ドローン用衝突回避システムのIris Automationが150万ドルを調達

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産業用ドローンが本当の意味で自律飛行するのに必要な、障害物を”感知・回避”するテクノロジーを開発しているIris Automation Inc.は、この度150万ドルを調達したと発表した。

障害物を発見し、それを避けながら高速で動く機体を正確に操縦するというのは、人間のパイロットにとっても至難の業だ。しかしIrisが開発中のテクノロジーは、ドローンに取り付けられたカメラからの情報をリアルタイムで分析し、機体の動きを変えられるようになっている。「私たちは人間のパイロットのような視認・意思決定プロセスをソフトウェアで再現しようとしています」とIris Automation CEO兼共同ファウンダーのAlexander Harmsenは話す。

Y Combinatorの卒業生であるIris Automation以外にも、人工視覚システムを使ってドローンや(将来的には)他のロボットや車を自律化させるような技術を開発している企業は存在する。Irisが現在開発中のドローン用のシステムの競合としては、SRIからスピンアウトしたArea 17(別名a17)、Intel RealSense Technology、ParrtのSLAMdunkシステムそしてDJIのGuidanceシステムなどが挙げられる。

Harmsenによれば、衝突回避システムを自社で開発するだけの専門性をもっていないようなドローンメーカーをIrisは顧客として想定している。同社でR&Dディレクターを務めるAlejandro Galindoは、フランスのINRIA Labsでコンピュタービジョンの博士号を取得しており、初期からIrisで働く他の社員もメカトロニクスやファームウェア工学、センサーフュージョンなどの分野に明るい。

産業用ドローンに特別な衝突回避システムが必要だとIrisのチームが考えている理由は、消費者向けドローンと比較したときの使われ方にある。産業用ドローンは長距離を行き来し、地図には現れないような空中に飛び出したインフラをカメラで捉えなければならない。しかもそのようなインフラは、構造的な理由や天候の影響を受け、毎時間とはいわずとも日々変化する可能性がある。一方コンシューマーや”プロシューマー”向けのドローンであれば、普通はもっと短い距離を飛行し、空中写真や卒業式・結婚式の映像を撮影するのに使われるくらいだ。

Bee Partnersがリードインベスターとなった今回のラウンドには、Social CapitalGGV CapitalLiquid 2、Kevin Moore、Pau Bucheitらが参加していた。サンフランシスコに拠点を置くBee Partnerでプリンシパルを務めるGarret Goldbergは、Iris Automationを、一般に普及する前のエアバッグやシートベルトを製造していたメーカーに例える。

また彼は、長期的にはIrisのテクノロジーがドローン以外にも応用されるようになると話す。「車であろうがドローンや船であろうが、状況把握はとても重要なポイントです。万能なセンサーであるカメラとコンピュータビジョン、機械学習を組み合わせることで、システムも人間のように世界を見ることができるようになるでしょう」

Irisは今回の調達資金を使って、現在ベータ段階にあるソフトウェアベースの感知・回避テクノロジーを、商業化させたいと考えている。具体的な計画のひとつとして、同社で成長戦略・パートナーシップ部門のトップを務めるHassan W. Bhattiのもと、アーリーアダプター向けのプログラムが始まる予定だ。その後Irisは、アーリーアダプターに同社のシステムを、現実世界とシミュレーションの両方で出来る限りたくさん利用してもらおうとしている。

「システムのローンチ、スケールにあたっては、できるだけ長い時間システムを使ってドローンを飛ばし、フォールスポジティブやフォールスネガティブがないか調べ、規制機関や保険会社と話し合いながら、エンドクライアントと協力していくことが肝心だと考えています」とHarmsenは語る。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

無人航空機によるインターネットアクセスの研究開発は挫折、GoogleはTitanのチームをProjects LoonとWingに移動

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GoogleがTitan Aerospaceを2014年4月に買収したとき、同社はその成功を確信していた。その高空を飛ぶドローンは同社にさまざまな可能性を提供し、中でも文明の恩恵に浴さない遠隔地に気球を利用して低費用でインターネットアクセスを提供するProject Loonをさらに拡張できる、と期待された。

そのUAV(unmanned aerial vehicle, 無人航空機)メーカーは、同じ時期にFacebookもねらっていたと言われるが、Googleにとっては、高品質なリアルタイムの画像をGoogle Mapsに提供して、災害救助などを助ける可能性もある、と同社は当時語っていた。

2015年の初めに、GoogleのトップSundar Pichaiは、その年の後半にTitanの最初のテスト飛行を行う、と発表した。同社のTitan部門はその後、Google/Alphabetの傘下となり、多少の異動もあったが、最終的には同社の実験部門であるGoogle Xに行き着いた。Xの仕事は、まだ誰も手を付けていない未踏の分野*の探究(例: 不老長寿)である、とされている。〔*: 英語ではmoonshot(s)だが、日本語の適訳がない。〕

しかし9to5Googleの最新の記事によれば、Titan部門は閉鎖され、その社員はProjects LoonやWingなど、ほかの部門へ移る。Wingは、ドローンによる配達を研究開発しているチームだ。

Titanの閉鎖について同社は、TitanをXに移してから比較的すぐに、ドローンによるインターネットアクセス提供サービスの探究は取り下げられ、すでに成功していた気球を用いるProject Loonに統合されていた、という。

この件に関してXの担当者は、本誌TechCrunchに次のような声明文をくれた:

Titanのチームは2015年にXに統合された。それからしばらく後(のち)に、弊社における、高高度UAVによるインターネットアクセスの探究は終了した。それとは対照的に当時は、Project Loonの経済的および技術的フィジビリティの方がはるかに有望と思われ、実際に世界の僻地にインターネット接続を供給できると考えられた。Titanチームからは多くの人びとが、今ではLoonやProject Wingなどの高高度飛行プロジェクトに出向して、その専門的知識や経験を役立てている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

鳥のように着陸できるドローン、イギリスで研究中

ラジコン機やクオドコプターでは着陸がいちばん難しい。操縦を誤って池に落としたり木にひっかけたりした経験があるユーザーは多いはずだ。数百ドルのドローンならともかく、テロリストを監視する数百万ドルのスパイ機などでは着陸失敗は笑いごとではすまない。着陸時の安全性を高めるテクノロジーがどうしても必要だ。

現在、イギリスのブリストル大学とBMT Defence Servicesが共同してこのテクノロジーを研究している。

チームは標準的なラジコン・システムと特殊な形状の主翼を備えたドローンで研究を行っている。この主翼は飛行中に大きく形状を変えることができる。着陸寸前に大きな角度で引き起こしを行い、地上滑走なしで鳥が止まるように着陸できるようにすることが目的だ。ビデオを見たところではまだ本当に「鳥のように着地する」ところまではいっていないが、研究チームは地上滑走に必要なスペースを大幅に減少させることは可能と考えている。

プレスリリースによれば、

現行のUAVは一定の形状に固定された翼をもつため飛行の柔軟性に乏しい。われわれの研究の当面の目的は従来の固定したUAVの翼に鳥の羽のように大きく変化する構造を与えることだった。こうした複雑な翼構造を制御するためBMTは機械学習アルゴリズムを利用した。これにより操縦者は鳥の飛行のような自然の動きをUAVの着陸に取り入れることができるようになる。

この可変構造の翼は大きく空気を抱き込むようにしてUAVの高度を上げて速度を落とし、従来の翼形状の機体よりも急角度で降下する。まだ完成していないようが期待が持てるテクノロジーだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonは空飛ぶ倉庫とドローンの編隊でフルフィルメントと配達の一式を空挺化へ

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Amazonは2013年から、ドローンによる配達に挑戦している。でもAmazonの最近の特許申請文書をよく見ると、Amazonが考えているのは単純に品物をドローンで運ぶだけでなく、フルフィルメントセンター全体を“空飛ぶフルフィルメントセンター”にしてしまう、という大規模な構想であることが分かる。つまりそれは、倉庫のツェッペリンだ(上図)。

この空挺型フルフィルメントセンター(airborne fulfillment centers, AFC)は、特定の品目の需要が近く急増する、と予想される地区の上空に、一定量の在庫を積んで停泊する。

このAFCには、食品の配達に適した冷蔵冷凍タイプも含め、各種のドローンが付随し、客が指定した日にち時間のスケジュールに基づいてAFCから送り出される。

特許文書には、実際の例としてスポーツのイベントが挙げられている。今、下の方では、何かの種目の全国大会の決勝戦が行われているとき、上空のAFCにはスナック類や、スポーツファンが殺到する記念品が山のように積まれている。

さらにその文書は、AFCは音声や垂れ幕などによる広告媒体にもなりうる、と示唆している。

また、空輸配送を可能にするための複雑なネットワークシステムにも、言及されている。

空飛ぶフルフィルメントセンターや、それが装備するドローン船隊に加え、Amazonはさらに、人間や各種サプライやドローンたちをAFCの近くまたは地上に運ぶ、大型シャトルも構想している。

大型シャトルがドローンをAFCへ運ぶ、という形では、ドローンのエネルギー(電池)が現場での配達だけに使われる。

もちろん、この空挺型システムの全体が、Amazon全体としての在庫管理システムのサブシステムになる。そしてこのサブシステムを、空中や地上から適切なソフトウェアとリモートコンピューティングリソースが制御し管理する。

そしてシャトルや飛行船やドローンは、配達のために空を飛ぶだけでなく、全体がメッシュネットワークを構成して各種の情報を連絡しあう。たとえば天候や風の予報から、互いに、その日その時間帯の最適ルートを教え合うだろう。また地上でeブックを読んでいる人のためにコンテンツを送信することもできる。

文書に記されているこれら大小さまざまな構想がそれぞれ、今どれぐらいの開発段階にあるのか、テスト、あるいはローンチの予定はいつごろか、などについてAmazonに問い合わせている。AFCの巨大飛行船は、いつどこで、初お目見えするのだろう?

Amazonはまだ、何も答をくれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

空飛ぶ車実現の鍵を握る自動運転車とドローンのテクノロジー

Cartoon illustration of a flying car passing above other land vehicles

【編集部注】執筆者のTony AubeはOsmoのリードデザイナー。

幼い頃は、日曜朝のアニメチャンネルを兄弟で見ながら、宇宙家族ジェットソンの再放送で一家が空飛ぶ車で空を走り回る様子を眺めていた。当時はサイエンス・フィクションの黄金期で、ハリウッドは、ブレードランナー、バック・トゥ・ザ・フューチャー、スター・ウォーズ、フィフス・エレメントといった映画で溢れていた。そしてこのような映画の影響で、私たちは夢のようなテクノロジーで溢れた未来がいつか訪れると信じていた。

今周りを見てみると、当時の未来像に含めれていた、たくさんのものが既に実現したように感じる。道を歩いている人のポケットの中には高機能の通信機が入っており、地球上の誰とでもすぐにコミュニケーションがとれる。人間の遺伝子情報は全て解明され、世界中のほとんどの情報を指先で集めることができるばかりか、火星を侵略しようとさえしている。ここまで技術が進歩しているにも関わらず、何かが欠けている気がしないだろうか。まだ空飛ぶ車が誕生していないのだ。空飛ぶ車を作るのがそんなに難しいはずはないだろう。

空飛ぶ車の忘れ去られた歴史

信じられないかも知れないが、空飛ぶ車の誕生から既に70年以上が経っている。1904年にJules Verneが発表した小説Master of the Worldの中に空飛ぶ車が登場して以来、技術者は何世代にも渡ってその実現に向けて努力を重ねてきた。1940年にはHenry Fordが、飛行機と自動車を組合せた乗り物がそのうち誕生すると予言していた。当時の飛行機と自動車は、機体の価格が低下する一方、技術力は向上し、普及率も上がってきていた。そのため、近いうちに車と飛行機を組合せた乗り物が登場すると思われていたのだ。Fordの予言は正しく、彼の予言から数年後に、航空エンジニアのTed Hallが世界初の完全に機能する空飛ぶ車を完成させた。

70年前に作られたこのビデオには、実際に空を飛んでいる車の様子がおさめられている。機体は乗用車と取付可能な翼からできている。当時の航空機大手だったConvairが支援していたこのプロジェクトの中で、彼らは66回もテスト飛行を成功させていたため、あとは微調整を加えれば商業的な成功は目の前だと考えられていた。しかし1947年に行われたテスト飛行中、着陸時に衝突事故が起き、それ以後Convairはプロジェクトから手を引くことになった。そして、危険すぎると判断されたこのプロジェクトは、Hallの空飛ぶ車を一家に一台という夢とともに、最終的には消えてなくなってしまった。

それ以来、幾度となく空飛ぶ車の開発プロジェクトが立ち上げられたが、プロトタイプの段階を越えるようなものは生まれなかった。しかし、空飛ぶ車のアイディアに関して注目すべきなのが、誰も諦めないということだ。挫折や失敗が繰り返されているにも関わらず、どの世代のエンジニアも空飛ぶ車のアイディアの虜になり、その状況は今でも変わっていない。

究極的に言えば、空飛ぶ車が実現しない理由はテクノロジーやコストの問題ではない。

今日でも、TerrafugiaAeroMobilMoller Internationalといった企業が、この夢の実現に向けて動いている。彼らの名前は聞いたこともないかもしれないが、3社とも実際に動くプロトタイプを既に完成させている。

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AeroMobil 3.0というぴったりな名前が付けられた、AeroMobileの最新のプロトタイプ。

それじゃなぜ空飛ぶ車は世界中を飛び回っていないのか?

前述の通り、空飛ぶ車に必要なテクノロジーが誕生してからは既に何十年も経っており、今日でも空飛ぶ車の開発を行っている企業が存在する。それではなぜ、未だに車が空を飛んでいる様子を目にしないのだろうか?

一言で言えば、それは人間のせいなのだ。

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以前の記事でも触れた通り、人間というのはひどいドライバーだ。アメリカでは、車が関連する事故で年間3万人が命を落としており、8710億ドルものお金が消えてなくなっている。あなたの周りで運転が1番下手な人を思い浮かべてみてほしい。次に、その人が2トンの重さを持つ死のマシンに乗って、空を飛び回っている様子を想像してみてほしい。どんな気持ちがしただろうか?

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空飛ぶ車が一般に普及すれば、間違いなく世界中の建物で死亡事故が起きるだろう。現代の建築物は、(常に発生している)普通の車の衝突事故には耐えられるように設計されているが、空飛ぶ車は想定されていない。さらに、空中ではちょっとした衝突事故が起きるだけで、衝突した車と衝突された車の両方が地上に落ちる可能性がある。空飛ぶ金属の塊がいつ自分の頭の上に降ってくるかもわからないような世界には誰も住みたくないだろう。

究極的に言えば、空飛ぶ車が実現しない理由はテクノロジーやコストの問題ではない。空で何かを操縦するにあたって、ほとんどの人間はあてにならないという事実こそが、本当の理由なのだ。

ドライバーレステクノロジーの登場

ここから空飛ぶ車の議論は面白くなってくる。私たちは既に自動車に関して、あてにならない人間の問題を自動運転技術で解決した。

自動運転車は現実のものだ。大手テック企業は軒並み自動運転車の開発に力を入れており、街がGoogleカーのような自動運転車で溢れるのも時間の問題だ。自動運転車は素晴らしいアイディアである一方、その後継候補である自動飛行車には魅力では勝てない。

「どうすれば、空飛ぶ車を操縦できるほどコンピューターが賢くなれるのか?」と疑問に思うかもしれない。

どうやら、路上を走る車よりも空を飛ぶ車用のドライバーレステクノロジーの方が、簡単につくれらしい。空中には歩行者もいないし、くぼみもない。工事現場もなければ、その他のコンピューターが判断に迷うような障壁も空中には存在しないのだ。これこそ、ドライバーレステクノロジーがまず航空機に導入され、既に何十年間も航空業界で利用されている理由だ。センサーや演算能力、AIといったテクノロジーの発展に伴い、最近ではパイロットの必要性さえ問われている。今日のパイロットは、1フライトあたり平均3.5〜7分しか飛行機を操縦しておらず、以前は弁護士や医者と肩を並べていた給与に関しても、現在アメリカのパイロットの初任給は最低で時給10.75ドルまで下がってしまっている。自動化によって、タクシーやトラック運転手の仕事がなくなってしまうという議論が至る所でされているが、パイロットも例外ではない。

ここまでをまとめると、安全性が空飛ぶ車の主な問題点で、ドライバーレステクノロジーがそれを解決できるかもしれない。それでは、誰がその研究を行っているのだろうか?

いつもの顔ぶれ

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シリコンバレーに拠点を置く3人の著名人は、近年空飛ぶ車に強い関心を持っており、現在全員がドライバーレステクノロジーの開発に注力している。さらに3人とも豊富な資金力を持っているほか、世界トップクラスのエンジニアの力を借りることができ、これまでにも不可能と思われていたことを可能にした実績がある。Travis Kalanick、Larry Page、Elon Muskがその3人だ。

先月公開した98ページに及ぶ白書の中で、Uberは空飛ぶ車の未来に関するビジョンを説明している。この文書(概要はこちら)には、今後10年のうちにグローバルなオンデマンドのシェア航空サービスを提供するため、Uberがビジネスをどのように展開していくかについての具体的な計画が記載されている。要するに彼らは、ドライバーレスの空飛ぶ車用のUberアプリをつくろうとしているのだ。

UberそしてTravis Kalanick以外に、Larry Pageも空飛ぶ車にはかなり興味を持っている。これまでに彼は、1億ドル以上ものお金を、空飛ぶ車の開発に力を注ぐZee.AeroとKitty Hawkという2社のスタートアップに密かに投資してきた。Zee.Aeroは現在ホリスター市民空港でプロトタイプのテストを行っており、変わった見た目の乗り物が離着陸する姿を見たと報告している人もいる。Kitty Hawkの動きは謎に包まれているが、とても興味深いことに、以前Googleで自動運転車プログラムのトップを務めていたSebastian Thrunがこの会社の経営に関わっている。

Uberはドライバーレスの空飛ぶ車用のUberアプリをつくろうとしているのだ。

Muskはと言えば、どうやら彼は空飛ぶ車のアイディア自体そこまであてにしていないようだ。誤解しないでほしいのが、彼は空飛ぶ車をつくるのが難しい考えているわけではなく、ハイパーループのようにもっと効率的に都市間を移動する手段があると信じているのだ。しかし、長距離移動手段としてMuskが推奨しているのが、電気飛行機だ。いくつかのインタビューの中で、Muskは次なる大きなアイディアとして超音速電動ジェットのことを話していた。すでに彼は電気飛行機のデザインを終えているため、このまま競合が登場しなければ、またMuskは新たな会社を立ち上げて超音速電動ジェットを現実のものにしてしまうかもしれない。

面白いことに、これらのプロジェクトの機体のデザインには共通点がある。UberもPageもMuskも、電動で人間を運ぶことができ、地面に対して直角に離着陸できるような機体を考えているのだ。特に最後のポイントが重要だ。

人間用ドローンとして知られるVTOL機

ここまでに紹介した空飛ぶ車は、せいぜい飛行機と車が奇妙に組み合わさった高価な乗り物としか捉えられない(車と飛行機の良い点が潰されてしまっている)、と思う人もいるだろう。もともと車と飛行機は全く別の目的を持った乗り物であるため、単純にふたつを組み合わせただけでは上手くいくはずもない。突き詰めれば、飛行機と車を別々に購入した方が良いくらいだ。

このような設計上の問題を解決するために、空飛ぶ車は車か飛行機のような見た目をしていなければならない、という固定観念をまず捨て去る必要がある。以前公開した記事の中でも、人は旧来のソリューションを新たなテクノロジーに応用しようとする悪い癖があるということや、なぜ全く新しいプロダクトには新しい設計上のアプローチが必要かということに触れていた。これこそ、VTOL機の構造を空飛ぶ車に採用すべき理由なのだ。

VTOL機とは垂直離陸機(Vertical Take Off and Landing vehicles)のことを指している。要するに、今日のドローン革命を起こしたテクノロジーを使って、将来人間を運べるような空飛ぶ車をつくることができるかもしれないのだ。翼や車輪のことは一旦忘れ、宇宙家族ジェットソンが乗っているような空飛ぶ車や、DJIのドローンを人間が乗れるように大きくしたものを思い浮かべてみてほしい。

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CES 2016で公開されたEHang 184は、数あるプロトタイプの中でも注目の機体だ。

もしも、ドライバーレステクノロジーが空飛ぶ車実現の鍵を握っているとすれば、ドローンのテクノロジーは、機体を大量生産できるように簡素化する上で重要な役割を担っている。

飛行機の翼を車に取り付けるというアイディアは、見た目以外にもさまざまな問題を抱えている。翼を使って飛ぶためには、乗り物が水平方向に離陸する必要があり、これは危険なだけでなく、プロセスも煩雑になる上、離陸時に広大なスペースが必要になる。翼を垂直スラスタに替えるだけで、機体は素早く空高くへと舞い上がることができ、そうすれば燃料も節約できる。このように設計を行えば、主翼や尾翼、エレベーターといった、飛行機の中で最も危険とされる可動部を乗り物に搭載しないですむのだ。その結果、もっとシンプルで安全かつ大量生産しやすい機体が生まれる。

空飛ぶ車は車か飛行機のような見た目をしていなければならない、という固定観念を捨て去らなければいけない。

設計上重要な別の点として、電気モーターが挙げられる。これは単に環境に優しいだけでなく、VTOL機の動力源としては電気が一番理にかなっているのだ。電気モーターであれば、可動パーツの数を抑えられ、内燃エンジンよりも簡単につくることができる。また、電気モーターの方がずっと燃費が良く、メンテナンスも簡単で、飛行中に壊れる可能性も低いほか、内燃エンジンのように衝撃で爆発することもない。さらに電気を利用すれば、複数のスラスタを別々にコントロールすることもできる。そのため、もしも複数あるスラスタのうちどれかが故障しても、それ以外が直ちに浮力を補正し、無事に着陸することができる。そして最後に、電気モーターは騒音面でも内燃エンジンに勝っている。これこそ、VTOL機とヘリコプターの違いを生んでいるポイントだ。前述の白書の中でUberは、VTOL機の離陸時のノイズは、街の環境音と変わらない程度の大きさで、飛行中にはほとんど音が聞こえないはずだと推測している。

毎日の飛行通勤

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出典: Shutterstock

渋滞にひっかかっているときに、大きな赤いボタンを押して空に浮かび上がり、他の車を飛び越えていければと思ったことはないだろうか。渋滞の解消という夢を空飛ぶ車が実現しようとしている。

超高層ビルが都市部の限られた土地を有効利用しているように、都市部で空を飛ぶ交通機関が発達すれば、空の3次元空間を有効活用して地上の渋滞を解消できるかもしれない。― Jeff Holden, Uber CPO

これまでにも述べている通り、渋滞は大きな社会問題のひとつだ。アメリカだけでも、渋滞のせいで年間1240億ドルが無駄になっている。そして、交通渋滞の主な原因のひとつがインフラ不足だ。私たちが利用している高速道路は、今日の車の台数を想定してつくられてはいない。しかしVTOL機を利用すれば、この問題も解決する。VTOL機が一般に普及すれば、道路や線路、橋、トンネルの必要性がかなり減ることになる。これは環境に優しいだけでなく、公共事業に投じられるはずだった何千億ドルものお金の節約にもつながるのだ。

さらに、インフラに依存しない交通機関を利用することで、時間の節約もできる。電車やバスや車は、必ずしも効率的とは言えない限られた道順をたどってしか移動することができない。また、旧来の交通手段には、車両事故や工事などで道が遮断される可能性が常につきまとう。一方、空飛ぶ車であれば、最短距離で一直線に目的地まで到達することができる。さらに、地面と垂直に離着陸できれば、空港や滑走路など、現代の飛行機が離着陸するのに必要なスペースもいらなくなる。家のそばで離陸して、目的地のすぐとなりに着陸すればいいだけなのだ。繰り返しになるが、必要とするインフラの量が減るほど時間は節約できる。

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Uberは白書の中で、VTOL機の最初のユースケースには、長距離通勤が最適だと記している。VTOL機の大量生産が実現すれば、最終的には車を所有するよりもVTOL機を利用した方が安くなるとUberは考えているのだ。例えば、車だと2時間12分かかるサンフランシスコからサンノゼまでの道のりも、20ドルの料金を支払えばVTOL機に乗って15分で移動できるようになるかもしれないのだ。

空飛ぶ車実現への道

空飛ぶ車の実現にはまだまだ時間がかかる。前述の白書の中で、Uberも空飛ぶ車の実現までに解決しなければいけない主な課題を明示していた。まず、ドライバーが必要ないとしても、空飛ぶ車は連邦航空局の規制に準拠しなければならず、承認までにはかなりの時間がかかることが予想される。さらに安全面やコスト面の問題もまだ残っており、バッテリー周りのテクノロジーも追いついていない。Uberは、いかにこのような課題を解決し、10年以内にVTOL機を一般普及させるかについても白書の中で述べている。

著書「From Zero to One」の中でPeter Thielは、私たちはもう革新的な世界に住んではいないと述べ、物議を醸した。産業革命の結果、電気や家電、超高層ビル、自動車、飛行機といったさまざまなイノベーションが誕生した一方、現代のイノベーションのほとんどは、ITや通信の世界に留まっていると彼は主張しているのだ。Thielの指摘通り、ライフスタイルが1950年代から不思議なほど変わっていないという事実に、私たちはスマートフォンのせいで気づいていないだけなのかもしれない。

しかし私は、少なくとも交通の分野ではその現状が変わろうとしていると主張したい。自動運転車やハイパーループ、再利用可能な宇宙ロケットといった最近のプロジェクトを見る限り、イノベーションは未だに生まれ続けている。そして、かつて自動車が地上交通の敷居を下げたように、オンデマンドで共有型の空飛ぶ車によって、空中移動が身近なものになろうとしている。このテクノロジーによって、将来的には誰もが、今よりも快適に速く、安く、安全でより環境に優しい手段で移動できるようになるのだ。

空飛ぶ車の実現に向けた道のりは長いかもしれないが、そんなことは問題ではない。だってMarty、私たちがこれから行こうとする場所には、道など必要ないのだから。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

アメリカ海軍、港湾・艦船の防御のためにドローン警備艇SWARMをテスト中

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アメリカ海軍は多数のドローン警備艇を協調させて内外の港湾を防御する実験を行っている。使用されるドローンは自動航行機能を備えたリジッド・ハルのゴムボートだ。CARACaSと呼ばれる人工知能システムを通じて操縦される。2014の実験ではドローンは単独で艦船や港湾施設の防御に当たったが、新しい人工知能システムは一群のドローンを統合運用して脅威を無力化する。

システムには自動目標判別機能があり、外洋でも探知した目標が味方か脅威かを評価できる。

ボートの自動航行は車両の場合より問題が少ない。海上には込み入った障害物が少ないからだ。このボートは防御すべき区域に敵が侵入するのを防ぐのに効果的だ。多数のボートが自動操縦で協調動作する。分散して広い区域を監視し、脅威が発見された場合に集合して排除に当たるというような運用が可能だ。もうひとつのメリットとして、ボートを新たに建造する必要がない。利用されたドローンは通常の監視艇で、海軍はこれにAIによる自動航行システムを搭載した。後付は容易にできるようデザインされているので、海軍は最小限の費用で既存の「ダム・ボート」を「スマート・ボート」に再艤装しロボット艦隊に加えることができる。

〔日本版〕ビデオで開発者は海軍のドローンについて「港湾警備以外にも護衛、機雷掃討、補給などさまざまな応用を計画している」と述べている。また港湾警備は「単調な任務であるにもかかわらず突発的に生命の危険が生じる可能性があり、乗員に過酷なものとなりやすい」としてドローン警備艇のメリットを挙げている。イェメンのアデン港に停泊中、ボートによる自爆テロで大損害を受けた駆逐艦コールが資料映像で紹介されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonがドローン宅配をイギリスで検証開始、13分で初配送を完了

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Amazonは本日イギリスで、個人へのドローン配送の小規模な検証を開始したと発表した。今のところ、Amazonと協力する2人のカスタマーしかドローン配送での注文はできない。けれど、ゆくゆくは対象となるカスタマーを数十人、その後はさらに数百人規模まで拡大する計画だという。イギリス、ケンブリッジにある初のPrime Air配送センターから数マイル内に住むカスタマーが対象となる。

最初の配送は12月7日に実施し、配送距離はそう遠くなかった。それでもPrime Airにとってこれは大きな一歩だ。Amazonが初めてこのプロジェクトを発表した時、ドローン配送は少し早めのエイプリルフールネタに見えた。配送センターで荷物がドローンに積み込まれ、ドローンはレールに乗って外に移動し、そこから離陸する。着陸を含め、飛行はすべて自動だ。30分内に配送を完了するのがPrime Airの目標だ。

このドローンが初めて配送した荷物はAmazon Fire TVとポップコーンの袋だった。カスタマーが注文してから商品が届くまでの時間は13分だった。ドローンは5ポンド(約2.3kg)までの荷物を運ぶことができるという。

現在、対象となっているカスタマーはどの曜日にでもPrime Airで注文ができるが、日中で、飛行できる天候に限るとAmazonは言う。

本日Amazonが投稿した動画を見る限り、カスタマーはドローンが認識して着陸できるマットを裏庭に設置する必要があるようだ。

この検証でAmazonが使用しているドローンは、以前発表したものと違う。従来のクワッドコプター型のドローンで、昨年Amazonが見せた固定翼とクワッドコプターのハイブリッド型ではない。Amazonが長期的に見て必要と考える機能が揃っていないのかもしれない。だが、クワッドコプターはすでに使用したことがあり、検証済みのデザインだ。Amazonは常に、いくつか異なる種類のドローンを試していると伝えてきた。

Prime Airは世界中の拠点でドローンの検証を行っている。Amazonは最近、オーストリアにラボを設立し、何十人ものコンピューターサイエンティストがドローンが周囲を検知して避けるコンピュータービジョンの技術を開発している。

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これまでPrime Airは、アメリカでサンクスギビングの時期に何かしら大きな発表を行ってきた。これは2013年から始まったことだ。AmazonはCBSの60 Minutesの番組で、ドローン配送をメインストリームに持っていくというアイデアを披露した。昨年、Prime Airは最新のハイブリッドモデルのドローンをトップギアやGround Tourの司会者、ジュレミー・クラークソンの力も借りて、披露した。ただ、今年のサンクスギビングの時期は静かだった(AmazonはGrand Tourのローンチに人々の注目を集めたかったからではないかと私は推測している)。

今回の検証は本当に小規模で、ベータテスターは片手で数えるほどしかいない。それでもAmazonがこのプロジェクトにいかに真剣に取り組んでいるかが分かる。数ヶ月後にはケンブリッジ周辺に住む多くの人たちがPrime Airで紅茶とビスケットを注文できるようになりそうだ。しかし、近いうちにアメリカで同様のサービスを始めることは難しいだろう。Amazonがイギリスでドローン配送を実施できるのは、7月に視野外でのドローン飛行の認可を得たからだ。認可を得るには、ドローンは多岐にわたる安全テストをクリアしなければならない。また、Amazonが現在検証を行っている郊外の環境から他の地域に拡張するにもまだしばらく時間がかかるだろう。都市部でのドローン配送は、郊外の家の大きな庭へと配送するより遥かに難しい。Amazonはその問題についても現在解決策を見つけ出そうとしているところだ。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ドローンとマルチスペクトル画像で森林の健康状態を観測するUCバークレーのテストプロジェクト

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干ばつ、気候変動、森林破壊により世界中の森林がリスクにさらされている。これまで以上に森林のエコシステムについて研究することが重要だ。しかし、シエラネバダ山脈のエコシステムを研究するのに、すべての木に登って調査するのは骨が折れる。ドローンと先進の画像技術を使うことは、木を登るよりはるかに実用的な方法であるとカリフォルニア大学バークレー校のプロジェクトは示している。

カリフォルニア大学バークレー校の生態学者Todd Dawsonは木に登って枝を測ったり、成長具合を確かめるのに多くの時間を費やしている。読者が想像するように、これは時間がかかり、危険で大変な仕事だ。そのため、ドローンメーカーのParrotと画像テテクノロジー企業Pix4Dのコラボレーションは魅力的に映った。

「これまで5人から7人のチームが1週間かそれ以上の時間をかけ、1本の木に登ってその木のデータを集めます。ドローンを使えば、2分の飛行で同じことができます。木の周りを飛ばすことで、葉の位置を把握します。キャノピーの中で画像処理を少し行えば、木の全体像を1日で把握することができます」と Dawsonはバークレーのニュースリリースで説明している。

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ドローンは、もちろん林業や農業で広く使われているが、ここで用いている設定は素早く、反復的に個別の木の特徴を捉えるために特化しているという。Pix4Dの「Sequoia」カメラは、複数の波長帯を観測するマルチスペクトル画像処理という賢い技術を活用している。また、それと同時にLIDARを使用し、木の詳細な3Dポイントクラウドを生成する。これらの方法で得たデータを見ることで、木の健康状態や成長具合が分かるという。週次や月次でデータを集めることで、木の変化の経過を見ることも可能だ。

データの処理や保存も大きな問題ではなくなってきている。Pix4Dが開発したソフトウェアはデータを素早く処理し、この特定の用途のためにすぐに活用できるという。集めたデータは他の予測モデルを構築するのに用いていることも可能だ。例えば、葉の分布から炭素交換を予測したり、あるいは気候学や人類学の研究のために木の成長や健康状態のデータを使用したりすることができる。

Dawsonの研究はパイロットプロジェクトだ。ParrotとPix4Dはこの他に、気候変動軽減のためのイノベーションを援助する「Climate innovation grant」をローンチし、研究者が彼らのドローンや画像技術ハードウェアを利用できるようにする。研究テーマは「気候変動の影響を軽減するための理解とイノベーションを促進する」ものであるなら、「考古学から動物学」まで幅広く対応するという。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ドローン業界がTrumpと彼のFAAに望むこと、それは決定過程の完全な民主化

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アメリカの商用ドローン業界は、彼らのビジネスとグローバルな競争力に影響を与える新しい政策や規制について、次期大統領からまだ何も聞いていない。

先週のAP通信の特ダネ記事は、Trumpが航空管制の民営化に関心を持っている、と報じた。連邦航空局(Federal Aviation Administration, FAA)の長年の仕事を取り上げ、議会が認めた非営利団体に渡す、というのだ。

でも、低空域を飛行するドローンはどうなるのか、それがまだ分からない。

言うまでもなくドローンは、Trump自身のビジネスである不動産業にとってもきわめて役に立つ。物件を上空から調べることができるし、またセキュリティのための監視もできる。だからTrumpも、国内の商用ドローン業界の主だった企業と変わらぬぐらい、ドローンの重要性を理解している、と思いたい。

8月にFAAは、重量55ポンド以下(≒25kg以下)の無人航空機の商業利用をめぐる国内的および一般的ルールを定めたPart 107 regulation(第107部規則)を発布した。

一方NASAは一部のテクノロジー企業(Precision Hawk, Verizon[本誌TechCrunchの親], Gryphon Sensors, Airware, Flirty, SkySpecs, ne3rd, Harris/Exelis, Unmanned Expertsなど)と共に、ドローンが他機や重要施設等に衝突することを防ぐための、drone traffic management systems(ドローン交通管理システム)を開発した。

知ってのとおりTrumpは、Elaine Chaoを運輸長官に選んだ。運輸省出身である彼女の任務には、FAAやNational Highway Traffic Safety Administration(交通安全管理局)などの関連諸機関を監督することも含まれる。

そこで航空業界やドローン業界は、Chaoの下で誰がFAAの長になるのか、その決定を待っている。

今週、ドローン業界の通商グループCommercial Drone Allianceは、Trumpの政権移行チームに書簡を送り、政策と人事に関する部分的推奨を提示した。その書簡はTrumpに、“新政権には商用ドローンのエキスパートを起用する”ことを、勧めている。

グループの事務局に属する二人の弁護士(法律事務所Hogan Lovellsに所属)Lisa EllmanとGretchen Westによると、この業界グループはTrumpのFAAが以下を優先することを望んでいる:

  • ドローンが商用目的で飛行することを許可する規則: 人が多く混雑している場所、操縦者や運用者の見通し線以遠、夜間などは、連邦政府の特別許可を要する。
  • 空域交通管理やプライバシー、特定スペクトルの使用、安全性など、さまざまなドローン関連問題に関する問題解決と規則設定において、複数の利害代表者が関与できる方式。
  • 政府と業界のコラボレーション、たとえばこの秋のDrone Advisory Committee会議にFAAが、業界の役員たちと政策決定者の両方を召集したことなど。

“政府は、規制を決めるプロセスに誰もが容易に参加できるようにすべきである”、とEllmanは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoProが手に持つタイプのスタビライザー「Karma Grip」を発売:価格は299ドル

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GoProがKarma Gripの発売を開始した。同社は本日、この手に持つタイプのスタビライザーを、一部のGoProショップとGoPro.comで販売開始すると発表した。価格は299ドルだ。この製品は、Karma Droneに同梱されていたグリップと同じものだ — 少なくとも、このドローンがバッテリーの不具合でリコールされるまでは。

Karma Gripの直接的な競合はDJI Osmoだ。ただ、私とTechCrunchのビデオ製作チームは、この2つのプロダクトがそれぞれ異なるアドバンテージを持っていることに気がついた。私たちは両方のプロダクトを韓国に持ち込み、製品の腕前を試してみることにした。両製品を比べると、DJI Osmoはカメラのコントロール性能に優れていることが分かった。この特徴は熱狂的なビデオ撮影家が特に気に入る点だろう。一方でGoPro Karma Gripでは、Hero 5と一緒に使用することでOsmoよりも優れた映像クオリティを生み出すことができる。使ってみた感じでは、Karma Gripの方が故障を気にせず多少乱暴に扱えそうだ。

Karma Gripは、私が持っている古いGoProカメラをもう一度使ってみようという気にさせてくれる。このスタビライザーのおかけで、古いカメラのクオリティが格段に向上するのだ。

Karma Gripを買ってもカメラは付いてこない。Karma Gripの本体価格は299ドルで、カメラは別売りのものを別途取り付ける必要がある。このグリップに取り付けられるのは、Hero 5とHero 4のブラックエディションとシルバーエディションだ。GoProによれば、同製品は2017年の第2四半期からHero 5 Sessionにも対応する予定だという。

Karma Gripには専用のケースと様々なアクセサリーが同梱されている。もし読者がすでにHero 4を持っていれば、299ドルのKarma Gripを買う価値があるだろう。だが、カメラを持ってないとすると、299ドルに加えてカメラ本体の価格(Hero 5の価格は399ドル)を支払う必要があり、このグリップを買う価値が薄れてしまう。

TechCrunchはGoProに、今後Karma Droneが入手可能になるのかどうか聞いてみた。それについては同社はコメントを控えるとのこと。先月の初め、GoProはKarma Droneのリリースからわずか18日後に、同プロダクトに対するリコールを発表している。それはちょうど、私がKarma Droneのレビュー記事を発表した日と同じ日だった。

DJI Osmo vs GoPro Karma Grip:2つのジンバルの物語

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

FacebookのインターネットドローンAquilaで運輸安全委員会が‘構造的欠陥’を調査中

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FacebookのInternet.orgとFree Basicsのメリットについては異論も多いけど、でもそれを届けるために作っている、太陽光を動力とする巨大なレーザー照射ドローンは相当クールだ。でもそのAquilaの最初のテスト飛行で露見した“構造的欠陥”は、Facebookが考えていたよりも深刻なようだ。Bloombergの記事によると、運輸安全委員会(NTSB)が調査を行っている

今本誌TechCrunchはNTSBに、事故報告書などを見せてくれ、とリクエストしている。そういうものがあるとしても、開示には時間がかかるだろう。何か得られたら、この記事をアップデートしよう。

この6月28日に行われたテスト飛行について、Facebookは7月に総括を書いている。何をテストしたのか、何が分かったのか、などなどだ。「現実世界の状況」(Real-world conditions)という項目では、いくつかの想定外を認めている

現在もこの大規模なテスト飛行の結果を分析している。それには、着陸直前に経験した構造的欠陥も含まれる。これと、そのほかの構造試験の詳細を、将来的にはシェアしたい。

NTSBの調査が入ったせいか、そのシェアはまだしていない。しかしFacebookは今日、テスト飛行のポジティブな結果を強調する声明を発表した:

テスト飛行の成功と、いくつかのパフォーマンスモデルおよびコンポーネントの実証ができたことに、満足している。それらには、航空力学、電池、コントロールシステム、クルーの教育訓練などが含まれ、いずれにおいても、重大な想定外は起きなかった。

実験的な設計の巨大な航空機の、初めての実機テストで、何も問題が起きないと期待するのは無理だ。プロジェクトに近い筋によると、最初から、ある程度の損傷は予想されていた。なぜならAquilaの設計は、何度も離陸着陸することを想定していないからだ。着陸装置はなくて、スキー板のような橇(そり)がついている。また、当日は予想外に風が強かった。その筋によると、同機は90分飛行して、着陸の数秒前に事故は起きた。

NTSBには、このような航空事故を調査する権利があり、今回そうすると決めたのは、そのテストと航空機が広く注目を浴びているからだろう。しかしNTSBは、ネジが一つ外れていたぐらいでは問題にしない。Bloombergによれば、彼らの分類では今回は明らかに“事故”であり、したがって損傷は偶発的でなく“本質的な”ものである。

しかし、これらの用語はNTSBや航空機の試験者にとって、独特の意味を持っている。もしもAquilaが頭から地面に墜落したり、火災を起したり、そのほかの派手な損傷を受けたのなら、それはもっと早くから分かったはずだ。そんなときは、こんな婉曲な用語にはならないだろう。詳しくは事故報告書を待つばかりだが、プロジェクトの規模と、FacebookがAquilaの開発にかける自負と誇りを見るかぎり、その(誇り等の)翼にすこし傷がついたことは、確かなようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

DJIのInspire 2を見ると誰でもやる気が出るかも

カリフォルニア州バーバンクのWarner Brothersのスタジオで火曜日(米国時間11/15)に、完全招待制で行われたイベントで、DJIが最新のドローン製品2機種、Phantom 2 ProとInspire 2を発表した。

明らかにDJIは、Inspire 2の新しい機能にいちばんコーフンしているようで、そのプロフェッショナルな映画撮影能力を業界人のための特別のデモで見せた。カメラワークには一台のInspire 2だけを使って、その場で短編映画を作ったのだ。

Inspire 2は2999ドルだが、前にも述べたZenmuse X5Sカメラを搭載したコンボパックもある。こちらは6198ドルだ。

その高級なコンボは、来月発売される。ドローンとカメラ別々なら、1月発売だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ドローンによる医療品配達サービスのZiplineが2500万ドルを調達

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ドローンによる医療品の配達サービスを展開するZipline International Inc.が、シリーズBで2500万ドルを調達した。今回調達した資金によって、ルワンダ、米国などで同社の人道的なビジネスを拡大していく予定だ。

Ziplineは、ドローンを利用してクルマなどが通れない僻地にある診療所や病院に重要な医療品を届けるサービスを展開する企業だ。

先日、TechCrunchはカリフォルニア州Half Moon BayにあるZiplineの本社を訪れ、同社の固定翼ドローン、射出機、そしてユニークな着陸方法について取材した。

共同創業者兼CEOのKeller Rinaudoによれば、今回のラウンドでリード投資家を務めたのはVisionnaire Venturesで、その他にもSequoia CapitalAndreessen HorowitzSubtraction Capital、そして個人投資家のJerry Yangも本ラウンドに参加している。今回のラウンドを含めたこれまでの資金調達金額の合計は4300万ドルとなる。

Rinaudoは、「Doordashなどが夕食の即時配達サービスを展開し、Instacartは食料品の配達をしています。それであれば医療品の配達サービスも可能なのではないかと考えたのです」と話す。

Ziplineは先日、ルワンダの国家プロジェクトとして、計600万人の患者を抱える複数の診療所にオンデマンドで輸血用の血液を配達するというプロジェクトを開始している。

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Zipline CEOのKeller Rinaudo(中央)。その隣にはルワンダ大統領のPaul Kagameがいる。

11万人いるルワンダの全国民に血液を届けることを目指し、政府はZiplineと連携したこのプロジェクトを今後も拡大していく方針だという。また、血液の他にも、抗毒素、各種ワクチン、狂犬病の治療薬(専門的には「ウイルス暴露後ワクチン」と呼ばれる)など、配達する医療品の種類も拡大する予定だ。

今回調達した資金によって同社は人員の強化、技術開発などを進め、インドネシア、ベトナム、米国などの新しいマーケットに参入していくことを目指すとRinaudoは話す。

しかしながら、米国で同様のサービスを展開するためには、規制機関から認可を受け取るか、規制除外のサービスとして認めてもらう必要があると彼は話す。

競合企業となるFlirteyやMatterportは、ドローンによる食料品、建築資材、薬品などの配達サービスを展開している。しかし、Ziplineは医療品のデリバリーのみに特化していく方針だ。

米国のマーケットでは地方の診療所への血液やワクチンの配達サービスが考えられるだろう。また、都市部ではアレルギー症状を一時的に緩和する「エピペン」の即時配達サービスを展開することも可能そうだ。そうすれば、急に子どもたちが深刻なアレルギー症状を起こしたとしても安心できる。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

この3万ドルもするドローンはとても安定した360°映像を撮る

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360°ビデオが厄介なのは、三脚を使うとか、カメラを手で保持することだ。例外は、放り投げるカメラPanonoだが、ボールが空中にある時間は限られている。もうひとつの選択肢がVaravon社の製品、こいつは ドローンだがジンバルで三軸を安定化し、360°の圏域を自分が映り込むことなく撮影する。

 
 
 

このドローンは、ほかの方法ではとても困難と思われる撮影もできる。スタビライザーがあるから、自由に飛び回ってもめちゃめちゃな映像にはならない。すごく、お利口さんだ。

お値段は未定だそうだが、プロ用機器の値段にはなるだろう、という。“3万ドルぐらいかな”、と同社は言った。でもすでに、競合機種がその1/5で買えるぞ。

いずれにしても、VR Gimbalと名付けられたVaravonのドローンは年内発売だ。今見れるのは、でもビデオだけだけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

空飛ぶホームセキュリティのSunflower Labsが210万ドルを調達

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この10年間で家庭のブロードバンド、モーションセンサー、高精細度ビデオなどが誕生したことにより、ホームセキュリティという分野はもう一度息を吹き返した。

しかし、Sunflower Labsの共同創業者兼CEOであるSlex Pachikovと、同CTOのChris Eheimは、ホームセキュリティにはまだ重要な問題が残っていると話す。固定されたカメラでは、ある人物が家に近づくか、あるいは実際に建物に侵入しようとするまで、その人物が侵入者だと検知することができないのだ。

Palo Altoを拠点とするSunflower Labsは、シードラウンドで210万ドルを調達したことを発表した。彼らが提供するのは、玄関よりずっと先まで監視でき、しかも導入するのが簡単な「家庭用の監視システム」だ。

家庭のセキュリティを強化する製品としては、NestやLogitech、Ring、Canary、Ocoなどから販売されているスマートカメラやスマート玄関ベルなどの製品がある。しかし、これらの製品が監視するのは玄関だけであり、しかも取り付けられた後は固定されていて動かない。

Sunflowerのシステムは、これとは異なるアプローチを採用している。このシステムで使われているのは、Smart LightとSmart Cameraと呼ばれるデバイスだ。

Smart Lightにはセンサーが搭載されており、太陽光から電力を供給するようになっている。家の周りを照らしてくれるだけでなく、周囲の不審な動き、音、振動などを感知してくれるライトだ。
そのSmart Lightと通信するのが、カメラを搭載したドローンのSmart Cameraだ。ライトによって不審な動きが感知されると、ドローンがその場所まで飛んで行き、ビデオを撮影する。撮影されたビデオはクラウドに保存される仕組みだ。

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Sunflower SystemのFlying CameraとSmart Light

Sunflower Systemを利用するユーザーは、自宅で不審な動きが感知されるとスマートフォンで通知を受け取れるようになっている。このアプリには徐々に学習していく機能も備わっており、毎回発生するルーティン化した動きと、そうでない不審な動きとの区別ができるようになる。

配偶者が駐車している、子どもがバスケットボールで遊んでいるなど、ルーティーン化された動きに対するアラートを無視することができる一方、不審な動きに対するアラートがあれば、撮影されたビデオをチェックすることが可能だ。

「不審な動きだけを感知し、危険が玄関まで到達する前にそれを察知するというアイデアです」とPachikovは語る。「それと同時に、ユーザーのプライバシーも保護したいと考えました。それを可能にするために、毎日24時間監視するカメラを使わない方法を考えだしたのです」。

今回のシードラウンドでリード投資家を務めたのはGeneral Catalystだ。

Evernoteの創業者であり、現在はGeneral CatalystでManaging Directorを務めるPhil Libinは、今回の投資に踏み切った理由の1つは、彼がSunflowerの創業者をよく知っているからだと話す。Pachkov自身もEvernoteで10年以上働いた経験があり、Sunflowerの他の社員にもEvernote出身の者がいる。

しかし、LibinはSunflower Systemのコンセプト自体にも興味があった。

「ホームセキュリティという分野は、製品が消費者の期待に応えられていない業界の1つです。敷地全体を監視するという現状のシステムでは、家庭で味合う楽しみを増すことができないばかりか、被害妄想を生みかねません。スマートなセンサー、ドローン、人工知能を組み合わせることによって、家自身が自己管理する仕組みをつくり、ユーザーは自分の家の周りで起こっていることをこれまで以上によく知ることができるのです」とLibinは話す。

General Catalystによれば、Sunflower Labsは今回調達した資金を利用して、同社のテクノロジーがもつ可能性を実証していくとのこと。

Pachikovによれば、同社のプロダクトはオンラインで直接顧客に販売される予定であり、2017年には家電量販店などを通じた販売も開始する予定だ。

Sunflower Systemはオンラインで購入予約を受け付けており、価格は25ドルだ。ハードウェアの販売により利益をあげるのではなく、サービスの月額料金によって利益を上げていく戦略である。

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(翻訳:木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

直径24ミリのPiccolissimoは動力内蔵・操縦可能ドローンとしては世界最小

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Spotのような巨大ロボットは、物を運んだり、見世物としてはすごいかも知れないが、それらと同じ高度な技術が、小さなロボットにも使われている。ペンシルベニア大学のこの超ミニドローンは、中でも世界最小のひとつだ。

そのPiccolissimoという名前は、イタリア語で最小を意味し、また作者Matt Piccoliの名前にも由来している。空を飛ぶロボットとして必ずしも世界最小ではないが、動力内蔵でコントロールできる空飛ぶロボットとしては世界最小そうだ。ほかのもっと小さいのは、操縦ができなかったり(例: Robobee)、電力を外部から供給したりする。

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幅は25セント硬貨ぐら(直径24.26ミリ)で、可動部品は二つしかない。それでも、今月初めに見たballbotよりは一つ多い。ひとつはプロペラ、もうひとつは3Dプリントで作られた本体だ。両者が、異なる速度で回転する。プロペラはわずかに中心を外れていて、本体は毎秒40回回転し、それにより垂直方向の推力を均等化するが、その回転速度をちょっと変えることによって、方向を変える。制御信号はすべて、単一の赤外線ビームで送られる。

今できることは、ホバリングのみだが、新たな機能を加えるのは容易だ。

大学のニューズリリースでPiccoliは説明している: “本体が回転する乗り物は人間にとっては恐怖でも、センサーを搭載するにはとても適している。空港のレーダーに見られるように、センサーを回転させて利用することは、よく行われている。われわれの場合は、わざわざセンサーだけを回転させなくても、本体と一緒に回転する。だからバーコードリーダーのようなラインスキャンカメラへの応用もありうるし、また車に載せたら360度の写真やビデオが撮れる”。

追加する装置は、重量1グラム未満ならOKだ。それが、この超ミニ機の最大積載量だ。

超小型で超単純なデバイスを作る理由は、たくさんある。単純は往々にして効率と安価を意味し、ときには使い捨て可をも意味する。消費者製品だけでなく、産業用の可能性もある。たとえば放射能漏れや建物の被害調査に、いきなり、1台100万ドルもする人型ロボットを使うのは意思決定だけでもたいへんだが、それは高価なだけでなく、本物の人間と同じく、放射能や粉塵やそのほかの障害物に弱い。

でも、100基のPiccolissimosを編隊としてコントロールしながら飛ばせば、そのカメラや放射能探知器や加速度計が、一定範囲を素早く安価に偵察するだろう。そして、もしも彼らが生還しなかったら、また100基プリントすればよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

DJIの折りたたみ式ドローンは大人気、生産間に合わず、発売予定日から5日経ってもまだ音沙汰なし

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GoProがスコーバレーで待望のKarma Droneを披露したとき、DJIのPR担当が皮肉たっぷりにツイートした: “今、新しい競合製品を見ている。こんなの、まったく気にならないけど”。

同社は数週間後に、独自の折りたたみ式ドローンを披露した。より小さいし、機能も多いから、PR担当がKarma Droneを無視するのも当然かもしれない。DJIのファンたち、そしてドローンコミュニティの全体も、心底、気に入ったようだ。

しかし今日(米国時間10/20)は、そのMavic Proの発売予定日から5日も経っているし(Karmaはまだ3日後)、アーリーアダプターたちは待ち焦がれてそわそわし始めている。一部の評論家などは実物を手にしたことがあるが、すでに小売店に前金を払っている一般消費者には梨(なし)の礫(つぶて)だ。

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DJIは、このドジを埋め合わせようとして、PRトップの声明を発表した:

Mavic Proの発表後、意外なほど強力な全世界的需要が生じております。ご注文になるべく早くお応えすべく、ただ今、昼夜を問わずフル回転で生産しております。

この声明は詳しい情報が何もないが、どうやら遅れの真犯人は製造部門にあるらしい。この声明から2日経っても、遅れが解消する気配はない。今DJIに問い合わせているから、公式の返事が得られたらこの記事をアップデートしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ハンズオン:自律飛行ドローンHover Camera Passport

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1年ほど前に、自律飛行が可能で、カメラも付いた新しいタイプのドローンが市場に(プレオーダーの形で)現れた。カメラとAIテクノロジーが組み合わさったこのドローンであれば、基本的にはユーザーが機体を空中に投げ上げるだけで、ドローンがユーザーの後ろをついて回って写真や動画を撮影することができる。

SnapLilyStaakerHoverなどがこのようなドローンの開発にあたっており、そのうちのほとんどが外部調達もしくはプレオーダーという形で何千万ドルもの資金を準備していたものの、実際の製品出荷までには時間がかかっている。

しかし、本日Hover(ZeroZero Roboticsの飛行カメラブランド)は、Passportと名付けられた同ブランド初のカメラドローンを発表した。現在の価格は549ドルに設定されており、最終的な予定小売価格599ドルから50ドル値引きされている。先週私たちはPassportを試すことができ、その性能には感動してしまった。

コンパクトなサイズ

数ヶ月前に私はニューヨークシティに引っ越してきて、大変気に入っているのだが、ドローンを飛ばすのは諦めざるをえなかった。予想される結果(と法律)を無視して、この街で図体の大きなInspireやPhantomを何百フィートも飛ばすなんてことはありえない。

しかしPassportなら話は変わってくる。折りたたみ可能なこのドローンの重さは242gで、飛行モードのときのサイズは本一冊分ほどだ。折りたたまれた状態だとビデオテープ程の大きさになる。街中を散歩する際に、このドローンを彼女のハンドバッグの中に放り込んでみたところ、最初こそ彼氏のドローンを持ち運ばなければならいことにイラついていた彼女も、そのうちドローンがハンドバッグに入っていることさえ忘れていた。スーツケース並のInspire用ケースのサイズと比べれば、Passportのサイズは夢のようだ。

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しかしもちろんPassportは、DJIのInspireやPhantomのようなフル装備のドローンではない。4Kの動画と1300万画素の写真を撮影することはできるものの、カメラの用途としては、クローズアップでの撮影や三脚を使うような場面での撮影が想定されており、本当の意味での空撮カメラではない。WiFi接続についてもドローンがユーザーから60フィート(約18m)離れると途切れてしまい、そこまで高く飛ぶようにはできていない。実際に使用していたときも、1、2度接続が途切れたが、このときはまだWiFiのカバー範囲をメーカーに確認していなかったため、ほぼ間違いなく私が60フィートの境界を超えたために起きたものだと思われる。もしも接続が途切れてしまったとしても、ドローンがその場に浮いたままでいるため、ユーザーは近づいていってWiFiに接続し直すことができる。

そして何百フィートも飛ばせない代わりに、ユーザーはPassportを屋内でも飛ばすことができる。これまでリビングルームでInspireを飛ばそうとしたことがあるだろうか?私はあるが、本当に絶対にオススメしない。その一方でPassportは、ニューヨークにある私の小さなアパートの中や、外に出て歩道で飛ばすには完璧だった。Passportには音波センサーと、1秒間に100枚の写真を撮影できる、下向きに取り付けられたカメラが搭載されており、どちらもPassportを所定の場所で飛行させるために開発された。この安定性のおかげで、狭い場所でも壁にぶつかるのを心配せずにドローンを飛ばすことができる。

結局DJIのドローンは何百フィートという高さまで飛んで建物全体の動画を撮影することができる一方、Hover Camera Passportは、ユーザーから数フィート離れたところで写真や動画を撮影するという、いわば飛行型自撮り棒またはパーソナルカメラマンのような製品なのだ。

カメラ

しかしこのような、新しいタイプのドローンに関する理想論も、いい写真や動画が撮れなければ成立しない。

Passportにはイメージスタビライゼーション機能(電子式と1方向のジンバルによる物理的なものの両方)が搭載されており、動画のブレを抑えるのに一役買っている。なお、ZeroZero Roboticsは、風が環境下では4Kではなく1080pでの撮影を推奨している。というのも、同製品のイメージスタビライゼーションのアルゴリズムは1080pに最適化されているためだ。

カメラの性能は、長編映画の撮影に使えるほどではないものの、必要最低限のことはできる。カメラのレンズは非常に小さく、iPhoneのカメラのレンズと同じくらいだ。さらに撮影した写真や動画のクオリティも、iPhone 6Sのカメラで撮ったものとほぼ変わらず、599ドルで買える242gのポータブルドローンと考えれば悪くない。

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さらにフラッシュも内蔵されており、ドローンが数フィートだけ離れている状態でグループ写真や個人写真を撮る際にはかなり役立つ。繰り返しになってしまうが、フラッシュが内蔵されているという事からも、Passportが空撮ではなくクローズアップ写真を撮るためにデザインされたということが分かる。

Instagram用や友人に送るためのものとしては、十分過ぎるくらいのクオリティの写真を撮影できるが、もしも映画のように見事な空撮映像を撮りたいという人が購入するとガッカリしてしまうだろう。

AIによる自律飛行とマニュアル操縦

見方によって、Passportがドローンよりも空飛ぶカメラに近いと考えられる理由が、かっこいい写真や動画を撮るために搭載されたテクノロジーの数々だ。一旦Passportを空中に浮かせれば、ビデオモードに移り、Follow・360-Spin・OrbitからAIモードを選択することができる。

Followは名前の通りだ。Passportのカメラがユーザーをとらえると、携帯電話上のストリーミング映像に写ったユーザーの体の周りに黄色いボックスが表示される。そして画面に写ったユーザーをダブルタップすると、ボックスが黄色から緑色に変わり、Passportがユーザーをロックオンしたことが分かる。そうすれば、ユーザーが歩き(もしくはゆっくり走り)回る後ろをドローンがついて行くようになる。さすがに走りながら急に方向転換したときには対象を見失ってしまっていたが、Follow機能はとても良くできていた。

Orbitもとても面白い機能だ。Followと同じ要領でPassportをユーザーにロックさせると、Passportが10フィート(約3m)程離れてユーザーの周りを回りだす。ユーザーが歩いているときにも有効で、撮影された動画はアクションムービーさながらだ。

素晴らしいことに、ユーザーはさらに、モバイルアプリ内のオンスクリーンジョイスティックを使って、Passportをマニュアルで操縦することもできる。自律飛行型のドローンの中には、AIの性能が良いからマニュアル操縦は必要ない(できない)と自慢気に謳っているものもある。しかしドローンを所有する上での楽しみの少なくともひとつが、自分でドローンを操縦することであるため、この宣伝文句は残念な結果につながることが多い。またPassportのサイズであれば、家の中を飛び回ることもできるため、さらにその楽しみが増える。

まとめ

Passportにはとても感動した。私はこれまでにも、”空飛ぶカメラ”という新たなカテゴリーに含まれるドローンを試してきたが、ほとんどが中途半端でガッカリするようなものだった。しかしPassportは本当に良くできている。InspireやPhantomのような怪物級のドローンを補完するサブ機を探している人や、屋内や人の周りでも飛ばせるようなエントリーモデルを探している人にとって、Hover Camera Passportはぴったりの製品だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

簡単なアドオンでDJI Phantom 4をレスキューツール化するEXO 1 Exoskeleton

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DJIドローンはそれ自体、多目的に使えるドローンだと言って良いだろう。さらにEXO 1 – Search & Rescue Exoskeletonを用意すれば、本格的な捜索ツールとして利用できるようにもなる。3D印刷で製作したアドオンパッケージで、ドローンに簡単に装着することができる。このアドオンを装備することで、ドローンが緊急捜索隊必携のツールに生まれ変わるのだ。

基本的にはGoProのマウンティングポイントとして機能するもので、カメラやライト、その他マウンターにフィットするさまざまなデバイスを装着することができるようになっている。装着にはプラスチック製の結束バンド(zip-tie)を用いる。

パーツのデザイナーによれば、軽くてGoPro用のマウンターもついているKnog Qudosのライトなどを取り付けることができるとのこと。

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またシンプルながら役に立ちそうな、カラビナおよびネオジム磁石を利用する荷物運搬の仕組みも備えている。小さな荷物をドローンに積み、着陸することなくターゲット地点に荷物を下ろすことができるのだ。

本ツールはDJIおよびShapewaysが、Phantom 4およびShapewaysの3Dプリンティングの応用可能性を示すために行ったデザインコンテストから誕生したものだ。EXO 1が優勝し、1000ドルの賞金と、Phantom 4が与えられた。

EXO 1はShapewaysのサイトからオーダーでき、価格は113ドルとなっている。

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(翻訳:Maeda, H

DroneDeployが作った全世界のドローンサービス目録があればドローンの利用がますます便利気軽になる

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今夜夕食を食べるためのレストランを決めることと同じく、ドローンサービスも、それが必要な現場の近くでローカルに、そして早く、見つけるのがいちばん便利だ。そこでDroneDeployは今日(米国時間10/11)、企業が世界各地でドローンサービスをなるべく容易に見つけられるための無料のサービス、Drone Mapping Directory(ドローン地図目録)を立ち上げた。

たとえば不動産開発企業が、将来大企業の巨大キャンパス(敷地建物)を建設する土地の、詳細地図を必要としている。

そんな企業は、スキャン能力のあるドローンを自分で買って、操縦士を雇うまたは教育訓練するよりも、Drone Mapping Directoryのプロフィールをぱらぱらと調べて、土地探査と地図起しの経験のあるドローンサービスを、なるべくその土地の近くに探せばよい。

ドローンのオペレーターたちがデータの収集や分析に使うソフトウェアをクラウドから提供しているDroneDeployは、ユーザーの要望に押されてこの目録(ディレクトリ)を開発した。CEOのMike Winnによれば、この地図目録が契機となって、本来のクラウドサービスのユーザーも増えるだろう、という。

ちなみにDroneDeployがクラウドから提供しているソフトウェアは、飛行計画の作成、ドローンが集めたデータの視覚化、などだ。

同社によると、DroneDeployのユーザーたちがこれまでに分析して地図起しを行った土地は世界130か国あまり、計600万エーカー以上に及ぶ。

ドローンサービスの目録は、フリーミアムとして利用できる。有料ユーザーは、ストレージの容量が大きく、またプロ向けの機能が提供される。たとえば、実際に作った地図をDroneDeployとの共同ブランドでポートフォリをに含めたり、それをほかのクライアントに売ったりできる。

Winnによると、アメリカのFederal Aviation Administration(FAA, 連邦航空局)がドローンに関する規則集を制定して以来、個人でも容易にドローンオペレーターの免許を取れるようになり、今では小企業のドローンサービスが各地にたくさん誕生している。つまり、こんな目録がどうしても必要な状況に、なっているのだ。

この夏、規則が発効して以来、ドローン遠距離操縦士の免許を取った個人は12000名を超えているそうだ。

それらのドローンサービスの多くが、ドローンを自前で持つのではなく、報道やエンタテイメントのための空中撮影、農場の土地調査、科学研究、建築現場、公共施設や災害現場の調査など、目的に合わせて最新鋭機をレンタルして利用している。

PwCによると、ドローンの商用利用は2020年の全世界で、1270億ドルの市場規模になる、と推計されている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))