オンライン自動車販売プラットフォームをドイツから世界へ拡大

SoftbankのVision Fundがまた新たな大型投資を実行した。日本のITコングロマリット傘下の投資ファンドはベルリンを本拠とするオンライン自動車ディーラーのAuto1に4億6000万ユーロ(5.6億ドル)を出資することに合意した。

今日(米国時間1/15)、中古自動車の流通プラットフォームを運営するAuto1はこの投資を確認するプレスリリースを発表し、この投資により会社評価額は29億ユーロ(36億ドル)となったと述べた。またSoftBankの投資の半額は新株の発行によると付け加えた。

FTの記事によれば、Softbankは今回の投資により、Auto1の20%を所有することになる。ただしAuto1の広報担当者は会社所有権の具体的内容を明らかにすることは避けた。

SoftBankのAkshay Nahetaは投資の一環としてAuto1 Groupの取締役に就任する。

NahetaはSoftBankの投資について声明を発表し、「年間3000億ドル以上の価値がある自動車の流通市場はこれまで細かいセグメントに分断されていたが、Auto1 Groupはここに効率的かつ透明性が高いオンライン・システムを構築し、データ・プラットフォームを急速に発達させてきた。SoftBank Vision Fundの投資とわれわれのマーケットプレイス・ビジネスの運営に関する専門的能力はAuto1が世界的な存在となることを助けるはずだ」と説明した。【略】

Auto1は2012年に創立され、現在では30カ国以上をカバーしている。Auto1によれば、同社は 3万5000以上の自動車ディーラーをパートナーとしており、月に4万台以上を販売している。Auto1が提供するアナリティクスとロジスティクスが需要と供給を分析し、マッチングすることにより中古車に対する適正な価格づけが可能になるという。

Crunchbaseによれば、Auto1はSoftbankの投資以前に、 5億2000万ドル前後の資金を調達している。直近の資金調達は昨年5月に実行された3億6000万ユーロのシリーズEラウンドだが、これは株式発行と借り入れを組み合わせたものとなっている。Auto1は、この資金は同社の活動をヨーロッパ全域に拡大するために用いられると発表した。

Softbankの自動車関連投資はこれが初めてではない。昨年暮にVision Fundはライドシェアリングの大手、Uberに巨額の投資を実施している。

Softbankの孫正義CEOは、昨年、ファンドの背後のビジョンを説明し、人類は30年以内にスーパー知性を持った人口知能の開発に成功すると確信していると述べ、これが大型投資を急ぐ理由だとした。孫CEOは2017年にファンドのパートナーに向けたスピーチで100本脚のムカデ型ロボットに言及したが、ファンドの初期の投資はそれよりずっと実務的なものが多かった。

画像: Tomohiro Ohsumi/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SaaS/Fintechに特化した「マネーフォワードファンド」立ち上げ——メルカリ、ウォンテッドリーに続き

2017年7月にメルカリが立ち上げた「メルカリファンド」に続き、ウォンテッドリーが「Wantedly AI/Robot Fund」を立ち上げたと今日報じたばかりだが、今度はFintechスタートアップの雄、マネーフォワードがファンドをスタートしたとのニュースが入ってきた。

1月15日、マネーフォワードはSaaS/Fintech領域に特化した「マネーフォワードファンド」の立ち上げを発表した。マネーフォワードファンドは、対象領域でビジネスを展開する企業への出資、事業拡大に必要なノウハウ共有、送客やAPIなどのサービス連携、パートナーとのネットワークを活用した協業支援などを行うことを目的とした、投資プロジェクト。メルカリ、ウォンテッドリーと同様に「ファンド」と呼称してはいるものの、子会社設立やファンドの組成を伴わない、出資プロジェクトとしての位置づけだ。

マネーフォワードは、2015年12月にお金のデザイン、2017年10月にはCAMPFIREおよびLIFULL Social Funding、そして2018年1月にBASEと、これまでに4社との資本業務提携の実施を発表している。

今回のファンド開始の発表と同時にマネーフォワードは、インドネシアでクラウド型の会計ソフト「Sleekr Accounting」とHRサービス「Sleekr HR」を提供するSLEEKRグループへの出資を、前述の4社に加えたファンドプロジェクトの取り組みとして新たに発表。マネーフォワードが海外企業へ出資するのは、これが初めてとなる。

マネーフォワードでは、今後も同ファンドを通じて、国内外でシナジーが期待できるSaaS/Fintech企業との出資を含めた提携を進めていく考えだ。

ウォンテッドリーがAIやロボティクス分野でシード投資、「Wantedly AI/Robot Fund」立ち上げ

ビジネスSNS「Wantedly」などを展開するウォンテッドリーは1月15日、AIやロボティクス分野のスタートアップに出資するプロジェクト「Wantedly AI/Robot Fund」を開始することを明らかにした。

出資の対象となるのは主にAIおよびロボティクス分野において技術や事業の研究、開発、提供を行うシードステージのスタートアップ。出資規模は1件あたり数百万円から数千万円程度の予定だ。ファンドという名称ではあるが、投資事業有限責任組合によるファンド組成や子会社設立はなく、ウォンテッドリー本体から直接投資をするスタイル。この点についてはメルカリの「メルカリファンド」と同様だ。

今回ウォンテッドリーがAIおよびロボティクス分野向けのシード投資を開始する背景には、技術主導型のスタートアップが事業化前の段階で「死の谷」を越えられず、なかなか前に進めない例が多い現状があるという。

同社の場合も創業・経営経験を持つ経営者、投資家からの助言や支援が事業の拡大に繋がったことから、Wantedly AI/Robot Fundを発足。シード期の出資に加えて次ラウンド以降の資金調達支援、プロダクト開発や組織開発などのノウハウ提供やメンタリングを通じてスタートアップの成長をサポートする。また支援内容にはウォンテッドリーが提供するサービスの割引や無料提供、サービス間の連携なども含まれる。

 

“スマホの即時買取”サービス「スママDASH」をジラフがリリース、自宅に眠るスマホを手間なく現金化

目の前にあるアイテムが一瞬でキャッシュに変わる――このコンセプトで昨年大きな話題を集めた「CASH」。その最大の特徴ともいえる”即時買取”というフォーマットは、今後様々な分野を変えていくのかもしれない。

スマホのフリマサイト「スマホのマーケット」を提供するジラフは1月15日、同サイト内で不要になったスマホ端末の即時買取サービス「スママDASH」をリリースした。

スママDASHは「不要になったスマホ端末を処分したいけれど、面等な手続きはしたくない」というユーザー向けのサービスだ。各ユーザーはこれまで通りフリマ形式で自分の希望する金額のもとスマホを販売するだけでなく、スママDASHを通じて手間暇かけずに即現金化することも選べるようになる。

同サービスでは買取依頼をしたい端末の情報を入力し、写真を撮影することで査定申込がスタート。即座に買取金額が提示される。集荷日を設定した後、本人確認に必要な個人情報資料を提出。内容に不備がなければ査定額が振り込まれる仕組みで、未成年は利用できない。

1日あたりの買取り金額は100万円、1台あたりの買取り金額は4万円が上限。金額の査定にはスマホのマーケット、買取価格比較サイト「ヒカカク!」といったジラフが提供するサービスを通じて培ってきた知見を活かすという。

また端末に残っている個人情報の流出を防ぐため、スマホのマーケットで提供しているデータ削除オプション(端末に保存されている各種データをジラフが消去)を無料で提供する。

ジラフ代表取締役の麻生輝明氏によると「CASHやメルカリNOWなどが立ち上がってくる中で、市場の面白い変化のタイミングに絶好の位置にいたので、始めるしかないという判断になった」のがスママDASHリリースの背景だ(ちなみにCASH運営のバンクメルカリはともにジラフの株主だ)。

スママDASHで買取った端末については、ヒカカクの運営を通じてできた中古業者とのコネクションを通じて収益化するほか、スマホのマーケットのラインナップ充実に活用することも検討するという。また同サービスでは画面割れや水没などのジャンクスマホの買取にも対応。こちらは業者間取引などで収益化することを想定している。

「今後は『スマホのマーケット』のブランドを広げていきたいが、スママDASHだけでも大きなインパクトがありうる。特にスマホは売りたい人のニーズが強く(家に埋蔵されている)、これを素早く手間なく現金化できるというコンセプトはユーザーに刺さるのではと考えた。またスママDASHを経由して市場に流れた端末を、個人の方が非常に安く購入できる可能性もある。そうなればただのCtoCマーケットプレイスではなく、即時現金化によってCtoCのマッチングの流動性を上げるという新しい試みにもなりうると考えている」(麻生氏)

メルカリが年内にも仮想通貨交換業の登録申請へ――フリマアプリ内での決済に対応

2017年11月に設立されたメルペイ。メルカリが金融関連の新規事業を行うために立ち上げた子会社だ。同社の代表取締役には元グリーCFOの青柳直樹氏が就任し、役員には元WebPayのCTOでLINE Pay事業を経験した曾川景介氏らが名を連ねるなど注目を集めている。

今まで事業の詳細については明らかになっていなかったが、年内にも仮想通貨交換業の登録申請をして、メルカリ内の決済手段としてビットコインを含む仮想通貨に対応していくようだ。

これについては最初にITproが報じている。同記事によるとメルカリではメルペイを通じて2018年中にも仮想通貨交換業の登録を目指し、主要な仮想通貨を決済手段としてフリマアプリに組み込む方針だという。ICOにも興味を示しているということだから、独自のトークン(コイン)を発行しメルカリ経済圏を広げていく狙いがあるのかもしれない。

メルカリ広報に今回の背景について聞いたところ「仮想通貨についてはまだ社会的なルールを整備している段階と認識している。ただ、メルペイでは新技術を取り入れ色々な可能性を検討したいので、申請しておこうと考えた。まずは簡単に使える環境づくりからと考えている」という回答があった。

本件については新たなプロダクトをリリースするのではなく、メルカリ内の決済手段として仮想通貨に対応する。また具体的な内容は検討中であるものの「国内で6000万強のダウンロード数を持つメルカリの顧客基盤と取引データを活かした金融サービスを展開する予定」(メルカリ広報)だという。

なお昨年12月26日時点で、bitFlyerやQUOINE、テックビューロなど16社が仮想通貨交換業者として登録が認められている。

メルカリ、振り袖など大量出品 『はれのひ』との関連は「確認できていない」

振り袖販売・レンタルを手がける業者「はれのひ」(横浜市中区)と、成人式当日に連絡が取れなくなった問題。ネット上では、フリマアプリの「メルカリ」に大量の振り袖などを出品していたユーザーとの関連を疑う声が上がっている。

メルカリの広報担当者はハフポストの取材に対し、現時点で「はれのひ」との関連は確認できていないと回答した。ただ、利用規約違反の可能性があるため、出品は非表示にしたという。

「はれのひ」公式サイトより

振り袖などが大量に出品されていた

「はれのひ」をめぐっては、成人の日の1月8日早朝、予約金を受け取りながら突然行方不明となり、多くの新成人が購入・レンタルした振り袖を着られなかった。

問題発生後、メルカリに振り袖や帯、草履などの関連商品が大量に出品されていることがTwitter上で指摘された。出品者のページには、振り袖や帯などの品物が数十品出されていた。

この出品について、メルカリ広報担当者は次のようにコメントした。

「一部報道において、メルカリ上で『振袖』を複数出品しているアカウントが『はれのひ』の関係者ではないかという憶測がなされておりますが、現時点でそのような事実は確認されておりません。

なお、インターネット上でその関連性が指摘されている該当アカウントにつきましては、『はれのひ』との関係性の有無にかかわらず、法人利用の禁止という利用規約違反の疑いがあるため出品中の商品を一時的に非公開とし、商品の入手先や本人確認を行っております」

「はれのひ」の被害相談、450件以上

「はれのひ株式会社」(横浜市中区)は、成人式用の振り袖販売、レンタル、写真撮影、着付けなどを手がけており、着物の幅広い品揃えや女性スタッフによるサービスを売りにしていた。

2008年に創業し2012年7月末に初の直営店を横浜にオープンさせた。公式サイトには横浜みなとみらい店、八王子店、つくば店、福岡天神店と全国4店舗が案内されている。また、民間信用調査会社の「東京商工リサーチ」によると、他に、横須賀市と柏市にも店舗があるという。

成人式の1月8日早朝、ネット上で予約金などをすでに払っていたにも関わらず、突然店舗と連絡が取れなくなったという報告が多数寄せられた。朝日新聞デジタルによると、9日夕方までに寄せられた被害相談の件数は450件を超える。

同社で振り袖を購入、着付け予定だった大学生の女性(20)はハフポスト日本版の取材に対して、「一生に一度しかない晴れ舞台を、こんな形にされて、悲しい気持ちもたくさんあるし、2度とこんなことが起こってほしくない」と話した。

HuffPost Japanからの転載。