Appleは3000億ドルの資本利益事業の資金源として社債をさらに発行する

Appleがこのほど、株式買い戻し事業と株主への配当金の資金を得るために社債を発行を開始した、とBloombergが報じている。キャッシュが山のようにある企業にしては、ちょっと不可解な行動だが、実は同社のキャッシュの多くは海外にある。

Appleの第四四半期の決算報告では、キャッシュと換金可能有価証券の計が2689億ドルだった。しかしその94%は、国外にある。

今日の時点でその全額がアメリカに戻れば、Appleはその35%を支払うことになるだろう。トランプ政権は海外利益の法人税を12%と約束しているが、まだそれは実現していない。

Appleは、その税制改革を待てない。しかも同社は、アメリカでも多少のキャッシュを持つ必要がある。今国内に持っているのは有価証券も入れて約160億ドルなので、それではWhatsAppを買うことすらできない。

同社は前四半期で70億ドルの社債を発行したが、今度もそれと同じことをしようとしている。しかしそれでも、海外利益を本国へ還流する(法人税を払う)よりは、長/中/短期債の方がコストは安い。

Appleは、そのキャッシュを自分で使うわけではない。そのお金は、株式買い戻しと株主配当に充てられる。Appleの約束では、同社は今後2019年3月までの資本利益事業で3000億ドルを費消する。Bloombergによれば、Appleはすでに2250億ドルあまりを株主に還元している。

社債発行過程の詳細は現時点では不明だが、同社の計画では定率債を6回に分けて発行する。Appleがさらに今後もこのペースで社債の発行を続ければ、債券市場にはAppleの社債が大量にあふれることになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iPhone X、最初の週末はiPhone 8を上回る勢い

iPhone Xはすでに消費者の強力な支持を受けているとLocalyticsの最新レポートが伝えた。ただし予約分の出荷は大きく遅れる見込みのため、多くの顧客はまだ商品を手にしていない。それでもiPhone Xは、発売一週間でiPhone市場シェアの0.93%を確保したとLocalyticsは報じている。

ちなみにこのデータはiPhoneの「販売台数」を指しているのではない。ユーザーのアプリ使用状況に基づいて市場シェアを測定した数値だ。Localyticは、自社が運営するモバイル・エンゲージメント・プラットフォームを利用して、27億台のデバイスと3万7000種類のモバイルおよびウェブアプリからデータを収集している。このレポートでは7000万台以上のiOS端末から得たデータを元に週末(2017/11/3~11/5 2 PM ET)のデータを過去のiPhone機種のデータと比較したと同社は言っている。

iPhone市場シェアの0.93%と聞いても大したことはないと思うかもしれないが、iPhone 8が最初の週末に記録した0.7%を上回っており、Appleのハイエンド機種の需要が、ほどほどの(あるいは多く評論家言ったように、面白くない)機種よりも高かったともいえる。

ただし、Xの市場シェアは過去のiPhoneモデルよりは低い。ちなみに2014年のiPhone 6は最初の週末に2.3%のシェアを獲得し、2015年のiPhone 6は1.3%、2016年のiPhone 7は1.2%だった。

iPhone Xの発売時点の在庫が少なかったことに加えて(20都市の小売店では日曜日に売り切れた)、過去との比較は新規デバイスの人気を分析する最良の方法ではないとLocalyticは警告する。

たとえば、「2014年と比べて現在市場にははるかに多くのiPhoneが出回っている」と同社は説明する。言い換えれば、Appleが市場シェアを競っているのはライバルではなく自分自身だ。

出荷遅れはすで改善されつつあり、週末のデータはiPhone Xの売れ行きを判断する最善の方法ではないかもしれないが、今手に入るデータはこれだけだ。数カ月のうちには別の物語が聞けるだろう。最初の週末の結果はともかく、iPhone Xは発売後数カ月で過去のどのiPhone機種よりも大きなシェアをつかむだろうとLocalyticsは推測している。

ちなみにこれは、2017年のホリデー四半期はiPhone Xのおかげで史上最高水準になるだろうというApple自身の予測とも一致している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、タックスヘイブンをジャージーに変更――南ドイツ新聞とICIJがリーク

昨年、EUはAppleがアイルランドで違法な租税回避を行っているとして同社に145億ドルの支払いを命じた。競争担当欧州委員会の委員、Margrethe Vestagerが2014年にこの問題に関して調査を開始したとき、Appleは不穏な空気を感じたらしい。

昨日(米国時間11/5)、ICIJl〔International Consortium of Investigative Journalists=国際調査報道ジャーナリスト連合〕がParadise Papers暴露したところによれば、調査が開始された2014年始めにAppleは租税上の登記をジャージーに移したという。

ジャージーはフランスのノルマンディー半島沖に浮かぶ人口10万人程度の小さな島国〔イギリス王室属領〕だ。もっとも重要な点はジャージーでは企業は原則として課税されないことだろう。Appleはこれまでもジャージーを経由して利益を移転していた。

Appleは長年にわたり巧妙な資金操作とアイルランドの課税優遇措置を利用してヨーロッパでの課税を免れてきた。他の多国籍企業と同様、Appleもアイルランドに複数の子会社を持っている。

Appleの海外での利益はまずApple Sales Internationalというアイルランド子会社に移される。ICIJの調査によれば、同社は2009年から2014年までの間に1200億ドル以上を受け取っていた。

2つめの子会社はApple Operations Internationalと呼ばれ、この1200億ドルの大部分を配当収入として得る。2社得る利益の大部分は本社に属するものがだが、子会社は企業に課税する地域に登記されていない。両社への課税はまったく行われず、Appleの課税基準収入を著しく下げていた。

145億ドルという巨額の支払い命令となった調査は2014年6月に開始された。EUが税制改革を計画している現在、AppleがEUの命令にしたがって支払いを行うかどうかは不明だ。

フランスのブルーノ・ルメール財務大臣は「テクノロジー企業は利益を隠す方法を必ず見つけ出してしまうので、EU諸国における現実の売上に対して課税されるべきだ」と主張している。

Appleの租税回避テクニックはテクノロジー企業の間できわめてポピュラーな方法で、ダブル・アイリッシュという名前名前までついている。EUが2014年にダブル・アイリッシュを禁じたのはヨーロッパ各国政府からの強いう働きかけがあったからだ。

EUの税務調査とダブル・アイリッシュの廃止がAppleに登記をジャージーに移転させたものらしい。オフショア法律事務所のApplebyはAppleがジャージーにペーパーカンパニーを設立する手助けをした。今回の暴露はSüddeutsche Zeitung〔南ドイツ新聞〕とICIJが入手したApplebyの内部文書によるものだ。

Apple Sales InternationalとApple Operations Internationalは双方とも2014年に課税本拠地をジャージーとして登記している。ダブル・アイリッシュ方式が禁止されても、2014
年12月31日以前にアイルランドに設立された企業は2020年まで課税待遇措置をの恩恵を受けることができる。

Appleは現在、この猶予期間にあり、溜め込んだキャッシュを好都合な場所に移転することが可能だ。Appleは現在、アメリカ国外に2528億ドルの資産を持っている。もしAppleがこの利益をアメリカ本国に戻すと35%の課税を受けることになる。2020年以後も課税を逃れたいのであればAppleは何か新たな仕組みを考える必要がある。

Appleの「課税最適化措置」はそれ自身として違法ではなさそうだが、国際的な資金操作を行っていない他のもっと小さい企業に比べてAppleに対する課税が格段に軽いことを正当化するような理由もまた思いつかない。今回のAppleがいい例だが、租税回避のテクニックは日々変化しているものの、タックスヘイブンの本質は巨大多国籍企業に利益をもたらし、不公平な競争を生む根源だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Face IDの「誤学習」に注意!

兄弟間でiPhone XのFace IDが誤作動してしまうという報告があるようだ。こうしたケースを避けるために、気をつけておきたいことがある。

顔の似た兄弟でも、顔認識を使ってアンロックしようとした際には、認証エラーとなるのが普通だ。しかしここでうっかり認証用のパスワードを入力しないように気をつけたい。パスワードを入力してエラーを回復させてしまうと、Face IDを誤った方向に調整してしまうことになるのだ。最初はエラーとなった兄弟も、次の機会には問題なくアンロックできてしまうことになりかねない。いってみれば、Face IDで採用している機械学習の限界であるといっても良いかもしれない。

Appleも、Face IDに関するサポートドキュメントでこの件に触れている。ただ、そのようなものは一般的に誰も読まないものなので、要点をここにまとめておこう。太字化はこちらで行ったものだ。「Face IDで利用するデータは、正しく認証されるたびにアップデートされていきます。似ているが異なると認識された顔でも、そのあとにパスコードが正しく認識されれば、正しいものとして学習するようになっています

快適に利用するために、顔認識の制度をあげようとするのは当然のことだ。TechCrunchのMatthew PanzarinoがCraig Federighiにインタビューした際には次のような発言があった。

ヘアスタイルを変えたり髭をはやしたり、あるいは整形を行ったさいにも正しく認識するのがFace IDの望ましい振る舞いです。そのためにFace IDには「Secure Enclave」と呼ばれる「再学習」の機能が備えられています。こうした学習は第三者のアクセス可能領域の外で行われます。このデータを第三者に提供することは一切ありません。

要点をまとめておこう。あなたに似た人がFace IDによる認証に失敗した場合、パスコードを入力して端末のアクティベートを行なってはいけないということだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

一部地域でApple Watchに天気を尋ねるとクラッシュする事例多数。原因はサマータイム

eng-logo-201511月4日前後、欧州および北米でApple Watchのクラッシュ事例が相次ぎました。この現象は主にSiriに11月4日の天気をたずねることで発生し、多くのApple Watch Series 3ユーザーはこのクラッシュによってホーム画面”Springboard”が再起動すると報告しています。

クラッシュは11月4日の天気について尋ねたときのみ発生すること、そして現象が発生する地域から、匿名掲示板Redditのユーザーらは、この問題がサマータイムの処理に関連したものであると推測しており、サマータイム精度を導入していないカナダ中部のサスカチュワン州の天気を尋ねても問題が発生しないことなどを報告しています。

アップルはどういうわけかサマータイムの処理が苦手なようで、これまでにもiPhoneなどのiOSデバイスにおいてもサマータイム対象地域でのアラームカレンダーの処理にバグを抱えていたことがありました。またアップルは公式サイトのサポートページにiOSデバイスにおけるサマータイムの切り替えがうまくいかない場合の対処方法を記しています。

すでに2017年のサマータイムの日程は終了していることから、Apple Watchユーザーが今後この現象を(少なくとも来年のサマータイムまでは)目にすることはなさそうです。アップルはまだこの現象に関して詳細を公表しておらず、原因が単純なものか深刻なものかはわかりません。とはいえ、この手のバグはいつの間にか修正され、来年のいまごろには誰も思い出さなくなっているはずです。

Engadget 日本版からの転載。

ぴかぴかのiPhone Xを分解したらその内臓は従来のiPhoneとまったく違った

iPhone 8の中身は予想どおりだったかもしれないが、すべてが新しいiPhone Xには一体どんな驚きがつめ込まれているのか。iFixitのいつでも優秀なチームは、ここ数年で最大のデザイン刷新といえる同機を分解して、不思議な部位をたくさん発見した。それはわれわれ一般消費者の好奇心をも、十二分に満たすものだ。

いきなりおもしろいのは、初めて電池を二つに分割したことだ。要するに、狭いスペースに何もかもつめ込み、電池のように場所がどこでもいい部品に、残りのスペースを与えた結果だろう。電池が二つあるのではなくて相変わらず一つだが、矩形というよりL字形に近いのだ。

Lightningのポートが丈夫になったのは、ありがたい。本体内でスペースと構造がやや大きくなった。丈夫になったことは、確かだろう。

前面カメラは、第一世代のKinectを小型化したようなパーツで、意外性はあまりないが、すっきりと一体化されたのは、見た目にも良い。

さて、最大の感動はロジックボードだ。取り出してみると、iPhone 8のボードよりもひと回り小さく見える。機能が増えて、ボードが小さいとは、どういうことだろう? …実は、このボードは両面を使っているのだ。

ボードの裏も使うのは別に目新しくはないが、iPhone Xのやり方は独特だ。それは、二枚のものすごく薄い、そして稠密な回路のボードを、スペーサーとなるPCBで接続したものだ。配線用の、小さなトンネルもある。

その結果、iPhone Xのロジックボードは、スペースは30%小さくなり、その上の部品は35%増えている。これぞ、小型化の最高難度なり。でも、心配なのは、狭いスペースに大量の電子回路を詰め込んでいることだ。どこかおかしくなったら、全取っ替えしか修理方法はないだろう。

良いニュースは、iPhoneによくあった問題、スクリーンの破損が、簡単に直せるようになったことだ。顔認識用のハードウェアのあるノッチはスクリーンとは別なので、超小型Kinectは現状のまま、ガラスだけを取り替えればよい。電池も、同様に交換が楽だ。ただしバックパネルは、壊れたらお金がかかりそう。

〔参考記事〕
[ニューヨーク、マンハッタン5番街の行列]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、絶好調の四半期決算で時価総額9000億ドルを超える

Appleは1兆ドルに向かって前進を続けている。そして好調な会計第4四半期決算が株価を引き上げ、時価総額は瞬間的に9000億ドルを超えた ―― その後はそのわずか下で安定している。

Appleあらゆる部門でウォール街予測だけでなく自身の予測をも上回った。詳しくは別稿に譲るが、注目すべきは第3四半期以来Appleが、1兆ドル企業を目指すトーンを打ち出していることだ。すでに絶好調の今年、Appleは新たな消費者の波を作るべく、iPhone Xとそれに付随するAirPods、iPod、HomePodなどの製品を売り込みにかかっている。

その結果株価は新たな高みに達した。グラフをご覧あれ。

時価総額1兆ドル到達というのは、もちろん多分に象徴的な出来事だ。しかし、Appleの成長エンジンは停滞したとする2016年いっぱい続いた物語の後、iPhone Xの膨大な需要とスケジュール通りに出荷されたiPhone 8はウォール街にとってもApple自身にとっても歓迎すべき兆候だ。Appleは前回のビッグジャンプ ―― iPhone 6とiPhone 6 Plus ―― のようにただ波に乗るのではなく、新たな消費者需要を開拓する意欲を見せている。

売上の62%が海外からと言っている同社にとって、米国の需要を開拓するだけでは十分ではない。もしAppleが中国本土でも成長エンジンに火をつけるつもりなら、市場の需要を突き止める必要がある。中国での売上は前年比12%の100億ドルと大きく伸びている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、2017年Q4決算でウォール街予測を一蹴

Appleは2017年第4四半期決算でウォール街予測を大きく上回った。

Appleは、この四半期が業界ウォッチャーの予想より良くなるという基調をすでに打ち出していた。そして決算発表後の僅かな期間、Appleの時価総額は9000億ドルを超えた。ウォール街にその兆候を示して以来、Appleは新たな需要に火をつける次世代スマートフォンと人々にそのスマートフォンを使い続けさせる一連の製品群を携え、1兆ドル企業に向かって邁進している。今年に入ってからの高騰は目覚ましくこの決算前に50%近く上げている。

Appleが次世代iPhoneはこれまでの実績を上回り、Appleの成長エンジンに再点火すると示唆したことで、株価は急騰した。過去数四半期の停滞の後、ウォール街はAppleが消費者のiPhone需要に拍車をかけられるかどうか見守ってきたが、iPhone 8とiPhone Xの発売によってそれも達成されそうだ。

決算の数値は、ウォール街予測を事実上全項目で上回った。詳細は後述する。ここで重要なのは、純粋な実績がどこまでよくなったかだ。Appleが今日発表した売上は、同社の予測幅の最高値をも超えている。前四半期決算で発表した予測値との比較はこうだ。


[青が実績、緑がアナリスト予測、黒がApple予測]

今期がAppleにとって大きな四半期になることはわかっていた。同社はウォール街に向けて予測を上回る結果になることを示唆していた。これは次期iPhoneへの期待を高く設定したことを意味している。この決算はiPhone Xの発売以前のものだが、iPhone Xの第一印象は概ね好評でありAppleはこれが次世代スマートフォンだと宣伝している。もしそれが本当なら、Appleは新たな消費者層を店頭に呼び込み、今よりずっと高価な製品にアップグレードするよう説得できるかもしれない ―― その需要に追いつくことができれば。

Appleはスマートフォンのハイエンド枠でライバルを撃退する必要に迫られている。長年同社のスイートスポットだった分野だ。SamsungやGoogle Pixelだけでなく新規参入のEssential Phoneらとも競わなければならない。最近は各社とも低価格化で出し抜こうとしている。しかしiPhone Xは下流に向かう製品ではない。今後上流に向かってさらに高価なプレミアム製品になっていくだろう。それが消費者に受け入れられるかどうかは未だに大きな疑問だが、iPhone Xの出荷日付はすでに5~6週間先となっている。

Appleはホリデー四半期に入りiPhone Xの需要はiPhone 8と共にいっそう高まる。Appleは再び絶好調の四半期を予告しており、2017年第1四半期の数字を楽に超えるに違いない。iPhone 6とiPhone 6 plusでサイズを拡大して以来の新しい成長段階に入るかもしれない。

今日の決算報告はその期待をさらに高め、株価は3%は値上がり、果たしてAppleがあの(多分に象徴的な)節目を超えられるかという雰囲気ができあがった。3%は大した数字ではないと思うかもしれないが、Appleのような1兆ドルに向かう会社にとっては時価総額数百億ドルに相当する。

決算の主な数値は以下の通り:

  • Q4売上: 526億ドル、ウォール街予測 507億ドル(前年比12%増)
  • Q4利益: 1株当たり2.07ドル、ウォール街予測 1.87ドル
  • iPhones販売台数: 4670万台、ウォール街予測 4610万台(前年比3%増)
  • iPads販売台数: 1030万台(前年比11%増)
  • Mac販売台数: 540万台(前年比10%増)
  • サービス売上: 85億ドル
  • 2018年Q1売上予測: 840~870億ドル

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

QualcommがまたAppleを訴訟、今度はチップの企業秘密コードをIntelと共有したと

QualcommがまたAppleを訴訟し、今度はiPhoneのメーカーがQualcommのコードへの“前例のないアクセス”を悪用してIntelを助けたと主張している、とBloombergが報じた。このニュースは、Appleが、Qualcommが来年早々にも発売予定だった技術なしでiPhoneを設計した、というReutersの報道に信憑性を与えている。

この訴訟は、Appleが契約の終了を守らずにQualcommとIntelの技術者の混在を続け、その間、Intelの技術者がQualcommの技術に関する情報にアクセスした、と主張している。訴状は、Qualcommの企業秘密情報を求めるAppleからのリクエストには、Intelの技術者が配布先として含まれていた、としている。

昨日(米国時間11/1)サンディエゴの裁判所に提出されたその訴えは、今年の早い時期に始まった両者の法的小競り合いに、終結の兆しが見えないことを物語っている。当初はAppleがQualcommに対し弁済額10億ドルの訴訟を起し、Q社が同社となんの関係もない技術に関してA社に課金したとして、ロイヤリティの支払いを停止した。

それから数か月後に、今度はQualcommからの大きな反撃があり、Q社はA社に対し、自社のワイヤレス技術を使っているiPhoneのアメリカと中国における販売の差し止めを求めた。Qualcommはまた、特許侵犯でもAppleを訴えた。

Appleとそのサプライヤーたちからのロイヤリティの支払い停止は、Qualcommの経営に大きなダメージを与えた。昨日Qualcommが発表した決算報告は、利益が前年比で90%落ち込んだものの、売上はアナリストたちの予想を上回った。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple,iOS 11.1で絵文字を追加。便利なジェスチャーの復活と追加も!

新しい絵文字が出た。それ以上何か聞く必要ある?Appleはつい先ほどiOSのアップデートを公開した。iOS 11.1はiOS 11で最初の機能追加を伴うアップデート(feature update)だ。いくつか新しいものが追加されたが、まずは新しい絵文字から。

すでにAppleは新しい絵文字の一部をプレビュー公開していたが誰もが使えるわけではなかった。魔法使い、妖精、人魚、吸血鬼などの神話上の生物が入っている。ロッククライミングやカーリングといった新しい活動の絵文字もある。

冬に間に合わせるかのように、手袋、スカーフ、トレンチコートなど新しい衣類も見つかった。新しい動物たちや新しい表情も増えた。爆発する頭は私のお気に入りになるかもしれない。

Appleは全部で70種類の新しい絵文字を加え、これでiOSはUnicode 10.0準拠になる。蜂のようにデザイン変更された絵文字もある。

例によって、動物や物を除き、それぞれの絵文字には性別や肌の色によって数多くのバリエーションがある。また今回初めて性的に中立のキャラクターが加わった。

このアップデートには適用率を高める大きな効果がある。多くの人は新しい絵文字を使いたくてiOSをアップデートするからだ。こと絵文字に関してみんな遅れを取りたくないようだ。

別のニュース。Appleは殆どの人がおそらく使っていないであろう細かい機能を復活させた。再び、画面の左端を強押しすると現在のアプリが中断してアプリスイッチャーが出てくるようになった。新たなジェスチャーも追加された。左端を強押ししてスワイプすると、直接次のアプリに移動する。この方がホームボタンをダブルタップするよりずっと効率的だ。

そして、iOSにはバグ修正とセキュリティーアップデートもたくさん入っている。中でも重要なのはKRACK脆弱性が修正されたことだ。すでにiOS 11を使っている人は、このバージョンの方が以前よりよいので今すぐアップデートするべきだ。バッテリー寿命も改善するかもしれない。

iPhoneをアップデートする前にはiCloudかiTuneにバックアップするのをお忘れなく。それから、設定アプリを開き、一般、ソフトウェアアップデートをタップすればよい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップル技術者、娘が社内用iPhone Xの動画投稿で一発解雇。問題の映像は削除後も拡散

eng-logo-2015YouTubeに未発売のiPhone Xを手にする動画を公開し話題となったBrooke Amelia Peterson氏が、この動画が発端となってiPhone X開発チームの無線通信エンジニアだった父親がアップルに解雇されたことを明らかにしました。問題の動画では、アップルのキャンパス内でiPhone Xを操作したり、Face IDを使ってApple Pay決済を行う様子などが紹介されていました。

Peterson氏の動画はYouTubeにアップロードされるや瞬く間に話題に。まもなくアップルからの要請によって削除されたものの、動画をダウンロードした複数の第三者がそれを別の場所にアップロードしており、現在も視聴できる状態となっています。

問題の動画には、これといってiPhone Xに関して新しい情報となりうる使用方法や動作は含まれていません。しかし動画では一部で父親自身がiPhone Xを操作する様子を娘に撮影させています。さらにこのiPhone Xそのものが、従業員だけに配布されるバージョンのものであり、本来非公開のコードネームやソフトウェア、さらにスタッフ固有のQRコードなどが記されていたため、そこから機密情報が漏れる可能性もあったとされます。

また、アップルはたとえ一般人が入れるCaffè Macsのようなエリアであっても、許可なくキャンパス内で撮影することを禁じています。にもかかわらず、そこで発売前の主要製品が撮影され、公開されたという事実は、アップルにとっては我々が思う以上に重大な問題だったと考えられます。

Peterson氏の父は無線通信のエンジニアであり、iPhone Xの開発に心血を注いでいたはず。それがたった数分の動画で一発解雇というのは、やはり重い処分と思わざるをえません。TwitterなどSNSを探せば、アップル従業員とみられる人が電車内やその他公共の場でiPhone Xを手にしている姿が第三者に撮影され投稿されているのもみつかります。

しかし、Peterson父娘は自らの過失を理解し、アップルの決定に対して悪い感情は持っていないとしました。また父は娘に対し一切不快な感情を表さなかったとのこと。

今回の出来事は、企業秘密をうかつにインターネットという世界中に繋がる場で公開するのがいかに大きな問題かを知らしめる大きな教訓となったと言えそうです。そして、iPhone X開発に携わったエンジニアを採用する企業がはやく現れてほしいものです。

Engadget 日本版からの転載。

Apple、今週の決算報告で1兆ドル企業に名乗り

人々が1000ドル以上払って〈いずれ〉iPhone Xを手に入れる権利(あるいはその〈いずれ〉iPhone Xを手に入れる権利を1500ドル以上で売る権利)を獲得している一方で、Appleは同社が1兆ドル企業になれるかどうかの実態をウォール街に示すべく順調に仕事を進めている。

先に本誌は、一般に企業の四半期決算は企業の株価を左右する機会であることを指摘した。Appleはありあまる現金を溜め込んでいるが、会社の将来はiPhone -- とりわけiPhone X -- の成功に依存している。同社はiPhone 7の改良版をiPhone 8として売っているが、iPhone XはAppleの考えるインターネットと自分をつなぐ真の次世代端末を代表する機種だ。

それを踏まえて前四半期Appleは、次の四半期は予測を上回る可能性があることを示唆した -- それを受けたウォール街は再びモデルを修正し、その結果Apple株価は急騰した。今年に入ってから40%以上上昇している。

金曜日(米国時間10/27)、Apple株はまた3%以上の高値をつけ時価総額を8420億ドルとした。たしかあと1600億ドル増やすことは容易ではないが、Appleエコシステムで動作するデバイスをつなぐネットワークと、車、オフィス、ホーム、さらには街を歩きながらも含めたシームレスな体験を提供する新製品を揃えつつあるAppleにとっては実際可能に思えてくる。

木曜日(米国時間11/2)に第4四半期の決算が発表される。iPhone 8とiPhone 7の販売状況やiPhone Xの進捗のヒントも明らかになるだろう。果たしてAppleがiPhone Xの需要を満たせるかどうかまだわからないが、これまでよりはるかに高い価格設定によって、製品価格と開発投資との間に新たな平衡点が見つかる可能性がある。これまでもiPhoneは一種のプレミアム製品だったが、もしAppleがさらに高いレベルで需要を開拓しそれをアーリーアダプター以外にも広げることができれば、同社のビジネスに著しい勢いを加えられるだろう。

ここ1年ばかり、Appleは成長エンジンであるiPhoneの減速を目にしてきた。その実績はいかなる基準からみても低調というべきものではないが、収益の停滞とウォール街の期待低迷は会社はプレッシャーを与えた。AppleはAirPodsやHomePodなどの新製品を投入したがまだ結果は出せていない。同社はサービス事業についても、製品基盤の上で方法的に成長できる追加製品群としてウォール街に売り込んできた。

それでもiPhoneが今も主力であることは売上数値からみて明らかだ。しかし、第3四半期にAppleが見せたあの小さな合図は、第4四半期の実績に同社がさらに大きな期待を寄せていることを示す兆候なのかもしれない。

Appleが1兆ドル企業を目指しているとすれば、明日から本格的取組が始まるはずだ。Appleは掲げた数字(象徴的な部分が大きいが)と一致する数字を示す必要があり、CEO Tim Cookは毎度の財務報告が等しく重要になってくるとも言っていた。Appleが新たな層の需要を開拓しさらに高い収益を生み始めるかどうかを占うためにも、数字はいっそう重要になってくる。新たな収益エンジンを強化するために、あの膨大な現金をどうするのかも注目される。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone Xの予約販売はeBay上に利食い売りが殺到、1500ドルの即決価格が中心

【抄訳】
iPhone Xの需要は、Appleによると“量り知れない”から、この新製品は数分で売り切れた。それにたぶん、発売日の在庫量少なすぎたんだけどね。複数報道によると、予約受付開始からわずか10分後に、全機種の発売予定日が2〜3週間後から最大5週間に延ばされた。そしてその希少性に目をつけた売り手たちが、自分の予約権をeBayで利食いし始めた。消費者の需要のものすごい強勢に、つけ込む気だ。

eBayからの最新の報告によると、今日(米国時間10/28)の太平洋時間深夜12時に始まった予約販売の開始後45分以内に、1200件あまりが‘出品’された。

今“iPhone X”で検索すると、出品数は4480件あまりある。その多くは、オークションではなくて即決価格のみだ。

eBay上の“iPhone X”の検索回数は、同社によると、深夜から東部時間午後1時までに36555を数えた。

即決価格の平均を今言える段階ではないが、現状はeBayによると1500ドルあたりが中心価格だ。

なおiPhone Xは64GBモデルが999ドル、最大の256GBモデルが1149ドルだ。1500ドル(これはたぶん64GBモデル)は言うまでもなく相当な利食いだ。

いわゆる、当て食いというやつもある。すごい高値をつけて、これでも買うやつがいるはずだ!という売り方だ。下図では、6万ドル、3万ドル、2万ドルという超高値をつけている。


新型iPhoneに6万ドル払うやつが現れるといいね、幸運を祈る!

発売日まで待ちきれない人は、こんな買い方もいいかもしれない。自分の好みのタイプを選べるしね。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、純正MacBook用スリーブを発売

Appleは数十年にわたりガジェットを作っている。そして世界有数の消費者向けエレクトロニクスメーカーとして、そのガジェットを保護するためのケースやカバーを数多く作ってきた。中でもiPhoneとiPadのアクセサリーは良く知られている。しかし、AppleはMacBookのスリーブを作ることはなかった。今日までは。

iPhone Xを予約するために今日Appleのウェブサイトに行った人はたくさんいるだろうが、12インチMacBook用のスリーブが発売されたことには気づかなかったかもしれない。

149ドルの値札を見れば、このノートパソコン用スリーブがたしかに「designed by Apple in California」であると安心できるだろう。それだけで足りなければ、ケースにもAppleロゴがついている。

カラーはサドルブラウンとミッドナイトブルーで、「高品質のヨーロピアンレザーで作られています。内側には柔らかなマイクロファイバーの裏地を採用しました」とAppleのウェブサイトには書かれている。

そうそう、スリーブにはMacBookがおニューの皮コートを着たまま充電できる小さな切り込みもついている。

Apple初のMacBook用スリーブはここで見ることができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、Salesforce、PayPalが、ウェディングケーキ裁判でLGBT支持を表明

少数のIT企業が、同性カップルにウェディングケーキを作ることを拒否したコロラド州の菓子店を巡る裁判で法廷助言者として登録した。TechCrunchが確認したところによると参加したのはApple、Yelp、PayPal、Salesforce、およびAffirmの各社。準備書面は人権団体のHuman Rights Campaign(HRC)が回覧しており来週までにはさらに多くの企業名が発表される見込みだ。趣意書はワシントンDCの法律事務所、Steptoe & Johnsonが起草した。

LGBTQフレンドリーに関わる裁判には通常もっと多くのIT企業が意見表明するものだが、このMasterpiece Cakeshop 対 コロラド人権委員会の訴訟は、とりわけ繊細な社会問題を扱う一触触発のケースであり、憲法修正第1項に守られた信仰上の権利に関わるだけになおさらだ。IT企業が本件に対してやや引き気味である理由がここにある可能性は高いが、左翼傾向のIT企業がトランプ政権下で支持を求められている数多くの社会的大義も原因かもしれない。

今年3月、バージニア州の高校のトランスジェンダーの生徒 Gavin Grimmが教育委員会に対して、彼に男子トイレを使わせなかったのはTitle IX(連邦教育法第9編)に違反していると申仕立てた一件では、54社以上のIT企業が支持に動いた。結局この訴訟は最高裁判所に送られることなく、バージニア州リッチモンドの下級控訴裁判所に差し戻された。

企業が署名する期限について多少の混乱があったようだが、TechCrunchは締切が10月30日月曜日であることを確認した。本誌は主要IT企業にこの意見書への関心について問い合わせているので、情報が入り次第リストを更新する予定。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Applehがニュージーランドのワイヤレス充電専門企業を買収、この技術の‘自社化’にこだわる理由とは

Appleの最新のM&AといえばニュージーランドのPowerbyProxiだが、同社はこれによって、今年iPhone 8とiPhone Xでデビューしたワイヤレス充電技術に、いよいよ本腰を入れようとしている。

創業10年のPowerbyProxiはオークランド大学で生まれ、ワイヤレス充電と電力転送製品にフォーカスしている。それにはワイヤレスのコントロールシステムやワイヤレスセンサー、ロボティクスなども含まれ、それにもちろんワイヤレスの電池充電というApple向きの分野もある。

この買収はStuff New Zealandが最初に報じ、珍しくもAppleが直接の声明で確認した。このクパチーノに本社を置く企業を常時ウォッチしている人びとは、同社が買収をするときとくに発表などしないことを、もういやというほどよく知っているのだ。たとえば最近フランスから買ったRegaindなどは、その典型的な例だ。

Appleが本誌TechCrunchにくれた、ハードウェア部門のSVP Dan Riccioによるとされる声明は、こう言っている: “手間も苦労も要らない簡単な充電方法を弊社は世界中に広めたい。オークランドのチームは、Appleがワイヤレスの未来を作ろうと努力するときの、すばらしい支えとなる”。

この声明に付随するコメントでPowerbyProxのCEO Fady Mishrikiはこう述べている: “チームも私もAppleの一員になることに興奮している。同社との連帯は弊社の価値を大きく増幅し、オークランドで成長を続けながら、ワイヤレス充電に対しニュージーランド発のすばらしいイノベーションを寄与貢献できることに、大きな喜びを感じている”。

この買収は公式には非公表だが、Stuff New Zealandの報道では1億ドルあまり、とされている。

これまで同社には、ニュージーランドのVC Movacとドイツの製造企業Darmstadtが計900万ドルを投資しているが、彼らはこの買収でおいしいリターンを得ることになる。もうひとつ、意外な受益者がSamsungだ。このAppleの天敵のような企業は、4年ほど前にSamsung Ventures経由でPowerbyProxiを支援したことがある。

PowerbyProxiの技術資産には、50名あまりのスタッフと300以上のパテントが含まれる。それらが、Appleのワイヤレス技術を強力に充電することは確実だ。同社の初のワイヤレス充電パッドAirPowerは来年リリースの予定だが、さらにAirPodsのワイヤレス充電バージョンも出る。さらに今後だんだんと、Appleの製品からワイヤーが消えていくだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スワイプでアプリを切り替えるiPhone Xビデオ――ホームボタンなしでも素早い操作可能

iPhone Xのリリースが迫ってきた。公式に許可を得たかどうかは不明だが、Xの新機能を示すビデオがあちこちにアップされ始めている。下にエンベッドしたのはiPhone Xでアプリを切り替えるところだ。

iPhone Xでのアプリの切り替えは非常にスムーズ 

iPhone Xにはホームボタンがない。そこでAppleのエンジニアはアプリの切り替えを含めてコントロールの方法を大幅に変更する必要があった。ホームボタンのあるiPhoneではユーザーはホームボタンを2度押しすることでiOSに作動中のアプリをカード方式で表示させ、その後スワイプでアプリを切り替えることができる。iPhone Xではユーザーインターフェイスはもっと直感的なものになっている。

上のビデオが示すように、iPhone Xでアプリを切り替える際には、ユーザーは弧を描くようにスワイプすればよい。iPhone Xのユーザーが直線ではなくアーチ形のスワイプをすると、現在のアプリは脇に押しやられ、前に使っていたアプリが順に表示される。つまりカルーセル(横移動)方式だ。

もちろんアプリの切り替えはこれが唯一の方法ではない。ユーザーがホームスクリーンで上にスワイプするとホームボタンがあるiPhoneでホームボタンを2度押したときと同じような画面が立ち上がる(Palm Preがこの方式だった)。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhone Xは11/3からAppleストア店頭にも並ぶ――ただし品薄で行列は必至

iPhone Xの発売に関して品薄になる可能性が指摘されていた。しかし今朝(米国時間10/24)、Appleはプレスリリースを発表し、この超プレミアム・スマートフォンがAppleストアの店頭にも並ぶことを約束した。出荷日当日の朝、予約なしの飛び込みでもXを買えるということだ。しかしAppleでは「早い時間に来店することをお勧めする」としている。つまり行列しろということだろう。

Appleの「お勧め」はこの1000ドルのiPhoneが当初品薄になるという情報が正しかったことを裏付ける。先週われわれも報じたように、Appleでは11月3日のローンチ日に200万台から300万台を用意できる見込みだ。
.

Xはベゼルが事実上ゼロで、手ブレ防止機能つきのカメラ2台が装備されるなど他のiPhoneに比べてさまざまな部分がグレードアップされている。正面向きカメラには顔認証でアンロックできるFace IDが初めて採用された。Xにはユーザーの表情を読み取ってリアルタイムで3Dアニメに変換するAnimoji機能もある。

Xの生産台数が不足しそうな理由はサプライチェーンにあるという。画期的な新デザインのためメーカーは苦労しているらしい。こういう高価な製品を衝動買いしたくないユーザーは今週金曜、午後12:01からAppleサイトで予約をするとよい〔日本での予約受付開始は10月27日(金)午後4時01分から〕

iPhone Xへの需要はいくつかの理由で制限されそうだ。ひとつは上に述べた製造上の困難と高価格だが、Appleがリリース時期を他のモデルと大きくずらしたことも一因となる。iPhone 8が市場に出てからすでに1か月たつ。Appleは製造の難しさを考慮してこの時期としたのだろうが、iPhone 8はXの販売台数にかなり食い込んだはずだ。

Appleストアに並んで店頭で買うのが品薄のiPhone Xを入手するのにいちばん早い方法だろう。もちろんdパパがAppleで働いていれば別だが。

〔日本版〕Appleでは日本でも「11月3日(金)より店頭での販売を開始」するとしているが用意できる台数は少ない見込み。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Pay、20か国に進出、非接触支払いの90%を占める

AppleがiMessage用の支払い機能をスタートするまでもう少し待たされることになったが、先週末AppleのApple Pay担当VP、Jennifer Baileyは、GoogleのAndroid Pay(今日サービス拡大を発表した)やSamsung Pay、その他の小売業者や銀行に対抗するデジタルウォレットと支払いサービスの節目となる一連の新機能を発表した。

これはAppleがカードや現金に代わる携帯電話利用の主導権を取ろうとしていることを示すものであり、それがうまくいっているという事例証言もある。Appleと提携している販売業者らによると、Apple Payは非接触モバイル支払いが利用できる市場では90%のシェアをもっているという。

「Apple Payは日常消費の未来」とラスベガスで昨日始まったMoney 20/20カンファレンスでBaileyは言った

さらにBaileyは、同サービスがデンマーク、フィンランド、スウェーデン、およびUAEでも数日以内に開始され、これで利用可能な国が20か国になることも発表した。またカード会社4000社がウォレットに対応したことも話した(これは4000種類のクレジットカードまたはデビットカード会社のカードが、登録してApple Pay経由で使用できるという意味だ)。

さほど大きい数字とは感じないかもしれないが、この20か国の市場で世界のカード取引量の70%を占めている、とBaileyは指摘する。これはAppleが支払いサービスを展開するやり方を明確に特徴づけている:お金のあるところから始める。

Baileyは、今後Apple Payがどう普及していくかついて、利用できる店舗だけでなく、利用場面からも説明した。

例えばApple Pay Cashが導入されると、ユーザーはiMessageやSiriなどを通じて、Venmoと同じように個人間で簡単に送金できるようになる。このサービスは現在「数千人」のApple社員が限定ベータを利用していて、今年中にiOS 11アップデートで一般公開される。

しかもユーザーは受け取った金銭をApple Payを受け付ける店舗でそのまま使うこともできる。

これが注目すべきなのは、Appleはウォレットサービスを単なる支払いツールの保管場所ではなく、(今ではないが将来)支払い・保管ツールそのものにしようとしていることを示す一例だからだ。

もちろんAppleは新しい利用場面だけを考えているわけではない。BaileyはApple Payを新規に受け付けるようになった店舗や、すでに古くから同サービスを使っているパートナーに向けて新しいデータを多数提供した。いくつか興味深いものを紹介する。

  • 現在Apple Payは米国の全小売店舗の50%で利用できる。その中には全米トップ100小売業者のうちの67社も含まれている。Albertsons(2300箇所)、Dick Sportng Goods(675箇所)などのスーパーマーケットチェーンでは全面展開している。このようにカード自体はまだ非接触/NFC支払いてテクノロジーに対応していないケースは特に迫力がある。
  • Baileyは、「日常消費」部門 ―― 交通、コーヒーや食事の注文、非接触チケットなど ―― は「急速に伸びている」と言う(Ticketmasterは米国のスタジアムやコンサート会場で非接触チケットを導入している)。
  • Appleは、こうした日々の消費部門の取引回数は、すでに伝統的Eコマースの取引回数の2倍に達しており、物理的店舗の5倍の速さで成長していると推定している。

それ以外の会社も新たな統合を発表している。First Dataは今日、同社のPOS端末製品Clover GoをApple ストアで販売すると発表した。これと並行してFirst Dataを利用する全店舗でApple Payによる支払いが可能になる。この提携によって100万社の販売業者が対象になるとFirst Dataは言っている。

AppleがApple Cash向けに考えている様々な利用場面もそうだが、こうした進歩は、スマートフォンやスマートウォッチやその他「つながっているデバイス」が日々の生活にどうかかわってくるかを示している。それは店舗で商品購入の支払いに使うときばかりではない。

カードやキャッシュから離れられない人たち ―― ほとんどがそうだ ―― に対しては、これはバーチャル支払いサービスを拡大するチャンスであり、Appleなどの会社にとってはブランドとの結び付きを強め、将来の購入に向けて顧客ロイヤリティーを高めるチャンスでもある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

斬新な機能部位の多すぎるiPhone Xは発売後の最初の週末に十分な量を供給できないらしい

KGI SecuritiesのアナリストMing-Chi Kuoによると、Appleからもうすぐ出るはずのiPhone Xは、今だにサプライチェーンの制約に直面しているらしい。11月3日の発売までに200万から300万台を確保できるようだが、それでは需要に十分対応できない。

Apple自身は数字を公表しないが、昨年のiPhone 6sの場合は最初の週末に1300万台売れ、iPhone 6は1000万台、iPhone 5s/5cは900万台だった。すでに発売されたiPhone 8のせいでiPhone Xの需要はややそがれると思うが、それでも200万〜300万の当初在庫では、多くのお客さんをがっかりさせるだろう。

iPhone Xは、これまでのiPhone新製品に比べて斬新な機能や部位が多い。これまでのAppleは、そういう最先端の部分を、サプライヤーの生産能力が十分大きいときに実装していたが、iPhone Xでは複数の部品がサプライチェーンのネックになっている。

KGI Securitiesによると、たとえばアンテナには可撓性のPCBを使うようだが、それは彼らが作り慣れているPCBではない。だからAppleは、同社の量的に厳しい要求を満たすサプライヤーを見つけるのに苦労したはずだ。このパーツはMurataがメインのサプライヤーになる予定だったが、一社で何千万は無理だったようだ。Appleが新たに見つけたサプライヤーは、発注が遅れたぶん納品が遅れる。

カメラに関しては、センサーごとに使用する回路基板が異なる。そのほかのスマートフォンメーカーは、カメラ用の回路基板といえば一つだが、Appleの独特な設計はサプライチェーンにとってチャレンジだ。

そしてiPhone Xは、前面に大量のセンサーを載せている。画面上部のノッチのところには 小さなKinectがある。赤外線のドットのネットワークを投射して、その反射によりユーザーの顔の3Dマップを作るための部位もある。このドットプロジェクターも、量産できるサプライヤーが簡単には見つからなかったようだ。

iPhone Xの予約受付は太平洋時間10月27日の午前0時に始まる。どうしてもほしい人は、予約に遅れるべきではない。数分遅れただけで、数週間待たされる可能性もある。

その数週間の間に生産量は上がるだろうが、Appleストアへ行ってiPhone Xをすぐ買える状態になるまでに数か月はかかりそう、という雰囲気もある。2週間後の四半期決算報告でTim Cookが、サプライチェーンの問題について何と言うか、楽しみだね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa