Algorithmia―研究者とスタートアップをつなぐユニークなアルゴリズムのマーケットプレイス

Algorithmiaは昨年8月に240万ドルの資金を調達したスタートアップだが、強力なアルゴリズムを発明した研究者とソフトウェアのデベロッパーを結びつけるマーケットプレイスのプライベート・ベータテストを開始した。

このマーケットプレイスにはすでに機械学習、音声画像処理、コンピュータビジョンなど800のアルゴリズムが登録されており、デベロッパーのさまざまなニーズに応じられるようになっている。

このサイトにアルゴリズムを登録した発明者は、そのアルゴリズムの利用者から料金を受取ることができる。Algorithmiaではアルゴリズムの募集にあたって懸賞金システムを用意している。ソフトウェアのデベロッパーが特定の機能を果たすアルゴリズムを募集すると、その分野に詳しい研究者が、料金を取り決めた上で、スクラッチで開発を始めるという仕組みだ。

このサービスに登録されたアルゴリズムのデモとして、サイトにはウェブ・クローラーの動作をシミュレートするアプリが公開されている。これには7人の研究者のアルゴリズムが利用されているという。クローラーの動作はビジュアル化され、ノードの重要性に基いて色分けされる。ノードごとのページランクも一覧表示される。

〔日本版〕Algorithmiaのデモは、デモとは思えない強力なアプリで、興味深い情報が得られる。 http://jp.techcrunch.com/ などと入力してMap Siteボタンを押すとトップドメインから順次下位ノードをクロールする。デフォールトでは20段階先までクロールする。紫色がもっともページランクの高いノードとなる。マウスをホバーさせるとURLが表示され、クリックするとリンク先内容がサムネールで表示される。 http://www.yahoo.co.jp/ のような巨大サイトを20段階クロールするのには数十秒かかるが、ダイナミックなビジュアルを見ているだけでも面白い。またサイトの構造がよくわかる。 クロールを5,6段階に制限すると個別のノードが見やすくなる。

画像:Algorithmia

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


評価額25億ドルのLyftは、楽天を筆頭に5億3000万ドルをシリーズEで調達

タクシーの配車サービスを提供するスタートアップLyftは、日本のEコマースの大企業、楽天を筆頭に、5億3000万ドルの資金調達を行ったとTechCrunchに情報が入った。新たな資金調達は明日報告(既に公開済み)される予定だ。これによりLyftは、創業当初から8億5000万ドルを調達したことになり、その評価額は25億ドルとなった。

楽天はシリーズEラウンドにおいて3億ドルを出資し、Lyftの11.9%分を保有することとなる。他の出資者については明かされていないが、以前からLyftに投資している企業には、Coatue Management、Alibaba、Daniel LoebのThird Point、Andreessen Horowitz、Founders Fund、 Mayfield Venturesが名を連ねる。

1ヶ月前に聞かれていた予定調達額 の2倍の金額を今回調達し、評価額も言われていたより高額であった。この金額は、交通手段を提供するグローバル企業としてブランドを確立することを目指すLyftの野望と共に、投資家のこの企業への高い関心を表している。

現在Lyftはアメリカ国内でしかサービスを展開していないが、楽天のようなストラテジックインベスターと組むことで国内、そして海外での新しい市場開拓を進めるのに有利に働くことだろう。

最大のライバルであるUberと競うのにLyftは彼らの力が必要だ。Uberは2010年に創業してから社債と株式で50億ドルを調達し、現在の評価額は400億ドルだ。Lyftは60の地域でサービスを展開しているが、Uberは250以上の地域で運営している。

拡大路線の準備としてLyftは主要役員の雇用を行い、またブランド戦略における立ち位置を再定義する。雇用に関しては、CFOにBrian Robertsを、CMOにKira Wamplerを据え、開発、デザイン、パートナーシップの各部門にも役員を据える。

新しいユーザーを獲得する為にブランド戦略を見直した。例えば、今まで運転手はLyftの目印として分厚くてモコモコしたヒゲを車の前方に取り付けていた。これを持ち運びしやすく、利用者がLyftの車に搭乗することが分かりやすくする為に「光るヒゲ」に変更するそうだ。また、彼らは以前から薦めていた慣習のいくつかを廃止するそうだ。例えば、カジュアルな挨拶として利用者と拳を合わせることや利用者に助手席を薦めるといったことだ。いずれの施策も幅広いユーザーを取り込むことが狙いだ。

Lyftは、新規のユーザー獲得と共に、運転手の雇用でもUberと張り合うことになる。Lyftはそれを受け、運転手への報酬をいくつか追加した。例えば、車にかかる費用を割引く制度や運転手に健康管理やエンターテイメント等の福利厚生を提供するといったことだ。Lyftの運転手として働くことに魅力を持たせるための施策である。

Lyftの道は容易いものではないだろう。既に開拓した市場では利益を上げていると彼らは報告しているが、市場を新しく開拓するには多額の費用がかかり、真のグローバル企業に成長する為には資金は集められるだけ集める必要があるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma / facebook


リアルタイムウェブ接客ツール「KARTE」が正式ローンチ-購入率4倍の事例も

7月にフェムト・グロースキャピタルなどを割当先とする合計1億5000万円の第三者割当増資を実施したと発表したプレイド。同社は3月12日、これまでクローズドベータ版として運用を続けてきたウェブ接客プラットフォーム「KARTE(カルテ)」の正式提供を開始した。サイトから申し込めばすぐに利用できる。

KARTEは、サイトに数行のJavaScriptコードを埋め込むことで、訪問者の特徴や行動をリアルタイムに解析しダッシュボード上に可視化してくれる。そしてあらかじめ設定しておけば、ユーザーの属性(会員/非会員、累計の購入金額、コンバージョン率、興味のある商品カテゴリなど)に合わせてクーポンの発行や商品のレコメンドなどができる。同社ではこのリアルタイムな対応を「ウェブ接客」とうたっているわけだ。サービスはECサイトであれば会員IDとの紐付けも可能だ。

今後はメールマーケティングツールの「MailChimp」、チャットツール「LiveChat」、アンケート&フォーム作成ツール「Formstack」など外部サービスとの連携を進める。これらの機能は利用者を限定して段階的に提供していくそうだ。

導入後に「購入率4倍」という事例も

2014年9月から問い合わせのあった企業の一部に対してクローズドベータ版のサービスを提供していたが、3月11日時点で大手ECサイトをはじめ旅行や人材紹介、不動産など50サイト以上に導入(準備中企業含む)、解析したユニークユーザー数は4500万人、訪問数は1億2000万件を突破しているという。「ウェブで接客のアプローチをする場合、『サイトから去ったユーザーの情報をもとに、次の訪問時にどういう対応をするか』というものがほとんど。リアルタイムでユーザーを可視化できるプラットフォームは海外を含めてあまりなかった。その点を評価してもらっている」(プレイド代表取締役社長の倉橋健太氏)

KARTEの導入企業

 

倉橋氏によると、導入サイトの中には新規会員獲得率で108%アップ、購入率(サイト平均で)30%アップといった事例が出てきているそうだ。導入以前と比較して購入率が約4倍になったケースもあるという。

おもしろい事例だと、初めてログインしたユーザーにだけ「登録ありがとうございます」と感謝を伝えるメッセージを画面に表示したサイトがあったらしいのだが、それだけでコンバージョンが数十パーセントも上がったということもあるそうだ。「ウェブはそもそも効率化の延長線上にあるもの。そんな中でECサイトが『お客さん1人1人を見ている』ということを伝えるだけで、ユーザーのモチベーションは大きく変わる」(倉橋氏)

料金は月額5000円に加えて、1接客(接客のアクションを実行した回数)につき1円の従量課金となる。月間10万ユニークユーザー数を超えるサイトに対しては、月額固定料金と従量課金を選択できるエンタープライズ版も提供する。「予測値ではあるが、多くのユーザーは従量課金型プランで利用できると思う」(倉橋氏)。

2015年初には、今年のECのトレンドとしてプレイドのイイヅカアキラ氏が「ウェブ接客」についての寄稿をしてくれているが、KARTE同様ウェブ接客を実現するサービスとしては、B Dash Venturesや元ミクシィ代表取締役社長の朝倉祐介氏らが支援するSocketの「Flipdesk」なども登場しているほか、イギリスVe Interactiveの手がける「VePlatform」も2014年から日本展開を開始している。


テクノロジー・ブログのパイオニア、GigaOm、資金繰りに行き詰まって閉鎖

ジャーナリストからベンチャーキャピタリストに転じたOm Malikが創立したテクノロジー・ブログ、GigaOmは資金繰りに行き詰まり、閉鎖されるもようだ。2006年6月に創立されたGigaOmはテクノロジー・ブログのパイオニアの一つで、ちょうどその1年前に創立されたTechCrunchの良きライバルであり続けた。

まずTwitterにこのブログの死亡を告げるツイートが投稿された。「Gigaom、サイトを閉鎖へ。会社も運営停止。Omは素晴らしいブログを作り、私の人生を変えた。私はOmと同僚を愛している」と上級ライターのStacey Higginbothamがツイートした。その直後にGigaOmとOm Malikの個人サイトの双方にこれを確認する記事がアップされた。

太平洋時間午後5:57にGigaOmに次の記事が掲載された。

GigaOmブログと運営会社に関する告知。最近われわれは債権者に対して全額を返済することが不可能となった。その結果、わが社の全資産は担保として債権者の管理下に入った。すべての運営は中止された。現時点では債権者がこの資産に対してどのような処分を行うかわれわれには分からない。この資産を用いて将来運営が再開されるかどうかも不明。ただしわが社は現在、破産の申し立てを行うつもりはない。この場を借りて読者とわれわれを支えてくれたコミュニティーの全員に感謝する。 ―GigaOm経営チーム

MalikもGigaOmも取材に対してまだコメントを返して来ない。

GigaOmはテクノロジー・ニュースとテクノロジー・イベントを結びつけ、数多くの分野で活発な活動を行ってきた。現在までサイトは生きており、今日のAppleイベントの記事が掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


スマホで手軽に経費精算できるアプリ「Staple」、Android版の提供を開始

会社員ならば誰もが経験するであろう経費精算。大っ嫌いな人も多いんじゃないだろうか。毎月それなりの時間を取られるし、Excelで処理するにしても、は業務システムと連携した経費精算システムに入力するにしても、とにかく1つ1つの項目を埋めていくのは手間がかかる。

そんな面倒な経費精算を、スマホで手軽に入力できるアプリがクラウドキャストの「Staple」だ。クラウドキャストでは2014年9月にiOS版をリリースした(クラウドキャストでは同時にIMJ Investment Partnersからの資金調達を発表している。調達額や出資比率は非公開)が、本日3月9日にAndroid版をリリースしている。

Stapleは個人および10〜20人規模の程度の中小企業や企業の部門、イベントなどの短期プロジェクトでの利用を想定した経費精算アプリだ。タップ操作で経費を登録したり、カレンダーとの連携機能などを実装している。経費はCSVでの出力も可能。

クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏

「システム管理者の視点ではなく、従業員が迷わず利用できるかどうかが重要。また社員数10〜20人規模の企業だと、経費精算に使うのは紙とエクセルというケースが9割以上。いかにこれを置き換えるかを意識した」(クラウドキャスト代表取締役の星川高志氏)

個人での利用は無料。法人・チーム向けの管理機能を利用する場合、1チーム月額980円(年額で支払う場合は9800円)となっている。法人向けのユーザー登録数や保存データ容量は無制限。決裁権限を持つ人間による承認ワークフローを備える。

クラウドキャストは2014年1月に経費精算アプリ「bizNote Expense」を公開している。これはアプリでの経費入力から会計システムへの取り込みまでの機能を提供していた。Stapleはそこからユーザーのニーズにあわせて経費入力の機能を切り出した(といってもあくまで機能面での話。アプリ自体はスクラッチでおこしているのだそうだ)ものとなる。bizNote Expenseは既存ユーザーにはサービスを提供し続けるとのことだが、サイト上ではStapleにサービスを移行したと説明。Stapleの新規登録を促している。

なおAndroid版の提供にあわせて、クラウドキャストがTechCrunchの読者向けにクーポンコードを発行してくれている。クーポンコード「TechCrunch2015」を入力して年間プラン法人・チーム向けにサービスに登録した先着20チームは、年額の9800円で18カ月間サービスを利用できる。クーポンコードの有効期限は3月12日。


gumiの下方修正はスタートアップに何をもたらすのか

2015年4月期 第3四半期決算の開示日前日である3月5日に営業赤字となる大幅な下方修正を発表したgumi。同社は海外展開をはじめとした今後の方針について説明し、代表取締役である國光宏尚氏の役員報酬を6カ月間100%減額(ゼロ円)にするとした。

3Q決算は純利益が2億2500万円の赤字に

gumi代表取締役社長の國光宏尚氏

3月6日に開示された2015年4月期第3四半期業績は、売上高が206億2100万円、営業利益が4億2000万円、経常利益2億9200万円が、純利益が2億2500万円の赤字となった。

gumiは決算と合わせて金融機関から30億円の借入を実施したと発表している。3月6日の株価は前日比500円減で2081円のストップ安。時価総額は603億7900万円となった。

上場前にTechCrunchで取材した際は「クソみたいに小さいIPOはすべきではない」と語っていた國光氏。ソーシャルメディアやオンライン掲示板には、「VCや役員が上場時に株式を売り出していて、何かあると思っていた」「國光氏は報酬ゼロとは言え上場時に12万株を売り出して4億円近くを得ている」「買い支えている株主を見ていないのではないか」など、厳しいコメントが並ぶ。

僕もさすがに上場3カ月でのこの発表には驚いたし、本来「速やかに開示する」とされている下方修正が決算日前日に開示されたことに違和感は感じた。

そのあたりをどう考えているかという話は来週開催の決算説明会でも聞けるはずだ(今日はアナリスト向けのミーティングだけ開催されたようだ)。また同時に、gumiが叩かれていたとしても、ここで終わる訳ではないだろう。

gumiでは新タイトルやパブリッシング事業での業績回復を狙っていると発表している。また業界関係者からは、ゲーム以外の領域、例えば動画などに重点を置いた投資の準備をしているという話も聞こえてくる。

さらに、ゲームであればヒットタイトル1つで大きく流れも変わるはずだ(ヒットタイトル依存の体質がいいかどうかは別として)。2013年、業績不振だったミクシィだって、追い出し部屋を作ってリストラ(同社は「リストラではなく人事異動」と説明している)をしたが、その後ゲーム「モンスターストライク」で業績を大きく回復させている。

今後の新規上場はどうなる?

僕がgumiの業績以上に気になったのは、同社の下方修正が結果的に新規上場にどんな影響を与えるかということだった。

そこで投資や金融サイドの複数関係者に接触したところ、いくつかの話を聞くことができた。

まず1つ、実は昨年後半から上場審査に通らない企業が増えつつあるのだそうだ。ある関係者は「gumiは上場直前の2014年9〜12月時点で業績が下降トレンドに入っていた。そんな状況で主幹事証券会社(野村證券)が東京証券取引所に上場を押し込んだようなもの。そういった背景もあってゲームやウェブサービスに関わらず、公開審査で予実管理の審査を厳しくする傾向にあるようだ」と語る。

ちなみに今回のgumiの件とつながりがあるかは分からないが、野村證券は3月3日付けで公開引受部の人材を含めた人事異動を発表している。

gumiの決算資料。2015年4月期1Q以降、売上は減少傾向に

また別の関係者は「2006〜2007年頃の新興市場に似ている」と振り返った。メンバーズやフラクタリスト(現在は吸収合併ののちユナイテッドに)など、当時名証セントレックスや大証ヘラクレスに上場した企業は、初年度に相次いで下方修正を発表している。

関係者は「当時は事業基盤より今後の成長性を期待して上場するというケースが少なくなかった。だが各社軒並みに下方修正した結果、証券会社の審査が厳格化。2007〜2008年の新規上場数が下がることになった」と語り、来年以降の上場数が減る可能性を示唆した(ちなみに新規上場数は2006年が114社だったが、2007年は68社、2008年は54社と減少している。また2009年は23社と大幅減になったが、これは2008年9月に起こったリーマンショックの影響が大きいとみられる)。

さらに「自戒も込めて言うが、日本のベンチャーキャピタルまわりには浮ついた空気はあったかもしれない」「こういう状況で最終的に損するのは投資家。そうなるとIPO銘柄への信頼が揺らぐことになる」「ゲームセクターに対する市場の見方が厳しくなるのはやむを得ない」「マーケット全体に影響は少ないかも知れないが、IPO時のバリュエーションが下がることは想定される」とそれぞれ語る関係者がいた。

関係者に共通する意見としては、「上場はその企業や彼らに出資したベンチャーキャピタルにとっては1つの出口かも知れないが、ゴールではない。上場すれば、市場や投資家とも向き合わないといけない」ということだった。

すでに証券会社で審査を受けている企業にはまだ直接的な影響はないかも知れない。だが来年以降に上場を目指すスタートアップは、ここからその真価が問われることになりそうだ。


Vanhawksが160万ドルを調達。いよいよスマート自転車「Valour」の出荷を開始

Y Combinatorの2015年ウィンタークラスのメンバーであり、スマート自転車を手がけるVanhawksがReal Ventures、オリンピックのトライアスロンで金メダルを獲得したSimon Whitfield、Relentless PursuitのパートナーであるBrenda Irwinや、その他のエンジェル投資家より160万ドルの資金を調達した。昨年のKickstarterキャンペーンで82万ドルを獲得したスマート自転車のValourを、出資者に対して間もなく送り出すための費用としても利用する。コンセプトから実現にいたるまでに必要となった各種費用にも充て、さらには自転車業界向けのソフトウェアプロダクトの第一人者となるための成長プランの実現のためにも活用していくそうだ。

Vanhawksの共同ファウンダーであるAli Zahidはインタビューで、実際にプロダクトを出荷するにあたって、Kickstarterでの調達額以上が必要となったのも致し方ないことであると述べている。すなわち、ZahidらにとってVanhawksが最初のスタートアップ体験であり、実際のプロダクト製作にどういった種類のお金が必要になるかを知るための経験を持っていなかったのだ。Kickstarterでの出資者に対し、本来は昨年末のうちに出荷を開始したいとしていたが、間に合わせることができなかった。しかしZahidによれば現在は各種作業も順調に動いていて、この春から25台ないし50台くらいずつ出荷できる見込みなのだそうだ。そのペースで進めば夏ごろにはバックログも解消し、そして2、3週間の納期で新たなオーダーを受けることもできる予定なのだとのこと。そしてVanhawksは、自転車製作以外の分野でも成長を目指していくこととなる。

さらにZahidの言葉を引いておこう。「自転車を作って売るだけというビジネスを目指しているのではないのです」とのこと。「自転車業界におけるソフトウェア部門の担い手となることを目指しています。世界のさまざまな分野でソフトウェアが用いられるようになっていますが、自転車業界でもソフトウェアの重要性は増ししていくはずなのです」。

Zahidは、数年のうちに自転車業界における標準ソフトウェアのようなものの担い手(Vanhawksもここを目指している)が登場してくると踏んでいるわけだ。ヨーロッパはもちろん世界中の多くの地域で、自転車は重要な移動手段として普及している。北アメリカでもますます自転車の利用頻度が上がってくるはずだと見ている。1990年から2011年の間をみても、都市生活者による自転車人気は高まっている。すなわちVanhawksのターゲットとるする市場は、大いなる成長市場であると考えられるのだ。

Vanhawksの成長戦略の中で、Valourは「自転車用ソフトウェア」のショーケースとしての役割も持っていることになる。たとえばナビゲーションシステムであるとか、後方からの接近を検知する仕組み、あるいは道路コンディションを通知する機能なども搭載している。もちろん移動距離や高低差などを記録しておくこともできる。Wazeのように、クラウドソーシングを活用した情報共有機能を提供することもできる。また、盗難対策用トラッキングシステムも搭載しており、オーナーが自分の自転車のために投じた金銭、時間、労力を保護する仕組みも備わっている。

自転車というのは、全身の集中力を投入してこそ安全に走ることができるという面もある。自転車に乗りながら、自分でさまざまなデータを入力するようなことはできないと考えた方がいい。しかし自転車をさらに魅力的な乗り物にしていくにあたって、自動的にデータを収集するような仕組みは大いに役立つはずだ。

Valourには、自転車そのものとしての魅力もある。ただし、多くのテック系スタートアップと同様に、ソフトウェアこそがVanhawksの提供するサービスの中核を担うものとなっていくのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


「ムゲンブックス」はAmazonや書店で買える紙の本を無料で出版できる


ブログを書くように執筆した原稿を、紙の本として出版できるウェブサービス「∞books(ムゲンブックス)」が始まった。売れた分だけオンデマンド印刷する仕組みで、出版にかかる費用は無料。著者の印税は10%。できあがった本は、Amazonや全国の書店から買える。

専用の入力画面でタイトルと本文を入力するだけで、紙の本の出版に必要な目次やページ番号、文字組みなどを自動的に設定してくれる。完成した本にはISBNが付与され、出版社である「デザインエッグ」を通じて出版する。

ムゲンブックスは、KDDIが手がけるベンチャー育成プログラム「KDDI∞Labo」第7期プログラム採択案件。代表を務める佐田幸宏氏はかつて、4980円で紙の本が出版できる「MyISBN」を開発し、リリース1年半で250タイトルの本を出版している。

MyISBNは、PDFファイルをアップロードするだけで本を作れるのが特徴。しかし、一般ユーザーの中には、PDFを作成するのが技術的に難しい人も多かったと、佐田氏は振り返る。「文字を打つだけで出版できるムゲンブックスは、技術的なハードルをほぼゼロにした」。

出版社の「お墨付き」がなくても本を出すニーズは?

著者としては無料で出版できるのは魅力だけれど、表紙のデザインや文章の編集、誤字脱字のチェックなどは、全部自ら行う必要がある。ぼくには、知名度の高い出版社の「お墨付き」がなくても、紙の本にしたい需要がどれくらいあるのかは未知数に思える。

ムゲンブックスははどんなユーザーを想定しているのか? 佐田氏によれば、大きくわけて2つのターゲット層があると言う。

1つ目は、ニッチなノウハウを持つコミュニティだ。MyISDNでは、マシジミを飼うための本や、ライフルの弾道学について書いた本が好評だったといい、ムゲンブックスでも、一定のファンがいるコミュニティに出版需要があると見ている。

2つ目は、自分の想いや記憶を残したいと考える、50歳以上のユーザーを想定している。こうした層は自費出版を通じて本を出したりするが、費用は数十万円から数百万円と高いことから、無料で出版できることをアピールしていけるのかもしれない。

ムゲンブックスを通じて出版した本


リアル店舗でおもてなし、アプリで住まいのサポート–お部屋探されサイトiettyの新展開

東京・恵比寿のリアル店舗

 

ユーザーが希望条件をあらかじめ入力しておけば、不動産会社のスタッフから条件に合う賃貸情報がチャット形式で提供される、お部屋“探され”サイトの「ietty」。サービスを手がけるiettyがリアル店舗を軸にさまざまなサービスの展開をはじめた。

店舗は2月26日には東京・恵比寿に正式オープン。ウェブサイトやスマートフォンアプリ同様に賃貸情報を提供するだけでなく、不動産業経験者を中心にしたiettyスタッフがオフィス賃貸や不動産売買、リフォームといった賃貸以外のニーズにも対応していく。

「リアル店舗は『オフラインの相談窓口』という意味合いが大きい。我々は不動産のプラットフォーマーになりたいと思っている。例えば単身で賃貸に住んでいた人が結婚して広い賃貸に移り、さらに戸建てを買うといったように、ライフステージが変化していくユーザーのニーズに対して、継続的に応えていける事業者はあまりいない」(ietty代表取締役の小川泰平氏)。

「ietty トータルサポート」のイメージ

 

そうは言っても、ライフタイムイベントなんて数年に一度あるかないかというペースなのが普通だし、ユーザーと継続的な関係性を持つことができないのではないかとも思う。そこでiettyでは、「今後は例えばユーザーが引っ越しすれば、それに付随するような作業やトラブル対応の支援をしていく」(小川氏)のだという。

それが3月5日に発表された「ietty トータルサポート」だ。ietty経由で物件への入居を決めたユーザーに対して、スマホアプリ上で家賃や初期費用の相談から、設備トラブル、退去時の引っ越し手配までをチャットでサポートするという。

また店舗では、3月4日より月額15 万円以上の賃貸物件のほか、住宅売買やオフィス賃貸を希望するユーザーに対して特別なプランを提供する「ietty 大人の部屋探し」をスタートした。

このサービスでは、完全個室での接客、ウェルカムドリンクの提供、50インチのモニタを使った物件紹介、店舗から帰る際には同社負担でUberを配車(都内23区限定)といった、ちょっとゴージャスなおもてなしを提供するのだとか。


ユーザベースがNewsPicksを分社化–詳細は「後日発表」

ユーザベースは、同社が提供するビジネス特化のニュースサービス「NewsPicks」を分社化する。新設分割で新会社ニューズピックスを立ち上げ、NewsPicksの事業を移管する。

NewsPicksはビジネス系ニュースサイトの閲覧や記事へのコメント投稿、ソーシャルでのシェアが可能なサービス。月額1500円で有料コンテンツの閲覧も可能。サービスをリリースした2013年9月当初は、SmartNewsやGunosyといったニュースサービスと比較されていたが、2014年7月に元東洋経済オンラインの編集長の佐々木紀彦氏をNewsPicks編集長として招聘。9月には編集部を設立し、独自コンテンツを配信すると発表。広告ビジネスをスタートさせた。

なおユーザーベースでは直近のダウンロード数や課金ユーザー数を公開していないが、2014年9月時点でのダウンロード数は21万件。SmartNewsやGunosyと比較すると小さい数字だが、20〜40代のビジネスマンが中心。

ユーザベース広報は分社化について「官報にあるとおり事実だが、詳細については後日公式に発表する」とコメントするにとどめており、現時点詳細については明らかにしていない。


「Bitcoin破たん報道は誤解も甚だしい」経済学者・野口悠紀雄氏

日本でBitcoinといえばMt. Gox(マウントゴックス)の倒産がメディアを賑わせたが、以前ほどは話題に上らなくなった。日本の現状はどうなのか? 2月23日に都内で開かれた「楽天金融カンファレンス」で経済学者の野口悠紀雄氏らが、Bitcoinが日本で普及する可能性や、規制面での課題を語った。

Bitcoinの特徴は管理主体がないPtoP型。そのメリットは手数料や為替のスプレッドなどの送金コストが低く抑えられるということだ。こうしたメリットから米国ではすでにDELLやPayPal、Expediaなどの大手企業が徐々に導入している。

一方、日本でのBitcoinに関する話題といえば、昨年2月の「Mt.Goxショック」の余波が後を引いている。事件以降、Bitcoinそのものの仕組みが破綻したという報道もあったが、パネリストの野口氏は「誤解も甚だしい」と一蹴した。

「Bitcoinは生き延びているのに誤解されている。例えばみなさんが米国から帰国して、成田でドルを円に変えようとしたら、たまたま空港の両替所が閉まっていた。そのときにドルが破綻したと言いますか? 両替所が破綻したからといって通貨そのものが破綻したと誰が考えるだろうか。Mt.Goxの事件は、いわばそういうもの。」

規制とこれからの課題は

日本では政府がBitcoin普及を後押しする動きもある。

自民党のIT戦略特命委員会の提言を受け、Bitcoinを扱うスタートアップ3社が9月に業界団体「日本価値記録事業者協会」を発足。政府主導の規制を導入するかわりに、Bitcoin交換所の監査や利用者保護を盛り込んだ自主規制ガイドラインを作成し、“風評被害”からの信頼回復を図っている。

こうした動きを、Bitcoinに詳しい弁護士の斎藤創氏は、「幸いなことに、政府の対応は今のところ暖かく見守る方向」と評価。その一方で、Bitcoinの取引を課税対象にすべきという議論があると指摘する。非課税な国が多いのにもかかわらず、日本で課税対象となれば、国内のBitcoin普及の速度は今以上に遅くなる、という意見だ。

今はとにかくBitcoinは怪しいものではないと利用者に納得していただきたいと野口氏が繰り返してセッションは締めくくられた。

 


月次売上400%増の物流アウトソーシング「オープンロジ」、IVPとコロプラ千葉氏から6000万円を調達

オープンロジ代表取締役社長の伊藤秀嗣氏

2014年11月に開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2014」のプレゼンコンテスト「スタートアップバトル」にも登壇してくれたオープンロジ。これまで自己資本でサービスを展開してきた同社だが、3月4日にインフィニティ・ベンチャーズLLP (IVP)およびコロプラ取締役副社長の千葉功太郎氏(個人投資家として)を引受先とする総額6000万円の第三者割当増資を実施したことをあきらかにした。

今回の増資に伴い、IVPの小林雅氏が社外取締役に就任するほか、元アエリア取締役で弁護士ドットコムやクラウドワークスの監査役を務める須田仁之氏が監査役に、不動産会社のスター・マイカ代表取締役会長の水永政志氏が経営顧問にそれぞれ就任する。

オープンロジは2013年12月の設立。代表取締役社長の伊藤秀嗣氏は雑誌のオンライン販売を手がける富士山マガジンサービスの出身で、創業期から同社のロジスティクス(物流)網の構築に携わってきた人物。2014年10月に物流のアウトソーシングサービスの「オープンロジ」を開始した。

このサービスは、ECを手がける中小企業や個人事業主をターゲットにしたもの。ユーザーがECで取り扱う商品をサイト上で登録し、提携する物流会社の倉庫に入庫すれば、オンラインで商品の入出庫といった管理が可能になる。出庫時には倉庫にて梱包の上、配送までを行ってくれる。

大手ECサイトでは独自にロジスティクスのシステムを持ったり、物流事業者と個別に契約したりするが、中小規模のECサイトではそういったことをするのは難しい。オープンロジは物流事業者と独自に提携。そのスペースを商品数の少ない中小規模ECサイトが利用できるようにしている。シンプルな操作で入出庫できるウェブと、通常の宅配サービスと比較して安価な価格設定が強みとなっている。

ニーズにぴったりはまった—売上は1カ月で400%増に

サービス開始から5カ月程度だが、伊藤氏いわく「ターゲットとして想定していた中小規模のEC事業者や副業でECを手がけるような個人事業主のニーズにぴったりとはまっている」とのこと。ベースの金額はまだまだ小さいとは言え、2015年1月から2月で比較すると売上高は400%増加している。「黒字化にはまだ時間がかかるが順調なペースだ。切実なビジネス課題があったところをうまくとらえられたのではないか」(伊藤氏)

オープンロジでは今回の資金調達をもとに、人材採用や経営基盤の強化を進める。伊藤氏いわくサービスは好調だが、まだまだ運用上の課題も多く、その改善にも注力するという。「物流の業務は複雑で、実際に人が動くので、ピッキング、パッキング、配送などそれぞれの過程でいろいろなトラブルが発生する。(さまざまなECサイトが利用することもあって)商品も画一化されていないため、ある程度想定して動いていても、実際に運用しないと気付かない課題も多い。今まさに運用改善の最中だ」(伊藤氏)

同社では今春をめどに、海外発送にも対応する予定。またその後はAPIを公開して、ECサイトの構築サービスなど、各種の企業と連携していくとしている。また年内にも億単位の資金調達を検討。IVPも「事業の進捗を見て数億円の追加投資を行う予定」としている。


40億円調達のラクスル、クラウドソーシングを使ったチラシ制作の新サービス–リアルワールドと連携

ラクスル代表取締役の松本恭攝氏

先日40億円の大型資金調達を発表したばかりのラクスル。同社は3月3日、東京・虎ノ門で事業構想発表会を開催。クラウドソーシングを活用したチラシ印刷の新サービス「ラクスルデザインラボ」を発表したほか、今後の事業戦略を語った。

資金調達の発表の際にも話していたとおり、1年で登録会員が5倍にまで成長したというラクスル。会員の9割は100人未満の中小企業ということもあって、ただ印刷機を効率化して安価なサービスを提供するだけでなく、チラシを集客ツールと定義して、「印刷を通じて集客の支援をしている」と説明する。

クラウドソーシングと印刷を組み合わせた新サービス

そんなラクスルが本日から提供するのがラクスルデザインラボだ。このサービスは「デザイン制作」と「印刷前デザイン比較」の2つの機能があるのだが、まずデザイン制作パートでは、ユーザーの要望(テキストや手書きのイラストにも対応する)をもとに、クラウドソーシングでネットワーク化されたデザイナーが複数のデザイン案を提案する。

複数のデザインが集まれば、今度は印刷前デザイン比較を行う。クラウドソーシングでネットワーク化された主婦や学生などにどのデザイン案がいいかアンケートを実施して、どういったエリアのどういった属性のユーザーに好評だ、という情報を取得できる。「これまでは事後にしかできなかったチラシのデザイン評価が事前にできる。インターネットらしいアプローチだ」(ラクスル代表取締役の松本恭攝氏)

サービスはリアルワールドと連携しており、デザイナー、アンケート回答者はともにリアルワールドのクラウドソーシングサービス「CROWD」の会員だという。

ラクスルではこのラクスルデザインラボのほかにも、オンラインで申し込めるポスティングサービスの「ラクスルポスト」も提供。これらのサービスによって、チラシのデザインから印刷、さらには折り込みチラシやポスティングまでをワンストップで実現できる体制を作った。同社ではこれを集客支援プラットフォーム「チラシラクスル」と銘打って展開していく。

今後は地方需要にも対応

中小企業の支援をうたうラクスルが今後注目するのは「地域経済の活性化」。東京や愛知、大阪といった都市部以外に拠点を持つ企業は日本全体の約8割。行政や商工会議所に働きかけ、これらの企業との連携を図るという。また、地方の印刷会社との提携を拡大し、雇用創出に寄与するとした。

将来的には日本全国だけではなく、世界進出ももくろむ。「ラクスルの使命は商売革命。ベンチャーの立場から商売を変えていく」(松本氏)。同社では今後早期の100万会員達成を目指す。


愛用ブランドのサイズ感で洋服をカスタムオーダーできる「ラファブリック」

ファッション通販にありがちなのがサイズ選びの失敗。特に初めて買うブランドの洋服が、自分の体型に合っているかは賭けに近かったりする。だったら、愛用ブランドのサイズ感をベースに、好きなデザインや素材でカスタマイズした洋服を買えばいい、というのが「ラファブリックス」だ。

ユーザーはサイト上で、アウター、インナー、パンツごとに、ふだん着ているブランドのサイズを選択する。例えば、インナーでユニクロの「M」サイズを着ているユーザーであれば、そのサイズ感でシャツをカスタムオーダーできるわけだ。

便利なのは「ユニクロのMで身幅はちょうどいいけど、肩幅をもう少し狭くしたい」みたいな微調整が可能なこと。このほかにも、首回りや二の腕、ウエスト、ヒップ、パンツ丈、太ももなど14項目を1cm単位でカスタマイズできる。

デザインや生地のカスタマイズにも対応する。例えば、デザインは襟やポケットの形、裏地の色を変更できるし、生地は日本製やインポート物の中から好きな素材を選べる。なので、サイズには不満は無いけれど、デザインや生地がもっとこうだったら欲しい、というニーズも満たせそうだ。

現在はユニクロのほかにH&MやZARA、セレクトショップはUNITED ARROWSやビームスプラス、スーツメーカーはSUIT COMPANYなど、十数ブランドのサイズを収録したデータベースを構築済み。

今後も対応ブランドを増やすそうなので、ふだん着慣れているブランドのサイズ感で、デザインや生地にこだわった1点モノの洋服がオーダーしやすくなりそうだ。

オーダーメイドスーツECからのピボット

TechCrunchを毎日見ている読者なら覚えているかもしれないが、ラファブリックスは昨年2月、フォーマルなスーツやシャツのオーダーメイドECとしてスタートしている。

当時は、いくつかの質問に答えるだけで最適なサイズを提案する「フィットアルゴリズム」を通じて、日本人体型に合うスーツやシャツが注文できることを売りにしていた。引き続きスーツやシャツも扱うが、カジュアル路線強化はピボットのようにも取れる。

この点について、サービスを運営するライフスタイルデザインの森雄一郎社長は、「オーダーメイドスーツを買う層はそもそも、ECでモノを買わない傾向があった」と過去の失敗を振り返る。

さらに言えば、そもそもユーザーが入力したデータに基づいて、サービス運営側からサイズを提案するコンセプトは「満足度に個人差があった」と語る。「時として、提供者側のエゴでもあった」。

これに対してリニューアル後のラファブリックスは、顧客の価値観で「普段着るブランドとサイズ」を選べるため、「本当に自分に合った服を着たい」というニーズを実現できると説明。カジュアル路線を強化したことで、顧客層も広がると自信をのぞかせている。

価格面での優位性もあると、森氏。日本全国のアパレル工場をネットワーク化し、縫製や生地の相性やミシンの稼働率に応じて最適な工場へ発注することで、商品の価格を抑えているという。この仕組みは、全国の印刷会社をネットワーク化し、印刷機の非稼働時間を有効活用することで印刷費を抑える「ラクスル」にも似ている。

商品価格帯(いずれも税・送料込み)の一例を挙げると、フォーマルではホワイトシャツが6800円、ブラックスーツが1万9800円、カジュアルではコットンジャケットが2万9800円、ブルージーンズが3万4000円となっている。


ガチな勉強系クイズアプリ「マッチ」は対戦プレイが熱い

勉強は一人でやってもつまらない。だったら対戦ゲームにすれば面白くなる――。

こんな発想から生まれたのが、対戦型クイズアプリ「マッチ」だ。昨年6月に日本史対戦ゲームとしてベータ公開し、高校生を中心に3万ユーザーを集めたiOSアプリが、このたび正式リリースとなった。

正式版では日本史に加えて、世界史、漢字、一般常識のカテゴリーを追加。大学の入試問題や教科書、さらには漢検をはじめとする資格試験をもとに、4択のクイズ形式で出題している。高校生だけでなく社会人も楽しめる問題が増えた印象だ。

問題数は合計1万5000問。有名大学の過去問をベースにした問題も多く、現役受験生じゃないと即答できなそうなガチな問題が少なくない。どれくらいガチかというと、例えばこんな感じ。

サーマーン朝なんて、はるか昔に習った気がするけど、今となっては忘却の彼方。一部の問題には、ユーザーの回答をもとに一般正解率が表示され、低正答率の問題は得点が1.5倍になったりする。

おすすめは対戦プレイ

こうした問題は1人でコツコツ解いても勉強になるけど、おすすめしたいのは対戦型プレイだ。

Bluetoothを通じて友達と競う「ともだち対戦」や、インターネット経由で知らない人と勝負する「全国対戦」があり、合計10問の正解ポイントで争う。対戦は早く正解するほどポイントが加算されるので、いやがおうでも緊張感が高まる。

純粋に知識を競い合うだけじゃないのも、対戦プレイを熱くさせている。下の画面キャプチャーのように、劣勢時には「妨害」機能で相手の問題や選択肢を隠せるようになっている。実際に妨害されると、なかなか問題が表示されなくて、やきもきしてくる。

夢はアプリで東大合格

ゲーム性だけじゃなく「勉強」の側面も充実していて、間違った問題は1人でプレイする「トレーニングモード」から復習できる。

マッチを運営するバトンの衣川洋佑社長は、昨年11月に開催した弊誌イベント「TechCrunch Tokyo 2014」のスタートアップバトルのファイナリストとして登場。その頃から「ゆくゆくは東大合格者を送り出したい」と壮大な野望を語っていた。

さすがに4択に答えるだけで東大合格は難しそうだけど、「まずは勉強を楽しくすることが入口。今後は、苦手な問題ばかりを出題する『ダンジョン』や忘却曲線に基づいた出題を強化して、ゴールに近づけていきたい」と意気込んでいる。

6月には、ソーシャルゲーム要素を盛り込んだ新バージョンを公開する予定。現状で収益はないが、新バージョンでは、プレイできる「体力」を回復したり、対戦を有利にするアイテムで課金することも視野に入れ、勉強を熱くしていきたいという。


2014年のスタートアップ投資額、6年ぶりに1000億円超え―JVRが調査報告

リーマン・ショックの2008年以降下降線をたどっていた未公開ベンチャー企業の資金調達状況が2014年には大きく改善して、資金調達額は前年比1.58倍の1154億円となった。6年ぶりの1000億円超えとなる。2006年から継続して調査を続けているJVR(ジャパンベンチャーリサーチ)がまとめた数字だ。

1社あたりの調達額7250万円は前年比185%

1社あたりの資金調達額も中央値が7250万円と前年の4000万円から1.8倍と増えている。資金調達を行った企業の数は減少しているものの、1件あたりの金額が増えている。TechCrunch Japanでも日々お伝えしている調達額が増えていることは感じているが、この調査でも資金調達額の大型化が浮き彫りとなっている形だ。ただし、TechCrunchが主にIT関連のニュースをお伝えしているのに対して、JVRの調査にはヘルスケア、バイオ、医療、環境、エネルギー分野も含まれる。業種別の傾向としては、IT関連の企業数が増加傾向にあり、2014年は49%となっている。また、インターネットを利用したビジネスモデルを持つ企業の調達件数は2006年以来、ほぼ一貫して増加傾向にあり、2014年にその割合は80.5%となっている。

シード・アーリーからシリーズA、Bへ重心が移動

また資金調達を行った企業の設立年数を見てみると、設立1年未満の社数割合が減少する一方で、1年以上の割合が増加。1年以上5年未満が35%を占めるようになっている。調達額の大型化と合わせて、この傾向の背景には、2011年、12年に生まれたシード、アーリー対象のアクセラレーターの卒業組がシリーズAやBといった調達に成功する例が増えていることがある。以下のグラフは、それを顕著に示している。レポートでは「米国での一般的な調達額として、シリーズAで2億円、シリーズBで5億円、そしてシリーズCで10億円と言われているが、日本も同様の規模に近づいてきている」としている。

10億円以上の調達は7社→16社→25社と増加

資金調達の大型化により、10億円以上資金を調達した企業は前年比1.56 倍の25社だった。2012年に7社、2013年は16社だった。以下に資金調達ランキングの上位50社の一覧を画像で掲載する(クリックで拡大)。

以下の表は投資総額によるVCのランキングだ。投資金額のVCのランキングで上位31社中CVCが6社、外資VC7社と、CVCと外資VCが健闘しているのも目を引く。

優先株も実はすでに半数以上の63%で利用

かつて日本では優先株の利用はほとんどないと言われてきたが、ここ3、4年で一気に増えているようだ。JVRのレポートによれば、会社設立から上場までの資金調達で優先株を利用した企業数は2001年以降で1年当たり2、3社程度だった。これが今回VC9社の情報開示を受けて調査した結果、対象調査企業となった2014年に資金調達を行った127社のうち優先株の利用は59社で46.5%。この比率は、株式の種類が不明の企業を除外した場合には63%となる(調査に協力したVCは、ジャフコ、産業革新機構、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、グロービス・キャピタル、東京大学エッジキャピタル、DBJキャピタル、サンブリッジグローバルベンチャーズ、グローバル・ブレイン)。ある独立系VCのキャピタリストによれば、今や投資案件は「ほぼ全て優先株」といい、エンジェル投資やレイターをのぞけば、優先株の利用はもはやVC業界でデファクトではないかと話している。背景には、もともと投資家が引き受けるリスクが創業者に比べて大きかった面が優先株によって緩和されて、より大胆にリスクを取って投資しやすくなることがあるという。特に残余財産の分配権が重要で、事業立ち上げに失敗した場合に投資を回収しやすくなるなどのメリットがある。

このほか、今回のJVRのレポートで目を引くのは海外比率だ。創業メンバーから日本のスタートアップとみなされるものの法人登記を海外で行っている「海外企業」の割合が8%となり、大阪(近畿)の6%を抜いてしまっている。より大きなマーケットを目指す海外志向が1つの傾向として数値に出ている形と言えそうだ。


月額2980円で士業に相談し放題のBizer、役所提出文書の自動生成が可能に

月額2980円で士業に相談し放題」でサービスを開始したビズグラウンドの「Bizer(バイザー)」。2014年12月からは士業への相談に加えて、中小企業向けのクラウド型バックオフィス機能「会社運営のダンドリ」を提供している。

会社運営のダンドリでは、必要な情報を入力するだけで株式会社設立に必要な文書を作成できるほか、テンプレートに従って作業をするだけで総務や労務、経理の処理ができる。

作業の途中で分からないことがあれば、士業に相談したり、手続きの代行を依頼したりもできる(ちなみに作業途中の質問は課題が明確なため、士業もこれまでに比べて素早く、適切な回答をしやすいのだそうだ)。ビズグラウンド代表取締役社長の畠山友一氏によると、会社の増資や年末調整、従業員の雇用・退職など、約120件のイベント(1つのイベントにつき10〜20件の作業が含まれる)を支援してきたそうだ。

今回その会社運営のダンドリに、役所への提出文書の自動生成機能が実装された。この機能を使うと、あらかじめ登録しておいた会社や従業員の情報をもとにして、役所へ提出可能な書類を自動生成できる。

現時点では、従業員の雇用時に必要となる「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」「健康保険・厚生年金被保険者資格取得届」「国民年金第3 号被保険者資格取得・種別変更・種別確認(3 号該当)届」「健康保険被扶養者(異動)届」「特別徴収切替申請書」「雇用保険適用事業所設置届」「雇用保険被保険者資格取得届」の合計7つの文書に対応。印刷して押印さえすれば役所に提出可能だ。今後は従業員の退職や本社移転、増資などに関わる文書も追加する予定で、1年間で100種類の文書生成に対応するという。新機能も月額2980円の有料会員であれば自由に利用できる。

Bizerのサービス開始時にも畠山氏に「Bizerは士業の仕事を奪うようなものではないのか」といった質問をしたのだけれど、正直なところ今回の機能も同じような印象を受ける(もちろんユーザーにとっては大歓迎だろう)。これについて改めて聞いてみたのだけれど、「文書作成機能には士業の協力も得ている。書類作成のような単純労働ではなく、『士業でないとできない仕事』に集中する環境を作りたい」(畠山氏)とのことだった。


旅行記サイト「Compathy」はアプリでフォートラベルに挑む


iPhone 6が出てコンデジを捨てた人がいるように、旅行写真もスマホで事足りている人は多そうだ(僕もその1人)。こうした需要を背景に、実名制ベースの旅行記サイト「Compathy(コンパシー)」が26日にiOSアプリを公開した。

アプリは、iPhoneで撮った写真の日時や位置情報を利用し、旅のルートや時間軸を1つの「ログブック」(旅行記)に自動でまとめてくれる。各ログブックは地図上に表示され、これまでの旅を振り返ることができる。

口コミを眺めるだけという人は、アジアやオセアニア、ヨーロッパといった地域や国から探せる。「女子旅」「一人旅」「貧乏旅行」「ロケ地巡り」といったカテゴリーもあり、自分のイメージにあった旅行記が探せそう。

投稿された写真には撮影地が紐付いているので、気に入った口コミをブックマークすれば、「行ってみたいリスト」として、リスト・地図形式でまとめられる。自分だけのガイドブックを作れる感じだ。

実際に旅行記を作ってみた

実際に旅行記を作ってみると、投稿した写真はFoursquareの情報をもとに、自動的にスポット情報が入力されるのが便利。

例えば、朝ドラ「あまちゃん」の舞台で撮影した写真をアップロードすると、「アキが飛び込んだ灯台」とか「ヒロシの監視小屋」なんてスポットが入力されたりする。

その反面、写真は直近に撮影したものからスクロールして探すので、昔撮った写真を投稿するには、何度もスクロールしないと辿りつけないのが少し不便。なので、旅行中もしくは旅行直後に旅行記を作成するのがよさそうだ。

「スマホ旅行記」でフォートラベルに勝負挑む

旅行記サイトで最大のライバルになるのは、カカクコム傘下の「フォートラベル」だろう。フォートラベルの2014年12月時点の月間利用者数687万人、月間ページビュー数は4388万PV。単体の業績は公表していないが、カカクコムのホテル予約サイト「yoyaQ.com」などを含む旅行・不動産事業は2014年第3四半期の売上高は2億3300万円に上る。

Compathyを運営するワンダーラストの堀江健太郎社長に勝算を聞くと、「フォートラベルのアプリで旅行記を作るには、撮影地や旅行期間を自分で登録しなければいけないのが面倒だったりする」とスマホ対応で差別化を図るようだ。

「スマホカメラの性能は日進月歩で向上しているので、旅行写真をスマホで撮影する人は確実に増える。一眼カメラ派も、Wi-Fi対応SDカードの登場で、スマホやクラウドストレージに同期するスタイルが一般的になり、撮影デバイスに関係なく、旅行写真が全てスマホにある状態になる。」

Compathyには現在、累計1万5000件以上のログブックが投稿されている。これらはすべて、PC経由で投稿されたものだが、気軽にスマホで旅行記が作れるようになったことで、さらに口コミが充実していきそうだ。

今後は、行ってみたいリストに登録したスポットをもとに、国や都市、旅の目的、移動距離といった条件を踏まえて、自動的に旅行プランを作成できる機能を実装するという。


アプリ調査の「App Ape」を提供するFULLER、2.3億円の資金調達で世界進出へ

FULLERは2月27日、既存株主のM8 CAPITAL FUNDに加え、Global Catalyst Partners Japan、朝日新聞社、インフォテリア、オプト、コロプラ、日本交通およびnanapi代表取締役の古川健介氏ら個人投資家複数名を引受先とする総額2億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

FULLERは、筑波大学の卒業生(さらに言うと、高専出身者が多い)を中心にして2011年11月に設立。現在は千葉県・柏の葉にあるオープンイノベーションラボ「KOIL」に拠点を置く。不要なアプリを停止したり、アンインストールしてスマートフォンのバッテリー管理をすると同時に「おじさん」のキャラクターを育成する「ぼく、スマホ」や、Androidアプリ視聴率調査サービス「App Ape」を提供してきた。

2014年11月に公開したAndroidアプリの市場・競合調査サービス 「App Ape Analytics」が好調で、開始2カ月で無料会員数2000件を突破。通信キャリアやアプリ開発者、広告代理店などを中心に有料会員も拡大しており、「現在20〜30社程度が有料会員。間もなく単月での黒字化も達成する」(FULLER代表取締役社長の渋谷修太氏)という。

FULLERでは今回の増資をもとに人員体制を強化。App Apeの機能拡充やカスタマーサポートの強化、さらにはサービスの世界展開を進める。またこれと並行して新サービスも開発するという。今回、ベンチャーキャピタルに加えて事業会社や個人投資家からも資金を調達しているが、これについて渋谷氏は「ITという共通点はあるが、BtoBや交通といったさまざまな分野の知識を持っている人たち出資してもらっている。また30代前半で比較的年齢の近い株主から50代のキャピタリストまでいる」と、その多様性をアピールする。ちなみにFULLERでは、2013年に日本交通とコラボアプリ「タクシーおじさん料金検索!」も提供している。そういった交流が今回の調達に結びついているようだ。

新事業に関しては、世界で利用されるスマートフォンアプリのほか、「IoT関連を検討している」とのこと。冒頭でふれたとおり、FULLERには高専出身者も多く、これまでにもハードウェア関連のプロダクトを試験的に制作している。3年前には「Kinectで動くミニ四駆」なんかを制作してイベントで展示するといったこともしていた。


YC支援のBooktropeは編集チームをマーケットプレイスで募る新しい出版プラットフォーム

なんらかの物書きであれば、本の出版に関するホラーストーリーを聞いたことがあるだろう。次から次とあらゆる版元から突き返された原稿。版元のロッカーに何年も埋まっていた原稿。出版はされたものの版元の支援がゼロだった本、等々。

一方で著者自身によるセルフ・パブリッシングにもリスクが一杯だ。優秀な編集者やデザイナーを自費で雇うとなれば大金がかかる。その費用を惜しめばみっともない表紙に誤植や辻褄の合わぬ文章だらけの見るからに「自費出版」の本になってしまう。

これに対して現在Y Combinatorで現在開講中のインキュベーター・クラスに所属しているスタートアップ、Booktropeは異なるアプローチを提案している。Booktrope自身が版元だが、著者は伝統的版元が出版を受け入れる際の高いハードルに妨げられるずにプロの出版チームの支援を受けられる。

最高マーケティング責任者のKatherine Searsによれば、彼女自身も共同ファウンダーも出版業界の出身ではないという。 「私たちの強みは先入観なしに問題に取り組むことができたことだ。しかし私たちは全員、熱烈な読書家だ」とSearsは語った。

小さな版元から本を出したことがあり、優秀な出版のプロにも知り合いがいる私としては、部外者が出版ビジネスを始めたと聞いて、いささか懸念を覚えた。しかしSearsやCEOのKen Shear(ちなみにTwitchTVの共同ファウンダーEmmett Shearの父)、CTO Andy Robertsに取材するうちに、彼らは出版業界出身ではなくても、出版に関して知識豊富であり、ビジネスモデルも綿密に検討していることが分かった。

著者はBooktropeに自分自身と出版を希望している本に関する情報を送る。Booktropeはすべての申し込みをそのまま受け入れるわけではない。アルゴリズムと人間の判断を組み合わせた選定プロセスが用意されている。

ただしBooktropeが重視するのは内容の質もよりも著者とBooktropeプラットフォームとの適合性だ。世の中には内容はお粗末、レビューでも手ひどく批判されているにもかかわらずどこからかファンが湧いて出てベストセラーになった本がたくさんある。

「読者公衆は別に文学的価値判断を必要としていないと思う」とSearsは言う。Booktropeのアプローチは編集者や発行者は控えめなフィルターの役割を果たし、本の価値はできるかぎり読者自身に判断させるというものだ。

いずれにせよ、申し込みがBooktropeに受け入れられた場合、著者は完成した原稿を送付する。Booktropeは運営するオンライン・マーケップレイスでそのプロジェクトに関心を持つ編集者、デザイナーを募る。チームが集まれば、Booktropeが提供するオンライン・ツールで編集、制作が行われる。著者はチームに報酬を直接には支払う必要はなく、著者印税の一部を提供することを約束すればよい。著者はポケットマネーを負担せずにすみ、チームには本の売上に貢献しようとするインセンティブが与えられるわけだ。

BooktropeはScribdなどと同様、印刷版とデジタル版の両方をAmazon、現実の書店、定期購入のブッククラブなどさまざまな流通経路で販売する。現在Booktropeを利用する著者は以前にセルフ・パブリッシングを試したことがあり、その結果に満足できなかった人たちが多いという。一方、編集者、デザイナーは出版業界で働くフリーのプロが多い。

Booktropeは利益の30%を手数料として徴収し、残りの70%を著者と編集製作チームで分け合う。その比率はチーム内の合意によって決定する(Shearが強調したところによると、ここでいう利益とは本の売上から直接の制作費用を差し引いた額であり、Booktrope自身のいわゆる「一般管理費」は含まれていないという)。

SearsとShearによると、Booktropeをスタートさせたのは3年近く前になるが、実際に運営を開始したのはもっと最近でRobertsが参加してオンライン・システムが構築されてからだという。Booktropeはすでに400冊弱を出版し、合計250万部を販売した。

画像: Brenda Clarke/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+