Appleが中国で4年放置されていたApp Storeの抜け穴をやっと封鎖

こんにちは。TechCrunch中国まとめニュースにようこそ。これは中国の技術情勢を伝える最新情報と、それが世界中の人々にとって何を意味するのかをお伝えするダイジェストだ。今週、Appleは競争の激化に直面する中国国内における、コンプライアンスの強化を告げる大きな動きをみせた。しかし投資家たちは、この際どい問題に対する同社の中国内におけるアプローチに不満を示している。

ウイルスゲームが削除された

致命的なウイルスを、世界全体に感染させることを目標としたシミュレーションゲームの「Plague Inc.」は、先週中国のiOS App Storeから削除された。1月下旬にCOVID-19新型コロナウイルスが流行して以来、中国のユーザーたちは、この8年前から存在していたゲームを数多くダウンロードしていた。おそらくは流行を理解するための代替手段を模索していたのだろう。

市場調査会社App Annieのデータによれば、このタイトルは、年初の28位から上昇して、1月下旬から2月のほぼ全期間を通して中国で最もダウンロードされたアプリだ。

ゲームを制作した英国のNdemic Creationsは、声明の中で「状況(AppleのApp StoreからのPlague Inc.の削除)は、完全に私たちの手の届かないところにある」と述べている。中国政府が発表した削除に対する不透明な理由は、このゲームには「中国のサイバースペース管理局(同国のインターネット監視組織)によって違法だとされているコンテンツが含まれている」というものだ。

この出来事は中国内外で多くの注目を集めている。Plague Inc.のプレイが厄介なものになる可能性があると考えた北京政府の圧力に、Appleが屈したのだと推測する者もいる。1つの問題点は、そのチュートリアルの中で中国がデフォルトの感染開始国として扱われているということだ(実際のゲームでは世界中のどんな場所からでも感染を開始させることができる)。2018年に出された報告によれば、Plague Inc.は中国での配布の公式許可を実際に申請したものの、その「社会的に不適切な」コンテンツのため に却下されている。

またNiko PartnersのゲームアナリストであるDaniel Ahmad(ダニエル・アーマド)氏のように、プレイヤーが「フェイクニュース」を生成できるようになった12月のアップデートが、健康危機の中でアドバイスを求める人たちをミスリードする可能性があると、中国政府が判断したのかもしれないと指摘する声もある。

アーマド氏はまた、今回の禁止は、現在中国で進行している無許可のモバイルゲームの取り締まりにリンクされているかもしれないと示唆している。特にPlague Inc.の禁止は、Appleが先週行った中国のアプリストア内のすべてのゲームは、7月からはISBN番号の形式で 政府の承認を得る必要があるという発表と同時に行われた。この新しい規制プロセスが何を伴うのかについての詳細は、ほとんど明らかにされていない。また開発者たちには、現在公開されている公式には承認されていないゲームが削除されるのかどうかも知らされていない。

Appleの投資家たちは、同社が中国内でアプリを取り下げたことに満足していない。株主の40%はAppleが人権へのコミットメントを維持し、北京政府のアプリ検閲要求にどのように対応するかをより透明化すべきだとする提案を支持している

Appleの対応の遅れ

とはいえ、ゲームの許諾要求は新しい話ではない。実際、Appleは長年存在していた規制の抜け穴を、やっと塞ごうとしているのだ。中国政府は2016年の段階で、PCとモバイルの両方のビデオゲームに対して、中国内での流通の前にISBN番号を申請しなければならないと規定していた。数カ月のうちに、中国内の技術大手企業が運営している各社のAndroidストアたちは、違法ゲームを排除するために迅速な対応を行った。なお公式のGoogle Playストアは中国では利用できない。

しかし、Appleはコンテンツが厳しく監視されている世界最大のゲーム市場の中で、許諾されていないタイトルたちをなんとか維持し続けてきた。Appleには、そうするための多くのインセンティブがあるのだ。中国でのiPhoneのシェアの低下にもかかわらず(公平を期すなら、Huawei以外のすべての中国の携帯電話メーカーが、最近は市場シェアの低下に苦しんでいる)、中国におけるiOSアプリ、特にゲームはAppleにとって重要な収益源のままだ。

そのため、Appleにとって中国で公開するアプリのハードルをクリアすることは、最大の関心事なのだ。意志あるところに道あり。2016年以前は、中国でのゲーム公開の手間は比較的少ないものだった。同年に行われた規制変更に従って、Appleは各ゲームに対して政府からの許諾証明を要求し始めたが、そのポリシーを強制的には適用しなかった。地元メディアは、デベロッパーが適当に作成したISBN番号を使うか、最初に海外のiOS App Storeで公開しその後中国に切り替えることでルールを回避できると報道していた。

この疑わしいやり口は看過されなかった。2018年8月には、中国の国営メディアが、App Store承認に対するAppleのお粗末な見過ごしを激しく非難した。

ゲームに対する審査を強化したとしても、必要とされる許可を得るための資金と運営資源が豊富な中国の大手ゲーム会社には、ほとんど影響がないだろう。むしろ、彼らの挑戦は、北京政府のイデオロギーガイドラインに沿ったコンテンツを工夫することであり、その例はTencentによるPUBGの愛国的修正に見ることができる。

だが最悪の打撃は、App Storeの抜け穴を利用して、名前やロゴ、キャラクターを変えて偽装しながら大量にリリースされるいわゆる「ソックパペット(马甲包、靴下人形)ゲーム」を制作しているような、小規模の独立したスタジオや会社が受けることになるだろう。彼らはそうした工夫をすることで、より多くの流通を実現し収益を得ることができていたのだが、そうしたソックパペットたちが当局の厳しい審査を通過できる可能性はほとんどない。ある中国のゲームブログが予想しているように、この動きは不正行為を終わらせる可能性がある。

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(翻訳:sako)

ハイテク業界の醜悪な真実を明らかにしたTechCrunch2019年調査レポートトップ10

Facebookがティーンエージャーをスパイしていたこと、Twitterアカウントがテロリストに乗っ取られたこと、そして児童性的虐待の画像がBingとGiphyで発見されたことなどが、2019年のTechCrunchの調査レポートで明らかになったもののなかでも、とりわけ醜悪な真実たちだ。安全性の欠陥や力の濫用が及ぼす影響が、ますます大きくなる中で、ハイテク業界はこれまで以上に多くの監視の目を必要としている。原因が悪意、無知、あるいは貪欲のいずれであろうとも、そこには嗅ぎつけられた数多くの不正行為があった。

TechCrunchは、セキュリティエキスパートであるZack Whittaker(ザック・ウィテカー)記者に率いられて、増大する問題に対処するために、より長期にわたる調査を実施してきた。実際、資金調達、製品発売、そしてすばらしいエグジットなどに関する私たちの記事は、物語の半分しか語っていないのだ。おそらくスタートアップ(と彼らのその後)に特化した、最大かつ最も長期間にわたって運営されているニュースソースである私たちは、そうした企業たちが誠実であり続けることや、技術に対するより倫理的で透明なアプローチを推進していくことに対して責任を負っている。

調査に値する潜在的なヒントがある場合は、TechCrunch(tips@techcrunch.com)に連絡するか、匿名のフォームから教えて欲しい。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

2019年に行われた調査レポートの上位10件と、その影響を紹介しよう。

1. Facebookはティーンエージャーたちのデータを覗き見するために、金を渡している。

Josh Constine(ジョシュ・コンスティン)記者の画期的な調査によって明らかになったことは、Facebookがティーンエージャーや成人に対して月額20ドル(約2200円)のギフトカードを支払い、VPNをインストールさせて、市場調査の名目ですべての機密モバイルデータをFacebookに送信させていたことだ。Facebook Researchが抱えていた問題として挙げられたのは、たとえば18万7000人のユーザーに「Project Atlas」に登録するまでデータがFacebookに送られることを通知しなかったこと、4300人以上の未成年者から適切な保護者の同意を受け取っていなかったこと、同プログラムに関して公言した場合、ユーザーに対して法的措置をとると圧力をかけたことなどだ。また、このプログラムは、App Storeのレビュープロセスを回避するために、企業内で従業員だけを対象にアプリを配布するためにデザインされた、Appleのエンタープライズ証明書プログラムを悪用していた。

影響は甚大だった。議員たちはFacebookに対して怒りの書簡 を送った。ほどなくTechCrunchは、同様の市場調査を行うScreenwise Meterと呼ばれるGoogle製のプログラムを発見した。Googleは直ちに同プログラムを中止した。Appleは、すべての従業員専用アプリを丸1日シャットダウンすることでGoogleとFacebookの双方を罰した。このことで、Facebookの従業員はシャトルスケジュールやランチメニューにアクセスできず、オフィスが混乱した。Facebookは、このプログラムが公明正大なものだと主張しようとしたが、最終的には反発に屈し、Facebook Researchと18歳未満のユーザー向けのすべての有料データ収集プログラムを中止した。最も重要なことは、この調査レポートによって、FacebookがそのOnavoアプリをシャットダウンしたことだ。このアプリはVPNを提供するという触れ込みだったのだが、実際はどのライバルを模倣すればよいかを知るために、大量のモバイル利用データを吸い上げるものだったのだ。Onavoは、FacebookがメッセージングのライバルであるWhatsAppを190億ドル(約2兆1000億円)で買収する必要があることをFacebookに認識させたものであったが、いまや同社に対する反トラスト調査の中心となっている。TechCrunchのレポートは、Facebookの搾取的な市場監視を弱め、技術の巨人同士を競わせ、データ収集に対する透明性と倫理の水準を引き上げた。

2. WannaCryキルスイッチの擁護

急速に広がるWannaCryランサムウェアから、インターネットを保護したヒーローたちのプロフィールを描いたザック・ウィテカー記者の記事は、サイバーセキュリティの不安定な性質を明らかにしている。WannaCryのキルスイッチ(停止スイッチ)を確立したMarcus Hutchins(マーカス・ハッチンズ)氏の善意の仕事を描いた魅力的な記事は、別件のティーンエイジャーでマルウェアを作成したという罪で彼を10年の刑務所送りにするのではなく、わずか1年の保護観察付きで釈放となった判決に、影響を与えた可能性がある。

3. イーロン・マスク氏のトンネルの危険性

TechCrunchの寄稿者であるMark Harris(マーク・ハリス)記者の調査レポートは、ワシントンDCからボルチモアへのトンネルを掘るという Elon Musk(イーロン・マスク)氏のBoring Companyの計画の中に、不適切な非常口やその他の問題があることを明らかにした。火災安全およびトンネルエンジニアリングの専門家たちに相談し、ハリス記者は、州および地方政府に対して、公共インフラに近道を導入しようとする破壊的テクノロジーに対して懐疑的であるべきだという強い証拠を提示した。

4. Bingの画像検索は児童虐待で溢れている

ジョシュ・コンスティン記者の調査は、Bingの画像検索結果が、子供の性的虐待画像がどのように表示されているかを示すと同時に、何も意識していないユーザーが、そうした違法コンテンツを呼び出しかねない検索ワードも示唆した。コンスティン記者の示したヒントは、反児童虐待スタートアップAntiToxin(現在はL1ght)によるレポートへと繋がり、Microsoftは英国の規制当局に対してこれを防ぐための大幅な変更の約束を強いられた。だが、TechCrunchのレポートを引用したNew York Timesによる追跡レポートによれば、Bingがほとんど改善されていないことが明らかになった。

ザック・ウィテカー記者の調査が、その追放に疑問があったタフツ大学の学生、Tiffany Filler(ティファニー・フィラー)氏による、成績改ざん疑惑の中にある矛盾した証拠を明らかにした。記事は告発そのものに大きな疑念を投げかけ、学生自身が将来の学術的または専門的努力を狙う際の、助けになる可能性がある。

6. 教育用ノートPCの発火

Natasha Lomas(ナターシャ・ロマス)記者は教育用コンピューターハードウェアスタートアップであるpi-topのトラブル報告を行った。記事には米国のある生徒を負傷させたデバイスの誤動作が含まれていた。分解できるように設計されたpi-top 3ノートPCによって、その生徒が「非常に厄介な指の火傷」を負っていたことを内部電子メールは明らかにした。信頼性が大きく問われ、レイオフが続いた。このレポートは、生徒のような特に傷つきやすい者たちを中心に置き物理的な世界で事業を展開するスタートアップたちは、いかに安全を最優先にしなければならないかということを強調している。

7.Giphyは児童虐待画像をブロックできない

Sarah Perez(サラ・ペレス)記者とザック・ウィテカー記者は、児童保護のスタートアップL1ghtと協力して、性的虐待画像のブロックに対するGiphyの怠慢を暴露した。このレポートは、犯罪者たちが違法な画像を共有するためにサイトをどのように使用し、それが検索エンジンによって、誤ってインデックスされたかを明らかにした。TechCrunchの調査が明らかにしたのは、自らのコンテンツに対してもっと警戒する必要があるのは、公的な技術の巨人たちだけではないということだ。

8.Airbnbの反差別に対する弱み

Megan Rose Dickey(ミーガン・ローズ・ディッキー)記者は、盲目で耳が不自由な旅行者の予約が盲導犬を連れていたためにキャンセルされた際の、Airbnbによる差別的ポリシーが現れたケースを調査した。ディッキー記者のレポートが1カ月の営業停止のきっかけになるまで、Airbnb は差別行為によって告発されたホストを単に「教育」しようとしただけだった。調査は、Airbnbが収益を生み出すホストを保護するためにどんなこと、そしてポリシーの問題によりIPOを損なう可能性があることを明らかにした。

9.期限切れのメールがテロリストたちにプロパガンダをツイートさせる

ザック・ウィテカー記者は、乗っ取られたTwitterアカウントを通じて過激派組織IS(イスラミック・ステート)のプロパガンダが拡散されていることを発見した。彼の調査により、Twitterアカウントに関連付けられたメールアドレスの有効期限が切れると、攻撃者はそれを再登録してアクセスし、Twitterから送信されたパスワードリセットを受信できることが明らかになった。記事は、ビッグテクノロジーのセキュリティ上の欠点を悪用する、巧妙だが決して高度ではないテロリストグループの手段を明らかにしただけでなく、すべてのサイトがふさぐべき危険な抜け穴を特定した。

10.ポルノとギャンブルのアプリがAppleを出し抜く

ジョシュ・コンスティン記者は、数十におよぶポルノおよびリアルマネーのギャンブルアプリが、Appleのルールを破りながらエンタープライズ証明書プログラムを悪用することでApp Storeのレビューを回避していることを発見した。それらのアプリの多くが中国を拠点にしたものだ。このレポートは、企業証明書が脆弱で簡単に詐取される要件を明らかにした。7カ月後、Apple は中国からのポルノおよびギャンブルアプリの削除リクエストが急増していることを明らかにした。この調査は、Appleが企業証明書ポリシーを厳しくする後押しをすることになり、さらにCEOのティム・クック氏が日頃他の技術大手のポリシーに対して頻繁にジャブを繰り出しているにもかかわらず、同社自身にも対処すべき問題がたくさんあることを証明した。

ボーナス:HQ Triviaの従業員たちがCEOを解任しようとして解雇された

『ゲーム・オブ・スローンズ』にも負けない物語は、その影響がすべてのスタートアップエグゼクティブへの警告であるにしても、除外するには興味深いものだった。ジョシュ・コンスティン記者は、ゲームスタートアップ、HQ Triviaの業績が急降下した際に、CEOの無能さと不作為に対して従業員たちが起こした反乱の物語を明らかにした。CEOを解任するために、取締役会への請願を組織した従業員は解雇され、さらなる人材の離職と停滞につながった。調査レポートは、スタートアップの幹部たちに、(団結したり離職することで力を発揮する)従業員たちに対する責任があることを思い出させるのに役立った。

ジョシュ・コンスティン記者へのタレコミ情報がある場合には、暗号化されたSignalアプリ、米国(585)750-5674へのSMS、joshc at TechCrunch dot com、あるいはTwitter DMを介して連絡することができる。

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(翻訳:sako)

2019年Q4に米国で最もダウンロードされたDisney+アプリ

2019年第4四半期におけるアプリのトレンドを調べたSensor Towerの最新データで、米国の消費者はDisney(ディズニー)の新たな家族向けストリーミングサービスDisney+に強い関心を示したことが明らかになった。米国で11月半ばに提供が開始されたDisney+は、同四半期中に3000万回以上ダウンロードされた。この数は、その次にダウンロードが多かったTikTokの2倍超となる。

ダウンロード総数はAppleのApp StoreとGoogle Playの合計で、App Storeで1800万回、Google Playでは1200万回超だった。第4四半期で最もダウンロードされたアプリであったのに加え、Disney+はApp StoreとGoogle Playの両方でダウンロード最多だった。

App Storeでは、4四半期連続でYouTubeがダウンロード数トップの座をキープしていたが、2019年第4四半期はDisney+がYouTubeとTikTokを抑えてダウンロード最多となった。またDisney+は、Google Playでも大きな記録を打ち立てた。1四半期で米国でのダウンロード数が1000万回を超えたのは2017年のFacebook Messenger以来のことだ。

売上高に関しては、Disney+は最初の30日で5000万ドル(約55億円)超を売り上げ、他のビデオオンデマンドストリーミング(SVOD)のHBO NOWや Showtimeを上回った。また12月にDisney+は、HBO NOWの米国における最高月間売上高よりも多く売り上げた。HBO NOWでは「Game of Thrones」の最終シーズンが放映された月に売上高は急増したが、その月よりも多かった。

第4四半期のDisney+の売上高は、米国におけるSVOD全体の売上高の16%を占めた。11月半ばのサービス開始だったことを考えると驚くべき数字だ。また、Disney+の12月の売上高がNetflixのこれまでの最高売上高の71%に達したことも注目に値する。

加えて、Disney+の米国における3000万件ものインストール数は、2019年通年でのHuluとAmazon Prime Videoのものよりも多い。

とはいえ、サービスを立ち上げた第4四半期のSVODダウンロードの34%をDisney+が占めたものの、他のSVODアプリのダウンロード数も対前年同期比で12.5%、対前年比で4.7%成長した、とSensor Towerは指摘する。これは、Disney+が他のストリーミングサービスのシェアを奪っているのではなく、マーケットが拡大していることを意味するようだ。

Disneyのブランドはパワフルだが、その一方でサービス開始のタイミングも功を奏した。米国のストリーミングマーケットを少しずつ着実に開拓してきたNetflixと異なり、消費者はすでにストリーミングサービスに親しんでいて、新たなストリーミングアプリを喜んで試す状態にある。またDisney+は、人々がエンターテインメントアプリやゲームにより時間を費やすホリデーシーズンに先駆けてサービスを開始した。さらにインストール数を増やそうと、いくつかの販促も実施した。1つは1年間無料というVerizon(TechCrunchの親会社だ)とのもの。もう1つはGoogleとのもので、Chromebookオーナーに3カ月無料サービスを提供し、Disney+、ESPN+そしてHulu3つ合わせて1カ月12.99ドル(約1400円)へとディスカウントした。

サービス開始から2カ月たった現在、App StoreとGoogle Play合わせて世界中のインストール数は4100万近くに達し、消費者の支出は推計9720万ドル(約107億円)だ。

売上高の数字は驚異的で、最初の30日間で5330万ドル(約59億円)を売り上げ、2カ月目は4390万ドル(約48億円)だった(この数字には米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、オランダのものが含まれている)。

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(翻訳:Mizoguchi

App Annieが2010年〜2019年のアプリとゲームの総合トップ10を発表

モバイルアプリの分析企業であるApp Annieは、2019年のモバイルアプリ、ゲームのトップ10に加えて、2010年代のアプリ、ゲームの動向をDecade in Reviewとして発表した。

こには2010年から2019年までの10年間で最も人気があったアプリとゲームがトップ10としてリストアップされている。ダウンロード数の上位をFacebookグループが占めたのは意外ではないだろう。ダウンロード回数のトップはFacebook本体、以下Messenger、WhatsApp、Instagramと4位まで独占した。ちなみにゲームのダウンロード数トップは、インドでの大ヒットのおかけで、Subway Surfersだった。

このレポートの対象はiOSとGoogle Playのデータであり、中国の独自ストアなどサードパーティからのダウンロードは入っていない。しかし世界的なトレンドを把握するには問題ないだろう。

ゲーム以外でこの10年間の最多ダウンロードアプリがFacebookのものだったというだけでなく、Facebooはそれらのアプリ、Facebook、Messenger、WhatsApp、Instagramを現在も運営している。独占の体制の威力をいかんなく示したといえるだろう。一方、Facebookの直後に続く5位にランクインしたのはSnapchatだ。 Facebookが数十億ドルを用意して買収を図ったのはもっともだった。

Skypeが6位、Twitterが10位に入り、コミュニケーションとソーシャルメディアがこの10年のダウンロード数のトップ10のうち7つを占めた。


ゲームを別にすると、ビデオストリーミングと音楽関係のアプリがユーザーの支出のトップ分野となった。1位は Netflixだったが、Pandora Musicが3位、Tencent Videoが4位に入っている。

2019年の売上トップとなったTinderも2位につけたが、この10年のトータル売上のトップはやはりNetflixだった。4位に日本のLINE、これにiQIYI、Spotify、YouTube、HBO NOW、Kwaiが続いた。

【略】

ゲーム分野の売上チャートのトップはSupercellのClash of Clans、3位がCandy Crush Sagaだったがダウンロード数でもランクインしたのはこの2タイトルだけだった。ゲーム売上では日本勢が目立ち、ミクシィのモンスターストライク(2位)、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのパズル&ドラゴンズ(4位)、ソニーのFate/Grand Order(5位)だった。

以下、Tencentの王者栄耀(Honour of Kings)、NetEaseの夢幻西遊(Fantasy Westward Journey)、Niantic/任天堂のPokémon GOと続いた。

売上トップ10のタイトルの多くは各年度末のチャートでもトップ10に入っているが、順位は必ずも比例していない。近年人気にかげりが見えるタイトルもある。

例えば、この10年の売上リストでトップのClash of Clansは2019年のチャートでは8位だ。「ゲーム・オブ・スローンズ」のヒットで8位に入っているコンテンツストリーミングのHBO NOWはシリーズが終了したことで2019年のランク入りは逃している。一方ユーザー側のトレンドとしてはTikTok、Likeeのようなショートビデオへのシフトがみられる。これらは2019年のダウンロード数でそれぞれ4位、7位7を占めている。

【Japan編集部追記】ゲームのダウンロード数のチャート画像は記事内にない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

【以上】

App Annieが2019年のモバイルアプリやゲームのiOS/Android総合トップ10を発表

App Annie(アップ・アニー)が発表した今年の年間レポートによれば、世界のモバイルユーザーは2019年末までにApp StoreとGoogle Play から合計1200億回のダウンロードを行うことになるという。

これは2018年から5%のアップで、再インストールやアップデートのダウンロードは含まない新規ダウンロードだけの回数。ダウンロード回数の新記録という、注目すべき数字だ。2019年の両ストアの売上合計は900億ドル(約9兆8650億円)に近づいており、対前年比で15%のアップだ。このレポートには今年のダウンロード回数、売上などのトップ10もリストアップされている。

世界で最もダウンロード回数が多かったアプリ(ゲームを除く)の顔ぶれは今年も比較的安定していた。シンガポールに本拠を置くショートビデオのLikeeが唯一の新顔だった。ここではTikTokが4位となり、FacebookグループのInstagramだけでなくSnapchat、Netflix、Spotifyも上回った。ただし今年もダウンロード回数トータルではFacebookグループが圧倒しており、Messengerが1位、Facebook本体が2位、WhatsAppが3位だった。

ゲームのダウンロード回数はアプリよりはるかに入れ替わりが多く、トップ10のうち7タイトルが今年の新顔だった。カジュアルカーレースのFun Race 3D、人気シューティングゲームのモバイル版であるCall of Duty: Mobileがこの乱戦に割り込んだのが目立つ。

アプリ売上ではゲームが圧倒的な割合を占めるが、今年のトレンドはサブスクリプションの伸びだった。ゲーム以外のジャンルでの売上の成長は写真とビデオ、エンタテインメント分野が中心となり、App Annieではこのトレンドは2020年に継続するものと予測している。今年大人気となったDisney+のサブスクリプションの売上も来年はリスト入りしてくるかもしれない。この分野ではHBO Max、NBCUのPeacock、ジェフリー・カッツッェンバーグのQuibiといったメジャーなサービスの開始も予定されている。

App Annieが報じたとおり、すでに多くのアプリがサブスクリプション・モデルを採用している。2019年9月を終期とする年度で、ゲーム以外の売上トップ100のアプリの95%はアプリ内課金によるサブスクリプションだった。アプリ、ゲームのパブリッシャーがサブスクリプションを採用するトレンドは今後も継続し、消費者の支出を押し上げるだろうと同社は予測している。

昨年はNetflixが首位だったが、今年はデートアプリのTinderがNetflixを押しのけて1位となった。昨年は「ゲーム・オブ・スローンズ」のおかげで好調だったHBO NOWが今年はトップ10入りを果たせなかった。かわりにLINEマンガが滑りこんだ。Tencent VideoとiQIYIは昨年と同順位だったが、YouTubeは7位から5位に上昇し、逆にPandoraは5位から6位に順位を落とした。

App Annieでは今年は「ブレークアウト」という新しいジャンルを作り、今年人気が出たアプリ、ゲームをリストアップした。これはダウンロード数、売上の各分野で対前年比伸び率が最大だったタイトルだ。ダウンロード回数では7位だったYY IncのLikeeが今年のブレークアウト・アプリのトップとなっている。2位も同じYY IncのNoizz、4位も同社のアプリでインドで人気が出たソーシャルゲームのプラットフォームのHagoだった。ブレークアウトの3位はByteDanceのHeloとなっている。Good Job Gamesのタイトルが1位から3位まで独占しているのが目を引く。

売上のブレークアウトにはYouTube、iQIYI、DAZN、Tencent Videoなどが入っている。顔ぶれは他のトップ10に近い。ゲーム分野ではハイパーカジュアル系タイトルがトップ10のうち7つを占めた。話題のリリース、任天堂のマリオカートツアーとActivisionのCall of Duty: Mobileもランクインしたが、やはり消費者の支出はハイパーカジュアルのようだ。

【Japan編集部追記】App Annieには日本におけるiOSアプリ、ゲームについてのリストも公表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アップルがApp Storeのバグで世界で1週間で2000万件のレーティングを消す

App Storeに起きた事故により、Google、Microsoft、Starbucks、Hulu、Nikeなどの人気アプリから小規模なデベロッパーのプロダクトまで2000万件以上のレーティングが消えた。バグは2019年10月23日に影響を与え始め、米国時間10月29日になってやっと解決された。Appleは、アプリのレーティングに大打撃を与えた事故について原因や経緯についてまだ説明していない。

この大幅なレーティングの消失は、モバイルアプリの分析プラットフォーム、Appfiguresが発見した。同社は、200以上のデベロッパーの300以上のアプリがバグの影響を受け、App Storeから2200万のアプリレビューが消されたことを突き止めた。米国を含めて影響を受けた国ではレーティング数が平均50%減少した。

total ratings

もっとも大きな打撃を受けたのは米国で1000万件のレーティングが消えた。 しかし、影響はグローバルであり、アップルがサポートする155か国すべてがバグの被害を受けた。中でも、中国、英国、韓国、ロシア、オーストラリアは大きな影響を受けた。

特にひどいダメージを受けたアプリもある。 たとえば、Huluは米国でレーティングのなんと95%を、DropboxとChaseは85%を失った。バグの影響を受け企業にはTechchCrunchの取材に対してコメントを避けたところもあるが、レーティングの削除は「我々のリクエストよるものでなかった」ということは認めた。

hulu chart ratings drop

このバグで米国が最も大きな影響を受けた理由はこちらで人気が高い大型アプリに被害が出たからだろう。これにはeWalgreen、Venmo、Amazon Prime Video、Southwest、Hotels.com、Disneyland、Ibotta、ESPN、Amex、Xoom、Fandango、Skyscanner、Google Classroom、Nike SNKRS、My Disney Experience、Old Navyなどだ。

Appfiguresによると、ヒットした300本以上のアプリのうち、約半数の154本で100以上のレーティングが消えた。

おお。StarbucksのiOSアプリは一晩で約130万件のレーティングを失った! huluは約9万件、他の多数のアプリもそうだ。これがAppStoreだけのバグだといいのだが。

当初ほとんど情報がなかったため、一部のデベロッパーはアップルがインチキなレーティングを除去しようとしているのかもしれないと推測した。 しかしすぐにAppfiguresがプラスの評価とマイナスの評価の双方が削除されていることを発見したため、この推測は根拠を失った。レーティング除去がフェイクレーティングを排除しようとするものならプラスの(フェイク)評価のみが削除されていたはずだ。

ratings lost 3

もう1つの推測は、Appleがレーティングシステムの高速化を図ったものの、どこかで失敗したというものだ。

不幸なことに、影響を受けた一部の開発者にとって、このバグはアプリの総合評価に影響を及ぼた。被害を受けたアプリの一部は評価の星を落とした可能性がある。そうなるとApp Store内の検索や検索エンジンの広告からアプリにアクセスする能力が損なわれる可能性がある。

一部のデベロッパー(およびAppfigures)は米国時間10月30日現在、消えたレーティングの一部が復元されたことをTechCrunchに確認した。

残念ながらApp Storeでアプリのレーティングが一瞬で消えたのはこれが初めてではない。昨年も似たような事故が起きており、App Storeのバグ によって数千のiOSアプリがレーティングの半分を失った。この場合も、アップルはバグをこっそり修正したが、何が起きたのか説明はしなかった。

我々は米国時間10月29日にアップルにコメントを求めたがまだ回答がない。

しかし、我々が掴んだ情報では、アップルは一部のデベロッパーに直接連絡を取り「誤ってレーティングの削除が行われたが、現在修正、回復に取り組んでいる」と説明したという。

【Japan編集部追記】Appfigures記事のアップデートによれば、アップルは問題をエラーだったと認め、影響を受けたすべてのアプリのレーティングを復元中だという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米最高裁での反トラスト訴訟でアップル株が下落

米国時間5月13日、合衆国最高裁判所はiPhoneのユーザーグループがApple(アップル)を反トラスト法違反で訴えていた件で、5対4でユーザーに原告資格を認めると決定した。 ユーザーグループはAppleの独占的地位を不当に利用してApp Storeに30%という高額な手数料を設定し、消費者に転嫁していることが反トラスト法に違反するという訴えを起していた。

これに対してAppleは「消費者はアプリをデベロッパーから購入するのでありAppleは仲介者に過ぎない」として訴えの却下を求めていた。つまり個々のアプリの価格を決めているのはデベロッパーであり、消費者にAppleを訴える資格がないという主張だった。最高裁はこの主張を認めず、Appleは200万種類のiPhoneアプリすべてをApp Storeで販売する契約をデベロッパーと結んでおり、販売の都度30%の手数料を得ていると述べた。

iPhoneユーザーに反トラスト法による訴えの原告資格を認める決定にあたって、最高裁は次のような点も指摘している。すなわち、反トラスト法に違反する経済行動によって被害を受けた者は裁判によって被害回復が図られるべきところ、Appleの申し立てを認めてユーザーの訴えを却下するなら、そうした司法的被害救済を妨げることになる。つまり販売業者が独占的地位を利用して不当な手数料を設定、徴収している場合、結果的に高額の手数料を転嫁されているユーザーも反トラスト法の原告資格があるというものだ。上流のデベロッパーだけに原告資格を認め、下流の消費者に資格を認めないなら、反トラストの遵守にあたって抜け穴を作ることになるとして、ブレット・カバノー最高裁判事が執筆した決定は次のように述べている。

Appleの原告資格の線引きの主張には合理性がなく、単に同種の反トラスト法訴訟を逃れようとするゲリマンダー(恣意的な区分け)に過ぎない。もし販売業者が不当な独占的行動により消費者に競争的価格を上回る価格を強いているなら、その販売業者が上流の製造業者ないし販売業者との間にどのような仕入れ契約を結んでいるかは(原告資格を認めるにあたって)無関係である。

iPhoneのユーザーグループは「AppleはiPhoneのアフターマーケット市場においても独占的地位を得ており、消費者は競争的環境であれば決定されたであろう価格よりも高い価格を押し付けられている」とも主張していた。

つまりApp Storeを代替するサービスが存在するのであれば消費者には選択の余地があるが、事実はApp Store以外にiPhoneアプリの購入方法がないという点だ。またiPhoneユーザーグループは「デベロッパーはAppleの要求するコミッションを前提として価格を決定せざるを得なかった」と述べている。

もちろん反トラスト法におけるこの問題についてはすでに多数判例がある。最近の例ではSpotifyがAppleを訴えたケースだ。ウェブ経由で契約すれば月額9.99ドルだが、iOSを経由するとAppleへの手数料が加算されるため月額12.99ドルとなってしまう。こうした結果が生ずるのはAppleの独占的地位の優越性によるものだというSpotifyの主張に対し、EUも反競争的行動の疑いでAppleに対する調査を準備している

有力デベロッパーの中にもApp Storeでの販売を中止するところが出ている。例えばAmazonは、物品、書籍、音楽、ビデオなどのオンライン販売をウェブ経由に振り向けている。Netflixも昨年12月に30%の手数料、いわゆるApple タックスを避けるためにiOSのアプリ内販売を中止した。Forniteの開発元であるEpic Gamesも手数料を嫌ってGoogle Play Storeの利用を避けた

最高裁の今回の決定にあたって少数意見は1977年のIllinois Brick Co. v. Illinois訴訟の判決を前例として、(原告適格があるのは)アプリのデベロッパーであり消費者ではない」と述べた。つまりデベロッパーが手数料を消費者に転嫁すると決定した場合のみ消費者に被害が生じるのであり、Appleは単なる仲介者に過ぎないというものだ。

Appleの株価は6%近く下落している。


【TC Japan編集部追記】原告資格が認められたことにより、実際に反トラスト法違反があったかどうかの実体審理に移ることになる。多数意見を執筆したブレット・カバノー判事はトランプ大統領による任命だが、今回の決定ではApple寄りの保守派に同調せず自ら多数派意見を書いたことで注目を集めている。反トラスト法の議論は簡単にいえば「AがBに販売し、さらにBがCに販売するという連鎖があった場合でも、Bが独占的地位を利用してCに販売したのであればCはBを訴えることができる」というものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Apple、App Storeデベロッパーは2008年以降、1200億ドル稼いだと発表

AppleのEntrepreneur Campがクパチーノで開幕した。 アプリのデベロッパーを創業した11人の女性起業家がAppleとのディスカッションやワークショップ参加のために招待されている。Appleはそのチャンスを利用してApp Storeの売上に関して新しい数字を公表した。

App Storeのスタート以来、AppleはApp Storeのデベロッパーに1200億ドルの売上を分配してきたという。つまり、App Store自身の売上はこれよりもずっと大きいわけだ。1,200億ドルはAppleの取り分を除いて開発者に支払われた額だ。

App Storeは依然として急速に成長中だ。過去12か月間で300億ドルを超える金額がデベロッパーに送金されている。ちなみにAppleが2018年6月のWWDCで発表した ところでは1000億ドルがデベロッパーに支払われたということだった。

Appleの発表に含まれるのはダウンロード、アプリ内課金、サブスクリプションなど直接App Store中で生み出された金額だ。デベロッパーはこれ以外にもサイト内の広告やサイトを通じたサブスクリプションなどでさらに売上を加算することが可能だ。

Entrepreneur Campで、AppleはBites、Camille、CUCO、Lembrete de Medicamentos、Deepr、D’efekt、Hopscotch、LactApp、Pureple、Statues of the La Paz 、Malecón、WeParent、Seneca Connectなどのデベロッパーを招待している。セッションは四半期ごとにに開催される。

画像: TechCrunch

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滑川海彦@Facebook Google+

Android版『Fortnite』、Google Playを利用せず独自配信を発表。「30%の手数料が高すぎるから」

eng-logo-2015Epic Gamesの大人気バトルロイヤルゲーム「Fornite」のAndroid版がGoogle Play ストアを介さず、公式サイトで独自配信することが発表されました。

その理由につきEpic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は、各種メディアにてコメント。アプリ内購入などでGoogleが徴収する、30%もの手数料が高すぎることを要因の1つに挙げています。

Windows PCやMac版、Xbox One版やiOS版に続きニンテンドースイッチ版も配信され、あらゆるプラットフォームを制覇しつつある『Fortnite』。なぜかAndroid版は後回しにされていましたが(最速はGalaxy Note 9向けという噂もあり)背景には様々な思惑があったようです。

Tim Sweeney氏によれば、理由の1つはEpicが顧客と直接関係を築きたいということ。「PC、Mac、Androidなどのオープンプラットフォームでは、ゲームを直接顧客にお届けすることが目標です。ゲーマーはAndroid上のソフト提供サービス同士の競争から利益を受けると信じています。競争こそが多彩な選択肢を提供し、最良のサービスの成功を可能とするのです」と電子メールで述べているとのこと。

もう1つは、Google Playストアが徴収する30%もの手数料が高すぎるということ。このビジネスモデルはゲーム専用機には向いているが、Androidなどのオープンプラットフォームに合理性を欠いているとしています。

「ゲーム専用機の場合は、まずハードウェアに多額の投資があり、たいていはコストを下回る価格で販売され、パブリッシャーと広範に提携して販売キャンペーンを行うのですから、(ライセンス料には)理由があります。が、オープンプラットフォームの場合、30%もの手数料は、支払い処理やダウンロード帯域幅、および顧客サービスに見合ったものとはとても言えません」と語っています

Epicは自社が運営する配信プラットフォーム「Unreal Engine Marketplace」の手数料を12%に改訂すると発表しており、発言には説得力があります。

基本的にはオープンプラットフォーム、つまりユーザーが(設定さえ変更すれば)自由にアプリをインストールできるAndroidについて語られているわけですが、裏返せば「iOSのプラットフォームはオープンではない(App Storeを経由しない勝手アプリはインストール不可)」と示唆されてる感があるのが興味深いところです。

実際、Tim Sweeney氏は米Venturebeatに「iOSでFortniteを検索すると、しばしばPUBGまたはMinecraftの広告が表示されます」と不満を表明。iOSでもできれば独自配信したいが、できないからAndroidでは……という思惑が推測されます。

Google Playストアを利用しないアプリの独自配信は、Amazonアプリストアや『艦隊これくしょん-艦これ-』などのDMM GAMESストアでもやっていること。いずれも巨大資本や十分な固定ファン人口を背景にしており、この流れが一般化するとは考えにくいのですが、『Fortnite』級の大ヒット作を擁するパブリッシャーであれば後に続くかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

これがiPhoneアプリの歴代トップだ――App AnnieがApp Store10周年記念レポート

7月11日にiOS App Storeは10周年を迎える。そこで今日(米国時間7/2)、iOSアプリモニター、分析サービスのApp AnnieはiOSアプリ史上で各ジャンルの上トップとなるアプリを発表した。このレポートでは2010年(この年にApp Annieが記録を取り始めた)以降のダンロード数、売上額双方のトップを調べている。同時にApp Storeでの主要な達成や出来事も報告している。

そのためApp Annueの特集はApp Storeの歴史を振り返るのにかっこうのレポートとなっている。App Storeは2010年以降、1700億ダウンロードと1300億ドルの売上を記録している。Appleが不正なアプリの大掃除をした後にもかかわらず、現在のApp Storeには220万種類のアプリが登録されているという。

App Annieはこのレポートでアプリをゲームとそれ以外のジャンルに分けている。 これは2017年の秋にAppleがApp Storeのデザインを大きくアップデートしたときの分類と同じだ。App Annieはこのジャンルをさらにダウンロード数と売上数に分けて調査している。

ゲーム

ダウンロード数でも売上でもClash of Clans〔クラッシュ・オブ・クラン〕、 Candy Crush Saga〔キャンディークラッシュ〕、Honour of Kings〔王者栄耀〕などの名作がランクインしているのは予想どおりだが、Temple RunやAngry Birds〔アングリーバード〕など記憶に残るゲームの一部は売上歴代トップ10に入っていない。売上で歴代1位はClash of Clans、2位は Candy Crushだ(こちらはダウンロード数で歴代1位)。

App Annieはクライアントに配慮する必要があり、ダウンロードや売上の実数をすべて明らかにしていないものの、Candy Crushは、2010年7月から2018年5月までの間に2億8000万回ダウンロードされているという。

売上歴代1位のゲームはClash of Clansで、同時期に全世界で40億ドル以上の売上を記録している。

App Annieはまたトップ・ゲーム・パブリッシャーのリストも作っている。これにはEA(Electronic Arts)、Tencent、Gameloft、Rovio、Glu、Disney、Zynga、King、Supercell
、Activision Blizzard、Bandai Namco、Storm8、Ubisoftなどが含まれている。

ゲーム以外のアプリ

この分野ではFacebookとGoogleのアプリがダウンロード回数で他を圧倒している。

Facebookが歴代1位、Messengerが2位、Instagramが4位、WhatsAppが5位だった。3位はGoogleのYouTube、6位はGoogleマップ、7位がSnapchat、以下、Skype、WeChat 、QQの順となっている

1位Facebookのダウンロード数は2010年7月から2018年5月までの期間で全世界で7億回だった。

しかし売上チャートとなると様相は大きく変わる。ソーシャル・ツールに代わってサブスクリプションやストリーミング・アプリが上位を占めた。Netflixが首位で売上は10億ドル弱、これにSpotify、Pandora、Tencent Video、Tinder、LINE、iQIYI、HBO NOW、Kwai、QQが続いている。

 

このレポートではApp Store自体のランキングとは別に、App Annieが選んだ毎年のトップアプリやApp Storeで起きた重要な出来事を記録している。

たとえば2015年から2017年の間でiOSアプリの売上は倍増し、Google Playでのアプリ売上の伸びを大きく上回った。 とくに100万ドル以上の売上を記録したアプリの数は5年間で3倍近くに増えた。これらのデータはApp Annieが10週年を期に新しく調査を行った結果に基づいている。

ただしデータのとり方について若干の説明が必要な場合が出ている。たとえばアメリカがiOSの単一マーケットとして売上が世界最大だというグラフが採用されているが、ベースとなった期間は2010年7月から2017年12月だ。

しかし現在では中国がアプリのマーケットとして世界最大であり、App Annie自身も2022年までこの地位は揺るがないと推定している。 中国まだ「累計で世界一のマーケット」ではないが、これはスタートが遅れたためだ。アメリカでのアプリ・ダウンロードが累計401億回であるのに対して、中国は早くも399億回とほとんど肩を並べている。また売上累計でも中国は277億ドルとアメリカの360億ドルに急速に追いついている。

レポート全文はApp AnnieのサイトからPDFでダウンロードできる。

画像:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleのApp Storeで大掃除が開始されていた

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今年始めAppleはiOS App Storeに大掃除を行うことを約束した。App Storeには大昔に登録されたまま放置されているアプリが無数に存在する。こうしたアプリの多くは現在のガイドラインには準拠していないもの、当初のデザインの通りに作動しないものも多い。アプリ統計分析会社のSensor Towerによれば、こうしたアプリを排除するApp Storeの大掃除がいよいよ開始されたという。同社は今年の10月だけでアプリ削除件数が増加して238%に達したことを発見した。削除されたアプリの大部分はモバイル・ゲームだった。

Appleは当初、時代遅れになったアプリを保存する期限は2016年9月7日までだとデベロッパーに告げていた。しかし期限が来てもAppleはすぐには大規模な削除をj始めなかった。

事態が動き始めたのは10月に入ってからで、Sensor Towerは「4万7300のアプリがApp Storeから削除された」としている。

Appleは普段もアプリの削除を行っているが、その件数は多くなかった。今年1月から9月までの月あたり平均削除件数は1万4000件で、10月はその3.4倍となる(下のグラフ参照)。

app-store-purge-october-2016

この数字によれば、Appleは当初の約束を守って本気でApp Storeのゴミ掃除に乗り出したようだ。

削除されたアプリではゲームが最大のカテゴリーだったと述べたが、これはApp Storeでゲームがもっとも登録アプリ数もトラフィックも多いことを考えれば当然だろう。Sensor Towerのレポートによれば、削除された4万7300のうち、約28%がゲームだった。エンタテインメント、本、ライフスタイルの各分野がこれに続いた。

非ゲーム分野での削除件数ははるかに少ない。エンタテインメントと本はほぼ同率でそれぞれ8.99%、8.96%だった。ライフスタイルは8%、教育は7%とさらに少ない。

削除はこれで終わったわけではなく、今後も引き続き行われる見込みだ。最近行われたApp Storeの放置アプリに関する調査では登録アプリの半分近くが2015年5月以來アップデートされていない。25.6%のアプrは2013年11月以來アップデートされていない。

ただしわれわれとしてはAppleが何をもって「放置」とみなすかという定義を知りたいところだ。この秋Appleはデベロッパー向けメッセージで削除される対象として「現在の審査ガイドラインに適合しない、あるいは意図した作動をしない」アプリに加えて「長期間アップデートされていない」アプリを挙げている(強調は筆者)。

この定義はわざとあいまいにしてあるようだ。Appleは個別のアプリについて判断する余地を残しておきたのだろう。最終アップデートの期限を明確にしてしまうとルールが硬直しがちだ。

この大規模な削除の間にもApp Store自身は拡大を続けていた。Sensor Towerによれば2020年までに現在の2倍以上の規模となり、500万のアプリが登録されているだろうという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ブームか本物か―チャットのPeach、急成長してSNSアプリのトップ10に

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事情に詳しい読者ならソーシャル・ネットワーク/メッセージ・アプリのPeach( 私も最近紹介した)についていろいろ聞いていると思う。一部からは「バカバカしいにもほどがある」と酷評されている。一部には熱狂的なファンもいる。大多数はその中間の意見のようだ。
そこで私の感想を述べると、Peachはその名のとおり、フレッシュだ。この感覚は表現が難しいが、要するにPeachは既存のチャット・サービス、Twitter、Path、WhatsApp、Messengerなどにないある種の新鮮さを感じさせてくれる。

ただしPeachについてはブームを作るための大掛かりなキャンペーンが展開されている最中なので、耳に入ることのいくぶんかは始めから割引きして聞く必要がある。そうであっても、まずはこのサービスを試してみることをお勧めしたい。 冷笑的な態度を誇示したいというだけで見逃すのはもったいない。どうもそういう人が多いらしいが。

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PeachはアメリカのApp Storeで無料アプリの総合120位、ソーシャル・ネットワークのジャンル(非常な激戦区だ)で9位に入っている。この状況は「単なるブームか、本物か」といった詮索をするよりも、新しいものを試してみることを躊躇しない一般ユーザーが大勢いると考えた方が建設的だろう。一般向けアプリはこれからまだ十分に伸びしろがあると思う。なるほどSnapchatの成長の勢いはすごいし、Messengerも日毎に機能を拡充している。それでも既存のプレイヤーとはどこか「ひと味違う」サービスが参入する余地は十分ある。

私は先週末、ずっとPeachを使ってみた。その結果、まず第一にいえるのは、ソーシャル・グラフにあまり大勢の友達を登録しないことが大切だ。Peachは友達との関係が親密なほど楽しい。Peachにはコンテンツの一部を友達と共有するためのMagic Wordsと呼ばれるコマンドライン・インターフェイスがあるが、これも いったん使い方の要領をつかむと何か重要なことを成し遂げたような達成感がある。さらに面白いコマンドが追加されないかと期待してしまう。

あとPeachで写真を撮るのも愉快だ。簡単にビデオないしアニメーションの効果を得られる。Facebook Boomerangに似ている。

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画期的なテクノロジーが含まれているかといわれればノーだ。しかし新しくてフレッシュなことは間違いない。SNSジャンルでアプリのトップ10に入るというのは大変なことだ。いかにマーケティングの努力をしようと、一般ユーザー側にオーガニックな盛り上がりがなければとてもそこまでランクを上げられるものではない。こうしたユーザーのほとんどはTwitterやメディアのテクノロジー記事など読まない層だ。

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画像: abbydonkrafts/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleのアプリストアでは83%110万あまりのアプリが”ゾンビ(生ける屍)”化している

アプリの世界は依然として活況を呈していて、iOSのApp Storeも成長が鈍化せず、今では142万本あまりのアプリがひしめき合っている。アプリの分析をやっているadjustの、最新の報告書がそう言っているが、この報告書でおもしろいのは、消費者にとって実質的に見えなくなってしまったアプリについて数字を挙げていることだ。adjustはそれらを、“ゾンビアプリ”(zombie apps)とやさしく(?)呼んでいる。今では、App Storeのアプリの83%がゾンビで、昨年1月の74%からさらに増加している。

この場合のゾンビでないアプリの定義は、3日のうち2日(全期間の2/3)はApp Storeのトップ300に登場していたアプリだ。そういうアプリはユーザがアプリのカテゴリーで検索すると自然に発見される。今現在、世界155か国のストアが、300のアプリを23のジャンルに分けて表示している。また、“ゲーム”というジャンルには、さら18のサブジャンルがある。無料と有料に分けたリストもあるので、一つのアプリが複数のリストに載ってる可能性もある。

しかしゾンビ状態のアプリは、アプリのタイプを具体的に指定したり、アプリの名前を正しく指定しないかぎり、見つからない。

報告書によると、App Storeのゾンビアプリは2014年1月の65万7778から12月の113万6501へとほぼ倍増した。同じ期間にアプリの総数は、88万9231から137万2371へと、54.3%増加している。

アプリの数が100万に達したのは、3月だった。ゾンビが100万に達したのは9月だ。

競争の厳しいジャンルと、それほどでもないジャンルがある。たとえば“ビジネス”は、今や世界的に成功しているいくつかのアプリが支配し、新人はなかなか食い込めない。それならむしろ、競争の緩い“生産性(Productivity)”とか“金融”に移った方が、よいかもしれない。

“ナビゲーション”や“スポーツ”は、地域性があるため、ゾンビ率は低い。彼らは比較的少数のローカルなアプリと競争している。

また、アプリの多いジャンルほどゾンビ率も高い、という傾向がある。たとえば、App Storeで最小のジャンルである“天気予報”は、半数のアプリがトップリストに入っている。

一方、アプリの数が25万を超えるようなジャンルは、ゾンビ率が高い。“ゲーム”がその好例で、ゾンビ率は80%だ。サブジャンルでリスト入りするアプリも、その22.9%は親ジャンルの“ゲーム”にまったく登場しない。ゲームのマーケターは、サブジャンルを重視すべきだろう。

ゾンビ率は、国によっても違う。ドイツと中国のApp Storeはそれぞれ80.6%、81.3%とゾンビ率が高く、一方日本とロシアは77.6%、73.2%と低い。アプリの競争相手が少ない国はゾンビ率も低いが、その国の言語にローカライズされたアプリはランクが上がり、ゾンビを脱することもある。

今では、かつてのSEO(検索エンジン最適化, Search Engine Optimization)と並んで、ASO(アプリストア最適化, App Store Optimization)という言葉もある。 どちらも、リスト上のランクを上げるためのテクニックだ。自分のアプリのランクを上げたいデベロッパは、勉強してみてはいかがだろうか。

Appleでは一つのアプリに対して三つのジャンルを指定できるが、そのとき、なるべく競争の激しくないジャンルを選ぶと、ゾンビ化の可能性も低くなる。

adjustの報告書は“アプリストアは死んだ”というどぎつい言い方をしているが、アプリストアのリストがゾンビだらけでも、今の消費者はリスト以外のアプリの見つけ方を知っている。特集やコレクションの方が参考になる場合が多いし、アプリを検索してもよい。Apple自身も、昨年の春に関連検索のヒントをユーザに提供するなど、アプリ発見方法の改良に努めている。

しかしアプリの発見方法では、今やFacebookなどの方がAppleよりも進んでいる。とくにFacebookの場合、モバイルオンリーの月間アクティブユーザ数が5億2600万いて、同社の広告収入36億ドルの69%がモバイル広告だ。その中でとくに多いのが、アプリのインストールを誘う広告で、ユーザをいろんなアプリストアへダウンロードのために連れて行く。それらのターゲット広告はFacebookにとってドル箱であるだけでなく、個人化されているからユーザにとっても役に立つことが多い。

adjustの報告書はここで入手できる。そこには国際的なアプリマーケットの動向など、アプリ産業全体のトレンドも書かれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))