Instagramは検索タブからユーザーにパーソナライズした動画を届ける機能を追加

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Instagramは、Snapchat Discoverに「Picked For You(あなたのための選りすぐり動画)」で対抗する。本日Instagramはユーザーが気に入っているトピックの最高の動画を見る新たな機能をローンチした。

「Picked for You」は検索タブにある。ここでは毎日、Instagramがそのユーザーが関心を持っているトピックの動画を20以上のチャンネルから選んで表示する。それらのチャンネルはスポーツ、ファッション、テクノロジーといったありきたりな分類ではない。Instaramは例えば、クッキー、特殊メイク、ソフトボール選手といった細い分類のチャンネルをローンチする。

Instagramのこの機能追加は、ユーザーのこれまでの視聴、ライク、コメントした動画の種類をもとに、ユーザーが興味を持っているニッチなトピックが何であるかを特定することに自信があることを示している。Instagramはここ6ヶ月でユーザーが動画を同社のプラットフォーム上で視聴する時間が150%増加したと伝えた。分析できる視聴データは大量にある。

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Instagramが検索タブに 「Videos You Might Like(ユーザーにオススメの動画)」チャンネルを追加して2ヶ月が経つ。しかし、それは今回ローンチされるような多様で細分化されたトピックではなく、全てのトピックやテーマからビュッフェのように異なる動画を取り揃えたものだ。ユーザーが見たいと思う動画も中にはあっただろうが、ユーザーは1つのジャンルの動画を視聴したいと思っていたとしても、そこには多様な動画が含まれていた。

この新たなキュレーションと最近搭載されたアルゴリズムに基づくフィードで、Instagramはユーザーが見落としたコンテンツを見つけ出して表示したい考えだ。現在5億人のユーザーがいて、プラットフォームには十分すぎる数の面白い動画が投稿されている。しかし問題は、どうやってそれを見つけるかだ。

完全にパーソナライズしたアルゴリズムフィードを構築するのは難しい。コンピューターが推理するような処理を大量にしたり、あるいは高くつく人間のキュレーターが必要だ。この機能は次の目標に向かう適切な足場となる。Instagramはアルゴリズムを使って、ユーザーが見たいチャンネルを特定し、最も人気の動画をそこに配置する。その後、人間のキュレーターがユーザーが気に入るだろう動画クリップをチャンネルに追加していく。

チャンネルは以下の通りだ。
不思議とスッキリする動画、チアリーダー、ダンサー、カリグラフィー、特殊メイク、コメディアン、美容師、ケーキデコレーション、陶芸、コミックブック・アーティスト、ピットブル犬、体操選手、ネイルアーティスト、髪の結び方、歌手、パン屋、メイクアップ法、バレエダンサー、トリックショット、アーティスト、ものづくりや職人、野球選手、スケボー選手だ。

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このアップデートはまずアメリカ国内で展開を始めるが、他の国にも「Picked For You」機能を近いうちに展開する計画だ。将来的に、広告が視聴者にとって有益なものであると保証できるようなら、「Picked For You」のチャネルのトピックと合致するマーケティング機能がつくこともあるかもしれない。

「Picked For You」が成功すれば、通常のフィード以上にInstagramに中毒性を持たせることができるだろう。SnapchatがDiscover機能で、友達の投稿にユーザーが飽きた時のために、他のコンテンツも届けようとしているのと同じだ。誰もこのチャンネル名のハッシュタグを検索して、スパムや品質の低いコンテンツを探し回ることはしたくないのだ。アルゴリズムと人の手で、Instagramに眠っている良いコンテンツを発掘することができるかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

GoogleがAIを使った企業ユーザーのためのアシスタントSpringboardを立ち上げ、Google Sitesはデザイン一新

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Googleが、同社の企業顧客のための二つの重要な発表を行った。とくに注目すべきはデジタルアシスタントSpringboard(跳躍台)で、これによりGoogleの企業用サービスをユーザーはより便利に利用できるようになる。

これまで少数の顧客を対象にテストしてきたSpringboardは、会社で仕事をする人たちのためのGoogle Now、ともいえる。まず、人工知能を利用する単一の統一的な検索インタフェイスがある。これにより、Google Drive, Gmail, Calendar, Google Docsなどなど、ユーザーが使っている複数のGoogle製品から情報を取り出すことができる。この機能が重要なのは、Google Appsの技術担当VP Prabhakar Raghavanによると、“平均的な知識労働者は今、検索と情報収集に一週間にまる一日ぶんの時間を投じている”からだ。

Springboardはこのほか、会社での一日を通じてユーザーに、“便利で実際に何かのアクションに結びつく情報やリコメンデーションを提供する”、という。

本日の第二の発表は、Google Sitesのデザイン新装だ。このプロダクトはユーザー企業の社内的情報ポータルみたいなもので、そこに決算報告とかニューズレターなど、いろんな情報を収める。今度の新しいデザインにより、ユーザーはドラッグ&ドロップによる編集や、リアルタイムのコラボレーションなど、Googleのそのほかのサービス、Google DocsやGoogle Sheetsなどで標準になっている機能が導入された。

またプレゼンテーションを便利にできるために、Google Sitesのコンテンツをスマートフォン、ラップトップ、大型モニタなど、いろんなサイズのスクリーンに表示できるようになった。

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これらの変更はまずアーリーアダプタープログラムの一環として提供されるが、Google Apps for Workの既存の顧客は誰でもそれに参加できる。Springboardのプログラムはここにあり、Google Sitesはここだ。ただしGoogleは、両サービスとも、“もっとほかにも新機能はあるよ”、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleの音声検索の履歴はこうやれば聴ける、そして削除できる

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

Googleは、あなたの想像以上に、盗聴をやっていたようだ。そのつもりもないのに。

2015年の6月からGoogleは、Webサイト上の個人データを保存している。ユーザーは、自分の情報ならアクセスできる。その機能はデジタルの日記的でもあり、検索やYouTubeの履歴、それに、そう!、Google Voice Searchの履歴も保存される。

Voice Searchの場合の問題は、遠いところからの、“Ok Google”という言葉(それらしく聴こえる言葉)も保存されることだ。何かの事故で、あなたが起動したつもりのない音声起動のAI(GoogleやSiri、Alexaなど)が起動されることが、ありえる。

でもGoogleが保存しているその情報は、ユーザー本人ならアクセスできるから、知らない間に録音された会話を知ることはできる。スマートフォンを毎日のように朝から晩まで使っているAndroidユーザーでも、そうだ。

Googleがこれらの会話を保存する理由は、ユーザーに履歴情報を与えることや、自然言語関連の研究開発に利用するなど、いろいろだろう。

いずれにしても検索の履歴は、ユーザーが完全にコントロールできる。履歴はここにあるから、自分で聴いてみて、要らない録音は削除できる。

検索の履歴はすでに1年近くたまっているから、人によっては、すごい量かもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

地図上の地形的特徴でクェリすると各都市のマッチ結果(野球場、テニス場、etc.)を返してくれる画像検索エンジンTerrapattern

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Terrapatternは画像検索エンジンだが、誰もがそれを初めて使ったとき、“何でGoogleがこれを10年前からやってないの?”、と不思議に思うだろう。地図上の特徴(施設など)…野球場、マリーナ、ロータリー、などなど…をクリックすると、アルゴリズムが複数の都市の「それはここだ!」と信じたものの写真を見せてくれる。速いし、使い方は簡単、そして可能性としてはとっても役に立つ。

実際に試してみると、その検索がとても自然であることが分かるだろう。どんな原理なのか? ひとにぎりのデジタルアーチストとデベロッパーが、35000ドル足らずでどうやって作ったのか?

最近のおもしろいヴィジュアルコンピューティングプロジェクトの多くがそうであるように、このプロジェクトも畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network)を使っている。基本的にはそれはAIのようなプログラムで、画像からあらゆるデテール(細部情報)を取り出し、さまざまな構造体の中に、そのパターンを探す。それは、人間の目が相似のパターンを探すやり方と同じだが、その精妙さと柔軟性は、人間の脳が上だ。

Terrapatternの場合は、小さな矩形の地形図を見て、それをOpenStreetMapが提供している地図上の特徴のタグ付き画像の、巨大なデータベースと比較するよう、ニューラルネットワークを訓練する。それは、地形図上の情報を何らかのコンセプトに結びつけることを学習する。

たとえばカメラが人間の顔を認識して、その顔が瞬(まばた)きしてるか微笑んでいるかを判断するとき、何をどうやっているのか。それは顔や微笑みや目などを“知っている”のではなくて、それらを画素の何らかのパターンに結びつけ、相似性の高いものを拾い上げているだけだ。

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Terrapatternを訓練して、船や貯水塔など、ありとあらゆる地理的特徴を認識しカテゴライズできるようになると、それに、ニューヨークやピッツバーグ、デトロイト、サンフランシスコなどの大きな詳細地図を見せる。するとTerrapatternはそれらの地形図を舐めるように見て、特徴と類似性の巨大なデータベースを作る。そしてそれに対して、小さな矩形の地形図でクェリすると、相似物が直ちに返される。ユーザーが地形図(施設など)をクリックしたときニューラルネットワークは“考える”のではなくて、データベースのデータ集合を照合するだけだ。

そうやってユーザーはたとえば、“オークラウンドのテニス場”を見つけたり、いろんな視覚的検索が完全にできるが、Terrapatternが探すのはあくまでもパターンの相似だから、原っぱの真ん中の家、とか、行き止まりの袋小路、とか、枯れた芝生、円形の駐車場などなども、そんなパターンが見つかれば検索結果として返す。Terrapatternにとってそれは、空港やフェリーのターミナルを探すことと、なんら変わらない。それらはすべて、ニューラルネットワークにとっては、特徴の集まり〜組み合わせにすぎない。

TerrapatternはGolan Levin, David Newbury, Kyle McDonaldの三名がKnight FoundationのPrototype Fundから得たお金で作った。彼らの資金と時間では、4つの都市の特徴マップデータベースを作るのが精一杯だったが、今後はほかの都市もやっていくつもりだ。そしてうまくいけば、もっと高いレベルと低いレベルの特徴を検出したい。野球場を見つけるのはふつうのレベルだが、小さな交差点(低レベル)や刑務所(高レベル)を見つけるのは難しい。

この作品はCreative Commons 4.0のライセンスにより、無料で利用できる。彼らのコードは、GitHubにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google検索、次の一歩はインドでの基本医療情報提供

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インドにおけるGoogleの直近の活動によって、何百万人もの人々が医療情報にアクセスし易くなるかもしれない。Googleは、昨年アメリカにてナレッジグラフ上に医療情報の掲載を開始した。これによってユーザーは、症状や悩みから、Google検索を通じてすぐに医療情報にアクセス出来るようになった。そして、遂にその機能はアメリカから遥か東に位置するインドで導入されることとなった。

Alexaによると、Googleはインドで最もアクセス数の多いウェブサイトを2つも運営している。今回のサービス導入によってインドのユーザーは、iOS・Androidの検索アプリを含む、Google検索の全プラットフォーム上で、病名や症状の検索を通じて400種類以上の病理データを英語・ヒンディー語で読むことが出来るようになる。

更にGoogleは、「今後、ユーザーが一般的な病名をGoogleで検索すると、典型的な症状をはじめ、どのくらい広汎な病気であるか、致死性、感染力、病状が表れやすい年齢層といった詳細情報が記載されたカードが表示される」と発表した。

そのカード上には画像も掲載されており、カード自体をPDFとしてもダウンロード可能なため、家族や友人へ簡単に情報を伝えることができる。また、インドのようなネット回線の速度に限りのある場所からアクセスするユーザーのために「軽量」版のカードも準備される予定だ。

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Googleの活動の意義とは?

総検索量の20分の1が健康に関する内容であることから、検索エンジンの代表格であるGoogleも、ユーザーがより多くの情報に触れることができる環境作りに注力している。但し、「検索結果は医学的なアドバイスを目的としたものではない」との注意書き付きである。

アメリカで同サービスは既に公開されており、Mayo Clinicと共に検索結果の正確性を高めながら、数週間のうちにブラジルでも公開が始まった。インドでは、Apollo Hospitals やColumbia Asia Hospitalsとコンテンツに関して協業を行いながら、昨年はデリーから40km南方に位置するバラブガールにあるクリニックを訪れ、草の根医療従事者を支援するための情報収集を行った。

バラブガールのクリニックを訪れたGoogleのチームよって撮られた1枚。インドの医療従事者がアクセスできる情報の少なさを物語っている。

バラブガールのクリニックを訪れたGoogleのチームよって撮られた1枚。インドの医療従事者がアクセスできる情報の少なさを物語っている。

基本的な手術を受けることが出来ない人の割合が、97%にまで至ると言われるインドにおいて、Googleの活動は、医療の民主化に身を捧げているスタートアップ企業の増加と呼応している。検索ポータルのPractoは昨年、Google Capitalによる出資を含む九千万ドルの投資を勝ち取り、競合のLybrateも名高いヘッジファンドTiger Globalから1000万の出資を受けている

両社は、ユーザーに対して信頼性の高い医療情報ばかりか、医師資格を持つ専門家によるフィードバック(更に必要に応じてアポイント)の提供を主な事業としている。Googleのインドにおける医療関連サービスは両社のレベルには及ばないものの、その知名度を武器に、一見小さな一歩に過ぎない活動でさえ、より多くの情報を人々に提供したり、インド国民の健康への関心を高めることに繋がる可能性を秘めている。

その証拠に、全世界の同プロジェクトをアメリカのGoogleから指揮する、シニアプロダクトマネージャーのPrem Ramaswami氏は、先月義父が胸の痛みを感じ始めた際に、アメリカ・インド両国に住む彼の家族が、どのように有益な情報をネット上でみつけたか、という話をしてくれた。

更に我々とのインタビュー内でRamaswami氏は、「健康は、インド人に留まらず世界中の人々にとって、とても大切で必要なものである一方、語彙や情報の信頼性の問題から、オンライン上の消費者にとっては一筋縄ではいかない問題でもある。我々は、ユーザーがより多くの情報を得るためのフレームワークを提供するために、シンプルで簡単な何かを作ろうとしていた。」と語った。

今回発表されたサービスは、ただ消費者による情報へのアクセスを促進するだけはなく、医療従事者が、より多くのデータを携帯できるようにすることを目的につくられている。Ramaswami氏は、このサービスが、医者を訪れることに疑心を抱くような患者達を説得する際にも役立つとも語った。

Googleは近年、医療情報の他にも、YouTubeのオフラインサポートやモバイルブラウジングの更なる最適化インドの鉄道網におけるWi-Fi提供等、インド現地向けサービスの提供に組織を上げて注力している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake)

Googleがジカ熱情報を検索に加え、UNICEFとパートナーして世界の発病地域を同定努力中

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Zika virus(ジカ熱ウィルス)が南米から世界へと広がりつつある。しかしそのほかの広域的疫病と違って、発病とその地域を同定することが意外と難しい。Googleは今日(米国時間3/2)、同社が今UNICEFと協働してプラットホームを構築し、そこにさまざまなソースからのデータを集めて、発病の可能性を予測し地図に落とす作業をしている、と発表した。

Googleの通常の検索エンジンでも、このウィルスに関する情報を充実し目立たせる努力が行われている。またGoogle.orgはUNICEFへの100万ドルの寄付を行い、それにより診断技術やワクチンの開発を一層促進してもらうことになった。

Googleによると、UNICEFとの協働には技術者、デザイナー、そしてデータサイエンティストたちのボランティアのチームを当て、UNICEFが伝染のリスクを同定できるための、新しいプラットホームも作っている。また、“UNICEFや各国政府やNGOたちが、彼らの時間とリソースをどこにどのように向けるべきかを決断できるための手助け”も、やっている。今Googleのそのツールはジカ熱に焦点を当てているが、今後の疾病の発生にも役立つようなプラットホームを構築することがねらいだ。

Google.orgのディレクターJacquelline Fullerは今日、次のように書いている: “人びとの情報発見を助けることを使命とする企業としてわれわれは、大量のデータを分析する経験を大量に積んでいる。そのためわれわれは、そのスケールとスピードにおいて、援助を提供するのに適した位置にいる。そこで今日われわれは、GoogleのエンジニアたちをUNICEFと協働させてデータを分析し、ウィルスの発生地域とその今後の予測努力に助力を提供している。また弊社のプロダクトもアップデートして、ジカ熱の情報によりアクセスしやすいようにした。UNICEFには100万ドルを寄付して、彼らの、ネット上ではなく地上における努力を支援している”。

もちろんGoogleはすでに、検索結果のページのサイドバーに、大量の保健医療データを載せている。しかし今日のアップデートにより、ジカ熱に関するさらに豊富な情報を16の言語で表示している。これには、ウィルスによる症状の概要や、新たな情報で随時アップデートされる公共的な健康情報、などが含まれている。

同社によると、Sesame Streetなど、何名かの人気YouTuberたちとも協働して、ジカ熱とその予防に関する知識を広める努力をしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

拡張現実(AR)検索エンジンのBlipparがシリーズDで$54Mを調達–現実世界の物なら何でもリアルタイム対応を目指す

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Blipparは、スマートフォンで何かのオブジェクトを指すだけで、いろんなリッチなコンテンツを見せてくれるAR応用企業だ。その同社が今日(米国時間3/1)、シリーズDで5400万ドルの資金調達ラウンドを完了した、と発表した。このラウンドをリードしたのは、マレーシア政府の戦略的投資部門Khazanah Nasional Berhadで、これまでの投資家たちも参加した。

Blipparがローンチしたのは2012年で、そのミッションは、拡張現実を日常的なオブジェクトに持ち込んで、企業やアドバタイザー、パブリッシャーなどに貢献する、というものだ。雑誌のページでもケチャップの瓶でも、オブジェクトをBlippする(スマホをかざす)だけで、Blipparは消費者にいろんな関連コンテンツを見せる。

でも、4年間で大きく成長したBlipparは、単純に企業やパブリッシャーがARのコンテンツを利用するだけ、というサービスではなくなってきた。今では同社は、植物や動物、皿の上の食べ物など、さまざまな現実世界のオブジェクトに、リアルタイムでARコンテンツを提供する。

大企業などはBlipparの機械学習プラットホームを利用して自分たちの製品をインデクシングし、たとえばユーザーがNikeの靴をスキャンしたら、その値段や入手方法などの情報を即座に見せられる。

Blipparの協同ファウンダーでCEOのRish Mitraはこう語る: “インターネットで検索というものを初めて見たとき、その真価が一瞬にして分かった。今では誰もが、検索なしには生きられない。ただし問題は、テキストによる検索には限界があることだ。言葉で物事を説明するのは、本当に難しいからね。Blipparは、システムに言葉ではなく物そのものを見せるから、この問題を解決したと思う。ユーザーがおもしろそうな物を見たとき、すぐに結果が分かるからね”。

新たな資金は、今サンフランシスコに60名いる技術者チームの増員と、リアルタイムのAR検索に必要な機械学習および人工知能技術の増強に充てられる。

Blipparについて詳しく知りたい人は、ここへ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ビデオを検索してマッチするシーンの短いクリップを見つけ、メッセージングでシェアできるすぐれものアプリYarn

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2015年はGIFをシェアする年だった。と少なくともYarnは思いたいだろう。同社の最新のモバイルアプリは、友だちとのメッセージングを一桁も二桁も楽しくする。なにしろ映画やテレビや音楽ビデオなどから短いクリップを検索して見つけ、それを会話の中に挿入できるのだ。今のところYarnがサポートしているのはFacebook Messengerだけだが、今後はもっといろんなメッセージングアプリで使えるようにしたい、と同社は言っている。

しかしMessengerのアドオンとしても、Yarnは十分に楽しい。それに、Facebookのインスタントメッセージングアプリをあまり使わない人にとっても、使えるクリップが山のようにあるYarnのWebサイトは便利だろう。そこでは、人気上位のクリップを見たり、言葉でクリップを検索できる。友だちと共有したい引用句や歌詞などがあれば、それらに合ったクリップを見つけることもできる。

自分のメッセージの中に映画の名(迷)セリフとか、キャッチフレーズなどを散りばめる趣味のある人は、Yarnを人一倍楽しめるだろう。

クリップを見つけたら、そのWebページには、Messengerで送る、FacebookでLikeする、ツイートする、Pinする、Google+にポストする、などのオプションがある。もちろん、そのクリップのURLをメールなどでシェアしてもよい。

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Messenger用Yarnのモバイルアプリからも、クリップの閲覧や検索ができ、ボタンをタップすればそのクリップをFacebook Messengerへ送れる。絵文字で検索すると、見つかったビデオクリップをその絵文字の代わりにメッセージに挿入できる。

たとえば、いつものスマイリーフェイスの代わりに、Beyoncéの”Halo”の、”I got my angel now”を歌ってる箇所のクリップはどうだろう?…つまりこんな使い方。

途中でちょちょ切れているクリップもたまにはあるけど、できたてほやほやのアプリにしては、良くできている。

Yarnを作ったのは、MITの仲良し同窓生たちだ。前にPolar(Googleが買収)とIntelにいたChris Butler、同じくIntelにいたJeffrey Krauseは、共にIntelの”RealSense 3D camera”のWebインタフェイスを2014年に作った。だから二人とも、メディア関連のアプリケーションやプロダクトのデザインと開発の経験があるわけだが、彼らの最大の不満が、ビデオの検索だった。

“ビデオコンテンツを取り込んで分析するための、いろんな技術を今研究している。それらにAIとユーザの対話と、ユーザの年齢性別や好みなどの特性を加味して、‘スマートな’ビデオタイムラインを作りたい”、とKrauseは語る。“ビデオ検索ならYarn、という評価を確立したい”。

YouTubeなどのビデオサイトと違って、Yarn自身はオリジナルのビデオコンテンツをホストしない。元の素材を指し示すだけだ。同社自身がホストするのは、小さなクリップと、タグなど関連のメタデータのみ。要するに一種の画像検索エンジンだが、対象はビデオクリップだ。

“このツールを作るにあたっては、YouTubeも大きなヒントになった。つまり、YouTubeの最大のフラストレーションが、ビデオ中の特定の瞬間を見つけて取り出すことが、簡単にできないことだ。スクラビングは、かったるいたいへんな作業になるしね”、とButlerは語る。“しかも、そのままショートクリップとして使える短いビデオは少ない。ほとんどのビデオが、長い。15秒〜30秒以上あるビデオは、もう長いよ。たとえばDonald Trumpの出馬声明ビデオから、あの珍発言のシーンだけをクリップとして取り出したい。ユーザが見つけて、気に入ってしまうシーンは、どれもそれぐらい短い。そこだけを、1/100秒の精度で正確に切り取るのが、われわれの仕事だ”。

今後付け加えるべき機能として、いろんなものが同社の予定表に載っているが、その中の一つ、政治オンリーバージョンは今非公開ベータ中で、Messenger以外のプラットホームにも提供していくつもりだ。またYarnの技術をビデオ企業(ないしビデオを利用する企業)にライセンスすることも構想していて、今二社でパイロット中だ。それにより企業は、自分のビデオのアップロードや分析、検索などが迅速にできるようになる。

“コンテンツ企業がうちの技術を利用すれば、ユーザを特定のコンテンツやサイトに誘導することができる。彼らは、Yarnの技術で作ったクリップを、広告のようなものとして利用できる。ユーザがコンテンツを検索したら、それにマッチするクリップを提示すればよい”、とKrauseは述べる。

同社はまだ、自己資本だけでやっている。アプリは、iOS用Android用も無料でダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

2015年のGoogle検索のトップ検索ワードはLamar Odom、Paris、そしてAgar.io、もちろんStar Warsが急伸

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検索エンジンとして世界最大のマーケットシェアを誇るGoogleだから、その年末恒例の“Year In Search”リストを時代精神のものさし、と呼んでもいいだろう。2015年には、バスケットボールの選手Lamar Odomと、パリのテロ事件、そしてアクションゲームAgar.ioが、もっとも頻繁に検索された語のトップスリーだったこのページ〕。

なお、これらの語の検索頻度はGoogleの上のみだから、中国やロシア、日本、韓国など、Googleのシェアがそれほど圧倒的ではない国では、全体の動向を表していないかもしれない。〔日本。〕

2015年のGoogleでは、パリ(Paris)の検索頻度が8億9700万に達した。この都市は、1月に風刺紙Charlie Hebdoのオフィスが襲われ、11月にはコンサート会場Bataclanなど複数の場所が同時にやられた

11月の犯行の直後には、Google上のパリに関する検索がこれまでで最高を記録した。フランスと全世界からのもっとも多い質問は“What happened in Paris?”(パリで何が起きたのか?)だった。フランス国内の人びとは安全と追悼行事に関心を示し、“Who were the terrorists?”(テロリストたちは何者か?)と問うとともに、“Pray for Paris”(パリのために祈る)で情報を求めた。パリの夜間外出禁止令についても、質問が殺到した。全世界でもっとも多かった質問は、1)なぜISISがパリをねらったのか、2)今パリへ旅行しても安全か、3)死者は何人か、だった。

そのほかの上位ニュースイベントは、10月にアメリカ中部を襲ったHurricane Patricia(ハリケーン・パトリシア)、テロ集団ISIS、地震後のNepal(ネパール)だ(4月に9000人が死亡)。

ポップカルチャーでは、”Star Wars”が12月14日の封切り前に1億5500万回以上検索された。しかし映画の題名でいちばん多かったのは”Jurassic World”だ。こちらに関して、Googleは質問の内容を分類〜公表していないが、ハイヒールを履いて逃げまくるヒロインがどうやって恐竜に食べられずに助かったか?という質問が、たぶんいちばん多かったのではないか。この“ハイヒール問題”は、いろんなところで議論になっている

Google上でいちばん質問が殺到した“時の人”トップスリーは、上記Odomと、レスラーのRonda Rousey、そして4月にABC Newsの“20/20”で性転換を発表したCaitlyn Jennerだ。

共和党からの大統領候補として目下トップを走っているDonald Trumpは、マイノリティに関する一連の煽動的な発言で話題になっている(とくに、イスラム教徒を合衆国入国禁止にせよ、説)が、Googleの人物検索頻度では7位だ。彼の上にCharlie SheenやRuby Roseらがいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Yahooの画像検索の結果にFlickrの写真(自分の写真も)が含まれるようになる…プライバシーは守られる

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Yahooの今日(米国時間11/6)の発表によると、同社の画像検索の結果にこれからは、老舗の写真共有サービスFlickrの画像が含まれるようになる。その中にはもちろん、検索者自身がポストした写真もあるかもしれない。それらはFlickrのトップの写真、ユーザがFlickrでフォローしている人の写真、ユーザ自身の写真などだが、それらを見れるのはYahooの登録会員のみだ。

ユーザの写真は、検索と関係のあるものだけが選ばれる。それがプライベートな写真だったら、ほかの人が同じ検索をしても、その人の結果には現れない。つまり、Flickrのプライバシー設定はそのまま尊重される。

Yahooの画像検索のユーザ体験は、5月に行われたFlickrのユーザインタフェイスの刷新(オンライン+モバイル)とよく似ていて、三つのカテゴリ(パブリック(公開)、フォローしている人、個人の写真)から結果を返す。

また、結果を色やサイズなどでフィルタできる。しかも”License”ドロップダウンから適切なアイテムを選ぶと、用途でフィルタすることもできる。

そして”more images”(もっと見る)ボタンを押すと、結果の写真だけでなく、Flickr.comのそのほかの写真も見られる。これでFlickrのトラフィックが増えれば、AppleのiCloud/PhotostreamやGoogle Photosなどとの競合で負けないだろう。これらのコンペティタは、ユーザがいちばん頻繁に使うカメラ、すなわちスマートフォンをターゲットにしているから、競合的には有利なのだ。

Yahooの画像検索の新しい機能は当面、合衆国のデスクトップユーザのみだ。

画像検索のこの変化の前には、FlickrのiOSアプリのアップデートが行われた。それは、3DタッチのサポートなどiOS 9の機能も利用している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Google画像検索の結果のアニメGIFが実際にアニメするChromeエクステンションgoogle-gifs-chrome

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Giphy は大好きだけど、日常的にはGoogleの画像検索で楽しい画像、とくにアニメGIFを探すことが多い。問題はGoogleの場合、検索結果の画像がアニメしていないことだ。

どんだけ見つめても、動きません。

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典型的な第一世界問題*だろうけど、結果の画像をクリックしてみないと、アニメであるか・ないかが分からないのだ。ときには、アニメGIFから取り出した静止画像のこともある。困るよね。〔*: First world problem, 第三世界の問題と違って、‘贅沢な悩み’。〕

しかしこのChromeエクステンションを使うと、世界が変わる。検索をすると、じゃーん、アニメの花盛りだ:

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これだけたくさんのアニメGIFがあれば、週末も悪いことをせずにすむ。そうだよね、諸君。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google検索の結果に世界の憲法が表示される

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GoogleはこのほどConstitute Projectとパートナーして、合衆国憲法と、アフガニスタン、ブータン、エストニア、フィンランド、フランス、アイスランド、日本、ラオス、ラトビア、ミクロネシア、ノルウェー、そしてウクライナの憲法の重要な条文を、表示、分析、そして比較できるようにした。

ぼくはたまたま、ゆうべディベート番組を見ていて、憲法についてググりたいことがあったから、将来この機能を絶対に使うだろう。Google検索で単純に”constitution”とタイプすると、特別なインタフェイスがポップアップして、そこには合衆国憲法の前文が表示されている(下図)。ほかの部分を詳しく読むこともできる(下図下: 合衆国憲法目次)。

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同社によると、この情報を含めたことは、Googleのミッションである“より完全な検索を提供する”に奉仕する営為だそうだ。

憲法記念日、おめでとう!
〔9月17日〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TwitterのツイートがGoogle検索のデスクトップの結果にも載ることに

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5月にGoogleとTwitterがパートナーして、モバイルの検索結果にツイートが載るようになった。それは、両社どちらにとってもビッグな契約だった。

両社の関係はその後も良好らしくて、このほど5月のときのブログ記事に8月21日付けのアップデートが加わり、デスクトップの検索結果にもツイートが含まれる、と発表された:

Update, 8/21/2015: We’ve extended this to desktop now too, and in English everywhere.(当面英語、全世界対応)

Screen Shot 2015-08-21 at 11.19.39 AM

これはもちろん、ツイートの露出がより大きくなることなので、Twitterにとってはありがたい。検索で上のようなツイートを見つけた人が会話に参加したくなったら、Twitterのユーザがまた一人増えることになる。

Googleは検索がより充実し、Twitterはツイートがより広い世界へ広まる。これは願ってもない良縁だから、GoogleがTwitterを買収するという噂が、かねてから絶えなかったのだ。でもTwitterは最近、株価がIPO時すれすれまで低空飛行しているから(今日で$26.50)、噂は再燃するかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Trendsがアップデート―リアルタイムのデータが収集されるようになった

今日(米国時間6/17)、Google Trendsのリニューアル版が公開された〔日本でも公開済み〕。新しいバージョンではリアルタイムのデータが利用できる。たとえば大統領選挙への出馬を突如表明したドナルド・トランプと彼のカツラがどんな反響を得ているかを即座に調べられるようになった。

新バージョンのビジュアルにはGoogleが1年前に発表したマテリアル・デザインが用いられている。

このバージョンは現在28ヵ国で公開されており、ここ数ヶ月でさらに多くの地域に導入される。

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NBAファイナルなど一般の関心が極めて高い重要なイベントについて、GoogleはTrends searchページに関連情報を含めた詳しいストーリーを掲載している。またGoogleはTrendsの対象となるデータの「幅と深さを共に拡げた」としている。ユーザーはこれまで「データが少なすぎて表示できない」とされていたようなニッチなテーマについてもトレンドを知ることができる。新しいGoogle TrendsはYouTubeやGoogle Newsの検索結果も含めるようになったという。

今回のアップデートは、「世界中のジャーナリストを始めとするユーザーからのフィードバック」を参考にしたという。ジャーナリストやマーケティング専門家は「MERSとエボラ」や「ジェブ・ブッシュの大統領選出馬」など重要トピックに関するGoogle Trendsの元データをダウンロードして自由に処理できるようになった。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOS 9はディープリンク機能のある検索APIを提供…ほかのアプリのコンテンツも検索

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Appleはこのところ検索の改良に努めているが、今日(米国時間6/8)はモバイルで大きな発表があった。AppleがiOS 9で導入する検索APIでは、デベロッパが自分のアプリの外部をインデクシングしてリンクできるため、ネイティブの検索から外部のコンテンツを発見できる。つまりこれからは、アプリやWeb上のコンテンツだけでなく、ユーザのデバイス上のアプリにあるものなら何でも、Appleの検索機能Spotlightで検索できるようになる。

それだけではなく、これからは、その日もっともよく使うコンタクトやアプリも検索できるようになる。アプリ内検索の結果における、それらの項目の優先順はまだ不明だが、やはり、いちばん最近アップデートされたコンテンツなどより、ユーザがよく使うアプリが優先されるのだろう。

アプリ内からのこのような検索を支える技術はディープリンクと呼ばれ、すでにQuixeyやDeepLink、Branch、Buttonなどが、アプリとそれらの中のコンテンツをリンクするサービスを提供している。それは、従来の検索が、Web上のコンテンツをインデクシングするのと同じような技術だ。

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今日のWWDCのデモでは、検索ウィンドウから”potatoes”を検索すると、Yummlyというサードパーティアプリのレシピが拾われた。

アプリ内からほかのアプリへリンクする、このディープリンクという技術はAppleだけのものではなく、5月にはGoogleが、ユーザが自機の上にインストールしていないアプリから検索結果を拾ってみせた。その機能はすぐに、iOS上のGoogle検索アプリにも実装された。それは、2年前から開発が始まっていた技術だ。

Googleのねらいは、ユーザがまだインストールしていないアプリにも関心を持ち、いずれそれらをインストールしてくれることだ。Googleの場合、そういうアプリを対象とする検索は通常のGoogle検索と、スマートフォン上のネイティブ検索アプリからできる。Appleの場合は、ディープリンクがiOS本体の機能になる。

この前Appleが発表したApp Extensions機能は、アプリ同士がデータやToday画面上のウィジェットなどを共有したり、Photosアプリ内の写真フィルタを使ったり、カスタムキーボードを使ったりするための拡張APIだった。

今回、検索でもアプリ間の相互通信がサポートされたことは、Appleのユーザにとって便利であるだけでなく、AndroidからiOSへの移行を阻害していた要素を取り除くことにもなる。また将来について極論すれば、今まで知らなかったアプリを検索を通じて知る機会が得られ、検索が未知のアプリを評価するための重要な手段になるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

人種差別的いたずらに懲りてGoogleがMapsの検索を大幅アップデート

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Googleは、Google Mapsサービスの位置検索の結果に、人種差別用語など不適切な言葉の不適切な結果が表示されないための対策を、今講じていることを確認した。この問題は今週、黒人差別を表す“n*****”とか“nigga”などの語句の検索結果として、ホワイトハウスが出てきたことに端を発している。

この不手際を詫びるブログ記事でGoogleは、そんな状況が生じたのはMapsサービスの検索がWebのコンテンツを、未検査のまま使っているために、語句と結果とのおかしなマッチングができてしまうためだ、と説明している。それはGoogle本体の検索エンジンと同じ方式であり、そのために検索エンジンでは2007年に、’failure’(失敗)という語句での検索で、結果のトップに(当時の大統領)George W. Bushが出てきたりしたのだ。ただしGoogle検索におけるその種の不具合は、のちに修復された。

Google本体の検索エンジンは、そうやって、ドカン!とやられる“Google爆弾”(Googlebombing)を防ぐための対策が講じられたが、Mapsの方は古いアルゴリズムのままだった、とGoogleは述べている:

弊社のチームはこの問題の修復に真剣に取り組んできました。Google検索のために行った、アルゴリズムの重要な変更をベースに、結果をランキングするシステムをアップデートし、これらの検索の多くに対策を施しました。これは今後徐々に全世界的に展開し、弊社のシステムを時間をかけて継続的に精製して参ります。簡潔に申し上げますと、Google Mapsでこのような結果を皆様がご覧になることがあってはなりませんから、そのことを確実にするために、わたくし共は努力を続けて参ります。

Google Mapsの検索をハッカーが駄目にしたのかもしれない、という説を、Googleのこの説明は、はっきり否定している。

いずれにしても、ユーザが地図に悪質ないたずらをすることに、この合衆国の企業(Google)は神経をとがらせている。先般は、誰もがGoogle Mapsに寄与貢献できるためのツール、Map Makerサービスを、悪質な改ざんが相次いだために閉鎖せざるをえなくなった。それらの中には、Androidのマスコット人形がAppleのロゴにおしっこをかけているイラストもあった。

Map Makerの閉鎖は恒久的ではないが、サービスの復帰がいつになるかをGoogleはまだ発表していない。

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Webサイト用検索ボックスの最高傑作Algoliaが$18.3を獲得、CrunchBaseも使ってるぞ

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リアルタイム検索をSaaSで提供しているAlgoliaがこのほど、Accel Partnersが指揮するラウンドにより1830万ドルを調達し、AccelのパートナーPhilippe Botteriを取締役会に迎えた。同社としては、120万ドルのシード資金の次の、本格的な資金導入である。Algoliaは、Webサイトが備える使いやすい検索ボックスを提供し、その快適な使い心地は、OS XのSpotlightをWebで使ってるような感じだ。

また、AlgoliaはSaaSなので、ユーザが自分のWebサイトに実装するのがとても簡単だ。たとえば自分のデータベースのための検索ボックスを同社の検索エンジンで実装するためには、同社のAPIをJSON形式のデータで呼び出すコードを、ほんの数行書くだけだ。その際、ニーズに合わせたカスタマイズもできる。それだけで、ユーザはそのWebサイトで検索ができるようになる。検索ボックスはページの上辺にあるから、ユーザは今のページにいながらにして検索ができる。Algoliaはデータセンターを地球上の12箇所に置き、グローバルな応答性を確保しようとしている。

Webサイトで検索をしようとすると、苦痛な経験に終ることが多い。どんなクェリを入力すればよいのかも、分からない。[Enter]を押すと、急に、結果表示用の別のページへ連れて行かれる。しかもそのページに、かんじんの、自分が探しているものがないことが多い。そこでしぶしぶ、Googleの検索を立ち上げ、クェリの後ろに’site:’オプションをつけて検索する始末だ。

AlgoliaとほかのWebサイトを比べると、月とスッポンだ。Algoliaでは、結果が今見てるページの上にドロップダウンリストで出るから、その中のどれかをクリックするのはGoogleの場合よりもはやい。機能もたくさあり、人気や地理的な位置、タグ、日付などで結果を絞り込むこともできる。

Webサイトの検索機能にイライラしたときは、いつも、Algoliaを使えばよいのに!と思う。今では600社がAlgoliaを使っており、毎月40億件あまりのクェリを処理している。CrunchBase、Genius.com、Vevo、Medium、WeWork、Teespring、Arc’teryx、Product HuntなどもAlgoliaのユーザ企業だ。

フランス生まれの企業だが、今はサンフランシスコに本社がある。これまでの投資家Alven Capital、Point Nine Capital、それにStorm Venturesも今日のラウンドに参加した。そのほか、Edge CapitalやParseのIlya Sukhar、DockerのSolomon Hykes、Kevin Rose、SplunkのErik Swanなどなども。新たな資金で同社は開発のサイクルを早め、また新たな顧客獲得のための営業活動も活発化するだろう。

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ビデオの内容をテキストデータに変換するVu DigitalのVideo-to-Dataはマーケター待望のツール

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Vu Digitalが、Web上のビデオをユーザが見る前に、それが何であるかを分かるための技術をローンチした。

同社の開発担当VP B. Wade Smithによると、最近のインターネットはビデオがとても増えているから、それを一々見なくても事前に内容が分かるデータ…テキストデータ…を提供することがますます重要だ。

SmithがデモしてくれたVu DigitalのVideo-to-Dataプロダクトは、ビデオの画面を分析して、その中にあるオブジェクトを同定し、それらを時系列的に並べたデータを作る。音楽、対話、顔、ロゴ、テキスト、グラフィクス、などなどと。

Smithによると、そうやって作られたテキストデータは、ビデオの作者でもパブリッシャーでもマーケターでも、誰でも利用できる。目的も、それを操作・処理するためのツールもさまざまだ。SEOにも利用できるし、個人化やターゲティング、それにそのビデオの“ブランド価値”を判断するためにも使える(ロゴや製品などの登場頻度から)。

Vu DigitalはC Spire Wirelessの子会社で、メディアやエンタテイメント関連のスタートアップを育てるアクセラレータSprockitに参加している。

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同社は最初、Webの個人化を提供するサービスとしてスタートしたが、Smithによると、“最近ますますビデオが氾濫しているが、ビデオはタグ情報が不十分なので、ロングテールに向けた細かい個人化やリコメンデーションができない”、ことに気づいた。そこで同社は、何もかも投げ捨てて、ビデオ専業へと路線変更をした。

Microsoftのように、早くも2011年にビデオ検索企業を買収したところもあるが、でもSmithに言わせると、Vu Digitalみたいに画面の中の何でも見つける、しかも高速に処理を行うコンペティタはまだ存在しない。

“うちのコンテンツの検索結果やCTRやトラフィックを改良するために実際に役に立つビデオデータを提供してくれるツールは、Video-to-Dataが初めてだ”、とWeatherNationのVP Tim Kellyが今日のプレスリリースで述べている。

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Baiduが日本向けの検索をひっそりと終了、ただしSimejiや広告事業などは継続

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すでに複数のメディアで報じられているとおり、百度が日本での検索エンジンの提供を終了した。ネット上ではほとんど話題になっていなかったような気もするが、同社の広報を代行しているPR会社経由で確認したところ3月の時点でサービスを終了しているとのこと。現在「www.baidu.jp」にアクセスすると、百度のコーポレートページが表示される。

ただし、百度自体が日本を撤退する訳ではない。昨年物議を醸した日本語IMEの「Simeji」は、3月にiOS向けの有料アプリ「Simeji Pro」を提供。4月にはAndroid向けに月額240円のプレミアム機能の提供を開始したばかり。

また、訪日中国人旅行者の誘致に向けた広告の取り扱いや国内で利用できるSIMカードの提供など、インバウンド需要にまつわる各種サービスを展開しており、こちらに関しては継続していくとのこと。

自分のサイトがモバイルフレンドリか教えてくれるツールMobile Visibility

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先週Googleは検索のアルゴリズムをアップデートして、モバイルの検索結果ではモバイルフレンドリなページを優遇することにした。Fortune 500社のWebサイトの約40%がその影響を受けると言われている。

ご自分の会社についてご心配なら、Conductorのツールを使うとよいだろう。同社のMobile Visibilityツールは、どのコンテンツがモバイルフレンドリで、どれがそうでないか、それがGoogleのランキングにどう影響するか、を教えてくれる。そんなもん、人に教えてもらわんでも…、という方も多いと思うが、Conductorなら100万ページもあるWebサイトでも点検してくれるから、人力でチェックするよりはよいかもしれない。

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しかもCEOのSeth Besmertnikによるとこのプロダクトは、コンペティタがまだモバイルフレンドリでない領域を教えてくれるので、それは、御社が他社に先駆けるチャンスだ。Conductorはさらに、具体的な技術的問題を指摘し、その解決方法も示唆する。

Besmertnikによると、いちばん多い問題点は、Flashを使った偽りのリダイレクトと、最初のリンクで広告が出るページ(Googleはそれを嫌う)だ。

Conductorは最近、シリーズDで2700万ドルを調達した。今や同社は自分を、“Webプレゼンス管理プラットホーム”と呼んでいるが、そのルーツはSEO屋さんであり、同社のメインプロダクトSearch Experience Trackingに、今回のMobile Visibilityツールの機能はすでに含まれている。

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