東北・北海道新幹線「はやぶさ」すべての1号車が「リモートワーク推奨車両」に、平日限定

東北・北海道新幹線「はやぶさ」すべての1号車が「リモートワーク推奨車両」に、平日限定東北・北海道新幹線の「はやぶさ」全列車の1号車が「リモートワーク推奨車両」となり、全区間で『新幹線オフィス』として利用できるようになります。JR東日本とJR北海道が6月14日〜7月16日(土休日除く)に実施します。

これは、”場所や時間にとらわれない多様な働き方や暮らしの実現”に向けてJR東日本が実施している『新幹線オフィス』実証実験の第2弾です。

「リモートワーク推奨車両」内では、座席にてウェブ会議や携帯電話などによる通話が可能。また、仕事に集中できるよう、席は他の客と隣り合わないようになっており、D席とB席は利用できません。座席の指定もできません。

東北・北海道新幹線「はやぶさ」すべての1号車が「リモートワーク推奨車両」に、平日限定

なお、今回の実証実験では、KDDIの協力のもと、au 4G LTE回線を利用できるWi-Fiルータを1人1台貸与するほか、パナソニックが開発した、視界の6割をカットし集中力を高めるノイキャンヘッドフォン「WEAR SPACE」も利用できます。

東北・北海道新幹線「はやぶさ」すべての1号車が「リモートワーク推奨車両」に、平日限定
そのほか、パナソニックの骨伝導ヘッドセットや、エプソンのスマートグラス、ウェブ会議中に会話内容が周囲に漏れないように「情報マスキング音」を流すヤマハのスピーチプライバシーシステム「VPS-2」なども用意します。

これらツールは一部列車で体験可能。ツールが体験できる対象列車は下記の通りです。

東北・北海道新幹線「はやぶさ」すべての1号車が「リモートワーク推奨車両」に、平日限定

(Source: JR東日本Engadget日本版より転載)

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Lordstown Motorsが電動ピックアップトラックの生産見通しを大幅に下方修正、それでもさらに現金が必要か

Lordstown Motors(ローズタウン・モータース)と特別買収目的会社(SPAC)が見たキャッシュリッチの夢は、単なる願望に過ぎなかった……。同社が米国時間5月下旬に発表した第1四半期の業績は、赤字まみれの残念なものだった。

赤字の原因としては、予想を上回る費用の増加、さらなる資金調達の必要性、2021年のEndurance(同社初の車両)の生産台数が想定を下回り、約2200台から1000台に減少したことなどが挙げられる。要するに、同社は巷の予想よりも多くの現金を使ってしまい、Enduranceの量産が予定よりも遅れてしまったのだ。

2020年、SPACとの合併により上場した同社の株価は、合併後の最高値から急激に下落している。同社の株価は、米国時間5月24日に公表された2021年第1四半期報告書を受けて、取引終了後にさらに7%下落した。

関連記事:2020年に再び盛り上がる特別買収目的会社上場、今度はEVメーカーLordstown Motorsが株式公開

Lordstown Motorsは約1年前、社運をかけた全電動ピックアップトラックEnduranceの試作車を披露したが、投資家を盛り上げることはできなかった。

Lordstown Motorsは、CEOのSteve Burns(スティーブ・バーンズ)氏が所有していたWorkhorse Group(ワークホース・グループ)から派生した会社である。1998年に設立されたWorkhorse Groupは、バッテリーや電気輸送技術を扱う小さな上場企業であるが、さまざまな局面で苦しい経営を強いられていた。その分社であるLordstown Motorsは、11月にGMからオハイオ州ローズタウンにある57万6000平方メートルの工場を買収し、2021年後半から年間2万台の電気トラックの製造を開始するとしていた。

生産上の不幸、資本上の懸念

第1四半期の決算は収益ゼロ。1億2500万ドル(約136億円)の純損失を計上して5300万ドル(約58億円)の資本的支出を行ったLordstown Motorsだが、その多額の支出に見合うだけの成果を上げることはできなかった。

同社は報告書の中で、Enduranceの生産を2021年中に開始するが、その生産量は「せいぜい事前予想の50%程度」と述べている。それにもかかわらず、多額の現金を取り崩したことは、投資家にとってはうれしい話ではない。

バーンズ氏は米国時間5月24日に行った投資家との電話会議で「当社の調査によると、当社の自動車に対する需要は非常に旺盛である。しかし、資金の問題で、当社が期待する数の車両を製造できない可能性がある。そのため当社は常に資金需要と戦略的資本を含むさまざまな種類の資金調達を調査している」と話している。

先般のSPACとの合併による資金調達にもかかわらず、Lordstown Motorsの2021年末の流動資産はわずか5000万~7500万ドル(約55億~約82億円)であろうと予測される。2020年末の同社の手元の現金は6億3000万ドル(約688億円)、2021年第1四半期には5億8700万ドル(約640億円)だった。同社は、通常の事業費の現金支出に加えて「2億5000万~2億7500万ドル(約273億~約300億円)の資本的支出」を見込んでいる。

バーンズ氏によると、同社は資産担保型の資金調達について金融機関と協議中とのことだが、どの金融機関かは明かされていない。

「当社には負債がなく、多くの資産があり、多くの部品を購入しています。そのため、資金調達に協力してくれる企業があるのです」とバーンズ氏。Lordstownは、米国の「先端技術を利用した自動車製造に対する融資プログラム(Advanced Technology Vehicles Manufacturing、ATVM)」の対象になることも諦めていない。バーンズ氏が「2010年1月にATVMの融資を受けていなければTesla(テスラ)は存在していなかった」と繰り返す中、同社の経営陣によると、審査機関によるデューデリジェンスが何度か実施されたとのことだが、時期についてはコメントされていない。

SPAC合併後の企業にとって、Lordstownのいまひとつな業績と弱気な取引は、SPACを利用してEVやその他の自動車関連企業を上場させるブームが時期尚早であったかもしれないということを示している。

Lordstownは、2020年9月に時価16億ドル(約1750億円)のSPAC合併を発表し、株価は52週高値で1株31.80ドルまで高騰した(米国時間5月24日時点では8.77ドル)。

バーンズ氏は、ハブモーターの構造や物理的なシンプルさなど、同社が主張する競争優位性を自賛し、それが所有コストの軽減につながると話す。しかし同社は、EVに新規参入したRivian(リビアン)やTesla(Cybertruckを生産開始予定)、さらにはFord(フォード)のような歴史のあるメーカーとの厳しい競争にさらされている。Fordは2021年5月初め、同社の名を冠したF-150トラックモデルの電動モデルを発表したが、価格は4万ドル(約490万円)以下に設定された。

しかしバーンズ氏は、同社が競合他社と同位置にあり、自動車の需要に応じて「飛びかかれる」ようにしておきたいとの思いを繰り返し、Rivian R1TやFord F-150 Lightningには及ばないものの、約400kmの目標航続距離を達成する自信があると話す。

Lordstownは、2021年1月に10万件というマイルストーンを達成したと発表された予約注文について、ざっくりとした最新情報も公開した。バーンズ氏は、そのうち約3万台が「車両購入契約」と呼ばれるものに変更されたと話すが、そのうち何人がどの程度の支払いを行ったかについては言及せず「その契約の多く」が何らかの頭金を含む契約であると述べるにとどまった。

同社は、2台目の電動バンの開発にも着手しており、2021年の夏の終わりには試作車が完成する予定だ。

決算

Lordstownの第1四半期の業績に目を向けると、非常に複雑な製品のテストと生産規模の拡大に苦慮している収益を生み出す前の段階の企業であることがわかる。非常にコストの高い取り組みだ。

同社の計算書は次のとおりである。

画像クレジット:Lordstown

同社の販売管理費が以前よりも増加しているのは、研究開発費が急増していることに比べれば大したものではない。Lordstownの株式を保有している投資家は、早く製造が軌道に乗り、大量生産につながることを期待しているが、これは納得しがたい損益計算書だ。

2021年第1四半期、Lordstownは研究開発費として約9万1000ドル(約1000万円)を支出した。LordstownのCFOであるJulio Rodriguez(フリオ・ロドリゲス)氏は「予想を上回る研究開発費の増加は、サプライチェーンの逼迫(ひっぱく)やコロケーションによる部品コストの上昇が主な要因です。ベータ版のコスト、スピード配送を含む出荷コストの上昇、一時的な外部エンジニアリングへの依存の拡大はこの影響を受けたものです」と話す。

同社幹部は、自動車の予約注文を偽装していると主張する空売り筋のHindenburg Research(ヒンデンブルグ・リサーチ)の告発についても、簡単に言及した。Hindenburgによると「広範な調査の結果、Lordstownの注文はほとんどが架空のもので、資本を調達し、正当性を得るためのまやかしであることが判明した」とのこと。

バーンズ氏は投資家に対し、同社が報告書の疑惑を調査するために特別独立委員会を設立したことを伝えた。この委員会は、同社が協力している米国証券取引委員会による調査とは別のものだという。

なお、このようなLordstownの決算にもかかわらず、TeslaとNikola(ニコラ)の株価には大きな変化はなかった。

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タグ:Lordstown MotorsSPAC決算発表電気自動車

画像クレジット:Lordstown Motors

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(文:Alex Wilhelm、Aria Alamalhodaei、翻訳:Dragonfly)

ゼンリンCVC子会社出資第1号の「レイ・フロンティア」とゼンリンが移動最適化や位置情報ビジネスで提携

レイ・フロンティアゼンリンは6月3日、MaaSビジネス・スマートシティの実現に寄与する人々の移動データの収集、地図情報と連携させた分析を用いた移動の最適化関連事業の強化、迅速な研究開発の実行、地図情報を活用した位置情報ビジネスの強化などを目的とした業務提携契約を締結したと発表した。なお、レイ・フロンティアは、ゼンリンのCVC事業子会社ゼンリンフューチャーパートナーズが運営する「ZFP 第1号投資事業有限責任組合」の出資第1号となっている。

近年、地方創生実現に向け、都市・地方が抱える交通サービスの課題を解決するMaaSの導入が注目されているという。MaaSは、複数の公共交通サービスやそれ以外の移動サービスとの連携により、個別ニーズに対応することが期待されるため、移動データの活用が重要となる。

そこで両社の保有技術をかけあわせることで、MaaS領域における事業強化、スマートシティの実現に寄与すると判断し、業務提携契約を締結したという。

レイ・フロンティアは、数秒単位での位置情報の取得が可能な位置情報収集技術「SilentLog SDK」、AI活用の行動分析プラットフォーム「SilentLog Analytics」を所有。ゼンリンは、自動車用ネットワーク、鉄道路線、駅構内通路、歩行者用ネットワークなど、移動に最適化された地図データベース「Mobility based Network」を保有している。これらの技術を組み合わせ、高精度な位置情報を収集し、分析しやすいデータベースとして管理することにより、さまざまな利用用途に応じたデータ活用が実現するとしている。

  • ゼンリン「Mobility based Network」:自動車用ネットワーク、鉄道路線、駅構内通路、歩行者用ネットワークなど、移動に必要なあらゆるネットワークを組み込み、各ネットワークを交通結節点で接続したMaaSに最適化された基盤データベース。電車からバスへの乗り換え経路の表現や、IoT機器で収集した移動情報の可視化などを実現
  • レイ・フロンティア「SilentLog SDK」:既存モバイルアプリケーションに組み込むことで、低消費バッテリーかつ高密度な位置情報の取得が可能になる位置情報収集エンジン。スマートフォンが搭載している各種センサーデータを活用した独自技術により、バッテリーの消費を1日平均3%にまで抑えながら、数秒単位での位置情報の取得が可能
  • レイ・フロンティア「SilentLog Analytics」:SilentLog SDKを使ったモバイルアプリケーションおよびその他デバイスから収集した行動情報を、リアルタイムかつ匿名で分析する。人々の行動を誘発するためのAIを活用した行動分析プラットフォーム

すでに両社は、2021年度に長崎市において実施する観光型MaaS実証実験に向けたスマートフォンアプリの共同開発に着手済みという。この業務提携契約に基づき、まずは長崎市内の各観光エリア間の移動を喚起するためのストーリー型コンテンツの提供や、公共交通・民間サービスとの連携、「Silentlog SDK」の組み込みによる観光客の移動データの収集を実現するスマートフォン向けアプリケーションの共同開発を行う。

また実証実験を通じ、位置情報と地図データを組み合わせ、観光客の交通機関の利用状況、観光施設や飲食小売店への立ち寄り情報の分析を行う。その分析結果を基に、観光客の特性・行動モデルを生成し、移動予測・行動予測による観光客へのレコメンドサービスを実現し、観光客に寄り添ったサービスづくりを目指す。

両社は、MaaS以外の事業領域でも、近年注目されているロケーションビジネス(広告ビジネス)へのエリアマーケティング情報の提供や、スマートシティ時代に向け官民連携で推進している官民データ連携基盤の構築への位置情報ソリューション提供を通じ、社会課題解決に寄与することを目標としている。

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タグ:ゼンリン(企業)ゼンリンフューチャーパートナーズMaaS(用語)レイ・フロンティア(企業)日本(国・地域)

自律走行技術のAuroraがリード・ホフマン氏の最新SPACとの合併に向けて最終交渉中か

複数の関係者によると、自律走行車技術をてがけるスタートアップ企業のAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、Reinvent Technology Partners Y(リンベント・テクノロジー・パートナーズY)との合併に向けて最終的な合意に近づいているという。同社は、LinkedIn(リンクトイン)の共同創業者で投資家のReid Hoffman(リード・ホフマン)氏や、Zynga(ジンガ)の創業者Mark Pincus(マーク・ピンカス)氏、マネージングパートナーのMichael Thompson(マイケル・トンプソン)氏が起ち上げた最新の特別目的買収会社だ。

その障害となっていた問題の1つは目標とする評価額で、これまで200億ドル(約2兆1900億円)という高い金額が提示されていた。現在の評価額は120億ドル(約1兆3100億円)に近づいており、早ければ来週にも取引が発表される見込みだと、この件について話す権限がないため名前を伏せている複数の情報筋は述べている。

Auroraはコメントを控えており、Reinventもコメントを辞退した。

ホフマン氏、ピンカス氏、トンプソン氏の3人は「スケールの大きなベンチャーキャピタル」というコンセプトに強気の見通しを持っており、これまで3つのSPAC(ブランクチェック・カンパニー)を設立している。そのうち2つのSPACが、非公開企業との合併を発表した。Reinvent Technology Partnersは、2月に電動垂直離着陸機メーカーのJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)との合併を発表し、2021年後半にニューヨーク証券取引所に上場を予定している。Reinvent Technology Partners Zは、住宅保険のスタートアップ企業であるHippo(ヒッポ)と合併した。

Reinvent Technology Partners Yとして知られる彼らの最新のSPACは、8500万株の新規公開株の価格を1株あたり10ドル(約1100円)とし、8億5000万ドル(約931億円)を調達した。このSPACは追加で1270万株を発行し、総売上高は9億7700万ドル(約1070億円)に達した。同社の株はNASDAQ証券取引所に上場されており、ティッカーシンボル「RTPYU」で取引されている。

Auroraはすでにホフマン氏との関係を持っている。2018年2月、AuroraはGreylock Partners(グレイロック・パートナーズ)とIndex Ventures(インデックス・ベンチャーズ)から9000万ドル(約98億6000万円)を調達した。Greylockのパートナーであるホフマン氏とIndex VenturesのMike Volpi(マイク・ヴォルピ)氏は、シリーズAラウンドの一環としてAuroraの取締役となった。Auroraは翌年、シリーズBラウンドで5億3000万ドル(約580億円)以上を調達。このラウンドはSequoia Capital(セコイア・キャピタル)が主導し、Amazon(アマゾン)やT. Rowe Price Associates(T.ロウ・プライス・アソシエイツ)をはじめ、Lightspeed Venture Partners(ライトスピード・ベンチャーズ・パートナーズ)、Geodesic(ジオデシック)、Shell Ventures(シェル・ベンチャーズ)、Reinvent Capital(リンベント・キャピタル)の他、以前からの投資家であるGreylockやIndex Venturesも参加した。

ホフマン氏とReinventのように、1つのSPACにおける双方の会社に関係しているというのは珍しいことだが、前例がないわけではない。例えば、T.J. Rodgers(T.J.ロジャース)が設立した特別買収目的会社は、同氏が2012年から取締役を務め、筆頭株主でもあるバッテリー技術会社のEnovix(エノビックス)との合併を2月に発表したことを、当時Bloomberg(ブルームバーグ)が報じている。今回の場合、ホフマン氏はAuroraの取締役ではあるが筆頭株主ではない。

2017年にSterling Anderson(スターリング・アンダーソン)氏、Drew Bagnell(ドリュー・バグネル)氏、Chris Urmson(クリス・アームソン)氏の3人によって設立されたAuroraは、野心的な1年を過ごしている。12月にはUber(ウーバー)の自動運転部門(Uber ATG)を買収することで同意し、合併後の企業価値が100億ドル(約1兆956億円)に達する複雑な契約を行った。

Uber ATGは、Toyota(トヨタ)やDENSO(デンソー)、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファン)から2019年に10億ドル(約1096億円)の投資を受けて72億5000万ドル(約7940億円)の評価額となったが、同社を買収するのにAuroraは現金を支払わなかった。代わりにUberがATGの持分を引き渡し、Auroraに4億ドルを投資した。この取引により、Uberは合併後の会社の26%の株式を取得した。ちなみに、米国証券取引委員会へ提出された書類によると、UberはUber ATGの86.2%(完全希薄化ベース)の株式を保有していた。Uber ATGの投資家は、全部で13.8%の株式を保有することになった。

買収から数カ月間でAuroraはUber ATGの従業員を統合し、現在は約1600人の従業員を抱えている。さらに最近、AuroraはVolvo(ボルボ)と北米向けに自律走行セミトラックを共同開発することで合意したと発表。ボルボの自律走行技術部門であるVolvo Autonomous Solutions(ボルボ・オートノマス・ソリューションズ)を通して数年間の継続が期待されるこのパートナーシップは、ボルボの顧客のために、ハブ間の高速道路で自律的に運行するトラックの開発と配備に焦点を当てている。

Auroraは規制当局に提出した書類の中で、2021年3月の新規株式公開で5490万ドル(約60億円)分の株を売却したことを明らかにした。

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画像クレジット:Aurora

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GMの自動運転車子会社Cruiseがカリフォルニア州で無人運転車に客を乗せることが可能に

GMの自動運転車子会社で、ソフトバンク・ビジョン・ファンド、マイクロソフト、ホンダも出資しているCruise(クルーズ)は、ハンドルを握る人間の安全管理者がいないテスト車両で乗客を運ぶ許可を取得した。

この許可証は、CPUC(カリフォルニア州公益事業委員会)がドライバーレス・パイロット・プログラムの一環として発行したもので、自動運転車メーカーが商業的な運用を開始する前に満たさなければならない規制要件の1つだ。この許可証は重要だ。Cruiseは許可証を取得した最初の会社となった。しかし、この許可証に基づくテスト用の自動運転車では乗客に料金を請求することはできない。

「カリフォルニア州で乗客向けの商用サービスを開始するためには、カリフォルニア州DMV(車両管理局)とCPUCの両方から商業許可証を発行してもらう必要があります。私たちは本日、カリフォルニア州PUCから、乗客の輸送をテストするためのドライバーレス自動運転サービス許可証を最初に受け取ったことを光栄に思います」と、Cruiseの政府担当ディレクターであるPrashanthi Raman(プラシャンティ・ラマン)氏は、TechCrunchに対してメールでの声明で述べた。

自動運転車のテストと最終的な運用開始を決定する規制機関は、CPUCとカリフォルニア州DMVの2つ。カリフォルニア州DMVは、安全運転者の有無にかかわらず、自動運転車のテストを監督する。約55社が安全運転者付きの自動運転車のテスト許可を取得した。人間が運転しないドライバーレス・テスト許可証は、カリフォルニア州で商用のロボットタクシーや配送サービスを開始しようとする企業にとって新たなマイルストーンとなり、必要なステップとなっている。AutoX、Baidu、Cruise、Nuro、Pony.ai、Waymo、WeRide、Zooxは、DMVからドライバーレス許可証を取得した。

DMVでの最後のステップは、Nuroだけが達成した運用開始許可だ。この許可により、Nuroは商業規模での運用が可能になる。Nuroの車両は乗客を乗せず、貨物だけを積載できるため、CPUCの許可プロセスを回避できる。

CPUCでは「Drivered」と「Driverless」という許可証があり、いずれも企業に自動運転車へ客を乗せることを許可する。Aurora、AutoX、Cruise、Deeproute.ai、Pony、Voyage(Cruiseに買収された)、Waymo、Zooxなどが「drivered」の許可を得た。Cruiseはドライバーレスの許可証を最初につかんだ企業だ。

将来的に、ロボットタクシーでシャトルバスを運行し、乗客に乗車料金を請求したいと考える企業は、DMVとCPUCからこれらの許可をすべて取得しなければならない。

「CPUCの自動運転車乗客サービスパイロットプログラムにおける最初の無人運転許可証が発行されたことは重要なマイルストーンです。自動運転車は、個人のモビリティニーズを解決し、道路の安全性を向上させ、州内の商品を持続的かつ効率的に移動させることで、交通システムやコミュニティを変革する可能性を秘めています」と、Genevieve Shiroma(ジュヌビーブ・シロマ)コミッショナーは声明で述べた。「自動運転車の効果的な運用開始は、車両の製造、メンテナンス、サービスのビジネスモデルを変革し、カリフォルニア州の労働力に新たな雇用と産業を創出することにもつながります」。

CPUCは2020年、長い規制上の手続きをパスすれば、許可された企業が自動運転車によるライドシェアサービスを提供し料金を請求できる2つの新しいプログラムを承認した。この決定は、自動運転車業界がCPUCに対し何カ月にもわたって働きかけた結果だ。業界は、無人運転車による料金徴収とライドシェアの提供を可能にする規則変更を検討するよう働きかけてきた。

CPUCによると、Cruiseは最終的にパイロット版に参加する他の企業とともに、ドライバーレス自動運転車乗客サービスを提供する車両の運行状況について、四半期ごとに報告書を提出しなければならない。また、ドライバーレス運行における乗客の安全を守るための計画をまとめた乗客安全計画を提出しなければならない。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

マスク氏がTesla Model S Plaid+発売に対し正式にブレーキ

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社Model S Plaid+の生産計画を正式に中止した。Model S Plaid+は、2021年6月最初の顧客に提供される電気自動車の次期Plaidバージョンのスーパーチャージモデルだ。

マスク氏は、Plaidが非常に優れているため別のバリエーションは必要ないことをその理由を挙げている。

「Model Sは今週、Plaidのスピードに合わせました。Plaid+はキャンセルされます。必要ありません。Plaidのスピードはとても良いものだから」ととマスク氏は米国時間6月6日にツイートしている。

Tesla Model S Plaidのパワートレインは、0から60mphまで1.99秒で到達し、最高速度は時速200マイル(約322km)、推定航続距離は390マイル(約628km)であると同社のウェブサイトに掲載されている。パワートレインは1020馬力を発揮し、価格は11万2990ドル(日本では1499万9000円)からとなっている。2021年5月下旬、マスク氏は、最後の調整を終えるために、このEVセダンの納車イベントを6月10日まで延期するとツイートしましている。マスク氏は、3つのモーターを搭載したPlaidを運転は、宇宙船のような感覚だと表現した。

中止されているPlaid+は、2022年半ばまで発売されず、マスク氏はその性能と航続距離をさらに向上させると約束していた。価格も15万ドル(日本では1799万9000円)に跳ね上がっており、Teslaはウェブサイトでの予約受付を停止していたためPlaid+は発売されないのではないかという報道や憶測も流れていた。6月6日のマスク氏のツイートは、その説を裏づけるものとなった。

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【コラム】完全自律運転車の航続距離を伸ばす鍵は「光」だ

編集部注:本稿の著者Nick Harris(ニック・ハリス)氏は、科学者でエンジニア、そしてフォトニックプロセッサーを製造するLightmatterの創業者兼CEO。

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先進運転支援システム(ADAS)は計り知れない可能性を秘めたテクノロジーだ。ニュースの見出しを見ていると、自律運転車の将来は暗いのではないかと時折思うことがある。自律運転車に関する事故、規制、企業の過大な評価額が過大評価されているという意見るためだ。これらはどれもそれなりの根拠に基づく報道なのだが、自律運転車の世界が持つ驚くべき可能性を見えにくくしている。

自律運転車のメリットの1つが環境負荷の軽減であることは一般的に認められている。なぜなら、自律運転車のほとんどは電気自動車でもあるからだ。

業界アナリストによるレポートでは、2023年までに730万台(市場全体の7%)が自律運転機能を搭載するため、15億ドル(約1649億円)相当の自律運転専用プロセッサーが必要になると試算されている。さらに、2030年までに自動車販売台数の50%が米国家道路交通安全局(NHTSA)によって定義されたSAEレベル3またはそれ以上の自律運転機能を備えるようになった場合、必要とされる自律運転専用プロセッサーは140億ドル(約1兆5390億円)相当まで増加する見通しだという。

自律運転電気自動車(AEV)が消費者を満足させる航続距離、安全性、パフォーマンスを提供して期待に完全に応えるには、コンピューティングとバッテリーに関するテクノロジーを根本から革新することが必要かもしれない。

光チップの方が高速でエネルギー効率も高いため、SAEレベル3に達するのに必要なプロセッサーの数は少なくなる。しかし、光チップによるコンピューティング性能の向上がSAEレベル5の完全自律運転車の開発と実用化を加速させるだろう。そうなれば、2030年までに自律運転用の光チップの市場規模は、現在予測されている140億ドル(約1兆5390億円)をはるかに上回る可能性がある。

AEVは非常に幅広い用途で使用できる可能性がある。例えば、大都市でのタクシーサービスやその他のサービス、高速道路専用のクリーンな輸送車両などだ。このテクノロジーが、環境にすばやく大きな影響を及ぼし得ることを、我々は目にし始めている。実際に、このテクノロジーは今、人口密度も汚染度も非常に高い一部の都市で大気汚染の軽減に寄与している。

問題は、AEVが現在、サステナビリティ面での課題に直面しているということだ。

AEVが効率よく安全に走行するには、気が遠くなるような数のセンサーを駆使する必要がある。カメラ、LiDAR、超音波センサーなどはその一部にすぎない。それらのセンサーが連携して作動し、データを集めて、リアルタイムで検知、反応、予測することにより、いわば自動車の「目」になるのだ。

効果的かつ安全な自律運転に必要なセンサーの具体的な数についてはさまざまな意見があるが「自律運転車は膨大な量のデータを生成する」ということに異議を唱える者はいない。

それらのセンサーによって生成されたデータに対して反応するには、それがたとえシンプルな反応だとしても、多大なコンピューティング能力が必要とされるし、いうまでもなくセンサー本体を動かすためにもバッテリー電力が必要だ。さらに、データの処理と分析には、カーボンフットフリントがけた外れに大きいことで知られる深層学習アルゴリズムが使われる。

AEVがエネルギー効率の面でも経済的な面でも実現可能な代替輸送手段となるには、ガソリン車と同レベルの航続距離を実現する必要がある。しかし、AEVが走行中に使用するセンサーやアルゴリズムの数が増えれば増えるほど、バッテリーの持続時間、つまり航続距離は短くなる。

米エネルギー省によると、現在、電気自動車が充電なしで走れるのは300マイル(約483キロメートル)がやっとだ。一方、燃焼機関を搭載した従来型の自動車は、燃料タンクを1度満タンにすれば412マイル(約663キロメートル)走行できる。このうえ自律運転をするとなれば、航続距離の差はさらに広がり、バッテリーの劣化が加速する可能性もある。

Nature Energy(ネイチャー・エナジー)誌に最近掲載された論文によると、AEVの航続距離は都市部の走行時で10~15%短くなるという。

2019年にTeslaが開催したイベント「Tesla Autonomy Day」では、都市部の走行中にテスラの運転支援システムが作動すると航続距離が最大で25%短くなることが明らかになった。つまり、電気自動車の一般的な航続距離が300マイル(約483キロメートル)ではなく225マイル(約362キロメートル)になるということだ。これでは消費者が魅力を感じる航続距離に達しない。

第一原理解析を行うともっと詳しく理解できる。NVIDIA(エヌビディア)のロボタクシー向けAIコンピューティングソリューションであるDRIVEの消費電力量は800ワット、テスラのModel 3のエネルギー消費率は100キロメートルあたり11.9キロワットである。大抵の都市部で制限速度とされる時速50キロメートルで走行した場合、Model 3が消費するエネルギーは約6キロワットだ。つまり、AIコンピューティングだけで、自動車の走行に使われる総バッテリー電力の約13%を消費していることになる。

この例は、AEVに搭載されるコンピューティングエンジンを動かすには多大のエネルギーが必要であり、そのことが、バッテリー持続時間、航続距離、消費者に受け入れられるかどうか、という点を左右する非常に大きな問題になっていることを示している。

この問題は、現在の先進AIアルゴリズムに使われる電力大量消費型の現世代コンピューターチップを冷却するためにも電力が必要であるという事実によってさらに複雑化する。大量のAIワークロードを処理すると、半導体チップアーキテクチャは大量の熱を発生させるからだ。

このようなチップでAIワークロードを処理すると熱が発生し、その熱によってチップの温度が上がると、チップのパフォーマンスが下がる。そうすると、その熱を冷やすためにヒートシンク、ファン、その他の冷却機能が作動する頻度が増えて、そこでエネルギーが浪費され、バッテリー残量は減り、結果的に電気自動車の航続距離は短くなる。自律運転車の業界は進化を続けているが、AIコンピューティング用のチップが発する熱に関するこの問題を解決する新たなソリューションが緊急に必要とされている。

チップのアーキテクチャに関する問題

何十年もの間、我々はムーアの法則と、そこまで有名ではないスケーリング則であるデナード則を頼りに、フットプリント(専有面積)あたりのコンピューティング能力を毎年向上させてきた。現在、電子コンピューターのワットあたりの性能を大幅に向上させることはもう無理だということは広く知られており、世界中のデータセンターがオーバーヒートしている。

コンピューティング性能をもっとも大幅に向上させるには、チップのアーキテクチャから見直す必要がある。具体的には、特定のアプリケーションに特化してチップをカスタマイズする必要がある。しかし、アーキテクチャ面でのブレイクスルーは1回限りの手品のようなもので、コンピューティングの歴史においてブレイクスルーがいつ達成されるのかを予測するのはまったく不可能だ。

現在、AIアルゴリズムのトレーニングと、その結果として作られるモデルに基づく推論に必要とされるコンピューティング能力は、ムーアの法則下における増加率の5倍という指数関数的な速度で増加している。その結果、大きな経済的メリットがもたらされる程度までAEVを普及させるために必要なコンピューティング能力と、現在のコンピューティング能力との間に、巨大な差が生まれている。

AEVは、バッテリー航続距離と自律運転に必要なリアルタイムのコンピューティング能力とを両立させる点で苦戦を強いられている。

AEVのサステナビリティを向上させる「光コンピューティング」

AEVが消費者を満足させる航続距離、安全性、パフォーマンスを提供して期待に完全に応えるには、コンピューティングとバッテリーに関するテクノロジーを根本から革新することが必要かもしれない。量子コンピューターが近い将来に、あるいは中期的にでも、AEVが抱えるこの難題の解決策になるとは考えにくい。しかし、今すぐブレイクスルーを達成できる、もっと現実的な別の解決策がある。それは、光コンピューティングだ。

光コンピューティングでは、電気信号の代わりにレーザー光を使ってデータの計算と伝送を行う。その結果、電力消費量は劇的に減り、クロック速度やレイテンシーなどの重要な処理能力パラメータは向上する。

さらに、光コンピューティングでは、多数のセンサーからのインプットを同時に1つのプロセッサーコアで処理して推論タスクを実行できる(各インプットには一意の色によって記号化されている)。一方、従来のプロセッサーは一度に1つのタスクしか処理できない。

ハイブリッド型の光半導体が従来の半導体アーキテクチャと比べて優れている点は、光そのものが持つ特異な性質にある。各データインプットは異なる波長、つまり「色」でコード化され、同じ神経回路網モデルを通る。つまり光プロセッサーは電子プロセッサーに比べてスループットが高いだけでなく、エネルギー効率も大幅に良いということだ。

光コンピューティングは、極めて高いスループットを低いレイテンシーと比較的少ない電力消費量で実現することが求められる応用分野で力を発揮する。例えば、クラウドコンピューティングだ。将来的には自律運転で応用できる可能性もある。自律運転では、膨大な量のデータをリアルタイムで処理することが求められるからだ。

光コンピューティングは現在、商用化の一歩手前まで来ており、自律運転に関する今後の見通しをさらに有望なものに変え、同時にカーボンフットプリントを減らす可能性を秘めている。自律運転車のメリットがますます注目を集めており、消費者が間もなく自律運転車を求めるようになるのは明らかだ。

そのため、自律運転によって変容する業界や路上における安全性について検討するだけでなく、自律運転が環境面でサステナビリティを確実に実現できるように取り組む必要がある。つまり、今こそAEVに「光を当てる」べきだ。

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(文:Nick Harris、翻訳:Dragonfly)

急速充電が可能なKiaの電動クロスオーバーEV6が2022年初頭に米国に登場

Kia(起亜自動車)は米国時間5月18日の夜、内燃機関から電気自動車への構造的変化を目指す「プランS」戦略の一環として、全電動クロスオーバーのKia EV6を2022年初頭に米国で発売するとニューヨークで行われたライブストリーミングイベントで発表した。

EV6は現代自動車グループのHyundai(現代、ヒュンダイ)およびGenesis(ジェネシス)と共通のプラットフォームである新Electric-Global Modular Platoform(エレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム、E-GMP)で構築された初のバッテリー電気自動車だ。E-GMPは新型コンパクトクロスオーバーHyundai Ioniq 5の基礎となったものである。EV6はKiaが2026年までに全世界で発売する予定の11種の電気自動車のうちの1つとなる。

同社によると、新型バッテリー電気自動車名の先頭にはすべて「EV」という称号が付き、それに続いてラインナップの中でのポジションを示す数字が付けられるという。つまりEV6は今後のラインナップの中でも中間あたりに位置することになる。

2021年初めのグローバルデビューの際にも詳細が多く発表されたが、今回さらに公開された情報によると、6月3日から1500台の初代EV6の予約が開始するという。なお、各種機能の価格は明らかにされていない。

関連記事:KiaのEV計画の輪郭がEV6の予告画像と新しい命名戦略から見えてきた

EV6 First Editionはベースモデルと同様に、ARヘッドアップディスプレイ、リモートスマートパーキングアシスト機能、14スピーカーのMeridian(メリディアン)製オーディオシステム、SiriusXMの2年間利用権など多くの技術的な付加価値を備えている。また、ワイドサンルーフ、20インチホイール、デュアルモーターAWD、77.4kWhのバッテリーなど、メカニカル面でもエクステリア面でも特筆すべきアップグレードが施されている。

2022 EV6(画像クレジット:Kia)

基本概要

広々としたスポーツカーのような外観と性能を目指してデザインされたこの4ドアクロスオーバーのEV6は、フロントエンドが低くルーフラインに向かって上がるクーペのような外形となっている。LEDヘッドライトにはセグメントパターンが採用され、また内燃機関車に見られる従来のグリルはなくなっている。

EV6のホイールベースはKia Tellurideと同じ114.2インチのためサイズ感は想像しやすいのではないだろうか。

EV6には58kWhと77.4kWhの2種類のニッケルコバルトマンガンバッテリーが搭載されており、77.4kWhのバッテリーで300マイル(約483km)の航続距離を目標としている。後輪駆動とAWDの2種を備え、電気モーターとバッテリーの構成により167~313馬力を発揮。EV6 GTはより大きなバッテリーと強力な前後の電気モーターを搭載したAWDモデルで、567馬力を発揮する。GTモデルは2022年後半まで発売されないが、0から60マイル(約97km)加速は3.5秒以内だという。

さらに重要なのは400ボルトと800ボルトのDC充電に対応していることだろう。Kiaは350kWの充電器からの800V DC急速充電により、18分以内に最大210マイル(約338km)の走行距離を追加できると説明している。

同社はあらゆる充電機能を搭載。EV6には11kWのレベル2充電器が搭載されており、約7時間でバッテリーを充電することが可能だ。また、EV6には「ビークル・トゥ・ロード機能」と呼ばれる機能が搭載されており、これはEV6が家電製品やパソコンなどのデバイスやツールの電源になり得ることを表現した言葉である。これはバッテリーから充電コントロールユニットに電気を取り込むことにより、1900Wの電力を供給する仕組みだ。

2列目のシートベース前部のソケットにある100Vコンセントを介してこの電源に接続することができ、バッテリーがフル充電されている場合36時間以上連続して電力を得ることができると同社はいう。また、110V充電器と同等の1.1kWというペースではあるものの、車から車への充電にも使用可能だ。

2022 EV6(画像クレジット:Kia)

その他にも運転支援、安全性機能、車載テクノロジーなど数多くの機能が搭載されている。車内にはカーブを描いた2つの12インチスクリーンディスプレイを備え、インストルメントクラスターとインフォテインメントセンターを完備。また、最近では定番となっているBluetooth機能やスマートフォンのワイヤレス充電機能も備えている。

追加料金を支払えばWi-Fiホットスポットのほか、地図やインフォテインメントシステムのソフトウェアをワイヤレスで更新する機能を追加することも可能だ。Kia Payと呼ばれる車載用コマース機能、盗難時のリカバリートラッカー、AppleやAndroidのスマートウォッチを利用してバッテリー状態や車両に関する通知、車両制御を表示するスマートウォッチアクセシビリティ、天気やルート案内などのコネクテッドカー機能なども備えている。

さらにスマートスピーカーと連携させることで、Amazon AlexaやGoogle Assistantを使ってリモートスタートなどの車両機能を遠隔操作することもできる。

車外に設置された4つのカメラが360度の視界を確保。駐車時に障害物を検知する他、ドライバーや同乗者がドアを開ける際に、何かが接近すると検知した場合に警告を発して退出させないようにする安全機能も搭載している。

また、前走車との距離を一定に保ち、車線内の中央を運転するようにする機能など、21種類の高度な運転支援システムを標準装備している。Kiaによると、同機能の新バージョンでは車線変更をサポートして車線内での車体の側方位置を調整することもできるようになるという。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Dragonfly)

自動運転開発のAuroraが外部専門家による安全評価の諮問委員会を設置

2020年にUber ATGを買収した自動運転車両開発のAurora(オーロラ)が外部専門家のチームを作り、自己評価安全報告書の運用についての新たな詳細を公開した。そしていつか道路を共有したり、実際に使ったりする自動運転テクノロジーを警戒している消費者の信頼を獲得するための幅広い取り組みの一環としてウェブサイトを立ち上げた。

Auroraは米国時間6月3日、安全への全体的なアプローチに外部の視点を取り込み、進展並びに記録を当局や社会と共有する最善の方法に関する体制とアドバイスのギャップを探すべく、航空安全、保険、そして医療と自動車の安全の専門家(全員ニッチなAV産業外の出身だ)の協力を仰ぐことを明らかにした。こうした専門家による諮問委員会は、路上テストや開発などを含むAuroraの既存の安全に関する取り組みを増強するためのものだ。

「『我々が作れば、彼らは使うにようになる。iPhoneを見ればわかる』といった『Field of Dreams』的な分析をしていたと思います」とAuroraの安全責任者、Nat Beuse(ナット・ビユーズ)氏は最近のTechCrunchとのインタビューで語った。「我々は常にこうした他のコンシューマー向け製品と比較しています。それが実際に米国のあらゆるコミュニティにおける消費者のマインドをつかむものなのか、確かではありません」。

以前Uber ATGで安全チームを率い、その前には米運輸省で自動運転車両開発を監督していたビユーズ氏は、人々を運ぶロボタクシーであれ貨物を運搬するトラックであれ、最終目的はドライバーレスの車両が広く受け入れられることだと述べた。それはテクノロジーが安全だということを測定して社会に示すことができなければ達成し得ない、と語った。

「たとえごく少数でも自動運転車両に接する人が懸念を抱えれば、このテクノロジーの恩恵、広範な使用、有益な方法で我々の暮らしにもたらしえる抜本的な変化や影響を目にすることはないでしょう」と話した。「(社会の信頼を獲得するために)我々はさらに取り組まなければなりません。そうした信頼の獲得は政府とともに行うべきです」と付け加えた。

「『産業界が作っているのだから、自分たちで問題を解決しろ』というのが今までの考え方だったと思います。しかしこれはパートナーシップだと真に思います。もちろん、我々がテクノロジーを作っていて、大きな責任を負います。しかし政府もまた、我々が一般の人を参加させるようにするのを手伝うという非常に大きな役割を担っています」。

安全諮問委員会のメンバーには Intelligent Transportation Society of Americaの会長兼CEOのShailen Bhatt(シャイレン・バット)氏、Boeingで運航安全性を担当した元チーフパイロットDave Carbaugh(デイブ・カーボー)氏、Edge Case Researchの主席エンジニアでイノベーション戦略家のVictoria Chibuogu Nneji(ビクトリア・チブグ・ネジ)氏が含まれる。他のメンバーには、Biologueの会長で米運輸省道路交通安全局の元行政官であるJeff Runge(ジェフ・ルンゲ)氏、HITCH42の業務執行社員で米国道路安全保険協会の元会長のAdrian Lund(アドリアン・ルンド)氏、GHS Aviation GroupのCEO、George Snyder(ジョージ・スナイダー)氏がいる。

すでに会合を持った委員会は「テックに熱中していない」人で構成されている、とビユーズ氏は話した。

Auroraや業界他社にとって最も大事なことは、ドライバーレス車両に関して「どれくらい安全であれば十分に安全なのか」という漠然とした問題に答えることだ。これまで浸透して批判されるようになったメトリックは車両の走行距離と「ディスエンゲージメント」あたりの走行距離を比較するものだ。ディスエンゲージメントというのは、人間の安全オペレーターがコンピューターで動く車両を操作することを意味する業界用語だ。

「それは真のメトリックではない、とかなり自信を持って言えます。というのも、駐車場で運転してもインターラクションを生み出すことができ、それは街中を走行するのとはかなり異なるものだからです。高速道路を走行するのともだいぶ違います」とビユーズ氏は説明した。

Auroraは自動運転技術の業界団体Automated Vehicle Safety Consortium(AVSC)に加盟している。他にDaimler、Ford、GM、ホンダ、Lyft、Motional、SAE、トヨタも名を連ねているAVSCはより良いメトリクスの検討に取り組んでいる。新たに設置されたAuroraの安全諮問委員会はAVSCのプロジェクトとは直接協業していないが、取り組みを支えるかもしれない一般的なガイダンスを提供している。

こうした新たなメトリクスを認証するにはまだすべきことがたくさんあるが、Auroraの安全諮問委員会はかなり有望だと考えているものをいくつか持っている、とビユーズ氏は話した。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

ドライバーレスタクシーサービスWaymoがGoogleマップで予約可能に

フェニックスの郊外で自動運転車を使って営業しているライドシェアサービスWaymo Oneを、Googleマップでアクセスしたり予約したりできるようになった。

米国時間6月3日に行われたWaymoの発表によると、最初はAndroidユーザーのみだが、完全な自動運転車のライドシェア機能をマップアプリから使えるのはこれが初めてだ。この共同事業は、2つのAlphabet傘下企業を一緒にするだけでなく、大衆的知名度や親しみやすさを上げたいという、Waymoの意欲の表れでもある。

Waymoは米国でおよそ600台を保有しているが、そのうち300から400はフェニックスにある。ただし、そのすべてがWaymo Oneの運転手不在の自動運転車として使われているわけではない。Waymo Oneのサービスは運転者のいない完全な自動運転車だけを使い、運転席に安全管理者はいない。またGoogleマップに出現したら、それが確実に完全自動運転車であることを意味している。フェニックス地域ではテストのために走っている車両もあるが、Waymo Oneのサービスで使われている自動運転車の正確な台数をWaymoは明らかにしていない。

Waymo Oneが@Googleマップにいるよ。フェニックス都市圏にいてライドシェアオプションをタップしたら#WaymoDriverが動かしている完全自動運転車を呼べるんだ。

ただしプロセスでは、少々アプリを使い分ける必要がある。Googleマップでは、Waymo Oneの車両に直接アクセスして、予約や支払いをする方法がないため、Waymoアプリに移動して予約を完了しなければならない。ユーザーはまず、Android端末からWaymoのフェニックス都市圏(チャンドラーやメサ、テンピの一部を含む)にある場所への行き方や帰り方の入力が必要だ。またユーザーは、ライドシェアまたはトランジットのタブをタップすると、Waymoでの料金と到着時刻の予想が出る。

既存のWaymo One利用者はWaymoアプリに誘導されて乗車予約ができるが、新規利用者はPlayStoreに誘導されアプリをダウンロードすることになる。

関連記事:運転手のいないWaymoの自動運転配車サービスを利用して感じたこと

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

電気自動車のサウンドデザインをAIを駆使して行うPentagramのスズキユウリ氏

電気自動車が0~60マイル(0〜96 km)まで加速した時、方向指示器を出した時、夜間にパワーを下げた時、どんな音がするだろうか?EVモーターの部品は少なく、そのため驚くほど静かなので、音でスピードを認識するドライバーや、近づいてくるクルマの音を聞くことのできない歩行者に、安全性の懸念をもたらしている。

2019年、欧州および米国の規制当局はEVの警告音義務化を開始したが、音の選択は自動車メーカーに任された。多くのメーカーが新たな規制をブランド付きサウンドを生み出すチャンスと捉えたが、有名ミュージシャンに電動エンジンのノイズを作曲させるマーケティング騒動も引き起こした。Hans Zimmer(ハンス・ジマー)氏はブレードランナー風のサウンドコンセプトをBMWの電動セダン、i4のために創作し、なぜかLinkin Park(リンキン・パーク)もBMWのEVサウンドを作っている。

関連記事:BMWの次世代電動コンセプトカーには特製のサウンドトラックがついている

デザインコンサルタント会社、Pentagram(ペンタグラム)のパートナーでサウンドデザイナーのYuri Suzuki(スズキ・ユウリ)氏は、電気自動車のサウンドがユーザーの安全、楽しさ、コミュニケーション、およびブランド認知に果たす重要な役割に関する研究プロジェクトを実施し、その中でさまざまなカーサウンドを開発した。スズキ氏は、自動車メーカーの中には美しくて興味を引くカーサウンドデザインを選ぶところもあるが、セレブの影響力に頼ることは、重大な機械に関わるサウンドをデザインするのに適した方法ではないと語った。

「デザインは人間への心理的影響に基づいて慎重に行うことが重要です」とスズキ氏は語る。「何よりも大切なのは人間と機械そのものとの関係です」。

優れたデザインは、人間と車に共通言語を与えることで両者の違いを緩和することができる、とスズキ氏はいう。自身が指揮をとった調査プロジェクトでスズキ氏は、2種類のスキューモーフィックな電動エンジン・サウンドと、運転している時間帯と場所を反映した適応サウンドを開発した。

彼のエンジン音はガソリンエンジンの回転を彷彿させ、スピードの増加と減少を認識できる特徴をドライバーにも歩行者にも与える。サウンドはさまざまな音程で使用され、宇宙船が飛び立つような低いものやホバークラフトが垂直上昇するような少し高いものもある。Audi(アウディ)、Ford(フォード)、Jaguar(ジャガー)、Land Rover(ランドローバー)の各社も、ガソリンエンジンの未来的模倣音を一部の新しい電気自動車に採用している。

スズキ氏のサウンドデザインには車内音、たとえば始動、方向指示器、クラクションなどもあり、AIを使って時間帯に適応させている。午前中は、高い音程と快活なエネルギーをサウンドに与え、時間とともに低い音程へと徐々に変化していく。

サウンドのカスタマイズを進めるするために、スズキ氏は機械学習を使って個人のカレンダーに統合することで、ユーザーが職場に向かっているのか、用事を足しに行くのか、ドライブを楽しんでいるのかに、サウンドを行動に適応させた。ドライバーが目的地に着いた時はいつでも、ビデオゲーム風のサウンドが鳴る

多くの自動車メーカーが、クルマの出す音をドライバーが選べるようにしているが、スズキ氏はそれを最善策ではないと考える。なぜなら人は自分にとって最もクールなサウンドを選びがちで、それが必ずしも有用なものとは限らないからだ。さらには、みんなが独自のサウンドを選べば、街中に耳障りな騒音が鳴り響くことになる。みんなが携帯電話で独自の着信音を選ぶようになった時と似ているが、もっと心配になるスケールだ。

「利用者の生活・行動パターンに合わせて徐々に変化していくプリセットサウンドをお薦めします」と彼は言った。「私たちのAIは、ドライバーの行動に合わせてゆっくりとサウンドを調節することができます」。

スズキ氏のAI利用カーサウンドは、繰り返しにならないように作られている。このため、長時間のドライブで同じ音がずっと聞こえることはない。スズキ氏のサウンドには、オーダーメイドのサウンドをリアルタイムで生成する機能があり、これは人間にはほぼ不可能だ。常時変化し続けるこのサウンドは、元のエンジン音と同じデータを使用しているが、繰り返すことなく何時間も続けることができる。

Pentagramは、スズキ氏のサウンドの商用アプリケーションをまだ作成していない。それは会社が研究成果をEVおよびサウンドデザイン業界と共有し、理想的な提携自動車メーカーを見つけてプロジェクトをさらに進めることに、より関心があるからだ。

「厳格なサウンドガイドラインが存在しないので、それを作ることにも興味があります」とスズキ氏は言った。「私たちにとっての第一歩は、AIとサウンドデザインで何ができるのかをみんなと共有することです」。

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タグ:電気自動車Pentagramサウンドデザイン

画像クレジット:Pentagram

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

フォードがコンパクトな新型ピックアップトラック「マーベリック」の発表を予告

Ford(フォード)は、競争が激化するピックアップトラック市場であらゆる価格帯のモデルを提供するため「Maverick(マーベリック)」と呼ばれるエントリーレベルの新型トラックをラインアップに加える。

同社は米国時間6月8日にこのトラックを公開する予定であり、新たに開設したTikTok(ティックトック)チャンネルでデビューする初のフォード車になるという。主にオンラインで行われる正式発表には、女優のGabrielle Union(ガブリエル・ユニオン)を起用し、フォードの各ソーシャルチャンネルやHulu(フールー)、そして彼女自身のInstagram(インスタグラム)とTikTokチャンネルでも、この新型トラックを紹介するという。

今のところ、この新型車の姿はほとんど露出されておらず、YouTubeのティーザー広告で1秒ほど映るだけだ。一部公開されている写真を見ると、明らかにフォードのクルマで、コンパクトなトラックであることがわかる。その全貌や詳しい情報は来週まで待たなければならない(それ以前にリークされない限り)。

画像クレジット:Ford

フォードのピックアップ・ヒエラルキーにおいて、新型マーベリックはRanger(レンジャー)やFシリーズよりも下に位置することになる。ミッドサイズ・ピックアップのレンジャーで最も安価な「XL」グレードは、輸送費別で2万5070ドル(約276万円)からとなっているので、マーベリックは少なくともそれより数千ドル(数十万円)は安い価格から買えることになりそうだ。

マーベリックが、ハイブリッド車、電気自動車、ガソリン車のどれになるのか、フォードはまだ明らかにしていない。しかし「F150」にハイブリッド仕様や、最近発表された電気自動車の「F-150 Lightning(ライトニング)」を投入したフォードの最近の方向性を考えると、少なくともハイブリッド仕様が設定される可能性は高いと思われる。

フォードF-150は、この米国の自動車メーカーの事業で収益の柱となっている製品だ。そこに電気自動車の兄弟が加わったことで、必要なラインナップはすべて揃ったかのように見えた。しかし、フォードはさらに、手頃な価格でもっと都市生活に適したピックアップを求める顧客のエントリーレベル市場も獲得したいと考えている。

関連記事:フォードが同社電気自動車計画の柱となるEVピックアップトラック「F-150ライトニング」を発表

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タグ:フォード自動車

画像クレジット:Ford/screenshot

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ユナイテッド航空が100%持続可能な航空燃料に注力するBoomの超音速旅客機15機を購入へ

United Airlines(ユナイテッド航空)は超音速の商業フライトを再び現実のものにしようと注力しているBoom Supersonic(ブーム・スーパーソニック)の初の正式な米国顧客となる。Boomは超音速のサブスケールのテスト航空機を2020年公開し、フルスケールの商業超音速旅客機Overtureの生産を2025年に開始する。そしてフライトテスト、デザインの洗練、認証に数年間かけたのち、商業サービスを2029年に開始する計画だ。

ユナイテッド航空は、同社の「安全、運航、持続可能性の要件」に合うOverture15機の購入に同意し、追加で35機を購入するオプションも持つ。同航空は明らかに、超音速フライトの恩恵に関心があり、移動にかかる時間を半分にすることを狙っている。しかし同社はまたBoomとの取引で持続可能性プロフィールを高めることも目指している。

Boomの目標は、商業サービス開始時からカーボンフットプリントがネットゼロの燃料で飛ぶ初の商業旅客機になることだ。同社は100%持続可能な航空燃料の調達・使用に注力していて、これは持続可能な燃料の生産ソースを開発・改善するために協業している企業との取り決めの一環だ。

ユナイテッド航空は2050年までに二酸化炭素排出のネットゼロ達成に向けて取り組むことを約束し、その一環として持続可能な航空燃料の開発と商業化を加速させるために政府や他の関係者と提携することにも同意している。そのため、Boomとの提携はユナイテッド航空にとって長期的にそうした目標に向けた重要な推進要因となりえる。

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画像クレジット:Boom Supersonic

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

スクーターの利便性を持つ無人配達用3輪EV展開を目指すFactionが約4.7億円調達

Faction Technology(ファクション・テクノロジー)の創業者でCEOのAin McKendrick(アン・マッケンドリック)氏には10億ドル(約1100億円)もなかったし、無人配達に使える電気自動車(EV)を設計・製造するために通常の自動車プログラムが必要とする時間もなかった。

そこで同氏はパワースポーツに目を向けた。無人配送に使用したり、人間がレンタルして街中を移動したりするマイクロロジスティクスサービスのビジョンを実現するためだ。現在、プロトタイプを開発し、規模を拡大するという野心を持つマッケンドリック氏は、Trucks VCとFifty Yearsがリードしたシードラウンドで430万ドル(約4億7300万円)を調達した。

「私たちは同じことを何度も何度も繰り返しています」と、今はなき自動運転トラックのスタートアップStarsky Roboticsのエンジニアリング担当副社長だったマッケンドリック氏は語った。「私たちはレガシー車両を採用し続け、それを無人技術向けに改造しようとしています。同じことを何度も繰り返すのではなく、少し違う方法でやってみてはと思いました」。

2020年創業し、この冬にY Combinatorアクセラレータープログラムを卒業したFactionは、3輪オートバイのプラットフォームから始めた。同社はシャシーを一から開発しているが、マッケンドリック氏によると、自動車開発の数分の1のコストでそれを実現できるという。車両の価格は全部で約3万ドル(約330万円)で、同氏によると、回収期間は2年だという。

これらはオートバイクラスの車両だ。つまり、市街地や高速道路では合法だが、乗用車と同じ規制は適用されない。

その車両で貨物を配送できる。これは、遠隔操作で支援するリモートワーカーと自動運転との組み合わせによって実現した。約10人のチームであるFactionは、他の企業と協業して自動運転車に取り組んでいる。ただし、自動システムが故障した場合に安全機能が作動するコアプラットフォームを開発した。

「私たちが車両向けに開発したコア技術は、会社が時間とともに成長するにつれ、他の形式の車にも適用しようと考えるようになりました」とマッケンドリック氏は話、デジタル車両アーキテクチャーと遠隔操作システムがともに機能するものを開発したと付け加えた。

画像クレジット:Faction Technology

配送、またはマッケンドリック氏が呼ぶところのマイクロロジスティクスは、同社が最初に注力したところだ。だが、創業者である同氏は、3輪の車両を開発し、都市周辺の3~5マイル(約4.8〜8km)の移動や、近郊都市へのより長い距離の移動に利用したい人々に貸す機会も視野に入れている。いずれの車も、人間オペレーターバージョンのガラスキャノピー(天蓋)など、いくつかの重要な違いはあるものの、ほぼ同じだと言える。配送車両には不透明なキャノピーが付いている。

マッケンドリック氏は、ユーザーがアプリで車を呼び出せる機能を考えている。呼び出すと、車は自身でユーザーの元に向かって運転を始める。ユーザーが中に入った後は、人間のドライバーが手動で操作する。

マッケンドリック氏の売り文句は、ユーザーはスクーターや自転車シェアが持つあらゆる利便性を享受できるが、耐候性と高速道路を走れる機能も備えているというものだ。

「つまり、たとえばサンフランシスコ市内からサンフランシスコ空港まで移動する必要がある場合、これは最適な形式の車両です。4ドアセダンや大型車を増やそうとするものではありません」。

無人配達アプリケーションでは、ユーザーはマイルごとに課金される。マッケンドリック氏は、レンタカーの料金を時間単位で請求する可能性があると語った。

同社は現在、運用する車両の規模を拡大するため、軽電気自動車メーカーとの提携に取り組んでいて、2021年後半に最初の顧客試験を発表する予定だ。マッケンドリック氏によると、目標はマイクロロジスティクスのパイロット向けに約50台の車両を配備し、第4四半期までに初期の乗車トライアルを開始することだ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Faction Technologyロボット配達EV資金調達電動バイク

画像クレジット:Faction Technology

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

フォードが同社電気自動車計画の柱となるEVピックアップトラック「F-150ライトニング」を発表

米国自動車メーカーFord(フォード)の収益の柱となっているF-150に、電気自動車モデルが加わった。

米国時間5月19日に発表された完全電気ピックアップトラックF-150 Lightning(F-150ライトニング)は、フォードが220億ドル(約2兆4000億円)を投じて進めている電気自動車計画の柱だ。そして、フォードがこの1年の間に発表した3タイプの電気自動車のうちの1つでもある。また、収益の面では最も意味のあるものといえるだろう。フォードF-150ライトニングは、ミシガン州Dearborn(ディアボーン)にあるRouge(ルージュ)工場で生産され、電気自動車のMustang Mach-E(マスタング・マッハE)や、商用に特化し柔軟な構成が可能な電気カーゴバンE-Transit(Eトランジット)に続くモデルとなる。

F-150ライトニングは、フォードにとって挑戦的なプロジェクトだった。このピックアップトラックには、北米でベストセラーへと押し上げたガソリンエンジンモデルの特徴に加え、電気自動車ならではの新たなメリットが求められた。つまり、トルク、パフォーマンス、牽引力、そして全体的なレイアウトにおいて、その多くが商業目的で使用する顧客のニーズを満たす必要がある。仕様を見る限り、フォードはトルクとパワーを実現しながらも、キャビンと荷台はガソリンモデルと同じサイズを保っている。

これは重要なポイントだ。同じサイズにすることで、数千にもおよぶ既存のF-150トラックアクセサリーに対応することができるためだ。フォードが現在の顧客による買い替えを期待しているのであれば、今回のような判断は重要な意味を持つ。なお、今のところライトニングは、4ドアで5.5フィート(約1.68メートル)の荷台を持つスーパークルーのみが提供される予定だ。

F-150ライトニングは、ガソリンモデルの顧客による買い替えか、あるいはまったく新しい顧客層を獲得できるのか。この答えは、2022年春の発売を待たなければならない。

しかし、このライトニングはフォードのヒット商品になる可能性を秘めていると考えるアナリストもいる。

「フォードは、従来のF-150にバッテリーパックを搭載する以上のことをした」と、iSeeCars.com(アイ・シー・カーズ・ドットコム)のエグゼクティブアナリストであるKarl Brauer(カール・ブラウアー)氏は述べる。「ライトニングのデザイン、性能、先進的な機能に対する同社のアプローチによって、従来のエンジンでも魅力的なトラックになっていただろう。電気自動車のパワートレイン、瞬時トルク、積載量や牽引力の増強、さらには充電をシームレスに家への電力供給に切り替え、数日に渡って供給できる能力は、ライトニングの洗練されたスタイリング、すばやい加速、ハイテク設備に加えて、新たなメリットとなっている。フォードは、電気自動車へ移行することにともなうチャンスとリスクの両方を認識しており、F-150をバッテリー駆動の世界でも成長させると明確にコミットしている」。

ライトニングの基本仕様

F-150ライトニングには、トリムレベルが異なるベース、XLT、ラリアット、プラチナの4つのシリーズと、2つのバッテリーオプションが用意される。また、アルミ合金製のボディーに、2つのインボード電気モーターを搭載したこのトラックは、4輪駆動を標準装備し、独立型リアサスペンションを備えている。フォードは、現時点で2つの価格のみを公表している。ベースモデルは、連邦または州の税額控除前の価格で3万9974ドル(約434万円)、ミッドシリーズのXLTモデルは、5万2974ドル(約576万円)からとなる。予約サイトによると、フル装備のライトニングは9万474ドル(約983万円)となっている。なお、これらの価格には、デスティネーション料金(工場から販売店への配送料)と税金は含まれていない。

スタンダードレンジバッテリーモデル(他のトリムのスペックは未発表)のライトニングの全長は、232.7インチ(約5.91メートル)で、ガソリンエンジンのF-150よりも1インチ(2.54センチメートル)長い。ホイールベースは基本的に同じであり、ガソリンモデルやハイブリッドモデルとの差は、わずか10分の1インチ(2.54ミリメートル)だ。

F-150の4輪駆動タイプにおける、電気モーター車とガソリン車の大きな違いは、地上高だ。オリジナルのF-150の地上高が9.4インチ(約23.9センチメートル)だったのに対し、ライトニングでは8.9インチ(約22.6センチメートル)となっている。この0.5インチ(1.27センチメートル)の減少は、バッテリーやインボードモーターを地面の起伏から守るための金属製スキッドプレートによるものと考えられる。

スタンダードレンジバッテリーは、目標とする426 hp(約345kW)の出力と775 lb・ft(約1050 N・m)のトルクを実現した。また、エクステンデッドレンジバッテリーを搭載することにより、同じトルクで出力は563 hp(約420kW)まで向上する。フォードによると、これはF-150の中でも最も高い値だという。

バッテリーの目標航続距離は、スタンダードバッテリーで230マイル(約370キロメートル)、エクステンデッドバッテリーでは300マイル(約483キロメートル)にまで伸びる。しかし、ここで疑問が残る。ボートやトレーラーを牽引した場合、航続距離にどのような影響があるのだろうか。

フォードはその情報を提供しておらず、EPA(米国環境保護庁)が推定航続距離を発表し、ユーザーが車、ボート、スノーモービルなどを牽引するようになるまでは、はっきりしないかもしれない。

フォードは、ドライバーが充電する前に、あとどのくらいの距離を走行できるかを把握するための2つの機能を紹介している。1つ目の機能は「オンボード・スケール」と呼ばれるもので、トラックに搭載されたセンサーを使って積載量を推定し、ドライバーは自分の運ぶものの重さを知ることができるというものだ。ここで積載量、つまりトラックが積んで運ぶ重さは、牽引できる重さである牽引能力とは異なる。しかし、フォードによると「オンボード・スケール」は、牽引の情報、積載量、天候などを考慮した「インテリジェント・レンジ」という、さらに別の機能も使って情報を提供するという。

フォードは、積載量や牽引能力にも向き合っている。同社によると、ライトニングの新しいフレームには、F-150のフレームとしては最も強度の高いスチールが使用されており、最大2000ポンド(約907キログラム)の積載量と最大1万ポンド(約4536キログラム)の牽引力をサポートしているという。

ライトニングの車内

新しくモデルチェンジしたガソリンエンジンのF-150と同様に、ライトニングにもコネクテッドカー技術や先進のドライビングアシスト機能が惜しみなく搭載されている。ライトニングの上位モデルであるラリアットとプラチナには、フォードのSync 4A(シンク4A)インフォテイメントシステムが搭載されており、無線によるソフトウェアアップデートに対応している。つまり、ドライビングアシスト機能の追加や改善、地図を最新に保つなど、車の機能のアップグレードをシステムが行うということだ。Sync 4Aは、Sync AppLink(シンク・アプリンク)システムを介して、Waze(ウェイズ)やFord+Alexa(フォード・プラス・アレクサ)と呼ばれるAmazon Alexa(アマゾン・アレクサ)のフォード向けバージョンなど、サードパーティのアプリを提供する。

Sync 4Aシステムは、自然な音声コントロールとリアルタイムのマッピングを特徴とし、15.5インチ(約39.4センチメートル)のタッチスクリーンに表示される。このタッチスクリーンは、クロスオーバータイプの新しい電気自動車であるマスタング・マッハEに搭載されているものと同様のものだ。また、ドライバーの正面には、カスタマイズ可能な12インチ(約30.5センチメートル)のメーターパネルがある。このデジタルパネルは、バッテリーの動作状況、回生ブレーキ、先進的なドライビングアシスト機能など、ドライバーにとって重要な情報を提供する。

画像クレジット:Ford

「このクルマは、当社がこれまでに作った中で最もスマートなF-150だ」と、Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)のバッテリー電気自動車担当ゼネラルマネージャーであるDarren Palmer(ダレン・パーマー)氏はいう。そして「F-150ライトニングは、没入型タッチスクリーンを備えており、お客様が求めるすべての情報を瞬時に提供する。目的地、積載量、残りの航続距離などをリアルタイムで見ることができる。また、Ford Power-Up(フォード・パワーアップ)ソフトウェアアップデート機能により、この車をさらに気に入ってもらえるだろう」と続ける。

また、F-150ライトニングには、同社の新しいハンズフリー運転機能であるBlue Cruise(ブルークルーズ)が搭載される。この機能は、F-150エンジン車の2021年モデルとマスタング・マッハEの一部の2021年モデルにも搭載され、2021年後半のソフトウェアアップデートで利用可能になる。このハンズフリー運転機能は、カメラ、レーダーセンサー、ソフトウェアを使用して、アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線中央維持、速度標識認識を統合することにより実現している。そして2021年4月の同社の発表では、約50万マイル(約80万キロメートル)の開発テストをパスしたことを公表している。また、このシステムでは、ドライバーの視線と頭の位置をモニタリングする車内カメラも実装され、視線を道路に集中させることができる。

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このハンズフリーシステムは、フォードのCo-Pilot360(コウパイロット360)テクノロジーを搭載した車両で利用可能であり、車線が分離された高速道路の特定区間でのみ機能する。このシステムは、2021年後半にソフトウェアアップデートにより展開され、まず北米の10万マイル(約16万キロメートル)以上の高速道路で利用可能となる予定だ。

充電と電源

電気自動車の運転には、もちろん充電が欠かせない。しかし、単にプラグインできるだけでは十分とはいえない。いつ、どこで、どのようにして充電できるのか把握できることが最も重要なポイントだ。フォードによると、トラックのバッテリー残量が総航続距離の3分の1を下回ると、顧客に通知されるという。このインテリジェントレンジは、前述した通り、牽引の情報、積載量、天候を考慮したもので、ドライバーにも通知される。また、付属のFordPass(フォードパス)アプリによって、充電可能な場所の情報も得られる。車内ではインフォテイメントシステムで充電ステーションを見つけてナビゲートすることができる。

ライトニングには車載電源も搭載されており、スタンダードモデルでは2.4kW、ラリアットモデルとプラチナモデルでは9.6kWの電力が供給できる。これは「メガパワーフランク」と呼ばれるボンネット下のトランクにあるアウトレットからの最大2.4kW、キャビンと荷台のアウトレットからの最大7.2kWを合わせたものだ。

フォードはまた、9.6kWのバックアップ電源としての機能をアピールしている。停電の場合は3日間、配給制の場合は10日間、家庭に電力を供給できるとしている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:フォード電気自動車

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Dragonfly)

電脳交通のタクシー事業者向けクラウド型配車システムの導入エリアが35都道府県を突破

電脳交通のタクシー事業者向けクラウド型配車システムの導入エリアが35都道府県を突破

電脳交通は、タクシー事業者向けのクラウド型タクシー配車システム「電脳交通」が、新たに奈良県、滋賀県、鳥取県のタクシー事業者に導入され、2021年6月時点で導入エリアが35都道府県を突破したと発表した。

これらのエリアで「電脳交通」を導入した業者は、滋賀エムケイ(滋賀県)、井村輸送(奈良県)、皆生タクシー(鳥取県)、港タクシー(鳥取県)ほか。

電脳交通は、「初期費用の安さ」「タクシー事業者目線で年間数100回の機能進化を行う拡張性」「シンプルで多機能な画面構成と操作性の高さ」「配車拠点の統合も可能な効率性」などを特色に掲げるサービス。「タクシーの配車ルール最適化や適切な経路を瞬時に表示できる機能」などにより業務の効率化と低コスト化が図られる。自動日報作成機能、配車データの解析から売上増減の要因を特定する機能なども提供する。また、月5回ペースでシステムがアップデートされるため、それらの機能が古くなることがないとのこと。

同社では、「毎年200〜300%のペースで成長し続けております」と話している。

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タグ:電脳交通(企業)配車サービス / ライドシェア(用語)日本(国・地域)

Joby Aviationが空飛ぶタクシー乗降場所として立体駐車場に注目

Joby Aviation(ジョビーアビエーション)は米国時間6月2日、バーティポート(垂直離着陸用飛行場)のネットワークの構築で米国最大の駐車場運営事業者、そして不動産買収会社と提携すると発表した。ネットワークはまずロサンゼルスとマイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコのベイアリーナにフォーカスする。

REEF Technology、Neighborhood Property Group(NPG)との提携では、Joby Aviationは「米国の全主要都市圏にまたがる前代未聞のきさまざまなルーフトップ、ならびに新しいスカイポートサイトの買収・開発の資金をまかなうメカニズムにアクセスできるようになる」と声明で述べた。

エアタクシーに乗車できるロケーションの便利でアクセスしやすい大規模なネットワークの構築は、どの企業が未来の乗客を自社サービスに取り込めるかを決める鍵を握る要因となる。ヘリコプターをサポートする現在のインフラは限られており、特に電動垂直離着陸機(eVTOL)企業がサービスを展開しようとしている都市部においてはそうだ。

提携によってJoby Aviationは、REEFの不動産ネットワーク内で長期リースを確保できる間、サイトへの独占的なアクセスを持つ。

電動航空機大手であるJoby Aviationの航空ライドシェアリングネットワークに関する意図はこれまでほとんど明らかになっていなかったが、創業者でCEOのJoeBen Bevirt(ジョーベン・べバート)氏は既存の立体駐車場を使うことのメリットについて公言していた。

そうした建物は通常、密集地域にあり、大型で、複数の小型航空機を支えられるだけの頑丈な材料で建てられている。しかしおそらく最も重要なことに、立体駐車場は移動の最初と最後に使われるという点で空飛ぶタクシーと協力し合うことになる別の交通手段である車を有している。

駐車場運営・サービスの会社ParkJockeyを有しているREEFはモビリティとロジスティックのハブ約4500カ所を展開していて、これは北米の都市部の人口の70%をカバーしているとのことだ。同社は2020年11月にソフトバンクやMubadalaなどから7億ドル(約768億円)を調達した

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新たな提携に加え、Jobyのバーティポートネットワークは既存のヘリポートと地方空港も活用する。

べバート氏は「今回の提携はJobyが進める変革的な空のライドシェアリングサービス構築において画期的なものです。NPGとREEFは米国中にすばらしいサイトネットワークを展開していて、我々の未来のサービスの屋台骨となるサイト選びで両社と協業することを楽しみにしています」と声明文で述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Joby AviationエアタクシーeVTOL駐車場REEF Technology

画像クレジット:Joby Aviation

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

Lyftの新しい電動自転車を試してみた、2021年6月からパイロットテスト中

私が混沌とした道路工事だらけのマンハッタンの路上を走ったその自転車に、見慣れたロゴはついていなかった。外観はいかにもプロトタイプという感じでつなぎ目にはハンダ付けの跡が見え、未完成のAVシステムを載せていた。しかし、走りは快調で、交通の流れに問題なく出入りできた。つまるところ、それは最も重要なことだ。

Lyft(リフト)の新しいeバイク(電動アシスト自転車)のパイロットテストは2021年6月に始まった。このライドシェアリング会社は、同社が運用している都市で車両を提供していく。まずサンフランシスコ、続いてシカゴとニューヨークだ。場所はほぼランダムな「イースターエッグ」方式なので、ユーザーはピカピカの新しい電動自転車とランダムに出会うことになる。幸運にも遭遇することができれば、Lyftはあなたにメールを送り、どんな体験だったを尋ねる。

私の体験は全体的にかなりよかったが、走っている途中にデリバリートラックと接触した。しかしそれが大都市の生活というもので、たぶん私が大きく曲がりすぎたのだろう。私にとって初めての80ポンド(36kg)の電動自転車だ(前車種より20ポンド、約9kg重い)。この重さ(主にダウンチューブ内の新型巨大バッテリーによる)は当初私を心配させたが、自転車の動きは驚くほど快適だ。電動アシストは自然でスムーズだ。巡航速度で走行中は、1ブロックに数回ペダルを踏むだけだった。

画像クレジット:Lyft

試乗は限定的で、ほぼ全部が平坦地だったので、橋の入り口ランプやサンフランシスコの有名な坂道で電動アシストを試すことはできなかった。

新しい電動自転車は、Lyftが前回の電動自転車軍団を展開(問題がないわけではなかった)してから比較的すぐだった。しかし会社は、この新型車を実質的にゼロから作ったと述べている。

「eバイクを作っているところは、家内工業から巨大消費者メーカーまで山ほどあります。しかし、業務走行用のeバイクはまったくの別物です」とプロダクトマネージャーのGary Shambat(ゲーリー・シャンバット)氏がTechCrunchに語った。「外観は同じように見えますが、摩耗や破損や破壊行為は著しく異なるので、既存製品にいくつか手を入れて、通信モジュールを載せておしまいというわけにはいきません」。

画像クレジット:Lyft

電動アシストを駆動する500Wのモーターとかなり巨大なバッテリーは60マイル(96km)の走行が可能だと同社はいう。つまり、1回の充電で何回か乗れるという意味だ。走行状態はすべてセンサーシステムによって監視されていて、バッテリーやブレーキに問題があれば警告が発せられる。

白い車体は光沢があり、前方のLEDリングライトは色を変えることができる。ヘッドライトと安全灯以外のさまざまな使い方を試験中だと会社はいう。リングは分割されていてさまざまな色に変化するので、方向指示器などに使うことが考えられる。全体的にちょっとした工夫が見られる。ハンドルバーグリップは小さな口ひげのようなデザインで、同社サービスの黎明期の装備を彷彿させる。

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現在、Lyftは9つの都市でバイクシェアリングを展開している。

関連記事:LyftがMotivateを買収、Lyft Bikes実現へ

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タグ:Lyftレビュー電動自転車

画像クレジット:Lyft

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラが「レストランサービス」用途として新たに商標を出願、食事をしながらEVを充電

Tesla(テスラ)は先日、レストランサービスの分野における自社ブランドの新しい商標を申請した。これは、Elon Musk(イーロン・マスク)CEOをはじめとする同社幹部たちが、少なくとも2017年から公に議論してきたアイデアを実現するために、いよいよ準備が整いつつある可能性を示している。

Electrek(エレクトレック)が最初に報じた5月27日付で米国特許商標庁へ出願された書類によると、テスラは「レストランサービス、ポップアップレストランサービス、セルフサービスレストランサービス、テイクアウトレストランサービス」のカテゴリーをカバーする3つの新しい商標を申請している。この出願は現在審査待ちの状態で、8月27日頃に弁護士による審査が行われる予定だ。

世界で最も影響力のある高級電気自動車会社とレストラン事業が、どのように結び付くのだろうかと、訝しむ人もいるかもしれない。話を2017年に戻そう。当時、テスラのCTOを務めていたJB Straubel(JB・ストラウベル)氏は、フードサービスとテクノロジーのイベント「FSTEC」で、同社がレストラン事業に進出する可能性があると発言した。そのアイデアは、EVの充電ステーションを、食事も提供するフルサービスのコンビニエンスストアにするというものだった。テスラは、このアイデアの縮小版として、カリフォルニア州ケトルマン・シティのSupercharger(スーパーチャージャー)ステーションにあるラウンジのようなものを作った。

イーロン・マスクCEOは2018年1月、このコンビニエンスストアのアイデアを発展させたレストランのコンセプトを、(いつものように)Twitter(ツイッター)で発表。「LAで新たなテスラ・スーパーチャージャーを設置する場所の1つに、昔風のドライブインにローラースケートとロックを組み合わせたようなレストランを併設するつもりです」とツイートした。

その数カ月後、テスラは実際にレストランとスーパーチャージャーステーションの申請を行ったが、それ以来、このビジネスベンチャーの可能性についてはほとんど沈黙を保ってきた。2020年、米国向け広報チームを解散させた同社は、テスラ自身が充電ステーション併設のレストランを開業するのか、それとも他のレストラン事業者がテスラのロゴを使用して同様のビジネスモデルを構築するのかなど、計画に関する情報を求められても答えなかった。

テスラは、レストランでの使用を目的とした商標として、同社のアイコンである「T」のロゴや「Tesla」という言葉そのもの、そしてその言葉をデザイン化したものを、米国特許商標庁に出願している。

テスラは、社名をデザイン化したものをレストランサービスの分野で商標登録出願した

テスラは今回の商標出願によって、食事と充電を行えるステーションを作るというマスク氏の計画を前進させるために必要なステップを踏むことになりそうだ。外食産業と自動車産業が交わるのは、これが初めてというわけではない。星の増減がレストランの明暗を分けるMichelin Guide(ミシュランガイド)は、もともと1900年にAndre(アンドレ)とEdouard(エドゥアール)のミシュラン兄弟が編纂したものだ。彼らは自動車の需要を喚起し、ひいては彼らが製造するタイヤの需要を喚起したいと考え、広範囲にわたるレストランやホテルとその道中にある整備工場やガソリンスタンドなどを網羅したガイドを作成した。これにより、人々は新発明の移動手段を使って、自分の味覚や世界を探求することができるようになったのだ。

テスラのスーパーチャージャーレストランは、そこまで革命的なものではないが、人々に新しいクルマを購入するための新たな誘引構造を提供し、EV業界の競争に創造性をもたらすものだ。たとえその誘引が、過去のノスタルジックな輝きに浸りながら、流行に乗っているように見せるというだけのものであっても。

そこではウェイターが電動ローラースケートでハンバーガーを運ぶようになるのかもしれない。

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タグ:Teslaレストラン電気自動車充電ステーションコンビニエンスストア

画像クレジット:Tesla

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米セブン-イレブンが2022年末までに北米250店舗にEV充電ステーション500基を設置

コンビニエンスストアはユビキタスだ。米国の消費者が購入するガソリンの圧倒的大部分を販売している。しかし多くの米国人が電気自動車(EV)に移行するにつれ、人々がコンビニに立ち寄る大きな理由は消失する。

コンビニ大手の7-Eleven(セブン-イレブン)はこの成長しつつあるEVドライバーマーケットをつかもうとしている。同社は米国時間6月1日、2022年末までに北米の250店舗にDC急速充電ポート500基を設置すると発表した。サプライヤーから購入されなければならないガソリンスタンドの燃料とは対照的に、これらの充電ステーションはセブン-イレブンが所有・運営する。

EVgoやChargePoint、TeslaのSuperchargerネットワークのような米国最大のプロバイダーが展開している多くの充電ステーションは、ショッピングモールやTargetのような小売店に隣接している駐車場の寄せ集めに立地している。しかしセブン-イレブンのようなコンビニ店の大きな特徴は、高速道路や幹線道路に隣接したエリアにすでに立地していることであり、ドライバーを引きつけるという点で優位かもしれない。

充電スピードが遅いチャージャーではなくDC急速充電を選んだのも、もう1つの強みだ。コンビニ店の大半は、給油する時間で出たり入ったりする短時間のサービスのためのものだ。多くの店舗が室温が管理された座れる場所を提供しておらず、長い充電時間はドライバーにとって問題となる。古いEVモデルは受け入れられる充電キロワットに制限があるが(なので、バッテリーを充電するのにどれくらいの時間がかかるかという点で、チャージャーの出力レートは重要ではない)、比較的新しいEVはさまざまなレンジの出力を受け入れることができる。

充電インフラ、あるいはその不足はEV浸透にとって引き続き最大の障壁の1つであり、セブン-イレブンが発表したもののような主要小売店による設置計画は消費者のEV移行に関するためらいを減らすのに役立つかもしれない。

セブン-イレブンは現在4州の14店舗にステーション22基を展開していて、新たな充電ステーション500基はこの既存ネットワークに加わる。

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タグ:セブン-イレブン充電ステーションアメリカカナダコンビニエンスストア電気自動車

画像クレジット:7-Eleven

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi