ビットセラー、ランキングを使ったまとめを作れるアプリ「Qrank」

Android向けの人気カメラアプリ「FxCamera」の買収で知られるビットセラーだが、ここ最近はメディアでその名前を聞くことはあまりなかった。そんな同社が4月1日にAndroid向けアプリ「Qrank(クランク)」のベータ版を公開した。Google Playにて無料でダウンロードできる。

Qrankは、ユーザーが「お題」とそのお題に対する回答をランキング形式(1位から3位までは必須。最大12位まで)で投稿できるサービスだ。投稿されたお題は、ほかのユーザーも自由に回答できる。

閲覧するお題をカテゴリで選択したり、お気に入りのユーザーをフォローすることも可能。法人向けに管理画面を提供しているとのことで、企業やメディアが作成した公式のお題も配信できる。

FacebookとTwitterのアカウント連携をしているが、現時点では両SNSのソーシャルグラフを利用するような機能はない。このあたりはビットセラー執行役員CMOの長松淳一氏いわく、今後サービスの利用動向を見て対応していくという。

僕も実際にサービスを使ってみたのだが、NAVERまとめと、boketenanapi、そしてリクルートの新規事業プロジェクトから生まれ、DeadPool入りしたサービス「bestmania」(ランキング作成サービス。詳細は検索してウェブメディアの記事を検索して欲しい)を組み合わせた感じだった(と説明しても理解してもらえないかもしれないが)。

ともかく、お気に入りのラーメン店のランキングから人生相談、さらにはお題に対する「ボケ」の投稿まで、ユーザーの使い方次第でいろいろな投稿ができる。長松氏も「まとめやニュース、ソーシャルメディアではなくてちょっと緩め、気を遣わなくていいコミュニティ。信号が変わるのを待つ数十秒で触れる、隙間時間を埋めるものにしたい」語っている。ベータ版ということでまだサービスは完全なモノとは言えないが、今後の展開を楽しみにしたい。


Roamerで海外旅行時の通話を安上がりに

一か月前、スペインのバルセロナにいたとき、Roamerのファウンダの一人に会った。この巧妙なSIMハッキングアプリを使うと、世界中で今の自分の電話番号を使えるようになる。同社は12月に30万ユーロを調達し、今はAngel Co-fundとイギリスのエンジェルたちからの100万ユーロのラウンドを完了しようとしている。

Roamerのアプリを使うと、世界のどこからでも、より安く電話ができる。これから海外へ行く、というとき、Roamerに自分の母国での電話番号を教え、そして国際SIMカードを買う。すると、自分の母国番号にかかってきた電話は、今いる国の番号に転送され、母国にいるときと同じように通話できる。通話料金はその国の国内通話の料金となり、途方もないローミング料金を払わずにすむ。

ファウンダのSimon RabinとPetr AntropovとNick Ustinovの三名はいずれもヨーロッパの通信系スタートアップ出身で、Rabinかつて、最初のモバイルチェックアウトアプリTxt2Buyを作ったことがある。Ustinovは、ラトビアの初の大型出口とのちに呼ばれることになるinbox.lvを創業した。

このアイデアは、かなり強力だ。いくつかの巧妙なハックによって、ローミング料金がかからないようにする。外国にいるヨーロッパ人にとって、とくに便利だ。同社は今、合衆国向けのバージョンを開発中で、滞在国のカードを使わずにすむためのSIMも近く発売する。今のところユーザ数は約3000で、これまでに25万分(4000時間あまり)の通話を処理した。

同社の目標は、旅立つ前にSIMカードを送ってくるだけのHolidayPhoneのような企業をディスラプトすることだ。通話がその国のSIMに回されるだけだから、どこにいても家族や恋人などと長電話を楽しめる。

ローミング料金は頭痛のタネだが、このアプリには頭痛があまりない。小さいけどおもしろいスタートアップだし、もちろん、そのアイデアもおもしろい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


14.5億円の大型調達を実施したフリマアプリ運営のメルカリ、米国進出へ

スタートアップから大手まで、各社が参入して競争に拍車がかかるフリマアプリだが、ウノウ創業者である山田進太郎氏が立ち上げたメルカリが、大型の調達を実施。米国でのサービス展開を進める。

メルカリは3月31日、グローバル・ブレイン、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、GMOベンチャーパートナーズ(GMO-VP)などを引受先とした第三者割当増資を実施し、14億5000万円を調達したことを発表した。今回の発表に合わせて、2013年末より参画していた元ミクシィ取締役の小泉文明氏が取締役に、GCPの高宮慎一氏が社外取締役に就任する。

また、米国に子会社を設立。取締役でRock Youの創業者である石塚亮氏が赴任する。開発は当面国内に集中し、米国ではマーケティングやカスタマーサポートなどの体制を整えるとしており、早期のアプリリリースを目指す。「法律面も含めて複数の弁護士に話をしているところ。米国では夏までにアプリを出したい。UberやAirBnBなども広義でのCtoCサービス。どちらかと言うと(法律面で)きれいにするのに時間かかっているが、市場としては日本の4〜5倍はあるはず。もちろんそんなに簡単ではないが、米国の次はヨーロッパ、その先にはアジアやクロスボーダーな取引にも挑戦したい」(メルカリ代表取締役の山田進太郎氏)。人材についても、石塚氏のこれまでの人脈などを通じて「アンオフィシャルなものも含めて数十人とは会っている。普通の日本の会社に比べるとAクラス、Sクラスの人々にアクセスできている」(山田氏)という。

すでに国内最大規模に——競合の参入には「歓迎」

メルカリは、2013年2月の設立(当時の社名はコウゾウ)。7月にフリマアプリ「メルカリ」を公開した。これはスマートフォンのカメラで撮影したアイテムをそのまま出品できるアプリだ。商品を販売した金額は、メルカリ内での商品を購入するポイントとしても利用できる。現在アプリのダウンロード数はiOS、Android合わせて150万件以上。地方の20代女性の利用を中心に、1日の出品数は数万件、流通総額は月間で数億円となっている。フリマアプリの事業者は、各社とも流通総額などを公開しておらず、メルカリも“数億円”という表現にとどまっている。だが、競合と比較しても「推定ではあるが、国内最大級だと考えている」と山田氏は語る。僕が業界関係者らに聞いたところでも、「大きなサービスでも月間の流通総額は数億円前半ではないか」という回答が多い。ちなみにヤフーの「Yahoo! オークション」は月間流通総額500億〜600億円と言われているので、まだまだのびしろは大きいだろう。

最近はLINEも「LINE MALL」でフリマアプリに参入している。これについて山田氏は「若干怖いが、僕らとしては市場が盛り上がればいい。プッシュ(通知)をフックにユーザーを集める企画(チャンスプライス)なども、LINEのDAUを考えれば理にかなっており、よくできている」と語る。市場全体については、「消費増税も追い風。いいものを安く買いたい、使えるものを誰かに渡したいとは思うが、これまでのオークションでは敷居が高い。そのハードルを下げていければもっと使ってもらえるのではないか」(メルカリ取締役の小泉文明氏)と期待を寄せる。

なおメルカリでは、出品、販売、落札の手数料を「当面無料」としており、落札代金の振り込みのみ有料としているが、今後もこの施策を続けていく予定だという。「今は市場拡大の時、短期的に収益を求めるわけではない。とはいえ社員も30人ほどいる。今回の調達は、厚めに資本を持って市場を開拓していくための施策だ。最終的にはどこかのタイミングでで有料化するつもりだ」(山田氏)

メルカリ代表取締役の山田進太郎氏(右)と取締役の小泉文明氏(左)


Facebook、「あとで読む」機能を実装する「Save」ボタンを(再び)テスト中

かつて新聞が果たしてきた役割を担いたいと、Facebookはさまざまな作戦を展開中だ。複数のニュースフィードもそのひとつだし、スタンドアロンのPaperアプリケーションもそうだ。Paper app, 人気の話題(Trending)の提供も、もちろんその一環であるといえる。しかし、流れる情報が増えてきたなか、いつでもやっていることを中断してFacebookに時間を割くということができるわけでもない。Facebookはその点にも対応しようと、どうやら「あとで読む」ための「Save」ボタンをテスト中であるようだ。さまざまなニュースフィードを「Save」しておいて、あとでまとめて読めるようになる。

この話題で思い起こされるのは、2年ほど前に行われたSpoolに対する人材目的の買収(acqui-hire)だ。Spoolは記事やビデオなどをキャッシュしておいて、あとで時間のできたときに閲覧することを可能にする「あとで読む」用アプリケーションだった。飛行機の中など、インターネットに接続していなくてもコンテンツを閲覧することができた。買収から少しして、モバイルアプリケーション上で自前の「Save」ボタンをテストしていたが、結局は採用されずに終わってしまった。MyTechSkoolによると、2013年11月にも実験が行われたようだが、このときもまた、正式版に採用されることはなかった。

そしてこの度、アントレプレナーのDan Birdwhistell氏より、「Save」ボタンがテスト中であるスクリーンショットが送られてきた。Facebookとしてはまだあまり公にしたい機能ではないようで、コメントを求めた所では「私たちは常に新しい機能をいろいろとテストしているのです。今のところとくにお伝えすることはありません」というお決まりの文言が返ってきただけだった。

しかしテスト中の「Save」ボタンについては動作の様子もキャプチャされているので紹介しておこう。外部リンクのプレビューウィンドウの下、「Like」ボタンの右上に「Save」ボタンがある。クリックすると記事はタイムライン中の「Saved」セクションに保存される。「Saved」セクションへのリンクは左側のナビゲーションバーに表示されるようになる。「Saved」セクションにジャンプすればヘッドライン、リンク、サムネール画像、オリジナルの投稿者名、およびシェアボタンが表示される。

「Save」ボタンを実装することで、Facebookはステータスアップデートや写真投稿以外の面での魅力を大きくすることを狙っている。友だち間でのリアルタイムフィードに加え、さまざまなニュースなども効率的なスタイルで提供していきたいと考えているのだ。記事を保存しておけるようになれば、時間がなかったり、あるいはフィードを見て回っているのを邪魔されたくないようなときにも、気になる記事をそのまま放置せずに済むようになる。投稿記事からのリファラルトラフィックも増えることに繋がり、ニュース提供者としてもFacebookにコンテンツを流すことを、より重要視し始めることになるだろう。

Facebookが「Save」機能を実装すれば、ニュースフィードに力点を置いているTwitterとますます直接的に争っていくことになる。Twitterの方は、既にPocketInstapaper、あるいはSafari Reading Listなど、サードパーティー製の「あとで読む」アプリケーションに記事を送ることができるようになっている。Facebookに「Save」が実装されれば、Twitterでの「あとで読む」と同様の使い方ができるようになるわけだ。今のところは、「あとで読む」対象としたい記事があれば、別タブでコンテンツを開いて、そしてPocketのChrome拡張機能などを使って保存していた人も多いことだろう。ネイティブの「Save」ボタンが登場すれば、こうした手間も必要なくなるわけだ(Pocketの買収も自然な流れであるようには思えるが、世界中のゲーマーたちがOculusの買収に不満の声をあげているように、やはりいろんな利用者を刺激してしまうことにもなってしまうのだろう)。

「Save」ボタンを有効に機能させるためには、きちんと読んでもらうための仕組みも考える必要があるだろう。「Saved」へのナビゲーションメニューの追加も、もちろん一案ではある。しかしアピールが弱い気もする。おそらくはPaperこそが、保存記事のためのポータルとして有効に機能するものとなるのではないだろうか。Paper内に保存記事専用のセクションを設ければ、かなり有効に機能するのではないかと思う。ちなみにPaperでは記事をPocketやInstapaper、Reading ListやPinboardに飛ばせるようにはなっている。しかしオリジナルの「Save」ボタンの実装で、いろいろと新しい機能も考えられるようになってくるだろう。あるいはPaperを生み出したチームによって、他でも利用することのできる「あとで読む」用のアプリケーションの提供を始めるようなこともあるかもしれない。

「Save」機能はまだあくまでもテスト中のものだ。しかしFacebookが、利用者間のみならず社会との関わりも深め、その中で「井戸端」的機能を提供しようと考えるのであれば、コンテンツの「あとで読む」化を真剣に考えなければならないことは間違いないはずだ。

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(翻訳:Maeda, H


Microsoft、iPhone版とAndroid版のOfficeを無料に

iPad版Officeの発売に伴い、MicrosoftはiPhoneおよびAndroidスマートフォン版Officeを今日(米国時間3/27)から無料にした。アップデートされたアプリは、iPhone版がここ、Android版がここで、それぞれ入手できる。

変更履歴によると、アプリは「ホームユース」の場合に無料とのこと。Emil Protalinskiが今日指摘したように、「Microsoftは企業にはOffice 365の定期利用契約を必須とする計画」のようだ。

今後はOfficeを編集機能も含めて無料で利用できる。あらゆるデバイス、ただしiPad以外で。iPadではOffice 365を定期購読して編集機能をアンロックする必要がある。これで無料Officeアプリが、Windows Phone、iPhone、AndroidおよびWindows RT用に出揃った。通常のパソコン利用者は、オフライン版Officeが安全な選択だろう。

Microsoftのゴールは、人々を有償のOffice 365へと誘導することにある。しかし同時に、無料Officeアプリの利用は、同社のもう一つの優先課題であるOneDriveの利用を増やす。無料アプリはOneDirveを後押しし、iPad版はOffice 365の有料購読を促進するに違いない。

Microsoftが他社プラットフォーム用にOfficeをタダで配布? 時代は変わっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


タイムマシンの楽しみを感じさせてくれるTimehop、待望のAndroid版がついに登場

過去にFacebook、Instagram、Foursquare、そしてTwitterなどに投稿した記事や写真を、Timehopで楽しんでいるという人も多いことだろう。このTimehopについにAndroid版が登場した。

ご存じない方のために説明しておくと、Timehopは1年前や2年前、あるいはさらにその前の今日(同じ日)に、自分がいったいどのような投稿をしたのかを見せてくれるサービスだ。自分自身の投稿で振り返る「今日は何の日」風のアプリケーションだと言えばわかりやすいだろうか。

Timehopは昨年夏に、従来に引き続いてSpark Capitalの主導により300万ドルを追加調達しており、Android版の開発にはその資金も役立てられている。

iOS版の方はこれまでに100万回以上ダウンロードされており、エンゲージメント率も非常に高いアプリケーションとなっているそうだ。TimehopのファウンダーだるJonathan Wegenerによれば、40%の人が、毎日アプリケーションを起動しているらしい。ユーザー数の増加率などについての詳細は教えてもらえなかったが、アメリカのアプリケーションストアでは、Top 200内に位置している。

写真共有を目的とするソーシャルアプリケーションは数多くあるが、Timehopはそうしたものを活用しつつ、自分自身の過去を振り返るためのユニークで頭の良い方法を生み出したといえるのだろう。

スマートフォンの普及とともに、写真は印刷してアルバムにおさめ、家族や友人と何度も振り返ってみるというものではなくなりつつある。体験をリアルタイムでシェアして、そしてそのまま忘れ去られるものとなってきているのだ。

忘れ去るのはプリントしないからという理由だけではなく、非常に多くの写真を撮るようになったということも関係している。おかげで撮った写真をすべて記憶に残しておいたり、または何度も繰り返してみるという行為が非現実的なものともなってきているのだ。

実のところ、Instagramなどもこうした動きの中でこそ、人気を集めることになったアプリケーションだということもできよう。撮りっぱなしの写真をそのままそこらに投稿しておしまいにするのではなく、写真に適したフィルタを適用するなどすることで、写真に対する思い入れを強めているわけだ。

Timehopも「思い出」を大事にするわけだが、こちらはInstagramとは違ったアプローチをとっている。数年前のこの日に、自分がどこにいて何をしていたのか、いわゆるタイムトラベルを体験させることで、利用者のノスタルジーを満たそうとしているのだ。懐かしい友だちを思い出し、思い出のバカンスをついこの間のことのように感じつつパーティーやイベントを再体験したり、あるいは子供の成長を振り返ったりすることができる。

「作ったコンテンツというのは、時の流れの中で輝きを強めるものだと思うのです。年月を経るにつれ、撮影した写真への思いが大きくなるということもあるはずです」とWegenerは言っている。「多くの人が、ソーシャルメディア上に数年分の思い出を蓄積するにいたっています。そうした人が過去を味わい楽しむためのツールとして、Timehopを利用してくれればと思っているのです」。

Timehopの利用者は、今のところ高校や大学に通う女性が多いのだそうだ。しかしより幅広い層に利用されるAndroid版をリリースしたことで、利用者の年齢構成なども変わってくることになるのだろう。

アプリケーションは無料で、Google Playよりダウンロードできる。
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(翻訳:Maeda, H


はてな謹製ニュースアプリ「Presso」は「はてブ」のエントリーモデル


はてなは27日、ネットメディアで話題の記事を配信するアプリ「Presso(プレッソ)」iPhoneアプリを公開した。ユーザーの興味にもとづいたニュースやまとめ、ブログを配信するのが特徴。記事には「はてなブックマーク(はてブ)」に投稿されたコメントを表示することで、話題の記事の注目ポイントがわかるのだとか。はてブを利用してもらうためのエントリーモデルのようなアプリとも言えそうだ。

はてブのユーザーがブックマークしたり、はてブと連携させているTwitterやFacebookのアカウントで投稿した記事をジャンル別に配信する。必ずしもはてブでホッテントリ(人気エントリ)入りした記事だけでなく、「誰かがネット上に投稿した記事は価値がある」という観点で記事を配信することで、品質を担保しているのだという。後で読みたい記事は、アプリ内の「B!」ボタンをタップするだけではてブに追加できるようになっている。

開発段階の画面

配信する記事は「音楽・アイドル」「テレビ・芸能」「野球」「サッカー」「家電・PC」「スマホアプリ」などの28種類のジャンルから選べる。「トップ」のジャンルには、アプリ内でのジャンルの並び順(左にあるほど重み付けされる)と話題性を加味して記事を表示する。10個前後しかジャンルを設けていないSmartNewsやGunosyなど既存のニュースアプリと比べて、Pressoはジャンルを細分化することで読みたい記事をピンポイントで見つけやすくしているという。

記事には、はてブに追加された最新のコメント1件を必ず表示することも特徴。はてなサービス開発部の森口貴之氏は、「コメントを読めばなぜその記事が話題になっているかがわかる。はてブ的なニュース体験を楽しんでもらえれば」と期待を込めている。収益化の予定はないが、年内に50万ユーザーを目指すという。

開発段階の画面

ところでなぜ、はてなはニュースアプリを開発するに至ったのか? その背景には、女性向けの記事を配信し、お気に入りの記事をはてブに追加できるアプリ「B!KUMA ガールズ(ブクマガールズ)」での成功体験があるのだという。同アプリでは女性がはてブを利用するきっかけとなり、レシピなど従来とは異なる記事が「ホッテントリ(人気エントリー)」に上がるようになったのだとか。

「ブクマガールズのリリース当初は、ネガティブな意味ではなくはてブの雰囲気が変わったという指摘があった。実際にブクマガールズ経由の記事がはてブでもブクマされたのは、実のある記事だったという証拠。pressoでも幅広いジャンルから、ひと味違った両記事が人気エントリーに上がってくるはず。」(森口氏)

B!KUMA ガールズ


YC冬学期に選ばれたPovioは写真共有に新しいモデルを提案―シャイなティーンエージャーに大人気

写真共有サービスといえば、さすがにいまさら感が強い。

しかし驚いたことに、まったく新しいコンセプトの写真共有を提案するスタートアップが現れた。Povioは誕生したばかりのスロベニアのスタートアップだが、すでに人気を得始めており、Y Combinatorの冬学期に参加を認められた(YCは20万ドルの投資、3ヶ月の集中指導と引き換えに会社の権利の7%を得る)。

Povio(iOS版とAndroid版を提供中)の写真共有モデルはまったくユニークなものだ。われわれはこれまでこういうシステムを見たことがない。

現在の写真共有サービスの仕組みはプッシュ・モデルだ。つまり、ユーザーが写真を撮り、それを友だちに見せて何らかの反応を期待するわけだ。しかし友だちはユーザーの撮った写真を見たがっているかどうかわからない。写真共有サービスは写真を撮って人に見せるという伝統的なフィード方式を採用している。このモデルの問題は、シャイなユーザーには向かないという点だ。そして大勢のティーンエイジャーはたいへんシャイだ。

Povioが提供するのはまったく逆のモデルだ。Facebookのアカウントを使ってPovioアプリにログインすると、Povioをインストールしている友だちのリストが表示される。ユーザーは興味をもった友だちにピン(「写真をください」というリクエスト)を送る。友だちは、気が向けば、写真を撮って送り返す。

〔日本版:POVとはPoint Of Viewの頭文字で「撮影者の見た目」という意味。撮影者は「今自分が何を見ているか」を写真で共有する仕組み。〕

こうして写真を介した1対1の会話が成立する。ティーンエイジャーの場合、これが男女交際のいとぐちになることも容易に想像される。友だちにいきなり写真を送りつけるより、写真をくださいとお願いする方が礼儀正しいし、双方ともにバツの悪い思いをしにくい。

アプリが最初に公開されたのは約1年前だが、スロベニアと東欧ではあっという間に大人気になった。特に 発祥の地のスロベニアではTwitterユーザーの半数がPovioをインストールしているという。

その後Povioは2014年のY Combinatorの冬学期に選抜されたのでシリコンバレーへの移住を決めた。

次のステップは当然アメリカ市場攻略だが、Povioはシリコンバレーの真ん中に位置するサンタクララ大学でその第一歩を踏み出した。「4週間で学生の30%、1200人がPovioに登録し、その半数は毎日使っている。つまりサンタクララ大学の学生の15%は毎日Povioを使っている」とファウンダーのMatevz Petekは言う。 アメリカの登録ユーザーの55%は毎日利用しているという。

Petekは「われわれはコンテンツを一方的に押し付けるのではないソーシャルネットワークを構築したい。Povioはコンテンツの共有を受け手側から頼むモデルだ。このほうが厚かましくない」と語った。

「しかしすぐにクローンされてしまうのではないか?」という質問に対して、Petekは「クローンされるのは仕方がない。しかし重要なのはテクノロジーよりユーザー・コミュニティーだ。ひとたび先行するPovioがコミュニティーを確立してしまえば、他のソーシャルネットワークの場合もそうだが、長期的にやって行けると考えている」と語った。

Povioは現在成長と規模拡大に努力を100%集中している。

万一PovioがうまくいかなくてもPetekには戻る場所がある―彼はフリースタイル・スノーボードのワールドカップ・チャンピオンになったことが何度もあるのだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google Nowカードがデスクトップ版Chromeにやって来る―数週間かけて順次公開

GoogleはGoogle Now通知センターをデスクトップ版Chromeに移植した。アップデートは今日(米国時間3/24)から数週間かけて行われる。

ユーザーは新機能によって携帯電話で受け取っている内容と同期した通知をデスクトップでも受け取ることができるようになる。Google Nowを利用するためにユーザーは特に何もする必要はない。iOSまたはAndroidスマートフォンで使っているのと同じアカウントでログインするだけでよい。

Google Nowカードには今日の天気、スポーツ試合の結果、交通情報、Googleカレンダーに登録した日程などが表示される。こうしたデータの一部はユーザーのスマートフォンの位置情報に基づいて選択されるという。

Googleは今回発表したヘルプ文書で、 iOSまたはAndroidで自宅、勤務先の位置情報を設定すると、それがデスクトップのGoogle Nowにもコンテキストとして反映すると述べている。 Google NowはChromeが起動していないときでも位置情報をチェックしている。Nowを必要としない場合はChromeの通知アイコン(釣鐘型アイコン)をクリックし、設定(歯車アイコン)を開いて[Google Now]のチェックを外せばよいということだ。

Google NowがChromeに導入されるのは予期されていた。デベロッパー向けバージョンではしばらく以前からこの機能が実装されており、2月からはベータ版にもNowが組み込まれた。やっとGoogleはNowを一般向け安定版に導入する準備が整ったわけだ。最近Googleはモバイルとデスクトップのプラットフォームを融合させる試みを加速せているが、これもその一環だろう。

Google Nowはユーザーの利便のためばかりでなく、 Googleがユーザーについてのデータを収集するための手段としても開発された。今回のChromeへの導入にあたってGoogleはさらにNowの対話性を高め、新たなユーザー情報を収集する方法を準備しているかもしれない。そのためにはNowをさらにスマート化し、利便性を高める必要がある。デスクトップ化に伴ってGoogleがどんな機能強化を考えているのか注目だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


DeNAの低学年向け教育事業「アプリゼミ」–タブレット向けにサービス開始

スマートフォンやタブレット向けの知育、教育サービスはネットサービスのトレンドの1つだ。知育アプリを手がけるスマートエデュケーションや教員と生徒向けのクローズドなSNSを提供するednity、先生間の情報共有向けSNSのSENSEI NOTEなど、スタートアップだけでもプラットフォームからコンテンツまで、ありとあらゆるサービスが提供されてる。

そんな中で、ディー・エヌ・エー(DeNA)が通信教育アプリ「アプリゼミ」を3月20日にスタートし、教育事業に参入した。サービス自体は2013年末に発表されていたもとなる。iOS、AndroidそれぞれのOSに対応しており、当初は「小学1年生講座」のみを提供、新1年生向けに算数と国語、さらに小学校低学年向けの英語の3教科を提供する。保護者向けには進捗確認やメールでのお知らせ機能、分単位の学習時間設定といった機能も提供する。

タブレット向けに日々の家庭学習を提供するサービスとしては、ジャストシステムの「スマイルゼミ」(2012年11月開始。専用端末を使用し、1年継続で端末代金無料。月額3600円)やベネッセの「チャレンジタッチ」(3月末提供開始。専用端末を使用し、半年継続で端末代金無料3250円)などが先行する。

これに対してアプリゼミは、端末に依存せず利用可能で月額は980円(アプリゼミサイトから購入した場合。アプリストアからの場合1000円)、さらに4、5、6月はサービスを無料化するなど、サービス利用までの障壁の低さで勝負する。「紙の教材だと、通常月額3000円程度になる。それに比べて印刷代や郵送費といったコストをかけないことで、980円を実現した」(DeNAエンターテインメント事業本部企画推進部アプリゼミ総合プロデューサーの床鍋佳枝氏)

アプリゼミでは、DeNAがゲームなどのサービスで培ったノウハウをもとに、難易度調整やリワード導入などをして、教育とエンターテインメントを組み合わせた「エデュメント」を実現するという。これによって勉強が好きになるだけでなく、自ら取り組み、身にけるというサイクルを作るという。教材は、NHKエデュケーショナルが監修する。

すでに東京都多摩市立愛和小学校など2つの小学校で実証実験を実施したところ、5日間の利用でテストの点数が上昇しており、また学習時間についても想定の半分で終了したことから、「エデュメントを実現することで学習が進んだ。今までの倍以上の分量を学べる」(床鍋氏)と語る。通常は1教科1日10分ずつ学習すれば、1カ月の学習が完了するという。


モバイルプラットフォームとスマートウォッチと囲い込み

編集者注記: Semil ShahSwellのプロダクト担当で本誌TechCrunchのコラムニストで投資家。彼のブログはHaywire、彼のTwitterアドレスは@semilだ。

知識ある賢いIT業界人3名に、スマートウォッチについて見解を尋ねれば、少なくとも4つ以上のもっともらしい意見が返ってくる。冗談はさておき、ここ数ヵ月のスマートウォッチに関するニュースに、私は益々興奮が高まっている。Google、そしておそらくAppleが人気のPebbleや、Jawbone、FitBit(両社は既に手首を支配しようとしている)、Runkeeper等に続こうとしている今、消費者にとって重要な問題は、プラットフォーム固有のアプリや機能だけではなく、モバイルプラットフォームおよびエコシステムの囲い込みの与える影響(あるいは縛り)だ。

消費者が直面するであろう選択肢は様々だ。「もし」結局Appleが腕端末を作ることになれば、それはiOSで動く可能性が高く、iPhoneやそのアプリとシームレスに連携するだろう。Googleの “Android Wear” の初期情報に基づくと、彼らは手首を、自社の予測コンピューティング・サービス、Google Nowの威力を拡大するための新しい対話インターフェースして考えているようだ。そして、1つのモバイルプラットフォームに縛られなくない人たちのために、様々な既存あるいは新しいプラットフォームが市場に出回り、様々な形式や形状を見せている。

私たちの腕を何が飾るかについて無数の臆測がある中 ― そして臆測は楽しい ― ビッグプレーヤーたちがどう出るか、新しい体験がどれほど素晴しいものになるのか、アーリーアダプターや熱狂的ファンは携帯電話の時と同じペースで新しいデバイスに飛びつくのかどうか等、それを知る方法は何もない(本件に関わる無数の記事を再構築するつもりはないが、参考までにコードネーム “Healthbook” に関する、Mark Gurmanの良記事[ただしこれはウォッチではなくiOSについてである]、The VergeのAndroid Wearに関する記事(Dante D’Orazio記)、およびBenedict Evansによる両体験を分析したすばらしい記事を読むことをお薦めする。

そんな未知の世界で、サードパーティー製プラットフォームが活気を見せていることは、健全であるばかりでなく、消費者がどこのモバイルプラットフォームにも囲い込まれずに済むことを意味する。このシナリオで、Jawbone、Fitbit、Runkeeper等の会社は、この変化を起こし、あるいは新たなモーションセンサーの到来に合わせ、これを新たなインターフェースへと変えるのに十分な、組識化された専門知識を持っている(集中力と情熱も!)。そしてPebble。すでに高い人気を持つ独立スマートウェッチメーカーは、シリコンバレーの中心に拠点を置き、狂気じみたファンたちに次々と新しいバージョンを送り出している。Pebbleは、すでに他のサードパーティーアプリと連携しており、ユーザーはスマートフォン上のPebbleアプリを通じてウォッチと対話できる。これによってユーザーは、モバイルプラットフォームを乗り替えた時でもウォッチを変える必要がなく、囲い込み効果は小さい。今後モバイルプラットフォームが、ユーザーの腕に自社の囲い込み技法を持ち込むかどうかはわかなない。しかし、現在市場に出回っているスマートウォッチやセンサー付ウエアラブルが(さらには「つながっている」ジュエリーも)、囲い込みをせず、十分な選択肢を与えていることは間違いない。そしてそれは非常に喜ばしいことだ。

Photo Credit: Kim Carpenter / Creative Commons Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


LINEの次のターゲットは”子ども”–安心安全を意識した動画配信サービス「LINE KIDS動画」

世界の3億9000万人のユーザーを抱えるにまで成長したLINE。プラットフォームのオープン化など様々な施策を展開している同社が新サービスのターゲットにしたのは“子ども”だ。

LINEは3月20日、1歳から6歳までの未就学児とその保護者向けに動画コンテンツを配信する「LINE KIDS動画」の提供を発表した。Appleの審査が通過次第、iPhone版よりサービスを提供する。Android版も開発中。タブレットについても対応する予定だ。

LINE KIDS動画は、28タイトル1500エピソードのコンテンツをラインアップした子ども向けの動画配信サービス。東映アニメーションやHIT Entertainmentなどが「ドラえもん名作コレクション」「スマイルプリキュア!」「きかんしゃトーマス」といったコンテンツを提供する。「大人が子どもに見せたいものではなく、子どもが見たい、かつ安心なコンテンツ。それをローンチでそろえられるかが重要なポイントだった」と舛田氏は説明する。

「タイマーシステム」と呼ぶ仕組みを導入しており、コンテンツの9割は1日40分まで無料で視聴できる。タイマーシステムの視聴時間は1日15分ずつチャージされるほか、LINE上の友人にチャージをお願いすることができる。友人1人から5分、1日で最大15分までチャージされる仕組みだ。チャイルドロックや視聴時間履歴の閲覧機能も用意する。

有料プランは2種類を用意。1つのタイトルのすべてのエピソードを視聴できる。「番組見放題プラン」が月額400円。LINE側でセレクトした28タイトル300以上のエピソードが見放題となる「LINEチョイスプラン」は月額500円となる。

同日開催された発表会で登壇したLINE執行役員最高戦略・マーケティング責任者の舛田淳氏は、スマートフォンが進化し、その期待が高まる一方で、性的、暴力的なコンテンツや違法コンテンツが存在し、また過剰な利用に酔ってサービスに依存してしまう「言うなれば陰の部分も生まれている」(舛田氏)と説明。そんな中で、ナンバーワンスマートフォンサービスの提供者として提供できることを検討する中で生まれた新サービスだと説明した。

今後の展開として子ども向け以外のコンテンツを提供するかという点については「選択肢の1つ。競争力があり、これまでの動画配信のかたちを変えられると考えられるのであれば」(舛田氏)と説明。また同社は「LINE Music」など発表済みで開始していないサービスがあるが、このタイミングでLINE KIDS動画を発表した理由については「サービスは今日出ている予定だったが、アップルの審査が間に合わなかった」とした。

左からLINE執行役員 最高戦略・マーケティング責任者の舛田淳氏、東映アニメーション取締役の清水慎治氏、HIT Enterteinmentアジアパシフィック代表の井上ブライス氏


Google、地図アプリのデベロッパー向けJavaScript APIでGeoJSONをサポート

今日(米国時間3/19)、GoogleはGoogleマップのJavaScript APIGeoJSON supportのサポートを追加すると発表した。マップを利用するデベロッパーにとっては朗報となる。

GeoJSONはオープンソースのデータフォーマットで、ここ数年急速に普及し、現在ではこの分野における非公式な標準フォーマットとなっている。

GoogleマップのJavaScript APIはKML、GeoRSSなどいくつものフォーマットをサポートしており、デベロッパーはGoogleのFusion Tablesからのデータをレンダリングすることができる。GeoJSONのサポートで、位置データをマップ上に取り込むのが一層容易になり、デベロッパーはUSGS(米国地質調査所)やGoogle Maps Engineなどのサードパーティーの情報源から簡単にデータをインポートし、地図上に表示できるようになる。このためにデベロッパーはアプリのソースコードに1行書き加えるだけでよい。

GeoJSONのサポートにともなってGoogleはAPIに新しいデータ・レイヤーを追加した。

デベロッパーはGeoJSONを用いれば単に緯度経度データだけでなく、川の流速や店舗の営業時間などさまざまな情報を付加することができる。こうした柔軟性を利用して地図の表示スタイルをカスタマイズすると、たとえば、世界地図の上に最近起きた地震の位置を示すだけでなく、地震の規模を円の直径で示すこともできる。またデベロッパーは地図のユーザーが対話的に地図を操作できる機能も容易に組み込める。

これまでGoogleが提供してきた手段に比べてはるかに簡単なので、GeoJSONの利用はデベロッパーの間に急速に普及するものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ツイキャスが「コラボ配信」機能を提供–別々の場所からでも最大4人でライブ配信可能に

10代を中心にユーザーを拡大する、モイのライブ配信サービス「ツイキャス」。そのツイキャスに新機能「コラボ配信」がまもなく実装される。

ツイキャスはスマートフォンとアプリだけでライブ配信、閲覧を実現するサービスだ。3月にユーザー数が545万人を突破。フィンランドの人口を超えたと発表した。なぜフィンランドの人口を比較するのか? と思う読者もいるかと思うが、フィンランドはモイ代表取締役の赤松洋介氏が滞在し、お気に入りとなっている国なのだ。ちなみに、ツイキャスの配信開始時にTwitterに投稿される「モイ!(こんにちはの意味)」もフィンランド語だ。

コラボ配信に話を戻そう。この機能は、1つのライブ配信に対して違う場所から最大3人までが追加で参加し、合計4人での配信ができるというものだ。イメージとしては、ニュース番組などで見かける複数地域での中継のようなかたちになる。気になる映像のクオリティだが、モイによると「3G回線でも映像、会話とも実用レベルの速度」だという。海外では「TinyChat」(アダルトな映像もあるので閲覧には注意した方がいい。ちなみにツイキャスは公序良俗に反する配信はチェックしているとのこと)などが複数人でのライブ配信を提供しているが、アプリストアの評価を見ると、ユーザーの厳しい声が目立っている。スマートフォンを使ったライブ配信サービスで、このような機能を持っているサービスを少なくとも僕は知らない。

「今までのツイキャスは、ユーザーからの要望など、顕在化しているニーズに対応してきた。ツイキャス側から新しい機能を提示するというのは実は初めての取り組み。この機能で配信のハードルを下げたい」——モイ事業企画の丸吉宏和氏は新機能についてこう語る。

ツイキャスには、特定のキャス主(配信者)のライブ配信開始を知らせる通知登録機能がある。その中には、通知登録20万人という人気の配信者もいるのだという。ただその一方で、「人気の配信者でないと視聴されないのではないか」と不安がって最初の配信に踏み出せない、潜在的な配信者も少なくないのではないかと丸吉氏は語る。

そこでこの機能を利用することで、すでに活躍中の配信者とのコラボレーション、友人間など知っている人同士での初めての配信など、今まで以上に敷居の低い配信環境を提供したいとしている。

この機能の利用は無料だ。アプリをアップデートすれば、すぐにすべてのユーザーが利用できる。「ツイキャスはトップ配信者だけでなくみんなを大切にしたい。(視聴だけでなく)配信も含めて、ユーザーすべてにコミュニケーションを楽しんでもらいたい」(丸吉氏)


カメラで文字を撮る旅行向け翻訳アプリ、Waygoが日本語もサポート開始

Waygoは中国語のテキストの上にスマートフォンをかざすと英語に翻訳してくれるアプリだが、このほど日本語の翻訳のサポートを開始した。Waygoは最近SXSW2014 アクセラレータ・プログラムに選定された。また500 Startupsの卒業生でもある。

Waygoアプリはスマートフォン(現在はiPhone)がインタネットに接続していなくても独自のOCRテクノロジーによってフレーズや個別の文字の翻訳が可能だ。Pleco中国語辞書などOCRを内蔵したアプリは他にもあるが、Waygoは旅行者向けに特化し、また複数言語をサポートすることで差別化を図っている。

アプリの操作は非常に簡単だ。画面から横書あるいは縦書のテキストを選択して撮影する(フラッシュを点灯するほうが認識精度が高まる)。これはフリーミアム・モデルで、各言語について1日10回までの利用は無料だ。それ以上の回数が必要な場合、1週間について1.99ドル〔200円〕と期間無制限の6.99〔700円〕のプランがある。これはライバルに比べて割安な料金だ。

CEO、共同ファウンダーのRyan Rogowskiは「最初に追加する言語に日本語を選んだのはユーザーからの要望が一番多かったからだ。特にビジネスで出張者の要望が多かった。他の地域に比べて日本では英語の表示が少ない。公共交通機関でさえ英語表示がない場合が多い」と語った。

私はWaygoの日本語機能をレストランのメニューで試してみたが、 料理名がちゃんと翻訳された。しかしWaygoのOCRは白地に黒あるいは濃色のフォント以外では認識精度が落ちるようだ。また標準的でないフォントや手書き文字では認識に失敗することが多かった。内蔵辞書はメニューや標識、公共表示に重点を措いているので複雑な文章を翻訳するのは苦手だ。現在のところ語学の勉強に使うアプリではない。しかし旅行者向けには大いに役立つだろう。

Rogowskiは「次にどの言語をサポートするかまだ決めていないが、おそらくアジアの言語になるだろう」と述べた。

写真:Ryan Rogowski

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Live Stylesの「tixee」はチケットとメディアの”パッケージ”を再発明する

「ソーシャルチケッティングサービスと言われてきたが、我々はそれだけを目指しているわけではない」——スマートフォン向けのチケット販売サービス「tixee」を提供するLive Styles代表取締役CEOの松田晋之介氏は、自社のサービスについてこう語る。

その理由は同社がアップデートしたばかりのiOSアプリにある。これまで、アプリ上でのライブやイベントのチケットを購入し、アプリ上に表示されたチケットをスワイプして電子的な”もぎり”を実現していたtixeeだが、今回新たにアーティストなどの情報を配信する「フィード」を実装した。

フィードには、ユーザーがフォローしたアーティストやスポット、スポーツチームなどのアカウントに関連するTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeの情報が配信される。各アカウントをタップすると、関連するチケットを直接そこから購入できる。このフィードの導入によって、ユーザーとチケットの接点を増やし、購買を喚起させることをねらう。「『興味のあるチケットを買ってもらう』ということはすでに実現できた。今後は『どれだけチケットを売る力があるか』が課題になってくる」(松田氏)。

松田氏は、今回のリニューアルで意識したものとして「ぴあ」の存在を挙げる。ぴあはもともと映画やコンサート情報誌としてスタートし、そこからチケット販売サービスを展開してきた。松田氏は「チケットとメディアをパッケージしたぴあは、当時のルネッサンスだった」とコメント。tixeeはチケット販売からスタートしたが、今回のフィードの導入を契機としてメディア機能を強化し、スマートフォン時代にに最適なチケットとメディアのパッケージを実現すると語る。

業績やユーザー数については開示していないLive Stylesだが、2013年秋以降は業績も好調だという。これまで年1回、大規模なイベントを単発で開催するクライアントが中心だったが、イベント規模は小さくとも定期開催するというクライアントへの営業を強化したことが奏功していると説明する。クライアントも、音楽プロモーターのほか、美術館や新聞社、テレビ局など拡大してきた。tixeeでのみチケットを販売する数千人規模のイベントもあるという。

同社では今後、ユーザーの属性やフォローするアカウントにあわせて情報を配信することも検討する。


Google、スマートウォッチOS、Android Wearを発表―最初の製品はLG ‘G’とMotorola Moto 360

Googleは新しいスマートウォッチ向けプラットフォーム、Android Wearを発表した。OEMメーカーはこのOSを利用してウェラブル・デバイスのハードウェアを開発することができる。

Android Wearableを採用した最初のスマートウォッチは次の四半期にリリース予定のLGの Gウォッチとなる模様だ。この製品にはスマートウォッチ版Android UIが搭載されており、いまやおなじみとなったOk Googleという音声コマンドに常時反応する。Googleによれば他のOEMパートナーも今年中に製品を発表するという。

Android Wearはまずスマートウォッチで製品化されたが、Gooleによれば、他のさまざまなウェラブル・デバイスに利用可能だという。

Android Wearableは多くの面でGoogle Nowの拡張として機能するようデザインされており、ユーザーの置かれたコンテキストを判断して、もっとも必要としそうな情報をもっとも必要としそうなタイミングで提供する。常時待機状態の音声コマンドで質問をし、音声で回答を得ることが可能だ。音声コマンドではメッセージやメールが送信できる他、フライトを予約したり、予約の確認をしたりできる。

音声コマンドとコンテキスト化された情報の提供に加えて、Android Wearableはフィットネスとヘルス関連の機能も装備されている。フィットネスの目標設定、実績、目標達成の度合いなどをリアルタイムでモニタするアプリを動作させることができる。またGoogleのスマートウォッチはマルチデバイスの操作をサポートしている。つまりスマートウォッチに音声で命令することによって、タブレットやテレビなど、接続された他のデバイスをコントロールすることが可能になる。GoogleによればChromecastによるコンテンツのストリーミングをAndroidWearableのスマートウォッチから操作できるという。

今回のAndroid Wearの発表にあたってはLGとMotorolaが主要なパートナーだ。MotorolaのMoto 360はLG Gとまったく異なるデザインで、OEMメーカーはAndroid Wearを利用しながらそれぞれ極めて独自な製品を作れることが見てとれる。Moto360の発売は今年の夏になるもよう。

LTとMotorolaに加えて、Asus、HTC、Samsung、Fossilなど多数のメーカーがハードウェア・パートナーに加わっている。

GoogleはAndroidデベロッパー向けにWearableのSDKのプレビュー版を公開した。このSDKを利用すると、既存のAndroidアプリをAndroidスマートウォッチと連携動作させるエクステンションを開発することができる。スマートウォッチ単独で動作するアプリより利便性を高めることができる。

プレビュー版SDKには、Androidアプリの通知がAndroid Wearデバイス上でどのように表示されるかを再現するエミュレータが用意されている。角型、丸型どちらのスクリーン・タイプにも対応しており、通知をさまざまにカスタマイズ表示したり、音声化したりするためのAPIもある。

Androidの拡張としてウェアラブル・デバイス用のOSを提供することはGoogleとしては自然な方向だ。発表された実装を見ると、GoogleNowに非常に近いが、スマートフォンを代替するのではなく、スマートフォンと連携してその機能を拡張するという方向だと感じられた。この点は先行しているPebbleも同様のアプローチだ。ソニーのSmartwatchやSmartwatch2がスタンドアロン型であるため、コンテキストを理解した適切な情報をリアルタイムで提供することに失敗しているのと対照的だ。この点では最初のGalaxyGearも同じような失敗をしている。

現在の段階ではGoogleはハードウェア・パートナーと共にウェアラブル・デバイスで何ができるかをデモし、学んでいる段階だろう。今後さらに洗練された製品が続くことになることを期待したい。

続報あり。…

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Pebble、たまごっち型育成ゲームのHatchiをリリース

Game Developers Conference(GDC)にてPebble用のたまごっち風バーチャルペットのHatchiがリリースされた。いつでも見える場所に装着するのが普通であることから、スマートウォッチ内にバーチャルペットを飼おうというのはごく自然な発想だといえる。たまごっち風ゲームが出てくるのは時間の問題だったといえよう。もともとiPhone用に登場してきたもので、iPhone用もPebble用もともにピクセル画像を使ったレトロな雰囲気になっている。もちろんPebble上では解像度の問題もあって、ピクセル画像を使わざるを得ないという意味もある。

そうした点からも想像できるように、Hatchiは未来的なアプリケーションとうわけではない(iPhone版も同様だ)。しかしその「レトロ感」がかわいらしいと感じる人もいることだろう。食事を与えたり、綺麗にしてやったり、そして一緒に遊んであげてHatchiを育てる。Hatchiというのは卵から生まれることからの命名(訳注:hatchには孵化するという意味がある)だ。育て方によって、異なるキャラクターを獲得して成長する。成長過程を見守り、そしてHatchiが欲しがっているものなどを見守りながら相手をしていくことになる。Pebbleの上下ボタンをナビゲーション用に、真ん中のボタンをアクションボタンとして利用する。

自分のPebbleにも入れてみたが、これはなかなか可愛らしい。ただ、Hatchiが気になって頻繁に時計を操作することで、バッテリーのもち心配になってしまうこともある。サンフランシスコで開催されている今回のデベロッパーイベントでは他にもいくつかアプリケーションが発表になっている。気になる方はこちらも見てみると良いだろう。

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(翻訳:Maeda, H


LINE電話、8カ国で運用開始―Androidユーザーは低料金で音声通話が可能に

それぞれに差別化を図って激しい競争を繰り広げているメッセージ・アプリだが、今日(米国時間3/17)、日本のLINE は距離に関係ない一律料金の音声通話サービス、LINE電話の運用を開始した。

従来からLINEユーザー同士ではアプリ内から無料で音声通話ができたが、LINE電話はこの機能を拡張したものだ。ユーザーはLINE電話でもデバイス本来の電話番号を利用できる。ただし、LINEによると、一部の地域、キャリヤでは着信の際に番号が正しく表示されないことがあるという。

最初にLINE電話が利用できるのは日本とアメリカに加えてコロンビア、メキシコ、ペルー、フィリピン、スペイン、タイの8カ国のAndroidユーザーだ。

これらの地域ではサービスの利用に必要なLINE Call v 4.1.0アプリがダウンロードできる。iPhone版が準備中で近日公開される。またアプリがダウンロードできる地域も拡大されるという。

LINEが公開した料金表によると、近く中国からも利用できるようになるようだ。固定回線への通話はアメリカ、メキシコ、ペルー、スペイン(これに中国が加わる予定)の1分2セントが最安で、順次高くなりフィリピンの1分12セントが最高だ。モバイル通話は1分あたり4セントから15セントとなっている。

LINE電話は2月に発表されたものだが、今日、無事に運用開始の運びとなった。LINEのサービスはSkypeやGoogleと同様、ユーザーの音声通話時間ではなく定額のデータ通信を利用することによって安価な通話を可能にするものだ。

しかし同時にLINEにとっては他のメッセージ・サービスに先駆けて音声通話機能を提供できたことは大きな差別化の要因となるだろう。LINEは2月に3億4000万人の登録ユーザーがあった(アクティブ・ユーザー数は不明)。メッセージ・アプリのリーダーでさきごろFacebookに190億ドルで買収されたWhatsAppは同時期のアクティブ・ユーザーが4億6500万人だった。

WhatsAppも2月に音声通話を提供する計画を発表したが、まだ詳細は明らかにされていない。

LINE電話の料金体系は2種類用意されており、Skypeのように事前にクレジットを購入するものと、一定の通話時間を決めて30日間有効になるものがある。長時間通話するユーザーには30日プランの方が割安になる。

LINEの売上は、前四半期で1億5600万ドルで、そのうち1億2000万ドルが中核事業であるLINEのメッセージ・アプリからのものだった。LINE電話は財務的にも大きな寄与が期待される。

2013年にLINEが株式上場を計画しているという報道があった。アジアのメッセージ・サービスでは韓国のKakao、中国のWeibo(微博)も上場を計画していることは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


スマホで脳トレのリアルタイム対戦ができる「BrainWars」、4月の公開に向けて事前登録開始

ソーシャルゲームやスマートフォン向けのゲームアプリでは、毎日特定の時間に開催されるイベントを組み込むケースも多い。だがこれからはリアルタイムでの対戦が主流になっていくかもしれない。

トランスリミットが3月17日、スマートフォン向けアプリ「BrainWars(ブレインウォーズ)」のティザーサイトを公開。4月中旬のリリースに向けて事前登録を開始した。またこれにともなって、MOVIDA JAPANおよびSkyland Venturesから資金調達を実施した。金額は非公開としている。

BrainWarsは、リアルタイムでのオンライン対戦が可能なスマートフォン向けの脳トレゲームアプリ。ゲームを立ち上げたユーザーは、友人や世界中のユーザーとリアルタイムのマッチングを行い、各種のゲームで対戦し、そのスコアを競うことができる。僕がデモを見せてもらった際には、計算記号の穴埋め、数字を昇順、降順にタップするといった合計3種類のゲームがあったが、代表取締役社長の高場大樹氏によると、リリースまでに10種類程度まで拡大する予定だという。また、ユーザーはこれまでの実績に応じて、スピード、正確性、記憶、判断、観察力、計算力といった要素が採点される仕組みだ。

対戦のオファーはスマートフォンのプッシュ機能を通じてなされる。もちろんリアルタイムに対戦に応じられないこともあるだろう。その場合、これまでの実績に応じてAIがオファー元のユーザーと対戦することになる。ただしオファー元には今対戦しているのが生身のユーザーなのか、AIなのかは分からないようになっている。

プレイごとにライフを1つ消費する。ライフは一定時間で回復するが、これを有料で販売する。料金は現在調整中とのことだが、1プレイ100円程度を検討しているという。

海外に目を向けると、リアルタイムにクイズで対戦するスマートフォンアプリ「QuizUp」が注目を集めている。これまで500万以上のダウンロードを実施しており、2013年末にも大規模な調達を実施。これまで2700万ドルを集めている。トランスリミットでも「特定言語に依存しない、ノンバーバルなコミュニケーションを提供する」としており、早急に海外に展開することを視野に入れている。

トランスリミットは、サイバーエージェント出身のエンジニア2人が中心となって2014年1月に設立された。現在、MOVIDA JAPANのSeed Acceleration Programにも参加している。高場氏は、コミュニケーションサービス「アメーバピグ」の海外版である「Ameba Pico World」(現在はサービス終了)やスマートフォン向けソーシャルゲームの「ガールフレンド(仮)」などのサービス開発に携わってきたサーバサイドエンジニア。取締役の工藤 琢磨氏いくつものソーシャルゲーム開発に従事したネイティブアプリエンジニアだという。