ごみ拾いSNS「ピリカ」やマイクロプラスチック調査サービス「アルバトロス」運営元が1億円調達

ごみ拾いSNS「ピリカ」やマイクロプラスチック調査サービス「アルバトロス」運営元が1億円調達

環境領域スタートアップ「ピリカ」(Pirika)は3月15日、第三者割当増資による総額1億円の資金調達を発表した。引受先は、瀧口浩平氏など複数名の個人投資家。調達した資金により人材採用を強化し、サービスの開発、営業網の拡大などを通じて、ごみの自然界流出問題をはじめ環境問題の解決に向けた事業を加速する。

ピリカは、2011年の創業以来ごみの自然界流出問題をはじめ環境問題の解決に取り組み、ごみ拾い活動を共有・促進するSNS「ピリカ」(Android版iOS版)、画像解析技術で広範囲のポイ捨て状況を調査できる「タカノメ」、マイクロプラスチックの流出量調査や製品特定などを行う「アルバトロス」といった独自のサービスやソリューションを開発・提供している。

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同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化を手がける大阪大学発スタートアップ「クオリプス」が20億円調達

同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化を手がける大阪大学発スタートアップ「クオリプス」が20億円調達

同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化を行う、大阪大学発スタートアップ「クオリプス」は3月16日、総額約20億円の第三者割当増資に関する契約を締結したと発表した。引受先は、JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合(JICベンチャー・グロース・インベストメンツ)、ジャフコSV6投資事業有限責任組合、ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合(ジャフコ グループ)、京大ベンチャーNVCC2号投資事業有限責任組合、阪大ベンチャーNVCC1号投資事業有限責任組合(日本ベンチャーキャピタル)、富士フイルム、セルソース他。

同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートとは、ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞(iPS心筋)を主成分とした他家細胞治療薬で、シート状に加工したものを心臓に移植するという(他家とは、第三者提供のiPS細胞から作った細胞を使うことを指す)。有効な治療法がない重症心不全の患者を対象とし、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待されている。

今回調達した資金により、同社はこの同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの実用化を一層加速化させ、様々な細胞製品の培養・加工を通じ、画期的な細胞治療薬の創生に貢献するとしている。

富士フイルムは、同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートを用いた心筋再生医療研究開発の促進を、またセルソースは、同種由来間葉系幹細胞および同種由来iPS細胞由来エクソソームの利活用を通じた再生医療分野での協業を期待し資本参加したという。

クオリプスは、大阪大学の技術・研究成果をベースに、同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの開発・事業化を行うことを目的とする、2017年3月設立の大阪大学発スタートアップ。同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの製造方法に関する研究開発を推進し、さらに効率的な生産技術を確立して、世界に先駆けて再生医療等製品として製造販売承認を取得することを目指す。

同社は2020年夏、同種由来iPS細胞由来心筋細胞シートの早期実用化を進めるべく、現在大阪大学で実施中の医師主導治験を支援するとともに、同製品の製造・供給体制を構築するため商業用細胞培養加工施設を大阪府箕面市において稼働させている。

また今後、3年後の上市に向けて、研究開発の加速化や商業用細胞製造施設の安定稼働を図り、事業化体制を構築するとともに、海外展開のための準備、第2、第3プロジェクトの探索研究を推進するため、第三者割当増資の実施に至ったという。

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D2C乳幼児フードブランド「the kindest」を手がけるMiLが3億4000万円を調達

D2C乳幼児フードブランド「the kindest」を手がけるMiLが3億4000万円を調達

厳選食材を使い、高品質にこだわるD2C乳幼児フードブランド「the kindest」(カインデスト)を手がけるMiLは3月15日、総額3億4000万円の資金調達を発表した。引受先は、既存投資家のFutureFoodFund1号投資事業有限責任組合、長友佑都が代表を務めるCuoreなど。

調達した資金は、自社システム構築への投資、子育て領域における専門家の採用強化、サービス開発人材の採用強化に投資し、社内体制強化を図る。

the kindestは、心と身体に「ほんとうにやさしいもの」を届ける乳幼児向けのフードブランド。考える・調べる・つくる時間を、少しでも多く子どもと過ごす時間に当ててほしいと願い開発したという。2019年4月のローンチ以降、販売実績50万食を突破した。

同ブランドでは、子どもの成長に必要な栄養素に関する実証データに基づいた上で、小児科医、管理栄養士、シェフとともに仕入れや商品開発を行っている。着色料や保存料などの不要な添加物を使用せず、厳選した契約農家や工場が生産した安心安全な食材を使った商品を提供している。

2018年1月設立のMiLは、「食×ヘルスケア」を軸にヘルシーでエシカルな世界の実現を目指すスタートアップ。シェフや小児科医などのプロフェッショナルたちとチームを組み、実証データに基づいた商品・サービスの開発を行うthe kindestを展開している。「自分らしい人生を食から実現する」をミッションに掲げ、世界中で注目を集めているSDGsとエシカルへの取り組み、日本が築き上げてきた食文化やクラフトマンシップを大事にしながら、世界を代表するの食品ブランドを目指す。

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フリーランスの「借りられない」問題の解決目指すアプリ「smeta(スメタ)」

フリーランスは、その名のとおり「自由」に仕事をして生きていけるという魅力がある。一方で、会社員と比較すると与信審査が通りにくく、賃貸契約が難しい場合があるなど、その自由に対して支払わなければならない代償も決して小さくない。

REASEが運営するアプリsmeta(スメタ)は、このような課題の解決を目指す。スメタはフリーランスに加え、スタートアップ起業家、高齢者、外国人などに特化して与信を行い、スムーズな賃貸契約をサポートするサービスだ。

最短3日で契約が可能

REASEのCEOである中道康徳氏は「現在、日本で賃貸契約を行う際には、ほとんどのケースで賃貸保証会社による審査に通らなければなりません。その審査基準は、勤務先・勤続年数・収入がメインです。しかし、これらが安定していないフリーランスは、審査に落ちてしまいやすい」という。

smetaは、物件紹介と賃貸与信の両方の機能を兼ね備えるサービスだ。ユーザーが自分の年収を入力すると「目安家賃」が計算され、当てはまる物件が一覧表示される。その中で気になった物件があれば、本人確認書類と収入証明を提出することで、smetaから「与信枠」を得ることができる。この「与信枠」は「上限家賃」でもあり「この金額以下の賃貸物件であれば確実に入居できる=家賃保証を行う」ことを意味する。ユーザーは、上限家賃以内の賃貸物件をsmetaアプリから申し込むことで、入居審査に落ちることなく確実に契約できるようになる。

smetaの大きなメリットは「無駄な時間がなくなる」ことだろう。従来の賃貸契約では、申し込みから契約までに約2週間はかかる。しかも、賃貸保証会社による与信審査に落ちてしまうと、また振り出しに戻ってしまうというリスクもある。中道氏は「私が聞いた中で最悪のケースでは、3回連続で与信審査に落ちてしまい、最終的な賃貸契約までに約1カ月半かかったというフリーランスの方がいました」と話す。

これに対して、smetaは与信審査を最初のステップで完了するため、ユーザーは安心して申し込みを進められる。申し込みから契約まで「最短3日」程度で完結させることも可能だという。

ランサーズでの仕事内容を評価する

ここで疑問になるのは「smetaはどのような評価方法でフリーランスに与信を行っているのか」という点だろう。その答えは、申込者のランサーズなどのプラットフォーム上での業務内容を加味するというものだ。

現在、smetaはランサーズやKasookuPE-BANKをはじめとする国内フリーランス向けのプラットフォームや人材マッチングサービスなど24社と提携している。例えば、フリーランスとして活動するライターが、ランサーズ経由でsmetに賃貸契約の申し込みを行うと、ランサーズは申込者の業務内容や実績をsmetaに一部共有する。これらのデータを元に、smetaは申込者の与信枠(上限家賃)を決定するのだ。

中道氏は具体的な例を挙げる。「その申込者がランサーズ上で2万文字・10万円の仕事を受注していたとします。それを3日後に納品し、クライアントから最終的な支払いを受けている。ここからは、申込者が案件を獲得できたという営業力や、与えられたタスクを完了できる業務遂行能力、そして最終的に売上を得たという実績を確認できます。smetaでは、このような事例を多数収集して分析し『申込者が家賃を払い続けられるかどうか』という判断をしています」。

smetaでは「仕事の中身・能力」という部分まで詳細に分析することで、これまで審査に通りにくかった人たちへの与信を実現するというわけだ。この方法を実践しているのは、国内の家賃保証業界では同社が初めてという。

保証会社自らが集客することでリスクを減らす

しかし「新しい尺度」で審査をするにはリスクがつきものだろう。ましてsmetaを運営するREASEはスタートアップであり、大手の賃貸保証会社などと比較すると資本力にも欠ける。これに対して中道氏は「smeta自身がエンドユーザーを獲得して与信を行っているということが、リスクヘッジになる」という。

これはどういうことか。通常、賃貸契約を行う人は、不動産仲介業者から申し込みを行う。仲介業者の主な収益源は仲介手数料(家賃半月〜1カ月分など)であるため、顧客が支払える範囲でなるべく高い家賃の物件を契約したい、というインセンティブがある。中道氏は「商売だから当然です。しかし賃貸保証会社にしてみると、それはリスクにもなり得ます」という。

REASEは、自らのアプリsmeta経由でエンドユーザーを獲得し、上限家賃(与信)を設定する。つまり、REASE自らリスクコントロールを行うことで、ユーザーが余裕を持って支払える家賃の物件のみを案内できるため、家賃滞納や未払いなどの事態を未然に防げるのだ。

smetaは2020年の1月より本格稼働を始め、現在、そのダウンロード数は6000を超えている。不動産会社からの紹介顧客も含め、保証契約数は合計1300に及ぶという。また、REASEはPlug and Play Japanが主催するWinter/Spring 2021 Summitでは、Fintech部門の最優秀国内スタートアップに選出され、今後さらに勢いに乗りそうだ。

これまで、フリーランスとして独立すると「社会的信用度が下がる」のはなかば常識だった。これを懸念してフリーランスになるのを躊躇する人も多かったのではないだろうか。しかしsmetaの新しい評価基準により、フリーランスがさらに「自由」に生活できる日が来るのも、そう遠くないかもしれない。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:REASEsmeta不動産賃貸フリーランス日本

AI翻訳機「ポケトーク」が音声を翻訳し本体とウェブブラウザーに文字表示を行う「ハンズフリー翻訳(β版)」を新搭載

AI翻訳機「ポケトーク」が音声を翻訳し本体とウェブブラウザーに文字表示を行う「ハンズフリー翻訳(β版)」を新搭載

©SOURCENEXT CORPORATION

AI(人工知能)翻訳機の「ポケトーク」を手がけるソースネクストは、「ポケトーク W」、「ポケトーク S」、「ポケトーク S Plus」に「ハンズフリー翻訳(β版)」を追加しました。

ハンズフリー翻訳(β版)は、リアルタイムでポケトークから音声をクラウドサーバに送り、クラウドサーバから翻訳結果をポケトーク本体や専用サイトに配信する仕組みです。専用サイトのURLやパスワードなどを相手に伝えることで、翻訳内容を共有することも可能です。

同社によると、技術的な内容の詳細については非公開とのことですが、Web会議やスピーチだけでなく、外国語のテレビやラジオなどを聞きながら日本語で意味を確認したりといったことにも活用できるそうです。

記者が実際に使用してみたところ、発話が終わってから翻訳結果が表示されるまでのタイムラグが短く感じられました。

注意点としては保存形式が限られること。現時点ではCSV形式でのみ保存できますが、個人的にはテキスト形式での保存にも対応してほしかったです。とはいえ、専用サイトに表示される翻訳結果をコピーして、パソコン向けのテキストエディタに貼り付けて保存できるため、この点についてはユーザー側の工夫次第といえそうです。

なお、ハンズフリー翻訳(β版)の利用にはWi-Fi環境が必要です。利用料は無料で、対象端末をアップデートするだけで利用できるようになります。対応言語は日本語や英語、中国語などを含む82言語。ちなみにこれは、音声認識が可能な言語数で、現在、ポケトークで対応している全言語になります。

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(Source:ソースネクストEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:音声認識 / Voice Recognition(用語)ガジェット(用語)機械翻訳(用語)ソースネクスト(企業)ポケトーク(製品・サービス)日本(国・地域)

ソフトバンクらが次世代電池研究開発においてリチウム金属負極を用いた質量エネルギー密度450Wh/kg級の実証に成功

ソフトバンクとEnpower Greentechが次世代電池開発に向けた質量エネルギー密度450Wh/kg級電池の実証に成功

開発した要素技術を用いた電池の試作品

ソフトバンクと米スタートアップEnpower Greentechは3月15日、次世代電池の研究開発において、リチウム金属負極を用いた質量エネルギー密度450Wh/kg級電池の実証に成功したと発表した。また、リチウム金属電池の長寿命化の要素技術の開発成功も明らかにした。

両社は、IoT機器や携帯電話基地局などでの活用を想定した、質量エネルギー密度(Wh/kg)が高く、また軽量かつ容量が大きい次世代電池を見据えた材料技術の共同研究を行う契約を2020年3月に締結し、4月から共同研究開発を実施。また今回開発した要素技術には、リチウム金属表面にデンドライトの発生を抑制する極薄(10nm以下)コーティング膜技術や、高い電池電圧と高いクーロン効率(充放電効率)を両立した電解液などもあるという。

デンドライトは、電池の充放電を繰り返した際に生じるリチウム金属の針状結晶のこと。これが成長し続けると、正極と負極の短絡を引き起こし、発火などの原因となる。クーロン効率(充放電効率)は充電時の充電容量に対する放電時の放電容量の比。クーロン効率が高いほど充電容量を無駄なく放電に使用でき、寿命が長い電池となる。

リチウム金属負極は負極材料として注目される一方、短期間で電池容量が減少するという課題を抱えていた

現在、デバイスの進化から電池の高容量化が望まれているものの、既存の電池材料(黒鉛など)では達成は厳しく、リチウム金属負極などの次世代材料が求められているという。

ただしリチウム金属電池の課題として、リチウム金属負極と電解液の反応に由来するサイクル寿命の短さが挙げられる。充放電に伴うデンドライトの発生によって、短期間で電池容量が減少するという課題があったという。リチウム金属は還元力が強く電解液が分解されてしまい、リチウム金属表面に不均一な不動態被膜が形成されることで、短絡の原因にもなるデンドライト生成を促してしまう。

ソフトバンクが次世代電池の研究開発・早期実用化の推進に向け「ソフトバンク次世代電池Lab.」を設立

そこで、ソフトバンクとEnpower Greentechは、デンドライトの発生抑制技術のひとつ「リチウム金属表面の無機コーティング技術」に注目。

リチウム金属表面を例えばイオン伝導材料などでコーティングすることで電解液との直接接触を遮断。安定した固体電解質界面(SEI)膜を形成するというアプローチを実施したそうだ。

リチウム金属負極と電解液の反応を抑制するためには、リチウム金属表面への電解液の接触を減らし、電解液の分解を抑制する必要がある。先に挙げたイオン伝導材料などをコーティングすることで、電解液がリチウム金属表面に接触することを防ぎ、リチウムイオンを均一に拡散させることを可能にする。これにより、デンドライトの発生を抑制し、リチウム金属電池の長寿命化が期待できるとした。

ソフトバンクが次世代電池の研究開発・早期実用化の推進に向け「ソフトバンク次世代電池Lab.」を設立

また今回、無機物を極薄(10nm以下)でコーティングしたリチウム金属電極を用いて、コイン型リチウム対称セル(ラボ測定用電池)で連続500時間経過しても、非常に低い過電圧を維持し続けている充放電データを得られたという。今後この技術を450Wh/kg級電池に適用し、電池のさらなる長寿命化を目指す(実験データなどの詳細。PDF)。

  1. ソフトバンクとEnpower Greentechが次世代電池開発に向けた質量エネルギー密度450Wh/kg級電池の実証に成功

  2. ソフトバンクとEnpower Greentechが次世代電池開発に向けた質量エネルギー密度450Wh/kg級電池の実証に成功

ソーラーパネル搭載の成層圏通信プラットフォームの長時間駆動への道筋

今回、共同開発に成功した材料技術を用いることで達成が期待できる質量エネルギー密度450Wh/kg級電池は、現在のリチウムイオン電池に比べ、質量エネルギー密度が約2倍となるという。この電池は、さまざまなIoT機器や携帯電話基地局だけでなく、ソフトバンク子会社HAPSモバイルが地上約20kmの成層圏で飛行させる、ソーラーパネル搭載の成層圏通信プラットフォーム(HAPS)向け無人航空機「Sunglider」への装用による長時間駆動も期待できるとしている。

Enpower Greentechは、全固体電池を含む次世代電池の研究開発と事業化に取り組んでいる米国のスタートアップ企業。日本においては、東京工業大学発スタートアップEnpower Japan(エンパワージャパン)として研究拠点を構えている。同社は、2015年から高容量電極材料や固体電解質材料などの材料技術開発に着手しているという。さらに2017年10月からは、テキサス大学オースティン校教授であり、ノーベル化学賞を受賞したJohn B. Goodenough(ジョン・B・グッドイナフ)教授の研究グループと全固体電池用材料技術の共同研究を実施している。

世界中の様々な次世代電池の評価・検証を行う施設「ソフトバンク次世代電池Lab.」

また同日ソフトバンクは、質量エネルギー密度(Wh/kg)が高く軽量で安全な次世代電池の研究開発および早期実用化の推進に向けて、世界中の様々な次世代電池の評価・検証を行う施設「ソフトバンク次世代電池Lab.」(ソフトバンク次世代電池ラボ)を、2021年6月に設立すると発表した。

ソフトバンク次世代電池Lab.は、環境試験器の世界トップメーカーであり、安全性・環境評価に優れた設備・ノウハウがあるエスペックの「バッテリー安全認証センター」内に設立。

今後は充放電設備の増強、モジュール・電池パックの大型評価設備の導入や、安全性試験・低温低気圧など、地上から上空までの特殊な環境試験においてエスペックと連携することを検討している。

「ソフトバンク次世代電池Lab.」のあるエスペック宇都宮テクノコンプレックス「バッテリー安全認証センター」外観

現在ソフトバンクは、質量エネルギー密度が高く軽量で安全な次世代電池について、IoT機器などの既存のデバイスやHAPS(High Altitude Platform Station、成層圏通信プラットフォーム)をはじめとする次世代通信システムなどへの導入を見据え、研究開発を推進している。また、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも、高性能な電池が必要不可欠と考えているという。

次世代電池の開発については、世界のさまざまな電池メーカーが技術検証を実施しているものの、メーカーごとに技術評価環境・検証基準が異なり、同一環境下での性能差の分析・技術課題の特定が難しいという課題がある。ソフトバンクは、これらの課題を解決し、次世代電池の早期実現のため、ソフトバンク次世代電池Lab.を設立する。

今後ラボにおいて、世界中のメーカーのセルを同一環境下で評価・比較することで、性能差の分析・技術課題の早期特定を実現する。また各メーカーに検証結果をフィードバックすることで、次世代電池の開発加速を目指すという。

さらに同ラボでは、共同研究先と開発した要素技術の検証も行う予定。検証により得られたノウハウを参画メーカーと共有することで、次世代電池開発のベースアップに貢献する。すでに世界中の電池メーカー15社の次世代電池の検証を予定しており、今後さらに開発パートナーを拡大していく。

これらの活動を通しソフトバンク次世代電池Lab.は、次世代電池の開発促進を支援するプラットフォームになることを目指す。

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IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

アプトポッドは3月15日、シリーズCラウンドにおいて、第三者割当および融資による総額約8億円の資金調達を発表した。引受先は、DBJキャピタル、みずほ証券プリンシパルインベストメント、エムスリー、きらぼしキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル。借入先は日本政策金融公庫。またエムスリーとは、遠隔医療・ヘルスケア分野への技術において、アプトポッドの技術の適用やサービス開発などを視野に協業を行う。

調達した資金は、以下投資・活動を行い、さらなる成長加速を目指す。

  • 急増するDX需要に向けた対応体制強化
  • 新製品開発などハードウェア事業の強化拡大
  • 遠隔医療・ヘルスケアといった新規分野進出のための研究開発
  • アプトポッドが開発したプロトコルの標準化活動など、自社プラットフォーム技術の啓蒙促進
  • アフターコロナ時代におけるグローバル展開準備

アプトポッドは、自動車分野、建機・重機・農機などの産業機械分野、ロボティクス分野を中心に産業IoTミドルウェア「intdash」(イントダッシュ)を核としたプラットフォーム製品・サービスを展開。intdashは、2018年のリリース以来、製造業を中心に約30社における50以上のDXプロジェクトで採用されているという。

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

今後同社は、5G時代の高度なデータネットワーキングおよびプロセッシングの需要を見据え、クラウドコンピューティング、エッジコンピューティングなどのあらゆるデータ処理ネットワークを構築するためのプロダクト開発と提供を目指している。

直近では、ハードウェア事業としてエッジコンピューティングブランド「EDGEPLANT」(エッジプラント)をリリースするなど、5G時代のDXに包括的に貢献するための総合的な製品・事業展開を行っている。

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

2006年12月設立のアプトポッドは、産業IoTにおけるファストデータ(高速時系列データ)のスペシャリストとして、IoT・M2Mにおけるセンサー・ハードウェア技術、クラウド技術、グラフィカルなユーザーインターフェイス技術まで、ワンストップのテクノロジーを有するIoTソフトウェア・サービス企業。産業シーンにおける高速で大量なデータの収集、伝送、高度なリアルタイム処理、イベント処理を実現する包括的なフレームワークを提供している。

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米国スタートアップの日本進出を支援するSIPグローバルパートナーズが164億円のファンドの一次募集を完了

日本は米国のスタートアップの進出ターゲットとして考慮されることは少なかったが、同国はここ数年Slack(スラック)、Salesforce(セールスフォース)、Twitter(ツイッター)、直近ではCLubhouse(クラブハウス)といった会社の有力市場となっている。米国時間3月10日、SIP Global Partners(エス・アイ・ピー・グローバルパートナーズ)は、日本をはじめとするアジア市場や湾岸協力会議(GCC)各国に進出の可能性のある米国のアーリーステージスタートアップに特化した新たなファンドの設立を発表した。同ファンドは目標である1億5000万ドル(約164億円)の第一次募集7500万ドル(約82億円)の調達を完了し、すでに5つの会社に投資している。

SIPの新ファンドはレイトシードからシリーズB段階までの、プロダクトがすでにあるか近々市場に登場する予定で、世界展開の準備が整っている会社が対象だ。同社は投資先企業と密に連携をとり、日本その他アジア市場での事業立ち上げを手助けする。

マネージングパートナーのJustin Turkat(ジャスティン・ターカット)氏は、日本は海外スタートアップにとって有望な市場であり、理由の1つはベンチャーキャピタルエコシステムが未発達なために起業家の数が少なく、国の有数な人材の多くが大企業や政府に就職することを選ぶからだとTechCrunchに語った。

日本のスタートアップ市場には大きな可能性があるが、まだ発生期にあると彼は付け加えた。一方、現在、日本は海外直接投資の世界最大の原資であり、約1億2500万人の消費者とスケーラブルなソリューションを必要とする大企業のいるこの国は、新技術のための成熟市場である。

「過去数年に起きたことを見てみると、日本は米国スタートアップとのビジネスに関してオープンで、これまでみたことがないほどの切迫感があり、私たちにとって大きな追い風が吹いていると思っています。米国スタートアップへの投資や提携を見ると、過去5年間は記録的な水準であり、契約件数も毎年増えています」とターカット氏は言った。

ファンドは日米4人の投資家が立ち上げた。ターカット氏と創業マネージングパートナーで元日本ベンチャーキャピタル協会前会長の齋藤茂樹氏は東京に、ゼネラルパートナーのJeffrey Smith(ジェフリー・スミス)氏と創業マネージングパートナーのMatthew Salloway(マシュー・サロウェイ)氏はボストンとニューヨークにそれぞれ拠点を置く。

「この事業を始めた理由はこのチームに関係があります。私たちは全員が国境を越えて仕事をすることにキャリアを捧げ、米国とアジアにわたり事業者と投資家両方を経験してきました」とターカット氏はいう。「パートナー4人全員がこの仕事で約20年以上の経験をもっています」。

過去数年、スタートアップの初期段階で海外展開が行われているのを見たきと彼は付け加えた。「かつては、米国のスタートアップがベンチャー支援を受けている場合、シリーズDラウンドまでは海外展開を考えないのが普通でした」。しかし今や企業は早ければシードラウンドの段階で海外市場を見据えている。

SIPの新ファンドは3つの分野でスタートアップを探している。クリエイティビティ(拡張・仮想現実、合成メディアおよびウェブベースプラットフォーム)、プロダクティビティ(人工知能と機械学習、エッジコンピューティング、モノのインターネットおよび半導体)、およびセーフティ(デジタル医療と情報セキュリティ)だ。

ターカット氏は、最先端技術の基幹インフラや経済レイヤーを提供する会社に焦点を絞っていくと語った。

例えば「インフラ・レイヤーでは、5Gが世界で同時に展開されている現状、エッジコンピューティングや半導体、セキュリティとAI・機械学習はすべてこのインフラストラクチャレイヤーの周辺にあります」と彼はいう。現在同ファンドの投資先でそのカテゴリーに入るのは、OpenRANのスタートアップ、Parallel Wireless(パラレル・ワイアレス)と超低遅延コラボレーション・プラットフォームのCroquet(クロッケ)がある。

「そして、さまざまな最新技術とそれに基づくプラットフォームとアプリケーションからなる経済レイヤーがあります」とターカット氏は付け加えた。同ファンドがこれまでに投資した3つの会社がこれにあたる。ブラウザーベースのノーコードモーションデザインプラットフォームのFable(フェイブル)、ARゲーミングプラットフォームのTilt Five(ティルト・ファイブ)、職場の安全に特化した産業用IoTのスタートアップであるKinetic(キネティック)だ。

戦略的投資家として、SIPは新しい国に進出するスタートアップと密に連携をとっている。これには、人材雇用や流通チャネルやジョイントベンチャーの候補として初期のビジネスパートナーを見つけることも含まれている。

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(文:Catherine Shu、翻訳:Nob Takahashi / facebook

表記揺れの影響を受けず不動産物件を特定できる「不動産共通ID」ベータ版が4月公開、APIとして提供

表記揺れの影響を受けず物件を特定できる「不動産共通ID」ベータ版が4月公開、APIとして提供

Geolonia(ジオロニア)不動産テック協会は3月15日、国内の土地や建物等の不動産情報に対して付与する共通ID(不動産共通ID)ベータ版を4月15日に提供すると発表した。不動産共通IDはAPIとして提供し、無償利用が可能。正式サービス時には正規化された住所や物件名を逆引き取得できる有料の上位プランも提供予定。

また「不動産共通ID β版利用 先行エントリーフォーム」において、事前利用登録の受付を開始した。

不動産共通IDは、Geoloniaが2020年8月にオープンデータとして公開した日本全国の「住所マスターデータ」(Geolonia 住所データ。ライセンスはCC BY 4.0)を基に、不動産取引における企業間での情報連携やデータ連携などの実現を目的として不動産テック協会が整備するID。

不動産事業において統一されていない住所や物件名の表記に対して、同一の物件を示す情報に共通のIDと付与することで、表記揺れに影響されることなく物件の特定が容易となるインフラ環境を構築、不動産情報のデータ連携にかかるコストの大幅削減を図る。

表記揺れの影響を受けず物件を特定できる「不動産共通ID」ベータ版が4月公開、APIとして提供

不動産共通IDはなぜ必要なのか?

現在、不動産に関する情報は不動産事業者各社において、「住所」「物件名」などで物件を特定して管理されている。しかし、その表記方法が統一されていないため、同一物件の住所でも「三丁目」と「3丁目」といった表記ゆれや誤入力が発生しており、同一物件であるという特定が難しく、様々な企業が持つ不動産情報の連携が困難という課題がある。こうした課題を乗り越え、生活や企業活動のうえで有用・必須な不動産情報の利用可能性を広げるため、不動産テック協会とGeoloniaは共同で「不動産共通ID」プロジェクトを2020年7月よりスタートした。

不動産共通IDの整備は、行政においても長年の課題であり、不動産業界だけでなく、物流業界や行政などにも幅広く応用できるインフラとなるという。企業ごとに管理方法や管理表記の違う不動産情報に対して、同一物件を示す情報に共通のIDを付与することで、表記ゆれがある住所と物件名が入力されても同じIDが得られる技術により、物件の特定が容易となるインフラ環境を構築する。

不動産共通IDで物件を特定することで、物流の誤配送を防ぎ再送コストを削減できるほか、在宅情報との組み合わせにより在宅の家のみに配送する、夜間光街画像との組み合わせで空き家を特定するといった活用が可能という。また、特定物件に対して複数の工務店・施工会社が行った修繕をひとつに集約し、建物の修繕履歴を一元管理することも可能になるとしている。

表記揺れの影響を受けず物件を特定できる「不動産共通ID」ベータ版が4月公開、APIとして提供

2019年9月設立のGeoloniaは、位置情報基盤を通じて、社会が抱える様々な課題を解決できる企業を目指すスタートアップ。IoT、スマートシティーなど、国、自治体、企業のDXが進むにつれて重要な「地図」「地理空間情報」「ロケーションデータ」の分野で、ウェブ地図提供事業、位置情報開発支援事業、ロケーションプラットフォーム事業を展開している。

不動産テック協会は、現在100社超(そのうち不動産テック企業72社)が属する、日本最大の不動産テック企業の団体。加盟企業には、仲介や管理業務、価格査定、ローン・保証など、多岐にわたる不動産業務の効率化や収益化のために、テクノロジーを活用しサービス提供する企業が加盟している。各社ごとに保有する不動産情報は、数千~数億に及ぶという。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
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規格外バナナでウエットティッシュ、循環型社会を目指すファーメンステーションが総額2億円調達

ファーメンステーションが構築する廃棄物ゼロの循環型モデル

ファーメンステーションが構築する廃棄物ゼロの循環型モデル

りんごの搾りかすからエタノールを生み出し、アロマ製品を開発する。これまで捨てられていた食品廃棄物が、新たに価値ある商品へと生まれ変わる。そんな循環型社会の実現を目指して、岩手県奥州市に拠点を構えるスタートアップが大きく動き出した。

独自の発酵技術で未利用資源を活用し、循環型社会を構築する研究開発型スタートアップFERMENSTATION(ファーメンステーション)は3月15日、第三者割当増資により総額2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はSXキャピタル、新生企業投資、JR東日本スタートアップとなる。今回の調達で累計調達額は約2億4000万円となった。

ファーメンステーションは独自の発酵技術でオリジナル原料を作り出し、化粧品や雑貨原料として提供する販売事業などを行っている。

今回の調達では、事業・技術強化や人材採用の促進だけでなく、海外進出の足がかりとする。ファーメンステーションは海外進出について「サステナブルな動きで先行し、消費者の購買行動も変化している欧州などと一部取引の準備が進んでおり、候補になっている」と展望を語った。

また、ファーメンステーションは同日、エムスリーの事業責任者やヘルスケアスタートアップでの経営経験を持つ北畠勝太氏がCOOとして経営チームに参画したことを明らかにした。ファーメンステーションの酒井里奈代表が中心となってこれまで事業のベースを築き上げてきたが、北畠氏を経営チームに迎え入れることで、スタートアップとしての経営体制を強化する。

ファーメンステーションの事業概要

ファーメンステーションの事業モデル

ファーメンステーションの事業モデル

2009年7月7日に設立したファーメンステーションは「発酵で楽しい社会を(Fermenting a Renewable Society)!」をミッションに掲げる。岩手県奥州市に研究開発拠点兼自社工場(奥州ラボ)を構えている。

ファーメンステーションは奥州ラボを拠点に、独自の発酵・蒸留技術でエタノールやサステナブルな化粧品原料などを開発・製造しており、また奥州の休耕田を活用した原料米の生産も行っている。主力の米エタノールはこの休耕田を耕して育てた無農薬・無化学肥料の米から生まれる。エタノールは、化粧品やアロマ製品などの原材料として幅広く使われているものだ。

ファーメンステーションにおける事業の柱は4つ。原料事業では同社のサステナブル原料を、化粧品などの原料として化粧品メーカー・原料卸に販売している。また、自社ブランドによるオーガニック化粧品事業と、原料提案から製品開発まで担うODM / OEM事業も行う。

4つ目の柱として、食品・飲料工場の製造過程で出るパンくずといった副産物や食品残渣(ざんさ)などの未利用資源をさまざまなアイデアや手法を用いて、企業らと新たな高付加価値の商品を開発する共創事業にも取り組んでいる。

ファーメンステーションは米などのさまざまな糖質を含む農産物や食品から、高濃度のエタノールを発酵・蒸留・精製する独自技術を持つ。このエタノールは手肌への刺激や化学的なアルコール臭が強い通常のものと比べ、匂いを抑えて肌触りの良さなどを実現させているという。

また、事業展開で欠かせないエタノールの製造過程で生成される発酵粕は、化粧品原料だけでなく、地域の鶏や牛の飼料にも使われている。さらに鶏糞は水田や畑の肥料にするなど、ファーメンステーションはこれまで廃棄物ゼロの地域循環型モデルを構築してきた。

昨今、地域の未利用資源や食品残さなどを利用した循環型の取り組みは重要視されている。農林水産省によると、畜産業における飼料費は経営コストの約3~6割を占めているが、特に栄養価の高い濃厚飼料の大部分は輸入に依存しているという。そのためサステナブルな社会実現だけでなく、足元の飼料自給率向上の観点からも対応が急がれている。

サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)に向けて

これまでファーメンステーションは、アサヒグループとJR東日本と協業し、りんごの搾りカスから精製した「りんごエタノール」を使ったアロマ製品や除菌ウエットティッシュなどを製造している。いずれもアサヒグループとJR東日本グループが製造するりんご酒「シードル」の醸造工程から出る副産物を活用した商品となる。

また、ANAホールディングス傘下の全日空商事と協業し、天然由来成分99%となる「お米とバナナの除菌ウエットティッシュ」を開発した。同商品は、全日空商事グループがエクアドルから輸入・販売する「田辺農園バナナ」の規格外バナナと、ファーメンステーションが手がける休耕田のオーガニック米を原料に精製したエタノールを使ったものとなる。

これら2つのパートナーシップによる循環型の事業は、DXに次ぐ新たな概念となる「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」に対する取り組みだ。SXについては、経済産業省が2020年10月28日「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」の中間的なとりまとめの中で初めて提言したものだ。

経産省は長期的な視野に立って「企業のサステナビリティ」と「社会のサステナビリティ」を同期化する経営などが重要だとし、この経営のあり方を「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」と呼ぶ。今後、SXの普及やSXを踏まえた具体的な経営のあり方などについて、検討を進めていく考えだ。

現在は多くの企業がDXを進めている中、ファーメンステーションはスタートアップにもいずれSXの流れが来るとみる。2009年の創業からサステナブルな事業を展開してきたファーメンステーションは、SXが当たり前になった社会でその推進に大きく貢献していくかもしれない。

資金調達の背景

昨今、SDGsやESG投資の推進、カーボンオフセット(二酸化炭素排出ゼロ)やサーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進など、環境問題への取り組みやサステナブルな事業創造が、多くの人から社会課題として認知されている。

認知は進むものの、技術革新やビジネスモデルなどのソリューションが確立されていないため、Cleantechやフードテックなど、テック系スタートアップにイノベーションの期待が集まる領域でもあるという。

海外に目を向けると、バイオ燃料などの「代替エネルギー」や植物由来の皮革製品などの「代替素材」、培養肉などの「代替食品」といった分野で多くのスタートアップが立ち上がり、時価総額10億ドル(約1000億円)以上のユニコーン企業も出てきた。

化粧品やライフスタイル製品の市場でも、オーガニック原料などを前提にした生活者ニーズの高まりや購買行動の変化が起きている。ファーメンステーションは「より本質的にサステナブルであることを前提とした製品・サービスの創出が課題になっている」と指摘する。

このような変化の中、実際にファーメンステーションでは自社ブランドの需要および化粧品・ライフスタイル製品などのOEMや原料提供の引き合いが急速に増えているという。

資金調達の目的

ファーメンステーションは今回の資金調達で、事業開発や技術力の強化を図り、事業成長に向けた人材採用を加速させていく。事業では1.原材料事業、2.自社ブランド事業、3.ODM / OEM事業、4.共創事業に注力していく。

同社は「研究開発型スタートアップとして、より幅広い未利用資源を元にしたエタノール開発や原料化にも研究開発投資を行う。また、サステナブルな製品開発・事業展開を目指す企業に向けた技術プラットフォームも構築していきたい」とコメントした。この他「独自性の高い技術とビジネスモデルを磨き、グローバル進出への準備も進めていく」と展望を語った。

原料料事業では、すでに展開するオーガニック認証のエタノールや米もろみ粕をはじめ、未利用資源を再生したオリジナル原料の開発と展開を促進する。直近の未利用資源の原料化事例では、岩手県産ヒエのヌカを世界で初めて化粧品原料化し、サステナブル原料「ヒエヌカオイル」「ヒエヌカエキス」を開発した。

自社ブランド事業では、天然由来100%でサステナブルであることを追求したオーガニック化粧品やライフスタイル製品を製造。自社オンラインサイトなどで販売していく。自社商品事例としては、オーガニック認証のある米エタノール原料を使った化粧品クオリティーのハンドスプレー や、オーガニック玄米を発酵させた原料を使用した洗顔石けん「奥州サボン」シリーズ などがある。

ODM / OEM事業においては、サステナブル・オーガニックにこだわったブランドの立ち上げなどを検討する企業に、自社原料やサステナブルな製品開発ノウハウを活かしたコラボレーション型のODM・OEMをより強化する。直近のコラボレーション型OEM事例では、AKOMEYA TOKYOとコラボレーションした米エタノールが原料のハンドリフレッシュスプレー がある。

そして共創事業では、独自の発酵技術など駆使して新たな事業を共創する未利用資源再生・循環パートナーシップ強化を進めていく。既存の未利用資源再生・循環パートナーシップの事例としては、アサヒグループ・JR東日本グループとシードル醸造副産物「りんごの搾り残さ」から「りんごエタノール」を精製し商品化した他、ANAグループと田辺農園の「規格外バナナ」から「バナナエタノール」を精製し商品化を行った。

これらの活動を通じ、社会課題の解決を行うソーシャルインパクトと、スタートアップとして事業・組織のスケールアップとを両立するカタチで企業成長を図っていく。

チームの強化(新経営チーム・採用)

(左から)酒井里奈代表、北畠勝太COO

(左から)酒井里奈代表、北畠勝太COO

ファーメンステーションは人材採用を強化していくため、コーポレート部門リーダー(コーポレート部門立ち上げ責任者)と事業開発(リーダー候補)などのポジションで募集を行っている。

コーポレート部門リーダーには、コーポレート部門専任1人目の責任者として、経理・財務・労務・総務・法務全般の仕組み化を中心に事業成長の基盤づくりを任せる。事業開発のポジションには、経営陣直下で、事業全般に関わる戦略立案から実行まで幅広く任せていくという。

カテゴリー:バイオテック
タグ:FERMENSTATION資金調達日本

格安SIMのIIJmio・mineo・イオンモバイルが「LINE年齢確認」に対応、LINEへの年齢情報通知を開始

格安SIMのIIJmio・mineo・イオンモバイルが「LINE年齢確認」に対応、LINEへの年齢情報通知を開始

格安SIM(MVNO)のIIJmio・mineo・イオンモバイルがLINEへの年齢情報通知を開始しました。

これまで、各MVNOのユーザーはLINE内で年齢確認ができないことから、18歳以上であっても「LINE ID検索」や「オープンチャット」といった機能を利用できませんでした。

この件についてユーザーから多くの要望があったといい、MVNO委員会でLINEと調整した結果、各MVNOからLINEに対して、ユーザーが申し出た利用者の年齢情報を通知することで、LINE内での年齢確認が可能になりました。

年齢確認は、LINEアプリのバージョンアップ(11.3.0)配信開始後に利用できるようになります。なお、イオンモバイルでは3月下旬以降より年齢情報通知を開始します。

また、契約時に身分証明書で年齢確認を行っていないデータ専用SIMでは年齢確認を利用できないため注意が必要です。

(Source:テレコムサービス協会 MVNO委員会など。Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:LINE(企業・サービス)日本(国・地域)

医師が処方する保険適用「ニコチン依存症治療アプリ」など研究開発のCureAppが21億円調達

医師が処方する保険適用「ニコチン依存症治療アプリ」など研究開発のCureAppが21億円調達

CureApp(キュア・アップ)は3月12日、第三者割当増資および融資による約21億円の資金調達を発表した。引受先は、ジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合や既存株主をはじめとする10社。借入先は商工組合中央金庫。累計調達額は約64億円となった。

調達した資金により、2020年より販売を開始したニコチン依存症治療アプリの社会浸透をさらに促進する。また、現在治験中の高血圧治療アプリ、臨床試験中のNASH(非アルコール性脂肪肝炎)治療アプリ、アルコール依存症治療アプリとがん患者支援治療アプリの研究開発や薬事手続、その他新規領域におけるパイプライン拡大を加速させる。

健康保険組合や企業、自治体を主な顧客とする民間向けヘルスケア事業に関しても、引き続き拡大を目指すとしている。

CureApp「治療アプリ」の現在の状況

  • ニコチン依存症治療アプリ:慶應義塾大学医学部呼吸器内科との共同開発。2019年5月、日本初となる治療用アプリの大規模RCT(ランダム化比較試験)を終了。2020年8月に薬事承認を取得、同年12月に保険適用を受け禁煙外来での処方開始
  • 高血圧治療アプリ:自治医科大学循環器内科学部門との共同開発。2019年12月より治験を開始。2021年中の薬事申請を予定
  • NASH(非アルコール性脂肪肝炎)治療アプリ:東京大学医学部附属病院との共同研究。2016年10月より臨床研究、2018年4月より多施設での臨床試験を開始
  • アルコール依存症治療アプリ:国立病院機構 久里浜医療センターと2020年6月より臨床研究を開始
  • がん患者支援治療アプリ:第一三共と2020年11月より共同開発を開始

2014年7月設立のCureAppは、アプリそのものが病気を治療する治療法(デジタル療法)として「治療アプリ」の研究開発・販売を行っているスタートアップ。2020年8月には国内初の治療用アプリ「CureApp SC」の薬事承認、2020年12月に保険適用を受けた。すでに、医療機関において治療アプリを用いたデジタル療法が開始されているという。

また現在、4疾患を対象に治療アプリの研究開発を進め、これら医療機関向け「治療アプリ」の開発で蓄積した知見を活用した民間法人向けモバイルヘルスプログラム「ascure卒煙プログラム」も提供している。「日本発のデジタルヘルスソリューション」として、順次グローバルにも展開予定という。

ascure卒煙プログラムでは、医師開発アプリと医療資格を有する禁煙指導員のオンラインカウンセリングを組み合わせ、6カ月に渡って禁煙支援を提供。2017年4月の提供開始以来200超の法人で導入が進んでいるほか、特定保健指導に対応したプログラムも提供している。

治療用アプリは、海外ではDTx(Digital Therapeutics。デジタルセラピューティクス)と呼ばれ、従来の治療法では治療が難しかった疾患を治す可能性を秘めた最新治療として、国内外で研究開発を進められているという。

DTxは、医薬品と比べても遜色のない治療効果を有し、開発コストの低さ、スマートフォンを持っていれば誰でも平等に受けられるという特徴がある。

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カテゴリー:ヘルステック
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楽天と日本郵政が資本業務提携、共同物流拠点・配送システムの協議およびペイメント・物販協業など検討

楽天と日本郵政が資本業務提携、共同物流拠点・配送システムの協議およびペイメント領域協業など検討

楽天グループと日本郵政グループは3月12日、物流、モバイル、DX(デジタルトランスフォーメーション)などさまざまな領域での連携強化を目的に業務提携合意書を締結したと発表しました。同日の共同記者会見では、郵便局内のイベントスペースに楽天モバイルの申込みカウンターの設置を検討していることを明らかにしました。

会見に登壇した同社常務執行役員の古橋洋人氏によると、全国約2万4000局の郵便局に設置した楽天モバイルの基地局数は400局以上を超え、今後も500局以上を展開するそうです。

また、同氏は、日本郵便の配達網を活用し、各世帯に対して宣伝を行うことも明らかにしたうえで、「オンラインからの申し込みだけでなく、オフラインでのプロモーションを強化し、新規顧客の獲得につなげたい」と述べました。

楽天と日本郵政が資本業務提携、共同物流拠点・配送システムの協議およびペイメント領域協業など検討

なお、業務提携の内容には、モバイル分野のほかに共同の物流拠点の構築や、日本郵便と楽天が保有するデータの共有化、保険、金融、物販分野での協業などが含まれています。今回の業務提携で日本郵政グループは、楽天グループに約1500億円を出資し、楽天の株式8.32%を取得します。

(Source:楽天グループと日本郵政グループ(PDF)。Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:日本郵政(企業)楽天 / Rakuten(企業)
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ゼンリンがCVC子会社ゼンリンフューチャーパートナーズ設立、25億円規模のファンドを立ち上げ予定

ゼンリンがCVC子会社ゼンリンフューチャーパートナーズ設立、25億円規模のファンドを立ち上げ予定

ゼンリンは3月11日、スタートアップ企業への投資を通じた既存事業の成長と新規事業の創出を目的に、コーポレートベンチャーキャピタル子会社「ゼンリンフューチャーパートナーズ」を設立したと発表した。今後、総額25億円のファンドを立ち上げ、スタートアップへの投資を行う。

ゼンリングループは、これまでもM&Aおよび協業・資本提携により事業領域を拡大してきた。しかし、近年の位置情報ニーズの多様化や飛躍的な技術革新に対応し、既存事業の成長と新規事業の創出を加速するには、より広範・多岐にわたる分野・業種のスタートアップ企業との協業や資本提携が有効と判断したという。迅速な意思決定や投資実行を可能とするCVC子会社として、ゼンリンフューチャーパートナーズを設立し、CVC事業に進出することとした。

今後は、CVCを通じて、ゼンリングループとの事業シナジーが認められる企業への投資を行う。また、最先端技術や独自サービスを有するスタートアップ企業に対し同グループ経営資源の提供することで、新規事業の共創を実施するなど、柔軟かつスピーディーに実行できる体制を構築する。

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国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが業務提携、NFT発行から販売まで支援

国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援

ブロックチェーンゲーム開発のdouble jump.tokyoは3月11日、CryptoGamesおよびスマートアプリと、海外を中心に話題となっている「NFT」(ノン・ファンジブル・トークン)事業において、日本でのNFT市場の形成を加速させるため、業務提携を行ったと発表した。

NFTを活用したブロックチェーンゲームの運営実績があるdouble jump.tokyoおよびCryptoGamesと、暗号資産決済サービスおよびコンテンツホルダーとのNFT販売実績のあるスマートアプリが提携することで、コンテンツホルダー・事業者・クリエイターによるNFT事業化をワンストップで支援できる体制を構築する。

支援内容

  • NFT発行・販売支援
  • 最新動向による販売手法の提案
  • 国内、海外マーケティング支援
  • ブロックチェーンゲームやその他コンテンツとのコラボレーション
  • ブロックチェーンやNFTに関するの講習会の実施

2021年3月、VtuberのNFT発行サポート「Vtuber NFT」、イラストレーター支援の「NFT Studio」を公開予定

CryptoGamesは、Ethereum(イーサリアム)や暗号資産用ウォレットなしで遊べるブロックチェーンゲーム「クリプトスペルズ」(Android版iOS版)を2019年6月25日に正式リリース。クラウドセールの売上は900ETHを突破し、当時日本最高記録となった。

また2021年3月に、VtuberのNFT発行サポートを行う「Vtuber NFT」、イラストレーターの応援を増やす「NFT Studio」のローンチを予定している。

国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援

NFTstudioは、イラストレーターが自身の作品をNFTアートとして販売を行えるサービス。ブロックチェーンの特性を利用し、二次流通売買が行われた際、売買手数料の一部がクリエイターに永続的に還元される。
国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援
国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援

2021年4月、日本初のクリプトアーティスト登録制NFTプラットフォーム「nanakusa」を開始予定

スマートアプリは、ブロックチェーンゲームブラウジング機能付きウォレットアプリ「GO! WALLET」(Android版iOS版)の開発・運営、ブロックチェーン事業者向けプラットフォームサービス「GO BASE」を展開。GO! WALLETは、EthereumのERC-20およびERC-721規格に準拠したトークン管理、・分散型ファイナンスDeFi(Decentralized Finance)の利用機能なども搭載している。

NFT関連では、2020年10月にNFT販売アプリ「NFTトレカ」をリリース。2021年4月、日本初のクリプトアーティスト登録制NFTプラットフォーム「nanakusa」をリリース予定で、現在国内外のIPホルダーやクリプトアーティストとのアライアンスを積極的に推進中という。

国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援

nanakusaは、公認コンテンツホルダーやNFT販売事業者、個人活動を行うクリプトアーティストが制作したNFTの取引(一次販売)、利用者同士が保持しているNFT取引(二次販売)が可能なNFT取引プラットフォームサービス。利用者同士の取引においても、永続的に事業者・制作者にロイヤリティが還元される仕組みを採用している。

国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援

またnanakusaでは、NFTの発行および一次販売を行える「公認クリプトアーティスト」として、デザイナーやイラストレーター、作家、音楽アーティストなど幅広いジャンルでアーティストの募集を3月15日から行う(同日、βサービスリリース予定)。

公認クリプトアーティストにはブロックチェーンの仕組みやNFTについて説明会を随時行う予定としており、ブロックチェーンの知識がなくとも申請可能としている(審査の際、過去作品の照会などを行う場合がある)。

このほかnanakusaでは、高騰するトランザクション手数料(GAS代)の解決策として、Matic Networkが提供するL2ソリューション「Polygon」(Matic)に対応しているそうだ。
国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援

「My Crypto Heroes」開発のdouble jump.tokyoが規制当局との窓口となる協会運営などを推進

2018年4月設立のdouble jump.tokyoは、ブロックチェーン技術領域でのゲーム開発専業会社としてブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」(マイクリプトヒーローズ)を開発・運営している。同ゲームは2019年8月、DappRadarにおいて、ブロックチェーンゲームとして世界No.1のユーザー数、トランザクション数を記録した。

同社は、ブロックチェーンゲーム開発支援プログラムの提供や各NFT関連事業者との横断的プロジェクト、規制当局との窓口となる協会運営などを推進。世界に先駆けてNFTのユースケースを作ってきた知見を活かし、日本IPを中心としたNFTの設計・発行・運営を支援していくとしている。

国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが提携、NFT発行から販売まで支援

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double jump.tokyoがブロックチェーンゲームのマルチチェーン対応支援サービスを発表
異なるブロックチェーンやアプリ間でNFTを相互利用するための共通仕様「Oct-Pass」を策定開始
ブロックチェーンサービスのGaudiyとマンガアプリのコミックスマートがイーサリアム基盤の電子書籍事業を推進

カテゴリー:ブロックチェーン
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Preferred NetworksがCrypkoを含む深層学習活用のデジタル素材生成システムをクリエイティブ産業向けに開発

 

Preferred Networksが深層学習活用のデジタル素材生成システムをクリエイティブ産業向けに開発

Crypkoで自動生成したキャラクターの例

Preferred Networks(プリファードネットワークス。PFN)は3月10日、クリエイティブ産業向けとして、好みのキャラクターや高精細な3Dモデルを生成できるデジタル素材生成システムを発表した。

また同システムを利用した映像作品の第1弾として、PFNは、バーチャルシンガーHACHI(RK Music所属)の楽曲「20」をフィーチャーした短編動画(企画・制作:PFN、キングレコード、ポリゴン・ピクチュアズ)を公開した。

キャラクターの自動生成を行う「Crypko」(クリプコ)

同デジタル素材自動生成システムは、キャラクターの自動生成を行うプラットフォーム「Crypko」(クリプコ)、「高精細3Dモデル生成」の2機能で構成している。

Crypkoは深層学習を利用し、制作者が定義した顔のパーツ、表情、髪の色などに合ったキャラクターのCG(立ち絵)を自動生成可能。これまでCrypkoは顔を生成対象としていたが、より高い解像度で上半身まで生成可能となった。

高精細3Dモデル生成

高精細3Dモデル生成機能では、実物のアイテムを専用3Dスキャナーに配置し撮影するだけで、高精細な3Dモデルを自動生成できる。様々な材質や大きさの被写体に対応しており、小型アイテムであれば、約6時間の撮影作業で当日中に200点以上の3Dモデル化が可能という。生成した高精細3Dモデルは市販の編集ソフトで自由に加工・複製し、映像作品やゲームなどで使用できる。

Preferred Networksが深層学習活用のデジタル素材生成システムをクリエイティブ産業向けに開発

実物の写真

 

Preferred Networksが深層学習活用のデジタル素材生成システムをクリエイティブ産業向けに開発

3Dスキャンで生成した高精細モデル

 

Preferred Networksが深層学習活用のデジタル素材生成システムをクリエイティブ産業向けに開発

回転させた3Dモデル(低解像度)

 

3Dモデルのメッシュ構造

3Dモデルのメッシュ構造

映像作品の第1弾で、主人公キャラクターやアイテム類の制作に利用

PFNが公開した短編動画では、キャラクター自動生成システムが生成したキャラクターを基に主人公のデザインを行ったほか、スマートフォンや背景の文房具などのアイテムは高精細3Dモデル生成機能を用いて実物から生成したデータを基にしているという。

また、動画に登場するギターのCG制作過程では細部の質を上げるため外部クリエイターと共同作業しており、精細なデジタル素材を作成できたとしている。

Preferred Networksが深層学習活用のデジタル素材生成システムをクリエイティブ産業向けに開発

短編動画で使われたギターと家具の3D CG

なお、同デジタル素材自動生成システムは、経済産業省の令和元年度補正予算「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業費補助金」(J-LOD)第4弾の採択事業として開発したもの。

同システムをはじめとして、PFNは今後もクリエイティブ産業向けに先端技術を活用した制作手法を提案し、新しい表現・体験の実現を目指すとしている。

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KDDIがバーチャル人間「coh」発表、5Gの超低遅延技術を活用したリアルタイムクラウドレンダリング採用

KDDIがバーチャル人間「coh」発表、5Gの超低遅延技術を活用したリアルタイムクラウドレンダリング採用

KDDIがバーチャル人間「coh」(コウ)を発表しました。同社が新設した、XRや5G技術を組み合わせた体験コンテンツを企画・制作する「au VISION STUDIO」が手掛けたもので、5Gの超低遅延技術「MEC」を活用し、クラウド上でリアルタイムで描画される点が特長となります。

「coh」は、KDDIの5Gネットワーク内に配置されたエッジサーバー上でレンダリングされるバーチャル人間です。従来のクラウドレンダリングと比較すると、描画処理を担うサーバーをよりユーザー側に近い5Gネットワーク内に配置しているため、遅延を低減したレンダリングが可能。こうした技術は「MEC」(マルチアクセス・エッジコンピューティング)と呼ばれ、超低遅延のクラウド利用を実現する5Gのコア技術の1つとなります。

限りなく人間に近いビジュアルが特長で、「coh」という名前には「人に等しい存在である」「人と機械をつなぐ共通のインターフェースである」という意味を込めています。レンダリングにはUnreal Engineを採用しています。

なお、現時点で一般ユーザーが自身のスマートフォンで対話できるわけではなく、主に企業や団体とコラボしたバーチャルモデルとして活動予定。第一弾として、日本科学未来館のAR展示「HYPER LANDSCAPE」においてARゴーグル上に出現し、AR展示の案内役を務めるほか、コスメブランド「KANEBO」とのコラボも予定します。

今後のコラボ予定は下記の通りです。

(1)日本科学未来館「HYPER LANDSCAPE (ハイパー ランドスケープ)」 実施日: 2021年3月11日から2021年3月14日

5G・VPS・スマートグラスを活用した、KDDI、日本科学未来館、KDDI総合研究所による実証イベント。スマートグラスを通してのみ現れる、デジタル世界にある「もうひとつの日本科学未来館」の中に、バーチャルヒューマン「coh」がアテンダントとして登場します。体験者がより直感的に、より分かり易く、展示空間を楽しめるようサポートします。

(2)KDDI ART GALLERY 実施日: 2021年3月26日開始

au 5Gとスマートグラスによる新しいアート鑑賞体験。「coh」はナビゲーターとして登場し、ギャラリーに展示されている美術作品の解説をおこないます。その他にも、5G技術により高精細ARで再現されたエミール・ガレの作品「風景文花瓶 (ふうけいもんかびん)」を内側から鑑賞できる特別な体験を提供します。

(3)コスメブランド「KANEBO」 実施日: 2021年4月 (予定)

「I HOPE.」を掲げ、美しさではなく、希望を発信するブランド「KANEBO」とのコラボレーション。メイクアップアーティストのイガリシノブさんがKANEBO商品で「coh」の個性を引き出し、それを高めるメイクを施し、テクニックなどを伝授する次世代美容コンテンツを「@cosme TOKYO -virtual store-」にて公開予定です。

なお、cohの開発にはKDDIのほか、バーチャル人間のベース技術を提供する「Aww」(アウ)、バーチャル人間で自然な表情・仕草でインタラクティブなコミュニケーションを可能とする「CTRL Human」を提供するQuantum Capture、レンダリングした3DCGをリアルタイムに配信するSDKを提供する「Mawari」、バーチャル人間のモデルととしてのマネジメントを行う「Geometry Ogilvy Japan」の4社が関わっています。

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(Source:KDDIEngadget日本版より転載)

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運送管理SaaS「アセンド・ロジ」開発・運営のascendが5500万円のシードラウンド調達

運送管理SaaS「アセンド・ロジ」開発・運営のascendが5500万円のシードラウンド調達

運送管理SaaS「アセンド・ロジ」の開発・運営を手がけるascend(アセンド)は3月10日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資および金融機関からの融資による5500万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、サムライインキュベート。

調達した資金は、アセンド・ロジの製品版ローンチおよびセールス拡大にあてる。アセンド・ロジは、昨今叫ばれている「物流クライシス」の構造要因となっている、デジタル化の遅れに伴う生産性の低さ、サービスのコモディティ化に伴う荷主交渉力の低下といった問題をDXにより解決するものとしている。

運送管理SaaS「アセンド・ロジ」開発・運営のascendが5500万円のシードラウンド調達

アセンド・ロジは、業務改善とデータ分析の2領域でDXを推進し、業務の効率・品質を改善およびデータ分析によって物流業界の経営改善に貢献するという。「案件・請求管理」「ダッシュボード」「経営分析レポートの発行」機能による業務のデジタル化を通じて物流データを形成し、経営の高度化を支援するとしている。従来のソリューションが業務改善領域にフォーカスをあてるのに対して、アセンド・ロジはデータを軸に物流DXを推進する。

運送管理SaaS「アセンド・ロジ」開発・運営のascendが5500万円のシードラウンド調達

また、データが欠如している物流現場の実態に即して、専門性の高いコンサルタントが現場に入り込むことで、各社の実態に合わせたDXを推進する。最終的には、ヒアリングによる定性情報も含め、実際の収益改善まで踏み込んだ分析を提供するという。

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女性限定チャット相談サービス「メンヘラせんぱい」のメンヘラテクノロジーが資金調達

女性限定チャット相談サービス「メンヘラせんぱい」のメンヘラテクノロジーが資金調達

女性限定チャット相談サービス「メンヘラせんぱい」を手がけるメンヘラテクノロジーは3月9日、第三者割当増資による資金調達を発表した。引受先はみらい創造機構。調達額は非公開としているものの、数千万円規模とみられる。

調達した資金により、メンヘラせんぱいの機能拡充を図り、より多くのユーザーが気軽に悩みを相談し「幸せに病める」体験を深めていくとともに、サービスのさらなる認知拡大を目指す。また現在、メンヘラせんぱいはウェブ版のみの提供としているが、iOS版のリリースを目指し開発を進めている。

メンヘラテクノロジーは「幸せに病める世界をつくる」を目標に、メンヘラせんぱいを開発・運営。同サービスのこれまでの相談受付件数は2200回以上、相談の受け手となる「せんぱい」の登録数は300人を超えた。

メンヘラせんぱいは、辛いときにいつでも安心して使えるというチャット相談サービス。相談の受け手の「せんぱい」は全員女性で本人確認済み。また通過率約20%の選考をクリアした人のみが担当しており、チャットで話した内容は外部に漏れないとしている。

メンヘラせんぱい概要

  • 利用対象者は女性のみのチャット相談サービス
  • 相談の受け手の「せんぱい」は全員女性・本人確認済み
  • せんぱいは専門家ではなく、カウンセリングのような専門的なアドバイスなどは行わない
  • 利用料金(せんぱいによって料金が異なる):5分コース100円〜、10分コース150円〜、30分コース300円〜(すべて税込)。また1日あたりメール1通(140文字まで)の無料相談が可能
  • 営業時間:平日午後6時〜午前3時、土日午後1時〜午前3時

同社によると、誰かに話を聞いてもらいたいとき、身の回りの家族や友達をうまく頼ることができなかったり、ネット上ではなかなか安心して話せる相手がいなかったり、気軽に安心して話を聞いてくれる相手がいないという課題があるという。

公共団体やNPOが運営する無料の相談窓口はあるものの、相談の受け手の負担が大きく受け手が非常に不足している状況にある。このような背景を踏まえ同社では、いつでもすぐに、安心して利用できるチャット相談サービスとして、メンヘラせんぱいの開発に取り組んでいる。

また安心して相談してもらうため、「せんぱい」希望者の女性には、同社に登録するまでに話の聞き方について学び、トレーニングも受けてもらっているそうだ。

2018年8月設立のメンヘラテクノロジーは、「幸せに病める世界をつくる」を夢に掲げ、サービスの開発に挑戦しているスタートアップ企業。落ち込んだり、辛くなったり、悲しかったりすることは人間にとって大事なことだと考え、「病む」ことや「メンヘラ」であることを受け入れ、幸せになれる方法を模索している。

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ソニーが試作EV「VISION-S」を3月28日に一般公開、2021年事業化予定のドローン「Airpeak」も展示

ソニーが試作EV「VISION-S」を3月28日に一般公開、2021年事業化予定のドローン「Airpeak」も展示

ソニーは、開発を進めている電気自動車「VISION-S」試作車両を国内で初めて一般公開します。

VISION-S は、ベンツやBMWなどの開発と生産を請け負うマグナ・シュタイアとソニーが共同開発したEVです。イメージング・センシング技術を搭載し、将来的にはレベル4自動運転の実装を目指しています。

ソニーによると、2020年12月にはオーストリアで公道試験を実施し、今後は他の地域でも順次走行テストを実施するそうです。

一般公開は3月28日に二子玉川ライズのイベントスペースにて行います。同スペースでは、VISION-Sだけでなく2021年に事業化を予定しているドローン「Airpeak」も一般公開します。

また、自律型エンタテインメントロボット「aibo」を展示し、ソニーが推進するAIロボティクス事業の取り組みを包括的に紹介するとしています。

展示概要

  • 名称:「EV:LIFE 2021 FUTAKO TAMAGAWA」
  • 開催日時:3月28日10:00〜19:00
  • 主催:カルチュア・エンタテインメント LEVOLANT(ル・ボラン)編集部
  • 会場:FUTAKO TAMAGAWA rise(二子玉川ライズ) イベントスペース「ガレリア」。東京都世田谷区玉川2丁目21
  • 入場形態:入場無料/雨天開催(新型コロナ感染症拡大防止策を実施)

(Source:ソニーEngadget日本版より転載)

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