投資利益率最高のモバイル広告はやっぱりFacebookとGoogle

マーケティングを専門とするスタートアップ、Singularのレポートによれば、ROI(投資利益率) がもっとも高いモバイル広告システムはFacebookとGoogleだという。つまりこの2つの広告サービスが広告主にとっていちばん価値が高い。

Singularは年間で100億ドル相当の広告支出を最適化しているが、そこから15億ドルの広告支出をサンプリングしてROIインデックスを求めたという。同社は広告詐欺にも留意しており、「詐欺広告を過度に含む」として15社の広告サービスをランキングから除外した。

というわけで、FacebookつづいてGoogleが1位、2位だった。レポートは「適切なマーケティング努力を払っている企業は3つ以上の広告サービスを利用しているが、ほとんどの企業が広告パートナーとしてGoogleとFacebookを含めている。 その理由は簡単だ。この2社は結果を出すからだ」と述べている。

Singular ROI Index 2019 — iOS-Android

同時にSingularは「Snapがほぼすべての項目でランキングをアップしている。今やiOSとAndroidの双方でゲームを除くモバイル広告ネットワークの第3位となっている」と述べた。またTwitterも健闘しており、ユーザーの維持、復帰促進のためのリテンション広告ではiOSの2位にランクされている。

iOSとAndroidを比較すると、Androidのほうがリストの変動が大きい。。Androidの場合、ROIリストの広告ネットワークの3分の1が初登場であり、既存の10ネットワークのうち8社もランキングが変化した。これに対してiOSの場合、73%が順位を変えているが、そのうち初登場は2社だけだった。

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滑川海彦@Facebook Google+

Samsungは来週のイベントで折りたたみ式フォーンを詳しく見せてくれるようだ

Samsungはその最新の小出し情報で、われわれがまだ知らなかったことを何一つ開示していない。でもサンフランシスコまでまた文句を言うために飛ぶよりは、すこしでも良いところをご紹介した方が健康的だ。

Galaxy S10に加えてSamsungは、2月20日に同社のサンフランシスコのイベントで、かなり前から約束していた折りたたみフォーン(フォールダブルフォーン)を、もっと詳しく見せてくれるらしい。“The Future Unfolds”と題するアニメを、その会場で上映するようだ。

思い出せば、同社のデベロッパーカンファレンスではそのプロダクトの“フィーリング”だけを見せてくれたが、製品そのものはミステリーだった。ハードウェアのプロトタイプも、バカでかかった。

来週のイベントでは、未来の製品のもっと詳細を見せてくれるのだろう。名前も、そしてもしかして発売日も。しかしいちばんありうるのは、同社の次の旗艦機がより詳しく紹介されるのだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

月額1万2000円でランチ・ディナーが食べ放題、サブスク型ランチ「POTLUCK」に新プラン

月額定額制でさまざまな飲食店のランチをテイクアウトできるサブスク「POTLUCK」運営のRYM&COは2月12日、月額1万2000円で30日間のランチとディナーを食べられる「食べ放題プラン」を導入した。

これまでPOTLUCKでは「6チケットプラン」「12チケットプラン」「20チケットプラン」からチケットプランを選べたが、「20チケットプラン」を同価格のまま「食べ放題プラン」に変更。

この新たに導入された食べ放題プランでは、30日間の中でランチ・ディナーを合わせて最大60食(30日×2、最大8万4000円相当)を食べることができる。従来の20チケットプランでは1食当たりの価格が600円〜だったが、食べ放題プランでは200円〜になった。なお同プランを利用できるのは先着の100名のみ。

なお、RYM&COは本日、初めてPOTLUCKを利用するユーザー向けに、1週間980円で食べ放題プランの体験ができる「tabehoキャンペーン」も開始したと併せて発表。同キャンペーンでは有効期限の7日間の中で、ランチ・ディナー合わせて最大14食(7日×2、最大1万9600円相当)を食べることができる。

POTLUCKはモバイルオーダー&ペイのような事前予約・決済制で待ち時間がない。忙しくて混んでいるレストランやカフェの列に並べない、いわゆる「ランチ難民」を救済し、コンビニ飯など以外のオプションを提供するサービスとなっている。

渋谷・恵比寿・代官山・表参道エリアからサービスをスタートしたPOTLUCKは今後も提供エリアを随時拡大する予定だ。

iPhoneの中国における苦難の真相はこうだ

先月Appleが四半期決算報告の修正ガイダンスを発表したとき、同社は不調の原因として中国を特定した。たしかに、iPhoneの売上は前年比で15%落ち込んだが、最近のIDCの調査によると、その下落に中国市場が果たした役割がよく分かる。

その新しい数字によると、同四半期の前年同期比では、中国における出荷がほぼ20%落ち込んでいる。Appleの今後の成長計画にとって重要な市場でこれだけの落ち込みは、相当大きな意味を持つ。市場の12.9%を占めていたデバイスが11.5%に落ち込んだのだ。先月Tim Cookは、この世界最大のスマートフォン市場における落ち込みの理由を、いくつか挙げた。

それらの中で、貿易をめぐる国際的な緊張や、中国経済の総体的な低迷は、Appleだけに影響しているわけではない。しかしスマートフォンの売上は、アップグレードサイクルの遅滞によって全面的に落ち込んでいる。多くのスマートフォンが、現用機で十分に良いから、なかなか買い換えようとしない。さらにまた、今年のXSはこれまでのアップグレードほどドラマチックでなかった。

そんな中でしかし、何かを物語っているのは、ネイティブのスマートフォンメーカーが好調なことだ。たとえばHuaweiは当四半期、23.3%伸びた。上昇気流に乗った企業が、Appleのシェアを食った、とも言える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

物置き版Airbnbの「モノオク」が資金調達、年内に全国1万箇所目指す

物置のシェアリングサービス「モノオク」運営のモノオクは2月12日、エンジェル投資家の杉山慎一郎氏ならびに高梨大輔氏より第三者割当増資による資金調達を実施したと発表。調達額は非公開。同社は2018年7月にベンチャーキャピタルのANRIを引受先とし数千万円を調達していた。

モノオクは荷物を預けたい人と、空いたスペースを活用して荷物を預かりたい人をマッチングするC2Cの物置シェアリングサービス。収納・保管に悩むものを手軽に預けられることが可能だ。2017年9月にサービス提供を開始し、現在の登録ユーザー数は5000人を突破。

モノオクには部屋の押し入れやクローゼット、使っていない倉庫や空き部屋など個人が保有しているスペースを登録することができる。ホストと呼ばれる荷物の預かり手となるユーザーは、これらの空きスペースを活用して荷物を預かることで収益をあげることが可能だ。契約期間の縛りは特になく、ホストと相談して必要な期間だけ荷物を置くことができる。

モノオクは2月6日、引越しシェアリングサービス「Hi!MOVE」との業務提携も発表していたことも記憶に新しい。Hi!MOVEはトラックをシェアすることで「少しでも引越し料金を抑えたい」というユーザーに新たな選択肢を提供するとともに、荷物の写真を撮ることで手軽に見積もりを算出できるサービス。Hi!MOVEに関しては以前にも紹介しているので、こちらの記事を参考にしてほしい。

同業務提携ではHi!MOVEは「処分はしたくないが、収納場所に困る荷物がある」などの悩みをかかえたユーザーに対し、モノオクをリコメンド。また、引越し日を分散し、引越しのトータルコストを抑える手段の1つとしてもモノオクを紹介する。モノオクは荷物の配送を検討中のモノオク利用者に対し、「Hi!MOVE」を紹介する。

モノオクは今回の調達のリリースで、年内に全国1万箇所までスペースを広げるとコメントしている。

ソフトバンク、自動運転配達のnuroに9.4億ドルを資金提供

自動運転配達のスタートアップNuroが、9.4億ドルの資金をSoftBank Vision Fundから調達した。驚きの金額は同社の配送サービスの拡大、新規パートナー獲得、人材強化、自動運転ロボットの規模拡大などに使われる。

NuroはSoftBank、Greylock Partners、およびGaorong Capitalから合計10億ドル以上を調達している。

「われわれは過去2年半の期間に素晴らしいチームを結成し、最初の無人サービスをスタートし、素晴らしいパートナーたちと共にわれわれの日常生活を根本的に改善するテクノロジーを開発してきた」とNuroの共同ファウンダー、Dave Fergusonが声明で語った。「この提携によって、地域商業に関するわれわれのビジョン実現を次のステップに進め、われわれのテクノロジーを広く応用する機会を得ることができる」

Nuroは、自動運転システムを開発し、これを地元商品のラストワンマイル配達のために設計されたカスタム無人自動車と組み合わせてきた。配達車には車室が2つありレジ袋が最大6個ずつ入る。

「Nuroのワールドクラスのチームは、自動運転技術を実験室から路上へとスケールアップすることに成功した」とSoftBank Investment Adviserのパートナー、Michael Ronenが声明で語った。「わずか2年の間にDaveとJiajunらのチームは、ロボットを小売店や顧客とつなぐことによって、Nuroをコンセプトから真のビジネスへと発展させた」

2018年同社はKrogerと提携してアリゾナ州で配達サービスのパイロットテストを行った。テスト車には当初Toyota Priusが使われていたが、昨年12月には配達専用ロボット置き換えられた。R1と呼ばれる無人運転車は、アリゾナ州フェニックスに隣接するスコッツデールの郊外で非常用ドライバーなしの自動運転サービスを運行している。

今はこの自動配達サービスが注目を集めているが、Nuroが同社の自動運転技術を、無人トラック運送のスタートアップ、Ikeにライセンスしたことも注目に値する。

IkeはNuroのシステムのコピーを利用しており、今回のラウンドに基づくとその価値は数十億ドルと思われる。NuroはIkeの少数株を保有している。

先週Ikeは自身の5200万ドルの調達ラウンドを発表したが、Nuroとの継続的な技術関係はない。以前Ikeのファウンダー・CEO Aleden Woodrowは、このコピーは(完全に派生した互換性のない)「ハードフォーク」だと説明した。

このライセンス契約は、Nuroの経営陣がビジネスの多様化を望んでいることの現れだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

小売・飲食企業のアプリ開発支援を手がけるエンターモーションが2億円調達

ファミリーレストランや商業施設向けにアプリの開発・運営サポートを行うエンターモーションは2月12日、XTech Ventures、SKY-AZ酒類飲食活性化1号ファンド、かんしん未来第2号ファンドから2億円を調達したと発表した。

エンターモーションは、実店舗をもつ小売流通、外食企業などに向け、スマートフォンアプリのプランニング、開発、運営のサポートを行うスタートアップ。「Insight Core」というサービス名のもと、O2Oアプリに必要な機能をモジュールとして用意し、それと追加開発機能を組み合わせる形でアプリを開発することで、作業時間と開発コストを低く抑えているという。

最近では、居酒屋ブランド「金の蔵」の公式モバイルアプリの開発支援、レディースファッションブランド「BE RADIANCE」の公式アプリの開発支援などの実績がある。

エンターモーションは2003年の創業。もともと企業のO2O(オンラインからオフラインの購買行動を促進する施策)を推進するオウンドメディアの受託開発事業を10年以上に渡り展開していたが、2017年11月頃に現在の事業モデルへとピボット。今回の資金調達を足がかりに、今後もInsight Coreのサービス充実に注力していくという。

無登録物件のリスト掲載でパリ市がAirbnbを告訴

パリ市は最初にAirbnbに警告していた。そしていま、行動に出ようとしている。パリ市長Anne HidalgoはJDDに対し、1010軒もの無登録物件をリストに掲載したとしてAirbnbを告訴する、と話した。罰金は1420万ドル(1262万5000ユーロ)となる可能性がある。

現行の法令では、年間に120日以上アパートメントを貸すことはできない。もしパリでAirbnbを使ってアパートメントを貸し出したければ、まず市にアパートメントを登録しなければならない。登録するとIDナンバーが発行される。市はこのIDナンバーを使ってAirbnbで何日アパートメントを貸し出したかを追跡できる。

にもかかわらず、リストに掲載されている多くの物件がIDナンバーを取得していない。市当局は2017年12月、アパートメント1000軒近くに注意を喚起し、Airbnbがそうした事態を故意に放置していると指摘した。Airbnbはホストが法を守るようインセンティブをほとんど与えておらず、リスト掲載についてはホストが責任を負っていた。

新たな法令により、この責任はホストとプラットフォームが共に負うことになる。新法令では、パリ市は無登録でリスト掲載された物件についてAirbnbに1物件あたり最大1万2500ユーロの罰金を科すことができる。

Hidalgoによると、Airbnbは住宅市場にかなりのプレッシャーをかけてきた。市長は、今やパリ市だけで6万5000ものアパートメントがAirbnbに使われていると考えている。いくつかのエリアでは、こうした事情のためにアパートメントを見つけるのが極めて困難になっている。観光客は住人とは異なるニーズを持つことから、地元の商店も苦戦している。監視を徹底するため、市長はアパートメント貸し出しを年間30泊に制限することも前向きに検討している。

AirbnbはJDDに対し、法規に従っているし、全ホストに新ルールを通知した、と語った。またAirbnbは、パリ市の規制は欧州の規制に合致していない、とも述べている。両者の戦いが終わっていないのは明らかだ。

イメージクレジット: Thomas Trutschel/Photothek

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

GoogleドキュメントのAPIでタスクの自動化が可能に

今日、Googleは、Googleドキュメントの新しいAPIが一般向けに開放されたことを発表した。これにより、これまでこのオンラインのオフィススイート上で、通常はユーザーが手動で行っていた多くのタスクを、デベロッパーの手で自動化できるようになる。このAPIは、昨年4月のGoogle Cloud Next 2018以降、デベロッパー向けプレビュー版となっていたが、今後はすべてのデベロッパーが利用できるようになる。

Googleによれば、デベロッパーはREST APIを利用して、ユーザー向けのワークフロー自動化のサービスを設計し、コンテンツ管理サービスを構築して、ドキュメントを大量に作成できる。後からアップデートする必要が生じた際には、デベロッパーはそのAPIを使用して、ドキュメントを修正するプロセスを設定することも可能となる。また同APIには、テキストの挿入、削除、移動結合フォーマット、画像の挿入、リストの操作など、さまざまな機能が備わっている 。

標準的なユースケースとしては、請求書の発行が考えられる。注文番号や項目の内容は、サードパーティのシステムや、他のGoogleスプレッドシートから情報を取り込んで、毎回変化するものの、常に似たようなドキュメントを作成する必要があるような場合だ。またGoogleは、APIが備えるインポート/エクスポート機能により、Googleドキュメントを社内のコンテンツ管理システムとしても使用可能だと述べている。

プレビュー期間中に、この新しいAPIを利用してソリューションを構築した企業には、Zapier、Netflix、Mailchimp、Final Draftなどがある。たとえばZapierは、GoogleドキュメントのAPIを自社のワークフロー自動化ツールに統合し、ユーザーがテンプレートを利用してオファーレターを作成できるようにした。一方Netflixは、エンジニアがデータを収集したり、ドキュメント作成のワークフローを自動化するのを補助する社内用のツールを構築した。

画像クレジット:FABRICE COFFRINI/AFP/Getty Image

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

米国のiPhoneユーザーが昨年アプリに使った金額は平均79ドル、前年比36%アップ

Appleがデベロッパーにサブスクリプション(定期購読)ベースのアプリを推奨してきたことが、App Storeの売上に明確な影響を与えている。今週公開予定のSensor Towerの最新レポートによると、2018年に米国のiPhone 1台当たりに生み出された収益は、2017年の58ドルから36%増え79ドルだった。例によって増加の大部分はモバイルゲームによるもので、1台当り金額の半分以上を占めた。しかし、ゲーム以外で大きく伸びたカテゴリーがサブスクリプションベースのアプリだ。

iPhoneユーザーがアプリ内購入および有料アプリのダウンロードに使った金額は、2017年から2018年にかけて21ドル増えた。これは対前年比36%の伸びであり、2016年から2017年にかけて47ドルから58ドルになった23%増より高い伸び率だ。

しかし2018年の数字は、2015~2016年に33ドルから47ドルに増えたときの42%よりもやや低かった。

依然としてiPhone支出にモバイルゲームが占める位置は大きい。2018年に消費者がiPhone 1台あたりに使った金額79ドルのうち、56%近い44ドルがゲームだった。

しかし、この年のゲーム以外のカテゴリーの実績はさらに興味深い。

トップチャートの上位を占めたサブスクリプションベースのアプリは、さらに高い対年度比を記録している。

たとえばエンターテイメント・アプリの端末当たり支払い金額は82%増の8ドルだった。ライフスタイル・アプリも86%増の3.90ドルと大きく伸びた。

トップ5には入っていないが、健康&フィットネス・アプリに使用された金額は平均2.70ドルで2017年の1.60ドルから75%増えた。

トップ5にはほかに音楽およびソーシャルネットワーク・アプリが入り、どちらも22%の伸び率だった。

このデータから、サブスクリプションがiPhoneの消費者支出を増やす極めて大きな役割を担っていることがわかる。

このニュースに先立ち、AppleはiPhoneの売れ行きが鈍化していることを発表しており、売上を伸ばし続けるためにサービス事業を強化する必要に迫られた。これにはApp Storeのサブスクリプションだけでなく、Apple Music、Apple PayやiCloud、App Store検索、AppleCareなども含まれている。

サブスクリプションが普及するにつれ、Appleはシステムの悪用にも目を光らせていく必要がある。

たとえば、最近App Storeで卑劣なアプリがいくつか発見された。それらのアプリは紛らわしいボタンや隠されたテキスト、数日のうちに自動登録されるお試し、などの誤解を誘う策略でユーザーをだまし有料メンバー登録させていた。

後にAppleはこれらのアプリの一部を削除したほか、デベロッパー・ガイドラインを改訂してサブスクリプションの表示、運用を厳しく規定した。

AppleがApp Storeの適切な監視や、定期購読の過剰な利用を防ぐための境界設定を怠ると、ユーザーは新しいアプリのダウンロード自体を敬遠することになりかねない。どのアプリも長期的な料金徴収を目論んでいるとユーザーが考え始めるようならなおさらだ。

ユーザーを1回の支払いから毎月請求される方式へと切り替えさせるために、デベロッパーはもっと賢くならなくてはいけない。サブスクリプションの利点を正しく説明し、価値を高めるための特典も考える必要があるだろう。

しかし短期的には、今もサブスクリプションは、たとえiPhoneの売上が停滞していても、デベロッパーがApp Storeでいい稼ぎを得るための有効な手段に違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ジェフ・ベゾスのメッセージ暴露、サウジが関与を否定

Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)は、先週行なった極めて稀なMediumへの投稿で、アメリカン・メディア(AMI)が“強要行為と脅迫”をしていると非難したが、その際Bezosは Lauren Sanchezと交わした私的なメッセージが明るみに出たことにサウジアラビアの関与があるかもしれないことを匂わせた(しかし明記はしていない)。それについて、サウジの外務大臣Adel al-JubeirはCBSの番組“Face the Nation”でのインタビューで、サウジ政府は“全く無関係”と述べ、関与を否定した。

先月、National Enquirerは元妻MacKenzie Bezosと離婚したBezosとSanchezの間で交わされたテキストメッセージを報道した。先週木曜日のMediumへの投稿でBezosは、National Enquirerの発行元AMIがテキストメッセージのリーク元の調査をやめなければ私的な写真を含むメッセージを暴露すると脅した、と主張した。また、AMIが“政治的な動機があるか、政治の影響を受けている”とも指摘した。Bezosは、大統領ドナルド・トランプに近い人物といわれるAMIのCEO、David Peckerの神経に「サウジ関係のことが特に触ったようだ」と書き込んだ。

Daily Beastは今日、Lauren Sanchezの兄(弟)のMichael Sanchezがメッセージの元々のソースだったと報じた。Michael SanchezはトランプのアドバイザーRoger Stoneと親しい友人関係にある。

“Face the Nation”でのインタビューでal-Jubeirは「私には“昼ドラ”のように聞こえる。この件についてはテレビで目にしているし、新聞でも読んでいる。これは2者間のことであり、我々は関係していない」。

Bezosは、サウジアラビアがメッセージ暴露に関わっていると直接非難はしていない。しかし、AMIとPecker、トランプ、サウジアラビアのクモの巣的なつながりについて記している。Bezosはワシントンポスト紙を所有していて、同紙はムハンマド・ビン・サルマン皇太子とJamal Khashoggi殺人のつながりを広範にわたって報道してきた。Khashoggi氏は昨年10月に殺害される前、サウジアラビアの体制に反対し、ビン・サルマン皇太子に批判的な記事をポスト紙に書いていた。米中央情報局(CIA)はビン・サルマン皇太子が殺害を命令したと結論づけたが、トランプは繰り返し皇太子の関与を軽視してきた。

「私にとってワシントンポスト紙の所有は、事を複雑にするものだ。ワシントンポスト紙に報じられたことのある権力を持つ一部の人が、Bezosは敵だと誤って結論づけるのは避けがたい」とBezosは書いている。さらに「トランプ大統領はそうした人々の一人だ。それは彼のツイートから明らかだ。また、コラムニストJamal Khashoggi氏殺害の件についてのポスト紙の断固とした報道は、特定の人々の間では間違いなく不人気だ」と続けている。

そしてBezosは「数日前、AMIの弁護士から、Pecker氏が我々の調査について“立腹している”との連絡を受けた。これはサウジ関係のことが神経に触ったようだ」とも付け加えた。

AMIは、トランプと不倫関係を持ったとされているKaren McDougalに口止め料を支払った件で昨年12月に連邦検察と追訴免除の司法取引した。もしBezosが主張する脅迫と強要行為が事実なら、司法取引はなかったものになる可能性がある。

Peckerの弁護士Elkan Abramowitzは、Daily BeastがNational Enquirerのネタ元はMichael Sanchezだと報道する前、ABCの日曜番組“This Week”で「これは絶対に強要行為や脅迫ではない。National Enquirerのネタ元は信頼のおけるソースで、今回の報道の7年前からNational Enquirerに情報を提供してきた。ネタ元はBezos氏とLauren Sanchez氏がよく知っている人だ」と話していた。

イメージクレジット: Phillip Faraone / Getty Images

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

Amazonが家庭用メッシュルーターのEeroを買収してEcho製品拡販のベースに

Amazonが、同社のスマートホーム製品系列を大きく拡大しようとしている。同社は今日、ベイエリアの家庭用メッシュルーターのスタートアップEeroを買収する意図を発表した。それは、Alexaをコネクテッドホームの主要機能に育てようとしている同社にとって、相性ぴったりの製品だ。

創業5年目を迎えるEeroにとっても有意義だ。同社は家庭用メッシュルーターの分野に早くから参入し、高名な投資家たちからの支援も受けたが、苦戦していた。昨年は同社のワークフォースのほぼ1/5、30名の社員をレイオフした

Amazonはなんと言ってもお金持ちだし、昨年はAlexaをHuaweiやNetgearのルーターに接続するデモをしていたから、このカテゴリーに目をつけていたのだ。そしてそれも合理的な判断だ。家庭内ネットワークの圏域を拡大するメッシュルーターがあれば、Echo Dotsなどのデバイスを、家のどの部屋にも置ける設計にできるだろう。

Amazonは近年、RingやBlinkなど、いくつかの著名なホームオートメーションスタートアップを拾い上げて、家庭内のAlexaを軸とする独自のスマートホームエコシステムを育てようとしている。多くの場合Amazonはスタートアップのブランドをそのまま維持するから、それはEeroにとって嬉しい徴候だ。ただしRingに関しては、そうならなかったけど。

AmazonのSVP Dave Limpがプレスリリースで述べている: “Eeroのチームにはとても感銘を受けている。彼らは、コネクテッドデバイスをつなげばすぐにそれが使えるようなWi-Fiのソリューションを、非常に早い時期に発明した。私たちもそのビジョンを共有して、スマートホームの体験をより容易にし、顧客のためのイノベーションにこれからも引き続きコミットしていきたい”。

買収はまだ、お役所の承認を待つ段階で、価額等の詳細は公表されていない。

関連記事(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

デフォルトのパスワードを使えば、何千台もの業務用冷凍庫を遠隔解凍できる

セキュリティ研究者たちは、遠隔から簡単に解凍を指示できる、インターネットに接続された何千台もの業務用冷凍庫をみつけた。

この脆弱性を発見した、セキュリティ研究者の一人であるNoam Rotemによれば、英国に本社を置くResource Data Management社によって製造された、7000台を超える脆弱な温度制御システムが、インターネットからアクセス可能であり、同社のウェブサイトのドキュメントに記載されたデフォルトのパスワードを入力することによって操作可能になっている。

これらの脆弱なユニットの多くは、英国、アイルランド、さらにはスウェーデン、ドイツ、中国などのレストラン、病院、スーパーマーケット、食料品店の業務用冷凍庫に搭載されていた。研究者たちはまた、マレーシアの製薬会社やドイツの冷却施設にも同ユニットを発見している。

こうした冷凍庫に解凍指示が出された場合には、予想できないほどの水害、経済的損失、そして在庫の破壊につながる可能性がある。高付加価値産業の場合には、その損失は膨大なものになる可能性がある。

香港のMarks & Spencerに置かれた業務用冷凍庫の、ウェブインターフェース(画像:TechCrunch)

「これらのシステムには、どのようなブラウザからでもアクセスすることができます」とRotemは記事中で述べている(この情報は彼が一般公開する前に、TechCrunchに伝えられた)。「必要なのは正確なURLだけです。私たちのテストが示しているように、それを見つけるのはそれほど難しくありません」。

Rotemによると、マシンを解凍するには単に「ボタンをクリックしてデフォルトのユーザー名とパスワードを入力する」だけであり、それらは同社のデバイス上でほぼ共通なものであるという。TechCrunchはShodanを使うことで、研究者が言う通り数百の冷凍庫を発見した(Shodanは一般アクセスが可能なデバイスやデーターベースを見つけることができる検索エンジンである)、しかしアカウントとパスワードを使ってアクセスすること自体は適法ではない可能性が高いため、実際のアクセスは行っていない。

Rotemによれば、公開されているデバイスの、ユーザー設定、アラーム、その他の機能を変更することも可能だという。

Resource Data Managementの担当者は、電子メールで以下のように回答している「システムのインストール時には、デフォルトのパスワードを変更する必要があることを文書で明示しています」。しかしながら、その変更は必須のものではない。Rotemによれば、デバイス所有者の多くはそれを変更していない。同社はまた、自身によるセキュリティの啓蒙にも熱心ではなかった。「私たちには、システムが設置者の方々によって、どのように設定されるかについて制御する手段がありません。この記事が私たちの機器の利用者や設置者の方々の目にとまって欲しいですね」と担当者は語る。「私たちは、新しい機能や特性を備えた新しいソフトウェアを入手できることを、オーナーの方々にお知らせはしますが、最終的にアップグレードを行うのはオーナーの皆さま自身です」。

同社は把握済の全ての顧客に対しては「デフォルトのユーザー名とパスワードを変更することの重要性を喚起する予定だ」と述べている。

なお来年以降、カリフォルニア州では、個々のデバイスに対して固有に設定されていない、弱いもしくはデフォルトのパスワードを使ったインターネット接続機器は、製造も販売も禁止される

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(翻訳:sako)

WaymoのCTOが語る、会社の過去、現在、そして次に来るもの

10年前、10人あまりのエンジニアたちが、Charleston RoadにあるGoogleのマウンテンビューメインキャンパスに、Project Chauffeur(お抱え運転手プロジェクト)のために集められた。これはGoogleの未踏最先端研究”X”の中に生まれた秘密の取り組みだった。

Project Chauffeur ―― 一般には「Google自動運転車プロジェクト」として知られている ―― は、こうして2009年1月に始まった。プロジェクトはやがてその試験的状態を卒業し、2016年にはWaymoと呼ばれる会社として独立した。

このプロジェクトを当初率いていたのはSebastian Thrunである。彼が現在も開発が続く、全てのエコシステムの立ち上げに尽力したのだ。ベンチャーキャピタリストたちが注目し殺到した。自動車アナリストたちは態度を変え、規制当局、都市計画者、そして政策立案者たちはデータを収集し、自動運転車が都市に及ぼす影響について考慮し始めた。

このプロジェクトはまた、自分自身の会社を作りたいエンジニアたちの、跳躍台でもあり続けた。たとえばそうしたエンジニアとして、Auroraの共同創設者Chris Urmson、Argo AIの共同創業者Bryan Salesky、Otto(や最近はPronto.ai)の起業を手がけたAnthony Levandowskiたちの名前が挙げられる。

だが設立当初から参加していたエンジニアたちの多くが、まだWaymoに残っていることは、あまり知られていないかもしれない。それはAndrew Chatham、Dmitri Dolgov、Dirk Haehnel、Nathaniel Fairfield、そしてMike Montemerloといった人びとだ。「初期」の定義の仕方によっては、Hy Murveit、Phil Nemec、そしてDan Egnorなどの、8〜9年間そこにいる人たちも含まれることになる。

今回、WaymoのCTO兼エンジニアリング担当副社長のDolgovに対して、TechCrunchはインタビューを行った。話題はその黎明期について、10周年を迎えるにあたって、そして将来についてである。

以下は、明瞭さのために短く編集された、Dolgovとのインタビューの抜粋である。

TechCrunch(TC):どのようにプロジェクトを始めたのかをお聞きしましょう。Googleの自動運転プロジェクトの最初の日々について教えていただけますか。

DOLGOV私がこの分野に引きつけられた理由を考えてみると、それはいつでも3つの主要なものに行き着きます。テクノロジーのもたらす影響、テクノロジーそのもの、そして取り組む対象の困難さです(一緒に働く人たちはもちろん大切ですが)。その時点では、きわめて重大な安全性への影響があることは明らかでしたが、その先に、効率性を改善し、人や物の輸送から面倒を取り除く可能性が見越されていました。

決して尽きることのない、こうした高揚感があるのです。自動運転車の仕事を、最初にしたときの事をおぼえています。それは私が書いたソフトウェアを使って、自動車自身が走行した最初の経験でした。これは本当に初期のできごとでした。これは2007年のことです。この体験は私を完全に圧倒しました(Dolgovは、Googleプロジェクトが開始される以前の2007年11月に、DARPA Urban Challengeに参加していた)。

TC:(Googleの共同創業者)ラリー・ペイジが思い付いた、この10本の100マイルチャレンジはどのようなものでしたか?それについて少し説明していただけますか?

DOLGOV:これはおそらく、私たちがこのプロジェクトを2009年にGoogleで始めた際の主要なマイルストーンでした。そしてチャレンジは、それぞれが100マイルの距離がある10本のルートを走行することでした。もちろん、始めから終わりまで、人間は全く介入することなしに、走行させなければなりません。

これらは、非常に明瞭かつ明確に定義された、精密なルートでした。最初に自動運転モードに切り替えた後は、全100マイルを自力で走行しなければなりませんでした。

それぞれのルートは、タスクの完全な複雑さを収集できるように意図的に選択されました。当時私たちにとっては、とにかく問題の複雑さを理解することが先決でした。すべてのルートはベイエリアにありました。私たちはパロアルト周辺の都市環境で運転を行いました、高速道路上で多くの時間を費やし、ベイエリアのすべての橋を訪れました。マウンテンビューからサンフランシスコに行くルートがありましたが、そこにはロンバードストリートを通ることも含まれていました。また私たちは、レイクタホの周りを回るコースも持っていました。

私たちは環境の複雑さを可能な限りカバーしようとしました。そしてそのタスクが本当に素晴らしかった点は、そのことで私たちがこの問題の複雑さの中心を、本当にすばやく把握することができたということなのです。

TC:これらのチャレンジを完了するのにどれくらい時間がかかったのですか?

DOLGOV:それらを終えるのは、2010年の秋までかかりました。

TC:プロジェクトが2010年までに、これらのチャレンジを完了することができたと考えると、凄いことですが、それでもこのタスクにはまだ多くのやるべきことが残されているように思えます。

DOLGOV:その通りです。しかし、私はそれが問題の本質だと思います。 何かを1〜2回、あるいはほんの数回実行できるプロトタイプを作ることと、一般の人たちが日常的に使うことのできる製品を作ることの間には、とても大きな違いがあります。そして、特にこの分野では、私たちが始めたときには、このような一度きりの挑戦で成果を出すことはとても簡単だったのです。

しかし、本当に難しいのは、それを製品にするためにシステムから引き出す必要のある、信じられないレベルの性能なのです。それこそが一番難しいことです。そして二番目に難しいことは、その先に遭遇することになる、果てることなく湧いてくる、滅多に起きない問題の種類の複雑さなのです。おそらく99%の状況ではそうした問題に出会うことはないでしょう。しかしそれでも出会うかもしれない1%もしくは1.1%の状況のために、準備をしておかなければならないのです。

TC:そうした初期の日々を振り返ったときに、あるいはもっと最近のことでも良いのですが ―― 乗り越えられそうもない、あるいはテクノロジーがまだそのレベルに達していないように思われた、ソフトウェアあるいはハードウェアの問題に遭遇した瞬間はあったでしょうか?

DOLGOV:初期の頃には、私たちはあらゆる種類の問題に直面していました。このプロジェクトの歴史の初期段階には、どうやってそこに到達すればよいかを本当にはわからないまま、問題を解決しようとしていただけだったのです。

問題に取り組み始めて、それに向かった進歩が行われます。この数年が、私にとってどのように感じたものかを振り返るならば、ここに一つ問題があったとか、少数のいくつか本当に難しい問題があったとか、一つの壁にぶつかっていたといった表現では全く足りない状況だったと思います。

そうではなく、何百もの本当に難しい問題に遭遇していたのです。とはいえ、そうした問題のいずれもが、レンガの壁のような難攻不落なものではありませんでした。ご存知のように、チームは素晴らしく、テクノロジーは本当に強力で、その問題の解決を進めることができたからです。

しかし、常にこれらの本当に複雑な数百の問題を、同時に扱い続けなければなりませんでした。どれか一つの問題の解決により深く踏み込むと、それがどれだけ難しいかをさらに思い知るといった具合だったのです。

これはとても面白い組み合わせでした。一方では、問題はより困難になり、それについての学びも多くなりました。しかし、その一方では、テクノロジーが急速に進歩し、当初予想されていたよりも速くブレークスルーが起きていたのです。

TC:このプロジェクトが(公式発表とは別に)変化したことに気付いたのはいつでしょう?それが単に問題を解くだけにはとどまらず、ビジネスになり得ると思ったのはいつなのでしょうか?

DOLGOV:私の考えでは、それは私たちの思考が進化し、この技術による、よりはっきりと定義つけられたプロダクトと商用アプリケーションに、より多くの投資が行われたときでしょうね。

私たちが始めた、本当に最初の段階では、問題は「そもそもこれは実現可能なのか?このテクノロジーはうまく働くのか?」でした。とはいえ、このテクノロジーが成功したら、その影響は果てしないものになるという認識は、皆にとって明らかだったと思います。

どのような商用アプリケーションやどのような製品が、その影響をもたらすのかは明らかではありませんでした。しかし、このテクノロジーが世界を変えるだろう方法はたくさんあったので、その点についてあまり心配し続けることはあまりありませんでした。

このテクノロジーを眺めたときに、私たちが開発しているのはドライバーなのです:ソフトウェアとハードウェアの双方ですが ―― 車の中で実行されているソフトウェアとクラウドの中で実行されているソフトウェアがあります。私達はテクノロジースタック全体を、ドライバーとして見なしています。

米国には、人間によって運転されているのべ3兆マイル(4.8兆キロ)もの道があります。ある場合には、彼らは自分自身で運転(drive)し、ある場合には他の人を使役し(drive)、またある場合には貨物を動かして(drive)います。もし「ドライバー」(driver)であるテクノロジーを手に入れたなら、それをすべての場合に展開することが可能です。しかし、それらにはそれぞれ長所と短所があります。

時間が経つにつれて「最も魅力的なものは何だろう?」そして、「どのような順序で取り組むべきなのだろう?」という私たちの考えが成熟して行きました。

それこそが、これまでの作業の結果私たちが現在行っているものなのです。配車サービス(UberやLyftのようなもの)は、私たちが追求している最初の商用アプリケーションです。それ以外にも、長距離輸送、長距離配送に取り組んでいます。いつかこの技術を、個人所有の車、地域の配達業務、公共交通機関などなどに展開することに興味を持っています。

TC:どのようなアプリケーションに一番興味を持っていますか?世の中で見過ごされているなあとあなたが思っているものや、個人的にもっとも興味をお持ちのものは何でしょう?

DOLGOV:このテクノロジーと(そのテクノロジーを利用した)ドライバーが世界中に、そしてさまざまな商用アプリケーションに展開されているのを見ることに、とても興味を持っています。しかし、私が最も興味を持っているものは、私たちの最優先の目標として追求が行われている配車サービスです。

私はそれが最も短期間に、最も多くの人たちに、良い影響を与えることだと思っています。

私はまた私たちの車を使って日々走り回っています。今日仕事場に来るのにも使っています。マウンテンビューとパロアルト周囲で様々な用足しを行うために使っています。これらの車の体験を重ねられることは素晴らしいことです、そしてそうすることによって、本当に多くの移動の面倒が取り除かれています。

TC:なるほど、現在毎日通勤に自動運転車をお使いなのですね?

DOLGOV:はい。まあカリフォルニアではまだ中に人が乗っていますけれど。

TC:どのくらいそれを続けていらっしゃるのですか?

DOLGOVかなりの間です。実際、永遠に続けているような気がします。

私はいつでも車の中で時間を過ごして来ました。自分が開発している製品を体験し、テクノロジーに直接触れることはとても大切だと思っています。これは、プロジェクトの初期の頃に、私たちが少人数ですべてのことをこなしていたときにも同様でした。

チームが成長しても、少なくとも毎週一度は、私自身もテクノロジーを体験しテスト走行をするようにしています。

私たちが配車アプリケーションの追求を始め、そのためのアプリケーションを開発し、それをユーザー向け製品にするためのインフラストラクチャを構築したときには、私は初期のテスターの1人でした。

それはもう3年ほど前になります。

TC:かつて現在のようなポジションにいることになるとお考えでしたか?10年前に、この先10年でこうなるとは予想されていたでしょうか?あるいは、それは想像よりも早く、あるいは遅く起きたのでしょうか?

DOLGOV:私にとっては、2009年の時点ではハードウェア、ソフトウェア、そしてAIと機械学習によるいくつかのブレークスルーは予想していませんでした。今日の技術は、おそらく2009年の時点で予想していたものよりも、はるかに強力なものであると言うことができると思います。

しかしその一方で、実際の製品を実際に開発し、それを人びとが利用できるように展開するという挑戦は、私が予想していたものよりもずっと困難であることがわかりました。なので、それは両方の側面を含んでいますね。

TC:そこでおっしゃるブレークスルーとはどのようなものでしょうか?

DOLGOV:たくさんあります。LiDARとレーダーは、遥かに強力になりました。

そして強力になることによって、すなわち、より長い範囲、より高い解像度、そしてより多くの機能を実現することによって、望めば、そのセンサーの能力の中で、状況に関するより豊かな情報を得ることができるようになりました。これらはセンサー側の話ですね。

計算、特にハードウェアアクセラレーションによる並列計算は、ニューラルネットワークの進歩にとって非常に強力な支援となりました。これによって大きく後押しされることになりました。

そして、深層学習がやってきて、ニューラルネット自身がいくつかのブレークスルーをもたらしました。

TC:そうですね…あなたが挙げた最後の2つの例ですが、私はそれらがここ数年でもたらされた最新のブレークスルーだと思います。期間的にはそんな捉え方でよろしいのでしょうか?

DOLGOV:このプロジェクトでは常に機械学習を使用してきましたが、それは現在用いられている機械学習とは異なるものでした。

たしか2012年だったと思いますが、私たちのプロジェクトに対して有意義な取り組みが行われ、Googleの中で、自動運転テクノロジーと深層学習の協力が行われるようになりました。

間違いなく、その当時のGoogleは、自動運転と深層学習の両者に真剣に投資する唯一の会社でした。

その時点では、私たちはその(ニューラル)ネットを自動車の中でリアルタイムに動作させることができるようなハードウェアを、所有していませんでした。しかし、クラウドのなかで実行できる、とても興味深いことはあったのです。

深層学習にとって、2013年はとても重要な年でした。ImageNetが大きな競争に勝ったそのときが、深層学習のブレークスルーとなったと考えています。それは、コンピュータビジョン競争における他のすべてのアプローチよりも優れていたのです。

TC:2009年の時点で、2019年には多数の自動運転車企業が、カリフォルニア州の路上でテストをするようになっていると想像することはできましたか?それは見込みがありそうなことだったのでしょうか?

DOLGOV:いえいえ、とんでもない。2009年や2010年の時点では、私はそんなことは想像していませんでした。

プロジェクトの初期段階では、人びとは私たちに冷笑的でした。業界ではこのプロジェクトが面白おかしく取り上げられ、Googleの自動運転プロジェクトに対する、沢山のおふざけが生み出されました。

まあ「おや、なんだかGoogleの中でこのSFネタを実現しようと努力している、おかしな奴らがいるようだぞ」と言われていたところから、現在のような何百とは言わないまでも数十の企業が追求するような主要な産業に育ったことは、驚くべきことですね。

Googleの自動運転レクサスRX 450h

TC:一般の人びとが、街のなかで自動運転車に乗るようになるきっかけはどのようなものでしょうか?純粋に成熟度の問題なのでしょうか?それともWaymoも含めて、すべての企業がその方向への利用者の誘導に責任を持つべきものなのでしょうか?

DOLGOV:新しいテクノロジーと変化に対する人びとの態度には、常に個々人の違いがあると思います。より目立つ否定的な意見もあります。しかし実際には、過去10年間の私の経験から見たときには、前向きな態度と興奮が圧倒的に強くなって来ています。

このプロジェクトを通して私が繰り返し経験してきたことは、とても力強いこのプロジェクトが、人びとの態度を不信と不安から、テクノロジーに触れることによって、興奮と安心そして信頼へと変えていったことです。

私たちの車の一台に、誰かを案内して実際の乗車をするとしましょう。誰もハンドルを握っていない車に乗ることに不安を感じている人でも、一度経験することによって、またその製品がいかに有用かを理解することによって、そしていかに車がきちんと動作するかを知ることによって、徐々に信頼しはじめるのです。それが本当に信頼へとつながっていくのです。

技術がより普及し、より多くの人びとがそれを直接経験するようになれば、それが助けになるでしょう。

TC:2009年当時の最大の課題は今でも同じでしょうか?残っている最後の難問は何でしょう?

DOLGOV:2009年には、すべての問題は、それぞれ解決が必要な個別の問題でしたが、現在ではそれを製品化するということに尽きます。

それは、自動運転システム全体を示すこと、そしてテクノロジーの評価と展開のためのツールとフレームワークの開発をすることにかかっています。そしてご存知のように、全体として変わることなく大切なことは、開発を素早く繰り返すことと、新しいことを学び、そして発見された新しい技術的課題を解決する力なのです。

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(翻訳:sako)

MWCでの発表を控えてMicrosoftからHoloLens 2のティーザービデオ

バルセロナで今月下旬に開催されるMWC(Mobile World Congress)で発表予定の製品でいちばん注目を集めているのはスマートフォンではない。Microsoftの次世代HoloLensヘッドセットだ。発表は2月24日(米国時間)と予告されている。Microsoftはさらに話題を盛り上げようとして予告ビデオを公開した。

実際、このビデオに内容はあまりない。ぼんやりとチップのようなものが写り、ケーブルがうねり、氷が溶けかける。そういったイメージが連続する。具体的情報を明かしたくない場合に大企業が製作するティーザーの典型だ。

しかし重要なのはビデオの内容よりもこのビデオの背後に誰がいるかだろう。このビデオを公開したMicrosoftのテクニカル・フェロー、Alex Kipmanは初代HoloLens開発のキーパーソンだ。つまりHololens 2を予告する最適任者ということになる。現行ヘッドセットは拡張/複合現実のブームに先駆け過ぎていたきらいがあった。しかし今やARはテクノロジー企業がこぞって力を入れる分野になっている。第2世代のHololensを発表するには理想的な環境だ。

報道によればこのヘッドセットにはQualcomm 850と新しい運動センセーが搭載される。また価格も引き下げられ、小型化されるという。これによってMicrosoftは拡張現実分野のリーダーの位置を確立することを狙っているようだ。

MWC 2019についてのわれわれの予想はこちら.。

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滑川海彦@Facebook Google+

Moftのノート用折り畳みスタンドが手放せなくなってしまった

Moftのノートパソコン・スタンドを使っているが、大変気に入っている。ファイバーグラスと人造皮革で19ドル(Kickstarterのアーリーバード価格)の製品にそれほど大きな期待はかけていなかったのだが、使ってみるとこれは優れものだった。

このスタンドはステルスだ。つまり広げた状態ではコインより薄い。保護フィルムを剥がしてノートの裏に貼り付ける。メーカーによると最大15.6インチまで対応する。私は15インチのMacBook Proに使っているが、宣伝どおり役に立っている。魔法のようだ。

畳んだ状態ではまったくかさばらない。引き上げるとスタンドになる。角度はいくつ選べる。非常にシンプルなプロダクトだ。

このシンプルさがメリットだが、同時に多少のデメリットにもなっている。使わないときにスタンド部分が少しばたつくので磁石で固定するようなメカニズムがあってもいいと思った。.私はMacBookを毎日何度もデイパックに出し入れする。このペースだと数ヶ月でやれてしまいそうだ。しかし19ドル(市販価格でも24ドル)ならそのつど買い替えても破産することはなさそうだ。

これは私の取り付け位置が悪かったせいかもしれないが、タイピング時に少しぐらつく感じがする。これはキーボードの下部に手のひらを当てれば防げる。どのみち普段からこのスタイルで入力しているので問題ない。

全体としてMoftのスタンドはデザインもいいし機能も優れた製品だ。クラウドファンディングで登場した第一世代のプロダクト特有の仕上がりの粗いところがないわけではないが、価格を考えればさほどの問題ではない。キーボードに角度を付けてタイピングする方が私の場合快適だし速い。そういうユーザーならこれは買いだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

Gmaiに便利な右クリックがやって来る

GoogleはGmailにやっと右クリック・メニューを追加する。これまでも各種のメールトレイ上で右クリックは可能だった。しかしこれには「アーカイブする、既読にする/未読にする、削除する」というオプションしかなかった。しかし今日(米国時間2/11)のGmailの公式ブログによれば、トップのメニューバーから実行できる操作のほとんどが右クリックから可能になる。さらにいくつか右クリックのボーナスメニューも追加される。

このアップデートが実施されると、インボックスのメールで右クリックすると大きなポップアップメニューが開き、返信、転送を始め、「この送信者からのメールを検索」など多数のオプションが利用できるようになる。また右クリックからラベルを適用したり、いったんスヌーズさせて後日再表示させたりすることもできる。

大変便利人なるが、ポップアップメニューの追加は画期的な新テクノロジーというわけではない。それだけになぜGoogleがこの機能を実装するまでこれほど長く待つ必要があったのか不思議に思える。

例によって新機能はまずG Suiteのユーザー向けにまず公開される( 即時リリース設定の場合は今日から、計画的リリース設定の場合は2月22日から)。一般ユーザーの場合もだいたいこうしたスケジュールで順次公開される。

(日本版)現在、メール本体を開いた状態で右クリックするとブラウザの右クリック・メニューが表示されるが、これはGmailの右クリックとは別。

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滑川海彦@Facebook Google+

Keplerが引退前に撮影した「最後の光」をNASAが公開

NASAのKepler宇宙望遠鏡の「最後の光」の写真

NASAは9月にKeplerが撮った最後の写真を公開した。これは、この宇宙望遠鏡が引退する直前のもの。われわれの太陽系の外側の宇宙についての、ほぼ10年間にわたる前例のない発見の最後を締めくくるものだ。

「この宇宙探査機が最初に空に目を向け、その『最初の光』の画像を捉えたときから、9年半におよぶ感動的な時間を締めくくりました」と、NASAエイムズ研究センターの広報担当官、Alison Hawkesは述べた。「ケプラーは、私たちの太陽系の外に2600を超える世界を発見し続け、私たちの銀河には恒星よりも惑星が多いことを統計的に証明しました」。

この「最後の光」の写真は、Keplerが引退する約1か月前の、9月25日に撮影された。宇宙望遠鏡は水瓶座の方向を向いていて、この画像はTRAPPIST-1系全体をカバーしている。そこには、「7つの岩石惑星が含まれていて、少なくともそのうち3つは温和な世界だと信じられています」と、Hawkesは書いている。また、GJ 9827系は 地球型の太陽系外惑星を持つ恒星で、「今後、他の望遠鏡による観察によって、遠く離れた世界の大気がどのようなものなのかを研究するための、絶好の対象と考えられています」とのことだ。

Keplerの視野は、その惑星探査の後継機であるNASAのTESS(Transiting Exoplanet Survey Satellite=トランジット系外惑星探索衛星)のものとも、わずかながら重複していたので、天文学者は2つの観測データを比較することができるはずだ。TESSは昨年打ち上げられ、1500を超える太陽系外惑星を探査する予定となっている。

Keplerの主要な任務の期待寿命は、元々3.5年に過ぎなかったので、その遺産はさらに特別なものとなった。この、17世紀のドイツの天文学者であり数学者のJohannes Keplerにちなんで名付けられた宇宙探査機は、9年間も仕事をしてくれたのだ。それは、頑丈な構造と予備の燃料のおかげだった。その間に、3912の太陽系外惑星を含む、4500以上の確認済の惑星と惑星の候補を発見した。

特に重要なのは、Keplerが発見した惑星の多くが、地球と同じくらいの大きさの可能性があることだ。NASAの分析によれば、空にある恒星の20〜50パーセントは「小さな、おそらく岩石でできた惑星、それも表面に液体の水をたたえた、その恒星系の中で生命が存在可能な領域にある惑星」を周回軌道上に持っているという。実際に生命が存在する可能性もある。

Keplerは、さらに「最後の光」を撮影した後の数時間も、30秒ごとに指定したターゲットを記録し続けた。「Keplerの送信機の電源は切られ、もはや科学的情報を収集していませんが、これまでに蓄積されたデータからは、今後何年にもわたって有効な情報を引き出すことができるでしょう」と、Hawkesは書いている。

画像クレジット:NASA

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Uberの自転車シェアサービス「JUMP」は回転率が高い

昨年サンフランシスコでは、JUMPの電動アシスト自転車を6万3000人以上が62万5000回利用したと同社は今日(米国時間2/10)発表した。サンフランシスコのJUMPバイクは、1台あたり1日に平均7回利用された。ドック方式レンタル自転車業界の平均は1日あたり1~2回だ。

JUMPは昨年始めに250台の自転車を導入し、10月に250台追加した。運行台数が少ないために1日あたりの利用が多いとも考えられるが、250台から500台に増やしてからも利用状況は変わっていないとJUMPは言っている。

現在サンフランシスコにはFord GoBikesが1200台あり5500人のアクティブ利用者がいる。昨年Ford GoBikesの総利用回数は140万回だったと市交通局は報告している。10月時点での利用回数は、Ford GoBikesが1台あたり1~2回なのに対してJUMPは8~10回だった。業界全体でみると、ドック方式では1日1台あたり平均1~2回利用されたと2017年の全米都市交通協会の報告書に書かれている。

その一方で、JUMPの利用によって、Uberの利用回数は減り続けている。昨年7月、Uberは自動車利用回数が10%減ったのに対して、JUMPとUberの合計は15%増だった。

「調査結果が公開された7月以降も、傾向は変わっていない」とJUMP CEO Ryan Rzepeckiはブログに書いた。「全体(Uber + JUMP)の利用が増えるなかで、Uber車の乗車は減っていて、ピーク時には、UberアプリでJUMPを使い始めたユーザーのUber乗車がさらに減っている。

数ヶ月前、JUMPは4G機能を搭載した次世代電動アシスト自転車を発表した。ほかにも内蔵診断システム、引き込み式ケーブルロック、スマートフォン用マウントなどを備えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プライバシーは「コモンズ」である

「コモンズ(入会/いりあい)とは、ある社会のメンバー員全員が利用できる文化的および天然の資源のことであり」、とWikipediaは言う、「共有であって私有ではない」。われわれは広告テクノロジーと共生関係にある監視資本主義の時代に生きている、と私は言う。つまり、プライバシーは単なる美徳でも価値でも商品でもない:それはコモンズである。

あなたは不思議に思うに違いない。プライバシーは〈定義からしても〉プライベートに所有されるものではないのか? どこかの13歳(と彼女の親権者)が彼女のプライバシーをFacebookに月額10ドルで売ると決めたことが、あなたや私、ましてや社会全体に何の関係があるというのか? たしかに、ティーンエージャーのルート証明を求めるのはいかがわしいと思うだろうが、もし〈大人〉が自分のプライバシーを売るとしたら、それは純粋に本人だけの問題ではないのか?

答は、問題ない、正確には、問題とは限らない。数が多くなければ問題はない。プライバシーの商品化が社会全体に影響を与えはじめなければ問題なない。プライバシーは投票に似ている。個人のプライバシーも個人の投票も、ふつうは本人以外にはほとんど無関係だが、個人のプライバシーが〈蓄積〉したり、なくなることは、個人の投票が蓄積するのと同様、とてつもなく大きな影響を及ぼす。

以前私はこう書いた。「こうした情報の蓄積は、蓄積された情報の中身、そして蓄積されていること自体が、『個人のプライバシー』問題なのではなく、大きな公共セキュリティの問題なのだ。これに関し、少なくとも3つの問題がある」。

  1. プライバシーの欠如は個人の思考の不一致に抑制効果をもたらす。プライベート空間とは社会の実験用ペトリ皿のようなものだ。プライバシーがないことは社会が認めないものの実験は一切できないことを意味している。違法である場合はなおさらだ。(ちなみに私の最近の記憶の中には、マリファナや同性愛のように、「今は違法」という長い長い歴史が、社会の権威主義が薄れるにつれて「明日は容認」」に変わりつつあるものが含まれている)。
  2. もしプライバシーが商品になると、金持ちだけのものになり、その金持ちはこの情報を非対称に利用して、現状を打破しようとする人々を脅したり迫害して、現状維持しようとする。
  3. 蓄積したプライベートデータは、大規模な世論操作に使われることが可能であり、おそらく使われるようになる。ケンブリッジ・アナリティカはとんでもない詐欺師だったが、そう遠くない未来には、彼らがクライアントに約束していたことが現実になりかねない。François Chollet[フランソワ・ショレ]がこう書いている、「AIに関して本当に心配していることがあるので注意を喚起したい。AIによって非常に有効かつ非常にスケーラブルな人間行動の操作が可能になり、企業や政府による悪意の利用の恐れがあることだ」

われわれのプライバシーは〈個別〉ではほとんど意味を持たないかもしれないが、〈集合〉になると決定的に重要なコモンズになる、と結論を下してよいかもしれない。何であれ個人のプライバシーを食い荒らすもの、とくに大規模なものは、そのコモンズにとって脅威だ。

私は、一人の人間がすべての行動のルート証明を月額20ドルでFacebookに売ることが、大きな社会問題になるとも、そうすることが倫理的に間違っているとも言っていない。個人のプライバシーを売ることは、まったく筋の通った正当な個人の判断かもしれない。公園で牛に牧草を食べさせることが、牛にとっても飼い主にとっても大いに意味があるのと同じように。

私が言っているのは、プライバシーを安く売ることは、社会にとっては、無償で差し出すことと変わらないということだ。実際には、もしプライバシーの商品化がコモンズの崩壊を加速するのであれば、むしろもっと悪い。同様に、繰り返しになるが、個人の投票は事実上あまり重要になることはないが、一企業が市民の投票権を月額20ドルで買ってもいいと思うだろうか? もしわれわれがプライバシーをコモンズとして守りたいなら、いや実際守りたいのだから、それを監視資本主義者に売ってもよい個人資産などと考えることはできない。プライバシーは、そしてわれわれは、それよりずっと大切なのだから。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook