リクルートが米国の企業口コミサービスGlassdoorを約1300億円で買収

リクルートホールディングスは5月9日、米国で求人情報検索サイトを運営するGlassdoorを約1300億円(12億米ドル)で買収したことを明らかにした。同金額でGlassdoorの発行済全株式を取得する。

GlassdoorはリクルートのHRテクノロジーセグメント傘下で、引き続き現経営陣のもと運営していく方針。同セグメント傘下のIndeedとも協働し、オンラインHR領域のさらなる事業拡大を目指す。

Glassdoorは2007年の創業。社員や求職者による企業の口コミ情報を軸にした、求人情報検索サイトを提供している。同サービスには2018年1月時点で約77万社に関する、4000万件以上の口コミが掲載。月間ユーザー数も5900万を超える。Crunchbaseによると、これまでTiger GlobalやBenchmark Capital、Battery Venturesらから2億ドル以上を調達している。

リクルートは2012年に求人検索サイトのIndeedを子会社化。中期的に米国およびグローバル市場において、Indeedの拡大とM&AによりHRテクノロジー事業を強化する戦略を掲げている。Indeedが仕事探しを簡単にするための検索技術を磨いてきた一方で、Glassdoorは求職者の意思決定をサポートする透明性の高い企業情報を蓄積することに注力してきた。今後も各々のブランドで運営を続けながら、求職者をサポートするという共通の目標に向かって協働し、さらなる事業成長を目指す方針だ。

リクルートでは今回の買収を通じて「オンライン求人検索、オンライン求人情報アグリゲーション、求職者と求人企業のマッチング、そして求職者による求人企業の口コミ情報によって、求職者の仕事探しを更に強力にサポートし、オンラインHR領域におけるポジションを確固たるものとします」としている。

クックパッド、調理機器とレシピをつなぐスマートキッチンサービス「OiCy」公開

「人と機器とレシピをつなぐことで、手料理が、人生が、もっと豊かになることを目指すスマートキッチンサービス」ーークックパッドが本日公開した新サービス「OiCy」のサイトには、そんな説明文がある。

これまでクックパッドが提供してきたレシピ関連サービスは人とレシピをつないできたが、今回リリースしたOiCyはレシピと調理機器(そしてそれらを使って調理する人)をつなぐものだ。

OiCyではクックパッドに投稿されたレシピを、機器が読み取れる形式(MRR: Machine Readable Recipe)に変換して提供。機器をOiCyに対応させておけば、クックパッドのレシピ内容に合わせた調理やアレンジが自動でできるようになる。

主にキッチン家電を取り扱う企業に提供する予定で、同社ではサービス公開に合わせてOiCyに対応する製品開発に取り組むパートナー企業の募集も始めた。

コンセプトモデルとしてレシピ連動調味料サーバー「OiCy Taste」も開発(現時点で発売の予定はないとのこと)。OiCy Tasteではレシピを選ぶだけで必要な分量の調味料を自動で計量できるため、料理の途中で調味料を計る手間から解放されるほか、好みに合わせてアレンジすることも可能だ。

僕自身は大雑把な性格だから調味料を目分量で計ることがほとんど。その結果ついつい味が濃くなってしまうこともよくあるから、調理機器が勝手に最適な量を計ってくれるなら使ってみたいと思った。

クックパッドでは「レシピとキッチン家電が連携することで料理をする人の悩みや負担が軽減され、毎日の料理が楽しくなる、そんなスマートキッチンを目指します」としている。

2500社が使うスマートロック入退室管理「Akerun」のフォトシンスが10億円調達、IoT×SaaSモデルで拡大

後付型スマートロックを活用した入退室管理システム「Akerun」を提供するフォトシンス。同社は5月8日、グロービス・キャピタル・パートナーズ大和企業投資、既存株主であるYJキャピタル、個人投資家を引受先とする第三者割当増資と、新生銀行、日本政策金融公庫、オリックスからの融資等により総額10億円を調達したことを明らかにした。

フォトシンスは2015年9月にもジャフコ、YJキャピタル、ガイアックス、ベータカタリストから4.5億円を調達するなどしていて、累計の調達額は15億円になるという。

2016年から始めた法人向けプロダクトが導入社数2500社を突破

フォトシンスが現在注力しているのは、後付型のスマートロック「Akerun Pro」を軸にした法人向けの入退室管理システムだ。同社では2014年9月の設立後、最初のプロダクトとして2015年4月に家庭用のスマートロックを発売。実際にサービスを提供してみると法人からの需要が多かったため、2016年7月に法人向けの「Akerun Pro」を発表した。それから2年弱が経過した現在は導入社数が2500社を突破しているという。

スマートロックの導入はドアの鍵のつまみ(サムターン)に粘着テープを使ってデバイスを貼り付けるだけ。NFCリーダーをつければスマホからだけでなく、SuicaやPASMOといったICカードからも鍵の開け閉めができるようになる。

合わせてWeb管理画面「Akerun Manager」を通じて鍵の権限設定のほか、各メンバーの入退室履歴を管理可能。フォトシンス代表取締役社長の河瀬航大氏によると、この「入退室管理」機能のニーズが増えているのだという。

背景にあるのは2017年6月施工の個人情報保護法の改正により、個人情報を取り扱う全事業所の入退室管理が義務化されたこと。そして働き方改革や労働基準監督署の活性化により、正確な労働時間を把握したいというニーズが増えたことがある。

「Akerunではクラウド上でいつ、だれが、どこに出入りしたかを把握できる。そのためコワーキングスペースで働いていることがわかれば出社とみなすなど、働き方改革の実現に向けて入退室管理のデータを活用したいという声が増えてきた。またこれらのデータを勤怠管理システムと連動させて、勤怠管理までAkerunでやってしまいたいという要望も多い」(河瀬氏)

1番売れているのは社員数が10~300名ほどの中小企業で、業種は個人情報を多く扱う人材紹介業や金融業、士業への導入が伸びているそう。最近は複数の拠点を持つ大企業やコワーキングスペースなどでも活用が進んでいる。

たとえば地方に支社を構える企業の場合、本社オフィスに比べると地方拠点ではセキュリティ対策や勤怠管理の徹底が進んでいない場合もある。そのような時にAkerunを使うことで、セキュリティを強化するとともに鍵とそれに紐づくデータをクラウド化。複数拠点の情報を一元管理するといった使われ方をしているそうだ。

IoT×SaaSモデルが顧客に響いた

ここで少しビジネスモデルの話をしてみたい。入退室管理システムとして提供しているAkerunは、デバイスを販売するのではなくレンタルという形をとっている。月額1.5万円、1台から利用できるため、デバイスの購入費用や初期費用がかからず、気軽に試しやすいのが利点。商品のアップデートがあった際や故障時には交換もできる。

海外ではHESaaS(Hardware Enabled SaaS)のような言葉で表現されることもある、ハードウェアとSaaSを絡めたビジネスモデルだ。

河瀬氏の話ではこのビジネスモデルが中小企業を中心にささっていて、導入企業数が増加した要因のひとつにもなったそうだ。

「入退室管理システムでは価格がボトルネックになっていた。気軽に試すこともできず、(法改正によって入退室管理が義務化されたのに)適切なソリューションがなく悩んでいる企業も少なからずある。月額1.5万円であればカジュアルに試すことができ、大掛かりな初期投資も必要ない」(河瀬氏)

これはAkerunが後付型で、ドアや壁の工事が必要ないという性質ももちろん大きい。ただスマートロックについてはセキュリティ面の不安などから導入を懸念する企業もあるからこそ、料金体系も含めて試しに使ってもらえるようなサービス設計がキモになる。

Akrunの場合も当初は同じような不安を抱える顧客もいるが、実際に導入してみると反応が良いケースも多く、現状は解約もほとんどないそう。だからこそ最初のハードルを下げるという観点でSaaS型のビジネスモデルがハマったようだ。

現在は「想定以上の問い合わせがある」(河瀬氏)とのことで、今回調達した資金を基に人材採用と販売促進を強化していく方針。合わせて導入が増えている大手企業に向けた管理システムの強化や、勤怠管理システムとの連携などプロダクトの改良も進めていく。

今の正社員50名体制から2年後には100名規模まで増やす計画で、2020年に1万社への導入を目指すという。

デバイスひとつで法人車両をコネクテッドカーに、車両管理サービス提供のフレクトが5億円調達

リアルタイム車両管理サービス「Cariot(キャリオット)」を提供するフレクトは5月7日、Draper NexusSalesforce Venturesを引受先とする第三者割当増資により5億円を調達したことを明らかにした。

Cariotは営業車など法人が所有する車両をコネクテッドカーに変えるサービスだ。車両にデバイスを差し込むことで、速度や走行距離、GPSセンサーを用いて取得する位置情報など車両に関する多様なデータをインターネット経由で取得。それらの情報を活用することで、コンプライアンス強化や安全性向上、コスト削減・業務効率化をサポートする。

たとえば車両やドライバーの情報を一元管理することで車検や免許の期限切れを把握したり、長時間労働や車両の不正利用を発見する。急加速や速度超過など危険運転を察知し事故削減につなげる。車両の稼働率から不要な車両を把握、運転日報の自動化などにより車両を保有することによるコストや業務負担を減らす、といったような使い方ができる。Cariotに近しいサービスとしては、以前TechCrunchでも紹介したスマートドライブの「DriveOps」などが挙げられるだろう。

Cariotのユーザーは車両数や管理者数に応じた月額の利用料と、車載デバイスの料金(デバイスは複数のタイプから選択可能)を支払う仕組み。月額利用料は車両1台ごとに2980円、管理者1名ごとに2000円だ。同サービスは2016年4月の提供開始から利用社数を増やし、現時点では国内外含め約60社以上に導入されているという。

2005年設立のフレクトはSalesforceを中心としたソフトウェア開発、コンサルティング事業、IoTサービスの導入支援など複数の事業を展開しているが、今回調達した資金はCariotの事業成長に投じる方針。分析レポートサービスの開発のほか、各種機能強化やサポート体制の強化を通じてプロダクトを改良し、次世代テレマティクス、フリートマネジメント分野におけるB2B車両管理ソフトウェアとしてNo.1の地位確立を目指す。

Twitterに暗号化DM機能が隠されていた

TwitterのAndroidアプリの奥深くに、ユーザー同士で暗号化されたダイレクトメッセージをやりとりできる “Secret conversation” というオプションが見つかった。この機能があれば、Signal、Telegram、WhatsAppなどの暗号化メッセージアプリに頼ることの多かった機密性の高い会話をTwitterで行える。

暗号化DMオプションは、Twitter for Androidアプリケーションパッケージ(APK)の中にあるのをJane Manchun Wongが最初に見つけた。APKにはTwitterが密かにテストしている機能や近く公開される予定でまだ一般に提供されていない機能のコードが含まれていることがよくある。Twitter広報はこの件についてコメントを拒んだ。Twitterがいつこの機能を正式公開するのかわからないが、少なくとも開発されていることはわかった。

暗号化DM登場の18カ月前、内部告発者のEdward SnowdenはTwitter CEO Jack Dorseyにこの機能を要求し、当時Dorseyは「あってしかるべき機能なので検討する」と答えた。

Twitterは同機能を「検討」からプロトタイプへと昇格させた。上のスクリーンショットには、暗号化メッセージの詳細、秘密の会話の開始、本人および会話相手の暗号化キーを表示して安全な接続を検証する、などのオプションが見える。

TwitterのDMは、電話番号もメールアドレスも使わずに、知らない相手と連絡をとる便利な手段となっている。記者に特ダネを送ることから、問題の警告、ビジネスの検討、あるいはナンパまで、Twitterはオープンなメッセージングメディアとして有力な地位を築いてきた。しかし、暗号化されていないとメッセージは政府やハッカーやTwitter自身に覗かれる恐れがある。

Twitterは長らくそのサービスを、政治活動や暴動までも支援する場であると位置づけてきた。しかし、政治的不一致や暴露、漏洩などの影響を恐れる人たちは、強力なエンドツーエンド暗号化が可能なSignalなどのアプリを使うのが常だった。暗号化DMの提供によって、世の中を変えようとする「チェンジメーカー」たちを呼び戻し、今もTwitterにいる人々を守ることができるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AI問診・病名予測アプリ開発のUbieが関西電力CVCから3億円を資金調達

AIによる問診ソリューションや病気予測アプリを開発するヘルステックのスタートアップ、Ubieは5月7日、J-KISS型新株予約権により関電ベンチャーマネジメントから資金調達を実施したことを発表した。金額は公開されていないが、登記情報などから3億円を調達したものと見られる。今回の調達は、2017年9月に行われたD4Vを引受先とした6000万円のシードラウンドに続くものとなる。

Ubieの設立は2017年5月。共同代表取締役で医師の阿部吉倫氏とエンジニアの久保恒太氏が立ち上げた。久保氏は東京大学在学中の2013年に病名予測アルゴリズムの研究を開始。現在Ubieでは、医療機関向け「AI問診Ubie」と一般ユーザー向け「Dr.Ubie」という、共通のアルゴリズムで動く2つのプロダクトを提供している。

AI問診Ubieは、現役医師が監修した問診ツールだ。自然言語処理技術と質問選定アルゴリズムを利用して、紙の問診票と医師の問診に代わり、AIで患者の回答に応じた最適な問診を自動で行い、カルテのテンプレートも自動で生成。医師の事務にかける時間と患者の待ち時間を削減する。2017年8月にベータ版、同年12月に製品版がリリースされ、50件近い医療機関に提供されている。今月からは日立総合病院での運用が始まり、今夏には宮崎大との多施設での共同研究開始が予定されている。

Dr.Ubieはセルフメディケーションを目的とした、一般ユーザー向けの病気予測アプリ。ユーザーの年齢や性別に合わせて質問を出し、症状から考えられる病名を予測する。現状ではAndroid版がリリースされている。

Ubieでは資金調達にともない、エンジニアを中心とした採用を強化。主力事業であるAI問診Ubieの機能拡充・事業拡大に加えて、Dr.Ubieのマルチチャネル化や海外展開も含めた開発・マーケティングにも力を入れていくという。

中国政府、WeChatの削除済みメッセージを収集していることを認める

中国政府当局は先週末、ほぼ全国的に使用されているチャットアプリのWeChat の削除済みメッセージを取得するしくみを持っていることを明らかにした。多くの人にとって驚きではなかったが、このような議論を呼ぶデータ収集手法を公式に認めることはかなり珍しい。

South China Morning Postの記事によると、安徽省の汚職防止委員会は土曜日(米国時間4/28)、当局は「あるテーマに関わる一連の削除されたWeChat会話を回収した」とソーシャルメディアに投稿した。

投稿は翌日削除されたが、それまでに多くの人が読み、起こりうる影響を理解した。(私を含め)10億人近い人々が利用するWeChatを運営するTencentは声明で「WeChatはチャット履歴を保存していない —— ユーザーの携帯電話やコンピューターにのみ保存される」と説明した。

この保存に関する技術的詳細については明らかにされていないが、関心を持つ当局が何らかに方法でアクセス可能であることは、委員会の投稿から明らかだ。アプリはもちろん、特定の話題の検閲を含む政府の要件に対応している。

まだ多くの疑問があり、その答はユーザーの脆弱性を説明するのに役立つだろう。メッセージーは安全に暗号化されているのか? 削除メッセージの復活にユーザーのIDとパスワードは必要ないのか? それとも「マスターキー」やバックドアで突破できるのか。ユーザーはWeChatでメッセージを永久的・完全に削除することが可能なのか?

中国政府が中国企業の保有、操作するデータをアクセスすることに対する恐怖は、対象となる企業に対する世界的な反発を呼んでおり、一部の国々(米国を含む)では、中国製のデバイスやサービスの機密情報や公式での利用を禁止している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

より本格的な健康データデバイスを目指すFitbitがGoogle Cloud Health APIの利用へ

ヘルスデータ・ブレスレットのFitbitが今朝(米国時間4/30)、単なるエクササイズツールから本格的なヘルスケア製品へのステータス・アップをねらって、GoogleのCloud Healthcare APIを利用していく、と発表した。これはまるで、筋書き通りのようなパートナーシップだ。

アメリカの保健医療市場は2016年の支出額で3.3兆ドルと言われるが、GoogleはCloud Healthcareでこの巨大な市場へ食い込むことをねらっている。この市場の成長を止めるものは何もないから、数年後にはさらに額が肥大していると予想される。

Googleはこれまで、同社の既存のクラウド製品を利用して、ヘルスケアという巨大な世界のための情報共有基盤を提供してきた。その初期の段階では同社は、Stanford School of Medicine(スタンフォード大学医学部大学院)など医療専門機関とパートナーしてきたが、今回のFitbitとの契約は、さらにメジャーな路線への進出になる。

またFitbitにとっては逆に、より正統的なヘルスケアの世界への接近になる。最近のイベントでCEOのJames Parkは、ヘルスケアは消費者電子製品の企業がそこへ向かっていくべき大きな世界だ、と語った。それはもちろん、Jawboneのように消費者分野を切り捨てるという意味ではなく、正統的な医療保健データの収集を一般化大衆化することに大きな市場機会を見出している、ということだ。

正統的というのは、医師が患者の電子的医療データとまったく同格に、Fitbitによるモニタリングデータを利用する、できる、という意味だ。最近同社が買収したTwine Healthは、エクササイズデータに加えて糖尿病や高血圧などのデータを提供してくれるはずだ。

Google Cloud Healthcareからの新しいサービスについて、具体的な日程等の発表はまだない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、NvidiaのTesla V100 GPUをクラウドで提供開始

Google は今日(米国時間4/30)、Nvidiaの高性能GPU Tesla V100がCompute EngineおよびKubernetes Engineで利用可能になったことを発表した。現在はまだ公開ベータだが、GPU作業でGoogleの完全サポートを必要とする利用者には、やや性能の低いNvidia P100 GPUがベータを終え一般公開された。

V100 GPUは、今もNvidiaの高性能コンピューティングのラインアップの中で最も強力なチップだ。登場からしばらく時間がたっており、Googleはやや遅れた参入となった。AWSIBMはすでにV100を顧客に提供しており、Azureではプライベートプレビューを行っている。

GoogleはNvidiaのマルチGPUプロセッシングのための高速インターフェースであるNVLinkも使用していることを強調しているが、ライバル各社もすでにこれを使っていることは指摘しておくべきだろう。NVLinkはGPU-to-GPUのバンド幅を従来のPCIe接続より9倍速くすることで作業によっては40%性能が高くなるとGoogleは約束している。

もちろん性能のためにはお金が必要だ。V100の使用料は1時間につき2.48ドル、P100が1.46ドルだ(これは標準価格であり、Preemptible仮想マシンは半額で利用できる)。これ以外に通常の仮想マシンまたはコンテナを動かすための料金を払う必要がある。

現在V100マシンは、1 GPUまたは8 GPUの2種類の構成で利用可能で、将来は2または4 GPUの構成も加わる予定。P100には、1、2、または4GPUが用意されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ZOZOSUITが新しくなったーーセンサーではなくマーカー読みとり方式へ変更

2017年11月にスタートトゥデイが発表した、採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」。発表後から大きな話題を呼び、10時間で23万件の予約が発生。生産の遅れにより配送遅延が生じていた。

そんなZOZOSUITの到着を心待ちにしていた人にとっては、良いニュースかもしれない。スタートトゥデイは4月27日、新型のZOZOSUITを発表した。

水玉模様が特徴的な新型ZOZOSUITでは、このドット上のマーカーをスマホのカメラで360度撮影することで体型サイズを計測する。スーツにはスマホを立てかけるためのスタンドが同梱されるため、テーブルなどにスマホをセットして撮影。音声案内がガイドする。

旧型のようにセンサーを活用していないため、電池切れの心配がなく洗濯も可能。なにより大量生産ができるようにもなるという。

撮影した体型のデータは3Dモデルとしてアプリ上に表示され、自身の体型を様々な角度からチェックすることが可能だ。

ZOZOSUITの現状や今後の展開については本日スタートトゥデイが公開した資料に詳しい。スタートトゥデイでは本日約4000の新型スーツを出荷したことを公表。これまででZOZOSUITの予約件数は100万件を突破しているというが、現在までの予約については7月中旬ごろを目処に配送を完了する予定。今期中に600万〜1000万のスーツを無料で配布する予定だ。

なお旧ZOZOSUITはニュージーランドのソフトセンサー開発企業StretchSenseと共同で開発していたもの。スタートトゥデイでは将来的に同社を100%子会社化することを選択的に可能とするコールオプション契約を締結する予定である旨を2017年11月22日に発表し、注目を集めていた。

同社は本契約について本日開催の当社臨時取締役会において、締結を中止することを決議したと公表。主な理由については契約条件面で合意に至らず、交渉が長期化していたため。そしてスタートトゥデイ研究所が2月15日に3億円で買収することを発表したアイデアを基に、より高精度な体型計測技術の開発に成功したためだとしている。

ネット印刷のラクスルがマザーズ上場へ、直前期の売上高は約76億円

ネット印刷サービス「ラクスル」や 物流マッチングサービス「ハコベル」を提供するラクスル。同社は4月27日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場を申請し承認された。上場予定日は5月31日。

有価証券報告書によると同社の平成29年7月期(第8期)における売上高は76億7505万円、経常損失が11億6310万円、当期純損失が11億7541万円だ。

ラクスルは2009年9月の設立。2010年4月に印刷通販の価格比較サービスサイト「印刷比較.com」をリリースし、同年10月にラクスルへと名称を変更した。その後複数の資金調達も実施しながらサービスを拡張。2013年3月から現在提供する印刷のシェアリングプラットフォームとしてサービス提供を始めたほか、2015年3月には広告プラットフォームとして集客支援サービスもリリースしている。

また印刷事業に加えて2015年12月からは運送事業を開始。物流マッチングサービス「ハコベル」を始めている。

株式の保有比率については、代表取締役の松本恭攝氏が21.55%を保有する筆頭株主。ついでオプトホールディングが17.78%、日本政策投資銀行が8.91%と続く。

 

子供向けの習い事を月額定額で体験できる「スクルー」が2500万円を調達

子供向けの習い事を月額定額で体験できるプラットフォーム「スクルー」。同サービスを展開するスクルーは4月27日、ベンチャーキャピタルのPE&HRとゲーム開発やサウンド制作を手がけるネイロから2500万円を調達したことを明らかにした。

スクルーは音楽やスポーツ、伝統芸能、プログラミングなどさまざまな習い事を体験できる機会を提供することで、子供が夢中になれる物事や自分に合った教室を見つけやすくするサービスだ。

子供の習い事に関しては親の好みや経験も影響し「必ずしも子供に合ったものが選択されているとは言えない状況がある」というのがスクルーの考え。他にも習い事にまつわる課題として「近くで教室が見つからない」「入会の判断が難しい」といったことが存在する。

これらを解決するために、スクルーでは無料でマップから近くの教室を探せる機能や、パートナー教室が提供するレッスンを月々定額で少しずつ体験受講できる「スクループレミアムサービス」を提供している。

検索できるのは都内にある約1.2万件の教室。約900校のパートナー校については、プレミアムサービスに登録すればそのまま体験レッスンに申し込める。各教室が通常提供している体験レッスンとは異なり、入会前に複数回レッスンを受講可能。子供と教室の相性を判断しやすくなるのが特徴だ。現在は受講できるレッスンの数ごとに、3つのプランを提供している。

スクルー代表取締役の犬塚亮氏によると、今後は1回の受講で完結するワークショップや子供向けの体験施設など、週末のレジャーニーズに応えるアクティビティにまで対象カテゴリーを拡大する方針。また習い事を継続するかの見極めがしやすくなるように、オリジナルの1ヶ月体験プログラムも設計していくという。

「たとえば陶芸教室など、定期的に通う習い事とは少し違った子供向けの体験教室も多い。このような子供にあらたなインスピレーションを与えられるアクティビティをどんどん提供していきたい。また今までのスクルーは自分に合った習い事が見つかれば、そこでサービスの利用も終わるという側面があった。今後は『今週末、どんな体験をしよう』と親子がレジャー体験を探すシーンでも使えるようにしていく」(犬塚氏)

なおスクルーは2016年6月の設立。TC Tokyo 2017スタートアップバトルに登壇した20社のうちの1社だ。

Amazon Primeの年間料金がもうすぐ値上げ(米国のみ)

絶好調の決算報告後の電話会見で、Amazon CFO Brian OlsavskはAmazon Primeメンバーにちょっとした爆弾を落とした。小売業巨人の盛りだくさん年間定期購読プランが近々値上がりする。5月11日に、Primeの年間購読料は99ドルから119ドルへと20ドル値上がりする。

このニュースに先立つ今年1月、月額料金について似たような発表があり毎月10.99ドルが12.99ドルになった。もちろん年間購読は今でも有利だ —— 月額モデルで払うと年間156ドルになる。年間購読料金の値上げはおよそ四年ぶり

なぜ値上げか? Amazonの大胆なコンテンツ購入が関係している可能性が高い。今日つい先ほど同社は Thursday Night Footballの契約を2年延長したことを発表した。

「Primeメンバーの年間料金を4年前に値上げして以来、Primeの価値も提供するためのコストも大きく増加した」とAmazonがTechCrunchに宛てた声明で言った。たしかにプログラムの成長は著しく、配送料無料だけから、Alexaの特別機能やThe Washington Postまで入るようになった。

新料金は5月11日から新規メンバーに適用される。既存メンバーは6月16日以降の更新時から値上がりする。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、撤廃案に先立ちクリーンパワー計画の支持を表明

GoogleはAppleに続き、IT企業大手としてクリーンパワー計画支持を表明した。同社はオバマ時代の法案を支持する声明を環境保護庁に提出し、その後TechCrunchにも提出文書を提供した。

2030年までに発電所の二酸化炭素放出量を30%以上削減することを目標とする同法案は、トランプ政権によって撤廃されようとしている。Appleの先日の提案と同じく、Googleは法案が撤廃された場合の環境面、経済面、両方の悪影響を指摘している。

「風力および太陽光発電の普及 —— ならびに関連サプライチェーンの整備 —— はここ数年の米国経済の中で最も急成長している分野である」と同社が4月25日付けの書簡で言った。「雇用の成長は、労働力全体の成長を大きく上回っている」

さらにGoogleは、同法案を支持する個別の事情として、同社の再生可能エネルギーへの転換の取組み、およびクリーンパワー計画によって起きる雇用の促進を強調した。「クリーンパワー計画は今後もイノベーションと雇用を拡大し続ける。同時にアメリカの電力システムを近代化し、二酸化炭素放出を減らし、地球温暖化による脅威の緩和に貢献する」とGoogleは言った。

窮地に追い込まれたスコット・プルート長官率いる環境保護庁(EPA)は、この法案は同庁の認可を不当に拡大していると指摘した。先月末トランプ大統領は大統領命令を発動し法案の見直しを命じた。この動きを多くの評論家は法案撤廃への第一歩であると見ている。

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LINEが「NAVERまとめ」の無断転載画像34万件を削除、報道7社とは協議を継続

ユーザー投稿型のキュレーションサービス「NAVERまとめ」を運営するLINEとネクストライブラリ(LINE子会社)は4月26日、同サービス内にて無断転載されていた報道7社およびそのグループ会社の画像や写真約34万件を削除したことを明らかにした。

LINEおよびネクストライブラリと報道7社は、デジタルコンテンツの適正な利用と流通を促進するべく今後も引き続き、協議および協力を続けていくことで合意したという。

朝日新聞社、産業経済新聞社、日本経済新聞社、毎日新聞社、読売新聞グループ本社、時事通信社、共同通信社の報道7社は、2017年8月にNAVERまとめ内での画像および写真の無断転載についてLINEへ指摘。これを受けてLINEとネクストライブラリで調査を実施したところ、報道7社に無断で転載されたコンテンツが約34万件確認された。

該当するコンテンツに関しては現在削除が完了していて、報道7社とは同じコンテンツが再び転載されないための防止策などについて協議を行ったという。

報道7社とLINEおよびネクとライブラリでは「報道7社からコンテンツの特定、削除・転載防止を行うために必要な情報の提供や助言、著作権者の特定への協力などを受け、無断で転載されたコンテンツの検出、削除・転載防止などに努め、知的財産権に関する権利保護対策への取り組みを推進してまいります」と、今後も引き続き協議を続けていく方針を明かしている。

なおLINEとネクストライブラリは著作権等の知的財産権の保護の一環として、2017年11月に著作権管理システム「Lisah(リサ)」やまとめ作成者の経歴等を公開する「オーサー確認機能」のテスト導入を開始するなどしていた。

法人プリペイドカードでB2Bのキャッシュレス化推進へ、クラウドキャストが実証実験

つい先日、経済産業省からキャッシュレス社会実現に向けた「キャッシュレスビジョン」が公開された。その中では「未来投資戦略2017」で設定したキャッシュレス決済比率40%という目標を前倒しし、将来的には世界最高水準の80%を目指していくという数値目標も掲げられている。

この目標を達成するためには「(注目されがちな)B2Cだけでなく、B2B向けの取り組みも行っていく必要がある」と話すのが、クラウドキャストで代表取締役を務める星川高志氏。クラウド経費精算サービス「Staple(ステイプル)」を提供する同社では、キャッシュレス化推進に向けて法人向けプリペイドカードを使った実証実験を始めた。

今回の実証実験ではスタートアップや中小企業向けに「Staple カード」を発行し、導入企業の社員が実店舗やオンライン店舗で会社経費として使用できる環境を提供する。プリペイドカードのため与信審査がなく、企業の実績や設立年数に関わらず発行できるのが特徴。特に法人向けクレジットカードを発行したい気持ちはあれど、与信審査などがネックとなって実現に至らなかった企業にとっては新たな選択肢となりそうだ。

特定サービスや小売店のみで利用できる一般的なプリペイドカードとは異なり、タクシーやカフェ、小売店など通常のクレジットカードが使用できるほとんどのシーンで利用できるという。

またStapleカードをクラウド経費精算サービスのStapleと組み合わせることで、管理者側と従業員側の経費精算業務を効率化する狙いもある。たとえば派遣社員や契約社員、アルバイトスタッフなどのメンバーにも発行できるので、全員にStapleカードを発行し、交通費の精算をキャッシュレスに、そしてその処理をクラウド上でスムーズに行うことも可能だ。

「(Staple上に)プリペイドカードの履歴がたまり、画面上からそのまま経費申請ができる。管理側も従業員側も手打ちで対応する必要がないし、使用金額や用途の確認も楽になる。また社員が立て替えた経費を精算する際の振り込み手数料なども一切必要ないため、バックオフィスのコスト削減にもつながる」(星川氏)

現在すでに複数の企業で試験的に導入しているが、従業員側からは新しい決済手段となり、経費申請業務を効率化できることに加え、企業に対する所属感や安心感が得られるという反応もあったそう。クラウドキャストには外国人の社員も多く、メンバーからは好評だという。

星川氏の話では実証実験はだいたい3ヶ月くらいの期間を考えていて、その期間内でユーザーの反応も見つつ予算申請の仕組みや精算フローの改善などに取り組む。ビジネスモデルの検証なども本格的な事業化を見据えて、進めていく方針だ。

「法人クレジットカードは利点が多いものの、今まではエスタブリッシュな企業などしか使えなかった。これを中小企業やベンチャーでも使えるように、そしてそこで働くすべてのスタッフが使えるような仕組みを作っていきたい」(星川氏)

 

メルカリが個人間でスキルをシェアする学びのフリマアプリ「teacha」をリリース

メルカリの子会社であるソウゾウは4月25日、知識やスキルを教えたい人と学びたい人をつなぐ学びのフリマアプリ「teacha」をリリースした。teachaは2017年12月に発表されていたサービス。まずはiOS版とWeb版の提供を本日より始める。

teachaは語学や資格の勉強、スポーツや料理などさまざまな分野のレッスンをフリマ形式で売買できるC2Cのスキルシェアサービスだ。

レッスンは最短30分から30分単位で時間の設計が可能。受講人数も最小で1対1のマンツーマンレッスン、最大で6人まで設定できるという。またオフラインだけでなく、オンラインのレッスンにも対応する。レッスン料金は500円からだ。

スマホアプリから最短5分でレッスン登録ができるのもウリのひとつ。教える側と学ぶ側双方のハードルを低くし、気軽に学びのやりとりをできる環境を目指す。

teachaはメルカリのIDと連携し、メルカリアカウントで利用が可能。ただし安全面に配慮して利用できるのは18歳以上(高校生を除く)に限定。365日24時間体制でメッセージ内容や通報を確認するほか、支払いトラブルを防ぐためにエスクロー決済システムを導入している(レッスン前に事前決済、レッスン後にレビューが登録されれば売上金が反映される仕組み)。

現時点で語学やプログラミングのレッスンに加え、コーヒーの淹れ方やフラワーアレンジメント、着物の着付け、料理など幅広いジャンルのレッスンが並ぶ。中には「UFOキャッチャーマスター講座」や「谷中銀座を案内します」などユニークなものもあり、この記事を書いているタイミング(4月25日14時20分)で450以上のレッスンが登録されていた。

またオフィシャルパートナーとして学研プラスとユーキャンが参加。今後はオフィシャルパートナーの講座で学んだことを活かす場所としてteachaを活用したり、教えたいユーザー向けのフォローアップ講座などを提供するなどの連携を予定しているという。

teacha発表時の記事でも触れたとおり、C2Cのスキルシェア関連では「サイタ」や「ストアカ」などすでに複数のサービスが存在している。メルカリファンドの投資先である「フラミンゴ」も語学学習領域に特化した教えたい人と学びたい人をつなげるサービスだ。

メルカリではサービスリリースにあたって「今後、teachaはメルカリとのシナジー効果を高め、オフィシャルパートナー企業と協力しあいながら、これまでの学び市場にはなかった新しいレッスンを創出することによる『学び』市場の拡大と誰もが簡単・気軽に学び・教える機会を享受できるサービスを目指していきます」としている。

 

GoogleがAndroidの銃の絵文字を水鉄砲に変えたようだ

2016年にAppleは、銃を表す絵文字を本物のような銃から明るいグリーン色の水鉄砲に変えた。

数日前にはTwitterが、それに倣った

そして、どうやら今度はGoogleだ。Androidの銃の絵文字が近く、明るいオレンジと黄色の、人をびしょ濡れにして楽しむもの(別途水タンクがあって水量が多い水鉄砲)、になるらしい。

最初に気づいたEmojipediaによると、Googleは今日(米国時間4/24)、GitHub上の公開リポジトリNoto Emojiライブラリのグラフィクスを入れ替えた。それらはAndroidがデフォルトで使用する絵文字だから、デバイスに対するアップデートもいずれ始まるのだろう。

今となっては、Googleが絵文字を変えるのは避けられない。Appleがそれをやったときに、すべては始まった。そしてTwitterが続き、SamsungもGalaxy S9のリリースでそれをやる。Googleも、やるに決まっている。

明朗なコミュニケーションのためには、必要なことだ。誰かが(iOSユーザーが)メッセージで水遊びの玩具の漫画を送れるのに、ほかの多くの人たち(Androidユーザー)がそれを本物の拳銃のような絵として受信したら、ちょっと面倒なことになるかもしれない。Appleに、それを元に戻す気はない。そして今や他社も右へ倣えしている。Googleも、変人と思われたくない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米国アシュランド大学、「フォートナイト」プレーヤーに奨学金を提供

米国中西部の大学が、全米一のFortniteプレーヤーを同大学のeスポーツ代表チームに勧誘するべく、有望選手に奨学金を出す。

オハイオ州のアシュランド大学は、熱狂的人気のバトルロイヤルゲームを、同大学が今秋開講予定の競技eスポーツプログラムに組み込む。ゲームはFortnite以外に、League of Legents、Overwatch、Counter-Strike: Global Offensive、およびRocket Leagueが現在競技用タイトルとして採用されている。興味のあるゲーマーはこのフォームでプログラムに申し込める。

「Fortniteは、コアなゲーマーとカジュアルなゲームファンの両方に人気がある」と同大学のeスポーツヘッドコーチ、Josh Buchananがリリースで言った。「自分たちのスキルをより競争の激しい舞台で見せたいと思っているゲーマーたちに、このプラットフォームを提供できることを大変嬉しく思う。Fortniteは、プレーヤーがクリエイティブかつ革新的になり熟練したスキルを見せられる環境を提供するゲームだ」

同校に入学しアシュランドキャンパスの寮に入るための正規費用は3万1284ドルなので、4000ドルの奨学金は悪くないインセンティブではあるが、おそらくこれは、オハイオ州のアシュランド大学に行く別の理由のある人に最適なプログラムだろう。

このタイトルに対するゲームコミュニティーの反応はきわめて良好だ。これはゲーミングサイトで最も多くストリーミングされるゲームでもあり、数百万人が同時にプレーしている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ARで“インテリアを試着”——リビングスタイルが3.4億円調達、150万点の3Dデータ活かしたARコマースも

インテリア関連のサービスを展開するリビングスタイルは4月23日、DGインキュベーション、DG Daiwa Venturesが運営するDG Labファンドカカクコムアコード・ベンチャーズから3.4億円を調達したことを明らかにした。

同社は2007年の設立。2016年7月にも三井不動産のCVCとアコード・ベンチャーズから2億円を調達しており、今回はそれに続くラウンドとなる。調達した資金を元に組織体制を強化するほか、調達先であるVCやカカクコムとの連携を進め、インテリアの新しい購買体験の開発にも取り組むという。

リビングスタイルはインテリア商品の3Dデータを活用したサービスを複数展開しているスタートアップだ。

もともと取り組んでいたのは、インテリア業界向けの「インテリア 3Dシミュレーター」。同サービスではPCやタブレットから顧客の部屋の間取りを作成し、販売している商品を実際に配置してシミュレーションができる。

無印良品やFrancfranc、大塚家具など30以上のブランドがすでに導入。店頭での接客やオンラインストアに活用されている。導入時の初期費用と月額の利用料に加え、新商品の3Dモデルを取り込む際に都度料金が発生する仕組みだ。

「家具のデータベースを作りたいという思いから始まった事業。今では150万点を超えるインテリア商品の3Dデータが蓄積されている。前回の資金調達以降はこのデータを活用した個人向けのサービスにも力を入れてきた」(リビングスタイル代表取締役の井上俊宏氏)

それがいわば“インテリアの試着”サービスといえるARアプリ「RoomCo AR」だ。

RoomCo ARは家具を置きたい場所にスマホをかざすだけで、アプリから選んだ商品を空間上に実物サイズで配置できるアプリ。サイズ感を確かめるだけでなく、ほかの家具との色合いや全体のレイアウトを購入前に試せることが特徴だ。

井上氏によると当初は自社データベース上にある商品を対象にスタートしたが、実際にリリースしてみると仏壇や楽器など家具メーカー以外からも反響があったそうだ。

実際に現在RoomCo ARでは「お仏壇のはせがわ」や「ヤマハ」がラインナップに加わり、アプリから配置シミュレーションが可能。もちろん無印良品や大塚家具の商品を含め、ソファやテーブル、カテーン、ベッドなど様々な家具を試すこともできる。

また3Dデータを活用したインテリアコーディネートの情報メディア「RoomCo NAVI」も展開。6畳のリビング、8畳1LDKなど間取りごとにコーディネート事例を紹介し、気に入ったものは購入できるという流れだ。

現在はARアプリやメディアからメーカーのECサイトへ送客する仕組み。特にメディアが育ってきているようで「B向けだけでなくC向けの事業でも収益をあげられる体制を作っいきたい」(井上氏)という。

今後リビングスタイルでは調達先と連携しながらサービスを強化していく方針。DG Labとはシミュレーターの機能拡充やAR関連技術の研究を進める。またカカクコムとは両社が持つ商品データベースとAR技術を活用した「ARコマース」のチャレンジも検討していくという。

「(ARを活用したレイアウトのシミュレーションやコマースに関しては)たとえば家電のように、家具以外の商材も可能性がある。この領域は『価格.com』を一度チェックしてから商品を購入するユーザーも多く、ここと手を組めるのは大きい。両社のデータベースを使って、一緒にARコマースのチャレンジをしていきたい」(井上氏)