今日発表されたGalaxy S10、4モデルのスペックを比較する

今日(米国時間2/20)のイベントでSamsungは一挙にS10を4モデル発表した。フラグシップのGalaxyファミリーに追加されたのは、S10e、S10、S10+、S10 5Gだ。全モデルのスペックを簡単にチェックしたいという読者も多いだろう。下記を参考にしていただきだい。

こちらは現地で取材したBrian Heater記者のS10各モデルの詳しい比較記事だ。下の表はごく簡単なものだが、各モデルのスペックを一覧して比較するには便利だろうと思う。

スペックの各項目は見ればわかるものばかりだが、PowerShareというのは何だろうと不審に思ったかもしれない。これはS10各モデルにSamsungが追加した他のワイヤレス充電可能なデバイスを充電できる新機能だ。つまりPowerShare機能のあるデバイスはワイヤレス充電パッドの役割を果たせる。もっとも供給できる電力は限られているのでSamsungが発表したGalaxy Budヘッドフォンの充電などに向いているかもしれない。

5G対応モデルの価格は未定。

TechCrunchのSamsungのS10イベント関連記事はこちら

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滑川海彦@Facebook Google+

このカスタムメイドの「超魚眼レンズ」は自分の後ろを写すことができる

普通に写真やビデオを撮っている人ら、超広角レンズ以上が必要になることはほとんどないだろう。でも、なぜ普通? このとんでもないカスタム魚眼レンズは画角が270度、すなわちレンズを取り付けたカメラより後ろを見ることができる。まあ、カメラをレンズに取り付けたというべきかもしれないが。

Lens Rentalsの作ったこのレンズは外観からしてちょっと面白い商品ではあるが、間違いなく本物だし、もしかしたら役に立つかもしれない。 どうやってこれを組み立てたかを詳しく説明するドキュメンタリーも素晴らしくて(少なくとも私はそう思った)、レンズの組み立てがいかに複雑な作業かを教えてくれる。もちろんこれが標準ではないが、それでも。

このC-4 Optics 4.9mm f/3.5 Hyperfisheye Prototypeと名付けられたもの(以下「レンズ」)が最初に登場したときは エイプリルフールのネタか、せいぜい半分本気だと思われていた。「空飛ぶ円盤」、別名 Light Bender、別名 全魚眼レンズの母、などと呼ばれ、付属のもっともらしい光学図面にはカメラの後方約45度からやってきて画角の端に入る光の経路が示されていた。

いいんじゃない? だってばかげてるから。それが理由だ!

そしてこの美しきろくでなしたちは構わず作り続け、その結果は想像通りのバカバカしさだった。180度以上を写すレンズはたしかに存在するが、270度は相当先を行っている。そしてこれが出力結果だ。上が元画像、下が処理済み。

当然スナップ写真に使いたい人はいない。高解像度で撮影したものを処理して通常の視野に戻す非常に特殊な写真か、VRやAR体験に使うのだろうか。

カメラは、レンズを支えている足の間にマウントする必要があり、おそらくかなり厄介なプロセスになる。巨大なレンズキャップ、というか「レンズ・ヘルメット」は逆置きスタンドになって作業を楽にする役目も果たす。

これは楽しいプロジェクトであり、世界におかしなものを1つ(厳密には2つ、2番目を作ったから)追加することになるので、私は心をこめて応援する。残念ながらこれは「情熱プロジェクト」のためレンタルはできないので、当面は画角220度のNikonの6mm f/2.8あたりを使い続けるしかないだろう。そもそも何がしたいんだっけ?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Samsung Galaxy S10は、ほかのスマホをワイヤレス充電できる

穴あき画面はともかくとして、Wireless PowerShareはS10シリーズの目玉機能だ。Samsungの最新フラグシップ機はこの機能を備えだ最初の端末ではないが(Huawei Mate 20 Proの方が数ヶ月早かった)、クールな新機能に違いない。

そしておそらくもっと重要なのは、Samsungがこの件でAppleを出し抜いたことだろう。様子を見る限り、クパチーノはワイヤレス技術の商品化に問題を抱えているようだ(行方不明のAirPower充電器を思い出してほしい)。

新機能で他のデバイスを充電できるのは、S10の大型バッテリーのおかげだ。たとえば、街なかで友達のスマートフォンが瀕死の状態になったとき、あなたが設定でWireless PowerShareをオンにして2台の端末を背中合わせにするだけで、窮地を救うことができる。

Qi標準で充電できる端末ならどれでも使えるはずだ。さらにSamsungの新しいGalaxy Budsでも使うことができる。Galaxy BudsはAirPodsより一足先にワイヤレス充電ケースを採用している。

もちろん、どちらかの端末はうつ伏せにする必要があり、充電速度は有線よりも遅いが、嬉しい機能であることに変わりはない。出張の多い人には便利だろう。夜充電しなければならない機械が1つ減ることになる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Samsung、Galaxy携帯の販売台数20億台を突破

今日(米国時間2/20)最も高価なスマートフォンを発表したSamsungは、これまで大量に販売したGalaxy携帯の発展過程についても話した。

壇上、Samsung Electronicsのプレジデント、DJ Kohは、過去10年間に同社が販売したGalaxy端末が20億台を超えたことを明らかにした。

同社のGalaxyブランド製品はスマートフォンだけではないが、この華々しい数字は彼らがこのブランドで成し遂げてきたことすべてを物語っている。SamsungはGalaxy端末のアクティブ・インストール数に関する詳細には触れなかったが、スマートフォンの販売台数については全詳細を公表した。

本日同社はGalaxy S10Galaxy Foldをはじめとする数多くの端末の情報を公開した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Samsungが折りたためるGalaxy Foldを発表、機能も価格も超プレミアム

Samsungの折りたたみスマートフォンのプロトタイプを始めて見たのは去年のデベロッパー向けカンファレンスの壇上だったが、そのときは実際にも比喩的にも製品は闇に包まれていた。柔軟なディスプレイを用いており、折りたためることしか分からなかった。

予告どおり、今日(米国時間2/20)のS10カンファレンスでGalaxy Foldが発表され、今回はかなり詳細を知ることができた。もちろん今回の発表はGalaxyファミリーのアップデートがテーマだった。しかしGalaxy FoldはSamsungがモバイル・デバイスのメーカーとして先頭を走り続ける決意を明らかにした点で強い関心を集めた。

折りたたみスマートフォンを世界で最初に量産したのは中国のメーカー、Royoleだった。しかしこのFlexPieに対する市場の反応は暖かいものとは言えなかった。Samsungが折りたたみフォンを発表すると予告したとき、FlexPieを教訓として、フォームファクターが決定的に重要になるということを認識していたはずだ。

Galaxy Foldは折りたたまれた状態では4.6インチのディスプレイとなる。これはフロント側の4分の3を占める。広げた状態ではディスプレイは7.3インチのミニタブレットのサイズになる。SamsungはAndroid開発チームの協力を得て、ソフトウェアも折りたたみに最適化している。


FoldのOSで重要な点は「アプリの継続作動」だ。折りたたんだ状態でアプリを起動した後でスマートフォンを広げても作動は中断されない。Foldを広げてタブレット状態にしたときには3つのアプリを同時に立ち上げることができる。

デバイスの中央にはSamsungが独自に開発したヒンジがセットされ、数十万回の開閉に耐えるという。本体には2個のバッテリーがヒンジの両側に搭載されている。トータルで4380mAhの容量がある。RAMは12GB、ストレージは512GBと大きい。

デザインもたいへんスマートだ。Samsungは長くベストセラーを続けているGalaxyファミリーのデザイン水準をFoldでも維持しようと十分に時間をかけたようだ。Foldは新しいS10と並べて置いても見劣りしない。ただし壇上のデモでは光の加減で折りたたみが行われる部分に薄く線が見えることがあった。まだ実機を手にしていないのでこれが実際の使い勝手に影響するかどうについては判断を控えたい。

Foldに搭載されているカメラは2台でも3台でもなく、なんと6台だ。ありとあらゆる場所にカメラが埋め込まれている。背面に3台、折り畳みの内側に2台、それにフロントカメラが1台という構成で、デバイスがどんな状態であってもカメラが機能するようデザインされている。

機能もデザインもプレミアムなFoldだが、さすがに価格もプレミアムだ。というかプレミアム以上かもしれない。Appleが1000ドルのスマートフォンを発表したときわれわれは驚いたものだったが、Foldはその2倍だ。最低価格が1980ドルだという。2台分の役割を果たせるスマートフォンだというが、価格も他社のフラグシップモデルの2倍だ。来るべき5G版の価格については情報がないが、安くはあるまい。住宅ローン方式で銀行から融資を受ける必要がありそうだ。

Galaxy Foldは4月26日から出荷される。カラーバリエーションはブラック、シルバー、グリーン、ブルーだ。ヒンジ部分のカラーは自由にカスタマイズできる。このデバイスは私が想像していたよりはるかに先に進んでいた。来週パルセロナで開催されるMWC(Mobile World Congress)にも出展されるので、さらに詳しい情報が得られるものと期待している。

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滑川海彦@Facebook Google+

エネルギー効率30-37%のソーラーパネルがもうすぐ市販される

クリーンエネルギーの研究者たちは、太陽光から得られるエネルギーの理論的な上限を上げることに励んでいるが、実際に太陽電池を利用するわれわれ一般庶民は、その理論値の半分にも満たない技術で長年我慢している。ここでご紹介するInsolightの製品は、ついにそれを変えるかもしれない。

Insolightは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)における長年の研究からスピンオフした企業で、屋根に敷く実用製品が誕生するのももうすぐ、と言われている。

通常太陽電池はその全表面で太陽光を集め、それをおよそ15-19%の効率で電気に変換する。つまりその過程で、エネルギーの約85%は失われる。もっと効率の良い太陽電池はあるが、どれも高価で目的が特殊で、特殊な素材が必要なこともある。

お金のかからない場所といえば、それは宇宙だ。人工衛星に載っている太陽電池はずっと効率が良いが、当然ながら安くない。でも、ごく少量を使い、その上に太陽光を凝集するなら高くはない。そのことに、Insolightは目をつけた

小さいがきわめて効率の高いセルを格子状に並べ、その上に蜂の巣状のレンズの配列を並べる。レンズが光を細いビームに曲げて、小さなセル上に凝集する。太陽が動くとセルの層も動いてビームの真下へ移動する。テスト段階では、この方法で37%の効率を達成し、消費者製品になった時点でも30%は可能だ。これは、従来のパネル製品の倍である。

ただしレンズの層などを作るのだから、今使われている“まあまあの性能”の太陽電池よりも構造は複雑だ。ただしパネルのサイズや形状は今のソーラーパネルとあまり変らず、据え付けにコンセントレータなどの特殊な装備は要らない。最近EPFLで行ったパイロットテストは、大成功だった。

EPFLのニューズリリースで、CTOのMathiu Ackermannがこう述べている: “われわれのパネルはグリッド〔通常電力網〕につないで継続的にモニタした。猛暑や台風や冬の気候でヒッチすることもなく、動き続けた。このようなハイブリッド方式は、曇天で日が射さないような日にとくに効果的だ。そんな日差しの弱い日でも、電気を生成し続けるからだ”。

今同社はソーラーパネルのメーカーとの商談に入っている。既存の製造ラインに容易に乗せられることを、説得しなければならない。“組み立てのステージで工程がやや増えるけどね”、とAckermannは言う。発売は、2022年の予定だ。まだ遠い先だが、でもそのころには電動車が普及してるだろうから、良いタイミングだろう。

画像クレジット: Insolight

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TCLのリーク画像、折りたたみスマホの奇妙な将来を示唆?

「折りたたみ」と名がつくプロダクトは、奇妙なものになりそうだ。CNETが入手した、中国TCLのリークされたレンダリング画像を見てほしい。これらの奇妙かつ興味深い、2つのタブレットと3つのスマートフォンは折りたたみ可能で、そのうち一つは腕に巻き付けることができる。また、タブレットもスマートフォンも外向き、あるいは内向きにも曲げられる点も注目だ。

確かに、これらのレンダリング画像の折りたたみ端末が製品化されれば、スマートフォンのデザインを新しく興味深い方向へと進化させるだろう。もちろん、現段階で確定している情報はなく、また初期の折りたたみスマートフォンが顧客の関心を引くことができるかどうかも、まだわからない。

我々は、来週から開催されるMWC 2019(モバイル・ワールド・コングレス)や、今週水曜日に開催されるサムスンのイベントにて、より多くの動向に触れることになるだろう。また、サムスンはGalaxyシリーズの折りたたみスマートフォンの詳細を公開すると期待されている。現時点で市場に投入された折りたたみスマートフォンは中国Royaleの「FlexPai」だけで、その完成度も高くはなかった。

TCLはあまり一般に知られているブランドではないが、TV製品やアルカテル、Palm、BlackBerryブランドの端末の製造などで、ディスプレイ業界にて経験のあるメーカーだ。

今回のレンダリング画像は、折りたたみ製品を開発しているすべての企業が、現在検討しているスタンダードなものだろう。現時点でわかることは、スマートフォン業界は定番となる折りたたみ端末のデザインをまだ見つけておらず、またその定番も時代と共に変化するということだ。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

明日のS10イベントで公開されるSamsungの折りたたみスマホの名前がリーク

Samsungは明日サンフランシスコで開催されるビッグイベントで魅力的な外観の折りたたみスマートフォンを公開すると約束している。 昨年の11月のデベロッパー・カンファレンスですでに短い動画が披露された。しかしこのプロダクトがどういう名前になるのかについては今まで情報がなかった。

これはSamsungにとってまったく新しいカテゴリーの製品だ。したがってこれまでの製品命名システムを踏襲する必要はないはずだ。一時、Galaxy Fという製品名が候補として挙げられたが、評判が悪かった。しかし今日(米国時間2/19)、有力なツイートがあった。

リーク情報提供の常連、Evan Blass(最近ではS10のリークが記憶に残る)によれば、新製品はGalaxy Foldと命名されるという。悪くないかもしれない。Galaxy Fよりましなのは確かだ。正直、Glaxy FではFワードを連想させ、下品なからかいの対象にされるに決まっている。

ではたぶん製品名はGalaxy Foldとなるのだろう。どんなプロダクトなのか、詳しいことは明日判明する。来週バルセロナで開催されるMWCも折りたたみスマートフォンの新製品のラッシュになるのは間違いない。

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滑川海彦@Facebook Google+

Huaweiのファウンダーは強気、“アメリカがうちを潰すことは不可能”

アメリカに負ける気のないHuaweiのファウンダーは、“アメリカがうちを潰すことはありえない”、と公言した。

同社を通信企業として1987年に立ち上げたRen Zhengfeiは、公(おおやけ)の声明などをあまりしない人物だが、BBCのインタビューに珍しく応じ、アメリカ政府からの圧力がますます強くなりつつあるが、そんな中で同社の事業は強力に伸びている、と強気に語った。アメリカ政府は、同社のイランとの取引を犯罪と見なしている。その告発により同社CFO Meng Wanzhouは、カナダを旅行中に拘束された

RenはBBCに、通訳を介してこう語った: “うちには他よりも進んだ技術があるので、世界中がHuaweiを必要としている。今後より多くの国を、一時的にうちを使わないよう説得できたとしても、それによる弊社の事業規模の縮小はごくわずかだ。アメリカがうちを標的にしつづけて、うちを悪者扱いすればするほど、うちは製品とサービスをますます改良せざるをえなくなる”。

Renは、近くアメリカに引き渡されるかもしれない娘のMengの逮捕について、“それは受け入れ難い政治的動機に基づいている”、と言う。

Renは曰く: “Meng Wanzhouが自由を失ったことによる、Huaweiの事業へのインパクトはまったくない。むしろ、この間にもさらに成長の速度は上がっている。彼女を逮捕すればHuaweiはこける、と考えたのかもしれないが、こけるどころか前進を続けている”。

めったにインタビューに応じないHuaweiのファウンダーRen Zhengfeiが、アメリカ政府からの圧力と同社のCFOである彼の娘のカナダでの逮捕についてBBCに語った。

法律は政府と政府契約企業によるHuawei製品の使用を禁じている。それには一連のネットワーキング機器とインフラストラクチャ、およびスマートフォンが含まれる。そして同盟国にも、これに従うよう説得している。オーストラリアニュージーランドおよび日本がこれに従った。日本は12月にHuaweiとZTEの機器を禁じ、オーストラリアとカナダ、ニュージーランド、およびイギリスの諜報部門のトップ(Five Eyesのメンバー)は、2018年の終わりに同様の合意に達した、と言われている

しかし今週Huaweiは、その決定の執行猶予を勝ち取った。Financial Timesによると、イギリスの情報部門のトップは、スパイ活動に関する懸念(アメリカはHuaweiを北京のプロキシとして働いている、と非難している)は管理可能であると信じている。これによってイギリスの通信事業者は、自由に中国企業と協働して彼らの5Gネットワークを構築できることになる。

この明白な信任票は、アメリカの立ち位置と鮮やかなコントラストをなし、Huaweiはイギリスにおける事業活動とプレゼンスを強化できるだろう。

RenはBBCにこう語っている: “うちはイギリスで投資を続けるし、依然としてイギリスを信頼している。イギリスも、うちを今以上に信頼してほしい。今後イギリスで投資を増やすのは、アメリカがうちを信頼しないのなら、投資をイギリスへ、もっと大規模にシフトせざるを得ないからだ”。

イギリスの心変わりは、かなりのサプライズだ。アメリカからの圧力でVodafoneはHuaweiからの調達を休止したが、昨年発表された政府専門委員会の報告書は、“〔製品を買わないことによって〕イギリスの重要なネットワークへのHuaweiの関与による、イギリスの国家レベルのセキュリティリスクが十分に軽減されたとする確証は、きわめて限定的なものである”、と言っている。

関連記事: Without proof, is Huawei still a national security threat?…証拠がないのにHuawaiは国のセキュリティの脅威か?(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Oculusの協同ファウンダーが初期のRiftヘッドセットの不具合を直すリペアキットを無料で提供

Oculusの協同ファウンダーPalmer LuckeyはFacebookにクビにされて以来VRハードウェアのビジネスには関わっていない…今の彼は国境管理のAI化と自分の新しい企業Andurilにフォーカスしている…が、それでも今なお、自分が設計に加わった製品を人びとに好きになってほしいようだ。

二か月前に彼は、同社のOculus Goヘッドセットを自分のユースケースに向けて最適化するためのかなり複雑な改造方法を詳細に述べた。そして今日(米国時間2/18)彼は、Riftのオーディオ用ハードウェアの問題を修復する方法を発表した。それは、一部のRiftユーザーで右のヘッドフォンの音が消えてしまう、という問題だ。

ユーザーのオーディオが完全に聞こえなくなるわけではないが、サードパーティ製のヘッドフォンを使用し、超長いオーディオ拡張コードをPCに接続するやり方は、控えめに言ってもかったるい。Luckey自身は、これはRiftヘッドセットの設計のミスだ、とまで言っている。保証期間内なら、欠陥のあるヘッドセットを修理してもらえるが、彼の所見では、保証期間切れのRiftオーナーがものすごく多い。

Luckeyによると、これまでの数週間彼はオーディオに問題のあるヘッドセットをユーザーから買い上げて、問題を調査していた。そしてついに彼は、対策を見つけた。Luckeyのブログによると、問題を報告してきたユーザー全員に無料のリペアキットを発送する。その詳細は、ブログに書かれている。

LuckeyはもはやFacebookの社員でないのに、なぜこの問題に関わるのか? 彼のブログ記事によると、それはファウンダーの責任でもあるからだ。

Luckeyはこう書いている: “Oculus Rift CV1は不完全だった。問題の一部は、細心に考慮された設計のトレードオフの結果だが、そのほかの問題はローンチ後でないと分からないような設計の欠陥だ。ぼくがその修復に関わっているのは、ぼくからせっかくRiftを買ってくれたのに正常に使えない、というユーザーに対し、申し訳なく思うからだ”。

自分が制作者の一人だった製品に最後まで責任を取ろうとするLuckeyの姿勢は、とってもクールだ。Facebookは今年、Riftのアップデートを出すらしいが、このVRの最初からのユーザーで、オーディオの問題で悩んでいた人も、今やちょっとした工作でヘッドセットを十分に使えるようになるのだ。

画像クレジット: Palmer Luckey

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、16インチMacBook Proと31インチ6Kディスプレイを発売か

AppleアナリストのMing-Chi Kuoは、ことApple製品のロードマップに関してはかなり信頼できる。先週末そのKuoが発表した情報満載の最新レポートを9to5macが入手した。2019年には、大画面のMacBook Proと新しいディスプレイ、さらにはiPhone、iPad、AirPodsにもアップグレードがありそうだ。

まずMacから。Kuoによると、Appleはまったく新しいデザインのMacBook Proを開発中だ。この新モデルが現在のキーボードを継承するかどうかはわかっていないが、多くのユーザーはバタフライキーボードの信頼性に不満を訴えている。

またKuoが掴んだ情報によると、16~16.5インチディスプレイの大型モデルになるらしい。Appleが画面周りのベゼルを狭くしてくれることを期待したい。

TechCrunchはAppleが2019年に 新しいMac Proを発売するであろうことはすでに報じている。しかしKuoは、同社がさらにMac Pro用のハイエンドディスプレイも出すと予想している。それは6K解像度の31.6インチという巨大モニターになるかもしれない。

iPhoneに関してKuoは、Appleが2018年と同じく3つのモデルを発売すると確信している。同じ画面サイズとLightningコネクターが踏襲される。背面にカメラセンサーを3台搭載したモデルもあるかもしれない。Face IDとワイヤレス充電がいずれもアップグレードされ、双方向充電が可能になるかもしれない。

これはiPhoneを使って別のデバイスを充電できるという意味で、ワイヤレス充電ケース付きの新しいAirPodsがやはり2019年に登場することを考えるとすばらしいアイデアだと言えよう。

一方iPadでは、エントリーモデルの9.7インチiPadがベゼルの細い10.2インチになるかもしれない。iPad Proの各モデルは高速CPUを搭載すると予想される。

先日報じたように、新しいiPad miniは今もロードマップ上にあり、iPod Touchの改訂版も同様だ。Apple Watchに関してはマイナーアップデートのみで、次期バージョンのApple Watchでは心電計が国際市場に展開され、セラミックオプションが戻ってくると考えられる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AsteroidはAR開発のためのインターフェースエンジンを開発中

われわれが今日のコンピュータと対話する際には、マウスを動かし、トラックパッドを撫でて、画面をタップする。しかし、マシンがそうした操作にうまく反応しないこともよくある。人間がどこを見ているのかセンスするのはどうだろう? その微妙なジェスチャーによって、ユーザーが何を考えているのかを伝えるのだ。

Asteroidは、将来のインターフェースが、生体を直接センスしたデータをはるかに多く取り込むことになる、という考えを提唱して、デベロッパーの期待を集めている。そのチームは、macOSおよびiOS用のノードベースのヒューマン・マシンインターフェースエンジンを開発した。それにより、デベロッパーはインタラクションを定義して、Swiftアプリケーションにインポートできるようになる。

「新しいヒューマン・マシン・インターフェース技術について興味深いのは、ユーザーが今日『ダウンロード』できるのと同じくらい『アップロード』できるようになるかもしれないという希望です」とAsteroidの創設者Saku PanditharatneはMediumへの投稿に書いている。

その開発環境に注目を集めるために、彼らはクラウドファンディングのキャンペーンを始めた。それにより、今日市販されているバイオセンサーによって可能となるユーザー体験の深さを確認するための材料を提供する。Asteroidは、ハードウェアのスタートアップになりたいとはまったく思っていないが、インタラクション設計の即戦力となるツールにはどのようなものがあるのかを、そのキャンペーンによってデベロッパーに広く示すことができる。

こんな開発キット、そんな開発キット、そしてあんな開発キットもある。トータルパッケージを求めて参加した開発者は、山ほどの電子部品やケースといったハードウェア素材を受け取る。それらを工夫して組み合わせ、インターフェースのソリューションを開発するのだ。450ドルのキットには、視線追跡、脳・コンピュータインターフェースのための電極、そしてモーションコントローラを組み立てるための電子部品などが含まれている。参加者は、200ドルの視線追跡キットを単独で購入することもできる。それはすべて完全に実用本位のもので、Asteroidがハードウェアを売って大儲けできるというわけではまったくない。

「長期的な目標は、できるだけ多くのARハードウェアをサポートすることです。独自のキットを作成したのは、実験室の外には適切なものが豊富にあるとは考えていないからです」と、PanditharatneはTechCrunchに語った。

これらのマニアックなハードウェアを見ると、当分はなんだか趣味の仕事のように思われるかもしれない。しかし、いくつかのAR/VRデバイスには、視線追跡機能が組み込まれていて、ほとんどの市販のVRデバイスより1世代進んでいる。それに、脳・コンピュータインターフェースシステムが組み込まれたハードウェアなど、他ではほとんど見ることはないだろう。Asteroidは、スマートフォンのカメラとマイクだけでも、彼らのエンジンは十分に機能すると言っている。とはいえ、開発キットがそれなりによく売れているのは、多くのデベロッパーが特定のハードウェアを対象に開発しているわけではないということを示している。人間が世界に対処している方法とよく絡み合うように、インターフェースがもっと成長することに期待して、実験を続けているのだ。

Panditharatneは、この会社を設立する前は、OculusとAndreessen Horowitzに勤めていた経験を持つ。そこで彼女は、ARとVRの将来に焦点を合わせて、多くの時間をつぎ込んでいた。 Panditharatneは、Asteroidは200万ドル以上の資金を調達した、と語ったが、まだその資金の出所を詳細には明らかにしていない。

同社は、彼らが始めたIndiegogoキャンペーンから2万ドルを集めることを目指しているというものの、その真の目的は明らかに売り込みであり、自社のヒューマン・マシンインタラクションのエンジンを多くの人に知ってもらうためのものだろう。Asteroidは、その製品の順番待ちリストに加わるためのサインアップを、サイト上で受け付けている。

画像クレジット:Bernhard Lang

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Appleがトーキング・バービー人形の音声テクノロジー企業PullStringを買収

Appleはこのほど、SiriやHomePodなど同社の一連の音声製品のお仲間に、お話をするおもちゃ(トーキングトイ)を加えるためのタレントを獲得した。というのも、AxiosのDan PrimackとIna FriedによるとAppleは、PullString、またの名ToyTalkを買収したのだ。同社は、音声体験の設計ツール、それらの体験を実現するための人工知能、そしてMattelとのパートナーシップにより、トーキング・バービー(talking Barbie)や、きかんしゃトーマスの玩具なども作っている。2011年にPixarの役員たちが創業したPullStringは、これまでに4400万ドルを調達している。

AppleのSiriは、Amazon AlexaやGoogle Assistantに比べると伸び悩んでいるが、それは音声認識やユーティリティのせいだけではなく、デベロッパーのエコシステムも原因だ。GoogleとAmazonには、さまざまな音声アプリメーカーが作ったスキルを配布流通するプラットホームがある。その中には、お話やクイズ、ゲームなど子ども向けのものも少なくない。AppleがSiriやHomePodでコネクテッドリビングルームの主役に躍り出たいのなら、そこで時間を過ごす子どもたちと仲良くしなければならない。PullStringを買収したことによってAppleは、音声で動かす子どものための玩具に向けてスタートを切り、また音声デベロッパーのためのツールも揃えて行けるだろう。

PullStringは2015年に“子どもをスパイするデバイス”と非難されたが、Hello Barbie製品が内蔵しているセキュリティ機能を詳しく説明することによって反論した。そして、これまでに一度も、ハックされて子どもの声やそのほかの機密情報を盗まれたことはない、と述べた。しかし今では、プライバシーの規準が変わってしまって、いつでも耳をそばだてているEchoやGoogle Homeのような製品を、多くの人が平気で買っている。

2016年にPullStringに社名変更した同社は、会話をビジュアルにマッピングするデベロッパーツールに力を入れるようになり、また最終製品をGoogleやAmazonのプラットホームにも提供した。SiriKitの複雑性と機能の少なさに対してPullStringのConverseプラットホームなら、多くのデベロッパーにとって、Appleデバイスのための音声製品を作る道が拓けるだろう。

買収後もPullStringやToyTalkのオリジナル製品がそのまま入手できるのか、目下両社に問い合わせ中だ。

PullString/ToyTalkにこれまで投資した投資家は、Khosla Ventures、CRV、Greylock、First Round、True Venturesなどだ。PitchBookによると、最後の資金調達となった2016年のシリーズDでは、同社の評価額が1億6000万ドルだった。近年、音声テクノロジーの分野は爆発的に伸びているが、まだまだ音声体験のデベロッパーは、具体的な製品がないとお金を稼ぐのが難しい。しかも多くの企業は、PullStringが提供しているようなツールで、一体何を作ればよいのか迷っている。そこで同社はAppleと一緒の方が未来は明るいと判断し、いちばん多く普及しているのに、多くの人びとにいちばん嫌われている音声アシスタントの、テコ入れをしていくことになったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Samsungタブレット新製品はBixby 2.0を載せてスマートホームのハブをねらう

SamsungのスマートアシスタントBixbyは今やいろんなスマートフォンや家電製品にあるが、なぜか同社のタブレットの上では、どこを探しても見つからなかった。ただしぼくには、この件で同社の戦略について知ったかぶりする能力はない。

いずれにしても、もうすぐMWC(Mobile World Congress)と同社のUnpacked(S10)イベントが始まるという今日(米国時間2/15)のこの日に同社は、タブレットとしては初めてBixby 2.0を載せたTab S5eに関する情報を大量に放出した。その最大のねらいは、タブレットも含むモバイル製品を同社のスマートホーム戦略の主役に据えることだ。

同社はこう言っている: “Tab S5eは、あなたのデバイスと対話するための、よりスマートでより便利な方法を提供し、また、あなたのコネクテッドホームデバイスをコントロールする理想的なハブとして奉仕する。Quick Commandで、テレビと電灯を同時にスイッチオンできる。あなたがカスタマイズして、もっと多くのアクションを一つのコマンドで実行できる。家の中のさまざまな音声コントロールがずっと速く、簡単に、そしてあなた好みになる”。

しかし、いろいろな家電製品がBixbyをサポートしているが、現状はほとんどSamsung製品ばかりだ。それが、AlexaやSiri、Google Homeなどに比べて深刻な限界だ。

この新しいタブレットは電池寿命が延びて14.5時間、10.5インチのsAMOLEDディスプレイと最大6GBのRAM、そして128GBのストレージを搭載する。発売は本年第二四半期、お値段は400ドルからだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AWSがハードウェアレベルのコントロールを必要とする顧客のためにベアメタルインスタンスを提供

Infrastructure as a Service(IaaS, サービスとしてのインフラストラクチャ)といえばそれは通常、マルチテナントの環境に存在する仮想マシンを、お金を払って利用することだ。つまりそれは、一定の共有リソースを使用する。多くの企業にとってはそれでも十分だが、もっと独自のコントロールをしたければ、他のユーザーに共有されない、全体を自社でコントロールできるハードウェアリソース一式が収まっている、シングルテナントのシステムを選ぶだろう。このやり方のことを、業界用語で“ベアメタル”と呼ぶ。そして今日AWSは、新たに5種類のベアメタルインスタンスを発表した。

このようなサービスはひとつの物理サーバーをユーザーが独占し、プロセッサーやストレージなどのリソースを自分でコントロールすることになるので、料金は高くなる。でもこれは一連のプロダクトの一部であり、すべてのクラウドベンダーが提供している。ユーザーは、ふつうの仮想マシンを使って、ハードウェアのコントロールほとんどなしを選んでもよいし、あるいはベアメタルを選んでハードウェアを細かくコントロールしてもよい。どちらにするかは、クラウドに載せるワークロードの性質や目的による。

この新しいインスタンスを発表するブログ記事でAWSは、具体的なユースケースを述べている: “ベアメタルインスタンスでEC2の顧客は、詳細なパフォーマンス分析ツールを利用するアプリケーションや、ベアメタルのインフラストラクチャへの直接アクセスを必要とする特殊なワークロード、仮想環境ではサポートされないレガシーのワークロード、そしてライセンス制限のあるティア1のビジネスクリティカルなアプリケーションを動かすことができる”。

5種類のベアメタルインスタンスはそれぞれm5.metal、m5d.metal、r5.metal、r5d.metal、およびz1d.metalと呼ばれ(憶えやすい名前だねAmazonさん〔皮肉!〕)、さまざまなリソースを提供する:

チャート提供: Amazon

これらの新しいプロダクトは今日(米国時間2/14)から、ユーザーの要求に応じて、オンデマンドインスタンス、リザーブドインスタンス、またはスポットインスタンスとして提供される。

関連記事: WTF is cloud computing?…クラウドコンピューティング入門(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

エッジコンピューティングを再定義するXnorのクラッカーサイズの太陽電池式AIハードウェア

しかしそれは単なるガジェットではない

「もしAIがそんなに簡単だというなら、この部屋に1つもないのは何故でしょう?」と、シアトルのユニオン湖を窓の外に見下ろす会議室で、まわりを身振りで指しながら問いかけるのは、Xnorの創業者でCEOのAli Farhadiである。その指摘は正しい。ここには何台かのディスプレイ、電話、そしてその他のガジェットがあるにも関わらず、本当にAI的な仕事に使えるものと言えば、それぞれがテーブルの上に置いている携帯電話しかないのだ。にもかかわらず、私たちは今やAIがどれほど身近で、柔軟性があり、遍在しているかを聞かされている。

だが多くの場合には、AIを実行する能力があるデバイスであっても、自身では機械学習技術を使わずに、データをより効率的に処理できるクラウドへ送っている。なぜなら”AI”を構成するプロセスは、多くの場合リソース消費型で、CPU時間とバッテリの電力を大量消費するからだ。

それこそが、2017年にアレン人工知能研究所からスピンオフしたXnorが、解決または少なくとも軽減することを狙っている問題である。彼らのブレークスルーは、エッジデバイス上での深層学習モデルの実行を飛躍的に効率化したことである。このため例えば5ドルのRaspberry Pi Zeroでも、最先端のコンピュータービジョンプロセスを、スーパーコンピューター並に実行できるようになった。

チームはそれを成し遂げ、Xnorの超高効率機械学習(ML)モデルは現在、さまざまなデバイスやビジネスに統合されつつある。補足しておくと、チームは利用者の観点に沿って、その狙いを高くも低くもしてくれる。

AIが組み込まれたデバイスの不足という自分自身の問いかけに答えながら、FarhadiはPi Zeroプラットフォームが組み込まれたかつてのデモ用機器のバッテリーパックを指さして、こう言った「これが問題なのです。電力が」。

電話やPi Zeroなどの、CPUや能力が制限された機器に、彼らがAIを搭載するために克服しなければならないボトルネックが、電力だった。そこで、チームはクレイジーな目標を思いついた:バッテリーを全く必要としないAIプラットフォームを作ったらどうだろう?1年も経たないうちに、彼らはそれをやり遂げた

出来上がったものは、本格的なコンピュータービジョンタスクをリアルタイムで実行することができる。秒以下の僅かな時間で、視野の中の、人や、車や、鳥やその他を検知し、その情報を無線で中継することができる。そしてそれは、通常はソーラー電卓に使われているような太陽電池を利用しているのだ。

Farhadiとハードウェアエンジニアリング責任者のSaman Naderipariziが、私に見せてくれたデバイスはとてもシンプルなものだった ―― もちろん必然的にそうなったのだ。320×240の解像度を持つ小型カメラ、オブジェクト認識モデルを搭載したFPGA、画像とカメラソフトウェアを扱うための少量のメモリ、そして小さな太陽電池。非常に単純なワイヤレス設定を行うことで、かなり控えめな速度でデータを送受信する。

「これはとても非力です。それでも超安物のカメラを搭載した2ドルのコンピューターですが、最先端の対象認識を実行することができます」と熱心に語るFarhadiは、Xnorチームが作成したものにとても満足している様子だった。

参考のために。同社のデビューで披露された以下のビデオは、デバイスが内部で行っている仕事の様子を示している:

太陽電池が、十分な光の中にある限り、イメージプロセッサと対象認識アルゴリズムに給電が行われる。それを動作させるには約100ミリボルトが必要だが、それ以下の場合でも頻度は落ちるもののイメージをキャプチャすることは可能だった。

単なる太陽電池からの給電のみでも動作することは可能だが、もちろん何らかのエネルギーストレージなしに使おうとすることは実用的ではない。このため、このデモデバイスには、一晩中動作することができたり、あるいは光源が隠されたときにも動作を続けられるようなスーパーキャパシター(蓄電部品)が備えられている。

その効率性のデモンストレーションとして、例えば腕時計のバッテリーを使うことにしたとしよう。Naderipariziは、その場合にはおそらく、毎秒1フレームの速度で30年以上動作し続けるだろうと語った。

独立した商品ではない

もちろん、ソーラーパワー式のカメラが手に入ったことがブレークスルーというわけではない。それは確かに役に立つかもしれないが、それ自体はそれほどはしゃぎまわるようなことではない。大切なことは、洗練された深層学習モデルが本当に安価なコンピューターの上で実行可能で、しかもスリープ状態の携帯電話よりも電力を使わないという事実なのだ。

「これは独立した製品ではありません」と、Farhadiはこの小さなハードウェアプラットフォームについて語った。「これはイネーブラー(何かを可能にしてくれるもの)なのです」。

顔認識や自然言語処理などの、推論プロセスを実行するのに必要なエネルギー量は、それらを使って何ができるかに対して厳しい制限を課してくる。声で命令すると点灯するスマート電球は、本当はそれ自身はスマートではない。電球の筐体の中に入っている基盤が、音声をハブへと中継し、そしておそらくはどこかのデータセンターの中で、話された内容が解析されてその結果が返され、ライトが点灯するのだ。

それは複雑というだけではない、遅延が発生するし、プロセスが途絶したり攻撃されたりする可能性のある場所を増やすことになるのだ。そして、その間にも定常的に電源もしくはバッテリーが要求される。

一方それとは別に、鉢植えに差し込んだり、壁に取り付けたり、本棚などの上に載せたりするカメラのことを想像してみよう。ただし、このカメラはそれを照らすある程度の光による電力以上のものを必要としない。クラウドと通信することなく単独で音声コマンドを認識し、画像を分析できる。入力をほとんど持っていないのでハッキングすることも難しい。そしてその部品はおそらく10ドル程度のものだ。

本当に広く遍在できるのはどちらか1つだけだ。もちろん後者だけが、インフラストラクチャへの多大な投資を必要とせずに、数十億のデバイスへと拡張することができる。

そして正直なところ、プライバシーや遅延の懸念がある膨大なアプリケーションにとっては、後者の方が好ましいもののように思える。動きを監視するために画像をせっせとクラウドサーバーにストリーミングする、赤ちゃんカメラの方がお好きだろうか?それとも、インターネットに接続していなくても、子供が起きているかどうかを判断できる赤ちゃんモニターの方がお好みだろうか?もしどちらも上手く機能するなら、後者の方が明らかな選択肢のように思える。そしてそれは、その他の膨大な消費者向けアプリケーションにも当てはまるのだ。

驚くべきことに、プラットフォームの要求する電力コストはこれで底打ちというわけではない。このデモユニットでコンピューティングを行うために使用されたFPGAという仕掛けは、提供する処理能力に比べて特に効率的なものではないのだ。もしカスタムチップとして焼き付けた場合には、さらに1〜2桁消費電力を小さくすることが可能で、推論のための作業コストをマイクロジュールレベルへ引き下げることができる。なおサイズは、カメラの光学系とアンテナのサイズによってより制約を受ける。アンテナは無線信号を送受信するためにはある程度の大きさが必要なのだ。

繰り返しになるが、これはこの特定の小さなデバイスを数百万個単位で売ろうという話ではない。Xnorが既にその顧客と行っているように、プラットフォームとその上で実行されるソフトウェアは個別のプロジェクトとハードウェア用にカスタマイズすることが可能である。ある者はモデルをMIPS上で実行することさえ望んでいたが、それは現在すでに実現されている。

自己完結型推論エンジンを実行するために必要な、電力と大きさを大幅に削減することで、まったく新しい製品カテゴリを生み出すことができる。それらは不気味な存在だろうか?おそらくは。しかし、少なくともそれらはどこかと通信する必要はない。

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(翻訳:sako)

米証取委、Appleの元社内弁護士をインサイダー取引疑いで告発

Appleに少し傷がついた。SEC(米国証券取引委員会)は今日(米国時間2月13日)、Appleの元社内弁護士Gene Levoffをインサイダー取引の疑いで告発した。決算発表前に数百万ドル分の株を売却して38万2000ドルの損失を回避し、これとは別に、その前には24万5000ドルの利益を得ていたという。

Levoffは2008年にAppleで法務部門のディレクターとして働きはじめ、その後シニアディレクターになった。そして2018年7月に勤務停止となり、9月に解雇された。

告訴は2015年から2016年にかけての取引を対象としていて、これは2017年にAppleが時価総額1兆ドルに近づく前の業績が落ち込んでいた時期だ。

今回のニュースはなかなか皮肉だ。しかし、Levoffが裁量権を持つ情報を考えた時に、これは驚きではないかもしれない。Levoffは Appleの法務部門のシニアディレクターを務めていて、“社のインサイダー取引ポリシーの徹底と、四半期ごとの決算時の取引で従業員(自身も含む)がやってはいけないことを取り決める責任を負っていた”。

調査は別の方向にも向いた。SECは、Levoffが2011年と2012年にも市場に影響を及ぼすようなニュースの発表に先駆けて株取引をし、24万5000ドルの利益を得たとしている。

SECは、“訴状に記した行為で得た利益・回避した損失と同じ額”の罰金を支払うこと、そして公開企業の幹部職に就かないこと求めている。

SECの告発では、2015年から2016年にかけて“少なくとも”3つの取引を指摘している。この期間、Levoffは公開される前の決算情報を知り得る立場にあり、その後情報に基づいて取引を行なった、としている。

訴状に記された取引の一つを挙げると、LevoffはiPhoneの販売台数が市場予想を下回るという情報をAppleが公開する前に1000万ドル分の株を売却した。

SECは、Levoffの利益のための動きと、Appleでの役割の切り離しを明確に記している。Levoffは、Appleのディスクロージャー・コミッティーのメンバーだった。このコミッティーは、社の情報公開の正確さと適時性を監視する責務をCEOとCFOが果たせるよう、サポートするためにつくられた。 コミッティーはAppleの公開義務を決め、さらにはSECへ提出する書類の内容や、他の情報公開がタイムリーで正確かつ完全なものか、Appleの財政状況や業績を正しく反映しているかといったことを確認する。また、 Appleの情報公開の過程が適切なものかといったことも確かめる。

LevoffはAppleの機密部分にかかわっていた。彼はまた、Appleの多くのM&A案件にも名を連ね、彼はかつて議員に対し、Appleが欧州で密かに買収したスタートアップの法的書類を調査しているとも話していた。

Levoffはまた、Appleのオフショア口座に関する2013年の調査でも名前があがっている。調査に対し、彼は70ものAppleの子会社の役員会に関わっていたことを明らかにしている。オフショア活動に関する報告書によると、この子会社には“従業員はおらず、実在もしない創業30年の企業であるApple Operations Internationalも含まれる。この企業の運営は米国外で行われている。Appleの広範にわたるオフショアコーポレート構造の中核として2009年から2011年にかけて300億ドルもの収益を受け取っているにもかかわらず、Apple Operations Internationalは税法上の居住地を申告していない。つまり、過去5年間どこの国にも法人税を払っていない”とのことだ。

しかし今回の告発では、SECはAppleが株取引禁止期間や、株取引・財務の情報に関する一般的な合法・違法のプラクティスについて従業員に警告するいくつかのステップを踏んでいたと記し、Apple自体はインサイダー取引に関わっていなかったことを明確にしている。

「Levoffの違法取引に先立ち、AppleはLevoffが受け取った非公開の決算結果を含め、非公表の情報に基づく株取引を従業員が行わないようにするいくつかの措置をとっていた」と訴状に記している。「Appleは全従業員に適用されるインサイダー取引ポリシーを持っていた。Levoffを含め多くの従業員は“ブラックアウト”期間として知られる株取引を制限する期間になると通知を受け取る。ブラックアウト期間とのタイトルで従業員に電子メールが送られるこの通知でインサイダー取引ポリシーの周知徹底を行なっていて、少なくとも2015年からはインサイダー取引ポリシーへのリンクも含んでいた」。

今回のニュースは、Appleが固く口を閉ざしている企業の一つであり、またユーザーのプライバシーといった問題で抜きん出た姿勢を見せているだけでなく、競合する他社の製品に比べてプレミアム価格で製品やサービスを展開していることにプライドを持っているなど、Appleがモデル企業としての役割を果たしているという意味において、かなり議論を巻き起こすものだ。

我々はAppleにコメントを求めていて、何かわかり次第、情報をアップデートする。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

立体お絵かきペンの3Doodlerが、画面に直接絵を描くためのアプリを公開

間もなくニューヨークで開かれるToy Fairで、 3Doodlerが同社初のモバイルアプリを披露する。それは同社の人気3Dドローイングペンを真似ただけのドローアプリではない。シンプルに3Doodlerと名付けられたこのアプリは、ユーザが同社のハードウェアを使ってスマートフォンやタブレットに直接絵を描くために作られている。。

たしかに理屈の上では筋が通っている。iPhoneやiPad(あるいは相当するAndroid機)を使う方が、紙に描くよりもずっと簡単に下絵を作れる。

アプリには、手順を示したビデオやチュートリアル、大きい作品を作るプロジェクトなどが入っている。同社の発表資料によると、「他社がアーティストを画面に引きつけるペンの開発を続けているなか、3Doodlerの3Dプリントペンは彼らを画面から引き離すことを目指している」。

熱いノズルと接近したり吐き出されたプラスチックと接触することが、時間の経過とともにスクリーンにどう影響を与えるのか現時点ではもちろんわかっていない。アプリはApp StoreGoogle Playで今日公開される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

米国成人の16%がスマートウォッチを持っている

NPDの最新記事によると、ここ米国ではスマートウォッチが好調な売れ行きを続けている。このカテゴリーは全体的に下降気味のウェアラブル分野の中で唯一明るい材料であり、今回発表されたデータはさまざまな層で広く受け入れられていることを示している。12月時点の米国成人のスマートウォッチ所有率は16%で、一年前の12%から伸びている。

成長を支えているのはやはり若年層で、18~34歳のスマートウォッチ保有率は23%に上る。もちろんAppleを始めとする各メーカーは高齢世代での売上増を狙っていて、昨年登場した心電計などの本格的医療健康機能に期待を寄せている。

市場をリードしているのは依然としてApple、Samsung、Fitbitの3社で、昨年11月時点で全売上50億ドルのうち88%を占めた。しかし、Fossil、Garminらもある程度の市場シェアを獲得している。もちろんGoogleもこの分野での躍進を目指してFossil IPを最近買収した。Wear OSの伸びはほぼ横ばいだが、2019年に噂のPixel Watchが登場すればそれも変わるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Samsungは来週のイベントで折りたたみ式フォーンを詳しく見せてくれるようだ

Samsungはその最新の小出し情報で、われわれがまだ知らなかったことを何一つ開示していない。でもサンフランシスコまでまた文句を言うために飛ぶよりは、すこしでも良いところをご紹介した方が健康的だ。

Galaxy S10に加えてSamsungは、2月20日に同社のサンフランシスコのイベントで、かなり前から約束していた折りたたみフォーン(フォールダブルフォーン)を、もっと詳しく見せてくれるらしい。“The Future Unfolds”と題するアニメを、その会場で上映するようだ。

思い出せば、同社のデベロッパーカンファレンスではそのプロダクトの“フィーリング”だけを見せてくれたが、製品そのものはミステリーだった。ハードウェアのプロトタイプも、バカでかかった。

来週のイベントでは、未来の製品のもっと詳細を見せてくれるのだろう。名前も、そしてもしかして発売日も。しかしいちばんありうるのは、同社の次の旗艦機がより詳しく紹介されるのだろうな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa