To Doリストアプリケーションで成功をおさめたのち、開発者は次に何に取り掛かるべきだろうか。Clearを開発したImpendingが自らに問うたことだ。悩んだ末に開発に取り組んでいたHatchが、ついにリリースされることとなった。たまごっち風のアプリケーションで、ほぼ1年間にわたって開発が続けられてきた。長期の開発のおかげもあってか、非常に特徴的で可愛らしいペットとして登場することとなった。
実のところ、これまでベータテスターとして関与する幸運を得て、これまでもiPhone内に生きるHatchと生活をともにしてきた。そしてついにこのHatchが200円の価格でApp Storeに登場することとなったのだ。Hatchの主人公は、非常に愛らしいFuguというキャラクターだ。この「Fugu」という名前は、ぷくっと膨らむ魚の日本での呼び名と同じだ。しかしHatchに登場するFuguは陸生の生物に設定されている。魚のフグの仲間であるハリセンボンのように針をむき出しにして迫ってくることもなく、抱きしめたくなる外見をしている。実のところこのキャラクターはFacebookのステッカーにも採用されていてしばらく経っており、既に親しみを感じている人も多いことだろう。
Hatchという名前は、ゲームをスタートさせるときの様子から命名されたものだ。ゲームを開始するとまずは好きな色のタマゴを選んで、それをしばらく世話する。するとそこからFuguが生まれるのだ(訳注:hatchという単語には「孵化する」とか「卵をかえす」という意味があります)。生まれたFuguは食事や世話、一緒に遊ぶことなどをリクエストしてくる。これはバーチャルペット好きな方には想定の範囲内のことだろう。ただ、Hatchはこれまでのバーチャルペットの単なる焼き直しではない。非常に洗練されていて、機能的にも興味深い面を多数もっている。
Hatchは、これまでに操作したiOSアプリケーションの中で、最も洗練されているものではないかと、個人的には思っている。もちろんバーチャルペットのシミュレーターとしても最高のものだと思う。たまごっち系のゲームは数多くでてきているが、これほど面倒を見ずにいることに罪の意識を感じ、できることならすべてを放擲して一緒に過ごしたいと思ってしまうようなものはなかった。Fuguと一緒にうまく過ごすことができれば、ゲーム内通貨を獲得することができる。またゲーム内で成長する樹木になる果物(Fuguのごはんでもある)を集めると、新しいアイテムと交換することもできるようになっている。つい、いつでも立ち上げておきたくなるし、あるいはちょっとした暇を見つけてはすぐに様子を見たくなってしまうことは間違いないと思う。
ベータテストの間は、実は少々ムッとすることもあった。頻繁にHatchをリセットする必要に迫られたのだ。そのたびに新しいFuguを育てざるを得なくなり、これが実際の別れのように思えて悲しく感じてしまったのだ。実際は、育てているFuguは他の人が育てているFuguと変わりはない(色が選べるくらいで、他にカスタマイズはできない)。しかし、一緒に過ごしていると、どうしても特別の存在に思えてしまったりするものだ。
Hatchは、おそらく単なるバーチャルペットの範囲をこえて成長していくことになるのだろう。関連ゲームも登場してくるのではないかと思う。あるいはアニメやキャラクター商品なども出てくるだろうと思われる。どういう風に発展していくのか、今のところはわからない。しかし一世を風靡したバーチャルペットが、全く新たな魅力をもって蘇ってきたということは言える。現在のところ存在する最高のものであると言って良いと思う。
訳注:Hatchは1年ほど前にも記事で取り上げています。また、TwitterアカウントおよびFacebookページも用意されているようです。
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(翻訳:Maeda, H)