iOS 9はリリース後24時間ではやくも12%の普及率(iOS 8を上回る速度)

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情報分析事業を展開するMixpanelによると、iOS 9は順調に受け入れられつつある模様だ。更新についてトラブルのあったユーザーもいたようだが、なかなかのペースで広まりつつあるらしい。

Mixpanelによると、リリース後24時間にも達しないうちに、iOS 9は12%の普及率(adoption)を示したとのこと。これはiOS 8よりも速いペースであるとMixpanelのCEOであるSuhail Doshiは述べている。これは、Appleとして始めて一般利用者向けにベータ版を公開して、新しい機能に慣れてもらいつつ、リリーススケジュールを調整した成果のひとつといえるだろう。

またDoshiは、Androidの普及ペースとも比較しつつ、次のようにも述べている。

iOS 9は24時間で12%の普及率(adoption)を示しました。昨年のiOS 8の際と同様な状況を示していると言えます。AndroidではのLollipopについていえば、同様の普及率を達成するのに5ヶ月を要しています。Appleの成功の理由のひとつとして、アップデートモジュールのサイズ(前回のアップデートモジュールよりも3.5倍も小さくなっている)を挙げることもできるでしょう。iPhoneの記憶容量がほとんど残っていないような利用者にも配慮しているともいえるわけです。ただし、サーバー側で一部不具合があったこともあってかiOS 7と比べると普及の速度は大きく遅れてはいるようです。

各OSの割合は次のようになっている。

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上の図から明らかなように、iOS 9はすでに「8以前のOS」よりも多くインストールされているようだ。

iOS 8にくらべて3.5倍も小さいというのが、やはり大きく寄与しているようだ。対応機種をもつひとは、即座にアップデートしようとすることが多い様子。現在も猛烈な速度でiOS 9が増えているようだ。

(なお、タコスの絵文字は9.1からの対応となっている)。

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(翻訳:Maeda, H

Webサイトをモバイルアプリに変換するDWNLDが早くもシリーズAで$12Mを調達、マーケットプレースの開設へ

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Webサイトを簡単にアプリに換えてくれるDWNLDが今日(米国時間9/17)、Greylock Partners率いるシリーズAのラウンドで1200万ドルを調達したことを発表した。

協同ファウンダでCEOのAlexandra Keatingと協同ファウンダのFritz Lanmanが作ったこのプラットホームを利用すると、Webサイトのすべてのコンテンツを簡単にネイティブアプリへ転換できる。コーディングの技能は要らない。

転換に際してアプリの色やレイアウトやフォントなどを指定できるから、DWNLDで作ったアプリは独自のルック&フィールになる。

Webパブリッシャーが継続的に利用するのに適している有料(月額15ドルから)のDWNLDには、アプリのパフォーマンスの分析機能や、アプリ内購入による売上の生成、広告、有料ダウンロード機能などがある。また、より多くの、あるいは無制限に、プッシュ通知を送ることもできる。

DWNLDの無料利用でも、Webサイトををアプリとしてパブリッシュできるだけでなく、ソーシャルメディアやブログとの統合ができる。ブログのコンテンツは、転換に際して保全される。

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今回の新たな資金でDWNLDは、マーケットプレースを開設したいと考えている。このマーケットプレースを介せば、ユーザはStripeやTwilio、ShopifyなどなどのAPIを安く使える(数千のユーザがいるDWNLDのネットワーク効果による)。

この資金調達ラウンドの一環として、GreylockのJohn LillyがDWNLDの取締役会に加わる。LillyはWebのパイオニアの一人で、Mozillaに長く在籍した人物だが、DWNLDはWebパブリッシャーがコンテンツをネイティブアプリのフォーマットに転換できる優れた方法だ、と見なしている。

Lillyは曰く: “これまでモバイルは、パブリッシャーにとって入りづらい世界だった。Webは死んだ、アプリ万歳、と言う気はないけど、今のWebは病んでいる。今のWebは完全な健康体ではないから、Webからネイティブアプリへの橋渡しができることは多くのパブリッシャーにとって重要だ。最近のユーザは、ますます多くのアプリをダウンロードするようになっているのだから”。

DWNLDによってアプリに変換されたWebサイトは2000を超えている。昨年の創業以来の資金調達総額は1400万ドルに達する。

DWNLDについて詳しく知りたい人は、同社のアプリ、ではなく、Webサイトへ行こう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オープンソースのGitコラボレーションプラットホームGitLabが$4Mを調達、オンプレミスユーザが10万社を超える

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GitベースのオープンソースのデベロッパコラボレーションプラットホームGitLabが今日(米国時間9/17)、Khosla VenturesからシリーズAで400万ドルを調達したことを発表した。

Y Combinatorで孵化した同社は、そのサービスを無料のコミュニティエディションと、無料のSaaSバージョン、そして有料のエンタプライズエディションで提供している。同社によると、今回の資金は成長の加速とグローバルなオペレーションの拡大に充てられる。また、中国や日本の企業とのパートナーシップも検討している。

GitLabのCEOで協同ファウンダのSytse “Sid” Sijbrandijによると、現時点で新たな資金調達を行ったのは、今の勢いを維持するため、資金が本当に必要になったとき、それが手元にあり、調達努力に時間を取られたくないためだ。先月のキャッシュフローはプラスだったが、“Khoslaは成長を維持するための優れた機会を提供してくれた”、という。

Gitは今や、多くのデベロッパチームにとってコード管理ツールの定番だ。そのGitをホスティングするサービスとしてはGitHubがいちばんよく知られているが、この分野はコンペティタが多い。それぞれが他にない独自性とユーザインタフェイスを打ち出し、Gitを主にSaaSで提供している。たとえばAtlassianは、無料と有料両方のGitホスティングサービスを提供している。

GitLabはオープンソースのソリューション集合を提供していることが、他のコンペティタにない特性だ。Khosla VenturesのVinod Khoslaも、今日の声明でこの点を強調している: “GitLabへの投資はいわば既定の路線だ。未来はオープンソースのソリューションにあり、GitLabは、今の市場でもっとも人気の高いオープンソースのコードコラボレーションプラットホームとして、未来へ向かう道をリードしている”。

またSijbrandijは、ユーザの選択を挙げている: “ソースコードがオープンで改変可能だから、それを自社のサーバの上で動かしたり、GitLabを自社独自のソリューションのベースとして利用することができる”。

同社によると現在、10万あまりの企業や団体がGitLabをオンプレミスで使っており、その中にはNASAやCERN、Alibaba、SpaceX、O’Reilly、IBM、Expediaなども含まれる。有料サービスに関しては、数百社の企業がEnterprise Editionを利用しており、その多くはFortune 500などに含まれる大企業だ。

GitLabは、サービスの次のアップデート(バージョン8.0)を、来週9月22日にローンチする、と発表した。このアップデートでディスクの使用量を50%減らし、コードをマージするプロセスが従来よりも相当速くなる。また継続的インテグレーションをGitLab自身がサポートし、インタフェイスを改良、そして”reply by email”機能によりモバイルデバイスからのコメントが容易になる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookの〈Dislikeじゃない〉ボタンは、絵文字だけになるかもしれない

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どうすれば、共感の気持ちを簡潔かつ明確に言語を越えて伝えられるだろう?

Dislikeボタンは長年Facebookユーザーから最も要望の多かった機能だ。そして今週ついにCEO Mark Zuckerbergは、あなたが自然災害や家族の死等の悲しい知らせを投稿した時、人々が「あなたの気持ちを理解し、そのことを伝えたがっていることを表現する」方法を開発中であることを明らかにした。

多くのニュース機関はこれを、FacebookがサムズダウンのDislikeボタンを作っていると、誤って解釈したが、実際にZuckが言ったのは、「単なるDislikeボタンは作りたくなかった。なぜならFacebookを人々が他人の投稿にアップやダウンの投票をするフォーラムにはしたくないからだ。それはわれわれが作りたいコミュニティーの姿だとは思えない」だった。

Slack Reactionsでは、このボタンはどんな見た目になるのだろうか? 当初私が推したのは “Sorry” で、それは簡潔で明白で翻訳可能だからだった。しかしよく考えるうちに、絵文字の方が良い選択肢である気がしてきた。

その機能ならもうSlackにある、と言いたい人がいるかもしれない。職場のチャットアプリであるSlackでは「リアクションを追加」することが可能で、膨大な標準絵文字リストまたは会社がアップロードしたカスタムメイドのアイコンを選んで投稿に返信できる。

しかし、Slackのシステムは触れ合いを大切にするメッセージングアプリではうまくいくかもしれないが、制約がなさすぎる。もしみんなが異なる絵文字を選んで返答すれば、絵文字の山が出来てしまう。多くの絵文字は、楽しいけれどもその意味はあまり明確ではない。ピザにどんな意味があるのか? 丸顔? それともペンギン?Screen Shot 2015-09-17 at 3.17.52 PM

だから私は、Facebookが共感ボタン等Like以外の感情を表現する方法のお手本にするなら、Pathのリアクションに似たものがよいと思う。

Path ButtonsPathの投稿に絵文字やスタンプで応答するにはコメント機能を使う。ただし、ハートアイコン(LikeのPathバージョン)を押すと5つの選択肢が現れる。

  • ハート ― 実質的にLikeと同じく、好意を表す
  • スマイル ― Likeに似ているが、好意よりも自分のポジティブな反応
  • ウィンク ― 誰かのユーモアに対する笑いや感謝
  • 驚き ― 衝撃あるいは疑念のリアクション
  • しかめつら ― 悲しみ、共感、あるいは同情の表現

この5つの絵文字を使って、実に様々な共通する感情を表現することができる。タップするとその絵文字が投稿の下に積み重ねられていく。

Freeのファウンダーで、Path創設当時のデザイナーだったDanny Trinhは、当初PathではHappyからSadまでのスライドつまみを使って感情を伝えようと思っていたと私に話した。しかし、それは早くもなく包括的でもないように思えた。

次にTrinhは、リアクションを核となる感情に凝縮することを思いついた。以前彼はアップ/ダウン投票のアイデアを広めたDiggで働いていた。彼は私に、人々が有名人の死等の悲しいニュースにアップ投票することの気まずさを訴えた。Pathのより親密なSNSアプリには、もっと微妙な感情表現が欲しかった。彼が提案したのはこれだった。

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Pathは様々な感情カテゴリーの実験を行った。そしてTrihnによると、共同ファウンダー・CEOのDave Morinが「膨大な感情カテゴリーを分類した資料を堀り起こして検討した結果、この5つに落ち着いた」。これによって、どのリアクション絵文字も即座に認識できる非常に簡潔なインターフェースが可能になった。

私は同様のしくみがFacebookでも使えると思う。他のソーシャルアプリのデザインをパクることを尻込みする会社ではない、特にPathに関して。最近Facebookは、近況の投稿でPathスタイルのフライアウトボタンをテストした。去る2013年、FacebookはMessengerの送信ボタンをテキスト入力前はサムズアップに変えた ― Pathのチェックマークと同じように

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Pathのチェックマーク(左)はFacebook Messenger(右)のテキスト入力前に表示されるLikeボタンの元になったと思われる。

もしFacebookが悲しい顔の絵文字や限られた種類の絵文字を追加すれば、インターフェースをあまり乱雑にすることなく、Like以外の感情を共有するための、万人に理解可能な方法を提供できるだろう。

うまくいけば、絵文字フィードバックはFacebookのニュースフィード順位アルゴリズムに、たとえLikeできない記事でも、何が重要で何がよく読まれたかを教えられるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

チョコレートのトップメーカーHersheyがお客がデザインしたチョコレートキャンディを3Dプリントしてネットと実店で販売

Hersheyのチョコレート科学者たちは今、ユニークなデザインのチョコレートキャンディを3Dプリントしている。この製菓企業は、3D Systems製の3DプリンタCocoJetを使って、合衆国各地でチョコレート愛好家たちに、この未来的なキャンディマシンで作ったユニークに美味(おい)しいデザインを提供しようとしている。

消費者はiPadの上で3Dグラフィクスのライブラリと対話をし、チョコレートのさまざまなデザインを作ってもらえる。複雑な六辺形でもよいし、細かいレース状のパターンでもよい。CocoJetはオープンソースのパターンにも対応するので、ユーザは自分のデザインをCocoJetにアップロードしてもよい。Hersheyでテクノロジマーケティングを担当しているJeff Mundtによると、フィギュアのようなものはプリントが難しいが、理論的にはチョコレートで自分自身の(または好きな人友だちの)レプリカを作ることもできる。

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チョコレート専用の3Dプリンタは実はほかにもある。Choc Edgeも、チョコレートのデザインをカスタマイズできる。そのほかの食品用3Dプリンタの中にも、チョコレートの絹のようにスムーズなテクスチャを扱えるものがある。しかしHersheyは、今実用されているものの中ではCocoJetがいちばん技術的に高度なチョコレート用3Dプリンタだ、と信じている。

“うちでは、ふつうのプラスチック用の3Dプリンタでプリントできる形状なら何でもチョコレートでプリントできる。だから3D Systemsのふつうのプリンタとほとんど同じに見えるけれど、実は大幅に変えられている”、Mundtはそう語った。

本誌はMundtとCocoJetを、女の子のためのDIY/eコマースサービスBrit + CoのカンファレンスRe:Make 2015で取材した。みなさんはとりあえず上のビデオをご覧いただき、Hersheyの、口の中が唾液でいっぱいになりそうな楽しい3Dプリントを、ご自分の目で味わってほしい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

CtoCコマースのメルカリが新会社「ソウゾウ」を設立、代表には元ヤフーの松本氏

CtoCコマースを提供するメルカリ。同社が9月17日、100%子会社となる新会社「ソウゾウ」を設立したことを明らかにした。資本金は非公開。代表にはメルカリ執行役員の松本龍祐氏が就任する。

松本氏は2800万ダウンロードの写真加工アプリ「DECOPIC」を手がけたコミュニティファクトリーの創業者で、同社をヤフーに売却したのち、ヤフーのアプリ開発室本部長などを務めた。2015年3月にヤフーを退職し、5月にメルカリに参画している。

ソウゾウはまだプロダクトのリリースをしておらず、Wantedlyなどを通じて人材募集を開始したところ。松本氏は「今後新しいアプリをどんどん作っていく」としている。同氏はDECOPIC以外にもTRILLなど女性向けのサービスやメディアにも関わってきているが、ソウゾウは特に女性にターゲットを限定したサービスを展開するという訳ではないという。

ちなみにメルカリの創業期の社名は「コウゾウ」。ソウゾウはこの名称にかけたもののようだ。まずは最初のプロダクトの提供を待ちたい。

14の少年が手作りの時計を学校に持参して逮捕された

テキサス州Irvingの14歳の少年Ahmed Mohamedが、学校に手作りの時計を持参したあと、警察に拘留された。 Dallas Morning Newsの記事によると、日ごろから“ラジオを自作したりゴーカートを自分で修理したりしている”この少年は、工作の先生に自分の作品を見せたいと思った。

学校の職員たちは最初、彼の時計を爆弾だと思ったが、今では“爆弾ふうのいたずら”と呼んでいる。校長のDan Cummings弁解の書簡の中で、子どもたちには“禁止されているものを学校に持ってきてはいけない”と申し渡してある、と書いている。理科のプロジェクトもいけない、ということなのか。

Ahmed自身は、時計を工作の教師に見せたかっただけだ。それは、板の上にデジタルの表示器と虎のホログラムを載せたものにすぎないが、教師は、どこかに隠した方がよいと勧めた。教室で時計がビープ音を発したとき、別の教師がそれを取り上げた。そして、Ahmedは逮捕された。彼はすぐに親の手に戻されたが、警察は、子どもがやってることには日頃からよく注意するように、と言った。

Ahmedは工作好きの子どもだが、父親のMohamed Elhassan Mohamedはスーダン出身で、反イスラム的な政策に抗議することで有名だった。Irvingの市長Beth Van Duyneは、反イスラム主義で有名だ。つまりAhmedは、有色人種のメイカーだったために逮捕された。

“彼は人間の役に立つものを作りたいだけです”、とAhmedの父Mohamed Elhassan Mohamedは言った。彼はスーダンからの移民だが、帰国して大統領選に立候補したこともある。“でも彼の名前がMohamedで日にちが9月11日だったから、息子は間違った扱いを受けたのだと思います”。”

 

メイカー系の起業家であるAnil Dashが、工作好きの少年へのヘルプを求めている。またテク・ライターのAndy Ihnatkoが、学校と警察の非道行為について説明している。“ぼくもAhmedだ。有色人種ではないけど”、と彼は書いた。“Ahmed、きみはすばらしい子だよ。そして世界は、今きみが住んでいる町よりずっとずっと大きい。小さな町の愚か者たちに、きみが誰であるかを定義する資格はない”。

ぼくには、この子がすぐに分かった。彼は、小学生時代のぼくだ。まだ6年生だったけど、教室のぼくの机のキャビネットの中は、電池を収めた弁当箱や、ワイヤ、いろんな回路板などでいっぱいだった。数年後にはマニュアルを読んで6502のアセンブリ言語を覚えたが、それは教師たちが見たら、ナチスの暗号文としか思えなかっただろう。通学のカバンに壊れたフロッピードライブの部品が入っていたら、暗号趣味の悪童、というイメージが固まっただろう。写真用のプリンタを作ろうと思って苦労していたときは、カバンの中はいろんな化学薬品の匂いで充満していた。これまたまさに、爆弾マニアと思われてしまうような光景だった。そのカバンを抱えてぼくは、ドアのノブを回し、鍵のかかっていない暗室に入った。

 

Ahmedが回したのは、彼のハイスクールの正面玄関のドアノブだった。

アップデート – 警察はAhmedに対する事件を取り下げた。

〔この記事の続報。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iOS9により、AppleのSiriとSpotlight検索はより優れたものになる。

本日、Appleの新しいオペレーティングシステムであるiOS9の配信が開始されました。いち早くベ-タ版を利用していたダニー・サリバン氏がレポートを掲載しています。検索についての言及は少なくなっていますが、文中に紹介されているエミリー・グロッスマン氏の記事で詳しく書かれています。(近々、SEO Japanで掲載予定です。)今後の検索行動に影響を与えるかもしれない新機能を、自身の見解とともに伝えてくれています。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

この新しいリソースは、引き続き、GoogleをApple独自の検索システムの端に追いやる。しかし、Google Nowは予測機能でさらに先を行っている。

Appleの最新のオペレーティングシステムが本日リリースされる。iOS9だ。iOS9はAppleのパーソナル・アシスタント機能であるSiriとSpotlight検索に改良を加えている。今回変更された内容の要約を記そう。

Spotlight。Apple製の検索エンジン。

昨年、Spotlight検索はあなたのiPhone内の情報以外を検索できるように改良された。画面をプルダウンすれば、”Spotlight 検索”を呼び出すことができる。

今年の初め、ジェイソン・カラカニス氏が非常に優れた記事を書いている。内容は、SpotlightがどのようにしてGoogleを破滅させるか、についてだ。記事内容には非常に同意している。実際にGoogleを破滅させることができるかはわからないが、Appleが今後進むであろう方向と非常に合致していると感じている。つまり、Appleは”核反応”のようにGoogleを破壊するのではなく、ゆっくりと時間をかけて、Googleを”閉じ込める”つもりなのだ。

私が2012年に書いた記事の内容を以下に抜粋する。

もしあなたがAppleであれば、あなたは何をするだろうか?あなたはSiriを、他の検索パートナーと伴に、成長させるだろう。Googleを閉じ込め、検索という領域を勝ち取ることを狙うのだ。

最終的には、あなたはApple製の検索エンジンをローンチすることになる。Webベース版のSiriだ。おそらく、あなたはSiriという名前はそのままにしており、Siri.comを通じて利用できるようになっている。限定されたプロバイダーから、よく検索される情報を取得し、それに対しての答えを提供できるように、ゆっくりと、成長していく。さらに、”バックアップ”の検索エンジンを変更する可能性もある。最終的には、パートナーを必要としない状況になるだろう。ちなみに、GoogleはBingに取って代わられている。ひっそりと。

あなたがAppleであれば、上記の内容がGoogleと戦う術であるはずだ。爆弾は一つも落とされない。消費者は、戦争をしていることにすら、気が付かないのである。

“閉じ込め”の戦争は、Spotlightによって継続されている。しかし、奇妙なことに、Spotlightという名前が表示されなくなっている。下記に、iOS8(左側)とiOS9(右側)の画像を掲載しておく。(私はベター版のiOS9.1を一般公開前に使用することができている。)

Spotlight検索を行う際、あなたは何かに気がつくはずだ。Siriの新しい機能である、”アプリ・サジェスト”が使えるようになっているのである。これは、Siriの”前衛的な”機能であり、これについては後ほど述べたいと思う。

Spotlight内のBingとその他の検索結果

Spotlight検索は、以前と比べ、より多くの情報を提供している。よりリッチな検索結果を表示するようにもなっており、スポーツなどについては”カード”形式の結果を表示しているのだ。例えば、”angels”を検索した場合は下記のような違いがある。左側がiOS8であり、右側がiOS9の検索結果だ。

iOS9の場合は、特定の試合のスコアが表示されていることに気がつくだろう。南カルフォルニアのオレンジカウンティのアナハイムに位置する、ロサゼルス・エンゼルスの試合結果だ。さらに、別の例を記載しよう。

こちらの例では、”Web動画”というエリアが新しく表示されている。Twitterよりも上位に位置し、Bingについてはさらに下に追いやられている。さらに、別の例を記載しよう。

上記の例では、両方のケースでWikipediaをソースとする検索結果が1位に表示されている。奇妙なことに、Notes機能からのコンテンツは合致しないことになっている。Notes機能を同期しているのにも関わらずだ。iOS9ではWeb動画のエリアが表示されている。また、両者ともに、Bingの検索結果は下に追いやられている。

あなたのSpotlightでの検索結果は、インストールしているアプリによって異なるし、逆を言えば、インストールされているアプリのコンテンツはより多く表示されるようになるだろう。これについて(Googleによる同様の取り組みについても)は、エミリー・グロッスマン氏とシンディ・クラム氏が非常に優れた記事をSearch Engine Landに投稿している。下記にリンクを記載しておこう。

GoogleはSafariに留まる

Spotlight検索はBingを去年から採用しており、これについての変更はない。Appleの検索システムからGoogleが閉めだされた格好だ。

しかし、Safariにおいては、Googleは引き続き採用されている。AppleとGoogleの長期に及ぶ契約が数カ月前に満了しているにも関わらずだ。Googleは5月に、この契約についての話し合いは引き続き行われていると発言している。個人的な見解ではあるが、この契約は、実はひっそりと再契約されているか、6ヶ月か12ヶ月ほどの一時的な延長が合意されていると考えている。

Spotlight内のBingのように、Googleは検索エンジンの最終兵器である。デフォルト設定では、Safariはあなたが入力した内容をサジェストするため、Spotlightから内容を引っ張ってきている。検索結果には他のソースからの情報も含まれる可能性があり、スポーツのスコアや天気予報などの場合は、カード形式の情報が表示される場合もある。

下記に、天気予報の表示をiOS8とiOS9の場合で比べた画像を掲載する。iOS8では天気予報のアプリをサジェストする表示となっている。

Siriは前衛的であろうとしている

Apple独自のデジタルアシスタント機能であるSiriは、検索に用いることも可能だ。今月末に登場するiPhone 6sとiPhone 6s Plusでは、”Hey Siri”と呼びかけることで稼働する機能を実装している。ハンズフリーで用いることができ、プラグインの設定も必要ない

さらにSiriは新しい機能を実装している。Appleによる、Siriの新しい機能の一覧はここで確認することができる。その中の一つを取り上げると、特定の場所で撮影した写真を見つけるよう、尋ねることができる機能だ。Appleフォト内の写真の中で合致したものを探してくれるのだ。その他では、マップで特定の場所、例えばグロッサリーストアなどを選択し、”ピクルスを買うことを忘れないように”と伝えることができる。そして、該当のお店に到着した時にその内容を伝えてくれるのだ。この機能は、マイクロソフトのCortanaに似ている。

Siriはあなたが尋ねる前に、あなたが望むものを予測しようとしている。Google Nowが行っている試みと同様だ。この”前衛的”な機能は、Google Nowに追いつこうとする機能だろう。道のりは非常に長いと言える。なぜなら、Siriの場合は、検索やブラウジングの履歴やメールの内容などを参照せず、非常に限定的な方法を採用しているからである。

もちろん、Siriはあなたのメールの内容を参照している。しかし、Cortanaと同様、あなた自身のデバイス内のメールのみを見ているのであり、クラウドに保管されたメールは見ていない。しかも、あなたが、Appleのメールアプリを使用してい場合のみ、該当するようになっている。あなたのメールの内容から学習した内容は、ローカルの場所に保管される。Googleはクラウドに保管されたあなたのメールを見ており、その内容をクラウドベースの場所に保管している。

iPhoneの画面を左側にスワイプすることで、Siriの詳細な予測機能を確認できる。ここでは、Siriがあなたが好むであろう内容を予測し、それについての情報を記載している。良く使用するアプリや、ニュース速報、”近くの〇〇”といった情報だ。

この画像は、上記のページが表示するアプリやニュース速報や近くの〇〇の違いの例だ。昨日の夕方、近くの〇〇はレストランとバーを表示している。今朝の場合は、ランチとコーヒーの場所を表示している。

いずれかをタップするとAppleマップが表示され、関連する情報も併せて表示されている。下記は、私がいた場所の近くのレストランとバーのリストを表示している画像だ。

この機能は、Googleが最近追加したGoogleマップ内のExplore機能に似ている。どちらも非常に優れている機能だ。

Siriは、スケジュールをカレンダーに追加していれば、フライトやアポイントメントの時間を知らせてくれる。また、メールの内容からもお知らせをしてくれるだろう。私がベータ版を3週間試したところ、まだこの機能は動いていないようだ。しかし、いずれ使えるようになるだろう。

最後に、Siriはあなたがアプリを使用している時、よりスマートな機能を提供してくれる。例えば、ヘッドフォンを使用している時、あなたが最後に行ったことを判断してくれる。オーディオブックを聞き、音楽を流していた、というような具合だ。

プライバシーポリシーにおけるジレンマ

概して、追加された機能は非常に優れたものと感じている。Appleは引き続き、Googleを自身の検索の領域の端へと追いやっている。しかし、予測機能の観点からすれば、新しいSiriの機能は、Google Nowと比べ、非常に限定的と言えるだろう。

例えば、Siriはニュース速報を表示してくれるが、あなたが一般的に興味がある分野に限られている。Cortanaも同様だ。しかし、Google Nowはあなたの検索履歴を参照しており、その結果、あなたが興味のある特定の分野のニュースや関連情報を表示することができる。それに対し、ユーザーが特別に何かをする必要はない。

これは非常に優れた機能と言えるだろう。しかし、プライバシーの問題も常に存在している。あなたはGoogleを信用しなければならないし、あなたについての情報がクラウド内に保管されていることも、信用しなければならない。こうした状況を好まないユーザーにとっては、Siriはより魅力的な手段として映るだろう。しかし、同時に失わなければならないものがある。予測機能の精度は、諦めなければならない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「With iOS 9, Apple’s Siri & Spotlight Search Get Smarter」を翻訳した内容です。

記事内でも強調されているSiriとGoogle Nowの比較については、非常に同意です。それぞれの哲学というか、考え方に違いが見られますね。検索における影響は、Appleでも採用を始めたディープリンキングが主になるかと思いますが、上記で述べたとおり、別記事で紹介したいと思います。日本では圧倒的な人気を誇るiPhoneですが、SEOの観点からも色々と考えさせられる記事でした。

NGINXの商用版アップデートNGINX Plus R7がHTTP/2をサポート、TCPロードバランサも改良

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投資家たちにも愛され、人気急伸中のWebサーバNGINXが今日(米国時間9/16)、HTTPの次世代規格HTTP/2を、サーバの最新の商用リリースでサポートする、と発表した。

無料のオープンソースバージョンではすでにHTTP/2を部分的にサポートしていたが、今日はNGINX Plus R7が同社の顧客にリリースされた。このリリースではHTTP/2のサポートが最大の目玉だが、この、同社を代表するプロダクトには、そのほかの新しい機能もいくつか加わっている。

HTTP/2は、その一部がGoogleのSPDYプロトコルをベースにしている。しかしNGINXのマーケティング担当Peter Guagentiによると、ブラウザ側のHTTP/2のサポートにまだむらがあるので、多くのブラウザの実装のレベルが揃うまでは、デフォルトの高速HTTPプロトコルとしてSPDYを使った方がよい、という。しかしHTTP/2はセキュリティの機能が優れているので、その試用は今から初めておくべきだ、と。

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HTTP/2のNGINXの実装方式では、レガシーユーザに標準のHTTP 1でページを容易にサーブできる。またそれをサポートしているクライアントには、HTTP/2やSPDYで接続する。ただしSPDYとHTTP/2をパラレルに動かすことはできない。

今回のアップデートでは、NGINX PlusのTCPロードバランサが改良されている。前回の最初のリリースでは、TCPのサポートと、NGINXのHTTPのサポートがうまくマッチしていなかった。しかしこれからはたとえば、ユーザはTCP接続の接続リミットや帯域リミットを設定できる。一見するとマイナーな機能のようだが、しかし今ではストリーミングサービスなどでTCP接続が頻繁に利用されているから、アクティブな接続の数を制限できることは、DDoSとの戦いの最前線の防備として重要だ。

NGINX Plus R7はまた、Microsoft NT Lan Managerの認証を使っているアプリケーションに対応できる。これはTCPよりもさらにもっとマイナーなようだが、これによりレガシーのMicrosoftアプリケーションを動かしている環境でNGINXをロードバランサとしてデプロイできるようになる。同社によると、これはユーザの要望が多かった機能だ。

Guagentiによると、今回のリリースにはパフォーマンスアップのための改良が数多く盛り込まれ、またサーバのモニタリングと管理の機能も改良されている。これら多くの機能にアドミンが容易にアクセスできるよう、ダッシュボードも刷新した。彼によると、今のユーザは、“自分のスタックに対する驚くほど詳細な可視性を要求する”。でも、高度なユーザならサービスのAPIを使って必要なデータを取り出し、既存のダッシュボードにそれらを統合できる、と。なお、新しいダッシュボードでは、そこからアドミンがサーバの稼働中にパラメータを変えてトラフィックを調節したり、サーバをオフラインにする、新しいサーバを加える、などの操作ができる。

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この新しいリリースの技術的詳細はここにある。

NGINXのチームによると、商用バージョンをまさに商用に利用する顧客が、今は非常に多様化している。“これまでのNGINXはナードのベストフレンドだったが、今ではエンタプライズユーザが同じものを求める”、とGuagentiはジョークを言う。このところの成長率は、通常のテク企業よりもエンタプライズによる採用の方が高い。彼によるとそれは、エンタプライズが現代的なソフトウェアアーキテクチャに前向きになっているからであり、DevOpsやクラウドへの移行が本格化しているからだ。今では金融企業や保険企業も、同社の顧客中に多く見られるようになっている。それに、一部の政府機関も。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

#IStandWithAhmed。シリコンバレーもAhmed少年を支持

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【本稿のライターは Kaya Thomas】
Ahmed Mohammed。自作の時計を学校に持ち込んで逮捕された14歳の少年はシリコンバレーでも注目を集めた。

少年逮捕のニュースが広まると、Twitterでは#IStandWithAhmedハッシュタグと共にAhmedとその家族を支援する動きが始まった。BBCによると、ハッシュタグを始めたのはAmneh Jafariという大学生で、彼女は自分の弟のことを思い出しこの事件にショックを受けたたのが理由だった。70万人以上が支持を表明するツイートを発信し、数多くのIT企業がAhmedにインターンシップや会社訪問を提案している。

Mark Zuckerbergは自身のFacebookページで支持を表明し、「未来はAhemdのような人たちが担っている」と書いた。

オバマ大統領までも、Ahmedがホワイトハウスに来て欲しいと言った。

Ahmedは、彼の発見と革新のセンスを褒められる代りに逮捕された ― これはAhmedが若き有色のムスリムであることから、偏見や不適切な反射的行動であるという議論を引き起こした。

残念ながら、科学実験のために逮捕された有色人種学生は彼が初めてではない。去る2013年、16歳のKiera Wilmotは逮捕され退学させられた。彼女の実験が生物の授業中に爆発したためだった。#IStandWithAhmは、STEM(科学、技術、工学、数学)分野における多様性の欠如の持つ深刻に光を当てている。

Ahmedの学校の職員たちは、彼が持っていたのは爆弾であると確信し、彼を好奇心旺盛な科学少年であるとは見ようとしなかった。しかし、Ahmedの事件を通じて、若き有色のSTEM学生たちを支援する機運が高まることを期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

【ビデオ】Mozillaの歴史: こんなインターネットが欲しかったから

[筆者:Elisa Schreiber, Mitchell Baker, John Lilly ]

わずか15年前まではMicrosoftがいかに強かったか、それをわれわれは簡単に忘れてしまう。2000年にMicrosoftは、コンピュータのオペレーティングシステムの97%のマーケットシェアを握り、Internet Explorerはピーク時の2004年にWebブラウザのマーケットシェアが95%に達していた。“Webの将来もMicrosoftが握っている、と多くの人が感じていた”、とMozillaの会長Mitchell Bakerは回想する。

Internet Explorerのマーケットシェアが伸びていたとき、Bakerを初めとする初期の“Mozillians”たちは、Webのイノベーションが鈍化している、インターネットはオープンであるべきだ、と感じていた。

Mozillaのチームは、巨大企業と競争する道を進まず、独自の、堅牢でユーザフレンドリなWeb体験を、オープンソースのコミュニティの力で築く道を選んだ。オープンソースコミュニティの頭数とその能力の多様性は、私企業が抱えることのできる技術者チームよりも、はるかに大きかった。“Microsoftが支配している市場にどうやって食い込むか、必死になって考えた”、と元MozillaのCEOで現在Greylockのパートナー、John Lillyは当時の思い出を語る。

GitHubがまだなかった当時は、オープンソースはまだそれほど主流ではなく、デベロッパやギークしか知らない言葉だった。しかし2002年にオープンソースのMozilla 1.0が出たことによって(その後2004年にFirefoxに改名)、人びとの関心が一挙に高まった。Mozillaを契機に、フリーソフトウェアへの世界的な関心が高まり、インターネットの使い方にも選択の自由があるのだ、という新しい認識が広まった。Lillyは回想する: “オープンソースは世界中の人びとを高揚させる概念だった。なぜなら、誰もが、自分も含めて、ソフトウェアの生成やその過程の議論に参加でき、そのソフトウェアは多くの人びとに一挙に広まっていくからだ”。

MozillaがMicrosoftの対抗勢力になりえたのは、意欲的なミッションを掲げ、それに向かって全世界からのコラボレーションがあったからだ。リリースからわずか1年後に、Firefoxは1億回以上ダウンロードされた。それは、ブラウザが、フィッシング対策やポップアップブロッカー、タブページなど、ユーザが求める機能を実装していたからだ。“彼ら(Microsoft)は、Firefoxの人気が大きくなってからやっと、われわれがやってることに注目したのだ”、とLillyは主張する。“それまでMozillaブラウザのシェアはせいぜい7〜8%で、彼らから見れば無に等しい存在だった”。

Firefoxは今、世界中で5億の人びとが利用し、そのコードの約40%はグローバルなボランティアコミュニティによって書かれている。

[Elisa SchreiberGreylock PartnersのマーケティングパートナーでビデオシリーズGreymatterのプロデューサー。Mitchell BakerはMozillaの会長。John LillyはGreylock Partnersのパートナーで元MozillaのCEO。]

〔タイトル原題: The Mozilla Story: Making The World You Want〕

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TwitterがBloombergとのパートナーシップを拡大し、更なる情報提供へ

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ツイートは市場を動かす。カーダシアンの戯言を含め、Twitterなんて大したことないと思うかもしれないが、140文字の集まりの中には重要な情報も流れている。

例えば、ホワイトハウスに関する偽のツイートは正にそれを表している。ツイートの直後、急激(そして、多額)の市場価格の一時的な下落を招いた。

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訳)速報:ホワイトハウスで二回の爆発、オバマ大統領負傷

金融市場で適格な判断をするには、そのトピックに関してできるだけ多くの情報を得ることが重要だ。TwitterはBloombergとのパートナーシップの更新を発表し、Bloombergの TerminalBloomberg Professionalのプロダクトにより多くの情報を届ける。Bloombergは2013年の早い段階からTwitterのデータをカスタマーに提供してきた。金融プラットフォームの中では彼らが最初にTwitterのデータを提供している。一度、同僚の Alex Wilhelmに誕生日プレゼントに何が欲しいかを尋ねたところ、彼はBloombergのTerminalが欲しいと答えた。多くの人は、各セクターの動向に関する情報を得るために、Terminalの前で何時間も過ごすのだ。

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Bloombergとの提携についてTwitterのData部門のVPであるChris Moodyは、TechCrunchにこう説明した。

Bloombergとの契約合意は、Twitterが投資や取引に関する判断においての重要性が増していることを示しています。Twitterデータを用いることが金融サービスコミュニティーにとって重要なものになるなら、今後、更に多くのTwitterデータがBloomberg Professionalのサービスから入手できるようになるでしょう。

取引の金銭面の詳細は開示されていない(前回の契約も今回の契約のいずれも)。しかし、データはTwitterにとって大きなビジネスであり、 昨年はそのビジネスのためにデータ管理企業のGnipを1億3400万ドルで買収した。データはこれまで主にマーケティング、あるいはコンシューマー関連のアプリに用いられてきた。Bloombergとのパートナーシップは、Twitterが保持する宝の山の価値を証明するものだ。

現時点では、どんな会話でも金融市場の差し迫った変動を示すサインになりうる。Carl IcaahnがAppleに関して何万回もツイートしていたことを覚えているだろうか?

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訳)$AAPLの株を5億ドルほど購入した。Appleの自社株買いと拮抗している。彼らがこのレースに勝つといいね。

Bloombergのプロダクトのグローバルヘッドを勤めるBen Macdonaldは、Terminalを使用するカスタマーは「トレンドの兆し、速報、流れの移り変わり」を探しているという。Twitterはリアルタイムが特徴なので、彼らのデータを提供するのが最適だという。

新たな契約合意により、Bloombergはカスタマーにキュレートしたツイートのリアルタイムの配信、株価上昇を示す動きや他の重要な会話があった場合のアラート、過去のデータグラフ、動向の分析などを提供することが可能になる。

市場を動かすツイートが、ほらそこにも。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

SalesforceとMicrosoft、提携関係をさらに強化

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Salesforce.comMicrosoftは今日(米国時間9/16)、従来の統合に基づき提携関係をさらに強化していくことを発表した。両社は今日午前、サンフランシスコで開催中のSalesforceの顧客向けイベント、Dreamforceの会場で発表を行った。

両社は、Microsoft製品がSalesforceの最近名称変更した中核CRM製品であるSalesforce Lightning Experienceとスムーズに協調するための、一連の新統合ツールを導入した。

今日発表された機能の一つであるSkype for Business(従来Lyncと呼ばれていた)がLightningプラットフォーム上に移植されると、社員同志がSalesforceの中からSkype経由でビデオまたは音声通話、およびチャットを行えるようになる。

さらにSalesforceはOneNoteも統合し、Lightningから直接ノートを閲覧および編集できるようになる他、Microsoft Delveを使って、営業担当者がSalesforce内で営業機会を発見するのを助ける。

中でも後者の機能で興味深いのは、これがMicrosoft自身のCRM製品であるMicrosoft Dynamicsの次期リリースに組み込まれることだ。これは、Microsoftがよりオープンであろうとしている証拠であり、全体構想を進めるためにはライバル製品でさえ自社ツールと共に動作させることを辞さないことを示している。

Salesforceは、Windows 10向けに、Salesforce 1 Mobileアプリを開発する計画で、これはWindows 10に最先端のモバイルクラウドツールを提供することで、同プラットフォームのモバイル面の強化をはかるものだ。

両社が共通の利益を見出していることは明らかで、Microsoftは膨大なSalesforce.comクラウド顧客ベースにアクセスが可能となり、Salesforceは、顧客が今すでに使っているMicrosoftツールをさらに密な関係で使えるようにすることで満足度を高めることができる。この製品横断の統合は、かねてから企業のCIO(情報責任者)が要求してきたものだ。

今日の発表は2014年5月に発表した提携に基づくもので、当時両社は互いの製品同志を統合する方法を探り始めていたところだった。TechCrunchのAlex Wilhelmが当時こう書いている。

Salesforceは、Windows、Windows Phone 8.1をサポートし、「SalesforceとOffice 365の相互運用」を可能にすると共に、OneDrive for Business、SharePoint Online、およびOutlookを様々な場面で統合する。

良好な関係が1年以上続く今になっても、かつて2つの会社がいがみあっていた姿は忘れられない。実際、2010年5月にMicrosoftはSalesforceを著作権侵害で訴え、その後6月にはSalesforceが逆訴訟した。もちろんすべては過ぎたことであり、争うよりも協力する姿の方が両社にも顧客にもよく似合っている

なお今年5月に、SalesforceがMicrosoftからの550億ドルの申し出を断わったという噂があった。一部報道は、CEO Marc Benioffが700億ドルを要求したことを示唆した。たとえ合併という形ではなくても、両社は互いの製品をより緊密に結び付きるべく前進を続けている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、”Move to iOS” アプリでAndroidからの移行を簡単に

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ご存じない方のために言うと、iOS 9は公開され、今すぐダウンロードできる。ダウンロードしている間、この詳しいレビュー隠し機能の数々について読むといいだろう。

そして……Androidからの乗り換えについて。

そう、AppleはAndroidからiOSへ、超簡単(かつ安全)でスムーズに乗り換えるためのアプリをGoogle Play Storeに投入した。これはGoogle Play初のApple製アプリだ(買収されたBeatsを除く)。同アプリの存在は、iOS 9発表の一環として初めて公表された

Appleはあの先行するAndroidの市場シェアに何とかして食い込む必要がある。これはなかなか良いスタートだ。そのための完璧な日に。

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全部のアプリを移行することはできないが、もしできたらスゴイことだったろう。ただし、連絡先、メッセージ履歴、写真、ビデオ、ブックマーク、メールアカウント、およびカレンダーは移動できる。これだけ大きな切換には十分すぎるほどだ。

AppleがGoogle Play Storeに載せたこのすてきなコピーに、少なくとも何人かのGoogle民は不平を漏らしていることだろう。

iOSに関するあらゆるものごとは簡単に作られています。そこへ移行することも含めて。わずか数ステップで、あなたのコンテンツは自動的かつ安全に、お使いのAndroid端末から”Move to iOS”アプリを使って移動できます。Androidから乗換える前にどこかにデータを保存する必要はありません。Move to iOSアプリがあらゆるコンテンツをあなたに代って安全に移動します。

そして、私の好きな部分が…

エンジョイ。

そして、次に気に入っているのがこのコメント…

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AndroidからiOSに移行する準備ができると、アプリはプライベートなWi-Fiネットワークを構成し、Android端末からピカピカのiOS端末を見つけられるようになる。セキュリティーコードを打ち込めばデータの引っ越しが始まる。これはマジックだ!

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YCが多様なバックグランドを持つファウンダー向けのオフィス訪問プログラムを開催する

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Y Combinatorは「Open Office Hours(オフィス訪問)」と呼ぶ新しいプログラムを開始する。少数コミュニティー出身のファウンダーが直接、YCのパートナーと対面、あるいはSkypeで(ファウンダーのいる場所による)話をすることができるものだ。

YCのこの取り組みはMichael Seibel、Amazonに9億7000万ドルでTwitchを売却したファウンダー、そして Autodeskに6000万ドルでSocialcamを売却 したファウンダーが主導で行っている。オフィス訪問のアイディアはSeibelが、モロッコや東南アジアなど、世界各地を旅していた時に思いついたものだという。

「アメリカで何が起きているかを理解するのに、アメリカから離れなければならなかったのは妙なことです」とSeibelは私に話した。「テクノロジーに高い関心が集まっているのですが、人が成功するのに必要なエコシステムがまだ整っていません。才能ある人材や勢いが欠けているのではありません」。

彼はアメリカに戻り、もっと多くの人がYCにアクセスしやすいようにしたいと考えた。

「少数民族のグループ出身のファウンダーは、YCに彼らの居場所はなく、エリートのみが入れるものだと思っているという話を聞き、とても残念に思いました」とSeibelは言う。

現在、オフィス訪問はアフリカ系とヒスパニック系のスタートアップファウンダーに限定しているが、近い将来、女性、兵役経験者、アメリカ国外に住むファウンダー向けにも開催する予定だ。

YCは多様なファウンダーを多く持つグループとしては特に認識されていない。YCの2015年冬季クラスでは、アフリカ系ファウンダーの企業は7%、ヒスパニック系ファウンダーの企業が5.26%、女性のファウンダーの企業は21%だった。しかしYCはここ数年、 Female Founders ConferenceYC Fellowship、そして今回のOpen Office Hoursなど、多様なバックグランドを持つファウンダーを取り込む努力を続けてきた。

Seibelは、多くの人にカンファレンスや他のイベントの主催を薦められたそうだが、彼はそのようなアプローチは取りたくなかったと説明する。

「個人に響くようなことがしたかったのです」とSeibelは言う。「外から中を覗いている人たちにとって、たった30分の電話だけでも意義のあることだと私は思います。メールアドレスを公開し、多くの人から連絡が来るようになりました。今ではYCに在籍している人と同じくらい、YCの外の人とも話しています」。

起業したばかりで、最小限の有効なプロダクトの開発に着手していて、テクノロジーに長けた共同ファウンダーのいるチームに会うのが理想的だという。

「それは、理想的なチームです」とSeibelは言うが、「それと同時に、起業しようか考えている人やどのようにテクノロジーに長けた共同ファウンダーを見つけようか考えている人とも話をしたいと思います」と続けた。

ほとんどのYCのパートナーがOpen Office Hoursに参加するとSeibelは言う。Open Office Hoursに参加しても、そのスタートアップのYCへの参加が有利になる保証は無いが、YCのパートナーとのつながりがあることは、不利にはならないだろう。

最初のオフィス訪問は9月24と25日に開催し、スタートアップ50社を招待する。登録は今日から始まる

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

コンテンツマーケティングで予算の無駄遣いをしないためにやっておくべきこと

こんにちは。コンテンツディレクターの成田です。 コンテンツマーケティング始めてますか? やってはみたものの、よくわからん! という方は意外と多いのではないでしょうか。成功しているとは思えないが、失敗しているかどうかもわか […]

Apple、「バグ」を理由にwatchOS 2の配信を延期

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AppleがwatchOS 2のリリースを遅らせることとした。米国時間で9月16日より配信される予定となっていた。

「watchOS 2の開発中にバグを発見し、その対応に予測よりも時間がかかってしまっています」とAppleのスポークスパーソンが述べている。「本日中の配信開始は延期し、近いうちに改めてリリースすることといたします」とのこと。

watchOS 2は大いに注目を集めているものであり、そのリリースを遅らせるということは相当に重大なバグがあったということなのだろう。多くの人が注目しているリリースを遅らせるというのはなかなか勇気のいることだが、結局はそれが消費者およびAppleの双方にとっての利益となると判断したわけだ。今のところ、リリース時期については「近いうち」(shortly)と述べるにとどまっている。

新たにリリースされる予定だったwatchOS 2にはさまざまの新機能が盛り込まれている。開発者がセンサーに直接アクセスでき、そのデータをより効率的にiPhoneと連動できるようになっているのが、もっとも重要な変更点だと言えるかもしれない。Siriの性能も向上し、乗り換え案内機能も追加され、新しい文字盤も使えるようになり、「タイムトラベル」機能を使って天気や予定などをより簡単にチェックできるようにもなる。さらにWatch単体でWiFiに接続して、iPhoneと連動せずに行えることも増えている。

iOS 9の方は予定通りに配信が開始される予定だ。また新たな情報が入ればご報告したい。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Alphabetが国立精神衛生研究所の長年(13年)の所長をGoogleのライフサイエンスチームに招聘

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Alphabetが同社のライフサイエンス・グループのために、国立精神衛生研究所の所長Thomas Inselをスカウトした。同研究所が発表した声明文が、そう述べている。
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Inselは13年間務めた所長の座を11月1日付けで下りることになる。この大物スカウトは、 Alphabetが精神医学に関心を持っていることのサインだ。心の病は世界的に、医療や介護などのサービスが極端に不十分な分野のひとつだ。

Googleは本誌宛に、次のような声明をくれた:

Tomには、Googleのライフサイエンスチームが、精神障害の理解と診断と治療という大きな課題にいかなる貢献ができるか、を探求するために、参加していただいた。チームへの彼の参加はきわめて喜ばしく、今後、彼から多くのものを共有できることを、期待している。

Inselが実際に何をやるのかは、まだ明らかでないが、この分野の最高の権威であるだけに、Alphabetの支援でこれまでよりもさらに強力に、自身の研究を続けるものと思われる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

エフルート創業者・佐藤崇氏の次なる挑戦はアプリ紹介メディア「AppCube」、事前登録を開始

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モバイルサービスの黎明期、2003年にビットレイティングス(現:アクセルマーク)
を設立し、検索サービス「froute.jp(エフルート)」をはじめとしたサービスを提供した佐藤崇氏。2010年には同社を離れてモブキャストに参画。取締役としてプラットフォーム事業を推進した人物だ。

佐藤氏は2015年1月にモブキャストの役員を退任。再び起業家とし挑戦すべく、新会社のスマートアプリを設立した。6月にはEast Venturesおよび山田進太郎氏(メルカリ代表取締役社長)、藪考樹氏(モブキャスト代表取締役)などの個人投資家から合計3450万円の資金を調達したことを明らかにしている。

そんなスマートアプリの第1弾サービスが間もなくローンチする。同社は9月16日、「AppCube」のティザーサイトを公開し、サービスの事前登録を開始した。今秋中にもまずはAndroid向けにサービスを提供する。

AppCubeは、スマートフォン向けアプリの情報を集約したアグリゲーションサービス。国内のアプリストアに掲載された300万件以上のアプリの情報をクロールしてリアルタイムに収集。アプリの情報と、人工知能で分類した関連レビューやニュース、動画などを集約し、ユーザーの利用動向に合わせて表示する。デモを少し見せてもらっただけなので「人工知能云々…」というところは分からなかったのだけれども、1つのアプリに紐付いて、さまざまな媒体に分散されているレビューや動画などが一覧して閲覧できることは確認できた。特にゲームなど「濃い」アプリの情報収集に向いているだろう。自分がインストールしたアプリを把握し、最新情報を通知する機能なども用意する。

佐藤氏いわく、AppCubeは「アプリ紹介メディアとも言えるが、(コンテンツを作るのではなく)テクノロジーでストアにあるアプリの情報、アプリに紐付く外部の情報をすべて網羅する」のだという。Android、iOSあわせて300万以上もあると言われるスマートフォンアプリ。だがその99%はユーザーに発見されずに埋もれているのが現状だ。その理由は「広告で歪んだランキングや検索メニューからアプリを探す」(同社のリリースより)から。そこでAppCubeでは、アプリの関連情報を網羅。利用動向も把握することで、新しいアプリとの出会いを提案するとしている。

他業界に奪われたシェアを取り戻す——クロスカンパニーがアパレルのレンタルサービス「メチャカリ」を提供する理由

2016年のIPOも報じられるアパレルメーカー、クロスカンパニー。同社が今、「アパレル×テクノロジー」の領域を強化しているのをご存じだろうか。TechCrunchで4月に報じたとおり、ネットを利用した宅配クリーニングサービスを提供するスタートアップ「BASKET」を買収。現在は同社の代表取締役社長である松村映子氏を中心に、社内に70人規模のエンジニアチームを組織する準備をしているという。

そんなクロスカンパニーが9月16日、自社のアパレル商品をレンタルするサービス「メチャカリ」を開始した。

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メチャカリはスマートフォンアプリを使ったファッションレンタルサービス。月額利用料は5800円。アプリ上に掲載されるファッションアイテムを最大3点までのアイテムをレンタル可能。アプリ上で申請して返却(送付時に返却用の袋や送付状が付属する)すれば、返却した点数だけ再びレンタル可能になる仕組みだ。当初は同社の女性向けアパレルブランド「earth music&ecology」の商品のうち、靴やアクセサリーを除く1000パターン以上の商品を取り扱う。

60日間レンタルしたアイテムは返却せず、自分のものにできるのが大きな特徴だ。60日経過したタイミングでレンタル中のアイテムとして表示されなくなり、そのアイテム以外で最大3点のレンタルが可能になる。なお返却時には500円の手数料がかかる。ちなみにレンタルで届く商品はすべて新品なのだそう(理由については後述)。

同社はこのサービスに3年で8億円の投資を行う予定。もちろん収益化は検討しているが、クロスカンパニー ウェブマーケティング部課長の澤田昌紀氏によると、それ以外の意図があるのだそう。

背景にあるのは「若者のファッション離れ」

また「若者の○○離れ」の話か……と思う読者もいるかも知れないが、実際、若い世代のファッションへの支出は年々減少している。総務省の調査データによると、若年層女性がファッションアイテムにかける1カ月の金額は2008年で1万7287円だったが、2014年では1万718円になっている。もちろん経済動向など、金額だけで判断できない話ではあるが、7年で約4割も減少しているのは事実だ。

「業界では、アパレルがシュリンクしているというのは周知の事実。(自社の商品も)10〜20代に人気というイメージだが、実際の売上を見ると20代後半がボリュームゾーンで、若年層がファッションから離れている状況。どうやったらティーンにもっと興味を持ってもらえるかが課題だった」(澤田氏)。つまりこのサービスには若年層へのマーケティング的な意味合いもあるのだという。

TechCrunchで紹介しているサービスで言えば、スタートアップのノイエジークが「airCloset」を展開して人気を博しているようだ。だがアパレルメーカー自らがレンタルサービスを提供するのは、同社いわく「初の試み」だという。「例えばUBERなどは(タクシー業界の)事業主体ではない(ネット業界の)人たちがサービスを開発して、世の中のライフスタイルを変えていた。クロスカンパニーは自らがライフスタイルを変えていきたい。極端な言い方になるが、他の業界に奪われたシェアを取り戻したい」(澤田氏)

マーケティング視点でのサービスとはいえ、もちろんサービス単体でのマネタイズも視野に入れる。ユーザー数30万人で黒字化できるとのことで、3年の投資フェーズではまずその数字の達成を目指す。

メーカーがレンタルサービスを提供する強み

澤田氏はアパレルメーカーがレンタルサービスを提供する強みとして、「自社ECとの連携」があると語る。

メチャカリのシステムは自社のECと連携しており、販売在庫をそのままレンタルに回すのだという。そのためレンタルするアイテムはすべて新品だし、在庫も豊富だ。また返却した商品は検品の上でアウトレット商品としてECサイトで販売するという。

これは何を意味するのか? メチャカリは、ユーザーにとっては「レンタルサービス」ではあるが、同社にとっては、返却フロー以外を除けばECの在庫・物流をそのまま転用したサービスということだ。

また既存のレンタルサービスであれば、商品を貸しだして、返却後に検品し、次に貸し出すという「1点1点の管理」が必要だが、同社では返品後にアウトレットに回すため、その管理の必要がない。要はレンタルサービスのガワをかぶったサブスクリプション型ECなのだ。

ではこんなサービスを提供して本業のECに影響が出ないのだろうか? 実際テストでサービスを提供したところ、もともと購入頻度の高いユーザーについては月額の平均購入額が上がり、購入頻度が一般的なユーザーについては購入額に変化はなかったということで、「服の好きなユーザーは、服を借りることで、一層購入する」という行動が見えているのだという。