Essentialの崩壊後、後継者OSOMはプライバシーを重視した新端末を計画する

2020年のEssential(エッセンシャル)の崩壊は、これほど高い注目を集めた家電スタートアップの敗退としては近年稀に見るものだった。2017年、泣く子も黙る人物が壮大な野心と3億3000万ドル(約377億7700万円)を投じて立ち上げたEssentialは、業界の問題やそれにまつわる失望、創業者Andy Rubin(アンディ・ルービン)氏に対する疑惑などが重なり業務停止に追いやられた。

最終的にはCarl Pei(カール・ペイ)氏が自身の新会社のために同ブランドを購入。ペイ氏は同社名を「Nothing(ナッシング)」と名づけているが「『Essential』は、同社が『Nothing』になる以前に社内で候補としていた名前の1つでした。そのために商標権を取得したのです。Essentialで何かをする予定はありません」と同氏は2022年初めに話している。

より精神的な後継者に近い存在がOSOMという形で登場した。元Essentialの社員らが設立した同社は、ここ数カ月の間にわずかに報道がなされたもののほとんど公になることはなかった。しかし米国時間12月21日、カリフォルニア州クパチーノに拠点を置く同社は、多くの人が予想していたことを正式に発表した。OSOM(「awesome」と同音)は携帯電話を開発しているのだ。

同社が開発中のOV1デバイスを見ると、少なくとも外観的にはEssential PH1を世に送り出したのと同じチームが手がけた作品であることがよくわかる。しかし同製品はモジュール関連の機能ではなく、中核として「プライバシー」を念頭に置いて設計されている。つまりユーザーがデータのプライバシーを確実にコントロールできるように設計されているのである。

MWC 2022を目前にして、それ以外の詳細はまだ明らかになっていない。そこで私は、2021年中旬に共同設立者でありCEOのJason Keats(ジェイソン・キーツ)氏にOSOMとその携帯電話の詳細について聞いてみることにした。

TC:発表は約2カ月後ですね?

JK:そうですね、詳細をお伝えするのは2カ月先になります。MWCで発表を行い、2022年の夏に出荷する予定です。今できるのは、私たちが携帯電話を作っているということの発表だけです。みなさんにはとても期待していただいており、2022年はファンのみなさんに何かをお届けしたいと思っていたので、辛うじて間に合うことができました。

TC:御社はまだ謎めいた存在であるため、どういった人のことをファンと考えたら良いのでしょうか。

JK:驚いたことに、Essentialのファンは初期の頃からとても支援してくださっており、将来に向けて今私たちが作っているものに対しても大きな期待を寄せてくれています。それから今後、根強いAndroidファンのみなさんも多く獲得することができると思います。現在、Pixel以外ではフラッグシップ的なAndroidフォンが存在しません。そこを改善し、またプライバシーを重視したソフトウェアをすでに開発していますし、さらなる改良を続けています。

TC:既存のチームの中で、Essentialから移ってきた人は何人いますか?

JK:EssentialでPH1を作ったときは総勢30人くらいだったと思います。そのチームから15人ほどが参加しています。デザイン、エンジニア、プロダクトデザイン、ソフトウェアエンジニアリングなど、本当にコアなメンバーが揃っています。

TC:チーム全体の規模はどうですか?

JK:約30人です……3分の2以上がエンジニアです。

TC:事実上、ゼロになってしまった会社をどのように再建したのですか?

JK:Essentialで起こったすべての欠陥や出来事の中で、私が(ルービン氏を)永遠に称賛することができるのは彼のリクルート能力です。彼は信じられないような才能を持った人材を採用してきました。彼から会社が潰れると聞いたとき、私は次の行き先を模索しました。Google(グーグル)やApple(アップル)では働きたくないし、Amazon(アマゾン)に行きたいわけでもありません。ここには密接に協力し、一緒に苦難の道を歩んできたすばらしいチームがあります……。

私たちは(Essentialの)最大の問題が、おそらく焦点の欠如であることに気づきました。私たちは目的を持つ必要があると考えました。何のために解決しようとしているのか。特に2020年の時点では、プライバシーに関する一貫した取り組みが行われていないことに気づいたのです。

TC:世間はこれ以上新しい携帯電話ブランドを必要としているでしょうか。

JK:はい、確実に必要だと思います。プライバシーの保護に重点を置いているものが必要であり、それには大きな理由があります。仮に当社がプライバシー保護のためのソフトウェアを開発しているソフトウェア会社だったら、Play Storeで公開して、人々にインストールしてもらえば良いことです。しかし、携帯電話に入れたアプリだけでは、システムに組み込まれていないため簡単に無視したり、オフにしたりすることができます。デバイスに組み込まれていないからです。それが我々のやるべき仕事です。当社はOEMメーカーであり、Qualcomm(クアルコム)のTrustZoneにアクセスでき、そのシステムソフトウェアにアクセスできるため、ユーザーが使用を選択できる真のプライバシー重視のソフトウェアを構築することができます。どちらにしても、ユーザーに選択肢を与えることが重要なのです。

TC:プライバシーを主なセールスポイントとするこの携帯電話に飛びついてもらうというのは、難しいことだとは思いませんか?

JK:米国においては、AppleユーザーではなくAndroidユーザーをターゲットとしています。その場合、Androidユーザーにはブランドロイヤリティがあまりなく、ユーザーはいろいろと試してみたいと考えています。プライバシーに関してはすでに複数のパートナーと提携し、プライバシーのために彼らのソフトウェアやハードウェアを使用している人についての高度な統計データを共有してもらっていますが、そこから見えた数字は驚くべきものでした。プライバシーへの大きな需要があり、人々がプライバシーのためにお金を費やしていることがわかったのです。

TC:現実的にはどのくらいの台数を想定していますか?(米国、カナダ、そしてヨーロッパ全体に)幅広く見据えているようですが、Essentialの数字は予想されていたものとは違っていたようですね。

JK:おもしろいことに、Essentialが開始した時の初年度の目標は10万台でした。結果、初年度のエンドユーザーへの販売台数は30万台弱でした。最大の問題は、(ルービンが)多額の資金を調達していたため200万台の出荷が期待されていたということです。10万台を想定してスタートし、30万台売れたとしたらそれは大成功と言えるでしょう。要はどのような指標を使うかということなのです。OSOMの場合、初年度に20万台売れたら大喜びでしょう。私たちはこれから長い間ここにいる予定ですから。

TC:(Essentialでは)外部からの期待が大きすぎたために物事が崩れてしまったのでしょうか?

JK:何が悪かったのか話し始めれば本が一冊できてしまうほどです。些細なこともたくさんありました。

TC:ひと言でまとめると?

JK:トップが下した多くの決断は、我々が成功するためには直感に反するものでした。

TC:御社の資本金については560万ドル(約6億4000万円)を調達したことが報告されています。これまでの資金調達はどのようなものでしたか。

JK:2000万ドル(約22億9000万円)を確保しました。そのうちのいくらかは投資家によるもので、一部はチャネルパートナーからの予約注文でした。初年度にサポートできるだけの最大数に近い注文数をすでに受けています。投資家の大部分は私と共同設立者のWolfgang(ウォルフギャング)から来るものが多く、外部のVCはすべて主にカナダの企業でした。

TC:最初のシード資金に加えて、シリーズAはありましたか?

JK:現在、シリーズAの真っ最中です。

TC:Playground(プレイグラウンド)は関わっていますか?

JK:いえ、彼らとはじっくりと話をしました。ブルース、マット、ピーターといった同社のチームとは今でもとても良い友人です。今でもアイデアの相談相手として頼っています。

TC:会社が正式に設立されたのはいつですか?

定款は2020年4月20日に提出されました。

TC:社名を「Awesome(すごい)」という単語と同音にした理由は?また名前と文字とどちらを先に思いついたのですか?

JK:(ルービン氏)からEssentialが潰れると聞いた20分後には「よし、自分のことは自分でやろう」と決意していました。私は分かりやす過ぎるものが好きではありません。家中に配線やプラグなどあれこれあって気が狂いそうになりますよね。それで別の製品のアイデアを思いついたのですが、これはいずれ作るかもしれませんし、作らないかもしれません。携帯電話とは何の関係もない、ただクレイジーなアイデアです。でもそのアイデアは目に見えないし、頭にも残っていない。スタートレックで未来のテクノロジーの話をするときに、人々や一般の消費者が本当にイメージするものは何かというと、何かがエーテルの中から答えてくれるという感覚だと思うんです。壁から20cm離れたところの机の上の置いてある、長さ3メートルのケーブルがついた物ではありません。アイデアはエーテルから出てくる「Out of Sight Out of Mind(目に見えず気づかない)」というものでした。ああ、OSOMか。じゃあ「Awesome」と呼ぼうと思い、香港のホテルから登録しました。

TC:そのような初期のアイデアを今応用しているものはありますか?プライバシーは当然その1つでしょうか。

JK:当社のソフトウェアを構築する方法として、まったくその通りの考えを応用しています。目に見えず、気づかないというのが我々の発想ですから、安全を確保したいときには、自分のデバイスが安全を確保してくれているということをただ信じればいいのです。

TC:現在は米国の会社なのでしょうか?

JK:はい。当社はデラウェア州のCコーポレーションです。他のハイテク企業と同じように、おそらくすべてがまったく同じ住所で登録されています。

TC:カナダ政府に対してインセンティブについて話をしているようですが……今後もクパチーノに本社を置き続けるつもりですか?

JK:今のところは宙に浮いた状態です。米国法人であるOSOM Productsは存続し続けますが、いずれ本社はカナダに移すかもしれません。

TC:EssentialとOSOMの共通点は何ですか?哲学、または美的感覚など。

JK:美的感覚は100%共通しています。同じデザイナーDave Evans(デイヴ・エヴァンス)と私がインダストリアルデザインを担当していて、PH1の後継機とは考えていませんでしたが、最初のプロトタイプを見たら「明らかに同じチームがデザインしたものだね」と気づきました。素材の面でも外観の面でも、同じスタッフが引き継いでいます。ソフトウェアチーム、特にAndroidとセキュリティアップデートに関しては、Essentialの超高速アップデートを担当したチームがここOSOMにいます。

TC:広告については、世に溢れる800社の携帯電話メーカーとの差別化をどのように図る計画ですか。

JK:とても楽しみにしているのでまだ何も教えたくありません。でも、こうとだけ言っておきましょう。当社の幅広いチームに同キャンペーンのアイデアやドラフトを見せると、当初からEssentialにいた人たちはみんな「なんでこれを今までやらなかったんだろうと」と言います。差別化のためには、マーケティングに費用をかけなければなりません。調達した資金の大部分がマーケティングに使われています。

TC:スペック面では何を期待したら良いですか?

JK:ハード面でもソフト面でも、フラッグシップモデルといえるでしょう。

TC:最初のハードとして価格を抑えるのは難しいですか?

JK:そんなことはありません。私がEssentialから引き継いだチームは、サプライチェーンに関しては世界でも最高レベルです。パートナーも驚くほど協力的で、驚くようなレートを手に入れることができました。「AppleやGoogleと同じ価格で提供して欲しい」という内容のミーティングを何度か行ったことがあります。

TC:では他のフラッグシップモデルと似たような価格となっているのですね。

JK:1000ドル(約11万円)を大きく下回ることになるでしょう。

画像クレジット:OSOM

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(文:Brian Heater、翻訳:Dragonfly)

ダブルユニコーンとなったFormlabs、新型3Dプリンターで最大40%のスピードアップを約束

FormlabsがKickstarterに登場したのは約10年前のこと。当時、混雑していた3Dプリンティング分野のスタートアップの中で、高解像度の光造形を身近に楽しめるアプローチを提供したことで注目を集めた。

それまで高価な工業用機械にしか使われていなかった技術をより手軽に導入できるようにしたことは、大きな話題となった。これが功を奏し、競合他社の多くが撤退していく中、同社は2022年初めにダブルユニコーンの地位を獲得した。同社によると、これまでに9万台以上のプリンターを販売しているという。

米国時間1月4日のCESで、MITからスピンアウトした同社は「Form 3+」と「Form 3B+」という2つの新しいプリンターを発表した。その名が示すように、新しいプリンターは、2019年に発表された「Form 3」と「3B」のアップデート版だ。ここでの主な更新点はスピードで、露光と印刷が初期モデルよりも最大40%速くなることを約束している。これは、レジンの硬化プロセスに使われるレーザーがよりパワフルで高出力になったことによるものだ。また、新しい「Build Platform 2」ベースで、プリントの取り出しがより速く簡単になった。

CEOのMax Lobovsky(マックス・ロボフスキー)氏は、CESのニュースに関連したリリースの中でこう述べている。「Formlabsはプロフェッショナル向けのデスクトッププリンター市場を創造し、当社のForm 3はベストセラーになりました。Form 3+は、ユーザーがアイデアからパーツを手にするまでのプロセスを、可能な限り迅速かつ簡単に行えるように設計された次の世代の製品です」。

また、今回の展示会では、電子機器製造、自動車、航空宇宙などの用途に特化した、プリンティング用の新しい静電放電(ESD)レジンも発表された。

画像クレジット:Formlabs

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

トラッカー、プロジェクター、ロボット、可動するルーター、CESのガジェットについて語ろう

CESが真の意味で「Consumer Electronics Show」(消費者向け電気機器展示会)の略だった時代はとうに過ぎ去った。主催のCTA(全米民生技術協会)は、そのことを小さく表記することであれこれ配慮している。スマートフォンなどが主役だった時代を振り返るには、先日の「10年前のCESベスト」記事がおすすめだ。各社が自社イベントでフラッグシップモデルを発表する傾向が強まり、Mobile World Congress(モバイルワールドコングレス)がCESの勢いを削いできた。

2022年は並行して開催されたイベントで、Samsung(サムソン)の廉価版フラッグシップとOnePlusの最新機種のプレビューが行われた。もちろん、LGとHTCも今回のショーに参加はしていたものの、スマートフォンのゲームからほとんど、あるいは完全に撤退してしまっていたことは状況の改善には良い影響を与えなかった。また、ほんの数年前まではショーで大きな存在感を示していたHuawei(ファーウェイ)も、すぐにはCESに復帰することはないだろう。

こうした空白の多くは「輸送技術」によって埋められた。この10年間で、CESは主要な自動車ショーへと変貌を遂げた。自動車メーカーは、自動運転や車載システムをはじめとして火星のメタバースへのロボットの派遣など、最先端の技術を世界に証明しようとしている。もちろんこのショーのおかげで、Kirsten(カーステン)記者とRebecca(レベッカ)記者は今週とても忙しかった

CESは、かつてのように携帯電話が多くないにもかかわらず、コンシューマーハードウェアの面でも大きなイベントであり続けている。PC、コネクテッドヘルス、スマートホームガジェット、アクセサリー、さらにはロボットの主要な展示会であることに変わりはない。また、業界がどのように進化しているかを知ることができるのも魅力だ。フィットネスを例にとると、ウェアラブルの数は減少しているものの、各社はリング(指輪)のような新しい形状を試している。一方で、Peloton(ペロトン)やMirror(ミラー)のような企業に対抗しようとする企業も急増してる。

画像クレジット:Garmin

ウェアラブル製品の展示はかなり控えめなものではあったが、Garmin(ガーミン)はハイブリッド型スマートウォッチSport(スポート)で注目を集めた。ハイブリッドスマートウォッチは、確かに長年にわたってさまざまな課題を抱えてきたが、Garminはウェアラブルカテゴリーにおいて驚くほど強いブランドであることを証明してきた。そしてVivomove Sport(ビボムーブ・スポート)は、派手なスマートウォッチを敬遠している人にもアピールできるすっきりとしたデザインで、かなり見栄えがする時計だ。

Tile(タイル)やApple(アップル)のAirTag(エアタグ)といった製品の人気を受けて、トラッカーはちょっとしたブームになった。2022年は、Tileが新しいPCパートナーを獲得した。ThinkPad X1(シンクパッドX1)がTileトラッキングに対応し、電源を切った状態でも最大14日間、紛失したノートPCを探すことができるようになった。一方、Targus(ターガス)は、AppleのFind My(探す)サポートを 最新のバックパックに直接組み込んでいる。

画像クレジット:Chipolo

しかし、CARDを発表したことで、Chipolo(チポロ)が一歩先に踏み出した。このデバイスは、クレジットカードよりもわずかに大きく、財布の中に入るようにデザインされていて、Find Myにも対応しているため製品を置き忘れると警告が表示される。現在、私はAirTagを1つ所有しており、鍵に使用している。大人になってから何度も財布を失くしたことがある私にとって、これはもう1つの購入しようと思わせる、かなり説得力のあるユースケースだと思う。

画像クレジット:TP-Link

Devin(デビン)記者は、「もし私が独立して裕福になったら、自宅での仕事のセットアップはどのようになるだろうか」(これは私の言い換えだが)という記事の最後に、AXE11000 Tri-Band Wi-Fi 6E Routerを紹介している。この製品は、ルーターの世界ではかなり異色な存在だ。このシステムには、より強い信号を得るために調整できるモーター付きのアンテナが搭載されている。価格は未定だが、今でも高価なTP-Linkの価格にこの贅沢さを上乗せすることになるだろう。しかし、より速いWi-Fiに値段をつけることができるだろうか?

画像クレジット:Anker

それよりもはるかにリーズナブルな価格で提供されるであろうリモートアクセサリーに拍手を送りたい。とりわけAnker(アンカー)はコストを抑える方法を知っている。220ドル(約2万5400円)で手に入るVideo Bar(ビデオバー)は、一種のオールインワンのウェブカムソリューションだ。これはAIによるピクチャーフレーミング機能を備えた2Kカメラと、内蔵のライトバーとスピーカーを搭載している。高度なスタジオ設備(あるいはOpal[オパール])に取って代わるものではないが、(比較的)安価にホームビデオのレベルアップを図りたい人にとっては、堅実なプラグ・アンド・プレイ・ソリューションと言えるだろう。

画像クレジット:Labrador Systems

今週初めには、ロボットショーとして進化しているCESについての記事を書いた。最大の難点は、家庭用ロボットは、ルンバをはじめとするロボット掃除機以外には、実用的なものがないことだ。しかし、今週Labrador(ラブラドール)のシステムを詳しく見ることができたのは幸いだった。なぜならこのシステムは、特に動きが不自由でありながら独立した生活を模索しているひとたちの、非常に現実的なニーズに対応しているからだ。このシステムは実質的に、家庭用のモバイル・ヘルプ・ハンドだ。

画像クレジット:Asus

楽しく新しい形状が登場しなければCESとはいえないが、2022年のCESでは、折りたたみ式の携帯電話の形状をノートPCにとりいれたAsus Zenbook 17 Fold OLED(エイスース・ゼンブック17・フォールドOLED)が圧倒的な存在感を示している。何よりも驚かされるのは、同社が実際に発売を予定しているということだ。レンダリング画像を最初に見たときに、この製品は単なるコンセプトだと思ったのは私だけではないと思うが、Asusはこのシステムを2022年の第2四半期に発売する予定だ。この写真にどれほど近いものが商品化されるかは、ほどなくわかるだろう。

画像クレジット:Samsung

Samsungは2022年、いつものような五感を刺激するような演出をしなかった。ロボットはなく、特注の洗濯機や格安の電話機などがあったが、楽しいプロジェクターが紛れ込んでいたのが良かった。比較的限定的な魅力しかないものの、各社はプロジェクターを実現しようと努力を続けている。少なくともこのプロジェクターは、小さくて、よくできていて、見た目も良い。ただ価格が900ドル(約10万4000円)であることから、ニッチな分野にとどまる可能性が高い。

画像クレジット:ROBYN BECK/AFP / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

米規制当局、グーグルがSonosのスピーカー特許を侵害と判決

米国際貿易委員会(US International Trade Commission、ITC)は、Googleがスピーカーと製造法に関する特許を侵害したとするSonosの訴え同意した。最初の決定は8月に出されていたが、今回判決が終結し、Googleは、Sonosの知的財産を侵害していると認められる製品を輸入できなくなる。Googleはその製品を中国で製造しているため、60日後に輸入禁止が適用されると、それらを米国へ送ることができなくなる。

Sonosは2020年に5つの特許に関してGoogleを訴え、その中にはワイヤレススピーカーをお互いに同期する技術もある。The New York Timesによると、侵害に該当する製品にはGoogleのHomeスマートスピーカー、Pixelとコンピューター、そしてChromecastデバイスが含まれる。輸入禁止となったGoogleの広報担当者は、この判決でデバイスの輸入と販売が中断することはないと述べている。

「私たちは本日の判決には同意しないが、ITCが弊社修正設計を承認したことには感謝する。私たちはさらなる見直しを求め、パートナーシップと知的財産に関するSonosの根拠のない主張に対して私たち自身を護っていく」と広報担当者はProtocolに語る。委員会は、最終判決でその新しい設計を否定しなかったため、Googleはそれらを実装することができる。

Nestのチームは最近、スピーカーグループの部分的変更を発表し、それを「最近の法的決定によるもの」と述べている。最も顕著な変更は、今後ユーザーは、グループ内のすべてのスピーカーのボリュームを一度に調節できなくなることだ。各スピーカーを、個々に調節しなければならない。

Sonosの法務担当最高責任者(CLO)であるEddie Lazarus(エディ・ラザロ)氏は声明の中で次のように述べている。「Googleは製品の機能を劣化または排除することで、ITCに科せられた輸入禁止を回避することもできるが、それでもなおかつGoogleはSonosの数十ダースもの特許を侵害している」。すなわち、Sonosにロイヤリティを払わないかぎり特許権侵害になるのだ。

以下は、その声明の全文となる。

ITCが本件で争点となっているSonosの5件の特許を明確に検証し、Googleが5件すべてを侵害していることを明確に裁定したことに感謝している。これは、特許訴訟では極めて稀な全面的勝利であり、Sonosの広範な特許ポートフォリオの強さとGoogleのコピー拒否の空虚さを浮き彫りにしている。これらのSonosの特許は、家庭用オーディオシステムを制御するためのセットアップ、複数のスピーカーの同期、異なるスピーカーの独立した音量制御、スピーカーのステレオペアリングなど、非常に人気の高い家庭用オーディオ機能に関するSonosの画期的な発明をカバーしています。

ITCが課した輸入禁止を回避する方法で、Googleは製品の機能を低下させたり削除したりできる可能性がある。しかし、Googleはこの輸入禁止措置を回避するために消費者の体験を犠牲にするかもしれないが、同社の製品は依然としてSonosの特許数十件を侵害し、同社の不正行為は続くだろうし、Sonosに対する損害賠償は今後も発生し続けるだろう。あるいは、他の企業がすでに行っているように、Googleは不正流用した技術に対して公正な使用料を支払うこともできる。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

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(文:Mariella Moon、翻訳:Hiroshi Iwatani)

蚊をやっつけるのではなくただ居場所を指し示すだけのBzigoのレーザーポインター、本当に必要?

蚊は地球上の他のどんな生き物よりも多くの人を殺しているいる生物であり、テクノロジーによる解決策には事欠かない。そのような解決策の1つがBzigo(ビジーゴー)から発表された。同社が売り込もうとするデバイスは家の中の蚊を見つけてレーザーで照射し、蚊の音が聞こえるときには携帯電話に通知してくれる機能を持っている。

CESの会場を歩いていると、自分の皮肉癖を深く押し殺さなければならないような会社に出会うことが多い。TechCrunchは直接参加しないことを発表したが、たとえバーチャルに会場を「歩いた」としても、トレードショーの文脈の中で「ちょっと待て、これは何だ?」という奇妙な瞬間を、気のいい特派員が避けることはできないということが判明した。この場合、レーザーポインターで蚊を指し示すというマジックは、非常に優れた技術的挑戦であり、自動蚊取り器の製品化に向けた最初のステップになることは間違いないだろう。

デバイス自体は、光源(赤外線LED)、高解像度ワイドカメラ、そして残りの仕事を引き受ける、小さなパッケージに詰め込まれた電子頭脳で構成されている。同社によれば、このデバイスに組み込まれたAIは、害虫かもしれない物体の動きのパターンを分析することで、人間の最悪の友人(蚊)と浮遊する塵の違いを見分けることができるという。

このような興奮を、CES会場のにぎやかな(仮想)雑踏の中で受け流すこともできるが、2つの問題がある。

第1の問題は、CESで見た他の製品と違って、このデバイスは昆虫を駆除するために実際には何もしないということだ。ただ、携帯電話に向かって、あなたのシューティングゲームガン(あるいは好きな蚊の駆除方法)の準備をする時間が来たことを通知し、小さな赤いレーザーポインターで小さな空飛ぶ敵を指し示すだけだ。同社は私に、これはクラス1の「絶対安全」なレーザーだと断言した。同社がそれを選んだ理由は理解できる。私には、飛んできた蚊を実際に撃ち落とせるほどの十分なパワーを持ったレーザーを使用した場合の、法的ならびに健康的なリスクに関してはとても想像することができない。しかし、それはこの製品に対する根本的な疑問を呼び起こすものでもある。

関連記事:生き物であるかのようなサインを出して蚊をおびき寄せる捕虫器「モスキッター」

BzigoのプロダクトマネージャーであるBenjamin Resnick(ベンジャミン・レズニック)氏は、同社のデモビデオを見せながら「蚊の位置を特定するのはとても難しいことですが、蚊を殺すのは簡単なことです」という。「Bzigoがレーザーポインターで蚊の着地点を示してくれれば、ユーザーが自分で簡単に蚊を殺すことができます」。

正直なところ、蚊が小型プロペラ機ほどの大きさの国で育った者として、私はこれまでにそのような(蚊のいる場所を特定する)困難に直面したことがない。

2つ目の、そしてもっと大きな問題は、同社がこれまでに開発してきた製品を一般消費者向けの製品として出荷しようとしていることだ。Bzigoは、何千人もの顧客がこの199ドル(約2万3000円)のデバイスを予約しており、製品の発売と予約者への配送は「2022年の後半」になるとしている。

蚊の位置を特定するための、199ドル(約2万3000円)もするレーザーポインターを売ることのできる会社のマーケティングチームには心から敬意を表するが、大局的に見れば、それは本質的に役に立たない製品だ。蚊は薄明薄暮性(夜明けと夕暮れ時に栄養を摂取する)の生き物なので、その時間帯に人間が蚊をやっつけるために起きている可能性は最も低い。さらに、目を見張るような効率的な解決策がすでに存在している。「長持ちする殺虫剤付きベッドネット(Long-lasting, insecticidal bed nets、LLINs)」は、寝ている家族をマラリアから守ることができる、シンプルで費用対効果の高いソリューションだ。価格は一式で10ドル(約1157円)で、マラリアを媒介する蚊に対して物理的な防壁を作り、ネット(蚊帳)に織り込まれた殺虫剤は、1人の人間から他の人間へと病気を伝染させる前に蚊を殺すのだ。

誤解しないで欲しいのだが、私は他の人と同様に筋金入りのオタクだし、優れた科学実験や創造的なプロトタイプが大好きだ。私の疑問は──蚊を1匹も殺したり、1人の命も救ったりすることなく、今後10年のうちにきっと埋め立て地行きになる高性能レーザーポインターを、何千台も世界中に出荷することの経済的、環境的影響は、本当に利益を上回るのだろうか?というものだ。

蚊を殺す何らかの技術を搭載したバージョンの登場を私は期待している。それができるまでは、創業者にはこのプロトタイプを消費者向け製品として出荷する計画を再考して欲しいと願う。世の中には解決すべき現実的な問題がたくさんある。数匹の蚊のために深夜のサイレントレイブレーザー光線ショーを行うことは、それには値しない。

画像クレジット:Bzigo

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:sako)

リラックス効果を3倍にしてくれるガジェットMorphéeの「Zen」、約9250円

ジャーナリストであり投資家でもある筆者は、単一製品のみの超ニッチな企業には常に少々疑問を感じている。うまくいかないことがたくさんあるし、消費者直接取引ブランドがうまくいく方法の1つは、顧客にクロスセルする(関連製品を売り込める)力を持つことだからだ。

Morphée(モーフィー)はそんなブランドの1つだった。同社がはじめて発売したのは、率直にいって滑稽なほど過剰なデザインの(しかし驚くほど美しい)99ドル(約1万1500円)の非デジタルの睡眠・瞑想用製品だった。その後、子ども向けの製品を追加した同社は、さらに今回のCESで「Morphée Zen(モーフィー・ゼン)」と呼ばれる新製品を発表した。これは、小さな丸い石のような旅行向けのリラクゼーション機器だ。

同社が「リラクゼーション・ペブル」と表現するMorphée Zenは、まさに小石のように見える超ポータブルなデバイスで、心を落ち着かせる音や音楽、音声によるセラピーなど、メンタルウェルネスのトレーニングや睡眠のために特化したリラクゼーションセッションを受ける(聴く)ことができる。ダイナミックリラクゼーション、ディープリラクゼーションなど、6つのテーマに基づく72の音声セッションの中には、自然音やリラックスできる音楽の他、心拍数をより管理しやすい状態にするための2分間の「インスタント・リリーフ」セッションも用意されている。

もちろん、ここでの本当の問題は、Morphéeがブランドをほんの少しだけ拡大し過ぎているのではないかということだ。確かに「My Little Morphée(マイ・リトル・モーフィー)」を与えて子どもたちからスマートフォンを遠ざけることには意味があるかもしれないし、オリジナルのMorphéeは、瞑想装置であると同時に芸術品でもある。

しかし、年間69.99ドル(約8090円)で「Calm(カーム)」のような瞑想アプリを利用でき、Spotify(スポティファイ)やYouTube(ユーチューブ)など、想像できる限りのあらゆる場所で瞑想や睡眠導入音、集中力を高めるための音楽などが、ほぼ無限に提供されているこの世界では、Morphée Zenはあまり意味をなさないのではないかと私には思える。純粋なソフトウェアソリューションで基本的には同じことができるのに、遅かれ早かれどこかの埋め立て地に行き着くであろう製品を、我々は本当に必要としているだろうか?

この製品は2022年第3四半期に発売予定で、価格は79.99ドル(約9250円)となっている。


画像クレジット:Morphée

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップルでM1チップなどAppleシリコンの開発を主導したジェフ・ウィルコックス氏、古巣のインテルへの移籍を明かす

アップルでM1チップなどAppleシリコンの開発を主導したジェフ・ウィルコックス氏、古巣のインテルへの復帰を明かす

Apple

アップルが「Macのプロセッサを2年かけてインテル製から自社開発のAppleシリコンに移行する」との約束を今年(2022年)6月には果たすと予想されるなか、M1チップをはじめとするAppleシリコンの開発を主導してきた人物がインテルに移籍したことが明らかとなりました。

Macシステムアーキテクチャ担当ディレクターだったジェフ・ウィルコックス(Jeff Wilcox)氏はLinkedInにて、インテルでの新たな職に就くためにアップルを去ったと述べています。ウィルコックス氏はインテルのフェロー兼デザイン・エンジニアリング・グループのCTOとして、クライアントSoCアーキテクチャ設計を担当するとのことです。

ウィルコックス氏は今月退社するまでの8年間、アップルのMacシステムアーキテクチャーチームに所属していた人物です。この期間はちょうどAppleシリコン開発が始まってから発表されるまでの時期と思われますが、実際LinkedInのプロフィールでもM1チップやT2セキュリティチップなど「すべてのMacのAppleシリコンへの移行を主導した」とアピールされています。

またウィルコックス氏はアップルでの仕事を「M1、M1 Pro、M1 MaxのSoCおよびシステムでのAppleシリコンへの移行をはじめ、私が在籍していた間に達成した全てのことを、この上なく誇りに思っています」と振り返り。そう述べつつ「アップルの同僚や友人たちと離れるのはとても寂しいですが、年明けに始まる次の旅を楽しみにしています。 これからもよろしくお願いします」とあいさつを語っています。

もともとウィルコックス氏は2010年~2013年にインテルにてPCチップセットの上級エンジニアを務めていたことがあり、今回の移籍は新天地というよりも古巣への復帰となります。そして「インテルの素晴らしいチームと一緒に、画期的なSoCの開発に携わることができ、これ以上の喜びはありません。素晴らしいことが待っています」という言葉は、Appleシリコン対抗SoC開発をリードすることを示唆しているとも憶測できます。

Mac搭載プロセッサがAppleシリコンに移行することで、最もダメージを受けると予想される企業はプロセッサの発注が大幅に減らされるインテルでした。

そのため最近のインテルはAppleシリコンを強烈に意識した行いが目立っており、「インテル製チップ採用のノートPCがM1 Macよりも優れている」というキャンペーンを展開したり、ノートPC向け第12世代Core i9がM1 Maxよりも優れた史上最速モバイルCPUだとアピールしたり、その一方でパット・ゲルシンガーCEOは「Appleシリコン製造を請け負いたい」と発言していたこともあります。ウィルコックス氏のインテル移籍も、その文脈を考えれば頷けるところではあります。

ここ2年ほど、アップルのチップ開発チームの主要エンジニアが離職することは珍しくはありませんでした。最も注目されたのはiPhoneのAシリーズチップ(A7~A12X)開発を主導した人物らがNuviaという半導体スタートアップを立ち上げたことです。Nuviaは最終的にクアルコムに買収され、そのチームがPC向けArmベースチップの開発を進めていることも発表されています

これら離職者の影響が、今後のAppleシリコンの進歩にどのような影を落とすかは不明です。ともあれ、インテルの次世代CoreプロセッサやクアルコムのArmベースSoCがAppleシリコンのように「省電力性能と処理速度の両立」を備えることになれば、WindowsノートPCでもバッテリーが長持ちして快速で動く新モデルが続々と出ると期待できるかもしれません。

(Source:LinkedIn。Via Toms’ HardwareEngadget日本版より転載)

CES 2022で自分用の在宅勤務製品を眺めて落胆する

私にとって、自宅で仕事をすることは10年以上前から当たり前になっていたが、今では少々陳腐なやり方になってきた。ということなので発表されたCES2022のホットなアイテムを使って、このやり方をリフレッシュする良いタイミングだ。

まず最初に、この2年ほど使ってきた愛らしい27インチのDell(デル)のディスプレイ2台をアップグレードしよう。なにしろこいつらは平べったくて、活きが悪い!その上2台の間にはベゼルがあるなんて…混乱してしまう!私が必要としているのは、ただ頭を突っ込んでTechCrunchの体験に没頭することができる代物だ。

Samsung(サムスン)はこのことをよくわかっている。雪かきのように湾曲した55インチの巨大モニターを発表したのだ。そのThe Odyssey Ark(オデッセイ・アーク)は、ストリーミング、ゲーム、ビデオチャットのすべてを同じ画面上で同時に行うことができる、次世代メディアの実験だ。これがYouTuber(ユーチューバー)のTim Schofield(ティム・スコフィールド)氏を圧倒した様子を見てみよう。

さて、もし倍率750%で表示しているPDFの上部を読むために、後ろに40度ほど傾かなければならないとしたら(そもそもこんなに大きな文書を印刷したことがあるだろうか?テキストは鮮明だが)、ちゃんとした椅子があった方がいいだろう。幸いなことに、Razer(レイザー)が文字通り私の背中を支えてくれた。

このEnki Pro HyperSense(エンキ・プロ・ハイパーセンス)は、Halo: Infinite(ヘイロー:インフィニット)のデスマッチを楽にこなせる快適な椅子というだけではない。基本的には巨大な「振動パック」なのだ。

画像クレジット:Razer

Razerは「6万5000種類の触覚バリエーションにより、±1Gの触覚フィードバックを実現し、シートに1.5インチ(3.8センチ)の垂直および後方傾斜を与えることができます」と説明する。そのため、自分のWarthog(ワートホグ)が攻撃を受けたときには、プライドに傷がつくだけでなく、椅子が人間を跳ね上げるので実際に落ちてしまうのだ。まあ、落ちないかもしれないが、ストリーミング中なら笑いをとれるので、是非身を乗り出してみて欲しい。

とはいえ、遊びながらも仕事をしなければならないので、自分の文章の質に見合ったキーボードが必要となる。私がいつも言っているように、書くことはキーから始まる。昔の作家たちが、なぜあんなに立派で重厚なタイプライターを持っていたのかわかるだろうか?かっこよく書いているように見えなければ、かっこいいキャラクターを書くことはできないからだ。Neal Stephenson(ニール・スティーブンソン)氏がどうやってそれなしで書けているのかは不明だが。

画像クレジット:Keychron

しかし、文章のスタイルはそれぞれ異なる。キーボードはゼロから、そしてしっかりとした基礎を持って作るべきだ。それがKeychron(キークロン)のQ1だ。極めてしっかりとした作りで、様々なスタイルのキートップやスイッチが用意されており、自分で組み立てることができる。WASDキーをゲーミングリニアにして、それ以外はクリッキーなタクタイルにすればいいのでは?(リニアもタクタイルもキータッチ感触の区分)。まあ、実際には変な感じがするだろうけど、気持ちはわかってもらえるだろう。

(冗談はさておき、私も実際にこの製品を手にして試してみたが、なかなかいい感じだった。優れたメカニカルキーボードは、自分のWFH[在宅勤務]環境をアップグレードするための完璧に有用な手段だ)。

そして、そのキーボードは何に接続されているだろう?よく聞いてくれた。私は、PCのパフォーマンスの核心は熱管理だと理解しているが、同時に、優れた遮音材が静かなマシンの核心だ。どうすれば両方を実現することができるだろうか?ただし、液冷式のことは言わないで欲しい。それは単にクレイジーだ。と言いながら、私は最高に手の込んだ方法を紹介しようとしている。

画像クレジット:CyberPowerPC

CyberPowerPC(サイバーパワーPC)のKinetic(キネティック)シリーズは、複雑な折り畳み式の三角形を使用して、ケースの表面に可変のエアフローを発生させ、必要な排熱量の変化に応じて開閉する。なぜ三角形なのか?なぜバルブではなく、このような折り紙スタイルなのか?なぜ結局ホコリが詰まってしまうようなこんな複雑な構造なのか?だってすごいからだ。

あなたの考えていることはわかる。ビデオ通話をしているときに、私の大切なお宝を他のひとはどうやって見ればよいのか?まず最初に、お気遣いに感謝する。あなたは優しい人だ。私もそのことを考えていた。私の新しいZoom環境を見て欲しい。

画像クレジット:LaVitre

どうだろう!?

私のセンスの良いコンピューティング装備を見てもらえるだけでなく、私が…仕事中にプロフェッショナルな服を完全に着こなしている様子も見てもらえる。あとは、角度を変えれば……まあ、なんとかなるだろう。とにかく、この巨大なテレプレゼンス装置はフランスのla Vitre(ラビータ、仏語で「窓」という意味)のもので、同社はこれを「86インチの体験」と宣伝している。他にも様々な機能が搭載されている。

最後に、別室でも明瞭な通信が行えるようにしなければならない、そうしないと、私がゲームの銃撃を避けたときに、すべてパケットロスのせいだと思われてしまう。TP-Link(TPリンク)が用意した答はロボットルーターArcher AXE200 Omni(アーチャーアクス200オムニ)だ。

画像クレジット:TP-Link

これでアンテナの設定を調整するために、わざわざ立ち上がってルーターのところへ行く必要はなくなる。なんだって…そんなことはしていない?友よ、君がリーダーボードに登場しないのは当然だね。これは信号を操る小鬼だ。これが出てくるのを待っていれば、すべてを解決してくれるだろう。ロボカリプスの後には、ハンターキラーの誰もがこの悪戯者のひとつを利用することになるだろう。

そう、これらは私にとっては大層なアップグレードだ。今後10年くらいの間には、ここでの全ての製品を実際に手にすることになると思う。

CES 2022についての記事をTechCrunchで読む。

画像クレジット:TechCrunch
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(文:Devin Coldewey、翻訳:sako)

生き物であるかのようなサインを出して蚊をおびき寄せる捕虫器「モスキッター」

先の記事で別の蚊取り器を揶揄したが、バランスのためにも、今回のCESで展示されていた虫対策技術をもう1つ紹介しておこう。「Mosqitter(モスキッター)」は、蚊が産卵するチャンスを得る前にメスの蚊を引き寄せる、工業規模の蚊の殺虫器だ。そこから短期間で、見事に虫を退治することができる。

同社の説明によると、蚊が吸血活動を開始する前に誘引される自然要素は4つある。呼吸によるCO2、人間の体から出る熱のサイン、哺乳類が発する特定の波長の紫外線、そして香りだ。Mosqitterの製品は、魅力を最大限に引き出すようこれら4つの要素をさまざまなサイクルで駆使して、蚊を惹きつける。同社の製品は、どんな天候でも作動するように設計されているという。アプリを使って遠隔操作ができ、オプションでソーラーパネルを追加すれば、24時間365日の稼働も可能だ。

蚊を機械におびき寄せた後は、毒物を使用せずに殺すことができる。

「Mosqitterは生き物を模したもので、メスの蚊をおびき寄せ、装置の中に引き込みます。その結果は、初日から見ることができます。2〜3週間後には、蚊の繁殖サイクルが破壊され、テリトリーから蚊がいなくなります」と同社のCOOであるOlga Diachuk(オルガ・ディアチュク)氏は説明する。ただし厳密には、この機械は蚊を直接殺すのではなく、蚊を閉じ込めておくネットがあり、そこで結果的に蚊は餓死または乾燥死すると同氏は明確にした。

同社は2020年に販売を開始し、これまでに250台以上を販売したという。今後は、イタリア、インド、ジンバブエなど、この捕虫器が最も必要とされる地域で製造規模を拡大していくことを検討している。おそらく最も印象的なのは、同社がわずかな予算でこれらすべてを達成したことだろう。2019年に設立されて以来、同社は製品販売から得られる収入に加えて、Ukrainian Startup FundCRDF Globalからの8万5000ドル(約985万円)相当の助成金と、10万ドル(約1160万円)のエンジェル投資で運営してきた。

Mosquitterは現在、3つの異なるバージョンの製品を販売しており、家庭用の最も小さいバージョンは950ドル(約11万円)。ビジネス向けのバージョンは1150ドル(約13万3000円)で、公園や地方自治体などのより広い範囲を対象とした大型バージョンは2100ドル(約24万3000円)で販売されている。

画像クレジット:Mosqitter

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)

コネクテッドフィットネス企業にとってパンデミックが続く2022年もビッグイヤー

毎年、CESの週は、筆者にとって健康的ではなかった。意図的でない断続的な断食はともかく、TechCrunchは展示会でのチームディナーで本当にそうする習慣がある。そしていうまでもなく、同僚のMatt(マット)はメキシコ料理レストランの「Tacos & Beer」に宗教じみた情熱を捧げている。

断っておくが、筆者は毎年、展示会の期間中は毎日必ず、何度も歩数をカウントしていた。ラスベガス・コンベンション・センターのホールを歩き回るテックジャーナリストならそうするはずだ。2022年は、TechCrunchがオミクロン関連の懸念からバーチャルでの参加にしたため、もちろん歩数は減った。

正直にいえば、筆者も同じ懸念のために、ジムに戻るべきか迷っている。そう思っているのは筆者だけではないだろう。2021年末、ジムなどの営業が再開したために、Peloton(ペロトン)のような企業の業績が後退したのは事実だ。しかし、パンデミックはまだ終わっていない。現在、全国の多くの地域で寒すぎて屋外で運動ができないとはいえ、狭い室内で息の荒い人たちと一緒に過ごすというのは、あまり理想的とはいえない。

この種のトレンドが長く続くかどうかを予測するのは常に難しいが、ここ数年でホームフィットネスの世界が大きく変化したことは間違いない。筆者は個人的に、こういったことがすべて終わった後(まあ、本当に終わると仮定しての話だが)、ジムに戻るつもりはないという多くの人と話をした。もちろん、すべてがパンデミックの結果というわけではない。PelotonやMirror(ミラー)といった企業は、私たちの多くが新型コロナウイルスというものを知る前から、多くの支持を得ていた。

もちろん、この手のことは、必ず度が過ぎる。この2年ほど、筆者の受信箱には、家庭用フィットネスサービスのメールが大量に送られてくる。できるだけ多くの企業がこのチャンスに便乗しようとしていることは明らかだ。Pelotonの収益やLululemon(ルルレモン)によるMirrorの買収などを前にしては、彼らを責めることはできないだろう。2021年の「オールバーチャル」CESでは、確かに盛り上がりを見せた。2022年も間違いなくそうなるだろう。

他の超ホットなテック分野と同様、生き残るのはごく一部だ。Pelotonは、CEOのJohn Foley(ジョン・フォーレー)氏による基調講演など、さまざまな形でこのイベントに大きく関与する予定だったが、今週初め、参加を見合わせる企業の長いリストに加わった。それにも関わらず、それを穴埋めする製品がたくさん登場した。

画像クレジット:LG

LGがこのカテゴリーで提示したのは、実用性よりもコンセプト性の方がはるかに高いものだった。どちらかといえば、同社のフィットネスバイクは、ホームフィットネスに同社の曲面モニター技術をどう取り込めるかを示すためにデザインされたものだった。自宅に運動器具を備えようとする多くの人にとってスペースと価格が割高であることと、この製品の大きさを考えると、選ばれることを自ら拒否しているように思えた。

2022年のホームフィットネス製品に「メタバース」という言葉があまり出てこなかったのが率直にいって驚きだった。VRフィットネスアプリのLiteboxer(ライトボクサー)は、そこで得点を稼いだ。「メタバースの夜明けは、より深いつながりの感覚への需要を示しています」と共同創業者でCEOのJeff Morin(ジェフ・モリン)氏はプレスリリースで述べた。「バーチャルリアリティでのワークアウトは、タブレット、電話、コンピュータといった二次元の画面よりも意味のある方法で人々をつなぎます。VRヘッドセットとあなたの勝利への意志さえあれば、誰でも最高のトレーナー、音楽、フィットネス技術とともに、世界のどこにいてもワークアウトができます」。

前述のプレスリリースでは「メタ」という言葉が4回出てくる。プレスリリースでは、ほぼ「VR」という言葉に置き換えて使われたようだ。Quest 2ヘッドセットの商品名だからだ。Liteboxer VRは3月3日にQuest Storeに登場し、月額19ドル(約2200円)のサブスクリプション制となる。

Echelon(エシュロン)は、Peloton(ペロトン)の高価格帯バイク「Bike+」に対抗するために設計した「EX-8s Connect Bike」を展示した。価格はBike+をわずかに下回る2399ドル(約27万8000円)だ。Walmart(ウォルマート)向けの超お手頃な製品も作っている会社としては、高い価格設定だ。この価格で、24インチの曲面1080pディスプレイが手に入る他、車輪部分のライトをカスタマイズできる。1月末に発売される予定だ。

画像クレジット:Wondercise

一方、Wondercise(ワンダーサイズ)はソフトウェアファーストのソリューションだ。同社は、離れた場所にいるエクササイズ愛好家同士を結びつけ、ジムから自宅への移動で生じる孤立感を解消するためのプラットフォームを提供することを目指している。以下は、同社のプレスリリースの資料から。

ライブリーダーボードでは、個人の技量に応じてスコアが表示され、セッションを楽しい雰囲気に演出します。画面上のカラフルなパワーバーやプロフィールは、ゲーム感覚で楽しめるよう意図的にデザインされており、ワークアウトに競争的な側面を加えています。Wonderciseは、いつでも誰でも必要とするパフォーマンス解析とデータが得られるよう、フィットネス業界にIoTを導入することに注力しています。

家庭用機器のカテゴリと同様に競争は激しくなっているが、ソフトウェアファーストのソリューションに比べれば、たいしたことはない。WonderciseはApple(アップル)やSamsung(サムスン)などのビッグネームと直接競合することになる。

一方、Hydrow(ハイドロウ)は家庭用ローイングマシンを代表する重要な企業の1つ。トレッドミルやバイクの先にある、これから本格的な成長が期待されるカテゴリーだ。自転車と比べると、漕ぎ手はより全身を鍛えることができるが、一般に消費カロリーは少ない。Pelotonが手漕ぎボートゲームに参入すると噂されているが、今のところHydrowがこの分野でのビッグネームとして存在感を示している。

画像クレジット:Echelon

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

映画字幕のように使えるWaverly Labsの対面式翻訳機「Subtitles」、レストランや小売店などのカウンターに最適

数年前からWaverly Labsを取材し、主に同社のウェアラブル言語翻訳機を紹介している。米国時間1月5日、CESでブルックリンに拠点を置くWaverly Labsはリアルな世界での対話のために設計され、インイヤーデバイスの共有が必要ない、同社技術の新たなフォームファクターを発表した(私たちが細菌を気にかけている現在、とてもポジティブなものに感じる)。

「Subtitles」と名づけられたその製品は、両面にタッチスクリーンのディスプレイがあり、レストランや小売店や銀行、空港、ホテルなどの場所でカウンターの上に設置する。ユーザーは自分の言語を選び、話をすると、その翻訳が反対側のディスプレイに「ほぼリアルタイム」で表示される。

翻訳だけでなく、聴覚障害者のための便利なツールになりそうだ。まるで、対面式のクローズドキャプションのように。Subtitlesという製品名は「字幕」という意味だが、同社はその使用体験を、翻訳された映画を見ることに例えている。

このシステムは、20の言語と42の方言を翻訳するWaverlyの技術に基づいて構築されている。英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、アラビア語、ギリシャ語、ロシア語、ヒンディー語、トルコ語、ポーランド語、中国標準語、日本語、韓国語、広東語、ヘブライ語、タイ語、ベトナム語、オランダ語など、20言語42方言に対応している。現在CESで披露されており、第2四半期のどこかの時点で登場する予定とのこと。価格は発表されていない。

また、Waverlyはオーバーイヤー型翻訳機「Amasaddor Interpreter」の新バージョンも紹介している。Waverlyは次のように語る。

音声認識ニューラルネットワークと組み合わせた高度な遠距離フィールドマイクロホンアレイを使用して、驚くほど明瞭なレベルで音声を捕捉します。その後、クラウドベースの機械翻訳エンジンを使用して音声をシームレスに処理し、高速かつ流動的で高精度な翻訳を実現します。

こちらは、179ドル(約2万760円)で販売されている。

画像クレジット:Waverly Labs

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

パナソニックが音声アシスタントAlexa対応のオーブンレンジ発表、100種類以上の音声コマンドを用いてハンズフリーで操作

パナソニックが音声アシスタントAlexa対応のオーブンレンジ発表、100種類以上の音声コマンドを用いてハンズフリーで操作このオーブンレンジ、声だけで操れるので、料理が捗りそうです──。

パナソニックが2022年1月5日に発表したのは米Amazonの音声アシスタント「Alexa」(アレクサ)で操作することが可能なオーブンレンジ「NN-SV79MS(以下、本製品)」。

一般的なオーブンレンジといえばボタンやダイヤルなどで操作するものがほとんど。例えばパンや魚を焼いたりするときにもプリセットされたメニューを物理ボタンで選ぶ必要があります。

本製品は100を超える音声コマンドを用いてハンズフリーで操作できるのが最大の特徴。

例えば「Alexa, reheat one cup of coffee.」(アレクサ、コーヒーを1杯温めて)と声で指示すれば、すぐに動作する様子が動画で伝えられています。ただ公式YouTubeの動画をよく確認しますと、オーブンレンジのそばにアレクサ対応のスマートスピーカーが置かれていることがわかります。両機器同士の連携によって動作するのかもしれません。

また音声操作だけでなく、20種類のオートメニューが備わり、ピザ、スープ、マフィン、ケーキなど、さまざまな料理にもしっかりと対応し、一般的な製品のようにボタンやダイヤルでの操作も可能なのだとか。

一見すると『いちいちメニューを覚えていられない』『もっとかんたんに扱える製品が欲しい』──という人に向けた製品でしょうが、「触らなくても使える」本製品は直接ボタンなどに触れるのをためらう人に打ってつけかもしれません。

なかなか収束を迎えないコロナ禍により、感染対策として注目されているのが触らなくても使えるATMやチケット購入機などです。空中に浮かび上がらせたボタンに指が触れると、それをセンサーで感知するような技術です。

音声操作タッチレス、その両方が今後、テクノロジーのキーワードとなりそうです。

(Source:PanasonicEngadget日本版より転載)

ごちゃごちゃしがちなスマートホーム機器を統合・連携、ユーザーにプライバシーのベールをもたらすHomey

ほぼすべてのスマートホームデバイスに接続することができて、さまざまなスマートルールを設定でき、多くのセキュリティ機能を追加することできると聞けば、おそらくHomey(ホーミー)が何を提供しようとしているのか、あなたはきっとある程度想像することができるだろう。Homeyは、スマートホームプロバイダーにデータを転送する代わりに、広告主にデータを盗まれないよう安全にデータを管理してくれることを約束している。

Homeyは、2014年からヨーロッパで事業を展開しており、米国時間1月5日のCESで米国での事業展開を発表した。この会社が解決する重要な問題は、多くのスマートホームソリューションが非常に継ぎ接ぎな状態で繋がっており、その過程で、それらが悪意のある目的にも使用できる巨大なデータコレクターになってしまっているということだ。これまで顧客は、それがスマートホームを持つためのコストであると受け入れさせられてきたが、ここに別の方法があると同社は考えている。同社は、顧客データを盗聴したり販売したりすることはなく、個人情報を使ってユーザープロファイルやターゲット広告を作成することもないと主張している。

スマートホームプロバイダー同士の目隠しに加えて、同社のスマートホームハブ「Homey Pro」は、楽しい新機能をいくつか携えてきている。IFTTT(If This Then That )で遊んだことがある人なら、きっと賢い自動化を思いついたことがあるはずだ。誰かがドアベルを鳴らすと電気をつける、夜10時以降はスピーカーの音量を下げる、などだ。Homeyのアプリは、このような機能をアプリのコアアーキテクチャに大量に組み込んでいる。同社はこうした自動化を「フロー」と呼び「カーテンを閉めたら寝室の照明を常に暗くする」「玄関の鍵をかけたらサーモスタットを自動的に下げ、照明を落とし、アラームを有効にする」など、さまざまな例を挙げている。

もちろん、フローはGoogle、Alexa、Siriショートカットなどの音声アシスタントを使って起動することも可能だ。また、モバイルやApple Watch用のウィジェットも提供されている。

音声コントロールやフローなど、あって当たり前の機能に加え、アプリはエネルギー使用をリアルタイムで分析するツールを提供し、さらなる節電方法を提案してくれる。例えば、洗濯機の「温水」サイクルと「冷水」サイクルのエネルギー消費を比較したり、最もエネルギー効率の良い(そして最も悪い)部屋がどれかを教えてくれたりする。

Homeyは、そのスマートハブが1000以上のブランドの5万以上のスマートホームデバイスと接続ができ、iOS、Android、ウェブアプリで全体のコントロールや設定を行うことができると謳っている。ハブは、Zigbee、Z-Wave Plus、Wi-Fi、Bluetooth、433MHz無線に加え、家中にコマンドを送信するための赤外線通信LEDを備えており、豊富な接続性を兼ね備えている。

Homeyアプリは、69ドル(約7980円)のHomey Bridgeを介して、またはHomeyハードウェアを必要としないアプリのみのソリューションとして、スマートホーム機器のコントロールに使用することができる。無料版のHomeyアプリでは最大5台のデバイスをコントロールできるが、プレミアム版では家庭全体で無制限にスマートデバイスを接続することができる。プレミアム版のアプリは、月額2.99ドル(約340円)で利用できる。

「家庭にはそれぞれ個性があり、一律に対応できるものではありません。今日のスマートホームシステムのほとんどは、単一のブランド、技術、またはユースケースが中心となっています。例えば、Philips Hueは照明には最適ですが、ただそれだけです」とHomeyのメーカーであるAthom(アトム)の共同創業者兼クリエイティブディレクターのEmile Nijssen(エミール・ナイセン)氏は語る。「その結果、スマートホームはあらゆる種類のアプリですぐに複雑になり、ごちゃごちゃしてしまいます。私たちがHomeyで目指しているのは、現状を変え、すべてのスマートデバイスを統一し、同時に消費者のプライバシーを確保する、オープンで手頃な価格のユーザーフレンドリーなシステムを作ることです」。

画像クレジット:Homey

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

CES 2022で発表された愛犬・愛猫向けの新しいテクノロジーをまとめて紹介

CESでは毎回、ペットオーナー向けの楽しいテクノロジーが紹介されるが、2022年も例外ではない。しかし、2022年は犬や猫を単なる愛すべき毛皮で覆われた友人としてではなく、独自の行動や感情、さらには自己表現の欲求を持つ知的な動物として扱うことに配慮したガジェットがいくつか出展されていた。

最も基本的なレベルとしては(数年前に比べればかなり進んだレベルといえるが)、飼い主が猫の日々の動きを把握するのに役立つ、猫用スマート首輪と体重感知プラットフォームを組み合わせた「Catlog(キャットログ)」がある。

この首輪は動きや振動を感知し、寝る、座る、前足を洗う、食べる、飲む、さらには動き回るといった「猫らしい行動」と関連付ける機能を持つ。これらの行動(毛づくろいも含まれる)は、IoTハブを通じてほぼライブで飼い主に送られる。そしていつ、どのくらい遊んだか、どのくらい寝たかなど、愛猫の1日を振り返ることもできる。

自分がいないときのペットの日常生活を明らかにするという、このデバイスの基本的な機能は、ペットが単なる膝の上のアクセサリーではなく、飼い主が見ていないときにも存在し、行動していることを理解するために最適な最初の一歩となるだろう。

Invoxia(インヴォクシア)は、犬の位置情報だけでなく、心臓や呼吸器の状態も追跡するスマート首輪を開発した。現時点でその効果を保証することはできないものの、人間の有害な事象や状態を検知するスマートウォッチやウェアブルデバイスが進歩していることを考えると、同様のものが犬用に開発されてもまったく不思議ではない。

動物も人間と同じように心臓や肺に問題を抱えていることがあり、悲しいことに犬種によってはその傾向がある。年に2回、獣医に連れて行って犬の呼吸を診てもらうのはもちろんだが、何かおかしいと思われる時には、飼い主に知らせてくれる首輪を装着するのもよいのではないだろうか。我々自身と同じように「予防のための努力は治療のための努力に値する」のだから。

画像クレジット:Inupathy

犬の背中に装着するバックパック型デバイス「Inupathy(イヌパシー)」は、単に生理的なサインを検知するだけでなく、さまざまな心理状態を検知できるとメーカーは主張している。とはいえ、現時点では過度な信用は禁物だ。この種のデバイスは、人間に焦点を当てたものもあるが、結果はまちまちだからだ。しかし、このInupathyを製造しているLangualess(ラングレス)は、次のようにその機能を説明している

動物の心臓は、穏やかなリズムで鼓動している状態であっても、その持ち主が緊張を感じ始めると鼓動のリズムを早めます。これは、活動時に働くとされる交感神経が活発化することで起こる現象です。私たちは、心拍の変動を独自に研究解析することで、さらに細かく持ち主の精神状態を読み解けることがわかってきました。

心拍数解析は、もちろん長く豊富な歴史を持つ分野であり、ヒット製品もあれば失敗した製品もある。しかし、犬がリラックスしているのか、一時的に興奮しているのか、あるいは長期的な怒りや不安の状態に入っているのかを見分けることができると考えるのは、理に適っていないというわけではない。同社の中核的な技術革新は、動物の心拍数を確実に検出し、解析するローカルセンサーと回路を開発したことである。

もちろん、尻尾の位置や体勢、声の出し方など、より外見的な要素からそれを知ることはできる。しかし、すべての犬がそれほど感情を表すとは限らない。ともかく、もう少しデータを追加してみるのもいいだろう。

データを追加するといえば、台湾最大の応用研究機関であるITRIは、犬の心臓発作を予防するためにデータに基づく早期警告信号を提供する「iPetWeaR(アイペットウェア)」というすてきなコンセプトを発表した。この低消費電力の生理学的検出レーダー技術は、ペットの肌に触れる必要がない無害なもので、ペットの首輪に取り付けたり、犬用ベッドに組み込むなど、柔軟なやり方でセンシングすることができる。

80ドル(約9300円)の基本パッケージには、センサーデバイス、多彩なオプションから選べる首輪、モバイルアプリが含まれており、猫と犬の両方に対応している。同社では愛くるしいデモ映像も制作しており、それは私たちがこの種の製品をまとめて紹介する理由にもなっている。

iPetWeaRによって収集された生理データは、Bluetoothによって飼い主の携帯電話に転送される。不規則な脈や呼吸が検知された場合は、飼い主がすぐに対応できるように通知が送られ、ペットの基礎的な健康状態の異常を早期に発見できることを、この製品は約束している。

しばらく前に登場したWagz(ワッグズ)の「Freedom Collar(フリーダム・カラー)」は、バーチャルなジオフェンスを導入することで、4本足の友達をその場所に留まらせておくことができるようになった。この首輪は、GPSトラッキングとフィットネス記録機能、そして「人道的」な矯正機能(電気ショックは使わない)を備えており、子犬のトレーニング用ソリューションとして人気を博している。しかし、CES 2022では新たに「Wagz Tags(ワッグズ・タグ)と呼ばれる製品が追加された。このアイデアは、犬を家の中で自由に歩き回らせる一方で、入ってはいけない小さな区域を設定するというものだ。犬に付けられた首輪がWagz Tagに近づきすぎると、ジオフェンシングが作動する。これは、愛犬を家具から遠ざけるための優れた、そして非常に賢い方法と言える。

Wagz Tagzでは、3フィート(約0.9メートル)から15フィート(約4.6メートル)までのカスタマイズ可能なKeep Out Zone(立ち入り禁止区域)を作成することができ、近づいてほしくない場所から安全にペットを遠ざけることができる。

画像クレジット:Wagz

せっかく一緒にいるのだから、犬と直接会話してみたらどうだろう?それがFluentPet(フルーエントペット)のアイデアだ。同社は犬に人間の語彙を使って自分を表現することを教えるためのボタンセットを製作している。下の写真のように、犬が前足でボタンを押すと、人間の言葉が出てくるという仕組みだ。

画像クレジット:FluentPet

明らかにFluentPetのボタンは、ソーシャルメディアで人気者となった、ボタンを押して自分の言いたいことを表現する犬、Stella(ステラ)とBunny(バニー)から着想を得たものだ。彼らの一見筋が通った言葉は、我々の予想以上に豊かな知的世界を示唆している。FluentPetのボタンは、あなたの愛犬が同じような才能を持っているかどうかを簡単に調べることができる(正直にいうと、すべての犬は優秀だが、すべての犬が確実に文章を作れるわけではない)。

数種類のセットが用意されているボタンキットには、個別の絵と文字で意味が書かれたさまざまなボタンが含まれており、ボタンを押すと「お外」や「ごはん」、そしてもちろん「大好き」などの言葉が出てくる。これらのボタンは、犬が目で見て簡単に覚えられるように、識別しやすい大きな発泡マット(味がしないことを祈る)に貼り付けて使う。

果たして犬は「大好き」という言葉の意味を本当に理解しているだろうか? おそらくそうではないだろう。好きであることは間違いないだろうが、そのボタンを押すと可愛がってもらえるというように理解しているのかもしれない。同様に「ごはん」のボタンを押すと夕食が早くなる傾向があり「お外」を押すとドアをじっと見ているよりも早く散歩に連れ出してもらえる。飼い主のあなたは、犬と完全な会話を楽しむことはできないかもしれないが、親友が自分自身を表現する方法を変える楽しい手段にはなるだろう。犬は時々、残念な方法で自分の気持ちを表現することがあるからだ。

画像クレジット:alfpoint Images / Getty Images

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(文:Devin Coldewey, Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

子どもを車内に置き去りにした親に警告を出すチャイルドシート用クッション「Tata Pad」

イタリアのスタートアップ企業であるFilo(フィーロ)は、欧州ではTile(タイル)のようなBluetoothトラッキングデバイスでよく知られている。その新製品である「Tata Pad(タタ・パッド)」は、チャイルドシートの上に置くクッションで、あなたがショッピングモールの涼しく爽やかなエアコンの風の中をのんびり歩いているときに、大事な赤ちゃんがクルマの後部座席に縛り付けられたままになっていると通知してくれるというものだ。イタリアではすでに発売されているが、今週ラスベガスで開催されているCESで米国での発売が発表された。

筆者のように親ではない者にとって、このTata Padは一見すると、まったくばかばかしい製品のように思われる。後部座席に自分の子どもがいることを忘れる親なんて、一体どのくらいいるというのだろうか?同社の説明によると、1990年代後半以降、暑くなった車内に置き去りにされた子どもが900人以上(年間平均38人)死亡していることを受けて、米国では車内に置き去りにされた子どもやペットに対して何らかの安全警告を必須とするための法律が制定されようとしているほど、この問題は深刻であるという。置き去りにされた子どもは「1人でも多すぎる」という標語のもと、同社は忘れっぽい親にテクノロジーによる解決策を提案している。

この製品は、基本的にTileのようなデバイスと同様に機能するクッションであり、子どもがクッションの上に座るとデバイスが起動する。そして親が3分以上その場を離れると、Tata Padは大切なものを置き忘れているという通知をスマートフォンに出す。それでもクルマに戻る気にならなかったら、電話をかけてきて「本気になって、子どもを連れてきなさい」と親切に注意を促す。さらにこの電話を無視すると、Tata Padはさらにエスカレートして、緊急連絡先に電話やSMSを発信し、子どもの居場所を知らせ、救助活動を開始できるようにする。

Tata Padは1つにつき最大2台の携帯電話を接続することができ、2個の交換可能なコイン電池で駆動する。電池の持続時間についてメーカーはコメントしていない。Filoでは、最初の4年間はメッセージと電話の発信を無料で提供することを約束しており、その後も延長サービスを購入すれば警告機能を使い続けることができる。

FiloのTata Padは、チャイルドシートに追加するクッションで、クルマから離れる際に大切な子どもを置いてきたことを通知する機能を備えている(画像クレジット:Filo)

Filoは、米国での販売が完全に認証されていることを示唆しており、CESで発表した後にプレオーダーの受付を開始している。CEOのGiorgio Sadolfo(ジョルジオ・サドルフォ)氏によると、同社では現在、米国市場で大きな成功を収めるために、パートナーや販売代理店を探しているとのこと。欧州では60ユーロ(約7850円)で販売されており、米国でも同程度の価格設定となるようだ。

画像クレジット:Filo

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

税込1628円、USB-A端子搭載・マイク付きのM5Stack製IoT開発キット「ATOM U」をスイッチサイエンスが発売開始

税込1628円、USB-Aコネクター搭載・マイク付きのM5Stack新製品「ATOM U」をスイッチサイエンスが発売開始

スイッチサイエンスは1月6日、M5Stack新製品として、USB-Aコネクター搭載・マイク付きIoT開発キット「ATOM U」(M5STACK-K117)の発売開始を発表した(開発元のM5Stackと同日)。同社ウェブショップにおいて、直販価格1628円(税込)で購入できる税込1628円、USB-A端子搭載・マイク付きのM5Stack製IoT開発キット「ATOM U」をスイッチサイエンスが発売開始

ATOM Uは、デュアルコアおよび最大240MHz動作のESP32チップを搭載。USB-Aコネクター、デジタルマイク、赤外線エミッター、RGB LED、Grove互換 PORT.Aコネクターを採用している。USB-Aコネクターを介し電源を供給できるほか、PCに直接挿すことでプログラムの書き込みが行える。ESP32による無線通信機能(Wi-FiとBluetooth)、デジタルマイクSPM1423による音声機能も利用可能。サイズは52×20×10mm、重量は10.6g。

開発環境については、UIFlowプログラミングをサポート。Arduino、MicroPython、ESP32-IDFなどの開発プラットフォームにも完全対応している。

「ATOM U」の仕様

  • ESP32-PICO-D4 240MHz
  • マイク:SPM1423
    ・マイク感度94dB SPL@1kHz 代表値:-22dBFS
    ・マイクS/N比94dB SPL@1kHz、A特性代表値:61.4dB
    ・スタンバイ電流40.4mA
    ・対応入力音声周波数100Hz~10KHz
    ・PDMクロック周波数1.0~3.25MHz対応
  • サイズ:52×20×10mm
  • 重量:10.6g

CES 2022でスマートホームデバイスの接続規格「Matter」に注目が集まっている理由

現在、ラスベガスで開催中の2022年CESテクノロジーショーで各社が新しいスマートホーム機器を発表する中、スマートホームデバイスは他のシステムとシームレスに統合され、安全で信頼できるものであるべきだという共通の信念に基づいて作られたオープンソース接続規格「Matter(マター)」が大きな話題になっている。

Deloitte(デロイト)によると、スマートホームデバイスを導入している家庭の割合は66%に上り、デバイス好きな人はおそらくきっとこの数字の中に含まれていることだろう。また、1つの会社やブランドにこだわらず、少なくとも6つの異なる会社からデバイスを購入されていることだろう。そのため、2022年スマートホームデバイスを発売する企業にとって、Matterのサポートはとても助かるものだ。

このプロトコルは、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)といった大手テック企業やスマートホームデバイスメーカーによって開発されているだけでなく、断片化したスマートホームシステムに関する問題を最終的に解決し、すべてのデバイスを1つの場所から簡単にセットアップしてルーティングできるようにするために設計されている。

Matterは、ローカル・コントローラー・デバイスを介した、すべてのデバイスの通信を可能にするインフラ、パイプライン、言語となる。そのインターネットプロトコルは、デバイス認証のためのIPベースのネットワーク技術の特定のセットを定義し、メーカーがApple SiriやAmazon Alexa、Google Assistantと互換性のあるデバイスを製造できるようにしてくれる。Matterの最初のプロトコルは、Wi-FiとThreadのネットワーク層で動作し、コミッショニングにはBluetooth Low Energyを利用する予定だ。

最初のMatter認定デバイスのテストを組織しているConnectivity Standards Alliance(通信規格標準化団体、旧Zigbee Alliance)は、2022年のCESでブースや会議室、バーチャル会議においてMatterを展示または紹介している企業を20社以上特定した。その中には、NXP、Qualcomm(クアルコム)、Samsung(サムスン)SmartThings、Telink(テリンク)、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)、Universal Electronics(ユニバーサル・エレクトロニクス)が含まれている。

5月にGoogleは、MatterをAndroidとNestに導入すると発表し、米国時間1月5日、数カ月後にAndroidの「Fast Pair」機能を使って、新しいMatter対応スマートホーム機器を数クリックでホームネットワーク、Google Homeや他のアプリにすばやく接続できるようになると発表した。

関連記事:グーグルがFast Pair機能をヘッドフォン以外にも拡大、デバイスと生活で使うさまざまな機器をつなぐプラットフォームに

そして1月5日未明、Amazonは、その「フラストレーションフリーのセットアップ」ドキュメントが現在デバイスメーカーに公開され、インターネット接続がダウンしてもそれらをコントロールできるように、そのデバイスをMatterデバイスの第二管理者として追加するなど、セットアップ体験とAlexa機能の両方について多くの企業と協働していると述べている。

また、同社はシリコンベンダーと協力して、フラストレーションフリーのセットアップをサポートする「Matter System-on-a-Chip」となるものを開発中だという。これらはすべて、ほとんどのEchoデバイスがMatterをサポートし、第4世代のEchoとeeroデバイスがMatter Threadボーダルーターになるという2021年の発表に続くものだ。

その他、Matterに対応する新しいデバイスやサービスを発表した企業を紹介する。

  • Comcast(コムキャスト)は、スマートライト、スマートプラグ、スマートロックなどのIoTおよびホームオートメーションデバイスの中央コネクタとして機能するZigbeeおよびMatter互換の「未来のスマートホームのためのIoT」機能を備えた新しい「xFi Advanced Gateway Router」を発表しながらそれに言及した。
  • コネクテッドホーム製品を製造するEve Systems(イヴ・システムズ)は「Eve MotionBlinds」を制作し、同製品を「Threadに対応した市場初のコネクテッドブラインドとシェードモーター」だとアピールした。
  • ホームセキュリティブランドのArlo Technologies(アーロ・テクノロジーズ)は、セキュリティハブと統合キーパッドに対応した8種類の機能を持つセンサーセット「Arlo Security System」を、よりDIY的なセキュリティ監視ソリューションを求める小規模企業や消費者向けに発表した。また、スマートホームの分野で幅広い互換性を確保する姿勢を固めるため、Matterへのコミットメントも表明した。
  • エッジコンピューティング企業のVeea(ヴィーア)は、Matter、Thread、Wi-Fi 6のサポートを含む「Smart-home-as-a-Service」を発表した。これには「STAX」と呼ばれる家庭用Veea SmartHubメッシュ・ルーターが含まれる。
  • Belkin(ベルキン)がCESで発表した家庭向けのMatter対応製品の中には、AppleのHomeKitと連携する新しい「Wemo」スマートビデオドアベルや、Thread上でMatterと連携するスマートライトスイッチ、スマートディマーがある。
  • Mui Lab(ムイ・ラボ)は、スマートデバイスを「より落ち着いたもの」に変えるMatter対応の「muiPlatform」をデビューさせた。これにはAmazonのAlexaをより視覚的なインターフェースに変えるボードが含まれる。

Connectivity Standards Alliance(CSA)のマーケティング担当副社長であるMichelle Mindala-Freeman(ミシェル・ミンダラ=フリーマン)氏は、米国時間1月4日に発表されたSchlage(シュレージ)の新しいスマートWi-Fiデッドボルトに注目している。

彼女は、2022年はMatterにとって大きな年になるだろうと述べている。CSAとMatterの両方に関わっている企業は数百社あり、50社がすでに134の製品を持ち込んでいると、同氏ははTechCrunchに語っている。

CSAは、2022年の半ばまでに認証、仕様、テストツール、SDKをリリースする予定だ。これにより、企業は新しいハードウェアやイノベーションをより早く市場に投入することができるようになり、より幅広い消費者にリーチすることが可能になる。

ミンダラ=フリーマン氏は「根本的なレベルでは、CSAの仕事は、断片化をなくし、企業が成長し、消費者にとって価値の高い方法でそれを実現するのを支援することです。Matterのような標準規格は、それを実現するものであり、すべての船を上昇させる潮流であると信じています」。と述べている。

画像クレジット:Schlage / Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadbolt

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(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

東北大学が電子のスピンをナノモーターの駆動力として提案、アインシュタインらによる実験で発見された磁気回転効果利用

東北大学が電子の「スピン」をナノモーターの駆動力として提案、アインシュタインが唯一かかわった実験で発見した磁気回転効果利用

東北大学は1月5日、アインシュタインが生涯で唯一かかわった実験で発見された磁気回転効果が、ナノモーターの動作原理に利用できることを量子論によって解明したと発表した。カーボンナノチューブと強磁性電極のハイブリッド構造で、ナノモーターの実現を目指すとしている。

ナノモーター(ナノ回転子)とは、電気モーターのように軸が回転するナノサイズの機構のこと。2層のカーボンナノチューブの外側のナノチューブを軸受けに、内側のナノチューブを軸にして回転させることでナノモーターを作る方法は以前から提案されていたが、その駆動方法については研究が進んでいなかった。そこで東北大学大学院理学研究科の泉田渉助教らによる研究グループは、磁気回転効果に着目した。

磁気回転効果は、20世紀初頭アインシュタインらにより検証・発見されたもので、磁石の磁気量を変えると、その変化量に応じて回転運動が生じるという現象。古典物理学では説明がつかず、後に量子論によって解明され、さらにそこから、電子には「スピン」という角運動量(回転の方向と大きさを表す量)があることがわかった。つまり電子は自転ができるということだ。量子力学的には、磁気回転効果は「電子の持つミクロな角運動量であるスピンと、マクロな物体の回転運動が相互変換される現象」となる。研究グループが提案したのは、2層構造のカーボンナノチューブと強磁性金属の電極を組み合わせ、電流を使ってスピンを回転運動に連続的に変換するという構造だ。

この機構は、ナノスケールの電気機械を回転駆動させるものだが、カーボンナノチューブだけでなく、小さな物体を回転させる技術に広く応用できるという。研究グループには、明治大学理工学部の奥山倫助教、仙台高等専門学校総合工学科の佐藤健太郎准教授、東京大学物性研究所の加藤岳生准教授、中国科学院大学カブリ理論科学研究所の松尾衛准教授が参加している。

クリエイターの多様なガジェットを一度にチャージするPWRboardのユニバーサル充電デバイス

フォトグラファー、ビデオグラファー、オーディオマニアとして、自宅ですべての機器を充電することはしばしば混沌とした悪夢であり、もし機材を旅行に持っていくならば、さらに大変なことになる。プロとして恥ずかしいことだが、筆者も旅先で適切な充電器がなかったり、バッテリーを忘れていたり、ライトが思ったほど充電されていなかったことが、認めたくないほどの頻度である。言うまでもなく、CESでPWRboardが試作品を見せてくれたとき、私はその「あらゆるものを充電できるプラットフォーム」に興奮した。

簡単にいえば、PWRboardはモジュール式のユニバーサル充電デバイスで、カメラ、マイク、付属機器、その他の「まったく、Instagramの動画を撮るためだけに、こんなものまで必要なんだろうか」と思うさまざまな機材を組み合わせても、どんなものでもどんと来い、充電してみせますというものだ。

この製品には、交換機のような役割を果たす「ベース」が付属している。このベースには高効率電源ユニットが搭載されており、各モジュールへの電圧や電力の供給を調整する。各モジュールはクイックリリースファスナーでベースに接続できるので、充電器の組み合わせやバッテリーの種類を問わず、好きなように充電ステーションをセットアップすることができる。

同社は、2022年初頭にクラウドファンディングのキャンペーンを開始し、年内に製品を出荷する予定だが、より正確な時期はまだわかっていない。発売時、PWRboardは30以上のモジュールとともに出荷され、最も人気のある一眼レフカメラやミラーレスカメラ、アクションカメラ、ドローン、周辺機器など150種類以上のデバイスに対応するという。

PWRboardのベースボードは、ボードのサイズに応じて250~350ドル(約2万9000〜4万円)程度でKickstarterを通し販売される。充電器モジュールの価格は、1モジュールあたり15ドル(約1700円)程度を予定しているとのこと。ほとんどのサードパーティ製充電器がこれよりもはるかに安価であることを考えると、利便性のためにかなり高い金額を支払うことになるが、条件がジャストミートするユーザー層にとっては非常に意味のある出費ではないだろうか。

映像制作につきものの数えきれないパワーストリップやケーブルの束なしで、すばやく充電ステーションをセットアップできるという魅力はかなり大きい(画像クレジット:PWRboard)

同社は、ファンやサードパーティの開発者が独自のモジュールを作成できるように、開発キットを備えたオープンソースコミュニティを構築する予定だと話してくれた。

画像クレジット:Pwrboard

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)

スピーカーの新しいフォームファクタを提案するResonado、クルマやボートでも高音質を実現

従来のスピーカーでは、十分に機能するためのスペースが確保できない場所がたくさんある。従来の解決策は、より多くの小さなスピーカーを使用可能なスペースに配置することだった。Resonado Labsはこれとは異なるアプローチの「Flat Core Speaker」技術を発表した。このスピーカーは当初、Airstream(エアストリーム)のキャンピングカーや異なる自動車メーカーの車に搭載される予定だ。

「従来の丸型スピーカーは、過去100年間、業界の標準となっていました。しかし、家電製品の薄型化にともない、オーディオ業界では薄型製品にフィットするように楕円形やレーストラック型のスピーカーを開発してきました」とResonadoのBrian Youngil Cho(ブライアン・ヨンイル・チョー)CEOは同社の存在意義を語る。「しかし新しいスピーカーの形状に合わせて、これらのスピーカーに使用されているモーターが変わることはありませんでした」。

同社が開発したドライバーは、バーマグネットとフラットボイスコイルをフラットなレーストラック振動板に取り付けたもの。よりスムーズな力の配分を実現し、よりスマートなパッケージではるかに優れた音質を提供できるとしている。

今回のCESでは同社は、現代自動車のために制作したデモと、未来のリビングルームのための製品を展示している。その1つである「シネマティック・サウンド・エクスペリエンス」のスリムなサウンドバーは、別途サブウーファーを必要としないとしている。また、高級テレビ向けの超薄型サイドスピーカーアセンブリ、パワフルなスマートスピーカー、イマーシブな空間オーディオを備えた体験型アームチェアなども展示している。

Resonadoは、AirstreamのRV車に組み込まれたスピーカーシステムを披露した。より小さなパッケージで、より高品質なサウンドを約束する(画像クレジット:Resonado)

同社は2021年夏、RVメーカーであるAirstreamとのコラボレーションにより、初の市販製品を発売した。

Airstreamの営業担当副社長であるJustin Humphreys(ジャスティン・ハンフリーズ)氏は、今回のコラボレーションについてこう述べている。「当社は、RV車業界の先駆者として、お客様にとって最も重要なことを最適化するために、車両の細部に至るまで革新の限界を押し広げてきました。Resonado Labsの画期的なオーディオ技術を当社のツーリング車両に導入することで、製品設計に高い価値を置きながら、お客様に可能な限り最高のパフォーマンスを提供するという当社の伝統を引き継ぐことができました」。

画像クレジット:Resonado Labs

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Aya Nakazato)