UberがNY市のタクシーと提携、ドライバー不足と運賃高騰対策で

ディスラプトできないなら、仲間になる?かつてタクシーシステムをなくす勢いだったUber(ウーバー)は、ニューヨーク市の全タクシーをアプリに載せることで合意した。今春以降、ニューヨーク市の利用者はUberのアプリから直接タクシーを呼ぶことができるようになり、同社のドライバー不足と運賃の高騰に対処する一助となる。

Uberの広報担当者のConor Ferguson(コナー・ファーガソン)氏は、電子メールでTechCrunchに次のように語った。「タクシー業界との提携は世界中で異なっており、今後5年間に目を向けるとき、タクシーとUberが別々に存在する世界はないと強く信じています。両者にとって得るものが多すぎるのです。タクシーは、私たちが新しい市場を開拓するのに役立ちます。実際、香港やトルコといった場所では、今や当社の主要な商品になっています」。

この提携は、Uberのソフトウェアと、CMTやCurbといった会社の既存のタクシーソフトウェアを統合することで機能する。ウォールストリート・ジャーナル紙の報道によると、Uberを利用したタクシーの運賃は一般的なUber Xとほぼ同じになる。Uberの乗客を乗せたタクシードライバーは、通常のUberドライバーと同じ報酬が支払われる。その額は最低時間と距離のレートに応じて決定される。しかし、Uberはタクシーとは異なる指標で賃金を計算する。そのため、タクシー運転手はUberの乗客を受け入れる前に、予想される収入を確認することができる。これは、Uberが既存の運転手に対して行っていない丁重な措置だ。投資家向け報告書によると、Uberは運賃の約20%を徴収しているが、ニューヨーク市タクシー・リムジン委員会との契約の条件、例えばタクシーの乗車料金からどのような手数料が差し引かれるのかなどは公表していない。

世界中のタクシー運転手はUberのようなライドシェア事業の普及に抗議してきた。フランスでは、既存のインフラから顧客やドライバーを誘致するため、Uberは赤字で営業していたこともある。乗車料金を低く抑えるために負債を発生させるこの全体的なモデルは、依然として24億ドル(約2935億円)の損失を出していたにもかかわらず、同社が2021年第3四半期にわずかな利益をなんとか確保するまで続いた。タクシー運転手と協力するという決断は、米国外では成功したことが証明されている。Uberはスペイン、コロンビア、オーストリア、ドイツ、韓国などの国でタクシー事業者と提携している。よって同社が最大の米国市場の1つでこれを試みるのは不思議ではない。

画像クレジット:Instants/iStock

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Auroroa、トヨタ・シエナの自律走行型タクシーのテストを公開

自律走行車技術企業のAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、将来のライドヘイル事業に向けて、カスタム設計の自動運転Toyota Siennas(トヨタ・シエナ)の小規模なテストを始める。Auroraの広報担当者によると、同社はテキサス州ダラス・フォースワース地域の高速道路や郊外の道路で、高速ルートを中心に車両テストを行う予定だ。

ハイブリッド電気自動車のトヨタ車には、同社が物資運搬用にテストしているAuroraのクラス8トラックと同じソフトウェアとハードウェアが搭載される予定だ。Waymo(ウェイモ)と同様に、Auroraは、同社が「重要な競争優位性」、つまりトラック輸送と旅客モビリティという2つの重要な市場に共通するコア技術の「移植可能性」を持っていることを証明したいのだ。

このテストの公開は、Auroraがピッツバーグ、ダラス、ベイエリアでテストを行った同じ車の初期開発プロトタイプを発表した6カ月後、またAurora Driver(オーロラドライバー)をロボットタクシー業務用に設計したドライバーレス車両と統合するためにトヨタと提携する意図を最初に表明してから1年後に行われた。

Auroraは以前、2024年後半までに、既存のライドヘイリングアプリ、特にUber(ウーバー)を通じて利用できるドライバーサービス製品であるライドヘイリング「Aurora Connnect(オーロラ・コネクト)」を発売する目標を掲げた。

2020年、AuroraはUberの自動運転部門を買収し、それ以来、同社との関係を維持している。例えば、Auroraの自動運転トラックは、両社がより密接に統合される多段階商用パイロット版の一環として、テキサス州でUber Freight(ウーバー・フレイト)の顧客のために、商品を運搬している。

「私たちは現在、Uberの詳細な市場データを活用して、トヨタとUberと提携してAurora Connectを広く展開するための商業化計画を加速させています」と、Auroraの広報担当者はTechCrunchに語った。「ライドヘイリング市場に参入するために、私たちは、既存のライドヘイリングネットワーク向けにAurora Connectを設計しました。これは、自律走行車と人間のドライバーのハイブリッドモデルを作り、ネットワークが増大する需要に対応し、ライダーにシームレスな経験を提供するのに役立つでしょう」。

Aurora Connectが市場に出れば、ライダーがトリップをリクエストすると、ルートによってAurora駆動の車か人間のドライバーが迎えに来ることになる。

Auroraが商業化への道を切り開いているように見える一方、ロボタクシー業界では他の企業がすでに道路空間を開拓している。例えば、Motional(モーショナル)は、最近ラスベガスでオンデマンドおよびトランジット技術サービスのVia(ヴィア)と無料のロボタクシーサービスを開始し、2023年には同市でLyft(リフト)と商業サービスを開始する準備を進めている。そしてもちろん、Cruise(クルーズ)とWaymoもあり、それぞれサンフランシスコとフェニックスで、自社ブランドのロボタクシーサービスを開始している。

ここ数カ月、Auroraはテキサスの高速道路で、FedEx(フェデックス)などの大企業とともに自律走行型トラックのテストを行っている。最近SPACになったスタートアップは、テキサスはまた、AuroroaがAuroroa Connectを導入する最初の州になるとしている。

「テキサス州には、当社の顧客や将来の顧客の多くが操業している、全米に商品を移動させるために重要な米国の主要な州間道路や路線があります」と、広報担当者は述べた。「テキサスはまた、空港への移動のような、Aurora Connectを開始する際に優先されるルートを開発し、テストする能力を与えてくれます」。

「Sienna Autono-MaaS(S-AM)」プラットフォームで作られた自動運転トヨタ車は、時速70マイル(時速約113km)まで出すことができ、高速道路での安全運転のために同社独自のFirstLight LiDAR(ファーストライト・ライダー)に依存している。

Auroraのテスト車両には、2人の車両オペレーターがいる。1人は運転席でAurora Driverの行動を監督し、もう1人は助手席でエンジニアリングチームに送信するメモを取る。Auroraによると、AuroraのAVスタックを搭載したSiennasは、すでにテキサス州で、路肩での停車時や低速車を回避する場合も含む、Uターン、高速合流、車線変更などをこなしている。

Aurora Driverは、さまざまな形の工事、渋滞、悪天候にも対応している。

現時点では、車両は10台未満と思われる小規模なものだが、Auroraは、今後数カ月のうちに車両を追加し、より多くのシナリオとルートを扱い、密集した都市部に移動してテストを拡大する予定であるという。

画像クレジット:Aurora Innovation

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Yuta Kaminishi)

世界が再び動き出す中、Uberが第1四半期の利益見通しを上方修正

米国の配車サービス大手Uber(ウーバー)は、第1四半期の調整後収益見通しを引き上げ、需要急増により予想以上に楽観的な見通しを示した。

米国時間3月7日朝に提出されたばかりの8-K報告資料には、調整後EBITDA(株式報酬を含む多くのコストを控除した、大幅に修正された利益指標)は第1四半期に1億3000万〜1億5000万ドル(約150億〜173億円)になると予想しているとある。これは、2月の2021年第4四半期決算説明会で発表された1億ドル〜1億3000万ドル(約115億〜150億円)という以前の見通しから大幅に引き上げられている。

つまるところ、配車やフードデリバリーの需要が高まり、パンデミック以前の水準にほぼ戻っている。

配車面では、Uberは乗車の指標が2019年2月実績の90%まで回復し、利用総額は2019年2月実績比95%という強さに戻ったと同社は述べている。UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は報告資料の中で「2月の空港利用総額は前月比で50%以上増加し、Uberは次の旅行シーズンが過去最高の1つとなるよう準備している」と付け加えた。

重要なのは、コスロシャヒ氏によると、配車の需要があらゆるユースケースに及んでいることで、乗車の増加には旅行、通勤、夜の外出のための移動が含まれていると同氏は指摘している。

同社はまた「モビリティとデリバリー部門の調整後EBITDAの両方が引き続き改善されている」と指摘している。総数が更新されたのに、なぜニュアンスを共有するのか? 同社は、配車事業(モビリティ)が回復している一方で、その業績向上がフードデリバリー事業(デリバリー)の犠牲になっていないことを強調したいのだ。

Uberのフードデリバリー事業は、パンデミックで人々が家から出なくなって配車事業が大混乱に陥った時、利用総額で大きなヘッジとなった。

配車とデリバリーは表裏一体で、2つが同時に表に出ることはないというのが市場の懸念だったが、Uberの最新の数字はそれが実際に可能であることを示唆している。米証券取引委員会への報告資料は、同社が予想以上に営業レバレッジを効かせていることを暗示している。

好調なスタートを切ったにもかかわらず、3月7日、Uberの株価は約1.8%下落した。世界的な市場低迷の中で、ハイテク株は全般的に苦戦している。

Lyft(リフト)は、第1四半期の業績について新たな見通しを発表していない。UberのライバルであるLyftの前回の決算報告では、乗車が回復していることが示されている。問題は、Lyftが2022年の最初の2カ月間を通じて、同じように乗車が増加しているかどうかだ。

注目すべきは、LyftがUberのようなフードデリバリー事業を展開していないことだろう。多角化特化の考え方にもよるが、Lyftの配車事業への一点集中は強みでもあり弱みでもある。

Uberが利益見通しを上方修正し、それでも日中の取引で評価額の減少をみたのはかなり2022年的だ。同社はここ数カ月でそのパンデミックゲインのすべてを戻した。実際、3月7日のUberの評価額は、パンデミックを乗り切り、デリバリー事業を拡大し、調整ベースとはいえ連続黒字を達成するずっと前の2019年半ばの評価額よりも低くなっている。

世の中はなかなか厳しい。

画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

ウガンダのバイクタクシー「SafeBoda」はスーパーアプリ化でパンデミック不況からの回復に賭ける

2020年初めに2万5000台のオートバイを擁していたSafeBoda(セーフボダ)は、ピーク時にウガンダとナイジェリアでオートバイ後部座席の乗客数千人を運んでいた。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの到来とともにすべてが消え去った。在宅勤務推進などの感染対策はビジネスの不調を意味し、さらに都市封鎖や外出禁止令、公共交通機関の停止などが追い打ちをかけて、バイクタクシービジネスを苦境に追い込んだ。

この停滞はSafeBodaに悪影響を及ぼしたが、同時にこのスタートアップが、シングルサービスプロバイダーから統合マルチサービスおよびデジタル決済テクノロジープラットフォームへと戦略転換するきっかけを与えた。

同スタートアップは2017年に、Ricky Rapa Thomson(リッキー・ラパ・トムソン)、Alastair Sussock(アラステア・サソック)、Maxime Dieudonne(マクシム・デュードン)氏の3人が設立した。最近、ウガンダ中央銀行から決済ライセンスを取得してフィンテック分野で公式デビューを飾り、過去2年間に導入してきたた新サービスのリストに追加した。

「当社がこの分野に参入したとき、人々がタクシー以上のものを必要としていることに気づきました。アプリを利用する人たちは、もっと何かできるはずだと私たちに言い続けました。ユーザーの話を聞き、フィードバックを真剣に受け止め、調査を行った結果、タクシー以外にいくつかのサービスを提供することが可能になりました。そしてそれは、今後のビジネスの持続可能性に役立っています」とSafeBodaの共同ファウンダーであるトムソン氏はTechCrunchに語った。

画像クレジット:SafeBoda

SafeBodaの新しいウォレットを使って、ユーザーは相互に手数料無しで送金できる(telcosなどの同業者では手数料が必要)。これはタクシードライバーがキャッシュレス支払いを受けられることを意味している(アフリカ大陸ではカード支払いの普及は非常に遅れている)。さらにユーザーは、このウォレットを提携業者への支払いにも使える他、ウガンダの首都カンパラに点在する200以上の代理店で現金を引き出せる(要手数料)。SafeBodaウォレットの定期預金では年率10%の利息も得られる。

ある意味で、このウォレットはこの国の金融包摂(金融の機会平等化)に貢献している。ほとんどが銀行口座をもっていないバイクタクシーのドライバーたちが、報酬履歴をつくることによって、融資の際の信用力を高めることができる。これは新サービス導入の足固めにもなる。

「バイクタクシーのドライバーたちは実際収入を得ていますが、融資をはじめとする金融サービスを利用することもできていません。そして私たちは、機会平等を進めるためには、適切なパートナーを得るだけでなく、ユーザーの履歴を知る必要もあることがわかりました。当社のプラットフォームを使うことによって、ドライバーの報酬履歴を作ることが可能になり、これが大きな変革を起こそうとしています」。

トムソン氏によると、同社は近い将来一連の新サービスを提供する予定で、サービスの再評価と改善を繰り返す戦略に沿って、顧客が切望している利便性を拡大していく計画だ。新規市場への参入を目指すSafeBadaは、国境を超えたユーザーを対象にして新製品を作っている、と同氏は語った。

「アフリカ全土で利用できるグローバルな製品を作っています。SafeBodaは、ウガンダだけでなく、もっと多くの人たちよりよいサービスを提供することで、アフリカの誰もがクリック1つでサービスを利用できるようにすることが目標です。当社のドライバーたちの生活が改善されるようにすることはもちろんです」。

SafeBodaは、最近Googleによる5000万ドル(約57億円)のアフリカ投資ファンドの支援を受けた最初の会社となり、ユーザーベース(100万ダウンロード以上)を活用して、新規ビジネスの成長と競合他社の引き離しをはかっている。他の出資者には、Allianz X、Unbound、Go-Ventures、およびインドネシアでマルチサービス・スーパー・アプリを運用するGojekがいる。

SafeBodaが最近始めた事業の1つ、eコマースプラットフォームは、2020年4月にスタートし、所属ドライバーを配達のラストマイルに活用している。eコマース事業は、同社の小荷物および食品配達サービスに追加されたもので、ロックダウンでオートバイ・タクシーの利用が落ち込む中、ドライバーに仕事を与え、実質的に事業を継続させるためだった。同時に、同スタートアップのスーパーアプリへの道の始まりとなった。

画像クレジット:SafeBoda

ユーザーに提供する価値の選択肢を増やすことでSafeBodaは、Uber(ウーバー)やBolt(ボルト)といった資金豊富なライドシェアリング会社や、Jumia(ジュミア)などのEコマース・プラットフォームと対等に戦う準備を整えている。

2週間前、ウガンダのYoweri Museveni(ヨウェリ・ムセベニ)大統領は、2020年以来続いていたバイクタクシー(boda boda、ボダボダ)の禁止を解除し、SafeBoda、Uber、Boltによるライドシェア・サービス再開への道を開いた。

「当社はアフリカ最大のバイクタクシーによるライドシェアリング会社です。これまでさまざまな競争を経験し、大企業が私たちの市場に参入してきてからも、市場のリーダーを続けています。これからも成長を続け、強い競争力を維持していきます」とトムソン氏は語った。

新型コロナパンデミックがモビリティ産業に与える影響は、ウガンダ輸送業界に限らない。世界中の輸送サービスが、移動制限と都市封鎖によるひどい影響を受け、航空会社、タクシー会社など輸送産業のいくつかの会社が倒産に追いやられた。しかし、徐々に業界は息を吹き返し、全世界のライドシェアリング業界は、次の7年間に2倍以上成長して980億ドル(約11兆3000億円)に達し、年平均成長率10%が期待される、とこのレポートは伝えている。

画像クレジット:SafeBoda

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(文:Annie Njanja、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uber、2021年の売上高を力強く伸ばし調整後の収益性も改善

Uber(ウーバー)は米国2月9日、取引開始直後に2021年第4四半期決算を発表した。プラットフォーム総支出は259億ドル(約2兆9915億円)で、前年同期比51%増だった。売上高は57億8000万ドル(約6676億円)で同83%増となった。また、GAAPベースの純利益は1株当たり0.44ドル(約50円)だったが、この数字には投資に関する営業外項目が含まれている。

Yahoo Financeに掲載された予想によると、アナリストは売上高53億4000万ドル(約6167億円)に対して1株当たり0.35ドル(約40円)の損失を計上すると予想していた。Uberの株価は、決算発表直後から6%弱上昇している。

Uberの主要事業の売上高を部門ごとに見ると、以下のようになる。

上記の数字には、Uberの多様性が存分に表れており、配車事業はUberの主要部門の業績の中で最も成長率が低く、配達事業に収益の王座を奪われてさえいる。しかし、かなり調整されたEBITDAに目を向けると、状況は一変する。

Uberの配車事業は、同社のコーポレート部門が請求できるマージンを生み出すという点では、依然としてトップであることがわかる。一方、配達事業と貨物輸送事業は同四半期に事実上、相殺している。しかし、Uberにとって調整後EBITDAがプラスになったことは、配達事業の黒字化が少なからず寄与してかつてのような赤字体質から脱却したことを示す有用な指標だ。

UberのライバルであるLyft(リフト)は2月8日、調整後黒字を計上し、売上高が予想を上回った第4四半期決算を発表した。UberとLyftの株価は通常取引で上昇した。

上記のニュースは概してポジティブなものだが、より伝統的な指標ではUberは依然として採算が取れていない。例えば、2021年第4四半期の同社の営業損益は5億5000万ドル(約635億円)の赤字になった。しかし、14億7000万ドル(約1697億円)の「その他」収入がその赤字を補って余りある。その他収入とは何なのか。同社によると、この項目は「主にUberのGrab(グラブ)とAurora(オーロラ)の株式投資の再評価に関連する含み益の合計によるもので、UberのDidi(ディディ)の株式投資の再評価に関連する含み損で一部相殺された」ものだという。

歓迎すべきことではあるが、これらの利益は四半期単位で持続することはなく、Uberの事業はすべての経費を営業成績に織り込むと依然として採算が合わないことを暗に示している。以前ほどではないが。この状況を見る良い方法は、1年当たりの営業現金燃焼だ。2020年のUberの事業は27億5000万ドル(約3176億円)を使い、2021年の営業キャッシュフローははるかに少ないマイナス4億4500万ドル(約513億円)だった。

業績予想

Uberは2022年第1四半期に「250億〜260億ドル(約2兆8875億〜3兆30億円)」の総プラットフォーム支出を「1億〜1億3000万ドル(約115〜150億円)」の調整後EBITDAを見込んでいる。総プラットフォーム支出は2021年第4四半期実績と比較して横ばいか若干のマイナス、調整後EBITDAの数値は8600万ドル(約99億円)だった第4四半期実績から若干の改善となる。

もちろん、業績発表後にさらに詳細が明らかになるが、これが最初の概要だ。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

アルファベット傘下Waymoが中国メーカー「Geely」と提携、米国での配車サービス用電動AVを製造へ

Alphabet(アルファベット)の自律走行技術部門であるWaymo(​​ウェイモ)は、中国の自動車メーカーGeely(吉利)と提携し、全電動の自動運転配車サービス車両を製造する。WaymoのAVシステムであるWaymo DriverをGeelyのZeekr車両に統合し「数年内」に米国市場で使用する予定だ。

Waymoは生産開始時期やこれらの車両が路上を走るようになる時期など具体的なタイムフレームを示していないが、この提携はWaymoがOEM提携に向けたマルチプラットフォーム・アプローチを追求していることを示している。Waymoの現在の配車サービス車両は、Jaguar(ジャガー)のI-PacesとChrysler Pacifica(クライスラー・パシフィカ)のハイブリッド構成で、アリゾナ州フェニックスで自律走行による乗車を提供している。また、 Fiat Chrysler automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)を傘下に持つStellantis(ステランティス)との提携を拡大し、ローカル配送サービスも行っている。Waymoの広報担当者によると、吉利との計画によるWaymoの既存の提携への影響はないとのことだ。

Geelyが2021年3月に立ち上げた高級EVブランドZeekrは11月、初のプレミアムモデルである洗練されたクロスオーバーを中国で発売した。Waymoのバージョンは、レンダリング画像ではミニバンのような外観で、スウェーデンのヨーテボリでカスタム設計とエンジニアリングが行われている。米国に出荷された後、Waymoがライダー、センサー、カメラなどのハードウェアとソフトウェアを含む同社のDriverを車両に統合し、自社の配車サービスフリートで展開する予定だと同社は話している。

関連記事:中国自動車メーカーGeelyがTeslaら対抗でラグジュアリーなEVブランド「Zeekr」を立ち上げ

Waymoのブログ記事によると、Zeekrの車両は「ライダーファースト」に設計されていて「よりアクセスしやすいフラットフロア、Bピラーレス設計による容易な乗降、低い踏み込み高、ゆったりした頭上と足元のスペース、完全に調節可能なシート」を備えている。完全なドライバーレス化を見据えてハンドルやペダルがない代わりに、ゆったりとくつろげるよう頭上と足元のスペースは十分に確保され、リクライニングシートやスクリーン、充電器も手の届くところに設置される。

Cruise(クルーズ)やArgo AI(アルゴAI)など他のAV企業も、専用の配車サービス用EVの計画を明らかにしている。Cruiseは2020年、ライドシェア向けのOriginを発表した。9月にはArgoとVolkswagen(フォルクスワーゲン)が共同開発した自律走行バンのID Buzz ADの計画を明らかにし、2025年にドイツのハンブルクで自律走行配車プールシステムの一部として商業展開する予定だ。

画像クレジット:Waymo

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

マイクロモビリティ2022:さらに洗練され、成熟し、テクノロジーを満載に

2021年は、コンセプト、ソリューションそして生き方としての「マイクロモビリティ」が定着し始めた年だった。

シェア式マイクロモビリティの増加と新型コロナ禍中の公共交通機関は、人びとに小型電気車両を自分で購入する可能性を考えさせることになった。その結果、2021年は電動自転車の年となり、7月までの12カ月間で売上高は240%増加した。この新しい習慣によって、都市は10年前なら本当に信じられなかったインフラストラクチャ計画を採用することとなった(パリを見て欲しい!)。

2021年は、人びと、特に都市の人びとが、電気自動車の登場よりも間違いなく大きいマイクロモビリティの炭素排出量削減への影響について、オープンに話し始めた年でもある。

2021年、シェア式マイクロモビリティ企業たちは、このような電動スクーターや電動自転車に向かい始めた考え方の変化を受け、市場での支配的な地位を利用して、その運用効率を高め、ハードウェアをより適切なものにしようとしてきた。

では以上のような背景を踏まえて、2022年のマイクロモビリティ分野の今後の展望を見ていこう。

みんなの電動自転車

特に米国などの国々では、新しい電動自転車の購入に対して最大900ドル(約10万3000円)の補助金が出されていることから、電動自転車のトレンドは2022年も続くと予想されている。しかし、このブームは個人消費者にとどまるものではない。Segway(セグウェイ)のグローバル・ビジネス開発担当副社長のTony Ho(トニー・ホー)氏によれば、マイクロモビリティ企業からの電動自転車の需要も大きく伸びているという。Segwayは、Lime(ライム)やBird(バード)といったシェア式マイクロモビリティの巨人たちに、電動キックボードや電動自転車を供給していることで知られている。

「Limeは当初、シェア自転車の会社でしたが、キックボードを始めるまではうまく行っていませんでした。キックボードの方が安価で、導入しやすいという理由もあります」とホー氏はTechCrunchに語っている。「今では、電動自転車の人気が高まっているようで、構成比が平準化し始めているようです。それに伴いシェア向け電動自転車の注文が多くなっています。また都市にとっても、もともとシェア自転車プログラムを持っていたわけですから、問題ありません」。

新しいVCマネーは枯渇する

BirdやHelbiz(ヘルビズ)のような大手企業が上場し、Limeも2022年の上場を約束しており、業界は全体として数社の大手企業に集約されてきた。そのため、VCの資金や新規参入者が増えるのではなく、現在の市場が成熟していくことが予想される。

ホー氏は「BirdとLimeのブームの後、投資家たちは、Coco(ココ)の歩道ロボット配達員のような、別のものに移ったと思います」という。「このビジネスに参入するにはまだかなりの資金が必要ですし、個人的には、小規模な事業者にとっては、特に都市部ではライセンス料を払い保険に加入する必要があるため、より困難だと思います。実はもう、小さなスタートアップ向けのゲームではないのです。最後の波を生き延びた者が、おそらくここに留まることになるのでしょう」。

残っている企業は、コストを下げ、より効率的で持続可能なものにして、市の規制に準拠するために全力を尽くしている。

だが……ライドシェア企業が再び登場するかもしれない。

ホー氏は「私たちが得ている注文と引き合いは、多くの企業が戦いに戻ってきていることを示しています。ですから、人びとがパンデミックから抜け出す来年には、マイクロモビリティが優先課題になるでしょう」という。「ライドシェア企業のような大手企業を含め、いくつかの企業が戻ってきています」。

2020年の夏は、パンデミックによるロックダウンの影響でマイクロモビリティは不調だった。たとえばUber(ウーバー)はマイクロモビリティのJump(ジャンプ)をLimeに売却し、その後両社の統合が進んだ。2020年5月には、Lyftも手を付けていた電動キックボードプログラムの多くを終了したが、もしホー氏の観察が正しければ、UberとLyftはすべての市場シェアを失う前に、ゲームに復帰しようとするかもしれない。

より多くAIが利用され、よりスマートな自動車の登場が期待される

都市は、キックボードが歩道に乗り入れたり、駐車したりするのをとても嫌がる。あまりに嫌がられるので、多くの企業が技術革新を行い、非常にスマートなスクーターを生み出している。Spin(スピン)、Helbiz、Voi(ボイ)などの企業は、カメラを使ったシステムをすでにテストしており、ライダーが歩道を走っていたり、歩行者にぶつかりそうになっているのを検知し、リアルタイムで走行を停止する機能まで備えている。Superpedestrian(スーパーペデストリアン)やBirdのように、高精度な位置情報を利用したアプローチを利用して、同様の高度なライダーアシスタンスシステムを実現しているところもある。企業がコストを抑える方法を見つけ、世界中の都市がこの楽しさを奪うテクノロジーの匂いを嗅ぎつけるようになれば、このトレンドはますます一般的になるだろう。

マイクロモビリティのADAS(先進運転支援システム)は、シェア市場を超えて広がっていくだろう。すでにStreetlogic(ストリートロジック)やTerranet(テラネット)などが、一般消費者市場で電動自転車ライダーがより安全に走行できるようにするために、潜在的な危険性を検知して衝突警告を出す機能持つコンピュータービジョンベースのシステムの製造に取り組んでいる。こうしたシステムは、自動車での移動を電動自転車での移動に置き換えたいと考えている一般的な人びとに、安心感と安全性を提供する。

「マイクロモビリティ」という言葉を生み出した業界アナリストHorace Dediu(ホレス・デディウ)氏は、マイクロモビリティの車両にセンサーを追加することが、企業にとってデータの収益化への道を開くことにもなるという。

デディウ氏は、TechCrunchの取材に対し「今後は、より多くのセンシングが行われるようになるでしょう。それは基本的にドライブレコーダーで行われ、多くのイメージングが行われることになるでしょう」と語った。「これが自動車の世界にやってくることは明らかですが、自動車の世界で起こることはすべてマイクロの世界でも起こりますし、多大な投資をしなくても1億台の車両に展開できるので、より早く起こることが多いのです」。

マイクロモビリティの車両の前後にカメラを設置することで、現在のドライブレコーダーのように全周囲を撮影することができます」とデディウ氏はいう。もしこれらのシステムがすでに歩道や歩行者専用道路を検知できているなら、路面状況を検知して、道路のメンテナンス問題に関する共有データベースを通じて都市行政側に知らせることができるだろう。あるいは、マイクロモビリティ企業がその情報をGoogleのような地図会社に売って、世界をもう少し良く映像化できるようにするかもしれない。

ユーザーからの動きを計測するトルクセンサなど、現在のマイクロモビリティができる他の機能を考えると、企業はウェアラブルデバイスに連携する「Peloton(ペロトン、オンラインフィットネス)のようなサービス」を提供できる可能性があるとデディウ氏は予測している。

マイクロモビリティとメタバース

「Meta(メタ)つまりFacebook(フェイスブック)や、Microsoft(マイクロソフト)やApple(アップル)は、頭に何かを装着している人とどうやって対話するかを探究するために、何十億ドル(何千億円)もの投資をしてきました」とデディウ氏は述べている。「私は、この2つの考えを単純に組み合わせて、どうせヘルメットをかぶるなら、スマートなヘルメットにしたらどうだろう?と言いたいのです。そして、せっかくスマートヘルメットをかぶるのであれば、そうしたくなるような刺激的でおもしろいものにしたいですよね?」。

街を移動する際に現実を拡張してくれるスマートバイザー付きのヘルメットは、ライダーが周囲の環境をより意識して安全を高められる可能性があるだけではなく、さまざまな体験を解放して人びとが外に出て動きたくなるようにすることができると、デディウ氏はいう。

「マイクロモビリティとメタバースは、お互いのために作られているのです」と彼はいう。「それは『見上げること』です。一方、車の体験の拡張は、下を向いて孤立していくことに他なりません。では、上を見るのと下を見るのとどちらがいいでしょうか?」。

注意:この組み合わせは2022年には起こらないかもしれないが、デディウ氏は今後数年の間に何らかの形で起こることを確信している。

新しく、より頑丈なフォームファクター

毎日キックボードや電動自転車、電動バイクに乗って仕事に向かう上で唯一の問題は、雨が降ったらどうなるかということだ。戦略アドバイザーでエンジェル投資家でもあり、ディウ氏と「Micromobility Podcast」(マイクロモビリティポッドキャスト)を共同ホストとして提供しているOliver Bruce(オリバー・ブルース)氏は、この問題を解決し、さまざまなユースケースに対応するために、消費者市場とシェア市場の両方で、新しい、よりヘビーデューティーで、閉じた屋根のある形状が登場する可能性があると述べている。

ブルース氏は、最近Tilting Motor Works(ティルティングモーターワークス)を買収したArcimoto(アーキモト)やNimbus(ニンバス)のような企業が、傾斜電気三輪車(方向転換の際に車体が傾く三輪車)の開発に取り組んでおり、2022年には市場に投入される予定だと語っている。

ブルース氏は、TechCrunchの取材に対し「COP26で話し合った気候変動に関する目標を真剣に達成するためには、新しい電気自動車が登場し、急速に普及する必要があります」と語った。「しかし、現在の状況で電気自動車を普及させようとすると、本当に大変なことになります。私たちにはその余裕がないのです」。

交通システムに組み込まれたマイクロモビリティ

ブルース氏は「2022年には、公共交通機関の一部にマイクロモビリティが組み込まれるようになり始めると思っています」という。「例えば地下鉄を降りて電動自転車に乗るようにすれば、お互いにメリットのある移動となります」。

ブルース氏によると、これは、世界中の都市(主にヨーロッパ)で私たちが目にしている、より多くの自転車専用道路を建設するインフラ事業の副次的影響の一部になるという。しかし、それはマイクロモビリティ企業が車両1マイルあたりのサービスコストを大幅に削減することにもつながる。

「マイクロモビリティ事業者が輸送機関に大量に移動距離を販売することで、その経済性はますます大きなものとなっていきます。そうした輸送機関は、地下鉄カードやアプリを使ってキックボードのロックを解除することができるのです。世界の都市の中には、これを公共交通機関に組み込むところも出てくるでしょう」。

マップとの連携強化

「おそらく2022年から先は、ソフトウェアの年になるかもしれません」とデディウ氏はいう。

今日、GoogleマップやMoovit(ムービット)のような移動計画や地図アプリは、ユーザーに提供する目的地までの複数の方法の中に、マイクロモビリティのオプションを統合し始めていている。このような統合により、マップが検索エンジンの役割を果たし、移動手段の上位ヒットを数秒で確認できるようになるはずだ。

「現在は、AからBに行きたいと指定すれば3つか4つの選択肢が出てきます、しかしそこに乗車に対する入札結果は提示されません」とデディウ氏はいう。「わたしはそこに15件の入札結果を見たいと思っています。乗車依頼をするたびにオークションが開催されるようになって、Google検索の結果のよう表示されて欲しいですね。こんな当たり前の話にもかかわらず、2022年を目の前にしてまだ実現されていないことにショックを受けています」。

「でもその主たる原因は仲介するプラットフォームがないからです。適切なAPIが欠けているのが原因なので、もしそれが実現すれば、シェアオペレーターがGoogleマップ上で入札する機会が爆発的に増えるはずです。そうなればマイクロモビリティから莫大な収益が発生するでしょう。こうして、マイクロモビリティの収益化は、発見を通して行われるようになるのです」。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文: Rebecca Bellan、翻訳:sako)

中国の配車サービス大手Didiがニューヨーク証券取引所の上場廃止へ

中国の配車サービス大手Didi(滴滴出行)は米国時間12月3日朝、ニューヨーク証券取引所の上場を廃止し、代わりに香港での上場を申請する手続きを開始したことを、Weibo(微博)への投稿で発表した

この決定は、中国政府が安全保障上の懸念からDidiに米国での上場廃止を要請したとBloombergが報じてから数日後のことだ。その際、TechCrunchはDidiにコメントを求めようとしたが、連絡が取れなかった。

上場廃止の動きは驚くべきことではない。ソフトバンクが支援するモビリティ企業Didiは、7月の超大型IPOの前に、データ処理の安全性を中国政府に保証できなかったことから、規制面で大きな圧力を受けていた。

ここ数カ月、中国はユーザーのプライバシー保護を強化したり、国境を越えたデータ転送を制限したりするなど、多くの新しいデータ規制を導入してきた。Didiの幹部は以前、同社がデータを中国国内に保存しており「他の多くの米国上場の中国企業」と同様に、米国にデータを渡したことは「絶対にあり得ない」と述べていた。

Didiの時価総額は現在376億ドル(約4兆2540億円)だ。同社の株式は、デビュー時には1株あたり15ドル(約1700円)を超えていたが、12月2日時点では7.8ドル(約880円)まで大きく落ち込んでいる。

画像クレジット:STR/AFP / Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

乗客とドライバーが安心感が得られるようにUberが乗車中の音声録音などの安全機能を米国で導入

Uber(ウーバー)は、アプリにいくつかの新しい安全機能を追加する。乗客にシートベルト着用を促す音声リマインダー、乗客またはドライバーが乗車中に音声を録音できる機能、予期せぬルート変更や最終目的地前での停車を検知する機能などだ。今回のアップデートは、乗客とドライバーの双方がより安心感を得られるようにするためのものとのことだ。

Uberの道路安全公共政策マネージャーであるKristin Smith(クリスティン・スミス)氏は、TechCrunchに次のように話した。「多くの人が、特に短い乗車では後部座席でいつもシートベルトを締めていないことを認めており、それはドライバーにとって不快な状況を作り出す可能性があります。音声による注意喚起を行うことで、すべての座席で毎回シートベルトを着用する必要があるというメッセージを強化できると考えています。この機能は、過去数年にわたって実施してきたシートベルト着用啓発キャンペーンに基づいています。当社は、GHSA(州知事高速道路安全協会)と提携して 『Make It Click』キャンペーンを実施し、乗客やドライバーにシートベルト着用の重要性を啓発してきました」。

同社の広報担当によると、シートベルト機能は12月末から一部のユーザーに提供され、2022年初めには全国拡大される予定だ。また、この音声による警告のきっかけは、違反切符の支払い責任を負うドライバーからのフィードバックだという。運転開始時にドライバーの携帯電話からシートベルト着用を促す音声が流れるとともに、乗客の携帯電話にはプッシュ通知が送られる。

音声録音機能は中南米で約2年前から展開されているもので、米国では来週からカンザスシティ、ルイビル、ローリー・ダーラムで試験的に導入される。ドライバーと乗客は、地図画面上の盾のアイコンをタップし「Record Audio」を選んで音声録音を選択することができる。ドライバーがこの機能を選択した場合、乗客は移動開始前にアプリ内で通知を受け取る。

同社によると、音声ファイルは暗号化されて乗客またはドライバーのデバイスに保存され、Uberを含め、誰も録音を聞くことはできない。ユーザーがUberに安全報告書を提出する際には、その報告書に音声ファイルを添付することができ、訓練を受けたUberの安全担当者が、何が起こったのか、次に何をすべきかを判断するための証拠として、録音を復号して確認する。

最後に、Uberは12月2日からRideCheckを全米で強化する。RideCheckは、同社が2019年に追加した機能で、ドライバーのスマートフォンのGPSデータとセンサーを使って、旅行中に起こりうる衝突や異常に長い停車を検知するものだ。現在、RideCheckは、最終目的地に着く前に移動が予期せず終了した場合や、ドライバーがコースを外れた場合を検知するようにもなっている。

システムが問題の可能性を検出すると、乗客とドライバーの両方にRideCheckの通知が届き、アプリを通じて問題がないことをUberに知らせたり、緊急ボタンを押したり、問題を報告するなどの対応を促す。

この夏、カリフォルニア州のいくつかの法律事務所が数十人の原告女性に代わって、米国の複数の州でドライバーによる性的暴行を受けたとしてUberを提訴した。Bloomberg Lawによると、UberLyft(リフト)の両社は、長年にわたりドライバーによる乗客への暴行の訴えに直面してきたが、両社は一貫して責任を否定してきたため、これらの訴訟は任意解雇または和解に終わっている。

関連記事:Uberが昨年の性的暴力事例2936件を公表

前述のカリフォルニア州で訴訟を起こした法律事務所によると、Uberに対する新たな訴えの多くは過失に基づくもので、Uberがドライバーによる性的暴行の危険性を認識していたにもかかわらず、合理的な防止策を講じていなかったと主張している。一部の法律事務所は、Uberはカリフォルニア州の法律で輸送会社として分類されているため、乗客に対しなおさら注意義務を負っているとして「一般運輸事業者」の過失を主張している。また、Uberの製品である乗客とドライバーをつなぐアプリベースのプラットフォームが乗客の安全を確保できていないとして、製造物責任を主張しているケースもある。

今回の新しい安全機能、特に音声記録とRideCheckの更新は、訴訟の真っ只中にある配車サービス大手のUberが、自らの基盤を守るために行ったものかもしれない。Uberは、自社に対するクレームについてはコメントせず、代わりに、音声録音機能は2019年から中南米の14カ国に存在しており、リオデジャネイロで調査した乗客とドライバーの70%が、この機能のおかげでUberを利用する際に安全だと感じたと回答したことを指摘している。

また、2019年には、Uberは安全透明性に関する報告書を発表し、その中で2017年と2018年に同社のプラットフォーム上で約6000件の性的暴行の報告を受けていたことを明らかにし、炎上した。この報告書は、カリフォルニア公益事業委員会(CPUC)の調査につながり、後にCPUCは、ドライバーや性的暴行を受けた乗客に関するデータの引き渡しを拒否したとして、Uberに15万ドル(約1700万円)の罰金を科した(Uberはまた、カリフォルニア州における身体的・性的暴力への対応に使われる900万ドル=約10億円=をCPUCに支払うことにも合意した)。CPUCが特に求めていたのは、暴行の日時と場所を含む事件の詳細で、これはUberのGPS機能や、乗車時間の短縮に関する報告といったこれらの新しい安全機能が提供できる可能性のある情報だ。

Uberの広報担当者はTechCrunchに対し、RideCheckの機能強化を促したものは特にないと述べている。

「技術的な準備が整い、乗客が戻ってきているため、機能を追加する状況になっただけです」と話した。

画像クレジット:Uber

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uberの第3四半期は純損失2722億円ながら、わずかながら調整後利益を確保

米国時間11月4日の取引終了後、米国ライドシェアリングの巨人、Uber(ウーバー)が第3四半期の決算を報告した。注目すべきは、長年利益を上げていなかった同社が、純損失は未だに20億ドル(約2268億円)を超えているにも関わらず、調整後EBITDA(大きく修正された利益指標)800万ドル(約9億円)の利益をひねり出したことだ。

調整後利益のニュースは、Uberの国内ライバルであるLyft(リフト)が、最近やはりなんとか利益を上げたことを報告した数日後のことだった。

第3四半期、Uberの総取扱高(同社プラットフォーム上を流れたすべての商品、サービスの総額)は231億ドル(約2兆6199億円)で対前年比57%増だった。そこから生まれた売上48億ドル(約5444億円)は対前年比72%増だった。そしてその売上はUberに純損失24億ドル(約2722億円)をもたらした。この数字は、同社が保有する他社株式の再評価による「20億ドルの純損失」を含んでいる。

同社の1株当たり調整前純損失1.28ドルは、前年同期の0.62ドルの2倍強だった。

アナリストらは、1株あたり損失0.33ドル、売上442億ドル(約5兆129億円)と予測していた。同社の株価は時間外取引で5%前後下落した。

部門ごとの実績に入る前にいっておくと、Uberは次の第4四半期の総取扱高を250億~260億ドル(約2兆8353億〜2兆9488億円)、その結果の調整後EBITDA利益を2500万~7500万ドル(約28億〜85億円)と予測している。Uberほどの規模と歴史をもつ会社が、GAAP純利益のような成熟企業の数値ではなく、いまだに調整後EBITDAのような子どもだましの指標を使っていることは、普通なら嘲笑の対象だ。しかし、Uberは投資家に対し、2021年修正後利益の境界値を越えるべく必死に努力すると長年言ってきただけに、このガイダンスは注目に値する。

部門別実績

全体を見渡すと、ここ数年Uberのフードデリバリー事業の総取引高は、同社のライドシェアリング事業よりもはるかに大きい。実際、そろそろUberをタクシーアプリよりもフードデリバリー会社と考えるべき時かもしれない。

それはともかく、同社の部門別成績を総取扱高から見てみよう。

画像クレジット:Uber

最近同社のライドシェアリング事業がフードデリバリー事業よりも早く成長していることは注目すべきだが、これにはわけがある。Uber Eats(ウーバーイーツ)がパンデミックの最中に雑草のように伸びたのに対し、人間の移動は人々がステイホーム期間中激減した。COVID(新型コロナウイルス感染症)の勢いが一部の地域で弱まり始めている今、状態は戻りつつある。

Uberが乗車よりも食べ物で多く収益を上げていることを踏まえ、上記の総取扱高から下記の売上が生まれていることに注目して欲しい。

画像クレジット:Uber

タクシーサービスとオンデマンド食品配達の収益がほぼ同じであること、貨物輸送事業が同社の事業全体の中で意味のある位置を占めるだけの収益を上げていることはいずれも注目に値する。

次に、各グループの利益を、実際には調整後EBITDAだが、見てみよう。

画像クレジット:Uber

表からわかるように、Uberはフード事業をほぼ採算水準に持ち込むことに成功した。これは、1年前の同サービスの位置づけと比べて大きな前進だ。そしてUberのライドシェアリング事業の利益は、同社の調整後事業経費をほぼ相殺している。全体では、Uberは調整後の黒字につま先を届かせ、上述のように調整後EIBTDA、800万ドルを達成した。

しかし、正直なところ「本当に」印象的なのは、Uberが調整後EBITDAの数値をわずか1年でここまで改善したことだ。

しかし、すべての費用、諸経費を含めると、UberのGAAP経常損益はマイナス5億7200万ドル(約649億円)になる。そこに利息費用その他の経費を算入すると、四半期の損失は24億4000万ドル(約2767億円)、毎月8億ドル(約907億円)に上る。Uberの経常損失とGAAP損失の相違を生んでいるのはなにか? 投資の価値下落だ。会社は次のように述べている。

2021年9月30日までの3カ月および9カ月の債券および株式の未実現損失については、Didi(ディディ)への投資によるそれぞれ32億ドル(約3629億円)および17億ドル(約1928億円)の主な未実現純損失を、2021年第3四半期中に実現したZomato(ゾマト)への投資の未実現利益9億4000万ドル(約1066億円)、Aurora(オーロラ)への投資によるそれぞれ1億200万ドル(約116億円)および5億7300万ドル(約650億円)の未実現利益、および公正価値オプションの下で計上されたその他の証券投資によるそれぞれ7300万ドル(約83億円)および5600万ドル(約64億円)の未実現純利益が一部相殺しています。

まあ簡単に言えば、中国政府のDidiへの介入によって、Uberの純利益は悪い方へ行き着いたということだ。

要約すると、Uberは今も不採算だが、パンデミックから立ち直りつつあり、少なくとも調整後利益はなんとか達成した。次は真の損益分岐点に達するかどうかに注目だ。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

物流・輸送業向け「炭素測定・除去」APIを開発するPledgeが約5億円調達

気候変動の危機が迫る中、多くの企業が自らの役割を果たしたいと考えている。しかし、顧客に「今回の配送にともなうCO2排出量をオフセットしてください」とお願いするのは、たいていの場合、木の実を割るのにハンマーを使うようなものだ。カーボンオフセット関する透明性はほとんどない。さらに、中小企業は高品質のカーボンクレジットにアクセスしたいが、同時に製品、サービス、取引レベルでの影響も計算したい。そして、非常に不正確な「スキーム」ではなく、カーボンクレジットを小さい単位で購入できるといいと考えている。

Pledge(プレッジ)は、貨物輸送、配車サービス、旅行、ラストマイルデリバリーなどの業界を対象としたスタートアップで、顧客の取引に関わるカーボンオフセットを提示することができる。

Pledgeは、Visionaries Clubがリードするシードラウンドで450万ドル(約5億円1300万円)を調達した。Chris Sacca(クリス・サッカ)氏のLowercarbon CapitalとGuillaume Pousaz(ギヨーム・プサ氏、Checkout.comの創業者でCEO)の投資ビークルであるZinal Growthも参加した。Pledgeは、これまでクローズドベータ版として運営されてきた。

同社は、Revolut(レボリュート)の草創期の従業員であるDavid de Picciotto(デビッド・デ・ピチョット)氏とThomas Lucas(トーマス・ルーカス)氏、Freetradeの共同創業者で元CTOのAndré Mohamed(アンドレ・モハメド)氏が創業した。まず物流業と輸送業を対象にスタートする。同社によると、企業はPledge APIを組み込めば、カーボンニュートラル達成に向け、出荷、乗車、配送、旅行にともなう排出量を測定・軽減することができるようになるという。このプラットフォームは、分析や洞察に加え、時間をかけて排出量を削減するために推奨する方法を顧客に提示することを目指す。

Pledgeによると、同社の排出量計算方法は、GHGプロトコル、GLECフレームワーク、ICAOの手法などのグローバルスタンダードだけでなく、ISO基準にも準拠しているという。

重要な点として、Pledgeのプラットフォームでは、個人投資家が株式の一部を購入するように、企業は炭素クレジットの一部を購入することができ、また、ETFのように異なる方法論や地域を含むバランスのとれたポートフォリオにアクセスできる、と同社は話す。

Pledgeの共同創業者でCEOのデビッド・デ・ピチョット氏は次のように説明する。「現在、どのような規模の企業も利用できる、自社の排出量を把握・削減するための簡単で拡張可能な方法は存在しません。従来のCO2測定やオフセットのソリューションは、コストが高く、導入が難しいため、限られた大企業だけが利用できます。私たちがPledgeを立ち上げたのは、どのような企業でも、高品質で検証済みの気候変動対策製品を、可能な限り簡単かつ迅速に導入できるようにするためです」。

Visionaries Clubの共同創業者でパートナーのRobert Lacherは次のように語る。「Pledgeは、あらゆる企業が環境への影響を測定・軽減するためのアプリケーションを立ち上げる際に必要とする導管を開発しています。金融インフラプロバイダーが続々と登場し、あらゆる企業がフィンテックになれるようになったのと同様、Pledgeは関連するツールとその基盤となるソフトウェアインフラを提供し、気候変動対策を実現する会社となります」。

Lowercarbon CapitalのパートナーであるClay Dumas(クレイ・デュマ)氏はこう付け加える。「炭素除去の規模を拡大する際の最大のボトルネックは、供給と需要を結びつけることです。Pledgeのチームは、世界のトップレベルの金融商品開発で学んだことを応用し、ユーロやドル、ポンドを使って、空から炭素を吸い取ることに取り組んでいます」。

ピチョット氏は、大手プライベートエクイティファームでESGチームに所属していたとき、LP(主に年金基金)から、投資先企業のESG、特に気候に関するKPIの透明性や報告を求める声が増えるのを目の当たりにした。同氏は、報告・計算を合理化し、高品質のカーボンクレジットにアクセスして、社内外のステークホルダーにさらなる透明性とツールを提供する方法があるはずだと考えた。

「炭素市場が構築されたメカニズムを調べれば調べるほど、金融サービス業界との類似性が見えてきました。我々は、FreetradeやRevolutのような業界をリードする企業を設立や、設立支援の経験により、気候変動の流れを変えるユニークな切り口を提供できるのではないかと考え、調査を開始しました」とピチョット氏は述べた。

画像クレジット:Pledge / Pledge founders

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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi

Uberがアフリカで相乗りサービスをテスト、世界的には新型コロナで類似サービス停止中

Uber(ウーバー)は、同じ方向に向かう乗客が乗車料金をシェアできる機能「Pool Chance」をケニアでテスト中で、ガーナとナイジェリアでもこの低価格サービスを展開する予定だ。ケニアのナイロビで車を予約する際にこのオプションがあるのをTechCrunchが発見した。Uberの広報担当者によると、このサービスはパイロット版(ベータ版)の一部であり、小規模なテストの結果を踏まえてより広範囲に展開する予定とのことだ。

アフリカで初めて導入されるこの新サービスは、2014年にサンフランシスコのベイエリアで開始され、その後、世界の複数の都市で導入されたUberPoolに似ている。この低価格で人気のサービスは、米国やカナダを含む多くの地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)規制のために一時停止したままだが、Uberは一部の市場で徐々に復活させていて、これまで展開していなかった場所にも導入しつつあるようだ。同社は、この2つのプロダクトのコンセプトは似ているものの同じではないとし、さらなる詳細は明らかにしなかった。

しかし、Uberのドライバー向けフォーラムのこちらのスレッドでは、その違いを次のように説明している。Pool Chanceは、ドライバーが他の乗客を拾えば割引料金で乗車できるチャンスがあり、そうでなければ個別に乗車した場合に支払う通常料金が課される。UberPoolは、他に誰か乗車するかどうかにかかわらず特定の相乗り料金が適用される。

Pool Chanceオプションは、ナイロビでは格安サービスのChap Chapで利用でき、ナイジェリアの人口の多い都市ラゴスとガーナの首都アクラでは、UberXカテゴリーで利用できるようになる。

Uberの東・西アフリカ地域のコミュニケーション責任者であるLorraine Ondoru(ロレーヌ・オンドル)氏は「当社は現在、新しいUberライドであるPool Chanceを試行しています。これはナイロビ(ケニア)の乗客が同じ方向に向かう他の客と乗車を共有する場合、料金を抑えることができるというものです」とTechCrunchに語った。

「新しいサービスを導入する際には、このような方法を用いて、市場が健全でバランスのとれた状態を維持するようにしています。このサービスが正式に展開される際に詳細をお伝えします」と付け加えた。

Uberは、2020年10月にウクライナのキエフでPool Chanceを導入し、そして4月にはニュージーランドのオークランドでも展開を始めた。また、2021年初めにはオーストラリアのシドニーとパースでも低価格のライドシェアサービスを導入し、その後アデレードでも開始した。

Uberはアプリ上で、Pool Chanceにより乗車料金を最大30%抑えられ、客はさらにお得に移動できるようになる、と話している。

同社はこの新サービスについて、アフリカ3カ国のドライバーに向けたメッセージの中で「手頃な価格のシェアライドは、アプリを利用する乗客が増えることを意味し、より多くの移動、ダウンタイムの減少、そしてドライバーの全体的な収益につながります」と述べた。

Uberはアフリカで、エジプト、南アフリカ、ウガンダ、タンザニア、モロッコなど8つの市場でサービスを提供している。

エストニアを拠点とする配車サービスBoltのようなライバルとの競争が激化する中、Uberは顧客の維持と新規顧客の獲得を目的とした新戦略のもと、ここ数カ月の間にアフリカ大陸全体でサービスを拡大し、新プロダクトを導入してきた。

今月初め、Uberはナイジェリアのイバダンとポートハーコートの2都市に進出し、すでにサービスを展開していた他の3都市に加えた。

また南アフリカでは、2021年9都市に事業を拡大し、UberX、UberBlack、格安サービスのUberGoとともにプレミアムサービスのUber Comfortを導入した。また、8月には、世界の他の市場ではすでに提供されていた、1カ月前から乗車予約ができる機能を追加した。

Uberがアフリカの市場で乗車料金を割り勘にするサービスを導入する計画は、同社が最近のレポートで「ライドシェアは今後3~5年の間に公共交通機関の中でますます重要な役割を果たすようになるだろう」と述べたことを受けてのものだ。

バスや鉄道は大勢の人を運ぶことができるため、今後も公共交通の中核となるが、マイクロトランジットやライドシェア、マイクロモビリティなどの手段によって補完されていくだろうと同社は付け加えた。

「ライドシェアのようにコストが変動する新しい交通手段が加わり、オンデマンドサービスが普及することで、公共交通機関の効率化と低コスト化に新たな一石が投じられることになる」と述べた。

これにより「公共交通機関のネットワークの公平性、アクセス性、回復力、柔軟性」を確保し、改善することができる、としている。

公共交通機関にサービスを提供する部門であるUber Transitと、2020年買収した交通機関向けソフトウェアを提供する会社Routematchを通じて、交通機関がより効率的に運営できるような新しいツールを提供し、ライダーもサポートするとレポートで述べている。

2015年にUber Transitを設立して以来、同社は世界各地で公共交通機関をシームレスにすることを目指したサービスを展開してきた。

2019年初めには、デンバーの乗客が旅の計画やチケット購入ができるUberアプリ内サービスを開始し、カリフォルニア州のMarin Transitとの提携では公共交通機関を動かすソフトウェアを提供した。

2020年9月には、一部の市場で「Uber and Transit」を開始し、乗客が電車やバスといった他の公共交通手段と組み合わせて配車サービスを利用できるアプリ内機能を立ち上げた。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Annie Njanja、翻訳:Nariko Mizoguchi

ライドシェアサービスは運転手や地域社会にコストを負担させていることが調査結果から明らかに

Uber(ウーバー)やLyft(リフト)をはじめとする「ライドシェア」サービスの平均乗車料金は年々上昇しているが、これらの企業のビジネスモデルは、完全に明らかになっているわけではないことがわかった。今回発表された2つの調査結果は、投資家の出資額だけがすべてを物語っているわけではなく、ドライバーや地域社会もコストを負担させられていることを示している。

1つはカーネギーメロン大学の研究で、交通ネットワーク企業(TNC、公的・学術的文書で使われる用語)のあまり目立たないコストと利益を分析したものだ。

例えば、TNCの車両と利用者の活動に関するさまざまなデータを収集した結果、ライドシェア車両は1回の乗車で大気汚染に与える影響が少ない傾向にあることがわかった。これは、筆頭著者のJeremy Michalek(ジェレミー・ミシャレック)氏が大学のニュースリリースで説明しているように「自動車は最初にエンジンを始動させた時、排出ガス浄化システムが効果を発揮する温度に十分温まるまで、高レベルの有害な大気汚染を発生させる」からだ。

ライドシェア車両は通常、1回の乗車ごとにコールドスタートを行う必要がない。また、もともと排出ガス量の少ない新型車が使われていることが多いため、TNCによる移動で発生する汚染物質は、平均すると、自家用車で同じ移動をする場合の約半分と推定される。研究者の試算によれば、それによって地域社会が削減できる大気汚染関連の健康コストは、移動1回につき平均約11セント(約12.3円)の価値があるという。

これは確かに良いニュースだろう。しかし問題は、ライドシェア車両には「デッドヒーディング」(仕事の合間に無目的に運転したり、アイドリングしたりすること)の習慣や、乗客をヒックアップする場所まで移動する必要があるために、せっかくの利益が帳消しになってしまうことだ。さらに、厳密に言えば「使われていない」車が道路を走っていることによる交通量の増加や、それに伴い発生する事故の確率、騒音などを考慮すると、1回の移動につき45セント(約50.5円)のコストが地域社会全体にかかることになる。つまり、1回の乗車につき約34セント(約38.2円)のコスト増となり、そのコストは税金や福祉の低下によって賄われることになるのだ。

画像クレジット:カーネギーメロン大学

研究者たちが提案しているのは、可能な限り乗り合いタクシーや公共交通機関を利用することだが、新型コロナウイルス感染流行時には、それはそれで短所がある。ライドシェア車両の電動化は有効だが、それには多大な費用と時間がかかる。

ライドシェアの運転手たち自身も、この「分散型」業界の重みを背負っている。ワシントン大学のMarissa Baker(マリッサ・ベーカー)氏が、シアトルで組合に加入している運転手を対象に行った調査では、多くの人が勤務先の会社からほとんど何のサポートも受けていないと感じていることが明らかになった。

調査に応じた運転手は、ほぼ全員が新型コロナウイルスの感染を心配しており、約30%が自分はすでに感染していると思っていた。予想通り、ほとんどの運転手が収入は減っているのに、自費でPPE(個人防護具)を購入していた。会社からマスクや除菌剤が支給されたと答えた人は3分の1以下だった。また、ウイルス感染流行中の時期に運転手を辞めた人は、失業手当の受給に苦労したと報告している。特にシアトルでは、運転手は圧倒的に黒人男性が多く、また移民も少なくないため、それぞれが複合的な問題を抱えている。

「ウイルス感染流行時にこのような仕事をしている労働者は、運転手として所属している会社からほとんどサポートを受けられず、自分たちが直面しうる潜在的な危険性について多くのことを認識していました」と、ベーカー氏はこの調査報告に付随したリリースで述べている。シアトルの運転手は、他の多くの都市にはない追加的な保護対策に恵まれているが、他の地域の人々はもっとひどい状況に置かれているかもしれない(2020年、宅配便のドライバーも同じような問題に直面していることが判明した)。

これらの調査は「ギグエコノミー」の隠されたコストやソフトエコノミクスの一端を表すものにすぎない。消費者が企業から耳にする言葉は、このような仕事をバラ色の眼鏡で見たバージョンであることがほとんどなので、独立機関による調査は、たとえそれが単なる聞き取り調査や、立証されていないコストや行動の概算であっても、非常に価値があると言えるだろう。

画像クレジット:Al Seib / Los Angeles Times / Getty Images

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

オランダ裁判所がUberドライバーは従業員と判断、Uberは控訴の意向

Uber(ウーバー)がドライバーの雇用ステータスをめぐる欧州での裁判でまたも敗訴した。オランダのアムステルダム裁判所は、Uberドライバーは自営の請負業者ではなく従業員であるとの判断を示した。

アムステルダム裁判所はまた、ドライバーにはオランダの既存の労働協約が適用されるとの見解も示した。この労働協約はタクシードライバーに関係するもので、賃金要件を定め、傷病手当などの福利厚生をカバーしていて、この協約を満たすためにUberがコストの増大に直面することを意味している(一部のケースでは過去にさかのぼってドライバーに給与を払う責任が生じるかもしれない)。

裁判所はUberに費用の5万ユーロ(約650万円)の支払いも命じた。

配車サービス大手のUberは、アムステルダムで4000人のドライバーを同社プラットフォームに抱える。

乗客とタクシーサービス提供者を結びつけるテクノロジープラットフォームにすぎず、ドライバーは「書面上」自営業者だというUberの慣習的な主張をアムステルダム裁判所は却下した。

裁判官は、ドライバーによって提供されるサービスの性質と、ドライバーがどのように働き、稼ぐのかについてUberがアプリとアルゴリズムを通じてコントロールしている点を強調した。

欧州の最高裁判所は2017年に、Uberは輸送サービス事業者であり、地域の運送法を遵守しなければならない、と裁定した。なので、あなたが今回デジャブ感に陥るのはもっともだろう。

関連記事:ヨーロッパのUberに打撃、EUの最上級審が交通サービスだと裁定

オランダでの訴訟は2020年に全国労働組合センターFNVがおこし、6月末に審問が始まった。

9月13日の声明文で、FNVのバイスプレジデント、Zakaria Boufangacha(ザカリア・ボウファンガチャ)氏は次のように述べた。「判決には我々が何年もの間主張してきたことが書かれています。Uberは雇用主であり、ドライバーは従業員です。ですので、Uberはタクシー業界の労働協約に従わなければなりません。また、こうした種の事業運営は不法であり、ゆえに法律が強制されなければならないという国際司法裁判所へのメッセージでもあります」。

Uberには今回の判決に対するコメントを求めている。記事執筆時点で返事はなかったが、ロイターによると、Uberは控訴する意向であり「オランダでドライバーを雇用する計画はない」と述べた。

【更新】Uberは控訴することを認め、広報担当は「控訴によってアプリを使うドライバーへの影響はありません」としている。

Uberの欧州北部事業を担当するゼネラルマネジャーであるMaurits Schönfeld(マウリッツ・ショーンフェルド)氏は次のように述べた。「ドライバーの圧倒的多数が独立事業者であることを望んでいて、今回の判決に失望しています。ドライバーは、働くかどうか、いつ、どこで働くかを選ぶ自由を手放したくはありません。ドライバーの利益のために当社は控訴し、その間、引き続きオランダでのプラットフォーム労働を改善させます」。

Uberは英国で、何年にもわたる雇用分類をめぐる一連の裁判で敗訴してきた。そして2021年2月、最高裁判所で同社の敗訴が確定した。

判決を受け、英国ではドライバーを労働者として待遇するとUberは述べたが、論争は続いている(労働時間の定義などをめぐって)。5月に同社は、英国の労働組合を認めると初めて述べた。

関連記事
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しかしながら欧州のあちこちでUberは雇用訴訟を続けていて、プラットフォーム労働の規制緩和を求めて欧州連合の議員らにロビー活動を行っている

プラットフォーム労働を改善する方法を見つけたい、とEUは述べている。ただ、汎EU「改革」がどのようなものになるかはまだ判然としていない。

欧州委員会はプラットフォーム労働の代表者に質問してきた。

「ロビー活動に巨額を投じていること、EUレベルでさらに多くのリソースを投入していることは明白で、デジタル労働プラットフォームは明らかに懸念されるものです。Uberももちろん含まれますが、こうした企業はプラットフォーム労働に関する政策への影響を及ぼすためにロビー活動しているグループへの新たな基金の設置で協力しています」とアムステルダム大学でデータ権を研究しているJill Toh(ジル・トー)氏は判決後にTechCrunchに語った。

「Uberはカリフォルニア州でのProp 22キャンペーンで巧みに法律を修正し、欧州では他の企業とともに同じことをしようと企てています。プラットフォーム労働者規則に関係する2つの協議で委員会はテック企業とだけ話していて、労働組合や他のプラットフォーム労働の代表者と会合を持っていません」。

「こうしたことは非常に問題があり、ECの協議がプラットフォーム労働について方向を示す結果になれば特に懸念されるものです。全体としては、勝訴は労働者にとって重要ですが、欧州委員会に及ぼす企業パワーや影響力、こうした判決への公的執行の欠如の問題は残っています」とトー氏は付け加えた。

【更新】欧州委員会の広報担当はTechCrunchに対し、デジタル労働プラットフォームを通じて働いている人のための労働条件をどのように改善するかについての第2ステージの協議はまだ継続中(9月15日まで)だと述べた。

「協議の結果次第で委員会は2021年末までに提案を進める意向です」と広報担当は付け加えた。

「協議第2ステージの目的は、欧州でのデジタル労働プラットフォームの持続可能な成長をサポートしつつ、プラットフォームを通じて働いている人々がどのようにしてまともな労働条件を確保するか、ソーシャルパートナーの意見を集めることです。こうした意味で、ソーシャルパートナーは、雇用ステータス分類の促進や、労働と社会保護の権利へのアクセスといった分野で、EUレベルのイニシアチブとなる可能性のある内容について意見を求められます」。

広報担当者はまた、欧州委員会が加盟国での動きを注視しており、加盟国の分析作業を考慮している、とも付け加えた。画像クレジット:JOSH EDELSON/AFP / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

中国Geelyの配車サービスCao Caoが事業拡大へ約650億円調達、ライバルDidiはトラブルまっただ中

中国の自動車メーカーGeely Automobile Holdings(浙江吉利控股集団)の配車部門であるCao Cao Mobilityは38億人民元(約650億円)のシリーズBラウンドを発表した。同社が出した声明文(中国語)によると、調達した資金はテクノロジーのアップグレードと車両の拡充に使う。

現地時間9月6日に発表した新たな資金調達により、Cao Caoの累計調達額は約50億人民元(約850億円)になった。蘇州市相城区が出資する投資会社Suzhou Xiangcheng Financial Holding GroupがシリーズBラウンドをリードし、Suzhou High-Speed Rail New City Group、その他国営企業3社も参加した。

今回の資金調達はCao Caoの最大のライバルであるDidi Globalがトラブルのまっただ中にある中でのものだ。中国の配車アプリDidi Globalは現在、中国政府によるサイバーセキュリティ調査を受けている。そして、一時的に中国のアプリストアから削除されていて、これは同社の株価の急落を引き起こした。Didiは中国で定番の配車サービスであり、同社の挫折は同業他社がその穴を埋める乗っ取りを生み出す。

現在、国内62都市で利用可能なCao Caoの2021年7月の乗車は32%増えた。同月、Didiは中国のアプリストアから排除された。運輸省によると、eコマース大企業Meituanの乗車も7月に24%増えた。しかし、MeituanとAlibabaの配車・ナビゲーション部門のAmapはDidi同様、中国政府に「公正な競争を歪め、ドライバーと乗客に不利益をもたらしている」と非難されているとBloombergは報じている。

配車サービス業界の他のすべての事業者も政府の調査に苦慮しており、Cao Caoは公正に事業を行う限り、さらに成長してマーケットシェアを広げられる立場にある。

関連記事:中国で配車アプリDidiがストアから削除、不正個人情報収集疑いで

画像クレジット:Cao Cao Mobility

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

Lyftが調整後EBITDAで初の黒字を達成、事業がコロナ打撃からリバウンド

米配車サービスのLyft(リフト)は米国時間8月3日の取引開始直後に第2四半期決算を発表した。全体として同社の業績は新型コロナウイルスパンデミックと、それによる米国のロックダウンで大打撃を受けた前年同期からリバウンドした。

Lyftはまた、調整後EBITDAで黒字を確保できた。これまで黒字を達成できていなかった同社は、収益を算出するのにより厳しい指標となる調整後EBITDAを好んで使っている。第2四半期の調整後EBITDAは2380万ドル(約26億円)だった。

同社の経営陣は8月3日の決算会見でマイルストーン達成を喜んだ。「ここしばらく視界にとらえていたマイルストーンを今期達成しました」と共同創業者でCEOのLogan Green(ローガン・グリーン)氏は述べた。同氏は2020年同期の決算会見で、Lyftが「文字通り移動を止めた100年に1度のグローバルパンデミックに直面し、と同時にカリフォルニア州のProposition 22法案が進行中だ」と指摘した。

同社の調整後EBITDAは2020年第2四半期にそれまでで最悪の2億8000万ドル(約305億円)の赤字となった。以降、同社は毎四半期、調整後EBITDAを増やしてきた。直近の四半期では調整後EBITDAマージン(比率)が3%ととなった。調整後の黒字を達成すると投資家らに約束したのち、Lyftはそれを実現した。

決算発表を受け、同社の株価は時間外取引で7%近く上昇している。

Lyftの第2四半期の売上高は7億6500万ドル(約830億円)で、3億3930万ドル(約370億円)だった前年同期の2倍超となった。これは注目に値することだが、2020年のこの時期、経済と配車サービスは新型コロナパンデミックで打ちのめされていたことを忘れないで欲しい。言い換えると、今期の売上増は予想されていた。

さらに重要なのは、同社の第2四半期の売上高は前四半期の6億900万ドル(約660億円)から25.6%成長したことだ。つまり、デルタ変異株のために米国内のコロナ新規感染者数が増えているにもかかわらず、同社はなんとか成長したことを意味する。

第2四半期のアクティブ乗客は1710万人で、この数字は前年同期の868万人から97%増えた。第1四半期にLyftは同期のアクティブ乗客が1349万人だったと発表した。また、第2四半期のアクティブ乗客1人あたりの売上高(44.63ドル、約4860円)は前年同期(39.06ドル、約4260円)から増えた。2021年第1四半期の45.13ドル(約4900円)からはわずかに減少した。

Lyftの成長は市場の予想を超えた。Yahoo Financeのデータによると、市場予想は売上高6億9620万ドル(約760億円)だった。この成長にもかかわらず、すべての費用を計算に入れると同社はまだ赤字だ。第2四半期に同社は2億5190万ドル(約275億円)の赤字を計上した。前年同期の4億3710万ドル(約480億円)の赤字から42%改善したが、それでも大きな数字だ。

第2四半期の赤字には、株式報酬とそれに関する給与税費用の2億780万ドル(約230億円)、以前明らかにした特定の古い自動車保険の負債のために再保険をかける取り決めに関連する費用2040万ドル(約20億円)が含まれる。

第2四半期にLyftの売り上げ関連の費用総額は増えたが、それは前年同期に比べて急激に売上高が増えたかを考えると予想されたことだった。同社はまた、一般管理費、そして「事業とサポート」項目の数字もなんとか削減した。しかしR&DコストとS&M費用はどちらも前年同期を上回った。

最後に現金をみてみよう。過去3カ月、調整後EBITDAで黒字を生み出すことができたにもかかわらず、Lyftの事業は第2四半期に現金2750万ドル(約30億円)を使った。同社の事業は2019年第3四半期から支出が上回っている。しかし資金不足に陥るのでは、と心配しなくてもいい。同社は成長を支えるために現金20億ドル(約2180億円)超を保有している。

Lyftの事業がかつてよりも収益性の高いものに成長しているという兆しが見える。同社の一般管理費なしの配車サービスモデル収益性を示すのに使われるnon-GAAP指標の貢献利益は、第2四半期に59.1%と過去最高となった。前年同期のこの数字は34.6%で、2017年第1四半期以来最低だった。

忘れないよう書いておくと、Lyftは費用のかさむLevel 5という自動運転車両テクノロジープログラムを現在抱えていない。同社はLevel 5をトヨタのWoven Planet Holdingsに売却した。この取引は7月13日に完了した。Lyftは決算会見時に、第2四半期に比べて、Level 5に関連するコストが第3四半期には約2000万ドル(約2180億円)減ると見込んでいる、と述べた。

それは、同社がロボタクシー競争に関わることに興味がない、ということではない。

Lyftは7月、まずはマイアミとオースティでスタートし、今後5年間で多くの都市におけるLyft配車サービスネットワークで自動運転車を少なくとも1000台展開するためのArgo AI、Fordとの提携を発表した。Argoの自動運転車両テクノロジーを搭載した最初のFord自動運転車両は2021年後半にマイアミにおいてLyftのアプリで使えるようになる見込みだ。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Lyft決算発表配車サービス

画像クレジット:Mat Hayward / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

中国で配車アプリDidiがストアから削除、不正個人情報収集疑いで

中国はアプリストア運営事業者にストアからDidi(ディディ)のアプリを削除するよう命じた。このところ中国最大の配車事業者と中国当局の間では緊張が高まっていた。Apple(アップル)の中国App Storeを含むいくつかのアプリストアからDidiがなくなっているのをTechCrunchは確認している。

現地時間7月4日に削除命令を明らかにした中国のネット規制当局は、Didiが違法にユーザーの個人情報を収集していた、と述べた。

Apple、SoftBank、Tencent、Uberなどを投資家に持ち、2021年6月下旬に上場したばかりのDidiは中国のデータ保護規則を遵守するよう命令されていた。

この動きは、中国のインターネット規制当局が今週初めに「国家安全保障上」の懸念でDidiを調査すると発表したことに続くものだ。Didiは6月30日に米ニューヨーク証券取引所に上場した。米国で過去最大のIPOの1つとなり、同社は少なくとも40億ドル(約4440億円)を調達した。

Didiはさまざまなアプリストアからアプリを削除し「修正」を 開始した、と声明文で述べた。また、7月3日に新規ユーザー登録を停止したとも明らかにした。既存ユーザーはこれまで通りアプリを利用できる。

Didiのようにかなり浸透しているアプリがアプリストアから削除されるのは極めて異例だ。2021年3月までの1年間でDidiは年間アクティブユーザー4億9300万人にサービスを提供し、毎日4100万件の取引があると最近明らかにしていた。

Didiの2021年第1四半期の月間ユーザーは1億5600万人で、Uberの9800万人を上回る。中国の公式データでは、2020年12月時点で配車サービスを利用する人は3億6500万人だった。これはDidiがかなりのマーケットシェアを握っていることを示している。

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カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:中国個人情報Didi

画像クレジット:Didi Chuxing

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(文:Manish Singh、Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

電脳交通の配車システムをてだこモビリティサービスが採用、乗合機能でワクチン接種者の無料移動サービスを運行管理

てだこモビリティサービスは6月14日、電脳交通の配車システムを導入し、乗合機能を活用した医療機関へのワクチン接種者移動サービスの運行管理を開始したと発表した。

沖縄県浦添市では5月8日以降、デマンド型コミュニティバス「うらちゃんmini」を利用して新型コロナウイルスワクチンの接種会場まで接種者を無料で移送するサービスを提供していたが、準備期間の短さと従来の運行形態との違いから運行管理がアナログ管理となっていたという。業務負担が大きいだけでなく、現場ドライバーへの指示においてもヒューマンエラー発生確率の高さが課題となっていた。

また、ワクチン接種のための乗合サービスは別々の場所で接種者が乗車し、複数の医療機関へ移動する必要があるためルート設計が複雑になり、運行管理の観点においても課題があった。

今回採用された電脳交通のクラウド型タクシー配車システムは、乗車依頼を受けたオペレーターがシステム上でワクチン接種者の乗車位置と乗車順を設定するだけで、ドライバーの端末に順序およびルートが送られる。これで配車指示とサービス提供にかかる設定や手間が飛躍的に軽減され、業務効率および移動効率の大幅改善が見込まれるとしている。

電脳交通の近藤洋祐代表取締役社長は今回のサービス開始に関して、「これからも有事の際に地域交通が必要とするシステム・サービスを提供できる企業として、全国のタクシー事業者さまの要望を実現できるよう取り組んでまいります」と述べている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:新型コロナウイルス(用語)電脳交通(企業)配車サービス / ライドシェア(用語)タクシーワクチン(用語)日本(国・地域)

ついにソフトバンク、Uber、テンセントが出資する中国ライドシェア「Didi」がIPO申請

長年の憶測を経て、中国のライドシェアの巨人であるDidi Chuxing(滴滴出行)は、ついに米国でIPOを申請した。これを読むと、これまでの赤字の歴史が垣間見える。

Didiは資金調達の規模を公表しなかった。ロイターは、1000億ドル(約11兆円)近いバリュエーションで100億ドル(約1兆1000億円)程度を調達できるはずだと報じたウォール・ストリート・ジャーナル紙は、バリュエーションは700億ドル(約7兆7000億円)以上になるとしている。Uber(ウーバー)の時価総額は現在900億ドル(約9兆9000億円)を超えている。

目論見書によると、Didiの38歳の創業者であるCheng Wei(程維、チェン・ウェイ)氏は、IPO前で同社株式の7%を所有し、15.4%の議決権を支配している。主要株主であるソフトバンク・ビジョン・ファンドは21.5%を所有しており、Uberが12.8%、Tencent(テンセント)が6.8%と続く。

2016年にUberの中国事業を買収したことで有名な創業9年目のDidiは、今ではライドシェアプラットフォーム以上の存在となっている。バイクシェアリング、食料品、都市内貨物、ドライバー向け金融サービス、電気自動車、そしてコスト削減と安全性向上の可能性を秘めた「未来のモビリティのためのデザインの頂点」と定義するレベル4のロボタクシーなど、事業のラインナップは増えている。

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ソフトバンクがリードするラウンドでDiDiの自動運転開発子会社が540億円調達

Didiは2020年5月、ソフトバンクの2つ目のビジョン・ファンドから5億ドル(約550億円)の出資を受けて自動運転車の子会社を設立した。この子会社は現在、500人以上のメンバーで構成され、100台以上の自動運転車を運用している。また、中国では、タクシーやライドシェアリング会社が化石燃料車からの脱却を進める中、同社はライドシェアリング用のEVも設計している。

市場での優位性

2021年3月末までの12カ月間に、Didiは4億9300万人の年間アクティブユーザーにサービスを提供し、1日あたり4100万件の取引を行った。第1四半期の月間ユーザー数は1億5600万人で、Uberの9800万人を大きく上回る。

中国の公式データによると、12月時点で3億6500万人のライドシェアユーザーがおり、Didiがかなりのシェアを占めていることがわかる。

中国でのモビリティーサービスは、一貫してDidiの売上の90%以上を占めている。同社は、ブラジルのライドシェア企業である99 Taxisを買収したように、海外十数カ国でそのプレゼンスを拡大しようとしている。そして、Didiの中国ベースのモビリティー売上の97%以上は、2018年から2020年の間にライドシェアからもたらされたものだ。その中にはタクシー配車、運転手、相乗りなども含まれている。モビリティビジネスは、2件の死亡事故を受けて見直された。

サードパーティのデータもDidiの優位性を物語る。アプリのトラッキング会社であるAurora Mobileによると、Didiの3月のアクティブユーザー数は7760万人だった。最も近いライバルであるGeelyが支援するCaocaoは、その10分の1にも満たなかった。

Didiは2018年から2020年まで赤字経営を続け、2020年は16億ドル(約1760億円)の純損失で1年を終えたが、2021年第1四半期には8億3700万ドル(約920億円)の純利益を計上して流れを変えることに成功した。この純利益は主に、資金を要する食料品のグループ購入を行うChengxin(橙心優選)の非連結化による投資利益と、投資していた株式の売却によるものだと思われる。

また、当四半期の売上高は前年同期比で2倍以上の66億ドル(約7260億円)となった。参考までに、Uberの同四半期の売上高は29億ドル(約3185億円)だった。

Didiは、IPOで得た資金の30%をシェアードモビリティー、電気自動車、自動運転などの技術に使う。また、30%は国際的な事業拡大に、さらに20%は新製品の開発に充てる予定だ。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:DidiIPO中国配車サービス

画像クレジット:Didi Chuxing

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

電脳交通のタクシー事業者向けクラウド型配車システムの導入エリアが35都道府県を突破

電脳交通のタクシー事業者向けクラウド型配車システムの導入エリアが35都道府県を突破

電脳交通は、タクシー事業者向けのクラウド型タクシー配車システム「電脳交通」が、新たに奈良県、滋賀県、鳥取県のタクシー事業者に導入され、2021年6月時点で導入エリアが35都道府県を突破したと発表した。

これらのエリアで「電脳交通」を導入した業者は、滋賀エムケイ(滋賀県)、井村輸送(奈良県)、皆生タクシー(鳥取県)、港タクシー(鳥取県)ほか。

電脳交通は、「初期費用の安さ」「タクシー事業者目線で年間数100回の機能進化を行う拡張性」「シンプルで多機能な画面構成と操作性の高さ」「配車拠点の統合も可能な効率性」などを特色に掲げるサービス。「タクシーの配車ルール最適化や適切な経路を瞬時に表示できる機能」などにより業務の効率化と低コスト化が図られる。自動日報作成機能、配車データの解析から売上増減の要因を特定する機能なども提供する。また、月5回ペースでシステムがアップデートされるため、それらの機能が古くなることがないとのこと。

同社では、「毎年200〜300%のペースで成長し続けております」と話している。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:電脳交通(企業)配車サービス / ライドシェア(用語)日本(国・地域)