動画プロフィールアプリ「Lifestage」はFacebookが放つティーン専用アプリ

facebook-lightstage

「もしも2004年当時のFacebookを2016年に持ってこられたなら?もしもプロフィールの内容がすべて動画で表示されたら?」と問うのは19歳にしてFacebookのプロダクトマネージャーを務める神童、Michael Saymanだ。

そしてその答えこそが8月19日にFacebookがローンチした独立型のiOSアプリ「Lifestage」(ライフステージ)だ。このアプリは21歳以下のユーザー向けで、幸せな顔、悲しい顔、好きなもの、嫌いなもの、親友、ダンスのスタイルなどを質問してくる。プロフィールの質問はテキストで入力する代わりに、動画で撮影する。Lifestageはアップロードされたビデオクリップを動画プロフィールの形にし、他のユーザーに公開する。

Lifestageのダウンロードは技術的にはだれでも可能だが、22歳以上のユーザーは自分のプロフィールしか表示できない。なぜならこのアプリはあくまでも高校生が自分のクラスメイトについてもっと良く知るために作られたからだ。迷惑行為などがあった場合には、画面をすばやくスワイプするだけでブロックや報告もできる仕様になっている。

Lifestage_LikesDislikes

サインアップ時にFacebookアカウントは不要で、在籍する高校を選択すると同じ学校のほか、近隣の学校へ通う他のユーザーたちの動画プロフィールが表示される。人気の秘密は、 Lifestageには同じ学校に通うユーザーが20人集まらないと他の人のプロフィールを表示しない仕組みになっている。こうすることで友達にも参加するように口コミが拡がる。これらはすべて、Facebookが最初にローンチし、学校から学校へと広まっていった過程を模倣している。たしかに周りでだれも使っていないソーシャルアプリほどつまらないものはない。

Appストアのシンデレラ

Saymanは、一流大卒で30歳前後の典型的なプロダクトマージャーではない。彼はペルーとボリビア出身の両親のもと、マイアミで育った。13歳のとき、Googleで探したチュートリアルを見ながらプログラミングを独学した。最初に作ったプロダクトは「Club Penguin(クラブペンギン)」というゲームの攻略法を紹介するアプリで、これで月に何千ドルも稼いだ。この収入のおかげで自分たちの家が差し押さえになった後にも、不景気の中で家族をやしなうことができたという。彼の人生遍歴については、Carmel DeAmicが書いたSaymanとのインタビュー記事で詳しく触れられている。

 

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Michael Sayman(Facebookプロダクトマネージャー/Lifestageの生みの親)

Saymanの一大チャンスは、妹が友達と写真を送信しあって、その写真が表す言葉を電話越しに当てっこしている様子をまた聞きした時に降ってきた。これにインスピレーションを得て作ったのが「4Snaps」という写真ジェスチャーゲームのアプリだった。マーケターであるInstafluenceとのレベニューシェア提携のおかげで、4Snapsは単語ゲームチャートで第一位になり、数百万ユーザーを擁する人気アプリになった。

その頃までには、4SnapsはParse(Facebookが所有するモバイル向けバックエンドホスティングサービス)の無料利用枠を超える勢いになっていた。そこでSaymanは4Snapsの運営を続けられるよう、巨額のディスカウント交渉を持ちかけた。しかしマーク・ザッカーバーグは代わりにSaymanをFacebookに遊びに来るよう招いたうえで、同社のF8カンファレンスでの特別なプレゼンテーションを作ってくれるよう頼み、最終的にインターンにならないかともちかけた。

Saymanはこの2年を、ソーシャルネットワークについて学び尽くし、Lifestageのアイディアを思いついた。彼は「実世界で自分の周りにいるような人々の層が共感できるような、少なくとも自分の友人たちが使いたくなるようなアプリを作りたかった」と話す。そして今回、エンジニア3名と契約デザイナー1名で作り上げた新たなプロダクトがいよいよ提供開始を迎えることになった。

一人ひとりの人生にスポットライトを

Lifestageの構築にあたっては「Facebookの歩みを2004年時点まで遡りました。その当時、自分は小学2年生でしたけどね」と、Saymanが語ってくれた(若者よ、ありがとう。おかげで筆者は自分がすっかり老けたことを実感できたよ)。その当時はFacebookを立ち上げると、ニュースフィードではなく、ユーザー自身のプロフィールが表示された。Lifestageはそれと同様の動作をする。プロフィールに関連する質問がずらりと並び、動画で回答できるようになっているのだ。質問は答えれば答えるほど、次々に新しい入力項目が解除される仕組みになっている。

フィードには最近プロフィールをアップデートした同じ学校のユーザーが表示される。ユーザーをタップすると、当人によるプロフィール項目への答えを見ることができる。あるいはスワイプすれば別のセクションにスキップもできる。ちょっとしたゲーミフィケーションも盛り込まれていて、プロフィール内容を追加すればするほど上位にランクインするようになっている。その他にも最近アップデートのあったユーザーにはサングラスをかけたスマイリーの顔文字が、しばらくプロフィールの更新がないユーザーにはしかめっ面や、ひどいとウンチの絵文字が表示されるようにもなっている。

Lifestage Feed

Lifestageには、他のユーザーと直接コンタクトする手段は備わっていない。その理由についてSaymanは「私自身も友人と連絡を取る際、すでに世の中に出ているさまざまなメッセージングアプリを使っています。それで満足しているので、なぜさらに新しいものを作らなければならないのか、邪魔なだけじゃないのかと思ったんです」と説明する。なのでLifestageでは、ユーザーは名前の下に表示される「Reach Me」ボックスにSnapchatやInstagramのハンドル名を貼ったり、その他の連絡先情報を入力できるようになっている。

Facebookはティーン層がSnapchatへ流れていってしまうのではないかと懸念しているが、Lifestageならばそれを食い止めることができるかも知れない。SaymanにSnapchatについて尋ねたところ「非常にすばらしい競争相手だと思う。彼らは優れたプロダクトを作ったし、たとえば動画の領域をいかに進化させていったか等、学ぶべきことがいっぱいある」と答えた。とはいうものの、彼のアカウントはSnapchatよりもInstagram Storiesの方が投稿が多くなっていると話した。

Lifestageとしての心配は、これまでFacebookが独立型アプリでは成功例がなく、すでにPoke、Slingshot、 Paper、Notifyなどのアプリが提供終了になっていることだろう。Facebookとしては明らかに、LifestageでSnapchatを駆逐しようなどとは思っていないようで、Lifestageのプロモーションの一環として、Reach Meの文言にも「Snapchat me(スナチャはこっち)」とあるからだ。考えてみれば、FacebookがLifestageをローンチしたのもブログが一番読まれない金曜午後の時間帯だった。つまるところ、そもそも成功の兆しが薄そうな雰囲気を自ら漂わせているような気がしなくもない。

ただ、LifestageはFacebookにプロフィール機能を動画化で改善する方法について学びをもたらすかもしれない。マーク・ザッカーバーグも「動画をすべてのFacebookアプリとサービスの中核に据えたい」と話していた。FacebookはF8でプロフィール写真の動画化機能をローンチしたが、そちらの人気もまだまだのようだ。

Lifestageのアプローチは革新的だ。たとえば、お気に入りのペットは自分の飼い犬、音楽ならレディオヘッド、付き合っている相手はこの人、のように自分について書くのは簡単だ。しかし動画ならば「ありふれた文字の羅列」を超えた情報発信ができる。つまり、自分だけの「ストーリー」を語れるような、真にユニークな自己紹介が可能になるのだ。このアイディアを活用することで、Lifestageの対象ユーザーの年齢とほとんど同じ創業年数になったFacebookも、刷新を図ることができるかも知れない。

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(翻訳:Ayako Teranishi)

元NBA選手のコービー・ブライアントが1億ドル規模の投資ファンドを設立

Washington Wizards v/s Los Angeles Lakers December 14, 2010

Kobe Bryant:NBAの殿堂入りを果たし、、ベンチャーキャピタリストになる

バスケットボール選手とベンチャーキャピタリストとの間には共通点は少ない。しかし、それがバスケットボール選手としてのキャリアを終えたBryantが選んだ道だ。

Wall Street Journalが報じたところによれば、Bryantは投資家のJeff Stibelとタッグを組んで1億ドル規模の投資ファンドを設立したようだ。テック企業が主な投資対象となる。BryantとStibelはこれまでにも非公式で共同出資を行うなど親密な仲ではあったが(2013年以降に出資した企業は15社にもなる)、今回「Bryant Stibel」という投資ファンドをロサンゼルスに設立し、公式にVC業界の仲間入りすることになったのだ。

Wall Street Journalの記事によれば、2人の投資ファンドの主要投資対象はテック、メディア、データ企業であり、「今後数年間は」投資活動を続けていく予定だという。また、この投資ファンドはBryantとStibel本人から拠出された資金で運営されており、「外部の投資家をメンバーに加えることは、今のところ考えていない」と報じられている。

ソーシャルメディアを通じてダイレクトにファンと交流する姿が印象的なBryantは、Wall Street Journalとのインタビューの中で、自分には将来有望な起業家を嗅ぎわける才能があると思うと語っている。

ファンドの名前はさておくとして、この投資ファンドはKobe Bryantの名前を冠した「ショー」ではないとStibelは説明する。

「かの有名なKobeの名前をスタートアップの”推薦人”として利用するような投資ビジネスをするつもりはありません。それでは面白くない。重要なのは本物のバリューを企業に加えることなのです」と、過去にはWeb.comなどを設立した経歴をもつStibelは語る。

過去にスポーツ選手が立ち上げたファンドのなかでも、ひときわ注目が集まるのがBryantの投資ファンドだろう。しかし、スポーツ選手が投資ファンドを立ち上げた例はこれが初めてではない。スタートアップへの出資やマネージメントに関わるアスリートには、Shaquille O’Neal、現役で活躍するCarmelo Anthony、Steph Curryなどがいる。

Carmelo AnthonyはNew York Knicksに所属するスター選手としての顔を持つかたわら、Melo7 Tech Partnersという投資ファンドの創立者としての顔も持つ。彼には昨年開催されたTechCrunch Disruptにも参加してもらっている。一方で、Steph Curryはコンテンツ・マネージャーとして画像検索のSlyceに参画しており、来月に開かれるDisrupt San Franciscoでは彼にSlyceでのプロジェクトについて語ってもらう予定だ

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

Sonyの500ドルのインダッシュレシーバーはAndroid AutoとCarPlayをサポートして値頃感あり

399518

Sonyの、ダッシュボード埋込み型(in-dash, インダッシュ)カーステレオXAV-AX100は、あなたの車にAndroid AutoやCarPlayを安上がりに導入するためのベストの方法かもしれない。11月末に、499ドル99セントで発売される同機は、6.4インチ800 x 480のタッチスクリーンを搭載、NFCとBluetoothとaux入力をサポートし、また音声入力を起動する専用ボタンがある。

このXAV-AX100は、仕様を見るかぎり、競合機に比べて明白なアドバンテージがいくつかある。Pioneerの、仕様的にいちばん近い競合機はAppRadio 4かと思われるが、こちらは6.2インチのスクリーンで物理ボタンがなく、CarPlayしかサポートしていない。お値段は600ドルだ。Alpineにも、これぐらいから上の価格の製品がある。

デバイスを特定せず、値段が手頃な、タッチスクリーンをぜいたくに奮発したインダッシュレシーバーを出す、というSonyの決定は賢明だ。カーステレオに代表されるような各種二次製品はメーカー数も多く、とくに初期は競争が激しかったが、このところ、それほど飛び抜けた強力な製品はない。Sonyは、そこに目をつけたようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

3Dプリントしたローラーで、エンボス名刺を作ろう

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相手の目の前でプリントして渡す名刺に勝るものはない。この3Dプリンター製名刺ローラーは、まさにそれをやってくれる。

作り屋のPaul Myersが作った「エンボサー」は、3Dプリントしたローラーの間に紙を通してエンボス名刺を作る。3Dプリントのプロジェクトはここで見られるが、Myersはカスタマイズしたエンボサーの製作・販売も行っている。

自分用のを作るためには、3Dモデリングの知識が多少なりとも必要になるが、TinderCADまたはSketchUpを少しいじれれば、およそどんな種類のカードでも作れそうだ。ローラーを回するのにいくらか忍耐力が必要になるが、Myersはスケートボードのベアリングを使っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppFormixの総合クラウド監視最適化サービスが監視対象として仮想化ネットワークをサポート

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AppFormixは、Rackspaceなどのクラウドプラットホームを利用する企業の、OpenStackおよびコンテナベースのクラウド上のシステム監視し最適化する。その同社が今日、そのサービスにvirtualized network functions(VNF, 仮想化ネットワーク機能)*のサポートを加えた、と発表した。〔*: 日本では言葉として、NFV(Network Function Virtualization, ネットワーク機能の仮想化)の方がよく使われるようだ。〕

これまでのネットワーキングは、高度な専用ハードウェアを駆使するシステムだったが、しかし最近では徐々に、ありふれた日用品のようなコンピューターの上でソフトウェアを動かしてネットワークを実現するようになった。ハードウェアに要する費用は激落した。ただしネットワーキングという機能は、とくに通信業界などではレイテンシー(遅延)に敏感だ。しかもこの業界はVNFの主要ユーザーのひとつであり、またOpenStackのユーザー企業がとても多い。しかし、厳しくチューニングされた専用ハードウェアではなく、安価な日用品的コンピューターを使うと(そのままでは)、遅れやジターといった問題に悩まされがちだ。

AppFormixの協同ファウンダーでCEOのSumeet Singhによると、同社のサービスを利用するとジターを最大70%減らせる。彼は述べる: “VNFはまだ新しい技術だが、通信企業はこれによりネットワーキングをハードウェアからソフトウェアへ移行させようとしている。そして問題にぶつかる。弊社のサービスは一種のリアルタイムシステムで、これら仮想化ネットワークの状態…あらゆる性能要素…を常時監視し、分析し、その結果に基づいて最適化する”。

VNFの場合、最適化とは、ワークロードの構成やリソースの割り当てを変えることだ。AppFormix自身の調査によると、CPUの割り当てはジターにあまり影響しない。むしろ、問題の原因は多くの場合、キャッシュやメモリの使い方にある。たとえばAppformixのサービスがキャッシュの割り当てを適正化すると、ジターは減少する。

Singhが強調するのは、仮想化ネットワーキングの常時監視と最適化が重要なのは通信企業だけでなく、ユーザーを満足させる迅速なネットワーキングサービスをコンスタントに提供しなければならないeコマースなどでも重要、という点だ。

AppFormixの総合的なクラウド最適化サービスにVNFのサポートが加わったことにより、OpenStack(によるクラウド)とKubernetes(によるコンテナ管理)をベースとするクラウドシステムのユーザー企業はより安心して、ネットワーキングのソフトウェア化に取り組めるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

980円から購入できるStroboのスマート窓センサー「leafee mag」ーーMakuakeに登場

Strobo代表取締役の業天亮人氏

Strobo代表取締役の業天亮人氏

Stroboは8月23日、IoT窓センサー「leafee mag(リーフィー・マグ)」の先行予約をクラウドファンディングサイト「Makuake」にて開始した。同社はこれまで、姿勢改善をサポートするスマホ連動型スマートクッション「クッシーノ」の開発など、オフィス向けのIoT製品の開発が事業の中心になっていたが、今後はコンシューマー向けのIoT製品の開発にも事業の裾野を広げていく。

leafee magは、Bluetoothでスマートフォンと連動するスマート窓センサー。窓にセンサーを貼り、鍵部分に専用マグネットを取り付けるだけで自宅の窓の戸締まりをスマートフォンから確認できるようになる(※鍵を閉めることは不可能)。これにより、朝、家を出るときに誰もが感じたことのある、「窓の戸締まりしたかな?」という日常生活の不安が解消される。

どうやって窓の戸締まりを検知するのか? 仕組みは非常にシンプル。センサーと専用マグネットの距離を測って、戸締まりができているかを確認。距離が10mm以内であれば閉まっているいると認識され、10mm以上離れれば開いていると認識される。

leafee magの利用イメージ

leafee magの利用イメージ

 

これだけ見れば、「また似たようなIoT製品が登場したのか」と思うかもしれない。確かにスマートホームを可能にするIoT製品は、すでに数多く誕生してきているが、leafee magは導入のハードルが既存製品に比べて低く、そして安価だ。

使用にあたって、必要なものはスマートフォンだけ。既存のIoT製品はブロードバンド回線やルーターといった機器を用意しなければならなかったが、leafee magは先立って準備しておくべき機器が一切ない。価格も1000円台(Makuakeでは980円から販売)と誰もが気軽にモノとインターネットがつながった生活を体験できるようになる。

既存のIoT製品は導入のハードルが高すぎる

この手軽さ、低価格を実現した背景には代表取締役である業天亮人氏のIoT製品への強い思いがあった。

「Stroboを創業する前にもインターネット家電メーカーを起業し、IoT製品の開発を行っていました。自分たちの中では、『これは上手くいく』という感覚があったのですが、蓋を開けてみたら、思ったように普及していきませんでした。なぜ上手くいかなかったのか、その原因はハードルの高さにありました。その製品はルーターやインターネット回線も用意していただければいけなかったですし、何より価格を1万円以上に設定していた。それでも当時は安い方だったんですけど、やはり導入のハードルが高いと誰も必要としないんだなと思いました」(業天氏)

この経験があったからこそ、誰もが気軽にモノとインターネットがつながった便利な生活を体験してほしいと強く思うようになり、価格1000円台のスマート窓センサー「leafee mag」が誕生したという。

「IoTによって、生活はもっと便利に、そして豊かになると思っています。しかし、まだまだコンシューマー向けのIoT製品のハードルは高い。僕たちのleafee magが、そんな状況を変えていく第一歩になればと思っています」(業天氏)

ユーザーの反応も上々、想定外の使い道も

すでにleafee magのユーザーテストは済んでおり、ユーザーの反応も上々とのこと。このユーザーテストによって、窓に取り付けるだけでなく、エアコンに取り付けたり、冷蔵庫に取り付けたり、様々な使い道があることも発見されたという。

「まさか、エアコンや冷蔵庫に取り付ける使い方があるとは思ってもみませんでした。でも、このユーザーテストを通じて、多くの人がモノとインターネットがつながった生活に便利さを感じていることも分かりました」(業天氏)

Stroboはまず、Makuakeでのプロジェクトの成功を目指す。ただし、プロジェクトに関わらず、モノとインターネットがつながった便利なライフスタイルを提供するためにも、コンシューマー向けのIoT製品の開発は今後も進めていくという。

エアコンや冷蔵庫に利用するケースも

エアコンや冷蔵庫に利用するケースも

Linux、25歳の誕生日おめでとう

Linus Torvalds was the designer of the open-source operating system Linux.

Linuxは8月25日で25歳になる。Linus Torvaldsが新しいオペレーティングシステムへの協力を求める運命的メッセージを送った日だ。「386(486)AT互換機用に(フリーの)オペレーティングシステムを作っています(単なる趣味でgnuのように大きくてプロフェッショナルなものにはならないでしょう)。4月から作り始めて、そろそろ準備が整うところです。minixの好きなところ嫌いなところを教えてもらえたら幸いです。なぜなら私のOSはいくらかminixに似ているからです(例えば、ファイルシステムの物理的配置は(現実的な理由から)minixと同じです)」と、Torvaldsは comp.os.minix にメッセージを送った。後は、みなさんご存じの通りだ。

Torvaldsのメッセージで特に興味深いのは、みんなが興味をもって迎え、悪意のコメント等がなかったことだ。それはTorvaldsが、潜在ユーザーに見せられる製品を既に持っていたからだとも言えるが、1991年のインターネットが今とは全く違っていたことも思い出すべきだろう。

つい最近Linux Foundationは、Linux OSに関する詳細なレポートを公開し、そこには過去25年間のハイライトも載っている。それによると、プロジェクトが2005年にGitで公開されて以来、1300社、1万3500人のデベロッパーがカーネルの開発に寄与してきた。もっと面白いデータ?

「3.19から4.7リリースの間、カーネルコミュニティーは1時間当たり平均7.8件のパッチを発行して修正を加えた。この報告書の前の版に書かれていた7.71件からわずかに増えており、パッチの量は長期的に増加傾向を続けている」。つまりそれは、Linuxカーネルにはほぼ定常的にパッチが当てられていて、そうした修正はみな、インターネットのつながりを発展させることに専心する多くの有志プログラマーによってなされていることを意味している。

報告書全文はここで読むことができる。

今やLinuxは、訪問するほとんどのウェブサイトで走り、ガソリンスタンドのポンプからスマートウォッチまであらゆる物の中で動いでいる。Raspberry Piのおかげで、子供たちにプログラムを教えるにのも使われ、フランス警察が数百万ユーロ節約するのにも役立った。 何しろあのMicrosoftでさえLinuxのコードを公開しているのだから。勝てないなら、仲間になれ、だ。

Linuxの歴史をもう少し深く知りたい人には、”Rebel Code” と “Just For Fun” をお薦めする。この2冊はLinuxが有名になり始めた頃に発行され、Torvaldsの魅力的な逸話と、「大きくてプロフェッショナル」でない側面が描かれている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft、従業員のシフト管理を楽にするアプリ「Project Sonoma」を検証中

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Microsoftは静かに新たなプロダクティビティアプリ「Project Sonoma」を Google PlayiTunes App Storeの両方にリリースした。一般的なオフィス勤務以外で働く人たち向けのアプリだ。つまりシフトワーカーやウェイターを始めとする常に勤務スケージュールが変動する働く人たちに向けたアプリで、同僚とのチャット機能も備えている。

MicrosoftはまだProject Sonomaに関する公式発表を行っていないし、アプリも一般には公開されていない。Microsoftはこのアプリはプライベート・プレビュー版であると伝え、テスト検証に参加したい企業に向けたウェイトリストを用意している。

コードネームのように聞こえる「Project Sonoma」という名称が、最終的にこのアプリの名前に落ち着くかどうかは分からない。チームでのチャット機能を強調していて、Slackの簡易版のような印象も受ける。しかし、このアプリの最大の目的は、従業員のコラボレーションではなく勤務スケジュールの管理だ。

アプリのメイン画面には、3つのセクションがある。My Shifts(私のシフト)、Requests(リクエスト)とMessages(メッセージ)だ。最初のセクションから従業員は勤務スケジュールを記録したり、次の勤務予定を確認したりすることができる。リクエストからは、勤務スケジュールの変更を依頼したり、他の従業員と勤務時間を交換することができる。メッセージはチームで使えるシンプルなチャット機能で、マネジメント担当者から重要な連絡を更新したり、同僚に質問をしたり、仕事仲間とチャットしたりすることができる。

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Project SonomaはMicrosoftが行った小規模な買収、あるいはアクハイアの成果なのではないかという憶測も聞かれる。Google Playを見ると、アプリのURLにおけるパッケージ名には「shiftr」の文字がある。これは、Ludek DolejskyとAdrian Deanが立ち上げたシドニーに拠点を置くアプリ「Shiftr」と同じ名前で、これも従業員のスケジュール管理を行うためのアプリだった。

彼らのウェブサイトは閉鎖され、今は空白のページに飛ぶだけだ。Shirfrはいくらかシード資金を調達し、その出資元にはSenseDocのファウンダーであるSteen Anderssonも含まれていた。彼はMicrosoftに自ら立ち上げたモバイルマーケティング会社「5th Finger AU」を売却している。それを考えると、MicrosoftがShiftrも買収していたという可能性もなくはないだろう。だが、Microsoftはそれを否定している。

スポークスパーソンには下記のように伝える。

Project Sonomaは、従業員とマネージャーがスマホから勤務シフトを確認したり、管理したりするためのアプリで、限られたグループのカスタマーと検証している段階です。テストフェーズの参加にサインアップした企業の社員はアプリをインストールして使用することができます。現在テストに参加している会社名や社数を公表する予定はありません。

私たちは常に人々の仕事を促進するソリューションの創造と構築に努めています。現段階で公表できるアプリの利用開始時期や詳細はありません。ただ、Project SonomaはMicrosoft内でゼロから開発したものであり、買収を元にしているものでないことはお伝えできます。

ブログメディアMspoweruser.comが最初にプレビュー版アプリをGoogle Playで見つけた。アプリは数日前にGoogle Playにアップデートされたが、iOS版は6月10日から公開している。

また、とても簡素なProject Sonomaのウェブサイトもあるが、アプリのテスターに応募するためのサインアップ方法とウェイトリスト参加方法以外の情報はあまり掲載していない。

本日、Microsoftは他にもソフトウェアのスケジュール管理を改良するという、このアプリと関連した動きを発表した。チャットボットGeneeの買収を経て、Officeのスケジュール機能を改良している。スケジュール管理はプロダクティビティにおいて重要なもので、それはカレンダーのインターフェイス以外で行う方法も複数あることだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website

マッチングサービス「CROSS ME」は“すれ違い”をきっかけに出会いを提案する

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pairs」「Omiai」「タップル誕生」といったサービスの躍進も追い風となり、認知が広がっているマッチングサービス。この領域にまた新たなプレーヤーが登場した。サイバーエージェント傘下のプレイモーションは8月23日、マッチングサービス「CROSS ME(クロスミー)」の提供を開始した。

CROSS MEのコンセプトは「すれ違いの恋をきっかけにするアプリ」。アプリをインストールし、FacebookやTwitterアカウント、SMSでの認証をしてユーザー登録をすれば、あとはアプリを立ち上げなくても自動で他のユーザーと「すれ違い」が可能になる。同じタイミングに同じ場所にいた異性ユーザーは「すれ違い」リストに「いつ、どのあたりで、何回すれ違ったか」までが表示される。そのリストの中で気になる異性がいれば「いいね!」を送ることができる。お互いが「いいね!」を送り合えば2人でメッセージをやり取りすることが可能になる。

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位置情報は起動時および基地局の変更時に取得している。位置情報は町名までを取得。実際の「すれ違い」を判定する距離などは非公開で、今後利用動向を見てチューニングしていくという。ユーザーによっては夜間など自分の位置情報を伝えたくない時間帯もあるだろうが、あらかじめ設定しておけば、特定の時間帯に位置情報を送信しない機能も備えている。ユーザー検索機能も用意するが、基本的にはすれ違ったユーザーとのコミュニケーションを前提としているという。

プレイモーション代表取締役の平松繁和氏

プレイモーション代表取締役の平松繁和氏

ターゲットとするのは20代半ばまでの比較的若い世代。「同じ学校ですれ違ったのか、電車に乗る際にすれ違ったのかという偶然にドキドキして欲しい。恋活、婚活といったテーマのマッチングサービスもあるが、恋のきっかけとして利用して欲しい」(プレイモーション代表取締役の平松繁和氏)。若いユーザー層の利用を想定してFacebook以外にTwitterでの認証も導入したという。ただし24時間体制での監視を導入し、安全性を担保するという。

サイバーエージェントグループと言えば、冒頭で紹介したタップル誕生も提供しているが、ターゲットの属性が異なるため(タップルの方が上の世代をターゲットにしている)、競合ではなく補完関係にあるサービスだと説明する。

メッセージを往復する際に男性に料金がかかる。料金は最大で月額3800円だが、22歳の3月になるまでのユーザーに限定して月額600円の「学割」を導入する。今後はまず首都圏に限定してプロモーションを強化していく。

Nianticの「ポケモンGO」が登場して以降、改めて注目を浴びている“位置情報系”のサービス。果たしてマッチングという領域でも新しい価値を生み出せるだろうか。

Analogue Nt miniはファミコンの歴史に対する心からのオマージュだ

battletoads

Analogue Nt miniは、NESではない*。よりも、良い。Christopher Taberが作ったこいつは、これだけで立派なアートだ。ケースはアルミニウム剛体の削りだし加工〔鋳造?〕で作られていて、内部にはいっさいの妥協のないゲーム体験が詰まっている。これまで、エミュレーションソフトで我慢してたのとは、大違いだ。〔NES, Nintendo Entertainment System, 初代ファミコン。〕

彼が最初に作ったNTよりは、Nt miniはやや小さい。NTは今年の初めに売り切れてしまったが、大きくてお値段も579ドルと高かった。Nt miniは449ドルだから決してお安くはないが、ビデオ出力が改良され、アドオンがなくても1080pのRGBを出力できる(+HDMI)。コントローラーは、下図でお分かりのようにワイヤレスだ。しかもコントローラーの受信部は、PS4, PS3, Wii, Wii U Proなどのコントローラーも読める。

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Analogue Nt miniは2017年1月が発売予定で、初代のNTより20%小さい。コントローラーのデザインは初代ファミコンとまったく同じで、NES Zapper(ファミコン光線銃)もつく。ファミコンおよびファミリーコンピュータディスクシステムのゲームをそのままプレイできる。

任天堂のNES Classic Editionは59ドル99セントとお安く、しかもゲームが30本ついてくる。でもそれは、このAnalogueの力作と比べると、 Bugatti(ブガッティ)の横に置いたHonda Civicだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Analogue Nt miniはファミコンの歴史に対する心からのオマージュだ

battletoads

Analogue Nt miniは、NESではない*。よりも、良い。Christopher Taberが作ったこいつは、これだけで立派なアートだ。ケースはアルミニウム剛体の削りだし加工〔鋳造?〕で作られていて、内部にはいっさいの妥協のないゲーム体験が詰まっている。これまで、エミュレーションソフトで我慢してたのとは、大違いだ。〔NES, Nintendo Entertainment System, 初代ファミコン。〕

彼が最初に作ったNTよりは、Nt miniはやや小さい。NTは今年の初めに売り切れてしまったが、大きくてお値段も579ドルと高かった。Nt miniは449ドルだから決してお安くはないが、ビデオ出力が改良され、アドオンがなくても1080pのRGBを出力できる(+HDMI)。コントローラーは、下図でお分かりのようにワイヤレスだ。しかもコントローラーの受信部は、PS4, PS3, Wii, Wii U Proなどのコントローラーも読める。

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Analogue Nt miniは2017年1月が発売予定で、初代のNTより20%小さい。コントローラーのデザインは初代ファミコンとまったく同じで、NES Zapper(ファミコン光線銃)もつく。ファミコンおよびファミリーコンピュータディスクシステムのゲームをそのままプレイできる。

任天堂のNES Classic Editionは59ドル99セントとお安く、しかもゲームが30本ついてくる。でもそれは、このAnalogueの力作と比べると、 Bugatti(ブガッティ)の横に置いたHonda Civicだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

カーボンナノチューブを使って、高速CPUと長寿命バッテリーを作る

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カーボンナノチューブは、いわゆる超素材の一つであり ― 直径1~2 nmの管 ― スーパーコンピューターから超低消費電力スマートフォンまで、夢見る応用分野が山ほどある。問題は、製造が困難なことで、こうした応用分野の商品化には10~15年は必要だ。

ナノチューブは管状の分子構造で、単一の元素(通常は炭素)から成る。中でもカーボンナノチューブ(1991年に偶然発見された)は、並外れた電気特性と機械的特性で知られている。

こうした特性はナノチューブの構造に起因する。ナノチューブでは、炭素原子が六角形配列から成るらせん状に配置されている。よく見るハチの巣を思い浮かべてほしい。あのロウでできた六角形の小部屋の集まりだ。次にこのハチの巣構造を小さな円筒形のロールにしたところを想像してほしい。のり巻きの2500万分の一以下の大きさだ。こうしてカーボンナノチューブのワイヤーが出来上がる。

この「ハチの巣状ロール」の対称性と極小の直径が相まって電子状態密度に著しい変化をもたらし、ナノチューブに独特な電子的性質を与える、とPulickel M. Ajayan、Otto Z Zhou両教授は書いている

応用の可能性は膨大だ。例えばMITの研究者らはウェアラブルな毒物センサーをカーボンナノチューブ満載の回路を基に開発した。コンピューターが少ない消費電力で高速に走らなくてはならない世界で、カーボンナノチューブは、極小トランジスタとしてシリコンよりも高い性能を約束する。

「カーボンナノチューブは、シリコンを補完する候補として理想的」とスタンフォード大学コンピュータ・サイエンス学科で電子工学を教えるSubhasish Mitra准教授は言う。

Mitraは同僚で同大学電子工学教授のH.-S. Philip Wongと共に、IBMをはじめとする共同研究先と協力して、カーボンナノチューブを用いた新世代のコンピュータを開発している。目標は、カーボンナノチューブを利用して、電力消費効率を高めたコンピュータのプロトタイプを作ることだ。

「シリコン製トランジスタをカーボン製トランジスタで置き換えれば、エネルギー効率が最大1000倍向上する」とMitraは言った。

スマートフォンもコンピュータである、とMitraは言う。「理想的ワトソンマシンの計算能力を持つスマートフォンが実現するかもしれない。何百万ものセンサーがデータを収集し、それを使ってスマートフォンが膨大な計算を行う場面も考えられる」。もし大規模なコンピューター能力を提供できればそのために金を出す人はいる、とMitraは言う。この新世代スマートフォンは、今より30倍速く、充電は月に1回でよくなるかもしれない。

「モノのインターネットとそれ以降」への応用に言及した後、Mitraはカーボンナノチューブの基礎研究と、製品化との相違を強調した。研究は進んでいるものの、おそらくスマートフォンメーカーは、「絶対的確信」がない限り新しい物には飛びつかない。メーカーが早くこれを使って実験を始めてくれることを願っている」とMitraは言った。

10~15年が、商品化の現実的なスケジュールだ、とMitraは言った。

カーボンナノチューブの製造方法は大きな課題だが、他の大学が実現に向けて動いている。例えばライス大学の研究所では、Teslaforesisと呼ばれるプロセスでカーボンナノチューブを自己生成させる方法を発見した。

「私たちはこの電界の中でナノチューブ同志が自らつながってワイヤーを作ることを発見しました」とライス大学の化学准教授、Paul Cherukuriが同大学の公開しているビデオで語った、「これからここで新しい科学が生まるのです」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

カーボンナノチューブを使って、高速CPUと長寿命バッテリーを作る

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カーボンナノチューブは、いわゆる超素材の一つであり ― 直径1~2 nmの管 ― スーパーコンピューターから超低消費電力スマートフォンまで、夢見る応用分野が山ほどある。問題は、製造が困難なことで、こうした応用分野の商品化には10~15年は必要だ。

ナノチューブは管状の分子構造で、単一の元素(通常は炭素)から成る。中でもカーボンナノチューブ(1991年に偶然発見された)は、並外れた電気特性と機械的特性で知られている。

こうした特性はナノチューブの構造に起因する。ナノチューブでは、炭素原子が六角形配列から成るらせん状に配置されている。よく見るハチの巣を思い浮かべてほしい。あのロウでできた六角形の小部屋の集まりだ。次にこのハチの巣構造を小さな円筒形のロールにしたところを想像してほしい。のり巻きの2500万分の一以下の大きさだ。こうしてカーボンナノチューブのワイヤーが出来上がる。

この「ハチの巣状ロール」の対称性と極小の直径が相まって電子状態密度に著しい変化をもたらし、ナノチューブに独特な電子的性質を与える、とPulickel M. Ajayan、Otto Z Zhou両教授は書いている

応用の可能性は膨大だ。例えばMITの研究者らはウェアラブルな毒物センサーをカーボンナノチューブ満載の回路を基に開発した。コンピューターが少ない消費電力で高速に走らなくてはならない世界で、カーボンナノチューブは、極小トランジスタとしてシリコンよりも高い性能を約束する。

「カーボンナノチューブは、シリコンを補完する候補として理想的」とスタンフォード大学コンピュータ・サイエンス学科で電子工学を教えるSubhasish Mitra准教授は言う。

Mitraは同僚で同大学電子工学教授のH.-S. Philip Wongと共に、IBMをはじめとする共同研究先と協力して、カーボンナノチューブを用いた新世代のコンピュータを開発している。目標は、カーボンナノチューブを利用して、電力消費効率を高めたコンピュータのプロトタイプを作ることだ。

「シリコン製トランジスタをカーボン製トランジスタで置き換えれば、エネルギー効率が最大1000倍向上する」とMitraは言った。

スマートフォンもコンピュータである、とMitraは言う。「理想的ワトソンマシンの計算能力を持つスマートフォンが実現するかもしれない。何百万ものセンサーがデータを収集し、それを使ってスマートフォンが膨大な計算を行う場面も考えられる」。もし大規模なコンピューター能力を提供できればそのために金を出す人はいる、とMitraは言う。この新世代スマートフォンは、今より30倍速く、充電は月に1回でよくなるかもしれない。

「モノのインターネットとそれ以降」への応用に言及した後、Mitraはカーボンナノチューブの基礎研究と、製品化との相違を強調した。研究は進んでいるものの、おそらくスマートフォンメーカーは、「絶対的確信」がない限り新しい物には飛びつかない。メーカーが早くこれを使って実験を始めてくれることを願っている」とMitraは言った。

10~15年が、商品化の現実的なスケジュールだ、とMitraは言った。

カーボンナノチューブの製造方法は大きな課題だが、他の大学が実現に向けて動いている。例えばライス大学の研究所では、Teslaforesisと呼ばれるプロセスでカーボンナノチューブを自己生成させる方法を発見した。

「私たちはこの電界の中でナノチューブ同志が自らつながってワイヤーを作ることを発見しました」とライス大学の化学准教授、Paul Cherukuriが同大学の公開しているビデオで語った、「これからここで新しい科学が生まるのです」。

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中国で4位に転落のXiaomi、アメリカ市場参入を諦めず

2016-08-23-xiaomi

新興スマートフォン・メーカーとして注目されたXiaomi〔小米〕だが、このところ本国市場は苦難の道だ。先週IDCのレポートによれば、中国のスマートフォン市場の出荷台数でXiaomiは大きくシェアを落とした。首位から一気に4位に転落し、トップは同じく中国のHuaweiに奪われた。

それでもXiaomiは国際市場、特にアメリカに進出する夢を捨てていない。しかしAppleとSamsungが圧倒的なシェアを占めるアメリカは新規参入が格別に難しい市場だ。

Bloombergのインタビューに答えて、副社長のHugo Barraは困難を認めつつもアメリカ進出の計画を再確認した。Barraは「この市場は非常に重要だ」と述べる一方、同社はインドとインドネシアへの進出、それにもちろん中国にも資源を割かねばならず、完璧なタイミングの選定が求められるとした。

関係者の間ではXiaomiの米国進出は近いと見られているが、Barraは「慎重にアプローチしている」と述べた。 Barraは具体的なスペックは明らかにしなかったが、以前この10月にローンチすると報じられていた製品も含めてXiaomiは数種類のプロダクトをアメリカで発表するとしている。

アメリカで発売される製品がそもそもスマートフォンであるかどうかもまだはっきりしない。Xiaomiの製品ポートフォリオはモバイルの枠を超えており、テレビのセットトップボックスのMi BoxやノートパソコンのMi Notebook Airも開発ずみだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleがAndroid、Nougatを正式公開―画面分割、通知、履歴ボタンでアプリ呼び出しなど改良点多数

Various types of nougat strawberry and pistachio,Typical dessert of Italian cuisine, handmade and for sale in the days of celebration (Christmas, New Year, Carnival, Easter, etc.) in markets and shops of all cities. Here is Venice

GoogleがAndroid 7.0の公開ベータ版今年3月に公開したのは驚きだった。Androidは毎年アップデートを行っていたが、このベータ版(Nougat〔ヌガー〕と命名)の公開は時期が非常に早かったし、無線を利用した over-the-airのアップデートが可能だった。

さて半年後の今日(米国時間8/22)、Nougatからベータ版が外れ、 Googleの独自のNexusデバイス(Nexus 6、Nexus 5X、Nexus 6P、Nexus 9、Nexus Player)、Pixel Cタブレット、General Mobile 4Gで正式に利用できるようになった。

もし上記デバイスのいずれかを持っているなら(Nougatベータ版をすでにインストールしている場合でも)、アップデートのプロンプトが近々表示されるはずだ。Android Nougatをプレインストールした最初のスマートフォンはLG V2にはるはずで、9月上旬にも発表される。

ただし今回のNougatのアップデートにはある程度の時間が必要らしい。Googleの広報担当者に取材したところでは上記のサポートされたデバイスのすべてにアップデートが行き渡るのに数週間かかるだろうということだった。

私はここ数ヶ月Nexus 6PとPixel Cの両方でNougatのベータ版を使ってきた。Googleによれば新OSのメジャー・アップデートは250箇所に及ぶということだが、デバイスをアップデートしたときにユーザーが気づくのはそのうち数カ所だろうと思う。

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いちばん目立つのは通知システムの変更だ。見た目としてGoogleのマテリアル・デザインのガイドラインに忠実なものになっているし、さらに重要な点として機能が大幅にアップデートされている。ユーザーはメールを通知内からアーカイブしたり、メッセージに直接返信したりできる。Nougatは同一デバイスの通知のバンドル機能も利用できる。

またクイック設定(Quick Settings) パネルの動作も大幅に変わった。デベロッパーモードを使わずにアイテムの表示順を変えることができる。画面の上部からスワイプでパネルを少し引き下ろすと5個の機能が利用できるクイック設定が表示される。さらにいっぱいに引き下ろすとすべてのオプションが表示される。

もうひとつの非常に便利な(ただしユーザーが予備知識なしに発見するのは難しい)アップデートは最後に使った2つのアプリを切り替えられる機能だ。画面下部右側に表示される四角いボタン(現在は過去に使用したアプリが一覧表示される)をダブルタップすればよい。これまでのところ四角いボタンをダブルタップして直前のアプリを呼び出すという操作は私が一番頻繁に使うNougatの新機能だ。

Nougatでは画面を分割して2つのアプリを並べて表示することができる。Samsungその他のメーカーはすでに画面分割機能を取り入れているが、今回はメーカーのスキンではなく、Android OSそのものの機能となった。

正直なところ、スマートフォンの狭い画面ではこれはさほど有効な機能には思えない。しかしPixel Cタブレットでは別世界になる。 高精細度の画面と使いやすいキーボードを備えたタブレットでは画面分割機能はGoogleドキュメントやMicrosoft Officeのようなツールの生産性を飛躍的にアップする。画面分割のサポートがないとPixel Cは単に大きなスマートフォンで、Androidが常に作業の足を引っ張っていると感じられた。しかしNougatでこの問題は解決されている。Pixel Cでの作業は楽しいというのに近くなった。なにより良いのはほとんどあらゆるアプリが手を加えることなく画面分割に対応することだ。デベロッパーがアプリを書き換える必要はまったくない。

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Android Nougatには多数の改良点があるが、多くはユーザーが普段は直接操作しないような部分にだ。しかしユーザー体験を全体としてアップするのに役立っている。

Nougatでは消費電力についても改良が行われている。Marshmallowではスリープ中の電力消費を押さえるDozeモードが実装された。Nougatでは外出時にデバイスをしばらく使わないでいるとユーザーが何も設定しなくてもDozeモードがオンになる。私自身はNexus 6Pでは画期的なバッテリー駆動時間の延長は感じていないが、これはいつもスマートフォンを使っているせいかもしれない。

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データ契約などの関係で通信量に注意を払っているユーザーには朗報だ。Nougatのデータセーバー(Data Saver)モードはバックグラウンドでのアプリのデータ通信を抑制する。通知領域へのプッシュ表示は可能だが、バックグラウンドで大きなファイルをダウンロードすることは禁止される(ユーザーはホワイトリストにアプリを登録してこの制限を外すことが可能)。

Googleはブートや暗号化の速度も改良されたとしている。またOSのアップデートも速くなる。従来はアップデート・ファイルをダウンロード、インストールしてから個々のアプリを新しいOSに適合するよう最適化していた。これにはだいたい15分前後かかる。Android Nougatではインストールをバックグラウンドで実行してしまうので、ユーザーは都合のよいタイミングでデバイスを再起動するだけでよい。再起動されたときにはOS、アプリともアップデート後の状態となっている。

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ゲーマーであれば、Googleが新しいVulkan規格を採用したことにより、新しいゲームの体験が改善されたことに気づくかもしれない。

NougatはまたDaydreamと呼ばれる拡張現実〔VR〕モードをサポートしている。この機能はVRアプリの表示をスムースにするということだが、Daydream対応のスマートフォンやヘッドセットが登場するのは年末近くになるようだ。

いつものことだが、Nexusのスマートフォン、タブレット、General Mobile 4Gを持っていない場合、手持ちのデバイスがNougatにアップデートされるのはかなり先になる可能性が高い。現在Android 6.0 MarshmallowがインストールされているのはAndroidの15%に過ぎない。いちばんシェアが大きいのはAndroid 4.4 KitKatで、30%弱の普及率だが、すでに3世代前のOSだ。Nougatが発表されてもAndroidのフラグメント化が一掃されるわけではないが、手に入るなら大いに価値のあるアップデートだ。

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画像: PaoloBis/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「INFLUENCER ONE」はインスタの人気者に商品PRを依頼できるクラウドソースサービス

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Instagramで数万人のフォロワーがいるなら、もうちょっとした有名人と言っても良さそうだ。その影響力に乗せて商品のプロモーションをしたいと考える企業も多いだろう。本日ローンチした「INFLUENCER ONE」はインフルエンサーとそういったインフルエンサーにマーケティングの仕事を依頼したい企業や広告代理店をつなぐクラウドソースサービスだ。INFLUENCER ONEは、登録モデルに具体的なポーズやシーンの写真素材を依頼できるクラウドソースサービス「INSTAMODEL」を展開するレモネードが手がけている。

INFLUENCER ONEの仕組みは一般的なクラウドソースサービスとそう変わらない。インフルエンサー・マーケティングを依頼したい企業は対象ブランドの説明、案件内容、投稿日、報酬、入札単価といった情報をINFLUENCER ONEに掲載し、インフルエンサーを募集する。条件と依頼内容見て応募したインフルエンサーの中から企業は適任者を選定して依頼するという流れだ。インフルエンサーなら誰でもインフルエンサー側のサイトページからINFLUENCER ONEに登録できるが、案件に応募するには、各企業の承認が必要となる。インフルエンサーは依頼通りの写真や動画をInstagramに投稿した後、その証拠となるスクリーンショット画像とURLをINFLUENCER ONEにアップロードし、企業側がそれを確認して案件が完了する。INFLUENCER ONEは、依頼が完了した時点でマージンを得るビジネスモデルだ。

マーケティング事業者、インフルエンサーどちらのの手間も削減

レモネード代表取締役の石橋尚也氏は、2016年2月にローンチした最初のサービス、INSTAMODELを運営する中で、インフルエンサー・マーケティングへの需要と企業の抱える課題が見えてきたと言う。INSTAMODELでは、企業は登録モデルに具体的なポーズなどの写真の撮影を依頼することが可能だ。だが、企業からは写真に留まらず、商品のPRキャンペーンのためにインフルエンサー・マーケティングを依頼したいという要望が多く寄せられたと石橋氏は話す。石橋氏はこういった依頼にも応えようとしたが、「手動で行うのはしんどい」ことが分かったと話す。写真素材であれば適任のモデルに依頼をするだけで良かったが、インフルエンサー・マーケティングを実現するには、インフルエンサーのSNSアカウントのフォロワー数やどういう投稿が多いかを確認した上で適任者を探し、さらには案件の進行管理や報酬の支払いといった作業が発生する。INFLUENCER ONEでは、そういった作業を効率化するために開発したサービスと石橋氏は説明する。

これはインフルエンサー側にとっても仕事の効率化につながることが期待できるという。石橋氏がインフルエンサー・マーケティングを行ったことがあるモデルに聞いたところ、インフルエンサー・マーケティングの事業者や代理店とは案件の詳細をLINEや電話で何回も確認したり、共通して使用するプラットフォームがないために手帳にメモしたりと依頼の管理に時間がかかるのが課題という声があったという。また、管理がずさんな事業者や代理店も多いが、INFLUENCER ONEではプラットフォーム上で報酬や支払い期日を確認でき、やりとりも残るので安心して仕事ができるというレビューもあったと話す。

Influencer

INFLUENCER ONEのもう1つの特徴は、フォロワー数による課金と平均エンゲージメントによる課金の2つの入札形式を採用していることと石橋氏は言う。SNSでは一般的にフォロワー数が多くなるほどエンゲージメント率が下がる傾向にある。エンゲージメントを重視する企業のために、フォロワー数による従量課金のほかにエンゲージメントに応じた課金ができる選択肢を用意したそうだ。石橋氏は、広告代理業に10年携わってきてきた経験があり、リスティング、アフィリエイト、ソーシャル広告など色々な運用型広告で得た知見を活かしてサービスを提供していきたいと話す。

INFLUENCER ONEでは、まずはINSTAMODELの登録モデルに依頼ができるようになる。登録しているモデルの数はおよそ3000人だそうだ。3、4万人のフォロワーを持つモデルが多く、中には15万人以上のフォロワーを持つ人もいるという。INSTAMODELはINFLUENCER ONEと並行して、引き続き提供していくという。INFLUENCER ONEの方では、モデルの他に写真や動画のクリエイターを集めることに注力していく予定と石橋氏は話す。

国際オリンピック委員会は、ITを用いて将来の開催都市を教育している

RIO DE JANEIRO, BRAZIL - AUGUST 03: A journalist works on his computer as Team Russia athletes for the Rio 2016 Olympic Games attend their welcome ceremony at the Athletes village on August 3, 2016 in Rio de Janeiro, Brazil.  (Photo by David Ramos/Getty Images)

【編集部注:Bérénice Magistrettは、スイスのフリーランス・ライターでサンフランシスコを拠点に、サウジアラビア、スイス、および新興国のスタートアップに焦点を当てている。】

リオ・オリンピックの閉会が迫り、選手たちがブラジルの都市を離れる準備を進める中、国際オリンピック委員会(IOC)は未来のオリンピックの基盤作りに向けて活動している。

開催期間を通じて、IOCの オリンピック競技大会知識管理プログラム(OGKM)は未来のホスト都市のためにオリンピックゲームのデータ収集、報告書作成を続けてきた。

同プログラムは2000年シドニー・オリンピックの準備に役立てるために設立され、このたび数ヵ月前に設立されたスイスのスタートアップ、Teleportとの協同で、没入・対話型ビデオプラットフォームを数多くの管理プロジェクトに導入した。

Teleportチームは、Meteorを使用してRandom Access Video Encoding(RAVE)アルゴリズムをJavaScriptに組み込んだ。

「私たちは、自分たちのコンテンツに文脈情報を与えることでもっとわかりやすくする方法を常に探っています。Teleportのプラットフォームは、コンテンツに言語の壁を超えたビジュアル情報を付加する理想的な方法です」と同プログラムの責任者、Christpher Payneは言った。

将来の開催都市である東京、平昌、北京等と知識を共有する上で、これが役に立つことは間違いない。

スイスのスタートアップとローザンヌ拠点のIOCとの出会いは幸運だった ― もちろんスイス同志のつながりが役立った。「私たちは正しい場所に、正しい時にいた」と、Teleportの共同ファウンダー・事業開発責任者、Cem Severは言った。

両社の協業は、2月にノルウェーのリレハメルで行われたユース・オリンピックの実証デモとしてスタートした。

結果に満足したIOCは、Teleportをリオ大会でも使うことを決めた。しかし委員会はこの段階ではプラットフォームを一般公開せず、内部で教育的ツールとしてのみ利用することにした。

「私たちは将来の組織委員会と共に、これをB2Bプロジェクトとして使っています。Teleportが私たちの管理プロジェクトに新たな技術を付加することで、大会運営に必要な多くの課題を説明してくれることを願っています」とPayneは言った。

リオ大会用アプリケーションのために、IOCは会場のタイプ毎に特化したTeleport環境を3種類作成した。関係者は自らが開催する大会を計画するためにこれを参照できる。

「大会運営に必要な具体的要件に関する膨大なコンテンツを初めてつなぎ合わせることができました。これであらゆる会場の要件が理解できるようになります」とPayneは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

砂のお山がポケモン? ー 11月発売の『ポケットモンスター サン・ムーン』新キャラが発表に



株式会社ポケモンよ、何があったんだ? 一体どうして次回作『ポケットモンスター サン・ムーン』に向けて作られた新しいポケモンが「砂のお山」なんだ? この画像がそれだ。

Sandygast

どういうことか説明してくれ。本当にこれでいいのか? この砂のボヨボヨ、さらに進化するとこんなことになる。

Palossand

ちょっと待て、これって「砂のお城」じゃないのか。本当にこれでいいのか。

これら以外にも同作品には新しいポケモンが登場するが、すべての新キャラクターについてはちょうど8月21日に終了したばかりのポケモンワールドチャンピオンシップスで発表されたばかりだ。先に紹介したぶっとびポケモンはそれぞれ「スナバァ」「シロデスナ」といい、どちらもゴースト/じめんタイプだ。この他にも甲殻類系ボクサーの「マケンカニ」は目の周りに青あざができていたり、レッサーパンダ風の「ヌイコグマ」はそのかわいらしさで先の砂ポケモンのショックを和らげてくれたりと、さまざまだ。

  1. crabrawler

    マケンカニ
  2. stufful1

    ヌイコグマ

これらの新しいポケモンは、ニンテンドー3DSで発売の『ポケットモンスター サン・ムーン』に登場するアローラ地方特有のキャラクターとして、その他モンスターとともに出現する予定だ。ポケモンのトレーディングカードにも新たな「GX」シリーズのカードが加わり、ゲームごとに1回のみ使用できる特殊攻撃を追加できるようになる。このGX特有のポケモンカードは、ポケモンTCG(トレーディングカードゲーム)の世界にもサン・ムーン シリーズとあわせて導入される。

新しいポケモンが砂の山だろうが、私のポケモンへの愛は変わらない。

原文へ

(翻訳:Ayako Teranishi)

スノーデン文書、NSAとハッカーグループを結びつける

The National Security Agency (NSA) headquarters at Fort Meade, Maryland, as seen from the air, January 29, 2010.      AFP PHOTO/Saul LOEB (Photo credit should read SAUL LOEB/AFP/Getty Images)

先週末、ShadowBrokersと名乗るグループがネット上でデータを暴露し、NSAとつながりがあると広く信じられているハッカーグループから盗んだものであると宣言した。データには主要ファイアウォール製品の脆弱性に関する情報が含まれていたことから、NSAがハックされた疑いが浮上した。

専門家によるデータ分析結果は、NSAとEquation Groupが同一のものであることを示唆していたが、今日(米国時間8/21)The Interceptは、元NSA契約社員の内部告発者、エドワード・スノーデンから提供された大量文書の中で、今回暴露されたデータを参照しているものがあることを確認した。

The Interceptの記事は次の通り:

ShadowBrokerの暴露データとNSAを結びつける証拠は、マルウェアを仕掛かけるための内部マニュアルの中にあった。スノーデンが提供した同マニュアルは最高機密に属し、これまで公開されたことがなかった。マニュアル原稿では、16文字の特別な文字列、”ace02468bdf13579″ を使っているマルウェアプログラムの使用状況を追跡するよう、NSAオペレーターに対して指示されている。これと全く同じ文字列が同じプログラム、SECONDDATEに関連するコード内で、ShadowBrokersのリーク文書全体を通じて見つかった。

スノーデン文書には、このツールがパキスタンおよびレバノンに対するスパイ活動で使用されたと書かれている。ShadowBrokersが公表したデータは、NSAのハッキングツールが公になった初めての事例であり、同ツールがこれ以外にも使われているのではないかという懸念を生じさせている。

問題のEquation Groupツールに言及している文書は、The Interceptが公開しており、ここで読むことができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマホでバーチャル試着──ファッションECで「サイズの悩み」解消をうたうunisize、一般向けサービスがローンチ

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メイキップは、ECサイトで洋服を購入する際に、最適なサイズをレコメンドする一般消費者向けサービス 「unisize(ユニサイズ)」をローンチした。1分程度で終わるアンケートに答えるだけで、その人の身体にあった洋服のサイズを推奨するという。サービスは無料で提供し、広告モデルによる収益化を目指す。

unisizeは、ECサイトで服を購入する際にありがちな、サイズの心配の解消をうたうサービスだ。20万点・2000ブランドにのぼる服の色やサイズ情報を蓄積している。

使い方としては、スマートフォンのみで閲覧できるunisizeのウェブページ上で、他のECサイトで見かけた欲しい服の商品名やブランド名を検索する。お目当ての服がヒットしたら、1分程度で終わる簡単なアンケートに答えるだけで、「あなたにはLサイズ」「あなたにはSサイズ」といった具合に、その人に適切なサイズを推奨してくれる。店舗で実際に試着しなくても、スマートフォンの操作だけで自分に合うサイズがわかるというわけだ。

技術的には、まず身長や年齢・性別に応じた体型データを用意。それに加えてアンケートで、よく購入するブランドのサイズを回答することで、おおまかな体型を推定。あとは、腕や足の長さといった普段気になる部位を回答して、補正をかける仕組みだ。unisizeが蓄積する20万点にのぼる服のサイズ情報は、インターネットをクロールして集めているが、その際にはブランドごとにバラバラなサイズ表記や、「グリーン」や「オリーブ」といった色名のフォーマットも統一している。

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欲しい洋服を検索し、よく選んでいるブランドのサイズなどを回答

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腕の長さなどの普段気になる体の部位を回答、するとおすすめのサイズがレコメンドされる

競合となるバーチャル試着サービスは、Virtusizeや楽天が買収したFits.meがあるし、BtoB向けならTrue Fitもある。それらと比較した強みについて、メイキップ代表取締役社長の柄本真吾氏は「メジャーで身体を測らずに済む」点を挙げ、さらに「PCの時代は手元のメジャーで測れたが、今はスマホの時代」とも話す。つまり、手元のスマートフォンだけでフィッティングが完了するunisizeは、モバイルECへの適応度が高いという説明だ。

気になるレコメンドの精度だが、具体的な数字はまだ出していない。ただ、精度を高めることを目的に洋服レンタルサービスのairCloset(エアー クローゼット)と業務提携。「ワンピースに関するサイズ満足度は20代女性が高い」「パンツのサイズ満足度は全体的に低い」といったフィードバックを得て、それに応じて評価方法を見直す仕組みも整えているという。

なおunisizeは一般消費者向けに先行して、2016年2月8日より法人向けサービスを開始している。ファッションECサイトの夢展望における導入例では、導入前との比較でコンバージョンレートが2.5倍になった事例もあるという。また、詳細は明かせないものの、海外の大手ファストファッションブランドが運営するECサイトへの導入交渉も進んでいるとしている。

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一般ユーザー向けに先行してローンチしていた法人向けunisize

unisizeを立ち上げた理由について、柄本氏は「学生時代にラグビー部に所属していて、自分に合うサイズの服がなかなか無かった」と服選びの苦労を話す。前職のドリコムでは広告本部長などを歴任。その前はWEB広告・マーケティング事業を展開するセプテーニにいた。広告畑を歩んできたという同氏だが、インターネットや事業の可能性を目の当たりにして、自分で事業を興したいという気持ちが強くなったと話す。そこで2015年2月にメイキップを設立した。

なおメイキップは、unisizeとは別に展開するWEBマーケティング事業でマネタイズをしており、現在はこれと銀行からの借り入れで運営している。今後はさらなる事業拡大のため、シリーズAに向け億単位も想定した資金の調達を検討しているという。

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左からメイキップ取締役 山崎慎一氏、同代表取締役社長 柄本真吾氏、同ディレクターの森本裕介氏

ユーザー向けunisizeはローンチ時点ではウェブ版のみの提供だが、機能拡張に伴ってアプリ版の開発も想定している。また、サイズ以外に服の形や素材、コーディネートといった服に関する総合的な情報の提供も目指している。

今後の展望について柄本氏は「我々がイメージしているのはプラットフォーム。洋服やユーザーの身体の情報を蓄積し、そのマッチングポイントで価値を提供する」とし「ファッションECにおけるインフラになりたい」とも語った。