ドライバーシェアリングで物流業界の効率化を目指すラクスルの「ハコベルコネクト」

印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」や物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を提供するラクスルは1月24日、一般貨物を取り扱う運送会社向けに物流業界全体を効率化するための新サービス「ハコベルコネクト」の提供を開始すると発表した。

ハコベルコネクトのローンチは2月12日。2015年12月にローンチしたハコベルは名称を改め「ハコベルマッチング」として提供される。

新サービスのハコベルコネクトは一般貨物事業者及び大手物流荷主向け求配車サービス。ハコベルマッチングは軽トラックやカーゴなどを扱う軽貨物事業者と荷主のマッチングに特化したサービスという位置付けとなる。

ハコベルコネクトは“物流業界最大の課題”であるというドライバー不足、そしてアナログなコミュニケーションによる低生産性を解決するために開発された。

泉雄介氏

ラクスルの取締役CTOでハコベル事業本部長を務める泉雄介氏は当日開催された記者会見で「ドライバー不足は日本の物流の最大の課題の一つだ」と話し「次の10年でおよそ24万人の不足が出ると言われている」と説明。

泉氏氏いわく、ラクスルがハコベルコネクトを通じて解決を目指す“ドライバー不足”の原因は大きく分けて二つある。まず、ドライバーの“なり手”不足。同氏は報酬や労働環境を改善していくことが必要だと述べた。低い報酬の原因は業界の多重下請構造による中抜き。二つ目の原因は低い生産性。膨大な事務作業があるのでドライバーが有効活用ができていないのだという。

ラクスルの情報によると、多くの一般貨物事業者は案件を受注したとしても自社のトラックだけでは配車しきれず、案件の7割以上を他の運送会社に求車している会社も存在する。そのため、運送会社は互いに配車協力をしなければ運送業務が成立しないのが実情だという。

だが各運送会社が持つシステムは自社の配車情報のみを管理する極めてクローズドなもの。加えて協力運送会社との配車のやり取りは紙や電話、FAXなどで行われている。

結果、一つの配送案件の情報が複数の運送会社でバラバラに管理されることとなり情報の断絶が発生し、物流業界の生産性の低さにつながってしまっている。

そこでラクスルが生み出したのが、各運送会社が保有する案件情報や運送業務に関する情報をオンライン上で可視化し、運送業務に関係する複数の企業が情報をスムーズに連携できる仕組みであるハコベルコネクトだ。

アナログな業務をデジタル化し、情報を複数の運送会社やドライバーと共有することで、コミュニケーションを効率化、また、伝達ミスを軽減する。

具体的には、取引リクエストや配車・運行管理、免許証や車検証などの証書のクラウド管理などが同プラットフォーム上でできる。

また、iOSとAndroidの両方に対応予定のドライバーアプリを使えば、ドライバーは配車情報をリアルタイムに確認し、確認ミスや待機時間を削減することができる。同アプリでは車両の動態管理や配送ステータスの共有ができ、無駄な電話連絡を減らすことも可能だ。

泉氏は「ハコベルコネクトが目指すのは、関係者間あるいは企業間を越えて情報を共有しスムーズにし、情報摩擦を限りなく減らすことで効率を上げていく仕組みだ」と話していた。

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AWSがモバイルのイントラネットに容易にアクセスできるサービスWorkLinkをローンチ

会社がVPNやモバイルデバイスの管理サービスを使っているときには、イントラネットや社内のWebアプリケーションへのアクセスが、とても面倒なことになる。そこでAWSは今日(米国時間1/23)、Amazon WorkLinkという新しいプロダクトをローンチした。そのアクセスがずっと容易になる、と約束している。

AWSが完全な管理を提供するサービスWorkLinkは、ユーザー一人あたり月額5ドルで、社員に内部的サイトへのワンクリックアクセスを提供する。そのアクセスはITアドミンがコントロールでき、サイトはAWS上になくてもよい。

WorkLinkをスマートフォンにインストールしたら、社員は自分の好きなブラウザーを使って社内のWebサイトにアクセスできる。そのほかのソリューションは、あまり出来の良くないプロプライエタリなブラウザーの使用を強制されるものが多い。WorkLinkは仕事を開始し、目的サイトを安全にリクエストして…そしてここが賢いところだが…WorkLinkの安全なコンテナがサイトを対話的なベクターグラフィックに換えてスマートフォンへ送り返す。スマートフォン上には何も保存されずキャッシュもされない。またデバイス上の個人のアクティビティをWorkLinkが知ることもない。会社のデータも残らないから、スマートフォンをなくしたり盗まれたりしても、それらをリモートで消す必要もない。

ITはVPNを使ってAWSのVirtual Private Cloudからオンプレミスのサーバーに接続したり、またはAWSのDirect Connectを使ってVPNをバイパスすることもできる。このサービスは、OktaやPing IdentityなどSAML 2.0対応のアイデンティティサービスと一緒に使える(今企業で使われているアイデンティティサービスのほとんどがSAML 2.0だ)。完全なマネージドサービスなので、スケーリングやアップデートはバックグラウンドで行われる。

AWSの生産性アプリケーション担当VP Peter Hillはこう語る: “社員たちが内部的なコンテンツに容易かつ安全にアクセスできない、と不満を述べる顧客がとても多い。つまり彼らの社員は、時間を浪費したり、彼らの生産性を高めるコンテンツへのアクセスを最初からあきらめたりしている。AmazonのWorkLinkを使えば、会社のファイヤーウォールの外にいる人たちでもそんなコンテンツを利用でき、生産性を高めることができる。しかもそれはITの管理者やセキュリティのチームにとって使いやすいし、また社員たちも進んで使いたくなるだろう”。

WorkLinkはAndroidとiOSで使える‘予定’だが、現状はiOS(12より上)のみだ。しかもブラウザーはSafariのみで、数週間後にChromeがサポートされる。そして供用地域はヨーロッパと北アメリカのみで、その他の地域は今年の後半になる。

今のところ、クラウドでAWSの宿敵であるGoogleとMicrosoftには、WorkLink相当のサービスがない。GoogleはVPNに代わるものとしてCloud Identity-Aware Proxyを、BeyondCorpセキュリティ事業の一環として提供しているが、それはかなり目的が違う。一方Microsoftは、もっと従来的なモバイルデバイス管理ソリューションを提供している

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YouTube TV、正式に全米で利用可能に

今年のスーパーボウルを間近に控え、GoogleのライブTVストリーミングサービス、YouTube TVを全米に展開するこことを同社が発表した。このサービスは2017年4月のデビュー以来順調に拡大を続け、ほぼ一年前にトップ100都市、全米の85%をカバーして広く利用可能になった。今日(米国時間1/23)YouTube TVは、さらに95都市に拡大し、全米98%の世帯をカバーした。

残る地域も近々後に続くとYouTubeは言っている。

Googleの戦略は、提供範囲の広さを謳うためだけに、限定されたサービスを全国に提供することはしない、というものだ。代わりに同社は、進出予定の各市場で事前に地元の局と提携を結ぶことに注力した。こうすることで、利用者は4大放送局(CBS、ABC、NBC、およびFOX)のうち3局以上をローカルニュース、スポーツを含めて利用できる。

これはYouTube TVの競争優位性の一つと言える。一部のライバルサービスはローカル局に対応しなかったり、限定市場のみ対応している。しかし、わずかな例外を除いて、YouTube TVでそのようなケースはない。

全国展開のスタートとともに、You Tube TVはサービス提供地域の90%以上で、完全ローカルカバレージ(4大放送局に対応)を達成したことも発表した。

昨年3月に月額5ドルの値上げがあったにも関わらず、YouTube TVは急成長を続けている。昨年の始めに30万人だった購読者数が、7月には80万人近くに増えたと報告した。現在は100万人を超えたと考えるのが妥当だが、YouTube TVは数字を公表していない。

しかし、たとえ100万ユーザーの壁を超えているとしても、Hulu with Live TVには遅れをとっている。Huluは昨年9月にこの節目を通過した。ちなみにDireTV NowとSling TVの方がずっと大きく、同じく昨秋時点でそれぞれ230万人と80万人だった。

仕様を見る限りYouTube TVの提供するサービスは魅力的で、60以上のテレビネットワークと無制限のデジタルビデオ録画、世帯あたり6アカウントなどのサービスを月額40ドルで利用できる。著名なプロモーションパートナーと共に認知度の向上にも取り組んでおり、MBAのワールドシリーズNBAなどの例がある。

しかし、多くのストリーミングサービスと同じく時にはつまづきもあり、ワールドカップ期間中の長時間ダウンも経験した。このことは人々に、1つのプレイも見逃せない主要スポーツイベントでこの種のTVサービスに依存することへの懸念をもたらした。全国展開したことでYouTube TVは、今度のスーパーボウル中継で能力を示せないとさらにブランド価値を下げるリスクがある。

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SQLツールの古参IderaがTravis CIを買収して継続的インテグレーションをメニューに加える

オープンソースの継続的インテグレーションサービスTravis CIは、ベルリン生まれだが世界的にも人気が高い。その同社がこのほど、オンプレミスとクラウドアプリケーション向けにさまざまなSQLデータベース管理ツールを提供しているIdera買収された。この買収は、Circle CIなどそのほかのCIサービスがTravis CIにマーケットシェアを奪われつつあったまさにこの時期に行われた。

プライベートエクイティ企業TA AssociatesがオーナーであるIderaによると、Travisは同社の試験ツール事業を補完し、現在の顧客の利益にもなる。IderaのTesting Tools部門に現在あるのは、TestRail、Ranorex、Kiuwanなどのツールだ。IderaでTravis CIを担当することになるゼネラルマネージャーのSuhail Malhotraは、こう語っている: “Travis CIから得られる事業価値はすばらしい。もっと多くの顧客が、もっと良い結果を迅速に得られるよう、努力していきたい”。

Ideraは明らかに、DevOpsビジネスへとレパートリーを広げていきたいのだと思われる。継続的インテグレーションは言うまでもなく、そのための重要なビルディングブロックだ。それでもなおIderaは…多少は知られているとしても…今日の最先端の技術で知られている企業ではないだけに、やや違和感はある。しかしTravis CIは70万のユーザーをIderaに持参し、その中にはIBMやZendeskもいる。買収の価額は不明だが、これは確かに、CIのエコシステムにおける大きな商談だ。

Travis CIのファウンダーKonstantin Haaseは今日の発表声明で次のように述べている: “Ideraのチームと共に成長の次のステップに進めることは喜ばしい。弊社の顧客とパートナーがIderaの豊富なポートフォリオを利用できることになり、そのソフトウェアビジネスを次のレベルへとスケールアップできるだろう。弊社の目標はできるかぎり多くのユーザーをTravis CIに惹きつけるとともに、そのオープンソースのルーツとコミュニティにとどまることだ”。

これはかなり定型的な声明文だが、今後果たしてIderaは、Travis CIを同社の稼ぎ頭のひとつへと、育てていけるだろうか。お手並みを拝見したい。

Haaseのブログによると、Travis CIのユーザーにとっては何も変らない。“新しいパートナーからのサポートにより、弊社のコアプロダクトの拡張と改良のための投資ができ、Travis CIは世界最良の継続的インテグレーションと開発のソリューションになるだろう”、と彼は書いている。そしてまたTravis CIはオープンソースの世界にとどまり続ける: “それがわれわれの本質であり、成功の源泉だったのだから”。

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離職に繋がる衛生要因を見える化する「ハイジ」β版公開——「オフィスおかん」提供元の新サービス

日本が抱える深刻な社会問題はいくつもあれど、「労働力人口の減少による人手不足」はメディアなどでも頻繁に取り上げられる代表的な課題の一つだ。

そんな状況だからこそ多くの企業がこれまでにも増して人材採用に投資し、魅力的な仲間を増やそうと努めている。積極的に自社の特徴を発信する採用広報の動きが加速。採用を支援するHR Techツールもここ数年で細分化が進み、より細かいニーズに応えられるようになっている。

一方で健康経営やエンプロイー・エクスペリエンス(EX)といった言葉を目にする機会が増えたように、新たなメンバーを採用することと同じくらい「今いるメンバーが安心して働き続けられるような組織を作ること」も重要だ。そのためにはメンバーの離職につながる原因を予め突き止め、適切な対策を講じることが必要になる。

本日1月24日にβ版が公開された「ハイジ」は離職の原因に繋がる要因を見える化するサーベイツール。このプロダクトを手がけるのは、累計で1500社への導入実績があるサブスク型の社食サービス「オフィスおかん」運営元のおかんだ。

ハイジの特徴は職場環境や給与、社内での人間関係など、それが整っていないと従業員の不満足に繋がる「ハイジーンファクター(衛生要因)」に特化していること。企業はサーベイの結果をハイジスコアとして定量的に分析できる。

ハイジスコアをマッピングした「ハイジマップ」

基本的な使い方はすでに存在するサーベイツールに近しい。まず導入企業は従業員にオンライン上でアンケートに回答してもらう。回答にかかる時間は約10分ほど。PCだけでなくスマホにも対応する。

その結果を執務環境や制度の充実、休暇の取りやすさなど12要素に分け、各項目ごとにスコアを算出。このスコアを年齢や性別、所属部署ごとにマッピングしたハイジマップ機能も備える。

経営者や管理部門のスタッフにとっては、これまで可視化することの難しかったハイジーンファクターにおける問題点を数値ベースで把握することが可能。社内のどこに問題点があるのか、どこから着手すればいいのかを判断する材料になるだけでなく、継続的にサーベイを実施することで打ち手の効果検証や数値目標の設定にも活用できるという。

離職要因の約80%を占める衛生要因に特化したサーベイツール

開発元のおかんが2018年7月に7億円の資金調達を実施した際に、代表取締役の沢木恵太氏は「(労働力人口が減少していく中で)企業側が正しい課題意識を持ち、正しい施策に対して投資をしていく」ためのサポートをしたいと話していた。それに向けてオフィスおかん以外のソリューションも仕込んでいるということだったけれど、それがハイジだったということらしい。

それにしてもなぜこの領域なのか。従業員サーベイを通じて組織の現状を診断・改善できるサービスはすでに複数存在する。代表的なサービスで言えばリンクアンドモチベーションの「モチベーションクラウド」や以前TechCrunchで紹介したアトラエの「wevox」などがそうだ。

そもそもハイジが着目したハイジーンファクターとは、アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグ氏が提唱した二要因理論の中で出てくる考え方だ。この二要因理論で従業員の仕事に対する満足度を二つの要因に分類していて、一方が満足に関わるモチベーターと呼ばれる要因(動機付け要因)。そしてもう一方が不満足に関わるハイジーンファクターと呼ばれる要因(衛生要因)になる。

モチベーターはあればあるほど意欲が向上するような要因のことで、たとえば理念への共感や仕事内容に対するやりがいなどが該当する。その反面、ハイジーンファクターは冒頭でも触れた通り「あることが当たり前」の要因で、なくなってしまうと著しい不満足に繋がってしまうもの。職場環境や給与、社内での人間関係、健康や家庭との両立などが当たる。

沢木氏の話では、あくまで厚労省の統計ベースにはなるが離職原因の80%以上がハイジーンファクターにまつわるものなのだという。

「離職を減らすためには、“働きやすい”環境というよりも“働き続けられる”環境を作ることが重要。そのためには働き続けられない理由を潰すツールが必要だと考えた。採用に投資をすることももちろん重要だが、入社後のサポートがしっかりしていないと意味がなくなってしまう」(沢木氏)

既存のサーベイツールはやりがいやモチベーションなど、どちらかというとモチベーターに着目したものが多い。一方でハイジーンファクターに特化したサービスはまだこれといったものがなく、自分たちでやる意義があるというのが沢木氏の見解だ。

オフィスおかんとの親和性も

なおかつ、ハイジはこれまで展開してきたオフィスおかんのユーザーとも親和性が高い。オフィスおかんの直接的な窓口となるのは、総務や人事といった管理部門の担当者や経営者が中心。管理部のスタッフからは「健康経営に対するプロジェクトにアサインされたが、定量的な目標設定や優先順位付け、各施策の評価やフィードバックが難しい」といった課題を聞いていたという。

同様の悩みは経営者も抱えている。ハイジーンファクターに分類されるような施策は費用対効果の判断が難しい領域。「結構な投資が必要だと意思決定も難しく、後手後手になって状況が悪化してしまうケースもある」(沢木氏)ため、その判断材料となる指標が欲しいという声は多い。

すでに複数社には試験的にα版の提供を始めていて、上述したような課題の解決や「なんとなくそう思っていた」要因を可視化することに役立ててもらっているそうだ。今後ハイジで見つかった課題に対するソリューションの一つとして、オフィスおかんを提供することもできるだろう。

おかんでは今回のβ版を経て、今年の春〜夏頃を目処にハイジの正式版をリリースする計画。ゆくゆくは国から義務化されているストレスチェックも内包できるようにプロダクトをアップデートするほか、サーベイの結果を基に「どの領域にどのくらい投資をすればいいか、どんな対策を講じるべきか」までレコメンドする機能も提供していきたいという。

ビジネスの“サブスク化”を後押しする「サブスク振興会」が発足

左から、テモナ代表取締役社長の佐川隼人氏、エアークローゼット代表取締役社長兼CEO天沼聰氏、東海大学 総合社会科学研究所 Eコマースユニット 客員准教授の小嵜秀信氏、ファインドスター代表取締役社長の渡邊敦彦氏、富士山マガジンサービス代表取締役社長の西野 伸一郎氏、そしてネオキャリア代表取締役の西澤亮一氏

サブスクリプションビジネスの認知拡大と産業振興を目的とした一般社団法人「日本サブスクリプションビジネス振興会」が1月23日、発足した。日本でもSaaSから月額制の衣類や家具レンタルまで幅広い分野のサブスクビジネスが誕生してきたが、同振興会では更に多様なビジネスの“サブスク化”を後押しする。

日本サブスクリプションビジネス振興会の目的は「リピーターによる定期的な取引によって売り上げが安定する」ストック型サブスクビジネスの日本国内での振興。サブスクを日本のマーケットに浸透させるべく、情報やノウハウ、ビジネス事例など成功に必要な情報を提供する。

「サブスクビジネスをこれから始めたい人、興味がある人、もっと加速したい人。この振興会はそんなみなさんに、どうやったらサブスクが上手くいくのか、必要なポイントは何なのか、事例、データ、情報など一つでも多くのものを提供していきます」

当日開催された会見でそう話したのはサブスク振興会の代表理事を務めるテモナ代表取締役社長の佐川隼人氏だ。

「『うちの商材だとサブスクが出来ない』と思っている人は多い。けれども、サブスク化出来ない商材は基本的にない。情報や事例がないから出来ないと思い込んでらっしゃる。その方たちにしっかりと情報を発信していく」(佐川氏)

また同氏は「不景気になればなるほどサブスクモデルは強い。この先の状況を見ると、サブスクにとっては追い風だ。やる人はこれからも増えていく」と話していた。

振興会の理事を務めるのはエアークローゼット代表取締役社長兼CEO天沼聰氏、東海大学 総合社会科学研究所 Eコマースユニット 客員准教授の小嵜秀信氏、ファインドスター代表取締役社長の渡邊敦彦氏、富士山マガジンサービス代表取締役社長の西野 伸一郎氏、そしてネオキャリア代表取締役の西澤亮一氏。

事務局はテモナ執行役員CMOの青栁陽介氏が務める。

テモナは1月18日、サブスクリプションビジネスに特化したメディア「サブスクリプションマガジン」のローンチも発表していた。

JR東日本とWAmazingが訪日外国人向けフリーパスのアプリ決済を実証実験

東日本旅客鉄道JR東日本スタートアップWAmazing(ワメイジング)の3社は1月23日、成田空港で訪日外国人旅行者の利便性向上を目的とした実証実験を実施することを発表した。実証実験の期間は2019年2月1日~3月31日。

JR TOKYO Wide Pass

実験期間中は、JR東日本が販売する訪日外国人旅行者向けフリーパス「JR TOKYO Wide Pass」を、WAmazingのアプリ「WAmazing」とWeChatミニプログラム「小票夹」で購入可能になる。これにより、同フリーパスの予約や決済、受け取りまでのハードルを低くするのが狙い。

JR TOKYO Wide Passはこれまでも、首都圏の空港やターミナル駅の「JR EAST Travel Service Center」などで発売していたが、実験期間中はスマホアプリで好きな時間に購入できるというわけだ。決済には、VISAもしくはMasterCardブランドのクレジットカード、もしくはWeChatPayとなる。

訪日外国人はこのフリーパスを使うことで、関東エリアの新幹線や特急列車の指定席を3日間自由に使える。首都圏はもちろん、越後湯沢駅やガーラ湯沢駅などのエリアでも利用可能だ。

アプリ上で購入したあとは発行されるQRコードを読み取り機にかざす必要があるほか、パスポートのスキャンも必要。フリーパスはスタッフからの手渡しだ

実際にフリーパスを入手するには、アプリで購入すると発行されるQRコードを、受取場所に設置されたQR読み取り用タブレット端末にかざす必要がある。そのあとに、タブレット端末の付属スキャナーでパスポートをスキャンすると、カウンタースタッフから「JR TOKYO Wide Pass」を受け取れる。アプリ上ですべて完結するわけでなく最終的に人手が必要なのは残念だが、購入までのハードルはいくぶん低くなるだろう。なお、スマホ経由で購入できるのは大人用の1万円のフリーパスで、子供用の5000円のものは窓口で買う必要がある。

WAmazingは、訪日外国人向けのアプリや日本国内の国際空港で無料SIMを配布しているスタートアップ。デロイトトーマツベンチャーサポートが1月に実施した「Morning Pitch Special Edition 2019」で最優秀賞に輝いた企業だ。同社が配布するSIMは、訪日外国人が日本滞在中の15日間、容量500MBまでを無料で利用できるというもの。もちろん容量は追加購入が可能だ。

JR東日本スタートアップは、JR東日本のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)。駅や鉄道、 グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネス・サービスの提案を募り、 ブラッシュアップを経て実現していく「JR東日本スタートアッププログラム」を開催している。

Googleが求人情報検索サービスを日本でも公開

Googleは1月23日、求人情報検索サービスの提供を日本でも開始した。この新機能「Google しごと検索」は、ウェブ上の転職・求人情報サイトや企業の採用ページなどから求人情報を取得し、検索結果ページに表示するというもの。「渋谷 バイト」「営業 求人」など希望する職種やエリアなどを入力して検索すると、関連する求人情報が検索結果内にまとめて表示される。

表示された任意の求人情報を選択すると、情報提供元のサイトにアクセスすることなく、より詳しい情報が表示される。

同サービスでは、採用を行いたい企業のサイト管理者が構造化データを用意することで、自動的に自社サイト内の求人情報をクロールし、検索結果に表示されるようにすることも可能だ。

同サービスは米国では2017年5月に「Google for Jobs」として発表され、ローンチしている。

グリーがファンコミュニティサービスの「Fanbeats」発表、すでに大手含む30社以上の参画決定

YouTuberやクリエイターといった人たちの商業活動が活発化するなか、クリエイターとファン、そしてファン同士をつなぐ場であるファンコミュニティサービスの数も増えつつある。TechCrunch Japanで紹介してきたところで言えば、ファンクラブアプリの「CHIP」、YouTuberのマネジメントも手がけるTHECOOが手がける「fanicon」などがその例だ。

クリエイターが利用するサービスや彼らのサポートを手がける領域には、スタートアップだけではなく既存のインターネット企業からの参入も多い。2018年8月にVtuber専用ライブ配信サービスの「REALITY」をリリースしたグリーもその1つだ。そのグリーは1月23日、これまでSNSやゲーム事業で培ったプラットフォームの運営やマーケティングのノウハウを活用して新たなファンコミュニティ・プラットフォーム「Fanbeats」を開設したと発表した。

Fanbeatsが注力するのは、個人としてではなく、企業や団体としてエンターテイメント・コンテンツを生み出すクリエイター集団のファンコミュニティ醸成だ。同サービスでは、ユーザーはアニメやマンガ、ゲームなど16のカテゴリーの中から好みのクリエイターをフォローすることができる。クリエイターは無料のニュースレターなどを配信できるほか、SNSのように活動状況をタイムライン上で共有するなどの機能がある。もちろん、クリエイターとファンとの交流だけでなく、ファン同士がフォローしあってコミュニティを活性化することもできる。

そのほか、クリエイターが手がける新商品・イベントの事前予約をプラットフォーム上で行える「プロジェクト機能」を開始する。これは言わばコアファン限定のクラウドファンディングのような仕組みで、プロダクトに特に感心の高い層へのマーケティング施策としても機能する。

また、BASEやオープンロジなど7社の外部企業との提携により、ネットショップの開設やプロジェクト特典の配送代行などの各種サービスを利用できることも特徴だ。

現時点では、DMM GAMES、モブキャストゲームス、講談社など30社以上の企業・団体がクリエイターとしてFanbeatsに参加することが決定している。これらの企業が運営する40以上のアカウントが本日より公開され、2月中旬より、上述のプロジェクト機能を利用した各クリエイターによるプロジェクトが順次開始する予定だ。

2018年のビデオゲーム売上が過去最高の430億ドルに

2018年ビデオゲームの売上が過去最大の438億ドルに達した。Entertainment Software AssociationとNPDグループが新たに発表したデータによると、これは前年から18%の伸びで、世界の映画興行収入の予想額をしのぐものだ。

Deadline Hollywoodが報じたcomScoreのデータによると、昨年末に公表された世界の興行収入の予備指標では、世界の映画チケットの売上は417億ドルとされている。

ビデオゲームの438億ドルという数字はまた、ストリーミングサービスの売上をもしのいでいる。Multichannel Newsの報道によると、ストリーミングサービスの売上は288億ドルあたりになると予測されている。

ビデオゲームと関連コンテンツは、今時の世代にとっては新たなエンターテイメント元となっていて、Netflixの最高経営責任者Reed Hastingsが懸念しているように新たなメディア立役者がいるようだ。Netflixが株主に宛てた最新の手紙には、TimewarnerのHBOよりFortniteがビジネス上脅威になっている、としたためられている。

「我々はHBOよりFortniteと競争している(そして負けている)」と手紙にはある。「10月にYouTubeが世界で数分間ダウンしたとき、我々のサービスの視聴とサインアップはその間急増した。競って消費者を楽しませ、また素晴らしい体験でもって参入の壁が低くなっているという、かなり崩壊しているマーケットには何千もの競争相手がいる」。

「今日発表されたこの業界の目を見張る経済成長は、米国文化の主流な業界の成長と相似する。ESAの会長でCEOのStanley Pierre-Louisは声明でこう述べた。「米国中であらゆるバックグラウンドや年代の人がビデオゲームの最も熱心なプレーヤーであり、ファンとなっている。インタータクティブなエンターテイメントは今日、米国において最も影響力のある形だ」。

利益はゲーム産業のあらゆるところで上がっている。NPD Groupのビデオゲーム産業アナリストMat Piscatellaによると、コンソールやパーソナルコンピューティング、モバイルゲーム全てにおいて著しい成長がみられた。

レポートでは、ハードウェアと周辺機器、ソフトウェアの売上は、物・デジタル販売、ゲーム内購入、購読で増大している。

米国ビデオゲーム産業売上   2018年   2017年  成長率

周辺機器を含むハードウェア  75億ドル  65億ドル  15%

ゲーム購入購読を含むソフト  358億ドル  304億ドル   18%

ウェア

計              433億ドル 369億ドル  18%

ソース: The NPD Group, Sensor Tower

イメージクレジットAnthony Ha

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

Googleが日頃のお返しに$2MをWikipediaに寄付

Googleは長年、そのほかの多くの企業と同じく、コンテンツをWikipediaに依存している。そこで今度は、GoogleとGoogle.orgがお返しをする番だ。

Googleのチャリティー部門Google.orgの代表Jacquelline Fullerが今日、Wikimedia Endowmentへの200万ドルの寄付を発表した。別途110万ドルの寄付が、Wikimedia Foundationへ行く。それはGoogleの社員たちの意思で、GoogleからWikipediaへ直接寄付が行われるようになったためだ。Wikimedia FoundationはWikipediaを支える非営利団体、Endowmentはファンド(基金)だ。

Wikimedia Foundationがブログに書いている: “GoogleとWikimediaは多様なユーザーの役に立ちまたその多様性を反映しているインターネットにおいてそれぞれ、ユニークな役割を演じている。われわれは今後もGoogleとの協働関係を維持し、世界中のコミュニティとの密接なコラボレーションを継続していきたい”。

GoogleとWikipediaは、寄付による関係にとどまらず、Project Tigerの拡張でも協力している。それは、Wikipediaをより多言語化する企画だ。そのパイロット事業では、12のインド語群言語で書かれた、各地域に関連するコンテンツの量を増やした。今後はさらに、10の言語に対応する予定だ。

“編集者を支援して情報や知識の量を増やしていくだけでなく、Wikipediaを今後の何世代にもわたって支持し支援して、未来の人たちが十分有益に利用できる状態を維持する努力も重要だ”、とFullerはブログ記事で言っている。

3月にGoogle傘下のYouTubeは、Wikipediaからの情報をもとに、陰謀的なビデオと闘うことを決めた。そのときWikimediaの事務局長Katherine Maherは、Wikipediaを利用する企業がそのお返しをするとよいのだが、と述べた。

そのときMaherはこう言った: “世界中の人たちにWikipediaを利用し、共有し、加筆し、リミックスしてほしい。それと同時に、Wikimediaのコンテンツを利用する企業には持続可能性のためにお返しをしてほしい”。

GoogleはこれまでWikimediaに累計で750万ドルあまりを寄付している。たとえば2010年にはWikimedia Foundationに200万ドルを助成した。しかしGoogleがWikimedia Endowmentに寄付するのは、これが初めてである。この基金は、Wikimediaの長期的な成功を支えている。

Wikimedia Foundationにお返しをしているのは、Googleだけではない。昨年晩くにはAmazonが、Alexaの情報アシスト能力がWikipediaに相当依存していることを認めてWikimedia Endowmentに100万ドルを寄付した

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Origami「半額」キャンペーン第二弾はDEAN & DELUCA、1月25日スタート

スマホ決済のOrigamiは1月23日、「Origami Pay」利用で対象店舗の商品が最大半額になる「オリガミで、半額。」キャンペーンの第二弾を発表した。

2019年1月25日から31日の期間中、惣菜などを販売する「DEAN & DELUCA」とカフェ「DEAN & DELUCA CAFE」のうちOrigami Payが利用できる店舗で、Origami Payでの支払いが何度でも即時で半額となる。

本キャンペーンの最大割引金額は1000円。税込2000円までの場合は半額となり、それを超える場合は割引額1000円が適用となる。ただし、Origamiクーポンとの併用はできない。

同社は昨年末の12月、PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」やLINE Payの「Payトク」キャンペーンが開催されている中、このキャンペーンの第一弾を発表。吉野家の牛丼並盛が半額相当となっていた。

今後はケンタッキーフライドチキンを対象にした第3弾が2月に予定されており、ホームページ上では第6弾まで予告されている。

Gmailが取り消し線、Undo/Redoをサポート

別に驚天動地の大ニュースというわけではないが、今日(米国時間1/22)、GoogleはGmailの書式に取り消し線を追加したと発表した。 書式バーの右端にボタンが表示される。またこのアップデートで操作の取り消し、取り消しの取り消し(Undo/Redo)、メールを .EMLファイルとしてダウンロードする機能もサポートされた。

特に付け加えることもないが、メールで「ここはこのように訂正する」というなことを言おうとする場合に便利だろう。またUndo/Redoのショートカット(ctrl+z/ctrl+y)をいつも忘れてしまうユーザーにも朗報だ。

G Suiteユーザーはすでにアップデートずみ。一般ユーザーにも3日以内に公開されるという。無料ユーザーもすぐに新機能が使えるようになる。

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滑川海彦@Facebook Google+

Google、G Suitesユーザー向けのHangoutsを10月に終了

Googleの消費者向けメッセージングサービスに関わる戦略は未だに不可解であり、中でもメッセージングアプリのAlloを捨てたたことは特にそうだ(Duoは生命維持状態)。本日(米国時間1/22)同社は、G Suitesの有償顧客について、HangoutsからChatとMeetへの移行スケジュールを明確にした。対象ユーザーにとってHangoutsの送別会は今年10月から始まる。

一般ユーザーにとっての状況は未だに不透明だが、Googleによると、ChatとMeetの無料バージョンが「G Suitesユーザーの移行のあと」に登場するらしい。現時点で明らかになっている日程はなく、わかっているのはHangoutsが2020年まで動き続けるらしいということだけだ。

G Suitesユーザーに対しては、4月から9月にかけてHangoutsの機能をさらにChatに追加するとGoogleは言っている。その中には、Gmailとの統合、外部ユーザーとの通話、ビデオ通話の改良、Google Voiceを利用した発信などがある。

Googleは当初、Hangoutsユーザーのビデオ会議サービスのMeetへの移行を昨年開始する予定だった。Meetは新しいサービスで新機能も備えていることから、ごくわかりやすいストーリーだった。Hangoutsにとって事態はずっと複雑であり、Hangouts Chatは現在消費者が利用できない状態だ。選択肢はほかにいくらでもあるので、この混乱でGoogleが失ったユーザーはかなり多いに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

副業ヘッドハンティングのSCOUTERが新サービス、次は人材紹介業の業務効率化

副業ヘッドハンティングサービスの「SCOUTER」などを提供するSCOUTERは1月22日、人材紹介会社向けの業務管理システム「SARDINEクラウド業務管理」をリリースした。

TechCrunch Tokyo 2016のスタートアップバトルにも登場したSCOUTER。個人が副業としてヘッドハンターとなり、知人などを企業に紹介して報酬を得られるサービスの「SCOUTER」が創業以来のメインサービスだ。その後、同社は新サービスとして2018年5月には求人データベースの「SARDINE」をリリースしている。

SARDINEを利用することで、人材紹介会社はSARDINEに掲載された1000社以上の求人データベースにアクセスし、効率的に人材紹介ができる。SCOUTERに支払うのは月額利用料だけで、人材紹介会社は紹介料の100%を受け取ることができるのが特徴だ。SARDINEはこれまでに100社以上の企業に導入されている。

しかし、SCOUTERは人材紹介会社向けにSARDINEの営業を進めるなかで、彼らが抱える課題に気づくことになる。求職者の個人情報や求人情報の管理だ。SCOUTERによれば、それらの情報は多くの企業でいまだに紙やエクセルで管理されており、情報共有の遅れや、選考のリードタイムの長期化といった問題が発生しているという。

そんななか開発されたのが、今回リリースされたSARDINEクラウド業務管理だ。同サービスでは、求職者の情報や面談記録、求人情報、応募後の選考状況などをクラウド上で一括管理できる。求職者が受けた面接の結果や、これから来る選考の日程などもワンクリックで表示できることが特徴だ。

求職者の管理画面のUIは、タスク管理サービス「Trello」のようないわゆる「かんばん方式」を採用。各求職者が今どのフェーズにいるのかを一目で確認できる。

SCOUTERはSERDINEクラウド業務管理を完全無料で提供する。そのことから、同サービスは単体で収益を得るという位置づけのものではなく、SERDINEなど他の自社サービスの導入の足がかりとなる「プロモーション用プロダクト」のような立ち位置なのかもしれない。

これまでにSCOUTER、SARDINEシリーズ、2019年1月にベータ版をリリースしたレファレンスチェックサービスの「back check」など、人材紹介業界に関連するサービスを数多く開発してきたSCOUTER。同社はプレスリリース上で、「SARDINE(サーディン)クラウド業務管理だけでなく、全サービスを通して約20,000事業所の約90%を占める小規模人材紹介会社を包括的に支援できるよう事業展開して参ります」とコメントしている。

Googleに罰金5700万ドル命令、仏データ保護当局

フランスのデータ保護当局CNIL初のGDPRに基づく罰金となる5700万ドル(5000万ユーロ)を命じた。当局は、新規のAndroidユーザーが新たな端末のセットアップに伴ってAndroidの用意されたプロセスに従う際、Googleが一般データ保護規則(GDPR)に違反した、としている。

元々は、‘None Of Your Business’ (noyb) とLa Quadrature du Netという2つの非営利団体が2018年5月に苦情を申し立てていた。noybはGoogleとFacebookについて苦情を申し立てていたので、今後Facebookへの対応がどうなるか見ものだ。GDPRでは、苦情は各国のデータ保護当局に引き継がれる。

Googleの欧州本部はダブリンにあるが、CNILは当初、新規Androidユーザーのデータ処理に関しての最終決定権はダブリンの本部にはないと判断した(おそらくマウンテンビューで行われているのだろう)。それゆえに、パリで調査が続けられていた。

そしてCNILは、Googleが透明性とユーザーの同意という点でGDPRに違反した、と結論づけた。

まず、指摘のあった透明性の欠如をみると「データ処理の目的、データ保存期間、広告のパーソナリゼーションのために使用される個人情報のカテゴリーといった必要不可欠な情報が、いくつかの書類でボタンやリンク付きでかなり広く展開されていて、補足情報にアクセスするのにクリックする必要がある」と当局は書いている。

たとえば、もしユーザーは広告をパーソナライズするために自身のデータがいかに処理されるかを知りたければ、5回か6回タップしなければならない。CNILはまた、往々にしてデータがどのように使われているのか理解するのが難しすぎると指摘する。Googleの言葉遣いは意図的に大雑把で曖昧なのだ。

2つめに、CNILによると、Googleの同意の流れがGDPRに沿うものではない。GoogleはデフォルトでGoogleアカウントにサインインまたはサインアップするよう促す。Googleアカウントを持っていないと使用体験が悪くなる、とGoogleはいう。これについて、Googleはアカウントを作る行為と、デバイスをセットアップする行為とは切り離すべきだとCNILは指摘する。同意を強要するのはGDPRでは違法となる。

もしアカウントのサインアップを選んだとして、Googleがいくつかのセッティングでチェックマークを入れたり入れなかったりを求めるとき、Googleはそれが何を意味するか説明しない。たとえば、Googleがあなたにパーソナライズされた広告が欲しいか尋ねるとき、それがYouTubeからGoogleマップ、Googleフォトに至るまで多くの異なるサービスにかかわることだということをGoogleは伝えない。これはAndroidスマホに限定される話ではない。

加えて、Googleはアカウントを作るときに具体的で明白な同意は求めない。パーソナライズされた広告をオプトアウトするための選択肢は“そのほかのオプション”リンクの裏に隠されている。このオプションはデフォルトでチェックマークが入れられている(本来そうであってはいけない)。

最後に、アカウントを作成するとき、Googleは「私は上述されているように、またプライバシーポリシーでより詳しく説明されているように私の情報を処理することに同意します」という文言のボックスにもデフォルトでチェックマークを入れている。このようなあいまいな同意はGDPRでは禁止されている。

CNILはまた、2018年9月の調査以来何も変わっていない、とGoogleに注意喚起している。

noybの代表Max SchremsはTechCrunchに対し、次のような声明を送ってきた。

欧州のデータ保護当局が、明らかな法律違反を罰するためにGDPRを初めて活用したことを嬉しく思う。GDPR導入後、Googleのような大企業が“法律を異なって解釈”していることに我々は気づいた。そして我々は彼らのプロダクトを表面上のみ受け入れてきた。企業に苦情を入れるだけでは十分ではないと当局が明確にしたのは重要なことだ。我々はまた、基礎的な権利を守るための我々の取り組みが実を結んでいることを嬉しく思っている。我々の活動を支えてくれた人にも感謝したい。

アップデート:Googleの広報はTechCrunchに次のような声明を送ってきた。

高い水準の透明性とコントロールが期待されているが、我々はそうした期待とGDPRの同意要件を満たすことに十分にコミットしている。現在、次の対応を検討中だ。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

Facebookがソーラー発電のインターネット・ドローンをテスト中。エアバスと提携

昨年Facebookは世界中にインターネットを広げるソーラー発電ドローンを開発するという野心的計画を中止したが、コンセプトは終わっていなかったようだ。ソーシャルメディアの巨人は、航空機の巨人Airbusと組みオーストラリアでドローンをテストしていると、ドイツのNetzPolitikの最新記事が伝えた。

NetzPolitikは、オーストラリアの情報公開法を利用して昨年両社が2018年11月と12月に協力してテスト飛行を実施する計画を検討していたという情報を掴んだ。以前にも両社は衛星ドローンの通信システムで協力したことがある

その実験(実際に行われたかどうか定かではない)には、「防衛、人道、および環境ミッション」のために設計されたAirbusのZephyrドローンが関わっている。ZephyrはFacebookの中止されたAquilaドローンによく似ている。ソーラー電力を用いて「数ヶ月間」飛行可能なHAPS(高高度疑似衛星)だ。

Facebookが選択したModel Sは翼長25メートルで高度20 kmまで操作可能。ミリ波無線を使用して地上ど通信する。

The Zephyr Model S and Model T as displayed on the Airbus website

FacebookとAirbusは、ソーシャルネットワーク側の貨物(インターネット通信機器に間違いない)をテストする計画だが、プロジェクト文書にはテスト飛行前の計画やミーティングについても書かれているが、成果や結果についてはわかっていない。

「当社は提携先と共に高高度プラットフォームシステム(HAPC)を利用した通信の作業を進めていく。現時点で公表できる詳細情報はない」とFacebook広報担当がNetzPolitikに語った。

TechCrunchはFacebookに追加コメントを要求したが(06:55 am EST)、本稿執筆時点で返答はまだない。

Facebookには全世界のインターネット利用を促進することを目的としたプロジェクトがたくさんある。このドローンプロジェクトはその中でもっとも野心的であり、遠隔地にインターネット接続を提供することが狙いだが、ソフトウェアと既存のインフラを使ってより低価格でインターネットを使えるようにする方法も推進している。

そこには賛否を呼んだInternet.org が関わっていて、同プロジェクトはインドで利用可能なウェブサイトとアプリを限定することがネット中立化に反するとして、違法となった。名称をFree Basicsに変更(インドでの敗北がきっかけに違いない)したあと一部の市場で規模が縮小されたが、それでもFacebookの昨年の発表によると、現在までに1億人近い人々をカバーしていると。この数字以外に同サービスの詳細はほとんどわかっていないが、有償プランもあるはずだ。

なお、Facebookはほかにも公衆プライベートWi-Fiプログラムを運用中で、インターネット利用者が外出したときのためのホットスポットを増やそうとしている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フリマ売上金を「楽天ペイ」残高に 累計5億円突破──ラクマ

eng-logo-2015楽天は1月21日、同社のフリマアプリ「ラクマ」において、売上金の「楽天キャッシュ」への累計チャージ額が昨年12月末で5億円を突破したと発表しました。

ラクマ売上金の楽天キャッシュへのチャージ機能は昨年7月より提供。決済インフラの「楽天ペイ」を介することで、楽天グループ以外の実店舗やオンラインショップでの決済にも売上金を利用できます。売上金は手数料無料で1円単位からチャージできます。

フリマ売上金を実店舗などで使えるようにする仕組みは、メルカリも「メルペイ」として構想していますが、ラクマが1歩先行した形。ラクマ側は『今後も、ユーザーファーストの考えに基づいたさらなる機能改善を推進してまいります』とコメントしています。

Engadget 日本版からの転載。

レシピ動画サービス「クラシル」のdelyがライフスタイル事業に参入

レシピ動画サービス「kurashiru」(クラシル)を運営するdelyは1月21日、ライフスタイル事業に新規参入することを発表した。ライフスタイルの情報を扱うメディア「my kurashiru」(マイクラシル)を立ち上げ、今後は料理にとどまらず「くらし」に寄り添い提案できるコンテンツやサービス、ブランドの展開を目指すという。

具体的には、「いつもより、ちょっといい週末の食卓」をコンセプトにリリースしたInstagramメディア「1_weekends」をリブランディング。ファッションやメイク、ヘアケア、外出などのジャンルでストーリー性のあるコンテンツ配信する。今後はInstagramのほかにもウェブでの記事や動画配信、ライフスタイルメディアという枠組みを超えた多角的な事業展開につなげていく予定とのこと。

同社は2018年7月にYahoo!グループ入り。主軸事業であるクラシルは、2018年12月にiOS/Andorid用アプリの総ダウンロード数が1500万を突破したほか、レシピページ内にバナー広告を配信できる「クラシル レシピターゲティング広告」の提供を開始。そのほか食品メーカーとのコラボ商品の開発なども手がけている。新たにライフスタイル事業に参入することで、生活に欠かせない衣食住のすべてを取り扱うメディアになる。

Facebook、請願機能を米国で展開へ

Facebookは今度は、政治的な要求ができる機能を展開する。ニュースフィード上で請願が行えるコミュニティ・アクションと呼ばれる機能を明日開始するにあたって、Facebookは多くの新たな難題に直面するだろう。コミュニティ・アクションは、地元あるいは国レベルの役人や政府機関にリクエストするために近所の人たちを結束させることができるかもしれない。しかしまた、主張をしたいグループの威張った説教者が極端論で政治家や官僚に圧力をかけることになるかもしれない。

コミュニティ・アクションはFacebookが直面している主要な課題を体現している。ポジティブな表現や結びつきのためにデザインされた全てのツールは、対立や誤情報で次第にその力を失うことになるかもしれない。Facebookの会員は、最悪の人間性を伴う利己的な利用の格好のターゲットになってきた。攻撃的で危険ですらあるが、一部の人は合理的と考えている“(マイノリティグループの)弾圧”のような誤使用を思い浮かべることがきるだろう。問題は、Facebookがこの新ツールに適切なポリシーと節度でもってその前後にセーフガードを敷けるかだ。

コミュニティ・アクションは明日、米国で提供が始まり、数週間のテストののち、さらにいくつかのマーケットでも展開される。ユーザーはタイトル、目的、そして画像をコミュニティ・アクションに加え、関連する政府機関や政治家をタグ付けできる。最終目標は、コミュニティ・アクションが口コミで広まり、人々に“サポート”ボタンをクリックさせることにある。コミュニティ・アクションには議論のフィードがあり、そこで人々はコメントしたり、資金を募ったり、FacebookイベントやCall Your Rep(代議士に電話しよう)キャンペーンを組織したりできる。Facebookはコミュニティ・アクションのサポーター数も表示するが、ユーザーは自分と友達の人の名前、ページ、有名人だけを目にすることになる。

Facebookは、無作為要因で暴走している政府の動きにこれまで以上に集中できるよう、意図的にコミュニティ・アクションにフォーカスしようとしている。これは、Facebookが一般的なものから不条理なものまで扱うChange.org請願をすぐには置き換えないことを意味している。しかしニュースフィードから直にできるサポートのクリックは、サインアップという壁を劇的に減らすかもしれず、それゆえに動員する人の数を最大限にしたい団体や個人をひきつける。

コミュニティ・アクションのサンプルをチェックしてほしい。ここでのサンプルは、コロラドの非営利団体Colorado Risingが石油・ガスの採掘停止を政府に要求するものや、市民がフロリダの市長や州の役人に舞台芸術センター建設を求めるもの、フィラデルフィアの町内会が図書館横に横断歩道設置をリクエストするものなどだ。私はコミュニティ・アクションの最初の大きなものの一つは、ソーシャルネットワークユーザーが上院議員にFacebookの閉鎖またはMark Zuckerbergの退陣を求めるものになる、ということを期待している。

今回の機能の導入は、Town Hallや、政治家の資質を扱うCandidate Info、災害後に援助を探すためのCommunity Help、ローカルニュースダイジェストのToday Inに続くものだ。コミュニティ・アクションの初見の画像を我々に提供したFacebookの広報は以下のような声明文を出した。

「見聞の広い、市民参加型のコミュニティの構築はFacebookのミッションの基幹だ。政治家に接触を図ったり、募金を募ったり、グループを形成したりと、人々は懸念を主張するためにFacebookに毎日集う。これらおよび他のツールを使って人々はサポートを獲得し、自身にかかわる問題についての結論を得ている。コミュニティ・アクションはコミュニティの改善を主張したり、政治家や行政当局と共に解決を探ったりするための別の手段となる」。

疑問なのは、Facebookのモデレーターたちがコミュニティ・アクションとして何が適当なのか、どこで線引きをするのかということだ。線引きが引き起こすバイアスがその後に続く。Facebookはこの機能の管理に、要注意ユーザーの監視やプロアクティブなアルゴリズム感知、監視人の配置などの組み合わせで対応する。しかしそれでもハラスメントがあったり、表現の自由を求める声も出てくるかもしれない。もしFacebookが物議をかもすような主張のコミュニティ・アクションを許せば、キャンペーン展開者と共謀したとみなされるかもしれない。しかし、そうした主張を除外したら、検閲だとして批判されるかもしれない。フェイクニュースや人気の話題のように、この新機能はFacebookの「まったく価値のないもの最新版」となる可能性がある。

Facebookは、地域のメンバーが真剣に取り組むローカルのアクションを優先させるつもりだ。ユーザーに“選挙権を有する”というバッジをつけさせ、これによりユーザーの地元選出の代議士は自らが民衆扇動家に近い存在であることを知ることになる。ゆえに、Facebookはコミュニティ・アクションでは大統領ドナルド・トランプや副大統領マイク・ペンスがタグ付けされることがないようにする。しかし、見てお分かりの通り、ヌード・パークの要求に全ての州議会議員をタグ付けするのは自由だ。

別の問題は、人々がいかにコミュニティ・アクションに対して立ち上がれるかということだ。サポートを表明した人だけが議論のフィードに参加できるが、これはコメントでトラブルを煽動するためだけに偽ってサポートを表明することにもつながりかねない。さもなければ、ユーザーはコミュニティ・アクションを自分のフィードで不賛成のメッセージ付きで扱ったり、抗議のアクションを立ち上げたりしなければならなくなる、とFacebookは説明する。私の懸念は、煽動されたニッチなグループがFacebookグループやメッセージスレッドを使って、多くのサポートが集まっているように見せかけるために嘘に近いあいまいな表現を展開することだ。政治家は隅に追いやられ、怠慢だと見られないよう過激論者または不誠実な人物だと認めさせられるかもしれない。

最初のテストではさほどトラブルはなかった、とFacebookの広報は言うが、同社は安全性と効率のバランスを取ろうとしている。そして新たに起こる動きへの対応として、いかに新機能を展開するかを検討する。問題なのは、オープンアクセスには社会を崩壊させる方策を探している輩やペテン師を伴うことだ。Facebookはこのプロダクトの見張りという困難の多い責任を引き受けなければならないだろう。もしこれが成功すれば、市民が政府に民意を示すために結束する素晴らしい機会となる。一人で声高に言うより共に訴える方が状況を打開できる。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)