アップルが5nmプロセスSoC「Apple A14 Bionic」採用のiPad Airを発表

アップルが5nmプロセスSoC「Apple A14 Bionic」採用のiPad Airを発表

アップルは9月16日、iPadシリーズのラインアップをアップデートし、10.9インチのiPad Airと10.2インチのiPadをリリースした。iPad Airが10月発売で、iPadは9月18日発売。

10.9インチiPad Air Wi-Fiモデルの税別価格は、64GB版が6万2800円から、256GB版が7万9800円から。Wi-Fi+Cellularモデルは、64GB版が7万7800円から、256GB版が9万4800円から。カラーバリエーションは、スペースグレイ、シルバー、ローズゴールド、グリーン、スカイブルーの6色。第2世代Apple Pencilに対応。

  • Wi-Fiモデル税別価格: 64GB版が6万2800円から、256GB版が7万9800円から
  • Wi-Fi+Cellularモデル税別価格: 64GB版が7万7800円から、256GB版が9万4800円から

10.2インチiPad Wi-Fiモデルの税別価格は、32GB版が3万4800円から、128GB版が4万4800円から。Wi-Fi+Cellularモデルは、32GB版が4万9800円から、128GB版が5万9800円から。カラーバリエーションは、スペースグレイ、シルバー、ゴールドの3色。第1世代Apple Pencilに対応。

  • Wi-Fiモデル税別価格: 32GB版が3万4800円から、128GB版が4万4800円から
  • Wi-Fi+Cellularモデル税別価格: 32GB版が4万9800円から、128GB版が5万9800円から

10.9インチ「iPad Air」は、5nmプロセスのApple A14 Bionicチップを採用

iPad Airは、プロセッサー(SoC)として、5nmプロセスで製造されたApple A14 Bionicチップを採用。1世代前のモデルと比較して、6コア設計のCPUによる40%高速化、4コアのグラフィックス(GPU)機能による30%の高速化を実現した。16コアのNeural Engine機能を搭載しており機械学習が70%高速化している。GPU、Neural Engine機能、またCPUに搭載の第2世代機械学習アクセラレーターにより、画像認識、自然言語学習、モーション分析におけるパフォーマンスが向上するという。

アップルが5nmプロセスSoC「Apple A14 Bionic」採用のiPad Airを発表

指紋認証センサー「Touch ID」はトップボタンに内蔵。カメラは、前面のFaceTimeカメラが700万画素および絞り値f2.0、背面が1200万画素および絞り値f1.8。アニ文字とミー文字は非対応。

10.9インチ「iPad Air」は、5nmプロセスのApple A14 Bionicチップを初採用

またiPad Airは、接続端子としてUSB‑Cコネクターを採用した。Smart Connectorを利用し、本体カバーにもなる薄型キーボード「Smart Keyboard」および「Smart Keyboard Folio」を利用可能。このほかBluetooth 5.0をサポートしている。

10.9インチiPad Airの画面解像度は2360×1640ピクセル(264ppi)で、True Toneをサポート。サイズは247.6×178.5×6.1mm。重量は、Wi-Fiモデルが458gで、Wi-Fi+Cellularが460g。

従来同様、Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルを用意しており、Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応した。またWi-Fi+Cellularモデルは、nano SIM(Apple SIM対応)とeSIMを利用できる。

バッテリー駆動時間は、Wi-Fiでのインターネット利用時・ビデオ再生時は最大10時間。Wi-Fi+Cellularモデルの場合は、携帯電話データネットワークでのインターネット利用時最大9時間となっている。

10.2インチ「iPad」

iPadは、プロセッサー(SoC)としてApple A12 Bionicチップを採用。画面解像度は2160×1620ピクセル(264ppi)。

画面解像度は2160×1620ピクセル(264ppi)。カメラは、前面のFaceTimeカメラが1200万画素および絞り値f2.4、背面が800万画素および絞り値f2.4。アニ文字とミー文字は非対応。

接続端子は従来通りLightningコネクター。Smart Connectorを利用し、本体カバーにもなる薄型キーボード「Smart Keyboard」を利用可能。Bluetooth 4.2対応。

サイズは250.6×174.1×7.5mm。重量は、Wi-Fiモデルが490gで、Wi-Fi+Cellularが495g。

Wi-FiモデルとWi-Fi+Cellularモデルを用意。Wi-Fi機能は、IEEE802.11acまでの対応となっている。Wi-Fi+Cellularモデルは、nano SIM(Apple SIM対応)とeSIMを利用できる。

バッテリー駆動時間は、Wi-Fiでのインターネット利用時・ビデオ再生時は最大10時間。Wi-Fi+Cellularモデルの場合は、携帯電話データネットワークでのインターネット利用時最大9時間。

関連記事
アップルが税別2万9800円からの低価格版のApple Watch SEを発売
新しいiPad AirはTouch IDを上部電源ボタンに内蔵
iOS 14、iPadOS 14、watchOS 14、tvOS 14は9月16日にリリース

アップル、Mac搭載CPUをARMベース独自製品「A12Z SoC」に移行

Apple mac A12Z SoC

Apple(アップル)は6月23日、開発者向けカンファレンス「WWDC20」の基調講演において、Mac搭載CPUをIntel(インテル)製からARMベースの独自製品「A12Z SoC」に変更すると発表した。

 

A12Z SoC

Universal Binary(ユニバーサルバイナリー)をもとにしたUniversal 2(ユニーバーサル バイナリー 2)技術を利用しており、Intel(インテル)向けバイナリーとApple Silicon向けバイナリーを単一のアプリケーション内に同梱するような形態となっている。またRosettaや仮想化技術を利用し、従来ソフトウェアの動作も可能としている。

このほか、iOSアプリなども次期macOS「macOS Big Sur」(ビッグサー)上で動作可能となった。

詳細は追って掲載する。

関連記事
【WWDC20前に知っておくべきこと(その1)】CPUの変遷から見るアップルOSの歴史
【WWDC20前に知っておくべきこと(その2)】MacがARMになったら何が起こる?
アップルが6月22日のオンラインWWDCでMacのARMベース移行を発表か
アップルのWWDC20基調講演はYouTubeやApple TV、各種ウェブブラウザーで視聴できる
アップルは新型コロナ懸念で6月のWWDCをオンライン開催に

アップルが開発者向けイベントWWDC20で「macOS Big Sur」を発表

macOS Big Sur

Apple(アップル)は6月23日、開発者向けカンファレンス「WWDC20」の基調講演を開催。次期macOS「macOS Big Sur」(ビッグサー)を発表した。

macOS Big Sur

詳細は追って掲載する。

関連記事
【WWDC20前に知っておくべきこと(その1)】CPUの変遷から見るアップルOSの歴史
【WWDC20前に知っておくべきこと(その2)】MacがARMになったら何が起こる?
アップルが6月22日のオンラインWWDCでMacのARMベース移行を発表か
アップルのWWDC20基調講演はYouTubeやApple TV、各種ウェブブラウザーで視聴できる

【WWDC20前に知っておくべきこと(その2)】MacがARMになったら何が起こる?

前回はアップルのOSとCPUの変遷について紹介した。今回は、噂どおりにARMベースのCPUを採用したMacが登場したら、各方面にどのようなインパクトをもたらすのかを考えてみる。各方面というのは、アップル自身、サードパーティのデベロッパー、そして一般のユーザーのことだ。それぞれ、どのような影響を受け、どう対処することが可能なのか。それによって何がもたらされるのかといったことを考えてみよう。

アップルはXcodeをアップデートするだけ?

ここで考えるのは、主にソフトウェアに関してだ。つまり、実際にARM搭載のMacのハードウェアを設計して製造する部門のことは考えない。そういうMacが登場したときに、macOSや純正アプリの開発、サードパーティのデベロッパー向け開発ツールを担当しているチームには、どのような対応が必要となるのか。

言うまでもなくまず最初に必要なのは、macOS用としては新たなCPUとなるARM用のソフトウェア開発環境を用意することだ。これは、macOSそのもの、純正アプリ、サードパーティ製アプリといった、あらゆるソフトウェアの開発に不可欠な要素となる。逆に言えば、それさえ完璧に整えば、ほかのことは2次的な問題となる。そして、これはそれほど大きな労力を要する仕事ではないだろう。

現在の技術をもってすれば、ほとんど「設定の変更」程度の労力で済んでしまうはずと言ってしまっても、それほど誇張した表現ではないだろう。アップルが自社製の統合開発環境であるXcodeに採用しているClang/LLVMコンパイラーは、言語にもターゲットにも依存しないことがウリのユニバーサルなソフトウェアビルド環境を実現するもの。現に、インテル製CPUを採用するMac用も、ARMコアのCPUを採用するiOS、iPadOS、その他のデバイス用のソフトウェア開発も、1種類の開発ツールで賄えている。もちろん、対象OSによって利用可能なフレームワークやAPIには違いはあるものの、本質的な部分はもうだいぶ前から共通化されているのだ。

つまり、さまざまなOSに対して、さまざま言語を利用して、さまざまなCPUを採用したデバイス用のアプリを作成する環境はすでに整っている。あとは、それらの可能な組み合わせを調整するだけでいい。とはいえ、Macというプラットフォームの連続性を考えたとき、インテル製CPUからARMコアのCPUにスムーズに移行できるかどうかには、そうしたアプリ開発環境を準備することとは別の問題も絡んでくる。

ソフトウェア互換性維持のための2つの方策

スムーズな移行のために考慮すべきことは、大きく2つ考えられる。11つは、これからリリースされるアプリを、すでに市場に出回っていて、まだ当分使用されるインテル環境と、新しいARM環境の両方で動作させること。もう1つは、すでにインテル環境用にリリース済のアプリを、ARM環境でも動作するようにすることだ。

まず、今後登場するアプリを両方のCPU環境で動作可能にするのは、実はそれほど難しくない。古くは、Mac OSが68K(68系)のCPUからPowerPCに移行する際に取った方法が利用できる。当時は、「ファットバイナリ」(Fat Binary)と呼ばれたものだが、1つのアプリのパッケージの中に、68KとPowerPC、2種類のオブジェクトコードを共存させる方法だ。画像や音声といったリソースは共通化して1種類で済ますことができるので、アプリは思ったほど大きくならない。

実は現在、macOSだけでなくiOS用のアプリも、そのような仕組みを最初から実現している。それはファットバイナリをもっと一般化した「マルチアーキテクチャバイナリ」と呼ばれる方式を実現したMach-Oと呼ばれるフォーマットによるもの。Mac OS Xの基になったNextSTEPに由来するフォーマットだ。NextSTEPは、さまざまなプラットフォームをサポートできることがウリの1つだったため、そのようなオブジェクトフォーマットを標準的に採用していた。

それを受け継いだmacOSも、そしてiOS、iPadOSも、最初からマルチアーキテクチャに対応している。Mac OS XがPowerPCからインテルに移行する際にも、32ビットから64ビットに移行する際にも、ユニバーサルバイナリという名前で利用された。もしARM搭載Macが登場すれば、今後のmacOS用のアプリには、同じようにしてインテル用とARM用のオブジェクトコードが混在することになるだろう。

もう1つの方策も、すでにアップルとしては実績がある。新しいCPUで旧CPU用にビルドされたオブジェクトコードをそのまま実行できるように、一種のエミュレーター環境を用意することだ。これは、旧Mac OS時代に68KからPowerPCに移行する際にも、Mac OS X時代になってからPowerPCからインテルに移行する際にも実際に利用された方策だ。後者が、古代エジプトのヒエログリフ解読を可能にしたRosetta Stone(ロゼッタストーン)にちなんで、Rosettaと呼ばれていたのは、まだ記憶に新しい。

もちろん、現在の技術によれば、オブジェクトコードに含まれる命令を、逐一エミュレーターによって変換しながら実行するようなものではなく、アプリのロード時に一種のトランスコーダーのようなものを動作させ、まとめて変換することも可能だろう。そのタイミングなら、変換自体がネックになることもないし、あとはネイティブのコードとそれほど大差ない速度で実行できるようになる。

折しも、米アップルが「Apple Rosetta」という商標を日本の特許庁に出願したというニュースも流れてきた。これは、インテル用のコードで書かれたアプリをARM上で実行できるようにする仕組みに関わるものである可能性が高いように思われる。「Rosetta」だけでは、商標として成立しないので、以前は登録なしで愛称として使っていたものを、今回はApple Rosettaとして正式に商標登録しようというのではないだろうか。

さらにもう1歩進んで、Mac上でiOSや、少なくともiPadOS用のアプリを実行可能にする機能も含むものではないかという期待も膨らんでくる。例えば、現在のmacOS Catalinaでは廃止されたDashboardのような環境を復活させ、そこでiPadOS用のアプリを動かすことはもはやCPUの相違があったとしても、それほど難しいことではないような気さえしてくるのだ。

デベロッパーやユーザーは特に何もすることがない?

サードパーティのデベロッパーとしては、今後macOS用のアプリを開発する場合、特にCPUが何であるかは意識する必要がないだろう。現在も、特にインテルCPUを意識して開発しているのではないのと同じことだ。もし、将来すべてのMacが完全にARMに移行するとしたら、その移行期間だけは両方のCPUに対応したマルチアーキテクチャバイナリのアプリをリリースし、何年か後に移行が完了したら、ARM専用のアプリに切り替えればいい。それらは、ほとんどXcode上でアプリをビルドする際のスイッチの設定だけで選択可能となるだろう。もし将来のMac環境でも複数のCPUが混在するなら、ずっとマルチアーキテクチャを使い続けるだけだ。

すでにARMに移行するかどうかという話が出る前から、macOS用のアプリ開発では、Mac Catalystが利用できるようになっている。これは、iPad用アプリを、かなり簡単にmacOS用に移植することを可能にする環境だ。現在は、異なるOS用の、それぞれ独立したアプリとしてリリースすることになるが、もしMacがARM化すれば、1種類のアプリが、そのまま両方のOS上で利用できるようになるかもしれない。さらに、Apple Rosettaが上で述べたような期待通りのものであれば、iPadOSアプリが、インテルCPUを搭載したMacで当たり前のように動作することも夢ではないだろう。

こうして、一般的なアプリのデベロッパーは、特にCPUの変更を意識することなく、アプリの開発とリリースが可能になるものと思われる。ただし、例えばWindows用のアプリやWindowsそのものをMac上で動作可能にする仮想環境を提供しているデベロッパーにとっては話はそう簡単ではない。ここでは詳しく考察しないが、そうしたデベロッパーもおそらく何らかの方法で対応策を打ち出してくれるだろう。それほど遠くないうちに、ARM搭載Mac上でも、どういう形かは別として、Windowsが利用できるようになることに期待したい。

これまでに述べたことが期待どおりに進めば、一般のユーザーは、自分のMacにどんなCPUが搭載されているかに関わらず、Mac用のあらゆるソフトウェア、周辺機器が利用できるようになるはずだ。もしそうならなければ、インテルからARMへの移行は、ユーザーに何らかの不便や妥協を強いることになる。それでは、ARMへの移行は完全な成功とは言えないのではないだろうか。

関連記事:CPUの変遷から見るアップルOSの歴史

16インチMacBook ProへRadeon Pro 5600M搭載可能に、Mac Proはユーザー増設可能なSSDキットが加わる

アップルは6月15日、16インチMacBook ProとMac Proに小幅なアップデートを実施した。

16インチMacBook Proは、オンラインストアなどでのGPUのCTOで、新たにRadeon Pro 5600M GPU(HBM2、8GB)を選べるようになった。アップルのプレスリリースによると、4GBのGDDR6メモリを備えたRadeon Pro 5500Mよりも最大75%、前世代の15インチMacBook Proに較べて最大3.5倍も高速になるとのこと。

CTOでRadeon Pro 5600Mに変更すると、16インチの下位モデルでは標準搭載のRadeon Pro 5300Mからプラス8万円の税別32万8800円、上位モデルでは標準搭載のRadeon Pro 5500Mからプラス7万円の税別35万8800円となる。

モバイル向けのGPUとしてのRadeon Pro 5600Mは、GeForce GTX 1660あたりの性能に相当すると思われるので、WindowsのゲーミングノートPCではミドルレンジの性能といえる。また、最新の3DゲームはWindowsやコンソールゲームがほとんどなので、多くのMacユーザーはゲームではなく動画編集でのパフォーマンスが気になるところだろう。このあたりは後日、実機でじっくりと検証したいところだ。

ちなみに、画面解像度はフルHDに落ちるもののミドルレンジクラスのGPUを搭載するWindowsのゲーミングノートPCは10万円台で購入できる。

一方のMac Proには、SSDキットが追加された。これにより、内蔵ストレージを工場出荷時のオリジナル構成からユーザーの手でアップグレードできるようになる。アップグレードできる容量は1/2/4/8TBをそれぞれ2基収容できる。

アップル直営店が米国で一部店舗の営業再開、マスク着用義務や体温チェックなどの安全対策も

3月中旬にApple(アップル)は中国以外の店舗を「無期限」休業とした。これは、拡大する新型コロナウイルスのパンデミックに直面した世界における、徹底した、かつ必要な行動だった。同社は、米国時間5月17日付の「To our Customers」(お客様へ)と題した声明で、同社の営業再開計画についてリテール担当上級副社長のDeirdre O’Brien(ディアドラ・オブライエン)氏が展望を語った。

同氏によると、100店舗近くがすでに営業再開している。ただし、開店した店舗スペースは、感染力の強い新型コロナウイルスへの対策で大きく様相が変わっている。「どの店舗でも滞在人数を制限し、全員に十分な空間を与えるとともに、ジーニアスバーをはじめ店舗全体で、当社の1対1パーソナルサービスのやり方を見直した」とのこと。

アップルの広報担当者はさらに「来週も、米国内店舗の営業再開を非常に緩やかにかつ慎重に進め、7つの州で25店舗を追加する予定だ。多くの顧客が地元店舗の再開を待っていることを承知しているが、安全が確保されている確信がもてた店舗を再開することが当社の義務だ。お客様と早くまたお会いできることを願っている」と述べている。

関連記事:アップルが新型コロナによる実店舗閉鎖を無期限延長

写真のように、店員、顧客ともにマスクの着用が必要で、これは多くの地域で法的制約となっている。多くの店舗が実施しているやや珍しい取り組みとして、店の入口で体温の検査が実施され、健康に関する質問が掲示されている。さらに同社は、壁面や陳列商品などあらゆる部分の清掃を強化徹底している。

最後の点は、同社の店舗レイアウトが商品を手に取ることを中心にデザインされていることを考えると特に重要だ。対人接触を避けたいという当然の要求に答えるために、路上での受け渡しも実施している。

各店舗の営業再開時期についてAppleは、健康状況の傾向と地域・国の指示を見定めてスケジュールを決定する、と語った。地元店舗の営業状況はここで見られる。そして、感染の第2波到来の話題が現実のものとなりつつある中でオブライエン氏は、必要があれば再び店舗を閉鎖すると語った。「これは結論を急ぐべき問題はなく、今回の営業再開にかかわらず、地域の状況によっては予防措置として再度の営業中止もありうる」とのことだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

キーボードの欠点が消えた新MacBook Pro 13インチ、Airとの差別化はやはり悩ましい

今回のMacBook Proの登場で、Apple(アップル)は、その歴史の中で最も不遇な部品の1つを闇に葬ることになった。最新の13インチモデルは、5年におよぶバタフライ式キーボードの失敗の連続に慈悲深く終止符を打ったのだ。

ここではそれ以上は踏み込まない。過去数年間にMacBookシリーズのモデルを購入したことがある人なら、私が何を言いたいかわかってもらえるだろう。固着して打てなくなったり、逆にランダムに入力されてしまうキーのことだ。競合のプレスイベントでライブブログの準備をしている際に、それが起こってかなり焦ったことが、少なくとも1回はあった。

アップルは、このバタフライ式の問題を何度も修正しようと試みた挙げ句、ついにそれを破棄し、基本に戻って昔からある信頼性の高いシザー式に戻った。私は今それで入力している。その結果、4年間使った私のマシンを買い換えようかと、真剣に検討することになった。正直なところ、そのマシンも、キーボード以外はまったく完璧だ。しかし、キーボードがあれなのだ。ずっと平面を叩いてタイプしているような感触しかない。

関連記事:新13インチMacBook Pro登場、シザー構造のMagic Keyboardと第10世代チップ搭載

今回の発表で、13インチのMacBook Proは、MacBookシリーズとしてシザー式キーボードを採用する一連のアップグレードの3番目、そしてその最後を飾ることになった。このキーボードは、アップルが大好きな「M」で始まる単語「マジック」を先頭に付けた名前で呼ばれる。文字どおりマジックとは言えないが、その改善には即効性があり効果は絶大だ。タイプの感触は、バタフライ式よりもかなり柔らかく感じられ音も静か。やはりストロークが1mmあるのが、手に優しい。

Touch Barから独立した専用のエスケープキーの追加など、他にも見るべき部分がある。Touch Barが万能というわけではないので、これは細かいことながら、歓迎できる改善点だ。

こうして私は、このレビューの最初の数段落をキーボードの話で費やしてしまった。バカげていると思われるかもしれないし、それがそこまで重要な話題なのかという疑問もあるだろう。しかし結局のところ、それを除けば、新しいMacBookのアップグレードは、かなり平凡なものになってしまう。それでも何も問題はないし、アップグレードは、たいていそんなものだ。しかし、新モデルに買い換えようかどうか迷っている人にとっては、このキーボードの改良が、強い動機を与えるものであることは確かだろう。

関連記事:「らしさ」を取り戻したMacBook Pro 16インチモデル

本体の見た目は、以前のモデルとほぼ同じ。おなじみの金属製のユニボディデザインで、色はシルバーとスペースグレーから選べる。画面サイズも同じ13.3インチで、解像度は2560×1600のRetinaディスプレイだ。そこまでの仕様はMacBook Airと同じだが、このProの13インチモデルの輝度は500ニトであるのに対し、Airは400ニトとなっている。そのぶん明るく目にも優しいが、バッテリー寿命には、やや不利だろう。事前の噂では、画面が大きくなった16インチモデルと同様に、13インチから14インチになるのではないかとも言われていた。それによってAirとの差別化を図るというわけだ。しかし、少なくとも今回は見送られたようだ。

ポートの構成も、4つのThunderbolt 3(USB-C)(上位モデル)と、ヘッドフォンジャックで変わっていない。私たちにとって、日常の仕事をこなすための、頼りになるラップトップであるのは確かだ。私が唯一不満なのは、外観がAirとほとんど変わらないこと。Proの上位モデルなら、かろうじてThunderbolt 3ポートの数が異なる。Airは、999ドル(日本では10万4800円)から、Proは1299ドル(同13万4800円)からで、300ドル(同3万円)もの価格の違いが外観には現れていない。

もちろん重要なのは中身だ。私自身も母親にそう言い聞かせられながら育ってきた。奇妙なのは、Airは全モデルが第10世代のインテルCoreプロセッサーを採用しているのに対し、エントリーモデルのProは第8世代のものを搭載していること。上位モデルは第10世代だし、エントリーモデルも第10世代にカスタマイズすることは可能だ。もっともProは、エントリーモデルもクアッドコア(1.4GHz)なのに対し、Airのエントリーモデルはデュアルコア(1.1GHz)という違いはある。ちなみに、このレビューモデルは、2.0GHzで動作するクアッドコアの第10世代Core i5を搭載している。

関連記事:新型MacBook Airは再びタイプしたい気にさせてくれるノートPC

このモデルの価格は、エントリーモデルより500ドル(同5万4000円)高い1799ドル(同18万8800円)となっている。さらに200ドル(同2万円)を加えれば、2.3 GHzのCore i7プロセッサーを選択することも可能だ。レビューしたモデルは、GeekBench 4のシングルコア、マルチコアの各テストで、それぞれ5520と18228を記録した。同じテストでAirは、5244と14672だったから、CPU性能は明らかに高い。

このモデルは、16GBのメモリと512GBのSSDストレージを備えている。エントリーモデルで比べると、どちらも8GBのメモリと256GBのSSDストレージという仕様だけに、AirとProの境界はぼやけて見えてしまう。しかし、前者の最大メモリは16GB、最大ストレージが2TBなのに対し、後者はそれぞれ32GBと4TBで、カスタマイズの上限の違いは明らかだ。

その他の点でも、エントリーモデルでは、両機種のスペックは似通っている。しかしProは、その名にふさわしいパフォーマンスを発揮できるようにスペックを拡張できる。したがって、AirではなくProを選ぶ理由は、ビデオ編集やゲームなど、より強力なプロセッシングパワーを必要とするから、ということになる。その場合には、カスタマイズによって、Proらしさが発揮できるようにする必要がある。Proのバッテリー寿命は、Airの11時間に対して最長10時間とされている。新品の状態で、何時間か日常的な作業、仕事、音楽の再生などで使ってみた。しかし、毎日さまざまな用途で使い続ける場合を考えると、10時間というのはやや誇張した数字だと感じられる。その点に関しては、もちろんAirの11時間にも同じことが言える。

繰り返しになるが、13インチのMacBook Proの最大の欠点は、いろいろな点でMacBook Airとの製品ラインの切り分けが不鮮明なこと。しかも、Airはより薄く、より軽く300ドル(同3万円)も安い。Airに対して13インチのProを選ぶ意味は、13インチに対して16インチのProを選ぶ意味に比べると弱いと言わざるを得ない。

ほとんどのユーザーにとって、ほとんどの作業ではAirで十分だろう。しかし、それほど苦労せず、また金額的にも大枚をはたかずに、少しでも強力なパワーが欲しいという人にとって、13インチモデルは確実で安全な選択肢となるはずだ。今や、キーボードの問題も解決されたのだから。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

スマートウォッチの出荷は2020年の1Qまでは増加、Apple Watchが1位を堅守

全世界を襲う新型コロナウイルスによる打撃にもかかわらず、スマートウォッチの世界的な出荷台数は、今年の最初の3か月間成長し続けている。オンライン販売に牽引されたもの。調査会社Strategy Analyticsの新しいレポートが明らかにした。

画像クレジット:d3sign/Getty Images

2020年第1四半期の出荷台数は前年比で20%増加した。昨年の第四半期と比べても、1140万ユニットから1370万ユニットに増加している。Apple Watchのグローバル市場でのシェアは55%で、トップの座に留まっている。それに続く2位はSamsung(サムスン)で、3位には順位を上げたGarmin(ガーミン)が入っている。

「スマートウォッチはオンラインの小売チャンネルを通してよく売れています。多くの消費者は、新型コロナによるロックダウンの中、スマートウォッチを使って自分の健康とフィットネスをモニターしているのでしょう」と、Strategy Analyticsのシニアアナリストを務めるSteven Waltzer(スティーブン・ウォルツァー)氏は書いている。

2020年の第1四半期に出荷されたApple Watchは760万台で、1年前の同時期に出荷された620万台から23%増加している。Apple Watchの市場シェアも54%から55%に増加した。

サムスンは昨年の170万台に対して、190万台のスマートウォッチを出荷した。ただし、市場シェアは15%から14%に減少している。ウォルツァー氏によれば、韓国での新型コロナウイルスによるロックダウンによって、サムスンのスマートウォッチの成長が鈍化したことと、ガーミンのような新たなライバルとの競争の結果だとしている。

ガーミンは2年ぶりに3位の座を奪い返した。第1四半期のスマートウォッチの出荷台数は110万だ。これは、1年前の80万台と比較して38%の増加となっている。この結果、同社のグローバルなスマートウォッチ市場におけるシェアも7%から8%に増加した。OLEDのカラータッチスクリーンを装備したVenuのような新モデルの貢献が大きい。

Strategy Analyticsでは、世界的なスマートウォッチの出荷は、2020年の第2四半期には鈍化すると予測している。新型コロナのパンデミックの影響だ。しかし今年の下期には、実店舗が再開し、自分の健康状態をモニターするためにスマートウォッチを使うようになる消費者のおかげで、売り上げも回復するとしている。

「スマートウォッチの長期的な見通しには、非常に明るいものがあります。新型コロナ後の世界では、若者も高齢者も、より健康志向が高まると考えられるからです」と、アナリストのWoody Oh(ウッディ・オー)氏は書いている。「スマートウォッチを使えば、酸素レベルなど、重要な健康指標をモニターすることができます。消費者も、手首に仮想ヘルスアシスタントを装着しておくことで、安心が得られるでしょう」。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

SteamVRのサポート対象からmacOSが外れる、利用者はわずか4%

Valveは、同社の仮想現実プラットフォームのmacOSサポートを廃止する。Valveの社員が、同社が運営するSteamVRフォーラムに情報を投稿した。それによると「SteamVRはmacOSのサポートを終了し、WindowsとLinuxに専念することにした」という。

Apple(アップル)は、2017年6月に「Metal for VR」を導入し、Valveとのパートナーシップを強調した。当時ValveはVRを1つのプラットフォームとして推進しており、ViveシステムについてHTCと協力関係にあった。それが2020年になると、Valveはハイエンドのヘッドセットを独自に用意し、待望のゲームタイトル「Half Life:Alyx」(ハーフライフ・アリックス)もリリースした。

これは、実際にはゲーマーよりも、開発者に対する影響が大きい。macOSをサポートしているゲームはほとんどなく、アップルの最高スペックのノートPCであるMacBook Proでさえ、OculusやSteamVRの最小限の仕様要件を満たしていないのが実情だ。Uploadが指摘するように、Valveの最近のハードウェア調査では、そもそも同社のプラットフォームを利用するゲーマーのうち、わずか4%しかmacOSを使っていないことが判明している。つまり実際のゲーマーのうち、Macを持っているVRユーザーはほんのひと握りというということになる。

macOS上でVRコンテンツを開発しているゲームデベロッパーは、おそらく1台のマシンで開発とテストができるというメリットを享受していた。アップルがMac ProやiMac Proのような高額な機材を、プロ向けに積極的に売り込んでいる状況で、主要なソフトウェアプラットフォームがその梯子を外すような決定をしたことは、決して好ましいものではない。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

Apple Newsが月間1億2500万人のアクティブユーザーを獲得

新型コロナ危機の中、Apple(アップル)のニュースプラットフォームのアクティブユーザーは、これまでの最高を記録した。

画像クレジット:TechCrunch

アップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は、収益報告の中で、Apple Newsのアクティブユーザーが、月間1億2500万人に達したと述べた。クック氏は同社の第2四半期の業績を明らかにした後、その数字を発表した。その報告によると、前年比で製品からの収益は減少している一方、サービスからの収益は急増している。

同社は、第2四半期にサービスから133億5000万ドル(約1兆4300億円)の収益を上げている。この分野の前年からの伸び分は約19億ドル(約2036億円)となっている。

アップルは昨年、Apple News+と呼ばれる有料バージョンのApple Newsサービスを開始した。これにより、ユーザーは月額9.99ドル(約1060円)で有料のニュースサイトや雑誌にアクセスできるようになった。アップルは、このプラットフォームの収益の内訳を示すユーザー数など、詳細は明らかにしていない。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPad Proでノートパソコン並のタイピングを可能にするMagic Keyboard

これまでの2年以上、私が出張中に書いたほぼすべての記事は、iPad ProのSmart Keyboard Folioによってタイプしたものだ。その理由は、このiPad Proのレビューを読んでいただければわかるだろう。

今回の新しいMagic Keyboardについての評価を読む前に、以前のKeyboard Folioについて、次の2つのことだけは知っておいて欲しい。

  1. 信頼性が高く、信じられないほど耐久性があり、その点では一度も期待を裏切ったことはなかった。
  2. それ以外の点は、まったくお粗末だ。

Keyboard Folioの表面は、プラスチックでコーティングされていて、少々液体をこぼしても大丈夫だが、それによってキーの応答性は損なわれていた。そのため、キーが確かに打鍵されたことを確めるために必要なフィードバックが指に伝わりにくい。そのため私は、常にすべてのキーを思い切り力を込めて叩くという方法に訴えるようになっていた。

新しいMagic Keyboardは、それとはまったく違う。ちょうど、新しいMacBook Proキーボードが、長年物議を醸してきたストロークの浅いキーボードと、まったく違うものになったのと同じだ。このMagic Keyboardによって、新しいiPad Proの使いやすさは格段に向上する。これは昨年発売されたiPad Proにも使える。

もはや、ペナペナしたキーボードに指を叩きつけなくても済むと思うと、安らかな気分になる。これまでは、長時間速いタイピングを続けていると、指先の方からだんだん痺れてくるように感じることもあった。感触がなくなってくると言ったほうがいいだろうか。それほど苦痛というほどでもなかったが、気にはなっていた。

それに対してMagic Keyboardは、16インチのMacBook Proや、新しいMacBook Airにも負けない、きれいなバックライト付きのキートップを備えた最高のポータブルキーボードを実現している。キーを押した感覚も素晴らしい。私の感じでは、ちょうど上に挙げたMacBookの2つのモデルの中間といったところか。触感はタイトで、反応も良く、正確だ。これは間違いなく、ファーストクラスのタイピング体験と言える。

ここ数日、これら3種のキーボードを並べてテストしてみたが、いずれもキーの安定性は、いくら強調しようとしてもしきれないほど。MacBook Airも、指先をキーに触れたまま、その場でゆっくりと円を描くよう動かしても、キーはほとんど動かない。しかし、その点ではMacBook Proの方が優れている。同じようにしても、さらに動きは小さく、ほとんど認識できないほどだ。

Magic Keyboardは、16インチのMacBook Proと比べると、ややフワフワした感じがある。しかしMacBook Airよりは硬めで、反発力もやや強く、ストロークも深いと感じられる。私の感じでは、タイピング音も16インチのProより大きめだ。おそらくプラスチック製のケースが、アルミニウムよりも響きやすいためだろう。ただし、それもほぼAirと同じくらいだ。キーを戻すときの感触は、Proの方に近い。それに対してAirは、少し深い感じがするが、ちょっと頼りない気もする。

というわけで、Magic Keyboardの感触は、やはりMacBook Proと同Airの中間といったところ。いずれにせよ、ProやAirのキーボードを改善するために施されたのとまったく同じ手法が成果を発揮したものとなっている。

スタンドとしての構造

私の最大の懸念は、アップルがヒンジの設計に凝りすぎたあまり、タイピングの際にグラグラするようなものになってしまっているのではないかということだった。しかしそれは杞憂だった。可動範囲が犠牲になっている感は否めないが、かなりしっかりしたものとなっている。

実際、ヒンジ自体の可動範囲はかなり狭い。開こうとすると、期待したよりもはるかに小さな角度で止まってしまう。そこからは2番目のヒンジが動き、ディスプレイを80度〜130度の間の角度で開くことができる。ディスプレイの角度を調整できる範囲は、Keyboard Folioの2段階の固定角度に近いが、Magic Keyboardでは、その間の任意の角度で止めることができる。

アップルは、テーブル上で使う場合と、膝の上に乗せて使う場合、両方のバランスを考えて、このような角度の調整範囲を決定したものと思われる。ヒンジを2段階にしたことによって重心を移動させ、傾きを抑えながら、ついに膝の上でのタイピングを可能なものとした。また、キーボードを強く叩く必要がなくなったことも、膝に乗せて使うのを容易にしている。

タイピングに関しては、このような画面角度の調整範囲でも、ほとんどのユーザーにとって、十分満足のいくものだろう。また、固い(摩擦が大きい)ヒンジは、可動する部品は多いものの、全体としてかなり頑丈にできている。私自身、12.9インチのiPad ProとMagic Keyboardの組み合わせを、キーボード部分に手をかけて持ち上げ、あちこち持ち歩くことに何の不安も感じない。ノートパソコンを持ち運ぶのと何ら変わらないのだ。途中でグラグラしたり、外れてしまったりする心配は無用だ。

さらに、iPadを空中に浮かせるような新しいデザインにより、左手でも右手でも、わずかな力で簡単に、すばやく開くことができる。これによって、Magic Keyboardはデスクトップに置いて使うドックの類にも取って代わることができる。これも、Keyboard Folioにはできなかった使い方だ。

Magic Keyboardは、物理的なタッチパッドを装備している。これはいわゆる触覚パッドではないが、表面のどの部分でもクリックできる。これはもう、ノートパソコンレベルのトラックパッドとなっている。キビキビと、期待どおりに機能するトラックパッドを設計する方法について、アップルののエンジニアリングチームが、他のどの会社のハードウェアチームより良いアイデアを持っていることを証明するものだろう。

私は、ケース自体のソフトなコーティングが気に入っているが、これと同じような仕上げの他のデバイスの表面と同様、摩耗することは避けられないだろう。トラックパッドの両側のパームレストの部分に、光沢のあるスポットができてしまうかもしれない。

ハーフサイズながら、矢印キーは反応もよく、すばらしい。

その他の詳細、注意点、そして限界

フロントカメラは、ディスプレイの左辺に位置することになるが、iPadの左側を保持する必然性はないので、カメラを取り巻く状況は改善したと言える。キーボードと画面の距離は3センチ弱ほどで、まだ理想的とは言えないが、Zoomなどでビデオ会議をする際の視線も改善された。鼻の動きばかりが強調されるようなことはなくなる。それでもアップルは、今後iPad Proのフロントカメラの位置の変更を検討する必要があるだろう。

キーボードのバックライトの明るさは適切だが、iPad Proに接続すれば「設定」で調整できる。今回のテストでは、Magic Keyboardの消費電力は大きめだったが、それを数値で示すことができるほど長くは使っていない。Facetimeで通話中に、充電しながら使ってもバッテリーが減っていくことがあった。ただ、それはその後のテストでは再現せず、そんな気がしただけかもしれない。Magic Keyboardに設けられた充電ポートを使えば、iPad Proに最大速度で電力を供給できる。これについてはテストで確かめた。

これは、アーティストが待ち望んでいたようなタイプのケースではない。Magic Keyboardは、Keyboard Folioのように、後方に回転させて逆向きに折りたたむことはできない。つまり、画面に直接何かを描く際には、ケースから外す必要がある。実際に外すのは簡単だ。まるで「ドローイングに適した角度にセットしたり、何にでも使えるようにすることができなかったので、簡単に取り外せるようにしました」と、アップルが言い訳しているかのようにも感じられる。まあ、それでもよいのだが、次のバージョンを設計する際には、もう少しマジックを働かせて、タイピングとドローイングの両方に、1つのケースで対応できるようなものにして欲しい。

ちょっと特殊な状況かもしれないが、iPad本体をいっぱいまで後ろに倒して使っているとき、数字キーを打つ際に指がiPadの底辺部分に引っかかってしまうことがある。これは私のタイピングの姿勢によるものなのかあるいは手が大きすぎるからかもしれないが、指摘しておくべきことだと思った。

Magic Keyboardは、ちょっと重い。12.9インチモデル用で700gある。これはiPad Pro本体より重いので、合わせるとiPad本体の2倍以上になる。ほぼMacBook Airと同じ重量だ。この重量が問題となるなら、11インチモデルの方がいい。また、Magic Keyboardを装着して折りたたむと、かなり分厚いものになる。

今回登場したMagic Keyboardは、昨年発売された旧モデルのiPad Proでも使える。そのモデルを持っている人にとっては、すばらしいアップグレードの手段となる。ただし、リアカメラの周囲の切り欠きは、だいぶ余ってしまうことになる。これは、iPad本体を買い換えることなく、デバイス自体を大幅にアップグレードしたかのような効果をもたらす。アップルが、iPad Proのモジュール性を重視していることの現れだろう。アップル製品以外に目を向けても、最も目立つ新機能は、最新デバイスのハードウェアに依存していて、新モデルだけに限定されのが普通だ。その点でも、Magic Keybardが旧モデルをサポートしているのは際立っている。

Magic Keyboardの価格は、11インチモデル用が$300(日本版は税別3万1800円)、12.9インチモデル用が$350(同3万7800円)となっている。この価格は、予算に組み入れておく必要がある。今や、iPad Proにとって、Magic Keyboardがベストなキーボーであることは、紛れもない事実なだけに、iPad Proパッケージの価格の一部と考える必要があるからだ。もしそうできないのなら、そもそもiPad Proは諦めたほうがいい。そこまで言っても差し支えのないパッケージになっている。

欲を言えば、角度の調整範囲は、もっと広いほうがいい。次のバージョンでは範囲が拡張されることを願いたい。それはともかく、本当にiPadで仕事をしたいと考えている人にとって、特にその仕事の中心がタイピングとなる人にとって、Magic Keyboardは必須と言っていい。ここ数年の間に、清水の舞台から飛び降りるつもりで、iPadをメインのコンピューターとして使うことにした人間にとって、これは夢にまで見たキーボードだ。欠点がないわけではないが、新鮮で、何のごまかしもなく実現されたアクセサリーであることは確かだ。ちょっと古いiPad Proでさえ、普通のノートパソコンよりも、さらに使いやすいノートパソコンにしてくれるのだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPhoneの「メール」アプリに重大な脆弱性、ハッカーがプライベートデータを盗んでいる

Apple(アップル)は近く、新たに見つかったiPhoneの脆弱性をパッチするが、セキュリティの研究者たちによると、ハッカーはすでに被害者のデバイスからデータを盗んでいる。

その脆弱性のニュースは米国時間4月22日に、セキュリティ企業のZecOpsが報じた。同社のCEOであるZuk Avraham(ズク・アヴラハム)氏によると、バグを見つけたのは昨年で、日常的な調査をやってるときだった。彼によると、すでに2018年には少なくとも6社が被害に遭っているという。

アヴラハム氏によると、バグがあるのはiPhoneのデフォルトのメールアプリ「メール」の中だ。犯人は被害者のデバイスに特殊な工作をしたメールを送ってデバイスのメモリーを侵略し、リモートで悪質なコードを動かしてデバイスのデータを盗む。さらにまずいことに、iOS 13の最新バージョンの上ではそのバグは、ユーザーとの対話をまったく必要としない。

そのバグはiOS 6から存在し、最初にリリースされたのは2012年。同氏はその後のツイートで、同じく内蔵の「メール」アプリのあるmacOSには、同様の脆弱性がないと述べている。

iPhoneの脆弱性は見つけるのが極めて難しいので高値がつく。バイヤーが100万ドルで買ったバグもある。でも、そういう高度で価値のあるバグは、リソースに十分恵まれたセキュリティ関係者、特に政府が見つけることが多い。政府関係者は脆弱性を利用した犯行を、犯罪者やテロリストの捜査に使うことが多い。しかし一部の政府が、特定の民族や活動家やジャーナリストなどをターゲットにすることもある。

同氏のブログ記事によると、今回の被害者の中には米国のFortune 500社や、ヨーロッパのジャーナリストもいる。彼はハッカーの名前を挙げないが犯人の中には国家もいると語っている。

TechCrunchの問い合わせに対してアップルのスポークスパーソンは何も言わなかった。記事を最初に報じたMotherboardは、そのバグはソフトウェアのベータバージョンでは直っており、次のアップデートで一般ユーザーに提供されるそうだ。

それまでは、高いリスクを抱えるユーザーは「メール」アプリを無効にしておくべきだ。

関連記事:iPhoneハッキングは中国政府によるウイグルのムスリム攻撃の疑い

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルはApp Store、Apple Music、iCloudなどのサービスをさらに数十の国や地域に拡大

アップル(Apple)は米国時間4月21日、App Store、Apple Podcasts、iCloud、およびApple Musicの各サービスを、アフリカ、欧州、アジアパシフィック、中東などの数十の追加市場に向けて開始すると発表した。これは、世界最大規模の企業によるサービスの世界最大規模の地理的な拡張となる。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg/Getty Images

App Store、Apple Arcade、Apple Podcast、iCloudについては、利用できる国が20か国増えた。また同社の音楽ストリーミングサービス、Apple Musicについては、これまでより52も多くの国で利用可能となっている。

アップルによると、Apple Musicには、Africa Now、Afrobeats Hits、Ghana Bounceなど、地域ごとにキュレートされたプレイリストが、新しい市場向けに提供される。また、新たな市場に対する導入時の特典として、Apple Musicを6か月間無料で使用できるようになっている。

App Store、Apple Arcade、Apple Music、Apple Podcast、iCloudは、以下の国と地域で利用可能となった。

アフリカ:カメルーン、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ガボン、リビア、モロッコ、ルワンダ、ザンビア
アジアパシフィック:モルディブ、ミャンマー
欧州:ボスニア·ヘルツェゴビナ、ジョージア、コソボ、モンテネグロ、セルビア
中東:アフガニスタン(Apple Musicを除く)、イラク
オセアニア:ナウル(Apple Musicを除く)、トンガ、バヌアツ

Apple Musicが利用可能となったのは、以下の国と地域だ。

アフリカ:アルジェリア、アンゴラ、ベナン、チャド、リベリア、マダガスカル、マラウイ、マリ、モーリタニア、モザンビーク、ナミビア、コンゴ、セネガル、セーシェル、シエラレオネ、タンザニア、チュニジア
アジアパシフィック:ブータン
欧州:クロアチア、アイスランド、北マケドニア
ラテンアメリカおよびカリブ諸島:バハマ、ガイアナ、ジャマイカ、モントセラト、セントルシア、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、スリナム、タークス·カイコス諸島、ウルグアイ
中東:クウェート、カタール、イエメン
オセアニア:ソロモン諸島

「皆様から愛されているAppleのサービスの多くが、これまで以上に多くの国々のユーザーの皆様にお届けできるのをうれしく思います」と、Apple Musicおよびインターナショナルコンテンツ担当バイスプレジデントのオリバー・シュッサー(Oliver Schusser)氏は述べている。

また、「お客様に選りすぐりの新しいアプリケーション、ゲーム、音楽、ポッドキャストを見つけていただくことで、世界有数のクリエイター、アーティスト、アプリケーション開発者を、私たちが引き続き支援していけることを望んでいます」とも付け加えた。

App Storeは、これで175の国と地域で利用できるようになった。一方Apple Musicの市場は167まで拡大している。それに対して、大手音楽ストリーミングサービスのSpotifyが利用できるのは、100か国未満にとどまっている。

アップルのこのようなサービスが、数十の新しい市場で利用できるようになることで、同社のサービス部門の売り上げは、さらに伸びることになるはずだ。アップルのサービス部門は、すでにMac、iPad、ウェアラブル、アクセサリよりも多くの収益を記録している。

また、こうしたサービスの利用範囲が拡がることは、より多くのユーザーの目をアップル製品に向けさせることにもつながる。これまでもiPhoneユーザーは、同社のサービスを利用できる地域が限られていることに不満を表面することがあった。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルはハイエンドなモジュラー式ノイキャンヘッドフォンを開発中か

Apple(アップル)は、人気の高いボーズやソーニ―の製品のような、オーバーイヤー式のノイズキャンセリング機能付きヘッドフォンと競合する製品を独自に開発していると、Bloomberg(ブルームバーグ)が報告している。AirPodsやAirPods Proに使われているのと同様の技術を搭載するものだという。このヘッドフォンには、パーツを交換可能なデザインも採用されているようだ。たとえば、トレーニングや長時間装着する際など、特定の用途別にカスタマイズ可能なアクセサリーを用意しているという。

この新しいヘッドフォンのプロトタイプデザインは、今年の後半に発表される可能性もある。ただしCOVID-19危機が続いているため、タイミングは定かではない。それにアップルは、いろいろな要因によって予定をあれこれ変更する傾向がある。Bloombergは「レトロな外観」になるとしている。ヘッドバンドから伸びる細いアームに、楕円形のイヤーカップが直接取り付けられたようなものだという。交換可能なパーツとしては、イヤーパッドや、ヘッドバンドのクッションがある。いずれも、磁石を利用してヘッドフォンのフレームに取り付けられるようになっているようだ。

アクティブ・ノイズキャンセル機能やタッチ式のコントロールだけでなく、Siriのサポートも内蔵している。しかしiOSとmacOSのユーザーにとって最も重要なのは、AirPodsシリーズや、アップル製Beats製品の一部のヘッドフォンと同様、複数のデバイスに対し、非常に簡単に接続できることだろう。

アップルはすでにBeatsブランドで、AirPodsと同様にノイキャン機能を内蔵し、複数デバイスへの接続性の高いヘッドフォンを、オーバーイヤータイプとオンイヤータイプの2種類発売している。Bloombergのレポートは、新しいヘッドフォンがBeatsブランドになりそうだとは言っていない。いずれにせよ、カスタマイズできるという特徴は、アップルの既存の製品には見られない新機軸と言える。

Bloombergは以前にも、アップルが、より小型のHomePodスピ−カーを製品ラインナップに加えるのではないかと報告していた。また今週公開された、FCCに対する新たな申請は、完全ワイヤレスのインイヤースポーツイヤフォン、PowerBeats Proの後継機の発売が近づいていることを示している可能性もあるという。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

最高のシングルカメラシステムを搭載した新iPhone SEを4万4800円から発売

アップルは米国時間4月15日に新しいiPhone SEを発表した。ディスプレイのサイズは4.7インチで、物理的なホームボタン、Touch ID、シングルのリアカメラ、A13 Bionicチップを搭載している。価格は399ドル(日本では税別4万4800円)からとなっている。新たなiPhoneユーザーや、初めてスマホを購入する人を主なターゲットとする製品だ。しかし何よりも、現行モデルとして最も小型のiPhoneを求める人にアピールすることは間違いないだろう。

画像クレジット:Apple

iPhone SEの予約注文は、4月17日の午前5時(米国太平洋夏時間)に開始され、出荷は4月24日からとなる。

本体カラーは、ブラック、ホワイト、(PRODUCT)REDの3種類から選べる。リアカメラもフロントカメラもシングル仕様。これがアップルの新しいエントリーレベルのiPhoneとなる。

その他の仕様は、全体的にかなり魅力的だ。何より、iPhone 11や同Proと同じA13チップを搭載している。アップルによれば、SEのプロセッサパフォーマンスは、価格に合わせて引き下げられているようなことはなく、iPhone 11と同等だという。

ディスプレイは、アップルの言うRetina HDユニットであり、通常のLCDパネルだ。iPhone 11やXRのようなLiquid Retinaディスプレイではない。本稿執筆時点では、コントラスト比などの細かいスペックは確認できていないが(実際には1400:1)、True Toneディスプレイとなっている。

サイズを別にすれば、新しいiPhone SEの最大の特徴は、Touch IDを備えた物理的なホームボタンを持っていることだろう。最近のiPhoneは、みなFace IDシステムを採用していただけに新鮮だ。これがサイズの制約からくるものなのか、つまりフロント用にTrueDepathカメラを組み込むスペースの問題なのかどうかは、現時点でははっきりしない。しかしおそらくは、価格を抑えるための手段の1つと考えられる。

Touch IDは信頼性が高く、そちらの方を好むユーザーもいる。私はFace IDの大ファンだが、みながマスクを着けるようになったご時世を考えると、Touch IDのメリットが再び注目を集めているとも言える。実際問題として、顔の半分をマスクで覆った状態では、Face IDを正しく動作させるのは難しい。これは以前からアジア地域では問題だった。アレルギーのシーズンや、体調の悪いときには、マスクを着けるのが習慣になっていたからだ。

iPhone SEもデュアルSIMをサポートしている。無線通信サービスの選択肢が豊富な地域のユーザーや、そこに旅行する人にとっては、嬉しい機能だろう。

大きく進化したカメラ機能

アップルは、いくつかの根拠を示して、iPhone SEが「最高のシングルカメラシステム」であると主張している。思い出してみれば、iPhone XRのリアカメラは、同じ解像度で、やはりポートレートモードをサポートしていた。しかし、新しいiPhone SEは、ISP(Image Signal Processor)およびNeural Engine(ニューラルエンジン)として機能する、最新のA13 Bionicチップを搭載している。これは、セグメンテーションマスクやセマンティックレンダリングなど、特に機械学習分野での著しい進歩を取り込んだもの。その結果、最近のiPhoneモデルの中でも、特に効果的なポートレートモードを実現している。

アップルは、XRでは3種類の照明効果(「自然光」、「スタジオ照明」、「輪郭強調照明」)のみをサポートしていた。いずれも、背景を取り除く必要がないもの。それ以外の照明効果(「ステージ照明」、「ステージ照明(モノ)」、「ハイキー照明(モノ)」)は、レンダリングと分離のパイプラインのために、さらなる処理能力を必要とする。iPhone SEでは、それらも可能となった。またiPhone SEは、iPhone 11に採用された「次世代のスマートHDR」も装備する。これもまた、新しいチップの搭載によって可能となったこと。

新しい画像パイプラインによって、他にも多くのメリットが得られる。たとえば、4Kビデオ撮影では、30fpsまで「拡張ダイナミックレンジ」が使える。また、「映画レベルのビデオ手ぶれ補正」は、4Kで60fpsまで可能だ。一方、静止画撮影でも「次世代のスマートHDR」が使える。さらに、6種類の照明効果すべてが、前面カメラでも利用可能となっている。

こうしてみると、これはiPhone 11 Proの画像処理パイプラインを、シングルカメラシステムで実現したようなものと言えるだろう。しかし、そこには大きな違いもある。ナイトモードがないのだ。ナイトモードは、iPhoneの長い歴史の中でも、最も説得力のあるカメラ機能の1つだ。この点では、新しいSEを選ぶのは、カメラ機能よりも、価格とサイズを優先することになる。

ラインナップの位置関係

新しいiPhone SEの追加によって、現行のiPhone製品は、ほぼ7種類になったと言っていいだろう。iPhone XR、XS(XS Maxを含む)、それからiPhone 11とiPhone 8 Plus、さらにiPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max、そして新しいiPhone SEだ。すでにApple Storeで扱っていない製品もあるが、私が信頼しているアナリストによると、そうした製品を製造している工場も、まだ残っている可能性があるという。今回のSEの登場で、アップルはiPhone 8の販売を収束させることになるだろう。そしてiPhone 8 Plusは、在庫がなくなるまで特定の地域で販売を続けて打ち止めとする。iPhone SEの、64GBモデルで399ドル(日本では税別4万4800円)という価格設定は、非常に魅力的だ。そこにわずか50ドル(同5000円)を加えた499ドル(同4万9800円)で128GBのストレージが手に入る。また256GBモデルでも549ドル(同6万800円)だ。

今回のiPhone SEをiPhone XRと比較すると、後者のメリットは画面サイズが大きいということくらいだ。しかし、それだけで2万円という価格差は大きいように感じられるだろう。

全体として分かるのは、アップルが、iPhoneの品揃えの中で価格帯の空白をなくそうと懸命に努力しているということ。そうすることで、人々をiPhoneのエコシステムに引き込みやすくしようとしている。いったんiPhoneユーザーとなった人は、さまざまなサービスによるロックイン効果と、高い顧客満足度のために、なかなかそこから抜け出ようとはしないのだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

新型コロナ対策の外出自粛要請の中で名古屋がワースト、アップルの移動データ解析サイトから判明

既報のとおり、アップルはiPhoneなどが合法的に記録している各ユーザーの位置情報のデータを匿名化して「Mobility Trends Reports」として毎日更新している。日本はiPhoneのシェアが他国に比べて非常に高いことを考慮すると、実際の人の移動に近いデータと言える。

関連記事:アップルがユーザーの移動データを公開、新型コロナで変化する都市をひと目で確認可能に

現在のところ日本語のページは準備されていないが、都市名をローマ字で入力することで日本国内の移動データを参照することが可能だ。具体的には、東京(Tokyo)、大阪(Osaka)、名古屋(Nagoya)、福岡(Fukuoka)などの人の移動状況を調べられる。

  1. apple-covid199

    東京
  2. apple-covid198

    大阪
  3. apple-covid196

    福岡
  4. apple-covid1910

    日本全体

具体的には、2020年1月13日(月)と比較すると、

東京
自動車:マイナス28%
徒歩:マイナス43%
公共交通機関:マイナス45%

大阪
自動車:マイナス27%
徒歩:マイナス44%
公共交通機関:マイナス44%

福岡
自動車:マイナス29%
徒歩:マイナス42%
公共交通機関:マイナス43%

日本全体
自動車:マイナス26%
徒歩:マイナス36%
公共交通機関:マイナス38%

名古屋

現在調べられる日本の都市の中で減少率が最も低いのは名古屋だ。特に徒歩での移動がほかの都市と比べて突出して多く、外出自粛要請があまり効力を発揮していないことがわかる。

名古屋
自動車:マイナス24%
徒歩:マイナス28%
公共交通機関:マイナス33%

なお、本稿執筆時点では、横浜(Yokohama)や仙台(Sendai)、札幌(Sapporo)、神戸(Kobe)、京都(Kyoto)などのデータは参照できなかった。

とはいえ、諸外国と比べると日本の都市の減少率はまだまだ低い。

  1. apple-covid194

    米国・ニューヨーク市
  2. apple-covid195

    米国・サンフランシスコ(ベイエリア)
  3. apple-covid193

    フランス・パリ
  4. apple-covid192

    イタリア
  5. apple-covid191

    ドイツ・ベルリン

ニューヨーク市
自動車:マイナス64%
徒歩:マイナス81%
公共交通機関:マイナス87%

サンフランシスコ(ベイエリア)
自動車:マイナス61%
徒歩:マイナス74%
公共交通機関:マイナス80%

イタリア
自動車:マイナス85%
徒歩:マイナス88%
公共交通機関:マイナス90%

医療保険や医療体制、国民性、高齢化率が異なるので諸外国の数字とは一概には比較できないが、アップルのデータを見る限り新型コロナウイルス蔓延を食い止めるには日本国民一人ひとりのさらなる努力が必要だ。

なお同社は、Google(グーグル)と共同でOSレベルの匿名接触者追跡システムも開発している。

関連記事:アップルとグーグルが新型コロナ感染チェック用モバイルアプリを共同開発、プライバシー保護も確約

アマゾン、アップル、マイクロソフト、新型コロナウイルス対策への3社三様の取り組み

IT業界は、かなりのリソースを投入して、拡大を続ける新型コロナウイルスの世界的な大流行に対する取り組みをサポートしている。先週末、アマゾン、アップル、マイクロソフトの各CEOは、それぞれの会社の継続的な貢献について、さまざまな方面におよぶ最新状況を公開した。そこには、最前線の医療従事者に向けて医療用品や個人用保護具(PPE)を寄付することから、感染の世界的な広がりを追跡し分析することを支援するソフトウェアプロジェクトなどが含まれている。

画像クレジット:Simon Dawson/Bloomberg、Jason Alden/Bloomberg、MANDEL NGAN/AFP/Getty Images

アップルCEOのTim Cook(ティム・クック)氏はTwitterで、同社は米国とヨーロッパの両方で、医療従事者が必要としている必需品の調達を試みており、そのために「数百万枚のマスク」に参加していることを明らかにした。またアップルは、以前のリリースに関してもアップデートして詳細も説明した。その中には、1500万ドル(約16億6000万円)の寄付に加えて、すべての従業員の寄付に対して2対1のマッチングで寄付額を上乗せすることも発表した。いずれも新型コロナウイルス対策として使われる。

アマゾンの創立者兼CEOのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は、米国時間3月21日に同社の公式ブログを更新し、アマゾンの倉庫と物流業務における優先順位の変更に関する詳細を説明した。現在では、日常の家庭用の食料、ベビー用品や医療用品、といった必需品を優先的に処理するようにした。またベゾス氏は、10万人を新たに雇用するとともに、フルフィルメント労働者の時給を上げるという同社の約束を改めて確認している。

ベゾス氏によれば、同社は「数百万枚のマスクを発注しました」という。それらは、自宅作業ができない正社員や契約社員に配られることになるが、世界的な供給不足により「まだほんのわずかしか納品されていません」ということだ。さらに同氏は、そうした製品は、まず最初に最前線の医療従事者に届けられることになり、同社の従業員に対しては、納品されしだい、優先順位に従って供給されると説明している。

マイクロソフトCEOのSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は、米国時間3月21日にLinkedInに、同社のさまざまな取り組みについて長い説明を投稿した。そこでは、同氏がマイクロソフトの全従業員に送信したメールの内容も公開している。ナデラ氏は、同社の遠隔医療のためのソフトウェアプラットフォームについて触れ、ジョン・ホプキンス大学(John Hopkins University)の世界的な新型コロナウイルス感染状況トラッカーなど、いくつかの共同データプロジェクトについても説明している。CDC(Centers for Disease Control and Prevention、米疾病対策センター)も、マイクロソフトの医療チャットボット技術を基盤フレームワークとして利用した、チャットボットによる新型コロナウイルス判定ツールをリリースした。

またマイクロソフトは、Microsoft TeamsとMinecraftが、世界中の学校の閉鎖を補うために設計された、リモート学習の新たな取り組みに利用されていることを確認している。さらに世界的な研究活動をサポートするため、機械学習とビッグデータのプロジェクトにも取り組んでいることも報告している。今週のはじめ、マイクロソフトの最高科学責任者、Eric Horvitz(エリック・ホービッツ)氏は、世界中の学術機関と共同で、オープンな研究データセットを提供すると発表した。これには、ホワイトハウスの科学技術政策局や、チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブも一枚噛んでいる。この、COVID-19 Open Research Data Setと呼ばれるデータセットには、同ウイルスに関する2万9000件を超える学術論文が含まれており、新たなものが公開されれば、逐次追加されることになっている。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

新型MacBook Airは再びタイプしたい気にさせてくれるノートPC

誰もがわかっているけれど、口にしたくない不都合な真実について話しておくことにしよう。家を出ることを禁じられているときに、ウルトラ軽量のノートブックをレビューするなんて、これ以上の皮肉があるだろうか。もちろん、Apple(アップル)がこの状況を予想していたはずはない。おそらくビル・ゲイツを除いて、誰も予測できた人はいないだろう。

もちろん思い出す必要もない、現在のこうした悪い状況を、わざわざ思い出してもらいたくてこんな話を持ち出したわけではない。ただ単に、現在の状況が新型MacBook Airをテストするものとしては理想的とは言えないことを、お話ししておくことが大切だと考えたからだ。今朝MacBook Airが私のニューヨークの1ベッドルームのアパートに届いてから、私はこれを持って一度も家を出ていない。

実際のところ、最初私は大きくて持ち歩くことは想定されていないデスクトップコンピューターの真ん前に、このノートブックを置いて作業をしていた。しかし、挑戦心をちょっと刺激されたので、ベッドに腰を掛け膝の上にAirを置いてこれを書いている。そして、これはなかなか調子がいい。

関連記事:新型キーボード採用のMacBook Airは性能も強化して10万4800円から。

MacBook Airについて、私からは読者がまだ知らないようなことをあまりお話できない。MacBookシリーズの主力の1つであるAirは、2020年1月に12歳になった。それはオリジナルのデザインが、10年以上経ってもいまだに新鮮さを失っていない証拠の1つだ。もちろん、長年にわたってこのデバイスには重要なアップデートが行われてきたが、オバマ大統領の最初に就任したほぼ1年前に市場に登場したこのノートブックは、今でもその原型をとどめたままだ。

「薄さ」と「軽さ」は、今でもAir自身を表すための特徴だ。これは、他のMacBookファミリーに比べたときの処理能力を手放すことと引き換えに、飛行機の目の前のシートポケットにすっぽりと収まるデザインを採用した製品なのだ。実際、このデバイスが重いビデオ処理やその他のリソースを大量に消費するアプリケーションを必要とするユーザーに必要とされたことは、 一度もなかった。そして、2020年モデルでは重要な内部のアップデートを行ったものの、やはりヘビーな用途には向かないという性質は変わらないままだ。

だが、もし腰痛が気になるユーザーなら、おそらくこれが選ぶべきMacBookだろう。

関連記事:MacBook Airレビュー:12インチMacBookよりいい買い物

おなじみのくさび形はもちろんそのままだ。数世代前には、そのデザインはユニボディデザインと天板の反射するアップルのロゴとともに、他のMacBookシリーズが採用しているものと同様になった。

Thunderbolt 3/USB Cポートは変わらず2つだけだ。今回も両者は同じ側にある。これは再デザイン以来、常に大きな不満の1つだった。両側に2つずつというのがベストだが、そうでなければせめて両側に1つずつにしてほしい。そうすればお互いに干渉することもないし、座る位置によって変化するコンセントからの電源ケーブルを、どちらの側からでも挿しやすくなる。

だが、2020年モデルへの最大のデザイン変更は、はるかに繊細なものだ。MacBookのキーボードはここ数年、消費者から訴訟を何度か起こされ、数え切れないほどキーの不具合に悩まされてきた。そしてアップルはついに、2019年の16インチMacBook Proから新しいデザインを採用したのだ。ありがたいことに、そのアップグレードはAirにももたらされている。

システムは、シザー構造に戻った。とりわけ大事なことは、これによってキーがより多く動くようになったということだ。つまり、従来のキーボードのように、タイピングに従ってキーが実際に押し込まれてくれるということである。これには雲泥の差がある。

バタフライ構造は、アップルの明らかな失敗だった。触覚フィードバックが不足していることに加えて、キーがノートブックとほぼ同一平面上にあることで、もしゴミが詰まってしまうと使えなくなってしまう可能性があったのだ。少なくとも私の場合、Sキーが働かなくなってしまい、緊急にエアダスターを必要とする場面が一度はあった。それは心すべき重要な点だ。

これまでアップルが繰り返し採用してきたバタフライ構造を改良する試みとは異なり、シザー構造に戻ることは著しい改善となる。今回のキーは他のシステムと比較した場合でも、まだ比較的柔らかいが、感触は大幅に改善された。タイプ中の感触が良くなったことは言うまでもない。

ここで得られる感触は、アップルのBluetooth接続のMagic Keyboardで得られるものと、とても似通っている。正直なところ、これだけでも価値あるアップグレードになっている。上部にTouch Barはないが、その代わりに標準的なファンクションキーが配置されている。ただし、Touch Barの最も優れた機能であるTouch IDは搭載されている。

Airの多くの部分は、2018年の大規模なオーバーホールからあまり変更はない。もちろんRetinaディスプレイを搭載しており、解像度は2560×1600ピクセル。これは2017年より前のAirからすると大きな進化だ。

新しいのは内部の重要なアップグレード。デフォルトの構成では、第10世代の1.1GHzデュアルコアIntel Core i3が搭載されている。今回のデバイスは、2019年の第8世代チップ搭載モデルから進化したが、このモデルには標準でCore i5が搭載されていた。明らかにアップルは、新型Airでシステムの基本価格を引き下げるための計算をしている。今回のデバイスをMacBook Proなどのほかの製品とさらに差別化したいと考えているようだ。

ただし、基本的な使い方しかしないユーザーであっても、1万円を追加して、Core i5にアップグレードすることをお勧めする。それが現在手元にあるマシンに搭載されているチップだ。システムはGeekbench 4のシングルコアテストで5244、マルチコアテストで14672を獲得し、2018年に私たちがテストした最後のモデルから性能が大幅に向上している。

チップレベルでのもう1つの重要なアップデートは、Intel UHD 617からIris Plus Graphicsへの切り替えだ。とりわけ、これは外部モニターのサポート機能に役立つ。Airはディスプレイ圧縮の助けも可能で、最大6Kの外部モニターをサポートすることができる。メモリーはデフォルトで8GBであり、16GBにアップグレード可能だ。一方、ストレージに関わるはるかに大きなニュースは、ベースモデルが従来の128GBから256GBにアップグレードされ、最大容量も従来の1TBから2TBまで増やせることだ。

興味深いことに、発表されたバッテリー寿命は12時間から11時間に短くなっている。もちろん、それは使い方に大きく依存する。数時間の利用後、使っているマシンのバッテリー残量は35%になった。私は明るさや他のすべてを設定をデフォルトで使用していて、常時タイピングを行い、ChromeとSlackを使い、Spotify経由でヘッドフォンで音楽を聴いていた(ときどきベンチマークを行いながら)。

いろいろな仕事をしながら使う際には、1日バッテリーが持つという説明で十分なような気もするが、11時間というのはおそらく誇張だろう。こうした寿命は、多くの要因に基づいて、かなり違ってくる可能性があることに注意してほしい。私は実際には、まだこのノートブックを丸1日使ったに過ぎない、この先、必要に応じてアップデートをお届けしたい。

他にも素晴らしいアップグレードがある。キーボード、プロセッサー、そして2018年モデルで行われたオーバーホールなどを通して、アップルが最初の導入から12年もの間、愛されている製品ラインを新鮮なものに保ち続けているのを知ることはうれしい。

多くの人にとって、今回のAirが新しいiPad Pro(およびその新しいキーボード)と一緒に発表されたという事実は、製品間の境界線がどれほど曖昧になっているかを認識させるものになったのではないだろうか。例えばサムスンが幅広い製品を提供する傾向があるのに対して、アップルはこれまで製品ラインに対して比較的ミニマルなアプローチを採用してきた。そのため評論家たちがこの先アップルに関して語る際に、この境界線に関する疑問を口にする者が多いだろう。

だが、パーソナルコンピューティングが複雑になるにつれて、ニーズも変化する。そしてそれに応じて、アップルのラインアップも変化する。ここしばらくの間、MacBook Airは標準のMacBookにその地位を譲り、徐々に消えていくように見えていた。しかし結局、Airは生き残り、それは納得できるものとなった。

(iPadOSと比較して)macOSのワークフローの汎用性と組み合わせて考えた場合、ポータビリティに焦点を当てたことは強力なセールスポイントとなる。Airはその点に少々こだわりを持っているように見えるが、それはアップルユーザーにとってありがたいことだ。

原文へ

(翻訳:sako)

アップルが新しいiPad Proを発表、iPadOSでマウスカーソルが利用可能に

アップルは新しいiPad Proモデルを発表し、プレスリリースを発行した。内部仕様の強化に加えて、新しいMagic Keyboardも発表した。バックライト付きキー、トラックパッド、iPadの角度を自由に調整できるヒンジを備えたもの。

新しいiPad Proの外観は、従来のiPad Proとほとんど変わらないように見える。これまで同様、11インチと、12.9インチディスプレイのいずれかのモデルから選択できる。プロセッサとしては、8コアのA12Z Bionicシステムが搭載されている。以前のモデルでは、A12X Bionicシステムだった。

今回の新iPad Proは、デバイスの背面に、10MPの超ワイドカメラとLIDARセンサーを搭載している。LIDARセンサーは、拡張現実アプリなどで活用できる。標準レンズの12MPカメラセンサーも搭載している。内蔵マイクも改善されており、アップルでは「スタジオ品質」で録音できるとしている。

iPhone 11 Proと同様、Wi-FiとLTEも、それぞれわずかながら高速化されているはずだ。ディスプレイについては、以前のモデルと同様に120HzのリフレッシュレートとTrue Toneをサポートし、P3に対応した広色域をサポートする。

またアップルは、サーマルアーキテクチャの改善によって、負荷の重いアプリを、ピークパフォーマンスで長時間連続で実行できるようになったとしている。

ここで、トラックパッドについて話しておこう。以前に9to5macは、iOS 14ではマウスカーソルが完全にサポートされると報じた。これは実際には、この秋のiOS 14を待たずに実現されたことになる。

デフォルトでは、丸いカーソルを表示する。ただし、カーソルの形状は、何にカーソルを合わせるかによって変化する。たとえば、カーソルをテキストの上で移動する場合、縦棒の形のカーソルになる。またPagesのドキュメントで、テキスト領域のサイズを変更する場合には、左上と右下を向いた2つの矢印のカーソルとなる。つまり、デスクトップパソコンのカーソルと同じような挙動を示すのだ。

新しいトラックパッドはジェスチャをサポートし、アプリを直接切り替えたり、Appスイッチャーを開いたり、Dockやコントロールセンターをアクティブにしたりできる。サードパーティのアプリには、すでにトラックパッドをサポートしているものもある。しかしデベロッパーは、新しいAPIを利用して、さらにトラックバックのサポートを強化することも可能だ。

Magic Keyboardのキーボードは、セパレーションタイプの普通のキーボードのように見えるものとなった。USB-Cポートを備え、キーボードと、それに接続されたiPadの両方を同時に充電できる。これにより、iPadを充電しながら、iPad側のポートには別のアクセサリを接続して利用できるわけだ。

新しいMagic Keyboardは5月に発売される予定だ。価格は、iPad Proのサイズによって異なり、11インチ用が3万1800円、12.9インチ用が3万7800円となる。価格的には、かなり高価なキーボードだ。

iPad Proは3月25日に発売予定で、すでに注文を受け付けている。「仕上げ」は、シルバーとスペースグレーの2種類だ。128GBのストレージを搭載した11インチiPad Proの価格は8万4800円。同じ128GBのストレージを備えた12.9インチモデルは10万4800円となっている。いずれも1万7000円を追加すれば、Wi-Fiに加えてCellulerがサポートされる。さらに金額を追加すれば、256GB、512GB、1TBといったストレージ容量のオプションも選べる。11インチのWi-Fiモデルの場合、256GBでは9万5800円、512GBは11万7800円、1TBでは13万9800円となる。12.9インチのWi-Fiモデルの場合、それぞれ11万5800円、13万7800円、15万9800円となっている。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルはMac Miniのストレージ容量を倍増させてアップデート

アップルは米国時間3月18日、Mac Miniに、より現実的な容量のストレージを搭載して発売することを発表した。ベースモデルのMac Miniの場合、従来のSSDストレージ容量は128GBだったが、256GBに拡張された。価格は8万2800円となっている。標準構成の上位モデルは、従来の256GBから512GBに増設され、価格は11万2800円だ。ただし、CPU、GPU、および標準搭載メモリは、それぞれ以前のモデルと同じままとなっている。

今回の変更はわずかなものだが、最も安価なMacとしては、歓迎すべきアップグレードと言える。新たな仕様で、Mac miniのプライスパフォーマンスは向上したものの、同じ価格帯のWindows PCと比較すると、まだまだ見劣りするスペックとなっている。

エントリーモデルのMac Miniは、3.6GHzクアッドコアの第8世代Intel Core i3プロセッサを搭載し、メモリは8GB、グラフィックはIntel UHD Graphics 630を採用する。標準設定の上位モデルは、3.0GHz(Turbo Boost使用時最大4.1GHz)で6コアの第8世代Intel Core i5を搭載し、メモリは同じ8GBながら、SSDは512GBに増強されている。グラフィック機能も、エントリーモデルと同じだ。

両モデルとも、米国時間3月20日から出荷を開始する予定となっている。アップルは現在、新型コロナウイルスのパンデミックへの対応として、中国本土以外のすべてのApple Store実店舗を閉鎖しているため、同店舗でピックアップすることはできない。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)