元Appleのデザイナーと元Twitterのエンジニアがチームを組んだプレミアムiPhoneカメラアプリHalide

元Appleのデザイナーと元Twitterのエンジニアがチームを組んで、本日(米国時間5月30日)iOSカメラアプリHalideを発表した。iPhoneの写真撮影に新しいオプションが加わった。質の高い写真を撮るためのさまざまなハイエンドツールを提供することが基本アイデアだが、物理的なカメラのダイアルを操作するときのように、様々な機能がジェスチャーを使った体の記憶として馴染むように工夫されている。

アプリのウェブサイトでの説明によれば、新しいアプリのジェスチャーベースのコントロールスキームは「古いライカやペンタックスといった偉大なフィルムカメラのように、直感的で触覚的」を目指したものということだ。

現在iOS向けには、Camera+やCamera Awesomeのような数多くの代替カメラアプリケーションがあるが、これらは「プロのように撮影したい」多数のユーザーに向けてマーケティングされている傾向がある。一方Halideは、まず第一にパワーユーザーを念頭に置いてデザインされている。つまり、写真撮影をある程度理解していて、露出をすばやく変更したり、スワイプでピントをマニュアル調整するようなことをしたいと思う人には、大いにアピールするということだ。

とはえ通常のiOSアプリのような自動モードも組み込まれている。このことで、トリッキーなショットを撮ろうとするときには、手伝いの必要なこともある初心者iPhoneカメラマンでも、アプリを使用できるようになる。

しかし、この自動モードは”A”ボタンをタップすることで解除することができるようにデザインされており、ISO、ホワイトバランス、シャッタースピードなどの特定の値を調整することができる。また、フォーカスピーキング(フォーカスの当たっている部分を強調表示し、ユーザーがマニュアルでピントを変えることができるようにする)、詳細なヒストグラム、適応レベルグリッド、そしてJPGとRAWによるキャプチャなどのプロフェッショナルツールも含まれている。

Halideは、Ben SandofskySebastiaan de Withによって開発された。どちらもハイエンドの写真撮影に関する経験がある。Sandofskyは以前はPeriscopeのビデオ機能に携わり、HBOの”Silicon Valley”とShypの顧問を務め、TwitterでiPhone、iPad、Macアプリケーションの技術リーダーとして働いた。

一方de Withは元Appleのデザイナーで、Sony、T-Mobile、Mozillaなどを顧客としても仕事をしていたことがある。またNylas MailアプリをデザインしたサンフランシスコのデザインエージェンシーPictogramを経営していて、その他にもDoubletwistのデザインなどにも取り組んだ。彼は写真家でもあり、オートバイで旅行するときに写真を撮ることもよくある。

アプリの機能セット以外に、アプリを差別化しているものは、ジェスチャーベースのインターフェースだ。しかし、それらはタップでも利用できるので、すぐにすべてのジェスチャーを覚える必要はない。これにより、全体的な体験がより一貫したものとなり、新規ユーザーがアプリの機能にアクセスする方法を忘れることもない。

チームは、ジェスチャーベースのインターフェースはHalideを使いやすいものにしてくれるものだと考えている。たとえ経験の浅い写真家だったとしても。

「Halideの機能を楽しむには、露出補正、EV、あるいはマニュアルフォーカスなどの概念を理解する必要はありません」とde With。「だからこそ頑固な写真家だけではなく、なるべく多くの人びとに使って貰えることを期待しています」。

このアプリのもう1つの機能が「インスタントレビュー」だ。この機能では撮った写真を左右にスワイプすることで、ゴミ箱行きかお気に入りかをマークすることができる。またHalideで撮影した最後の写真を3D Touchでプレビューすることもできる。

ここ数年でiPhoneのセンサーが改善されて来たにもかかわらず、撮影経験自体が停滞していたことにチームが気が付いたことが、Halide開発のヒントになった。

「友人とハワイに行ったのですが、私は巨大なカメラを抱えてウロウロする奴でした」と、Sandofskyはどのように最初のアイデアを得たのかを説明した。「滝壺近くに行った時には、湿気が原因でカメラのセンサーが結露してしまったので、カメラ内部が乾燥するまで、1日撮影を止めなければなりませんでした」と彼は言う。「翌日は、iPhoneですべてを撮影しました。その当時、iOSには重要な機能が欠けていて、すべてのカメラアプリは問題を抱えていました。にもかかわらず、私はその小さなカメラの品質に感服しました。そして身軽になることで、どんなに旅を楽しむことができるようになったかを実感したのです」。

Sandofskyは、その旅行から自宅に向かうフライトの中で最初のプロトタイプを作成し、その後それをde Withに見せた。するとde Withがユーザー体験に関するさらなるアイデアを持っていることがわかったという。新しいカメラAPIが発表された昨年のWWDCの頃から、開発が正式に始まった。

そして1年後、アプリは発表の準備が整った。

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チームは、新しいアプリがデフォルトのカメラアプリを完全に置き換えるのではなく、ただのスナップ以上の素晴らしい写真を撮りたい時に備えられるようにしたい、と考えている。

このアプリの共同開発者たちはTechCrunchに対して、彼らが「情熱的副業プロジェクト」と呼ぶHalideは、自己資金で開発したものだと語った。

Halideは発売時には2.99ドルだが、来週以降は4.99ドルに値上がりする予定だ。もしそれがうまくいくようなら、チームは将来新しい価格体系を検討するかもしれないが、詳細には触れなかった。

このアプリは英語で提供されており、この後スペイン語、オランダ語、ドイツ語、フランス語へのローカリゼーションが計画されている。

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(翻訳:Sako)

Apple、「iPhoneカメラの使い方」ビデオを公開

iPhone 7およびiPhone 7 Plusで、写真をうまく撮りたい人は必見だ。Appleが、写真撮影Tipsのビデオを公開したのだ。ビデオはAppleのサイトおよびYouTubeにて公開されている。最初にみたときは、カメラアプリケーション上に現れるボタンの機能説明ビデオのようなものかと思った。しかし単なる機能説明ビデオではなかった。気付きにくい機能や、その機能の有効活用の仕方などを説明する興味深いものに仕上がっている。

一連のビデオは「iPhone 7で写真を撮ろう」(How to shoot on iPhone 7)と題されている。それぞれのビデオで、具体的な撮影シーンに応じたTipsを紹介している。ビデオ中の説明は非常にシンプルでかつ効果的だ。iPhone 7があればカメラなど必要ないとAppleはいうが、それを証明しようとする意欲作になっている。

ちなみに、iPhoneのカメラインタフェースは何年も変わっていない。しかしこれは新しい機能がないということを意味するのではない。さまざまな機能が旧来のインタフェースの中に埋め込まれているのだ。何がしたいのかを意識してこそ、みつかる機能もさまざまに実装されているようになっている。

たとえば、個人的にはシャッターボタンにタッチし続ければバーストモードになることなどすっかり忘れていた。また、ボリュームボタンをシャッターに使えることも忘れていた。フォーカスをロックしたり、手動で露出を変えることもできる。

Appleは、新技術を実現することにも力をいれているが、その技術をいかに使ってもらえるかという点に注力しているように思う。

1980年代のように、Appleのソフトウェアばかりが「わかりやすい」わけではないかもしれない。しかしソフトウェアを使って何ができるかを示す能力は、まだまだAppleが秀でているように思う。Apple発のTipsを知ることで、利用者全員がパワーユーザーであるかのように感じることさえできるのだ。

今回公開されたビデオも、やはりAppleの基本方針にふさわしいものであると思う。SnapchatやInstagramなどが、写真撮影用のアプリケーションとして普及しつつはある。Appleとしては、標準のカメラアプリケーションこそが、もっとも充実した機能をもつものであると示したくなったのかもしれない。サードパーティーのアプリケーションは、iOSのカメラAPIのすべてにアクセスできるわけではない。Snapchatなどでは撮ることのできないバーストモードやパノラマモードの魅力をアピールすることで、Apple謹製アプリケーションの魅力を利用者に伝えているわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

Appleの新しいポートレートモードで撮ると上海が誰もいない二人だけの都市になる

AppleがiPhone 7 Plusのポートレートモードを紹介するコマーシャルをリリースした。おもしろいのは、全体が中国で撮られていることだ。今やアメリカやヨーロッパと並ぶ、重要市場だから。

中国といっても、ここで見せられるものは上海の街路と若いカップルだ。二人はどうやら、この都市を探検しているらしい。通りは混んでて騒々しい。でも男がiPhone 7 Plusをポートレートモードにすると、人びとは消える。

数年前、上海に住んでいたから、上海の街路に誰もいない光景は、感動的と言わざるをえない。最大の観光スポットBundにも、人がいない。でも空のスモッグを取り除くことは、Appleにもできなかった。

この新しいポートレートモードは、背面の二つのカメラを利用する。写真の中のいろんなもののあいだの距離を計算して、背景をソフトウェアでぼかす。

ご覧のように、都市を新しい視角で切り取ることもできる。ぼくは賑やかな都市が好きだけど、でもiPhoneだけにしかない特徴を示す、おもしろいコマーシャルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Pixelで星だけを光源にして美しい夜景を撮れた…一般消費者向けに実装されると嬉しいのだが

GoogleのPixelは、元々カメラがすごい。スマートフォンのカメラとしてはベストに属する。そしてGoogle DaydreamのエンジニアFlorian Kainzは、とくに夜景がすばらしいことを実証した。彼はPixelとNexus 6Pの両方を使って、まるでプロ用のデジタル一眼レフで撮ったような高品質な夜の写真に挑戦したのだ。

その実験は、Google Researchのブログに詳しく載っているが、Androidスマートフォンのカメラを限界ギリギリまで追い詰め、最大露出時間を使い、64フレームのバースト撮影を行い、それらのショットを、カメラのレンズにテープを貼って撮った漆黒のフレームとミックスし、そしてデスクトップコンピューターの上で大量の後処理を施す。

繰り返すことのできる、比較的易しい部分は、露出時間や焦点距離やISOを設定できるための簡単なAndroidアプリを書くこと、そしてそれで撮った生の画像をデスクトップの画像処理ソフトウェアで加工することだ。いちばん難しい部分は、変化する星の位置に合わせて、撮りためた複数のショットを整列することだろう。ふつう、長時間露出の夜景では、夜空の星の軌跡がまるで円周の線のように写ってしまう。

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KainzがNexus 6Pと、それより新しいPixelの両方で作った画像は、ほとんどノイズがなく、夜の空の表現がすばらしくて、星たちもクリアでシャープ、前景の描写も細かい。使用した光源は星だけなのに、プリントする価値のある結果だ。

でもやはり、デスクトップで画像処理ソフトと悪戦苦闘しなければならないから、一般消費者には無理かもしれない。しかしKainzはブログ記事の最後のほうで、画像処理をスマートフォン上でできるようになり、そしてスマートフォンを三脚に固定できれば、バーは低くなり、単純に写真が好きなだけの一般消費者でも美しい夜景を撮れるはず、と言っている。

でもこれがきっかけになって、次のPixelやAndroidのバージョンの写真機能が、ユーザーにとってさらに魅惑的になるかもしれない。そう望みたいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、360°ビデオ・ストリーミングを公開―Insta360、最新のSamsungカメラなどをサポート

Facebookは360°ビデオをライブストリーミングする機能を一般公開した。ただしユーザーはSamsungが発表したばかりのGalaxy S8向けのGear 360(2017年モデル)、 Insta360 Nano(iOS向け)、Air(Android向け)などの対応カメラを使う必要がある。Nokia OZOなどプロ向けのデバイスにも対応している。

この機能はFacebooのライブストリーミング・テクノロジーをベースとしており、再生時間は最大4時間、1080p、30fpsフォーマットに対応している。どういったシチュエーションを考えているにせよ、没入的ストリーミングの実現にはほぼ十分な容量だろう。ただし視聴者が見やすいストリーミングをするためには十分に速い接続環境が必要だ。Facebookでは4Mbps接続が必要だとしている。 ソフトウェアとしてはカメラの専用アプリを使うか、専用アプリがまだ用意されていないカメラの場合は、 facebook.com/live/createで新たに設定を行う必要がある。

私はすでにInsta360(Air、Nanoとも)テストずみだが、利用は非常に簡単だ。専用アプリに今日(米国時間3/29)、360°ストリーミング用のアップデートが来るはずだ。アプリのオプションから公開先としてFacebook Liveを選べばよい。このカメラの場合ストリーミングしながら自分でもリアルタイムでその映像を見ることができる。これはプロ用機器を含めて他のデバイスにはまだない機能だ。このアプリは現在の視聴者の数、「いいね!」その他のリアクションの数を教えてくれる。またコメントもチェックできる。

Insta360カメラはすでにTwitterのPeriscopeとGoogleのYouTubeでのストリーミングをサポートしているが、Facebookが追加されたのは視聴者拡大に大いに効果があるだろう。アプリ内の公開先オプションからFacebookを選ぶだけで設定が完了するので非常に簡単だ。Live 360ストリーミングはまだ他のサイトにエンベッド可能ではない。またApple TVやChromecastを通じて大画面で再生することも今のところできない。しかしその場の状況をそのまま伝えるには強力な方法だ。

昔の長距離電話の宣伝文句ではないが、「その場にいることの次によい」のは仮想的にその場にいることだろう。Facebook 360はこれを実現するのにもっとも簡単でもっとも視聴者の多いプラットフォームの一つといえる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoPro、さらに270人をレイオフへ―Q1は好成績と予告

今日(米国時間3/15)は 2017年第一四半期の決算の予告を発表した。これによると売上は前期に発表されたガイダンスの予測幅の上限という好成績だという。しかしこの明るいニュースに270人分の職を新たにカットする計画が影を落とすこととなった。

このレイオフは2016年1月に発表された100人分(7%)、11月の200人分(15%)の人員カットに上乗せされる。

2015年のクリスマス商戦の不振に続き、待望の新製品、折り畳み式のKarmaドローンがリコールを余儀なくされ、GoProの株価は急落した。 このリコールは「少数のKarma」に飛行中に電力を失うという不具合があったためだという。2016年のGoProのビジネスは荒れ模様となり、墜落を回避するための措置が必要となったわけだ(どうしてもこういう比喩を思いついてしまう)。

いつもながらGoProのファウンダー、CEOのNick Woodmanは強気で、将来計画を発表するときは笑顔を絶やさない。

Woodmanは決算関係のニュースと同時に発表されたプレスリリースでこう述べている。「GoProの財務状況はわれわれのプロダクトの高いブランド力に見合うものだと確信する。コスト削減の努力が実を結び、製品計画は順調だ。重要な点として、われわれは2017年には年間を通じて非GAAPベースでの黒字を出せるものと予測する」。

この声明は今年1月にCESでGoProが発表した内容に沿ったものだ。悪いニュースの中にあって若干の明るい要素を示したわけで、 株価は時間外取引で小幅ながら反発した。

Forbesが引用した情報源によれば、このレイオフは主として仮想現実部門とメディア部門をターゲットにしたものという。情報源はこれらの部門について「責任者がすでに誰もいない」と述べている。CESでWoodmanが述べた「GoProはコア事業に資源を集中する」という路線を実行するものなのだろう。そうであっても、類似製品があふれ、その多くが低価格を武器にしている市場のリーダーとして会社の舵取りは難しいものとなりそうだ。ことに、一時は提携したこともあるライバル、DJIとの競争は厳しくなる。

われわれはGoProに付け加える情報があるかどうか問い合わせ中だが、同社は公開された声明で意味は十分通じるという立場を取ると思われる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

昨年スマホの中国市場でトップだったOppoは今年のMWCで高精細画像を売りにするようだ

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今年のMWC(Mobile World Congress, 世界最大のスマートフォントレードショウ)がもうすぐ始めるので、各社はチラリズム(teasers)に忙しい。ビッグニュースをバルセロナの本番会場まで待たせる“じらし作戦”のところもあれば、LGのように、すでに何もかも見せてしまったところもある。

スターの多い中国で昨年大躍進を遂げたOppoは、典型的なじらしのチラリズムだ。中国のスマートフォンの中では昨年のトップだった同社は、売上の前年同期比122%(2倍強)を達成したが、今回スマホ本体についてはまだ何も語らない。

むしろ同社は、昨年に続いて、画像技術に焦点を当てている。昨年は16メガピクセルのフロントカメラを載せたSelfie Expertシリーズなどの機種で、セルフィー(自撮り)機能を強調した。

そして今年のOppoが中心的に訴求したい画像技術が、同社の言う“5x Project”(5倍プロジェクト)だ。それは、同社の記者発表によると、“これまでになかったほど、きわめて高精細な画像撮影能力をユーザーに提供する”、というものだ。それ以上詳しいことは書かれていないが、たぶんセルフィーに限らず全般的に、解像度の高い画像機能を提供する、ということだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、ストーリーズ機能をテスト―Instagramと同様のストーリーズ・アイコンが表示される

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InstagramはSnapchat Storiesに対抗してInstagram版のストーリーズを追加した。このスライドショー機能は成功を収めた。Instagramストーリーズは従来のフィードの上部に表示されたが、今回はFacebook本体が同じことを試みている。

今日(米国時間1/25)、FacebookはアイルランドでiOS版とAndroid版でFacebook Storiesを公開した。利用できる国はこの数ヶ月で拡大される予定だ。この機能は公開後24時間で消える写真とビデオのスライドショーだ。友達がスライドショーを作成するとメインのニュースフィードの上部にプロフィール画像を利用した丸いアイコンが表示されるので見逃すことはない。

なぜFacebookはSnapchatクローンをFacebookにも追加したのだろう? 愉快な加工ができるフィルターつきのスライドショー機能ならInstagramストーリーズがあり、Messengerのカメラ機能もある。私はこの点についてFacebookに取材してみた。Facebookの回答はこうだ。

Facebookはずっと以前から友達や家族と情報を共有する場として機能してきた。しかし情報の共有の仕方は最近大きく変わった。5年前は当然だが2年前と比べても変化している。ビジュアルな要素がはるかに増えた。写真やビデオの比重が大きく増加した。われわれは人々が創造的かつ楽しいビデオや写真を簡単に共有できる方法を提供していく。いつでもどこでも誰に対しても望みのままにビデオや写真を見せることができるようにしていきたい。

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FacebookはこれまでもSnapchatそっくりの機能を追加してきたが、多くの場合、別アプリであったり、カメラ機能の改善のようにニュースフィードの奥に隠されていた。しかし今回のFacebook Storiesは非常に目立つ新機能だ。Facebookを使うユーザーはStoriesに気づかずにいることは不可能だ。友達に自慢したい情景を体験したユーザーは必ず使ってみるだろう。

一つ疑問になるのはFacebookがデスクトップ版でStoriesをどう扱うかだ。ユーザーの多くはモバイル・デバイスからFacebookを利用しているとはいえ、コンピューター上からStoriesが見られないとしたら奇妙だろう。

まったく同様の機能を備えたInstagram Storiesがわずか5ヶ月で1日あたり1億5000万人のユーザーを得たことでも明らかなように、Facebook Storiesも巨大なユーザーを惹きつけるはずだ。Facebookは昨年、似たような機能をQuick Updatesと名付けてテストした。これは7月にスタートしたが翌月にはテストの終了が発表された。どうやらInstagramストーリーズの成功でFacebookは方針を変えたようだ。株式上場を控えたSnapchatには頭痛の種だろう。

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北米に限ってみてもFacebook本体がStories分野に進出することはSnapchatが現在以上に成長することを妨げるはずだ。国際的にみればなおさらだ。24時間で消える写真とビデオのスライドショーがいかに魅力的でも、新しいソーシャル・ネットワークに移り、友達を新規に登録するのは面倒な作業だ。今いるネットワークでこの機能が利用できるならコピーかどうかなど気にしないユーザーも多いだろう。

〔日本版〕今回のFacebook StoriesはFacebookのスライドショー機能とは別で、InstagramストーリーズのFacebook版のテストと思われる。日本での展開についてはまだ不明。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

10年めのデジカメLeicaだから‘M10’、お値段6500ドルの中身は?

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これは、Leica M10だけど、でも、あなたのお父さんやおじいさんが知ってるMシリーズのカメラではない。発売日は早くも明日、1月19日だから、このレンズ交換型のLeica新製品は一種のサプライズだ。この新型デジタルLeica M10は、センサーとボディが新しくて、視界は30%大きい。

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写真家やカメラ愛好家の方々への情報としては、この新しいM10は24メガピクセルのCMOSセンサーを載せている。しかもボディのサイズをぎりぎりまで小さくして、このドイツのカメラのマジシャンは、“もっとも薄いデジタルのMカメラだ”、と自慢している。

それだけでなく、ISO感度100-50,000という高性能、2GBのバッファメモリ、毎秒5フレームの連続撮影、新しい画像プロセッサーにより連続30枚のDNG RAWファイルまたは100枚のJPEG画像を最高解像度で書き込み、物理的コントロールを単純化、Wi-Fiとリモートアプリをサポート。

レンズなしで6495ドルはお高いが、今市場にあるレトロなルックスのカメラの中では最高におもしろい。実際に使ってみての評価は、まだ先の話だけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

DJIがスェーデンの名門カメラ・メーカー、ハッセルブラッドを買収

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DJIは2016年にスウェーデンを代表するカメラメーカー、ハッセルブラッドの少数株主になった。このとき両社はハイエンドのドローン・カメラの分野で協力していくことを発表した。DJIがドローン空撮のテクノロジーを、ハッセルブラッドがカメラを提供するという仕組みだ。

最近のLuminous Landscapeの報道に基づいてTechCrunchが独自に取材したころによれば、DJIはハッセルブラッドを買収した。直接の買収契約ではないが、DJIはハッセルブラッド社の株式の過半数を取得したという。時代を象徴する出来事の一つだ。

ハッセルブラッドは1941年の創立で、一時は市場でもっとも進歩したカメラとして知られていた。NASAが60年代に宇宙での活動を記録するカメラとして採用したことは有名だ。アポロ計画で撮影された印象に残る月面写真の数々はハッセルブラッドのカメラで撮影された。一方、DJIは急成長を続ける商用ドローン市場の最大手で、ベンチャーキャピタルが支援する非公開の中国企業だ。

ハッセルブラッドのカメラは高品質で知られるものの、一眼レフ・ボディーが数千ドルから4万ドルという一般ユーザーにはとうてい手が届かない価格だ。そこでDJIがどうやってハッセルブラッドの品質を維持してカメラを製造するつもりなのか、どのようにハッセルブラッドのテクノロジーを利用するつもりなのかについて興味が持たれる。

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DJIは当面ハッセルブラッドを独立企業として従来どおり運営を続けさせるようだ。しかしハッセルブラッドのカメラはDJIのドローン・ハードウェアに簡単に組み込めるものなのか? それともDJIはハッセルブラッドのカメラ・テクノロジーを利用して、Phantomタイプでまったく新しいカメラ・ドローンを内製するのだろうか? どちらにしても成功すれば両社にとって大きなメリットがあることになる。

ともあれ、DJIのカメラは非常に高品質だ。ドローン・カメラとしては世界でトップかもしれない。しかしDJIはプロ写真家が好むような高級なブランド・イメージに欠けている。ハッセルブラッドの買収はブランド価値の面でDJIに好影響を与えるはずだ。また―商業的にはニッチ市場だが―超高級カメラのテクノロジーを自由に利用できることになる。

残念ながらハッセルブラッドの超高級カメラに特化した戦略はうまくいっていない。同社は最近ビジネス的に失敗を繰り返しており、何度も所有者が変わった。最近の例でいえば2011年にヨーロッパのファンド、Ventizzが買収している。今回の買収でハッセルブラッドは中国だけでなくアメリカやアジアにも強力な拠点を持つ強大なメーカーを親会社にすることになった。

両社と直接ビジネスを行っている業界情報源が買収を確認しているものの、DJIは従来から外部にほとんど情報を出さないことで知られている。DJIの広報担当者は「DJIとハッセルブラッドの提携について新しいニュースはない。われわれは引き続き提携を続け、世界最高のイメージング企業を目指している」とだけコメントした。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

リコー、360度ビデオストリーミング・カメラ、Rを発表―CES 2017でデモへ

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日本の有力カメラメーカー、リコーのTheta SとSCはすでにヒット製品となっているが、同社は今日(米国時間1/4)、新製品のベールを少しだけ上げてみせた。プレスリリースによれば、新しいカメラは誰でも簡単に360°全周ビデオのストリーミングができるようにする。現在リコーはデベロッパーが独自のアプリを開発するためのキットを準備中だ。開発キットは2017年の第2四半期に出荷の予定。

The new Ricoh R (an artist's rendition)

Ricoh R(3D CGによるイラスト)

このカメラはこれまでコンサートのライブストリーミングのような当然考えつくようなシーンから、もっとクリエイティブクリエイティブなリモート・テレプレゼンスまでさまざまなな条件でテストが重ねられてきた。リコーが紹介する例の一つは学校の入学式だ。生徒は仮想現実ヘッドセットでこのカメラのストリーミングを見ることによってセレモニーに参加できる。

来るべき360°ビデオ時代への入り口

しかしこうした例を聞いても必ずしも興奮しないかもしれない。それには理由がある。リコーはこのカメラをまず開発者向けキットとして発売するが、その理由は、今のことろ360°ライブストリーミング・ビデオがどんな場面で有効なのか知っている人間が少ないからだ。トレンドに先がけて、まずデベロッパー向けキットから始めるというのは慎重かつ賢明な戦略だろう。Theta
Sカメラの大成功の再現を狙っているなら特にそうだ。

リコーではRicoh Rはインターネット接続と外部電源がある限り連続してライブストリーミングが可能だとしている〔リコー・サイトによると24時間の連続作動が可能〕。

リコーの広報担当者は私の取材に対して「全周ビデオ映像のライブストリーミングは、テクノロジーだけでなく、コンテンツ製作や配信、視聴方法などシステムのすべてが始まったばかりだ。
これまだ多様な背景のユーザー・グループを対象にベータテストを繰り返してきた結果、リコーではこのテクノロジーにきわめて大きいビジネスチャンスがあると結論した」と語った。

ストリーミングの解像度は2K、、毎秒30コマだ。VRヘッドセットに圧倒的な臨場感をもたらすというレベルではないが、それでも誰でもコンテンツを作れる360ビデオ体験としては十分だろう。このカメラは全周ビデオで標準的な正距円筒図法(Equirectangular Projection Format)を用いて2基の魚眼レンズが撮影する画像を貼り合わせている。出力はHDMIとUSBが可能だ。オフラインの場合はMicro SDカードへの録画が可能。

〔日本版〕CES 2017のリコー・ブースに実機が出展される。YouTubeによるデモ配信も予定されている。 Rカメラの公式日本語ページはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビデオカメラ本体に画像安定化機能を持たせると称するSteadXP、Kickstarterで50万ユーロを獲得

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スマホなどの手持ちのカメラでビデオを撮れることは、とても便利に思えるけど、それを編集のために再生したときは、たいがい、がっくりする。ぐらぐらする映像は目の裏が痛くなるし、なんとか仕上げるまでに無限の時間がかかりそうだ。でもこれからは、SteadXPがあれば大丈夫かもしれない。

やり方は簡単だ。SteadXPをカメラのホットシューに取り付けて、ふつうに撮影を開始する。カメラが内蔵している加速度計がカメラの動きを捉え、それとビデオのコンテンツをシンクする。映像を記録するとき、カメラが動いたぶんを逆方向に補正する。そうすると、お見事!、完全に安定した映像になる。それが、フランスのモンボノ=サン=マルタンのSoftware Magicが発明したマジックだ。

いや、少なくとも、理論的にはそうだ。CESで見たデモはかなり良かったが、でも実は、過去に何千回も未解決のままだったのは、画面のぐらつきという問題ではなかったようだ。最近ではますます多くのカメラに、光学式あるいはデジタルの、画像安定機能がある。また、どんなにベーシックな画像安定化ソフトやアプリにも、必ずその機能はある。本格的なポストプロダクションシステムともなれば、大量のAIを利用している。

しかしこれらのソリューションすべてに共通する問題は、ビデオを正しく撮るためにはフレームレートに合ったシャッターアングルを目指すべき、ということだ。これをもっとふつうの言葉で言えば、ビデオカメラは、やや長めのシャッタースピードで撮っている、ということ。30fpsなら、1/60秒が動きがなめらかになる最適のシャッタースピードだ。でも写真的には、1/60秒では動きがぶれる。それはパンやズームでは正しく見えても、アクションの連続では個々のフレームがややぶれる。SteadXPのようなプロダクトは、ひとつのフレームとその前のフレームを整列するが、その過程で導入されるカメラのぶれについては何もできない。そしてそのせいで、安定化した映像がなんだかおかしく見える。

上のややこしい説明を単純化して言えば、“けっこうなアイデアだけど、これが手ぶれという問題をどうやって解決するのか、理解できないね。最初から、三脚やSteadicamのリグを使うべきだよ”、となる。

なお、公平を期すために言っておくと、このSteadXPという製品はKickstarterで50万ユーロあまりを集めているが、その合計2280名強の支援者たちは〔==支援をしたということは〕、ぼくのこの評価が間違っていると信じているのだろう。どっちが間違っているのか、同社のWebサイトには実例がたくさんあるから、読者はぜひ、ご自分でご判断を!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

暗号化機能をカメラに追加しても写真ジャーナリストたちの問題は解決しない

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Freedom of the Press Froundation(自由報道財団)がキヤノンへの公開書簡を公表し 、そのカメラに暗号化機能を実装するように求めたが、そこには見逃されているポイントがある。もちろん暗号化それ自身は素晴らしいアイデアだが、戦争ゾーンで弾丸を避け、統制の緩い独裁政権下で警棒をかいくぐり、ギャング撮影時に厄介な刃物に晒されたときには、暗号化はあまり役にはたたない。

写真家として、あなたが必要とするのは、完全な爆弾耐性と超高速操作性を備えたカメラだ。紛争地帯に入る写真家にとっては、しばしば「爆弾耐性」は文字通りの意味だ。事が起きるときには、素早くスイッチを入れすぐに撮影ができる必要がある。その邪魔になるものは、写真家によって使われることはないというだけの事だ。素早く写真を確実に手にするということに比べれば、他の全ては何ほどのものでもない。

十分な時間が与えられれば、指紋やPINコードを打ち破ることもできるだろう。

たとえカメラメーカーが奇跡を呼び寄せて撮影時に時間がかからない暗号化を実装できたとしても、暗号化を使うことで映像確認時に遅れが生じてしまう、そしてそのことがいくつかの問題を引きおこす。カメラマンやビデオカメラマンは、撮影している映像を始終確認する。いずれにせよ、その場での確認が、フィルム撮影に比べたときのデジタル写真の利点の一部なのだ。その確認プロセスは、通常ボタンの1クリックで行われる。他に知るべきことは、プロの写真家たちは自身のカメラを手探りで使用することに長けているということだ。設定をチェックするためや、写真が撮れているかをおおよそ確認するために、彼らは周囲に注意を払いながら、ちらりとスクリーンに目を落とす。

このプロセスに暗号化プロセスを追加すると物事が複雑化する。Freedom of the Press Foundationの公開書簡の書き手は、多くのスタートアップが経験する「速い馬の誤謬」に陥っていることがわかる。

速い馬の誤謬

毎日人びとは問題に出会い、それらは周りの企業によって解決されている。タクシー会社には腹が立つ(ならUberだ!)。旅行するならより本物の経験をしたい(ならAirbnbだ!)。タクシーって空ではなくて地面を走らなければならないんだよなあ(ならVahana だ!)。あなたがスタートアップとしてすぐに突き当たる問題は、通常あなたの顧客は解決の手掛かりを持っていないということだ。問題を抱えているのは顧客で、あなたはスタートアップとしてそれに対するソリューションを持っている。これが意味することは、あなたが提供するソリューションは、顧客が想像していたものとは異なっているということもあるということだ。とはいえ問題が解決している限りは顧客がその違いを気にすることはない。

「速い馬の誤謬」の起源はヘンリー・フォードが言ったとされる(実際には言わなかった)以下の言葉にさかのぼることができる「もし人びとに何が欲しいかと尋ねたら、皆はきっともっと速い馬が欲しいと答えたことでしょう」。もちろんこれは冗談なのだが、もし彼が顧客の研究を行っていたなら、彼は最初の量産型自動車を発明することはなかっただろうということだ。

Freedom of the Press Foundationは何かに飛びついた — そこに問題がある

映画制作者やフォトジャーナリストは、世界中の権威主義的な政府や犯罪者によって、彼らの映像が押収されるところを数え切れないほど目撃してきました。(…)これは、私たち自身、情報源、および私たちの仕事を危険に晒します。

暗号化はこの問題を解決しない。

暗号化は問題の一部を解決するだけのことで、それは情報源の問題だ。フォトジャーナリストや映画制作者が映像を誰にも見せないようにできれば、情報源を保護することができる。しかし、解決できる問題はそれだけだ。

公開書簡では、GoogleとAppleのオペレーティングシステムがコンテンツの暗号化を容易にすることを示唆している。それは本当だが、いくつかの欠点もある。ほとんどの携帯電話は、データの暗号化のために指紋認証を使用している。それは信じられないほど速いので便利だが、それは強要に対しては無力だ。例えば、銃を突きつけて相手に強制的に電話のロックを解除させることは比較的簡単だ。もしそれがうまくいかなくても、相手を気絶させて指紋を使ったり、あるいは単に無理やり相手の指をパッドの上におくこともできる。

悪く思わないで欲しい。私は情報源の保護を誓ってはいるが、4桁のPINコードのために、ボルトカッターで何本指を切断されても良いかは良くわからない。

それを回避する方法は、PINコードや適切なパスワードを使用することだが、それは最初に述べた論点に私たちを引き戻す:写真家やビデオ撮影者は映像を逐次確認する必要があるのだ。もしこれまでに1眼レフカメラのWi-Fiパスワードを入力するという不幸を味わったことがあるなら、パスワードが本当に進むべき道ではないことを知っているだろう。考えてみれば、PINコードも、それほど優れているわけではない:それに対して注意を向ける必要があるからだ(弾丸が飛び交う中ではしたくないことだ)。

いずれにしても、これらはすべて、あなたの敵が多かれ少なかれルールに則って行動していることを前提としている。もし沢山の人びとが銃を持っている場所に居たとしたら、言わせてもらえば、そうしたルールは解釈の問題ということになる。十分な時間が与えられれば、指紋やPINコードを打ち破ることもできるだろう。

悪く思わないで欲しい。私は情報源の保護を誓ってはいるが、4桁のPINコードのために、ボルトカッターで何本指を切断されても良いかは良くわからない。1本?2本?それともゼロ?私はそのような状況に置かれたことはないし、私は(残っている)指たちをクロスしてそのようなことが決して起こらないようにと願っている。

さて、キヤノンが何とかしてエンコードが速く、デコードも速い軍事レベルの暗号化方法を見出したとしよう、もちろん確認のために解錠のパスワードを素早く打ち込み、写真家が路上でカメラをひったくられる際に、同じくらい素早く再ロックできる手段も込みだ。では次はどうする?

それでもデータは破壊されたり盗まれたりする

攻撃者は暗号化によって映像を見ることができなくなるが、それは問題の一部に過ぎない。データが暗号化されていたとしても、それを破壊したり、盗むことは容易だ。あなたは2本の指でSDカードを折ることができるし、岩や弾丸でカメラを砕くこともできる、そうでなくても写真家の身体をくまなく調べたり、すべての電子機器を持ち去って湖に投げ込んでしまうこともできるのだ。

ソリューションを提示したことで、Freedom of the Press Foundationが問題の全容を把握していないことが明らかになった。

それを防ぐための唯一の現実的な方法は、別の場所へリアルタイムに暗号化されたバックアップを行うことだ。写真を撮るや否やそれらを武装した車へ、あるいは更に良いオプションとしては、クラウドへストリーミングしてしまうという方法を想像して欲しい。もちろん、沢山の課題がある、Wi-Fiや戦争ゾーンでのデータプランが存在しないか、不安定である、またはその両方の可能性がある。

戦争ゾーンの写真家が現在これを処理している方法は、小さなカード(8〜16GB)で撮影し、定期的にデッドドロップ(秘密の情報受け渡し場所)を使用することだ。カードをホテルや大使館に残す、郵便で家に送る、2枚のカードに撮影し1枚を友人に託す。

そう、写真家たちはいつでも苦労している。そう、データは見られたり、破壊されたり盗まれたりする。しかし、キヤノン(なぜニコンや、ライカ、そしてソニーではないのか?)に対して暗号化機能の実装を要求しても問題は解決しない。これは、単に彼らに誤った安心を与えるだけだ。次のプロレベルのカメラに暗号化が組み込まれるとしたら、それでフォトジャーナリストへの嫌がらせや誘拐、殺人が阻止できるだろうか?データが盗まれたり破壊されることを防止できるだろうか?

ソリューションを提示したことで、Freedom of the Press Foundationが問題の全容を把握していないことが明らかになった。スタートアップ企業のように、私たちはそれを認識している。キヤノンが同じ認識であることを祈ろう。

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(翻訳:Sako)

フォトジャーナリストたちがプロ用カメラに暗号化機能を求めた

Auto-focus Lens

アレッポでの爆撃を背景にして、 Freedom of the Press Froundation(自由報道財団)は、大手カメラ会社の経営幹部に対して、今日のデバイスにおける暗号化の不備の責任を問う公開書簡を送った

従来のメーカーは、現在暗号化を提供していない。もし暗号化があれば、敵対的な環境における特定のシナリオの下で、貴重な映像を保護するための差別化が可能になる。エドワードスノーデンが取締役会のメンバーとして加わっている同非営利団体は、150人のフォトジャーナリストと映画制作者の支持署名を集めた。

「暗号化機能がなければ、私たちが撮影した写真や映像は、私たちが活動し、移動する国の警察、軍隊、国境警備員によって検閲や調査を行われて、その結果は悲惨なものになる可能性があります」と公開書簡は訴えている。

NikonとCanon、その他のメーカーが次のステップを探るのを待つ間に、既に暗号化を実装している注目すべきカメラのスタートアップがある — Lightだ。Canon 5D Mark IVに肩を並べるほどのものではないが、Lightの新しいマルチレンズカメラL16は、おそらく市場に暗号化ソリューションを持ち込む競争で、重厚長大な競合他社のカメラたちに打ち勝つことだろう。

パロアルトを拠点とする同社は、出荷の遅れに苦しんでいる、しかし同社CEOのDave Grannanは、同社のカメラが市場に出る時にはデータ全てが暗号化されるとTechCrunchに説明した。Grannanはさらに、強力な非対称鍵暗号が、チームのロードマップ上にあることも指摘した。後者は、基本的なAndroidの暗号化では提供できないギャップを埋めるのに役立つが、今のところそれは良いスタートを切っている。

Androidの上に構築された光の新しいカメラ

Lightの16レンズの新しいカメラ

LightのカメラはAndroidプラットフォーム上に構築されているため、基本的な暗号化の実装はとても簡単だった。これは、Androidの生態系に命を吹き込んだ消費者向けスマートフォンにとって、暗号化は新しい命題ではないためだ。真の疑問は、なぜ2016年にこれらのデバイスが、数千ドルのDSLR(Digital single-lens reflex:デジタル一眼)よりも高いセキュリティを提供するのかということだ。

Grannan氏は、インタビューの中で、「ビジネスケースを精査して、市場規模がどれほど大きいかを尋ねたところから生まれだけです」と語った。

フォトジャーナリストたちにとっては残念な話だが、消費者マーケットは専門のプロフェッショナル向け機器のマーケットよりもかなり大きい。カメラに暗号化機能を追加することは、主要なカメラメーカーに求められる倫理的行動だが、倫理だけが唯一の理由ではない。この動きを必要とする強力なビジネスケースがある。

日々カメラはより多くのものにつながっている、そして接続が増えるとリスクも増大する。私たちは皆、有名人たちに対する「ハッキング」の影響を目撃してきた。今日、消費者はスマートフォンを使って写真やビデオを撮影しているかどうかにかかわらず、それらの写真やビデオが安全だと確信したがっている。

「いまでは、基本的な暗号化機能を持たせずにゼロからカメラを作り上げる者はいません」とGrannanは付け加えた。

暗号化されたカメラの必要性は、戦争で荒廃したシリアの町を越えて広がっている。警察の残虐行為や記録を必要とする危険性の高い出来事を捉えるために、世界が普通の市民にますます頼るようになるにつれて、消費者と専門家の市場はより絡み合ってきている。

素早い暗号化処理のために計算負荷が大きくなる懸念もあるが、カメラがより速くパワフルになるにつれ、その議論は意味をなくしつつある。プロのソリューションが、コンシューマー向けの対応機能にいつ追いつくかだけの問題なのだ。

この移行が進む過程で、暗号化が実際に戦火をくぐるジャーナリストたちを、どの程度本当に助けることができるのだろうかという点に関する議論の余地はまだ残されている。その点に興味があるなら、この記事を読むことをお勧めする。

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(翻訳:Sako)
写真:Edward Kinsman/Getty Images

Facebookがプロフィール写真用にオリジナルフレームが作れるツールをリリース

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Snapchatはカメラを中心に、写真や動画によるソーシャルなやりとりを全面に押し出している。FacebookはSnapchatに対抗するため、ユーザーが写真や動画をカスタマイズするための新機能をいくつかリリースした。本日Facebookは、Facebook Pageのオーナーを含め、ユーザーがプロフィール写真に適用できるオリジナルフレームを作成するための新ツールを発表した。他にもテストマーケット地域のみでだが、写真や動画用のエフェクトやフレーム機能を「アプリ内カメラ」で提供する。

Camera Effects Platform(カメラエフェクトプラットフォーム)の解放で、誰でもFacebookのプロフィール写真用のフレームを作成できるようになる。

シンプルなオンラインツールを使うのに、技術的なスキルは必要ない。必要なのはグラフィックデザインのセンスだけだ。誰でもフレームを作って、承認申請することができる。承認後は他のFacebookユーザーもそのフレームを利用することができるようになる。フレームでチームや団体、企業、イベントなど宣伝したいことを載せることができる。

フレームを作るには、まずお気に入りのソフトウェアプログラムでデザインを作成し、各要素の背景を透過した上でPNGファイルに書き出す。フレームをFacebookにアップロードして、プレビュー画面でサイズを調整し、その他の詳細を埋める。最後にフレームの承認申請をするという流れだ。

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フレームは、Facebookのポリシーと規約に準拠している必要がある。承認プロセスがあるため、攻撃的な内容や違法な内容のフレームを投稿することはできない。また、承認されたと後でも、違反が判明した場合、Facebookにはフレームを取り下げる権限がある。

カメラエフェクトプラットフォームが最初にローンチするのはアメリカでない。このツールはコロンビア、メキシコ、台湾、イギリス、アイルランドのユーザーにまず解放する。Facebookは、これらのマーケットを選んだ理由について、プロフィールフレームが最も利用されているマーケットだからとTechCrunchに説明した。

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現在あるフレームの多くはスポーツ関連のものだ。アメリカではNFL、NHL、 大学のスポーツチームなどのスポーツに関連したフレームは人気があるが、それを除くと他の市場よりフレームの勢いはないようだ。フレームをパーソナライズしたり、スポーツや大きなイベント以外でも使えるようになるなら、この流れは変わるかもしれない。

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アイルランドがローンチグループに選ばれたのは、この地域がFacebookの新しいアプリ内カメラのテストマーケットでもあるからだ。

この秋にローンチしたアプリ内カメラは、端的に言えばSnapchatのクローンだ。アニメーションのセルフィーマスク、画面に覆いかぶさるグラフィック、Prisma風アートフィルター、ジオフィルター、被写体の動きに合わせて動くフィルターなどがある。

このカメラにアクセスできる市場は今のところアイルランドだけだが、五輪開催中にはカナダとブラジルでも短期的に検証を行っていた。

カメラエフェクトプラットフォームも利用できるようになったことで、アイルランドのユーザーはフレームの利用率などが分かる機能などにもアクセスすることができる。

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他のマーケットでもフレームはニュースフィードに流れるが、アイルランドのユーザーはアプリ内カメラで使えるフレームも作ることができる。

住宅街や都市、ランドマークといった特定の地域だけに現れる「位置フレーム」を作ることも可能だ。これは写真や動画で利用することができ、アプリ内カメラでシェアできる。

このジオフィルター付きのフレームは、その場所に行った時だけカメラに登場する仕掛けだ。例えば、レストランといったプライベートな場所やビジネスを訪れ、写真を撮ろうとした時にだけ現れ、そのレストランオーナーが作成したフレームを写真に付けることができる。他のロケーションフレームに関しては、その場所を訪れたフレーム作成者の友人しか見ることはできない。

もちろんSnapchatでも、すでにジオフィルター付きのフレームを作成できる機能を提供している。Facebookが同じ機能を作るのは時間の問題だった。TechCrunchのライターJosh Constineが以前言及したように、Facebookは最終的に自社のカメラエフェクトプラットフォームが必要となる。ユーザーの求めるフィルターやレンズをFacebookがすべて作ることはできないからだ。

Facebookは世界中でこれらの機能を展開する前に、この他の部分でもアプリ内カメラの改善を行っているところだという。

将来的にはこのカメラエフェクトプラットフォームをアメリカや他の地域で利用できるようにする予定だが、グローバルでのローンチがいつになるかについては現段階では約束できないとFacebookはいう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Lightのレンズが16あるカメラL16は口径を拡大、しかしまたまた発売を延期

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Lightの、レンズが16あるクレージーなカメラは、みんなが、最終的に本物なのか固唾を呑んで見守っている。でも、この、すでに遅れているガジェットは、さらにまた少し待たされるようだ。あえて明るいニュースと言えば、このカメラはその後の大幅な改良により、その多数のレンズの口径が大きくなった。

作者のブログ記事によると、最初の計画では、モジュールが16(28mmと70mmが各5、150mm相当が6)で、口径はF/2.4固定だった。今ではそれがF/2.0と大きく改良されたが、どれほど“大きく”なのかはまだ分からない。これまでのカメラとあれこれ比較しても、たぶん意味ないからだ。

しかしもちろん、F2.4が2.0になれば、画質と可用性は良くなるだろう。とくに、あまり明るくない場所などでは。この仕様変更の動機はよく分からないが、ブログ記事の最後の方の、やや苦(にが)い部分を包む、糖衣にはなるかもしれない。

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このL16は、ご存知のように最初はこの夏発売の予定だったが、それが秋に延期され、そして夏の終わり頃には“2017年の初め”へと再び延期された。上述の最新のブログ記事ではまた少々延びて、“L16の量産は2017年第二四半期の初め頃に開始する”、となった。

もはやこちらの考えすぎかもしれないが、第二四半期といえばそれはすでに、“2017年の初め”ではない。しかもそれは量産の開始とされているから、発売が始まるのは2017年の半ばぐらいだろう。Lightは詳しいことを何も言わないが、いちばん初めのロットを3月の終わり頃入手できる可能性もある。期待しない方がよいけど。

ブログ記事は、“詳しい生産スケジュール”は1月に分かる、と言っているから、待つしかない。しかし同社はベータテストを始めている(ここで参加申し込み)し、テスト機の高精細画像をこちらで公開している。ただしRAWではなくJPEGだ、残念(しかもちょっとノイズが多い気がする)。

そしてこの可愛らしいビデオは、なぜレンズの多いカメラが良いのかを2分で説明している。ぼくには、できないことだね。フルスクリーンで1080pで見ることを、おすすめする。作者は誰かわからないが、見事なビデオ作品だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマートセキュリティカメラCanaryの映像を自宅のApple TV(大画面)で見られる

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セキュリティカメラのCanary が今日(米国時間11/29)、顧客の不満のひとつを解消した。これまでは、カメラの像をテレビの大画面で見たくても見れなかったのだ。今日からはCanaryのアプリの新バージョンにより、Apple TVがサポートされた。これで、カメラが捉えるリアルタイムの映像や、録画されていた記録をテレビで見ることができる。

これでCanaryはさらに便利になる。それまでは、カメラが捉える映像をスマートフォンでリモートで見れることが、同製品の魅力だった。もちろんそれも便利だが、たとえば子どもが庭で遊んでいるときなどのように、自宅で単純にモニタしていたい場合もある。あるいはパーティーを主催したときには、誰の車がどこに駐車しているかが分かるだろう。

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Canaryのカメラが一台だけのユーザーには、今度の新しいApple TVアプリはいきなりダッシュボード画面を立ち上げる。そこでは、ライブの映像を見るか、タイムラインにアクセスするかを選択できる。複数台使っている人の場合は、ロケーション画面から、どれかの場所を選ぶ。

そして、見たい映像のサムネイルをクリックすると、それが大写しになる。またApple TVのメニューボタンをタップしてひとつの映像を見たら、タイムラインからそのイベントを消したり、あるいはブックマークしておける。

“Related Videos”(関連ビデオ)のところでは、タイムライン内の‘次’や‘前’のイベントに行ける。

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Canaryは199ドルの家庭用セキュリティカメラだ。その最新製品には、Canary Flexというワイヤレス接続タイプもある。同社はIndiegogoでスタートしたが、その後は4100万ドルあまりのベンチャー資金を調達している。同社のWebサイトのほかに、今ではAmazon, Best Buy, Home Depot, Walmart, Apple, Verizonなどでも買える。

消費者にアッピールした理由は、手頃な価格と使いやすさだ。セットアップは簡単だし、モバイルアプリも単純で使いやすいから日常的な利用はさらに一層簡単だ。

Canaryのアプリのニューバージョン(v2.0.2)は、Apple TVのサポートと並んで、タブレットがサポートされる(iPadとAndroid)。そしてAndroid Wearも。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Androidスマートフォンでお手軽に360度ビデオ/写真を撮影〜ストリーミングできるInsta360 Air

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360度カメラははまだ物珍しさが先に立つが、お値段も、まともな製品なら300ドル前後とお高い。しかし今日(米国時間11/28)Indiegogoに登場したInsta360 Airは、従来製品よりもコストパフォーマンスが良いのではないか。スマートフォンに簡単に接続でき、ライブストリーミングもできて、予約価格が99ドル、一般市販価格が119ドルだ。

Indiegogoのキャンペーンの中には積極的に推せないものも少なからずあるが、Insta360というブランドとその親会社Shenzhen Arashi Visionはハードウェアに関して実績がある。たとえばスマートフォン用の良質なVRカメラも作っている。今あるiPhone用のInsta360 Nanoとほぼ同じ光学系を使用し、ぼくの個人的な体験から言えば、なかなか画質の良い写真やビデオを撮ってくれる。撮像部は二つの魚眼レンズを使用、そしてその二つの画像を内蔵のソフトウェアにより“縫い合わせて”いる。

Insta360によると、AirはNanoと基本的に同じ光学的品質を持ちつつ、お値段はNanoよりも約100ドル安い。Nanoはバッテリーがあるので、デバイスから電源をもらわなくても使えるが、Airは違う。でもスマホと一緒に使う人がほとんどだろうから、それはあまり問題にならないだろう。しかもスマホだけでなくノートブックなどのコンピューターの上でも使えるし、その場合は長時間のライブ360度ストリーミングができる。

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解像度は、スマートフォンの基本仕様にもよるが、基本的には写真が3K、ビデオが2Kだ。ビデオはソフトウェアが安定化を行うので、手持ちで撮影しストリーミングしても、視聴者が吐き気を催すことはない。接続はmicroUSBまたはType Cだから、ほとんどのデバイスで使えるだろう。

Insta360 Airで捉えたコンテンツは、ソーシャルメディアで共有したり、VRヘッドセットへエキスポートできる。360度コンテンツをちょっとやってみたいが、あまり巨額を投資したくない、という人はこの製品がぴったりだ。製品は、クラウドファンディングの支援者には2017年の3月に発送される、と同社は言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

コカコーラから自画撮り用ペットボトル・ブーツ

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コカコーラはSnapchatでセンセーションを巻き起こそうと狙っているのかもしれない。とにかくセルフィー・ボトルというものを発明した。これはコカコーラのペットボトルの底にぴったりはまるブーツで、小さなカメラとUSBポートが内蔵されている。画像はUSBで外部に持ち出すことができる。

赤いボトル・ブーツは70度以上傾けると、自動的にシャッターが切られ、あなたが砂糖を濃厚に含んだ液体を喉に流しこんでいるありさまを上から撮影するのだそうだ。

このデバイスはGefen Teamがイスラエル・コカコーラのサマーラブという屋外イベントのために開発した。ユーザーは自画撮り画像をSnapchat、Instagram、Facebookに(製品名のハッシュタグ付きで)投稿することが期待されている。残念ながら私は多忙のためこのプロジェクトの狙いを正確に把握する調査をする時間がなかった。

理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士によると、人類にはあと1000年くらいしか時間が残されていないのだという。その後は何か全地球的災害が起きて人類は地表から一掃されてしまうのだとか。博士によれば、これは人類がロケットに乗って他の惑星を植民する強い動機付けになるというのだが…コカコーラの自画撮りボトルその他の最近の発明を見ていると、人類には他所の惑星に移住してまで生き延びる価値があるのがどうか自問したくなってくる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DJI Osmo対GoPro Karma Grip―韓国取材でジンバル・カメラを対決させてみた

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アクションカメラの大ファンだが、ぐらぐら揺れる画面はお断りだというユーザーは多いだろう。そこでジンバル・メカの登場だ。手持ち撮影の映像を安定化させるハンドヘルド・ジンバルは長らくプロのビデオ・フォトグラファー専用だった。

しかし2015年にDJIがOsmoで手持ちジンバルを発売し、GoProも最近Karmaドローンと同時に同様の安定化グリップをリリースした。そこでわれわれは両方のシステムを韓国取材に持ち出して実機でテストすることにした。

一言でいえば、どちらも素晴らしい製品でスムーズで安定したビデオを撮影することができた。ただし両者にはかなり異る部分もあり、これはDJIが本質的にドローン・メーカーであり、GoProがカメラ・メーカーであるところからくるものと思われた。

DJI Osmoはカメラ込みで価格559ドルからスタートする。GoPro Karma Gripは299ドル、Karmaドローンを含めると799ドルだ(こちらはカメラは含まず)。GoPro Hero5カメラは299ドルから。ただしKarma Gripは既存のHero4 Silver、Blackカメラを取り付けることができる。

スタビライザー

OsmoとKarma Gripはどちらも似通ったスタビライザー・メカニズムを装備している。撮影結果もほぼ同レベルだ。高速道路を走る自動車に取り付けられていてもスケードボードをしながらの手持ち撮影でも十分にスムーズな撮影ができる。ジンバルの効果は非常にはっきりしている。

下で述べるような差異もあったが、安定化の面では両者は同等といっていい。どちらも期待通りに作動した。

カメラ

DJIではこのシリーズにいくつかのモデルを用意している。トップ・オブ・ザ・ラインのOsmo Proは1999ドルで撮像素子はマイクロフォーサーズ。アクションカムとしては最高画質を狙っている。われわれがテストしたOsmoは550ドルのバージョンで、センサーはやや小型だが、4kビデオを撮影する能力は問題なかった。

GoPro Karma GripはGoProカメラを利用する。最新のHero5、Hero5 Sessionだけでなく、古いHero4カメラも使用できる。GoProカメラはサイズの割に驚くほど鮮明な動画を撮影できるだけでなく、カラーバランスなどの高度な調整も可能だ。

われわれのテストではOsmoの動画がわずかに鮮明さで勝っていたが、発色の自然さと色飽和の耐性ではGoPro Hero5がやや優れていた。 両者を並べてみるとGoProビデオの画質が少し優っているように見えたが、DJIは最近Osmoの新しいバージョンを発表しており、多少高価な分、カメラも改善されているようだ。

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ジンバル

GoProカメラの実際の利用状況を考えてみると圧倒的に〔ファインダーを使わない〕ポイント・アンド・シュート撮影が多いだろう。最初のモデル以來長いあいだGoProカメラには組み込みのディスプレイがなかった。Karma Gripもこういう使い方を前提としている。写したい対象の方向にカメラを向ける。それだけだ。

Karma Gripが要するに手持ちのジンバルであるのに対して、Osmoはそれより高機能な撮影プラットフォームだ。 Karma Gripの場合、取り付けるカメラによっては画像を表示するスクリーンが内蔵されている場合もある。しかしその場合でもグリップのメカニズムによって、それでなくても小さいスクリーンの半分が隠されてしまう。

またKarma Gripにはカメラの向きをコントロールする装置は付属していない。ユーザーはグリップを動かしてカメラの向きを変えることになる。これは直感的であり、簡単だがそれなりの慣れが必要だ。

Osmoはこれとは異なり、DJIは小型のジョイスティック式ボタンを付属させている。装置を安定した状態に静止させておいて、このボタンを操作することでカメラをパン、ティルトさせることができる。精密なカメラの動きが必要な場合にはたいへん便利だ。Osmoをしっかりした三脚に固定した場合、ボタンの操作でカメラを自由にコントロールできる。別のボタンを押すとカメラが急速に半回転してユーザー側に向き、セルフィー撮影モードになる。

これに対してKarma Gripのボタンは電源などの基本的なものしかない。あくまでポイント・アンド・シュートが前提だ。 ただしKarmaにはある程度の防水性があり、かなりの耐久力もある。Osmoはもう少しデリケートな感じだ。

ディスプレイ

ユーザーによって好みが別れるところかもしれないが、私はカメラにはディスプレイ欲しい派だ。GoPro Karma GripにHero5またはHero4 Silverをセットした場合は、ディスプレイがあるので対象をきちんとフレーミングできる。Osmoには内蔵のディスプレイはなく、ユーザーは手持ちのスマートフォンをグリップの横にセットする。

理屈の上では内蔵ディスプレイには優位性があるはずだ。GoProの背面のディスプレイはあまりに小さく、しかもジンバル機構が真後ろにあって邪魔をするので実際には非常に使いにくい。非常に奇妙な設計で、せっかくディスプレイを取り付けたのにその魅力を大きく削いでいる。

Osmoとスマートフォンを接続する場合、DJIの独自アプリをインストールする必要がある。 また接続の操作はかなり難しく数分かかることもある。使用中スマートフォンは危なっかしく横に突き出したままだ。しかしOsmoを利用するのにスマートフォンは必須ではない。GoPro同様、単にポイント・アンド・シュートで使うことができる。ビデオはローカルのmicroSDに記録される。Osmoアプリを利用すればスマートフォンにダウンロードすることもできる。

DJIのOsmoアプリを利用すればビデオ撮影に対して細かいコントロールができる。アプリにはビデオ撮影に関して多数の高度な設定ができる他、カメラからスマートフォンに動画をダウンロードするのも簡単だ。

この項の執筆にはKhaled “Tito” Hamzeが参加

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〔日本版〕gimbalの発音は辞書によればジンバル、ギンバルいずれでもよい。ただしアメリカ英語ではギンバルと発音する場合が多く、その発音の方が通じやすい。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+