お待ちかね、ポケモンGOが日本でも配信開始!

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待ちに待った「ポケモンGO」がついにやってきた!Nianticと株式会社ポケモンが開発するスマホゲーム「ポケモンGO」が、本日から日本でも配信を開始した。7月5日からオーストラリアを始めとする世界各国で「ポケモンGO」の配信が始っていたが、日本での配信は行われていなかった。当初リリース予定日は7月20日と伝えられていたが、社内メールのリークの問題が発生したためリリース日の延期が発表され、落胆した人も多いかもしれない。そういった問題とともに、日本でのポケモン人気を考えると多くのアクセスにも耐えられるよう、サーバーを増強する準備も進める必要もあったようだ。

なにはともあれ、ポケモンGoの公式サイトには、開発者からのメッセージ動画を掲載し、日本のユーザーに向けて延期のお詫びと正式にアプリを公開したことを伝えた。

公式サイトには「ポケモンGO」を開発した思いについて以下のように述べている。

私たちは、プレイヤーのみなさんを現実世界での冒険に誘い、新たな場所に出会い、人々につながりをもたらす、そんなゲームを創りたいという思いで、Pokémon GO を開発してきました。このアプリは、人生をより豊かに、そして世界を良い方向に変える力があるのではないかと信じています。

欧米市場ではすでにTwitterのデイリーユーザー数を超えるなど、爆発的な人気を示してきたが、日本ではさらなる人気となるか関心が集まる。

iOSAndroidアプリのどちらも配信を開始している。

 

Volkswagenのレースゲーム、IKEAの拡張現実アプリにみる効果的な「顧客体験」創出の事例

Experiences generate clicks  not ads   TechCrunch

【編集部注:本稿の執筆者、Pratham MittalVenture Pactの共同創業者】

広告はもはや、あまり効果的でなくなっている。

まず第一に、あまりにも多くの広告が存在しているからだ。画面、生活の至る所に広告が溢れかえっており、企業、スタートアップはその他大勢の中で目立つことが恐ろしく難しいことに気づいている。

確かに、広告コピーによってクリエイティブであることは可能だ。ユーザーへの徹底的なリマーケティングで話題となり、共感を得ることもできる。しかし、結局は他の企業もそのまま同じようなことをしているところで未だに競い合って、ユーザーの視界から外れてしまう。

今日、経験豊富なマーケターはコンテンツ・マーケティングが非常に重要なものだと認識している。しかし、現実を見てみよう。一体どれだけのEブックとブログが座って読むに値するものだろうか?さらには、かなり良質なコンテンツを作ったとしても、競争の激しいキーワードで順位を獲得するのは簡単ではない。Eブックがバイラルになる、もしくはDharmesh Shah氏からElon Musk氏のような人が自社のコンテンツをツイートしてくれると思ってるなら、あなたの成功を祈るよ!

一般の消費者はオンライン広告・マーケティングに対して慣れきっている。どのようにしてこの状況を変えようか?消費者が広告に興味を持たないこの状況下で何が有効なのか?顧客がEメール、電話番号を渡すに値するとどのように証明しよう?

顧客の興味を引くのはデートに誘うときとそんなに変わらない。いかに自分が素晴らしいのか、もしくは月並みな口説き文句をいったりはしない。その人自身が特別な存在だと感じさせる、信頼を築くために一層の努力をする、本当に気にかけていることを示す、そしてさりげなく電話番号を聞くのだ!

今日の顧客は、あなたが顧客に対して気を配っていないこと、またいかにもなセールストークを言っているだけだと気づいている。
前述したことがあなたが顧客にすべきことだ。記憶に残る体験を構築すること、交流の機会を設けること、個々の顧客に合わせてカスタマイズを行うこと、付加価値を与えること、信頼を築くことだ。

それでは実際のこれらの顧客体験はどのようなものなのだろうか。

私たちは有名スタートアップとFortune500入りの企業に調査を行った。素晴らしい顧客体験のほとんどは後述の5つのデジタル体験のうちの1つに当てはまる。

カリキュレーター(計算機)

オンラインスクールに登録するもしくは、保険を購入する際にあなたが真っ先に知りたいのは「費用は一体いくらなのか」だろう。カリキュレーターがそんな喫緊の質問に答える手助けになる。費用は一体いくらなのか?投資対効果は何か?いくら節約できるのか?

現実に、購入決定のためのカリキュレーターを使った投資対効果、費用の計算が毎月数百万回実施されている。

カスタマーに平凡なランディングページを突きつけるのではなく、彼らの質問に直接答えられるようにしたらどうだろうか?インタラクティブなカリキュレーターの出番だ。

想像してもらいたいのだが、病院のサイトに「心臓病を患うリスクを計算しよう」というカリキュレーターがあればどれだけ顧客のエンゲージメントを高めることができるだろうか。もしくはオンラインスクールのサイトに「学問を修めるための費用をいくら節約できるか計算しよう」というカリキュレーターがあればどれだけコンバージョンを得ることができるだろうか。

レベル判定

顧客はいつも自分自身について知りたいと思っている。とりわけ自分がしている良くないことについて。もし成績をつけることができる場合、顧客は判定「A」を獲得するために努力することだろう。そして、その過程で顧客からの高いエンゲージメントと多くの顧客データを手に入れることができる。

一般の消費者はオンライン広告・マーケティングに対して慣れきっている。

SEOの判定、もしくはWebサイトのスピードの判定で自社のWebサイトをテストしている時のことを考えてみよう。一旦判定Aを獲得するためにしなければならないことがわかったら、そのために多くの努力をするだろう。

HubSpotを例に取ろう。Webサイトがマーケティングにしっかり対応しているか、ユーザーフレンドリーがどうかを判定するツールがある。インバウンド・トラフィックがどこで遅くなっているのかHubSpot の見込み顧客に伝えることで、信頼を築くだけでなく大量のWebサイトの情報を集めることもできている。
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Webサイトの判定が最も一般的なものだが、さらに他の可能性もある。大学は論文の成績判定ツール、IQレベル判定などを開発できる。ヘルスケア企業は腎機能値、BMI(肥満指数)などの人の健康データを判定するツールを利用できる。

コミュニティー

業界フォーラム、コミュニティーはまだ手がつけられていない有用かつ有望な分野だ。買い手は何か買う前に、ほとんどいつでも他の人からの意見を求めている。意見の交換ができるフォーラムはかなり価値が有るだろう。

すぐに、しっかりした回答をもらうことができる業界フォーラムを立ち上げることができたら、業界に関することを質問するための行きつけのサイトになることができる。そして、しっかりSEO対策をしている場合、フォーラム上での質問も検索に引っかかり多くの検索トラフィックを得ることができるだろう。
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最高の見本となるのはクラウドに関する意見をもらうことができるGartherのCloudAdviceフォーラムだろう。GartherはIT分野の調査・研究を行う企業だ。ITに関わる人のためのコミュニティーを作っており、そこで技術的な質問を投稿したり、課題となっていることを議論することができる。このフォーラムによってGatnerは見込み顧客に自社の存在を認知してもらえるし、また彼らをその業界の権威として確立することができる(示すことができる)。

Gartnerはフォーラムに「Weekly Heroes」というカテゴリーを設けゲーム感覚を追加している。ユーザーに報酬を与え、投稿を続けてもらえるようにインセンティブを設けているのだ。

ゲーム

ポイントサービスから実際のモバイルケームのようなゲーム体験はユーザーがゴールを達成したいように仕向ける。正しく使えば、ユーザーのエンゲージメント向上に役立ち、ブランドを印象づけることができる。
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チョコレートを販売する企業のKinder Joyは5〜12歳の子供向けのアプリの提供を開始した。アプリでクイズ、パズル、教育ゲームなどがある教育環境下に子供を置くことができる。コンテンツを楽しんでいる間、子供は継続的にKinder Joyのブランドに接することになる。子供の親がアプリの利用時間、接続を管理することができるので、信頼できるブランドという印象をあたえることができる。

これだけ大勢の企業がごっだ返している中では、最高のセールストークも効果的でない。
他の例にはVolkswagenがあげられるだろう。Volkswagenの車でレースができるクラッシクカーのレーシングゲームのアプリを作った。アプリ自体は非常にシンプルなものだが、ユーザーはゲームで新しいモデル、パーツを手に入れるために奮闘しながらVolkswagenのすべての車に詳しくなっていくのだ。

AR(拡張現実)

AR(拡張現実)とVR(仮想現実)は顧客のエンゲージメントを高めることにつながる新たなタイプの体験となる。お気に入りの例の1つはL’Oréalの「Makeup Genius」アプリだ。このアプリを使うことで、スマートフォンの画面上でL’Oréalの様々な化粧品を仮想で顔に試すことができる。報告によるとアプリは2000万回以上ダウンロードされているそうだ。

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2000万人もの潜在顧客を深くブランドにエンゲージするというのはマーケティングの世界で未曾有のことだ。L’Oréalは正確にあなたがどのアイライナーが好きなのか、あなたの顔がどんなタイプか、その他様々な情報を把握しているということだ。販売において、どれほど個々の顧客にカスタマイズした販売が可能になるか想像してほしい。

IKEAはAR(拡張現実)の利用成功例を持つ企業だ。IKEAのアプリは仮想でリビングスペースに家具を置くことができる。外出することなく数百万の机、椅子、洋服だんすを試してみることができるのだ。そしてここにIKEAにとって素晴らしいメリットが存在している。IKEAはあなたが何色の机を好きかといった情報だけでなく、家の間取り、部屋数、その他いろいろな情報を集めることができるのだ。

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このアプリという特効薬によって、IKEAがまるで顧客の家に上がりこむのと同じだけの多くの情報を得ることができ、大きな価値をもたらしている。

今日の顧客は、あなたが顧客に対して気を配っていないこと、またいかにもなセールストークを言っているだけだと気づいている。これだけ大勢の企業がごっだ返している中では、最高のセールストークも効果的でない。

それゆえ顧客を獲得する競争は広告への入札や誇大広告でクリックを誘ったりすることではなくなる。顧客との相互の交流、個々の顧客にカスタマイズしたやり方で真の価値をもたらすテクノロジーの最新の手法を駆使できた人が勝者になるだろう。

マーケティングのあり方が大きく変わっていることを考慮して、マーケティング部門は自社の「デジタル指数」は何かについて、そしてそれを最大化するにはどうすれば良いのか考え始めるべきだ。テクノロジーに精通した自社専属の科学技術者を雇い、IT/テクノロジー部門にもより力を入れ、熱心に製品開発に取り組むとよいだろう。

マーケティングが新たなITとなる日はそんなに遠くない。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

日本では明日7月20日(水)にPokémon Goが発売、最初からスポンサー店あり

This photo illustration taken in Tokyo on July 13, 2016 shows the Pokemon official site through a Japanese internet website announcing the latest information for "Pokémon GO".
With Pokemon-mania sweeping the planet, Nintendo's nascent shift into mobile gaming has proved a massive hit, vindicating the Japanese videogame giant's decision to unshackle itself from a long-standing consoles-only policy. / AFP / KAZUHIRO NOGI / TO GO WITH Japan-US-IT-Nintendo-Pokemon-lifestyle,FOCUS by Harumi OZAWA
        (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

Pokémon Goのフィーバーで任天堂の時価総額は一挙に倍になり、Sonyを抜いた。このゲームがポケモンの生まれ故郷日本に上陸したら、一体どういうことになるのやら。

しかしそんなに待つ必要はない。Pokémonの日本発売は明日の水曜日(7/20)だ、と情報筋が確認した。ついでにこのゲームを作ったNianticにコメントを求めたが、無視された。

Pokémon Goは火曜日現在、アメリカ、カナダ、ヨーロッパの大半など30か国で発売されているが、日本は仲間はずれだった。もちろん根っからのポケモンマニアは大怒りだが、Nianticはこの状況を合理化しようとしている。ちなみにこのゲームは、アクティブユーザー数が、TwitterやTinderなど並みいる人気アプリをことごとく、抜いてしまった

NianticのCEO John HankeがForbes誌に語ったところによると、日本の関連企業、株式会社ポケモン〔公式サイト〕や任天堂などが、日本ローンチで必ず起きるであろう巨大な需要に対応すべく、サーバーの強化に取り組んでいるので、日本発売に遅れが生じた、ということだ。

そのときHankeは、“リリースは7月末の予定”、と言っている。

だから、明日水曜日の発売は寝耳に水の驚きだ。とにかく日本のインターネットがポケモンマニアで超満員になるのを見るのに、あと10日待つ必要はなくなったのだ。

アプリのクレイジーな売れ行きと、任天堂の時価のさらなる爆発的アップ、しかし日本のPokémon Goにはもうひとつ、注目すべき情況がある。それは、任天堂がオフィシャルパートナーを持つのはこれが初めて、ということ。

Hankeが前にも言っていたように、Nianticの売上はすでに大きく増加しているが、今後はそれに上乗せする形でアプリ内購入による収益が入ってくる。それは、複数のパートナー企業にゲーム内で、“スポンサーがいる位置(sponsored locations)”を提供しているからだ。その位置にスポンサーが作った“ジム”では、ゲームのプレーヤーがポケモンを捕まえたり戦わせたり、訓練したりできる。“位置”はたとえば、特定のお店だったりする…だから文字通り、そのお店へ行く人が増えて売上に貢献するのだ。

本誌が得た情報では、日本でのローンチ時からのパートナーは、マクドナルドとその3000あまりのお店だ。そこが、ポケモンを蒐集したい人たちのためのジムになる。一般企業とのこういうコラボレーション関係は、もしかしたらとても重要だ。Pokémon Goが一過性の流行で終わらずに定番のカジュアルゲームとして全世界的に定着したら、このスポンサー制度は、ゲームのメーカーとブランドの両方にとって、尽きることのない金儲けの源泉になる。

Nianticは最初、北米とヨーロッパを重視していたから、日本はアジアにおける最初のPokémon Goのローンチとなる(オーストラリアとニュージーランドはアジアじゃないからね)。ヨーロッパ各国でもやはり、小出しの段階的ローンチだったから、アジアも今週と来週にかけては、すこしずつローンチが相次ぐだろう。だからしばらくは、毎日々々どこかでローンチ、となるのである。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Pokémon GoはARゲームというより新たなポケモンシリーズに過ぎない

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Twitterの情報によれば、大方みんなPokémon Goで遊んでいるようだ。電気や水といったインフラも主要な社員がピカチュウを捕まえに持ち場を離れてすぐに止まってしまうだろう。

しかし、AR(拡張現実)革命が来るというアポカリプスならぬポケポカリプスの予言に物知り顔でうなずく前に、一歩下がってPokémon Goの成功の要因と、その隠れた危険性について分析してみるのが良さそうだ。

1. ポケモン

Pokémon Goは、これまでに一番売れたビデオゲームのひとつであるポケモンのフランチャイズの上に成り立っている。ポケモンシリーズの販売数は現在までに2億7900万本を超え、メインシリーズ(ポケモン不思議のダンジョンなどのスピンオフを除く)だけでも2億本を超えている。

これまでの販売数という観点からリーダー的存在にあるマリオ(ポケモンの15年前に誕生した)とは違い、ポケモンはメディア資産(映画やテレビ)やトレーディングカードゲームとしても大成功を収めた。さらに私は、1980年代から2000年代前半に生まれた人たちにとって、ポケモンの感情的な重要性に匹敵するようなものはビデオゲームの歴史上ないとさえ思う。

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他のゲームやメディアのブランドももちろん大きな可能性を持っているが、ポケモンはPokémon GoのようなARを利用したゲームの仕組みにピタリとハマるユニークな存在だ。そもそもポケモン自体が、世界中を旅してポケットに収まるデバイスを使いながら偶然ある場所でみつけたものを集めるという仕組みになっている。1999年にNINTENDO64用ソフトとして発売されたスピンアウト作品のポケモンスナップでさえ、(レールの上を)移動しながら野生のポケモンの姿を信頼できるカメラで収めるという内容になっているのだ。

Jenn Frank氏のPaste Magazineに掲載された記事には、彼女と彼女の夫がPokémon GoをほぼライブアクションRPGのようにプレイする様子が書かれており、ポケモンの仕組みとARの相性の良さが純粋に表現されている。そして、その仕組みはこれまで発売されたポケモンシリーズの要となっており、ゲームの表面上にも現れていた。つまり、ポケモンファンはすぐにゲームの基本的なコンセプトを理解でき、現実の世界でポケモントレーナーを演じることを長年夢見てきたのだ。私もその例外ではないかった。

2. Ingress

Niantic Labが開発した最初のゲームであるIngressは、ARを利用したSF系のMMOで、もともとNianticがGoogleの社内スタートアップだった時代に作られた。2012年にAndroid向けのクローズドベータとして配布されて以降、今日まで続いている。実は、Ingress自体がPokémon Goの下地となっており、Ingressのプレイヤーがマッピングした位置情報を基に、Pokémon Go内のジムやポケモンセンターの場所が決められているのだ。

Ingressにはとても熱心なコアファン層が存在するものの、大ヒット作とはまだなっておらず、Pokémon Goの関連数値を見ると、発表から4年経ったIngressの存在が既に小さく見えてしまうことだろう。Ingressの推定プレイヤー数はソースによってかなりの差があり、正式な形で解明するための材料もあまりなかったため、一番多い推定数の700万人超よりも一番少ない推定数である約35万人の方に近い可能性が高いと思われる。

ここでのポイントは、IngressがPokémon Goとよく似た仕組みを持った直接の比較対象となるARゲームであり、4年も前に先手を打っていたが、Ingressではオリジナルのキャラクターが使われているということだ。

Ingress allowed you to create missions, which is what resulted in many of the locations used in Pokémon Go.

Ingressでは自分でミッションを作成することができ、ここからPokémon Goでも使われている位置情報が生まれた。

他にも世界的に有名なキャラクターを使っていない類似ゲームは存在する。昔はロケーションベースゲームの成功例の筆頭であったShadow Citiesは、2013年10月にその幕を閉じた。ゾンビによる世界の終末を描いたロケーションベースMMOのPlease Stay Clamのサービスは現在も続いているものの、アクティブユーザーの数は少ないようだ(その代わりに開発者たちは、レトロなスペースシミュレーションゲームのHalcyon 6へ力を注ぐことになったようだ)。

ところで、Ingressは失敗作ではないということも理解してほしい。NianticがIngressのコアファン層と成し遂げたことは注目に値するし、ゲームの世界観を完全に再現したPokémon Goのローンチで発揮された彼らの能力からもそれが証明されている。しかし、どの側面からみてもIngressはポケモンではないというのも事実だ。実際、私の友人に簡単な調査をしたところ、Ingressというゲームを聞いたこともないという人が大半でも、ポケモンの認知度は100%であった。

3. 欠点はポケモンと違いどこにも逃げていかない

Pokémon Goを楽しむ人がたくさんいる一方で、ゲームを楽しむにあたって乗り越えなければならない潜在的なマイナス面もたくさん存在する。小さな例として、プレイヤーはゲームを進展させるために、実際にある場所から他の場所へと移動するというハードルを越える必要がある。熱狂的なポケモンファンにとっては問題とならないだろうが、中にはそのハードルさえ越えられない人もいるかもしれない。

私はある消費者ブランドの商品に不健康なほどハマっているので、ギャラドスを捕まえるチャンスのためなら3ブロックは歩くだろう。しかし同時に、ノスタルジックなモンスターが歩いた先で私の事を待っていないとしたら、わざわざ周り道をするようなことはないだろう。前述のロケーションベースMMOのひとつに運営として関わっている私の友人は以前、ユーザー行動について彼らが学んだ一番重要なことは、人は世界中を動き回ることなくある一か所でゲームをしたがっているということだと言っていた。

もうひとつの小さな欠点がバッテリー消費量だ。以前のPokémon Goに関する短い記事の中で、私のGalaxy S7のバッテリー残量が5分間で3%も減ったと伝えていた。こちらが、The Daily Dotの編集者Mike Wehner氏が公開した、Pokémon Goのインストールから数日間経った後のバッテリーの使用状況だ。

そして、ゲームに集中するあまり実際にケガをしてしまう可能性もある。過去にIngressが関連した実際の死亡事故も発生している。既にたくさんの人がソーシャルメディア上でPokémon Goプレイ中のケガについて報告しており、運転中に写真を投稿している人もたくさんいる(さらに運転中だということさえ投稿してしまうのだから狂っている)。確かに、中にはクリック数を稼ぐために大げさに言っている記事や投稿もあるが、その裏には本当にケガをする可能性が潜んでいる。ほとんどの人がゲームでケガまでしたくないだろう。もちろんそこに狙っているポケモンがいない限り。

Pokémon Goで遊ぶことが、ある特定の人たち地域にとってのリスクとなる理由は他にもある(またその逆もありえるが)。そして、これまでに挙げられている危険性のほとんどが可能性の域を出ない(そして皮肉にも誇張されている)一方、その全てをプレイヤーが想定しているわけでもない。さらにPokémon Goの人気は、その後に続こうとしている他のモバイルARゲームのための問題解決にはつながらない。

AR技術は、とてつもない可能性や本当の意味での変革を起こす力を秘めている。Pokémon Goとは全く違うが、MicrosoftのHoloLensがその好例で、今後数年の間にもっと磨きをかけてハードウェアの改良を重ねることでHoloLensがどんなものになるのかというのを考えただけでよろめきそうになる。しかし、Pokémon Goが実装しているような、スマートフォンだけを使ったAR技術が現在重大な分岐点に立っているというのは、ほぼ確実に言いすぎだ。

それではこれからポケモンを捕まえに行ってきます。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

GoogleとNintendoが支援するARポケモンゲームPokémon Goが今日からiOSとAndroidにローンチ

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おや、びっくり! GoogleもNintendoも投資しているあの待望の拡張現実(AR)ゲームPokémon Goが今日(米国時間7/6)、あなたの手の中にあるAndroidとiOSデバイスにやってくる。

このゲームはアメリカで5月にベータでリリースされたが、今日ついに、そのほかの多くの国のiOSとAndroidユーザー向けにも発売されるようだ。最初はニュージーランド限定だったが、これはアプリが世界展開されるときのよくある第一歩で、もうすぐ市場が一気に大きく広がる前触れだ。この記事を書いている時点では二大市場のアメリカとイギリスはまだだが、今日の水曜日中には各国で手に入るようになるはずだ。

本誌TechCrunchの常連ライターGreg Kumparakはやや前にこのゲームをプレイし、そのあと、”awesome”(すごい、すばらしい、とってもいい)という言葉しか出てこなかった。

Pokémonゲームで育った人は、今でもプレイしている人はもちろん、必ずGoへ行くだろう。スマートフォンにPokémonのキャラクターを登場させ、戦闘はあなたが選んだ現実の場所で行われる。ゲームのダウンロードは無料だが、一部のキャラクターはアプリ内購入でアンロックする。このゲーム用の35ドルのウェアラブルが、今月の終わりごろ発売される。

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ゲームはIngressにとてもよく似ている。それはPokémon Goを作ったNiantic Labsの名を上げたゲーム、そして同社は昨年、Googleからスピンアウトした企業だ。Ingressは二つのチームが全世界のテリトリーを奪い合う戦闘ゲームで、これまでのオンラインゲームと違って、ARによって現実の世界がゲームの戦場になるところがおもしろい。

現時点〔日本時間7月6日18時〕ではニュージーランドのみだが、iOSはここ、Androidはここでダウンロードできる。ほかの国でもできるようになったら、リンクを更新しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Magic LeapがLucasfilmとパートナーして混成現実によるストーリー表現を実験

Magic Leapは、あなたがロボットと仲良しになってほしい、と願っている。

今日(米国時間6/16)から、この混成現実*(mixed reality)企業はLucasfilmとILMxLABとの提携により、混成現実でストーリーを表現する方法を研究し、作っていくことになった。三社は”Collab Lab”という共同研究所を、サンフランシスコのLucasfilmの敷地内に作る。〔*: 混成現実, “複合現実”とも訳される。〕

ニューヨークで行われたWIRED Business Conferenceで今朝、Magic LeapはこのパートナーシップによるStar Warsブランドの体験の一部を披露した。それは映画の中のホログラムの夢とはほど遠いものだが、ある程度は高度な技術であり、とくに空間性の表現はよくできていて、目の快感だ。

“これからの時代はストーリーの表現と展開が、見るものではなく体験するものになり、つかの間のものではなく恒久性があり、人間が知覚できるものになる。人びとに、ストーリーの中に入っていただきたい。するとストーリーは、まるで生き物のように人びとに反応する”、ILMxLABの執行クリエイティブ・ディレクターJohn Gaetaが、声明の中でこう述べている。“しかしながら、そういう魔法のようなリアリズムが日常生活の一部として自然に定着するためには、その前に高度なプロトタイピングを要する。われわれの‘Collab Lab’は、そのための多様な実践の場だ”。

最近のVRヘッドセットのブームが明らかにしているのは、コンテンツの不在がハードウェアのメーカーにも直接、影響を及ぼすことだ。Magic Leapは、映画やビデオという平面スクリーンではない、混成現実によるストーリー表現がどんな形になるか、その初期的な姿を模索している。

でも未だに私たちは、巨額の投資を得ながら、その製品についてはまだ誰も何も知らない企業について、書かざるをえないのだ。〔皮肉〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

HTCはミックス・リアリティデモで、VR体験がどのようなものかを観客に見せる

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商業的に価値があるかどうか判断する初期の段階にあるVRは、過去のテクノロジーも普及する際の障壁となった課題に直面している。自分で実際に試すことのできない大半のコンシューマーに対し、そのテクノロジーの価値を企業はどのようにして伝えるかだ。

HTCのミックス・リアリティーは面白い解決法だ。拡張現実を方程式に加えることで、観衆はVR環境の中でプレーヤーが何を体験しているかを覗き見ることができる。

「ミックス・リアリティーではゲームの中にいるプレーヤーが見えることで、VRの体験を最もよく理解できる方法です」とHTCでVRプロダクトマーケティングのシニアマネージャーであるJB McCreeは言う。「グリーンスクリーンと共に前景、プレーヤー、背景を撮影しています。それらを全部つなぎ合わせることで、プレーヤーがどのような環境にいるかを見ることができます」。

できあがった映像は原始的な印象を受ける。リアルタイムで書く動画をつなぎ合わせたそれは、ケーブルテレビで見るようなグリーンスクリーンの合成映像だ。しかし、伝えたいことは十分に分かる。それに、人が多い公共の場所でVRヘルメットを被ってVRを体験をしている人の姿がやや滑稽ではなくなる。Space Pirate Trainerの宇宙人も写っていれば、通行人は、VRを体験中の人が挙動不審なのではなく、実際には地球を侵略者から守っている最中なのだと分かるだろう。

HTC Mixed Reality

McCreeは、このテクノロジーは一般のコンシューマー向けに提供するではなく、HTCはVR作品を世に示したい企業に提供するという。「自分たちが手がけていることを他の人に示したい企業や開発者のためのものです。私たちのマーケティング施策は、より多くの人の手にViveを届けることに注力しています。これは、人々にVRでの実際の体験を知ってもらう1つの方法です」。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

AR/VR課程の一学期をまるまるHololensのデモアプリ開発に投じたワシントン大学、その評価は肯定的

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Microsoftのあのおもしろい混成現実(mixed-reality)*プラットホームHololensは、誰もが気軽に試せる状態からはほど遠いが、でもワシントン大学のコンピューター科学の学生は、思う存分遊ぶことができた。〔*: mixed-reality, ARとVRを両方実現できること。〕

とくにそれは、同大のCSE 481Vクラスの学生だ。このコースは、“仮想現実と拡張現実について多くを学び、最新の技術やソフトウェアを熟知し、そして10週間かけてアプリケーションを構築する”、と説明されている。

こんなやり方のコースは、少なくとも同大では初めてだ。国内のVR/AR選手たち、MicrosoftやOculus、Valve/HTCなどからの全面的な賛助もあり、36名の学生が、Hololensの開発チームや、主要なヘッドセットのすべてにアクセスした。Hololensは25台提供されたが、一箇所にこれだけ集まるのも珍しい。OculusのチーフサイエンティストMichael Abrashや著作家のNeal Stephensonなどの客員講師の話も聞かなければならない。Stephensonの“Snow Crash”は、コースの必読書だ。

いまどきの大学は、学生が進んで入学したくなるための、こんなおもしろそうな仕掛けが重要なのだ。

One of the projects had users flying a virtual paper airplane through AR waypoints.

このプロジェクトでは中間点(通過点)がARで表示され、そこに仮想(VR)の紙飛行機を飛ばす。

このクラスのインストラクターの一人Steve Seitzは語る: “昨年、VR/ARクラスの話をHololensの連中に話したら、たいへん前向きの関心を持ってくれた。36人のクラスでまったく新しいデバイスやその開発プラットホームを使うのは、最初ためらったけど、開発環境がとても良くできていることに、感銘を受けた。経験のまったくない学生でも、すぐに使えるし、わずか数週間でけっこう上出来のアプリケーションを作れる”。

どれだけ上出来か、それはコースのWebページで確認できるし、開発過程を記した週刊のブログ記事もある。たとえばARクッキングや、お絵かきアプリケーション、部屋をスキャンする過程のゲーム化など、ほかのアプリケーションで使えそうなアイデアやコンセプトも少なくない。

クラスは、その総仕上げとして大学のキャンパスで公開デモデーを行った。一般人だけでなく、Microsoft ResearchのCVP Peter Leeのような重要人物も見に来た。

それが学生にとって大きな機会だったのはもちろんだが、この分野の企業にとっても実り多いテストの場だ。若い人たちはこの技術に、どのように対しているのか? どんな困難にぶつかったか? どんなツールを望んでいるか? こういうのは、企業側の思惑、下心というより、むしろ学生とのコラボレーションから得られる体験だ。

“Hololensのチームにとってこれは、焦点の絞られた教育的なセッティングでプラットホームを評価でき、初期的なフィードバックを得られる貴重な機会だった”、とSeitzは書いている。チームは、学生たちへの技術的サポートや教育訓練も提供した。

Seitzと、他のインストラクターの一人Ira Kemelmacher-Shlizermanは、来年もまたこのクラスをやりたい、と考えている。ワシントン大学はMicrosoftにとって便利な場所にあるが、同大はこの地域の研究のためのハブでもある。これまで、有名なHITLabで、VRやAR関連のアイデアを数多く開拓してきた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

[ビデオ]LenovoがGoogleのTangoを実装したスマートフォンを、実際に操作してみた

今朝(米国時間6/9)Lenovoが、Googleの新しいコンピューターヴィジョンの取り組みであるProject Tango(今では”Tango”のみ)を実装した世界初のスマートフォンを披露した。

どこが新しいのか? なにしろ、すごーい拡張現実(Augmented Reality, AR) の能力を持ち、しかもそれをすべて、電話機本体の、自分の回りを認識する能力だけで実現している。ビデオゲームがあなたのリビングルームで(ARの)生き物になり、家具にぶつかってはねたり、ソファーの後ろに隠れたりする。

このデバイスの上でデモをいくつか見た。どれも十分にクールだ。でもTangoはまだ始まったばかり。不具合があり、Lenovoのキーノートの間(かん)にも、デモは何度かクラッシュした。しかしTangoは、少なくともその複雑な、ハードウェア駆動の拡張現実というコンセプトは、今後も長寿だろうと思われる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

海軍の研究者たちが拡張現実用のHUDを内部に収めたダイバー用ヘルメットを開発…安全性と作業性のアップ

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合衆国海軍の研究者たちが作ったダイバー用のヘルメット内ディスプレイは、“アイアンマン”に似ている。とくに、主人公Starkの初期のプロトタイプに。この発明でダイバーの安全性と仕事の効率は上がるが、なにしろ外見がクールだ。

海に潜ることは楽しい体験だけど、仕事としてのダイバーは難しくて孤独な作業だ。マスクで視界が制限され、手には厚いネオプレン製のグラブをしている。だからプロのダイバーにとっては、仕事をやりやすくしてくれるものなら、何でも大歓迎だ。とくに、位置を確認したり、衛星やソナーからのデータを見るためのディスプレイが、手首から消えてしまえば本当にありがたい。

研究チームのリーダーDennis Gallagherが、プレスリリースでこう言っている: “HUD〔ヘッドアップディスプレイ〕をダイバーのヘルメットの中に直接置き、外部のディスプレイを不要にすることによって、ダイバーは映画‘アイアンマン’の主人公みたいになる。見たいものは何でもヘルメットの中にある”。…アイアンマンは今や、こういう場合に使う比喩の定番なのだ。

Simulation of what an augmented reality view through DAVD could look like.

DAVDの拡張現実の画面をシミュレートするとこうなる。

情報をDAVD(Divers Augmented Video Display)に送るのは、頭上の船(からの鳥瞰画像)だったり、将来的にはヘルメットに内蔵するカメラやミニソナーだったりする。夜間や濁った水中などでは、とくにこのディスプレイが重宝するだろう。

DAVDは両目で見る立体画像なので、奥行き感がある。本物のARには、欠かせない要素だ。戦闘機などでもHUDを利用しているが、今回の、加圧スーツに収める水中用の無線バージョンは、きわめてユニークだ。

現状はまだプロトタイプだが、Naval Surface Warfare Center Panama City Divisionのチームは、まずファーストレスポンダー(災害等初期対応要員)が使えるようにし、今後は民間のダイバーにも提供していきたい、と言っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマホVRのハコスコがKDDIとアイ・マーキュリーから資金調達、業務提携も拡大

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現地時間の5月18日に開催されたGoogle I/OでGoogleがスマートフォンVRのプロジェクト「Daydream」を発表したばかりだが、日本でもスマートフォンVRに関する動きがあったようだ。段ボール製の筐体を組み立ててスマートフォンを差し込めば、簡単にVRコンテンツを体験できる「ハコスコ」。このハコスコとVR動画共有プラットフォームの「ハコスコストア」を提供するスタートアップのハコスコが5月19日、KDDIの運営するファンド「KDDI Open Innovation Fund」およびミクシィ傘下のマーキュリーキャピタルから合計約5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

ハコスコの創業は2014年7月。代表取締役を務める藤井直敬氏は、MITの研究員を経て、独立行政法人理化学研究所(理研)の脳科学総合研究センター適応知性研究チームのリーダーとして「SR(Substitutional Reality:代替現実技術)システム」の開発に携わってきた。現在は、VRコンソーシアムの代表理事も務めている。2014年にはANRIがシードマネーとして3000万円の出資を行っている。

以前の取材でも聞いたのだが、ハコスコは初月から単月黒字を達成している。ビジネスはハコスコの販売や、アプリを通じたVRコンテンツ配信チャンネルの販売、VRコンテンツの製作など。企業のプロモーションなどで利用されるケースが多く、これまでに約50件の導入事例があるという。その内容は音楽アーティストの映像特典やアート、博物館の企画展と連動したコンテンツなど。筐体の荷台数は17万個。ハコスコストアのアプリダウンロード数はiOS、Android合わせて7万件。特定ユーザーへの限定公開も含めて、約5000本のVR動画がクライアント企業やユーザーからアップされた。

「ハコスコ本体も販売しているが、それだけでは価値を出せない。プラットフォームからコンテンツの提供までワンストップで実現できるのが強み」(藤井氏)。3D表示機能(左右の目それぞれに視差のある映像を表示することでe映像を立体的に見せること)についてはGoogleよりも早く対応している。

今回の資金調達はいずれもCVCからだが、これは事業提携の意味合いも強いためだそう。KDDIは今後VRプラットフォームの営業および集客⽀支援、同社のAR事業「SATCH」との連携を進める。またミクシィとは、先日発表されたばかりの「きみだけ360°チャンネル」を始めとしたVR エンタメコンテンツの開発で提携する。その他にも、エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ、グリー、アマナ凸版印刷、ポニーキャニオン、博報堂/博報堂プロダクツとの業務提携を進める。また、不動産、旅行、冠婚葬祭といった領域での提携も拡大。筐体はこれまでEC限定で販売していたが、今後は大手家電量販店でも販売していく。

ハコスコでは今後、段ボール筐体にこだわらず、スマートフォンだけでVR、ARなどを楽しめるプロダクトも開発していくという。「過去・現在、CG・リアルという4象限で言えば、今までは過去、CGの組み合わせのコンテンツが中心だった。それを現在、リアルなものであっても、(過去、CGと)あまり変わりのない体験にしたい」(ハコスコCOOの太田良恵子氏)。KDDIとの連携でARエンジンを組み込むほか、位置情報などをもとに「ある地点である方向を向いた際にだけ特定の体験をさせる」という、位置ゲー(位置情報ゲーム)のような体験を提供していくとしている。

Augmedixが1700万ドルを調達、Google Glassによって医療の現場に「再び人間味を持たせる」

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すでにGoogle Glassの一般消費者向けの販売は停止されているが、同製品のエンタープライズ向けのビジネスはペースを加速している。今日、Google Glassを利用したメディカルサービスの有力企業の一つであるAugmedixが、重要な資金調達を発表した。同社のCEOによれば、医師の顔をコンピューターの画面から引き離すことによって、医師と患者との交流に「再び人間味を持たせる」ことが目的だ。

サンフランシスコ発のスタートアップであるAugmedixが開発したプラットフォームでは、顧客である医師は患者のリアルタイムに医療データを集め、アップデートし、取り出すことができる。今回、その同社がストラテジック・ラウンドにて1700万ドルを調達した。

この資金調達のすごいところは、その出資者の顔ぶれだ。米国でもっとも規模の大きいヘルスケア企業の5社である、Sutter Health、Dignity Health、Catholic Health Initiatives(CHI)、 TriHealth Inc.が出資者であり、もう1社の名前はまだ公表されていない。これらの企業は、ヘルスケア業界において互いに競合する関係にある。このグループが運営する病院などの医療機関には合計で10万人の医師などの医療提供者が所属し、そこには何十万もの患者が通っている。Augmedixのアイデアは、インターネットに接続されたアイウェアをその医療従事者に提供するというものだ。

この資金調達はシリーズAの後に位置するが、シリーズBの前になる。(CEOのIan Shakilはインタビューで、このシリーズBでの資金調達はまだ開始していないと話した)。そして、この資金調達によって同社の合計調達額は4000万ドルとなった。前ラウンドで1600万ドルを調達したあと、Augmedixのバリュエーションは約1億ドルだった。Shakilは企業価値について公表をしていないものの、私に今回の資金調達は「前回より高い評価を得た、健全なアップラウンドだった」と話してくれた。私の理解では、現在のバリュエーションは1億2000万ドルから1億6000万ドルの範囲であり、おそらく後者に近い金額になるだろう。

Google Glass(とその他のウェアラブル端末)に対するおもな批判の一つは、顔にデバイスを取り付けることによって、交流している人からあなたを遠ざけるというものだ。話し相手もデバイスを装着した人と話をするのは嫌だし、着用者にしても目の前にいる人に集中することを妨げるからだ。

皮肉にも、現在までのAugmedixの成長の背景には、これとは正反対の理由がある。米国の医療システムが抱える大きな問題の一つは、医療従事者が入力し、参照しなければならない各患者ごとのデータの量が膨大であることだとShalkiは述べた。

「Google Glassを装着していない医師は、画面をクリックしたり、図面を描くことに長い時間を費やせねばならず、目の前の患者に集中することができません」と彼は話した。「Google Glassを使って情報を集め、参照することができれば、医師と患者とのより良い交流を促すことができます」。またShalkiは、Augmedixのシステムでは、「みなさんが思っている以上に素早くバックグランドで資料を処理し、そのプロセスに人間味を持たせます」と付け加えた。

これがストラテジック・インベスターたちを惹きつけたようだ。たとえ、それが競合と横並びに資金を投資することを意味するとしてもだ。

Dignity HealthのChief medical information officerであるDavin Lundquist博士は、「Dignity Healthは、外部とのパートナーシップの構築に取り組んでいます。それらのパートナーシップによって、テクノロジーが持つポテンシャルの有効活用ができます。そして、テクノロジーを医療の現場に適用することで、日々の治療において、患者と医療従事者がより良い決定を下すことができるのです」と述べた。「医師がGoogle GlassとAugmedixを利用することで、コンピューターに患者の医療データを入力する時間を省くことができ、より長く患者と接することができます。これによって医師は患者にもっと集中することができ、結果的に患者がより良い医療体験を得ることになるのです」。

Sutter Healthのバイスプレジデントであり、Chief of digital patient experienceでもあるAlbert Chan博士は、「私たちは、患者の皆様がSutter Healthに期待しているような、ハイクオリティで価値の高い医療経験を創り出す事を目指しています。そのために新しいテクノロジー・ツールとサービスを導入することで、より効果的でかつ安価な、患者用にカスタマイズされた治療を提供することができます」と語った。「特に、診察室における医療体験の価値を高めることにおいては、ウェアラブル端末には大いに期待できます。私たちは患者と協力していきます。そして、私たちのデジタル医療のイノベーターのネットワークが成長し、患者と医師の関係を新たな方法で強化することに価値を感じています」。

興味深いことに、「人間化」はこのシステムにおける患者側の側面に限ったことではない。Augmexが利用するソフトウェアは、人間によって構成された大規模なチームがバックエンドで情報を入力し、アップデートすることによって成り立っている。「現状では、このソフトウェアはAIや音声認識機能によってではなく、人間によって支えられています」とShalkiは語る。

しかし、今回調達した資金でAugmedixはその分野における新しいテクノロジーを取り入れたシステムを構築しようとしている、と彼は付け加えた。「将来的には自然言語処理をさらに取り入れたシステムを導入していくつもりです。それによってシステム効率を高めることができます」。Googleの自然言語処理テクノロジーを採用する可能性もあるが(Googleはこの分野に注力している)、Nuanceやその他の企業によるソリューションを採用するかもしれないと彼は話した。

これまで、そしてこれからもGoogle Glassはニッチな製品として扱われている。それでは、現時点でのAugmedixの規模はどれほどの大きさなのか?Shakilによると、現在は「数百の」医師がAugmedixのソフトウェアを搭載したGoogle Glassを利用しており、その大半はカリフォルニア州の南部および中部に集中しているという。この数字はそこまで大きなものには聞えないが、Shakilによると、それぞれの医師は毎月「数千ドル台の前半の金額」を支払っており、これによって「かなり正当な」年間収支が形成されているという。

来年までには数千の医師が同社のサービスを利用する予定だと話し、5年以内には1万人の医師を顧客にするというより大きな目標を語った。今回の新しい出資者たちが合計で10万人の医師や開業医を抱えていることと、これまでに彼らが医療のITに対して費やしてきた金額の大きさを考えれば、10%の市場シェアという数字はそう突飛なものでもないだろう。

現状ではGoogle GlassがAugmedixのビジネスの根幹ではあるが、長期的にはそれが必ずしもGoogle Glassだとは限らないようだ。いかにも、Google Glassはこの分野における先駆けではあるが(そして賢くもエンタープライズ版によってその敷居を下げたが)、それ以降、ユーザーに情報を与えるヘッドセットという分野において、世界は進歩した。現在では、FacebookのOculus、Meta、Microsoft、Samsungといった企業から生まれた拡張現実および仮想現実のハードウェアが存在している。

Shalkiは、今後しばらくはAugmedixのサービスとビジネスはGoogle Glassに特化したものになると語る。(注: DCMやEmergenceなどのVCが同社に出資するなか、GoogleはAugmedixに出資していない)しかし同社は、Shalkiが言うところの「軽いAR」の利用実験もしているという。

Augmedixは、将来的に同社のプラットフォームに機能を追加して、患者と医師とのより良いコミュニケーションを実現したいと考えている。そういった機能の中には、「患者が家に帰って落ち着いてからも、医師の話をもう一度聞ける」という患者志向の機能や、セルフケアのデモンストレーションを提供する機能などが含まれる。

また同社は、医師に対するガイダンスも追加したいと考えている。たとえば禁煙治療や、その他の診療における重要なポイントを医師が思い出すことを助けるためだ。将来、このような機能が、たとえば手術など、ほかの領域にも導入されることも想像できる。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

ARを活用し、タトゥーの様子を事前に確認できるInkHunter

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タトゥーを入れようかどうしようかと悩み続けているのなら、AR機能を備えたInkHunterを試してみると良いかもしれない。どこにどんなタトゥーを入れるかを、後で後悔する可能性をゼロに近づけつつ試してみるためのアプリケーションだ。勢いで唸り声をあげる狼の顔を掘ってしまい、冷静になって後悔するようなことが少なくなるかもしれない(記事末の写真参照)。

アプリケーションには、複数のタトゥーアーティストによる作品サンプルも登録されている。それらの作品を、アプリケーションで実現されたAR機能を使い、リアルタイムに自分の身体の上で試してみることができるのだ。

また自分で作成したタトゥーデザインをアプリケーションに読み込ませ、自分自身の身体の上に生涯にわたってほり込んでおくのにふさわしい作品ができたかどうかを確認してみることもできる。

InkHunter

アプリケーションを使うにあたっては、タトゥーを入れようと考えている場所に、ペンでマークを記す必要がある。マークは絵文字のスマイリーに似た感じだ。使いたいタトゥーを選んでマークした部分の写真を撮ると、マークの部分に選択したタトゥーが写し出されるわけだ。ARの活用事例として、なかなか面白いアイデアだといえそうだ(さらにまた、少なくとも実用性の面ではたいていのVRコンテンツよりも面白みを感じるものだと思う)。

撮影したARタトゥー写真は、あとで参考にしたり、友人とシェアして意見を求めることなどができる。簡単な編集機能を実現するためにフィルターも実装されている(たとえばタトゥーを馴染んだ感じにするブラーフィルターなど)。肌に馴染んできた数年後の見え方などを感じ取ることができそうだ(時が経てば輪郭線などもぼやけてくる。そのような状況をフィルターを使って確認することができるわけだ)。

開発したのはウクライナのエンジニアたちだ。2014年7月に行われた48時間ハッカソンで思いついたアイデアをもとにプロダクトを産みだしたのだそうだ。ハッカソンに参加したメンバーのうち2名が、アイデアをより発展させていこうと決意し、コードを再度練り直し、2週間ほど前にアプリケーションが完成したのだそうだ。そのような事情もあるので、まだ洗練されていない部分もある。ARで撮影されるタトゥーの位置がずれてしまうこともあるようだ。ただこのタトゥーはあくまでも本番のものではないわけで、少々のズレも大した問題にならないとも言える。

CTOのPavlo Razumovskyiが言うように、パフォーマンス改善のためのARアルゴリズムの改良も望まれるところだ。「最新版では、ARタトゥーの表示位置の調整を行ったつもりです。ただし明るさや影の具合、あるいは皮膚上の血管の様子などによってずれることがあるので、それを改善したいと考えています。より正確なポジションに、目的通りの形でタトゥーを表示できるように精度を上げているところです」とのこと。

自作スケッチを登録する仕組みもより高度にして、たとえば必要のない写真やスケッチの削除機能も備えようとしているところだとのこと(今のところは一度登録したものを削除したりすることもできないのだ。改善の余地がまだかなり多いことを示している)。登録画像の閲覧性をあげたり、検索したりする機能も実現したいとのこと。

アプリケーションは無料でダウンロードして使用することができる。ただし、アプリケーション内の作品を試用すると、その作品アーティストのものの購入をかなり強くすすめられることにはなる。作品販売の一部を得ることでマネタイズを行おうとしているわけだ。ただし、タトゥーを入れる人は自分独自のデザインを使いたいと考える傾向もあるので、将来的にはオリジナル作品のオーダープラットフォームとして提供したいという考えももっているようだ。

「タトゥーアーティストが利用者と出会う場を提供したいのです」とRazumovskyiは言っている。「タトゥーを入れてみようと考えた人が私たちのアプリケーションを使って、満足のいく作品を手に(身体に)入れて、作品を提供するアーティストともども満足する舞台を整えたいと考えているのです」。そうした仕組みを提供するための機能も開発中なのだそうだ。

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「ビジネスモデルについても、まだ考え始めたばかりです。まずはタトゥーデザインを依頼する際の5%ないし10%ほどをマージンとしてもらうことを考えています。また掲載作品に対するクリック単価を請求するという方法もあるかもしれません。いずれにせよ、詳細はこれから考えていきたいと考えているところなのです」。

タトゥーを入れることが一般的となっている昨今、InkHunterのようなアプリケーションには確かにニーズがあることだろう。ただし、サービスを広めるためにはより多くのタトゥーアーティストの協力を仰ぐことが必要だろう。これはRazumovskyiたちも理解しているところで、次の版のリリースまでには、提携するタトゥーアーティストを50名にしたいと考えているようだ。そうなるならば、同時にアートギャラリーの閲覧性の向上も必須となる。

なかなか素敵なタトゥーもあり、ARでいろいろと試してみるのも確かに面白い。ただし個人的には、実際のタトゥーをいれるかどうかについては、もう少し考えてからということにしたい。

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(翻訳:Maeda, H

住宅リフォーム店Lowe’sが多様な顧客オプションのプレゼンのためにMicrosoftのHoloLensを利用へ

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MicrosoftとLowe’sが今日、パイロットプロジェクトとして、MicrosoftのHoloLensによる拡張現実バイザーを、Lowe’sの一部の住宅リフォーム店で利用する、と発表した。Lowe’sの計画では、HoloLensを使って買い物客に、キッチンや調理台、家電設備などの、いろいろなデザインを見ていただく。目の前でいちいち、実物を組み立てることなく。

Lowe’sが最初にHoloLensを利用するのは、シアトル地区の数店のパイロットショップで、そこでは主にキッチンのリフォームで使用する。顧客はHoloLensのホログラムを見て、蛇口を選んだり、キッチンアイランド(テーブル型調理台)のサイズを決めたり、リフォームのいろんな要素を検討する。シアトルの次は、ノースカロライナでパイロットを行う。

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これがあると顧客は、ステンレスの蛇口にしようか、それともTrumpみたいなゴールドの蛇口がいいか、迷わなくて済む。お店に再び行くことも、なくなるだろう。

プロジェクトのもっと大きなビジョンは、住宅リフォームの未来像を描くことだ。Microsoftの主張によると、混成現実(mixed reality)(同社は拡張現実(augmented reality)よりもこの語を好む)があれば顧客は、物理的なキッチンモデルの中にいる状態で、その物理的なスペースに合うさまざまなオプションを、ホログラムで見ることができる。長期的には、キッチン以外のリフォームでも利用したい意向だ。

HoloLensのゼネラルマネージャーScott Ericksonが、今日の発表声明に書いている: “キッチンとシャワールームは手始めにすぎないが、われわれはこのようなソリューションが、個々の住宅におけるリフォームのオプションを見て検討するための、理想的な方法だ、と思い描いている。同様に、これまではリビングルームの場合も、テープやボール紙などを利用して家具の配置などを検討していたが、ホログラムを使えば、もっと高品質で、多様な変更の検討ができる方法を、そんな原始的な作業に代わるものとして提供できる”。

HoloLensのデベロッパーエディションは3月30日に3000ドルで発売される。それは、Microsoftの年に一度のデベロッパーカンファレンスBuildの初日でもある。そこでは‘ホログラフオペレーティングシステム(holographic operating system)’に関するMicrosoftのプランも聞けるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インディー系のSF映画Creative Controlに拡張現実の未来の姿を見る

第一世代のGoogle Glassは、どうやら離陸できずに終わったようだが、オンラインの世界に接続できるヘッドセットというアイデア自体は今でもそそられるし、また、ちょいと、人を不安にもさせるだろう。今度封切られる映画Creative Controlのワンシーンを見ていると、そんな気になる。

Benjamin Dickinsonが監督したCreative Controlは、ニューヨーカーたちの生活の“未来の5分間”を描き、架空の拡張現実眼鏡(ARグラス)Augmentaの、ハイテクを駆使した広告キャンペーンがテーマだ。Hollywood Reporterはこの映画を、テクノロジーがわれわれを親密に結び付けず、むしろ孤立の脅威をもたらすことの、ヒッピー的描写、と評している

製作者のAmazon StudiosとMagnolia Picturesは、今週金曜日(米国時間3/11)にCreative Controlを一部の劇場で封切るが、それに先立ち上図のようなクリップをメディアに配布した。その中で主役のDavid(Dickinson自身が演じている)が、Augmentaグラスを使っている。全体的にきわめて日常的なシーンだが、拡張現実が普及したあかつきには、私たちの生活の中でまさにこんな感じになるのかもしれない。このクリップはまた、テクノロジーと特殊効果との合体はそのうち、全然仰々しくない、さりげないものとして使われる、というぼくの想定どおりの感覚も、見せてくれる。

この映画のストリーミングの権利はAmazonが獲得した。ただしこちらの‘封切り日’は未定だ。なお、それでもなおGoogle Glassのことが気になる人は、これで納得できるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

拡張現実(AR)検索エンジンのBlipparがシリーズDで$54Mを調達–現実世界の物なら何でもリアルタイム対応を目指す

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Blipparは、スマートフォンで何かのオブジェクトを指すだけで、いろんなリッチなコンテンツを見せてくれるAR応用企業だ。その同社が今日(米国時間3/1)、シリーズDで5400万ドルの資金調達ラウンドを完了した、と発表した。このラウンドをリードしたのは、マレーシア政府の戦略的投資部門Khazanah Nasional Berhadで、これまでの投資家たちも参加した。

Blipparがローンチしたのは2012年で、そのミッションは、拡張現実を日常的なオブジェクトに持ち込んで、企業やアドバタイザー、パブリッシャーなどに貢献する、というものだ。雑誌のページでもケチャップの瓶でも、オブジェクトをBlippする(スマホをかざす)だけで、Blipparは消費者にいろんな関連コンテンツを見せる。

でも、4年間で大きく成長したBlipparは、単純に企業やパブリッシャーがARのコンテンツを利用するだけ、というサービスではなくなってきた。今では同社は、植物や動物、皿の上の食べ物など、さまざまな現実世界のオブジェクトに、リアルタイムでARコンテンツを提供する。

大企業などはBlipparの機械学習プラットホームを利用して自分たちの製品をインデクシングし、たとえばユーザーがNikeの靴をスキャンしたら、その値段や入手方法などの情報を即座に見せられる。

Blipparの協同ファウンダーでCEOのRish Mitraはこう語る: “インターネットで検索というものを初めて見たとき、その真価が一瞬にして分かった。今では誰もが、検索なしには生きられない。ただし問題は、テキストによる検索には限界があることだ。言葉で物事を説明するのは、本当に難しいからね。Blipparは、システムに言葉ではなく物そのものを見せるから、この問題を解決したと思う。ユーザーがおもしろそうな物を見たとき、すぐに結果が分かるからね”。

新たな資金は、今サンフランシスコに60名いる技術者チームの増員と、リアルタイムのAR検索に必要な機械学習および人工知能技術の増強に充てられる。

Blipparについて詳しく知りたい人は、ここへ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スマホアプリにOCR機能を持たせるためのSDKを提供するAnylineが€1.5Mを調達、拡張現実など可能性は無限

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オーストリアのAnylineは、モバイルのOCR技術をデベロッパーに提供して、アプリにテキスト認識機能を持たせられるようにする。その同社がこのほど、150万ユーロの資金を調達した。投資家たちの顔ぶれが、おもしろい。

まず、エンジェル投資家のJohann ‘Hansi’ Hansmann、busuuの協同ファウンダーBernhard Niesner、Lukas Püsböck、それから合衆国のVC iSeed Venturesだ。しかしいちばん目立つのは、ラウンドをリードしたのがGernot Langes-Swarovskiグループであることだ。

ある投資家が、いみじくも言った: “Svarovski家がラウンドをリードしたということは、やっと‘古い’お金がオーストリアのスタートアップに来るようになったということさ”。

Anyline独自の光学式文字読み取り(Optical Character Recognition, OCR)技術は、スマートフォンのカメラを使ってどんなテキストでも正確にスキャンし、文字、数字、それにプログラムのコードも認識する。協同ファウンダーでCEOのLukas Kinigadnerが言うには、困ってる人たちが多いと思ってこのシステムを作った、と。

“数字の入力も、スマートフォンの上だと、よく間違えるだろ。10桁の長い数なら、みんな間違えるよ。何度も、タイプしなければならない。でも元の数をOCRで読み取れば、一発で正確な入力ができるからね”、と彼は語る。

AnylineのSDKを使えば、アプリケーションはバーコードやパスポートなどもスキャンできる。電気のメーターや(上図)、製品のシリアルナンバー、など、物の上の文字や数字も読める。仕事を楽にしてくれる、便利な用途はいろいろありそうだ。

“今は、いろんな業務をデジタル化しようとしている企業からの引き合いが多い。みんな、サードパーティ製の、信頼できるソフトウェアを使うつもりでいる”、とKinigadnerは述べる。

“ということは、うちのターゲットはソフトウェアデベロッパーであるべきだ。スクラブルゲームなどでデモを見せるとデベロッパーたちは面白がって興味を持つし、Anylineのいろんな可能性を、彼らに教育できるね”。

同社自身が大きな可能性として考えているのは、スマートグラス(電脳眼鏡)にOCR機能を持たせることや、年内に予定している拡張現実(Augmented Reality, AR)への応用だ。そのためのパートナーは、ARプラグインの技術を持つwikitude、ダウンロード可能なスマートグラスSDKを提供しているEpson Moverio Pro、そして流通を担当してくれるKonica Minoltaだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Metaの‘未来的な’次世代AR眼鏡のデモを体験したテクセレブたちが絶賛、一般公開は数週間後か

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【抄訳】
Google Glassと同じころ生まれた拡張現実(AR)眼鏡企業Metaが、同社のARヘッドセットの次世代バージョンを近く発表する。水曜日(米国時間2/10)に同社はYouTubeでビデオを公開したが、その中では何名かのテクノロジーインフルエンサーたちが、まだ公開前のデバイスのデモの、“未来的な”体験をほめている。

先週は未来のテクノロジーの予言者Robert Scobleが、Metaの最新のデモを経験してとても感激していたから、このビデオは明らかに、その追い風に乗ろうとしている。そのデモをScobleは、“これまでに経験した製品デモの中でいちばんおもしろい”、と絶賛している。

このようにコーフンが盛り上がるのは、Metaのサイトに製品の公式リリースまでのカウントダウンタイマーがあるせいでもある。そこでは、あとわずか20日あまりで“革命が始まる”、と豪語している。ただしScobleのFacebookページには、デバイスのリリースはMetaのCEOが来週のTED2016で講演をするときだ、とある。

というわけで具体的な情報は乏しいが、GigaOmの最近の記事は、Metaの今度のリリースはデベロッパーキットであり、消費者製品ではない、と言っている。

上の“じらしビデオ”(teaser)では、オーバーにドラマチックな曲が鳴っているが、そこではMetaの投資家としてやけに目立つRedditのファウンダーAlexis Ohanianが、MetaのAR眼鏡のデモ体験を語っている:

“ここ数年ぼくは、‘未来はこうなる’という予言をやたら口にしているが、その未来の中でまさに今自分が生きている、と思わせてしまうほどの製品デモは、これが初めてだ”、とこれまた大げさな絶賛。

【中略】

Metaは最近シリーズAで2300万ドルを獲得したが、それに対して評価額45億ドルのMagic LeapはシリーズCで7億9350万ドルという怪物のような額を調達している。でも、実際にプロトタイプのデバイスがあって一部の人びとがそのデモを試せるのは、Metaの方だ。MetaのデバイスはGoogle Glassのころからあるけど、そのころから単に魅せるARではなく、コンテンツを手で操作できることに力を入れている。

たとえば下のビデオは、2年前、2014年のCESで、MetaのCEOでファウンダーのMeron Gribetzが、説明しながらデモをやっている。コンテンツを手で操作、の意味が分かる。

もちろん今ではデバイスは小型化されているが、Scobleらのコーフンぶりを見ると、同社のAR技術は何らかのブレークスルーに到達したのではないか、とも思われる。われわれ一般人は今のところ、Metaのサイトでカウントダウンタイマーを見ることしかできなくて、残念だけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ARスタートアップMagic Leapの評価額が45億ドルに、シリーズCで7億9350万ドルを調達

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Magic Leapは、開発するテクノロジーを秘密にしておくことに成功している。彼らは拡張現実と仮想現実のテクノロジーを開発しているが、そのテクノロジーの全貌を明らかにはしていないし、プロダクトもまだリリースしていない。しかし、資金調達の具合は公然の秘密だ。本日、またその一部が明らかとなった。Magic LeapはシリーズCで7億9350万ドルを調達したと発表し、彼らのスポークスマンはMagic Leapの投資前の評価額は37億ドル、投資後の評価額は45億ドルとなったと私たちに伝えた。

まだ商業用プロダクトがローンチされていないにも関わらず評価額が45億ドルだ。

最新の投資ラウンドは、中国の大手Eコマース企業Alibabaが牽引した。既存投資家のGoogleとQualcomm Venturesも参加している。新規の投資家には金融業界の大手企業とエンターテイメント企業も参加していた。Warner Bros、Fidelity、J.P. Morgan、Morgan Stanley、T. Rowe PriceとWellington Management Coだ。(DisneyがMagic Leapに少しも関わっていないのを不思議に思うのは私だけだろうか?)

本日の発表で、Magic Leapがいつプロダクトをローンチするかの詳細を知ることはできなかった。彼らにその質問を尋ねてはいる。Magic Leapのファウンダーは、基本的な情報とこのスタートアップが同社のテクノロジーをどのように多種多様なデジタルメディアに届けるかを伝えている。

「Magic Leapでは現在、デジタルと物理的な現実感がスムーズに統合した全く新しい体験が得られる世界を構築しています。今回の資金調達で皆さんにMixed Reality Lightfieldの体験を届けるための開発を加速させることができます」とMagic Leap, Incのファウンダー、プレジデントでCEOの Rony Abovitzは声明で伝えた。「私たちは戦略パートナーとしてAlibabaを迎え入れられたことを嬉しく思います。Alibabaのプラットフォームを通して4億人以上の人にMagic Leapのプロダクトを届けることが可能となります」。

今回の投資ラウンドに伴い、AlibabaのJoe TsaiがMagic Leapの役員に加わる。

「私たちは市場をリードするプロダクトやテクノロジーを開発する先進的で革新的なMagic Leapのような企業に投資しています」とAlibabaのExecutive Vice Chairmanを務めるJoe Tsaiは言う。「AlibabaはMagic Leapをサポートし、互いから学ぶことも多くあるでしょう。Magic Leapのチームと共に働けるのを楽しみにしています」。

Alibabaの参加は、Magic Leapにとって財政面での強化となる他にAlibabaにとっても戦略的な意図が含まれているだろう。Eコマースの成長を妨げる大きな要因の1つは、ユーザーが自分自信の目で物理的な商品を見ることができないことにある。

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AR体験が良くなれば、仮想空間で購入する物がどのようなものなのかユーザーはより近くで細かく見ることができるようになるだろう。上の動画を見て、手の中にあるのがかわいい像ではなく、例えばカメラや宝飾品や水着だとして、それをすぐに「試着」することができたらどうだろう。さらには、仮想の店舗を作り、ユーザーが現実の物理的な店舗と同じようにショップを見て回ることができるようになるかもしれない。

この投資ラウンドは突拍子もないことにように聞こえるかもしれない。特に現在の市場環境では、最も約束されたテクノロジースタートアップの価値も下がり、私たちの元には他にも多くの企業がそれに続くという話も聞く。しかし気が狂っているように見えてもそうなる理由があるのだろう。

Magic Leapはこのテクノロジーの開発に何年も費やしてきた。それもただ単にコードを書くだけでなく、処理能力や全く新しい物を開発するために必要な開発と検証の環境から整えてきた。それでもこれはギャンブルであることに違いない。他のテクノロジー同様、一時は高い評価を得ても、どこかの時点で価値が急落することもあるだろう。しかし今のところ、何か革新をもたらすだろう企業の価値はこの価格ということだ。

Magic Leapに投資している他の企業は、Legendary Entertainment、KKR、Vulcan Capital、Kleiner Perkins Caufield & Byers、Andreessen Horowitz、Obvious Venturesだ。これまでにMagic Leapは5億9200万ドルを調達している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Appleが拡張現実/仮想現実の研究家を社員に招く…果たして何が生まれるのかな?

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テクノロジの次の重大局面の座にすわる者は絶対的に、拡張現実と仮想現実である、とする説が喧しい。そんな中で、目立つほど静かだったAppleだから、同社のAR/VRに関する一挙手一動にはみんなが注目する。

Financial Timesの報道によると、Appleはこのほど、AR/VRのスペシャリストをチームに招いた。その、3Dインタフェイスに関する著書すらあるDoug Bowman(彼は3D User Interfaces: Theory and Practiceの主席著者)は、バージニア工科大学のコンピュータサイエンスの教授で、Center for Human-Computer Interactionのディレクターだったが、休暇を取ったのちにクパチーノの巨大テクノロジ企業に加わる。大学の職員経歴ページによると、彼は2007-2008年に行われたIEEE Virtual Reality Conferenceの総合議長を務めた。

Bowmanは1999年からバージニア工科大学に在籍し、拡張現実と仮想現実に関するさまざまな記事を発表し、共著もした。それらは、 “Virtual Reality: How Much Immersion Is Enough?”、”3D User Interfaces: New Directions and Perspectives”、”The Effects of Visual Realism on Search Tasks in Mixed Reality Simulation”などだ。

FTの報道でとくにおもしろいのは、彼はMicrosoftがHoloLensの普及促進のために出している10万ドルの研究助成金を、最初にもらった人物であることだ。そのときの研究テーマは、“大規模な混成現実データの共同分析”だった。

彼の履歴書をざっと見ただけでも、AR/VRの研究で多数の華々しい成果をあげていることが分かる。AR/VR分野への、少なくとも関心ぐらいはすでに示しているAppleにとって、たしかにうってつけの人材だろう。履歴書の詳細注記によると、彼の研究関心は三次元ユーザインタフェイス、仮想環境、仮想現実、拡張現実、そして人とコンピューターの対話だ。

競合するGoogleやFacebook(Oculus)、Samsung、HTCなどと違ってAppleはまだ、仮想/拡張現実における本格的なハードウェアやソフトウェアの取り組みを公式に発表していない。しかし特許の出願や同社の360度ビデオなどを見るかぎり、同社がその実験をやってることは確実だ。AR/VRがAppleの次の事業、と決めつけるのは短絡的だが、今回のようなスペシャリストの招聘から将来何が生まれるのか、ぜひ注視していきたい。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。