米株式市場で新型コロナにより3度目のサーキットブレーカー発動

FRB(連邦準備制度理事会)は、大統領の強い要請を背景に金利をゼロ近くまで引き下げた。これは新型コロナウイルスのパンデミックによる世界経済の落ち込みを恐れる市場を安定させるための措置だった。しかし翌朝、アメリカの主要株価指数は軒並み大きく下げた。

ダウは市場の開幕と同時にこの過去2週間で3回目となるサーキットブレーカーによる取引停止に見舞われた。

  • ダウ(Dow Jones Industrial Average)は10%近く(2250ドル)ダウンし2万0935ドル
  • Nasdaqは6.12%ダウン、7392.73ドル
  • S&P 500は8.14%(220.55ドル)ダウンして2490.47

FRBの大幅な利下げは世界の市場にショックを与え、混乱を激化させた。この国際市場の値動きがさらにアメリカ市場に反映されたわけだ。 香港のハンセン指数、日本のNikkei、ロンドンのFTSE、上海のExchangeはいずれも利下げの当日に損失を被った(ロンドンはまだ取引時間内)。

3月16日の月曜日朝の売りは、3月13日金曜日にトランプ大統領が「歴史上最大の株価アップ」と宣伝に務めた回復を帳消しにした。大統領はこのとき、ホワイトハウスの中庭で演説し、COVID-19流行の拡大を防ぐために米国の諸組織がとっている施策について説明したところだった。

米国ではこの週末、各都市で緊急事態の宣言や不要不急の外出、移動自粛の要請が相次いだ。

一方、米国政府は大規模なCOVID-19検査を実施し、流行の広がりを正確につかもうとしている。 ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、全世界の感染者は約17万人、アメリカでは3800人だ(日本時間3月17日朝時点では全世界約18万人、アメリカは4281人、日本は825人)。

市場はシーソー的な乱高下を経験しており、デジタル金庫の役割を果たすはずだったbitcoinでさえ免疫を持っていないようだ。価格は1カ月前の1万ドル前後から4644.53ドルへと半減している。

いわゆるサーキットブレーカー(価格下落による取引の自動停止)が作動したのは過去数日間でこれが3回目となる。 3月9日にレベル1(15分停止)のサーキットブレーカーが発動し、3月12日に再度発動している。どちらも新型コロナウイルスの世界的流行に対する懸念の高まりに市場が反応したものだ。この間、株価は棒下げだったわけではなく、金曜には5%以上アップした。しかし消費者、旅行者に対する制限が拡大し続けたため、株価上昇はトレンドにならなかった。

レベル1のサーキットブレーカーはS&P 500が前日終値から7%のダウンすると発動し、取引を15分間停止する。 レベル2は13%のダウンで取引停止がさらに15分延長される。レベル3は20%のダウンで終日取引停止となる。これはNYSE(ニューヨーク証券取引所)をはじめ米国各地の証券取引所に適用される。

サーキットブレーカー制度は、SEC(米証券取引委員会)によって導入され、2012年から標準化されて米国の主要証券取引所のシステムの一部となっている。

サーキットブレーカーは個別株に対しても同様の基準で適用される。個別の株の一時取引停止は例が多いが、市場全体をストップさせることはまれだ。9.11のテロ攻撃の際にニューヨーク他の市場が1週間閉鎖されたのを除けば、わずか1週間で3回もサーキットブレーカーが作動したことは米国市場において前例がない。

画像:Somyot Techapuwapat / EyeEm / Getty Images

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[滑川海彦@Facebook]

株式市場は荒れ模様が続き相場は再度下げる

ウォールストリートの株式トレーダーの間では「死んだネコがジャンプする」という表現がある。これは下げ相場の途中で一時的に上げ相場が現れる現象を指すのだという。

昨日(米国時間3月10日)の上げ相場はその一例だったかもしれない。米国、欧州にも新型コロナウイルスが拡大する中、サウジアラビア、ロシアの原油増産による石油価格の下落は米国のシェールオイル産業への逆風だ。こういうファンダメンタルズ(基礎的事項)は世界の投資家のマインドを否定的な方向に傾かせている。

TechCrunchの株式記事の読者なら、最近我々が日々寄り付き値、引け値を報告していることに気づくだろう。市場の値動きが激しくなり、これが他の経済活動に大きな影響を与えるようになったためだ。これまでは株価は単にアップする一方で、株トレーダーの仕事は退屈だったろう。ところが今の値動きは活気がありすぎてクレージーだ。例えば

  • ダウ平均:マイナス712.4ドル、マイナス2.85%
  • S&P 500:マイナス76.4ドル、マイナス2.65%
  • Nasdaq: マイナス208.1ドル、 マイナス2.49%

この1日で暗号通貨さえわずかに下げた(bitcoin、そのほかの小型株とも)。SaaSとクラウドの株は2.5%ダウン、カテゴリー全体と同じ値動きだ。

CNBCの報道によれば、消費者層とデジタル産業育成に影響力のある投資銀行、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)は「株価は今後さらに15%下落し、強気市場はまもなく終了する」と述べたという。ありがたくない見通しだ。市場の空気は「どうせこれも過ぎ去る」から「ここは通さないぞ(ダメかもわからん)に変わりつつあるようだ。

要約

市場のアップダウンに一喜一憂するのには飽きたという読者も多いだろう。どういうことになっているのかだけわかればいいというのは私も同感だ。 以下は主要株価指数の最近の高値からの差と、この1年間の値動きだ。

  • ダウ平均: 高値からマイナス17.8%、この1年はマイナス2.47%(CNBC
  • S&P 500:高値からマイナス17.3%、この1年はプラス3.35%(CNBC
  • Nasdaq:高値からマイナス17.0%、 この1年はプラス10.4% (CNBC

これだけ覚えておけば最近の株の値動きについて充分に事情通になったと考えていいい。

新規上場の目録見はほとんどない。 シリコンバレーでは未公開企業を買収して上場させることを目的とするSPAC(Special Purpose Acquisition Company、特別目的買収会社)が注目を集めている程度だ。しかしベンチャー支援のスタートアップで現実に上場手続きを始めているところはない。なるほど、ProcoreAccoladeは上場申請しているが、何がどうなっているのかわからない現状では誰も動こうとはしていない。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型コロナの影響で波乱に満ちた株式市場は広い分野で記録的回復

さて株式市場はどうなっただろう?

新型コロナウイルス、COVID-19の感染者が米国で増加していることを懸念して先週の市場は全面安となった。しかし米国時間3月2日の月曜日になると、外国企業を含め米国で上場している企業の株価は回復し、記録的な利益をもたらしている。

先週、新型コロナウイルスの感染によって国際的な経済の減速に対する懸念が高まり、世界的に株価は暴落した。週末も新型コロナ関連のニュースは流れ続け、感染者、死亡者が増え続けていることが報じられた。

しかし週が明けると米国の投資家のマインドは熊(弱気)から雄牛(強気)に変わり、買いが入り始めた。記録的な下げは、記録的な上げとなった。3月2日の市場では、

  • ダウは1293ドル(約13万9605円)、5%強アップ
  • S&P 500は136ドル(約1万4684円)、4.6%アップ
  • テクノロジー系株が多いNasdaqは385ドル(約4万1564円)、4.5%アップ

市場全般の上げ潮に乗り、Twitterは8%アップで引け「もの言う株主」がトップの交代を狙っているというニュースも流れた。

ただし、すべての企業が上げ潮に乗れたわけではない。 いささか驚きだが、ベンチャーキャピタルのBessemerがまとめているSaaS企業のインデックスの上昇はわずか1.5ポイントにとどまった。つまりその前の暴落で失った価値をほとんど取り戻していない。 この傾向が続くようだと、株価が全面的に戻しているという楽観主義をいささか修正する必要が出てくるだろう。つまり上げ潮もジャンルによるのだと考えねばならない。かつて投資家は、SaaS企業は収入と利益の双方を拡大させ続けると期待して空前の高値を出現させた。

暗号通貨関係企業さえ好調で、bitcoinに続いて4%前後アップした。

Nasdaq総合指数は、この1年の高値(史上最高値)と比べるとまだ9%前後低い。 つまりまだ回復の余地があるはずだが、実際そうなるかどうかは市場のみが知っている。ただし下げ一色は終わり、上下する値動きが戻ってきたということ間違いない。

アップデート:この間の乱高下に関連してTechchCrunchでも最近紹介したRobinhoodの運命に留意する必要がある。この無料オンラン株取引アプリは取引が殺到したためにダウンした。アプリが成功したのはよいが、サービスを稼働させ続けるために苦労しているようだ。企業価値が数十億ドル(数千億円)にも達する企業にとってダウンタイムは名誉ではないだろう。

画像:Drew Angerer / Getty Images

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滑川海彦@Facebook

新型コロナウイルス感染拡大懸念でNY株価が全面安、テックやSaaSで下げ大きく

欧州やアジア、中東で拡大している新型コロナウイルス感染の影響を懸念し、米国時間2月24日の米国株式市場は大きく下げて始まった。中でもテック株の下げ幅が顕著だ。株安の原因は明らか。週末に欧州や中国以外のアジアの国での患者数が急激に増え、ウイルス拡散を抑制するという望みが打ち砕かれることにりそうだからだ。

投資家らはグローバルでの流行と経済への影響を注視していることから、感染拡大は市場を揺るがした。中国は今週後半にも主要な経済指標を発表する見込みで、その内容は芳しいものではないとエコノミストはみている。

The Guardian(ガーディアン)の報道によると、中国の習近平主席は週末にコロナウイルスは「経済と社会にかなり大きな影響をもたらした」と話した。「中国政府はすでに中国全土の事業所へのダメージを最小限にするための方策をとっている」とも述べた。

一方、欧州では国際通貨基金(IMF)専務理事のKirstalina Georgieva(クリスタリナ・ゲオルギエヴァ)氏は「振興マーケット経済がコロナウイルスによって直面するかもしれない打撃を和らげるために、IMFは対策を講じる用意ができている」と話した。「COVID-19封じ込めと経済への影響を抑制するにはグローバルの協力が不可欠で、流行が長引き広範にわたればなおさらだ」とガーディアン紙にはある。

そうした警告が米国の株式市場を揺るがした。ダウ工業株30種平均は大きく下げて始まった。2月24日朝の主要インデックスは以下のとおりだ。

  • ダウ・ジョーンズ工業指数:マイナス2.92%、または846.17ポイント
  • S&P 500:マイナス2.73% またはマイナス91.18ポイント
  • ナスダック:マイナス3.57%またはマイナス336.69ポイント

テック業界をみると、我々のお気に入りのSaaSやクラウドの指数はマイナス2.98%だ。SaaS株は2月24日のマーケットにおいて最も価値のある公開株。そのため他の株に比べて上下する幅が大きい。明らかに本日は価値を下げていて、これはこの分野にとってかなり強力なサインになっている。

株価も本日は全面安だろう。これは今年上場を考えているAsanaAirbnbなどの企業にとって、そしてSquareやHP、Box、Salesforceなど今週決算を発表する企業にとっても悪いニュースだ。マーケットが不調なときに上場したい企業はない。売り出し価格を決めるのが難しくなり、圧力がかかって新規株式公開会社が受け入れ難いバリュエーションになる。決算を発表する企業にとっては、悲観論や恐怖が渦巻くマーケットでは注目を集めることはできない。

商況だけで済む話ではない。部品調達で中国に頼っているメーカーは部品供給不足に陥ることが予想され、短期的に製品やサービスの販売に影響を及ぼすかもしれない。中国にある工場は多くの労働者が隔離されているために閉鎖されていて、それは世界経済に大きな影響を及ぼす。状況が変わればさらに大きな影響が出てくるだろうが、少なくとも今週、全体的に悪い方向へとスタートを切った。

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(翻訳:Mizoguchi

株式急落で市場に最悪のクリスマス――金利引上の噂、政府部分閉鎖など悪材料重なる

そはクリスマスイブ、取引所の冷たき床の上なりきr
あらゆる株は下落、下落、また下落
ムニューチン財務長官は銀行に電話をかけまくり
金庫に金が残っていることを希求せり

ムニューチン財務長官が慌てて鎮静化を図ろうとしているが、ひどい売り浴びせが続いている。  

というわけで敬虔な人たちが賛美歌を歌って祝う日に市場では厄介な事件が起きた。トランプ大統領はお得意のツイートで悪いのは連邦準備制度だと非難した。連邦準備制度議長には大いに言いたいことがあったに違いない。

われわれの経済に問題があるならそれは連銀だ。連中はマーケットに対する感覚がない。貿易戦争、ドルの強さ、国境の壁に反対する民主党による政府の部分閉鎖が理解できていない。連銀は腕力ばかりあっていっこうにスコアが伸びないゴルファーだ。指に感覚がないのでパットが決まらないのだ! ――ドナルド・J・トランプ! 

銀行も株屋も大慌てて電話にしがみつき、株価はさらに暴落した。経済学者のポール・クルーグマンは同じくツイートでこう批判した。

これは驚いた。ムニューチンはこのリリースを出すまで誰も心配していなかった問題をわざわざ引張り出し、パニックを作り出そうとしている。  

ムニューチン財務長官は6大銀行のCEOに自ら電話したという。これまでもホワイトハウスは連銀議長を解任すると脅すなど市場が嫌がる行動を繰り返していた。【略】

かくてダウは653ポイントも下落せり
医者は株屋に頭痛を鎮める医療用大麻を処方せり
アメリカのインデックスは最悪の12月を迎えたりr
今は昔、大恐慌の1930年以来のこと

画像:Mark Wilson / Staff / Getty Images

〔日本版〕英文記事はクリスマスにちなんで賛美歌などの伝統詩形に近い押韻4行連で終始書かれている。

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滑川海彦@Facebook Google+

HuaweiのCFO逮捕で中国株価急落、貿易摩擦のさらなる高まり懸念

Huaweiの最高財務責任者(CFO)Meng Wanzhouがバンクーバーで逮捕されたことで米国/中国間の貿易摩擦の懸念がさらに深まり、多くの中国株価が急落した。

中国本土企業で構成される香港のハンセン中国企業指数は、午後12時40分現在で2.76%下落している。中国本土では、上海と深センの市場に上場している300銘柄で構成されるCSI 300インデックスは2.1%下げている。米国株式市場は水曜日、ジョージH.Wブッシュ元米大統領を追悼するために休場だ。

株急落は、Huawei創業者でCEOのRen Zhengfeiの娘Mengが米国の対イラン貿易制裁に違反した疑いでカナダ当局に逮捕されたことを受けて起こった。米国はMengの引き渡しを要求している。

Huaweiの最大のライバルZTEの株価は、香港で昼までに6%近く急落した。Meng逮捕のニュースはまた、アジア中の株式市場で従業員所有会社であるHuaweiのサプライヤーにも影響を及ぼした。最も影響を受けているのがShennan Circuitで、記事執筆時点で深セン市場で10%近く下げている。

HuaweiとそのライバルZTEは、通信機器メーカーと中国政府の関係に疑念を抱いている米国政府のターゲットとなっていた。米国のZTEに対する制裁措置は、Huaweiが同様の運命に直面するという懸念を引き起こしていた。ZTEは2017年にイランと北朝鮮への貿易制裁に違反したと認め、米国商務省は4月、米国部品メーカーがZTEに販売するのを7年間禁止する措置を発表した。

Meng逮捕の前から、米国の関税引き上げで過去数カ月、中国の株価は低迷していた。10月、上海ベンチマーク指数は4年ぶりの低水準となった。

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(翻訳:Mizoguchi)

テクノロジー株の急落でトップ4社、1兆ドルを失う――ダウ、S&Pが大幅下げ

絶好調を誇っていたテクノロジー企業の株価の下落が止まらない。昨日(米国時間11/20)、ダウ・ジョーンズ工業株平均とS&P 500は急落し、2018年の上昇をほとんど帳消しにした。Facebook、Apple、Amazon、NetfixといういわゆるFAANの4社の時価総額は合計で1兆ドルを失っている

一般向けプロダクトやサービスを提供してきた値がさ株、FacebookAmazonAppleAlphabetNetflixの下げがダウ平均やS&P 500などのインデックスを下落させる大きな原因となっている。

この株価急落には連邦準備制度の利上げが大きく影響している。投資家はテクノロジー企業の成長性に賭けるよりもっと安定した資金の運用に目を向け始めた。同時に、多くのテクノロジー企業が上場後10年ないし20年以上経過しており、以前のような株価の急上昇は期待できないのではないかという懸念も広がっている。

加えてアメリカの経済見通し全般が必ずしもバラ色でないという背景がある。戸建て住宅統計はいつも景気の先行指標となってきたが、これも下落傾向が続いている。逆に集合住宅の動向は上向きだ。

こうした状況はスタートアップにとってもベンチャー投資家にとっても理想的とはいえない。

事実、2019年に予定されていた株式上場にも影響が出始めている。来年は後期の大型スタートアップが株式市場に次々にデビューするビッグイヤーになると期待されていた。これらの上場は投資家に再投資の資金をもたらし、過去10年同様、今後も巨額の資金がハイテク・スタートアップに流れ込むという主張の裏付けになると考えられていた。

だが、現在の市況からするとそうなる可能性が高いが、株式上場のチャンスがなくなれば、投資家はスタートアップに対して小切手を書くことをためらうようになるだろう。

つまり多くのスタートアップが現在のような高いバーンレート(資本消費率)を維持できなくなる。また上場企業についても株価下落は資金調達コストの上昇を意味するので企業買収や新規事業などに対する大型投資を冷え込ませることになりそうだ。この面でもスタートアップのエグジット(現金化)の道が狭くなる。

全体としてテクノロジー業界は不安定な状況に置かれることになった。しばらく続いてきたテクノロジー・ブームも一区切りつけることになるかもしれない。

画像:Michael Nagle/Bloomberg (opens in a new window) / Getty Images

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滑川海彦@Facebook Google+

利上げと貿易戦争の激化への懸念でテクノロジー企業の株価が急落、グローバルなサプライチェーンにも影響が波及

テクノロジー企業の株は、今日(米国時間11/19)の取引でめった打ちにされた。アメリカと中国の貿易戦争が激化し、金利が上がるとの予想から、不安に駆られた投資家たちが売りに転じたためだ。

多くの大手テクノロジー企業の株式が取引されるナスダック総合指数は、219.4ポイント(3%)下げて7,028.48になり、一方ダウ平均は395.8ポイント(1.6%)下げの25,017.44になった。

Facebook, Alphabet(Googleの親会社), Apple, Netflix, そしてAmazonはすべて弱気市場に落ち込み、株価は軒並み20%以上落ち込んだ。CNBCの分かりやすいグラフ(下図)を見ると、そのことがよく分かる。

テクノロジー株の苦境は、貿易戦争だけが原因ではない。Facebookの株は、アメリカの選挙へのロシアの妨害に対する、同社のまずい対応を詳細に報じたThe New York Timesの爆弾記事に叩かれた。投資家たちは、コンテンツ管理の今後の費用増大により同社の利益が縮小することを懸念したらしい。

Appleの株価は、iPhoneの売上が同社が予測したほど明るくないとの報道で下げたが、ホリデーシーズンには盛り返すだろう。しかしThe Wall Street Journalによると、将来の売上の不確実性によりAppleは、iPhoneのすべての新機種の目標値を切り下げたという。

同紙によると、最近の数週間でAppleは、9月に発表した新機種すべての生産発注量を減らし、それの影響がサプライチェーン全域に波及した。たとえばiPhone XRは、当初の7000万台から1/3切られ、サプライヤーへの発注もそのぶん減らされた。

サプライチェーン全域への波及効果により、サプライヤーとコンペティターもその多くが株価を下げた。

しかしアメリカ政府による中国との貿易戦争の拡大は、Appleに限らずテクノロジー産業全体の不安要素であり、高関税がサプライチェーンに及ぼす影響と価格の高騰が懸念されている。

MarketWatchによると、大手経営コンサルタント企業Independent Advisor Alliance(IAA)の投資担当最高責任者(CIO)Chris Zaccarelliの説では、貿易戦争の圧力に金利の問題と成長のグローバルな鈍化が加わって、テクノロジー株を下げている。

Zaccarelliは曰く: “テクノロジー業界は今後も、金利の上昇、グローバルな経済成長への不安、そして貿易をめぐる中国との緊張関係という三重の十字砲火にさらされ続けるだろう。中国との貿易戦争の懸念は大手テクノロジー企業が依存しているグローバルなサプライチェーンに対する重荷になり、さらに経済成長のグローバルな鈍化により、将来の収益も低くなる、との不安が広まっている”。

画像クレジット: Hiroshi Watanabe

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Spotify、10億ドルの自社株買い計画を発表――決算発表後の株価下落に対処

四半期決算発表後の株価下落に対処すべくSpotifyは今日(米国時間11/5)、最大10億ドルに上る自社株買い戻しの計画を発表した。1000万株の自社株買いは取締役会および株主総会で承認ずみだ。Spotifyによればこのプログラムは2021年の4月21日に失効するという。

Spotifyの決定は、決算報告で音楽ストリーミング事業が順調に成長を続けていることを発表したものの、市場の反応が思わしくなかったことを受けたものだ。投資家は同社が長期的投資の対象となるまで十分長く成長を維持し続けられるかどうかに疑念を抱いたとみられる。

またこの10月、多くのテクノロジー企業の株価が2008年の経済危機以来となる大幅な下げにみまわれたことも影響している。

前四半期についてSpotifyはIn 収入は対前年比31%アップし赤字幅は半減したなど好調な営業成績を発表した。月間アクティブ・ユーザー数は1億9100万人となり、これは対前年比で28%のアップだった。

しかし音楽ストリーミング事業には有力なライバルが存在する。特にアメリカ市場ではApple Musicや出遅れ気味だったものの3位に迫るAmazon Musicとの激しい競争に直面している。Amazonは膨大なプライム会員をユーザーベースにしている強みがあり成長は著しい。衛星ラジオ放送のSirius XMが音楽ストリーミングの Pandoraを買収したことも見逃せない要素だ。

Spotifyのユーザーベースの大半は無料会員で、1億900万人がこの広告が表示されるフリーミアムモデルを利用している。アルゴリズムによって自動的に広告を出稿できるプラットフォームはまだアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアという英語圏でしか利用できない。このプラットフォームはこの数ヶ月以内に他の地域に拡大が予定されており、広告収入の成長が期待される。

Spotifyは声明で「今回の株式買い戻しは長期的成長を最優先させるわが社の資本配分戦略に従って実施される。またわが社が適当と認めれば期限を待たず随時停止ないし終了することとなる」と述べている。

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滑川海彦@Facebook Google+

速報:イーロン・マスク、Tesla会長を辞任――SECと和解、CEOには留まる

TeslaのCEO、Elon Muskは2000万ドルの制裁金支払いと同社取締役会会長からの辞任という条件でSEC(連邦証券取引委員会)と和解した。マスクはTeslaのCEOには留まる。

Muskは土曜日から45日以内にTeslaの取締役会から退くことになる。 SECはマスクを連邦証券取引法違反容疑でマンハッタンのニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に提訴していた。土曜日に地裁に提出された和解の条件には、マスクが向こう3年間会長職に就任ないし就任の試みを行わないこと、この間、独立の人物が選定され会長職に任命されることが含まれる。

SECによれば、これと別個にTesla社も2000万ドルの制裁金を支払う。この和解にはMuskがSECの告訴内容に関して認否を明らかにしないことが含まれる。

またTeslaは独立の取締役2名を新たに任命し、新しい取締役を含む独立委員会がマスクによるコミュニケーションを監督することになるという。.

SECの法執行部門の共同ディレクター、Steven Peikinは声明で「この(和解)条項は、株式市場を混乱させTeslaの株主にさらなる損害を与えることを防止することを意図したものだ」と述べている。

和解条件はTeslaの企業統治に新しい時代を開くものだ。株主の間にはTeslaはマスクとマスクに親しい取締役によって支配され過ぎているという不満が出ていた。

SECが木曜日に連邦地裁に提訴した内容は、マスクが8月7日にTeslaの非公開化に関して1株あたり420ドルで買い戻すための「資金は確保された」というツイートについて詐欺の疑いがあるとするものだった。SECはツイートの1週間後にTeslaに召喚状を送付して捜査を開始していたという。捜査は提訴などの処分が決定されるまえに長期間続くことがある。

SECは連邦地裁への提訴の中で、 マスクは詐欺行為を禁止した連邦証券法規に違反した疑いがあるとして、制裁金の支払いと上場企業に取締役、経営陣として加わることを禁ずることを命ずるよう求めていた。

マスクは詐欺容疑に対してまったく不当な提訴であり、「深く悲しむと同時に失望」を感じると述べていた。Tesla社および同社取締役会はその後マスクを擁護する共同声明を発表した。

SECの提訴にはマスクの行動に関する驚くべき詳細が含まれていた。マスクが8月2日に早くも非公開化に関して取締役、最高財務責任者、最高法務責任者に秘密に「Teslaの非公開化のために1株あたり420ドルを提示する」.という内容のメールを送っていたという(和解条件全文を下にエンベッドした)。

画像:Joshua Lott / Getty Images

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Tesla株、10%下落――SEC、イーロン・マスクを詐欺容疑で告訴

SECがイーロン・マスクを詐欺容疑で訴えているというCNBCの木曜の報道を受けて、時間外取引のTeslaの株価が10%近く下落している。

マンハッタン連邦地裁の訴訟一覧表によればSECはマスクに対して訴えを起こしている。Tesla社の非公開化に関連して1株420ドルで買い取るための「資金は確保した」と述べた8月7日のマスクのツイートが虚偽だったとSECは主張している。

われわれはTeslaにコメントを求めたがまだ回答がない。コメントないし新たな情報が入りしだいアップデートしたい。

8月にマスクはTeslaの非公開化を検討しており、その資金の手当もできているとTwitterに投稿していた。このツイートをTeslaの取締役会や多くの株主は歓迎しなかった。数週間後、Teslaはブログ記事を公開し、Teslaは公開企業として留まると述べた。

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Airbnb、ホストに株式付与を計画――SECに規則701改正のパブコメ提出

評価額310億ドルの巨大企業、Airbnbは宿泊施設を提供している契約ホストに会社のビジネスに参加する道を開こうとしている。Axiosの報道によれば、AirbnbはSEC(証券取引委員会)に株式の所有に関する規則の変更を求める要望書を提出した。

Airbnbが変更を求めているのは、SECが企業の株式保有に関する条件を定めた規則701だ。Airbnbでは共有経済に対応する新たな株式保有者の分類を設ける必要があるとしている。Uberは同様の措置を求めてSECと会談しているが、Airbnbの場合は要望を文書として明確化して提出した点が異なる。こちらから全文が読める(Axiosが発見した)。要望書には次のように書かれている。

共有経済市場におけるAirbnbの成功はホストの成功にかかっている。 われわれは ホストその他 早い段階から非公開企業の共有経済に参加している関係者がその企業の株式を得られるよう規則を改正することは共有経済における企業と参加者に成功へのインセンティブをもたらし、双方の利益になるものと信じる。 

Airbnbは早ければ来年にも株式を上場するもの.と見られている。

ホストやUberやLyftのドライバーに対する株式付与の仕組みの詳細はまだ明らかでないが、実現のためにはSEC規則の改正が必要だ。現在のSECの規則では非公開企業の株主が2000人を超えるか、非適格投資家株主が500人を超える場合、所有の登録や審査などの手続きが必要となる。

2008年の創立以来急拡大を続けてきたAirbnbは現在500万件以上の宿泊先をリストするようになっている。SECの株式保有に関する規則が同社にとって大きな障害となっていることははっきりしている。ただ規則が改正されたとしも、ホストのうちどれくらいの部分が株式を得られるようになるかはまだ分からない。またSECの規則に抵触するような人数の契約者に対して株式による報酬を与えようと考える共有経済のスタートアップがどれほどあるのかも不明だ。

いま一つの問題はAirbinbのビジネスの国際化が進んでいる点。Airbnbの宿泊先の大部分はアメリカ国外に所在している。Airbnbでは世界190カ国の8万1000都市でビジネスを展開していると主張している。このような状態の場合、ホストがアメリカ企業の株式を受け取ることからは複雑な問題が生じる可能性がある。

そうであっても、Airbnbが同社の成功にホストの役割が決定的であると公式に文書で認めたことは積極的な方向への一歩だ。共有経済企業がこのような形で参加者との関係をポジティブな文脈で論じるのは珍しい。

現在メディアで取り上げられる議論はほとんどが共有経済の運営企業と参加者との対立だ。たとえばUberの場合が典型だが、契約ドライバーは社員ではないという連邦地裁の決定が出ている。これにより、契約ドライバーは公正労働基準法を受けないとされた。

共有経済の参加者は柔軟な働き方ができる一方で、同様の仕事をしている常勤社員が受けるような、有給休暇、超過勤務手当、健康保険など、各種の福利厚生から取り残されるという問題を生じている。こうした問題をカバーしようとするスタートアップも多数生れていいる。しかし多くの場合、福利厚生のコストは労働者が負担することになる。共有経済に参加する労働者は当初から経済的に余裕がない場合が多く、問題を複雑化させている。

〔日本版〕SECは規則701の改正を検討しており、これに関してパブリックコメントを求めていた。Airbnbの文書はこれに応えたもの。連邦証券法によれば未公開企業の株式の売買、保有には各種の制限が課せられるが、SEC規則701はその例外を定めている。未公開企業がストックオプションなどにより報酬の一部として社員に株式を付与する場合はこの条項によっている。Airbnbは契約ホストのような共有経済参加者にも適用されるよう規則の改正を求めている。

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滑川海彦@Facebook Google+

Amazon、Appleに続いて時価総額1兆ドル達成

eコマースの巨人、Amazonが(短時間だが)1兆ドルクラブに入った。

今朝(米国時間9/4)の時間内取引でAmazonは時価総額1兆ドルというハードルを超えた。 株価は過去最高の2050.27ドルを記録した。これにより、それ自体にはさしたる意味はないとはいえ、驚くべきマイルストーンを達成した。

株価はランダムに動いているので、この記事の執筆時点の時価総額は1兆ドルに数百万ドル足りない。しかし1兆ドルを超えた水準で安定するのは時間の問題だろう。

Amazonは1994年に創立された。24年前の目標はBordersやBarnes and Nobleといった現実書店に追いつき、追い越すことだったが、当時はこれさえ高望みだろうと思われていた。しかしその後、巨大なロジスティクス・システムを建設し、eコマースをありとあらゆる分野に拡大することに成功した。消費者の行動がモバイルにシフトしたことも追い風となり、Amazonは小売業のルールを根本的に書き換えることとなった。

Appleが同じマイルストーンを達成してからわずか4週間でAmazonが追いついたことの意味は大きい。

この2大テクノロジー企業はなるほど時価総額こそ同規模だが、内容は非常に異なっている。 Appleは好みが刻々と変わる消費者に人気あるハードウェアを供給すること、またそれに関連したビジネスに依存している。これに対しAmazonはアメリカの資本主義経済のインフラそのものにがっちりと食い込んでいる。数十億のアイテムを全世界に売っているし、AWSプラットフォームの収益力も大きい。

Appleのこの1年の成長は40%という驚くべき数字だったが、Amazonの成長ぶりはまさに宇宙ロケットだ。火曜日現在、対前年比の時価総額の伸びは110%近くとなっている。

ファウンダー、CEOのジェフ・ベゾスの資産価値は1660億ドル以上と推定されている。この額は2位のビル・ゲイツの700億ドルを2倍以上上回る。ベゾスはますます快調なようだ。

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滑川海彦@Facebook
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Elon Musk: 金曜夜の土壇場でTeslaの非上場化を断念、株主は神様です

金曜日(米国時間7/24)の夜、CEOのElon Muskが、Teslaは上場企業であり続ける、と言った。彼がTwitterで、その電気自動車メーカーを一株420ドルで非上場にする、と発表してからまだ3週間も経っていない。

Muskの今度の発表は、Teslaのブログで行われた。それによると、株主たちと話し合い、会社を非上場にするための手順を調べた結果彼は、Teslaが上場企業であり続ける方が良い、と思うようになった。Muskは木曜日にTeslaの取締役会に彼の決定を伝え、了解を得た、という。

以下は、そのブログ記事の抜粋だ:

私がもらったフィードバックによると明らかに、Teslaの既存の株主たちの多くが、上場企業であり続ける方が良いと信じている。さらに、多くの機関株主たちの説明では、その内部的コンプライアンスの問題として、非上場企業への投資額には制限があるという。また、多くの一般投資家にとっては、非上場になった株を保有し続けるにあたっての、正しいやり方が分からない。私が話をした株主たちの過半数が、非上場になってもTeslaの株主として残る、と言ったが、要するにその本意は、“どうかそれをしないでくれ”だった。

非上場にする過程が困難であることは知っていたが、しかし明らかにそれは、最初に想定したよりも時間がかかり、本業への専念を困難にするだろう。今はModel 3に集中して利益を上げうる製品に育てなければならない時期だけに、それは問題である。そしてそのための持続可能な資金が得られなければ、持続可能なエネルギー〔ソーラー事業〕を前進させるミッションを達成できないだろう。

とは言うものの、Teslaには非上場にしてもよいほどの、あまりあるほどの資金がある、という私の信念は、今回の経緯でより強化された。

金曜日の夜のこの発表は、Muskのツイートに始まった17日間の騒動に終止符を打った。彼はそのツイートで、Teslaは資金が十分にあるので非上場化を検討している、と言った。そのツイートは、Teslaの取締役会や多くの株主に歓迎されなかったばかりでなく、アメリカの証券取引委員会の調査を誘発した

〔金曜日(アメリカ)深夜Muskの最新ツイート:
“In talking to our public investors, most were supportive of optimizing for long-term value creation over quarterly earnings. This was also a factor in remaining public.”…投資家たちが四半期の業績よりも長期的な実績を重視すると言ったので上場を継続することにした。〕

この17日間の経過は終わっても、Muskの行動(たとえばドラッグ問題)と同社の将来に関する疑問は依然として残っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Tesla、時価総額で今週80億ドルを失う――責任は取締役会にもある

Teslaの株主は過去5日間に株価が16%も下落するのを眺める羽目に陥った。セレブCEO、イーロン・マスクの奇妙な行動が広く知られるようになるのにつれてTeslaの時価総額から80億ドル近くが消えた。

しかしTesla株の暴落に関して責任があるのはマスクだけではない。Teslaの株価をさらに下落させたニューヨーク・タイムズのマスクのインタビュー記事にあるように、取締役会の責任も明らかだ

ここ数ヶ月、マスクは緊張による疲労(控えめに表現して)の兆候を示していた。特にマスクが創立した電気自動車会社の今後の針路に関する決断が当を得ていないと強い批判を浴びた。

この時点で、BloombergのShira Ovideのツイートが指摘しているように、Teslaの取締役会(ほぼマスクの友人、親類、初期投資家で占められている)はマスクの決定を押し留めたり修正したりする努力をなんら払わなかった。

Teslaの取締役の一部はマスクが過労ぎみでAmbien(睡眠導入剤)を服用していることに懸念を抱いていたという。それならこう言いたい:取締役は仕事をしろ。 

内輪の席であるいはオフレコで取締役の一部はマスクの最近の言動(薬物の使用やツイート)を心配していた。

取締役にこうした懸念があったなら、取締役会で正式に問題にすべきだった。マスクの公の言動が手に負えないものになる前に取締役会は与えられた権限に基づいて防止のための措置を取る義務があった。

四半期決算の惨憺たる電話記者会見の前後に奇妙な出来事が続いたい。 マスクはテロリストに狙われているとして警察の助けを求めたが誇大な主張だったと判明した。この主張はTeslaの内部告発者、Martin Tripに対するものだった。さらにマスクはタイの洞窟に閉じ込められた少年サッカーチームの救出に成功した洞窟ダイビングの専門家に対してペド野郎という根拠のない罵倒をツイートしている。

こうした事件ではTeslaの取締役会はマスクに対して説明を求め、こうした行動の結果、会社に何十億ドルもの損害を与えるならその責任を取るようはっきり要求すべきだった。 しかし取締役会は無為に過ごし、Teslaを巡る状況ははるかに危険なものとなっている。

SEC(証券取引委員会)はTeslaを非公開化するというツイートがなんらかの事実に基づくものだったのかどうか調査を開始している。

この時期、マスクはModel 3の量産をスケジュールに合わせるというさらに過酷なストレスを抱えていた(量産はスケジュールどおり達成された)。

マスクという個人のカルト的アイデンティティーがTeslaという会社の性格と分かちがたく結びついている点に問題の根本がある。マスクが行くところへTeslaも行く。これはビジネスを運営する正しい方法ではない。公開企業であろうと非公開企業であろうと、株主に会社の価値を長期にわたって保証する方法でもない。

Teslaの取締役会は会社の運営にあたってもっと積極的な役割を果たさねばならない時期に来ている。間違った決定が続くようなら取締役会の次の議題は会社の精算ということになりかねない。

画像:Joshua Lott / Getty Images

〔日本版〕Ambienはゾルピデムを主成分とする睡眠導入剤で、日本でも処方されている

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滑川海彦@Facebook Google+

イーロン・マスク、Tesla非公開化の資金はサウジの政府系ファンドと発表

昨日の記事で、Teslaの非公開化にあたってイーロン・マスクがサウジの政府系ファンドの資金を使える可能性は十分あると私は推測した。今日(米国時間8/13)、マスクは声明を発表し、Teslaの非公開化に関してサウジアラビアの政府系ファンド、PIF(Public Investment Fund)と2年近く前から話し合いを続けてきたと明らかにした。

実際、提案してきたのはサウジ側だったようだ。マスクは「Teslaの非公開化に関して(PIFから)複数回の接触があった」と述べている。

マスクによれば、Teslaに関してサウジのPIFと最初に会談したのは2017年初頭で、PIFが「脱石油を図る必要を感じた」ことがその原因だったという。その後1年でさらに数回の会談を重ねた。「サウジの政府系ファンドは(Teslaの非公開化に必要な)資金を十分持っている」とマスクは述べている。前回の記事で指摘したとおり、PIFの資金は2兆ドルに近づいている。

PIFが株式市場でTesla株の5%を買ったとき、PIFはマスクとさらに話し合いを求めてきた。マスクによれば、この会談は今年の7月31日に行われ、マスクは「もっと早くPIFと協力して非公開化に取り組むべきだった」と述べたという。このときPIFの責任者はTeslaの非公開化にあたって「資金協力の意思を強く表明した」ということだ。

マスクは「サウジ政府系ファンドの協力が疑いなく得られることとなり、あとは実行あるのみとなった」と述べた。マスクが8月7日のツイートで「資金は確保してある」と書いたのはこれを指していたという。

マスクによれば「(PIFとの)契約はほぼ完了しており、ロジスティクスを含めた若干の詳細を詰めるだけだ」という。

もちろんこの声明は多少割引して聞く必要がある。 SEC(証券取引委員会)はTeslaの非公開化に関するツイートについてマスクに質問をしたみられている。質問は必ずしも正式な調査の開始を意味しないが、万一、非公開化の意図をツイートで公開したことがなんらかの違反に問われることになれば、数億ドルの罰金から刑事訴追までの可能性が考えらえる。

この声明を「面子を保つための虚勢だ」とする声も一部にありそうだが、そうではないだろうと思っている。私自身、この地域のビジネス文化には直接の経験があるが、それからしてもPIFがTeslaの非公開化にあたってマスクと協力していくことは間違いはずだ。【マスクの声明は原文参照】

画像:Chris Saucedo/Getty Images for SXSW / Getty Images

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Facebook、時価総額1230億ドルを一夜で失う――市場は四半期決算に失望

一晩での時価総額のダウンとしては史上最大だったかもしれない。今日(米国時間7/26)、Facebookの終値は174.89ドルだった。これは昨日の終値、217.50ドルから19.6%のダウンだ(NASDAQ:FB)。

昨日、Facebookの株式時価総額は6296億ドルだった。今日は5062億ドルだ。つまりFacebookは一晩で時価総額を1234億ドルを失ったことになる。

この暴落はデータの不適正使用や大統領選疑惑などのスキャンダルから来たものではない。 Facebookの四半期決算が不満足なものだったからだ。今季、初めてFacebookの成長が停滞した。

 

Facebookを毎日訪問する人々の数は前四半期と比較してわずかして増えていない。さらに問題はFacebookのユーザーベースがヨーロッパで減少したことだ。Facebookは全体として成長しているが、EUのGDPR(一般データ保護規則)の施行とマーケットの飽和は明らかに同社に対する逆風となっている。

そうした理由から、Facebookは四半期決算発表の形式を初めて変えた。同社は新しい指標として「全社的アプリユーザー数」を発表した。これはFacebook本体だけでなく、Instagram、Messenger、WhatsAppのアプリのどれかを使ったことがあるユーザー数は50億人となっている。

FacebookがInstagramやSnapchatなど短時間で消滅するストーリーに会社の未来があると考えていることは明らかだが、成否が判明するには時間がかかる。現在のところは大きな疑問符だ。InstagramなどのアプリがFacebook本体と同様の収益性を得られかどうかは今後に待つ必要がある。

消えた時価総額を比較する

123,400,000,000ドル、といわれても額が大きすぎて理解しにくい。Facebookのような巨大企業に関連する金額を把握するのは難事だ。TechCrunchのJon
Russell記者が指摘しているとおり、bitcoinの 時価総額は現在1410億ドルだ。つまり一夜にしてbitcoinsが地上から消滅してしまったような額だ。

Facebook株がbitcoin以上に乱高下するなどとは誰も思っていなかっただろう。

Bitcoinよりもっと安定した巨大テクノロジー企業の株価と比べてもこれは巨額の損失だと分かる。たとえばNetflixの時価総額は1580億ドルに過ぎない。Twitterの価値はわずか330億ドルだ。Facebookは一晩でTwitterの4社分の損失を被ったことになる。Snapとなると170億ドルの時価総額しかない。

Facebookはビジネスモデルを変更中

現在のところメディアの興味はFacebookの損失額に集まっている。もちろん同社は驚くべき額を失った。しかし本当に重要ななのはFacebookのビジネスモデルであり、同社がそれをどう変えようとしているかを理解することだろう。

Facebookはこれまで大成功を収めてきた。ハーバード大学の寮の一室からスタートした無名の会社がわずかな期間で世界的企業の一つに成長したという信じられないようなサクセスストーリーだ。しかしFacebookのビジネスモデルは大きな危険性をはらんでいた。企業に高額な広告を販売するためには何千人もの社員がユーザーデータをますます精密に測定しなければならなかった。販売チームが企業にFacebook広告を高価に売りつけることができるのはターゲティングが完璧だったからだ。

こうしたビジネスモデルであれば、広告の価値を最大化するためにはユーザーがFacebookで過ごす時間を最大化しなければならず、そのためにもっとも効果的なのは中毒性が高いプロダクトを次々に生み出していくことだ。ユーザーがFacebookで過ごす時間が長いほど広告を見る回数も多くなるわけだ。

Facebookがいわゆるエンゲージメントの最大化に熱中するのはそうした理由だ。われわれが「いいね」や「うけるね」や「悲しいね」などの反応をすればするほどFacebookの収入はアップする。

今年はFacebookにとって一つの転機となる可能性がある。振り返ってみれば、今回の事件はFaqcebookの成長の歴史の屈曲点を示すことになるかもしれない。ともあれ、Facebookがそのビジネスモデルに潜む構造的課題にどういう回答を用意しているのかはまだ不明だ。

画像:Saul Loeb / AFP / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Xiaomiが正式に香港市場にIPO申請、公開価格は推定100億ドルか

かねてより噂のあったXiaomiのIPO(株式公開)だが、この中国の巨大スマホメーカーはようやく正式に香港証券取引所にIPOを申請した

申請書類のドラフト初版には上場に伴う財務諸表といった詳細は記載していないものの、地元メディアSouth China Morning Postは「設立8年のこの会社は公開価格100億ドル、時価総額にして1000億ドルを狙っている」と報じている。これは、今年最大のIPOとなるばかりでなく、アリババが2014年にニューヨーク証券取引所に上場した時以来の規模となる。時価総額に基づくと、Xiaomiは上場により中国で3番目に大きなテック企業となる。

Xiaomiは同業他社と異なり、少ない利ざやでスマートフォンやスマートデバイスを販売し、その代わりサービスや利用料などで利益を出している。スマホ販売にとどまらず、自ら小売やオンライン支払い、ストリーミングなどの事業を展開している。CEOのLei Jun氏が言うところの「トライアスロン」戦略では、ハードウェア部門で5%という最大の純利益を達成して以来、さらに成長するためにサービス部門に最も注力している。

Xiaomiは上場申請書類に、中国では1億9000万人超がXiaomi独自開発のMIUIバージョンAndroid携帯を使用している、としたためている。これは、MIUIデバイスが何台出回ってしるのかを知る良い洞察だ。一方で、Xiaomiはこれまでスマートウォッチやフィットネス用バンド、スマート体重計など接続デバイスを1億台以上販売している。Xiaomiは、同社のユーザーが1日に4.5時間スマホを利用し、顧客140万人が5台以上の接続デバイスを使用している、と述べている。

分析会社IDCによると、Xiaomiはスマホ出荷台数で見ると世界第4位で、販売台数がこのところ低迷している中国マーケットで健闘している数少ない企業の一つだ。

Xiaomiの財政状況はまったく驚くべきものだ。

2017年には1146億人民元(約180億ドル)の売上を記録した。2016年の684億人民元、2015年の668億人民元から大幅なアップだ。

一方でXiaomiは2017年に投資家への優先株式発行(540億人民元)で439億人民元(約69億ドル)の損失を計上したが、成長路線はゆるぎない。営業利益は122億人民元(19億2000万ドル)と、前年の3倍超となっている。

売り上げの70%がスマホで、20%超がスマートデバイス、残りがサービス関連となっている。

中国というと、多くの人が収入を上げるマーケットととらえている向きがあるが、Xiaomiは中国マーケット頼りではなくなってきつつある。2017年の売上では中国マーケットが72%を占めたが、2015年は94%、2016年は87%だった。Xiaomiにとって、いま中国以外で最も成功しているマーケットはなんといってもインドだ。シェアでいえば、Xiaomiはインドでナンバーワン、他のエリアではまだ不安定な状況だ。

興味深いことに、Xiaomiはこれまで米国スマホ市場への進出について言及したことがない。しかしながら、IPOで得る資金の30%は東南アジや欧州、ロシア、そして“その他地域”での市場開拓にあてるとしている。近年、Xiaomiは世界74カ国で販売していて、そこにはアクセサリーなどスマホ関連商品を販売している米国も含まれている。

IPOで調達する資金の別の30%は研究開発や製品開発にあて、またさらに別の30%はモノのインターネットやスマート製品エコシステムに、そして残り10%は運転資金にあてる。

Xiaomiは、同社の主要投資家がどれくらいの割合で株式を保有しているのか正確な数字は明らかにしていないが、CEOのLei Jun氏が最大の株式保有者の一人だとされている。Jun氏が同社株式の75%超を保有しているとのレポートもあり、今回のIPOによりJun氏は中国で最も裕福な中国人の一人となりそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

Spotify、上場初日は時価総額265億ドルで引ける――高値からは10%ダウン

今日(米国時間4/33)、音楽ストリーミングの有力企業、Spotifyは直接上場(direct listing)を実施した。Spotifyが株式公開にあたってこの方法を取ることは以前から予告されていた。

上場初日の取引では、株価は165.90ドルを付けた後、149.01ドルで引けた。つまり公開時点の株価から10%のダウンということになる。今日の株式市場は軟調だったが、終値による時価総額は265億ドルとなり、数ヶ月前の資金調達ラウンドでの会社評価額を上回った。

上場当初の「参考価格」は132ドルで、これによる時価総額は235億ドルだった。証券会社を介さず新規に株式を発行しない直接上場であるため、伝統的な上場のような売出価格は設けられていない。

Sotifyは首尾よく目標とする時価総額を達成して上場は成功したわけだが、ウォールストリートの一部では「そもそも新株を発行せず、資金調達を行わないなら、なぜ上場する必要があったのか?」といぶかる声が聞かれる。

直接上場を選んだ理由はSpotifyが金融機関に手数料を払いたくないからだという噂は以前から流れているが、根拠がない。実はSpotifyは上場までずっとMorgan Stanley、Goldman Sachs、Allen & Coをリード投資家としている。

Spotifyが投資銀行を関与させなかったなどということはない。ただし直接上場方式を取ることで、従来方式による上場で通例である株式のロックアップの解除期日という厄介な問題を避けることができたのは事実だ。既存投資家や社員は通例、上場後6ヶ月間は持ち株を売ることができない。市場はこの期日に大量の売りが出ることを予期するためロックアップ終了が近づくと株価に対する引き下げ圧力となる。

では直接上場は今後の上場の前例となるだろうか?

Goodwater Capitalのファウンダー、マネージング・ディレクターのChi-Hua Chienは「ダイレクト・リスティングによる上場は興味深い。投資銀行が新株を一括して引き受ける上場の場合、業績と無関係な差益狙いの値動きや株式を売却できないロックアップ期間などが生じる。直接上場ではこうした問題が起きないので、今後の上場の前例になる可能性がある」と述べた。ChienはベンチャーキャピタルのKleiner Perkinsに在籍していた当時、Spotifyに投資を決めている。Chienはまた「株価はできるかぎり会社の実績を評価したものとなるべきだ。その意味で株式公開を考えている企業にとってSpotifyの上場方式は参考になるだろう」と述べた。

今回の上場では、単に方式が異なっただけでなく、お祭り騒ぎが一切なかったことも注目される。恒例の取引開始のベルを鳴らすセレモニーもなかったし、歓声を上げるSpotify社員の姿もなかった。

ところで上場されたニューヨーク証券取引所の表には上場を祝ってSpotifyのロゴの横断幕とスイス国旗が掲げられた―Spotifyはスウェーデン企業なのだが。

画像:BRYAN R. SMITH/AFP / Getty Images

〔日本版〕原文ではChi-Hua Chenと表記しているが、LinkedInの本人ページの表記、Chi-Hua Chienを採用した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonが市場価値でAlphabetを抜く、Appleのダントツは揺るがず

Amazonは現在、マーケットの現在価値ではAppleにつぎ世界で二番目に大きい企業である。同社の時価総額は7632.7億ドル(NASDAQ:AMZN)、対してAlphabet(NASDAQ:GOOG)は7629.8億ドル“しか”ない。

Amazonは、前四半期(1710-12)がすごかった。株価は1月の初め以降29%も上がった。対してAlphabetの株価は高下した。

今日(米国時間3/20)だけを見ると、Amazonは2%上がり、Alphabetはフラットだ。今日の最終結果はまだ分からないが、たぶん逆転はないだろう。

現在、Amazonよりも時価総額が大きい唯一の企業はAppleだ。Appleの市場現在価値は8920億ドルだから、差は相当大きい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa