Googleの研究でロボット犬の小走りが簡単に

ロボットが優れていればいるほど、その設計の際に参考にされたオリジナルの動物の方が、はるかに優れていることが多い。その理由の一部は、犬のように歩く方法を犬から直接学ぶことが難しいためだ。だがGoogleのAIラボによるこの研究が、その学習をかなり簡単にしてくれるだろう。

カリフォルニア大学バークレー校との共同研究であるこの研究の目的は、対象(模範的な犬)から、軽い小走りや方向転換のような「敏捷な行動」を、効率的かつ自動的に四足歩行ロボットに取り入れる方法を見つけることだった。この種の研究はこれまでも行われてきたが、研究者のブログ投稿が指摘しているように、確立されたトレーニングプロセスを実施するためには「しばしば多くの専門家の洞察を必要とし、多くの場合、望ましいスキルごとに時間のかかる報酬調整プロセスを伴う」ことがあった。

もちろんこのやり方はうまくスケールアップすることはできず、動物の動きがロボットによって十分に近似されることを確実にするためには、手動調整が欠かせなかった。どんなに犬っぽいロボットであっても、実際には犬ではない。そして実際の犬の動き方はロボットが動くべきやり方とは異なっている可能性があり、そのことでロボットが倒れたり、ロックしたり、その他の失敗が引き起こされる。

Google AIプロジェクトは、通常の手順に制御されたランダム性を追加することで、これに対処している。通常は犬の動きがキャプチャされて、足や関節などの重要なポイントが注意深く追跡されている。そうしたポイントは、デジタルシミュレーションの中で、ロボットの動作として近似される。ロボットの仮想バージョンは、犬の動きを自分自身で模倣しその過程で学習を行う。

そこまではまあ上手くいく。だが真の問題は、そのシミュレーションの結果を使用して実際のロボットを制御しようとするときに発生する。現実の世界は、理想化された摩擦法則などがを持つ2D平面ではないからだ。残念ながらそれが意味することは、修正されていないシミュレーションベースの歩行では、ロボットが地面に転倒してしまう傾向が出るということなのだ。

これを防ぐために、研究者たちは仮想ロボットの重量を増やしたり、モーターを弱くしたり、地面との摩擦を大きくしたりして、シミュレーションで使用する物理パラメータにランダム性の要素を加えた。これにより、どのように歩くかを記述する機械学習モデルは、あらゆる種類の小さなばらつきや、それらがもたらす複雑さを考慮しなければならなくなり、それらを打ち消す方法も考えなければならなくなった。

そうしたランダム性に対応するための学習を行ったことで、学習された歩行方法は現実世界でははるかに堅牢なものとなり、目標とする犬の歩き方をまあまあのレベルで真似ることができ、さらには方向転換や回転のようなより複雑な動きも、人の手による介入なしに、少しばかりの追加の仮想トレーニングで行うことができるようになった。

当然のことながら、必要に応じて手動で微調整を動きに追加することもできるが、現状ではこれまで完全に自動で行うことができたものよりも、大幅に結果は改善されている。

同じ投稿に記載されている別の研究プロジェクトでは、他の研究者グループが、ロボットに指定された領域の外を避け、転倒したときには自分で起き上がるようにさせながら、自律的に歩くことを教えたやり方を説明している。これらの基本的なスキルが組み込まれたロボットは、人間の介入なしに連続してトレーニングエリアを歩き回り、その結果かなり満足できる歩行スキルを習得できた。

動物から敏捷な行動を学習することに関する論文はこちらで読める。また、ロボットが自律的な歩行を学習することに関する論文(バークレー大学とジョージア工科大学との共同研究)は、こちらで読むことができる。

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(翻訳:sako)

MITの科学者が1年で10万回の反復実験が可能なロボットを開発

科学はエキサイティングなはずだが、実際にはおそろしく退屈なこともある。何千回も同じことを繰り返す実験もあるが、そんなものは自動化してほしいところだ。そこでMITの科学者が作ったロボットは、ある種の実験の結果を観察し、フォローアップを計画する。このロボットは、最初の1年で10万回の実験を行った。

流体力学という分野は、大量の複雑で予測不可能な力を扱い、それらを理解する最良の方法が同じことを何度も繰り返して一定のパターンを見つけることだったりする。これはあまりにも単純化した言い方だが、ここでは流体力学の詳しい説明はやめておこう。

繰り返して観察することを要する現象のひとつが、渦励振動(Vortex-Induced Vibration)だ。この一種の撹乱現象は、たとえば水上をより滑らかに効率的に航行する船を設計するときなどに重要になる。そのためには、船が水の上を進む様子を何度も何度も観察しなければならない(自動車のボディーの空気抵抗を減らすためにも、同種の実験を行う)。

でもこれは、ロボットにぴったりの仕事だ。しかもMITの科学者がIntelligent Tow Tank(インテリジェントな曳航水槽、ITT)と名付けた実験用ロボットは、水上で何かを引っ張るという物理的な仕事をするだけでなく、結果を知的に観察し、ほかの情報も得るためにセットアップを変え、価値ある報告が得られるまでそれを繰り返す。

今日Science Robotics誌に掲載された彼らの研究論文には「ITTはすでに約10万回の実験を済ませており、本質的には博士課程の学生が在学中に2週間ごと実施する実験を完了しています」と書かれている。

ロボット本体の設計よりも難しかったのは、流体系の表面の水流を観察して理解し、より有益な結果を得るためにフォローアップを実行する部分のロジックだ。通常は人間(院生など)が毎回の実行を観察してランダムに変わるパラメータを計り、次にどうするかを決める。でもその退屈でかったるい仕事は、優秀な科学者に向いているとは言えない。

だからそんな機械的な繰り返し作業はロボットにやらせて、人間は高レベルの概念や理念にフォーカスすべきだ。彼らの研究論文は、同じように実験を自動化するCMU(カーネギーメロン大学)などのロボットを紹介している。

彼らの研究論文では「これによって、実験を伴う研究にパラダイムシフトがもたらされ、ロボットとコンピューターと人間がコラボレーションして発見を加速し、これまでのやり方では無理だったような大きなパラメータ空間でも迅速かつ効果的に探索できるようになるだろう」と書かれている。インテリジェントな曳航水槽を記述している研究論文はここで読める。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

自動運転除草機のFarmWiseがプロトタイプ製造パートナーにミシガン州の自動車企業を選ぶ

FarmWiseは、農業で一番嫌がられる作業のひとつである除草を、ロボットにやらせようとしている。そのために、このサンフランシスコ生まれのスタートアップはミシガン州の自動車企業Roushに、自動運転ロボットのプロトタイプ作りで協力を求めた。

このコラボレーション事業の財務的詳細は公表されていない。

自動運転除草機は、除草剤を不要にし、農家の労力を減らす。この除草ロボットは1日24時間平気で精度の高い除草作業をするから、作物の反収を大幅にアップする。そもそも除草剤も、除草が大変な仕事だから発明されたのだ。

Roushは2019年に12台のプロトタイプを作り、2020年にはさらに多くを作る予定だ。でも、なぜ中国ではなくミシガン州なのか?

FarmWiseの共同創業者でCTOのThomas Palomares氏はこう語る。「ミシガン州はその優れた製造業と自動車産業で世界的に知られている。彼らは高度な技術と製造工程のノウハウを持っている。われわれのマシンを作ってテストするためにも、そのような高度な製造技術が必要だ。われわれにRoushを紹介したのはミシガン州の投資企業のPlanetMだが、うちのようなテクノロジー系のスタートアップが製造にまで手を染めるためには、年季の入った評価の高い自動車メーカーの協力が絶対に欠かせない」。

Roushは、高性能な自動車部品のメーカーとしてミシガン州で長い歴史がある。最近ではその高度な製造技術を活かして、ロボティクスや代替燃料システムにも手を広げている。

ミシガン州の産業振興や国際関係の形成にも関わっているPlanetMの、集団事業担当ハイスプレジデントのTrevor Pawl氏は次のように語る。「FarmWiseのようなスタートアップとミシガン州生え抜きの企業であるRoushの製造業ノウハウが一緒になって、前者のコンセプトを現実化する。このコラボレーションは、そんな機会づくりのモデルケースだ。その意味で、このコラボレーションが実ったことは非常に喜ばしい。プロトタイプや製造のサポートを求めている新興企業を州の有能な製造業界が支えていく、今回はそんな事業モデルのすばらしい好例だ」。

FarmWiseは2016年に創業され、これまで570万ドルのシード資金を調達している。そのときの投資家はPlayground Globalなどだ。本誌TechCrunchがFarmWiseを最初に見たのは、Alchemist Acceleratorのデモデーのときだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

この小さなロボットは濡れた胃壁を這いまわって薬を届ける


香港城市大学が作ったこの小さなロボットはまだ生まれたばかりだが、将来あなたの胃腸に送り込まれるかもしれない。

この小さくてワイルドなロボットは、電磁力を利用して泳いだり前後に倒れたりしながら過酷な環境の中を前進して行く。研究者らは体の外からロボットを遠隔操作する。

「ほとんどの動物は足の長さと足の間の距離の比率が2:1から1:1だ。そこでわれわれは比率1:1のロボットを作ることにした」と同大学バイオ医療工学部のDr. Shen Yajingは言う。

足の長さは0.65 mmで先端を尖らせて摩擦を減らしている。ロボットは「ポリジメチルシロキサン(PDMS)と呼ばれるシリコン素材で作られ、埋め込まれた磁気粒子に電磁力を作用されることで遠隔操作が可能になっている」。ロボットはほぼ90度に曲がって障害物を乗り越えることができる。

研究チームはチビロボットをいくつもの過酷な環境に送り込んだ。この濡れた胃壁モデルもそのひとつ。薬剤を持って患部に落としてくることもできる。

「人体内のでこぼこな表面やさまざまな組織の構造変化が移動を困難にしている。われわれの多足ロボットはさまざまな地形で良い成績を収めており、体内の薬物送達への幅広い応用を可能にする」とWang Zuankai教授は言った。

将来は生分解性ロボットを作りたいと研究チームは考えている。食道から入ったロボットが胃腸を通り、荷物(薬剤)を落としたあとは溶けてなくなるか排泄される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

この2足ロボットは飛び石を軽快に歩行する

UCバークレーのHybrid Robotics GroupとCMUの研究者らは、荒れた地形をつま先立ちで転ばずに歩くロボットの研究に励んでいる。研究チームは二足歩行ロボットのATRIASと機械学習を使って、ロボットに初見の飛び石を渡り進むよう「教える」ことができる。

彼らのロボット( 詳細はこちら)が独特なのは、2本足でバランスを取ったりジャンプしたりしながらブロックを踏み外さないで歩くことだ。

「われわれの方式のユニークなところは、ロボットでよく用いられるゆっくりとした準静的な動きではなく、活動的に歩くことだ」と研究者らは書いている。「システムの力学系の非線形性を推論し、最新の非線形最適制御技術を活用することによって、ロボットの望ましい行動をシンプルでコンパクトな形式で指定しながら、安定性と安全性を保証できるようになった。つまりわれわれのロボットは、飛び飛びのブロックの上を滑ったり転んだりすることなく歩くことができる。

このロボットは現在「盲目」で、次の動きを決めるために視覚的入力を利用することはできない。しかし、ロボットのCASSIEと組み合わせれば、ふたりで目標を見たり感じたりできるようになるので、夢中で遊んだり戦ったりしても転ばずにすむだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ホース自身のの水力で動く消火ロボットを東北大/八戸高専が開発

ホースを持ち運びするドローンは幻想だったかもしれないが、ホースを動力源とするロボット・ドラゴンは本物だ。この、奇妙だが実用的かもしれない日本のロボットは、燃えているビルの窓から中へ入り込んで、その強力なジェット水流であたりのものすべてを吹き飛ばすだろう。もちろん、自分で自分を操作しながら。

そう、これはインチキ・クラウドファンディングではなくて本物だ。東北大学と八戸工業高等専門学校Yが作ったこのDragonFireFighterは、先月のInternational Conference on Robotics and Automationプレゼンされた

ホースを水栓につないで放水しようとすると、ホースは水の勢いで勝手にのたうち回るが、このロボットはその動きを利用している。すなわちホースが単純なジェットのように動き、水の推力でホースは前進する。だからホースに、方向の異なる複数のノズルを付け、それらを個々に開閉したら、ホースの進む方向を制御できるのではないか?

そう、それが、ホースの力で動くロボットドラゴンの原理だ。

このDragonFireFighterには、ノズルをかぶせた“頭部”と、その下の“首”がある。ホースからの水圧を両者の上のいくつかの噴出口へ向けることによって、安定を保ったり、位置や方向を制御したりできる。

前進するには人間の介入も必要だが、方向を維持したり変えたりするのはロボットからの水の噴射の力だけだ。現時点のこれぐらいの精度でも、実用性はある。このビデオよりももっと可動域が大きかったら、さらに遠くからでも仕事ができそうだ。

すべての水圧を窓へ向けられたら、さらに効果的と思われるが、でも現状で十分役に立つ状況はいくらでもある。

DragonFireFighterは、防火防災のエキスポInternational Fire and Disaster Prevention Exhibition(東京国際消防防災展2018)でも展示された

それともうひとつ、IEEE Spectrum誌上の記事、“Firefighting Robot Snake Flies on Jets of Water.”を忘れてはいけない。


[X Men: First Classより]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ロボットのスキーヤーたちが見事にスロープを滑降、優勝者はゲートを一本も倒さず

先月行われたSki Robot Challenge(スキーロボット競技大会)には多くのロボット研究者たちが参加した。そのビデオを見ると、スキージャケットを着たロボットたちが一斉にゲートを跳び出し、粉雪の中を転がっていく。Korea Institute for Robot Industry Advancement(韓国ロボット産業振興研究所)が主催したこの競技大会は、同じ時期に同じ国で行われた冬季オリンピック、パラリンピックと並んで、さしずめロボリンピックだった。

IEEE Spectrumによると、そのルールはかなり厳しい:

参加ロボットは必ずヒューマノイド(人型ロボット)で、肘と膝の自由度が15度以上あること。身長(足から肩まで)は50センチメートル以上。必ずスキーとストックの両方を使用し、ロボットが肘を曲げて立っているときはストックが着地していること。競技が行われるスロープは長さ80メートル、幅20メートルで、各チームは赤と青のゲートをスラロームしながら3分以内にゴールすること。ロボットは、ゲートを通過するたびに1点を得る。同点のときは速度を比較する。それでもなお同着なら、身長の高いロボットの勝ちとする。

参加選手の中から、ここではTaekwon Vと、ずんぐりしたSkiroをご覧いただこう。Skiroのモットーは、“ぼくはスキーロボット競技大会のヒーローだ!”、だ:

ルールとして全員がジャケットを着なければならないから、全員とてもかわいい。優勝したTaekwon Vは、風や雪面の条件が悪い中、ゲートに一回も接触せずにゴールした。全員に、ごほうびとして温かいオイルをあげたいね。

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Walmartが店内の商品棚の在庫チェックを行うロボットを50店でテスト、人間社員を駆逐しない

オートメーションの福音を説き回る人なら誰もが、産業用ロボットの目標は“単調で汚くて危険な”仕事を人間に代わってやることだ、と言うだろう。小売業で相当な数のパートやバイトをやった経験者として言わせてもらえば、店頭の在庫管理はずばり、最初のカテゴリー…単調で退屈…に当てはまる。Walmartはこのほど、全米の50あまりの店でシェルフスキャンロボット(shelf-scanning robots, 商品棚の陳列状態を走査して調べるロボット)を使い始めたが、それを見た同社の社員たちはあらためて、そのことに思い至っただろう。

その身長2フィート(約60センチ)のロボット(上図右)は、一見、人畜無害に見える。要するにそれはキャスターを転がして移動するグレーのボックスで、煙突のように上へ高く伸びたアームの先端にはカメラがある。そのアームが棚をスキャンして、売り切れの品目や、欠品、誤配置などの品目を探す。プライスの正不正もチェックできる。情報は人間の同僚へ送られ、彼/彼女が陳列量や価格を調整し、必要なら発注もする。

同社のアメリカのCTO Jeremy Kingがロイターに語っているところによると、同社は人間社員をロボットでリプレースすることはやっていない。各店舗の頭数は前と同じである。ロボットはブルーのベストを着た人間社員を補助するだけだ。Kingによると、ロボットの自分にできる仕事の生産性は人間がやるより50%高い。またロボットはその仕事を毎日でもできるが、既存の社員はほぼ1週間に2回が限度だ。

もちろん、専用ロボット(単機能ロボット)が、雑多な仕事もこなす人間を完全にリプレースすることはありえない。でもWalmartは今後もっと大々的にテクノロジーを導入することによって、ネット上の巨大ゴリラAmazonに対抗していくつもりだ。本誌も報じてきたように、同社は次々とスタートアップを買収してきた。AmazonもKiva Systemsを買収して、倉庫内作業ロボットのAmazon Roboticsに生まれ変わらせたのだから、Walmartもうかうかしていられない。

Amazonのロボットは今のところ倉庫内と発送作業専門だ。Walmartの新人ロボットたちは最初、カリフォルニアとアーカンソーとペンシルベニアの3州でテストされ、人間とロボットが問題なく協働する姿を、広く一般大衆にも見せていくことになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

顕微鏡で観察する‘微小ロボット’のモジュールが、形をさまざまに変えてたった一つの細胞を捉える

ノースカロライナ州立大学とデューク大学が発表したビデオでは、顕微鏡の下で5つの小さなキューブが自由に浮遊している。突然、二つのペアがくっつき合い、最後には5つすべてが一体化する。いったんくっつくと、彼らは蝶番のように折れ曲がり、パックマンのあごのように密着し合う。キューブたちは小さな円形のオブジェクト…一つのイースト菌の細胞…に接近し、蝶番の開閉を利用して前進していく。やがて彼らは閉じた形状になり、そこにイースト菌を閉じ込め、その後また開いて、菌を自由にしてやる。

研究者たちはこれらのポリマーのキューブを“microbot origami”(微小ロボットの折り紙)と呼び、その小さなモジュール的なオブジェクトは、さまざまな形に構成変えできる。各キューブは一面のみが金属でコーティングされ、彼らの周りに置かれた一連の電磁石によって形や動きを操作される。このデバイスは、自然界に見られるタンパク質ストランドの折りたたみ現象を模倣するために設計され、タンパク質の場合と同じく、微小ロボットの形状でその折りが決まる。

短期的には、この微小ロボットは研究用のツールとして利用できる。顕微鏡の下のオブジェクトと対話することによって、これらのブロックは未知の物質の性質を明らかにする。“今のところこれは、素材を微小レベルで調べるためのツールだ”、とペーパーの共著者Orlin Velevは説明する。“大きな素材や物質に対してありとあらゆる機械的な試験をするのはきわめて容易だが、小さな小胞(ないしベシクル)一つだけをつまむのは、すごく難しい”。

このような小さな折り紙的ロボットはMITなどでも開発され、どれもよく似た性質を持つ。もっと小さな、マイクロメートルサイズの研究に利用されているものもある。そしてそれらのプロジェクトと同様、この微小ロボットも、今後の医療方面の用途が展望される。医師がオブジェクトを小さなスケールで操作したり、テスト目的で一つの細胞を隔離したりできるだろう。

研究者たちはさらに、人工筋肉のようなバイオメディカルのデバイスに応用され、細胞レベルの動きが必要なケースで使われることもありえる、と考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Cassieは、ダチョウのように歩く二足ロボット

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二足歩行ロボットは機械工学のでも特に精力的に研究されている分野であり、非常に難しい問題ではあるがインスピレーションの種は尽きない。Agility Roboticsの新しいロボット、Cassieはその典型だ。しっかりとした正確な歩みは鳥類、特にダチョウを手本にしている。

Cassieは、これも二足ロボットで独特な足の動きをするATRIASの流れをくむが、ATRIASがDr. Whoに出てくるダーレクを裸にしたような外観なのに対して、Cassieはどう見てもロボコップのED209の生まれ変わりだ。

cassiebotATRIASはオレゴン州立大学で作られ、昨年開発グループがスピンオフしてAgility Roboticsを設立した。基本コンセプトは2体とも似ているが、バッテリー、脚部の設計、ソフトウェア等の進歩によって、Cassieの方がずっと俊敏に歩く。

ダチョウ(や人間)と同じく、Cassieの股関節は3方向の自由度をもち、動力付の足関節は柔軟に作られているが、膝は一方向にしか曲がらない。このことが自然な歩行を生むだけでなく、人間と同じような方向転換を可能にしている。ATRIASと同じく、俊敏で注意深い足の運びによって、Cassieは滑りやつまづきに強く、時として悪意を見せる大学院生にも耐性がある。

胴体は非常に軽量で、衝撃吸収は人間が歩く時と同じ自然な方法で行われる。しかし十分頑丈なのでヘルメットは必要ない。わずか数ヵ月間で一から作られたロボットとは思えないほど印象的だ。

有能で頑丈な二足ロボットは、人の行くところならどこへでも行き、比較的安く作れるので、恩恵を受ける分野は無数にある。被災地の調査や原子力発電所の検査等の危険な職務を果たすこともできる。忙しい人なら、Cassieを買い物に行かせればいい。

Cassieに興味を引かれた人は、 IEEE Spectrumsで詳細を読むことができる。最新情報はAgility Roboticsのウェブにある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

直径24ミリのPiccolissimoは動力内蔵・操縦可能ドローンとしては世界最小

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Spotのような巨大ロボットは、物を運んだり、見世物としてはすごいかも知れないが、それらと同じ高度な技術が、小さなロボットにも使われている。ペンシルベニア大学のこの超ミニドローンは、中でも世界最小のひとつだ。

そのPiccolissimoという名前は、イタリア語で最小を意味し、また作者Matt Piccoliの名前にも由来している。空を飛ぶロボットとして必ずしも世界最小ではないが、動力内蔵でコントロールできる空飛ぶロボットとしては世界最小そうだ。ほかのもっと小さいのは、操縦ができなかったり(例: Robobee)、電力を外部から供給したりする。

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幅は25セント硬貨ぐら(直径24.26ミリ)で、可動部品は二つしかない。それでも、今月初めに見たballbotよりは一つ多い。ひとつはプロペラ、もうひとつは3Dプリントで作られた本体だ。両者が、異なる速度で回転する。プロペラはわずかに中心を外れていて、本体は毎秒40回回転し、それにより垂直方向の推力を均等化するが、その回転速度をちょっと変えることによって、方向を変える。制御信号はすべて、単一の赤外線ビームで送られる。

今できることは、ホバリングのみだが、新たな機能を加えるのは容易だ。

大学のニューズリリースでPiccoliは説明している: “本体が回転する乗り物は人間にとっては恐怖でも、センサーを搭載するにはとても適している。空港のレーダーに見られるように、センサーを回転させて利用することは、よく行われている。われわれの場合は、わざわざセンサーだけを回転させなくても、本体と一緒に回転する。だからバーコードリーダーのようなラインスキャンカメラへの応用もありうるし、また車に載せたら360度の写真やビデオが撮れる”。

追加する装置は、重量1グラム未満ならOKだ。それが、この超ミニ機の最大積載量だ。

超小型で超単純なデバイスを作る理由は、たくさんある。単純は往々にして効率と安価を意味し、ときには使い捨て可をも意味する。消費者製品だけでなく、産業用の可能性もある。たとえば放射能漏れや建物の被害調査に、いきなり、1台100万ドルもする人型ロボットを使うのは意思決定だけでもたいへんだが、それは高価なだけでなく、本物の人間と同じく、放射能や粉塵やそのほかの障害物に弱い。

でも、100基のPiccolissimosを編隊としてコントロールしながら飛ばせば、そのカメラや放射能探知器や加速度計が、一定範囲を素早く安価に偵察するだろう。そして、もしも彼らが生還しなかったら、また100基プリントすればよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

家庭用ロボットの可能性をさぐる、群れロボット型インタフェース

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工場や倉庫では、ロボットがすっかり当たり前の存在になってきた。いよいよ次は個人の家のデスクや、あるいはキッチンなどに進出してくるのだろう。そんな時代に向け、小さな生き物のようなロボットを集団として活用しようとする試みが行われている。蟻のように集団で作業をしたり、情報の伝達を行うのだ。

そんなロボットが発表されたのは、Association for Computing MachineryのUISTカンファレンスだ。工学系の複数大学が協力して、「群れロボットインタフェース」(swarm user interface)の実験を行っているそうだ。

ロボットには小さなホイール、タッチセンサー、ジャイロコンパス、および光学センサーを搭載していて、上にあるプロジェクターに映し出されるパターンにしたがって動作を律している。個々に判断して動作する機能は持っていない。外部のコンピューターからの動作指示をうけて動くようになっているのだ。

それでも可能性はいろいろと考えられそうだ。並び方を変えることでいろいろな情報を伝達することもできる。並んだロボットのひとつを捕まえて、向きを変えたり、動かしたりすることで指示を送ることもできる。何かを操作するためのツールが自動的に目の前に現れたり、特定のアプリケーションを開いているときに、その操作用のダイアルが自ら登場してくるような使い方ができるわけだ。

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何か小物を動かしたりすることもできる。上の写真にあるように、スマートフォンなどを押してもってくることもできる。また、使っている人がいなくなった机の上を整頓したりするようなこともできるだろう。あるいはネズミのように、壁に開けた穴から出てきてパン屑を片づけたり、スリッパを見えないところに持って行ったりというようなこともできる。

研究者自身、さまざまな応用可能性を感じているようで、論文でさまざまな用途を検討している。さらに、世界中の人たちにもいろいろな可能性を感じてもらいたいと考えているようで、必要なもの(パーツは自分で用意する必要がある)をGitHubに公開してもいる。

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(翻訳:Maeda, H

可愛らしく活動的な、ダイレクトドライブ方式の四足ロボット

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週明けを迎えると、誰しもが暗い気分になるものだ。そこでわたしたちは硬い床でつるつる滑る子犬や手を繋ぐラッコ、あるいは跳ねまわったり、壁をよじ登るロボットなどの動画を見て、心に元気を注入するのだ。今回紹介するロボットも、驚きと元気を感じさせてくれそうだ。

ロボットの名前はThe Minitaurで、もともとはペンシルバニア大学の研究プロジェクトとして生まれたものだ。そこからGhost Roboticsというスピンオフ企業が誕生し、商用利用の可能性を探っているところだ。足の動きを「ダイレクトドライブ」にしているところが新しい。すなわち変速機やスプリング、パワージョイントや減速機などを介さずに、モーターと脚部を直接に接続しているのだ。

そんなことをしては、なめらかな動きが実現できないだろうと考える人が多いだろう。ジョイントやギアを使うことで姿勢を細かに制御したり、あるいは衝撃を吸収することができるようにしているからだ。しかし開発を行ったGavin KenneallyとAvik Deは、モーター自体に周辺機器の機能を担わせることにした。上の写真やビデオにある三角形の足で、跳ねたり走ったりする際に生じる力を予測する。そしてモーターの動きで衝撃をコントロールするようになっているのだ。スプリングやショックアブソーバーを搭載しているような動きに見えるが、この動きはソフトウェアにより実現されているものなのだ。

小走りに動きまわったり、全力疾走したり、あるいはジャンプしたり回転したり、さらには階段を登ったりもする。そのそれぞれでダイレクトドライブとは思えない動きをみせてくれる。このMinitaurにはハイスピードカメラおよびセンサーが搭載されていて、周囲の状況を正確に判断するのに役立てている。たとえばドアを開ける際には、まずドアノブに向かってジャンプするようなことまで行うのだ。

KenneallyはIEEE Spectrumで次のように述べていた。

後ろ足を跳ねあげて逆立ちをします。そしてジャンプして、左足にドアノブが触れるのを検知します。すなわち足が「触角」のような働きもするわけです。触覚はすべてモーターで検知しており、接触を検知するためのセンサーは搭載していません。ドアノブに触ったことを検知した瞬間に足を引いてドアノブを動かすのです。そして足を元の状態に戻すのです。こうした動きの一切はミリ秒単位で行われます。動きを目で確認することはできないほどです。ドアノブを動かしたのではない方の足も空中にあるわけですが、これでドアを押し、回したノブがただもとに戻ってしまうようなことがないようにしています。もちろんこの動きは逆立ち状態にある自分自身を元の姿勢に戻すのにも役だっています。姿勢が元に戻り始めたら足は折りたたんで、着地姿勢をとるようになっています。

なかなかクールな仕組みのように思える。なんとなく人に対する戦闘要員のように見えないかと言われればそんな気がしないでもない。そう思ってみていると、だんだん不気味にも見えてくる。

しかしそんな心配をしなくてはならないのは、まだ当分先の話だろう。今のところは、このMinitaurが元気に動きまわる様子を微笑ましくみておけば良いのだと思う。研究者の方や、ロボット大好きな人たちは、ぜひこのロボットを手元におきたいと考えるかもしれない。現在のところの価格は1万ドルあたりだとのことだ。生産台数が増えることになれば、もちろん価格は下がっていくことになるだろう。高額なアクチュエーターやギアを用いていないのも、低価格化の一因となり得る。

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(翻訳:Maeda, H

チェスと囲碁でトップに立ったロボットが、今度はテーブルサッカーの世界チャンピオンを目指す

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昔のコンピューターゲームには、人間同士でプレイするか、コンピューターを対戦相手にするか、という選択肢があった。しかし今では、現実世界の伝統的なゲームでもコンピューターの方が強くなり、人間の方が強いと言える卓上/盤上ゲームは、もはやないのではないか。次にコンピューターにやられるのは、何だろう? フーズボール(foosball, テーブルサッカー)だ。

École polytechnique fédérale de Lausanne(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)のロボット工学の研究者たちが、平均的な人間プレーヤーに勝つシステムを作ったが、それはディープなニューラルネットワークが過去の数百万のゲームを分析した結果ではない。本物の戦闘ロボットである彼らに、何よりも重要なのはスピードと力だ。

プロジェクトを指揮したChristophe Salzmannがニュースリリースでこう言っている: “このシステムは小さな脳のある筋肉マンだ。とっても基本的なことしかできないけど、それで十分に勝てるのだ”。

当然ながら、テーブル本体も特製だ。というか、テーブルがロボットだ、と言ってもいい。透明なフィールドの下にカメラがあって、それが毎秒300フレームでボールの位置を追う。コンピューターは至近の選手を数分の1ミリの精度でボールを蹴れる位置へ移動させる。そしてモーターがバーを人間よりも速く回して、ボールを猛スピードで蹴り飛ばす。

robotfoos2robotfoos1

でも、名人のプレーヤーにはかなわない。コンピューターには、位置やバンクショット、相手の盲点などを活かしたトリックができないし、また、相手の位置から動きを予測することもできない。

このような‘知能’をコンピューターに授けるためにチームは、対戦相手のハンドルの動きをレーザーで追おうとしている。その方が、バーをカメラで追うより計算効率は高いだろう。今よりも高度なAIを、作れそうだ。でも、真価が問われるのは、ロボットだけでトーナメントをやるときだ。それもいずれやる、と彼らは言っている。

Why would you do this!

ほんまかい?!

プロジェクトは今も継続している。その状況は、ここで分かる。詳細は彼らのラボのWebサイトでも分かるが、でもそのロゴが問題だ(右図)。巨大なターミネーターの両手が、われわれの惑星を抱っこしている。しかし、どう見ても、人間の味方のようではない!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

この壁を歩くクモ型ロボットは、カーボンファイバーでハンモックを編む

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家にクモ型ロボットのペアを解き放つというのは、ふつう危険な考えだ。しかし、留守中クモたちが不思議な数学的ハンモックを編んでくれるとしたらどうだろう? 直ちに恐怖は驚きに ― そして昼寝へと変わる。

この「Mobile Robotic Fabrication System for Filament Structures」はドイツ、シュツットガルトの大学、Institute for Computational Designで作られた。基本をなすコンセプトは「群れの構成」。数多くの小さなロボットたちが協力して一つの作品を作り上げる。ここではロボットたちが、壁に密着したルンバのようにカーボンファイバーを編んで安楽の場所を作る。その形はまるでスピログラフから飛び出してきたようだ。このプロジェクトは同大学の大学院生であるMaria Yabloninaの研究に基づいて作られた。

「今はまだこの製作システムを建築に応用する可能性を探り始めたばかりです」と 同大学のAchim Menges理事がDezeenに話した。「しかし、他の方法では実現できない全く新しい構造物を作れるという特徴は、大きな利点だと確信しています」

これは、ごく控え目に言っても、見ていて非常に楽しい。ロボットはカーボンファイバー糸のリールを備え、壁の基点に糸を固定すると、まるであやり取りをするように前後左右に動き回る。

相互にやりとりしながら壁を這い回り、群のように行動することによって、極めてユニークな構造を作り、全く新しい形で空間を活用できるようになる。

Mengesは自然界の経済と創意工夫に触発された。Mengesのチームは昆虫やロブスターの外骨格を参考にして構造を設計した。このロボットがクモ類をはじめとする糸を紡ぐ動物の影響を受けていることは間違いない(BBCの番組、“Life in the Undergrowth” に驚くべき紡績の達人たちの特集があるのでご覧あれ)。

現在の計画はロボットの数を増やし、天井や曲面の壁のような場所でも編物ができるようにすることだ。そうなればもっとユニークな創作が可能になる。ちなみに、黒い糸で編まれた不気味な空間で働いたり生活したりしたいかどうかは、もちろん全く別の問題だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

銃撃犯をロボットを使って殺したダラス警察、警察によるロボットの‘使用例’は過去にもある

The MARCbot IV extends its camera nearly four feet in the air to search for suspected improvised explosive devices at the training course in Fort Polk, La. Paratroopers of the 3rd Brigade Combat Team will have the opportunity use this tool in their upcoming deployment in support of the war on terror.

署長のDavid Brownが今日(米国時間7/8)の記者会見で明かしたところによると、ダラス警察は、爆発物を搭載した爆弾拡散ロボットを使って銃撃犯を殺害した。爆発物は、犯人(Micah Xavier Johnson、25歳と判明)に妨害されないために、ロボットの延伸アーム(上図)の先に取り付けられた。12名の警官が撃たれ、内5名が死亡したこの事件は、警察が最近Philando CastileとAlton Sterlingを撃ったことに対する抗議行動だ、という。

警察が大量の爆発物を使って事件の被疑者を実際に殺したことは、知られている例としてはこれが初めてかとも思われるが、警察が爆弾拡散ロボットを武器として使用したことは過去にもあり、そのときには一軒のモービルホーム(移動式住宅)が全焼した。

また2014年に統合失調症患者のStephen Foughtがモーテルの部屋に長時間閉じこもったときは、殺傷目的ではなく彼の攻撃性を抑止する目的で、爆発物ロボットの軍団が展開された。そのときアルバカーキ警察の爆発物ロボット部隊は、“化学兵器”を展開するために利用された、と当時の警察の公式報告書は言っている。

上記のモービルホームが焼け落ちた一件では、テネシーの警察が催涙ガス手榴弾を“ロボット部隊を使ってリビングルームに落とした”が、それは屋外用の手榴弾だったため、たまたま発火してしまい、トレーラー一台を炎上させた。しかしあとで、被疑者が不在だったことが分かり、事件による死傷者は生じなかった。

しかし警察が武装ロボットを使用した例は、もっと過去にさかのぼる。2007年のWired誌の記事は、軍用のロボットがアメリカ各地の警察に大々的に売られていることを、詳しく報じている。それらはどんな装備かというと:

• マルチショットTASER電子制御デバイス、レーザー照準。
• 交渉用のラウドスピーカーと音声受信装置。
• 夜間視覚と感熱カメラ。
• 致死性能の有無による武器の選択
 – 40mm手投げ弾ランチャー – 2ラウンド
 – 12ゲージショットガン – 5ラウンド
 – FN303無致死性ランチャー – 15ラウンド

この記事が載った時点では、これらのロボットは警察が実際には使用していないし、今回ダラス警察が使ったものとはまったく違うものだ。今回のはたぶんMarcbot-IV EODで、それは爆弾の拡散専用にに設計され、攻撃用武器ではない。このようなロボットは、ダラス警察がやったような即興的なやり方で、実戦でもかなり使われている。

これは、ダラス警察の2012年のツイートで、写真は爆弾拡散ロボットを一般公開している:

このように、過去に警察が、ロボットを武器の展開に利用したケースがあったとしても、今回の事件は‘前例がない’と言える。その意図(ないしありうる結果)が、人の命を終わらせることであった、最初の例だから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

このサンショウウオ型ロボットは、両生類のように水陸を滑らかに動き回る

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École Polytechnique Fédérale de Lausanne のマッドロボットサイエンティストたちが、また一つ生物模倣メカノイドを作った ― これはサンショウウオのしなやかな動きに基づいている。”Pleurobot” は、多関節からなる独自の頚椎を使って、両生類の動きを真似、地上や水上を滑るように進むことができる。

「動物の動きは、体と脊髄と周辺環境との実に興味深い相互作用から成っている」と、プロジェクトのリーター、Auke Ijspeertがビデオで説明している。「このプロジェクトの特徴はわれわれのとったアプローチにあり、実際の身体構造にできる限り近づけることを目標にした [

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チームは、Pleurodeles waltl、別名イベリアトゲイモリのX線ビデオを長時間観察した。

骨と肢の角度を注意深く追跡した ― サンショウウオは、這うのも歩く泳ぐのも、事実上同じ基本動作を速度を変えるだけど実現している。つまり、早足とギャロップで、動きを切り替える必要がない。

その結果がこの骨格の驚異だ。脊髄分節はわずか11組で本来の40組(29組は必須ではない)よりはるかに少なく、関節によって動きの自由度を著しく減らした。サンショウウオの滑るような動きを模倣する見事な仕事だ。それは、脊椎動物の進化における重要な瞬間でもある ― つまるところ、彼らはわれわれの遠い祖先なのだから。

これは興味のためだけではない。移動行為と脊髄と脳の複雑な相互作用は、様々な分野に役立つ。

「これを理解することは、例えば神経機能代替の分野で非常に重要だ」とIjspeertがビデオで説明する。「人体内でこうした回路を長期間再び刺激できることは非常に重要であり、脊髄のしくみを理解するためにも必要だ。」

チームは様々なタイプの動作や神経回路を研究するために、他の「バイオロボット」も作りたいと考えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スタンフォード大学のロボット‘Jackrabbot’は歩行者が無意識に守っている説明の難しい複雑なルールを学習中

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人間の大人でも、人混みの中を歩くのが難しいことがある。ましてや、不器用で素朴な脳のロボットはどうだろう? 人にぶつかることを避けるために、“右へ行くべきか左か?”を一瞬々々ぎごちなく考えながら歩く、…スタンフォード大学の研究者たちは、彼らのロボット”Jackrabbot”が、そんな路上のルールを学習できる、と期待している。

同大のComputational Vision and Geometry Lab(コンピューターによる視界とジオメトリ研究所)はこれまですでに、歩行者の動きを追跡して予測するコンピュータービジョンのアルゴリズムを作ってきた。しかしそのルールはきわめて複雑で、群衆や歩道の幅、一日の中の時間帯、自転車やベビーカーの有無、等々大量の変数を含むため、まさしく、そのほかの機械学習のタスクと同じく、有益な結果を得るためには膨大な量のデータを必要とする。

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しかも、彼らが開発しているアルゴリズムは、完全に観察データだけを使用し、それをニューラルネットワークが解釈することを意図している。研究者たちが、ヒント(“この状況では人は必ず左へ行く”など)を与えてはいけない。

彼らのこれまでの努力は小論文に記され、今月の終わりごろ出るCVPRに掲載される。彼らが作った動き予測アルゴリズムは、多くの同種アルゴリズムよりも優れており、そのモデルは、人が集団の中で相互作用/反応する場合の複雑微妙ぶりをある程度学習できた。

現在、楽しげにめかしこんだJackrabbot(上図)は、人間が手動でコントロールしながら、研究のモデルをロボットの知覚に実装する方法を模索している。その本体は実はSegway RMP210の改造バージョンで、ステレオカメラとレーザースキャナーとGPSを搭載している。訓練用データは鳥瞰ビューを使用したが、ロボット本人には鳥瞰的視界を持たせずに、さまざまな歩行者の互いの距離と歩行速度から、空間中の各個人の座標を求め、彼らの動きを高い精度で予測させる。

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研究者のAlexandre Alahiは本誌へのメールで、“この夏には、私たちの社会的知覚を持つ予測モデルをロボットに実装したい。リアルタイムのデモは、年末までには行いたい”、と言っている。

人間の空間を無事にナビゲートできるロボットが、まだ万人の目の前ではないけれども、どこかSFにほとんど近いような場所に、出現しようとしている。しかし、われわれが日々、思考を必要とせずに行っていること…回りをスキャンしその場の障害物と運動物を判断し、それに応じて自分の動きを適切に計画すること…は、コンピューターにとってものすごく難しいことなのだ。

このようなプロジェクトの多様な蓄積の中から、最終的には、家の中や都市の中を人間と同じようにはやく安全に、他人に配慮しながら歩けるロボットが生まれるだろう。自動運転車がたぶん都市の道路の様相をすっかり変えてしまうように、自律性のある歩行者ロボットは、それがヒューマノイドであろうとなかろうと、歩道の状況を変えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ロボットがデートして交配して3Dプリントで子孫を産む‘Robot Baby’プロジェクト、進化(自然淘汰)の過程もある

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オランダの研究者たちが、“繁殖するロボット”を作った、と主張している。繁殖とは、生殖能力がある、ということ。お子様向きに説明すると、二つのロボットの相性評価アルゴリズムが良い結論に達したら、ビューティフルなことが起きるのだ。それ以上詳しいことは、大人になったら分かるよ。このページを下へスクロールしてもいいね。

この“Robot Baby”プロジェクトのプレスリリースはこう述べている: “産業革命の次は産業進化だ。進化の重要な第一歩がこの画期的な発明であり、たとえば、未来における火星の植民地化に重要な役割を演ずる”。小さなどんぐりから大きな樫の木が育つ、とは言うけど、でも、彼らの主張は眉をよーく濡らして聞くべきだ。

“交配”し、“進化”するロボットの研究は、これまでにもいろいろあった。自己再生産能力のある“分子キューブ”や、生まれた子の中から優秀な子を選別する“ロボマザー”、互いに競争し共有し合う“遺伝子”のある“ロボフィッシュ”などなど。でもまだ、本物のGrey gooやロボットの軍隊は見たことがない。…ここは、クォーテーションマーク(引用符記号)の使いすぎで、編集長に叱られそうだ。

でも今度のプロジェクトには、概念実証の段階にすぎないとはいえ、何か新しいものがありそうだ。電動ブロックをランダムに構成したロボットが二つ(将来的にはもっと多く)あり、彼らはよろめきながら歩いて行くが、そのとき、なるべく明るい方向に向かう習性がある(人間の性質ならそれを走光性(phototaxis)と呼ぶ)。光源に早く到着した、運動能力の高いロボットだけを集めて合コンを行い、互いを評価し、番(つがい、夫婦)を選ぶ。

この、番の決定過程はもっと複雑だが、大雑把に言うと、構成ブロック数と脚の長さが同じで、光源への0.5メートルダッシュのタイムがほぼ同じであること、だ。

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そうやって出会った二人はデートを数回行い、たちまち恋仲になる。そして、お互いの遺伝的素材(自分を動かしていたコードとハードウェア)を提出しあい、それらを混成して新しいロボットを作る。これが生殖の過程だ(分からなかった読者もいるかもしれない!)。

こうして生まれる赤ちゃんは、パパの右足とママの左足、しっぽ、姿勢安定装置を合わせた奇怪なキメラだ。そしてこの赤ちゃんの脳が言うとおりに各部材を3Dプリントし、それらを組み立てる。より優秀な新世代ロボットの、量産だ。

研究者たちの主張は、難解でもあるが不合理ではない。自己変容型ロボットは状況と環境に自力で適応し、人間の指示や命令を必要としない。

そして自然淘汰のアルゴリズムは、人間のちっぽけな脳の能力を超えたユニークなソリューションを作り出すかもしれない。たとえば、誰かがキリンにプロポーズしたら、あなたはそれを承認するか? しかしそれでも彼ら自身は、きわめてまともだ。この滑稽なビデオは、実際にキリンの解剖を記録している。

コンピューターによる自然淘汰があり、それによる進化もある、という説に納得しない方は、この“進化した仮想生物”を見るか、または、このすばらく楽しいスクリーンセーバーを動かしてみよう。

Robot Babyプロジェクトは、アムステルダム自由大学のAIの教授Guszti Eibenのロボットベビーだ。それは、移動式テクノロジー見本市Campus Partyで披露された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Alphabet(旧Google)の秘蔵っ子、日本のSchaft Inc.が、東京でまったく新しい二足ロボットをデモ

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今度(東京に)現れた新型ロボットは、Naoみたいに可愛くもなく、SpotやBigDogのように不気味でもなく、Atlasほど人間らしくもないけど、これらのどれよりも実用的かもしれない。二足歩行をするが、それは人間のようでも、熊のようでもない。AlphabetがオーナーであるSchaft Inc.が考えた、独特の動きをするロボットなのだ。

この、まだ名前のないロボットは、日本で行われたNew Economic Summit(新経済サミット)のステージ上を誇らしげに歩き、Schaftの協同ファウンダーYuto Nakanishiと共に、笑顔の群衆に対面した。次に上映されたビデオに登場したロボットは、ステージ上のロボットと同じものではなかったが、機能はほぼ共通していた。

いちばん重要なのは、その歩行システムだろう。人間の足並みは複雑にコントロールされる上下運動だが、このロボットの足(脚)は可撓部のない剛体で、レールのように上下にスライドする。

したがって物を持ち上げたりするときの、曲がる(しゃがむ)動作がない。上部のジョイントにより脚は斜めに突き出され、底部の“関節”が凸凹の地面でも安定性を提供する。電池とモーターは両脚のあいだにあり、低い重心に貢献している。

ロボットが動き回るための方法としては、とても効率的に見える。ビデオではロボットが、森の中や、岩だらけのビーチ、雪原、それにED209(エド・ツーオーナイン)やDalek(ダーレク)たちの弱点である階段すらも歩きまわる。階段を上(のぼ)りながらRoombaみたいなブラシで各段を掃除するやつもいる。Atlasにも、やらせてみたいね。

人間の捕獲者が仕掛けた金属の棒の上でも、滑ったり転んだりせずに、十分に敏速に動き回る。Skynetが本当に人類を滅ぼし始めたときにはきっと、昔見たこのビデオのことを思い出すだろう。

このロボットには腕がないし、掌(てのひら)のような握る部分もない。上にバーベルが載っているプロトタイプもあるから、物を持ち上げて運ぶことはできるのだろうが、荷台や操作部はない。このロボットの設計目的がほかにあるのか、それとも、今回は歩行をデモすることだけが目的で、他の機能や装具を装備してないだけなのか。

終始曖昧な書き方で申し訳ないが、なにしろ具体的な情報は乏しいのだ。Schaftは2013年にGoogleに買収され、その後音沙汰がなかったが、DARPAのRobotics Challengeでは優勝した。同社は今、Webサイトすらなく、その操業内容とプロジェクトはAlphabetのX部門の中で厳しく守秘されている。

この記事の素材はすべて、東京のロボットライターTim HornyakRakutenのツイートで、XがIEEE Spectrumに載せた記事も参考にしている。その記事は、“製品の発表でも、具体的な製品のロードマップでもない。ただ単純に、進捗の現段階をお見せできたことを、嬉しく思っている”、と声明している。

本誌はこの隠密ロボットメーカーに情報を求めているが、彼らのこれまでの3年と次の3年が同じなら、多くは期待できない。この革新的なロボットは、今後もっと社会への露出度を大きくすべきだし、今後も秘密のままキープするのは、もったいない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))