Voicebot.aiが発表した最新のレポートによれば、現在、アメリカの成人4730万人が音声認識可能なスマートスピーカーにアクセスできるという。発売後わずか2年で成人における普及率は20%に達した。
ここで「スマートスピーカーにアクセスできる」というのは、その家庭に少なくとも1台のスマートスピーカーがあるという意味だ。必ずしもスマートスピーカーを所有している、あるいは主たるユーザーであるということは意味しない。つまり同居する家族全員、ルームメイトなどもユーザー数にカウントされている。
この点は他の情報機器と普及率を比較する場合に念頭に置く必要があるだろう。スマートフォンやウェアラブル・デバイスなどは基本的に所有者が同時に唯一のユーザーだ。スマートスピーカーの普及率を考える場合は、固定電話やテレビなど 複数で使用することが可能なプロダクトと比較する方が正しいだろう。【略】そうではあってもスマートスピーカーの普及速度が非常に速い点は興味がある。
発表されたレポートはアメリカの成人2018年1月に1057人をオンラインで調査したものだ。ただしオンラインを利用できる成人は全人口の88.5%なのでこれを考慮して数字は調整してある。
調査にはユーザーの人口動態的内訳も含まれており、57.8%が男性、42.2%が女性と回答した。多くの(約3分の2)場合、アクセスするスマートスピーカーの数は1台だ。つまりユーザーは家中に多数のスマートスピーカーを置く必要を認めていない(若年層が都市に移動する傾向が見られるため、アパートの部屋が狭く1台で足りるというのも原因の一つかもしれない)。
Amazon、Google、それに最近Appleも加わったが、これらのスマートスピーカーのメーカーはこのゲームがゼロサムに近いことを認めている。消費者が複数のスマートスピーカー・システムを家に設置することはない。つまりこの市場は潜在的に勝者一人勝ちの性質を持っている。
しかも67.5%の人々は1台のスマートスピーカーしか持っていない。19.3%が2台持っており、3台以上持っているケースは少ない。1人あたりに換算すると1.8台となる。もちろん現在の普及率からいえば今後の想定される市場は大きい。
消費者の多く(45.9%)はスマートスピーカーをリビングに置いている。次がキッチン((41.4%)、寝室(36.8%)、ホームオフィス(10.9%)の順となる。
スマートスピーカー向けソフトウェア・デベロッパーとしては当面、音楽その他のエンタテインメントに重点を置くのが賢明だろう。将来はホームオフィス関連の生産性ツールにも可能性がある。この分野での普及率はまだ低いが、今後成長の余地が大きい。特にAmazonが力を入れれば一気にブレークするかもしれない。
この調査ではAmazonが市場をリードしていることが鮮明になった。台数ベースでは、Amazonが71.9%、 Googleが18.4%、9.7が「その他」となっている。その他にはAlexaやGoogle Assistantのソフトウェアを搭載した他メーカーのデバイスやMicrosoftのCortana搭載デバイスだ。
いずれにしてもこの数字はアメリカ市場のもので、iPhone対Androidの競争と同様、Googleはアメリカ以外の地域で強さを発揮している。たとえば2017ではカナダ、フランス、オーストラリアでGoogleがリードしており、イギリス、ドイツでもAmazonとの差を縮めている。
アメリカではAmazon EchoとEcho Dotが市場の3分の2近くを占めているが、これはAmazonがスマートスピーカーのパイオニアでいちばん長期間売られているという要素が大きい。最近の販売傾向からはEcho DotやGoogle Home Miniのような,小型で低価格のモデルが好まれていることが分かる。Home Miniは3ヶ月連続してGoogle Homeの売れ行きを上回っている。
Amazonデバイスの方がGoogleデバイスより家庭の平均収入が高い。
iPhoneユーザーはスマートスピーカーを持つ可能性が平均より22%高く、それがGoogleデバイスである可能性は30%低いという。
ここからレポート全文がダウンロードできる。
アップデート:当初のインフォグラフィックでは20%の母数がわかりにくかったので、われわれはvoicebot.aiにアップデートを求めた。上にエンベッドされたグラフはアップデート後のもの。 (2/7/18, 3:40 PM ET)
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)