Fordは今年の後半から、車にAlexaの搭載を計画

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多くの自動車メーカーが自社の車用にAlexaのスキルを搭載しているが、傾向としては車のオーナーがEchoデバイスを介して家の中から車を始動できるといったものである。FordとAmazonは、これとは逆方向にAlexaを統合しようとしている。FordのSYNC 3インフォテイメントシステムに組み込まれたAlexaを使い、車から家の制御を音声で行うのだ。

フォードのプレスリリースによると、Alexaの統合は「これまでの車両の中で最も包括的なもの」ということだ。 Alexa経由で利用できるスキルは、ドライバーにオーディオブックや音楽を再生させたり、家ではできないようなこと、例えば特定の目的地を指定してその経由地を車載のナビゲーションシステムに転送したりすることなどだ。

FordとAmazonは、消費者のためのインターフェースモードとしての声に高い価値を置いている。何より車内では音声ベースのインタラクションの方が、気晴らしにもなり運転に集中しやすくなる可能性が高いのだ。

Fordによれば、この車載のAlexaはこの夏頃からユーザーの手元に届くようになる。簡単に買い物リストにアイテムを追加したり、天気を調べたりするといった、ユーザーが慣れ親しんだAlexaの便利な機能を提供する。Amazonは、Alexa側の経験をコントロールし、車載用途としてさらに最適なサービスバージョンを構築するための注意を払いながら、統合に向けてのプログラミングを行っている。

Fordは、昨年のCESでプルーフオブコンセプトとして、Alexaの統合を実際にデモしていたが、今年後半に予定されている実展開に先立ち、現在Fordの従業員たちによるベータテストを進めている。私はAlexaの大ファンだ。そして私はずっと車の中で使えれば完璧なのにと思って来た。私が直接見たところでは、Fordの技術デモはうまく働き、通常の車載音声ナビシステムよりも、遥かに容易に利用可能な経路を尋ねて得ることができるようだ。

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Alexaが、家庭でのパフォーマンスを発揮することができるのか、それ以上に改善できるのかは、Echoベースのバージョンと比べて、ローンチに際しどのような種類の機能セットが用意されるのかによって大きく異なる。もしその機能のほとんどがそのまま使えるのなら、とても素晴らしいことだ – 車を車庫に入れながら、これから始まる楽しいNetflix(ストリーミングビデオ)のどんちゃんさわぎのためのホームシアターの準備を、Harmony(Alexaと一緒に動作する家電ハブ)を通して行うことができるようになりたいものだ。

またAlexaは家庭のEchoデバイスを通してFordの車両を制御するようにもなる。最初はFord Focus Electric、Fusion Energy、C-MAX Energiからだが、こちらの方はもっと早く提供される予定だ、今月の後半には、車のエンジンの起動と停止、ドアの施錠などを声を使って家の中から快適に行うことができるようになる。

Fordは私に、両社のパートナーシップ並びに、音声ベースのインタラクションの拡張と車内の仮想アシスタントの観点から見て、これは「ほんの入口に過ぎません」と語ってくれた。

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(翻訳:sako)

フィアット・クライスラーとGoogle、Androidを車載システムに統合へ―CESでデモ展示

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今日(米国時間1/2)、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビル)はAlphaebetの新会社、Waymoが協力を進めていることを発表した(Waymoは以前のGoogle自動運転車事業部)。

GoogleはWaymoを通じて、自動運転テクノロジーだけでなくAndroidを利用した車載システムもFCAに提供する。Androidベースのシステムは標準的車載機器をコントロールし、インターネットに接続して情報やエンターテインメントを乗員に届ける。 FCAの新しい車載システムはUconnectと呼ばれ、Android 7.0がベースとなる。新システムはAndroidアプリと互換性があるのはもちろん、エアコンその他の車載デバイスを動かし、地上波ラジオ局を受信するなどきわめて多機能だという。.

GoogleとFCAの協力はAndroid Autoを含めて非常に広範囲となるはずだ。Android Autoは操作がシンプルでドライバーの注意力を補ってくれるドライバー・フレンドリーなレイヤー化されたAndroidシステムだ。表示には車載ディスプレイまたは所定のマウントに挿入されるスマートフォン(自身の電源で作動)が利用される。Googleは検索事業の巨人だが、自動車産業への進出に高い優先順位を与えることにしたようだ。今回の動きはGoogleが自動車メーカーの車載システムに自社のテクノロジーを基本的なレベルで組み込もうとしてることの現れだ。

FCAのプレスリリースによれば、GoogleのAndroid Engineeringの責任者Patrick Bradyは「われわれはAndroidをすべての機能が備わった本当の意味でのターンキー車載システムにする。これは自動車自身のシステムと安全性を確保しつつシームレスに結合したものになるだろう」と述べている

フィアット・クライスラー側にとってGoogleとAndroidは非常に魅力的な機能と柔軟性を提供する。つまり自動車メーカーとしての車載システムの独自性を失うことなくユーザーにAndroid互換性を提供することができるわけだ。

FCA の電気工学の責任者、Chris Barmanはリリースで「Uconnect車載システムはAndroidをベースにすることで、ユーザーが見慣れたUIを通じてシンプルな操作が可能になり、Androidエコシステムに含まれるすべてのアプリがそのまま利用可能になる」と述べている。

自動車メーカーが車載システムの独自性やコントロールを保持できるというのはGoogleがもつ大きな優位性だ。AppleもCarPlayを通じて車載システムへの進出を図っているが、Appleがブランドはもちろん、UIのルック・アンド・フィールを含めてCarPlayに対するコントロールを手放すとは考えられない。対自動車メーカーにかぎらず、iOSや最近のOS
X/macOSを含め、Appleはこれまでサードパーティーに基本ソフトウェアの改変を許したことはない。

なるほど、自動車メーカーはUIの専門家ではないので、ルック・アンド・フィールのデザインを任せることは理想的な解決策とはいえない。過去の例をみても、不細工なUIが作られるリスクが多いにある。しかし自動車メーカーはドライバーの注意を散漫にしないよう当局が設けた厳しい規制に従わねばならない。つまり自動車メーカーが車載システムのUIデザインの主導権を外部のソフトウェア・メーカーに完全に譲り渡すことはないだろう。ここで述べたような安全上の理由に加えて、ユーザー体験の主導権を手放したくないというメーカーとしての理由もあるだろう。

GoogleのAndroid OSに対しての柔軟性が車載システムでのシェアを獲得する際の切り札となる可能性がある。さまざまなレベルの自動運転システムが普及するにつれて、ドライバーの車内での時間は根本的に変化するだろう。インターネット企業にとってさらに価値の高いものになるはずだ。今週ラスベガスで開催されるCESでAndroidと統合されたUconnectがデモ展示されるという。私もCESに行くので実地に試してみたい。しかし現時点でのユーザー体験のレベルとは別に、FCAとの提携はGoogleにとって非常に有効な一手となったと思う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Volkswagenの今度のEVは未来の自動運転を完全に意識、ハンドルがどこかへ隠れてしまう!

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Volkswagenは、今年の初めにパリのモーターショーで披露したI.D.コンセプトカーの系列を拡張した新しいコンセプトカーを、1月にデトロイトで行われる北米国際オートショーで正式に発表する。今日同社は、そのコンセプトカーの“予告編”をリリースして、その車種の詳細をいくつか垣間見せた。それにより、その設計が、将来の自動運転車を完全に想定していることも分かる。

今回I.D.系列に新たに加わる車種はフル・エレクトリック、ハイブリッドでない完全な電気自動車(EV)で、同社のModular Electric Drive(MEB)がベースだ。この新しいプラットホームをVolvoも使用して、そのEVラインを今後10年間で30車種以上に広げる計画だ。

この新しいコンセプトは、パリのオートショーで紹介されたI.D.よりも未来志向のようだ(I.D.は、MEBをベースとする最初の量産車両になる、と同社は言っていた)。新しいコンセプトカーの設計は完全に自動運転を前提しており、ステアリングホイールはあるけれども、VWのロゴのあるボタンを押すと、ダッシュボードの中へ格納され、運転者がくつろげる空間を作る。

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その設計/デザインはまるで、人間が運転しなくなった時代の車はどうあるべきか、をヴィジョンしているようだ。実際に“ポスト人間運転”の車が路上を走るようになるのは、もっと未来の話だが、今現在の消費者向け自動車に自動運転車の技術を部分的に導入するVWの考え方は、やはりおもしろい/興味深いと言える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Uberの自動運転車はサイクリストを危険にさらす、と自転車愛好家グループが警告

車のオンデマンド配車で巨大企業になったUberは先週、州の許可なしで公道上の自動運転車のテストを行い、論議を招いた。

本日(米国時間12/20)Uberは、自転車愛好家たちが、その試験車両には右折時の“右フック”(巻き込み)問題があり、サイクリストを重大な危険にさらす、と警告したため、火に油を注ぐ結果となった。

このシナリオでは、車両が自分の車線から右折しようとするとき、自転車用車線に合流してから安全に右折を完了するのではなく、曲がり角でサイクリストを妨害することもありえる。

San Francisco Bike Coalition(サンフランシスコ自転車連盟)によると、これが、自転車と自動車の接触事故の主な原因の一つであり、今年の初め、Uberのためにビデオでコンサルティングしたときにも指摘した事実である:

この種の方向変えは、重傷や死亡に結びつくような自動車と自転車との接触事故の、主な原因の一つとして知られている。それはまた、われわれが職業的運転者に提供しているすべての交通安全教育において注意を喚起している、危険な行為である。その教材には、この秋というごく最近の時期にUberのためにコンサルティングしたときの、ビデオも含まれる。

The Guardianの記事によると、Uberはこの問題を知っているが、その自動運転車両の稼働を継続した。その場しのぎの策としてUberは、自転車専用車線のある道路で右折するときには人間運転者が運転するよう、命じていたという。

この“右フック”問題が大きく報じられるよりも前にカリフォルニア州の司法長官Kamala Harris(州選出の上院議員にも選ばれている)は、州自動車局の特別許可が得られるまでUberのテストを中止するよう要求した。

Uberは、Self-Driving Coalition for Safer Streets(より安全な道路のための自動運転連盟)の創立メンバーだ。本誌TechCrunchは、この記事のアップデートのために、同社と連盟にコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

古いおんぼろ車でも簡単に多機能なインターネット接続カーになるDashbot、安価なオープンハードウェアとして登場

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今とてもクールな車を持ってるのに、誰がスマートカーなんか必要とするの? Dashbotは49ドルの車載用アクセサリで、運転中にスマートフォンやAlexaでインターネットと対話できる。手が空くから、髪をポマードで塗り固めた悪党をやっつけたり、頭上でヘリコプターが爆発する前に罪なき人びとを救える*。この製品はBluetoothスピーカー+αで、αの部分にたくさんの機能がつまっている。Alexa専用デバイスと入れ替えれば、あなたのスマートフォンに手を触れずに容易に対話ができるようになる。〔*: 30年前の電脳カー、ナイトライダーのエピソード。〕

システムは車のライター(煙草用)とステレオのAuxジャックかBluetoothで接続する。スマートフォンを車に近づけるたびにインターネットに接続し、また、完全なコンピューターなのでワイヤレスのOBD-IIセンサーにアクセスして車のセンサーデータをリアルタイムで読む。

DashbotはコンピューターボードとしてC.H.I.P. Proを使っている。それは、Raspberry Pi的な、超小型シングルボードコンピューターだ。その上でLinuxが動き、すべてが完全にオープンソースなので自由なハッキングを楽しめる。

開発チームは曰く:

DashbotはC.H.I.P. Proを使っているから、ユーザーが新しい機能を教えることができる。使っているOSのGadget OSは、Linuxベースの高速ブート型オペレーティングシステムで、わが社の主軸製品だ。Next Thing Co.のそのほかの製品もすべてそうだが、Dashbotもオープンハードウェアであり、そのソフトウェアはオープンソースだ。そしてもちろん、DashbotはAPIを公開している。

 

実はDashbotのチームはC.H.I.P. Proをリリースしたチームと同じチームで、ハードウェアスタートアップのためのアクセラレータHAXの卒業生だ。Kickstarterの締め切りまでまだ20日あるが、すでに目標額を大きく超えている。古い車でもワンタッチでスマート(電脳)になるから、きっと楽しい製品だろう、とぼくは思う。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アメリカ国家道路交通安全局、運転時のスマートフォンの機能制限を提案

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国家道路交通安全局(NHTSA)が、運転中にスマートフォンに気を取られないようにするための、新たな自主規制ガイドラインを発表した。対象はAppleやGoogleを含む、スマートフォン関連ソフトウェアおよびハードウェアメーカーだ。

あくまでも自主的な努力目標のような意味合いではあるが、運転手が注意力散漫となり引き起こされる事故の増加をうけて構成されたものだ。車内で利用する際に、より操作しやすいインタフェースを実装した「ドライバーモード」の搭載などを訴えるものだ。

そうした動きについては既に耳にしたという人もいるだろう。Googleは新しくしたAndroid Autoに、タッチするボタンなどを大きくするなど、簡単なインタフェースで操作できるようにしている。車の中でダッシュボードマウントなどに取り付けて操作する場合でも、従来よりも簡単にナビ画面の操作や音楽再生操作が行えるようになっている。国家道路交通安全局としてはそうした機能をより多くのデバイスに対応させたい考えだ。さらに、発表されたガイドラインには、スマートフォンなどの機能を一部制限するような内容も盛り込まれている。

ちなみにこのガイドラインの冒頭に記された内容によれば、2015年の交通事故死亡者のうちの10%は、きちんと注意していなかったドライバーに起因するものであるとのこと。前年の8.8%から上昇しており、対応を急ぐ必要があると判断したのだろう。国家道路交通安全局としては、視覚的に集中力を削ぐもの、またハンドルから手を放さなければならない危険な操作を伴うもの、また認知能力を低下させるものについて、対応することを主な目的として、ガイドラインを作成したようだ。

今回発表された改訂版のガイドラインでは、スマートフォンを自動車の情報システムと連携させて利用する際に、特定の機能を使えなくするといった内容も含まれる。たとえば運転に関係のない動画や、無用な写真やグラフィック、ないし自動スクロールのテキスト(自動スクロール機能を使って本を読みながら運転する人もいるようだ)などを排除したい考えだ。また、音声によるのでない文字入力や、長文の文字情報なども表示させないようにすべきだともしている。

国家道路交通安全局の考えるガイドラインでは、ドライブモードでの利用中には上に記したような機能を利用できなくして、単純かつ簡単なインタフェースを表示するのをオプションでなく必須のものとして実装させたいとのこと。もちろん、同乗者の利用するスマートフォンについては、機能制限を行うべきではないとしている。すなわちドライバーと、同乗者を区別するための機能の搭載も、メーカー側に求めているということになる。

デバイスの機能制限をするということは、実現しようと思えば簡単にできることだ。ただし利用者の識別というのは難しい話となるだろう。車載情報システムと連動していないときにも、たとえばCarPlayやAndroid Autoの機能をオンにするのは簡単なことだ。ただし運転者と同乗者を区別し、そして運転中に運転者が利用している場合にのみ、自動的に機能制限を行うという仕組みは難しいものとなりそうだ。

もし技術的に実現可能となっても、利用者の自由な操作を不可能とする機能の実現については、スマートフォンメーカーは積極的には成り得ないだろうと思う。もちろん国家道路交通安全局も決定事項として通知しているわけではなく、広く議論・コメントを要望するというスタンスだ。まずはデバイスメーカーがどのように動くのかに注目したい。

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(翻訳:Maeda, H

Samsungが自動車部品大手のHarmanを80億ドルで買収:コネクテッドカー分野の強化を狙う

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Samsungが自動車部品、オーディオ機器のHarmanを80億ドルで買収すると発表した。Samsungが今後コネクテッドカー(IT化されたクルマ)に注力していくという意志の表れだろう。

Harmanという名前を聞くと、オーディオ機器を浮かべるという読者も多いとは思うが、同社は自動車部品の大手でもある。今回買収は、Samsungの買収案件としては過去最大級のものであり、同社がもつ自動車分野への野望がうかがえる。Harmanの昨年の売上高は70億ドルで、その65%は自動車関連部品からの売上だ。今回の買収により、コネクテッドカー向けのデバイスやオーディオ・システムといったHarmanの製品が、世界中で3000万台とも言われるサムスン製のクルマに搭載されることになる。

Samsungはクルマ向けのエンターテイメントやソフトウェア・システム分野でGoogleやAppleに遅れをとってきた(GoogleにはAndroid Autoが、AppleにはApple CarPlayがある)。そのため、今回の買収はSamsungがライバル企業に追いつくための手段だと言えるだろう。

Samsung Electronicsの副会長兼CEOであるOh-Hyun Kwonは、「テクノロジー、プロダクト、ソリューションという点において、Harmanは当社を完全に補完する存在です。私たちがこれまで注力してきた自動運転車という分野を拡大するためには、今回の買収は自然の流れだったと言えるでしょう」と買収を伝えるプレスリリースの中で話している。

買収金額は1株につき112ドルで、総額は80億ドルとなる。記事執筆時点でのHarmanの株価が87.65ドルだということを考えれば、健全なプレミアムが付与された買収価格だと言える。買収が完了するのは2017年中旬を予定しており、それ以降HarmanはSamsungの子会社となる。しかし、Harmanの運営はこれまで通り現経営陣が行う。HarmanとSamsungの両社によれば、Harmanの会長、プレジデント、CEOを務めるDinesh Paliwalは今後も続投する予定だ。

今回の買収についてPaliwalは、「SamsungはHarmanにとって理想的なパートナーであり、私たちの顧客である自動車メーカーや消費者は、今回の買収によって大きな恩恵を受けることになるでしょう」とコメントしている。

Googleが自動車関連のテクノロジー開発を急速に進め、Appleも電気自動車を開発しているのではないかと報じられるなか(そうではないとも報じられているが)、Samsungが今年2016年に自動車向け事業の基盤構築に動いたことは当然の流れだと言えるかもしれない。

今年の夏、SamsungはWarren BuffettのBerkshire Hathaway Inc.も投資する中国の電気自動車企業、BYDに4億5000万ドルを出資している。また、同社がFiat Chryslerの製造子会社であるMagneti Marelliにも目をつけていると報じられたこともあった。

しかし、今回の買収から受ける恩恵は自動車分野だけに限られたものではないとSamsungは話している。同社はSamsungの電子機器事業とHarmanがもつオーディオ分野の専門知識を組み合わせようとしているのだ。両社ともに消費者向け、ビジネス向けのオーディオ事業を抱えているだけでなく、HarmanはIoTデバイスに関する知識も持ち合わせているからだ。

IoTという言葉は今でもバズワードとなっているが、SamsungはHarmanが抱える8000人のディベロッパーを活用して「消費者、そして企業に次世代のクラウドベースの顧客体験を提供し、デザイン、データ、デバイスを組み合わせたエンドツーエンドの自動車向けサービスを提供する」と話している。

他のSamsungによる買収の中で特出すべきものとしては、AppleのSiriを生み出したメンバーが経営するバーチャル・アシスタントのViv、そしてクラウド・コンピューティングのJoyentなどが挙げられる。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Comma.ai、自動運転機能を付加するComma Oneの販売を取り止め

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著名なiPhoneハッカー出身で起業家であるGeorge Hotz(通称geohot)は、自身が設立した自律走行車のスタートアップの最初の製品であるComma One aftermarket add-onの販売を取り下げた。この製品は特定の市販車に対し、高速道路での自律走行的なアシスタント機能を後付けで付与するものだ。

HotzがComma.aiの公式Twitterアカウントで発表したところでは、今回の中止決定は米国運輸省(NHTSA)からの手紙を受けてのものだ。NHTSAからの手紙の内容は、その米国内での交通安全を確保する責務に基づき、Comma Oneが一般向けに販売可能になるのに先立って、その製品が種々の規制に準拠していることを確認する必要があるということを説明するものだった。

そして、NHTSAはComma.aiに対して「特別命令」を発し、同社がComma Oneに関しての15の質問に詳細に答えるように求めた。その質問とは、その製品のデザイン、テストの方法と安全性試験に関する情報、対象となる車種と販売に至るまでの予想されるスケジュールに関してだった。これらの質問は、たとえ使用条件が限定されるにしても、運転手から運転を引き継ぐことを目的とした装置を販売することを考えれば、至極真っ当な要件事項に思われる。

HotzがComma.aiの公式アカウントからツイートしたところでは、同社は要求された質問に答える代わりに、Comma Oneの販売を完全に中止し、今後「他の製品とマーケットに」軸足を移して行くという。Hotzによれば、その理由とは、「規制当局と弁護士に対処するような生活など、その価値もない」ということだ。Hotzが記しているように、彼は中国の深圳からツイートしており、彼はそこでComma Oneの製造に何らかの関わりのある仕事を行なっていた可能性もある。

Comma Oneが最初にお披露目になったのは先の9月に開催されたTechCrunch Disrupt SFのイベントで、そこでHotzは製品のプレゼンを行い最初の顧客に対しては今年度末までに製品を出荷すると発表した。そのステージで私はHotzに安全性と製品に対する懸念について尋ねたが、彼はComma Oneについてはこれまでの既存のテクノロジーが提供していないことは何もしていないとして、自らの製品に対する自信を表明した。

 Hotzは競合他社が実際に自律走行や運転支援機能を出荷できていないことをステージ上で批判した。また、HotzはテスラCEOのイーロン・マスクと書簡を交わしていおり、その中でテスラ内でのポジションのオファーがあったことの詳細について述べた。
我々はHotzに、Comma Oneの販売中止や同社が他にどんな製品を用意しているのか、また次にComma.aiがどのような市場をターゲットにしているか、に関してさらなる情報を求めてコンタクトを試みたが、この文章を公開する時点で返事は届いていない。Comma.aiが受け取ったNHTSAからの手紙の全文はここで。

[原文へ]

(翻訳:Tsubouchi)

Otonomoが1200万ドルを調達、コネクテッドカーのデータ標準化サービスを展開

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自動運転車が私たちの日常生活に浸透しているとはまだ言えないものの、インターネットに接続された車の数は急速に増えている。

路上を走る車の5分の1、そして世界中で新たに製造される車のほとんどが、2020年までにワイヤレスネットワークに接続されるようになるとGartnerは予測する。一方で、現在世に出ているコネクテッドカーのデータを有効活躍できている組織はほとんど存在しない。

イスラエルのヘルツリーヤ(Herzliya)に拠点を置くOtonomoが、その状況を変えようとしている。

同社のシステムは、数々の自動車・自動車部品メーカーから集めた、車両やドライバーに関するデータを収集し標準化している。そのため、さまざまな企業がそのデータを利用してドライバーについて学んだり、新しい製品やサービスをドライバーに提案したりできるのだ。

Otonomoはこの度1200万ドルを調達し、この資金は同社のテクノロジーや事業の拡大に利用される予定だ。Bessemer Venture Partnersがリードインベスターとなった今回のラウンドには、StageOne VenturesManiv MobilityLocalGlobeが参加した。

資金調達のほかにもOtonomoは、元GM副会長のSteve Girksyと元OnStarジェネラル・マネージャーのMary Chanを顧問として迎えたと発表した。さらに、元AT&T Business Solutions CEOのAndy Geisseも同社の取締に就任した。

Bessemer Venture Partnersでヴァイスプレジデントを務めるAmit Karpは、車メーカーのほかにも保険、スマートシティ、交通・輸送、ファイナンスといった自動車の周辺業界は、Otonomoのサービスを新しい製品やサービスの開発に利用することができると話す。

OtonomoのCEO兼共同ファウンダーであるBen Volkowは、ディベロッパーや企業が扱いやすいデータを提供することで、コネクテッドカーから収集したデータがさまざまな場面で有効活用されるようになると話す。

例えば市役所であれば、大都市のドライバーの行動を研究することで、電子標識や信号の利用法を最適化し、より安全な道路環境を築くことができる。また、スターバックスやダンキンドーナツ、マクドナルドといった企業であれば、長時間運転を続けていて、どこかの店舗の近くにいるドライバーに対してクーポンを届けることができる。また、保険査定員であれば、ドライバーのセルフレポートを待つのではなく、車から直接データを入手することで、事故が起きた時の請求処理がスピード化する。

「ある企業やディベロッパーが、コネクテッドカー向けのサービスを開発したいと考えているとしましょう。通常彼らは、直接自動車部品メーカーを訪れて、入手したデータを標準化してから車メーカーと契約を結ばなければいけません。しかし、Otonomoがその間に立つことで、彼らの手間を省くことができるんです」とKarpは語る。

さらに彼は、Otonomoの存在をオンラインペイメントのStripeや、通信のTwilioに例えていた。

Otonomo CEOのVolkowによれば、今回の調達資金は、増員や研究開発、主要自動車・自動車部品メーカーとの関係強化に使われる予定だ。

コネクテッドカーから入手したデータを第三者に提供する上で重要なのが、地方自治体や州、国家レベルの法律・規制、さらにはさまざまな企業のポリシーに沿った形で情報を公開するということだ。

「Otonomoのポリシーエンジンには何百種類ものルールが設定されているほか、弁護士との協業を通して私たちは関連規制・法律も心得ています。外部へ積極的に情報公開を行っている自動車メーカーであれば、私たちは全てのパラメーターをチェックし、詳細をぼやかして匿名性を高めますし、限定的な情報公開しか行っていない場合でも、誰のプライバシーも侵さず、法規制に則った形で情報提供を行います」とVolkowは話す。

さらに、自動車メーカーがユーザーデータのテコ入れを行う中、Otonomoはそれを補助するような役割を担っているため、各メーカーが同社と仕事をしたがっていると彼は語る。またVolkowによれば、GoogleやAppleといった大手テック企業が自動運転車や関連システムの開発に力を入れている一方、Otonomoが提供するサービスは自動車メーカーの中核事業とは競合しない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

BlackBerryがFordとパートナーして、同社のまれな孝行息子QNXの多方面的車載利用を推進

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BlackBerryのQNX部門は、このカナダの企業の希少な明るい材料だ。このソフトウェア制作部門が作っているオペレーティングシステムQNXは、多くの自動車メーカーが車載インフォテインメントシステムの中核として採用している。BlackBerryによると、現在、6000万台あまりの自動車の上でQNXが動いており、そして今度からそれは、Fordのインターネット接続車にとって、さらに重要な存在になる。

FordとBlackBerryがこのほど署名した協定によると、FordはBlackBerryのQNXとセキュリティソフトウェアの、インターネット接続車における利用を拡大する。それまでFordは、車載インフォテインメントシステムSYNC 3のOSとしてQNXを使用し、広く欠陥が批判されているMicrosoftの最初のSyncとその後継システムをはねつけていた。

BlackBerryによると、同社は今後、Ford専任チームを設けて、FordによるQNXの多方面的利用を支えていく。ただしその具体的な内容や費用等は、非公開だ。

この契約により、少なくともFordとQNXは直接的な関係になり、あいだに入る業者等はありえなくなる。これでBlackBerryはFordの第一層サプライヤーになるが、それまでは直接ではなく、Fordに納めている機器等のメーカー、たとえばPanasonicなどが、相手だった。

プレスリリースは自動運転車には触れていないが、QNXのソフトウェアは自動運転車への適合条件をクリアしている。そしてFordは自動運転技術の追究に熱心だ。だからBlackBerryのソフトウェア(QNXほか)がそれらの計画に関与することも、十分ありえる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トヨタ、カーシェアリングサービスGetaroundとパートナーシップを締結

NEW YORK, NY - MAY 24:  (L to R) Tony Conrad, Elliot Kroo, Jessica Scorpio, and Sam Zaid of Getaround attend TechCrunch Disrupt New York May 2011 at Pier 94 on May 24, 2011 in New York City.  (Photo by Joe Corrigan/Getty Images for AOL) *** Local Caption *** Elliot Kroo; Jessica Scorpio; Sam Zaid; Tony Conrad

自動車メーカーは、個人が自動車を所有する以外の未来の交通手段を模索したり、投資先を探したりしている。トヨタは、スタートアップが提供する交通モデルに賭けるようだ。トヨタはサンフランシスコに拠点を置くカーシェアリングサービスGetaroundに戦略的な投資を実施すると発表した。トヨタは投資の他に、Getaroundのプラットフォームのテクノロジーと車を購入する時のファイナンスの部分を連携する。この施策は、トヨタの自動車を持つオーナーがGetaroundに参加するインセンティブになるだろう。

Getaroundは、車を使っていない時に貸し出すことができるサービスだ。ユーザーは車が動いていない時間を減らし、また車を所有することでかかるコストをいくらか賄うことができる。

戦略的なパートナーシップの一環として、トヨタはLexusを始めとする車両を提供する。これらの車をGetaroundで借りる時、スマホがあれば鍵なしで解錠して運転することができる。2017年1月からはトヨタの金融サービス部門と連携し、トヨタの車の支払いをGetaroundで得た収益から引き落とすことができるようになるという。車で得た利益を車のコストに充てるための手順が減る。

トヨタとGetaroundの提携は、他の自動車メーカーとスタートアップのパートナーシップと似ている。例えば、GMはLyftと提携している。また、これはTeslaがTesla Networkで実現しようとしているモデルにも似ている。車の所有者は、車を使用していない時にオンデマンドで貸し出すことができるモデルだ。ただ、Teslaのカーシャエアリングでは自動運転車を想定しているという違いもある。

車メーカーは特に都市部での交通において、個人が車を所有する以外の選択肢を広く検討している。カーシェアリングサービスを直接支援し、今回トヨタが行ったような車の購入資金の工面につなぎこむというのは賢い施策だ。

Getaroundは2011年のDisrupt New Yorkで開催したTechCrunchのStartup Battlefield で優勝している。競合にはTuroや同じビジネスモデルを目指すTeslaのような大手自動車メーカーもある。今後この分野の競争は過熱しそうだ。自動車メーカーが自社の専門性を用いて参入しようとすれば企業の統合も加速することが予想される。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

新しい自動車メーカーの誕生

編集部注:本稿はAdvanced Telematic Systemsの創業者兼CEOであるArmin G. Schmidt によって執筆された。同社は自動車業界のソフトウェア開発を支援する企業だ。彼はこの他にも、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどにある数多くのイノベーティブなテック企業で役職をもつ。

 

フランスのMulhouseという街にあるCité de l’Automobileは素晴らしい場所だ。スイス人のHansとFritz Schlumpf兄弟の自動車に対する強い愛情のおかげで、この場所には多くの自動車が展示されている。展示されている自動車を集めるための費用は、彼らが立ち上げたビジネスから得た収益で賄われた。彼らはウール製品向けの紡績工場を経営していた。面白いことに、「Schlumpf」をドイツ語にすると「smurf」となる。アニメの「Smurf」を覚えている読者であれば、The Cité de l’Automobileを見て「Smurftastic(最高に素晴らしいという意味の造語)」と言うことだろう。

Schlumpf兄弟の自動車に対する過剰な愛情と、1970年代に布製品の生産がアジア国々にシフトしていった事が理由で、ついに彼らのビジネスは破産してしまった。そこで彼らはフランスを離れ、故郷のスイスに戻ることにした。その頃までには、彼らの自動車コレクションの価値はとても高くなっており、フランス政府は彼らのコレクションには歴史的な希少価値があるとして、それを破壊したり輸出したりすることを禁止する命令を出した。そして1978年、彼らのコレクションはCouncil of Stateによってフランスの歴史的記念物として認定されることとなったのだ。

数年前、今では世界最大の自動車博物館となったCité de l’Automobileに訪れる機会を頂いた。まさに自動車の栄光の時代にタイムスリップしたような感覚だった。何百もの自動車で埋め尽くされた巨大なホールを歩いていると、その多くはかつての「スタートアップ」(過去の起業家にも現代の用語を当てはめることは可能だろう)がゼロから自動車を創り出し、ブランドを確立し、誕生したばかりの自動車市場でのシェアを奪い合っていた時代に製造されたものだということに気付くだろう。馬によって移動することはもはや時代遅れとなり、それが理由で私たちは乗馬を贅沢な趣味として認識するようになった。

新しいテクノロジーが誕生して産業が革新的な発達を遂げたことにより、当時のスタートアップは限られた資本でも自動車を製造することができるようになった。第一次の自動車ブームが始まったのだ。例えば、1920年代には自動車はボディ・オン・フレームという製造方法で製造されていた。この方式では別々のサプライヤーから供給される部品をモジュールとして組み合わせることが可能になる。その後、開発予算のあるハイエンドのクルマ向けにユニボディ構造が採用され、高精度に一体化された車両が開発されるようになった。この構造はボディ・オン・フレームは開発コストはかかるが、大規模に生産することができれば開発コストを下げることも可能となる。現代の電気自動車のなかにはボディ・オン・フレームというコンセプトに回帰したものもあり、例えばBMW i3の頑丈なフレームの中にはドライブトレイン(クランクやチェーンなど自動車を前に動かすためのパーツの総称)とバッテリーが組み込まれている。

これから挙げる自動車ブランドのリストはCité de l’Automobileに展示されている自動車のほんの一部だ。もしあなたがこの中の3つ以上のブランドを知っているとすれば、正真正銘の自動車エキスパートと名乗ることもできるだろう。もしそれが本当ならば、今度会う時にはお酒を一杯おごろうではないか。 ABC、Amilcar、Arzens、Aster、Ballot、Bardon、Barraco、Barré、Baudier、B.N.C、Bollée、Brasier、Charron、Cisitalia、Clément de Dion、Clément-Bayard、Clément-Panhard、Corre La Licorne、Darracq、Decauville、 De Dietrich、 De Dion-Bouton、 Delage、 Delahaye、 Delaunay-Belleville、 Dufaux、 Ensais、 Esculape、 Farman、 Fouillaron、 Georges Richard、 Gladiator、 Gordini、 Horlacher、 Hotchkiss et Cie、 Hotchkiss-Gregoire、 Jaquot、 Le Zèbre、 Lorraine-Dietrich、 M.A.F.、 Mathis、 Maurer-Union、 Menier、 Minerva、 Monet-Goyon、 Mors、 Neracar、 O.M.、 Panhard & Levassor、 Pegaso、 Philos、 Piccard-Pictet、 Pilain、 Ravel、 Rheda、 Richard-Brasier、 Ripert、 Rochet-Schneider、 Sage、 Salmson、 Scott、 Sénéchal、 Serpollet、 Sizaire-Naudin、 Soncin、 Turicum、 Vermotel、 Violet-Bogey、 Zedel.

この優秀なスタートアップたちが自動車を製造していた時代は、まだクルマの燃焼機関が参入障壁として機能していなかった時代だった。その後、GM、Ford、Mercedes、Toyota、BMW、VWなどのメーカーが40年以上もの間マーケットを独占することになる。これにより、これらの大規模メーカーとMcLarenやLotusのような小規模メーカーとの間に巨大な壁が生まれたのだ。

もちろん、DeLoreanやFisker、Artegaのようなスタートアップが誕生したことは事実だ。しかし、燃焼機関を搭載したクルマを製造開発し、マーケティングを行って製品を販売し、そして言うまでもなくディーラーのバリューチェーンを維持するというビジネスは、大規模で資金力のある企業が常に勝利する試合だった(今でもそうだと主張する者もいる)。自動車業界でスタートアップを立ち上げて成功させるのは簡単ではない。1億ドル以上の資金を調達できないスタートアップはすべて、遅かれ早かれ倒産の道をたどることになるだろう。特に、大半の投資家はこの業界を触れてはいけないもののように扱っている。非常に大きなリスクを伴うのにもかかわらず、成功する確率が低いからだ。

次世代のクルマや商用車、そして他のタイプの交通手段を開発することを目的としたスタートアップが次々に誕生しつつある。

しかし、2004年に台湾に現れた1人の男がすべての常識を覆した。Elon Muskだ。その時彼は、台湾だけでなく様々な場所で資金を調達するために奔走していた。彼が開発した第一号モデル「Roadster」をローンチするための資金だ。当時このクルマに使われていた部品の大半は、人口2300万人の島国である台湾で製造されたものだった。この国は世界中に存在するPCやノートパソコン・メーカーの8割に部品を供給しているだけでなく、iPhoneで使われているマイクロチップのすべてを生産していることでも有名だ。また、Foxconn、Pegatron、Wistronなどの台湾出身の巨大メーカーの存在もよく知られている。

Teslaが2006年にローンチした当時、同社のプロダクトに搭載されたエンジンは台湾にあるTeslaの工場で生産されていた。その当時から、Elon MuskはITと自動車の世界は交わることになるだろうと確信していたのだ。初めての資金調達を完了したあと、彼は野望を抱き始めるようになる。「専門家」と呼ばれる人たちのアドバイスは聞かなかった。2009年までにTeslaは1億8000万ドルを調達し、147台のプロダクトを販売した。

その数年後、その時すでに何十億ドルもの追加資金を調達していたTeslaに世界は注目し、Teslaであればそれまで誰もが避けてきたことを成し遂げることができるだろうと考えるようになった。伝統的で巨大な自動車メーカーへの攻撃だ。コンピューターの処理能力の発達し、業界を進化させるというモメンタムが大きくなっている今、時代は「イノベーションのジレンマ」と呼ばれる新たな1ページに差し掛かろうとしている。ハーバード大学教授のClayton Christenseが提唱したこの理論は、新しいテクノロジーによって優良な大企業が没落する過程を説明している。そして何より、これまで競争力のあるプロダクトが創り出したプレミアムを享受してきたAudi、BMW、Toyota、Mercedesのような企業は、この理論を真剣に受け止め始めている。

豊富な資金力と技術によって構築された巨大な壁は崩壊しつつある。VC業界はこの絶好の機会に歓喜し、自動車業界を攻撃し始めた。過去5年の間に自動車メーカーは2200億ドル以上もの資金をM&Aに費やしている。

洗練された生産技術を必要とする、燃焼機関などのプロダクトによって構築された参入障壁は今後消え去ることになる。電子部品が業界の主流となりつつあるのだ。例えば、今ではE-ドライブトレインの製造はMagnaなどのODM製造業者にアウトソースされており、今後はこの分野のFoxconnとも言えるような企業が生まれることになるだろう。

より重要なことには、Teslaは機械学習という分野において有利な立場にいるだけでなく、彼らのクルマには従来の自動車システム(内部燃焼エンジンなど)が搭載されていないことから、より大規模で成長著しいマーケットに競合他社よりも素早く参入することが可能なのだ。従来のモデルから転換してインターネットにつながれたコンピューターを搭載するクルマをつくるという動きは、いずれ人々が自動運転車を所有し、共有し、そして自動運転車がオンデマンドで配車されるという世界を生み出すだろう。

新しいクルマや商用車、そして他のタイプの交通手段を開発することを目的としたスタートアップが次々に誕生しつつある。以下のような企業だ: NextEV、 Atieva、 ThunderPower、 GogoroNavya、 Borgward、 Local MotorsZMP Faraday Future、 Starship、 Varden Labs Easy Mile Auro Robotics、 Gaius Automotive、 ElioLeEconuTonomy、 Dyson、 Mission Motors、 Boosted、 Lit MotorsRenovo Motors、 Inboard Technology、 Future Motion、 GLM、 Dubuc Motors、 Dagmy Motors、 Newton VehiclesALTe Technologies、 Lumen Motors、 Barham Motors、 Highlands PowerMyers Motors、 Tratus、 Virtus Motors、 AC Motors、 Scalar Automotive、 Fenix Vehicles、 Marfil、 Esco Motors、 Lithos Motors。今後数年間のうちに何百ものスタートアップが新しく生まれることだろう。

近い将来、レッドブルのロゴが塗装されたクルマが道を走っていたとしても驚かないように。

どんなにイノベーティブな交通手段のコンセプトでも、最終的には人を乗せる「乗り物」が必要となる。未来の乗り物は今日のものと比べて異なる要素を持ち合わせていたり、異なる材料から製造されていたり、電源の供給の仕方や制御の方法も違うかもしれない。しかし、誰かがその乗り物を開発し、製造し、販売し、品質の維持をしなければならない。現存する自動車メーカーはまだその部分においては競争能力を持っており、要素が変化すればそれに徐々に適応していく能力も持っている。現在のクルマのように複雑で、耐久性があり、安全性が高いプロダクトを製造しているにもかかわらず、そこから利益を得る知恵やプロセスを彼らは持ち合わせているのだ。しかも、彼らにはビジネスの規模を拡大させる能力もある。それに加え、彼らのブランド力や評判、そしてカスタマーロイヤリティが今後しばらく色焦ることはないだろう。

現状のマーケットで力を握る自動車メーカーは、今後も一定の間は優位に立つことができるだろう。資金が豊富で身軽な新参企業でもそれは同様だ。また、ニッチな市場にフォーカスするブランドや企業が現れる可能性は高い。将来のクルマを開発していくうえで、まだ解答されていない問題が残っている。新しいクルマはどのように利用されるのか。都市部と地方の移動手段はどう異なるのか。電気自動車や自動運転車はいつ業界の主導権を握り、そして受け入れられるのか。規制機関は新しいクルマの開発を加速するのか、または減速させるのだろうか。

自動車を選ぶ消費者にとって、ブランド力はいまだに重要な要素の1つである。そのため、ポルシェなどの高級車ブランドはそこから大きな恩恵を受けることができ、マスマーケット向けのブランドに比べれば業界の変化によって受ける影響の度合いは小さいだろう。FenderとVW Beetle、Paul smithとMini、GucciとFiat 500のように、今後も新しいファッションブランドや既存のファッションブランドとクルマとのコラボレーションが生れるだろう。近い将来、レッドブルのロゴが塗装されたクルマが道を走っていたとしても驚かないように。

また、たとえ自動運転車がより賢くて安価になったとしても、ブランドがもつ力が衰えることはない。航空業界で言えばeasyJet、Virgin、RyanairなどのLCCも、みずからのポジションを確立した立派なブランドだ。航空券を選ぶとき、消費者が選ぶのはサービスのプロバイダー(航空会社)であって、メーカーではない(航空機)。この航空業界の状況は自動車業界にも当てはまるかもしれない。

Cité de l’Automobileに展示されているクルマのブランド名が書かれたリストを覚えているだろうか?スタートアップたちはこの世に誕生しては消え、博物館にその遺産を残していったのだ。それと同じように、この記事で紹介した現代の自動車メーカーの中のいくつかが今後数年間のうちに消えていくのは明らかだ。しかし、その中に私たちの毎日を支える自動車という分野で独占的な地位を占める企業がいるのは確かだ。

今では6.4兆ドル規模(McKinsey調べ)とも言われるこの業界では、非常に多くのブランドやイノベーションが新しく誕生している。彼ら全員がクルマを製造しているわけではなく、死亡事故を失くして安全な交通を実現するための、まったく新しい交通手段のアイデアを持つ者もいる。

いつか将来、Schlumpf兄弟のCité de l’Automobileのような博物館に私たちが良く知る現代のクルマが並ぶ日が来るだろう。コレクターがこれから新しく誕生するクルマ(究極のモバイルデバイス)を集めてつくった博物館を見られる日が来るのを楽しみにしている。私たちの子どもや孫はその博物館に興味津々になることだろ(Smurfと関係しているからということではない)。歴史は常に繰り返すのだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

車のセキュリティを守るデバイスErnestがKickstarterでキャンペーンを開始、共有経済の時代における権利保護とは?

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Ernestは、説明が難しい。それはデバイスだけど、2台のデバイスで、アプリでもあるし、そしてファウンダーのArturs Pumpursによると、それは一種の仮想執事だ。ユーザーの車の安全を確保し、運転者に現在位置を教え、自動ドア方式のガレージのある人にはドアの開閉をする。これのKickstarterキャンペーンは、10月28日から12月7日までだ。

このプロジェクトは、Bluetoothを使って車を保護するデバイスとして構想された(Bluetooth 4.0)。ユーザーがインストールすることもできるが、たぶんインストールはプロがやることになるだろう。車にイモビライザー(盗難防止装置)がついてると、Ernestはオーナーを認識するまで燃料がエンジンに行かないようにする。ただしほかの人がその人のデバイスで自分の車を運転できるように、設定はできるし、その設定を無効にもできる。

ErnestにはGPSデバイスもあり、車の位置を教える(そんな車載アプリは今多いが)。スピードや走行距離なども教える。車をどこに置いたか思い出せなかったり、あるいはほかの人に貸してるとき、その所在が分かる。

自動開閉式の門やガレージにも、同様の、Bluetoothによる共有化ができる。ただし各ドアにはそれら専用のErnestが別途必要だ。スマートフォン上のアプリは、一つでよい。ドアの開閉権も、車と同様、共有化でき、共有の停止もできる。

Ernestは個人や家族のカーライフには便利だが、共有経済におけるセキュリティには問題がありそうだ。車とガレージをほかの人と共有した場合には、たとえば自分の休暇期間が終わったら共有も無効になる、といった設定ができるとよいだろう。また、どの人がどんだけ走ったかを、知りたいかもね。アプリで、現在の使用者を設定できるとよいかもしれない。

お値段はKickstarterで60ドルからだから、大量の車を抱えるタクシー会社など用には高すぎるかもしれない。日常の共有関係がそれほど複雑多様でないユーザーなら、無事に使えそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Tesla、10月17日に「驚きの新製品」を発表すると予告

PALO ALTO, CA - NOVEMBER 05:  A sign is posted at a Tesla showroom on November 5, 2013 in Palo Alto, California. Tesla will report third quarter earnings today after the closing bell.  (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

TeslaのCEO、ファウンダーのイーロン・マスクによれば同社は10月17日(日本時間10/18)に何らかの新製品を発表する。 マスクの日曜のツイートによれば、「誰も予期していなかったようなもの」だ。ただし17日に発表されるのはTesla/SolarCity関係のプロダクトではない。そちらの発表は28日だという。

17日にTeslaは新製品 (誰も予期していなかったもの)を発表する。その後、28日にTesla/SolarCityの発表がある。

マスクは電気自動車メーカーのTeslaと太陽光発電事業のSlarCityの共同で開催する10月28日のイベントについてはすでに予告を行っている。この発表には太陽光発電のSolar Roof、電力ストレージのTesla PowerWallの第二世代、Tesla EV充電システムなどが含まれるはずだ。

今回のマスクのツイートで、Teslaは上記のプロダクトの他になんらかの驚きの製品を用意していることが判明した。電気自動車の新モデルかもしれない(Roadster 2.0のお披露目が長らく待たれている)し、自動車運転車の改良かもしれない。Teslaは最近Autopilotを8.0にアップデートしたが、マスクは今年に入って「今年われわれは皆を驚かすようなスピードで自動運転テクノロジーを進歩させる」と示唆している。

今月のイベントについて発表したツイートに続いてマスクは「第4四半期にはTeslaにもSolarCityにも一部で観測されているような新たな資金調達の必要はない。また新しい会社の予定もない」と述べている。マスクが予告しているイベントの目的(の少なくとも一部)は、提案されているTeslaとSolarCityの合併が両社のビジネスにとって好ましい方向であると投資家を納得させることにあるのだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

マセラティ、2020年に電気自動車市場に参入見込み

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Teslaのおかげもあって、電気自動車(EV)はごく一般的なものとなりつつある。しかし未だ参入していない自動車メーカーもあるわけで、その中からついにマセラティがEV界への参入を表明した。他のメーカーに比べて大きく出遅れたわけだが、このフィアット・クライスラー・オートモービルズ傘下の高級車メーカーは、2020年に販売開始を予定しているのだそうだ。それに先立つ2019年中に概要を示したいともしている。

方向としては、Tesla Model S風を追うのではなく、グランドツーリング・クーペとしての方向を目指すらしい。Car and Driverにて、マセラティのエンジニアリング部門のリーダーであるRoberto Fedeliが述べていた。先日行われたパリ・モーターショーでのインタビューによるものだ。

Fedeli曰く、他者に対する遅れは重々認識しているとのこと。高級自動車メーカーの中でも最後発のポジションとなる。それがためにマセラティとしては他メーカーと「大いに異なるもの」を発表するつもりであるとのこと。EV市場に参入するにあたっては、既存のブランドイメージをどのように活かしていくかを十分に考慮する必要もある。マセラティは独特のエンジン音や、車体の軽さに特徴がある。EVとなると音は小さくなり、そしてバッテリーのせいで車体は重くなる。これまでのマセラティとは真逆のものともなるわけだ。

マセラティほどのメーカーが、自らのブランドをどのように活かしたEVを生み出すのかは大いに注目したいところだ。EVは、EVであることの独自性などなくなりつつあり、消費者の要求レベルも高くなりつつある。技術面およびデザイン面で、ライバル社とどのような差別化を行うのかが楽しみだ。

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(翻訳:Maeda, H

教習所に通わなくてもモバイルアプリで免許の勉強ができる(州も公認)Aceableが$4Mを調達

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自動運転車が近未来の現実のように感じられてきたが、でも今はまだ、誰もが運転免許証をもらって自分で車を運転しなければならない。

そこで、テキサス州オースチンのAceableは、シリーズAで400万ドルを調達して、モバイルアプリで運転教習を提供しようとしている。Silverton PartnersFloodgate Venturesが共同でこのラウンドをリードした。

Aceableのアプリを利用すれば教習所へ行く必要がなく、また他人のスケジュールに合わせる必要もない。ただしAceableの教程を終えた人は、地元の(州の)陸運局で実地試験と筆記試験を受けなければならない。

このようなデジタルの教習を認めていない州もあるが、認めている州の方が多い。Aceableはすでに、テキサス、フロリダ、カリフォルニア、オハイオ、イリノイの各州で公認されている。

来年は、ジョージア、ペンシルベニア、ネバダ、インディアナの各州をねらっている。また今回の資金で、自動車教習以外のカリキュラムも開発したい、とCEOでファウンダーのBlake Garrettは語っている。

Aceable CEO Blake Garrett.

AceableのCEO Blake Garrett.

若い世代は前の世代と同じやり方で免許証を取得したいと思っていないので、Aceableの目の付け所は良い。しかも今では、ライドシェア(相乗り)やホバーボードなど、新しい交通手段が登場している。ミシガン大学の調査によると、16歳の運転免許保有率は2014年に24.5%、1983年には46.2%だった。

Aceableの今後にとって幸運なのは、アメリカにおける雇用の推定25%が、何らかの資格や免許を必要とすることだ。不動産販売士、看護師、個人フィットネス訓練士、バーテンダー資格証書、などなど。

同社は、最近登場した新しい業種にも、目をつけている。

たとえば商用ドローンの操縦士は試験に合格し、自分が使う無人機をFAAに登録しなければならない。マリファナ販売店のオーナーや経営者は、州によっては、教育訓練を受けて資格を取得しなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フォードがライド・シェア・スタートアップのChariotを買収

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Ford Smart Mobilityは自動車会社のフォードが設立した会社で、既存の交通システムに対する代替的な交通手段を提供する会社である。この会社が初めての企業買収を行ったが、その会社とは、サンフランシスコを拠点とする通勤者用ライド・シェアのスタートアップであるChariot社だ。

フォードにとっては、この買収により同社が街で展開するシャトル・モビリティ・プログラムの礎にChariotを据えることとなる。フォードとしては、このスタートアップの買収は設立間もないFord Smart Mobility社にとってさらなる前進である。同社は今年3月に正式に設立されたが、その事業はこれまでのところ限られた領域での試験に留まっており、ほとんどは主に学術機関との提携によるものだ。

Chariotは2014年に設立され、それ以来ずっとフォード車のみを使い続けている。これは単なる偶然の一致ということのようだが、実際のところ同社は現在も15人乗りのFord Transitヴァンのみを使用しており、その車体にはChariotの文字がしっかりとペイントされている。Chariotにとってみれば、Ford Smart Mobilityの一部になることで素早い成長と迅速な事業拡大が可能となる。

「我々は極めて積極的にビジネスを拡大して次の1年で複数のマーケットに展開する予定です」と、ChariotのCEOで共同設立者のAli VahabzadehはTechCrunchとのインタビューで述べた。「極めて初期の段階から明白だったのは、Chariotはフォードの物流、自動車および営業の専門知識を梃子に、単なるベイエリア内のサービスに留まらず、そのサービスを世界規模にまで広げていくことが可能だということです」

同社によると、既存のChariotのサービスは現状を維持し、ヴァンの見かけも変わらない予定だ。また、フォードとChariotの発表では、同社は次の18ヶ月で少なくとも5つのマーケットに進出する予定で、数週間中に次のマーケットが明らかにされる予定だ。Vahabzadehが語ったところでは、フォードは資金や物流面だけでなく世界中の国や都市の行政との関係においてもその専門性を大いに発揮してビジネスの拡大を支援してくれるということだ。

Chariotの目標は、価格面で公共の交通機関とそれほど乖離せず、それでいてより早く、より便利なルートでサービスを提供することだ。現在のプラットフォームではルートの設定はクラウドソーシングにより決定されている。つまり、ユーザーがアプリで指定するピックアップ地点と目的地を集計し、特定の地点に対する要望が一定数を超えるとルートが確定する。現在ベイエリアでは28のルートで100台のヴァンが運行中だ。

「我々は最高に快適な通勤というものに関して確たるビジョンを持っていますが、それはサンフランシスコに住む人にとってより早く、信頼性があり、しかも安全であるということです。こういったサービスをサンフランシスコの枠を超えて広げて行きたい」と、Vahabzadehは説明した。

ライド・シェアの領域に投資しているのはフォードだけではない。例えば、GMも自社内にMavenというスタートアップを設立し、Lyftとも提携している。また、Chariotのビジネスモデルはフォードの自動運転車の方向性ともとても相性が良い。フォードはオンデマンドで運行するライド・シェア方式の代替交通手段のネットワークを展開しようと画策しているからだ。

「まだまだ道のりは長いが、それも今Ford Smart Mobilityと組むことの理由の1つです」と、Vahabzadehは言った。実際、同社はChariotの将来の方向性として自動化に目を向けている、と彼は付け加えた。

Chariotとフォードは今回の契約に関する金銭的な条件に関してはコメントを控えた。
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(翻訳:Tsubouchi)

通勤中も仕事ができる「車内オフィス」プロジェクト、メルセデスとMicrosoftが共同開発

Mercedes-Benz F 015 Luxury in Motion: Das Hauptdisplay im Armaturenträger hält die fahrrelevanten Informationen und Bedienmenüs bereit. Dort lassen sich Funktionen wie Fahrzeuggeschwindigkeit, Navigation, Klimatisierung, Lüftung oder die Lautstärke des Infotainments per Gestik steuern ;

Mercedes-Benz F 015 Luxury in Motion: The main display in the dashboard shows the driving-related information and operating menus. Functions such as vehicle speed, navigation, climate control, ventilation and the infotainment system volume can be controlled by gestures here;

現在ベルリンで開催中のIFAショーで、メルセデス・ベンツが「車内オフィス(In Car Office)」と呼ばれる新プロジェクトを発表した。これはスマートな仕事効率向上のための機能を車の運転に融合させようという試みで、来年前半にも正式に提供を開始する予定だ。Microsoft Exchangeと連携し、仕事のカレンダーやTo-Doリスト、連絡先にもとづいて、自動車が行き先や電話すべき相手などを提案してくれるという。

この車内オフィス機能は、もちろん自動車をモバイルワークステーションに変えるために制作されたものではない。どちらかといえば、外出中にどのみち片付ける必要のある仕事関連のタスクを、もっと簡単に済ませることができるよう設計されている。

メルセデスの車内オフィス機能では、Exchangeカレンダーの予定にもとづいてカーナビゲーションに行き先を事前設定したり、入れておいたミーティングの予定に応じて車内通話システムから電話をかけるよう通知してくれたりする。商用での移動や通勤中に、すでにこうしたタスクを(危険を承知で)車中でこなしているような人々にとっては、運転中に気が散る原因や手動入力の必要を減らしてくれるものになりそうだ。

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(翻訳:Ayako Teranishi / website

Amazonは自動車の買い物情報でもトップに立つ気だ、大規模な下調べサイトを立ち上げ

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今車を買うことを検討してる人、Amazonで調べるのはどうかな? このeコマース最大手がリリースしたwww.amazon.com/vehiclesは、買い物下調べサイトとしてはものすごく規模が大きくて、これほど何でもありの自動車調べツールは、今まで見たことがない。

ここで車を買えるわけではないが、比較調査は十分にできる。自動車販売業は規制がうるさいから、Amazonが直接車を売ることは、まずありえないだろう。

たとえば、2016年型Ram 3500 Laramie(上図)には、どんなオプション(“トリムレベル”)のバラエティがあるか、知りたい? Amazon Vehiclesへ行けば簡単に分かる。

ユーザーが車を決めたら、今度はスペックやオプションの載ったページへ連れて行かれる。今載っているのは1998-2017の車種のみだが、古いモデルは情報が少ない。

類似のツールは何年も前からEdmundsAolのAutoblog(Aolは本誌TechCrunchのオーナー)などがある。でもAmazonのは同社のふつうのショッピングページみたいだから、とても親しみやすいし、利用しやすい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

トヨタのシリコンバレーの研究所Toyota Research InstituteがAI研究でミシガン大学に$22Mを提供

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トヨタ自動車がシリコンバレーに置いた研究開発部門Toyota Research Institute(TRI)がミシガン大学に、当初は向こう4年間で計2200万ドルの研究助成金を提供する。これより前の今年の4月には、TRIの三つめの研究施設が同大学内にオープンしている。

資金の用途は人工知能の研究とされ、すでに同様の投資がTRIのパロアルト本部に近いスタンフォード大学と、ケンブリッジのマサチューセッツ工科大学(MIT)に対しても行われており、それぞれ研究に関する合意が形成されている。

ミシガン大学に関しては、すでに同大の近くにToyota Technical Centerが二つもあり、彼らは同大の学部と共同で、自動車のインターネット利用や先進的な安全対策について研究を進めている。トヨタは同大のMobility Transformation Centerの創立メンバーでもあり、ここでは複数の学部の協力により、自動運転車の共有ネットワークをベースとする未来の交通システムの構築について研究している。

今回の投資によりトヨタが、ロボット工学、機械学習、および人工知能の分野における研究開発を、これらの分野でもっとも進んでいる大学との、密接な関係のもとに進めようとしていることが、あらためて明らかになった。ミシガン大学はAIの研究ではアメリカのトップクラスの大学院のひとつであり、また自動車工学に関しては北米地区のもっとも重要な研究センターだ。

ただし、お金は全額が自動車の研究へ直行するわけではない。同大によると資金は、“パートナーロボット”や“屋内移動”、“学生の学習支援とダイバーシティ”、などにも向けられる。

自動車メーカーが大学と協働してイノベーションを加速しようとする動きは、最近数多く見られる。ミシガン大学のご近所さんであるFordも、その一つだ。研究開発のペースは、GoogleやAppleなど新顔の参入にも刺激されて、このところ急ピッチだ。これからの数年間は、このような新しい研究パートナーシップや、既存の協働関係の拡張が、さらに多く見られるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))