2016年前半のモバイルを制したのはソーシャルメディアアプリ(SurveyMonkey調べ)

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SurveyMonkey Intelligenceの最新レポートで、米国のiOSおよびAndroidのアプリストアで今年最も多くダウンロードされたアプリ、および最もよく使われたアプリ(*)のトップ30が公開された。
[*月間アクティブユーザー数による]

2016年前半、Facebook、Snapchat、Instagramをはじめとするソーシャルメディアアプリがモバイルゲームを押さえて上位を占めた。

ポケモンGOが米国で公開されたのは7月6日なので、この超人気タイトルはランキングに入っていない。ダウンロード数でトップ10に入った唯一のゲームはSlither.ioだった。米国で最もよく利用されたアプリトップ30にゲームタイトルの名前はなかった。

音楽アプリは常連のPandroaとSpotifyから新参のMusial.lyまで好調な結果を見せた。

デベロッパーの善意にかかわらず、ヘルス&フィットネスアプリはダウンロード数、利用数いずれのトップ30にも入っていない。

調査結果は、最多ダウンロードアプリが最も多く利用されてないことを例によって示している。

ダウンロード数トップ5は、Messenger、Snapchat、Facebook、Instagram、およびColor Switchで、最頻利用アプリのトップ5は、Facebook、YouTube、Messenger、Google Maps、およびPlay Storeだった。

最頻利用ランキングで、Facebook、Apple、Googleのいずれにも属さないアプリを見つけるためには、13位のSnapchatまで下らなくてはならない。

「最頻利用アプリの40%はオペレーティングシステムに組み込まれており、AndroidとiOSがGoogleとAppleにとっていかに重要であるかを浮き彫りにすると共に、この階層の奥深くへ入り込もうとするFacebookの強い意思が垣間見られる」。

ランキングの全順位は以下の通り。

Image Credit: Survey Monkey

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Spotify>YouTube―音楽ストリーミングが音楽ビデオを追い越した

2016-07-06-spotify-over-youtube

ビデオが衰退しているわけではない。しかしオーディオはカムバックしつつある。アメリカでは史上初めて、オンデマンド・ストリーミングによって再生される楽曲の数がミュージック・ビデオの楽曲の数を追い越した。このシフトはビジネスがモバイルで収益を上げる上での音楽の重要性を示すものだが、同時にアーティストに著作権料をより多く支払うためにも役立つはずだ。

デジタル音楽のアナリティクスを専門とするBuzzAngle MusicがTechCrunchに語ったところによると、2016年に入って以降、アメリカのユーザーはオンデマンドで1140億曲をオーディオ・ストリーミングで再生しているという。これにはSpotify、Tidal、Apple Musicなどのサービスが含まれる。一方YouTubeアプリなどでの音楽ビデオの再生は950億回だった。MTV時代になって初めて音楽をオーディオのみで聞くことが復活した。

オンデマンド・オーディオ・ストリーミングは2016年の上半期に、前年同期比で107.8%の急成長を記録した。同期における音楽ビデオの伸びは23%だった。オンデマンド・ストリーミング全体では58.3%成長している。この数字はユーザーが意図して配信を要求したストリーミングのみがカウントされており、Pandoraのようなオンライン・ラジオは含まれていない。

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オンデマンド・ミュージック・ストリーミングのかなりの部分が有料契約オプションを持つSpotify、Apple Music (どちらも月額9.99ドル)などのサービスによるものだ。YouTubeは最近、広告なしでビデオでが視聴できる有料契約のオプションをスタートさせたが、大半のユーザーは広告を我慢して無料で視聴している。有料配信におけるロイヤルティーは無料ビデオの広告売上より大きくなるため、アーティストに1曲当たり支払われる額も増えている。

Spotifyの収入の大部分が著作権者への支払いにあてられるため、巨額の資金を持つライバルとの競争では苦戦している。Appleがオンデマンド・ミュージック・ストリーミングをスタートさせたのは2015年6月だったが、競争を有利に進めるためにiPhoneの売り上げによる巨大な資金力を注入している。Appleはユーザーを増やすための広告や、Drakeの新アルバムViews(BuzzAngleによると今年のトップ・アルバム)の先行独占配信権の獲得などに惜しげもなく資金を投入している。

Appleが音楽アプリで成功すれば、高価なハードウェアをさらに売ることに役立つ。Spotifyは今年に入って、厳しい条件だったが10億ドルの資金を転換社債で調達した。Spotifyは有料ユーザーを獲得する上で、Appleの3ヶ月の無料トライアルよりも同社が実施している無料オプションのほうが有効だと考えている。

Screen Shot 2016-07-05 at 12.42.15 PM

音楽そのものの売り上げは引き続き減少を続けている。デジタル楽曲の売り上げは24.2%、アルバムは 17.7%ダウンした。レコードが意外な復活を遂げ、17%の増加を示したとはいえ、CDセールスは9%ダウンし、物理的媒体のアルバムの売り上げは7%ダウンした(いずれも2016年上半期の対前年同期比)。

ストリーミングのロイヤルティーは消費者がCDに平均16.99ドルを支出していた黄金時代の水準には戻っていない。しかし有料契約者が増えればこのギャップは縮まるはずだ。あらゆるデバイスで常に再生が可能なストリーミング・サービスの普及で、ユーザーはシングルのヒット曲を聞くだけでなく、アーティストのアルバムの世界に浸る傾向を示している。そうした熱心なファンはアーティストのコンサートやグッズの売り上げの増大にも貢献する可能性が高い。

〔日本版〕Constin記者は元資料の増減の数字を利用している。音楽売り上げの分類が異なるため引用したグラフと記事中の数字は必ずしも一致しない。またグラフの注記によれば、「売り上げ報告が利用できるストアの分のみ集計。全ストアの売り上げはこの統計の額の2倍程度」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeがクリエイターサポートを拡大、リソースアクセスを一元化、誰もが質問にメールで答をもらえる

A picture shows a You Tube logo on December 4, 2012 during LeWeb Paris 2012 in Saint-Denis near Paris. Le Web is Europe's largest tech conference, bringing together the entrepreneurs, leaders and influencers who shape the future of the internet. AFP PHOTO ERIC PIERMONT        (Photo credit should read ERIC PIERMONT/AFP/Getty Images)

モバイルのアプリにライブのストリーミングを導入するというニュースに続き今週のYouTubeは、クリエイターコミュニティのための一連の新しい機能を発表したCreator Hubとサポートの改善、福利事業などを含むそれらの詳細は、オンラインビデオとデジタル文化のイベントVidConで、木曜日(米国時間6/23)に披露された。

YouTubeのCEO Susan Wojcickiはキーノートで、360度ビデオのような新しい技術への投資について触れるとともに、有料サービスYouTube Redに導入される企画、YouTube Original(オリジナル作品)についても述べた。

またクリエイターコミュニティに参加している人たちには、カスタマサポートの改善や、Creator Hubのデザイン改良、福利事業などが約束された。

クリエイターサポートを100倍にする、と言っているが、その意味は、Partner Programに加わっているクリエイターなら誰もが、就業日一日以内に質問への答をメールでもらえることだ。

これはサポートの質量としてはこれまでに比べて相当なアップだ。たとえばメールによる個別サポートは、これまではせいぜい数千人だったが、これからは数百万が対象になる。

Creator Hubは、今度の改良によって、教材やヘルプセンターなどさまざまなリソースへのアクセスが一元化される。これまでは、いろんなサイトをあっちへ行ったりこっちへ行ったりしなければならなかった。しかしこれからは、新しいCreator Hubページから何にでもアクセスできる。言語も、今や23の言語に対応している。

YouTube for Creatorsと呼ばれる新設の福利事業は、クリエイターが自分のチャネルの会員を増加させるためのさまざまなリソースにアクセスさせる。それには、学習プログラム”Creator Academy”や、YouTubeのスタジオアプリなどがある。

会員の数が数千数万ととても多くなったクリエイターは、”Creator Days”や、YouTube Spacesにおける会合やワークショップに招待される。またYouTube Spacesでビデオを撮ったり、自分のチャネルに関するコンサルテーションを受けたり、YouTube NextUpコンテストのアンバサダーになって露出量を増やす、などができる。大型のチャネルになると、YouTubeからのパートナーマネージャーという人的サポートが付く。

YouTube for Creatorsに前からあるリソースの改良や一元化、プロセスの公式化に加えて、新しいツールも提供される。

たとえば最近新たにローンチしたコメントコントロールでは、クリエイターがコメントのモデレーションを信頼できる人に託せる。ペナルティー(“strikes”)の扱い方を変えて、新人のクリエイターにルールを理解するための時間を与える。Content IDシステムを改良して、Content IDが係争中のビデオでも課金ができる。この最後の件は、課金をしているユーザー全員に今後数か月以内に適用される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、Twitter、YouTube、Microsoftの4社が、EU全体でのヘイトスピーチ排除に合意

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Facebook、Twitter、GoogleのYouTube、Microsoft、および欧州委員会(EC)は、新たな行動規範公表し、当該ソーシャルメディアプラットフォーム上では、同委員会ガイドラインに沿ってヘイトスピーチを24時間以内に削除することを定めた。EUは、最近ブリュッセルとパリで起きたテロ攻撃を受け、この行動規範への取り組みを急いでいた。

ISISは、ここ数年ソーシャルメディアを利用した兵士の採用に成功している。それに加え、ヨーロッパの経済不況によって極右党が勢いを増し、ネット上のユダヤ人差別や外国人嫌悪を助長している。

IT企業は、おそらくヘイトスピーチの責任を負いたくはなく、強くヘイトスピーチに反対する立場を取っている。多くのソーシャルネットワークが表現の自由を謳い、これまでコンテンツやアカウンとの削除を拒んできたことを踏まえると、驚きではある。

しかしそれは、ゆっくりだが着実に変化していた。すでにTwitterは2015年中頃以来、12万5000のISIS関連アカウントを停止している。 Facebookは、2015年9月に、ドイツ政府と反ヘイトスピーチで合意している。GoogleとTwitterも2015年12月に、Facebookとドイツ政府に仲間入りした。そしてこのたびIT企業4社は、ヨーロッパ全体を通じて反ヘイトスピーチを正式に誓約する。

「最近のテロ攻撃は、違法なオンラインヘイトスピーチへの早急な対応の必要性を喚起した」と、EUの司法、消費者および性平等担当委員、Vĕra Jourováは、欧州委員会のプレスリリースに書いた。「残念ながら、ソーシャルメディアはテロリストグループが若者たちを過激化させ、人種差別者が暴力と憎悪をまきしらす道具として使われている。この協定は、インターネットがヨーロッパの価値と法を尊重し、自由で民主的表現の場であり続けるための重要な一歩である」

IT企業は、表現の自由と嫌悪なコンテンツの適切なバランスを見つけなくてはならないだろう。行動規約に基づき、各社は問題ある記事を検閲する専門チームを持つことになる(毎日ひどい記事を見なくてはならない社員たちは気の毒)。

テクノロジー企業はさらにユーザーを教育して、憎悪に満ちたコンテンツの投稿が禁止されていることを伝える必要がある。各会は協力して最善の行動を共有する。彼らは意意あるコンテンツを検閲すると共に、悪意ある表現に対抗する反論スピーチも広めていく。

この問題が表面化し、欧州委員会がこれほど早くに行動規範を定めるに到ったことは喜ばしい。IT各社が欧州諸国と個別にやりとりする代わりに、EU全体の規則に合意することができる。

同時に、IT企業がこの種の繊細な問題に協力して取り組んでいることも心強い。これは良い出発点であり、将来新たなソーシャルプラットフォームが出来たときには、この行動規範に同調することを願っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeがDaydreamプラットホーム用の専用VRアプリYouTube VRを披露、Cardboardコンテンツは過去のものに

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Googleは昨年から徐々に、YouTubeに仮想現実(virtual reality, VR)を目指した機能を導入してきた。360度のビデオフォーマット、立体ビデオ、3Dオーディオ、それにGoogle Cardboardの広範なサポート、などなど。

今日(米国時間5/19)はそのYouTubeが、“VRビデオの世界最大のコレクション”と名乗りを上げ、今後のDaydream対応スマートフォン向けの、完全にVRを主役とするデザインを披露した。

また同社のブログ記事では、NBA, BuzzFeed, Tastemadeなどとのパートナーシップが発表され、彼らと共同で“仮想環境における新しいストーリー提示方法を探求し、クリエイターと視聴者がVRビデオで対話していくための、有意義な教訓を提供していきたい”、とぶちあげた。

YouTubeの発表ではさらに同社は、そのJump VRカメラの事業をロサンゼルスとニューヨークのYouTube Spacesに持ち込み、さらに世界各地でもその事業を展開して、多くのコンテンツクリエイターたちがVRの制作を始められるようにする。

Google Cardboardの場合はどちらかというとVRよりもモバイル優先で、このヘッドセットの先端にスマートフォンを挿入して、その画面上でCardboardアプリからコンテンツを見るのだった。しかしDaydreamはいわばVR専用機だから、それに対応するYouTubeもまったく新しい設計/デザインになる。

そのYouTube VRアプリはまだ詳細が不明だが、とにかくそれは完全なVRで、ユーザーにはプレイリストや音声による検索/発見機能が提供されるようだ。

VRでどうやってユーザーがテキストを入力するのか、それとも検索はYouTubeだけでなく、Daydreamの全体的なインタフェイスとして音声のみにするのか、どっちだろう。I/OカンファレンスでGoogleが見せた参考設計のコントローラーでは、画面上のアイテムをレーザーポインターのようなものでセレクトする。テキストも、文字をそうやってセレクトしながら入力するのだろうが、分かりやすい反面、面倒だね。

YouTubeが今回、寛大にも見せてくれた唯一のスクリーンショットでは、ビデオ再生中のポーズ画面が、ナビゲーションをコントロールするインタフェイスになるようだ。Daydreamのユーザー体験は、Gear VRなどそのほかのモバイルVRヘッドセットのナビゲーション方式とは、かなり違うものになりそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeでビデオを友だち等と共有するときチャット〜メッセージングができるようになった

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YouTubeがメッセージングアプリになったの? でも、いいじゃない! 今やどんなアプリでもやってるわ。YouTubeからの今週の発表では、今モバイルアプリの一部のユーザーを対象に、家族や友だちとビデオを容易に共有できる機能をテスト中である。このビデオ共有機能では、アプリにチャットを開始できるタブがある、と同社は言っている。

今すでにYouTubeユーザーの多くがSMSやiMessageなどのメッセージングサービスを使ってビデオを共有しているから、それがYouTube本体から簡単にできるのは良いことだ。YouTubeとしても、それによってアプリのユーザー数を増やし、またモバイル上でのYouTubeへの滞留時間を増やしたいだろう。

YouTubeがモバイルで苦戦している、という意味ではない。それどころかモバイルからのYouTubeの利用は年々増えており、モバイルの平均視聴時間は40分に延びている。18歳から49歳という中心的な年齢層の視聴者数は、合衆国最大のケーブルテレビネットワークよりも多い、と同社は豪語している

このメッセンジャー機能はまだベータテスト中で、全ユーザーが使えるわけではない。しかしテストはiOSとAndroidの両方で行われていて、しかも、テスターからビデオの共有とチャットをもらったユーザーも、その共有/チャット機能を使えるようになる。

だからチャット的なインタビューでビデオの共有をもらった友だちは、自分のビデオを送ったり、あるいは絵文字を使って返信できる。

今YouTubeはサービスの本質を、単純にユーザー生成コンテンツを置く場所から、オリジナル連続番組やムービーオフラインでも聴ける音楽eスポーツ子ども向けビデオなどなどへと多様化しつつある。

そして今回のメッセンジャー機能は、これまでもけっこうSNS的であったYouTubeを、さらにSN化しようとしている。同社は最近の重要なトレンド、すなわちソーシャル的振る舞いの多くがソーシャルメディアよりもメッセージングで行われていることに、気づいているのだ。一方Amazonは最近、YouTube的なサービスAmazon Video Directを立ち上げたから、YouTubeとしてはそれにも対抗しなければならない。

メッセージング機能の一般供用の日程を、YouTubeはまだ発表していない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeが長さ6秒のバンパー広告を導入、ビデオ広告の俳句だとさ

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YouTubeが今日(米国時間4/26)発表した広告形式は、とにかく短いことが特徴だ。

ブログ記事でプロダクトマネージャーのZach Lupeiが、YouTubeはスマートフォンでビデオを見る場合に適した広告形式を探していた、と述べている。そして作られたのが、バンパー広告(Bumper ads)、長さが6秒しかないビデオ広告だ。

とても短い広告(コマーシャル)は、前からある。短いバンパービデオをどなたもテレビで見たことがあると思うが、それをヒントにしている。今は、オンラインビデオの多くがとても短くなっているから、広告もそれに合わせるべきだ。30秒のプリロールでコマーシャルが1分もあるのは、困りものだね。

ただしYouTubeの考え方では、この形式が既存の広告形式をリプレースするのではなく、新しく加わるのだ。アドバタイザーは前と同じく、長いビデオを主に使う広告キャンペーンを展開するが、そこに短いバンパー広告を加えて、到達視聴者数を増やす。とても短い広告だから、スキップもできない。

たとえばAtlantic Recordsはバンパーを使ってRudimentalのセカンドアルバムをプロモートしているが、各バンパーがゲストミュージシャンを一人々々紹介している。一方Audi Germanyは、長いビデオ短く切った小片を使っている

“バンパー広告はビデオ広告の‘俳句’だと考えたい。クリエイティブの人たちから、どんな名作が生まれるか、今から楽しみだ”、とLupeiは書いている。アドバタイザーたちが一般的に利用できるのは、5月からだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTube、iOSとAndroidのアプリで「あなたへのおすすめ」を全面アップデート

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次にiOSAndroidスマートフォンでYouTubeアプリを開くと、ホームページが改良されているのに気づくだろう。

これまでYouTubeは「あなたへおすすめ」動画を多数のサムネールのリスト形式で表示してきた。 その後にさらにユーザーが最近再生したビデオと興味を持つテーマに沿った短いリストが続く。

新しいモバイル・アプリではすべての「おすすめ」ビデオが単一のフィードに統合され、その分サムネールは大きくなっている(大きすぎてスクロールしなければサムネールは2つぐらいしか表示されないかもしれない)。この変更により、「あなたへのおすすめ」は「急上昇」のタブとほぼ同一のデザインとなった。

YouTubeのプロダクト・マネジメント担当副社長、Johanna Wrightは私の取材に対して、「YouTubeはこれまで単一のリスト形式をテストしてきた。これは推薦アルゴリズムの改良をベースとしている。数週間にわたって一部のユーザーを対象に実験した結果、視聴したビデオの本数、滞在時間が増える傾向が確認できた」と語った。

Wrghtによれば、「数多くの改良を加えた結果〔推薦の精度が〕大きく改良されたので従来のようなグループ分けを廃止し、単一フィードに切り替えた。テストによれば、ユーザーは新しいデザインを好んでいる。YouTubeはきわめてデータ志向が強いチームであり、ユーザー体験の改良はすべてA/Bテストにもとづいている」という。

これに加えてWrightは、 Googleの新しい推薦アルゴリズムは、深層ニューラルネットワーク学習を基礎としており、1時間以内にアップロードされた最新のビデオも推薦の対象とすることができるなどリアルタイム性に優れているという。

「YouTubeが好みをよく理解しているということをユーザーに伝えたい」とWrightは言う。つまり新しいUIになって表示される「おすすめ」ビデオの数は多少減ったかもしれないが、いっそうユーザーの関心により正確に合致するようになっているはずだとYouTubeは期待している。新システムの「おすすめ」にはすでに登録しているチャンネルに最近アップロードされたビデオも表示される。これがYouTubeのクリエーターに影響があるかどうかも注目だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

北朝鮮がTwitter, Facebook, YouTubeへのアクセスをブロック

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エイプリルフールのジョークではなかったニュースによると、北朝鮮が今週から、同国内におけるTwitter, Facebook, YouTubeなどのWebサイトへのアクセスをブロックしている。

北朝鮮の首都平壌に支局のあるAP通信の報道では、政府はYouTube, Facebook, Twitter, Voice of America, およびいくつかの韓国のWebサイト、ポルノやギャンブルのサイトを、“一定の期間”ブロックするインターネットサイトのリストに載せている。さらに加えられている、とされる発表では、これらのサイトに“不正な”方法でアクセスしようとしたり、“反共和国的なデータ”を配布する者は処罰される。それがどういう刑かは、明らかでない。

北朝鮮はどう見ても、インターネットアクセスが一般的に普及しているところではない。同国は携帯電話のユーザーが200万人いるとされるが、インターネットアクセスは政府職員やその他の高い地位の者に限定されている。今度のブロック措置によって、この国の情報アクセスはさらに制限されることになる。

北朝鮮の唯一のモバイル事業者Koryolinkは2013年に、訪問者にモバイルによるインターネットアクセスを認めたが、– 一部に閉鎖のような現象があり、Instagramもときおり不調だった– にもかかわらず、それによって世界でもっとも孤立的な国からの画像や情報が、より幅広いオーディエンスにもたらされた。

そのときは、北朝鮮が一般国民にもインターネットアクセスを認める方向に動く、と期待されたが、これらのWebサイトをブロックしたことは、その期待に反している。北朝鮮からのすばらしい画像を共有しているアカウントの多いInstagramは、今のところはアクセス可能だ。

本誌TechCrunchは今、Twitter, FacebookおよびGoogleに、確認とコメントを求めている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleがAndroidゲームデベロッパーのための新しい機能/サービスを提供…ストリーミングAPI、10分間ゲーム試用広告など

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Googleが今日(米国時間3/14)、Game Developers Conferenceの例年行われるDeveloper Dayで、ゲームデベロッパーのための新しいサービスをいくつか発表した。それには、仮想グッズや仮想通貨を管理するツール、ゲームプレイの実況(ライブまたは録画)をYouTube上で簡単に共有できるためのVideo Recording API、モバイルの検索結果ページから直接、10分間ゲームを試せる新しい広告タイプ、などが含まれている。

Google Playの実績を物語るいろいろな数字の発表はなかったが、同社によるとゲームのインストール数はもうすぐ100万を突破、その年成長率は50%だそうだ。

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今日発表された新しい機能の中で、たぶんいちばん面白いのは、検索結果からゲームを試しプレイできる”Search Trial Run Ads”という広告タイプだろう。

数週間後にローンチするこの新しい広告は、ゲームを検索結果のページから直接ストリームできて、インストールしなくてもプレイできる。プレーヤーが”try now”ボタンを押すと、Googleのサーバーからユーザーのスマートフォンへゲームが送られてくる。そしてそのゲームを試用できる期間は10分間だ。10分をすぎたら、Google Playでそのゲームをインストールしろ、というメッセージが出る(もちろん有料ならお金を払う)。

Googleは、検索結果からのアプリの試用、という機能を、Hotel Tonightなどゲーム以外でも提供している。ただしもちろん、試用のためのアプリのストリーミングはゲームの方がずっと難しいから、当面、検索結果からのゲームの10分間の試用は、Wi-Fiユーザーのみに提供される。

今日のアップデートに含まれる新しい広告機能としては、ポートレートビデオ広告(縦長画面)と、過去30日以内に特定のゲームを30分以上プレイしたユーザーを対象とするターゲット広告がある(あるいはGoogle Play Gamesのゲームならなんでも)。そういうユーザーは新しいゲームに飛びつきやすい、という考えからだろう。これら二つの機能は、数週間後にローンチする。

インディーのデベロッパーのために、GoogleはGoogle Playに”Indie Corner”を作った。同社によるとそれは、“インディーのデベロッパーたちが作ったすばらしいゲームに光を当てるため”だ。デベロッパーが、そこに載りたいと申し込むと、まずGoogleが審査をする。もちろんそのゲームは、“す!ば!ら!し!い!”出来栄えでないといけません。

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ゲームプレイ実況ビデオを作るためのAPI、Video Recording APIも、おもしろそうだ。デベロッパーが自分のゲームでこのAPIを利用していると、プレーヤーは自分の今現在のプレイをそのままYouTubeへストリーミングできる(残念、Twitchではない!)。また、ゲームプレイを録画しておいて、あとからYouTube上で共有することもできる。このAPIが一般公開されるのは、“数か月後”だそうだ。

今日発表されたそのほかの新しい機能として、ゲームのニューバージョンをGoogle Playにアップロードしなくても、アプリ中のいくつかのパラメータをリアルタイムでアップデートできる、というものがある。また、デベロッパーが、自分のゲームの中でいちばん多くお金を使いそうな人や、すぐにドロップアウトしそうな人を予測できるサービスもある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

YouTubeの新しいツールは動画中の任意の対象にオンラインでモザイクをかけられる

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2012年にYoutubeはユーザーがビデオをアップロードした後で、 すべての人物の顔に自動的にモザイクをかけることができるようにした。今日(米国時間2/25)、YouTubeはさらに一歩進めて、ビデオ中のどんな対象にも長方形のモザイクをかけられるツールをリリースした。

つまりユーザーはビデオ中に世界中に公開するのには適さないような情報が含まれる部分があることに気づけば、それらを自由に消すことができる。たとえば自動車のナンバープレートなどだ。

Googleは今日のブログ記事でこのツールを解説してこう述べている。「応用範囲はきわめて広いが、われわれがこのツールを開発したのは主としてオンライン上の匿名性が確保すされることが目的だ。ユーザーは人物、連絡先、金融情報などに簡単にモザイクをかけられるようになった。ビデオをYouTubeから削除し、ダウンロードしてモザイクをかけてから再アップロードする必要はない」

YouTubeはレンダリング後のプレビュー機能を提供しているので、モザイクが望みどおりにかかっているかどうか公開前に確認することができる。モザイクがうまくかかっていないようだったら、再度ツールを開いて長方形の大きさや位置を調整すればよい。

〔いったん指定すればモザイクは対象物の移動に追従する。Googleは「このツールではビデオ内の対象物をリアルタイムで認識できる画期的なテクノロジーが利用されている」としている。おそらく機械視覚(machine vision)の最近の大きな進歩によってこうしたツールが可能になったのだろう。われわれはまだこの機能をテストしていないので現在のところ実効性や使い勝手については不明だ。

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〔日本版〕この機能はYouTubeの動画加工ツールの一つだが、日本語版ではまだ公開されていない。これまでの例からすればすぐに日本語でも公開されるはず。記事中にもあるが、動画加工ツールはアップロードずみの動画を加工するものなので事前にローカルで処理する必要がない。またモザイクは動く対象に自動的に追随する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTube、支援したい非営利団体への寄付を促す「寄付カード」を米国内クリエイターに向けて導入開始

YouTubeが米国におけるビデオ制作者向けに、非営利団体に対する寄付行為を行いやすくする仕組みを導入した。「寄付カード(donation cards)」を通じて行うものだ。米国の内国歳入庁が確認済みの、歳入法第501条c項3号に定められる公的非営利団体の中から募金を呼びかける団体を選び、ビデオを閲覧しながら直ちに寄付が行えるようになっている。

これまでも非営利団体は自らが制作したビデオで寄付カードを使うことができた。しかし往々にして非営利団体自身が行う寄付要請よりも、第三者の行うものの方が効果的であることもあるのだ。たとえばALS理解促進のためのアイス・バケツ・チャレンジなどで寄付カードが使えていれば、ALS Associationに対する寄付金額もさらに増えたことだろう。

これまでにもアノテーションにてビデオ中に非営利団体へのリンクを埋め込み、それによって寄付を促すことはできた。しかし介在する手間が多くて実際の寄付に繋がる可能性が低いものとなっていたのだ。

ビデオ閲覧者が寄付を行う場合、寄付額のすべてが該当団体に収められることにもなっている。Googleが手数料を取ることはなく、またクレジット手数料も引かれないようになっている。

現在のところ、この仕組みを利用できるのは米国内においてのみのことだ。しかしGoogleによれば仕組みをさまざまな国に広げていきたいとのこと。「世界中のクリエイターが非営利団体の応援をできるようになるのです」と述べている。

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(翻訳:Maeda, H

パキスタンが3年間のYouTube禁止を解除

youtube

今日(米国時間1/19)YouTubeがパキスタンで利用できるようになり、Googleのビデオサイトに対する3年の禁止が終わった。

パキスタン政府は2013年に、論議を呼んだビデオInnocence of Muslimsへの対応としてYouTubeをブロックした。このビデオは世界中のオーディエンスを集めたが、預言者モハメッドの描き方のせいで、ムスリムのコミュニティからは非難された。合衆国の裁判所はそのビデオの削除を命じたが、パキスタンにおけるそのほかの複数の削除リクエストには応じなかった。パキスタンでは激しい抗議運動が起こり、最終的に、YouTubeの完全ブロックに至った。

禁止の間にパキスタン政府は、不適切と見なしたコンテンツを当局が独自にブロックできるような、コンテンツフィルタリング制によってYouTubeを復活させることを議論したが、しかしそのようなやり方は、YouTubeのサービスの管理の仕方と相容れなかっただろう。むしろYouTubeは当時本誌に、パキスタンで特殊な措置をとることはない、と確認した。それは、コンテンツはGoogleが削除に同意したときのみ削除されることを意味し、政府のリクエストはGoogleが年二回発行する透明性報告書に記録されるのだ、と。

YouTubeが確認したところによると、結局のところ同社は、すでに世界中のそのほかの市場でやっているように、パキスタンではそのサイトのローカルバージョンをローンチした。すなわち地元言語をサポートし、その国専用のホームページと、パキスタンのオーディエンス向けに調整されたコンテンツが提供される。

YouTubeのスポークスパーソンは声明文で次のように述べている: “YouTubeが今やパキスタンでアクセス可能になり、視聴者がビデオを見たり共有できるようになったこと、それにより、活気に満ち成長を続けている全世界のビデオコミュニティを利用できることは、喜ばしい”。

パキスタンで検閲の憂き目に遭ったのは、YouTubeだけではない。BlackBerryは昨年、そのデータをモニタするという要求に対し同国を出ると応じたが、その要求が取下げられたため、撤退をキャンセルした

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

YouTubeがNetflixやAmazonに並んでHDRビデオをサポート、対応TVやディスプレイも今後続々

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YouTubeがNetflixやAmazonに続いて、HDR(high dynamic range)ビデオをサポートする、と今週CES 2016で発表した。YouTubeのチーフビジネスオフィサー(CBO) Robert KynclとGoProのCEO Nick Woodman、そしてVRSEのCEO Chris Milkの三名が、360度ビデオについてステージ上で鼎談しているとき、雑談的にHDRの話もちらっと出たのだ。

GoProとYouTubeがパートナーして、YouTube上で360度ビデオにもっと力を入れる、という話の中でKynclが、YouTubeはもうすぐHDRビデオをサポートする、と、たまたま言ったのだ。

HDRはその名のとおり、画像のダイナミックレンジ、すなわちコントラストの幅やカラーパレットの数(色幅)を、人間の目が実際に見るようなリアルで自然な画像で拡大する。暗い部分が黒くつぶれたり、明るい部分が白く飛んだりしないから、HDRはリッチで色彩豊かな画像になる。当然、暗い部分の細部もよく分かる。

HDR画像の実現には、テレビの側の協力も必要なので、すでにCESではLG、Sony、Panasonicなどが、近くHDR TVを出す、と発表している

またディスプレイに関しては、YouTubeがCESで語ったところによると、Samsung、LG、Hisenseの三社とのパートナーシップにより、NASAKarmin提供の4K HDRビデオをCESの会場でデモしている。〔シャープは昨秋、8K HDRディスプレイを発表。日本ビクター(JVCケンウッド)もHDRディスプレイを発表。〕

HDRのサポートに関してはそれ以上詳しい発表はなかったが、どこかの記者がスケジュールについて訊くと、HDRの再生は年内に実現、との答が返ってきた。

パートナーシップに関するそのほかの話の中で、GoProは近く、安価で気軽に使える球面画像獲得カメラ(spherical capture camera)を出すから、YouTube上の360度コンテンツが今後は一挙に増える、という話が出ている。

CES 2016

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Google、360度没入型ムービーの「スポットライトストーリー」をYouTubeアプリケーションで閲覧可能に

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GoogleがYouTubeで「スポットライトストーリー」を閲覧可能にした。「スポットライトストーリー」とは、360度を見渡せる没入型インタラクティブムービーのことだ。米国時間の22日朝にアナウンスされた。まず投入されたのは「Special Delivery」と題されたクリスマスムービーだ。「ウォレスとグルミット」を製作したアードマン・スタジオが制作したものだ。多くのAndroidデバイスで、YouTubeアプリケーションを使うことで閲覧することができる。スマートフォンの向きを変えたりすることで、ムービー内のシーンをさまざまな角度から楽しむことができるようになっている。

この「スポットライトストーリー」のフォーマットは当初、Motorola MobilityのAdvanced Technology And Products(ATAP)部門が開発していた。Googleは同社を2011年に買収して以来、自社内での開発を続けていたというわけだ。もともとはMotorolaのMoto Xなどのデバイス用に開発されていたため、直ちにAndroidに移植することはできなかった。現在でも完全な互換性を有するわけではなく、動作しないAndroidデバイスもある。

Googleは今年、YouTubeのAndroidアプリケーションに従来型ビデオを閲覧させるだけでなくVR機能を投入したり、360度見渡すことのできるビデオフォーマットなどを導入してきた。今回の「スポットライトストーリー」も「機能拡張」の一貫と見ることはできるが、ただしこれまでのものとは異なると言えよう。すなわちスマートフォンに内蔵されたセンサーを活用した新しいインタラクティブ・エクスペリエンスを提供することができるからだ。

「スポットライトストーリー」の形式でビデオを制作する場合、ジャイロスコープや加速度センサーなどからのデータを使って、2Dないし3Dで、360度を見渡すことのできる没入型エクスペリエンスを提供できるのだ。専用のアプリケーションを使えば、2013年からこうしたエクスペリエンスを体感することはできた。今年にはiPhone用のスポットライトストーリーズ・アプリケーションも投入していた。

Googleの発表によれば、「Special Delivery」はさまざまな角度から閲覧することができ、またスマートフォンを動かしていくことで、隠れたストーリーをアンロックすることもできるのだとのこと。10種類のサブプロットが隠れているのだそうだ。ストーリーの分岐点は60シーンに隠されているらしい。見るたびに何度も違うはストーリーを楽しむことができると言っても良いかもしれない。

「スポットライトストーリー」は今のところ限られたAndroidスマートフォンでしか動作しない。Googleは対象ユーザー以外にも楽しんでもらうためにYouTube 360版を用意して、今回非対応となったAndroidデバイスやiOSデバイスでも閲覧できるようにしている。またGoogle Cardboardでも楽しむことができるようになっている。

来年にはより多くの「スポットライトストーリー」を公開し、またiOS版のYouTubeアプリケーションでも閲覧することができるようになる予定なのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

ハンズオン・レポート:YouTubeの月額9.99ドルの有料音楽アプリ、Redは快適で有用

今日(米国時間11/12)、YouTubeは音楽アプリを公開した。このYouTube Musicは新しい楽曲を簡単に発見できる。またユーザーにまったく新しい音楽体験をもたらすものだ。有料版のYouTube Redは月額9.99ドルとなる。

YouTubeの音楽ビデオは圧倒的人気があり、専用音楽アプリは長らく待たれていたので、今日の発表自体は大きな驚きではないかもしれない。YouTubeの視聴者は世界で最大10億人に上るということだ。

もちろんモバイル・アプリのストアにはすでにYouTubeの曲をリストしたり、再生したりする製品が多数アップされている。Googleの新しいYouTubeアプリの特色は、シンプルで軽く使いやすいことと、ビデオ視聴とバックグラウンドのオーディオ再生の間を簡単に行き来できることだろう。

ユーザーが新しいYouTube Musicを立ち上げると、まずカスタマイズされたホーム画面が表示される。ここには簡単なジャンル分けがされており、個人の好みに従ってさらに複雑な設定が可能だ。ユーザーはMusicを立ち上げた状態ですでにYouTubeにログインしている可能性が高い。そこでGoogle側ではユーザーの視聴、検索履歴を知っていることになる。
YouTube Musicはここからさらに一歩を進めて、ユーザーの音楽の好みを知ろうとする。

曲を再生したとき、下部に表示される親指を立てた「いいね」ボタンをクリックすると、その曲は自動的に「後で聞く」リストに追加される。「いいね」ボタンからさらに詳しくYouTubeに音楽の趣味を伝えることも可能だ。

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トレンドのタブをクリックすると、現在人気上昇中のアーティストや楽曲を聞くことができる。またThe Daily 40では正統的なヒット曲も聞ける。これはありきたりの「トップ
40」のようなネット・ラジオ番組ではない。人間の専門家が現在YouTubeに登録された楽曲を精査してリストを作成している。ビデオは再生後に、無制限に続くラジオに移行することが可能で、
同じアーティストが次に発表した曲を聞くこともできる。またユーザーは曲のリストをさらに斬新で冒険的なものにしたり、これまで聞いた楽曲に趣味が似たものを再生するようにしたりできる。

どこから利用を始めようとMusicアプリで音楽がストップすることはない。曲またはアーティストを選択すれば、その情報にもとづいてYouTubeに登録された膨大な音楽カタログがただちに検索される。あまり選択肢が多いことに圧倒されたら、ともかくホーム・タブを押しておけばよい。YouTubeは視聴履歴にもとづいてユーザーが興味を持ちそうな楽曲を集めたラジオ局を作成してくれる。

さて全体としてこのアプリのユーザー体験を評価してみよう。有料版のYouTube Redに広告は表示されず、チャットやメール処理など他の作業をしながらバックグラウンドで音楽再生を続けることができる。このYouTube
Redにはオフライン機能もあり、ビデオを見ないでよい場合はオーディオ再生のみのモードも利用できる。スマートフォンをポケットに入れた状態で引き続き音楽を楽しみたい場合にオーディオのみ再生モードは必須の機能だ。ユーザーがポケットからスマートフォンを取り出してアンロックすると、YouTubeで現在再生されている曲のビデオが直ちに表示されるのも便利だ。またこのスマートなスイッチ機能のおかげでバッテリーやデータ通信量が大幅に節約される。

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しかし音楽アプリの無料版となると、広告が表示され、バックグラウンドでの音声のみ再生モードもサポートされない。ユーザーが作成したリストに基づいてオフラインで楽曲を聞くこともできない。つまり新アプリの特色をなす機能のほとんどは有料版のみの機能ということになる。

ユーザーのほとんどはすでにYouTubeを利用しているだろうが、月額有料版のYouTube Musicはアプリは音楽体験をまったく新しく、大いに楽しめるものにしてくれる。試してみる価値は間違いなくある。ユーザーは今日からYouTube MusicをGoogle PlayまたはApp Storeから無料でダウンロードできる〔日本版:訳者の環境では日本語版はまだ未公開〕。この場合、有料プレミアム版のRedの機能は2週間無料で試すことができる。Redはたいへん快適なので、トライアル終了が終了するのが惜しくなり、有料版に登録することになってしまいそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleのボール紙製ビューワーでYouTubeの拡張現実ビデオが体験できる

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Googleはボール紙製仮想現実(VR)ビューワーを無料でライセンスしている。そのため各種のVRビューワーが20ドル前後の低価格で市販されるようになった。今日(米国時間11/5)、GoogleはAndroid向けYouTubeアプリをアップデートし、ボール紙製ビューワーを使ってVRビデオが見られるようになったと発表した

ユーザーにとって360度ビデオはすでにお馴染みだろうが、Googleはこれを一歩進めて巧みに両眼視差を表現し、立体視が可能で没入感の高いVRビデオを発表し始めた。これらは現在、手軽に体験できるVRの本命といえるかもしれない。

Googleの仮想現実チームは今日のブログ記事で「われわれのVRビデオはすべての方向に奥行感を与える。近い対象は近く、遠い対象は遠く感じられる」と書いている。

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この3次元感覚を活かすために、Googleはすでにいくつかのビデオ・クリエーター・チームと協力している。われわれはハンガー・ゲームのVRデモTOMS シューズの靴のCMなどをこちらからYouTubeで体験できる。

Googleが指摘しているとおり、ユーザーは自分でこうしたVRビデオを作成できる。そのためには16台のGoProがセットされかなり高価なGoPro OdysseyJumpアプリを組み合わせるのが最良だという。

またGoogleによればボール紙製ビューワーでフルサイズの長編映画を含め、YouTubeのビデオをすべて再生することができるという。「ある種の拡張現実劇場を見ることができる」という。もちろん本物の3Dビデオに比べれば物足りない体験だろうが、Googleは「今やYouTubeは誰でも手軽に再生できる世界最大のVRコンテンツのライブラリーとなった」と主張している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

感動的映画「CODEGIRL」、YouTubeで11月5日まで無料公開

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Alphabet、テクノロジーのあらゆる面で多様性を支持するこの会社が、あるプロジェクトに光を当てる力になろうとしている、それは映画 “CODEGIRL“だ。映画製作者、レスリー・チルコットの作品で、彼の名前は「不都合な真実」や「スーパーマンを待ちながら」で聞いたことがあるだろう。

Googleの “Made With Code” ブロジェクトの一環で作られたこの新しいドキュメンタリー映画は、YouTubeで11月5日まで無料公開される。映画館には数週間のうちに配給される。

Susan Wojcicki(YouTubeのCEO)が映画を次のように要約している:

“CODEGIRL” は、Technovation主催による世界規模の企業家精神とコーディングのコンテストで競う、60カ国5000人の少女たちを追跡した物語だ。少女らは自分たちの地域コミニュティーの問題を解決するためのアプリを3ヶ月かけて開発した。映画で彼女たちは、ライバルを評価し、先生や地元のメンターと交わり、コーディングを学び、1万ドルの資金と支援を勝ち取ることを目指して、アイデアを売り込む。

Wojcickiは、コードを書く女性が少ない理由の一つとして「露出」のなさを挙げ、Google自身の調査結果を引用した:

少女たちは、大衆文化の中で他の少女や女性のポジティブなロールモデルを見る機会がない。11カ国の人気映画を調べたところ、コンピューター科学やテクノロジーに関わる役どころの女性はわずか20%以下だった。

YouTubeはこの映画を封切るのに最適な場所と言える。AdAgeはつい最近、何人かの人気女性ユーチューバーが、一部の一流セレブ以上の影響力を与えていることを報告している。

あなたも、ハッシュタグ “#Rallyforcodegirl” を使ってこの映画を支援できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTube、”Red” 契約に署名しないクリエーターのビデオを全面削除へ

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YouTubeは、有力ビデオクリエーターに対して事実上拒否できない提案を持ちかけた。応じなければ彼らのコンテンツは消滅する。今日(米国時間10/21)YouTubeは、広告収入を得ている「パートナー」は、同社の新サービスYouTube Redの9.99ドル広告なし定期購読の広告収益分配契約に署名しない場合、そのビデオは広告付、広告なしいずれの一般公開対象からも外れることを正式発表した。これには、人気のコメディアン、ミュージシャン、ゲーム解説者、DIYインストラクターなどが含まれる。

これは容易にはのみにくい提案であり、YouTubeはいじめっ子のように見える。既存のファンを無料視聴者から有料購読者に変えることは、クリエーターにとって広告収入が増えることを意味するが、契約の強制は高圧的に感じる。

Googleによると、目標は一貫性を守ることであり、Redを購読しようとするユーザーが、広告なしサービスでお気に入りのチャンネルを利用できなくなる心配をしなくてすむためだという。しかし、なぜ契約していないクリエーターのビデオに “Not On Red” というしるしを付けるのではなく、「署名さもなくば削除」という戦略を取らなければならないかの説明はない。

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最高事業責任者、Robert Kynclは今日のYouTube Red発表イベントで、YouTubeで見られているコンテンツの99%は引き続き利用可能だと語り、大部分のクリエーターが署名に応じたことを強調した。しかし、クリエーターたちに選択の余地はなく、さもなければ既存の広告収入も、新たな購読収入も、ファントのつながりも断たれることになる。

Kynclによると、YouTubeは「収益の大きな、大きな部分を」クリエーターに支払うと言っているが、パーセンテージの詳細については繰り返し説明を拒んだ。音楽定期購読サービスのSpotifyは70%を支払い、Apple Musicは71.5%を支払っている。今年変更されたYouTubeパートナープログラム規約には、クリエーターは収益のわずか55%を受取る書かれている。これは他と比べて低い率だ。

報酬は視聴時間に応じて分配されるため、長編ビデオのクリエーターは短編制作者より実入りが大きい。そして誤解のないよう言っておくと、削除される状況が起こりうるのは、YouTubeパートナー ― 非常に人気のあるクリエーターで既に55%の広告収入を自作ビデオから得ている ― だけだ。ホームビデオをYouTubeにアップロードしている一般人は何の心配もいらない。

Google Play Musicの権利保有者がどう影響を受けるのは不明だ。もし定期購読収益の同じあるいはもっと低いパーセンテージを、音楽制作者とYouTube作者の間で分配しているなら、双方とも実入りが減ることになる。しかし、私がYouTubeから非公式に聞いたところ、しくみはそうなってはいないとのことなので、Play Musicの権利者にとってこれが何を意味するかに関しては今後の情報を待ちたい。

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理論的に、もしYouTubeが、クリエーターの制御を著しく損うことなく収益を増やす方法を提案したなら、彼らは喜んで応じるはずだ。しかしそこに無理強いがあれば、将来YouTubeとGoogleがクリエーターとどうつきあっていくかに関して、気がかりな前例を作ることになる。インターネットの事実上の標準ビデオプラットフォームという存在は、従わなければコンテンツを削除するという脅威を盾に、強大な力を彼らに与えている。さらに契約条件を変えることを誰が止められるだろうか?

Googleは、その膨大なリーチを不適切に利用していると批判されてきた。特に、Google+およびGoogle Placesが検索結果で有利な扱いを受けてきたことについて。今回YouTubeが、コンテンツを無料有料いずれのサービスでも常に利用できる、彼らが「一貫性」のあるユーザー体験と呼ぶものを、コンテンツ所有者本人の願望よりも優先していることは明らかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、YouTube Redを10/28から開始―音楽、映画、テレビ番組、見放題、聞き放題で月額9.99ドル

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今日(米国時間10/21)、Googleは月額9.99ドルで広告なしのオンデマンド有料サービスをYouTubeに導入することを発表した。新サービスは今月28日にまずアメリカで開始され、すぐに世界中に拡大される。iOS版も利用できるが、ユーザーはアプリ内課金にかかる税金をAppleに支払う必要があり、12.99ドルとなる。

新サービスは現行のサブスクリプション契約のGoogle Musicを置き換えるものとなり、音楽をオンデマンドで聞くだけでなく、YouTubeのコンテンツが広告なしで見放題、聞き放題になる。YouTube Redに新たなアプリは必要なく、現在のGoogleアカウントにYouTube Redのサブスクリプション契約が追加されるだけだ。

YouTube Redの売上はGoogleとコンテンツ権利者との間で配分される。YouTubeはRedに関してほとんどすべてのメジャー・レコード、インディー・レーベル、テレビ放送ネットワーク、映画スタジオとの間で契約を結ぶことに成功している。今日のプレスイベントでYouTubeの幹部は「われわれは売上の圧倒的大部分を権利者に支払うことになる」と言明した。

しかし一部のクリエーターにはRedに対する不満が残るようだ。たとえば、現在YouTubeのパートナーであっても、今後Redの契約に署名しないクリエーターはすべてのビデオがYouTubeから削除される。これはかなり厳しい措置だ。

YouTube Music

YouTube Music

また今日、YouTubeは音楽専用のYouTube Musicアプリを披露した。これは YouTube Redの一環で音楽を聞いたり、音楽ビデオを見たりするのに特化したアプリだ。近く一般公開されるが、ボタンを押すだけで広告抜きでさまざまな音楽が楽しめる。Googleによると、ユーザーはこの音楽アプリで膨大なYouTubeのカタログを利用し、「カスタマイズされた音楽の旅路をたどることができる」という。話のようすでは現行のPandoraの音楽ビデオ版のようだ。

オリジナル・コンテンツ、オフライン利用、バックグラウンド再生

実はYouTube RedないしGoogle Playのどちらか一方について月額9.99ドルのプランに加入すると、ユーザーは自動的にもう一方のサービスにも加入したことになる。この点には注意が必要だ。

来年からYouTube Redには独自のGoogleオリジナルの映画や番組が提供される。 YouTubeではPewDiePieや The Fine Brothersのような人気クリエーターの分を含め、社内で企画、製作されたプレミアム・ビデオを公開していくとしている。.

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YouTubeのスター、PewDiePieのYouTubeオリジナル・シリーズが視聴可能

YouTube Redに加入すると、ビデオをローカルに保存してオフライン再生用のプレイリストを作ることができる。 いわばYouTubeが膨大なコンテンツを持つ個人用ミックステープ作成機になる。YouTube Redではバックグラウンド再生もサポートしているので、YouTubeアプリを閉じ、電話をかけたり他の作業をしたりしながら音楽を楽しめるわけだ。

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これまでのGoogleの有料プランは細分化されており、どういうコンテンツにアクセスできるのかわかりにくかった。その点YouTube Redは大いに理にかなったサービスだ。Googleでは有料版YouTubeのテスト・データから「ユーザーはどれが音楽ビデオでどれがそうでないか、したがってどれが広告抜きで視聴できるのか、いちいち指図されることを好まない」ことを学んだという。

月額9.99で広告抜きのビデオが見放題になれということなら、SpotifyとApple Musicへの影響は大きいだろう。他のサービスでは音楽を聞くことはできてもビデオは再生できない。わずらわしいプレロール広告抜きでYouTubeのビデオが見られるならうれしいことだ。Apple
MusicとSpotifyもビデオのサポートを予定より早めなければならないだろう。ともあれビデオの世界でYouTubeは10年以上にわたって絶対的な存在だったことは大きい。コンテンツ・ビジネスの将来はあらゆるコンテンツをひとまとめにしたサブスクリプション・モデルになるのだろうか。そうであればYouTubeRedはライバルを震え上がらせる存在になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+