インスタグラムが潜在的に有害なコンテンツを見続けるのをやめるよう10代ユーザーを「誘導」する機能の導入を約束

インスタグラムが10代ユーザー対象に潜在的に有害なコンテンツを見続けるのをやめるよう「誘導」する機能の導入を約束

rilueda via Getty Images

Instagramは、10代のユーザーが潜在的に有害なコンテンツを見続けるのをやめるよう「誘導」することや、休みを取るよう促す仕組みを導入すると約束しました。

Facebook(Instagramの親会社)のグローバル担当副社長で元英国の副首相ニック・クレッグ(Nick Clegg)氏は、米CNNやReutersの取材に対して、10代のユーザーを保護するためにさらなる努力をすると表明し、2つの施策を説明しました。おりしもFacebookと関連サービスに障害が発生して長時間にわたりユーザーに不便をもたらし、批判が高まっている最中のことです。

新たな施策の1つは、10代のユーザーが同じコンテンツを何度も見ていて、それが彼らの幸福に繋がらないとシステムが判断した場合、他のコンテンツを見るように促すというもの。それ以上の具体的な内容には言及されていませんが、必要であれば規制も含めて、Facebookのアルゴリズムに「責任を持たせるべきだ」とも述べています。

またクレッグ氏は「take a break」(休みを取れ)と呼ばれる機能を導入し、10代の若者らにInstagramの利用をただ単に休むように促す予定だとも付け加えています。

これら2つがいつ導入されるかのスケジュールは明らかにされていないものの、ここ最近Instagramが未成年者保護に取組む動きを見せていたことは事実です。今年8月にも年齢未登録のユーザーは利用停止として、サバ読みや詐称はAIで検出する方針を発表しています

Facebook社は以前、子ども向けのサービス「Instagram Kids」の計画を進めてきましたが、人権団体や低年齢のSNS利用はいじめなどを助長することを懸念する方面からの批判が相次ぎ、一時的に中止に追い込まれています

またThe Wall Street Journalは、Instagramが若年層、特に10代女子のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが明らかになったというFacebookの社内文書を報道。たとえばInstagramにより3人に1人が体型コンプレックスを悪化させたり、不安やうつ病を増やしていたとの調査結果がリークされていました。

FacebookやInstagramが今後も成長を続けるためには、若い10代ユーザーの確保が欠かせないはず。次々と若い世代向けの保護策を打ち出すことで風当たりが弱まるのか、今後の展開を見守りたいところです。

(Source:ReutersCNNEngadget日本版より転載)

役員が自社を批判する?マーク・ザッカーバーグはピーター・ティールを恐れるべきか?書評「The Contrarian」

億万長者の投資家、Peter Thiel(ピーター・ティール)氏について書かれた「The Contrarian(逆張り投資家)」。Bloomberg Businessweekの特集編集者で、技術系の記者でもあるMax Chafkin(マックス・チャフキン)氏が著し、9月に発売されたばかりのこの新書に関するレビューや議論を目にした人も多いだろう。

それも当然のことだ。ピーター・ティール氏は米国でますます存在感を増し、チャフキン氏は魅力的なストーリーテラーである。謝辞には、15年間の取材を元にこの書籍をまとめ「何百もの情報源」から情報を集めた、と書かれている。

詳細を知るために、TechCrunchは先に、チャフキン氏に取材を申し込んだ。取材では、ティール氏(チャフキン氏はティール氏とオフレコで話をしている)が私生活をどの程度明かしているか、チャフキン氏が「トランプという人物が過小評価されていた、つまりイデオロギー的な部分もあるが、商売上手でもあった」とする理由、チャフキン氏のレポートがティール氏の信念を「極めて矛盾している」とするのはなぜか、など、活発な議論が行われた。また、ティール氏とMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏との関係(Facebookの最初の投資家はティール氏であり、それ以来、良くも悪くもティール氏との関係を維持している)についても議論があった。

興味があれば、約30分のインタビュー(抜粋)を観て欲しい。TechCrunchは、Facebookがアメリカ社会や人類に与えた影響を鑑みるに、ザッカーバーグ氏とティール氏の関係は非常に興味深く、重要であると考えている。ここでは、ザッカーバーグ氏について語られたパートを抜粋、編集の上紹介したい。

TC(TechCrunch):ティール氏の最大かつ最も重要な賭けはFacebookだったということですが、本の中で、ティール氏は2005年から取締役としての立場を利用して、ザッカーバーグ氏に誤報も含めて何でもありの姿勢をとるように説得したと示唆していますね。また、ティール氏とザッカーバーグ氏の間には以前から摩擦があり、特にティール氏がトランプ主義を取るようになってからは、そのような状況が続いているとも指摘しています。ティール氏は今後もFacebookの役員を続けていくと思いますか?それとも彼は一歩下がった立場にあるのでしょうか?

MC(マックス・チャフキン):この本には、Facebookにまつわる話が出てきます。Facebookが上場したとき、株価が暴落し、ティールはすぐに株を売却しましたが取締役にとどまりました。本の中で、Facebookの社内で行われた、社員を活気づけるためのミーティングのことを書いています。自分が働いている会社の株価が下がるということは、(その人にとって)世界で最も憂鬱なことなのですから。当時は誰もが毎日損をしていました。マスコミにも叩かれる。消防士や教師からも訴えられる。とにかく悪いニュースのオンパレードでした。そこで、皆を励まそうと講演者を呼び、ピーター・ティールが講演を行いました。講演の中で、ティールは「空飛ぶ車が実現するはずだったのに、Facebookしか実現しなかった」と話しました。彼はいつも「空飛ぶ車が実現するはずだったのに、140文字しか手に入らなかった」と言ってTwitter(ツイッター)を攻撃しています。聴衆も、ザッカーバーグも「最も長く役員を務め、メンターであり、私のビジネス哲学を導いてくれた人にお前は最低だと言われた」ようなものです。

ザッカーバーグは実はティールのそういうところを尊敬しているのではないかと思っています。ザッカーバーグの立場にあれば、正直なフィードバックを得ることは非常に難しい。ティール以外に「あんたは最低だよ」という人はいないでしょう。あなたがいうように、ティールはここ数年、何度も、慎重に、このようなことをしています。

ティールは技術の独占や技術力について、Google(グーグル)を攻撃することがよくあります。Facebookはそれで安心するかもしれませんが、たいして役には立たないでしょう。なぜなら、FacebookとGoogleは非常によく似た企業であり、一方を規制するならば、もう一方も規制されることになるからです。ザッカーバーグがそのことを喜んでいるとは思えません。

ティールは、シリコンバレーの右翼活動家たちのプロジェクトをさまざまな場面で支援してきました。保守活動家のJames O’Keefe(ジェームズ・オキーフ)などは、FacebookやGoogle、Apple(アップル)などの超大手ハイテク企業の偽善を暴こうとしていますが、ティールはそうした活動を陰でサポートしてきました。

しかし、ティールは公の場で右翼活動家たちを支援することも多くなっています。今、彼は米国上院議員選挙で2人の候補者を支援しています。アリゾナ州のBlake Masters(ブレイク・マスターズ)とオハイオ州のJD Vance(JD・ヴァンス)はどちらも共和党の予備選に出馬していますが、ティールはそれぞれの候補者を支援する特別政治行動委員会(super PAC)に1000万ドル(約11億1000万円)の寄付を行っています。彼らは常にFacebookを攻撃しています。知性的な攻撃や疑問の提起だけではありません。ザッカーバーグを個人的に攻撃しているのです。(ティールが資金提供した)JD ヴァンスの広告には、暗い色調で「この国には手に負えないエリート層がいる」とあり、そこにはマーク・ザッカーバーグの顔が載っています。もし私がザッカーバーグだったら、これは間違いなく頭痛の種ですね。

一例を挙げると、(2017年に)ザッカーバーグはティールの辞任について話し合っています。ティールは辞任せず、ザッカーバーグも彼を解雇しませんでしたが、少なくとも多少の緊張感はあったのでしょう。ティールの価値が下がったか?というのは実に鋭い質問です。Biden(バイデン)が大統領となり、民主党が大統領と両院を支配している状況では、ティールがもつ右派とのつながりの価値は下がっています。とはいえ、2022年に共和党が上院を奪還する可能性は非常に高く、その上院議員の中にティールと非常に近い人物が存在することになる可能性があります。そうなればティールの価値は飛躍的に高まるでしょう。

TC:本の中で、ティール氏と親しく、彼を尊敬している人たちの多くが、彼を恐れていると書いていますね。マーク・ザッカーバーグ氏はおそらく世界で最もパワフルな人物であるにもかかわらず、あなたの感覚では「ティール氏を恐れている」ということでしょうか?

MC:ザッカーバーグは(そうしたければ)ティールを解雇することができると思います。ザッカーバーグは手強く、大金を持っています。ザッカーバーグはティールと争う資金もありますし、反発する余裕もあるでしょう。しかし、彼がそうしたいかどうかは疑問です。というのも、現在もティールが役員であり、公然と批判を行うことができる理由は、ザッカーバーグが彼を解雇した場合、巨額の代償を払うことになるという事実に関係しているからです。おかしな話ですが。

ティールは、トランプ大統領時代、ザッカーバーグの重要なサポーターでした。保守層では、次のようなミーム(ネタ)が流行っていました。「Facebookはドナルド・トランプを憎むリベラルな従業員によって運営されているリベラルな企業で、組織的に右翼的な視点を差別している、社内では左翼の利益を促進している……」というものです。しかし、ザッカーバーグにはそれに対するすばらしい回答がありました。「うちの役員にはティールがいる。ただの共和党員じゃない、George Bush(ジョージ・ブッシュ)みたいな中道の保守派でもない。うちにいるのはピーター・ティールだ。根っからのトランプ主義者、Steve Bannon(スティーブ・バノン、トランプ政権時の元首席戦略官)も真っ青なクレイジーなやつだ」。Facebookが使える、まさしく強力な主張です。

ピーター・ティールが資金援助しているJosh Hawley(ジョシュ・ホーリー、共和党上院議員)や、Ted Cruz(テッド・クルーズ、同じく共和党上院議員)のような人物が現れて、Facebookを攻撃するとしたら?もし(ティールが)辞めてしまったら、もし彼が解雇されてしまったら、そしてそれが記事になってしまったら?Facebookは厳しい批判にさらされるでしょう。

ザッカーバーグにとって存亡に関わるような問題ではないとは思います。しかし、Facebookの価値について埋められない意見の相違があったとしても、友人であり、役員でもあるピーター・ティールを残しておいたほうが、ザッカーバーグにとっては快適なのだと思います。

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(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

フェイスブックとInstagramが再びダウン(30分ほどで復旧)

今週はFacebookにとって大変な1週間だったが、米国時間10月8日の午後も、このハイテク企業には容赦がなかったようだ。10月4日の月曜に同社史上最長の障害が発生した後、金曜午後にFacebookは再びダウンした。この障害は、WhatsApp、Messenger、Instagramを含むFacebookのすべてのプロパティに影響を与えている。

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FacebookはTwitterで「当社のアプリや製品へのアクセスに問題が生じていることを認識しています。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と投稿している。。Instagramも同様の声明をツイートしており、絵文字( )で「This Is Fine」の雰囲気を漂わせている。

Facebookがツイートしてから30分も経たないうちにサービスが再開されたことから、この障害は長くは続かなかったようだ。しかし、今週はより深刻な障害が発生したこともあり、今回の度重なる障害はアプリの信頼性と安全性に対する懸念を引き起こしかねない。Facebookのツールを顧客とのコミュニケーションに利用している中小企業の経営者や、主要なテキストアプリとしてWhatsAppを利用しているユーザーにとって、度重なる停止は特に気になるところだ。

10月4日の障害は、Facebookのデータセンターでのルーターの設定変更が原因だった。FacebookはTechCrunchに対して、この度の障害も設定変更によるもので、世界中の人々に影響を与えたが、月曜日のダウンタイムとは無関係だと述べている。

「ここ数時間、当社の製品にアクセスできなかった方々に心からお詫び申し上げます。問題を修正しましたので、現在はすべて正常に戻っているはずです」とFacebookの広報担当者はTechCrunchに語っている。また、Instagramは、問題が解決したことをTwitterに投稿し、今週のミームを作ってくれたユーザーに感謝している。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ツイッターがアバター関連スタートアップFacemojiに出資

アバター関連のスタートアップ企業はここ数年の間に次々と生まれては消えていったが、その背後にいる起業家の多くが当初想像していた未来は、多かれ少なかれ正確であることが証明されている。Apple(アップル)はMemoji(ミー文字)によるアバター表現に関心を高めており、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はFacebook(フェイスブック)をメタバース企業にしたいと考えている。また、ユーザーが仮想世界に入り込み、自分のキャラクターのためのアクセサリーを購入するRoblox(ロブロックス)のようなプラットフォームは、かつてないほどの人気を博している。

Facemoji(フェースモジ)は、ゲームやアプリの開発者が同社のSDK(ソフトウェア開発キット)を使ってアバターシステムをアプリに導入するためのプラグアンドプレイ技術プラットフォームを構築している。Facemojiは、Play Ventures(プレイベンチャーズ)を中心に、Twitter(ツイッター)、Roosh Ventures(ルーシュベンチャーズ)、エンジェル投資家が参加した300万ドル(約3億3400万円)のシードラウンドを実施した。

チームによると、この分野の他の多くの企業は、開発者が扱いたくないUnityのプラグインに依存しているが、Facemojiの軽量ソリューションは、独自のレンダリングパイプラインに依存している。また、開発者が望むのであれば、すぐに利用できる多様なアバターアートのシステムをすでに持っている。

画像クレジット:Facemoji

Facemojiは、より多くのゲームメーカーが独自のアバターシステムを簡単に構築したいと考えているが、必ずしも他のネットワークに接続したいとは思っていないと考えている。初期のアバタープラットフォームの弱点は、独自のメタバースとして機能する一貫したクロスプラットフォームのアバターシステムを構築しようとする野心にあることが多い。それは、製品を開発するスタートアップやユーザーにとっては意味のあることだが、ゲームメーカーにとっては、独自のプラットフォームを作る機会をただテーブルの上に置いておくのは無駄なことだった。

Facemojiは、AppleがMemojiを開発者コミュニティに開放することは予想しておらず、Snap(スナップ)の方がより顕著な競争相手であると述べている。Facemojiのスタートアップの競合企業は、ますます速いペースで買収されている。2020年には、RobloxがLoom.aiを買収し、Epic Games(エピックゲームズ)がHyperSense(ハイパーセンス)を買収した。

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Facemojiの創業者たちは、メタバースの流行や最新のNFTブームに強く惹かれており、開発者が統合してユーザーにアバター用のアクセサリーを購入させることができるプラグアンドプレイのNFTストアフロントを開発している。Facemojiは、初期の暗号化されたTwitterのプロフィール写真の使い方は、一般消費者が自分のアバターをカスタマイズすることに興味を持つようになった証拠だと考えている。

「最終的には、エゴに帰結します」とFacemojiのCEOであるRobin Raszka(ロビン・ラズカ)氏は、TechCrunchに次のように述べた。「バーキンのバッグを持っていることをどうやってアピールするか、Twitterのアバターはそのための主要な領域であり、人々はただ見せびらかしたいだけなのです」。

企業への投資をあまり行わないTwitterにとって、これは特に興味深い投資だ。Facemojiのチームは、画面共有ソーシャルアプリSquad(スクワッド)がTwitterに買収される前に、Squadのチームとアバターの統合についていくつか会話をしたと述べている。また、Twitterは、現在進行中のNFTプロジェクトについて詳しく説明しており、CEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、この分野のスタートアップ企業を積極的に支援している。

Facemojiチームは、ゲームに加えて、人々がアバターとして次のZoom(ズーム)にダイヤルしたり、クラスに参加したりすることが簡単にできるようになり、実写のアバターがこれまでの汚名を返上し、カメラのオンとオフの間の自然なメディアとして扱われるようになることを期待している。

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画像クレジット:Facemoji

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(文:Lucas Matney、翻訳:Yuta Kaminishi)

Facebook Gamingで全ユーザーが共同ストリーミング機能を利用可能に

Facebook(フェイスブック)のゲームストリーミングプラットフォームFacebook Gamingの全ユーザーが共同ストリーミングを使えるようになった。この機能ではユーザーはチームを組んで他の人と互いにストリームできるようになり、一方視聴者の側は共同ストリームを渡り歩き、動きを見たい視点を選ぶことができる。

この機能はこれまで同サービスのパートナープログラムに参加しているストリーマーのみが使えたが、正式にリリースする。同時使用は現在、共同ストリーマー4人に限定されている。

「当社は共同ストリーミングでクリエイターのために見つけやすさを増大させ、クリエイター間でのコラボレーションを促し、そして皆の全体的な視聴エクスペリエンスを向上させることを目指しています」と同社のブログ投稿にはある。

Facebook Gamingは、現在Alphabet(アルファベット)のYouTube Gamingと Amazon(アマゾン)のTwitchに独占されているゲームストリーミング分野でさらにシェアを獲得しようと、徐々に機能を増やしている。YouTube Gamingの成長を阻むことに関してはFacebook Gamingはかなり堅実な働きをしてきたものの、ストリーム時間と視聴時間に関してはTwitchが大きく立ちはだかっている。そのリードを徐々に崩すFacebook Gamingの戦略の中心的なものは、共同ストリーミングのような新しいプログラムをテストしてフィードバックを提供するという、同社と近い関係を持っているストリーマーの実質的なパートナープログラムの構築だった。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

TelegramがフェイスビックとWhatsAppに障害が発生した日に7000万ユーザー増加を発表

米国時間10月4日に発生したFacebook(フェイスブック)の数時間に及ぶ障害は、会社、創業者、株主、そしてそのサービスに依存している多くの企業に打撃を与えたかもしれない。しかし、インスタントメッセージングのライバル企業にとっては、それは非常に良い1日となった。

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Telegram(テレグラム)の創業者兼CEOであるPavel Durov(パベル・デュロフ)氏は、10月5日に、同社のインスタントメッセージングアプリに7000万人という驚異的な数のユーザーが増えたことを発表し、そのサービスにとって「ユーザー登録数とアクティビティの記録的な増加」と表現した。

デュロフ氏は、自身のTelegramチャンネルに「Telegramは大多数のユーザーにとって完璧に機能し続けたので、我々のチームがこの前例のない成長にどのように対処したかを誇りに思います」と書いている。しかし、実際のところ、その日はそれほど完璧ではなかった。

「とはいえ、アメリカ大陸の数百万人のユーザーが一斉にTelegramに登録したため、一部のユーザーは通常よりも遅い速度を経験したかもしれません」とデュロフ氏は付け加えている。

最近10億ダウンロードを突破したTelegramは、2021年初めの時点で月間アクティブユーザー数が5億人に達している。

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また、TelegramとWhatsApp(ワッツアップ)の両方と競合するSignal(シグナル)も、新しいユーザーを増やした。同社は「数百万人の新規ユーザー」がアプリに参加したとツイートしている。

TelegramとSignalがライバル企業の犠牲の上にユーザーを増やしたのは、今回が初めてではない。WhatsAppが新しいプライバシーポリシーの内容を正確に説明するのに苦労していた2021年の初めにも、TelegramとSignalは数百万人のユーザーを獲得している。

Signalの持ち株会社の会長であるBrian Acton(ブライアン・アクトン)氏は、TechCrunchとのインタビューで、2021年初めのWhatsAppの失敗について「小さな出来事が最大の結果の引き金になった」と語っていた。

画像クレジット:Chris Ratcliffe/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Yuta Kaminishi)

フェイスブックの内部告発者が身元を明かし、同社は「安全よりも利益を選ぶ」と発言

Wall Street Journalが掲載したFacebookの最近の社内文書によると、同社はVIPたちに同社のルール違反を許し、またInstagramが10代のメンタルヘルスを害していることを知っていた。その情報を暴露したFrances Haugen(フランシス・ホーゲン)と名乗る内部告発者がこのたび、ニュース番組60 Minutesのインタビューに応じ、その内容をThe New York Timesが報じている。

ホーゲン氏は60 Minutesで「いろいろなソーシャルネットワークを見てきたが、Facebookほどひどいところは他にない。Facebookはこれまでに何度も、安全より利益を優先してきた」と語った。

ホーゲン氏のウェブサイトTwitterのアカウントによると、同氏は2019年にFacebookに入社して民主主義と虚偽情報の問題を扱い、また防諜活動も行ってきた。彼女はFacebookのプロダクトマネージャーだったが、5月に退社した。

当初彼女は、Facebookの内部文書「数千ページ」を、内部告発者救援団体Whistleblower Aidの創設者John Tye(ジョン・タイ)氏に渡し、その情報を公開した場合の法的保護と支援を求めた。その膨大な文書には、社内調査の結果やプレゼン用のスライドデッキ、添付文書なども含まれていた。彼女はまた証券取引委員会(SEC)に公益通報者としての告発状を提出し、Facebookの内部的行為が同社の公式声明に反している、と非難している。

内部告発者フランシス・ホーゲンはアイオワ州出身のデータサイエンティストで、コンピューターサイエンスとハーバードのMBAの学位を持つ。彼女によると、Facebookでやりたかった唯一の仕事が虚偽情報対策だったが、それはネット上の陰謀理論で友人を失った経験があるからだ。

SECへの告発状でホーゲン氏は、Facebookの社内調査や文書をCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏やその他の役員が公表している声明と比較している。ある例の中で彼女は、Facebookは選挙の虚偽情報に寄与貢献し、1月6日の国会議事堂の暴動を招いたと述べている。

「Facebookは2020年の選挙と暴動に関連する虚偽情報や暴力的な過激主義と戦ってきたと声明を出しているが、実際のところFacebookは自らのアルゴリズムを把握しており、プラットフォームはこのような有害なコンテンツを実際には奨励していた。そして永続的な対策を社内的に推奨したり展開することをしなかった」と彼女は告発状の添え状に書いている。

続けて「このサイトは、エンゲージメントを奨励することにおいて、対立を生むコンテンツを許容している。同社自身の調査が、憎悪や対立を煽り分断をそそのかすコンテンツがあることを示し、多くの人に怒りを喚起することは他の感情を喚起するより容易だという。Facebookは、アルゴリズムをもっと安全なものに変えれば、人びとがそのサイトで過ごす時間が減り、広告のクリック回数が減り、同社の収益が減ることを知っていた」と60 Minutesで述べた。

SECの告発受付窓口は通常、企業の内部通報者に保護を提供するが、彼女とその法務チームはさらに上院議員のRichard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)氏(民主党)とMarsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン)氏(共和党)に接触した。彼女はまた、フランス、英国、そしてEUの議会の議員にも話をしている。

最近リークに対して神経質になっているFacebookは、60分のインタビュー放送前にその内容を知り、「視聴者の誤解を招く」と非難した。ポリシーとグローバル問題担当の副社長Nick Clegg(ニック・クレッグ)氏はCNNに「Facebookは人間の善と悪と醜さを表しているが、悪をなるべく減らし善を増やす努力をしている」と述べている。そして彼は、1月6日の事件でソーシャルメディアを非難するのは「馬鹿げている」と付け加えた。

Facebookの広報担当者Lena Pietsch(レナ・ピエッチ)氏は声明で次のように述べている。「あの番組は私たちのプラットフォーム上で人びとの安全を護るために弊社が行っている大きな投資を無視している。私たちが悪質なコンテンツを奨励し、対策を何もしていないというのは端的にいって真実ではない」。また、同社が大衆と規制当局を誤導しているという説に対しては「弊社は弊社が公表している声明を遵守しており、私たちの仕事に関する規制当局からのいかなる質問にも答える用意がある」という。

ホーゲン氏によると、彼女が求めているのはFacebookの改革であり解体ではない。「私たちが進むべきは、透明性と真の統治へ向かう道です。Facebookを粉砕せよという主張ではありません」と放送で述べている。ホーゲン氏は12月5日に、若いユーザーに対するFacebookの影響力について下院で証言する予定だ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。Steve DentはEngadgetの編集者。

画像クレジット:Robert Fortunato, CBS News/60 Minutes

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(文:Steve Dent、翻訳:Hiroshi Iwatani)

第4四半期の幕開けにテック株が暴落、フェイスブック、ソフトウェア株は5%安

米国時間10月4日、テクノロジー企業の株価が急落し、NASDAQ Composite(NASDAQ総合指数)は午後早くの取引で2.4%下落した。

テック業界全体で見ると状況はさらに悪い。Bessemer Cloud Index(ベセマー・クラウド・インデックス)株をまとめて取引する手段であるWisdomTree Cloud Computing Fund(WCLD、ウィズダムツリー・クラウド・コンピューティング・ファンド)は5%ほど下がった。Bessemer Cloud Indexは、主にホスト(SaaS)経由あるいはオンデマンド(API)方式でサービスを提供している公開ソフトウェア企業の株価を追いかけている。

TechCrunchが日中の最新取引状況を伝えることはあまりないが、今回は大きな下落の直後なので影響が蓄積し始めている。

NASDAQは直近高値から7.7%下げた。それ自体「さほど」悪いことではない。直近高値から10%上下したことを意味するtechnical correctionですらない。ちなみにbear market(弱気市場)は直近高値から「20%」以上下がった場合だ。

SaaSとクラウドの市場状況は最悪で、本日だけで13%近く下げている。上場ソフトウェア企業は調整局面にあり、この日のようなことが続けば弱気市場に向かうばかりだ。

もちろんこれだけではない。ソーシャルの巨人、Facebookは、最近の厳しいニュースの繰り返しを受けて5%強の下落だ。Facebookの内部資料をリークした通報者が先週末発言し、Facebookにとっては忘れたいニュースが新たなラウンドが始まった。

そして米国時間10月4日、Facebookの全サービス群(Facebook、Messenger、Instagram、WhatsApp)が一斉にダウンした。DNS障害が原因と言われている。

Facebook株は直近高値から約15.5%下げ、Zuckerberg(ザッカーバーグ)帝国をSaaSより悪い状態に追い込んだ。これは強気の広告市場にも関わらず起きたことだ。

全体的に、これは株式市場が第4四半期最初の1週間のスタートを切りたかった状態ではない。そして2021年中にあといくつかIPOがあるので、2021年最後の上場活動の静かな幕開けなのかもしれない。

画像クレジット:Spencer Platt / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】フェイスブック、Instagram、WhatsAppはなぜダウンしたのか?

Facebookの1日にわたるサービス停止は、ここ数年で最も長く、最も極端なものだった。ソーシャルジャイアントの本社がある米国西海岸では、現地午前9時頃、Facebook、WhatsApp、Instagram、Facebook Messengerがインターネット上から消えたように見えた。

この障害は市場終了まで続き、同社の株価は米国時間10月4日の初値から約5%下落した。Facebookがサンタクララのデータセンターにチームを派遣し、同社のサーバーを「手動でリセット」したことが報じられた後、午後の初めにはサービスが再開された。

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今回の障害の特徴は、Facebookが非常に長い時間オフライン状態にあったということだ。

午前中、Facebookは「一部のユーザーが、当社アプリやプロダクトへのアクセスに支障がある」ことを謝罪するツイートをした。その後、この障害がユーザーだけでなく、同社自体にも影響を与えていることが報告された。従業員はオフィスビルに入ることができず、スタッフは「スノーデイ」と呼んでいたが、この障害は社内のコラボレーションアプリにも影響を与えたため、仕事をすることができなかった

Facebookは、障害の原因についてコメントしていないが、セキュリティの専門家によると、同社のネットワークに問題があり、インターネットとFacebook全体が遮断されたことを示す証拠があるとのことだ。

ネットワーク大手CloudflareのCTOであるJohn Graham-Cumming(ジョン・グラハム-カミング)氏によると、最初の兆候が観測されたのはカリフォルニア州では午前8時50分頃で、Facebookは2分間に渡って「BGPのアップデートが嵐のように続く中、インターネットから消えた」という。BGP(Border Gateway Protocol)とは、ネットワークがインターネット上のデータを他のネットワークに送信する際の最速方法を決定するために使用するシステムのことだ。

具体的には、アップデートはBGPルートの取り消しだった。つまり、Facebookは、城の橋を閉鎖するように「ビジネスを終了する」というメッセージをインターネットに送ったのだ。その構造上、FacebookのネットワークはWhatsApp、Instagram、Facebook Messengerなど、デジタルの壁の内側にあるすべてのものが閉鎖されることになった。

BGPルートが取り消しから数分後、ユーザーは問題に気づき始めた。Errata Securityの創業者であるRob Graham(ロブ・グラハム)氏は「Facebookに送られるべきインターネットトラフィックが、インターネット上で迷子になり、どこにも行かなくなってしまったのです」とツイートしている。

ユーザーは、Facebookアプリが動かなくなったことやウェブサイトが読み込まれないことに気づき始め、インターネットの仕組みのもう1つの重要な部分であるDNS(Domain Name System)に問題が生じたことを報告した。DNSは、人間が読めるウェブアドレスを機械が読めるIPアドレスに変換し、ウェブページがインターネット上のどこにあるのかを見つけ出す。Facebookのサーバーにアクセスする手段がなければ、アプリやブラウザはDNSエラーのようなものを返し続けることになる。

BGPルートが取り消された理由は、はっきりとはわかっていません。インターネットが登場したときから存在しているBGPが、悪意を持って操作され、大規模な障害につながった可能性がある。

それよりも可能性が高いのは、Facebookの設定更新がひどい失敗をし、その失敗がインターネット全体に連鎖したということだ。現在は削除されているが、Facebookのエンジニアが投稿したRedditのスレッドには、広く知られるようになるずっと前に、BGPの設定ミスについて書かれていた。

修正は簡単かもしれないが、インターネットの仕組み上、復旧には数時間から数日かかる可能性がある。インターネットプロバイダーは通常、数時間ごとにDNSレコードを更新するが、完全に伝搬するまでには数日かかることがある。

Facebookは、現地時間午後3時30分頃「私たちを頼りにしてくれている世界中の人々や企業の巨大なコミュニティへ:申し訳ありません」とツイートした。「アプリやサービスへのアクセスを回復するために懸命に取り組んできましたが、現在はオンラインに戻っていることを報告します。ご理解いただきありがとうございます」。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Zack Whittaker、翻訳:Katsuyuki Yasui)

世界的な障害が続く中、フェイスブックの株価も下落を続ける

Facebookの株価は米国時間10月4日、急落した。これは、Facebookが過去10年間で最悪の障害に見舞われたためだ。

株価は5%近く下落し、Facebookはサービス停止の原因を分析するための要素を整理し、投資家はサイトへの継続的なダメージがどのようなものかを計算しようとした結果、時価総額を数百億ドル(数兆円)減らした。Facebookの株価は2021年に急騰し、7月初旬には時価総額1兆ドル(約110兆円)に達したが、ここ数カ月は停滞しており、時価総額は9200億ドル(約102兆円)をわずかに下回っている。

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数時間から1日程度のダウンでも、一部のユーザーを競合サービスに移行させるには十分であり、現在、投資家は同社の株価が下落する中、この脅威を重く見ている。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

インドの新しい決済ルール発効による影響に備えるテックジャイアントたち

世界第2位のインターネット市場であるインドで、中央銀行が定期的支払いを処理するための新たな指令を施行したことにともない、Apple(アップル)、Sony(ソニー)、Google(グーグル)、Zoom(ズーム)、PayPal(ペイパル)などのハイテク企業や多くの銀行が、インドの顧客やパートナーに対して、取引の拒否が急増することを予想して注意を促している。

インド時間10月1日に発効したインド準備銀行(RBI、インドの中央銀行)の指令は、銀行、金融機関、ペイメントゲートウェイが5000インドルピー(約7490円)以上の自動更新される取引に対して、通知、電子マンデート、AFA(Additional Factors of Authentication、要素追加認証)を介して、ユーザーから追加の承認を得ることを求めている。この指令は、クレジットカードだけでなく、デビットカードのすべての取引にも影響する。

2019年に初めて発表されたこの指令は、2021年4月に発効する予定だったが、銀行などの影響を受ける業者が、遵守するための準備が十分ではないと主張したため、9月30日まで延長された。

中央銀行は、業界の対応に不満があったようで、3月には「延長された期限を超えてフレームワークの完全な遵守を確保するのが遅れれば、厳しい監督措置を取ることになる」と述べていた。

インド準備銀行は、2019年に行われた当初の案内時点で、このフレームワークは「リスク軽減と顧客の簡便化のための措置」として機能するようにデザインされていると述べ、こうした取引を処理する業者は「実際の請求の少なくとも24時間前に、顧客の指定に応じてSMSまたは電子メールで取引前通知を顧客に送信しなければならない」としていた。

複数の企業が、顧客や、場合によっては他のビジネスパートナーに対して、新しい指令についての注意を促している。

水曜日(インド時間9月29日)には、Appleは開発者に対して、この新しい指令によって「要件を満たさない一部の取引は、銀行またはカード発行会社によって拒否されるでしょう」と注意を促した。

インド最大の民間銀行であるHDFCは、ウェブサイトに以下のメッセージを掲載した。「ご注意:2021年10月1日より、HDFC銀行のクレジットカードやデビットカードを使って、加盟店のウェブサイトやアプリで行われた自動引落(定期的な支払いを処理するための電子指示)は、RBI(インド準備銀行)が定めたプロセスに準拠していない限り、承認されません」。HDFC、Axis、Kotakを含む複数の銀行が、今週、新ルールを遵守することを発表している。

2021年5月には、GoogleはPlay Storeでの定期的な支払いを行う新規顧客の登録を停止している。同社は開発者に対して「このエコシステムの課題が解決されるまで」、無料トライアルや導入価格をアプリから削除するよう求めた。YouTubeは、プレミアムサービスに対して、プリペイド方式の、使った分だけ支払い(pay as you go)方法のみをサポートするようになった

また同じ月にAmazonは、追って通知があるまで、Amazonプライムの無料体験への新規会員登録を「一時的に」中止すると発表した。その後、新たな通知は行われていない。

この指令は、リテールバンクの連合体が構築した決済インフラであるUPIを通じた定期的な支払いには影響しない。そのため、Netflix(ネットフリックス)をはじめとするいくつかの企業は、インド国内のUPIを使った自動支払いをサポートしている。

しかし、影響は広範囲に及ぶと思われる。あるフィンテック企業の創業者がTechCrunchに語ったところによると、彼らがFacebookやGoogleで広告を出すために利用している決済サービス会社が、中央銀行のルールを理由に、今週後半から自動決済は処理されないと通知してきたそうだ。この創業者は、デリケートだと思う内容を話すために匿名を希望した。

この新ルールは、インド中央銀行が近年提案または施行してきた一連のガイドラインの中で最新のものだ。Pratik Bhakta(プラティック・バクタ)氏がThe CapTable(キャップ・テーブル)に投稿した概要によると、今回の動きは、規制当局がユーザーのために革新を行うフィンテックスタートアップの普及を奨励している一方で、消費者を傷つけようとしている傾向がないかをRBIが注意深く見守っていることを示しているものだという。

RBIの副総裁であるT Rabi Sankar(T・ラヴィ・サンカー)氏は、今週初めに開催された会議で「法律が追いつくまでは、破壊的ではない方法で金融システムがデジタル・イノベーションを吸収できるよう、規制を適応させなければなりません」と述べ「すべての利害関係者が短期的な利益よりも長期的な改善を重視し、インフォームド・コンセントやデータ利用の透明性といった、成熟した慣行を浸透させてこそ、繁栄し成熟した決済システムに到達することができるでしょう」と語っている。

ソニーは、インド時間9月30日にPlayStation Plus(プレイステーション・プラス)の加入者に宛てた電子メールで「2021年9月30日以降、PlayStation Store(プレイステーション・ストア)でPlayStation Plusのためのサブスクリプション料を支払おうとする際に、クレジットカードおよび / またはデビットカードの支払いが失敗することがあります」と伝えている。

「これは、新規にサブスクリプションを始める場合と、定期的な支払いの両者に適用されます。このため、今後自動的に課金されるように設定されたPlayStation Plusの利用料の支払いが失敗する可能性があります。もしそうなった場合、お客様のPlayStation Plusのサブスクリプションはその時点で終了となります」。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:sako)

フェイスブックのMessengerがアプリをまたぐグループチャット機能を導入、Instagramとの連携強化

​​Facebook Messengerは米国時間9月30日、一連のプロダクトをリリースした。最も注目すべきはアプリをまたぐグループチャットだ。同社は2020年、MessengerとInstagramにまたがるメッセージ機能を導入したが、ユーザーは現在、InstagramとMessengerでつながっている人たちとグループチャットを始めることができる。

本日追加されたその他の機能には、InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)でのアンケートがある。これはMessengerにすでにあるアンケート機能を作り直したものだ。Messengerはまた、グループDMにグループタイピング機能を加えた。これはチャットに使っているアプリが何であれ、友達がタイプしているのがリアルタイムにわかるようにする。加えて、Instagramにビデオコンテンツがあるとき、ユーザーはReelsやIGTVビデオのようなInstagram投稿を同時に閲覧するのにMessengerの既存のWatch Together機能を使うことができる。

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画像クレジット:Messenger

これらのアップデートが発表されたのは、InstagramとFacebookがメンタルヘルスに及ぼす害についてFacebookが上院で証言する数時間前のことだった。しかしこれらの機能追加は、Facebookのオペレーションに関して政府が行っている別の調査により深く関係している。同社は連邦取引委員会がおこした訴訟に直面している。同委員会はFacebookが独占企業であり、解体されるべきだと主張している。しかしFacebook傘下の個々のプロダクトはますます互いに関係し合っており、これらのアプリは互いに依存していて分離することはできないとFacebookは主張できるかもしれない。Facebook Messengerは8月に10周年を迎え、Facebookの広報担当は同社がMessengerを「表面に関係なく結合している組織」だと考えているとTechCrunchに語った

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画像クレジット:Messenger

FacebookとInstagramをさらに統合するアップデートはさておき、Messengerはカスタマイゼーションが好きで水星の逆行を恐れる我々のためにいくつかのおもしろい機能を投入した。コテージコアなチャットテーマ、星占い関連のチャットテーマ、ステッカー、Instagram ARフィルターなどが加わった。なぜなら、コテージコアや星図ほどティーンエイジャーが好きなものはないからだ。

画像クレジット:Facebook Messenger

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックが支援する「2Africa」は完成すれば最長の海底ケーブルに

Facebook(フェイスブック)は米国時間9月28日、2Africa(ツーアフリカ)ケーブルの「2Africa Pearls」(ツーアフリカ・パールス)と呼ばれる上陸地に9つの新拠点を追加し、合計4万5000km以上の長さになることを発表した。この海底ケーブルはアフリカ、ヨーロッパ、アジアの3つの大陸を直接結ぶものだ。

フェイスブックによれば、今回の延長により、2Africaは完成すれば世界最長の海底ケーブルシステムになるという。これは、現在SEA-ME-WE 3ラインが持つ、東南アジア、中東、西ヨーロッパの33カ国を結ぶ総延長3万9000kmの記録を上回るものだ。

海底ケーブルへの継続的な投資は、より多くの人々をオンラインにするためのフェイスブックの取り組みの一環だ。当初、フェイスブックは アフリカの人口約12億人に手頃な価格でインターネットを提供することを目指していた。その計画はやがて、アフリカ、中東、ヨーロッパの23カ国を結ぶ3万7000kmのケーブルを敷設するコンソーシアムの形に変容した。

先月フェイスブックはこの数を増やし、セーシェル、コモロ諸島、アンゴラ、ナイジェリア南東部への上陸地点を追加した。6月にも新しい分岐が、カナリア諸島(国ではない)へ接続されている。

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2Africa Pearlsの分岐に、新しい接続拠点が加わり、 地上ではエジプトを通してバーレーン、インド、イラク、クウェート、オマーン、パキスタン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦が接続される。

2Africa Pearlsへの拡張が行われることで、このシステムは さらなる18億人に接続性を提供することが可能になり、合計30億人に接続できるようになるとフェイスブックは述べている。同社はまた、これらの人びと33カ国にまたがり、世界人口の36%を占めていると付け加えた。

2Africaコンソーシアムは今でも、China Mobile International(チャイナ・モバイル・インターナショナル)、フェイスブック、MTN GlobalConnect(MTNグローバル・コネクト)、Orange(オレンジ)、STC、Telecom Egypt(テレコム・エジプト)、Vodafone(ボーダフォン)、WIOCCで構成されている。先月行われた前回の延長と同様に、コンソーシアムは9つの拠点を展開するために、ノキアのAlcatel Submarine Networks(アルカテル・サブマリン・ネットワークス、ASN)を選択した。

ただし、最新の開発に関しては、コンソーシアムから海底ケーブルの建設がいつ完了するかについての発表は出されていない。しかし、これまでの発表を見る限り、フェイスブックと通信事業者グループは、2023年後半から2024年前半という設定を想定しているものと思われる。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:sako)

Facebookリールは米国内でのベータを終了、再生回数の多い動画のクリエイターに対する報酬支払手段を提供

Facebook(フェイスブック)は、2021年8月にベータテストを開始したばかりの機能「リール(Reels)」を、米国時間9月29日、iOSとAndroidの両方で、米国内のすべてのFacebookユーザー向けに提供を始めた。この機能は、TikTok(ティックトック)に対するFacebookからの回答だ。クリエイターは、音楽やオーディオ、ARエフェクト、タイマーやカウントダウンの使用といった、さまざまな編集ツールを使って短編動画コンテンツを作成し、共有することができる。今回の公開によって、クリエイターはFacebook上で直接リールを作成することができるようになり、また、Instagram(インスタグラム)で公開したリールをFacebookにも共有することで、両方のアプリでフォロワーを増やすことができるようになる。

またFacebookは、リールの制作をどのように強化していくかについての、より詳細な計画を公開している。

同社は、他の人がリールを見たときに、そのクリエイターに報酬が支払われるような新しいボーナスプログラムを導入する。このプログラムには、2022年までにクリエイターに10億ドル(約1120億円)以上を投資するFacebookの大きなコミットメントの一部として資金が投じられる。また、クリエイターが特定の種類の広告を掲載する場合や、Facebookスター(仮想チップ)による支払いを受ける場合などにも報酬が支払われることになる。

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Reels Play(リール・プレイ)ボーナスプログラムは、InstagramのReels Summer(リール・サマー)ボーナスを拡張したものだ。対象となるクリエイターには、FacebookとInstagramでのリールの再生回数に応じて報酬が支払われ、30日間で1000回以上の再生回数を記録したリールに対して支払いが行われる(ただし、Facebookは最終的な支払い額については言及していない)。

この新しいプログラムは、米国のクリエイターのみが対象で、当面は招待制である。最終的には、より広くグローバルマーケットに展開する予定だ。

Facebookによれば、クリエイターがリールから収益を得るための他の方法の開発にも取り組んでおり、スタンプ広告やバナー広告などの新しい広告フォーマットをリール内でテストする予定だ。また、仮想チップシステムであるFacebookスターをリールに統合し、ファンがお気に入りのリールクリエイターに直接支払いができるようにすることも検討している。
また、TikTokの広告のように、リールの間に表示されるフルスクリーン広告や没入型広告をテストすることで、プロダクトとしてのリールの収益化も図る予定だ。こうした広告を通して、ユーザーはブランドや他のスモールビジネスつながることができるようになる、とFacebookはいう。また、視聴者はリール自身と同様に、すでにInstagramリールに表示されている広告に対して、コメント、いいね!、閲覧、保存、共有、スキップすることができる。

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InstagramリールをFacebookへオプトインで共有(画像クレジット:Facebook)

Facebookユーザーがリールを作成できる場所はいくつか用意されている。ニュースフィードをスクロールすると表示される新しいリールセクションの中の「作成」ボタンや、リールを見ているときやニュースフィードの上部にある「リール」をタップすることでも作成することができる。一方、ユーザーはニュースフィードからリールを見ることができる(ここには、Instagramから共有されたリールも加わる)。また、一部のページやグループでもリールを見ることができる。

当初リールは、TikTokのクローンのようなものとして、ちょうど1年前に世界のユーザーに向けてローンチされた。現在、リールはTikTokと同様の機能を提供しており、オーディオや音楽の大規模なカタログへのアクセス、タイマーやカウントダウン、ARエフェクトなどを使って動画を編集するツール、速度調整やクリップをつなぎ合わせるためのツールなどが含まれている。リールの編集ツール、特にARエフェクトのラインナップはTikTokには及ばないが、クリエイターが他社の編集アプリで作成した動画をそのままリールにアップロードすることも簡単にできる。また、TikTokのウォーターマークが表示されたリールは、アルゴリズムによってランクダウンされるものの、現在のところ、複数のサービスにクロスポストされたコンテンツが禁止されることはない。

グループ内のリール(画像クレジット:Facebook)

Facebookは、TikTokの台頭を自社のビジネスにとっての脅威と考えていることを明言してきた。競合他社に直接言及しない企業もある中で、Instagramの責任者であるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は2021年6月に、Instagramがより多くの動画を含むように進化している理由の1つとして、TikTokを具体的に名指ししている 。さらに同氏は「私たちはもはや写真共有アプリでも、単なる正方形写真共有アプリでもありません」とユーザーに訴えた。

一方、TikTokの成長には目を見張るものがある。それは、2020年に最もダウンロードされたアプリとなった。7月には、Facebook以外のアプリとしては初めて、全世界で30億ダウンロードを達成。そして今週、TikTokは月間アクティブユーザー数が10億人に達したことを発表している。これに対して、Facebookのアプリ群の月間アクティブユーザー数は現在35億1000万人に達している。

Facebookのリール機能は、米国時間9月29日から米国のユーザーを対象にFacebookのモバイルアプリ上で展開される。

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TikTokの月間アクティブユーザーが10億人に到達

画像クレジット:Facebook

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)

TikTokの月間アクティブユーザーが10億人に到達

米国時間9月27日、TikTok(ティックトック)はブログ記事で1カ月の利用者数が10億人になったと発表した。つまり地球上のおよそ7.5人に1人が、ダンスや危険な「牛乳ケースチャレンジ」、さらには実際に役立つ教育コンテンツなどのショートビデオを定期的に視聴していることになる。

比較のためにいうと、Facebook(フェイスブック)は2021年6月に月間アクティブユーザーが前年同期比7%増の29億人であると発表した。しかしTikTokは急激に成長している。2020年7月の月間アクティブユーザーは6億8900万人で、そこから45%増えている。さらにアプリ調査会社のSensorTowerによると、TikTokアプリは2021年7月にFacebookアプリ以外では初めて、全世界で30億ダウンロードを達成した。

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TikTokは明らかに欧米のテック大手に競争を突きつけている。Facebook傘下のInstagram(インスタグラム)は重点分野を抜本的にシフトし、もはや写真共有アプリではないと宣言している。InstagramはTikTokそっくりのリールを強烈に推進しているし、ディスカッションフォーラムのReddit(レディット)でさえショートビデオのフィードの誘惑にひかれている。Instagramはクリエイターに対し、TikTokの透かしが入ったビデオをリールに再利用した投稿は見つけにくくするとアドバイスしている。

TikTokによれば、親会社ByteDance(バイトダンス)の本社は中国だがTikTokの最大のマーケットは米国、ヨーロッパ、ブラジル、東南アジアだという。よく知られているように、近年のTikTokは厳しい規制の問題に直面している。米トランプ前大統領は米国の企業とTikTokとの取引を禁止しようとした。13億6000万人を擁するインドでは2020年以降、TikTokは禁止されている

こうした状況にもかかわらず、TikTokはめざましい成長を見せ続けている。つい最近の2021年8月には、TikTokの親会社であるByteDanceがVRハードウェア起業のPicoを買収し、今後VRに進出していく可能性を示した。FacebookのCEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏が1兆ドル(約110兆円)規模のプラットフォームであるFacebookを「メタバース」企業にしたいと考えているのは偶然ではない。みんな、大成功したいようだ。

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画像クレジット:TikTok

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

批判を受けてInstagramのCEOが10〜12歳向けバージョンの開発を「凍結」と発表

Instagram(インスタグラム)のトップが、13歳以下を対象とするバージョンの計画を「一時停止」することを発表した。ソーシャルメディアサービスはティーンエイジャー女子に不安や精神面での健康問題を引き起こすことをFacebook(フェイスブック)傘下の同社が認識していたことを示す内部資料を明るみに出した、ウォールストリートジャーナル(WSJ)の批判的な報道を受けての対応だ。

InstagramのCEOであるAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は米国時間9月27日、TwitterのスレッドでWSJの報道に言及した。しかし、少女たちのメンタルヘルスへのInstagramの影響について、極めてネガティブな暴露へのパニック反応とは正反対に、意図的かつ思慮深い対応として「一時停止」してやり直すことを模索することで、調査報道の影響を軽く扱おうとしている。

WSJは2019年からの内部調査スライドを入手し、その中でInstagramの親会社Facebookは「10代少女の3人に1人の身体像問題を悪化させている」と認識していた。

「当社は『インスタグラム・キッズ』と呼ばれるトゥイーン向けのInstagramを構築するプロジェクトを一時停止しています」とモセリ氏は9月27日に一連のツイートに書いた。

「このエクスペリエンスは決して子どものためのものではありませんでした。我々はトゥイーン(10〜12歳)むけのエクスペリエンスをデザインしていました。そして今日展開されているInstagramと同じものにはならないはずでした。親がトゥイーンのアカウントを承認し、子どもが誰をフォローするか、誰が子どもをフォローするか、誰が子どもにメッセージを送るか、使用時間などを監視します。しかしプロジェクトは、それがどのようなものになるのかが見えてくる前に漏れました。人々は最悪のケースを恐れました。その時点で答えは持ち合わせていませんでした。最近のWSJの報道はより大きな懸念を引き起こしました。この件にもう少し時間をかける必要があるのは明らかです」

インスタグラム・キッズとよく呼ばれる、トゥイーンのためのInstagramを構築するというプロジェクトを一時停止し、ティーンエイジャー向けの選択制ペアレンタルコントロールを構築することを発表します。詳細はこちらhttps://t.co/fWwkK5yu6R

ーアダム・モセリ (@mosseri) 2021年9月27日27

「もう少し時間をかける」のが「中止」の婉曲表現なら、モセリ氏の結論はFacebookにこの計画を中止するよう何カ月も促してきた、多くの子ども保護グループや関係者に歓迎されるだろう。

例えば米国44州・準州の司法長官らは2021年5月にFacebookに13歳以下向けのInstagramの計画を破棄することを求める書簡を送った。

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しかしながら9月初めにTechCrunchが報じたように、モセリ氏は以前、アプリがティーンエイジャーに及ぼすネガティブな影響の懸念について「極めて少ない」と退け、軽視することを模索した。

13歳以下の子どもが代わりのアプリを見つけて使用することはなおさら悪いものになるかもしれないとも述べたが、その前に「批判家はこれを、プロジェクトが悪いアイデアだったと譲歩したととらえるでしょう。それは違います」とモセリ氏はプロジェクトを棚上げすると発表したツイートのスレッドで続けた。モセリ氏、落ち着いて欲しい。

Instagramトゥイーン(モセリ氏がそう表現している)を一時停止するという大きなニュースに加えて、 Instagramは「ティーンエイジャー向けの選択制ペアレンタルコントロール」というものを構築中であることも明らかにしている。

記事執筆時点で、この取り組みについてのInstagramのブログ投稿へのリンクは機能しておらず、詳細はまったくない。しかしこの動きは、WSJが報じた内部資料によると、ティーンエイジャー女子の32%が Instagramで身体像が悪くなったと回答していることが明らかになったことにInstagramがプレッシャーを感じていることを示している。

WSJの報道ではまた、この調査への参加者で自殺を考えたことのある人は、英国のティーンエイジャーで13%、米国のティーンエイジャーで6%で、自殺への関心を直接Instagramと結びつけていた。

「ティーンエイジャーは、不安や気分の落ち込みの増加をInstagramのせいにしています」と別の内部資料のスライドにはある。「この反応は全グループで自発的かつ一貫したものでした」。

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi

【コラム】フェイスブックのスマートグラスはGoogleのミスを乗り越える可能性が高い

Facebook(フェイスブック)は先日、ユーザー視点の動画を撮影できる待望のウェアラブルサングラスを発表した。この新製品に対して、多くの人たちから嫌悪的反応が寄せられているのはもっともだが、それにもかかわらず今回のローンチでFacebookが下した決断の1つにより、Google Glass(グーグル・グラス)が失敗した点を乗り越える可能性が高い。

Facebookは、ビジネススクールのカリキュラムを参考にしてRay-Ban(レイバン)と提携することで、効果的なアプローチを行った。新人のプロダクトマネジャーは、この教訓を忘れてはならない。

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このことをよく理解するためには、まず、Google Glassを見直す必要がある。それは2011年に、一部のユーザーのみを対象としたプロトタイプとして発売された。ベータ版を発表する際の当時のGoogleのアプローチと同様に、ユーザーは1500ドル(約16万6000円)を支払って、この未来のように見え、そして感じさせるデバイスで、遊んだり試したりした。

Google Glassは、Time Magazine(タイム・マガジン)のその年のベスト発明品に選ばれたにもかかわらず、問題が山積みで、まさに未完成の製品だった。これまでに多くの人が、Google Glassの主な失敗は、明確なユースケースを持たずに新しい技術を発表した典型例だとコメントしている。Google Glassで人は一体何をするのだろうか?

またデザインは自社で行い、マーケティングは共同創業者であるSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏が、シリコンバレーからファッションウィークまで、あらゆる場所で着用している姿を見せながら、意図せずして広報活動を行った点も、Google Glassのローンチのまた別の重要な側面だ。実際、Googleは成功の波に乗って、予想されていた新しいおもちゃを提供したものの、結局明確な用途は示せていなかった。

さて2021年9月初旬に時間を進めよう。Facebookは新しいウェアラブルサングラスを発表したが、すぐにそして繰り返しGoogle Glassと比較され続けている。誰もが気になっているのは(隣の人が勝手に私を録画していないかということ以外に)、Facebookの試みがGoogle Glassのように大失敗してしまうのではないかということだ。しかし、サングラスのトップメーカーであるRay-Banと提携し、最も認知度の高いブランドの1つであるWayfarer(ウェイファーラー)を実際のウェアラブルとして採用したことが、Facebook版の成功につながる可能性がある。

Facebookは起業から10年以上が経過しているが、多くの大規模テクノロジー企業と同様に、自社のプラットフォームを時代遅れにしないためには、必然的に製品やサービスにおけるイノベーションの先端を探らなければならない。つまり、Facebookが検討する製品の立ち上げの多くは、リスクがあったり未知の状況というだけではなく、そもそもあらかじめ知り得ない世界へ進む必要があるのだ。何が違うのか?

Facebookをはじめとする多くのテクノロジー予測者が直面している問題は「Knightian uncertainty」(ナイトの不確実性)と呼ばれるものだ。1921年、Frank Knight(フランク・ナイト)博士が、リスクと不確実性の重要な違いを強調する研究を発表した。たとえばリスクとは、Facebookが2022年の広告収入の市場シェアもGoogleより高く保ち続けるために収益をいかに管理できるかなどだ。

両社ともに収益の成長は記録しているので、過去のデータを活用して、将来をかなり正確に予測することができる。ここで重要なのは、そうした予測のツールには強みがあり、それが意思決定に活かされているということだ。

だがこの状況と、Facebookのグラスが成功するかどうかを比べようとしても、これらはまったく違う状況なのだ。どのような歴史的記録を探すことができるだろう。1年目のApple Watch(アップル・ウォッチ)のような需要があるのだろうか?それとも、MicrosoftがiPod(アイポッド)に対抗しようとしたZune(ズーン)のようになるのだろうか?要するに、この製品の需要は不可知なのだ。そして不可知の状況に対する予測にはほとんど価値がないということだ(これがナイトの不確実性と呼ばれているものでもある)。

では、なぜFacebookには成功する可能性が残されているのだろうか。なぜなら、Facebookはもはやスタートアップではないものの、そのチャンスを広げるために起業家としての重要な手法を活用したからだ。つまり、Facebookグラスのローンチに際して、Ray-Banと提携するという効果的なアプローチを行ったことだ。

Googleが人々が求めているものは何かに想像力を巡らせて、新しいメガネのデザインを発明しようとしたのに対し、Facebookはすでにある程度定着しているデザインを活用した。企業や起業家が新しい製品やサービスを立ち上げようとして、予測ツールが上手く働かないときに、結果をコントロールするためには共同作業が重要になる。起業家が自分でコントロールできる、あるいはコントロールできる側面を活用することを促すこうした起業家の手法は、エフェクチュエーション(Effectuation)と呼ばれる。

そのためには、自分が何者であるか、何を知っているか、誰を知っているかから始める必要がある。Facebookは、人々がどんなメガネを好むかを予測したり、そうしたメガネのマーケティングを自ら学ぶのではなく、市場最大手であるRay-Banのノウハウを活用することを選んだ。

Facebookは、新製品の重要な不確実性を回避する手助けのできるパートナーを見つけて、不可知の世界へと踏み出したのだ。それだけでも、成功の可能性は高くなる。

結局のところ、新しい消費者製品のイノベーションは、信じられないほど不確実(リスクではない)で、ほとんどのものが失敗するだろう。つまり、たとえRay-Banとパートナーシップがあったとしても、他の多くのパラメータによって簡単に失敗する可能性があるということだ。しかしFacebookは、優れた起業家のように、今回の製品のローンチに際して重要な起業家的アプローチを活用することで、成功の可能性を高めようとしているのだ。

編集部注:本稿の執筆者Ashish Bhatia(アシシュ・バティア)氏は、ニューヨーク大学スターン校の経営学と起業家学の特任准教授であり、ビジネス、テクノロジー、起業家学の学士課程のアカデミックディレクター

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画像クレジット:Lucas Matney/TechCrunch

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(文:Ashish Bhatia、翻訳:sako)

フェイスブックがアップルのプライバシーポリシー変更による広告事業への影響を報告

Facebook(フェイスブック)は米国時間9月22日、Apple(アップル)のプライバシーに関する変更が同社の広告事業にどのような影響を与えているかについての最新情報を提供した。すでに同社は、第2四半期の決算発表時に、第3四半期までに広告ターゲティング事業にさらに大きな影響が出ることが予想されると投資家に警告していた。同社は今回、その点を改めて強調するとともに、iOSのウェブコンバージョンを約15%過少に報告していたため、広告主にその影響が予想以上に大きいと思われていたことを指摘した。

Facebookのビジネスブログに掲載された発表によると、その正確なパーセンテージは、個々の広告主によって大きく異なる可能性があるとのこと。しかし、売上やアプリのインストールなどを含む実際のコンバージョンは、広告主がFacebookのアナリティクスを使って見ている数値よりも高い可能性があると述べている。

このニュースを受けて、Facebookの株価は4%近く下落している(記事執筆時点)。

Facebookが誤解を招くような測定値を公開したことは、今回が初めてではない。過去には動画広告の測定基準を水増ししていたにもかかわらず、すぐに問題を修正しなかったため、集団訴訟に発展したこともある。しかし、今回のケースでは、評価指標の問題はFacebookを実際よりも良く見せるのではなく、むしろ悪く見せてしまっていたということだ。Facebookは、広告主コミュニティから、ネットワーク上の広告投資に計画していた以上の影響が見られるという声を聞いており、懸念が高まっていると言及した。

そこでFacebookは、この新時代にキャンペーンの影響とパフォーマンスをよりよく理解するためのヒントをいくつか広告主に提供することにした。これまでのように毎日評価するのではなく、最低でも72時間、あるいは最適化ウィンドウがいっぱいになるのを待ってから、パフォーマンスを評価することを、同社は提案している。また、推定されるコンバージョンが遅れてレポートされる場合があるため、広告主は可能な限りキャンペーンレベルでレポートを分析すべきだとも述べている。さらに、広告主のコアビジネスに最も合致したウェブイベント(購入や登録など)を選択することなどを勧めている。

この測定値に関する問題に対処するため、Facebookはコンバージョンモデルの改善に取り組んでおり、レポートのギャップを解決するための投資を加速させ、ウェブコンバージョンを追跡する新機能を導入し、すでにインストールされているアプリ内のコンバージョンを測定する機能を拡張すると述べている。さらにバグを発見したら迅速にその修正に取り組むとしており、最近では約10%の過少報告につながっていたバグを修正し、広告主には共有済みだという。

Facebookは8月に、アップルとGoogle(グーグル)のプライバシーに関する変更と新たな規制の状況に照らして、パーソナライズド広告事業を適応させるためにどのように取り組んでいるかを説明したが、こうした取り組みには時間がかかると述べていた。

広告技術のアップデートだけでなく、Facebookは広告主がアプリを閲覧する消費者に、より効果的にアピールできるような新製品も開発している。例えば先週には、ビジネス向けツールのラインナップを刷新し、いくつかの新機能の導入や、消費者が企業を発見する機会を増やすための小規模なテストを拡大すると発表したばかりだ。すでに米国の一部ユーザーを対象に行われていたこのテストでは、ニュースフィードの投稿の下に、関連した他の企業やトピックを表示し、ユーザーを直接導こうとするものだ。他にも、企業がInstagram(インスタグラム)のプロフィールにWhatsApp(ワッツアップ)のボタンを追加できるようにしたり、InstagramユーザーをWhatsAppのビジネスチャットに誘導する広告を作成できるようにしている。

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Facebookは以前から、モバイルユーザーがiOSアプリ上で追跡されることをオプトアウトできるアップルの新しいプライバシー機能が、同社の広告ターゲティング事業の一般的な運用に問題をもたらすと広告主に警告してきた。Facebookはまた、アップルの変更が、Facebook広告に依存して顧客を獲得している小規模な店舗などの事業に影響を与えると繰り返し主張もしてきた。そしてこの変更が実施されると、Facebookの懸念は妥当であることが確認された。iOS上でトラッキング許可を選択している消費者はほとんどいないという調査結果が出たのである。

画像クレジット:Sean Gallup / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

FacebookはInstagramが10代に悪影響を及ぼすことを把握していながら子供向けアプリ立ち上げを計画、この計画はさらに有害だと考えられる

Facebookが再度苦しい立場に追い込まれる。

ウォール・ストリート・ジャーナルは先にFacebookに関する複数パートからなるシリーズ記事を発表した。この記事では、著名人をホワイトリストに登録して水面下で特別扱いする同社の慣行から、Instagramが10代の少女の精神衛生に重大な打撃を与えることをFacebookが把握していた、といったことまで、内部文書から得られた内容が報告されている。

相次ぐ調査記事により、Facebookがすでに指摘されていた問題について表向きに口にしてきた言葉と、裏で同社が実際に把握していたこととが、必ずしも一致していないことが明らかになった。Facebookは何年にもわたって自ら種を蒔いてきたさまざまな社会的病気について素知らぬふりをしてきたわけだが、それでも今回発表された記事は衝撃を与えた。Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がFacebookが2016年の選挙に影響を与えたという考えを「ばかばかしい」として否定したことを覚えておられるだろうか?Facebookが長いこと取ってきたPR戦略は、仮に調査によって問題が社内で明るみに出ていても、その危険性を隠し、社会への負の影響を把握していることを表向きには否定する、というやり方である。

このやり方は、誰かが内部調査報告書を入手するまではまったく問題なかったかもしれない。

WSJのレポートで明らかになった重大な問題の1つは、 Instagramが10代の少女たちの精神衛生に重大な危険を及ぼしていることをFacebookが把握していたことである。2019年の内部調査結果を報告するスライドには「我々は、3人に1人の割合で10代の少女の身体イメージに関する問題を悪化させている」と書かれていた。同社は現在、さらに年若く影響を受けやすい年齢層にもサービスを拡大する計画 を立てており、こうした事実を知っていたことは衝撃的である。

ついこの間の5月、InstagramのAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏は、同アプリが10代のユーザーに与えるマイナスの影響について「ごくわずかである」として、懸念を否定したばかりである。

しかし、内部で把握していたことは、これとは異なるようである。WSJによると、2019年から2021年まで、同社はオンライン調査、日記研究、フォーカスグループ、大規模なアンケート調査などを通し、10代の若者の精神衛生について徹底的な調査を実施した。

ある内部スライドによると、この調査で、10代の少女の32%がInstagramによってマイナスの身体イメージを植え付けられたと報告していることがわかった。自殺念慮を持ったことのある調査参加者のうち、英国の10代の若者の13%、および米国の10代の若者の6%が、自殺への関心を直接Instagramと結びつけていた。

別の内部スライドには次のような記載があった。「10代の若者は、不安やうつ症状の増加に関しInstagramに原因があるとしている。この反応は自発的なもので、すべてのグループ層で同じ傾向が見られた」。

WSJのレポートを受け、Marsha Blackburn(マーシャ・ブラックバーン、共和党・テネシー州選出)上院議員およびRichard Blumenthal(リチャード・ブルメンタル、民主党・コネチカット州選出)上院議員が、Facebookについて、Instagramが10代の若者に与える深刻で致命的な危険について示した内部調査に対する同社の対応が透明性に欠けるとして、調査を実施することを発表した。上院の消費者保護・製品の安全・およびデータセキュリティ小委員会が調査を近々開始する。

「私達は、Facebookの内部告発者と連絡を取り合っており、Facebookがどのようなことをいつ頃知ったかについて、さらに詳しい文書を探すことや証人喚問も含め、あらゆるリソースを使って調査します。ウォール・ストリート・ジャーナルの衝撃的なレポートは氷山の一角に過ぎない可能性があります」と、ブラックバーン、ブルメンタル両上院議員は書いている。

ブラックバーン氏とブルメンタル氏だけがこのレポートに危機感を覚えた米国議員ではない。Ed Markey(エド・マーキー、民主党・マサチューセッツ州選出)上院議員、Kathy Castor(キャシー・カスター、民主党・フロリダ州選出)下院議員、Lori Trahan(ロリ・トゥラハン、民主党・マサチューセッツ州選出)下院議員もFacebookに別途書簡を送り、子ども向けのInstagramの立ち上げ計画を思いとどまるよう要求した。この書簡の中で「子どもと10代の若者は、オンラインによる害を特に受けやすい層であり、さまざまな知見により、Instagramが若者の心身の健康に著しい脅威をもたらすアプリであることを明確に衝撃的な形で示している」と彼らは述べている。

5月、44名の州検事総長が連名で書簡を送り、13歳未満の子どもにInstagramを提供する計画を放棄するよう同社に働きかけた。「Facebookはニーズに応えているのではないように見えるが、実はニーズを作り出しているのである。このプラットフォームは主にそれが存在しなければInstagramアカウントを持たない、または持たないであろう年齢層の子ども向けのものだからである」。と州検事総長らは書き、子ども向けInstagramは「有害だとする理由が数え切れないほどある」と警告している。

4月には、民主党の議員がやはり連名でInstagramが若年層のユーザーの心身の健康に与える影響について「深刻な懸念を」表明したほか、消費者擁護団体連合も子ども向けInstagramの立ち上げを再考するよう同社に要求している。

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WSJが入手した文書をもとに考えると、これらの懸念はすべて非常に妥当に思われる。広範な内部調査を実施しそこから重大な問題があることを把握していたにも関わらず、また規制当局が同社に対し何を実際に把握しているか知らせるよう定期的に求めていたにも関わらず、Facebookは表向き同社が持っている知識を過小に見せてきた。

Instagramのモセリ氏が先に、ソーシャルメディアと自動車についてしゃれにならない比較をしたことで、事態はさらに悪化したのではないかと思われる。モセリ氏はRecodeのポッドキャストでPeter Kafka(ピーター・カフカ)氏に「自動車があるために事故で亡くなる方がいますが、おしなべて考えれば、自動車はそうしたマイナスの要素よりもずっと大きな価値を世界にもたらしています。私はソーシャルメディアもこれに似ていると思います」と述べたのだ。

モセリ氏は、ソーシャルメディアの中毒性が十分な調査によって判明しているにもかかわらず、ソーシャルメディアと薬物、またはタバコとの類似性を否定し、かわりにソーシャルプラットフォームと自動車産業とを結びつけた。当然のことながら、同社を批判している人々はこの発言に飛びつき、ソーシャルメディアと死との関連性、および自動車産業はソーシャルメディアと異なり厳しい規制を受けているという事実を指摘した。

画像クレジット:Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Dragonfly)

フェイスブックがスマートスクリーンPortalシリーズにバッテリー駆動タイプを追加

FacebookのPortalシリーズは、スマートスクリーンの世界では常にちょっと変わり者という存在だった。Facebookがこの分野に最も顕著に貢献していることと言えばほぼ間違いなく、AIを使って被写体を追跡し、それに応じてパンやズームをしてフレーム内にとらえ続けるスマートカメラだ。大手で初めて市場にこの賢い機能を提供し、GoogleやAmazon、そしてAppleまでも同様の機能にそれぞれ取り組んでいる。

Portalの(NestやEchoと比べた場合の)もう1つの大きな訴求点は、MessengerやWhatsAppといったFacebookのソフトウェアとの統合だ。こうした利点はあるが、コネクテッドホームのハードウェアとスマートアシスタントの世界で、Portalシリーズは出足の良かったAmazonやGoogleとの差別化に苦戦してきた。

画像クレジット:Facebook

米国時間9月21日にバッテリーで動くスマートスクリーンのPortal Goが発表され、興味深い観点が加わった。10インチのデバイスで、背面に持ち手があって手に取りやすい。バッテリー駆動時間は標準的な使い方で5時間、画面をオフにして音楽を再生する場合は最長14時間となっている(現時点ではバッテリー節約用のモードはない)。

ラインナップに追加されるモデルとしては巧みなものだ。タブレットの領域に近づいてきているが、筆者はNest Homeを別の部屋に持っていきたいという衝動に何度も駆られている。使い方は人それぞれ異なるだろう。

画像クレジット:Facebook

実物はまだ見ていないが、デザインを詳しく検討してみよう。丸みを帯びていて黒いベゼルはやや太い。ここ数年のスマートホーム製品でよく見られるように背面は布張りになっている。全体はくさびのような形状で、前面に2つのスピーカー、背面にウーファーが1つがある。

前面には超広角の12メガピクセルカメラがあり、前述したようなスマートなパンができる。プライバシー保護のために物理的なレンズカバーがある。画面の傾きは見やすく調整できる。現時点では複数のスピーカーをセットアップするFar-Fieldテクノロジーには対応していない。対応するとなると、家の中で持ち運ぶ際のセットアップが複雑になりそうだ。

Portal+の新バージョンも発表された。カメラはPortal Goと同様で、傾きを調整できる14インチ薄型ディスプレイにはZoom使用時に最大25人を同時に表示できる。Portal Goは199ドル(約2万1800円)、新しいPortal+は349ドル(約3万8200円)だ。両方とも米国ではすでに予約が始まっており、10月19日から出荷される。

画像クレジット:Facebook

さらにFaceboookは、スマートスクリーンをビデオ会議用製品に位置づけるPortal for Businessも発表した。リリースでは以下のように説明されている。

Portal for Businessを利用すると、中小企業は従業員用のFacebook Workアカウントを作成し、管理できます。これは企業が自社のメールアドレスを使ってPortalをセットアップできる、新しいアカウントタイプです。2022年にはこのWorkアカウントで、Portal以外にも人気のあるFacebookの業務用製品にアクセスできるようになります。

Portal Device Mangerを使うと、IT部門が従業員のマシンをセットアップし、リモートで消去できる。このシステムは現在、クローズドベータとして提供されている。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)