ポケモンGOはライバルのアプリ内購入も加速―DoCoMo Digitalの調査が意外な結果

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ポケモンGOの大ヒットでいちばん利益を得ているのはNianticや任天堂であるのは間違いない。 しかしこの成功はモバイル・ゲームの世界においてライバルを犠牲にしているわけではないことが明らかになった。モバイル・コマースのDOCOMO Digitalが発表した新しいレポートによれば、 ヨーロッパのGoogle Playストアにおけるトップ4ゲームは、ポケモンGOのデビュー以來、売上合計を10%も伸ばしている。

Nianticはもちろん稼ぎ頭だ。しかしポケモンの発表後、ライバルの売上には若干の低下があったものの、すぐにポケモン以前の状態に戻った。その後はさらに躍進して、ポケモンのローンチ前の売上を上回るようになっている。

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ソース: DOCOMO Digital MNOパートナーズ、ヨーロッパ

DOCOMO Digitalが調査したライバルには、King,(Candy Crushのメーカー)、Supercell、Peak Games、 Googleが含まれる。モバイル・ゲーム全体としてデベロッパーには追い風となっていることが分かる。特筆すべき点は、ポケモンGOのようなゲームはユーザーにモバイル・ゲーム全般での消費をさらに促すような効果を持つことだ。つまりユーザーがモバイルデバイスでポケボールを買い始めれば、デジタル・グッズの購入に対するハードルは低くなる。

DOCOMO Digitalのレポートによれば、他のヒットゲームの場合は同様の効果が見られないのは面白いことだ。Candy Crush SagaやClash Royaleはなるほど大ヒットしたが、それで売上が急上昇したのは当のゲームメーカーだけで、ライバルのアプリ内支出には変化がなかった。DOCOMO DigitalはポケモンGOの特異な効果をヒットのレベルが桁違いだったことに求めている。キャリヤ課金に対するユーザーの心理的抵抗がはっきり下がるほど多数のユーザーがポケモンGOをプレイし始めたという説明だ。ユーザーがポケモンGOでキャリヤ課金にドアを開けば、自然他のアプリでもこの課金方法を利用するようになるというわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

北朝鮮のNetflix風TVのネーミングで笑った

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何かを見て思わず吹き出すことがある。今日はそういう経験をした。

朝鮮人民民主主義共和国(aka 北朝鮮)はNetflix風のオンデマンド・ストリーミングTVを発表した。その名前がManbangだという。

朝鮮語ではmanbangは「すべて」という意味だそうだ。しかしもちろん英語ではいささか違った意味になる。

このサービスはKCTV(北朝鮮国営テレビ)が運営している。ユーザーはアメリカでいえばRoku風のセットトップボックスをテレビに取り付け、国営イントラネットを通じてIPTVプロトコルで番組にアクセスする。機能はきわめて限られている。コンテンツのほとんどは北朝鮮の歴史と主体思想に関連している模様だ。

そのうえ、BBCによれば、北朝鮮の一般家庭へのデジタル回線の普及率はひどく低いという。

NetflixのカスタマーサービスのTwitterがすかさず「Manbangのコピー」と名乗ったのはおかしい。もちろんNetflixはストリーミングTVのパイオニアであり本家だ。NetflixのTwitterはこれまでも盛んにジョークを飛ばしてきた。ここで読める

“Manbang”のような危険な単語をGoogle検索するのが怖いむきはこちらこちらで記事が読める。

〔日本版〕英語でbangは「強く叩く」の他に「セックスする」という意味がある。Google翻訳によれば韓国語のmanbanは漢字では「万般」。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

一挙に5000万ダウンロードに達した大人気のアートフィルターアプリPrismaにオフラインモードが登場

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アートフィルターアプリで一大センセーションを巻き起こしたPrismaは、この夏の2か月でそのiOSAndroidアプリのダウンロードが、無から驚異の5500万あまりへと急拡大した。そしてこのたびPrismaに、オフラインモードが誕生し、サーバーに接続しなくてもほんの数秒で、あなたのスナップ写真をムンクの絵みたいに変えてしまえることになった。

本誌TechCrunchがPrismaのローンチを記事にした6月に、CEOで協同ファウンダーのAlexey Moiseenkovは、ニューラルネットワークを使ってスマートフォンの写真を美術的フィルタを通した画像に変えている、と説明した。その多種類のフィルタを備えたニューラルネットワークは、サーバーの上で動いている。

しかし今回は、一定数のフィルターを選ぶことによって、そのたいへんな処理をユーザーのスマートフォンでできることになった。数百万のユーザーへとスケールするための方法としては、これもありだろう。

Moiseenkovによると、今デバイス上にあるのは16のフィルタだ。もちろんそれは、ユーザーのiPhoneの上でニューラルネットワークが動かしているのだ。

あなたの予想通り、数百万のユーザーで混みあうクラウド上よりも、オフラインの方が速い可能性がある。もちろんスピードは、スマートフォンのハードウェアの性能にもよる(私のはiPhone 6sだ)。

Moiseenkovによれば、まあまあなのはiPhone 5s以上、それより遅い機種ならサーバーにアクセスした方が速い。ここらが、このオフラインモードの限界だ。

彼が美術的な処理のアルゴリズムをモバイル上で提供したいと考えたとき、そのアルゴリズムはネット上では非常に遅かった。そして処理を最適化した結果、インターネットに接続したスマートフォンの上で、Instagram世代の連中に、インスタントに満足感を与えられるまでになった。

スマートフォン向けの最適化は今でも続けられていて、近いうちに、iPhone 5s以上の機種ならすべての処理をデバイス上でできるようになる、と彼は語る。

オフライン機能がAndroid機に来るのは、たぶん2週間後、だそうだ。

そのほかにPrismaのチームは、ビデオのフィルタリングに取り組んでいる。Moiseenkovによると、それは今月内の立ち上げもありえ、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのDaydream VRはYouTubeのオリジナルコンテンツで近くローンチするらしい

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Googleが“数週間後に”、Daydream VRをローンチする予定だ、とBloombergが報じている。今週はAndroid 7.0が公式にデビューしたが、VRの方はまだいろいろと準備が必要らしい。この最新記事によると、GoogleはVRプラットホームのローンチに間に合わせるオリジナルコンテンツに大金を投じており、VR機能はAndroid 7.0の推奨規格を満たす今後のスマートフォンハンドセットに内蔵される。またCardboard的なヘッドセットと、新しいコントローラーハードウェアも準備中だ。

Daydreamが最初に紹介されたのは、5月に行われたGoogleのデベロッパーカンファレンスGoogle I/Oのときだ。Daydreamに関するGoogleの計画では、Android OEMがこのプラットホームをサポートするために従うべき推奨仕様をまず作る。あるいはその仕様を直接、モバイルOSの最新バージョンAndroid 7.0 Nougatに実装する。Daydreamには家庭用ランチャーが提供され、店頭では特別製のVRコンテンツがデモされ、売られる。I/Oの席では、NYT(The New York Times), WSJ, CNN, Hulu, Netflix, HBO, IMAX Ubisoft, EA(Electronic Arts)らがローンチパートナーとして発表された。

Bloombergによると、Huluはローンチ時に、Googleの支援により、Justine EzarikやDolan twins(双子のDolan)といったYouTube上の名士によるオリジナルの360度コンテンツを提供する。立ち上げ時に一連の既存のYouTubeセレブたちを利用するのは、うまい手だ。それによりGoogleの独自のVRプラットホームがVRコンテンツの競争レースで一歩前に出ることができるし、ゲームファンよりももっと広い層にエンタメコンテンツを訴求できる。しかもHTC ViveやOculusのように、日用品的PCのプラットホームにこだわらずにすむ。

記事によると、Googleの取り組みは初期の控えめなプロジェクトが中心になり、いきなり興行収入数百万ドルを目指すような世界を目指さない。だから資金も、ハリウッドなど大メディアのひもつきにはならないようだ。Googleにとって当面重要なのは、プロジェクトの所有権や著作権等ではなくて、消費者の関心を高めることだからだ。

Daydreamと、Androidのニューバージョン機はローンチが同時期になる。もちろんVRヘッドセットやコントローラーも、それに間に合わせる。ということは、その公式デビューで使われるのは、Nexusスマートフォンの新型機かもしれない。そしてその時期はたぶん、今年の秋のいつか、だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モバイル ユーザーが簡単にコンテンツにアクセスできるようにするために

Google 検索の目標は、ユーザーがどのデバイスから検索している場合でも、質問に対する最適な答えをすぐに見つけられるようにすることです。このたび Google では、ユーザーがもっと簡単にコンテンツを見つけられるようにするため、モバイル検索結果に 2 つの変更を加えることにしました。

モバイル検索結果をシンプルに

2 年前、Google では、モバイル検索結果にスマホ対応ラベルを追加しました。このラベルを見ることで、テキストやコンテンツを拡大しなくても読むことができ、また、タップ ターゲットが程よい間隔で配置されているなど、モバイル フレンドリーなページかどうかを一目で判断できるようになりました。それ以降、エコシステムは徐々に発展し、今ではモバイル検索結果に表示されるページの 85% に、スマホ対応ラベルが表示されるようになりました。それを受け、このたび Google では、検索結果の表示項目を整理してスマホ対応ラベルの表示を停止することにしました。ただし、スマホ対応の基準は、今後もランキング要素として適用されます。また、Search Console のモバイル ユーザビリティ レポートモバイル フレンドリー テストも引き続き提供します。モバイル フレンドリー要素がページに及ぼす影響の評価にお役立てください。

ユーザーが探しているコンテンツを簡単に見つけられるように

多くのモバイルページが、テキストやコンテンツを拡大しなくても読みやすくなっている一方で、煩わしいインタースティシャルが表示されるページを見かけることも多くなっています。元々のコンテンツはページ上に存在しており、Google によるインデックス登録も可能なのですが、見た目にはコンテンツがインタースティシャルによって覆い隠されてしまうのです。検索結果をタップしたのに、すぐには期待していたコンテンツにアクセスできないのでは、ユーザーもイライラするでしょう。

煩わしいインタースティシャルが表示されるページは、すぐにコンテンツにアクセスできるページに比べユーザー エクスペリエンスが低くなります。画面が小さいモバイル端末であればなおさらです。Google では、モバイル検索時のユーザー体験をさらに高めるため、ユーザーがモバイル検索結果からページに遷移した際、すぐにコンテンツにアクセスできないようなページを、2017年1月10日より、これまでよりも低く掲載する可能性があります。

コンテンツにアクセスしにくくなる手法についていくつか例を挙げておきましょう。

  • ユーザーが検索結果からページに移動した直後やページを閲覧している最中に、メインのコンテンツを覆い隠すようにポップアップを表示する。
  • スタンドアロン インタースティシャルを表示して、それを閉じないとメインのコンテンツにアクセスできないようにする。
  • スクロールせずに見える部分がスタンドアロン インタースティシャルのように見えるレイアウトを使用して、インラインのメインのコンテンツはスクロールしないと見えないようにする。
コンテンツにアクセスしにくくなるインタースティシャルの例
煩わしいポップアップの例煩わしいスタンドアロン インタースティシャルの例 1煩わしいスタンドアロン インタースティシャルの例 2

一方、正しく使うことで、新しいランキング要素の影響を受けない手法についても例を挙げておきます。

  • 法律上の必要性に基づいて表示されているように見えるインタースティシャル(Cookie の使用、年齢確認など)。
  • 一般公開されていないコンテンツ(そのためインデックス登録ができない)を有するサイトが表示するログイン ダイアログ。たとえば、メール サービスのように個人的なコンテンツが含まれる、有料のコンテンツであるためインデックス登録できない、などの場合が考えられます。
  • 画面スペースから見て妥当な大きさで、簡単に閉じることのできるバナー。ここで言う妥当な大きさとは、たとえば Safari や Chrome に表示されるアプリ インストール バナー程度の大きさです。
正しく使うことで、新しいランキング要素の
影響を受けないインタースティシャルの例
Cookie の使用に関するインタースティシャルの例年齢確認のインタースティシャルの例画面スペースから見て妥当な大きさのバナーの例

以前、モバイルアプリのインストールをすすめるインタースティシャルをチェックするランキング要素を導入しました。その後も開発を続ける中で、より一般的なインタースティシャルにも対象を広げる必要性を感じました。そこでランキング要素の重複を避けるため、モバイル フレンドリー テストからアプリ インストール インタースティシャルのチェックを削除し、新しい要素に組み込むことにしました。

もちろんこの新しいランキング要素は、ランキングに使用する何百もの要素の一つに過ぎません。検索クエリの意図は引き続き重要なランキング要素ですので、関連性の高いコンテンツを含む優れたページであれば、今後も上位にランキングされる可能性があります。ご不明な点やフィードバックなどありましたら、ウェブマスター フォーラムにてお聞かせください。

ロシアのハッカーがNew York Times記者を攻撃との報道

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報道によるとFBIは、米国ジャーナリストに対するロシア諜報機関が首謀した疑いのあるハッキング事件を捜索している。標的の中には複数のNew York Times記者がいたと、CNNおよびAPは伝えている。

New York Timesは、同紙モスクワ支局が狙われたことを認めたが、攻撃が成功したことを信じる理由はないと語った。

New York Timesや他の新聞社に対する攻撃がロシアによるものとする理由は明らかにされていないが、CNNはこれを最近のDNCハック事件と結びつけている。セキュリティー会社のCrowdStrikeも、使用された戦術やマルウェアを分析した結果、DNCハックをロシアと結びつけたとCEOのGeorge Kurtzは言った

FBI当局者はAPに対して、New York Timesネットワーク全体ではなく、特定の人物が標的とされていたと話した。しかしNew York Timesは捜査内容に関するコメントを拒んだ。

「多くの報道機関と同じく、当社はシステムへの侵入に関して慎重に警戒している」とNew York Times広報担当のEileen MurphyがAPに伝えた。「外部の捜査組織や警察に協力することを含め、対策には様々なアプローチがある」。さらにMurphyは、モスクワ支局を含め同社ネットワークが侵入被害を受けたという証拠がないことを付け加えた

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DNAを使ったアナログ計算は、医療に多大な影響を及ぼすか?

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私たち自身の遺伝機構を計算機やストレージの形で利用するとき、それを私たちが未来を生きている兆候だと捉える見方は、もはや新しいものではない – しかし、誤解してはならない。この分野はまだ始まったばかりで、沢山の驚異がこの先に待ち構えているのだ。例えば、今日紹介する驚異は、DNAを利用した完全にアナログで正確な算術計算だ。

DNAによって行われる計算なら、定義によって、なんでもアナログなのではと思う人もいるかもしれない、しかしそうではない。実際には、DNAは既にある意味デジタルであるため、こうした目的のためには有用なのだ。DNAが情報をエンコードする方法である塩基対をコドンとして配置するプロセスは、私たちがバイト列を構成するためにバイナリシンボルのシーケンスを利用する方法に驚くほど似ている。

こうした予め備わったデジタルアナログ性を使えば、お望みなら、DNAを私たちが既に開発したプログラミング様式に自然に当てはめることができる。しかしそれが唯一の方法ではない。

John Reif教授と大学院生Tianqi Songが率いる、デューク大学のコンピュータ科学者たちは、DNAがスイッチや論理ゲートで構成されるコンピューターを模倣することなく、数学的関数を実行することができることを示した。

DNA鎖はもちろん、二重に構成されていて、対応する塩基 – アラニンとチミン、グアニンとシトシン – が互いに自然に結合している。そして、マッチング塩基対が多いほど、より良いフィットが得られる。これにより、お互いに予測可能な方法で組み合わさる様々なDNA鎖を作ることが可能になる ‐ こちらの方があちらよりよくフィットするので置き換わり、3番目はこれと置き換わるが他のものとは置き換わらない、など。

こうした部品を十分に手に入れれば、それらがどのように組み合わさるかのロジックの構築を始めることができる。これがチームのやったことだ。入力鎖を制御して最終濃度を観測することによって、加算、減算、そして乗算を行うプロセスを構築した ‐ より複雑な演算もこれから追加される。

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論文に掲載された図は、どのように分子ロジックゲートが接続し、はっきりとしたDNA鎖の濃度の濃淡として現れるかを示している(もしあなたがそれを読み取れるならばだが)。

さて、これはデジタルコンピューティングを置き換えるものではないし、DNAを利用したデジタルコンピューティングを置き換えるものでもない。単純な計算にも何時間もかかるし、ロジックの調整は容易ではない。

「現代のPCや従来の計算デバイスと競うことは、考えることすらできません」と、デューク大学のReif教授はニュースリリースの中で注意を促した。しかし、彼は続けて「とはいえ非常に単純なDNAコンピューティングだとしても、医学や科学へ巨大な影響を与える可能性があります」と語った。

演算は遅いかもしれないが、これらの操作は、簡単に複製されたほんの一握りの鎖を使って行われている。一方デジタルコンピューターの模倣にははるかに多くの分子機構が必要であり ‐ また非常に脆弱なものである。鎖が通常の遺伝的プロセスによって妨害されないように、注意深くコード化することができるので、アナログDNAコンピューティングは体内の自然環境内で行うことができる。

大学院生Tianqiソング(左)と教授ジョン・ライフ(右)。

大学院生Tianqi Song(左)とJohn Reif教授(右)

血流中を泳ぐDNA計算機が恒常的に薬剤のレベルを計算しつつ、あるレベルを下回った際にタンパク質シグナルを活性化することができる。また特定の(たとえば癌細胞)を検出するために作られた特別な分子に結合された鎖が、医師に警告を発したり、自分の体の免疫反応にトリガーをだしたりするプロセスを始めることもできる。

国立科学財団(NSF)のファンドを受けたこの研究は、Synthetic Biologyジャーナルに掲載されている。

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(翻訳:Sako)

NGINXの商用バージョンNGINX Plusが10回目のメジャーアップデート、セキュリティを一層重視

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オープンソースのWebサーバーとして今や一番人気(と思われる)NGINXを作っているNGINX社が、その商用バージョンNGINX Plusの最新バージョンR10を、今日(米国時間8/24)ローンチした。オープンソース企業によくあるやり方として、NGINXもコアプロダクトを無料で提供し、より高度な機能やサービスには(Plusの形で)課金している。

今日はNGINX Plusの10回目のメジャーアップデートとなる日で、同社のCMO Peter Guagentiと同じくマーケティング担当のFaisal Memonによると、このリリースではもっぱら、新しいセキュリティ機能の導入に注力された。“昨年は大企業顧客からのフィードバックに対応する作業を一貫して続けてきたが、R10はその努力の究極の到達点だ”、とGuagentiは語る。彼によると、しかし今回の努力も、NGINXの長年のセキュリティへの取り組みの歴史に支えられてのみ、存在しえる。その一例が、DDoS攻撃対策だ、という。

しかし今回NGINXは、広く使われているオープンソースのWebアプリケーションファイヤーウォール(WAF)ModSecurityを統合した。これにより有料ユーザーには、IPをブラックリストしたり、アプリケーションを保護するためにアプリケーション固有のルールを設けたりする高度なセキュリティツールが提供される。

Memonによると、他のツールも検討した結果ModSecurityに落ち着いたのは、メンテナンスが継続的に活発に行われていることと、既存の顧客の多くがすでにそれをよく知っているからだった。

ModSecurityのサポートは、これまでのNGINX Plusの料金に加えて、年間2000ドルの新たな課金を発生させる。

このリリースのそのほかの新しい機能としては、JSON Web Tokensと、ECCとRSAによるデュアルスタック証明のサポートがある。どちらもたいへん地味な印象だが、でもたとえば、トークンのサポートによりシングルサインオンの実装が容易になり、ECC証明は公開鍵暗号方式のRSAに次ぐ次世代スタンダードだ。しかしレガシーアプリケーションのサポートを提供するためには、このようなデュアルスタックのソリューション(古いRSAも使えること)が依然として必要になる。

またNGINX Plus R10で初めて、nginScriptのプレビューが商用ユーザーに提供される。これは同社独自の、JavaScriptベースの構成およびコントロールサービスだ。アドミンがJavaScriptを使えるので、たとえば静的な構成だけでなく、プログラム的な構成の記述も可能だ(条件、期日、等々)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

8/31 23:59まで!TechCrunch Tokyo 2016「超早割チケット」締め切り間近

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東京・渋谷ヒカリエで11月17日(木)、18日(金)の2日間にわたって開催する「TechCrunch Tokyo 2016」だが、超早割チケットの販売期間が迫ってきたのでお知らせしたい。

超早割チケットは、まだ登壇者などプログラムを公表する前の期間限定割引チケットだ。一般チケット3万5000円(税込み、以下すべて同じ)のところ、超早割チケットは8月31日まで約66%オフの1万5000円となっている(9月以降の前売りチケットは2万5000円)。

プログラムは9月以降に発表するが、例年通り、国内外の注目スタートアップの起業家や投資家が登壇する。創業3年以内のスタートアップが、今年公開(予定も含む)したてのプロダクトをプレゼンで競い合う、毎年恒例の「スタートアップバトル」も開催する。

イベント前に「気になる参加者」とアポが取れる

昨年との大きな違いの一つとしては、参加者同士のネットワーキングを促進させるツール「Jublia」(ジュブリア)を導入することだ。イベント当日は人が多くて、目当ての人となかなか会えなかったりすることもあるが、イベント前に面会のアポイントを取ることができる。

具体的には、チケット購入時にJubliaの利用を希望した参加者が、Jublia上で気になる人や企業にコンタクトを取り、相手も合意すれば、会場に用意するミーティングエリアで指定時刻に落ち合える。

われわれが開催するイベントがきっかけで起業したり、投資や提携が決まったという話を聞く機会が増えているが、そういう出会いを後押ししたいと思っている。

今回Jubliaを取り入れるにあたってオンラインチケット管理サービスの「EventRegist」(イベントレジスト)を利用している。

EventRegistに登録したユーザー情報は、登録者の同意に基いて一部(名前、社名、職種など)がJubliaにもインポートされる仕様になっている。イベント開催1カ月前の10月中旬ごろ、Jubliaのアクティベートを促すメールが登録者に届く。

ここでJubliaにログインするとアカウントが有効となり、ほかの参加者の情報が見えるようになる。以下がJubliaの簡単な説明資料だ(「商談」となっているは、これは一般的ビジネスイベントを想定した例だから)

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探している機会(投資・調達や提携、採用・転職など)に応じて職種や企業規模などでフィルタリングしてミーティング相手を探すことができる。もちろん、Jubliaを利用しないという選択も可能だが、どうせ平日にイベントに足を運んでいただけるのであれば積極的に交流の場として活用いただければと考えている。

これがHyperloop Oneの描く超高速未来の内側だ

いったいHyperloop Oneで何が起きているのだろうか? 人間をA地点からB地点まで時速750マイル(1200 km/h)で発射することを提唱する未来的輸送システムのことだ。

このスタートアップはHyperloop TransportationからHyperloop Oneへと社名を変え、今春ネバダの砂漠でテストを開始し、800万ドルのシリーズB調達ラウンドを発表し、幹部のいざこざ問題に見舞われ、前共同ファウンダーが訴訟を起こし、続いてHyperloop Oneも対抗訴訟を起こした。デモ施設を建設し、モスクワではロシアの主要投資家グループと、ドバイでは世界第3位の輸送会社、DP Worldと組むなど、全世界の主要地域で大規模な運輸事業を行う計画を発表した。

そうそう、Hyperloop Oneの共同ファウンダー、Shervin Pishevarには、数週間後に控えた本誌のDisruptイベントで壇上に登場してもらう予定だ。

当然ながらわれわれは、提案されているhyperloopのテクノロジーがどこまで現実に近づいているかを、自分たちの目で見る時だと考えた。

CTO・共同ファウンダー(かつ元SpaceXエンジニア)のJosh Giegelが、同社が本社内で取り組んでいるものを覗き見させてくれた。そこでわれわれは、もしHyperloop Oneがそのスピードを実現できれば、ごく近いに将来にわれわれの世界や生き方を変えるに違いないシステムの一端を見ることができた。

上のビデオでは、もうすぐ私たち自身やAmazonで注文したあらゆる商品を、1日以内に世界中どこへでも送り届けられるようになる時代の始まりを見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Operaの無料無制限のVPN機能がAndroidにもやってきた、Wi-Fiの安全性チェック機能もあり

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数か月前にOperaは、iOS用の無料無制限のVPNサービスをローンチしたが、今日(米国時間8/24)は同じ機能をAndroidに導入する。iOSバージョンと同じく、このAndroidアプリもOperaの2015年のSurfEasyの買収に由来しており、インターネットのような公開ネットワーク上でも、安全な閲覧が可能になる。

Operaはマーケティングでも安全性を第一の売りにしており、Opera VPNを使うとあなたのトラフィックがまるでアメリカやカナダ、ドイツ、シンガポール、あるいはオランダからのようになる。地理的規制のある国などで、特殊な有料サービスに依存しなくても、インターネットへの安全なアクセスが可能になる。

このサービスには本命のVPN機能に加えて、広告の追跡をブロックする機能もある。ただしこのアプリ自体は、控えめながら広告を表示する。

“Android向けのOpera VPNアプリは、完全に無料でデータの制限がない点で、そのほかのVPNサービスと一線を画している。ログイン手続きも会員登録も必要なく、高度なWi-Fi保護機能(後述)がある”、とOperaのSurfEasy部門担当VPNのChris Houstonが今日の発表声明で述べている。

Opera VPNのセットアップは、ほんの数秒で終わる。Android本体のVPNの設定は、アプリ自身が行う。だからユーザーが設定メニューを相手にする必要はない。

さらにこのアプリには、ユーザーの現在のWi-Fi接続の安全性をチェックする機能がある。そのWi-Fiセキュリティテストにより、問題点が分かる。たぶん、インターネットに直接接続するよりVPNの方が安全だよ、というアドバイスをもらうだろう。

この機能を有効にすると、わずかにスピードが落ちるかもしれないが、それは当然の範囲内だ。このAndroidバージョンをぼくがテストした結果では、ときどき遅さがわかるけど、それほど重大な問題ではない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

InstaVRがグリーVなどから総額約2億円を調達——ブラウザで動くVRアプリ作成ツール

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ウェブブラウザで動くVRアプリ作成ツールを提供するスタートアップのInstaVRは8月24日、グリーベンチャーズをリードインベスターとして、同社およびColopl VR Fundを割当先とした総額約2億円の第三者割当増資を実施したと明らかにした。

InstaVRは2015年11月に設立。ウェブブラウザ上で手軽にVRコンテンツを作成・配信・分析可能なツール「InstaVR」を展開している。作成したVRコンテンツは、ウェブに埋め込んだり、iOS、Android、Gear VRなど幅広い端末で動作するネイティブアプリとして出力することができる。

使い方は、リコーの「THETA」シリーズなどをはじめとする全天球カメラで撮影した360度動画を、ブラウザ上のInsitaVRにドラッグアンドドロップ等で読み込ませる。すると360度動画内にリンクや動画を埋め込むなどインタラクティブな要素を加えることができる。またVRゴーグル向けに視差のあるステレオVRにも対応する。「チュートリアルは1分、作成は5分で済む」(代表取締役社長の芳賀氏)という手軽さや、編集やアプリの出力までもがブラウザ上で完結する敷居の低さを売りにする。

さらに、利用者の注意点をヒートマップで分析し、VR体験を改善する機能も搭載。「VRって儲かるの?」という視点がマーケティング側にあるといい、そのニーズにも対応したという。

InstaVRは、米国を代表する博物館のスミソニアン博物館や、世界最大級の建設グループ AECOMをはじめ、2016年8月24日までに世界100か国以上、約1800社に導入実績がある。具体的な事例は不動産の内見や観光案内、自動車の試乗など。今回の総額約2億円の調達でも、海外での導入実績が評価されたとInstaVRの代表取締役社長 芳賀洋行氏は語る。

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読み込んだ360°動画に「リンク」や「動画」、オブジェクトなどを埋め込んだVRコンテンツを手軽に作成できる

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VR空間上のユーザーの注意点をヒートマップで表示した様子

個人で開発したVRアプリは150万ダウンロードに

芳賀氏は「実はVRは古いんですよ。コンピュータの歴史と同じくらい」と振り返る。同氏がVRに関わったのは19〜20歳の頃。当時は大学でコンピューターサイエンスを専攻しており、1999年にVRで3Dホラーハウスを作成するプロジェクトに参加していた。

InstaVR 代表取締役社長の芳賀洋行氏

InstaVR 代表取締役社長の芳賀洋行氏

その後、2003年にAutoDeskに入社。そこでは3Dグラフィックスソフトウェア Mayaの開発や、マーケティングソリューションのアジア担当などに携わった。2011年にはグリーに入社し、ソーシャルネイティブアプリのソフトウェアエンジニアを経て、プロダクトマネージャー、最終的にはCTO室でCTOの補佐を担当した。なおグリー在籍中には経済学修士(MBA)も取得している。

2013年末にグリーを退職しフリーに転向。個人で開発したVR動画プレーヤー「AAA VR」は約150万ダウンロードを達成した。2014年頃から「VRアプリを作りたいんだけど、作り方がわからないから作って欲しい」という依頼が増えてきたこともあり、簡単にVRコンテンツを作成できるソリューションのニーズを感じ、InstaVRの開発に取りかかった。

2015年夏にgumi代表取締役の国光宏尚氏、ジャーナリストの新清士氏らが立ち上げたTokyo VR StartupsのVR特化インキュベーションプログラムに申し込み、通過。そこで500万円を調達し、会社を登記したのが同年12月。その直後にInstaVRのベータ版サービスの提供を開始。海外を中心に顧客を伸ばし、今回の資金調達に至った。

月額課金でマネタイズ

マネタイズに関しては、月額課金制を採用。有償版は月300ドル、年間契約では月200ドルとなる。また、機能が若干制限されるものの無償版も提供している。

InstaVRの従業員数は世界中で約10人ほど。グローバルで展開しており、内訳は日本に3〜4人、インドに2〜3人、北米に5人。などまたブラジルやヨーロッパにもカスタマーサポートを設置している。ただ芳賀氏は「日本と違い、海外では人材の流動性が大きい」とも語り、従業員数はあまり意識していないという。

InstaVRでは、今回調達した2億円を元手に、市場展開や製品開発を加速させていく方針。現在の導入企業は1800社だが、これを年内に1万社にまで増やしていきたいとも語った。

Tableauが作るデータ視覚化図表に自然言語の説明文を自動的につけるNarrative ScienceのChromeエクステンション

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(ビッグ)データ分析のTableau Softwareが、シカゴの自然言語生成(natural language generation NLG)ツールのデベロッパーNarrative Scienceとのパートナーシップを発表した。その直後にTableauの株価は13%跳ね上がった。このパートナーシップの結果として生まれる無料のChromeエクステンションNarratives for Tableauにより、Tableauが作るデータ視覚化図表に、自動的に説明文がつけられる。

たとえば一定期間の売上と利益を表す、Tableauが作ったチャートがあるとすると、Tableau Server 10.0や無料のTableau Publicサービスのユーザーなら、このエクステンションにより、たとえばこんな説明文が生成される: “Sales and profit ratio moved in opposite directions from January 2011 to December 2014(2011年1月から2014年12月まで、売上と利益率は互いに逆方向に推移している)”。その例が、ここにある

Narrative ScienceのCEO Stuart Frankelはこう語る: “このエクステンションは、TableauとNarrative Scienceのきわめて密接なコラボレーションの成果だ。このエクステンションがない環境では、通常のTableau体験とほぼ同じ体験が得られる”。

Narrative Scienceのプロダクトの中では、Quillが特に有名だ。これは、データ、たとえばスポーツのスコア、を見せると、それの記事を作る。Narratives for TableauはQuillの応用のようなプロダクトだ、とFrankelは述べる。

Tableauのチーフプロダクトオフィサー(CPO)Francois Ajenstatによると、同社はこのプロジェクトに出資していない。今後はNarrative Science以外のところからも、類似のエクステンションをリリースする計画だ、という。

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Narratives for Tableauが生成したテキストは、ユーザーが適当に編集できる。たとえば、特定のパラグラフだけを残したり、データの主な特徴を箇条書きにする、など。もちろんテキストを好みの文体に書き換えてもよい。

Frankelの説明によると、“ユーザーの設定次第で、そのデータに関するコンテキストを書き加えたり、パッケージの取捨選択によって説明文を変えたりできる。もちろんエクステンションが生成するテキストはふつうのドキュメントにコピペしたり、変更を加えることができる”、という。説明文とTableauの対話的な視覚化を、Webページに載せてもよい。

そのChromeエクステンションは現状ではまだ公開プレビューで、今後はもっと高度なNLGをもっと深くTableauに統合することを目指している。また、現在はChromeのみだが、次の段階ではそのほかのいろんなプラットホームでデプロイできるようにしたい、とFrankelは語る。

このパートナーシップの発表の24時間前にTableauは、Adam Selipskyを社長兼CEOに任命した(正式就任は9月16日)。Tableauの協同ファウンダーで現CEOのChristian Chabotは、取締役会の会長になる。

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8月の初めに発表された本年第二四半期のTableauの決算報告は、経費の増嵩のため予想を下回った。今日(米国時間8/23)のニューヨーク証券取引所では、7ドル35セント(13.4%)上昇の62ドル22セントの終値となった。

Narratives for TableauはChrome Web Storeのここで入手できる。入門的ドキュメントはここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、消すのが困難なポップアップ広告を表示するサイトを制裁へ

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今日(米国時間8/23)Googleは、モバイル検索結果に関連する大きな変更を2件実施したことを発表した。おそらくすぐに気付くのは、モバイル検索結果ページで〈モバイルで読みやすいページ〉を目立たせていた “Mobile-Friendly” ラベルがなくなったことだろう。

しかし長期的には、もう一つの変更の方が影響は大きいだろう。2017年1月10日以降Googleは、ユーザーがページを開いた時に煩わしいインタースティシャル(全画面ポップアップ)広告を表示するモバイルページに制裁を課し、検索結果の順位を下げる。

なぜGoogleはMobile-Friendlyラベルを外すのか? Google自身のデータによると、今やモバイル検索結果に表示されるページの85%がMobile-Friendlyだ。このため、検索結果画面が乱雑になるのを避けるために表示をやめるが、今後もランキングの指標としては使用する。

煩しいインタースティシャル広告 ― 全画面を占有する煩しい広告や告知のことで、消去するためのボタンは限りなく小さく、新車を買うつもりなどなくともうっかり広告をクリックしてしまうよう仕組まれている ― に対するペナルティーは、悪徳マーケターを嘆かせるだろうが、ユーザーにとっては遅すぎるくらいだ。

なお、Googleはインタースティシャルを使う全サイトに罰を与えるのではない ― コンテンツをアクセスしにくくしている物だけだ。つまり、ページを訪れた時や見ている途中にメインのコンテンツを隠すポップアップや、メインコンテンツを見るために消去しなくてはならない単独のインタースティシャル広告、あるいは見出しのように見えるインタースティシャルを表示するページが対象だ。中でも最後のは特に煩わしく、広告がメインコンテンツを押し下げ、ほとんどがうっかりクリックしてしまうように仕向けられている。

ログイン画面で法的義務に従って表示されるインタースティシャルは対象外であり、Googleのランキングを下げることはない。

Googleがインタースティシャルをランキング指標に使うのはこれが初めてではない。アプリのインストール広告に使っているサイトには、既に制裁を加えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Sony、PlayStation NowのWindows版を公開。DualShock 4 ワイヤレスUSBアダプターも発売

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PlayStation Nowは、伝統的PlayStationタイトルをオンデマンドで利用できる定期購読サービスだ。これをWindowsパソコンで利用できるようになった。まずヨーロッパでサービスが開始され、近々北米にもやってくる。さらにSonyは、パソコンでゲームをプレイしやすくするために、DualShock 4 コントローラーのUSBワイヤレスアダプターを提供して、PlayStation 4のゲームパッドをMacとWindowsパソコンで使えるようにする。

アダプターの発売は9月始めで、小売価格は24.99ドルだ。PlayStation Nowで使用できるが、PS4オーナーにとってさらに重要なのは、PS4 Remote Playで使えることだろう。Remote PlayはMacまたはWindowsで動くアプリで、PlayStationのゲームをパソコンからLAN経由でリモートにプレイできる。これまでは、USBケーブルでPS4コントローラーとパソコンを物理的につなぐ必要があった。

PlayStation NowがPS4でデビューしたのは昨年6月で、現在ライブラリーには400を越えるゲームが登録されている。ゲームはストリーミングで送られてくるので、各タイトルをローカルにインストールする必要はなく、進行状態もオンラインに保存できるため、どこからでも簡単にプレイできる。ライブラリーに最新タイトルは入っていないが、数多くの古典的名作が揃っており、God of WarやUnchartedのシリーズ等も利用できる。

PlayStation Now on PCを利用するためには、下記のハードウェアスペックが必要だ(さほど高くないので心配無用)。

  • Windows 7 (SP1)、8.1 または 10
  • CPU:3.5 GHz Intel Core i3または3.8 GHz AMD A10 以上
  • ハードディスク: 300 MB以上、RAM:2 GB以上
  • サウンドカード、USBポート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

低消費電力の深層学習で新分野開拓、日本のLeapMindがシリーズAで3.4億円の資金調達

unspecified2012年設立の日本のスタートアップ企業、LeapMindは今日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、米Visionnaire Ventures Fundアーキタイプベンチャーズを引受先とした第三者割当増資で総額約3億4000万円の資金調達を完了したことを発表した。創業者でCEOの松田総一氏によれば、LeapMindはGPUを含む高い処理能力や大容量メモリーを前提としたこれまでの深層学習と違い、精度を落とさずに必要となる計算リソースを減らすことに取り組むスタートアップだ。

特に画像認識や音声認識といった応用分野で、深層学習が大きな前進を見せているのは皆さんご存知の通り。ただ、これまでの深層学習の応用はクラウドだったりGPUをふんだんに投入する「力技」の競争という面があった。ニューラルネットワークは人間の中枢神経系と同じく多数のノードを層状にして積み重ねるもので、最近この層数が深くなっている。現在の深層学習ブームの背景の1つに計算テクニックの発展があったのは間違いないが、それでも計算量は多い。精度を上げるために計算リソースをぶち込むのが「最先端」の研究だ。ボードゲームへの深層学習の適用で圧倒的な成果を見せつけたAlphaGoは、1000個以上のCPU、100個以上のGPUを組み合わせるような取り組みだった。

一方、LeapMindの松田CEOによれば、もっと劇的に計算量を減らすことができる研究が、この1年ほどで出てきているのだという。層と層の間の計算の受けた渡し方の計算順序を工夫したり、受け渡しの数値を実数ではなく2値にしてしまうような研究があるという。例えば、この論文によれば「バイナリCNN」を使った画像分類ベンチマークでは、メモリー効率32倍と58倍の速度向上を達成。精度は2.9%劣るだけだったという。

松田CEOによれば、LeapMindはこうした最新の研究を参照してプロダクトを実装している。深層学習の人気ライブラリの1つ、Caffeに含まれるモデルをLeapMindで実装したところ、Caffeで450MBの容量となったニューラルネットのモデルが、LeapMindでは45KBで保存できた例もあるという。このときの精度はオリジナルのCaffeが58%であるのに対して、52%と十分なものだったという。

すでにできていることを少し精度を落として低コスト、低リソースでやるというインセンティブはアカデミックな世界にはあまりないのか、この方面への研究は注目度が低い。世界的にみると競合としては、VicariousMovidiusといったところがあるが数は少ないのだそう。「この分野を徹底して研究しているLeapMindのほうが大学の研究者より詳しいこともある」(松田CEO)という。

低商品電力になると何ができるのか?

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Droneに高度な画像認識モジュールを搭載するイメージ図

低商品電力で深層学習が利用できるとなると、例えば冷蔵庫に搭載もできるだろうという。冷蔵庫の中身の残りものを画像認識してレシピを提案するといった応用があったとき、最新GPUを搭載してガンガン熱を出してしまっては冷蔵庫という自らの存在を否定するような製品になってしまうが、低商品電力で非力なチップで処理できれば応用可能性が開ける。松田CEOは「今後、名刺入れにさえ深層学習が入ってくるような世界を目指す」としていて、現在はNTTデータ、KDDI、DNP、小糸製作所などと共同研究を進めているほか、実験的プロダクトをいくつか出している

今後は企業と組んで消費者へ届けるアプリケーションを発掘・開発していくほか、自社でモデルを作成してモジュール化した「Juiz System」をSaaSモデルで売っていくモデルの2通りでマネタイズを考えているそうだ。より広く生活者に深層学習の恩恵を届けるためには、それぞれの応用分野を詳しく知っている各企業に任せる、ということだそうだ。

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ところで深層学習を省電力対応していく方向性が今後ひとつのトレンドになるのだとしたら、その技術的アドバンテージのコモディティー化は早そうだ。LeapMindは企業として何の差別化ができるのだろうか? 「確かに2年後ぐらいには技術は平準化していくと思います。ただ、その間にユーザーや共同開発の企業を増やします。そこから入って来るトレーニングデータが大事」(松田CEO)。たとえアルゴリズムでGoogleに勝てなくても、例えば日本人がどんな食事をしていて何が好きなのかといったことの予測精度ではGoogleに勝てるだろうという。「だからバラマキ戦略をやっているのです。深層学習を商用まで持っていけてる企業は少ないですし、より広い企業と繋がる努力をしているAI企業も少ないのです」(松田CEO)

Shopify、決済用カードリーダーとPOSアプリをイギリスで近日提供開始

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Shopifyは事業者向けクレジットカードリーダー(読み取り機)とPOSアプリをイギリスでまもなくローンチする。同社のリーダーは非接触式、ICチップ、磁気テープによる決済をサポートし、店舗側はAndroid PayやApple Payなどのコンタクトレス決済と、従来のカード読み取り式決済の両方に対応できる。アプリは無料で、iPhoneまたはiPadに接続したリーダーと連動する。

Shopifyのアプリとリーダーをセットで使えば、イベントや期間限定のポップアップ・ストア、固定店舗などで幅広い支払方法に対応できるようになる。さらにShopifyのeコマース機能で、実店舗でのショッピング・エクスペリエンスをオンラインストアと結びつけることも可能だ。

Shopifyのカードリーダー本体は、今なら期間限定で20ポンド引きの59ポンドで事前予約が可能。前述のようにアプリは無料で、決済手数料は1.6パーセントから。決済ごとの基本料金はかからない。

Shopifyのプロダクト・グロース・マネージャーHailey Colemanは「イギリスはShopifyにとって2番目に大きな市場」とTechCrunchに語る。「Shopify POSアプリとカードリーダーのローンチで、スモールビジネスオーナーはカード決済をいつでもどこででも、簡単かつ安全に受付可能になります。これでイギリスの事業者にもShopifyでビジネス全体を回してもらえます」。

今回イギリスで提供開始となるShopifyのリーダーとソフトウェアがあると、小売店側にとって最新のモバイル決済技術の導入もかなり容易になる。同社のカードリーダーはコンタクトレス(非接触/NFC)決済機能を内蔵し、Android PayとApple Payにも自動的に対応する。

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(翻訳:Ayako Teranishi)

新しいトップレベルドメイン(TLD)、.blogはAutomatticサイトで予約受付中

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新しく作られるトップレベルドメイン名で実際に意味がありそうなものは少ない。.blogはその一つだ。TechCrunchも利用しているWordPressを作っている他に、ウェブアプリ多数を持っているAutomatticが.blogのドメインを所有している。このドメインを利用したいユーザーはget.blogおよび(紛らわしいが) dotblog.wordpress.comから予約ができる。

Automatticは従来のドメイン登録の慣例どおり、数日前からいわゆるSunrise(サンライズ期間)を開始していた。商標の所有企業は商標に続くドメイン名をこの期間内に早期予約できる。つまりApple.blog,、TechCrunch.blog、Trump.blog、などというドメイン名だ。

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この期間中の取得費用の総額は250ドルになる。登録料が220ドルで、最初の1年のドメイン利用料金が30ドルだ。複数のユーザーが同一のドメインを要求した場合はオクタゴンで戦って決着をつける―わけではなくて、オークションになる。

11月2日に.blogドメイン名のLandrush(ランドラッシュ)期間が始まる。これは一般的に意味のある単語のドメイン名が新設される場合、sunrise期間と一般受付期間の中間に設けられる期間で、一定の資格を満たした者の登録の受付が可能だ。他のTLDと同様、「価値の高いドメイン名には一定のプレミアムが加算される」という。つまり人気のありそうなドット・ブログ・ドメイン名を二束三文で取得し、高額で転売して大儲けするというような不心得者の出現を防ぐためだ。

われわれのような登録商標に縁のない一般ユーザーが自分の名前や趣味名に続く .blogのドメイン名を登録できるのはランドラッシュの終了後、11月21日からとなる。

画像:: Automattic

〔日本版〕WordPress日本語版のサイトに.blogドメイン名の説明と予約に関するページが設けられている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

リングリング・ブラザーズの新しいサーカスはテクノロジー満載のファミリー・ショーだった

リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス( Ringling Bros. and Barnum and Bailey Circus) という名前を聞いたたら皆さんは何と思うだろうか? 私がまず最初に思ったのは「え、まだあのサーカスは健在なの?」だった。2つ目は「動物の待遇が心配」だった。正直、こういう感想を抱くのは私だけではないと思う。

この伝統あるエンターテイメント企業は、150年の歴史で初めて全面的な改革を実行していた。つまり最新テクノロジーをフルに利用した未来志向のライブ・パフォーマンスに生まれ変わっていた。

現在サーカスを所有するFeld Entertainmentは「生まれ変わったショー」にTechCrunchチームを招待し、舞台裏もすっかり見せてくれた。

「アウト・オブ・ジス・ワールド」は、宇宙を舞台にすると同時に一環したストーリーを持つリングリング・ブラザーズとして最初のショーだという。宇宙をテーマとしたことで3Dプロジェクション・マッピングをフルに活用して、人間によるパフォーマンスと統合した舞台を構築することが可能となっている。過去のショーでは野暮ったい大がかりなセットが組まれていたが、チームは今や7台のプロジェクターを駆使することで観客に宇宙にいるようなイリュージョンをもたらすことに成功している。

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スポットライト・システムも最新のものだった。ハイテクでコントロールされた照明はそれぞれの出演者のコスチュームに最適化されている。スケートでアクロバティックなジャンプをし。、宙返りを決め、ステージの端から端まで疾走しても常にスポットライトは出演者を中心にとらえ続けていた。照明エンジニアのLorelie
Owensによれば「.それぞれの出演者はある種のビーコンの役割を果たすブラックボックスを身につけている」という。スポットライトはこの装置の発する信号を追って上下左右に動く。舞台裏の照明コンソールに登録された情報が照明の色彩や各種効果をリアルタイムで制御するという。「パフォーマーの着用している位置ビーコンと照明コンソール
が共同して適切な照明パターンを実現する」とOwensは説明してくれた。

Owensによればビーコンによるトラッキング・システムは最大で同時に72人の出演者に対応できるという。どれほど複雑かつ素早い動きをしてもそれぞれのパフォーマーの動きを追いながら点滅や色彩の変更などの効果を与えることが可能だ。

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リングリング・ブラザーズの「アウト・オブ・ジス・ワールド」は派手で楽しいファミリー向けのショーに仕上がっていた。いってみればシルク・ド・ソレイユディズニー・オン・アイスを足したような感じだ。事実、FeldはDisney Live! の巡業もプロデュースしているという。動物の待遇についていえば、ゾウは使われておらず、トラがちょっと登場するくらいだった。ウマ、イヌ、ヤギなどもともと人間と暮らしている見慣れた動物が芸の主役だった。Wikipediaにも説明があるが、こうした動物は施設から引き取られたものが多いそうだ。

ともあれ面白いショーだった。高いところでパフォーマンスが繰り広げられるのをスポットライトとプロジェクションが派手に盛り上げて、興奮させられるビジュアルを生み出していた。この新しいハイテク・ショーは「地上最大のショー」を首尾よくよみがえらせるだろうか? 今後に注目していきたい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

英語学習者の読解レベルに応じたニュース文書を提供するNewsela、対象をニュース以外にも拡大

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Newselaは2012年にサービスを開始し、英語学習者に広く活用されているサービスだ。英語の読解力を、個々人のレベルおよびペースで高めることを目的としている。

NewselaのCEO兼共同ファウンダーであるMatthew Grossによれば、80万の先生および770万の生徒が利用しているのだとのこと。

読解の教材にはもっぱらニュースを使っていたのだが、英語学習の観点からみると、これだけでは不十分だという話になったようだ。英語をただ読むだけでなく、内容を把握して自分自身で考える能力も身につけさせたいと考えるうち、教材の幅を広げることになったそうだ。

新学年を迎えようとする今、Newselaが新たに追加したのはLibraryだ。このLibraryでは歴史や有名な人物に関する一時的情報を、さまざまな読解レベルに応じた形で提供する。用意している言語は英語およびスペイン語だ。

扱うものを具体的にみれば、歴史ないし人物関連の情報の中でもとくに、メディアやポップカルチャーにも頻繁に登場するものを集めている。たとえばリンカーン大統領のゲティスバーグ演説やブラウン対教育委員会裁判に関するものなのだ。

こうした資料は非常に価値あるものではあるが、読解を難しく感じる人もいる。オリジナルをみてみようとウェブや印刷物を探しても、読めなくてがっかりする人も多い。

そこで、こうした資料を読解レベルに応じた形で提供しようとしているわけだ。合衆国憲法を8歳程度の子供の読解力にあわせて書き換えている例を下に掲載しておこう。

オリジナル
We the People of the United States, in Order to form a more perfect Union, establish Justice, insure domestic Tranquility, provide for the common defence, promote the general Welfare, and secure the Blessings of Liberty to ourselves and our Posterity, do ordain and establish this Constitution for the United States of America.

変更後
We the People of the United States want to form a more perfect country. We will set up justice, promise peace, protect the people, keep them healthy, and have liberty for ourselves and our children. Now we create this Constitution for the United States of America in order to do those things.

なお、Libraryの追加とともに、Pro版および、教師用および学校単位でプレミアム版を利用している人に対するサービスを改良した。

追加機能により、教師は生徒たちがどのようなコンテンツを読んで、また読解力を伸ばしているのかを確認することができる。また、どのレベルで難しさを感じているのかなどを、クラス単位ないし個人毎にチェックすることもできる。

Gross曰く「生徒たちの読解力に応じて、読む力や知識、読書へのモチベーションを高めたいと考えているのです」とのこと。

本サービスは、外国語として英語を学んでいる人(ESL:English-as-a-second-language)や貧困層を主な対象としたものだ。

サービスの提供によりもちろん利益をあげることを目指しているが、まずミッションありきのサービスでもある。技術および教育の融合を考えるKPCBOwl Venturesなどからの出資を受けている。

Newselaはこれまでに2216万ドルのベンチャーファンド資金を集めている。

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(翻訳:Maeda, H