脱クラウドして自前のインターネット・インフラストラクチャを構築する企業を助けるInflect…難しい買い物の最適解を提供

AWSのような快適安全なパブリッククラウドから、自前のインフラに移ることになると、面倒なことがたくさんある。たとえばデータセンターやネットワークやエクスチェンジ・プロバイダーを選ばなければならない。でも、これらのインフラストラクチャサービスを迅速に買い整える能力の持ち主が、チームにいないことのほうが、むしろふつうだろう。

今日プレビューでローンチしたInflectは、その全過程を容易にしてくれる。サンフランシスコの同社が顧客としてねらうのは、パブリッククラウドで大きくなり、そして今やそのサービスの一部を、プライベートクラウドへ移す必要が生じた企業だ。移行の理由は、経費節減や特別のニーズなど、さまざまだ。COOのCharles Stewartはこう語る: “そんな幸運な少数者は、なにもかも一つのクラウドに放り込んでおける状態ではなくなってる。成長の過程でそんな曲がり角(inflect)に来ると、そんな厳しい驚きに見舞われるのだ”。

これまでは、データセンターや通信企業を買うことは手作業だった。たくさんの情報を調べ、それらを検証して、それから数社の営業に会う。でも企業のインフラストラクチャチームにとっては、これが彼らの足を重く引っ張る。

Inflectは、そんな企業に一つの中立的なツールを与え、それを使って正しいソリューションを見つけてもらう。そして、正しいインフラストラクチャプロバイダーを紹介する。

Stewartが強調するのは、Inflectが中立を志向することだ。データをさまざまなソースから集め、ユーザーが情報に基づく決定をできるように導くが、決めるのはあくまでもユーザーだ。それどころか、同社のサービスは今のところ無料だが、今後はユーザーが行う買い物(例: データセンター)を同社のプラットホーム上からできるようにして、それを収益源にしたい、と考えている。

以上はきわめて単純明快なサービスに思えるから、これまでそんなサービスがなかったことが不思議だ。同社が言うその理由とは、多くのサービスプロバイダーからデータを集めることが、たいへんな作業だからだ。簡単容易にデータにアクセスできないところも、ざらにある。外部に対してデータを出し渋るサービスプロバイダーもあるし、自分のサービスが必要としないかぎりはAPIすら作らないところもある。この公開APIをめぐる状況は、ぜひ変わってほしいとInflectは望んでいる。同社は通信企業とはすでに親密な仲を築いており、データも他社に比べれば得やすくなっている。また、PeeringDBからのデータも使っている。

目下Inflectは、AmazonのAWSプラットホームから自己サーバーへ移行しようとする企業を顧客としてねらっている(戻りたければAWSに素早く戻れるように、というニーズもある)。将来的には、ほかのプラットホームのユーザーもサポートしていきたい。ユーザーが自社の既存のインフラストラクチャに関する情報をタグを付けてInflectにアップロードすると、それを基に最適解を選び出す。

Inflectはこれまで、200万ドルのシード資金を調達している。その資金で同社は、今年の第三四半期の終わりごろまでにサービスを一般公開へ持って行きたい、と考えている。そしてその次は、サービスを拡張するための新たな資金調達を目指す。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

‘サーバーレス’のブームに乗り遅れなかったTwilio Functionsはデベロッパーがサーバーのことを忘れて通信アプリケーションを書ける

デベロッパーに通信APIを提供しているTwilioが今日(米国時間5/25)、Twilio Functionsというものを立ち上げて、世に言う“サーバーレス”プラットホームの仲間入りをした。FunctionsもAPIの一種だが、これを使うとデベロッパーは、サーバーの運用とかインフラストラクチャの管理、スケーラビリティなど低レベルの問題をすべて忘れて、自分のイベント駆動アプリケーションの構築に専念できる。

Twilioの今日の発表声明でプロダクト担当VP Patrick Malatackはこう言っている: “コードは書くことはクリエイティブな仕事だから、たとえばクラウドを利用する通信アプリケーションを作るデベロッパーや企業は、顧客がそれから得る体験に集中すべきであり、サーバーの管理に時間と精力を取られるべきではない。通信の未来を築くのはデベロッパーの創造力であり、Twilio Functionsはそれを支える。これを利用するデベロッパーの仕事ぶりを見るのが、今から待ち遠しい”。

というわけで、インフラのメンテナンスやスケーリングに煩わされることなくデベロッパーは、一連のファンクションを使って自分のコードをTwilioのプラットホーム上で動かせる。たとえばそれは、新たにSMSのメッセージが来るたびに何かをするアプリケーション、だったりするだろう。具体的には、デベロッパーはJavaScriptでコードを書く。するとTwilioはそのコードをNode.jsの標準的な環境で実行する。そのNode.js環境は、Twilioのインフラ上にある。

率直に言って、“サーバーレス”は、ぼくのあまり好きくないバズワードの筆頭だ(“ハイパーコンバージド”と肩を並べるかな)。たしかにそれは、サーバーなどのインフラを抽象化してデベロッパーの念頭から消し去ってしまうけれども、プログラミング上の重要な含意は、それよりむしろ、入ってくるイベントに対応してコードの実行がトリガされる、イベント駆動型のプログラミングである、という点にある。

このイベント駆動モデルのもうひとつの約束は、計算機資源の使用料を、実際に使ったぶんだけ払えばよい、ということにある。たとえばTwilio Functionの場合は、最初の10000リクエストは無料、その後は1リクエストごとに0.0001ドルだ。リクエストに(==イベントに)応じて、静的ファイルをサーブしてもよい。その場合も、最初の10000リクエストは無料、その後は1回につき0.0001ドルだ。

これらすべてを動かすのがTwilio Runtime、そこにはヘルパーライブラリやAPIのキー、構成済みの諸資産、デバッグツールなどがある。

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MicrosoftはWindowsの開発にGitを使う、そのための仮想ファイルシステムGVFSをすでに開発済み

Microsoftは今日(米国時間5/24)、これからは同社のエンジニアのほとんど全員が、バージョンコントロールシステムGitを使ってWindowsオペレーティングシステムを開発していく、と発表した。WindowsのGitリポジトリには約350万のファイルがあり、それらをGitにチェックインするとしたら、その重さは約300GBになる。しかしながらGitはそんなサイズのプロジェクト向けには作られていないので、MicrosoftはGit Virtual File System(GVFS)というものを作って、Gitのもっともシンプルなコマンドでも完了まで数時間待つということなく、Gitを使う利点を得られるようにした〔秘かにローカルマシン上ですべての操作を行う〕。

そのGit Virtual File SystemのコードはGitHub上でMITライセンスにより提供され、今後のコミュニティからのコントリビューションを歓迎している。

Gitへの移行には、約3か月を要した。それまでMicrosoftは、Source Depotを使ってWindowsのコードを管理し、それ以外の小さなコードベースを抱えるグループは前からずっとTeam Foundation Serverを使っていた。私の理解では、Source DepotはPerforceプラットホームのMicrosoftによるフォークであり、同社の今日の発表ではWindowsのコードは最初、40あまりのデポに分散していた。

最近の3か月でMicrosoftは、Windowsのデベロッパーの一部をGitのリポジトリへ移してシステムをテストしていた。それから3月には、Windows OneCoreチームの2000名のエンジニア全員にGitを展開した。今日では、Windowsチームのほぼ4000名のエンジニアのうち約3500名が、Gitへ移行している。

なお、Microsoftによると同社は、Git Virtual File System(GVFS)のための、Gitのプロキシソリューションを構築して、世界中に分散しているチームには避けられない帯域の問題を管理している。

さらに今日のMicrosoftの発表によると、AtlassianなどいくつかのGitベンダーがすでにそれをサポート、またTower、GitKrackenなどはサポートを準備中である。GVFSをテストするためには、MicrosoftのVisual Studio Team Services(VSTS)上にレポジトリを作るとよい(そのためにはVSTSのアカウントが必要)。

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マイクロサービスの集まり(単一/複数アプリケーション)を安全に管理するプラットホームIstioをGoogleとIBMとLyftが共同で立ち上げ

マイクロサービス(microservices)は、大きなアプリケーションを小さな部品に分割して、それらがAPI経由で互いに通信し合う、という開発方式だが、今ではとくに、コンテナをベースとするマイクロサービスが、多くのデベロッパーのあいだで最大人気のアプリケーション・アーキテクチャになっている。しかし、小さなサービスの大軍を管理することには、それなりの課題が伴う。デベロッパーとDevOpsたちが彼らのマイクロサービスベースのアプリケーションを管理しその安全を確保できるために、Google, IBM, およびLyftが今日、デプロイしたサービスのネットワークを作れるオープンなプラットホームIstioを発表した。そしてそれには、ロードバランシングやサービス間認証、モニタリングなどのツールが含まれている。

このプラットホームの利用にあたって、既存のアプリケーションの変更は必要ない。その理由として、Istioはネットワークのレベルにいて、ユーザーのマイクロサービス間のネットワーク通信をプロキシを使って捕捉するからだ。使用するプロキシはLyftが開発したEnvoyで、そのほかにサービス発見やロードバランシングのためのツールも含む。

Istioのチームはこう説明する: “一枚岩的なアプリケーションがマイクロサービスの集合に分解されると、分散システムの上で複数のサービスを統合していくことが、新たな課題になる。そしてそのためには、サービス発見、ロードバランシング、フォールトトレランス、エンドツーエンドのモニタリング、機能の実験のための動的ルーティング、そしてとりわけ重要なコンプライアンスとセキュリティを備えなければならない。これらを揃えるにあたって不整合が生じたり、つぎはぎだらけのライブラリやStackOverflowで拾ったコード片を使ったりしていると、複数の言語やランタイムにわたって互換性を欠く、ばらばらなソリューションができあがり、観察性/観測性が劣化し、その結果セキュリティが壊れることも少なくない”。

単一のライブラリに標準化してサービス間の通信を管理することは、理論的には可能だが、実際にはなかなかありえないことだ、とチームは主張する。そこで既存のサービスがそのまま残り、柔軟性を欠くことになる。

Istioはデベロッパーに単一のサービスメッシュを提供し、その中に、ロードバランシングやフローコントロールやセキュリティポリシーの実装に必要なモニタリングサービスがあって、ネットワークの信頼性が落ちてもアプリケーションが動き続けられるようにする。また、複数のアプリケーション間の通信に必要な認証とセキュリティを、TLS接続により提供する。そうするとデベロッパー自身は、証明の管理などの雑務を免除される。

IstioにはGoogleも参加しているから、今のところはコンテナオーケストレーションサービスとしてKubernetesしかサポートしていないが、いずれは他の環境もサポートしていく計画だ。むしろIstioの基本的な考え方は、特定の環境に縛られないことだから、今後はMesosなどもサポート対象になるだろう。またGoogle自身も、同社のユーザーAPI提供/管理プラットホームCloud EndpointsやApigeeをIstio対応にする措置を講じている。Googleは昨年Apigeeを、6億2500万ドルで買収した

ただし、今やKubernetesプロジェクトの‘公共的住処(すみか)’となったCloud Native Computing Foundationにも、Istioに類似したプラットホームlinkerdがある。linkerdはすでに、DockerとMesosphereのDC/OS(データセンターオペレーティングシステム)のサポートを提供している。

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Airbnbが社内にデータサイエンス大学を開校、非技術系一般社員も対象

テクノロジー企業と、最近ではますます多くの一般企業が、データサイエンティストの不足にあえいでいる。どの企業にも独自の雇用と教育の戦略はあるが、Airbnbはさらに一歩進んで、独自のコース番号までつけた、大学みたいな社員教育事業を立ち上げた。

そのData UniversityでもってAirbnbは、全社員を“脱データ音痴”するつもりだ。CourseraやUdacityのような一般的なオンラインコースでは、データとツールに関するAirbnb独自のニーズが満たされない。そこで同社はコースの設計から自社で取り組み、社員のニーズに合わせてそれらを3段階のコース番号レベルに分類した(下右図)。

100のレベルは、人事や企画の人たちも含め、全員が受講できる「データに基づく意思決定」。

中級クラスはSQLやSuperset(Airbnb製オープンソースのデータ可視化ツール)を勉強して、一般社員でもプロジェクトマネージャーになれる。上級のPythonや機械学習のコースでは、技術系社員がスキルをブラッシュアップする。

2016Q3に立ち上げたこの事業により、同社のデータサイエンスツールの各週のアクティブユーザー数がそれまでより30〜45%増えた。同社の500名の社員がすでに、少なくとも1つのクラスを受講している。まだ、全世界22のオフィスに全展開してはいない。

Airbnbはこれまで4度、データサイエンスの教育事業をトライしている。分析実験チームのプロダクトマネージャJeff Fengによると、その経験から得られた重要な教訓が三つある:

  • 誰もがとっつきやすいカリキュラムを設計すること
  • 上級管理職が部下部員に対してデータ能力の重要性/必要性を喚起すること
  • 成功を測る方法を見つけること

ほかの企業が社内でデータサイエンスのコースを立ち上げるときも、これらが参考になるはず、とFengは言う。この事業は、かつてGoogleを他から大きく差別化することに貢献した社内クラスを参考にしているようだ。Googleの場合は技術系のコースと一般コースの両方があり、データの視覚化も教えるし、簿記も教える。

Airbnbは、その初級データサイエンスクラスの開設にあたって、それが技術者だけを対象とするものではない、と訴え、そして、より本格的に技術を学びたい者のために今後もっと上のレベルの上級クラスをひらく、と声明している。

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Windows 10のBashシェルはUbuntuだけでなくFedoraやSuSE上でもサポート、デベロッパーの要望に対応

Microsoftの昨年のデベロッパーカンファレンスBuildで最大の驚きは、同社がUbuntu系LinuxサブシステムをベースとするBashシェルのサポートを、Windows 10に組み込もうとしていることだった。その機能はWindows 10 Anniversaryアップデートのリリースとその後の数か月で広範囲に実装され、その後のアップデートも頻繁に行われたが、Ubuntuがベースであることは変わらなかった。しかし今日の同社の発表では、これからはOpenSuSEFedoraのサポートも加わることになる。

デベロッパーがWindows 10の設定メニューで“developer mode”を有効にし、Linuxのサポートを指定すると、デベロッパーはWindows Storeへ行って三つのLinuxシステムのどれかのサポートを、クリック一つでインストールできる。なお、このインストール手続きは、以前のそれに比べると新しくて大幅に使いやすくなっている。さらにまた、Linuxの三つのフレーバーをすべて並行的に動かすこともできる。

MicrosoftのWindows Developer Platform担当VP Kevin Galloによると、Bashと競合するほかのシェルのサポートはリクエストが多くなくて、しかしUbuntu以外のそのほかのディストリビューションのサポートは、リクエストがとても多かった。最近のMicrosoftのお題目は“デベロッパーがいるところでデベロッパーに会う”(meeting developers where they are)だから、そのほかのLinuxベンダーと協働して、彼らのディストリビューションもサポートすることにしたのだ。

Bashシェルが三つあって、それぞれがWindowsデスクトップの上で並行に動く複数のLinuxフレーバーの上で使えるなんて、なんだかけったいではあるけど、たぶん最近のMicrosoftとデベロッパーの関係は、そのほかの面でもこんな具合なのだろう。オープンソースのエコシステムは最近の数年間で、かなり様変わりしたのだ。


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Apple App Storeのアフィリエイトのコミッション引き下げはアプリ内購入だけがターゲットだ

Appleは2週間前に、App Storeの全品目のアフィリエイトのコミッションを7%から2.5%に下げる、と発表した。Appleはこのほど、この変更を明確化して、コミッションのカットはアプリ内購入にのみ適用される、と述べた。

これがAppleの発表声明だ:

アフィリエイト事業に対して行った変更について、明らかにしたい。iOSのアプリ内購入はすべてコミッションがグローバルに7%から2.5%に下げられ、そのほかのコンテンツタイプ(音楽、ムービー、本、有料のiOSアプリ、TVなど)は現状の7%のままである。

Appleのこの心変わりに最初に気づいたのはMac Gamer HQだ。たぶん、予想以上に大きな反発があったのだろう。AppleのコミュニティのWebサイトは、その多くが収益をこのコミッションに依存している。

だれかがその商品やサービスのリンクをクリックすると、Appleは売上のごく一部を、その売上に導いたパートナーに支払う。デベロッパーは今でもアプリの売上の70%を取る。残りがAppleの取り分だ。

だからAppleがなぜアプリ内購入のコミッションを下げたいのか、よく分からない。たぶん同社は、アフィリエイト事業を利用してユーザーがアプリ内購入をタップしたらお金が入る、という方式をあまりにも多くのデベロッパーが利用していることに、気づいたのだろう。それは、最初にWebブラウザーにリダイレクトされるから、ユーザーにとっても愉快な体験ではない。

あるいはそれとも、今後さらなる変更があるのかもしれない。来月行われるWWDCで、App Storeのいろんな再調整が発表される、その前兆かもしれない。

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Intel/AMD系仮想サーバーではなくARM系の省エネ物理サーバーを提供するホスティングサービスScaleway

Iliadのクラウドホスティング部門Scalewayが今日(米国時間4/27)、新しいタイプのサーバーをローンチした。ユーザーが専用サーバーとしてわずか1分で立ち上げられるそのサーバーは、プロセッサーがARMv8(2コア)、RAM 2GB、SSD 50GB、帯域無制限、という仕様だ。そして料金は月額わずか$3.25(€2.99)だ。

今、PCとスマートフォンでは、使っているチップセットがまったく違う。あなたのラップトップが使っているのは、IntelやAMDが作ったx86系のCPUだが、あなたのスマートフォンはARM系のsystem-on-a-chip(SoC)を使っている。

ARM系のデバイスは大量の冷却を必要とせず、しかも電力の利用効率が良い。またそれらは、日に日に強力になりつつある。だからそれらのチップをサーバーに使うのも、賢明なやり方なのだ。

クラウドホスティングサービスとしてScalewayを使うことは、多くの点で、DigitalOceanやLinodeなどの典型的なVPS*プロバイダーを利用することとあまり変わらない。でも大きな違いは、Scalewayが上記のようにベアメタルのサーバーを提供することだ(仮想サーバーを使うオプションもあるが)。〔*: VPS, virtual private server,仮想プライベートサーバー〕

このところ、クラウドコンピューティングの主流といえば、よほど特殊なニーズがないかぎり、物理サーバーを借りないことだ。クラウドホスティング企業はひとつの物理サーバー上で複数の仮想サーバーを動かし、ユーザーはそれらの仮想サーバーを借りる。

サーバーを複数の小さな塊に分割してリソースをプールするやり方は、デベロッパーにとってとても柔軟性〔==自由度〕がある。たとえば中国に旅するときは仮想サーバーを一つ作ってVPNをインストールし、数日後にはそのサーバーを壊せる。使った時間にだけ課金されるから、30日契約でサーバーの利用登録をするよりも、ずっと柔軟性がある。

あるいは新規ユーザーが増えてトラフィックに大きなスパイクが生じたら、使用するサーバーの数をすぐに増やせる。Scalewayは自分のウィークエンドプロジェクトに使っているが、それも好調だ。

Scalewayは、仮想と物理、両者の良いとこ取りをユーザーに提供する。物理サーバーの信頼性と、仮想プライベートサーバーの柔軟性だ。一つのサーバーをほんの数秒で作ってIPアドレスを割り当て、イメージをロードしてSSDをくっつける。

でもそれらのARMv8のコアを使っているのは、あなた一人だ。CPUのパワーを誰とも共有していないから、突然のパフォーマンス低下に悩まされることはない。共有者はいない。

Scalewayのsystems-on-a-chipは、Cavium社のThunderXだ。月額€2.99で、ARMv8のコア2つとRAM 2GBを使える。4コアRAM 4GBや8コアRAM 8GBを選んでもよい(それぞれ€5.99と€11.99だ)。Scalewayは最近までARMv7のサーバーだったから、これは重要なアップデートだ。

Scalewayがこの新しいARM系サーバーを立ち上げるのは、まずフランスのデータセンター、数日後にはアムステルダムだ。アメリカやアジアにも新しいデータセンターを立ち上げて、ヨーロッパ以外のユーザーもどんどん獲得してほしいね。

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Facebookが簡単なVRアプリを作るためのJavaScriptフレームワークReact VRをオープンソースでローンチ

Facebookは今日(米国時間4/18)、同社のデベロッパーカンファレンスF8で、React VRのローンチを発表した。これは、JavaScriptで仮想現実体験を構築できるためのJavaScriptフレームワークだ。Webアプリケーション用の同社のフレームワークがReactであるのに対し、仮想現実用のReactという意味でReact VRという名前になっている。つまりReactと同様の宣言型の書き方で、360度体験のアプリケーションを作れるのだ。

当然ながらReact VRは、WebGLやWebVRといった既存のWeb技術を利用して仮想現実体験やセンサー群との対話を実装している。現状はまだ、複雑なVRゲームを作れるレベルではなく、3Dモデルを記述できるとはいっても、2DのUIやテキストや画像に360度のパノラマを容易に組み合わせることができる、という程度だ。

Reactで何かを作った経験のある人なら誰でも、React VRを楽に使えるだろう。またもちろん、Reactのエコシステムにある既存のツールの多くを利用できるだろう。

ふつうのモバイルアプリよりもきついのは、VRアプリが60fps(できればそれ以上)の描画を要することだ。すでにReact NativeがJavaScriptでは難しいとされる問題の多くに対応しているから、React VRのチームはそのアプリケーションの高速高性能化に、それほど苦労せずに済んだようだ。

React VRのコードはGitHubで入手できる。何か作ってみたくなった人は、ここでドキュメンテーションを読もう。

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Googleの“正しい色の使い方”ツールを使って見やすい・読みやすいWebページを作ろう

GoogleのMaterial Designガイドラインは、アプリケーションのデザインのさまざまな側面、レイアウトとかアニメーションの効果的な使い方などなどの、統一を指向している。今回はそのガイドラインの一環として、色の正しい使い方が加わった。今日(米国時間4/6)同社がローンチした新しいカラーツールは、デベロッパーやデザイナーが彼らのアプリケーションで正しい色を使うよう、仕向ける。

この新しいツールを使ってデベロッパーはカラーパレットを作り共有できるが、でもたぶんいちばん重要なのは、その配色をユーザーインタフェイスのサンプルに適用したり、あるいは、
Webのフロントエンドを作って(書いて)いるデベロッパーのための、サードパーティ製の“遊び場CodePenにあるコンポーネント(ページ部品)にも適用できることだ。

この新しいツールでもうひとつおもしろいのは、ユーザーが作った配色ではテキストの可読性がどうなるかを、自動的に評価してくれる機能だ。その評価はWeb Content Accessibility Guidelinesに準拠しており、目に障害のある人にとっても読みやすい、テキストと背景のコントラストを重視している。ライトグレーの背景にダークグレーのテキスト、という配色をたくさん読まされている人も、思いは同じだろう。

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Googleがモバイルサイトのデベロッパーのための資格認定事業を開始、ページロードのスピードに重点

Googleが今日(米国時間4/31)、モバイルサイトのデベロッパーのための資格認定事業を立ち上げた。試験の範囲は、モバイルサイトの特殊性、モバイルサイトのスピード向上策、モバイルの効果的なUXデザインなど。先進的なWebアプリケーション、といった高度なトピックも含まれる。

この試験に合格することの意義は、Googleによると、“高品質なサイトを作ったり最適化できる能力を示し、自分をGoogle公認のモバイルサイトデベロッパーとして宣伝できる”、だ。

学習案内(study guide)は、サイトのスピードに関する内容が多い。Googleによれば、モバイルサイトを訪れる人の多くが、ロードに3秒以上かかるサイトからは逃げてしまうが、モバイルのランディングページ(サイトの入り口ページ)の平均ロード時間は22秒だ。サイトが完全にロードされないでユーザーが逃げていけば、Googleの主要収入源である広告もクリックされない。

なお、試験はAndroidやiOSなど、特定のモバイルオペレーティングシステムを対象としてはいないが、Google独自のAccelerated Mobile Pagesプロジェクトはカバーしている。Google独自といっても、最近は多くの他社がこれをサポートし始めている)。

この新しい資格認定は、前からあるAdWordsやAnalyticsの試験と並んでGoogleのパートナー事業の仲間入りをする。ただしAdWordsは、試験が複数あるので、やや面倒だ。


[ページをスクロールさせるなどのアニメーションを実現するJavaScriptは何ミリ秒以内なら妥当か]

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Googleが同社のオープンソースプロジェクトをすべて一箇所にまとめたサイトをオープン、関連ドキュメントも充実

Googleが今日(米国時間3/28)、同社のオープンソースプロジェクトをすべて一箇所にまとめたサイトを立ち上げる。

これらのプロジェクトのコードは今後もGitHubと、Google自身がホストしているgitサービス上にあるが、この新しいサイトの機能はそれらのための中央的ディレクトリ(目録)だ。しかもGoogleのプロジェクトを陳列するだけでなく、Googleがソースコードをオープンにする場合のGoogle独自の“やり方”を開示することも目的だ、という。

Googleの社内におけるオープンソースのやり方については、すでにいろんなドキュメントが公開されているから、今さら何を、という部分もあるが、Googleの今日の発表声明はこう言っている: “弊社のポリシーと手続きは、われわれ自身の長年の経験と、そこで学んだことを反映している。オープンソースへの弊社独自の取り組みが、誰にとっても正しいとは限らないし、むしろいろんなやり方があって当然だから、これらのドキュメントを‘ハウツー・ガイド’としては読まないでいただきたい”。

現在これらのドキュメントがカバーしている話題は、Googleが新しいプロジェクトをリリースするときのリリースプロセスに関する情報や、プロジェクトへのパッチを提出するやり方、そして同社がサードパーティのオープンソースプロジェクトを社内的に利用するときの取り扱い方、などだ。

最近GoogleはKubernetesやTensorFlowをオープンソースにして、そのまわりに大きなエコシステムをすでに作り出し、成功しているから、これらのドキュメントを詳しく読めば、大いに参考になることだろう。とくに、今後自分たちのプロジェクトやツールをオープンソースにしていきたい、と考えている企業にとっては。

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MongoDBのクラウド上のデータベースサービスAtlasに無料プランが登場してフリーミアムに

MongoDBは今でも主力製品のNoSQLデータベースで有名だが、しかし昨年同社は、Atlasという、管理サービスつきのデータベースサービスを立ち上げた。そのクラウドサーバーは、AWS上で動いている。立ち上げ時点では有料サービスのみだったが…AWSの使用料も払わなければならないから当然か…、今日からはMongoDBを勉強したいデベロッパーや、これから新しいアプリケーションのプロトタイプを作る、といった人たちのために、無料サービスの提供を開始する。

無料プランには当然ながら制約もあり、たとえばストレージは512MBしか使えない。でも、可用性の高いAtlasのクラスターにアクセスできる点では有料プランと同じで、しかも、保存されている、あるいは転送時の、データは暗号化される。だからストレージが小さい点をのぞけば、サービスの内容は有料プランと変わらない。MongoDBをこれから勉強しよう、というユーザーにとっては、ストレージのサイズもこれぐらいで十分だろう。

無料プランがなぜこんなに遅れたのか、という問いに対してMongoDBのクラウドプロダクト担当VP Sahir Azamはこう答える: “無料プラン(Free Tier)のユーザー体験を、最初から本格的なものにしたかった。最初に立ち上げた有料プランも、販促のための無料利用の部分がかなりあり、デベロッパーはかなり気軽に完全なプロダクトを体験できた。そして彼らからのフィードバックが、無料プランでも高可用性とモニタリングと主要なセキュリティ機能をを提供すべき、という確信をわれわれに与えた。そのほかの機能やツールについても、それらをすべて提供すべき、という確信が得られた。つまりこれまでの有料ユーザーからのフィードバックを見るかぎり、ユーザー体験のクォリティーという点から、有料バージョンと完全に同じものを提供すべき、という結論にならざるを得なかった”。

また、今日同時にローンチしたデータマイグレーションツールmongomirrorにより、既存のMongoDBのデプロイメントをAtlasへ移せる。このツールは、将来的にはクラウド上のツールとしてAtlasから提供される予定だ。

Atlasの利用状況についてMongoDBは詳しい数字を明かさないが、“全世界の数千の企業で使われている”、とだけ言った。その中には、オンラインデートサービスeHarmonyや、バイオテックのThermo Fisherなどが含まれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

UdacityがCloudLabsを買収してグループのコラボレーションによるプログラミングを教える

Full Frame Shot Of Program Codes On Screen

オンライン教育のUdacityは主に、ソフトウェア開発やデータサイエンス、機械学習などを教えている。そのために同社は、創業5年目にして初めての買収、CloudLabsの買収により、ネット上(==ブラウザー上)に対話的なグループ・プログラミングの環境を作ろうとしている。言い換えるとそれは、複数の人たちのコラボレーションでプログラムが作られていく過程だ。

CloudLabsという名前はあまりにも漠然としていて分かりにくいが、同社が提供しているTerminal.comは、ユーザーがその上で、独自に対話的なコンピュータープログラミングのコースを作れる、という文字通りのプラットホームだ。各ユーザーのコースはコンテナのイメージに収められるが、コースのユーザーインタフェイスはコマンドラインだ。Udacityは同社の、ライブな(==リアルタイムの)デベロッパー環境を、一部のコースに実装するつもりだ。インストラクターはコードをその場ですぐに点検でき、特定の問題に注意を喚起したり、生徒たちとスクリーンを共有したりできる。

CloudLabsの5名の技術者チームは全員がUdacityに残るので、人材込みの買収になった。CloudLabsのCEO Dr. Varun Ganapathiが同社の機能のUdacityへの統合を指揮し、またUdacityの今後の機械学習プロジェクトに貢献していく。

この二つのプラットホームが合わさったことによって生徒は、一歩々々段階的なプログラミングが容易にできるようになり、またその過程でのフィードバックも得やすくなる。Udacityは、オンラインのプログラミング学習が生徒にとってより心地よい体験になることに加えて、生徒の成績評価や報告機能の自動化でも、CloudLabsのチームの力を借りたい、と考えている。

“人間的な(人間からの)フィードバックはネット学習においてものすごく重要、と考えている。でも、それと同時に、成績評価をもっと効率化したいし、それによって生徒一人あたりのコストを下げたい”、UdacityのCEO Vish Makhijaniはそう説明する。

対話的なプログラミング環境を開発している企業の買収をUdacityは、計画的に進めてきた。まずやったのが、CloudLabsの競合他社の調査分析だ。また同社の一部のナノ学位に、Terminal.comの機能を試験的に実装してみた。Udacityは、ナノ学位と呼ばれるその短い学位取得課程を、ディープラーニングや自動運転技術、VRの開発など、ホットな専門科目で重点的に利用している。

“Terminal.comのうち独自のバージョンも作ってみたし、それがすごく堅固な構造であることも分かった。また同社とは前に、ちょっとした業務関係もあった”、とMakhijaniは付言する。

チームの移籍により、Terminal.com本体の開発は停止する。SECのファイルによると同社はこれまで、612万ドルを調達しているようだ。Udacityは、今回の買収の価額等を公表していない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デベロッパーが直面する難題、オープンソースのライセンス管理を助けるFOSSAが$2.2Mのシード資金を獲得

Shot of a young programmer working in a dimly-lit office. All screen content is designed by us and not copyrighted by others, and upon purchase a user license is granted to the purchaser. A property release can be obtained if needed.http://195.154.178.81/DATA/i_collage/pi/shoots/783867.jpg

FOSSAは、デベロッパーのために、オープンソースのライセンスの管理という面倒な仕事を助けたい、と願っている。その同社が今日(米国時間2/23)、220万ドルのシード資金の調達を発表した。また、その社名と同名のプロダクトが、今日から公開ベータで提供されることも発表した。

今回の投資はBain Capital Venturesがリードし、Salesforceの会長でCEOのMarc Benioff, YouTubeの協同ファウンダーで元CTOだったSteve Chen, Skypeの協同ファウンダーで元CTOのJaan Tallinn, Clouderaの協同ファウンダーでCTOのAmr Awadallah, Tinderの協同ファウンダーでCMOのJustin Mateen、というオールスターメンバーが参加した。

これらの個人たちは、オープンソースのライセンス管理が重要かつ困難な仕事であることを、十分に理解している人たちのようだ。FOSSAの22歳のファウンダーKevin Wangによると、今時(いまどき)のプログラムは一連のオープンソースおよびサードパーティ製の部品で組み立てられる傾向があるが、しかしその一つ々々に独自の権利要件がある。それらすべてと正しくつき合っていくことはデベロッパーにとって大変な仕事であり、しかも既成のソリューションは乏しい。というか、今はほとんどの人がスプレッドシートを使って手作業でライセンス要件をチェックしている、とWangは述べる。

“今年はすでに2017年だが、私たちは未だに、自分が何を作って何をリリースしたのかをよく知らない。デベロッパーは、自分のコードのコントロールを握っていない”、と彼は語る。

彼のプロダクトはこの問題を、すべてのコードを自動的に分析することによって解決するようだ。そのシステムはライセンス要件を見つけて、問題があれば修復を提供する。追跡のためのツールとしてJiraや、Slackなどを推薦することもある。報告は正しい法律用語で書かれているが、Wangによるとそのためにオープンソースの法務ソフトを利用し、また詳細情報や著作権情報は自動的に生成する。

fossa

写真提供: FOSSA

同社への投資ラウンドをリードしたBain Capital VenturesのマネージングディレクターSalil Deshpandeによると、この分野でエンタープライズ級のソリューションを見たのは、これが初めてだそうだ。“現代のソフトウェア開発のトレンドは、スピードの向上とリスクの増大の両方を抱えている。ライセンス管理の自動化はもはや、あればいいねの段階ではなく、なければ危険の領域だ”、と彼は声明文で述べている。

今やコード中に正しい権利情報が書かれていないと、コードの無断使用で訴えられることすらある。Wangは自分のソリューションが完璧だとは言わないが、開発チームが手作業で正しい完全なコンプライアンスをやるのはほとんど不可能だ、と述べる。一つのソフトウェアが、サードパーティ製のプラグインやライブラリを何百も使っているからだ。“そして結局は、責任を顧客に押し付けることになる。でも私たちは、最小の努力で実現できる、できるかぎりのコンプライアンスを提供していきたい”、とWangは語る。

FOSSAは2014年に創業し、今では10名弱の社員がいる。シード資金は、技術者と営業の増員、そしてマーケティング努力に充てたい、とWangは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

IBMの機械学習フレームワークPower AIがGoogleのTensorflowをサポート、Intelより一歩遅れて

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IBMには、同社のPowerプロセッサーとNVIDIAのNVLinkをベースとするサーバーを使っている企業のための機械学習フレームワークPowerAIがある。NVLinkはGPUとCPUを結ぶ高速リンクで、ディープラーニングの計算はその多くをGPUが担当する。今日(米国時間1/26)同社は、そのPower AIが、機械学習ライブラリの中ではとくに人気のあるGoogleのTensorflowをサポートする、と発表した。

TensorFlowは公開されてまだ1年とちょっとだが、短期間でGitHub上の一番人気のオープンソース機械学習ライブラリになった。IBMのPowerAIはすでに、CAFFETheano, Torch, cuDNN, NVIDIA DIGITSなどのフレームワークをサポートしていたが、Tensorflowのサポートがないことが、まるで欠陥のように感じられていた。

IBMはPowerAIのNvidia NVLinkインタフェイスとPascal P100 GPUアクセラレータの組み合わせを、強力な差別化要因とみなしていた。その際、競合他社としていちばん意識しているのがIntelだが、そのIntelが最近Googleと組み、同社のCPUでTensorFlowのパフォーマンスを上げようとしている。

IBMはもちろん安物のサーバーを売っている企業ではないので、Power AIをサポートするマシン、Power System S822LC for high-performance computingは、プライスリストにすら載っていない。その一般商用バージョンの価格は、1万ドル弱から上だ。

IBMの今日の発表の中には、TensorFlowのサポートに加えて、ニューラルネットワークを作るためのフレームワークChainerのサポートがあった。

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同一のコードベースからiOSアプリとAndroidアプリを並行開発できるUXツールキットFuseが$12Mを調達

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エンドユーザーにとっては、アプリケーションのユーザー体験(user experience, UX)こそが、まさにそのプロダクトそのものだ。だからデベロッパーは、良質なユーザー体験ツールキットに大きな投資をする。Fuseは、そんなツール集のひとつだ。同社の目的は、複雑なアプリケーションの開発時間を半減すること。今日(米国時間1/24)同社は、NorthzoneAlliance Ventureからの1200万ドルの資金調達を発表し、今後はそのツールキットをもっと広いオーディエンスに周知していこうとしている。

The ability to show the app design on multiple platforms and screen sizes is a boon for developers

複数のプラットホームや画面サイズに対応できるデザイン能力は、デベロッパーにとってありがたい。

同社がとくに力を入れているのは、アプリケーションのユーザー体験のインタフェイスを作るデザイナーと、アプリケーションの中にそういうユーザー体験を実装するデベロッパーとのあいだのコラボレーションを、良くしていくことだ。Fuseの主張では、同社の製品を使えば両者間のシナジー効果が大きいので、ネイティブアプリケーションの制作とその後の進化が迅速かつ容易になる。

Fuseの協同ファウンダーでCEOのAnders Lassenはこう語る: “アプリケーションの市場競争で勝つためには、UXが優れていることがすべてだ。しかし最近ではますます、ユーザー体験の優れたアプリケーションをより短時間で作りたい、という声が大きくなっている。うちのプラットホームに対する初期の反応は、私たちに大いに自信を持たせてくれるものだった。そして、こうやって投資家が注目してくれたことは、なお一層すばらしい”。

Fuseを利用すると、同一のコードベースからiOSアプリとAndroidアプリをリアルタイムで同時に開発できる。つまりこのプラットホームでは、開発中のアプリに対するUIのアップデートや、コンテンツやデータの反映がリアルタイムでできるから、相当早く、アプリのテスト工程へ移行できる。

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格安航空AirAsiaもハッカソンを主催してエアラインのデジタル化指向をPR

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格安航空のAirAsiaが、一般企業がハッカソンを催す例としては最新の例となった。その最初のハックイベントは、マレイシアのクアラルンプールにある同社の本社で、3月18日に行われる。

その“AIRVOLUTION 2017” — というすべて大文字のクサい名前だが — がテーマとして掲げるのは、当然ながら、空の旅だ。具体的な課題は、当日に発表される。優勝賞金は米ドル換算で5600ドル+帰りの航空券5枚(あくまでもAirAsiaの)+同社のポイント10万だ。

紙上予選で本選出場の20社(名)が決まるが、出場者の国籍はAirAsiaの便がある26の国の一つでなければならない。申し込みは今日(米国時間1/16)から2月19日まで。予選の結果は3月3日に通知され、マレーシア国外の選手にはAirAsiaの航空券が送られる。

スポンサーはMicrosoftほか数社。今年で13歳になる同社に、新風を吹き込んでほしい、とCEOのTony Fernandesは言っている。彼は昨年、AirAsiaを“デジタルエアライン”にしたい”、と語った。

“AirAsiaがデジタルエアラインになる歩みは、今年から始まる。このイベントがラジカルでクリエイティブな思考に火をつけて、AirAsiaを最先端の航空会社に名実ともに位置づけ続けることを期待したい”、と彼は声明文で述べている。

しかしAirAsiaは、ハッカソンを催す最初の旅行会社でも航空会社でもない。EmiratesSingapore Airlines、それにMalaysia Airlinesもすでにやっている。さらに上を行っているBritish Airwaysは、2013年に飛行中の同社機内で空飛ぶハッカソンを主催している。

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KickstarterがそのAndroid/iPhoneアプリのコードをオープンソース化…公益法人化を契機に

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クラウドファンディングのトップサイトKickstarterが、そのアプリケーション開発過程を開示しようとしている。今朝(米国時間12/14)同社は、その技術系のブログ上で、AndroidとiOSのネイティブアプリのコードをオープンソースにし、同社の目標であるスタートアップ支援の一環とする、と発表した。

同社によると、この考えがひらめいたのは、昨年の9月に同社が公益法人になったことが契機で、広い意味でのデベロッパーコミュニティに何かを還元していくという、企業としての大きな社会的視野を持つべき、と考えた。

コードは今日から、同社のGitHubレポジトリで提供され、アプリのエンジニアリングとデザイン両面の、内部的仕組みや構造に、それらに関心のある人たちがアクセスできるようにする。

今日のローンチに先駆けてKickstarterのエンジニアBrandon Williamsは本誌にこう語った: “チームとしてのわれわれは、かなりユニークな仕事をしている、とかねてから感じていた。でも、エンジニアが自分の仕事を互いに共有できる機会は、そうめったにあるものではないからね”。

オープンソース化してとくに有益と考えられるのは、Kicstarterのアプリが、関数型プログラミングの手法で書かれていることだ。その開発過程やプロトタイピングの過程が目で見て分かることは、かなり参考になるだろう。

とくに同社は、次のような点を強調している:

  • Screenshotsディレクトリには500近いスクリーンショットがあって、すべての言語やデバイス、つねに真であってほしいエッジケース状態などのさまざまな画面を収めている。たとえば、Kickstarter上で支援者がフランス語のプロジェクトを見ていたり、クリエイターがドイツ語のダッシュボードやiPadのページを見たりしている。
  • われわれはSwift Playgrounds〔参考記事〕を使って反復型(iterative)開発とスタイリングを行っている。アプリケーションの主な画面の多くに、それに対応するプレイグラウンドがあって、そこで多様なデバイスや言語やリアルタイムのデータを見られる。われわれのプレイグラウンドのコレクションを、ここで閲覧できる。われわれはビューモデルを、副作用を隔離し、 アプリの中核的部分に取り組んでいくための、軽便な方法として使っている。
  • われわれはこれらを、入力信号を出力信号に純粋にマッピングするためのものとして書いている。テストは、ローカライゼーションのテスト、アクセシビリティのテスト、イベント追跡のテストなど、いずれもしっかりと行っている。

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Googleがドメインの登録に使っているNomulusをオープンソース化して一般公開へ

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

Googleが今日、Nomulusリリースした。このJavaで書かれたクラウドサービスは、ユーザーに代わってトップレベルドメインの登録や管理を行う。Google自身も、.googleや.fooなどのTLDをこれで管理している。

Googleによると、同社がNomulusの開発に着手したのは、2012年に同社が数多くのジェネリックなTLDsの申請や運用を開始したときだ。それまでは、ドメインネームはもっぱら.comと.netや、国別を表す.deや.ukなどに限られていた。しかしICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が.app, .blog, .guruなどのいわゆるジェネリックなTLD(generic TLDs)を認めて以来、Googleは.googleをはじめ数多くのTLDを申請してきた。

Googleは、ドメインの登録データのすべてをNomulusのプラットホーム上で管理している(たとえばblog.google)。またこのプラットホームは、ドメインの購入や変更、移送などの事務も行う。GoDaddyなどのドメインサービスを利用してドメインネームを買っておられる方も多いと思われるが、その場合はそのサービスが、Nomulusのやることを人力でやっているのだ。

NomulusはApache 2.0のライセンスでオープンソースになっているが、同時にこれはGoogle Cloud Platformのれっきとした一員でもある。それはApp Engineでも使われ、またバックエンドのデータベースとしてはGoogle Cloud Datastoreを使っている。

Googleによると、Nomulusは、300あまりのジェネリックTLDを保有しているDonutsのコードも利用しており、近く一般公開バージョンのテストバージョンの提供を開始する。

〔参考ドキュメント: NomulusのGitHubページより:〕

Overview

Nomulus is an open source, scalable, cloud-based service for operating top-level domains (TLDs). It is the authoritative source for the TLDs that it runs, meaning that it is responsible for tracking domain name ownership and handling registrations, renewals, availability checks, and WHOIS requests. End-user registrants (i.e. people or companies that want to register a domain name) use an intermediate domain name registrar acting on their behalf to interact with the registry.

Nomulus runs on Google App Engine and is written primarily in Java. It is the software that Google Registry uses to operate TLDs such as .GOOGLE, .HOW, .SOY, and .みんな. It can run any number of TLDs in a single shared registry system using horizontal scaling. Its source code is publicly available in this repository under the Apache 2.0 free and open source license.

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