新型Mac Proは12月10日に注文開始

1年以上前の6月に開催されたWWDCにて、Apple(アップル)はついに新型Mac Proを発表した。長い待ち時間はようやく終わったが、その発売時期は秋になること以外は明かされていなかった。

しかし、アップルはとうとう潜在的な顧客に向けた事前予約の通知を送り、12月10日から注文が開始されることを明かした。いつ出荷が開始されるのかは不明だが、少なくともクリスマスプレゼントのための引換券を入手することはできる。

新型Mac Proの価格は5999ドル(約65万円)で、Pro Display XDRモニターが4999ドル(約54万円)。また、スタンドの価格が999ドル(約11万円)と極めて高価なことも考慮に入れておいたほうがいいだろう。もちろん、価格がアップルの主要なセールスポイントになったことは一度もない。Mac Proシリーズではなおさらだ。そして同社がクリエイティブな分野に再アピールするなかで、このシステムには一切の妥協はない。

なお、これまでの噂とは異なり、新しいProは前機種と同様に米国製造されると9月にアップルは発表している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

将来のiPhoneで充電ポート廃止の報告

早めのクリスマスプレゼントだ。Apple(アップル)のアナリストことMing-Chi Kuo(ミンチー・クオ)氏が、最新のApple(アップル)関連報告を発表した。いつものように報告は興味深いが、今回は2021年のiPhoneの見通しを伝えている。

どうやら2021年は、アップルがついにLightningケーブルを廃止する年になるかもしれない。もちろんそれはいいニュースだ。アップルはすでに、iPad Proにおいてはるかに広く普及し、また優れたUSB-Cに乗り換えている。

しかしここで興味深いのは、USB-CがLightningポートを置き換えるのではないということだ。9to5Macによると、クオ氏の報告では2021年のiPhoneが「完全なワイヤレス体験を提供する」ことを示唆している(iPadのように、プレミアムモデルから採用が始まり、徐々に他のモデルにも採用されることだろう)。

Meizu(メイズー)は今年に同じようなことを、高価かつギミックの複雑なZeroで試している。この端末は外部ポート、スピーカー、ボタンを完全に排除し、スマートフォンの幅広いトレンドを先取りした。しかし大多数のユーザーにとって、ワイヤレス充電は有線での充電を完全に置き換える前に、ある程度の速度向上が必要となるだろう。

2020年モデルのiPhoneの興味深い情報としては、5.4インチ、6.1インチ(2機種)、6.7インチの複数のiPhoneが登場するとされている。報道によるとこれらはすべて5G通信に対応し、主な差別化要因はカメラとサイズだという。さらに、有機ELディスプレイモデルは、かつてのiPhone4風のフォームファクタを採用するという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

初のApple Musicアワード受賞者はビリー・アイリッシュとLizzo、LIL NAS X

アップルは今年からApple Musicアワードをスタートし、初の受賞者がApple Musicのエディトリアルチームの選考とストリーミングデータから選出された。Apple Musicアワードの頂点であるグローバル・アーティスト・オブ・ザ・イヤーの受賞者はBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)。日本時間12月5日午前11時30分から米国カリフォルニア州クパティーノのアップル本社にあるスティーブ・ジョブズ・シアターでビリー・アイリッシュがパフォーマンスし、その模様はライブストリーミングされる。

画像:Apple Music

Apple Musicアワードには5つのカテゴリーがある。エディトリアルチームが、グローバル・アーティスト、ソングライター、ブレイクスルー・アーティストのオブ・ザ・イヤーを選出した。アルバムとソングのオブ・ザ・イヤーは、ストリーミングデータに基づいて決定された。

ビリー・アイリッシュは、アルバム・オブ・ザ・イヤーと、兄のFinneas(フィンニア)と共同でソングライター・オブ・ザ・イヤーも受賞した。アルバム・オブ・ザ・イヤーは「WHEN WE FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?」に対して贈られたもので、これはApple Musicで10億回以上再生され、2019年で最も多く再生されたアルバムだという。

ブレイクスルー・アーティスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは「Cuz I Love You」を歌うLizzo(リゾ)。ソング・オブ・ザ・イヤーは、今年Apple Musicで最も多くストリーミングされたLIL NAS X(リル・ナズ・X)の「Old Town Road」だ。

アップルは受賞者に贈るトロフィーについて、プレスリリースで「磨かれた1枚のガラスシートと機械加工され酸化被膜で覆ったアルミニウムボディーとの間にAppleのカスタムシリコンウエハーを配しています」。

【中略】

「世界の音楽を皆様の指先に届けるデバイスを動かすのと同じチップがApple Musicアワードの真ん中に座っているのは象徴的です」と述べている。

Apple Musicアワードが今年スタートしたのは、ハードウェアの売上が伸び悩む中でアップルがサービスに力を入れていることの表れだ。アップルは今年、Apple TV+、Apple Arcadeと新しいサブスクリプションサービスを開始し、どちらもアップルだけで楽しめるコンテンツであることを前面に押し出している。

Apple MusicのライバルであるSpotifyも先日、独自のミュージックアワードを設ける計画を発表した。ストリーミングとユーザーエンゲージメントのデータに基づいて受賞者が決定される。第1回のSpotifyアワードは来年3月5日に、都市としてSpotifyの最大のマーケットであるメキシコシティで開催され、有料テレビサービスのTNTでラテンアメリカのスペイン語圏向けにライブ中継される予定だ。

アップルのApple Musicおよびインターナショナルコンテンツ担当バイスプレジデントであるOliver Schusser(オリバー・シュッサー)氏はプレスリリースで「Apple Musicアワードは、世界で好まれているアーティストの情熱、エネルギーそしてクリエイティビティを評価すべくデザインされています。初の受賞者たちは音楽的にも多様であり、深い社会的会話に火をつけ、文化に影響を与え、世界中のお客様を鼓舞しました。彼らを祝うことは私たちにとってもこの上ない喜びです」と述べている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

アップルとグーグルの地図がロシアのクリミア併合を反映

国際政治というのはたいてい対応が難しいものだ。しかし対立の最中にあっても、地図や検索機能など公平なサービスを提供しようとする企業はどちらかの側につかなければならない。論争の的であるロシアによるウクライナからのクリミア併合に関しては、Apple(アップル)は少なくともロシアの肩をもつことにした。そしてGoogle(グーグル)もまたロシアの要望に沿う措置を取った。

黒海北部にある大きなクリミア半島は、クリミアを巡ってウクライナ国内が政治的に不穏な状態だった2014年にロシアの支配下に置かれた。世界のリーダーたちはこの動きについて「ロシアがウクライナの危機を利用するために故意的に扇動し、軍事力を持ってウクライナの主権を侵した」と表現した。

一連の動きについての議論はまだ続いている一方で(実際、動きそのものもある意味まだ続いている)、アップルやグーグルのような企業は地図アップデートのために、歴史の評価を待つだけの余裕はない。両社とも過去にはクリミアの都市をウクライナの一部として表記していた。しかしロシアが公に両社に苦情を入れ、クリミアをロシア以外の領土と表記することは犯罪行為ととらえられると警告した。そして、両社はロシアに譲歩した。

アップルの地図と天気のアプリはいま、ロシアから閲覧するとクリミアのロケーションをロシアの一部として表示する。ロシア当局は11月27日、「アップルは義務を果たした。アップル端末のアプリはロシアの法に則るものになった」と述べた。

もしあなたが米国から閲覧すると、アップル、グーグルともに中立的なスタンスのようなものを表示する。中立と呼ぶスタンスがあればの話だが。クリミア半島は、アップルとグーグルの地図ではロシアとしてもウクライナとしても表示されず、かなり特異な状態だ。

具体的には、Googleマップではクリミアとヘルソン州(ウクライナの州)の境の北部にははっきりとした線がある。これは他の州の間に引かれている線よりもずいぶん太い。境界線上のヘルソン州をクリックすると、説明とアウトラインが表示されるが、クリミア側をクリックすると何も表示されない。クリミアの都市をランダムにクリックすると、通常は国が表示されるところには何も書かれていない。

アップルとグーグルの地図では、通常はタマン湾をはさんで表示されるクリミアとロシアの境界線がない。湾をはさんだ片側はっきりとロシアの領土と表示されるが、もう片側は国の表示がない。

いつ、どのように地図に変更を加えることを決めたのか、私はグーグルとアップルにコメントを求めたので、返事があればアップデートする。両社とも、現地の法律を遵守しなければならないという事実によって決断を正当化することが考えられる。しかし、同じロケーションに2つの法律が存在している場合はどうなるのか。

アップデート:グーグルの広報は「我々は紛争地域を客観的に表示するよう務めている。Googleマップのローカル版があるところでは、名称や境界線の表示に関しては当地の法律に従う」と話した。

私の主張は、どちらかの肩をもつことではなく、アップルやグーグルのような企業がこうした状況にとても苦慮していて、そうした企業が提供する情報は完全なものでもなければ厳然たるものでもないということだ。今回のケースでは、場所によって異なる結果を表示し、国際的な懸念にもかかわらず特定の政府に譲歩し、論争を避けるためにサービスの一部を非機能的なものにした。

グローバル企業が提供するサービスで情報を調べるとき、心に留めておくべきことがある。それは、そうした企業は客観的なソースではないということだ。

画像クレジット:MLADEN ANTONOV/AFP/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

アップルがホリデーシーズン向け広告を公開

Apple(アップル)は感謝祭に間に合うよう、毎年恒例のホリデーシーズンのCMをリリースした。「The Surprise(サプライズ)」と名付けられたこの広告は、iPadで遊ぶことに多くの時間を費やす2人の少女に焦点を当てている。

CMは、母親の父親(祖父)を訪ねるために全国を旅する家族が題材だ。多くの家族と同じように、娘たちが喧嘩を始めると両親は彼女らにiPadを渡す。そして家族が祖父の家に到着すると、祖父の妻が最近亡くなったことがわかる。祖父も母親も、まだ喪に服しているのだ。そこで両親がiPadで何かを見るように言っている間に、彼女らはiPadを使って、古い家族の写真を使った感動的なスライドショーを作ったのだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルのプログラミング体験集会「Everyone Can Code」が大幅拡張

Apple(アップル)は米国時間11月20日、児童生徒たちにプログラミングを教える事業の拡張を発表した。その「Everyone Can Code」事業のカリキュラムは、小中学生向けのプログラミング入門の部分がより強調され、教師のためのリソースが増え、新たに学習ガイドが加わり、Swift Coding Clubの素材が一新された。それらに加えて12月にはアップル直営店で無料のプログラミング体験会が何千回も開かれて、類似の非営利事業であるComputer Science Education Weekを祝う。

同社によると、カリキュラムのアップデートは日常的な話題を多く取り上げてプログラミングに親近感を持ってもらうことが狙いだ。またSwift Playgroundsの新しいガイド「Everyone Can Code Puzzles」があり、児童生徒たちは40時間の活動を通じてコンセプトを実験し、自分が理解したことを実践してみる。

そのガイドには教師のための手引書があり、問題の答や評価の方法、障害者等向けのアクセシビリティーリソースなどがある。カリキュラムはVoiceOver向けに最適化され、クローズドキャプションのあるビデオや手話のビデオが用意されている。

もう1つの拡張としてアップルは、Everyone Can Create(誰でもクリエイターになれる)のプロジェクトガイドをカリキュラムに統合した。昨年Apple BooksでローンチしたEveryone Can Createにより、教師はアップルの技術を使って授業に音楽や映画の制作、写真撮影などの過程を加えることができる。

さらに同社は、2019年12月1日から15日までプログラミング体験集会であるToday at Appleの回数を増やし、Computer Science Education Weekを盛り上げる。その無料で対話的な体験会は、幼いプログラマーたちにロボットを使うブロック方式のプログラミングを教え、また年長者はSwift Playgroundsを使ってプログラミングのコンセプトやARプロジェクトの制作を学べる。

一部のストアでは学齢期前の児童のためのプログラミング体験会を、小さなお助けモンスターのHelpstersが登場するCoding Labで行う。モンスターはApple TV+の番組のスターで、セサミストリートの作者が制作している。

そのほかの体験会にはApple Distinguished EducatorsやApple Entrepreneur Campのイノベーター、デベロッパー、そしてアーチストも参加する。Develop in Swiftのカリキュラムは、今後も高校や大学の学生が利用できる。

また、今年で7年目を迎えるHour of Code事業への協賛としてAppleは、Hour of Code Facilitator Guideにより、教師や親がSwift Playgroundsを使って体験会を主催できるようにする。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルからカメラボタン搭載のiPhone 11 Pro用バッテリー内蔵ケース

Apple(アップル)が新しいiPhone 11 Proのバッテリーケースを発売した。標準的なバッテリーケースだが、実はちょっとしたサプライズが隠されている。カメラボタンだ。マイナーな機能だがとても便利だ。

ボタンの位置や仕組みはよく考えられている。ボタンはケース下部のサイドに組み込まれているが、なにかが当たって偶然押し込まれてしまうようなプッシュボタンではない。一度押すとiPhoneがロック状態であってもカメラが起動する。短いクリックで写真、長押しでQuickTakeのビデオが撮れる。

ケースは税別1万4800円で、 Qi規格のワイヤレス充電器が使える。またUSB-PD規格の充電器に接続すればさらに速い。アップルによれば、バッテリーケースをフル充電しておけば、iPhoneの駆動時間が50%増えるという。

アップルがカメラアプリにこの種のショートカットを追加したのは今回が初めてだ。Pixel 3などほとんどのAndroidスマートフォンは電源ボタンのダブルクリックでカメラが起動する。iPhone 11 Proのバッテリーケースのカメラボタンは正しい方向への一歩だろう。アップルがバッテリーケースでない普通のケースにもこのショートカット機能を追加する方法を見つけてくれるよう期待したい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルが開発者コミュニティ用モバイルアプリをローンチ

米国時間11月18日、Apple(アップル)は開発者コミュニティの2300万人を超える登録メンバー向けに、専用のモバイルアプリとしてApple Developerをリリースした。この新しいアプリは、アップルのWorldwide Developer Conference用アプリを拡張・置き換えしたもの。新しいアプリは、WWDCの情報だけを提供するのではなく、技術記事やデザイン記事、開発者向けニュースやアップデート、そしてビデオなど、ほかの関連リソースも含むように拡張される。また、開発者がApple Developerプログラムに登録し、メンバーシップを維持する手段も提供する。

現在、開発者情報はアップルのウェブサイト内の様々な場所や、その他の場所に散らばっている。加えて、さまざまな製品チームから電子メールによるアップデートのかたちで、開発者たちに情報が届いている。こうしたものが、この先は単一の最適化されたモバイルアプリ体験として利用できるようになる。

ローンチ時点のApple Developerアプリには、アップルのDeveloperウェブサイトで見つけることができるすべての情報は揃っていないかもしれないが、提供内容は時間とともに拡大する。例えば、現在アプリ内で技術情報と600本以上のビデオを見ることができるが、Apple Developer Forumsや、地元のアップル開発者プログラムであるApple’s App Accelerators、Design Labs、または Developer Academiesなどと接触する方法は提供されていない。

現在アプリのコンテンツは4つの主要なセクションに分かれて構成されている。Discoverセクションは、開発者情報、ニュース、アップデートを見つけるための場所で、VideoセクションはこれまでWWDCアプリが提供していたビデオを見つけることができる。WWDCセクションはイベント参加者用で、アカウントセクションでは 開発者がアカウントとプログラムメンバーシップを管理できる。

アップルの目標は、アプリを使用して、関連するコンテンツを開発者にタイムリーに提供し、Apple Developerサイトまたはアップルのサイト内に存在することすら開発者が気が付いていないような情報へと導くことだ。また場合によっては、より理解しやすい短形式の教育記事などのように、モバイルフレンドリーなコンテンツも含まれる。

言い換えれば、オンラインの技術論文で読むものと同じコンテンツでありながら、わずかに異なる方法でパッケージングされているかもしれないということだ。今後このアプリは、最近開発者の間で懸念が高まっている、Appleがまだ文書化していないことへ対処するためにも拡張される(アップルのAPI文書が欠けているかどうかを調べるのに役立つ「No Overview Available」というウェブサイトを構築した開発者もいるほどだ)。

アプリの他のセクションでは、開発者は引き続きWWDCのセッションビデオを視聴し、提供されている場合はWWDCスケジュールを確認することができる。また、Apple Developerプログラムのメンバーシップにサインアップまたは更新をすることが可能で、Apple Payまたは他の支払い方法を使用して支払いを行うこともできる。

このアプリのローンチは、アップルが地元のDeveloper Academyやアクセラレーターへの投資を通じて、国際的なデベロッパーコミュニティの育成に注力しはじめたタイミングで行われた。

例えば、過去1年間でインドネシアの開発者コミュニティは、2019年に2つのDeveloper Academy施設を開設した後、メンバー数を60%増やしている。Apple Developer Academy発足の地であるブラジルでは、コミュニティが今年50%成長している。アップルの最初のアクセラレーターラボがあるインドでは、コミュニティが45%成長した。今年、開発者ベースを拡大した他の分野には、英国(40%増)、フランス(30%)、イタリア(28%)、中国(17%)などが含まれている。

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  12. Videos

  13. WhatsNewIniOSDesign_Dark

  14. WWDC

これらの地域にサービスを提供した際に、アップルはメールよりもアプリを開く傾向がある開発者がいることに気が付いた。これがモバイル向けに最適化されたモバイルフレンドリーな開発者リソースを提供したいとAppleが考えたもう1つの理由だ。その上に同社は、App Storeミニサイトなど一部の人に認知されていない開発者リソースがあることにも気が付いた。これらのすべてのコンテンツをアプリに一元化することで、よりアクセスしやすくなる。

Apple Developerアプリは本日より、世界中のすべての市場でソフトローンチされているが、Apple Developerプログラムのメンバーシップ管理ツールは現在のところ米国限定だ。アップルはこれをバージョン1としていて、開発者のフィードバックを得て拡張することを目指している。

Apple Developerアプリは、Apple WatchやiMessageを含むiOS上で利用できる。

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(翻訳:sako)

アップルとグーグルで活躍した3人のチップ開発者がNUVIAを設立、シリーズAで58億円調達

かつてそこは、ベンチャー投資家が踏み込んではいけない領域だった。半導体の分野に新規参入するには、長い開発期間と技術面での高いリスクを覚悟しなければならないからだ。だが今やそこは、企業やデータを対象とするベンチャー投資家の、もっともホットな場所に変わった。

例えば、スタートアップのGraphcore(グラフコア)は1年前にシリーズD投資のおよそ2億ドル(約220億円)を獲得してユニコーン企業に発展し、Groq(グロック)はSocial Capital(ソーシャル・キャピタル)で知られるChamath Palihapitiya(カマス・オアリハピタイヤ)氏から5200万ドル(約57億円)の投資を決め、Cerebras(セレブラス)は、初の1兆個以上のトランジスター数のチップを製造したことを発表し、Benchmark(ベンチマーク)などの投資会社から1億1200万ドル(約122億円)を調達した(同社については夏に記事を書いている)。

米国時間11月15日、またひとつ偉大なる技術チーム率いる新規参入企業が登場した。それは、米国カリフォルニア州サンタクララを拠点とするスタートアップであるNUVIA(ヌビア)だ。同社は本日朝、Capricorn Investment Group(カプリコーン・インベストメント・グループ)、Dell Technologies Capital(デル・テクノロジーズ・キャピタル:DTC)、Mayfield(メイフィールド)、そしてWRVI Capital(WRVIキャピタル)からシリーズA投資5300万ドル(約58億円)の調達したことを発表した。これにはNepenthe LLC(ネペンシー有限責任会社)も参加している。

年初にスタートしたばかりにもかかわらず、同社はおよそ60名の従業員を抱え、加えて、誘いに応じ、移籍の準備段階にある人たちが30名いる。年末までには従業員数が100名を超える勢いだ。

ここで起きていることは、コンピューター業界の2つのトレンドの合体だ。現在は、データ量が爆発的に増大した。その延長線上に、複雑な機械学習アルゴリズムにそのすべてのデータをバリバリと食わせたいという私たちの欲求の加速度的な増大があり、データセンターはそのデータをすべて保存することが要求されている。しかし残念なことに、ムーアの法則は鈍化し、コンピューターの計算能力はそれに追いつけなくなっている。Intel(インテル)などは物理的な限界に達し、演算密度を継続的に向上させる今の我々のノウハウも限界に来ている。それが、この分野の新規参入者と新しいアプローチに場所を提供することになった。

やる気満々のドリームチームの探し方と作り方

NUVIAの物語は2部構成になっている。最初は、John Bruno(ジョン・ブルーノ)氏、Manu Gulati(マニュ・グラティ)氏、そして後にCEOとなるGerard Williams III(ジェラード・ウィリアムズ3世)氏の3人の創設者の話だ。3人は、何年もの間、同時にアップルに在籍していたことがある。彼らはそこに、それぞれの異なるチップ開発のスキルセットを持ち寄り、アップル独自SoCのAシリーズなど、iPhoneとiPadを支えるさまざまな独創的プロジェクトを主導した。NUVIAの広報資料によれば、3人の創設者はApple在籍中に合計で20個のチップを開発し、シリコン関連で100以上の特許を取得している。

グラティ氏は2009年、Broadcom(ブロードコム)を経て、マイクロ・アーキテクト(SoCアーキテクト)としてアップルに入社し、その数カ月後にウィリアムズ氏がチームに加わった。グラティ氏は、インタビューの中で私にこう教えてくれた。「私の仕事はチップを組み立てるといったもので、彼の仕事はもっとも重要な部分をそこに入れ込むことでした。つまりCPUです」。

グラティ氏によれば、ブルーノ氏が加わったとき、彼はシリコン担当と期待されていたのだが、その役割は即座に広がり、iPhoneとiPadのチップセットは、エンドユーザーに何を届けるべきかを戦略的に考える立場になったという。「この世界のシステムレベルのあれこれや、競合分析や、どのようにして他の人たちと張り合うか、この業界で何が起きているのかを、彼はしっかりと吸収していきました」と彼は話す。「3人の技術的な経歴はまったく違いますが、私たちは3人とも手を動かすことが大好きな、とにかく、根っからのエンジニアなんです」。

2017年、Googleでモバイル・ハードウェアに関連する大きな仕事を引き受けることにしたグラティ氏は、ブルーノ氏をアップルから引き抜いてともに移籍した。やがて2人は、The Informationが5月に初めて報じたとおり、今年前半にGoogle(グーグル)を去った。一方、ウィリアムズ氏はアップルに10年近く留まり、今年の5月に退社した。

関連記事:アップルにARMの主席CPU設計者が入社

開発、製造、そして市場展開までに何年もかかるのが普通のシリコン業界で、彼らが何をしているのかは明らかにされていない。とはいえ、3人の創設者たちはみなモバイル用チップセットの経歴を持ちながら、データセンター(クラウド・コンピューティグなど)に力を注いでいると広く考えられている。また、機械学習のワークフローの温暖化対策のコストと、計算集約型の処理に立ち向かうことができるエネルギー効率の高い方法の探究が、その行間から読み取れるところが面白い。

「エネルギー効率は、私たちの思考回路に組み込まれたものなのです」とグラティ氏は私に話してくれた。

お金を出してくれる投資家の組合を作る

創設者の話とは別に、NUVIAにはテーブルを囲んだ投資家たちの物語もある。どの投資家も技術職の豊かな経歴を持つばかりか、新規のシリコン系スタートアップの技術的リスクに対処できるだけの十分な財力がある。

カプリコーンは、特にTechnology Impact Fund(テクノロジー・インパクト・ファンド)と呼ばれる、世界に好影響を与える技術を扱うスタートアップへの投資に特化したファンドから出資している。同社の説明によれば、そのポートフォリオには、Tesla(テスラ)、Planet Labs(プラネットラブス)、Helion Energy(ヘリオン・エナジー)も含まれている。

一方、DTCは、デル・テクノロジーズとその関連企業のベンチャー部門だ。企業活動とデータセンターに豊富な経験がある。とりわけ同グループのDell EMCなどのサーバービジネスから得た知見が深い。今のところNUVIAは役員会の顔ぶれは公表していないが、DTCを率いるScott Darling(スコット・ダーリング)氏はNUVIAの役員会に加わっている。メイフィールドを率いるNavin Chaddha(ナービン・チャダー)氏は、正式に電気技師の教育を受けた人物だが、HashiCorp(ハシコープ)、Akamai(アカマイ)、SolarCity(ソーラーシティ)といった企業に投資している。そしてWRVIは、企業活動と半導体企業を扱った長年の経験を有している。

私はDTCのダーリング氏に、このチームと彼らのデータセンターの展望をどう見るかについて、少し聞いてみた。それぞれの創設者に好感を抱いていることに加え、ダーリング氏は、チームの結束は大変に強いと感じたという。「もっとも驚かされるのは、集団としての彼らを見たときに、専門技術を有していることです。そして、その幅の広さにも息を呑みます」と彼は話していた。

同社が広い意味でデータセンターのプロジェクトに取り組んでいることを彼は認めたが、製品開発の間は、彼らの特別な戦略に基づいて身を低くしているという。「具体的な話はできません。競合他社から免疫反応を引き起こしてしまうためです。なので、しばらくの間は静かにしているのです」とのこと。

「ものすごく謎めいた言い方」を彼は謝っていたが、製品に対する彼の視野から得られる投資テーマは「データセンター市場は、データセンターの外で展開する技術改革に敏感に反応するようになり、そのためデータセンターに素晴らしい製品を提供できるようになる」というものだ。

この言葉を、グーグルとアップルで培った創業者たちのモバイル向けチップ開発の経験から補足すると、特にデータセンター所有者が抱える電力消費量と気候変動の心配が高まっている今、モバイルでのエネルギー対性能の比率の制約がデータセンターに役立つことは明らかということだ。

DTCは、これまで何度も次世代シリコンに投資してきた。2016年のグラフコアのシリーズA投資にも参加している。DTCは、このスペースに野心的に投資してきたのか、または様子を伺う方針なのか、ダーリング氏に聞いてみたところ、シリコンレベルには一定量の投資が行えるよう努力していると答えてくれた。「シリコンへの投資に対する私の考え方は、逆さピラミッドのようなものです。いや、シリコン投資を大量にやろうというのではありません。調べればわかりますが、私が行ったのは5つか6つです。それらは、基礎的なものだと私は考えています。その上に、新しいものが大量に構築されてゆくのです」と彼は説明した。このスペースへの投資はどれも、製品を開発して展開するために必要とされる仕事に対して“高額”だ。そのためこの種の投資は、企業を長期的に支援する意思を持って、慎重に行わなければならない。

この説明は、私がグラティ氏に、彼と彼の共同創設者たちが、なぜこの投資家組合と契約を交わすことにしたのかを尋ねたときの答と重なる。3人の名声があれば、シリコンバレーのベンチャー投資家から簡単に資金が調達できたはずだ。彼は、この最後の投資家についてこう語った。

こうしたものを組み立てるのは簡単なことではなく、すべての人のためのものでもないことも、彼らは理解しています。ここに好機があることは誰でもわかるでしょう。しかし、実際にそこに資本を投入して、チームを組織して仕事にあたらせるというのは、誰にでもできるものではありません。同じように、すべての投資家が取り組めるものではないと、私は考えています。彼らは、私たちの物語を信じるだけでなく、自分たちの側にビジョンを持っていなければなりません。そして、支援したいという気持ちを抱き、資金を投入し、長期にわたってそこに留まることを戦略的に行う必要があります。

長期戦になるだろうが、「友だちに囲まれて仕事ができることは、本当に素晴らしいと日々感じます」とグラティ氏は話している。おそらく、今年の年末には従業員数は100名に達する。銀行にはすでに数千万ドルがある。自前の軍事費があり、出撃準備を整えた軍隊もある。いよいよ、楽しい(そして苦しい)ところに入る。そして私たちは、その結果を見ることになる。

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(翻訳:金井哲夫)

セールスフォースとアップルの提携による新ツールが登場

昨年開催されたSalesforce(セールスフォース)の年次顧客カンファレンスDreamforceで、Apple(アップル)とセールスフォース提携開始を発表した。この提携では、アップルデバイス上でのセールスフォースプロダクトの作動を向上させるために両社が共同開発を進める。そして今年のDreamforceが始まった11月18日、提携の結果として2つの新たなツールが使えるようになったと発表した。これらのツールは昨年の会議で発表されていたものだ。

まず最初に、アップルはセールスフォースのモバイルアプリの再デザインにセールスフォースとともに取り組んだ。素早く操作できるようSiriショートカットを使えるようにするなど、iOSの機能を盛り込むというものだ。モバイルデバイスでは面倒と感じがちなタイピングの代わりに音声で操作できるようになる。

写真:Salesforce

例えば「ヘイシリ、次の商談」と言うとSiriがセールスフォースのCRMと連動し、商談出席者の名前や企業名、最後に商談出席者に会ったのがいつだったか、Einstein opportunity score(Salesforceの商談有望性を数値化したもの)がどんなものかを教え、本日の商談がどれくらいうまくいきそうかを予測する。

加えてモバイルアプリでは、変更を即座にデバイス間で反映させるためにアップルのハンドオフ機能を利用し、Face IDでアプリに簡単にログオンできる。

セールスフォースはまた、SalesforceモバイルでのEinstein Voiceのテスト展開も発表した。この機能では、セールスパーソンが音声でノートを開いたり、タスクを追加したり、CRMデータベースをアップデートしたりできる。Einsteinはセールスフォースの人工知能レイヤーで、音声機能はセールスパーソンが尋ねたことを理解するために自然言語を活用している。

同社によると、アップデートされたアプリのテストに1000社以上が参加していて、同社史上最大規模になっているとのことだ。

加えて、新しいモバイル開発プラットフォームSDKも発表した。これはSwift言語を使ったiOSとiPadOSのために作られている。セールスフォースのデベロッパーがiPadとiPhone向けのアプリを構築できるようにするツールを提供し、Swift UI、そしてPackage Managerと呼ばれる新しいツールをひとまとめにするというのが狙いだ。

写真:Salesforce

Trailhead Goというのは、セールスフォースのiPadとiPhone向けにデザインされたオンライン学習プラットフォームのモバイル版だ。新しいMobile SDKを使って作られていて、これによりユーザーがウェブでアクセスしている同じコースにモバイルコンテキストでもアクセスできるようになる。新しいモバイルツールには、必要に応じてピクチャー・イン・ピクチャーとマルチタスクのための画面分割のサポートでデバイス間でやり取りできる機能も含まれる。

Salesforce MobileとTrailhead GoはiOSのApp Storeで本日から無料で利用できる。そしてSalesforce Mobile SDKは今年中に利用できるようになる見込みだ。

両社の提携が発展するにつれ、両社はその恩恵を受ける。セールスフォースはアップルの機能に直接アクセスできるようになり、最適な方法でそうした機能を埋め込めるようアップルと協業できる。一方のアップルは、世界最大の企業向けソフトウェアベンダーの1社であるセールスフォースを通じて企業に深くアクセスできるようになる。

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(翻訳:Mizoguchi)

iPhoneとApple Watchで健康調査に参加するための「Apple Research」アプリが米国で公開

Apple(アップル)は9月に、米国のユーザーが自分のデバイスから健康調査に参加できるアプリの計画を発表していた。米国時間11月14日、米国でiPhoneとApple Watchのユーザー向けにそのアプリが公開された。この「Apple Research」アプリから、ユーザーは現時点では3種類の調査に参加できる。女性の健康調査、心臓と運動に関する調査、聴覚に関する調査だ。

アップルはこれまでも研究者や医療機関とともに調査をしてきたが、参加するユーザーは自分のiOSデバイスに調査ごとの専用アプリをインストールする必要があった。このほどリリースされた「Research」アプリには参加に関するアクティビティがまとめられていて、複数の調査に参加したいユーザーにとってはシンプルになる。

アップルのデバイス(そしてそこに内蔵されている多くのセンサー)から収集されたデータを利用して、研究者はこれまでは不可能だった大規模な健康調査を実施することができる。アップルは、これまでこの種の調査には費用と時間が必要だったが、これからはユーザーが参加することで心臓、運動レベル、アクティビティ、騒音など、健康に関する情報を研究者に直接共有できるとしている。

アップルのプライバシーに関する取り組みは、ここでも同様だ。データの共有はユーザーのコントロール下にあり、データは暗号化され、販売されることはなく、研究者はユーザーに対しデータがどう活用されるかを知らせなくてはならない。そして参加者はいつでも参加を取りやめることができる。

最初にスタートする3つの調査のうちの1つは、ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院および米国国立環境健康科学研究所と連携した女性の健康調査だ。この調査は、女性の月経周期と不妊、骨粗鬆症、更年期、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)との関係を明らかにすることを目的としている。この調査では、iPhoneの「ヘルスケア」アプリまたはApple Watchの「周期記録」アプリから、ユーザーの周期記録のログを収集する。

心臓と運動に関する調査では、米国心臓協会およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院と連携する。この調査では、ワークアウト中のデータに加え、心拍数とアクティビティのデータがApple Watchから収集され、簡単なアンケートも実施される。このデータは、運動のシグナルおよび心拍数とリズムから、心房細動、心臓病、運動能力の低下などの早期発見につながるサインを発見できるかを研究するために使われる。

聴覚に関する調査ではミシガン大学およびWHO(世界保健機関)と提携し、iPhoneやApple Watchの「ノイズ」アプリからユーザーがさらされている音に関するデータを集める。アンケートと聴覚検査も実施する。この研究では、大きな音が検出されたときに「ヘルスケア」アプリの通知によってユーザーが自分のリスニング行動を変えるかどうかも調査される。

アップル最高執行責任者のJeff Williams(ジェフ・ウィリアムズ)氏はアプリの発表の中で次のように述べている。「今日はアップルが健康調査に乗り出した重要な日だ。この取り組みは、医療関係者が長く求めていた領域に大きな成果をもたらすだろう。「Research」アプリの参加者は、新しい発見につながり健康な生活に貢献できるような、とてつもない影響を生み出すことになる」。

iPhoneとApple Watchで利用できる「Research」アプリは米国で配布されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

新Mac Proは12月に出荷 最大8TBのストレージを選択可能

Apple(アップル)は米国時間11月13日、 Mac ProとPro Display XDRを12月にリリースすると発表した。このマシンは今年に発表されていたが、具体的な発売時期は決まっていなかった。

以前発表された仕様に加えて、アップルは最大8TBのSSDをMac Proにて選択できると発表した。AppleのPro Workflowチームはプロの要望とニーズについてフィードバックの調査を続けており、またMac Proが8K Pro Resの動画を6月時点の3本から、最大6本を扱えるようになったと述べている。

同社によると、BlackmagicにはSDIから8Kへのコンバート機能があり、現地やスタジオでシリアルデジタルインターフェイスのワークフローを利用した制作に取り組めるという。これはアップルがMac Proに対応したリファレンスモニターを発表した後、何度か聞いた質問だ。これにより、既存のワークフローを使用する多くのオンセットアプリケーションでの利用が可能になる。

我々は、SDIコンバーターボックスや、Final Cut Proのようなアプリケーションが動作するMac Proを見学したが、プロ向けワークフローにおいても極めて印象的だった。あるデモではレンダリング前の状態で、アニメーションとカラーコーディングによる6本の8K Pro Resストリームがリアルタイムで動作していた。実に素晴らしい。なお、そのハードウェアも非常に高価だ。Pro Display XDRのVESAマウントでさえ、ほとんどのコンピューターよりも精巧にデザインされているようだ。

新しいMac Proの基本構成は5999ドル(約65万円)からで、32GBのメモリー、256GBのSSD、 Radeon Pro 570Xのビデオカードを搭載している。さらに、アップルが同時に発売する32インチのリファレンス品質モニタことPro Display XDRは4999ドル(約54万円)から販売される。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

HBOの前CEOがApple TV+の番組制作で独占契約締結か

The Wall Street Journalによると、HBOの最も高く評価されているTVシリーズの制作を指揮した人物が、まもなくApple TV+で番組を制作する可能性があるという。

AT&Tに買収された昨年2月までHBOの会長兼CEOだったRichard Plepler(リチャード・プレプラー)氏は、Apple(アップル)の新しいオリジナルのコンテンツストリーミングサービスにおける、独占的なプロダクション契約を締結しようとしていることが報じられている。

HBOが「Game of Thrones」を含むいくつかの大ヒット作品を放送した間の6人のCEOのうちの一人で、同社に30年近く在籍していたプレプラー氏は、間違いなくアップルの取り組みに影響を与えるだろう。Apple TV+のローンチ時のオリジナル番組としては、Jennifer Aniston(ジェニファー・アニストン)とReese Witherspoon(リース・ウィザースプーン)による「The Morning Show」や「Oprah’s Book Club」といったものがある。

これはプレプラー氏がHBOを去った後に設立した制作会社であるRLP&Co.とアップルの間に結ばれることになるだろう。同氏がApple TV+のためにどのようなプロジェクトに取り組んでいるかの証拠はないが、アップルによるオリジナルコンテンツ企業という新たな目標を考えれば納得できる話であり、また同社はこれまで大規模な予算と知名度の高いプロジェクトに注力しているが、HBOが制作してきた番組のような反響はまだない。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

アップルがプライバシーサイトを刷新、技術白書を公開

Apple(アップル)は4年連続で、プライバシーに関するページを更新した。同社は毎年、ウェブサイトのプライバシー項目を更新し(通常は製品発売の約1カ月後)、顧客に最新の機能や技術を説明している。テロリストのiPhoneの内容を知るために連邦捜査官が同社にバックドアの作成を強要していたFBIとの戦い以来、同社はこれまでの秘密主義的なやり方を捨て、セキュリティとプライバシーのポリシーを全面的に公開している。

アップルのプライバシーページは、プライバシーに対する同社のさまざまな取り組みを掲載するように進化し、さらにはユーザーへのヒントやトリック、そして政府からのデータ公開要求の数を記載した、年2回の透明性レポートを掲載している。

今年には初めて、同社はいくつかの最も人気の技術がどのように機能するかを記述した技術白書を公開した。これまで、同社はSafariや写真、位置情報サービス、サインインに関する技術白書をリリースしてきた。昨年同社はヨーロッパのGDPRによる法的要件に応え、「データをダウンロードする」ページを公開し、ユーザーが保存しているすべてのデータを入手できるようにした。

アップルによると、同社のプライバシーページはサイト全体の中で最も訪問者の多いページだという。これまでと同じく、アップデートされたプライバシーページには、iOS 13と、今年リリースされたmacOS Catalinaに関する、Safariの追跡防止や位置認識、連絡先メモの保護といった新しいプライバシーとセキュリティ機能がすべて含まれている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルがカリフォルニアの住宅危機とホームレス問題対策の基金に約2700億円拠出

Apple(アップル)は11月4日朝、カリフォルニアの住宅供給危機の緩和に向け、25億ドル(約2700億円)という巨額資金を拠出することを発表しと。この中には、住宅を求めやすいものにするための投資基金と、初めて住宅を購入する人向けのローン補助基金への各10億ドル(約1085億円)、そしてアップルが所有する土地でのリーズナブル価格の住宅開発向けの3億ドル(約325億円)が含まれる。

残りの2億ドルは、ベイエリアでの低所得者向けの新たな住宅開発のサポートに当てられる。内訳はというと、まずHousing Trust Silicon Valleyなどと提携しているベイエリア住宅基金に1億5000万ドル(約163億円)。そして5000万ドル(約54億円)は弱者に向けられる。特にシリコンバレーエリアのホームレス問題を解決するのに役立てられる。

同社はまた、ホームレス化を予防するためにカリフォルニア北部、南部の両方で同様の取り組みを検討するとしている。

Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事、カリフォルニア州、そしてコミュニティベースで活動している機関との提携のもとで実施される今回の投資は2年かけて活用される見込みだが、それは利用できるプロジェクト次第でもある。アップルに戻ってくる資金は、向こう5年のプロジェクトに再投資される。

「カリフォルニアにおける住宅危機で家を追われる人が出ていることを受けての投資だ」とアップルは発表文で説明した。

「教師や消防士、救急隊員、サービス従業員といったコミュニティメンバーが、住み慣れたコミュニティを去るという苦渋の選択を迫られている。今年4月から6月にかけて、3万人近くがサンフランシスコを離れた。ベイエリアの住宅保有率は過去7年で最低の水準だ」と同社は話している。

住宅危機は一晩で起こったのではなく、今問題視されているテック企業の成長だけが原因というわけでもない。

他の複雑な問題と同じように、住宅危機はいくつかの要因がからんで起こっている。同地域の法律、ゾーン規則、高層ビル建築への反対、NIMBYの風潮(編集部注:Not In My Back Yard、自宅の裏庭に迷惑なものがきてほてしくないという意)、レンタルコントロールの市場への影響、住宅供給制限、その他にもたくさんある。しかしテック企業が大きな要因であり、金持ちのテックワーカーとその他の人の間に格差を起こし、住宅供給の成長を上回る急激な人口増につながった。

今日では、そのエリアの多くの住人が、職場のある町での生活費用を賄えず、より生活費が安い近隣の町から1時間かそれ以上かけて通勤している。

「世界にシリコンバレーの名が知れ渡る前、人々がポケットにテクノロジーを入れて持ち運べるようになる前、アップルはこの地域をホームと呼んでいた。シリコンバレーが人々にとって暮らしたり、家庭を持ったり、地域に貢献したりできる活気に満ちた場所のままであるようにするのは、重大な市民責任だ」とアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏は声明文で述べた。

「入手可能な住宅というのは安定や尊厳、機会、プライドを意味する。これらが多くの人の手の届かないものになってしまうと、私たちが今後歩む道は持続不可能なものになる。故に、アップルはソリューションに寄与したい」。

住宅危機問題の解決を支援するテック大企業は同社が初めてではない。Facebookは先月、カリフォルニアなどでの住宅問題に取り組むために10億ドルを支援することを発表した。そしてGoogleも今年初め、ベイエリアの住宅危機の緩和を目的とする10億ドルの投資を明らかにした。そのほか、マイクロソフトはシアトルエリアにおける住宅基金に5億ドル(約540億円)を拠出した。

テック大企業が住宅問題の解決に踏み込むのは、自らに関わることだからだ。実際、テック大企業は高級取りのエンジニア以外の人も雇う必要があり、住宅問題はビジネスに影響する。テック企業がコミュニティにとって良き隣人でいられることを証明するためのかなりの規模の投資を歓迎する人もいる。

一方で、今後起こる問題を解決するための資金を賄うためにテック大企業にもっと税金を課すべきと言う人もいる。実際のところ、投資というかたちでの貸し出しではテック企業を一層儲けさせることになる。地元行政に及ぶかなりの影響力をこうしたテック企業に持たせることになる数百万ドル、数十億ドルのプログラムを受け入れるべきではない、という声もある。

しかしこの住宅危機はすでに対応不可能なものになっているかもしれず、もはやローカルレベルでは解決できない。

「入手しやすい住宅のための未曾有の経済協力、そしてこのイニシアティブの根底にあるイノベーティブな戦略は、アップルが住宅問題の解決を真剣にとらえていることの表れだ」とNニューソン知事は語った。「住宅所有者、住宅賃貸者の両方にとって住宅費用の高騰はカリフォルニア州の何百万という家庭にとって、生活の質に関わる懸念だ。この問題は住宅の建設でしか解決できない。アップルとの提携はカリフォルニア州の住宅建設をサポートするものとなる」。

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(翻訳:Mizoguchi)

Apple TV+がスタート、iOSやApple TV、Macを購入すれば1年間無料

Apple(アップル)は定額制のストリーミング動画サービスを開始し、購読者が数多くの多様なコンテンツを利用できるようにした。このサービスを利用するには、月額4.99ドル(約540円)のプランを申し込む必要があるが、9月以降にiPhone、iPad、iPod touch、Apple TVまたはMacを新たに購入し、デバイスに関連付けられたApple IDでサインインしている場合、1年間の無料トライアルサービスが自動的に適用される購読ボタンが表示される。

Apple TV+のコンテンツはApple TVアプリに存在し、macOSやApple TV、iOS、iPadOSデバイスで視聴可能で、デバイスから削除したり古いバージョンのOSを使っていない限り、アプリがプリインストールされているはずだ。新しい番組はアプリのホーム画面のAppleTV+の項目だけでなく、インターフェースのさまざまな場所にも表示される。

ローンチ時の番組としては、「The Morning Show」 「See」「For All Mankind」「Dickinson」「Snoopy in Space」「Ghostwriter」「Helpsters」、そしてドキュメンタリー番組の「The Elephant Queen」、トークショーの「Oprah’s Book Club」などがある。これらの中には、最初に3話が公開され後に段階的にリリースされるものもあれば、ローンチ時に全シーズンが視聴可能なものもある。

オフラインで視聴するために番組をダウンロードすることも可能で、AppleTV+ではインターネットに接続されている場合には再生状況を記憶し、デバイス間で中断したところから再開できる。Apple TV+のコンテンツはすべて4Kで、Dolby VisionとDolby Atmosもサポートしている。

私は「The Morning Show」を数秒間視聴し、すべてがうまく動作していることを確認しただけなので、コンテンツの質についてはわからない。しかし、最近Appleの新しいハードウェアを購入した人なら、少なくとも無料の試用期間をチェックする価値はある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

スマホ市場が2年ぶり息を吹き返す中、アップルの苦境は続く

スマートフォンメーカーは、すべてを失ってしまったわけではない。2年間の全世界的な停滞の後、このカテゴリもついに息を吹き返す兆しを見せ始めた。メーカーが鈍くなった消費者の関心を取り戻そうと努力した結果、回復傾向に乗ったと考えられる。

画像クレジット:Neil Godwin/Future Publishing/Getty Images

現状では数字はあまり重要だとは考えていない。実際、全体的に見れば、まだそれほど大きく上昇しているわけでもない。Canalysが示した数字は、2018年の第3四半期と2019年の第3四半期との比較で、全体としての出荷の伸びは1%に留まっている。普通に考えても、ほとんどわずかなプラスに過ぎないが、こうした数字が良い方向に向かい始めたのは実に2年ぶりのことなのだ。

中でも最も大きなシェアを獲得しているのはSamsung(サムスン)だ。同社は、部分的に利益を切り詰めてでもシェアを伸ばす戦略に転換したとCanalysでは見ている。この動きは、この四半期には確かに成果を上げていて、デバイスの出荷台数は11%増加して7890万台となった。この結果サムスンは、全世界の市場で最大のシェア22.4%を獲得している。

Huawei(ファーウェイ)も、前年比で目覚しい成長を示し、6680万台を出荷して、2位となっている。その成長の大部分は中国本土からのもの。同社が海外で規制当局の監視にさらされたことを受け、中国政府が同社の製品への支出を増やしたためだ。また、販売が再開された国際市場もあって、活気を取り戻したという面もある。シェアの上位3社の中でApple(アップル)は、2018年から出荷台数が7%減少し、苦難が続いている。

少なくとも今のところ、こうした数字は、いずれも停滞していたカテゴリの完全な好転とはみなされていない。ただし来年には、5Gのサービスエリアも拡張されるので、数字もさらにいい方向に向かうことが期待できるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルの2019年7〜9月決算は約7兆円の売上、ウェアラブルとサービス部門が好調

Apple(アップル)はiPhoneが依然として売上の半分以上を占めるが、ほかの部門が順調になるにつれて徐々にその重要性は縮小している。

同社のQ4(2019年7〜9月期)の決算報告のあとの時間外で、アップルの株価はほとんど変わっていない。同社の1株あたり利益は、ウォール街の予測2.84ドルに対して3.03ドル、売上は629億9000万ドル(約6兆8500億円)の予測に対し640億ドル(約6兆9600億円)だった。

ビッグニュースの続きは、サービス部門とiPad、そしてウェアラブルが大きく伸びたことだ。iPhoneとMacの売上は縮小が続いている。

ご存知のようにアップルはもはや、iPhoneとMacとiPadの売上台数を公表していない。それは、台数の減少と単価の上昇を反映しているようだ。サービス、ウェアラブル、その他、そしてiPadは前年同期比で伸びたが、iPhoneとMacは売上のスランプが続いている。

  • iPhoneの売上は前年同期比で9%減少し333億6000万ドルに
  • サービス部門は18%増加して125億ドルに
  • Macの売上は5%ダウンして69億9000万ドルに
  • ウェアラブル、ホーム、アクセサリーは54%アップして65億2000万ドル
  • iPadの売上は17%の増で46億6000万ドル

同社は成長率の高い事業を増やし続けている。同社は米国時間10月30日、AirPodsのハイエンド機を発表したが、これはウェアラブル部門の平均売上単価を底上げするだろう。また、近くローンチするApple TV+も含め、同社は有料サービスが多くなっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AirPods Proはワイヤレスイヤホンの価格水準を引き上げる

「この250ドル(日本では2万7800円)のイヤホンは、なかなかいい」というのは、私が新しいAirPodsを箱から出して装着してみた直後に同僚に伝えたメッセージだ。ニューヨーク市の歩道、地下鉄の中、それからいくつかのカフェで試した後も、その第一印象はまったく変わらなかった。

もう少し言葉を付け加えるなら、これはかなり快適だ。私は、これまでにさまざまなBluetoothイヤホンを使ってきた。それは私の仕事の約得のようなもの。その中でも、不可解な複数形を含む名前を別にすれば、AirPods Proがたぶん最も快適だった。唯一の例外があるとすれば、それはApple(アップル)の子会社のBeatsが販売しているBeats Powerbeats Proくらいだろう。ただしPowerbeats Proは、もっと多くのプラスチック部品を使用した、完全なオーバーイヤーフック型として、独自の装着感を実現している。

関連記事:アップルがワイヤレスイヤフォンのAirPods Proを発表、ノイキャン機能搭載

新しいAirPodsは、耳に差し込むだけで快適にフィットする。いろいろなタイプのイヤフォンを試して、どれもしっくりこなかったという人にとっては朗報だ。そういう人も少なからずいるだろう。もちろん、人の耳は2つと同じ形のものがない、美しい雪の結晶のようなものであり、誰でも同じ体験が味わえるというわけではない。とはいえアップルは、オリジナルのAirPodsに対して寄せられたさまざまな苦情を基に、それらを解消するための多くの修正を盛り込んできた。より人間工学的なデザインを採用するとともに、ついにシリコン製のイヤーチップを採用するという妥協に踏み切ったのだ。

なぜ、これまでずっとアップルは、イヤーチップの採用を見送ってきたのか。私には理解できないが、同社もようやく自らの判断で採用を決めたのだ。AirPods Proには、スモール、ミディアム、ラージという3種類のイヤーチップが2個ずつ、合計6個付属している。購入時にはミディアムが装着されている。しかし、これらは標準的な形状のシリコンチップではない。それでも強く引っ張れば外れる。イヤホン本体と噛み合う部分は固くなっている。

アップルによれば、このような独自形状のイヤーチップによって、優れたフィット感が得られるという。もう1つの利点は、本体との結合が、より強固なものになること。これは間違いなく重要だ。私も、ニューヨークの歩道にイヤホンのイヤーチップを、うっかり落としてしまったことがある。これなら、ポケットから取り出すときにも、外れてしまう可能性がずっと低くなる。もし紛失してしまったとしても、アップルはおそらく1ドル程度でスペアを販売することになるだろう。

イヤホンの耳に入る部分は大きくなったのに対し、軸の部分は短くなったことに気付くだろう。これはアップルが、より多くの電子部品を上部に集約できるようになったから。軸は、イヤホンを手で持つための部分として残っている。また、軸にはハプティクボタンも内蔵しており、従来のAirPodsのタップ操作を置き換えている。軸を強めにつまむようにすると、わずかなクリック音を発して応答する。

標準設定では、1回つまむとトラックの再生/停止が可能だ。長押しすると、アクティブ・ノイズキャンセリングモードと、外部音取り込みモードが切り替わる。これらの設定は、iOS(またはiPadOS)13.2がインストールしてあるデバイスで変更可能だ。iOSデバイスとのペアリングは相変わらず簡単で、iPhoneまたはiPadの近くでケースのフタを開くだけ。Androidデバイスやデスクトップ機とは、通常のBluetooth機器と同じ手順でペアリングできる。

設定は、「設定」→「Bluetooth」の順にタップして、AirPods Proのアイコンの横にある「i」をタップする。そこからは、「ノイズコントロール」モードを切り替えたり、左右のAirPodsのボタンに、それぞれ異なる機能を割り当てたり、「イヤーチップ装着状態テスト」を起動したりすることができる。 このテストでは、再生ボタンを押すと、音漏れをテストするための短い音楽が再生される。適切なイヤーチップを装着していれば、「密閉されています」と表示される。何か問題がある場合には、「イヤーチップを調整するか、ほかのチップにしてください」と表示されるので、指示に従う。

人によって耳の形が異なるのはもちろん、一人の人間でも右と左で差がある場合もある。私の場合は、箱から取り出したまま、つまり標準のミディアムのチップでうまくフィットした。それは私の場合であって、私の耳が標準的ということだろう。当然ながら、人によって結果は異なる。

AirPods Proの音質は素晴らしい。私がこれまでに試した中で、最高の音質のイヤフォンの1つと言える。同じ価格帯のソニーWF-1000XM3と同等のレベルだ。この2つは特に抜きん出ている。Echo Budsとは異なり「設定」でレベルを調整することはできないが、AirPods Proは、まざまなジャンルの音楽に合うように、標準状態でうまくチューニングされている。いろいろと試してみるために、これまでのところ、坂本龍一、Danny Brown、The Hold Steady、Electric Youth、Sunn 0)))などを聴いてみた。どれも豊かで充実したサウンドを再生し、250ドルのイヤフォンに期待できるレベルには十分到達している。

ノイズキャンセリング性能も、ソニーと同等レベル。Appleは、オーバーイヤータイプのBeatsのヘッドフォンと同様の適応性を実現している。つまり、常にマイクで周囲の音をモニターし、それに応じて調整を加えている。オーバーイヤータイプのヘッドフォンのような、完全な遮断効果が得られるわけではないが、密閉度が高いので、必要に応じて周囲の音をかき消すのには、非常に優れた効果を発揮する。

周囲に注意を払う必要がある場合には、外部音取り込みモードを利用すればいい。内蔵マイクが周囲の音を拾ってくれる。このモードでは、再生中の音楽を完全に消音してしまうことなく、ほどよいバランスで、環境音とミックスしてくれる。この点に関して、Echo Budsでは問題があると感じていた。エアコンのノイズのようなものまで増幅してしまう。繰り返しになるが、Echo Budsのようにレベルを調整するのではなく、外部音取り込みモードをオン/オフすればいいのだ。

ちょっと余談になるが、AirBuds Proは、前のモデルと同様、イヤフォンを着けたまま人と話ができるという点で、もしかすると社会規範を変えていく可能性がある。こうしたことを見ると、私としては、今日の子供たちにアンディ・ルーニー(Andy Rooney、米国の辛口のコメンテーター)のような態度で接したいと思ってしまうのだが。

ノイズキャンセリングも、外部音取り込みモードも、同様にバッテリーの持続時間をじゃっかん短くする。それらがオフの状態では5時間連続再生できるところが、オンでは30分ほど短くなる。充電ケースを利用した場合、ノイキャンも外部音取り込みもオフの状態なら、Appleは24時間使えるとしている。来週初めに飛行機でアジアに行く際には、これを限界まで試してみようと、今からワクワクしている。快適さについてもテストしたい。今日も、今のところ数時間使っているが、すべて良好だ。

ケースはオリジナルのAirPodsより、じゃっかん大きめ。それでもBeatsやSonyの製品ほどではなく、ポケットに入れて普通に持ち運びできる。縦横の比率は入れ替わっている。今回のものは、長さよりも幅の方が広い。AirPods本体の軸部分が短くなったからだ。新しいデザインでは、ケースにしまうのが、やや難しくなっている。とはいえ、2、3回試してみれば、すぐに理解できるだろう。

AirPods 2と同様、ケースはLightningポート経由でも、ワイヤレスでも充電できる。充電中にケースをタップすると、LEDが点灯する。黄色または緑色に光って、充電状況を表示する。

そう、半日も使っていれば、魅了されてしまう。そこには、何の不思議もない。250ドルという価格は、高すぎると感じる人も多いだろう。しかし、2、3時間も使っていれば、もう手放すのが難しくなる。

近いうちに、もう少し長いレビューを掲載予定だ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アップルがiOS 13.2をリリース、低照度で低ノイズの写真を撮れるDeep Fusionあり

Apple(アップル)は、iPhoneとiPadに向けてiOS 13.2、iPadOS 13.2をリリースした。このアップデートは通常のバグフィックスとセキュリティの改善が主だが新しい機能もいくつかある。

まず、iOS 13.2には大量の絵文字が加わった。同社はこのバージョンからUnicode 12.0を公式にサポートする。手をつないだカップルはどんな性や肌の色でも作れる。アクセシビリティ指向の介護犬とか、車椅子に乗った人、義手や義足、目の不自由な人が使う杖などがある。動物の種類が増え、あくびをしている顔や新しい食べ物もいろいろとそろっている。

iPhone 11やiPhone 11 Proでは、iOS 13.2が機械学習で画像の質、特に暗い画像の明るさをアップするDeep Fusionが使える。ビデオは「カメラ」アプリから直接、解像度やフレームレートを変えられようになる。

iOS 13.2では、アップルの社員とSiriの録音を共有することをオプトアウトできるほか、Siriの命令履歴の削除も可能だ。「設定」→「プライバシー」→「解析と改良」で切り替えればいい。

関連記事:アップルはSiriの音声録音のグレーディングのオプトインと履歴の削除をベータ化

そしてiOS 13.2は、HomeKit対応カメラでHomeKit‌ Secure Videoを有効にできる。新たに発表されたAirPods Proのサポートも加わった。

iOS 13.2にアップデートする前に、必ずデバイスをバックアップすること。iCloudのアップデートが最新であることを「設定」アプリで確認しよう。具体的な手順は、トップのアカウント情報とデバイス名をタップ。iOSデバイスをPCにつないで、iTunesで手作業でバックアップしてもいい。macOS Catalinaの場合はFinder上でバックアップ可能だ。

iTunesやFinderでバックアップするなら、暗号化を忘れないように。暗号化しておけば、誰かがコンピューターをハックしても安全だ。暗号化したバックアップには、保存されていたパスワードや健康データも含まれる。そのため、すべてのオンラインアカウントに再接続しなくてもいい。

バックアップを終えたら、iOSの「設定」アプリ→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く。「アップデートがリクエストされました」と表示されて、ダウンロード可能な場合は自動的にダウンロードが始まるはずだ。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa