Allen Institute for AIの科学文献インデクサーSemantic Scholarにバイオメディカルの論文数千万点が加わる

科学の文献を自然言語処理などのAIの技法を使ってインデクシングするプロジェクトSemantic Scholarが、これまでのコンピューター科学に加えて、バイオメディカル(biomedical, 生物医学)の研究文献数千万点を新たに加えた。これで、この、この有益なツールがカバーする分野がさらに増えたことになる。

Allen Institute for AI*が作ったSemantic Scholarは、これらのペーパーの全文をスキャンし、そのトピックや図表、キーワード(薬品名、臓器名など)などでそれらの関連付けを行う。〔*: Allen Institute for AI, Microsoftの協同ファウンダーPaul Allenが2013年に立ち上げ。〕

今日では大量の文献が毎日のように発表されていて、その蓄積量がますます膨大になりつつある。それらを適切にレビューすることは、一人の研究者だけでなく、チームでも不可能だ。6年前のペーパーにたまたま、ノルエピネフリンの製造過程における副産物の微弱な医薬効果が書かれているが、それがメインの発見ではなく、あるいは別の分野のジャーナルに載っていた、という場合、今の研究者はそれをどうやったら見つけることができるのか?

これら何百万ものペーパーを取り込んで、細かいことでも研究者が見つけられるようにするのがSemantic Scholarの目的だが、最近までそのシステムはコンピューター科学の文献に限定されていた。今回、いくつかのバイオメディカルの研究分野が加わったので、そこになたのペーパーもあるか、確認してみよう!

このWebツールの今回のアップデートにはUIの改良が含まれ、利用者の関心に即したトピックやタグが見つけやすくなり、また、各分野の最新の研究動向も分かるようになった。それによりたとえば、ユーザーが知らなかった新しい薬やテクニックが浮上してくることもありえる。

このツールは誰でも利用できるが、もちろん誰にとっても便利とは言えない。風邪薬を探していたり、あるいはあなたが古生物学者だったら、ここはあまり役に立たない。でも、今後対象分野が徐々に増えていくと、それも変わるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

成功する営業の鍵は“正しい見込み客”を見つけること、それを助けるNodeが$10.8Mを調達

営業の最初の仕事は、誰に(どこに)売り込むかを決めることだ。しかしこの最初の段階で選択を誤り、時間を無駄にすることが多い。

その無駄をなくそうとするのが、Nodeだ。このスタートアップは、人工知能を使って見込み客を見つける。これまでの2年半お忍びモードだった同社が今日、1080万ドルの資金調達を発表して表舞台に出てきた。この投資ラウンドを仕切ったのはAvalon Ventures、これにMark Cuban, NEA, Canaan Partnersらが参加した。

Cubanは本誌にこう言った: “セールスインテリジェンスに変革をもたらす、すばらしい企業だよ。これからの営業は、狩猟採取の原始時代を卒業する。営業は立派な知識労働になる”。

サンフランシスコにオフィスを置くNodeのファウンダーでCEO Falon Fatemiによると、長年Googleにいたので、検索のアルゴリズムをビジネスに生かすやり方がよく分かった。彼女の言うには、Nodeのプラットホームは“検索ボックスのない検索エンジン”だ。すなわちそれは、“モノやコトではなく、ヒトを見つけるインテリジェンス”だ。

そして彼女によると、Nodeの仕事は、営業のために、見込み客としての確度の高い、“人や企業、アプローチの正しいタイミング、ときには最初の段階の適切なセールストークまでも、見つけてあげること”、だ。

今はもっぱら営業をお助けすることがNodeの仕事だが、長期的には、雇用、求職、そしてデートのお相手選びにまで、同社の“ヒトに関するインテリジェンス”技術を応用していきたい、とFatemiは語る。

今、営業支援サービスへの投資は、投資家たちのあいだでブームだ。営業は、テクノロジーの有効な応用分野として、現状は南極大陸なみに広大な未開の大地だからだ。そこには、大きな市場機会が眠っている。この分野で今とくに活発な投資家は、Salesforce Venture, Box Group, 500 Startupsなどだ。

Nodeはすでに、シード資金として500万ドルあまりを獲得している。

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Googleが自然災害や危機的状況では検索とMapsで特別情報を表示する、その名もSOS Alerts機能

Googleが今日(米国時間7/25)、検索とMapsに、ユーザーがいる地域で自然災害やそのほかの危機が発生しているとき良質な関連情報を提供する機能を導入した。その機能は“SOS Alerts”と呼ばれ、検索結果やMapsのページのトップに事変に関する情報や被害地の情報が表示される。

同社はさまざまな機関と協力し、その中にはRed Cross(赤十字), Federal Emergency Management Agency(連邦緊急事態管理庁), Philippine Atmospheric, Geophysical and Astronomical Services Administration(フィリピン大気地球物理天文局)など多くの情報源が含まれる。

検索では、状況の概要、地図、関連ニュース、緊急時電話番号(がある場合)、Webサイトなどの関連情報源が示される。災害地がユーザーの至近距離内にあるときは、情報源に関する通知も送られる。

Mapsでは、検索と同じ上記の情報が表示されるほか、道路閉鎖や交通情報などが地図上に表示され、情報はリアルタイムで更新される。

この新しい機能は、デスクトップとモバイルWeb、そしてAndroid/iOS用のGoogleアプリの検索、およびモバイルのGoogle Mapsで提供される。

また既存のサービス、Google Person Finder, Google Crisis Map, そしてGoogle Public Alertsなどでも災害危機情報が配布される。

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Google検索がWeb上の求人情報を再整理厳選して紹介、ユーザーによる多様な職種基準やフィルタリングも可能

【抄訳】
職探しはだんだん容易になっている。今日(米国時間6/19)はGoogleが、検索に職探しの機能を導入して、主な求人サイトや求人ページのすべて… LinkedIn, Monster, WayUp, DirectEmployers, CareerBuilder, Facebookなどなど…で仕事を探せるようにした。企業のホームページ上にある求人リストのリンクも、検索結果のページに載る。

これからは、いろんな求人サイトを次々と訪れて、各所に重複があったり、大量の無関係な求人を見る徒労から解放される。

この機能はデスクトップとモバイルの両方で使えるが、今のところ英語のみだ。検索ワードとしては、“jobs near me”(近くの仕事)とか“writing jobs”(書く仕事)などなどと入力し、職探しウィジェットから大量の検索結果を見る。そこからさらに、たとえば“フルタイム(or正規雇用)のみ”などの条件で結果を絞り込む。特定の職に関する情報をクリックに次ぐクリックで掘り下げていくと、GlassdoorやIndeedで企業の格付けを見ることもできる。

仕事を業種や位置、求人情報掲載日、雇用主などでフィルタできる。これでよし、というクェリが完成したら、それに通知機能を付けて、今後の新たな求人をお知らせしてもらえる。

【中略】

その膨大なリストが無駄に膨大にならないために、同じ求人情報の重複は事前に排除されている。そして求人情報のカテゴリー分類は、機械学習のアルゴリズムが行う。既存の求人求職サイトが情報にすでにマークアップを付けていることも多いから、検索はそれも参考にする。しかし求人情報の検索に関しては、SEOは機能しない。求職者に大量の情報、すなわち多くの選択肢を提供することが目的だから、SEOによって結果の上位に出ることをねらっても無意味である。

仕事が見つかったら、その会社の求人ページへ行って応募する。複数のサイトが最終的なクェリにマッチしたときは、もっとも完全な求人ポストの企業へ連れて行く。このようなランク付けは、なるべく詳細で完全な求人情報を企業側に書いてもらうための、インセンティブでもある。

そして実際の応募フォームを書いて入力するときは、Googleはいっさい手を出さない。そこから先は完全に、求職者自身の仕事だ。

Googleがユーザーについてすでに知ってること(例: 釣りが好き)は、職のフィルタリングに用いられない。釣りが好きでも、漁船や釣り船の仕事にありつきたいわけではないからね、たぶん。

Googleは、MonsterやCareerBuilderなどのサイトと直接競合したいわけではない、と明言している。だから現状では、求人者が直接、Googleの職探し機能の上へ自分の求人情報をポストする機能はない(やれば儲かりそうだけど!)。この部門のプロダクトマネージャーNick Zakrasekは曰く、“うちは、うちが得意なことだけをする。つまり、検索をね。既存の求人求職サイトに、繁盛するきっかけを与えたい”。それ以上のものはGoogleの操舵室に存在しない、と彼は付言した。

Monster.comのCTO Conal Thompsonも、声明文でこれと同じことを言っている。“Google検索の職探し機能はうちのやり方と連携しうるもので、いずれにしても(Google検索のこの機能ががあろうとなかろうと)求職者はWeb全域に仕事を探し、検索基準を磨いて自分のニーズに合う情報を見つけるのだ。求人情報の内容や形式は、検索を意識して変えなければならない部分はあるだろう。最大の問題は、今現在SEOに依存しているサイトやページだね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleが求人情報検索サービスをローンチへ――求人サイトとは協業の意向

Googleは近日中にアメリカ国内で求人情報検索サービスをローンチすると本日(米国時間5/17)発表した。このサービスでは、特別な資格が要らないサービス業から専門性の高い仕事まで、さまざまなタイプの求人情報が掲載されるようになる。さらにGoogleは機械学習やAIといったテクノロジーを活用して、仕事のカテゴリー分けや関連求人情報の掲載などを行う予定だ。

Google CEOのSundar Pichaiは、本日行われたGoogleのディベロッパー向けカンファレンスI/O で「Google for Jobs」と呼ばれる同サービスのプレビューを公開した。

「アメリカの雇用主の46%は人材不足を問題視していると共に、空いたポジションを埋めるのに苦労しています」とPichaiは説明する。「求職者は身近な情報を頼りに仕事を探しているかもしれませんが、その他にも埋もれてしまっている求人がたくさん存在します。そこで、私たちは雇用主と求職者をうまく結び付けられるようなサービスを開発しました。それがGoogle for Jobsです」

数週間のうちに、アメリカのユーザーがGoogleの検索欄へ仕事に関する情報を入力すると、検索内容にマッチした求人情報がハイライトされるようになる。また、Googleはこの新サービスで既存の求人情報サービスに挑もうとしているわけではなく、むしろ彼らとパートナーシップを結ぼうとしている。

Google for Jobsの初期のパートナーには、LinkedIn、Facebook、Careerbuilder Monster、Glassdoorなどが含まれている。

また、求人情報検索に関連した新たなツールとして、職場や役職、仕事のカテゴリーやタイプ、掲載日、フルタイムか否かといったフィルター機能などが実装される予定だ。

仕事の内容に関する情報以外にも、求職者が家から職場までの距離を簡単に把握できるように通期時間などの情報も表示される。

Google for Jobsの面白い点は、各求人の関連度を学習しグループ分けするため、Googleが機械学習テクノロジーを活用しているところだ。

例えば「retail(販売業)」であれば、求人によっては「retail associate」と表記されているかもしれないが、「store clerk」や「store manager」と記されている場合もある。そこでGoogleはこれらの求人をまとめあげ、「retail」という単語の検索結果に全ての関連求人が表示されるようにしたのだ。

さらにPichaiは、ワンクリックの「応募」機能についても触れ、青い大きなボタンを押せば直接求人に応募できると説明したが、その仕組みなど細かな部分については話さなかった。

さらに彼は新サービスのローンチにあたり、現状の求人情報検索サービスに対する不満をあぶり出すため、Googleが何百人という人にヒアリングを行ったと語った。

「この新サービスには個人的にとてもワクワクしています。Google for Jobsは、重要なニーズを満たそうとしているだけでなく、検索や情報整理、AI、機械学習といった私たちのコアにあるテクノロジーを利用していますからね」とPichaiは話した。

Google for Jobsは「数週間以内に」アメリカ国内でローンチし、今後アメリカ国外への展開も予定している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Googleはファッションの画像検索をPinterestふうにする…お得意の機械学習技術を駆使

Googleには、Pinterestの野望に検索を乗っ取られる気はない。同社は最近、モバイルのWebとAndroidアプリで“類似アイテム”(Similar Items)機能をローンチして、ユーザーが自分の好きな製品をもっとたくさん見れるようにした。ハンドバッグでもサングラスでも靴でも、何でもだ。そして今日(米国時間4/13)はそのアイテムを、小物だけでなくアパレルにも広げた。それには“スタイルのアイデア”(Style Ideas)という新しい機能があって、ファッションアイテムをあこがれのライフスタイル的な画像で見せるのだ。

でもこの“あこがれの”というやつは、Pinterestが何年も前からやっている。ファッションアイテムに、ほかの製品を組み合わあせたりして、あわよくば、そっちも買わせたいのだ。しかもP社はビジュアル検索という技術まで発明して、画像中の製品や、ユーザーのカメラのファインダーに今映っているもので、検索できるようにした(類似品や関連製品を)。

こういう、買い物のための品物探しの検索を、Googleなどの一般的な検索エンジンから取り上げて自分のものにしたい、というP社の野望があった。たとえば、黒いブーツが欲しいなと思ったら、Pinterestへ行けば画像で検索できる。そして、いいのが見つかったら、もうGoogleに用はない。そのまま、お店のリンクをクリックすればよいのだ。

そこで、Googleはあわてる。その前にはGoogleは、一般消費者のモバイル化にも悩まされた。Google検索の、‘デスクトップのWebで検索する’というパターンが、もはや優勢ではなくなった。次は、検索でもP社に負けるのか…。

対策のひとつとして出てきたのが、今度の“スタイルのアイデア”という機能だ。

Googleの説明では、AndroidアプリやモバイルWebでファッション製品の画像を閲覧していたら、画像検索の画面がアップデートされて、その製品を実生活の中でかっこ良く見せる画像が表示される。たとえばハイヒールの写真を見ていたら、モデルがその靴を履いているファッション写真が表示されるだろう。

ファッション製品の検索では、検索結果の中に、似たようなアイテムや、実際にそれを身に着けている合成画像や実写画像が表示される、とGoogleは言っている。

そういう、“スタイルのアイデア”の画像は、人間が介入せずにアルゴリズムが選ぶが、ここでGoogleお得意の機械学習技術が、類似物(ときには同一物)の発見で活躍する。

また、一般的にアパレルの画像検索では、類似アイテムのカルーセルが大きくなった(多品目になった)。2か月前には、財布とサングラスと靴だったが、今では、アウターウェア、ドレス、シャツ、パンツ、スカート、ショーツが加わった。これらは、自分の好きなデザインのが選べるだけでなく、価格の安いものも見つかる。

Googleによると、スタイルのアイデアと、類似アイテムのどちらも、アルゴリズムが画像にランクをつける。そして製品の特徴がはっきり分かる画像や、完全な着こなしになってる画像、そして権威あるファッションサイトの画像、などが上位にランクされる。

GoogleがPinterest対抗策をやるのは、これが初めてではない。2015年には画像検索に“コレクション”(collections)機能を加えて、ユーザーが検索結果の気に入った画像をまとめて保存できるPinterestの機能に対抗した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、モバイル検索にタップ可能なショートカットを多数追加

今朝(米国時間3/21)、GoogleはiOS版とAndroid版の新しい検索アプリをリリースしたと発表した。 同時にモバイル・ブラウザのGoogle.com siteサイトもリニューアルされた。これによりスポーツ、天気、食べ物、飲み物、エンタテインメントなどポピュラーな分野については、タップして検索できるショートカットが表示されるようになった。テキストあるいは音声で検索したい語句を入力するこれまで方式に加えてユーザーは新たなオプションが使えるようになる。

新機能の発表にともなってGoogleは「現在のGoogleの検索窓は特定の情報を得ようとしている場合には便利だが、あるジャンルについて最新の情報を得たいという場合もよくある」と説明している。

新しいデザインでは、検索アプリ(ないしモバイル・サイト)の画面上部、検索窓の直下に天気、スポーツなどのアイコンが表示される。たとえばエンタテインメントのアイコンをタップすると、新曲の紹介、映画の予告編、各種レビュー、付近での上演、公演情報などが表示される。 別のショートカットでは近くのレストランなど食べ物を提供する店が分かる。

Androidの場合、メインのショートカットの右矢印をタップすると全画面にタップ可能なショートカットが配置された画面にジャンプする。付近の重要な場所、ライフスタイル、ツール、天気、旅行、私の情報(My Stuff)等々のカテゴリーに分かれている。 最後のカテゴリーはユーザー自身に関係ある情報で、メール、カレンダーなどのイベント、フライト、ホテル予約などにジャンプできる。

AndroidのユーザーはここからGoogle翻訳のようなサービスにアクセスしたり、付近のアトラクション情報を得たりできる。フライトやホテルの情報、通貨の換算、ネットの接続スピードテスト、ソリテアその他もプレイもできるし、サイコロを振ったり、動物の音を立てたりできる。昨年Googleが加えた“I’m Feeling Curious”オプションをタップしてトリビアを仕入れることもできる。

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念のため断っておけば、これまでもGoogleはこうした検索機能を個別には備えていた。今朝のリニューアルはタップ可能なアイコンというユーザー・インタフェースを導入した点が新しい。Googleはこのインターフェースによって、検索に慣れていないユーザーでも各種の情報を簡単に得られるようにした。これはユーザーが別の専用アプリに流れるのを防ごうとしたものだろう。

こうした新機能は有力インターネット企業がポータル志向に回帰するというトレンドに歩調を合せたものだ。インターネットの初期には、ユーザーはお気に入りのサイトをホームページとして天気、スポーツ、最新の話題など最新の情報を得ていた。その後こうした機能は多数のアプリに分割された。Facebookもこうしたトレンドに一貫して対抗してきたサイトの一つだ。Facebookがさまざまな機能を付け加えてきたのは、ユーザーがFacebookを出て別のアプリを使う必要を減らすのが狙いだった。つまりFaqcebookを離れずに天気を調べたり、ショッピングしたりできるようにしたのだろう。

Googleは将来「重要な瞬間やイベント(big moments and events)」を検索できるショートカットをサポートする予定だと述べている。これは大量の検索が集中する出来事、たとえばオリンピック競技や選挙などについて、タップするだけで検索できるワンオフのショートカットを導入するということのようだ。

新機能は最新のGoogleモバイル・アプリで順次公開されている。

〔日本版〕訳者のAndroid環境ではタップ可能なショートカットを備えたGoogle検索はまだ確認できない。GoogleのPlay Storeで「Google検索」アプリを呼び出せば最新版にアップデートできる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google主導のAccelerated Mobile Pages(AMP)プロジェクトをBaiduなどアジア太平洋地区の検索大手がサポート

Googleが今日(米国時間3/7)、BaiduとSogouとYahoo Japanの検索結果は直接、Accelerated Mobile Pages(AMP)へ接続される、と発表した。

2015年に発表されたAMPは、Webページの高速ロードを可能にするGoogle主導のオープンなフレームワークだ。これは通常のWebページが、Facebook Instant Articlesのような高速ロードの配布チャネルに対抗できるための手段、と考えられる。

Googleは今それを、アジア太平洋地域に普及させようとしているようだ。とくに、同社によると、BaiduとSogouを合わせて中国の検索市場の90%を握っている、という。

今朝はニューヨークで、Google主催による初めてのAMPデベロッパーカンファレンスが行われ、この発表はそのステージ上で行われた。Googleのエンジニアリング担当VP David Besbrisが行ったキーノートによると、上記のパートナーシップによって“AMPページのリーチがものすごく増加”し、一つのファイルがどの配布プラットホーム上でも同じように振る舞うというパブリッシャーへの約束が満たされることになる、という。

Besbrisは曰く、 “AMPページもWebも均質な規格だが、配布プラットホームは違いが大きい”。

すでに、Bing, Pinterest, LinkedInなどもAMPをサポートしている。Besbrisによると、LinkedInでは、AMP化した記事ページは、読者がそこで過ごす時間が通常ページに比べて10%増えた、という。またYahoo傘下のTumblrは、そのすべてのブログをAMP化する予定だ。

Besbrisによると、AMPはもともと、ニュース記事の高速ロードをねらっていたが、今ではeコマースなどそのほかの分野に拡大している。彼は、すべての表示をAMP化したメッセージングアプリまで見せたが、それもやはりAMPの本来のターゲットではなかった。彼は、“アプリケーションが利用することは考えていなかった。あくまでもコンテンツのための規格だった”、と述べた。しかし言うまでもなく、メッセージングアプリの表示出力もコンテンツの一種だ。だから、静的な記事だけでなく、いろんなコンテンツでAMPを利用できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

クリエイティブ・コモンズが新しい写真検索エンジンのベータ版を公開、各種フィルタやリスト、ソーシャル機能を提供

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クリエイティブ・コモンズのおかげで、ウェブコンテンツのために無料で合法的な画像を見つけることは難しくなくなっている。この非営利団体は、クリエイターたちが、自分の仕事をより広くシェアしつつ、同時にどこでどのように利用されるのか、どのようにクレジットされるべきか、などをコントロールできるような著作権ライセンスを提供している。そして今回、さらにそのコンテンツへのアクセスが簡単になった。CC Search(CC検索)が今朝(米国時間7日)ベータ運用を開始したのだ。

GoogleFlickrのような、より大規模な画像検索エンジンは、既に何年もCCライセンス画像のフィルターを提供してきたが、クリエイティブ・コモンズ自身の検索エンジンもそれなりの数のユーザーを抱え続けている。発表によれば毎月およそ6万人のユーザーがサイトを検索していると言う。とはいえ、コモンズをよりアクセスしやすくするために、改良が必要だということはずっと言われ続けていた。

クリエイティブ・コモンズのCEOであるRyan Merkleyは「コモンズへの『フロントドア』はありませんし、皆がキュレーションし、共有し、リミックスをするようなツールもまだ存在していません」とブログに書いている。「私たちは、コモンズをより使いやすくしたい。これはその方向に進むためのステップなのです」。

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、ビデオ、オーディオ、音楽、その他の多くを含む様々なメディアを横断して利用することができるが、当面今回の検索エンジンは、全コモンズの半数を占める画像だけに特化する。

エンジンは、初期段階のソースとして、Flickr、500px、アムステルダム国立美術館、ニューヨーク公立図書館、メトロポリタン美術館からの写真を取り込んでいる。最後のメトロポリタン美術館は、ベータサービス開始に合わせてちょうど今日(米国時間7日)追加されたばかりで、これにより20万点ほどの画像がサービスに追加された。

正確な数字は刻々と変化しているものの、ローンチのタイミングでは合計およそ947万7000点の画像が存在している。

より現代的なルック・アンド・フィールを有することに加えて、新しいCC Searchを使用すると、ライセンスの種類、タイトル、クリエイター、タグ、コレクションそして組織の種類によって検索を絞り込むことができる。またソーシャル機能も含まれていて、個々のアイテムにタグやお気に入りをつけることができるだけでなく、お気に入り画像リストの作成と共有も可能だ。さらに、将来の検索を簡単にするために、検索条件を保存することもできる。

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またエンジンは、クレジットの適用も簡単にしてくれる。もし提供されている場合には、事前にフォーマットされた表記が提示され、それをコピー&ペーストすることが可能だ。

これはベータ版であるため、コモンズは新しい機能に関するフィードバックを募集中である。そうしたフィードバックに基いて、次に入れるべき機能や、次はどのような種類のメディアをサポートすべきか、そしてどのアーカイブを追加すべきか、といった次の施策立案を行う予定だ。クリエイティブ・コモンズは、すでに将来のCC検索リリースには、Europeana collection、DPLAの精選サブセット、そしてFlickrコモンズのより大きなサブセットを含めることを計画している。

その他に計画されている追加機能としては、共有リンクのカスタマイズ、キュレーションした作品の検索手段、認証済みユーザーによるメタデータ(タグなど)の登録提案、そして色による検索タグによるドリルダウンパブリックリストの検索などの先進検索手段などがあるようだ。

コモンズをより簡単に検索する試みは、小さなサービスによっても何年も行われていた。例えば独自のCC Searchツールを立ち上げた、CompfightOpenphotoなどが挙げられるだろう。しかし、クリエイティブ・コモンズ自身のサイト上でも、こうした先進的検索機能が提供されることには意味がある。やがて画像だけの検索を超えていくのだ。

「これは、CCのための重要な瞬間です、私たちはいつでも、皆がコモンズを見つけて利用する際に手助けをしたいと願って来ましたし、新しいものを創作した際のコネクションをつくる手助けをしたいとも思っているのです」Merkleyは発表でこのように述べている。

ベータ版の検索エンジンは、ccsearch.creativecommons.org から利用可能だ。

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(翻訳:Sako)

Google検索のAndroidアプリに途切れがちなインターネット接続でも検索できる機能が加わる

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インターネットの利用者が初めて世界の人口の半分を超えた今、Googleはそのサービスのアクセス性を改善しようとしている。それは、スペースが限られている安価なデバイスのためにアプリのサイズを小さくする、不安定で薄弱なインターネット接続のためにオフラインサポートを強化する、などの措置だ。

すでにYouTube, Google Maps, Google Translateなどは新興市場向けの機能を盛り込んでいるが、今日はGoogleという企業の旗艦アプリである検索のAndroidアプリに、オフラインで検索できる便利な機能が加わった。

…と言い切ってしまうと言い過ぎで、それは本物のオフライン検索ではなく、Googleが工夫したそれもどきだ。アプリは、オフラインのときでも検索を受け付け、そのクェリを保存し、接続が再開したらただちに結果をユーザーに届ける。Googleのブログ記事によると、地下鉄に乗ってるとか、田舎の山奥にいるなど、一時的にネットワークが使えないときにも、便利に感じるだろう、という。

“データ料金や電池寿命を気になさらないように。この機能は電池を消耗しませんし、検索結果ページの取り出しも素早いから、データ利用への影響はごくわずかです”、だそうだ。

この機能はGoogle検索アプリのAndroidバージョンだけだが、新しいインターネットユーザーが急増している振興市場ではAndroidがメインのオペレーティングシステムなので、妥当かもしれない。iOSバージョンが出るか、いつ出るか、などについてはまだ何も情報はない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FoursquareがGoogleに対抗してリストの検索機能を新たに導入、もっと早くからあるべきでは?

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Google Mapsが、場所にスターをつけたりするための、複数種類のリスト作成機能を準備している。対抗してFoursquareは、そのリスト機能をもっと便利にしようとしている。同社の今朝(米国時間1/13)の発表によると、リストを検索する機能が新たに加わるらしい。

考えてみれば、この便利な場所発見アプリに、ユーザーが集めた情報に対する検索機能が今までなかったこと自体が驚きだ。でも昔から、Foursquareの考えることはいつも謎めいている。アプリを分割してシティガイドとソーシャルネットワークに分けるなんて、謎の最たるものだ。

そのよく分からない決断は、分割後のソーシャルアプリSwarmにとって吉(きち)とは出なかった。アプリのトップチャートをどんどん落ち続け、今ではiTunesの「ソーシャルネットワーキング」カテゴリーで280位、Google Playでは330位だ。

それでも、Foursquareのメインのアプリは健在で、App StoreでもGoogle Playでも「食べ物と飲み物」カテゴリーでトップ50に入っている。新たにリスト検索機能が加われば、場所探しお店探しがもっと便利になるだろう。

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同社によると、ユーザーの地域のベスト店のリストの検索ができるようになる。リストは企業作でも個人作でもどちらでもよい。タコス店だけ、のように、対象を絞りすぎたベスト店リストでもよい。逆に、“どこそこでいちばんおいしい店”、のように漠然としたリストでもよい。

この機能の立ち上げ時に選べる企業作のリストは、Bon Appetit, PureWowなどだ。Foursquare自身が作ったリストもある。それらは、州別のベストピザ店全米新開店レストランのベストカクテルバーのベスト50、などなどだ。

この機能はモバイルアプリの[list]タブをタップし、キーワードやブランド名などを入力して検索を開始する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ダークマターの拡大とGoogle王国の黄昏

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【編集部注】著者のSteve Newcomb氏はFamous.coの創業者兼CEOである。

Googleの王冠の宝石であるインターネット検索や、人類が世界で情報を見つける手段は、大きな問題を抱えている。これらの問題は、私たちが知るインターネットを脅かしている;もしそれらが何の抑制もないまま発達し続けることを許されるならば、その影響は遥かに広く深刻なものになるだろう。これらの脅威は、総称してダークマター(暗黒物質)と呼ばれている。

ダークマターとは何か?

ダークマターとは、検索エンジンが見ること、インデックスすること、そして検索することができないインターネット上の情報である。ダークマターが増えれば増えるほど、Googleの未来も暗いものとなる。それはアプリや、ソーシャルネットワーク、そしてシングルページアーキテクチャに埋め込まれたコンテンツたちだ。

ダークマターをとても危険なものにして、かつ押しとどめることを困難にしていることは、そうしたものに対応しているテクノロジーが同時に現代の生活に欠かせないものであるということだ。もしその成長が何の抑制もないままに進めば、ダークマターは発見可能な情報を日食の如く蝕み、結果としてGoogle検索を破壊するだけでなく世界の情報をインターネット内のプライベートな領地の中に閉じ込めてしまうことになる。

どのくらいのダークマターが存在するのだろうか?天体物理の世界に存在する同名の物質と同様に、それを直接知ることは難しい。しかし、隣接するインターネット市場にダークマターが及ぼす影響を測定することはできる。たとえば、検索広告収入を見ると、問題は衝撃的な明快さで示される。1990年代後半に始まって以来、検索はデジタル広告収入の中でのシェアを伸ばし続けて来ていた。しかし、2016年にIAB(Interactive Advertising Bureau)が爆弾を落とした:その報告によればGoogleの主要収入源である検索広告収入は初めて減少したのだ、一方世界で最大のダークマター発生装置であるFacebookがこれまでで最大の収益成長を見せた。

何かが劇的に変わった。

ソーシャルネットワーク

ソーシャルネットワークはウェブ上で特別な広がりを見せている —  人類の31パーセントが、少なくとも1つのソーシャルネットワークアカウントを持っている。そして、ソーシャルウェブに投入されるコンテンツの量は驚異的だ。60秒の間におよそ400万件の投稿がFacebook、Twitter、そしてInstagramで行われ、400時間分の動画がYouTubeにアップロードされている。その1分の間にGoogleは300万件の検索を処理している。

それらのソーシャルネットワークはプライベートにコントロールされている。Facebookは現在検索可能だが、マーク・ザッカーバーグはFacebookやInstagramのコンテンツを任意の時点で外部の検索エンジンから利用できないようにすることで、Webの膨大な領域をダークマターに瞬時に変えてしまうことができる。Googleは、YouTubeの結果が自身のエンジンだけから得られるように制限することもできる。Twitterは個々のツイートがSERPs(Search Engine Result Pages:検索結果画面)に現れないようにすることができる。これらのソーシャルプラットフォームのそれぞれが独自のプライベートインターネットになることができる可能性を秘めている。

プライベートインターネットのコンセプトはどのように展開するのだろうか?私たちは、2016年の大統領選に照らして、フィルタバブルの存在をより学びつつある。それはソーシャルメディアと検索の両方で、前例のないレベルで確証バイアスを助長している。この問題はダークマターの拡大によって悪化する一方である。

60秒の間におよそ400万件の投稿がFacebook、Twitter、そしてInstagramで行われている

アプリは近代的なモバイルライフスタイルを規定している。問題は、それらが当然のことながら、完全に検索ウェブから分離されていることだ。アプリケーションは、最初のiPhoneの技術的制約に応じて登場した。そして、それらはこの技術的時代精神の中心的なテーマに発展した。検索クローラーは、モバイルブラウザの外にあるネイティブアプリケーションのコンパイルされたコードへアクセスすることはできない。アプリ内のコンテンツは、その構築手法の事実上の結果として、検索エンジンからは利用できない。

だから、わずかな例外を除いて、あなたが携帯電話に入力した情報はすべてダークマターだ。そして、消費者はスマートフォン上で自分の時間の85%をアプリ内で使っている。その接続された生活が、こうした切断された島々の中にますます囚われることになる。

私たちは2007年(iPhone誕生の年)に決められたポリシーに固執している。その時に比べて、モバイルブラウザとモバイルデバイスはますます強力になり、接続速度も急速に高まっている。なのになぜ私たちはネイティブアプリの限界を超えて進もうとしないのだろう?

シングルページアーキテクチャ

ネイティブアプリに対するウェブからの代替案は、この問題を解決するためにはほとんど役に立ない。ウェブでは、シングルページサイトとウェブアプリケーションが多く見られるようになっている。ミニマリストであるシングルページの実行は美しく(開発コミュニティの一部の慎重意見にもかかわらず)広く普及しているが、ネイティブアプリのように、検索できないバブルの中に存在しているのだ。シングルページアプリケーション内のインデックス可能なデータは、検索可能なHTMLファイルとしては存在せず、実行可能なJavaScriptコードの向こう側に存在しているために、従来の検索クローラーにとっては意味がない。

まあ、完全に駄目というわけでもない。GoogleはJavaScriptの背後にあるデータを見ることができるようにクローラ技術を改良している。問題は、それに対応するにはGoogleが望む形でサイトを構築しなければならないことである。そしてそれは多くの企業にとってあまりにも遠すぎる1つの橋なのだ。そしてそれは、他の検索プロバイダーや他のテクノロジーをベースに構築されたシングルページアプリケーションたちをどこに置き去りにしてしまうのだろうか?たとえばBingやDuckDuckGoのような代替のエンジンを使用したいユーザーを、どこに置き去りにしてしまうのだろうか?使い勝手の良さやサーバへの問い合わせの削減など、シングルページの設計には明らかなメリットがあるが、SEOの能力を損なうほどの価値はあるだろうか?

未来に目を向けて

これらの問題を抽象化してみると、これがどこに向かっているのかがわかる。検索 — 私たちのインターネットの中核であり、現在人類が依存している情報パラダイム — はダークマターの重みで崩壊する。私見では、私たちには2つの選択肢がある:

  • Google検索は残る。世界が必要性に応じて変化し、ダークマター生成装置が変わる。ネイティブアプリはSEO可能になる、あるいはウェブに移行する;シングルページアプリは検索を念頭に置いて開発されるようになる;そしてソーシャルネットワークは、検索エンジンに対して開かれる。
  • Google検索は死に、それを置き換えるための何か — ダークマターを検索することのできる何か — がやって来る。Appleがコンパイルされたコードのインデックスを行う検索技術を開発することを想像して欲しい。Facebookのソーシャル検索は、ソーシャルな領地のための望ましい検索に発展する。今日私たちが知っているウェブは、インターネットで出遅れた者たちの淀んだ場所になる。

どのシナリオが最善なのかと尋ねたくなるだろう。しかし、誰が勝ったかを知るのはいつのことだろう?

一般的なメディアが示唆していることにはかかわらず、多くのパラダイムシフトは、単一の重要な「ユリイカ」の瞬間には起こらない。それは単一のイベントではなく、進化なのだ。それらは最終的に巨大な問題を解決するために、多くの偉大な心によって捧げられた長年の仕事の集大成なのである。

Steven Johnsonが「隣接する可能性」と呼ぶ持続的な解決策につながるイノベーションの階段は、情報の未来を制御する戦いに誰が勝利するかに光を当てる戦場になる。次の10年間で、それは強大な技術王家間で争われる玉座を巡る戦いとなるだろう。

  • Google家とFacebook家はAngularとReactという武器を使いシングルウェブページとウェブアプリケーションを支配するために戦う。
  • Google家は、ECMAScriptの委員会でJavaScript言語のコントロールを試みてFacebook家を側面攻撃し、Facebook家はこれを避けようとする。
  • 別の戦場では、ディープリンクを使った擬似インデックス付きネイティブアプリのコントロールと正統性について、Apple家はGoogle家と角をガッチリと突き合わせるだろう。
  • そして、かつての栄光を取り戻すためにどこからともなく攻めてくるMicrosoft家の復活を目撃することになるだろうか?

Google家は王座を保持し続けるのだろうか?それとも私たちはGoogle家の没落とそれに続く、群雄割拠を目にすることになるのだろうか?

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(翻訳:Sako)

GoogleがAndroid向けキーボードアプリをGboardという名前でリブランディング

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GoogleはAndroid向けGoogleキーボードアプリをGboardという名前でリブランディングすることを正式に発表した。この新しいキーボードアプリはGoogle検索エンジン、絵文字やGIF検索などを完全に統合している。このキーボードがAndroid向けにローンチすることは、既に先週の始めに数多くのメディアサイトブログでも書かれていた。

Gboardは、利用者のデバイスで上のGoogle検索エンジンとのより良い統合を目指した手段として、約半年前にまずiOS向けにローンチされた。別のアプリに入れる代わりに、Googleはユーザーが一番よく使う画面、つまりキーボードに検索を埋め込んだ。

GboardのAndroid版には、先行するiOS版と同じ機能セットが含まれている、また変更されたものの大部分は、コアエクスペリエンスを改造したものではなく、ユーザーの懸念のいくつかに対処したものである。

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新しいアプリでは、Googleロゴをタップして検索を開始できるようになった。この調整で、Google検索へのアクセスがさらに明確になった。

このような検索機能を組み込むことの利点は、検索結果をキーボードから簡単に共有できることだ。情報を掘り起こすために他のアプリを起動しなくても良いため、企業住所、天気、飛行時間、ニュース記事、レストラン情報などを友人と共有したい場合に便利だ。Gboardはまた、あなたのチャットに基づいて可能性のある検索を予測する。これに関しては、非常に有用であるとも思えるし、あるいは非常に不気味であると思うかもしれない。

たとえばGoogleは、天気について友人とチャットしているときに、アプリが「天気」予報を提供して、共有することができると説明している。

このアプリには、iOS版のようなGIFと絵文字の検索機能も組み込まれている。便利なことに、Googleが適切な絵文字を見つけやすくしてくれる。スクロールする代わりに、必要なもの(「monkey」など)を検索するだけで済む。

Android版アプリと共に提供された新機能の1つは、キーボードレイアウトに関するユーザーの苦情の1つであった、画面上に常に数字行を表示するオプションである。このアプリでは、バイリンガルユーザーの検索やアプリの予測に役立つ複数の言語のサポートも追加された。

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また、もしそれがお好みのテキスト入力モードならグライドタイピングをオンにすることもできる。また、テキストの予測、自動修正、ボイスタイピングなどのキーボード機能の標準ラインナップを提供しています。

Gboardは本日(日本時間では17日)のマーケットへの展開の開始時に100以上の言語をサポートする、そして更に追加されていく予定だ。

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(翻訳:Sako)

Googleが検索結果に映画やテレビ番組の評価を含めることを実験中

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Googleがまた、ちょっとした軽いサービスを検索結果の中に直接入れることによって、既存の業界を破ろうとしている。今回は、映画格付けのRotten TomatoesやIMDbとGoogleが、検索すると映画の評価も分かる、という機能をテストしている。

GoogleがSearch Engine Landに確認しているところによると、現在この機能は単なる実験であり、現時点では何も発表することはない、ということだ。

そのほかの映画やテレビ番組の格付けプラットホームと違ってGoogleの機能は、1から5までの点数ではなく、[好き][嫌い]の二択だ。

それ自体はおもしろい機能でもないが、でもGoogleはこうやって徐々にインターネットを覆う自分の層を厚くしていくのだ。

天気予報やチケットの購入などは、個々にそれ専門のサイトがやっていた。しかし今では、Googleの検索結果のページにそれらの情報や機能がある。

映画の評価機能でも、これまでのそのほかの機能と同じく、タイトルをクリックすればオリジナルのサイト(今回はRotten TomatoesとIMDbの格付け)へ行ける。

前述のように、今は単なる実験だから、映画やテレビ番組を検索してこの機能が見られないユーザーもいるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

2000万ドルの投資を受けた総合検索アプリAtlas Recallのオープンベータテストがスタート

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コンピューターが完璧な記憶力を持っているとすると、なぜコンピューター上での探し物はあんなに大変なのだろうか?もしかしたら、私たちの記憶とは違った働き方をするからなのかもしれない。Atlas Recalは、”全方位検索機能”を武器にこの問題を解決しようとしている。このアプリは、ユーザーが全てのデバイスでやったことや見たものにインデックスを付け、人間の記憶の仕方に沿って情報を整理することができる。そして、本日からAtlas Recallのオープンベータテストが開始された。

私は今回、Atlas Recallの開発元であるAtlas Informatics CEOのJordan Ritterと、マーケティング担当ヴァイスプレジデントのTravis Murdockに話を聞くため、アプリのローンチ前に、シアトルにある彼らのオフィスを訪れた。以前はNapsterに勤務していたこともあるRitterは、会社や製品の成り立ちについて説明してくれた。要点をまとめると、資金的な自由が生まれたことで、新しい冒険に乗り出すことができ、彼はすぐに検索機能の改善に取り組みはじめたのだ。

「私は自分がしたことを、デバイスごとではなく、複数のデバイスをまたいで覚えているんです」と彼は話す。しかし、私たちも間違いなく経験したことがある通り、それぞれのサービスや検索エンジンがアクセスできる領域は限られている。

Googleはインターネット上を検索するためのもであり、Facebookはプライベートの写真や友人との記録を残すためのものだ。Outlookは連絡先やメールや予定を記録するためにあり、Spotlightではローカル上のファイルを検索することができる。そしてSpotifyは音楽やプレイリストを管理するためにある。この他にも、同じような例はいくらでも挙げることができる。

そしてどの辺り(もしくはどのプラットフォーム上)にデータがあるかわかった後も、実際にそこへ移動して探しているものを掘り起こさなければならない。Slackのどのチャットルームにミーティング時間を記載していただろうか?どのスレッドにファイルが添付されていただろうか?ルームメイトが話していたプレイリストはどれだろうか?といった具合に。

「検索には大きくわけてふたつの種類があります。ひとつは、今まで見たことがない新しいものをみつけるための検索。そしてもうひとつが、どこにあるかは分からないけど、絶対に見たことがあるものをみつけるための検索です」とRitterは語る。

Atlas Recallは、後者を現存するどのサービスよりも上手くこなすために開発されたのだ。このアプリを使えば、ユーザーがコンピューターやモバイル端末上で見る全てのものにインデックスが付けられ、あとで検索できるようになる。ウェブ上にあるもの、Facebook上の情報、Outlookの中身、ローカルファイルなどユーザーが見るもの全てだ。びっくりする前に以下を見てほしい。

  • 検索対象のサービスにアクセスする必要はなく、API連携も不要
  • やりとりされる情報は常に暗号化される
  • ユーザーはアプリが記録する対象を簡単にコントロールできる

さらにAtlas Recallは、検索対象となるアイテムやそのコンテンツだけではなく、関連情報まで記録することができる。いつ・どの順番でそのアイテムを見たか、当時他にどんなウィンドウやアプリを開いていたか、アクセス時ユーザーがどこにいたか、その情報は以前誰とシェアされていたといった情報の他にも、たくさんのメタデータが関連情報には含まれている。

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「シアトル・シーホークス 試合」といった曖昧なワードで検索すると、すぐにさまざまな領域をまたいだ全ての検索結果が、関連度の高いものから表示される。このケースで言えば、メールで受け取ったチケットや友人と立てた試合観戦の計画、Facebookの招待状、以前読んだチームに関する記事、フォットボールのファンタジースポーツチームのページなどが検索結果に含まれるだろう。そしてそのうちどれかをクリックすると、すぐに探している情報のもとへたどり着くことができる。

ほかにも、例えばユーザーが空港で読もうとした記事を保存し忘れた際にも、「LAX(ロサンゼルス国際空港)」と検索すれば、空港にいる間にやったことや見たもの全てが表示される。ファイルがノートパソコン、デスクトップ、Google Docs、Dropbox上に散乱する中、同僚へプレゼン資料や関連情報を送ろうとしたときも、一か所からファイルを検索し、必要なものを選び出すことができる。

コンテンツのタイプや期間のフィルターを使って、検索結果を絞り込むこともできる。さらには、記録してほしくないウェブサイトやアプリも選べるため、確定申告の作業中や秘密のポエムを書いているときなどは、一時的に記録をストップすれば良い。

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一度試してみると、このアプリが今後すぐに欠かせないツールになると感じることができる。私は記憶力が悪い方だが、もしそうでなかったとしても、ひとつのPDFファイルを探し出すために、仕事中に4つのウェブアプリを順番に確認したくはない。どこにそのファイルが”生息”しているかに関わらず、プロジェクト名を入力するだけで、自分と同僚が送受信した全ての関連情報がすぐに表示されるとしたら、どんなに素晴らしいことだろう。

これがコンピューター上でのAtlas Recallのインターフェースの様子で、似たような機能がモバイル版にも採用される予定だ。さらにモバイル版では、GoogleやSpotlightとAtlasを連携させることで、いつも通り検索すれば関連情報が全て表示されるようにも設定できる。

全てのデータはもちろんクラウド上に記録されるため、ここまで詳細なオンライン行動の記録が、誰かのパソコンに保存されることを心配に思う人も中にはいるかもしれない。Ritterも今後ユーザーとAtlas Informaticsの間で、信頼関係を築いていかなければならないと認めている一方で、元セキュリティエンジニアとして、セキュリティ面にも真剣に取り組んでいると彼は話す。

プライバシーについて、GoogleやFacebookはユーザー情報をもとに広告を販売して収益を挙げているものの、Atlas Informaticsではデータの中身が確認されることはない。さらに同社はフリーミアムモデルを採用する予定で、広告掲載は検討されていない。そもそもプライバシーに関する保証なしでは、誰もこのようなサービスを利用しないだろう。そのため、Atlas Infromaticsは誰(ユーザー)がデータを所有して、どのようなデータ(コンテンツではなくメタデータ)に同社がアクセスできて、利用をやめるときには何の痕跡も残らないようにするということを名言している。

Microsoft、Nathan Myhrvold、Aspect Venturesから調達した2070万ドルの資金を使って、Ritterと彼のチームは”私たちのデジタルライフの検索可能な写真記憶”を実現しようとしている。なお、オープンベータにはこちらからサインアップできる。おわかりの通り、バグを減らし、インターフェースを改良するほか、ユーザーが好きな機能や使っていない機能、見もしない機能を発見することなどが、このバージョンの目的だ。アプリは現在macOSとiOS向けに公開されており、Windows 10とAndroid向けも近日中に公開予定だ。

有料版には、グループ間での共有機能や、管理者向けツールなどの追加機能が搭載される予定だが、Atlas Recallの基本機能は無料で提供され続ける。

今後数週間のうちにこのアプリをテストして、機能性やパフォーマンス上の問題、このアプリを気持ち悪く感じるようになるかなどを見ていきたい。読者の皆さんも是非自分で試してみてほしい。Atlas Recallは次の必須デジタルツールになる可能性を秘めている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Google検索のiOSアプリが匿名モードをサポート、おまけに閲覧再開の指紋認証までも

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モバイルでWebをプライベートに閲覧したいけど、ブラウザーのSafariやChromwよりもGoogle Search(Google検索)のアプリからの方がいい人。そんな人のためにiOS用のGoogle検索アプリがアップデートされ、“匿名モード”が導入された。そのほかのいろんな変更に加えて、今回はTouch ID(指紋認証)による保護もある。

だいぶ前からほとんどのブラウザーにプライベート閲覧オプションはあるが、Googleの検索アプリにはなかった。モバイルユーザーは、というかiPhoneのユーザーは、ブラウザーよりもGoogleのアプリがインターネットへの入り口だ、という人が多いのにね。

今日(米国時間9/28)見るとこのアプリは、GoogleのChromeブラウザーよりもやや上にいる。iTunes App Storeではユーティリティ部門で2位、全体で30位だ。Chromeの方は3位および34位だ。

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この新しいプライベート検索機能を使うには、Settings(設定)のところで匿名モードにチェックを入れる。そうすると、検索や閲覧の履歴が保存されなくなる。また、匿名モードでTouch IDを有効にすると、今やってる匿名モードの閲覧(の再開)を、あなた以外の人はできなくなる。家族友人など他人は、もちろん、指紋が違うから当然だね。

匿名モードを有効にすると、アプリのアイコンの上の3D Touchで新しい匿名閲覧や検索ができるようになる。

匿名モードが加わったことは、今回のアップデートの最大の新機能だが、ほかにもいろいろあるよ、とGoogleは言っている。パフォーマンスの改善や、iOS 10の上での安定性の強化だ。アプリの動作は確かに、前よりも倍ぐらい安定している。

検索結果から直接、YouTubeビデオを見れる機能もある。これまではいちいち、新しいページを開くか、またはYouTubeアプリを使う必要があった。

アップデートはすでに今からでも、App Storeからゲットできる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

動画配信サービスで見たい映画を横断検索、ベルリン発のJustWatchが日本でもローンチ

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ここ数年でHuluやNetflixを始め、動画ストリーミングサービスが一気に普及した。視聴できるコンテンツは増えたが、見たいものがどこで見られるか分からないと思ったことはないだろうか。特に海外ドラマなど、1つのストリーミングサービスで、全シーズンを配信していないことも多い。どのシーズンをどの配信サービスで見られるか、全てのストリーミングサービスを横断的に検索できたら便利だろう。今回紹介するJustWatchはそのニーズを満たすサービスだ。ベルリン発のJustWatchは、現在17カ国でサービスを展開し、本日日本でもサービスをローンしたことを発表した。

JustWatchの特徴は、検索項目が充実している点だ。各動画配信サービスで公開している作品を公開年、ジャンル、評価などを指定して検索することができる。

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例えば、この画像では、検索ボタンで「NetflixとHuluで提供している映画で、アクションとドラマのジャンル」を指定して検索している。もちろん見たい映画が決まっているのなら、検索ボックスに映画のタイトル入力して探すことも可能だ。

現在、日本版JustWatchはNetflix、Hulu、dTV、U-NEXT、GYAO!、Amazonビデオ、Apple iTunes、Microsoft Store、Google Play、MUBIで提供しているコンテンツが検索対象だ。

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見たい作品の詳細結果には、その作品を配信しているサービスの一覧が表示される。各サービスのアイコンをクリックすると、そのサービスの視聴ページに飛べる仕組みだ。「視聴リストに追加」のボタンをクリックして、見たい作品を保存しておくこともできる。

特に見たい作品が決まっていない場合は、ページ上部にある項目から人気作品の一覧をチェックしたり、各サービスで最近公開された作品を「新作」のページからブラウズすることができる。

少し気になったのは、検索ボックスから検索できるのは映画名と番組名のみという点だ。私の場合、映画のタイトルを正確に覚えていないことも多い。検索ボックスから例えば、キーワードや監督名でも検索できればもっと便利かもしれない。またUIに関しては、時折ぎこちない日本語訳がある。ただ、総じて使い方は分りやすく、見たい映画を見つけたらすぐに動画配信サービスに飛んで、視聴を開始できるのは便利に感じた。

JustWatchは2014年10月にベルリンで創業している。JustWatchのCEO、David Croyé氏は映画やテレビ番組を見たいと思った時、各動画サービスの情報や劇場で上映中の映画の情報をばらばらに存在していることに気がついたのが創業のきっかけになったとTechCrunch Japanに話す。「JustWatchのミッションは、世界中の映画ファンと彼らの求めるコンテンツをつなげること」とCroyé氏は説明する。

JustWatchはウェブ版、iOSAndroidアプリを提供している。JustWatchは無料で利用でき、現在のユーザー数は1500万人ほどとCroyé氏は言う。JustWatchはユーザーには課金せず、映画配信企業向けに独自のアドテクツールを提供することでマネタイズしているという。JustWatchにはユーザーの映画の好みや購入行動といった情報が多く集まっているとCroyé氏は説明する。それを元に、主にYouTubeやFacebook上で、最適なユーザーに対し、最適なタイミングで映画の予告を配信する広告テクノロジーを開発しているのだそうだ。クライアントにはソニー・ピクチャーズ、パラマウント、ユニバーサル、フォックスなどを抱え、今月初めて黒字化を達成したという。

現在、JustWatchは30名のチームで運営している。最近、新しくロサンゼルスオフィスを立ち上げたばかりで、数ヶ月内にさらに人材採用を進め、50名体制まで拡大する予定とCroyé氏は話す。今後、ユーザーフィードバックを見て、検索対象のサービスの追加や機能開発を進めたいとCroyé氏は言う。

Googleドライブの検索機能がよりスマートになった、Google Docsも地味に改良

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Googleドライブの検索ボックスが、アップグレードにより、更にGoogle検索のように振る舞うようになったことを、今朝Googleが発表した。改善に含まれるのは、検索語に対する修正提案を表示する自動修正機能や、自然言語処理に対するサポートなどだ。これが意味することは、日常使うような言葉を使ってドライブ上の検索を行うことができるようになったということだ。

自然言語処理の追加は、ウェブサービスやアプリとの対話に音声を使った検索が増えていることを思い出させるし、Googleドライブが後日狙っている広範な音声支援の先触れである可能性もあるだろう。とはいえ当面はタイピングの代わりに音声-テキスト入力を使用するときに便利、ということになりそうだ。

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自然言語処理(NLP)を利用すれば、以下のようなことを喋ることでGoogleドライブを検索できるようになるだろう「去年の12月の予算スプレッドシートを見つけて」、「Anissaのプレゼンテーションを見せて」。Googleは新しいクエリ方法の利用法の例を示して説明している。この機能は時間と共に改善されて行くので、頻繁に利用すればするほど、より結果が正確になるとGoogleは言っている。

これらの大きな変化に伴い、Googleドキュメントもユーザーからのフィードバックの要求に基づいて、幾つかの調整を受けている。手始めは、ドキュメントをマルチカラムにすることができるようになったことだ。これは「表示形式」の新しい「列」オプションを選択することで可能になる。そして、Googleドキュメントが非Googleファイルを開いたときに、自動的にドキュメント、スプレッドシート、スライドに変換して編集できるようになった。オリジナルのファイルには「変更履歴」メニューからアクセスできる。

改良された検索インタフェースと一緒に、これらの機能も世界中のすべてのユーザーが今日から利用可能になっている。もしまだ見ていないなら、ほどなく使えるようになる筈だ。

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(翻訳:Sako)

Android上のGoogle検索アプリはユーザーのスマートフォン上のアプリにあるコンテンツも検索する、ただしオフラインで

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探しているコンテンツがモバイルアプリの上にある、ということがますます増えている〔単なるコンテンツをアプリ化したものも多い〕。そこでGoogleの検索は、アプリインデクシングの対象にしている。そして今度からは、なんと、個々のユーザーのスマートフォンも検索の対象になる。その新しい検索モードはGoogleの“In Apps”というアプリで実現し、ユーザーの自分のフォーンの連絡先やメッセージ、音楽、ビデオ、タスク、ノートなどなどが検索される〔今後順次〕。

Googleの提案によると、“In Apps”で検索するとたとえば、検索した映画が数週間前に友だちとチャットしたメッセージの中に見つかる、ということがありえる。新しいレストランの名前も、見つかるかもしれない。好きな曲を検索して、それをたまたま自分が使っている音楽ストリーミングアプリで聴けたり、YouTubeのビデオで見れたりするだろう。

いまのところ“In Apps”が検索するのはGmailとSpotifyとYouTubeだけだが、Googleは今 Facebook Messenger, LinkedIn, Evernote, Glide, Todoist, Google Keepを加える作業をしている。これらの提供は、数か月後だそうだ。

IPA Name Search Demo - Nexus (FB Messenger)

Googleのこれまでの検索は遠くのサーバーが行っているが、“In Apps”の検索はユーザーのスマホ上で行われる。だからユーザーのプライベートな情報がGoogleなど外部へ送られることはない、とGoogleは言っている。だからその検索は、オフラインでもできる。またGoogle Appの設定(Settings)ページで、In Appsが検索してもよい/よくないアプリを指定できる。

Googleはアプリ内コンテンツを検索の対象にするためのインデクシングプロジェクトを前からやっており、昨年はその対象に、対応するWebコンテンツのないアプリも含まれた。またそのアプリがユーザーのデバイスにインストールされていなければ、それを仮想マシンからストリームする機能も加えられた。

ただしアプリ内コンテンツの中には、Googleの検索クェリにかからないものもある。ホテルの料金や天気予報はOKでも、買い物リストや友だちへのメッセージなど、個人的なコンテンツはGoogleの標準的な技術ではインデクシングできない。それらを検索できるためには、モバイルのオペレーティングシステムに踏み込む必要がある。そこで今回のIn Appsアプリは、当面Androidのみだ。

IPA 0P Demo - LG

Googleによると、今度のLGの新型機V20で初めて専用のホーム画面へのショートカットが提供され、また新たな“In Apps”モードではセカンドスクリーンが提供される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleがフランスの画像解析スタートアップMoodstocksを買収

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view outside the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

Twitterはプラットフォームにおける写真と動画のユーザー体験を向上させるため2週間前にMagic Ponyを買収し、機会学習の精度を高めようとしている。Googleも同じ道をたどる。本日、Androidと検索大手は、Moodstocksを買収したと発表した。Moodstocksはパリに拠点を置くスタートアップで、機械学習によるスマホの画像認識技術を開発し、「画像版Shazam」と呼ばれるAPIを開発者に提供している。

MoodstocksのAPIとSDKは近いうちに使用できなくなると、同社はホームページの声明で伝える。「私たちは、Goolgeで卓説した画像認識ツールを構築することに注力します。現在Moodstocksを有料で使用しているカスタマーに対しては、サブスクリション期間満了までは使用を続けられることを保証します」。

買収の詳細は開示されていない。またMoodstocksがこれまでいくら調達したかも定かではない。Crunchbaseにはベンチャーキャピタルから調達した資金は記されていないが、 2010年私たちが始めて同社のことについて書いた時、ヨーロッパの投資家から50万ドルをシードで調達したと伝えた。ちなみにTwitterは少し前に買収した、イギリスのMagic Ponyに対して1億5000万ドルを現金で支払っている。

Magic Ponyは創業から短く、広く買収対象となりうる段階で買収されたが、Moodstocksは2008年からモバイル端末での画像認識精度の向上を目指し取り組んできた。「私たちの夢は、カメラをスマートセンサーにすることで、周りのことを理解できるよう機械に目を与えることです」と同社は買収発表/さよなら/初めましての挨拶を兼ねた声明で伝える。

当初Moodstocksは自社開発のコンシューマーアプリを制作していたようだ。SNSのようなアプリだ。ユーザーは本などのメディアの写真を撮り、そのメディアに対して自分のコメントをつけることができる。他のユーザーの写真の個別の「フィンガープリント」を合致させる画像認識技術で、コメント同士をリンクさせるというものだ。

面白いアイディアだが、人気は出なかった。そこでMoodstocksはその技術を他の開発者に提供する方向にピボットした。少なくとも1つのアプリ「Moodstocks Scanner」は、開発者がアプリに機能を実装する前にSDKを試すツールに変わった。

Googleは、開発者がアプリに画像サービスを実装できるよう自社でもSDKをローンチするかどうか示していない。また、このテクノロジーをGoogleがコンシューマー向けサービスに活用するかも分からない。分かっていることは、MoodstocksのチームはGoogleのフランスにある研究開発運用拠点に参加することだ。Moodsotcksはが共同創業したスタートアップだ。

短い声明で、Googleのフランスのセンターを率いるVincent Simonetは、MoodstocksはGoogleに高精度な画像検索をもたらすことを期待していると伝える。すでにGoogleが提供しているサービスを改良するという。「画像認識の面で、大きく前進することができました」と彼はフランス語で伝えている。「しかし、この分野ではまだまだ改良できる部分が多くあります」。

Moodstocksの取り組みが、引き続きスマホ向けに留まるのか、他のところで活用されるのかはわからない。Moodstockの機械学習アルゴリズムが活用できる箇所は多くある。例えば、Google検索で検索単語と一致、あるいは関連する画像を見つけるために「学習」することができる。Googleは、このテクノロジーを、例えばGoogleフォトなどの既存アプリに活用することもできるだろう。

あるいは、将来ローンチするプロダクトに採用するのかもしれない。ただ、スマホなら分かりやすいユースケースが目の前にある。小さな端末のタッチスクリーンだとテキスト入力はやや手間がかかる。また、ユーザーは自分で撮った品質の低い画像から類似したものを探そうとするだろう。両方の課題に対し、強力な画像認識ツールは便利だ(例えば、何かの写真を撮って、それを検索「キーワード」として使用するような場合だ)。

Googleはフランスで他にもスタートアップの買収を行っている。例えば、スマホのパフォーマンスを向上させるFlexyCoreなどだ。また、顔認識のJetPacPittPattなど、複数の画像関連テクノロジーも買収している。他の大手テクノロジー企業もこのエリアでテクノロジーの買収を行っている。今年には、Amazonが静かに、AIやニューラルネットワークを活用する写真認識テクノロジーを開発するスタートアップOrbeusを買収している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website