株価上昇を受けてテスラが公募増資で最大2500億円調達へ

Tesla(テスラ)は2週間前にさらなる資金調達は行わないとしていたが、米国時間2月13日に公募増資で20億ドル(約2200億円)を調達してバランスシートの強化と一般的な事業目的にあてる計画を明らかにした。

同社のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が最大1000万ドル(約11億円)ぶんを購入し、 Oracle(オラクル)の共同創業者でテスラの役員を務めるLarry Ellison(ラリー・エリソン)氏が最大100万ドル(約1億円)ぶんを購入する見込みだ。

Teslaはまた、引受幹事に最大3億ドル(約330億円)ぶんの追加普通株を購入する30日オプションを提供する。引受幹事がオプションを行使すると、同社は最大23億ドル(約2500億円)を調達することになる。

今回の増資発表は、先月あった四半期決算発表時のマスク氏、そしてCFOのZach Kirkhorn(ザック・カークホーン)氏の発言内容とは矛盾する。機関投資家が「最近の株価水準からしてなぜいま資金調達して生産を加速させないのか」と尋ねた。その際、マスク氏は同社が分別を持って資金を使っており、意図的に経費を抑制してもいないと述べた。

「我々は効率的に資金を使っていて、意図的に発展を制限していない」と1月29日に開かれた四半期決算発表でマスク氏は語った。「それにもまして我々は現金を生み出している。そうした意味で、この成長レベルで今後も現金を生み出すことができると見込まれ、資金調達するのは理にかなっていない」。カークホーン氏は「テスラが良い基礎を築き、成長を抑制していない」とマスク氏のコメントに付け加えた。

「我々は現在2つのプロダクトを抱えている。まさにいま立ち上げようとしている2つの車両で、それらを軌道に乗せるために年内は社の資源の多くをそれらに注ぐことになる」とカークホーン氏は語った。「また、来年に目を向けると、我々はさらにプロダクトや工場を立ち上る。なので我々は賢く資金を活用し、持続可能な方法で成長したい。我々はこの1年半ほど失敗でつまずいてはいない」。

しかしテスラの株価は1月29日の決算発表以来35%超上昇していて、利用しない手はないと思わせるほど魅力的だったのだろう。直近の株価上昇は、テスラの数々のプロジェクトにとって重要なものになるかもしれない。増資発表に先駆けて当局に提出した書類には、テスラの資本支出は今年、最大35億ドル(約3800億円)に達する可能性があるとある。

米国時間2月13日に掲示された同社のフォーム10-K(年次報告書)には「今後予想される我々のプロダクトの生産ペース、工場の建設・拡張、すでに発表された進行中の開発プロジェクト、バッテリー製造のためのパートナー活用という現在の戦略、そして他のインフラの増加などを考えたとき、2020年、そしてその後の会計年度2年間の平均年間資本支出は25億〜35億ドル(約2700〜3800億円)を予想している、と書かれている。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

Uberが電話での配車に対応、まずアリゾナ州からローンチ

Uber(ウーバー)は高齢者向けに、1-800から始まる番号をユーザーがダイヤルして実際の人間と対話し、配車する新機能を試験運用する。この動きは単なるアプリからの脱却ではない。これは、同社がより多くの顧客にサービスを提供する配車会社に変わろうとしていることを示す兆候だ。

UberのDial-an-Uber機能は「高齢者を念頭に置いて設計されている」が、同時に会話でのサポートを好む人もこの試験運用の恩恵を受けるだろうと同社は述べている。Uberによると、この機能は「実際の会話や経験が配車ニーズに影響を与える」という、高齢者からのフィードバックに基づいて開発されたという。

実際に1-833-USE-UBERにダイヤルすると、人間のオペレーターが対応し、ルートを確認して前払い価格を提示する。ただしこの機能はいくつかの重要な理由により、携帯電話を持っていないと事実上利用することはできない。

ユーザーは乗車予定時刻、運転免許証の詳細、運転手の名前などの重要なメッセージを受信するために、SMSを受信できる携帯電話を所有している必要がある。ユーザーは乗車前と移動中も引き続きメッセージを受信する。それが終わると乗車の領収書が送られてくる。

Uberはまず、1-833-USE-UBERという電話番号をアリゾナにてローンチする。このサービスを利用するための追加料金はないが、携帯キャリアによるメッセージとデータの料金が適用される可能性がある。そして、同州内なら誰でもこの電話番号に電話し、サービスが利用可能な都市にてUberを呼ぶことができる。またユーザーは、UberX、Uber Comfort、Uber Black、Black SUV、Uber Assist、WAVなどの特定のオプションを要求できる。

Uberは今後数カ月のうちに、Dial-an-Uberのサービスをさらに多くの州に拡大する予定だと述べた。同社はまた、1-800から始まる番号は一般的なカスタマーサポート用のものではないが、将来的にはその目的のために使われるだろうと伝えた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Instagramが最新投稿の見逃しを防ぐ機能を開発中?

フォローしている人たちの写真やビデオを新しい順に見たいと思ってた人は、やっとその願いが叶うかもしれない。どうやらInstagramは、メインフィード上に特別なポップアップを出して、新しい投稿を表示する「最新ポスト(Latest Posts)」機能を開発しているようだ。

Instagramの最新ポスト

現在のところ、それはFacebookのニュースフィードのように完全に新しい順ではないが、何も見逃したくないと思ってる人や、今何があるか知りたい人の欲求を満たしてくれるだろう。

「最新ポスト」機能のプロトタイプを発見したJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏はリバースエンジニアリングの達人で、これまでも数多くの開発中にある新機能をTechCrunchに教えてくれた。上の画像は、InstagramのAndroidアプリのコードから生成したスクリーンショットで、ホーム画面上に出るポップアップには「おかえりなさい! ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名からのポストがあったわ」というメッセージがある。「ジェズ・バロウズとポーラ・ガズマンとその他9名」のところはもちろん、あなたがフォローしてる人の名前になる。「Not Now(あとで見る)」の下にある「See Posts(ポストを見る)」をタップすることで、別画面に最新のポストが表示される。

このプロトタイプの詳細をInstagramに問い合わせたが、記事の締め切りまでに返事はこなかった。しかしInstagramはウォン氏の発見が本物であることをこれまで何度も確認してくれたし、機能の正式ローンチが数カ月後になることもあった。

Instagramは以前、You’re All Caught Up(あなたはすべてを見ました)という機能を試したことがある。これはユーザーが過去48時間以内のポストをすべて見たら、それを教えてくれる機能だ。今回の「最新ポスト」も、熱心なインスタユーザーが最新のポストを何ひとつ見落とさないようにしてくれる機能だ。

ユーザーは安心してアプリを閉じ、生活に戻れるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

猫様専用バイオロギングデバイス「Catlog」のAndroid版が待望のリリース

RABOは2月14日、同社が開発・販売してる首輪型の猫用バイオロギングデバイス「Catlog」のAndroid版をリリースした。1月27日に公表したリリーススケジュールどおりとなった。

Catlogは、猫の行動を24時間記録でき、歩行や走行はもちろん、睡眠や飲食などの状況をスマートフォンで遠隔チェックできるIoTデバイス。首輪型のPendantデバイスと、Pendantデバイスの充電とスマートフォンとの連携などに使うベースステーションであるCatlog Home、スマートフォン用アプリを利用することで、留守時などの猫の行動をある程度把握できる。税別価格は1万4800円。

Catlogは、ローンチ後約4カ月で約1000UC(Unique Cat)に到達。アプリアクセス率(登録したユーザーのうち再度アプリにアクセスしたユーザーの割合)も7日間で90%、30日で78%と高い数値を維持している。同社によると、ノンマーケティングのオーガニックのみで、約4カ月の計画出荷数を1.5週間で達成したという。Android版のリリースで、さらに多くのユーザーを獲得することを期待したい。

全ては猫様のために。

AzureとiRobotで実現するJR渋谷駅構内の無人ラーメン店、利用者の行動をカメラで追跡・分析

エースコックは2月14日、マイクロソフトのMicrosoft Azureを基盤にした無人店舗システムのSmart StoreやiRobotの床拭き掃除ロボットの「ブラーバジェットm6」を活用した、駅ナカ無人ラーメン店「モッチッチ ステーション」をJR渋谷駅の外回りホーム上にオープンした。2月28日までの期間限定オープンとなる。

モッチッチ ステーションで食べられるのは、その名のとおりモチモチした食感が特徴のインスタント食品「モッチッチ」シリーズの焼きそばとラーメン(ワンタン麺)。店内には立食用のテーブルが5席用意されており、5人が入店して満員になると自動ドアが開かなくなる仕組みだ。店内の客が誰か一人退店しないと、6人目の客は店内に入れない。

モッチッチの貯蔵庫は計量器メーカーであるイシダの計測器を内蔵しており、客が商品を手に取って貯蔵庫の扉を閉めると、全体の重量から減少したぶんを計算して、客が手に取ったモッチッチの個数を算出する。

価格はいずれも212円で、交通系ICカードもしくはクレジットカードで決済する。内蔵の液晶パネルに決済金額が表示されたら決済方法を選んで、決済端末にICカードをかざせばいい。クレジットカードの場合は残念ながらタッチ決済(コンタクトレス決済)には対応しておらず、決済端末の下部に備わっているカードリーダーにクレジットカードを差し込んで暗証番号を入力する必要がある。ちなみに、決済端末はCoiny(コイニー)製。Coinyは決済サービスを提供するスタートアップで、現在は事業持株会社であるヘイの傘下企業だ。

決済終了後は、モッチッチ貯蔵庫の左側のテーブルに設置されている、電気ポットもしくはウォーターサーバーからモッチッチのカップにセルフサービスでお湯を入れる。割り箸などもこちらに用意されている。このテーブルを注意深く見ると、それぞれの置き場がテーブルとは独立していることがわかる。

実はここにもイシダの計量器が仕込まれており、モッチッチの調理に必要なお湯の量である320mlを計測している。具体的には、お湯が減ったぶんの総重量の変化を認識する。計測器が320mlのお湯が注がれたと判断すると、自動的にモッチッチの標準調理時間である5分のタイマーがスタートする仕組みだ。なお割り箸置き場の計測器は、補充の目安を判断するためのもの。

あとは、お湯を投入したモッチッチを持って5席ある立食スペースのいずれかに移動すると、各スペースに設置されている液晶パネルに先ほどの5分のカウントダウンタイマーが表示される。

出来上がったらモッチッチを味わい、食べ終わったら返却口にカップを返すとともに、液晶パネルに表示される掃除ボタンをタップすることで、立ち食いスペース奥に設置されているiRobotの床拭き掃除ロボットのブラーバジェットm6が自動起動し、テーブルをまんべんなく拭いてくれる。

入店から退店までは以上のような流れになる。この店舗でAzureのSmart Storeがなにをやってるかというと、来店直後に客がモッチッチ貯蔵庫の前に立つと、設置されているカメラで性別や年齢を判別。

上部に設置されている超指向性スピーカーからモッチッチ貯蔵庫の前に立っている客だけに聞こえる音声で店内システムを解説してくれる。

店内に入って天井をを見上げると、モッチッチ貯蔵庫以外にもさまざまな場所にカメラが取り付けられていることがわかる。これらは来店者の移動経路を追跡・分析しており、お湯を入れて客がどの立食テーブルに移動するかをSmart Storeが判別し、その客が選んだテーブルの液晶パネルにモッチッチにお湯を入れてからの正確な時間を表示する仕組みだ。前述のように320mlのお湯を入れた直後からカウントダウンは始まっているので、席に着いたタイミングで表示される残り時間は数秒経過した4分55秒や4分50秒などになっている。

もちろんAzureのSmart Storeは、専用端末を使った決済処理も担っている。さらには冒頭で紹介した自動ドア制御による入店人数の制限もSmart Storeの役回りだ。

今回は試験店舗なので、モッチッチ貯蔵庫に異物が入ったり、モッチッチがスペースに正しく並べられていないと正確な計算処理ができない、自動ドア制御による入店制限を周知するために人員が必要など、完全な無人化とは言えない。しかし、飲食業界の人手不足を解消するソリューションとして進化する期待感は高い。

実際のレストランで電子レンジや電気ポッドを使って調理するのは、味的にも見映え的にも顧客満足度が低いと思われるが、客が退店したあとのテーブル掃除はコミュニケーション不要なのでロボットでの自動化余地が大いにあると感じた。

なお、下膳についてはすでにグーグル出身のエンジニアが創業したスマイルロボティクスが開発を進めているほか、職人顔負けの技術でたこ焼きを作るコネクテッドロボティクスのアームロボ「オクトシェフ」もある。さらには、弁当工場などで活躍する協働ロボットとしてはアールティの「Foodly」も実際に導入されている。人手不足が深刻化している飲食業界にとって、人と一緒に働く協働ロボットは今後さらに重要な存在になっていくだろう。

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高速ロード機能で発展途上市場でのカジュアルなオンラインゲームの普及を目指すグーグルのGameSnacksプロジェクト

GameSnacks(ゲームスナック)と呼ばれる新しいプロジェクトが、米国時間2月13日よりGoogleの社内インキュベーターであるArea 120から提供が開始される。これは、開発途上市場のユーザーに高速ロード可能で、カジュアルなオンラインゲームを提供することを目的としている。何十億 もの人々が、モバイルデバイスを介してオンラインアクセスを行っている。しかし、それらは多くの場合、メモリの少ないデバイスに高価なデータプランが組み合わさったもので、ネットワーク接続の信頼性低さに苦労させられている。ゲームはこうした制約に対して最適化されてはいないため、ゲームにアクセスすることが多くの人にとって難しくなっている。

現在、モバイルウェブサイトの訪問者の 半数以上が、読み込みに3秒以上かかるとページを離れてしまうというのに、メモリの少ないデバイスや2Gまたは3Gネットワークでは、通常のウェブゲームの読み込みはさらに遅い。3倍4倍どころかさらに長くかかる可能性もある。

GameSnacksのアイデアは、最初にロードされるHTMLページのサイズを縮小し、スクリプト、画像、音楽などの追加のアセットを圧縮し、それらが必要になるまでロード遅らせることで、ウェブゲームのロード時間とパフォーマンスを高速化することだ。

GameSnacksによれば、こうすることで、500 Kbps程度の遅いネットワーク接続でもゲームを数秒でロードできるようになるという。

例えば、TowerというGameSnacksタイトルは、3G接続を介した内蔵メモリー1GBのデバイス上で、わずか数秒でプレイできるようになる。これまでは同じデバイス上での、典型的なウェブゲームの場合には、12秒程度かかっていたと同社は主張している。

さらに、GameSnacksのゲームは、プレイ時間数分程度のシンプルでカジュアルなゲームだ。例えば、行列に並んでいるとき、バス停で待っているとき、病院の待合室で待っているときなどの、ちょっとした手持ち無沙汰の時間を埋めることを目的としているということだ。また、各ゲームは自明なルールを持つようにデザインされているため、説明なしで遊ぶことができる。

モバイルが主要なプラットフォームではあるものの、GameSnacksのゲームは、キーボードとマウスを備えたデスクトップコンピューターを含む、あらゆるウェブ対応デバイスからアクセスできる。モバイル版では、iOSとAndroidの両方がサポートされている。

開始にあたりGameSnacksは、GoGamesサービスを通じてエコシステムに新しいゲームをもたらしている東南アジアの主要テクノロジープラットフォームであるGojekと提携している。当初、このパートナーシップは、東南アジアの他の場所に拡大する前に、インドネシアのユーザーにゲームを配信することに焦点を合わせていた。

現在、GameSnacksはFamobi、Inlogic Games、Black Moon Design、Geek Games、そしてEnclave Gamesなどの開発企業と協力している。自社のタイトルが、GameSnacksカタログに掲載される意味があると考えるHTML5ゲーム開発者には、手を伸ばしてみることをお勧めしたい。

GameSnacksのビジネスモデルには最終的に、他の開発者がGameSnacksのゲームを自分のアプリに埋め込むことを可能にする、別のパートナーシップが含まれている。

Ani Mohan(アニ・モーハン)氏とNeel Rao(ニール・ラオ)氏によって始められたGameSnacksは、GoogleのArea 120の中で働く6人のチームだ。なおArena 120とは、ソーシャルネットワーキング動画広告教育移動ビジネスその他を含む、Google社内のさまざまな実験的アイデアの拠点だ。

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(翻訳:sako)

Googleがデータ分析スタートアップのLookerを約2860億円で買収完了

Google(グーグル)がデータアナリティクスのスタートアップであるLooker(ルッカー)を26億ドル(約2860億円)で買収するとの発表は、二重の意味でインパクトがあった。金額が大きかったことと、Thomas Kurian(トーマス・キュリアン)氏がリーダーになって最初の大規模な取引だったことだ。2月13日、Lookerは取引が正式に完了したことを発表し、Google Cloud Platformの一部となった。

キュリアン氏はLookerが正式にGoogleファミリーの一員になったことを歓迎すると発表したが、ブログ投稿で同社がGoogle以外の複数のクラウドベンダーを引き続きサポートしていくと表明した。

「Google CloudとLookerは、オープンソリューションを提供し、顧客の場所を問わずサポートするという哲学を共有している。Google Cloud、ほかのパブリッククラウド、オンプレミスかを問わない。多くの組織がマルチクラウド戦略を採用する中で、Lookerの顧客やパートナーは、Amazon Redshift、Azure SQL、Snowflake、Oracle、Microsoft SQL Server、Teradataなどを含むすべてのクラウドデータ管理システムに関して継続的なサポートを期待できる」とキュリアン氏はブログ投稿に書いている。

今回のような買収取引に典型的なことだが、LookerのCEOであるFrank Bien(フランク・ビエン)氏は、自社よりはるかに大きいGoogleの経営資源を利用すればより速く成長できるとみている。「Google Cloudと一緒になれば、幅広い顧客へのリーチや経営資源の強化が可能になるだけでなく、アナリティクスとクラウドインフラストラクチャーの両面で最高の頭脳を結集して、顧客とパートナーのためにエキサイティングな道を築くことができる。 Lookerが7年前に目指したミッションに対して、本日重要な一歩を踏み出す」と、ビエン氏はブログ投稿に書いた

買収が公表された6月、Lookerはデータを処理、理解、分析、視覚化するプロセスを描いたスライドの中で、同社の「Smart Analytics Platform」の立ち位置を示した。Lookerは、他のクラウドのサポートも継続するが、スライドでは視覚化の領域に収まっている。

スライド: Google

Lookerは2011年創業で、Crunchbaseによるとこれまで2億8000万ドル(約310億円)以上を調達した。既存投資家には、Redpoint、Meritech Capital Partners、First Round Capital、Kleiner Perkins、CapitalG、PremjiInvestなどが名を連ねる。買収前の最後の資金調達は2018年12月のシリーズEで、16億ドル(約1760億円)のバリュエーションで1億300万ドル(約110億円)を調達した。

画像クレジット:Google

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(翻訳:Mizoguchi

米警察のナンバープレート自動読み取りシステムが悪用されていた

ナンバープレート自動読み取りシステム(Automated License Plate Readers、ALPR)は、防犯など公共の利益に貢献するものではあるが、一方で批判も多い。残念ながら誰も驚かないが、その運用方法は「疑問だらけであり、そのデータの濫用は心配や疑いどころかまさに事実である」とその監査を指示した米国カリフォルニアの州議会議員がコメントしている。

ナンバープレート自動読み取りの監査を要求したのは、民主党でサンフランシスコ選出のScott Weiner氏(スコット・ウェイナー)で、「警察など多くの法執行機関が、州法を破って個人データを長期にわたり保有し、これらの個人データをばらまいている。このような状態は、まったく受け入れられない」と警告。監査は、ロサンゼルス警察とフレスノ警察、およびマリン郡とサクラメント郡の群保安局に対して実施された。

関連記事:Police license plate readers are still exposed on the internet(警察の車のナンバー読み取りがインターネットに漏れている、未訳)

調査は、このナンバープレート読み取り事業がほとんどその存在を正当化されないことを明らかにし、セキュリティとプライバシーのベストプラクティスに従うどころか、それらの内規すらないと結論している。

  • ロサンゼルスだけでも3億2000万のナンバープレートの画像を保存しているが、その99.9%は公式の捜査令状や捜査命令に基づいて収集されたものではなかった
  • それらの画像を他の数百もの機関が共有したが、共有の法的根拠や共有方法の正しさに関する記録はない
  • すべての機関に、2016年に制定された要件を満たすプライバシーポリシーが存在しない。今回の四つの監査対象機関のうち3つは、無許可アクセスについて適切な説明ができず、データの破壊処理をいつどのようにやったか、やらなかったかも述べられなかった。そして他の機関は、ポリシーそのものが作られていなかった
  • アカウントの作成と使用に関するポリシーや保護がほとんどなく、自己のシステムが一度も監査されたことがない
  • 3つの機関が画像とデータをクラウドベンダーに保存している。その契約は不適切であり、データの保護はほとんどない

今回の監査に関するプレスリリースは、「警告に値する重大な疑義がある」と言っている。このナンバープレート自動読み取り事業は州法に違反していると思われるので、訴追されるべきかもしれないし、また既存の法は彼らを規制するタスクには不適切であると思われる。ウェイナー氏は新法が必要と主張し、すでに法案作成を始めている。

監査の報告書全文はCalifornia State Auditorのサイトで読める。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

衛星ブロードバンドサービスのAstranisが約99億円を調達

米国のシードアクセラレーターであるY Combinatorが支援するAstranis(アストラニス)がデットとエクイティの組み合わせによるシリーズBで9000万ドル(約99億円)を調達した。本ラウンドはVenrockがリードし、2018年のラウンドをリードした既存投資家のAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)がかなり出資した。新たに調達した資金は初の商業衛星打ち上げに当てられる。この衛星は世界のインターネット非接続のかなりのマーケットにサービスを提供することを目的とする、未来のインターネットサービスの基礎となるものだ。

Astranisは、Andreessenがリードした1350万ドル(約15億円)の資金調達を発表した2018年に突如現れ、静止衛星を使った低コストで信頼できるインターネットを提供する計画を明らかにした。この手法は、かなりの数の衛星を地球低軌道に展開しようと計画している、このところ急激に増えている新規参入企業とは異なるアプローチだ。地球低軌道に展開する衛星は1カ所に留まらず、サービスを継続させるために地上のステーションを介してリレーシステムのように接続をつないでいく。

Astranisの静止衛星モデルは、すでにある宇宙からのインターネット接続提供方法に似ている。この方法では地球からかなり離れた静止軌道に大容量通信衛星を展開する。Astranisの画期的なアプローチでは従来の衛星の20分の1ほどの小型衛星を使う。重さは約770ポンド(約350キロ)で昔の衛星の1万4000ポンド(6350キロ)に比べるとかなり軽量だ。Astranisは超サイドバンドのソフトウェア無線技術により小型衛星の使用を可能にしている。この無線技術では、小型かつ複雑ではないハードウェアでより広域をカバーできる。これはかなりの宇宙空間を節約できるばかりでなく、ものの数カ月で衛星をつくって打ち上げることができる。昔の大型の静止通信宇宙機は準備に数年もかかっていた。

前述したように、本ラウンドはデットとエクイティの組み合わせだ。Y Combinator、そしてVenrock、Andreessenに加えて他の企業も参加する4000万ドル(約44億円)のエクイティファンディングを含む。残る5000万ドル(約55億円)のデットはTriplePoint Capitalが受け持つ。Astranisは今年と来年、インターネットサービスプロバイダー提携の獲得と、政府や他の産業との関係構築に注力する。

Astranisは昨年、初の商業衛星の打ち上げでSpaceXと契約を交わした。早ければ2020年第4四半期の打ち上げを目指す。Astranisはこれまでに1億800万ドル(約119億円)を調達したが、SpaceXのStarlinkやAmazonのKuiperなど、異なる技術で同じ機会を狙う資金豊富な競争相手がいる。

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(翻訳:Mizoguchi

トランプ政権が新大統領令でGPSの防衛目指す

GPSは地球全体を網羅しつつある。サプライチェーン、海上輸送、船の入渠、さらに自動車、自転車、歩行などの街中の日常的な移動もすべて、我々の頭上に浮かぶたくさんの人工衛星が同期して織りなす仕事に依存している。

だが、GPSへの攻撃や、GPSの「なりすまし」も増えている。GPS衛星からの信号が乗っ取られると、偽のデータが送信され、デバイスが正確な位置情報を受け取れなくなったり、まったく受信できなくなったりもする。TechCrunchの外部筆者でもあるMark Harris(マーク・ハリス)は、間違った信号を受信し、輸送船が突如として港の中を飛び回るという、上海で近年大量に発生しているなりすまし事件について、MITテクノロジー・レビューに素晴らしい記事を書いている。

こうしたGPSへの直接攻撃に加えて、アメリカのGPSシステムの独占状態が脅かされる事態にもなっている。中国は、北斗と呼ばれる独自の衛星システムを打ち上げ、ロシア、日本、インドなどの国々や、EUまでもが、独自の技術で米国のシステムを補完する動きを見せているのだ。

関連記事:GPS戦争勃発

GPSは、衛星測位サービス(PNT)と呼ばれる分野に属するひとつの技術だ。おそらく、GPSでもっともよく知られているのが、地図上でデバイスの位置をピンポイントで示す機能だろうが、時計の同期、しかもミリ秒単位の精度を要するきわめて繊細な仕事には欠かせないものでもある。

この技術の経済的な重要性は高まり続けているが、悪い連中に狙われるリスクも同時に高まっている。それがトランプ政権を動かした。昨日署名された新しい大統領令では、米商務省の主導で現在のアメリカのPNTシステムへの脅威を特定するための枠組みを同政権が構築した。また、政府内の調達工程に、こうしたリスクを想定するよう定めている。

このプロセスは「PNTプロファイル」という形で実施される。大統領令にはこう書かれている。

PNTプロファイルは、公共および民間セクターが、PNTサービスに依存するシステム、ネットワーク、およびアセットの特定、適切なPNTサービスの特定、PNTサービスの遮断および操作、PNTサービスに依存するシステム、ネットワーク、およびアセットに関連するリスクの管理を可能にするものである。施行後は、PNTプロファイルは2年ごとに審査し、必要に応じて更新する。

言い換えれば、このプロファイルは、システムが互いに連携して確実に機能し認証できるようにするためのものだ。それによりシステムには、設計上の(明らかな)セキュリティーホールがなくなる。

最初のステップとしては上々だが、このインフラを保護する上での目立った変化はない。コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトンの副社長で、同社の被害を受けたGPSの回復実務を担当しているKevin Coggins(ケビン・コギンズ)氏は、去年、私にこう話していた。「これらのものを無闇に統合したシステムで、セキュリティーを考慮したアーキテクチャーがなければ[中略]表面に出る脅威を増やすだけです」。PNTプロファイルは、脅威が浮き出てくる表面部分を削ってしまう恐れがある。

トランプの大統領令に関する新しい声明の中で、コギンズ氏はこう述べている。

次のステップとして、連邦政府は、システムの多様性、スペクトルの多様性、ゼロトラストのアーキテクチャーの導入を促す産業界共通の基準を検討すべきです。

システムの多様性は、GPSのような、ひとつのシステムへの依存態勢に対処します。一部の代替PNTサービスはGPSに依存しているため、GPSが崩壊すれば共倒れになります。

スペクトルの多様性には、eLORANやマルチGNSSを利用したシステムのように、PNT情報を送る周波数を増やすことが含まれます。周波数がひとつだけでは、簡単に狙われてしまいます。

最後に、ゼロトラストのアーキテクチャーでは、PNTの受信機は、送られた信号を鵜呑みにするのではなく、信号を利用する前段階で、航法データと同期信号の検証が可能になります。

このセキュリティー分野に注目するベンチャーやスタートアップも多い。経済への脅威が増加し、大きく問題視されるようになった今、さらなる行動が各方面に求められる。

画像クレジット:Prasit photo / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

瞑想の医学的有効性を証明するためHeadspaceが100億円調達

米国ロサンゼルスに本拠地を置くマインドフルネスと瞑想の事業を展開しているHeadspace(ヘッドスペース)は、のメンタルウェルネス界のリーダーの座をめぐるCalm(カーム)との競争が膠着状態となり、ポールポジションを奪おうと新たな資金調達に出た。

同社は、多数の投資家からエクイティー(第三者割当増資)とデット(融資)の形で9300万ドル(約102億円)の調達を決めた。これをもとに、マインドフルネスや瞑想の有効性に関するなんとも曖昧な主張を科学的に実証するための、複数の臨床研究を行う。臨床的に効果が実証されれば、さまざまな疾患の治療に活用でき、マインドフルネス治療に政府から補助金も受けられるようになる。さらに、同社がこれを従業員の福利厚生プログラムの有効成分として企業に売り込む際の説得力が増す。

Headspaceは、カーネギーメロン大学、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、スタンフォード大学など学術界のパートナーと共同で、70もの臨床研究を行うパイプラインを強く売り込んでいた。

Headspaceへの新たな投資には、投資会社blisceを筆頭に、Waverly Capital、Times Bridge(インドのTimes Groupの投資部門)、The Chernin Group、Spectrum Equity、Advancit Capitalが参加している。この5300万ドル(約58億円)のエクイティにには、Pacific Western銀行からの融資4000万ドル(約44億円)が上乗せされている。

「Headspaceは、マインドフルネスの力が、ストレス、不安、その他日常的な問題の緩和に役立つことを数百万もの人々に証明し、同時に、臨床的な有効性の研究によりその分野を発展させてきました」と、Headspaceの共同創設者で最高責任者のRichard Pierson(リチャード・ピアソン)氏は声明の中で述べている。「次の10年、そしてその先を見越して、私たちはこの力を応用し、会員の生活のほかの領域にも適用して、一生続けられる健康的な習慣を身につけさせることに注力しています。それはHeadspaceの消費者向けアプリや、数百名の雇用主を対象に現在行っているワークを通して、または、より身近な窓口として私たちが期待する医療提供者との協力で進めていきます」。

今のところ、同社のアプリは190カ国で6200万回以上のダウンロードを記録している。すでに200万人以上の有料サブスクリプション契約者があり、600以上の企業がHeadspaceの職場用メンタルウェルネス・ツールを利用している。

今回調達した資金は、企業と医療関係者への売り文句を実現するため、そして海外市場への進出のために使われると、同社の声明には書かれていた。同社にはすでにドイツ語版とフランス語版のアプリがあり、Apple(アップル)の経営幹部であったRenate Nyborg(ルナート・ニボーグ)氏を欧州の事業展開責任者に任命した。

新たな資金を手に入れたHeadspaceは、Calmとの顧客争奪戦に予算を投入できるようにもなった。Calmは1年と少し前に8800万ドル(約96億6000万円)の投資を受けている(企業価値を1000億円以上と評価されてのラウンドだった)。

関連記事:瞑想アプリのCalmが97億円の投資を受けユニコーン企業に(未訳)

TPG Capitalとエンターテインメント代理店CAAの支援を受け、Calmは、ロサンゼルス・レイカーズ所属のプロバスケット選手であるレブロン・ジェームズといったセレブとの大きな契約も交わしている。彼はCalmの出資者でもある。

Calmのアプローチは、消費者向けの直販戦略に重点を置いている。ジェームズの他にも、ジョン・マッケンロー、マシュー・マコノヒー、イギリスのコメディアンであり俳優であり作家でもあるスティーブン・フライなどのセレブを起用しているのはそのためだ。

画像クレジット:Joe Maher / Stringer / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

アップルが高速プレビュー機能「Quick Look」を拡張、AR中で購入可能に

前から気になっているあのソファは、うちのリビングに合うのだろうか?

10年前のキャッチフレーズを引っ張り出せば、「そのためのアプリがあります」(There’ an app for that)。今なら山ほどそんなアプリがある。家具を部屋に置くとどんな風になるかをこの目で見ることは、拡張現実の典型的な利用例であり、専用アプリでそれをやっている小売店は少なくない。

しかし買いたいと思っても、例えばSafariであちこち見て回っている人に、その場でアプリをダウンロードさせるというのは大きな障壁だ。

そんなケースを想定して、Apple(アップル)は去る2018年に、「これを見ましょう、ただしあなたの部屋で!」のコンセプトをiOSとiPadOSに直接組み込む機能を導入した。

それはQuick Lookと呼ばれ、ユーザーはすでに持っているSafari、メッセージ、メールなどのアプリの中でインスタント/ワンタッチAR体験ができるようになる。小売店が3DモデルをPixarと共同開発したUSDZファイルフォーマットで提供すると、アップルがARKitを使ってレンダリングし、現実世界に重ねる。スケーリンク、ライティング、シャドウなどはすべてアップルが処理してくれる。

ただし、当初Quick Lookはほんとうにそれだけの見るためだけの機能だった。ARで商品を見ることはできるが、それがすべてだったのだ。そこで同社はコンセプトを少し拡大し、デベロッパーはカスタマイズ可能なボタンを載せられるようにした。たとえば購入ボタンなら、Apple Payのプロンプトをその場でポップアップさせる。ほかにも店がやりたいどんなシングルアクションとも結び付けられる。例えば、カスタマーサポートとのチャットを起動して、顧客が色の選択について質問する、あるいは、在庫のある実店舗を紹介して実際に見に行かせることなどができる。

さらに同社は、Quick Lookでスペーシャルオーディオをサポートして、iOS、iPadOSの最新デベロッパービルドで密かに公開し、3Dモデルから音を発せられるようになった。オモチャからピッピー、ブーブー音が聞こえたり、スピーカーから音楽が聞こえてくるなど、部屋にバーチャルに置かれたあらゆるものから音が聞こえてくる。部屋を歩き回ると音も合わせて変わっていく。

内蔵ARツール自身にユーザー体験を直接追加することは、小さなことに思えるかもしれないが、実はこれが興味深い。2018年にHouzzのCEOであるAdi Tatarko(アディ・タタルコ)氏は、彼らのARツールのユーザーは、購入する可能性が11倍高いと発言した。またBuild.comは、ARで商品をチェックアウトした人は返品率が22%低いことを発見した。

ARはモバイル購入プロセスにおいて明白な利点をもっている。しかし、これを活用するには簡単に使えて、素早く自然に動作しなければならない。手順に障壁があればあるほど、購入前に脱落する人が多くなるからだ。

アップルは昨年のWWDC(世界開発者会議)でこの機能のプレビューを公開した。そして今週、Home Depot(ホーム・デポ)、Wayfair(ウェイフェア)、Band & Olufsen(バングアンドオルフセン)、1-800-Flowersといった大手小売業者がそれぞれの実装を公開する。もし売上や返品の数字が改善されるという上の話が本当なら、今後は主要小売業者の間でかなり一般的になると私は予想する。それと同時に、ARもメインストリームへの大きな一歩を踏むことになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

安価な市販素材でMITがソフトロボットの皮膚となる触覚センサーを開発

MITのCSAILのチームが、ソフトロボット製のロボットアームに触覚を持たせるための「皮膚」を設計し、そのデモを披露した。その経過は今週のIEEE Robotics and Automation Lettersに載っているが、研究者はソフトロボットの本体に、妨害電波を遮断するために使われるシールド素材で作った柔軟性のあるセンサーをかぶせた。シールド素材には圧抵抗効果があるので、折り曲げなどの動きをセンスできる。

通常は剛体であるその素材で切り紙のようなものを作り、それをレーザーでカットして鎖(くさり)状に組み立てると、上図のように伸ばしたり曲げたりできるようになり、ロボットの形状に付着して一緒に動くようになる。電磁シールド材は市販品なので、ソフトロボットという成長分野に低コストで触覚を導入できる。

CSAILのDaniela Rus氏が、この研究を発表するリリースでこう言っている: 「ご自分の体を考えてみましょう。目を閉じても皮膚からのフィードバックで世界を再構成できます。それと同じ能力を、ソフトロボットに持たせたかったのです」。

研究者はニューラルネットワークを作ってこの人工皮膚からの結果を処理し、信号とノイズを分離した。そしてそのデータを、従来的なモーションキャプチャーシステムで補強した。今後CSAILは、人工皮膚のための新しい構成をいろいろ探求し、またニューラルネットワークも改良したいとしている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebook最新実験アプリ「Hobbi」は個人プロジェクトを記録する

Facebookは、NPEチームの実験プロジェクトにまたひとつ新しいアプリを追加した。NPEは昨年Facebookが発表した取組みで、ソーシャルネットワークの新しいアイデアを早く試してユーザーがどんな反応を示すかを見ることを目的としている。今週同チームは、4つ目の実験プロジェクトとして、Hobbiを公開した。写真とビデオを共有するアプリで、個人のプロジェクトや趣味を記録に残すために作られている。

HobbiがPinterestからヒントを得ているのは明らかだが、単に思いついたアイデアを貼り付けるピンボードではない。代わりにこのアプリは、ホビイストが自分の写真コレクションを園芸、料理、アート&クラフト、装飾品などテーマ別に整理する手助けをする。狙いは、時間とともに進捗状況を追跡するところにある。

同アプリにソーシャルネットワーク的要素はなく、プロジェクトを完了したあとにハイライトビデオを作って外部で共有できるだけだ。

つまりHobbiは、新しいソーシャルネットワークというよりも、エディターや整理ツールに近い。

またこのアプリは非常にシンプルで、Instagramのストーリーエディターのような本格的ツールに比べてボタンや編集オプションはごくわずかしかない。

しかし、Hobbiの公開が、GoogleのインキュベーターであるArea 120から生まれたTangiというこれもクリエイター、趣味、DIYコンテンツなどに特化したアプリの公開のすぐ後だったのは興味深い。Tangiは違うタイプのアプリで、ショートビデオを中心に作られており、DIY用のTikTokとも言える。しかし、両方の会社がDIY分野で参入テストを行っていることは、Pinterestが独占していると見られている趣味、プロジェクトの分野に、まだまだ切り開くべきニッチがあることを示唆している。

これまでFacebookが出したNPEチームブランドのアプリとごくわずかだ。昨年11月、友達を作るためのチャットアプリ、BumpとソーシャルミュージックアプリのAuxを公開した。最初の実験アプリはミームエディターのWhaleだった。

これまでのところFacebookはここのNPEチームアプリの計画についてコメントを控えていて、当初の発表の通り、アプリの提供状況については個々のアプリによるとしている。

The Information誌も本日Hobbi公開のニュースを報じ、これを受けてPinterest株が下落したことを指摘した。

Hobbiは米国時間2月12日にiOS版のみ公開された。TechCrunchでは米国でダウンロードできることを確認したが、ほかにコロンビア、スペイン、およびウクライナでも利用可能だ(訳者注:日本でもダウンロード可能)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

OLTAが新生銀行と共同でクラウドファクタリングの新会社設立、金融機関との連携加速へ

オンライン完結型のクラウドファクタリング事業を展開するOLTAは2月14日、新生銀行と共同で合同会社を立ち上げ、双方の強みを活かしたクラウドファクタリングサービスの提供を始めたことを明らかにした。

両社では1月に10億円規模の出資会社「anew」を設立していて、今月10日よりサービスを開始済みだという。

OLTAは入金待ちの請求書(売掛債権)を売却することで資金調達ができるファクタリングの仕組みを、テクノロジーの活用でアップデートするスタートアップだ。独自のAIスコアリングモデルを用いて一連の手続きを全てオンライン上で実施。従来のファクタリングと比べてスピーディーかつリーズナブルな点が特徴で(手数料2〜9%、申し込みから最短24時間以内で現金化)、昨年12月の時点で申し込み総額は150億円を超えている。

同社ではこれまで自社単体で事業を展開するのみならず、他社にスコアリングモデルを軸とした仕組みをOEM提供することで、より多くの顧客との接点を作ろうとしてきた。今回の取り組みは以前より協議を進めてきた金融機関OEMに近しいが、座組みとしてはanewに対してOLTAが審査などのオペレーションを業務受託する形で運営するという。

OLTA代表取締役CEOの澤岻優紀氏によると、anewでは数百万~1千万円程度と「OLTAよりも少し大きめの売掛金を積極的に買い取っていきたい」とのこと。資金力のある既存の金融機関と組むことで、OLTA単独でやるよりも多くの資金を提供できるチャンスがあるのは1つのポイントだ。金融機関側としても、従来の融資などでは対応できていなかった資金調達ニーズに応えられる。

今後は顧客基盤やデータを有する外部のプラットフォーマーとの提携を通じて、審査モデルの強化や事業基盤の拡大を進めていく計画。第一弾としてオービックビジネスコンサルタントが提供する「奉行クラウド」との連携が決まっているという。

昨年6月に25億円の資金調達を発表して以降、他社との連携を急速に進めてきたOLTA。これまで明らかになっていたものはfreeeやチャットワークなどIT企業が多かったが、遂に大手金融機関との本格的な連携がスタートした。

「今回の取り組みはOLTAとして金融機関様との初の取り組みというだけでなく、国内金融機関がSMB向けにクラウドファクタリングを提供するという点でも歴史的な取り組みだと考えています」(OLTA取締役CSOの武田修一氏)

最初の事例は株主でもある新生銀行との合弁会社になったが、OLTAとしては今回の取り組みを金融機関向けOEMを加速させる大きな布石としたい考え。他の金融機関とも引き続き協議を進めながらネットワークを広げていく計画だ。

Facebookのデート機能を当局が欧州での立ち上げ認めず

Facebook(フェイスブック)のデートサービス立ち上げが延期を余儀なくされた。EUデータ規制当局に事前に十分に情報を提供せず、法的に求められるプライバシーリスク評価の実施を示さなかったためだ。

2月12日、アイルランドの新聞Independent.ieは、アイルランドのデータ保護委員会(DPC)がダブリンにあるFacebookのオフィスにFacebookが提出しなかった書類を求めて職員を派遣した、と報じた。DPCはアイルランドのデータ保護法第130条で認められている立ち入り調査と書類差し押さえの権限を行使した。

DPCはウェブサイトで発表した声明文の中で、FacebookがEUでデート機能の提供を開始すると2月3日に連絡してきた、と述べた。

「Facebookアイルランドから今回初めてこの新機能について聞き、非常に懸念している。2月13日から展開しようというのは意図的だと考えている」と当局は書いている。「データ保護インパクト評価(DPIA)や、Facebookアイルランドの決定プロセスに関する情報や書類が2月3日の時点で何も提供されていなかったという事実に、我々はさらに懸念を募らせている」

Facebookは20185にデート分野に進出する計画を発表した。同社のデベロッパー会議F8の場で、Facebookを利用していない人をネットワークに引き込むために、Tinderの分野に侵入してデート機能を盛り込むことを明らかにした。

数カ月後、新機能はまずコロンビアで試験展開され、その後南米とアジアでサービスを展開する国を増やした。そして米国では昨秋、FTC(連邦取引委員会)から史上最大のプライバシー問題で50億ドル(約5500億円)の罰金が科された直後に始まったばかりだ。

米国での立ち上げ時、Facebookは2020年初めまでに欧州でもデート機能が使えるようになる、と語っていた。だが同社はDPCがFacebook所有のプロダクトについての複数の調査を行なっているにもかかわらず、EUプライバシー当局にデート機能について情報を共有しようと考えなかった。

極めて不注意なのか、あるいはデータ掘削活動のプライバシー監視など意図的に無視したのか、そのどちらかだろう。

DPCの声明文では、調査するために当局がダブリンにあるFacebookのオフィスを2月10日に訪れた、としている。“関係書類を素早く差し押さえるため”だ。

これは、デート機能の提供開始を告知してきた日から1週間たってもFacebookが必要情報をDPCに提出していなかったことを示している。

また声明文には「Facebookアイルランドは昨夜、この機能の展開を延期した、と我々に知らせてきた」とある。

これは、少なくとも半年前から準備してきたFacebookのプロダクト展開が行き詰まったことを示している。

DPCの広報責任者Graham Doyle(グラハム・ドイル)氏は調査の強制措置を認め、TechCrunchにこう語った。「月曜日に調査の一環として回収した全書類をレビューしている。そしてFacebookにさらなる質問をしていて、回答を待っている」

「我々が月曜日に回収した書類に含まれるものはDPIAだ」とも述べた。

なぜFacebookがDPIAを2月3日にDPCに送付しなかったのか、という疑問がわく。我々はFacebookにコメントを求めるとともに、いつDPIAを実施したのか尋ねている。

アップデート:Facebookの広報は以下の声明文を出した。

Facebook Datingを正しく立ち上げるのは非常に重要であり、我々はこの機能を欧州マーケットで展開する準備が整ったことを確認するのにもう少し時間をかける。強固なプライバシーセーフガードを構築するために注意深く取り組んでいる。またデータ保護インパクト評価(DPIA)は欧州での立ち上げ前に完了させた。このことは、リクエストされたときにアイルランドDPCにも共有した。

我々はFacebookに、もし“正しく”立ち上げることが“非常に重要”なら、なぜ必要とされた書類を当局がFacebookのオフィスに回収にくるのではなく、事前にDPCに提出しなかったのか尋ねた。返事があればアップデートする。

我々はまた、DPCに次のステップについて尋ねている。EUの基準に満たないようであれば、当局はFacebookに欧州でのプロダクト機能に変更を加えるよう命じるかもしれない。立ち上げ延期は多くのことを意味する。

GDPRでは、企業は人々のデータを扱うプロダクトに(明らかにデートプロダクトも対象となるだろう)プライバシーをデフォルトで盛り込む必要がある。

DPIAは個人の権利や自由への影響を検討するために、個人情報処理を査定するものだ。GDPRでは、個人のプロファイリングが行われたり、重要なデータを大規模に処理したりするときにDPIAが必須となる。

繰り返しになるが、欧州に何億人ものユーザーを抱えるFacebookのようなプラットフォームでのデート機能立ち上げは、明らかに事前査定が行われるべきケースだろう。

画像クレジット: Muhammed Selim Korkutata/Anadolu Agency / Getty Images (Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi

LinkedIn創業者は著書「BLITZSCALING」で猛スピードこそ生き残りへの道と主張

LinkedInの共同創業者兼エグゼクティブ・チェアマンであり、Greyrock Partnersのパートナーとしてシリコンバレーを代表する投資家でもあるリード・ホフマン氏はTechCrunch読者にも名前をよく知られた人物だろう。

ホフマン氏が母校スタンフォードで続けていたスタートアップを成功させる方法の講義に加筆してまとめた本をTechCrunch Japanの同僚、高橋信夫氏と共訳した。興味深い内容と思ったので紹介してみたい。

ブリッツスケーリング 苦難を乗り越え、圧倒的な成果を出す武器を共有しよう」(日経BP)に詳しく述べられたホフマン氏の戦略は「直感と常識に反することをせよ!」というものなので、当然賛否はあるだろう。しかしスタートアップとベンチャー投資の最前線の体験から得たエピソードや観察が数多く披露されている。

本書はまず創立2年目のAirbnbが陥った深刻な危機から始まる。ホフマン氏はAirbnbの将来性をいち早く見抜いた一人で、最初期からの投資家だった。創業者たちとも親しかったため、このあたりは内側から見た手に汗握る企業ドラマだ。

Reid Hoffman

シリコンバレーで新しいアイデアが生まれるとそっくりコピーしてヨーロッパで事業化して繰り返し成功を収めてきたドイツの大企業がAirbnbにも同じ手法で攻撃をかけてきた。会社の権利のかなりの部分を譲渡するなどしてなんとか和解の道を探るべきだろうか?

しかし助言を求められたマーク・ザッカーバーグ氏らは「戦うべきだ」と言う。Y Combinatorのポール・グレアム氏の要約も面白い。「(ドイツの連中は)子供が欲しくもないのにカネ目当に赤ん坊を育ているようなものだ」とやはり一歩も引かないことを勧める。ブライアン・チェスキー氏(下の写真)らAirbnbの創業者たちも正面からの激突を選ぶ。

Brian Chesky

よろしい戦争だ。では、どうやって勝つのか?

相手は資金でも規模でも圧倒的に大きい実績ある企業グループで、Airbnbは無名のスタートアップだった。ここでAirbnbを成功させた戦略が「ブリッツスケーリング」だというのがホフマン氏の主張だ。

ブリッツスケーリングはブリッツクリークからのホフマン氏の造語だ(ブリッツはドイツ語で「稲妻」という意味で日本では「電撃戦」と訳されている)、要約すれば「いかにリスクが高くても成長スピードを最優先せよ」という戦略だ。ホフマン氏はテクノロジーのように変化が急速な世界では成長速度がすべてだと主張する。「資本効率より成長率に重点を置くのではない。資本効率などはうっちゃて急成長を追求せよ。誰にも先が見えない世界で安定成長などはありえない。そっちががむしろ幻想だ」という。

もちろんブリッツスケーリングは典型的なハイリスク・ハイリターンな戦略だ。ブリッツスケーリングのコンセプトの源となった電撃戦は第二次大戦の初戦でドイツに空前の大勝利をもたらした。しかし内情はきわどいもので、もしフランスがミューズ川、セダンなどの要衝で頑強に抵抗すればドイツは大敗していたという。しかし電撃戦を発案し指揮したグデーリアン大将は「予想していない速度で進撃し神経中枢を刺せば敵はマヒする」と確信して突進し、そのとおりとなった。ブリッツスケーリングにはこの二面性がある。

Airbnbの拡大戦略は社員わずか40人のスタートアップが世界各地に一挙にオフィスを開設するなどブリッツスケーリングというのにふさわしい猛烈なものだった。ホフマン氏はブリッツスケーリングに内在するリスクの要素を熟知しており、成功させるためには無数のハードルを日々乗り越えていく必要があると指摘する。自ら体験したLinkedInを始め、Google、Amazon、Facebookなどの実例で市場の選択、ビジネスモデル、プロダクト・マーケット・フィット、ディストリビューションなどの分野でどんな努力が払われたかを具体的に説明する。これがビジネス書として非常に面白い部分だろう。

もうひとつ興味深かったのはブリッツスケーリングは既存の大企業が生き延びるためにも必要だとした点だ。Apple(アップル)はMacとiPodのメーカーとして十分成功していたがスティーブ・ジョブズはスマートフォンというまったく新しい市場を切り開いて「大企業のブリッツスケーリング」の例となった。大企業といえども同じビジネスを永久に続けていくことはできない。日本の大企業にもこのところ気がかりなニュースが続いている。誰もがAppleになれるわけではないだろうが、どんな大企業であれブリッツスケーリングの考え方を取り入れなければ今後生き延びることは難しくなるのではないか。

今月下旬にバルセロナで予定されていたMWCの開催が中止された直接の原因は、コロナウィルス感染症に対する懸念で、テクノロジーに内在するものではない。しかし「何が起きるか予測できない世界」だということの一例ではあるだろうし、その背景にはモバイルネットワークの発達で情報拡散の速度と密度が格段に高まったことがあると思う。

本書にはLinkedInを買収したMicrosoft(マイクロソフト)のビル・ゲイツ氏が内容を的確にまとめた序文を寄せている。企画から編集作業まで担当した日経BPの中川ヒロミ部長はFactfulness(『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 』)を大ヒットさせているが、こちらも最近のノンフィクションでベストの1だ。

画像:TechCrunch

滑川海彦@Facebook

【調査結果】meta descriptionとブランド認知はクリック率へ大きな影響を及ぼす

Googleの検索結果の仕組みはブラックボックスとなっており、我々はその内容を推測することはできても、完全に解き明かすことはできません。

しかし、仕組みは理解できずとも、その仕組みによってもたらされた結果やユーザーの反応から、「どのような取り組みをすべきか」は推測できます。

今回は、Googleの検索結果におけるクリック率について、500人以上のユーザーにアンケートを取った調査データとなります。

「ユーザーは何をもってクリックするかどうかを決めているのか」の参考となる記事です。

調査回答者によると、リッチリザルトはGoogle検索の改善に寄与していることに同意している。

Ignite Visibilityが実施した調査によると、ユーザーが検索結果をクリックするかどうかは、meta description・ブランド名・ページタイトルの要素が順に影響しているとのことだ。

回答者の3分の2は、広告が増えるとGoogleを使いたくないと答えており、大多数は、Googleが強調スニペットやその他の検索機能を含めることによって、検索結果を改善していることに同意している。

今回の調査は、25歳から60歳までの500人以上の参加者を対象に調査を行ったものである。

クリック率へ影響する最大の要素

検索結果の要素のうち、どの要素がクリックの意思決定に最も影響を与えるかを尋ねると、回答者は以下のように答えた。

  • meta description:62.9%
  • ブランド名:24.2%
  • タイトル:13%

ただし、やや矛盾した調査結果として、55.1%の参加者は「検索結果では、知っているブランド名だけをクリックする」と答えている。

ユーザーは検索結果が改善されたと感じている

参加者の過半数(58.5%)は、「2019年1月の検索結果よりも、現在の検索結果(2019年12月)の方を好む」と答えた。

また、参加者の55.5%は、「強調スニペット及びその他の検索機能の追加は、Googleの検索結果を改善している」と答えた。

広告がより多く表示されることは、ユーザーの離脱を促すのだろうか

参加者の3分の2(66.7%)は、Googleが検索結果に広告を増やすと、Googleの使用を減らしたいと考えているようだ。

この調査結果は、2018年12月に公開された調査の結果と矛盾している。

過去の調査では、回答者の75%が、「探している情報を簡単に見つけることができる」と答えている。

Ignite Visibilityの調査参加者の約67%が、他社の指名検索への広告出稿に反対している。

この調査結果は、大多数のユーザーが見知ったブランド名だけをクリックするという他の調査結果と一致しているものである。

なぜ我々はこの調査結果を考慮すべきなのか

調査によると、ブランドの認知はクリック率へ2番目に大きな影響を及ぼす。それは、一部のユーザーにとっては、クリックする・しないという意思決定の要因になりうる。

また、ブランドの認知度を高めることは、SEOの取り組みを補完するものであり、その逆も同様である。

ブランド認知への取り組みは、検索結果における可視性(発見されやすさ)を高めるといえるだろう。

調査では、説得力のあるmeta descriptionの記述の重要性も強調されていた。

Googleはコンテンツの内容とmeta descriptionの食い違いがある場合、meta desriptionを置き換える。そのため、サイト運営者とSEO担当者は、meta descriptionが検索意図と一致するように努める必要がある。

ユーザーが最新の検索結果ページの機能を好む場合、企業はそれに適応する必要がある。検索における可視性(発見されやすさ)を回復したいのであれば、リッチな検索結果を踏まえた上でコンテンツを設計することだ。

ユーザーは検索結果内に、より多くのリスティング広告を掲載することに反対するかもしれないが、Googleのエコシステムはプルファクターであり、さらに広告を追加しても、ユーザーが行動を変えるのに十分なプッシュファクターとはならない。

※プルファクター:引き付ける要因 プッシュファクター:押し出す要因

「ユーザーはmeta descriptionを見てクリックするかどうかを決めている」というのは、驚くべき結果ではないでしょうか。

コンテンツの内容は当然重要ですが、SEOにおいては「検索結果でどうみられるか」も同様に重要です。

また、ブランドの認知度がクリック率に寄与することからも、SEOはそれ単体で見るのではなく、マーケティング戦略全体から俯瞰することが重要と言えます。

年々すべきことが増えている印象を受けるSEOですが、こうしたユーザーの反応を見て、実施・改善のサイクルを回していきましょう。

※参考:500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実

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無料ストリーミングサービスのTubiが12月の月間アクティブユーザー数を2500万人と発表

無料ストリーミングサービスのTubiが成長している。米国時間2月11日、同社は月間アクティブユーザー数が20196に発表した2000万人からさらに増えて、2019年12月時点で2500万人に達したと発表した。同社のユーザーの12月の合計視聴時間は1億6300時間で、前年比の160%だという。

Tubiは、2019年には米国以外の市場でも大幅に成長し、カナダとオーストラリアでは合計視聴時間が357%増加したとしている。

同社は、ユーザー数と視聴時間をTubiブランドのアプリが操作されているユニークデバイスの数から算出しており、組み込み型のプレイヤーやクリップは含めていないという。

これらの数字が信頼できるとすれば、Tubiは消費者がテレビを見ている時間の相当な部分を獲得したことになる。

12月は数字が大きくなる傾向があることにも注意が必要だ。クリスマス休暇の時期で、人々がテレビを見る時間はいつもより多い。

とはいえ、Tubiが発表した数字は、Netflixを補うものとして無料の広告付きストリーミングを受け入れる消費者が増えていることを表している。ことに、ライブラリの人気タイトルはストリーマーのコンテンツとは一線を画す。市場にはストリーミングプロバイダが提供する選択肢(その多くは費用がかかる)があふれているが、Tubiはその市場において独自の地位を築いている。

また、Tubiの視聴者数の増加は2019年に取り組んできたパートナーとの連携からもたらされたようだ。

現在Tubiは、Roku、Fire TV、Apple TVなどのストリーミングデバイスや、さらにモバイル、ウェブ、ゲーム機でも見ることができる。ComcastやCoxといったテレビプロバイダとも契約し、現在でも大きな市場である有料テレビの視聴者に無料のストリーミングライブラリを提供している。 さらに最近ではテレビメーカーのHisenseと契約する一方、スペイン語のコンテンツを提供するためにメキシコのテレビ局のTV Aztecaとも契約したと発表した。

Tubiはワーナーブロス、パラマウント、ライオンズゲートなど250以上のコンテンツパートナーを得てサービスを加速させている。コンテンツに1億ドル(約110億円)以上を投資して、2020年には現在2万本ある映画や番組のライブラリをさらに増やす計画だ。

同社は、従業員が2018年より78%増え、2019年末には正社員が229人になったことも発表した。

Tubiにライバルがいないわけではない。プラットフォーム企業は無料ストリーミングの市場に参入している。Rokuは無料ストリーミングハブのRoku Channelを開設し、AmazonにはFire TVなどで見られるIMDb TVがある。ViacomCBSも買収によってPluto TVを持つことになり、ウォルマートは無料映画サービスを含むVuduの運営を続けている。今年後半にはNBCUも独自の無料広告ストリーミングサービスを提供するPeacockを始める計画だ。

TubiのCEOのFarhad Massoudi(ファルハド・マスディ)氏は発表の中で「昨年の我々の成長は、現在の混乱した市場において我々の集中戦略が成功したことの証明だ。世界中の人々がサブスクリプションビデオを補完するものとしてTubiを受け入れたことを喜び、2020年には優れたコンテンツのライブラリをさらに増やす計画だ」と述べている。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Spotifyがソングライターのページとプレイリストを公開

Spotifyは、ソングライターがこれまでに書いた曲や頻繁にコラボしているアーティストを紹介する「ソングライターページ」という新機能を公開した。このページには「Written By」(このアーティストが書いた)プレイリストも新たに登場し、リスナーはこのプレイリストを再生したりフォローしたり、Spotifyの検索でソングライターの作品を見つけたりすることができる。

第一弾として、Meghan Trainor(メーガン・トレイナー)、Fraser T. Smith(フレイザー・T・スミス)、Missy Elliott(ミッシー・エリオット)、Teddy Geiger(テディ・ガイガー)、Ben Billions(ベン・ビリオンズ)、Justin Tranter(ジャスティン・トランター)といったトップアーティストのソングライターページが登場している。この機能はまだベータだが、パブリッシャーとSpotifyがソングライターと連携してページを公開できるようになっている。公開したいソングライターはオンラインフォームからこのプログラムへの参加を申請できる。

ソングライターページの開始にあたり、Spotifyはすべてのリスナーのホームタブに「Written By」プレイリストを表示している(訳注:本稿翻訳の2月14日現在、日本語版アプリでは表示されていない模様)。

Spotifyはこれまで音楽制作の舞台裏をもっと賞賛しようとしてきた。2018年にはアプリにソングライターとプロデューサーのクレジットが追加された。このようなクレジットは、かつては物理的なアルバムのライナーノートに書かれていたが、デジタルの時代になって抜け落ちていた。クレジットの追加は、Spotifyが将来的にソングライターとプロデューサーを特定して支払いをするのに役立つということでもある。これはストリーミングサービスにとって複雑な問題であり、Spotifyにとって多額の出費となっている問題だ。

例えば2018年にSpotifyは複数のソングライターに対して11200万ドル(約123億円)の和解金を支払っている。2016年にはパブリッシャーに対して2000万ドル(約22億円)で和解している。

Spotifyは、アプリの変更により状況は好転してきたという。同社は2018年に楽曲のクレジットの表示を始め、これ以降はレーベルやディストリビューターが新曲をリリースする際にソングライターをクレジットする頻度が60%増加したと主張している。

ソングライターページが新たに設けられたことで、ソングライターのクレジットを示してファンの注目を引くだけでなく、レーベルやパブリッシャー、音楽監督、アーティストがソングライターを見つけやすくなる。今までは、新しいソングライターを見つけようと思ったらクレジットを探しまわらなくてはならなかった。ソングライターページがあれば、その人の作品をもっと整理された形で見たりフォローしたりすることができるようになる。

「Written By」プレイリストのリンクは、ソングライターのウェブサイトやソーシャルメディアなどSpotify以外にも共有できる。

ソングライターページを見るには、デスクトップアプリで曲を右クリックするか、モバイルアプリで曲名などの右にある「…」をタップする。そして「楽曲クレジットを表示」(モバイルアプリでは「楽曲クレジット」)を選択し、ソングライターの名前をクリックまたはタップする。ソングライターページから、プレイリストを見てフォローしたり、「Listen on Spotify」(Spotifyで聴く)をクリックして曲をすぐにストリーミングしたりすることができる。

この機能はまだベータテスト中で、ソングライターページやプレイリストの数は限られている。しかしSpotifyは今後この機能を多くのソングライターに広げていく計画で、拡大状況についてはSpotifyforArtists」のInstagramで知らせるとしている。

Spotifyでソングライターのクレジット表示が始まった頃には、信頼性が低いという批判があった。もっと広い目で見ると、不適切なメタデータの問題はSpotifyに限らずストリーミング業界全体に影響を及ぼしている。そしてサービスに間違いがあると、大きな混乱を招きかねない

Spotifyのパブリッシング&ソングライターリレーション責任者、Jules Parker(ジュールス・パーカー)氏は発表の中で次のように述べている。「Spotifyは、アーティスト、楽曲、さらにソングライターを発見しやすくするためのより良い方法を新たに作ろうと常に努めている。2018年にソングライターのクレジットを公表したのは、小さな第一歩だった。我々はパブリッシング業界と力を合わせてデータの共有と分析の努力を続けている。そして今回の新たなイテレーションを公開したことを喜ばしく思っている」。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)