古いKindleはソフトウェアをアップデートしないとインターネットに接続できなくなる

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2012年よりも前に製造されたKindleを持ってる人は、(米国時間)3月22日までにそのソフトウェアをアップデートしないと、インターネットに接続できなくなる、とAmazonが発表した。なんでもやることが遅い人や、そもそもメッセージを読まなかった人は、USBケーブルでKindleをコンピュータにつなぎ、アップデートをダウンロードして手作業でアップデートする、というとっても面倒な仕事をしなければならない。

最新のKindleを持ってる人は、アップデートしなくてもよいだろう。それらは、Amazonの発表によると、2013年以降にリリースされた、第6第7世代Kindle Paperwhite、第7世代Kindle、第7世代Kindle Voyageだ。

アップデートはほとんどの機種で自動的に行われる。電源を入れてWi-Fiに接続するだけだ(これも多くの場合自動勝手)。うまく行かなかった人は、Amazonのインストラクションを見よう。Kindleを放置しておいても、電源さえ入っていれば(+インターネット接続あり)、アップデートのダウンロードとインストールは自動的に行われる。

インターネット接続は、それがなければKindleで本を買う、Kindleストアで何かを買う、Kindleで何か楽しいことをする、などなどまったくできないから、ご注意を。アップデートの期限を過ぎた人も、上に書いたように頑張ればアップデートできるし、インターネット接続を回復できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleはインフラストラクチャ多様化の一環としてGoogleのCloud Platformを使用か

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今日(米国時間3/16)飛び交っている噂によると、Appleは同社のクラウド事業の一部をAWSからGoogleのCloud Platformに移しつつある。本誌も独自に調べてみたが、確かにAppleはiCloudのストレージの多様化に努めているようで、その事業用としてGoogleも利用するようだ。

これは、いちばん控えめに言っても、Googleにとってはまた一つの大勝利で、AWSにとっては敗北だ。これまでも、Dropboxは合衆国におけるストレージ事業の相当量をAWSから自社内へ移したし、Spotifyはそのビジネスの少なくとも一部をAWSからGoogleへ移した。

これまでの試合経過を見ると、今月はGoogleにとってとくに良い月だった…とりわけ、同社のクラウドビジネスの新しいトップDiane Greeneにとっては。SpotifyやAppleのような有名企業が顧客なら、そのほかのエンタープライズ顧客もますますGoogleに魅(ひ)かれるだろう。GoogleのCloud PlatformはGoogle自身のデータセンターの技術がベースだが、しかしそのことはこれまで、AWSやMicrosoftのAzureに対する有利な競合要因になっていない。AWSには古顔の有利性があり、Azureの背後にはMicrosoftの強力な営業力とハイブリッドクラウド技術への特化がある。ただしAzureは、バックにいくら強力なMicrosoftがいても、クラウドビジネスではずーっと後方の二位だ。

まだ、プラットホームの移行に関するApple自身の意思決定の内容は不明だ。AWSやGoogleも、この件に関しては口をつぐんでいる。

某匿名情報筋によると、Appleは今確かに、複数のパブリッククラウドベンダ、中でもとくにMicrosoft AzureとGoogleを、自社のオプションとして検討している。しかしまだ、最終的な意思決定は行われていない。、なおAppleはすでにiCloudサービスやメディアのサービングにおいて、AzureとAWSを使っている。

要するに事態が本当に(今日の噂どおりに)‘AWSからの離脱’なのか、その辺も明確でない。ただしAppleが、クラウドのサプライヤーのポートフォリオの中身を多様化しようとしていることは、確かなようだ。

状況のもうひとつの側面として、今Appleはオレゴン州プラインビルのデータセンターを拡張中であり、合衆国とヨーロッパで新しいデータセンターも作るらしい。そして、これに今回の話が絡むのなら、AWSからGoogleへ、Googleからさらにプラインビルへ、という線はないだろう。新しいデータセンターの竣工を、単純に待つだろうから。

もしもAppleが、単純にインフラストラクチャの多様化を目指して、これまでのAzure、AWS、および自社データセンターに加えてGoogleも使う、ということなら、無理のない線だ。また、AppleがGoogleのクラウド上の特定のサービスを使うつもりなら、データ分析プラットホームBigQueryあたりが、ねらい目だろう。

われわれにとって既知の事項のひとつは、Akamaiの最近の決算報告だ。Akamaiはその中で、同社の最大のクライアントのうちの2社が、多様化しつつある、と言っている。“過去数年間にわたり、中でもとくに弊社の最大の二つの顧客 が、Akamaiの全体的な売上の約13%を占めてきた”、とAkamaiのCEO Tom Leightonが述べている。“2016年を展望するならば、これら二つのアカウントが依然として弊社の最大のメディア顧客であり続け、弊社の総売上の約6%に貢献するだろう。貢献率のこの7ポイントの変化は、彼らのDIY努力の増加がその原因であり、それは、今後の2四半期における、低い前年比売上増加率が予想される主な理由でもある”。

Akamaiの最大のクライアントがAppleであることは衆智だから、上の言葉は、AppleがCDN(Content Delivery Network)事業の一部も自社化しようとしていることを、意味している。

Googleは来週サンフランシスコで、大規模なクラウドイベントGoogle Nextを開催する。もしも(←これは確かにビッグな“もしも”だが)同社が、同社の新しい顧客について何かを発表するつもりなら、それはたぶん、このイベントにおいてだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AmazonがBoeing 767輸送機を20機リースして配送をスピードアップ

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Amazonのロジスティクスが、でっかい一歩で前進。北米地区の配送用にBoeing 767の一群をリースしたのだ。航空貨物輸送企業のAir Transport Services Group (ATSG)によると、Amazonは同社の航空機20機を5〜7年リースすることに合意した。

この発表は、Amazonが自社の輸送機を運用したがっている、という昨年晩くの報道を確認する。それによりフルフィルメント業務をFedEx, USPS, UPSなどのサードパーティのロジスティクスプロバイダから自己のコントロール下へ移して、経費を節約し、さらに可能性としては配送の大幅な遅れを防ぐ

ATSGによると、合意の詳細はSECに提出する文書で公表する。Seattle Timesの12月の記事によると、専用輸送機Boeing 767Fの月額リース料金は約60〜70万ドル、旅客機を改装した機では30万ドル強だ。Amazonの配送コストは2014年に87億ドル、2013年から31%増加しているが、航空機を自前で持てばかなりの節約が期待される。

Viceの記事によると、AmazonはすでにATSGとパイロット事業を行っている。それは、航空貨物を、ATSGの本社のあるオハイオ州ウィルミントンから、ペンシルベニア州アレンタウンやフロリダ州タンパ、カリフォルニア州オークランド、およびカナダのオンタリオの空港へ運ぶ、という内容だった。

合衆国におけるAmazonのロジスティクス自前化努力としてはほかにも、自社保有トレーラートラックの隊列ドローンによる配送の実験などがある。

Amazonも今や、ほかのeコマース企業や、Instacartのようなオンデマンド企業との競争圧力が大きいから、Amazon PrimeやAmazon Freshなどのサービスを通じて、お客さんに極端に早い配送を約束することが必須の要件になっている。

同社は、国際的ロジスティクスでも忙しい。1月には同社の中国の子会社が、他企業のための海上貨物輸送の免許を獲得した。これで、同社のプラットホームを利用している中国の商業者が合衆国へパッケージを送るのが、容易になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Echo Dotがどうしても欲しい人、Amazonの制約をバイパスして今日オーダーできる方法がこれだ

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Amazonは、90ドルのEcho Dotの予約を難しくしている。でも、まだ方法はある。しかも、簡単に列に割り込める方法だ。ただし、急いだ方がよい。Amazonがこの抜け穴を、いつ塞ぐか分からないからね。

Echo Dotを予約するには:

  1. iOSのAmazonショッピングアプリを開く
  2. “Echo Dot”で検索する
  3. 検索結果のページでデバイスの上を右スワイプしてカートに入れる
  4. チェックアウトへ行く

すごく簡単だ。このささやかな裏ワザを見つけたDwight Churchillは、Localyticsのプロダクトマネージャーだ。

一般的にAmazonは、デバイスのオーダーをAlexaを使ってやってほしい、と願っている。それはオリジナルのAmazon Echoや、Fire TVの最新バージョンにある。でも、これらのデバイスを持っていない人はどうするのか? そんな人には、AmazonはDotをオーダーさせてくれない。初期ロットが小さくて、予約数を少なく抑えるねらいもあるのだろう。

Dotは、Alexaデバイスとして買うもののようだ。EchoやEcho Tapにある高品質のBluetoothスピーカーがない。でも既存のスピーカーをつなげるし、音声コマンドにも応じるし、家庭用デバイスをコントロールしたり、天気予報を言ったりする。

今日オーダーしたら、Dotが届くのは4月22日だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米Amazon、無料配送の最低注文金額を49ドルに引上げ

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Amazonは、たとえPrimeメンバーでなくても、一定金額以上の注文で無料(かつ遅い)配送を提供している。最低金額25ドルの期間が最も長かったが、2013年に同社はこれを35ドルに引き上げた。しかし、年間99ドルで無料翌日配送を約束するPrimeメンバーをこのところ強く推している同社は、静かにこの制限を49ドルへと引き上げた。

良い知らせ:本を買う場合の無料配送条件は、25ドルのままだ(その本が無料配送プロモーションの対象である場合)。

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この変更によって、Amazonが顧客にPrimeサービスを契約させようとしていることは明らかだ。翌日配達(Prime Nowが利用できる人なら1時間配達も)のPrimeは、著しく配達が早くなり他にも多くの特典がある。そして、無料配送の下限が50ドルになった今、これまで以上に多くの人たちがPrime料金を払うことに価値を見出すだろう。

Amazonにとってこれは、配送コストをわずかに引き下げ、利益幅を増やせることを意味している。直近の決算報告でAmazonは、同社の発送コストが前年比32.8%増加したと言った。これはPrime Nowサービス拡大も理由の一つだが、もしAmazonが、注文単価を上げるか、通常の送料を払うか、あるいはPrimeに登録するよう人々を説得できれば、利益率向上に役立つことは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマートスピーカーのAmazon Echoで、ピザが注文できるようになった

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Amazonのインターネットとつながるスピーカー、Amazon Echoを買う理由を探している人へ:今度はあなたの声でピザを注文できるようになった。私の夢は全部実現したかって? イエス。たしかに。実際にはこの機能は宅配ビザチェーンDomino’sのサードパーティーアプリケーションを通じて実現される。Domino’sはこの一年間新しいデジタル注文システムを実験中で、ツイートに絵文字を送ってピザを注文するオプションもある。

Domino’sは、ピザ・ファーストフードレストラン業界で初めて、Amazon Echoのバーチャルアシスタント、Alexaからの注文に対応する企業になった。

他のサービスと同様、Echo経由で注文するためには、まずDomino’sの顧客が「ピザプロフィール」を設定する必要がある。これは個人のプロフィール情報で、名前、住所、支払い情報に加え「イージーオーダー」の好みも登録できる ― 例えば、ペパロニのLサイズ等のお気に入り商品。

このピザプロフィールは、Domino’sが現在対応している各種プラットフォーム用デジタル注文システムを使うために必要となる。現在対応しているプラットフォームは、デスクトップ、モバイル、SMS、Twitter、Samsung製スマートテレビ、Ford Sync、スマートウォッチのAndroid WearとPebble、および同社のネイティブアプリケーション(バーチャルアシスタントのDomに音声で呼びかけられる)。

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ツイートでの注文はややウケ狙いの感があった ― しかもモバイルでピザフロフィールを設定するのは思ったほど簡単ではなかった。しかもDomino’sは、Twitterの「購入」ボタンを利用していないため、初めてのユーザーがツイートでピザを注文するのはかなり困難だ。

それでも、ひとたびピザプロフィールを設定すれば、注文はずっと簡単になる。同じことはDomino’sのその他のデジタル注文システムにもあてはまり、今回そこにAlexa経由の音声注文が加わった。

Amazon Echo ― スマートホームのハブになろうとしているデバイス で、買い物リストからホームオートメーション、ニュース、天気、音楽等々まで何にでも対応している ― を通じて注文することには大いに意味がある。

唯一の問題は、決められた方法で言葉を並べなくてはいけないAlexaの癖が、この機能のネックになっていることだ。これはDomino’sだけの問題ではなく、プラットフォーム全体にとっての悩みだ。

Amazonは、ピザ配達を注文するためには、まずこう言う必要があるといっている:”Alexa, open Domino’s and place my Easy Order”。これは満足なやり方とは言えない。Alexaに “order pizza” というだけで注文できるようになるべきだ。Alexaは、命令から特定のアプリを呼びだすだけの賢さを持つべきた(あるいは、Domino’sが〈数多い〉食事注文アプリの一つとなるような輝ける未来なら、Alexaがあなたにどのアプリを使いたいかを尋ねることになるかもしれない)。

Domino’sのアプリを使うために、Echoのオーナーはまず Amazon Alexaアプリを使ってアカウントをピザプロフィールにリンクさせることで、Domino’sの「スキル」を有効にする必要がある。そうすると、注文が発行された後、Amazon Echoは要求に応じて注文の進行状況を追跡することができる。

そのやり方は(ここでも、言い方は決まっている):”Alexa, ask Domino’s to track my order.”

Amazonは、この機能を金曜日(米国時間2/5)までに公開すると言っている ― もちろん、スーパーボウル・サンデーのずっと前だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ロジスティクスもAmazonのプラットホームサービスになってしまうのか?

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[筆者: Zvi Schreiber](FreightosのCEO。同社は、運送業者やフォワーダー、過肥大したeコマースなどのために国際貨物輸送の業務をオンライン化するロジスティクスサービスだ。)


2015年11月に、Beijing Century Joyo Courier Servicesは合衆国政府に海運企業として登録した。それがどうしたの? そう、Beijing Century Joyo Courier Servicesは、ほかならぬAmazonの子会社でありまして、昨年同社は、海運よりも前に空輸やトラック輸送でも、同社のロジスティクスのプレゼンスをすでに拡張していた。

Amazonが、一兆ドル産業と言われる輸送業(貨物運送業)に参入したことは、Amazonの国際的なセラー(販売者)やインポーター、そして最終消費者に巨大なインパクトをもたらす。しかも、何でも独自のやり方を貫くAmazonの手にかかっては、この世界最大の産業のひとつと言われる運送業も、大きな変化を迫られるだろう。

Amazon的サービスの勃興

これまでの20年間で、Amazonの経営戦略は単なるオンラインリテイラーからB2Bサービスのプロバイダに変わり、さまざまな、ほかの企業のための重要なインフラストラクチャを、サービスとして提供するようになった。

それが、Amazon Web Servicesと、Amazonのフルフィルメント(Fulfillment By Amazon(FBA))、およびKindle Direct Publishingで行われていることの大きな部分です。弊社は今、強力なセルフサービスプラットホームを作っています。そこでは何千人もの人たちが、これまでやりたくてもできなかったようなことを、果敢に実験し実現できます。
Jeff Bezos, 2011年株主宛決算書簡

顧客を喜ばせマーケットシェアを伸ばす動機をベースとして、Amazonの開発プロセスには、次のような明確な構造がある:

  • 非効率な箇所を同定する。
  • そのための技術的なソリューションを開発する。
  • そのソリューションをプラットホームへスケールする。
  • そのプラットホームをサードパーティ企業に斬新なソリューションとして提供する。

たとえば最初、Amazonは自社のITのために効率の良い社内的コンピューティングクラウドを作り、それを全社的に広めてから、それをAmazon Web Servicesとして外部へ提供した。後述のように、eコマースとしてのAmazonの機能部分…決済、チェックアウト(ショッピングカート勘定)、小売販売業務など…も、今や他社が利用できるサービスだ。このような例が、Amazonのいろんなところにある。

決定的に重要なのは、競合他社の多くが、来たるべき変化に気づいていないことだ。“クラウドコンピューティング”という言葉が生まれたのは1996年だが、当時IBMもMicrosoftも、ネット上の本屋さんが自分たちの最大のコンペティターになるとは、想像もしなかった。

小売業務もサービスプロバイダに

Amazonのリテイルサービスも、この20年間で着実に進化してきた。最初アウトソーシングしていた部分も、やがてAmazonがテクノロジーによるソリューションを内製した。そしてそれがうまくいったら、そのソリューションをサードパーティの企業が利用できるサービスとして外部に提供した。

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オンライン・リテイルの世界では、最初Amazonはeコマースとパッケージング(荷造り)サービスを提供し、卸売企業が本の調達や倉庫業務を担当した。Amazonのチームメンバーは卸売企業に本を注文し、それから朝の3時ごろまでかかって本を荷造りした、Bezosの家のガレージの床で。本のデリバリもUPSなどへアウトソースされたが、それは今でも変わらない。

eコマースのプラットホームが改良され安定してきた西暦2000年ごろに、Amazonはそれをサービスとしてサードパーティのベンダに提供し始めた。その、Amazon Marketplaceと呼ばれるサービスは、大成功した。今このサービスを利用している販売者は200万以上いて、Amazonの全売り上げの40%を占めている。

スケールアップとテクノロジーの改良、というパターンは、倉庫業務でも繰り返され、2006年にはFulfillment By Amazon(FBA)がローンチした。並行して2007年にはAmazon Paymentsがサービスとしてローンチしたが、こちらはあまり成功しなかった。eコマースのショッピングカート機能、Checkout for Amazonも2008年にサービスとしてローンチしたが、こちらもあまり利用されていない。

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サプライチェーンを横断する垂直拡大


リテイル関連の機能を他社が利用するサービスとして提供してきたAmazonは、その次に、サプライチェーンの拡張に着手した。その手始めは、消費者電子製品だった。

この分野でAmazonには、Fire PhoneやKindle Fireなど、大きな失敗もある。Kindleのようなデバイスはコンテンツを配布する方式として有効だが、製品開発はまだ、プラットホームの域に達していない。

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ロジスティクスへの進出

2014年にもサプライチェーンを横断する拡張は続き、今度は、これまでアウトソースしていたロジスティクスの部分に手をつけた。最初はインバウンド(内向き)のロジスティクス、次に2015年にはホームデリバリ(家庭配達)だ。

国際的な運送業は年商1兆ドル以上の産業、と言われる。船や航空機やトラックのグローバルな編隊が国境を超えて、毎日19兆ドル以上相当の製品や商品を運んでいる。コンテナが18000個も乗る巨大な船が、消費者が食べ、使用し、そして着る物の90%を、移送している(服やデバイスのラベルを読んでみよう)。

しかしグローバルな運送産業は手作業が多くて効率が悪い。テクノロジーを利用してスケールしコストを下げる、というAmazonのやり方にとってこの業界は、まさにスイートスポットだ。Amazonは最初2014年に、国際的な販売者のために集荷の混載化を図り、輸入品のバルクディスカウントを実現した。

デリバリにも進出

デリバリの自前化は、さらに重要だった。Amazonの顧客を喜ばせている送料無料と(Primeのお急ぎ便)の費用は、2014年で42億ドルを超え、純売上の5%近い。さらに、アウトソースは十分なコントロールができないので、顧客の不満を招くこともあり、2014年のホリデイシーズンのような配達の遅れという問題も生じる。
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経費を抑え、外部業者への依存を減らすためにAmazonは、2015年に、これまで出番の少なかったデリバリの役割を、拡大し始めた。2015年12月にはThe Seattle Timesが、Amazonは航空機群のリースを交渉していると報じ、またAmazonのトラックを路上で見かけるようになった。史上初めて、あのAmazonとはっきり分かるパッケージをAmazonの社員が配達するようになり、さらにAmazonはデリバリのクラウドソーシングも開始した。

これはAmazonにとってまったく新しい事業だが、テクノロジーを有効利用する効率化、という点でAmazonを上回る名手は既存の業界に存在しないだろう。Amazonの倉庫(フルフィルメントセンター)で活躍する3万あまりのロボットは、サプライチェーンにおいて自動化がいかに強力であるかを示す証明だ。Amazonの配達ドローンについても、同じことが言える。

船を持たない海運企業

この文脈ではAmazonは運送フォワーダー(forwarder)として機能し、それは論理的であるとともに、果敢な挑戦でもある。Amazonは今、自動化が超遅れていることで悪名高い業界に参入しつつある。そもそも、輸送費の見積もりが出るまで平均で90時間以上を要し、しかもこの業界は料金体系が不透明であることで名高い。

しかしAmazonの国際的な売上は成長が鈍っている。2014年には増加率が12%に落ち込んだ…Amazonの数字としては高くない。Amazonのグローバルな販売者の発送を容易にし、コストを下げれば、成長は戻り、Amazon全体のグローバルな発送コストも減って、その過程を十分にコントロールできるようになるだろう。

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ロジスティクス業界に与える影響

Amazonの定番的なやり方は、内部的なサービスをサードパーティサービスに拡張することだ。Amazonが内部でのフルフィルメントやロジスティクスのコスト削減に成功したら、それらのサービスがAmazon内部だけで使われ続けることはあり得ない。

ロジスティクスは、その業界全体としても、今やテクノロジーによってディスラプトされるべき時期を迎えている。そして、テクノロジーを利用して利幅を広げる能力で、Amazonをしのぐ企業は存在しない。ロジスティクスとデリバリの企業は、今Amazonが開始しているその初期的な努力を、その一挙手一投足を、仔細に見守るべきだ。ロジスティクス企業が、今Amazonがやろうとしているテクノロジーによるイノベーションに追随できないなら、2020年代にAmazon Logistics Servicesが新しいプラットホームとして登場し、運送業界の王の座を奪うだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWSが日/週/月ベースの予約制インスタンスを割引料金でローンチ

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AmazonのクラウドコンピューティングプラットホームAWSが今日(米国時間1/13)、新しい料金制を導入し、それを使うと、一日に一定の時間だけ、とか、毎月一定の日だけとかに自分のクラウドアプリケーションを動かす必要のあるユーザが、AWSのサービスをより使いやすい料金で利用できる。

その新しい料金制はScheduled Reserved Instancesと呼ばれ、AWSのユーザはインスタンスを、日ベース、週ベース、あるいは月ベースで、一定の時間だけ予約し利用できる。そのためには、下図のような入力フォームにスケジュールを記入するだけだ。

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予約期間の単位は1年だが、その代わり標準のオンデマンドの料金の5〜10%の割引料金になる。

割引率は、一般的にAWSの利用が混みあう時間帯は5%、週末など比較的ひまな時間帯は10%となる。

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この新しい料金制は、当面、US East(North Virginia), US West(Oregon), EU(Ireland)の各リージョンでしか利用できない。

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これは、なかなかうまいやり方、と言えるだろう。クラウドのワークロードはむらが多いからね。でも、週日の午後だけに何かの計算をしたい、とか、月初に課金の計算をするだけ、なんてときに、インスタンスをフル契約するのはもったいない。

AWSでもAzureでもGoogleのCloud Platformでも、任意の日と任意の時間にマシンを動かして停止することは十分に可能だが、そんなユーザでもこれまでは、標準のオンデマンドの料金を払っていたのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

YouTubeがNetflixやAmazonに並んでHDRビデオをサポート、対応TVやディスプレイも今後続々

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YouTubeがNetflixやAmazonに続いて、HDR(high dynamic range)ビデオをサポートする、と今週CES 2016で発表した。YouTubeのチーフビジネスオフィサー(CBO) Robert KynclとGoProのCEO Nick Woodman、そしてVRSEのCEO Chris Milkの三名が、360度ビデオについてステージ上で鼎談しているとき、雑談的にHDRの話もちらっと出たのだ。

GoProとYouTubeがパートナーして、YouTube上で360度ビデオにもっと力を入れる、という話の中でKynclが、YouTubeはもうすぐHDRビデオをサポートする、と、たまたま言ったのだ。

HDRはその名のとおり、画像のダイナミックレンジ、すなわちコントラストの幅やカラーパレットの数(色幅)を、人間の目が実際に見るようなリアルで自然な画像で拡大する。暗い部分が黒くつぶれたり、明るい部分が白く飛んだりしないから、HDRはリッチで色彩豊かな画像になる。当然、暗い部分の細部もよく分かる。

HDR画像の実現には、テレビの側の協力も必要なので、すでにCESではLG、Sony、Panasonicなどが、近くHDR TVを出す、と発表している

またディスプレイに関しては、YouTubeがCESで語ったところによると、Samsung、LG、Hisenseの三社とのパートナーシップにより、NASAKarmin提供の4K HDRビデオをCESの会場でデモしている。〔シャープは昨秋、8K HDRディスプレイを発表。日本ビクター(JVCケンウッド)もHDRディスプレイを発表。〕

HDRのサポートに関してはそれ以上詳しい発表はなかったが、どこかの記者がスケジュールについて訊くと、HDRの再生は年内に実現、との答が返ってきた。

パートナーシップに関するそのほかの話の中で、GoProは近く、安価で気軽に使える球面画像獲得カメラ(spherical capture camera)を出すから、YouTube上の360度コンテンツが今後は一挙に増える、という話が出ている。

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AmazonのメールとカレンダーのサービスAmazon WorkMailがプレビューを終える…直接AWSからサービスを提供

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Amazonの企業向けメール/カレンダーサービスWorkMailが今週、プレビューを終えた。1年前にデビューしたこのプロダクトはAmazon Web Servicesを利用し、Microsoft Exchangeなどのレガシーソリューションに取って代わることをねらっている。

ただしWorkMailはMicrosoft Outlookのようなメールクライアントソフトウェアと競合するのではなく、それを統合する。またMicrosoft ExchangeのActiveSyncプロトコルを使用しているApple Mailなど、そのほかのメールクライアントからも利用できる。iPhone, iPad, Kindle Fire, Fire Phone, Android, Windows Phone, BlackBerry 10など、モバイルのメールクライアントアプリもだ。

また同社によれば、WorkMailのWebアプリケーションバージョンも提供される。

Amazonはこのところ企業顧客を取り込む方向に舵を切っているが、今回のプロダクトもその路線…Zocaloの買収による共有化ストレージサービスWorkDocsや、企業のIT部門がエンドユーザにクラウドベースのデスクトップ環境を提供できるサービスAmazon WorkSpacesなど…の一環となる。これら既存のサービスと同じくWorkMailも、Amazon Web Servicesのパワーを活用して、ビジネスユーザのニーズに直接奉仕することをねらう。つまりそれは、単なるバックエンドソリューションではない。

WorkMailは企業が利用するメールプロダクトとして、暗号化や、スパムやウィルスを事前に見つけるメッセージスキャン、メールボックスが置かれる場所(リージョン)の指定など、セキュリティ機能を強化している。とくにリージョンという要素は、Snowdenが政府による盗視行為を暴露して以降の今日、ヨーロッパの顧客には喜ばれるだろう。

ほかにもプレビューの段階でさまざまな機能が導入された。それらはたとえばKMS(AWS Key Management Service)の統合、ISO 27001, ISO 27017, ISO 27018証明への準拠、会議の場所、機器などを手配するリソース作成、ExchangeからWorkMailへ移行するためのマイグレーションツールなどだ。

そのほか同社は、この製品が一般公開される時点ではセットアッププロセスが今よりもずっと容易になる、と言っている。Microsoft Active Directory対応のSimple ADを使用するので、セットアップは10分で終わるそうだ。Apple MailやOutlookなど、OS X上のクライアントにも対応する。

まだ準備中の機能もある。それはたとえば、単一のグローバルアドレス帳のサポート、フリー(空いている)/ビジー(混んでいる)の情報提供、メールのジャーナリング機能、などだ。

Amazon WorkMailの一般公開時の料金は、これまでと同じユーザ一人あたり月額4ドル(メールボックスのストレージは50GBを提供)と、他社との競合を意識した設定になっている。一人あたり2ドルの追加料金で、一人あたりクラウドストレージが200GBのAmazon WorkDocsを利用できる。

WorkMailを利用できるAWSのリージョンは、U.S. East(Northern Virginia), U.S. West(Oregon), そしてEurope(Ireland)だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

eブック隆盛のいまどき、古書店に投資価値があるだろうか…コミュニティのたまり場として

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Washington Post紙の、休日の心温まる記事によると、ベビーブーム世代の高齢化や、デジタル化の逆風、その風をよけるためのコミュニティの場所へのニーズ、そんないろんな要因から、最近は古本屋さんが復興しているそうだ。

そのキモは? (個人経営の)本屋さんはなにしろ、良い場所だからだ。

“町に本屋がなくなったので、本を買える場所がない、という声を多く聞いた”。Gottwalsはそう語る。“博物館(美術館)や劇場と同じで、本屋は地域の文化の核なんだ。人が、行きたいな、と思う場所なんだ。だから、それは、今どき、良い投資なのさ”。

書店というものを理想化しすぎているきらいはあるが、コーヒーショップやレクリエーションセンターと違って、古本屋にはコミュニティの核としての独特の味がある。最近は地域の集会などから読書会が姿を消し、本を取り上げるサークルも少ない。休日の古書店めぐりには宝探しのような楽しみがあったけど、本を買うだけなら今ではKindleの方が簡単ではやい。印刷された本として生き残るのは、子どもの絵本と稀覯本ぐらいかもしれない。印刷された本は、ビニル製のレコードと一緒に、過去の遺物になろうとしている。ごく一部の、特殊な本をのぞいては。

そんな時代だからこそ、古本屋さんは貴重だ。LPレコードも、古いビデオゲームやゲーム機も、いまだに一定の需要があり、ノスタルジーという価値観がある。それと同じ意味で、古書店にも一定の投資価値があるのではないか。一概に、だめだよとは言い切れない感触があるね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

クリスマスの前の週でAmazonのPrimeの会員が300万増えたそうだ(クリスマスの週については不明)

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Amazonのプレスリリースは、具体的な情報がないことで有名だ。今年の感謝祭のときもそうだった。しかしそれでもたまには、同社は数字を発表することがある。それによると、今年のクリスマスの前の週にはPrimeの会員が300万名あまり増えたそうだ。

でも、例によって、同社の発表を鵜呑みにしてはいけない。

AmazonがGeekwireに対して確認しているところによると、この数字は実際に会費を払ったユーザと試行期ユーザの両方を含む。だから、その後の推移によって確定した正規会員数は、もっと少ないかもしれない。とくにApple Musicのように、トライアルから入ることの多いサービスでは、それが顕著だろう。

また、同社が発表した数字は12月の第三週、つまりクリスマスの前の週のものだ。だから、比較すべきふだんの週の数字がないと、どれぐらい盛況だったのか分からない。もちろん、クリスマスの当日近くになると、“送料無料”や“お急ぎ便”などを使えるPrimeのユーザが増えたと思うけど。

なお、昨年のAmazonの発表では、いわゆる“ホリデイシーズン”の全期間で、Primeの会員は1000万名増えたそうだ。

もうひとつ、例によってAmazonは、Prime会員の総数を公表していないから、増加率も分からない。“記録破りのホリデイシーズンだった”、と言ってるだけだ。

“Amazon Primeの会員は成長を続けており、今では全世界で数千万人の会員がいる”、と同社は述べている。

でももちろん、300万という数字は、このサービスの人気の一端を覗かせている。

99ドルの年会費を払ったPrimeの会員には、一部商品の送料無料などの特典があり、一部のビデオを無料で見られる。

ビデオではAmazonのライバルとなるNetflixは、世界60か国に6900万の顧客がいる。Amazon Prime Videoは、合衆国とイギリス、オーストラリア、ドイツ、そして(最近加わった)日本だけだ。本体のPrimeサービスは、もっと多くの国で提供されている。

ホリデイシーズンに関するAmazonのそのほかの発表は、例によって隔靴掻痒だ:

  • 今年のホリデイシーズンではAppleの顧客の70%近くがモバイルデバイスを使って買い物をした — 昨年は60%弱だったが、Amazonを訪れた人と、モバイルで実際に何かを買った人との内訳は分からない
  • Prime Videoで最高の視聴率を稼いだのはThe Man in the High Castleで昨年比4.5倍、ホリデイシーズンにおけるPrime Videoの総視聴時間は昨年比で倍増した
  • Amazon Devices(Kindleなど)は、昨年のホリデイシーズンの記録的な売上の、さらに倍を達成した
  • 今年のホリデイシーズンでPrimeの送料無料で発送された品目は2億を超えている
  • クリスマスイブのPrimeの繁忙も今年が最高だった
  • Amazonは今年のホリデイシーズンで185か国へ発送した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

AWS、t2.nanoをリリース―EC2で最小、最安のインスタンス〔東京リージョン利用可能〕

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今年、ラスベガスで開催されたAmazonのデベロッパー向けカンファレンス、re:Inventで AWSは「近く、EC2コンピューティング・サービスで、極めて小型だが必要な際には急速に拡張可能なインスタンスの提供を開始する」と発表した。そのインスタンスがt2.nanoと名付けられて利用可能となった

AmazonのUSリージョンでこの「ナノ・インスタンス」を動かすには月額で4.75ドルしかかからない(つまり1時間あたり0.0065ドルだ)。もちろんEC2として最安のインスタンスとなっている。もし1年分の作動を確保するなら時間単価はさらに0.0045ドルに下がる。前金は必要ない。他のリージョンからの利用は若干高くなる〔東京リージョンは時間単価0.01ドル〕。

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このインスタンスには 512MiBのメモリが付属し、 1コアのバーチャルCPUは必要に応じてバースト可能だ。

Amazonでは「このインスタンスはアプリを開発中のデベロッパーやトラフィックの少ないウェブサイトのホスティングにもっとも適している。どんな目的にせよ、大量のメモリやCPUパワー長時間必要としないような作業なら何にでも使えるだろう」と述べている。Amazonのチーフ・エバンジェリスト、Jeff Barrはまた「教育やトレーニングの場でも多数のt2.nanoが利用されるだろう」と期待を述べた

新しいナノ・インスタンスは、 AWSの他のバーチャルCPUに比べて低い能力しかないが、CPU利用率が 5%以下のアイドル状態になるとAWSはユーザーにボーナスCPUクレジットを付与する。このクレジットは後でバースト・モードが必要になった場合に利用できる。

t2.nanoは 32bitまたは 64bitで動作する。Amazonはこのバーチャル・マシンでWindowsを作動させることを推薦はしておらず、その場合には
Server Core AMIを利用することになるだろう。もちろんWindowsの利用が禁止されているわけではない。

EC2ではこの種のバースト可能な小型インスタンスのシリーズを各種揃えている。これまで、micro、small、medium、 largeが提供されていたが、今回これにt2 instancesが加わったわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ブラックフライデーのネットショッピング総額の36%をAmazonが占め、次位Best Buy(8%)以下を大きく引き離す

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独自の荷物追跡アプリケーションでeコマースのデータを集めているSlice Intelligenceによると、今年の11月27日、いわゆるブラックフライデーにおけるeコマースの売上の35.7%をAmazonがごっそりといただいた。二位はAmazonのずっと後方を走ったBest Buyの8.23%だった。三位以下はMacy’s 3.38%、Walmart 3.35%、Nordstrom 3.11%等となる。

Amazonが唖然とするほど高いのには、Sliceのユーザの特性も寄与していると思われるが、しかしAmazon自身も今年は記録的な売上だったと自慢している。具体的な数字は挙げていないが、とくに、Amazonブランドの製品(Kindle, Fireなど)が好調だった、という。

同じくSliceのデータによると、ブラックフライデーにおけるeコマースの売上は前年比で7%増加し、売り出しの開始日を早めたところも多かったので、ブラックフライデーの前日の売上が14%伸びた。中でも家具調度品のWayfairは、ブラックフライデーにおいて前年比315%増という最大の売上増加率を達成した。

売上の好調は、サイバーマンデー(Cyber Monday)と呼ばれる月曜日まで続き、eBayは金土日月の4日間で12%の売上増を達成した

eBayのマーチャンダイジング担当VP Jay Hansonは、“今年のネットショッピングの主役はモバイル、彼らはふつうの日以上に熱心にお買い得品やギフトの好適品を探した”、と述べている。

同社によると、ExxonMobileのギフトカードを7000枚、ホバーボードを7500台売り、おもちゃのトップセラーはロボットだった

最近eBayから独立したPayPalも大きなトラフィックを経験し、サイバーマンデーには一時的にサービス不能状態になった。

PayPalもモバイルからの買い物が増えていることを目撃し、今年とくに伸びた品目は、ファッション、電子製品、化粧品、そして玩具だった。

“PayPalのデータから言えるのは、今や年末のショッピングシーズンが9月の30日から始まっていること。ブラックフライデーの2か月も前だ”、とPayPalのグローバルイニシアチブ担当シニアディレクターAnuj Nayarは語る。“年間を通じ、PayPalがオンラインショッピングでいちばん忙しいのは今年も同じくサイバーマンデーだが、感謝祭以降はモバイルからのショッピングが年々増加傾向にある”。

売上の数字の多くは驚異的だが、同じくeコマース企業のBlueSnapとPYMNTSが行った調査によると、多くのネットショップが、チェックアウト処理がボトルネックになっているため、あり得た売上の36%を失っている、という。買い物の完了までの手続きが、複雑だったり時間がかかったりすると、完了まで行かずにバイしてしまう消費者が多いのだ。

“彼らは何百万ドルという大金をドブに捨てているが、どうしたらいいか分からないのだ”、とBlueSnapのCEO Ralph Dangelmaierは語る。“しかもサイバーマンデーの売上などを見ると、今や一部の製品は物理店よりもネットがメインの販売チャネルだから、チェックアウトで手間取ってお客とお金を失う現状を、早急に解決する必要がある”。

オンラインショッピングが急増している今の状況の中では、効率の良し悪しが今後ますます成功のための重要な鍵を握るだろう。

〔訳注: 小売支出全体や、消費支出全体の中でのネット利用の比率、いわゆるEC化率は、eMarketerや連邦準備銀行などのデータが参考になります。物理店は、まだまだ圧倒的に強いです(それも当然)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Amazon、新型Prime Airドローンを公開、今度はハイブリッド設計だ

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Amazonが‘Prime Air’ プロジェクトの魅惑的な最新情報を公開した ― 最初にそのドローンを披露してからちょうど2年後。そう、一部の人がエイプリルフールの壮大なジョークだと思ったあの空飛ぶ配達ドローンだ。高解像度の写真を何枚かと新しいビデオが2本ある。

テレビ番組「トップ・ギア」の元ホスト、ジェレミー・クラークソン(現在Amazonに関する新しいシリーズに取り組み中)が案内するこのビデオは、設計および受取人としての体験について語っている。

ご覧のとおり、Amazonはハイブリッド設計に移行した。前回のモデルよりずっと大きそうだ。こんなのが隣の家に向かって飛んでくるところを想像してほしい。もしれが現実になったら、エイリアン出現のニュース出るのは間違いない。

この新しいPrime Airドローンはもはや単なるクワッドコプターではない。離陸と着陸は今まで通り垂直だが、それ以外は水平飛行モードに切り換わる。ずっと効率が良い。要するに、ヘリコプターと飛行機が半々だ。この新しい設計によってドローンは15(24 km)マイル以上をカバーし、55mph(88km/時)以上で飛べるとAmazonは言っている。ビデオの中でクラークソンは、Amazonが様々な環境と目的に合わせた様々な設計のドローンファミリーを開発していると言っている。

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新ドローンには、少なくともある程度の”sense-and-avoid”[検知して回避する]技術を備えており、目的位置まで来たら、付近の着陸地点を探す。今現在、ユーザーが庭にAmazonログを掲示する等の方法で位置を示せるようだ。ドローンはそこに着陸し、荷物を降ろした後再び飛び立つ。

「このデザインは、長距離を効率良く真っ直ぐ飛び、安全かつ俊敏に着陸することを可能にする。これは数多く開発したプロトタイプの一つだ」とAmazonの広報担当者が本誌に語った。「いつの日か、Prime Air機を見ることが道路の配送トラックを見るのと同じくらい当たり前になるだろう」。

当然ながら、Amazonには、この新デザインをもってしても、乗り越えるべきハードルがまだいくつかある。街中でこの新しいドローンが荷物を運ぶところを見ることはまだ当分ないだろう。しかし、地方や郊外地域ではこの新デザイン機がかなり使るはずだ(もちろん、こいつが自宅の上空を飛んでいるのを撃ち落とす方法についてのコメントは遠慮なく寄せてほしい)。

もしAmazonか、難度の高い検知・回避問題(小さな送電線等)をいくつかでも解決できれば、Prime Airは多くの人の予想よりも早く離陸できるかもしれない(Amazonが来たるべきFAAの商用ドローン規制の範囲内でやれるとして)。

比較のためにお見せすると、旧型のドローンはこんなだった:

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazonが容量無制限のクラウドストレージを5ドルで提供、ただし今の契約年だけかもしれない

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【抄訳】
ブラックフライデーの商戦でWebの上でもあちこちでディープなディスカウントが行われているが、Amazonも今回、非っ常に分かりやすい値引きを開始した。同社のクラウドストレージの料金が使用量無制限で5ドルになるのだ。通常ならそれは年額60ドルだから、92%の値引きである。

そのねらいは、AmazonのCloud Driveサービスの販売促進だ。これはDropboxやGoogle Drive、MicrosoftのOneDriveなどなどと競合するサービスで、文書も音楽も写真もビデオもなんでも保存できて、Webからアクセスできる。Cloud Driveのモバイルアプリを使えば、スマートフォンやタブレットからでも。

でも、あなたがAmazonのプライム会員で、Cloud Driveを写真のバックアップだけに使うのなら、プライムの会員特典として無料かつ容量無制限だから、今回の5ドルの販促企画に乗る必要はない。

嬉しいことにこの5ドルという料金は、これから新たにCloud Driveのユーザになる人だけでなく、既存のユーザにも適用される。5ドルに対する既存料金の返金は、これまで使った日割り計算で行われる。

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ただしこの5ドル無制限は、ある日、幸せな夢のように覚めるだろう。つまりAmazon Cloud Driveは年会費制だから、契約を次の年に更新するときには正価を払うことになる(そのときAmazonがこの企画を継続しなければ)。だから、今の契約年だけでもよいから、大きなストレージを安く使いたい、という人にしか、この企画のメリットはないと思われる。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

AWSは韓国に次いでイギリスにも新たにリージョンを設ける意向、今後はインドにも

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Amazon Web Services(AWS)このところ、サービス供用地域の拡大にますます熱心だ。AmazonのCTO Werner Vogelsは今日(米国時間11/6)、2016年の終わりないし2017年の初めにイギリスリージョン(UK region)を立ち上げる、と発表した

それはEUでは3つ目のリージョンで、最初はかなり長年、ダブリンのデータセンターが、ヨーロッパのデベロッパがAWSを使って同地域内にアプリケーションをホストするための、唯一の選択肢だった。そして昨年AWSは、ドイツのフランクフルトを拠点とするリージョンを初めて立ち上げた

イギリスリージョンを発表した日の前日にAWSは、韓国リージョン(South Korea region)の計画を発表した。これはアジア太平洋地区では5つ目のリージョンだ。このほか計画中のリージョンとして、インド、中国第二、オハイオ州(2016)がある。AWSの現在稼働中のリージョンは、11ある。

イギリスと韓国に関してAmazonは、すでの顧客数がとても多いことを挙げている。“2006年にAWSを立ち上げた当初から、イギリスの指導的企業の多くがアーリーアダプターだった。弊社は今日まで継続して彼らを、アジリティの強化やITコストの低減、容易なグローバルスケーリング等の面でお手伝いしてきた”、とVogelは声明文の中で言っている。

リージョンの数に関しては、A、M、G三社の中ではM(Microsoft)のAzureが20で最大、G(Google)のCloud Platformは4つだ(合衆国内2、ベルギー、台湾)。デベロッパはエンドユーザに近いところからアプリケーションをホストした方がレイテンシが低い、と考える。またローカルデータ主権法(local data sovereignty law)のあるドイツのような国では、一部のユーザデータが国外に出ることを禁じている。


〔訳注: AWSの現状11のリージョン一覧(出典)〕

米国東部(バージニア北部)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 5*
2006 年開始

米国西部(北カリフォルニア)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 3*
2009 年開始

米国西部(オレゴン)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 3
2011 年開始

AWS GovCloud(米国)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 2
2011 年開始

サンパウロリージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 3
2011 年開始

欧州(アイルランド)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 3
2007 年開始

欧州(フランクフルト)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 2
2014 年開始

アジアパシフィック(シンガポール)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 2
2010 年開始

アジアパシフィック(東京)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 3
2011 年開始

アジアパシフィック(シドニー)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 2
2012 年開始

中国(北京)リージョン
EC2 アベイラビリティーゾーン: 2

〔アフリカと中東は現状ではヨーロッパのリージョンがカバーしている。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Amazonが多様なIoTシステムを構築/稼働/管理できる総合IoTプラットホームAWS IoTを立ち上げ

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物のインターネット(Internet of Things, IoT)に、また大物がやってくる。今日(米国時間10/8)はAmazonが、ラスベガスで行われたデベロッパカンファレンスre:Inventで、誰かが首を長くして待っていたAWSのIoTプラットホームを発表した。

Amazonによるとそれは、いわゆるマネージドクラウドプラットホーム(管理サービスを伴うクラウドプラットホーム)で、その上で“インターネットに接続したデバイスが容易にかつセキュアに、クラウドアプリケーションやそのほかのデバイス”と対話をする。まだベータだが、最終的には何十億のデバイスと何兆ものメッセージをサポートし、“それらのメッセージを処理してAWSのエンドポイントやそのほかのデバイスに高い信頼性とセキュリティを伴って送ることができる”、という。

AWS IoTはAWS LambdaやAmazon Kinesis、Amazon S3、Amazon Machine Learning、Amazon DynamoDBなどを統合してIoTアプリケーションを作り、インフラストラクチャを管理し、データを分析する。

“インターネットに接続しただけで便利になるわけではない”、とAmazonのCTO Werner Vogelsは今日のキーノートで語る。そしてその言葉のとおりAmazonは、さまざまなオブジェクトのためのさまざまなサービスが複合した、総合的なプラットホームを目指している。そこに複数のオブジェクトが集まって協調的に動き、企業にトラフィックと売上をもたらすだけでなく、もちろんまとめ役のAmazonにも利益をもたらす。

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Vogelsによるとこのプラットホームには、デバイスゲートウェイ、ルールベースのエンジン、デバイスに関するデータを保存するレジストリ、そしてAmazonがDevice Shadowsと呼ぶ機能が含まれる。それは、デバイスのオフライン時のデータを記録しておき、再びオンラインになったときにシステムに送り返す、という機能だ。扱うデバイスは特定されない。Vogelsはジョーク混じりに、“この会場にあるすべてのデバイスがうちのプラットホームに乗ってもよい”、と言った。

同社はIoTプラットホーム2lemteryを今年の前半に買収したから、今日の発表はそれほど意外ではない。しかも、クラウドサービスで競合するMicrosoftが、やはりIoTをクラウドコンピューティングの要(かなめ)のひとつにする、と発表したばかりだ。

デベロッパがこのプラットホームを利用すると、デバイスからのデータを、標準性のあるゲートウェイと、MQTTやHTTPSなどのプロトコルを使って取り込むことが、容易にできるようになる。

AWSのそのほかのサービスと同じく、IoTプラットホームの料金も完全従量制で、基本料金というものはない。この場合何の量かというと、デバイスとAWS IoT間を行き来するメッセージの量だ。ユーザの、AWSエコシステム内での居心地を良くするために、メッセージをほかのAWSサービスに送るのは無料だ(Amazon S3, Amazon DynamoDB, AWS Lambda, Amazon Kinesis,Amazon SNS, Amazon SQS)。

AWS IoTには無料プランもあり、1か月のメッセージ(往+来)が25万までは無料だ。その後の料金は、下表のようになる:

[リージョン] [百万メッセージあたりの料金(ドル)]

Region Price
US East (N. Virginia) $5 per million messages
US West (Oregon) $5 per million messages
EU (Ireland) $5 per million messages
Asia Pacific (Tokyo) $8 per million messages

ところで、上の料金体系が想定している一つのメッセージのサイズは、512バイトである。

このIoTサービスにはすでに多数のパートナーがおり、それらは、Beaglebone Green and Grove IoT Starter Kit, Dragonboard IoT Starter Kit, Intel Edison and Grove IoT Starter Kit, Marvel EZ-Connect MW300 IoT Starter Kit, MediaTek Linkit One IoT Starter Kit, Microchip IoT Starter Kit, Renasas IoT Starter Kit, Seeeduino Cloud and Grove IoT Starter Kit, TI LaunchPad IoT Starter Kit, そしてWICED B4343W IoT Starter Kitだ。

この記事の制作に協力した人: Frederic Lardinois

AWS re:Invent 2015

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モバイルアプリのバックエンドプロセスの開発を容易にするAWS Mobile Hub、AWS Lambdaがベース

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Amazonが今日(米国時間10/8)のre:Inventデベロッパカンファレンスで、モバイルデベロッパがアプリのバックエンドプロセスを作りやすくするための、AWS LambdaベースのツールAWS Mobile Hubのローンチを発表した。

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AmazonのCTO Werner Vogelsは今日のキーノートで、AWSはかなり前から、モバイルアプリのバックエンドを動かすために必要なすべてのサービスを提供してきたが、しかしその中には使いにくいものもあった。“われわれが痛感したのは、モバイルデベロッパが自分のデバイスはとてもよく知っているが、彼らにとってバックエンドが難関であることだ。モバイル開発をもっとシンプルにするためには、われわれは何をすべきか、と考えた”。

プラットホームごとにいろんなツールをセットアップするのではなく、今度のMobile HubではAndroidとiOSのデベロッパが自分のアプリのために必要なサービスを選んで構成し、Amazonはそれらの機能をLambdaで動かす。提供されているオプションには、ユーザログインのセットアップ、ユーザデータのストレージ、アプリのアナリティクスなどがある。

モバイルバックエンドのセットアップでデベロッパを助けるだけでなく、このサービスはバックエンドの構築とテストとモニタも楽にしてくれる。Amazonによると、わずか10分で、このサービスをセットアップして使えるようになる。

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AWS re:Invent 2015

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AWSがコンテナの作成とローンチを管理するレジストリContainer Registryをサービスとして提供

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Amazonが今日(米国時間10/8)のre:Inventカンファレンスで、デベロッパのためのコンテナ管理ツール Amazon EC2 Container Registryをローンチした。

昨年Amazonは、DockerイメージをサポートするコンテナサービスEC2を発表した。AmazonのCTO Werner Vogelsによると、コンテナイメージを生成し、保存し、ローンチするときには、それらを記録するレジストリを参照できることが日増しに重要になる。

“このツールはそれを、開発過程の一部にする”、とVogelsは説明する。デベロッパは自分が作ったイメージをテストし、ローンチOKとなったらレジストリに入れるのだ。

Amazonのそのほかのサービスでもそうだが、同社はレジストリを自作して使っている顧客が多いことを知った。しかしもちろんこれは、企業にとって余計な負荷になり、またそういう余裕のない企業もある。レジストリをサービスとして提供すれば、どちらの企業もコンテナ管理に欠かせないツールを簡単に手にすることになる。

もちろんこのコンテナレジストリはAmazonのコンテナサービスのそのほかの部分とうまく統合化され、イメージそのものはAmazon S3に保存されるので、ストレージの売上もそのぶん増える。

コンテナはデベロッパ界隈でますます人気が高まっているので、より幅広いコンテナ関連サービスを提供することは、Amazonにとっても当然だ。これらのサービスにより、コンテナを作り、管理し、動かすための作業が一層軽減されるだろう。

このサービスは今年の終わりごろより供用開始される。

AWS re:Invent 2015

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