Tesla Model Yが3月14日のイベントで発表

Tesla(テスラ)のCEO、Elon Musk(イーロン・マスク)氏のツイートによると、同社は3月14日にロサンゼルスで開催するイベントでModel Yを発表する。

テスラが2003年に設立されて以来、Model Yは5車種目となる。マスク氏は2015年からModel Yのリリースをほのめかしていて、株主にあてた1月の書簡では量産は2020年末までに始まるとしていた。

テスラは、今年後半にModel Y生産の機械の整備を始め、ネバダ州にある「ギガファクトリー」で生産する、としている。株主への書簡でマスク氏は、Model Y生産ラインのコストは、新低価格の車種と約75%同じ部品を使うことから、カリフォルニア州フリーモントで生産されているModel 3より実質上低くなるとの見方を示している。

今回のModel Yに関する発表に先立ち、テスラは先週、3万5000ドル(約390万円)という低価格のModel 3の発売を明らかにした。

テスラは、この低価格を実現するため、グローバルで販売をオンラインのみにする。これは今後数カ月以内に多くの販売店を閉鎖することを意味する。交通量の多い場所にあって今後も存続する販売店はインフォメーションセンターになる、とマスク氏は電話での記者会見でこう述べた。販売店閉鎖に伴い、いくらかの解雇があり、マスク氏はより多くのサービス系の技術者を雇用すると語った。

「オンライン販売への移行、そして現在進めている他のコスト削減と併せて、全車種の価格を平均6%下げることができるだろう。これにより3万5000ドルのModel 3を予想より早く達成できた」とテスラは投稿している。

こうした変化はテスラにとって良い結果に結びつくはず、と経営陣は期待している。「Model 3はグローバルな商品となるだろう。事業収支は黒字化するはずで、上海の新ギガファクトリーも生産を開始する。そしてModel Y生産のための機械の整備を間もなく始める」と1月の株主への書簡にはある。

まだはっきりとはわからないものの、最終的にModel Yの生産が始まったら古いモデルは漸次廃止となるかもしれない。

テスラにはまた、他にも2つのモデルの計画がある。RoadsterとTesla Semiだ。この2つはいま開発中だ。

Vergeの記事の中で書かれているように、マスク氏は今回の発表の前に「Ides of March(3月15日)というのが面白いから」とModel Yを3月15日に発表すると冗談を飛ばしていた(編集部注:「Beware the Ides of March」はシェークスピアのジュリアス・シーザーに出てくる、暗殺を予言した人が放った言葉)。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

LyftがIPOに伴いドライバーに最大100万円超の一時ボーナスを支給

勤勉なドライバーたちに朗報!Lyftは新規株式公開に伴い、同社の中核サービスを支えるドライバーたちに報酬を与えることを決定した。このプログラムは最大1万ドル(約112万円)の現金賞与をドライバーに支給するもので、2019年2月25日時点で2万回以上の乗車実績のある「優良」ドライバーが対象だ。

Lyftは、2019年2月25日時点で1万回以上の利用があったドライバーには1000ドル(約11万2000円)の一時金を支給する。さらにLyftは、同社のDriver Advisor Council[運転者諮問委員会]の委員を現在あるいは過去に務めているドライバーにも1000ドルの現金賞与を与える。いずれの場合も優良ドライバーであることが条件だ

対象となるドライバーは、2019年3月19日頃に賞与を受け取れる見込み。その際Lyftの指定株式を購入することも、単に現金として受け取ることもできる。本人次第だ。

Uberも同様のボーナスをドライバーに与えることが予想されているが、会社はコメントを拒んでいる。

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MWC 2019に見るモバイル技術の多様化でスマホ以外にもハイライト

長年、話だけが先行した5Gが、やっとMWC 2019に到着した、かのようだ、あくまでも。バルセロナは、今年後半に発売される数種の5Gハンドセットの打ち上げ台になった。と、これもあくまでもぼくの個人的感想だけど。

もうひとつ、話題が先行していたスマートフォンの技術、フォルダブルディスプレイも、ついに日の目を見た。数社がフォールダブル機を発表し、中にはハンドセットとして価格が決まってるものもあったが、コンセプトだけというところも多かった。そしてその多くは、ガラスケースの中に鎮座していた。

そのほかの注目すべきトレンドは、カメラ、AR/VR、そしてありとあらゆるセキュリティだ。以下に、この世界最大のモバイルショーの傑作と駄作の両方をご紹介しよう。そして今年はその両方が、これから先の変化に賭けていたのだ。

5Gの成熟

MWCの話題としては長年主役級だったが、今年は実物の5Gハンドセットがついに登場した

Huawei Mate X
LG V50 ThinQ 5G
Samsung Galaxy Fold
Samsung Galaxy S10
Xiaomi Mi Mix 3
ZTE Axon 10 Pro 5G

昨年、5G列車に最初に飛び乗ると約束していたOnePlusはハンドセットを発表しなかったが、プロトタイプをデモし、クアルコム(Qualcomm)や英国のEEと共催する5Gアプリのコンテストを発表した。

未来は折りたたまれていたか

折りたたまれていたのは、顧客のお財布だろう。最初のフォルダブルが、平均2000ドル弱という価格で登場した。それはまるでスマートフォンを2台買うようなお値段だが、確かにスマートフォンが2つあると考えてもよい。でも実際に2000ドルの価値があるのか? それはまた、別の問題だ

Huawei Mate X
Samsung Galaxy Fold

TCLはプロトタイプを出品して、来年中にはもっとスペース効率の良い製品を出す、と約束した。オッポ(Oppo)も、まだまだプロトタイプの段階だ

AR/VR/MR

世界最大のスマートフォンショーの最大のヒットは、スマートフォンではなかった。マイクロソフト(Microsoft)はこのイベントを利用して、同社HoloLensの第2世代機をローンチした。それは、ビジネスにしっかりフォーカスしたヘッドセットだ。

Microsoft HoloLens 2
Microsoft Azure Kinect
Vive Focus Plus
Qualcomm XR chips

セキュリティ

同社の5G機器をめぐってセキュリティの脅威が喧伝されているHuaweiには、言いたいことが山のようにあった。その点では欧州委員会(EC)のデジタルコミッショナーも同じだ。一方、Androidは今後ますます、パスワード不要のログインを目指すようだ。

その他

Energizer18000mAhスマートフォン
Lightはスマートフォンのカメラから自動運転車に事業拡張
HTCのブロックチェーンフォーンを法定通貨で買える
Sprint5月に4都市で5Gサービス開始
Facebookがインターネットインフラプロジェクトを拡張
microSD Expressフォーマットは超高速な転送と長いバッテリー寿命を約束
スマートフォン全体がウェアラブルになるNubia

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UberとLyftがドライバーに慰労報奨金を用意、IPO時に株を買うオプションも

ライドシェア企業のUberとLyftは、近く行われる両社のIPOでドライバーにお金を与え、そのときの株を買えるようにする、と米国時間2月28日にウォールストリートジャーナル(WSJ)がが報じている

その記事によると、近い筋の情報としてUberとLyftはともに、これまで長期間よく働いてくれたドライバーに慰労報奨金を提供し、そのIPOにおいて株を買うオプションを与える。Uberの場合、その総額は数億ドルで、個別の金額はドライバーのこれまでの稼働時間に比例したものになる。また時間だけでなく、旅客搬送や物品配達の総回数も勘案される。

2018年の5月にはUberのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)CEOが、ドライバーに福利厚生と保険を提供したい、と言った。WSJによると、Uberは2016年から、ドライバーに株を提供することを検討してきた。

一方Lyftは、旅客搬送回数2万回以上のドライバーにキャッシュ1万ドルまたは額相当の株式を報奨として提供する計画のようだ。

UberとLyftはともに内密でIPOを申請している。Lyftは3月にNasdaqに上場すると予想されている。両社ともに、そのときの発行株数を公表していない。

本誌TechCrunchは今、UberとLyftにこの件の詳細と最新情報を問い合わせているので、何か得られ次第この記事をアップデートしよう。

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テスラは販売をネットに限定し販売店をすべて閉鎖

Tesla(テスラ)は今後、すべての販売をオンラインで行う。営業戦略のこの劇的な変化により、販売店は閉鎖されて一部のレイオフが生ずる。これらはすべて、Model 3の原価、ひいては販売価格を下げるための方策だ。

TeslaのElon Musk(イーロン・マスク)CEOは閉鎖される店舗数をまだ発表していない。一部の店は残して、情報センターやショウルームとして使うそうだ。職を失うことになる小売部門社員の数も発表されていない。

マスクCEOは曰く「一部の店舗を閉鎖するので、そのぶんの社員数は減る。そのことには、疑問の余地がない。この車の原価を大きく下げ、買いやすい価格で提供する方法は、ほかにない。いろんな方法を検討したが、小売部門の社員を減らす以上の良策はない」。

オンライン販売への全面的な移行とそのほかの費用効率向上策により、全車種の価格を平均6%下げることができ、Model 3を3万5000ドルで提供できるようになる。

しかしそれと同時にTeslaは「整備士や修理工などのサービス系技術者を増員する」と米国時間2月28日の記者会見で発表した。その人数は不明だ。

実質的な試乗ニーズを減らすために、新しい顧客は1週間1000マイル(1600キロメートル)以内までの走行なら、いつでも車を返品し、代金を返金してもらえる。

マスク氏曰く「つまり誰でも車を1週間無料で使えて全額を返金してもらえる。返金手続きを超簡単にして「返金」ボタンをクリックするだけにする」。

2月28日の発表の中には、Model 3の3万5000ドルバージョンもあった。最大走行距離220マイル(354キロメートル)、最高時速130マイル(210キロメートル)だ。

なお、新たに発表されたModel 3 Standard Range Plusバージョンは、走行距離240マイル(386キロメートル)、最高時速140マイル(225キロメートル)で、停車状態から時速60マイル(97キロメートル)までの加速に要する時間は5.3秒である。その最高価格の豪華インテリアバージョンは、インセンティブ前で3万7000ドルだ。

画像クレジット: Tesla

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what3wordsの全世界3語アドレスシステムをメルセデスに次いでフォードが採用

フォード(Ford)が、what3wordsとパートナーしてその奇抜なアドレシングシステムをドライバーに提供しようとしている。

このパートナーシップによりドライバーは、iOSやAndroidデバイス上の無料のwhat3wordsアプリに、フォードのSYNC 3インフォテインメントプラットホームから接続できる。ドライバーはウェブサイトのコンタクトページやガイドブックや名刺などに載ってる“三語アドレス”を見つけたらそれを音声やテキストでナビに入力し、道順を知ることができる。

2013年に創業したwhat3wordsは、世界全体を57兆個の3メートル四方の区画に分割し、それぞれに3語のアドレスを割り当てる。そのアプリは26の言語に対応しており、世界中のどこでも正しい位置がわかり指定できるので、物流や旅行、自動車、人道福祉などの企業や団体が広く採用している。

このシステムを旅行ガイド企業Lonely Planetが各目的地のアドレスとして採用しているほか、自動車のメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)、ライドシェアのCabify、国連、赤十字、スポーツウオッチのTomTomなども使っている。

同社はさまざまな投資家を惹きつけており、最近ではソニーのVC部門が投資した。昨年はダイムラー(Daimler)がwhat3wordsの株式の10%を入手し、その前の2017年には、そのアドレシングシステムをメルセデスの新しいインフォテインメントおよびナビゲーションシステムMercedes-Benz User Experience、略称MBUXに統合した。MBUXは現在、メルセデスAクラスとBクラス、そして商業車スプリンター(Sprinter)に搭載されている。

what3wordsのCEOで共同ファウンダーのChris Sheldrick氏はこう語っている。「うちは最近ますます、モビリティー〔可動性〕の世界とのご縁が深くなった。とくに自動車業界の関心と採用が増えていることは、われわれの技術が旅行やそのほかの顧客体験を改良しつつあることの証拠だ」。

フォードは最初what3wordsの技術を、英国とアイルランド、ドイツ、スペイン、米国、そしてメキシコのオーナーに提供する。年内には、さらに多くの市場と言語に対応する。そのアドレシングシステムはiOSまたはAndroid上で無料でダウンロードできる。

画像クレジット: What3words

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Audi、新しいV2I(ブイツーアイ)機能で青信号通過を支援

Audiは、最新車種に新しいV2I(vehicle to infrastructure:車と道路設備間の通信)機能を導入し、ドライバーがどの交差点も青信号で通れるようにした。

GLOSA(Green Light Optimized Speed Advisory)と呼ばれるこの技術は、同社の車に内蔵されている信号読み取り技術の一部だ。AudiはこのGLOSA機能を搭載した初めてのメーカーだと同社は言っている。

始まりは2016年にAudiがTraffic Light Informationを公開したときだった。全米の一部の都市と市街地で車が道路設備と通信できるシステムだ。

当時、機能はまだ限定的だったが、原理的には車が信号機のセンサーから情報を受取り(4G LTEホットスポット経由)、赤信号が青に変わるまでの時間をドライバーに伝えることができる。

これに基づいて作られたGLOSAは、青信号で通るために走るべき速度をドライバーに知らせる。システムは交通信号情報と車の現在位置のほか、停止距離、制限速度、信号のタイミングなどの重要データに基づいてこれを行う。

そしてドライバーが青信号を通過するのを助けるための推奨速度を表示する。最終目標は赤信号で止まる回数を減らし、その結果停車時間を短縮することだ。これは排ガス減少と燃料節約にもつながる。米国のドライバーは年間平均300時間ハンドルを握っている、とAAAは報告している。

現在、”time to green” 機能とこのGLOSA機能には、ダラス、ゲインズビル、ヒューストン、カンザスシティ、ラスベガス、ロサンゼルス、ニューヨーク市、オーランド、フェニックス、ポートランド、サンフランシスコ、ワシントンDC、およびバージニア北部の13都市、4700箇所の交差点でが対応している。

対応都市は増えているものの、機能はある意味でまだ限定的だ。Traffic Light InformationはAudiの有料購読機能であるConnect PRIMEの一部で、2017、2018年の一部新車種のみで利用できる。

Audiは将来V2I対応機能を増やしていく意向だと話しており、車のスタート/ストップ機能(排ガス減少が期待できる)やカーナビの最適ルーティングなどその他の予測サービスと統合していく。

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Huaweiのファウンダーは強気、“アメリカがうちを潰すことは不可能”

アメリカに負ける気のないHuaweiのファウンダーは、“アメリカがうちを潰すことはありえない”、と公言した。

同社を通信企業として1987年に立ち上げたRen Zhengfeiは、公(おおやけ)の声明などをあまりしない人物だが、BBCのインタビューに珍しく応じ、アメリカ政府からの圧力がますます強くなりつつあるが、そんな中で同社の事業は強力に伸びている、と強気に語った。アメリカ政府は、同社のイランとの取引を犯罪と見なしている。その告発により同社CFO Meng Wanzhouは、カナダを旅行中に拘束された

RenはBBCに、通訳を介してこう語った: “うちには他よりも進んだ技術があるので、世界中がHuaweiを必要としている。今後より多くの国を、一時的にうちを使わないよう説得できたとしても、それによる弊社の事業規模の縮小はごくわずかだ。アメリカがうちを標的にしつづけて、うちを悪者扱いすればするほど、うちは製品とサービスをますます改良せざるをえなくなる”。

Renは、近くアメリカに引き渡されるかもしれない娘のMengの逮捕について、“それは受け入れ難い政治的動機に基づいている”、と言う。

Renは曰く: “Meng Wanzhouが自由を失ったことによる、Huaweiの事業へのインパクトはまったくない。むしろ、この間にもさらに成長の速度は上がっている。彼女を逮捕すればHuaweiはこける、と考えたのかもしれないが、こけるどころか前進を続けている”。

めったにインタビューに応じないHuaweiのファウンダーRen Zhengfeiが、アメリカ政府からの圧力と同社のCFOである彼の娘のカナダでの逮捕についてBBCに語った。

法律は政府と政府契約企業によるHuawei製品の使用を禁じている。それには一連のネットワーキング機器とインフラストラクチャ、およびスマートフォンが含まれる。そして同盟国にも、これに従うよう説得している。オーストラリアニュージーランドおよび日本がこれに従った。日本は12月にHuaweiとZTEの機器を禁じ、オーストラリアとカナダ、ニュージーランド、およびイギリスの諜報部門のトップ(Five Eyesのメンバー)は、2018年の終わりに同様の合意に達した、と言われている

しかし今週Huaweiは、その決定の執行猶予を勝ち取った。Financial Timesによると、イギリスの情報部門のトップは、スパイ活動に関する懸念(アメリカはHuaweiを北京のプロキシとして働いている、と非難している)は管理可能であると信じている。これによってイギリスの通信事業者は、自由に中国企業と協働して彼らの5Gネットワークを構築できることになる。

この明白な信任票は、アメリカの立ち位置と鮮やかなコントラストをなし、Huaweiはイギリスにおける事業活動とプレゼンスを強化できるだろう。

RenはBBCにこう語っている: “うちはイギリスで投資を続けるし、依然としてイギリスを信頼している。イギリスも、うちを今以上に信頼してほしい。今後イギリスで投資を増やすのは、アメリカがうちを信頼しないのなら、投資をイギリスへ、もっと大規模にシフトせざるを得ないからだ”。

イギリスの心変わりは、かなりのサプライズだ。アメリカからの圧力でVodafoneはHuaweiからの調達を休止したが、昨年発表された政府専門委員会の報告書は、“〔製品を買わないことによって〕イギリスの重要なネットワークへのHuaweiの関与による、イギリスの国家レベルのセキュリティリスクが十分に軽減されたとする確証は、きわめて限定的なものである”、と言っている。

関連記事: Without proof, is Huawei still a national security threat?…証拠がないのにHuawaiは国のセキュリティの脅威か?(未訳)

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全国初、愛知県で国産完全自動運転車を使った試験運用がまもなくスタート

ティアフォーは2月19日、4人乗りの完全自動運転EVなどを使ったモビリティサービス「One Mile Mobility」(OMM)の試験運用を開始する。対象地域は愛知県で、2019年春頃より開始。アイサンテクノロジーと岡谷鋼機と共同で実施し、自治体と一体となった新たなビジネスモデルの創出を目指すという。

ティアフォーは今回の試験運用に、完全自動運転EVの「Milee」(マイリー)と、そのモビリティサービス用ウェブプラットフォーム「Web.Auto)」(ウェブ・ドット・オート)を提供する。Mileeは、電動ゴルフカートをベースとし、車体に3次元レーザースキャナ(LiDAR)と単眼カメラを搭載。認知・判断・操作のすべてをオープンソースの完全自動運転ソフト「Autoware」で自動化した車両だ。

Web.Autoは、同社が開発を手がけるウェブプラットフォーム。配車管理や遠隔操縦のほか、3次元地図配信、人工知能(AI)のオンライン学習、走行データ管理、サポートセンター接続といった完全自動運転車両の運行に必要なウェブサービス機能が備わっている。MileeとWeb.Autoはモバイル回線を利用して接続する。

今回の試験運用では、Web.Autoが備える、配車管理(Autoware FM)、遠隔操縦(Autoware Drive)、3次元地図配信(Autoware Maps)を利用。Autoware FMSは、バス停やモバイル端末にインストールされたアプリからの配車依頼に対して完全自動運転車両の配車管理をする技術。Autoware Mapsは、Autoware FMSと連動して完全自動運転車両が必要とする経路探索と3次元地図配信する技術。Autoware Driveは、完全自動運転車両が走行不可能になるといった万一の場合に、モバイル通信を利用して車両を遠隔制御する技術だ。

本サービス開始に先立ち、2月下旬から3月にかけて愛知県長久手市にある「モリコロパーク」にて公園管理の道路を利用した試験運用を実施する。試験運用の後半には来園者の試乗も計画しており、専用アプリを使って走行ルート内でMileeを呼び出す、実験用に設置された模擬のバス停に移動するといった操作を体験できる。

同社によると、国産の完全自動運転車両とウェブプラットフォームが一体となってパッケージ化されたモビリティサービスの導入は全国初とのこと。

国内でも各社がさまざまな自動運転技術を開発中だが、法整備だけでなく道幅が狭く複数の路線が複雑に入り組んでいる大都市部での完全自動運転はもう少し先の話。今回の試験運用は、空港やゴルフ場など、バス専用道路など一般道以外での完全自動運転の実現にかなり近づくのではないか。

Uber、2018年Q4売上は30億ドル、営業損失は悪化

今年予定されているIPOを前に、Uberは第4四半期決算で8.65億ドルの損失を記録した。この数字は税制優遇適用後のものであり適用前は12億ドルの損失だった。調整後プロフォーマベースでは、Uberの2018年最終四半期の損失は7.68億ドルだった。

この数字はまがりなりにも改善ではある。2018年第3四半期に同社はプロフォーマ純損失9.39億ドルを記録した。しかし税引前純損失は9.71億ドルと今期より少なかった。いずれにせよUberの大きな損失は今四半期も続いた。

一方Uberの調整後EBIDTA損失は8.42億ドルで対前年比88%増、第3四半期から60%増だった。第3四半期の調整後EBIDTA損失は5.27億ドルだった。この損失増には競争の激化や同社のマイクロモビリティー(二輪車等)への多大な投資が寄与している。

2018年Q4の総受注額(ドライバーに支払う前の収入)は対前四半期比11%増の142億ドルへと伸び、売上は2%増の30億ドルだった。

対前年比で見ると、Uberの総受注額は37%増、売上は24%増だった。しかし、受注額に対する売上の比率は21.3%に減った。これらの数字には東南アジアとロシアは含まれいていない。

  • GAAP 収益:30億ドル
  • 対前年比24%増
  • 対前四半期比2%増
  • 総受注額に対する売上の比率は1.9%減の21.3%

2017会計年度全体と比較すると、Uberの2018年の総受注額は45%増の500億ドルだった。その結果GAAP売上は2017年から43%増の113億ドルだった。EBITDA損失も2017年の22億ドルから18億ドルへと改善(減少)した。まだ損失は大きいが、全体的にはUberが正しい方向に進んでいることを示す良い兆候と言える。

「昨年は当社にとって最高の年であり、Q4にはプラットフォームの定着率で新記録を達成した」とUBerのCFO Nelson Chaiが声明で語った。「2018年に当社のライドシェアリング事業は、サービス提供しているあらゆるカテゴリでトップを維持し、UBer Freightは米国で好調に受け入れられ、JUMPの電動アシスト自転車や電動スクーターは10年以上で運用されている。またUber Eatsは、総受注額ベースで中国以外では最大のオンライン食品配達ビジネスになった。

Uberの2018年Q4、その他の重要数値:

  • 現金および同等物:使徒未指定現金64億ドル(2018年Q3末は48億ドル、2017年Q4は44億ドル)
  • 調整後EBITDA利益率:総受注額の-5.9%(2018年Q3は-4.1%)

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images
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Uber、運転手数の制限でNY市を告訴

Uberがニューヨーク市を相手取って訴えをおこした、とVergeが報道した。Uberは、ドライバーの数を制限する同市のルールをひっくり返したい。昨夏、NY市はドライバーへの新規ライセンス発行を12カ月間、一時的に停止する法案を承認した。

UberとNY市の戦いは数年に及ぶ。NY市の市長Bill de BlasioはUberを規制する法案に何年も賛成してきた。そしてNY市議会はようやく新ルールを2018年8月に可決した。もちろんUberは規制に猛反対してきた。採決の前は、ヘビーユーザーに電話をかけて地元選出の議員にUberのサポートを依頼するよう、お願いしさえした。

議員たちが、ドライバー制限になぜ賛成なのか、その理由はいくつかある。まず1つは、UberやLyft、その他の配車サービス企業によってマーケットが急に大きく変わり、タクシーライセンスを持っている人が苦しんでいる現実がある。ライセンスの価値は大きく下がり、そうしたライセンスを取得するのに大枚をはたいたドライバーたちは経済的困難を抱えている。

2つめに、配車サービスが交通混雑を引き起こしているということだ。UberのユーザーたちはUberを利用するようになって車を所有しなくなった。同時にUberは、地下鉄やバス、自転車といった他の多くの交通機関にも取って代わっている。

交通機関の使用パターンの変化に加え、NY市では多くのドライバーが運転しながら、次の乗車を待っている。こうした客の乗っていない車が道路を塞いでいる。

3つめに、こうした変化に伴う経済的な理由がある。Uberはドライバーと乗客をマッチングするマーケットプレイスだ。規制は、タクシードライバーに対してほど配車サービスドライバーに対しては厳密ではない、という事実をUberは利用しようとしている。そうしてUberは、必ずしもマッチできるわけではないのに、多くのドライバーを受け入れることができるわけだ。結果としてUberは賃金を下げるためにマーケットの不均衡をならすことができる。

新法案の採決の一部として、NY市は配車サービスドライバーの最低賃金も決定した。今後この最低賃金は消費者に跳ね返ることになるかもしれない。しかし多くの人が、インフラ投資と交通渋滞という点で多くの問題を生み出している公共交通機関から遠ざかってきた。

ニワトリ卵の状態だ。もし誰も地下鉄を利用することに興味を示さなかったら、より良い地下鉄システムは期待できない。そして信頼できるものにするための十分な投資がなければ、地下鉄に頼る人は見込めない。

原文へ 翻訳:Mizoguchi)

Amazon、電気自動車Rivianの資金調達7億ドルを主導

3カ月前に初の製品となる車2種をデビューさせた電気自動車メーカーのRivianは、Amazonが主導するラウンドで資金7億ドルを調達した。

このニュースは、GMとAmazonが電気自動車への投資の話し合いをしているというReutersの報道に続くものだ。

「我々は、電動交通の未来についてRivianが描いているビジョンに感激した」とAmazonのワールドワイド・コンシューマー担当CEO、Jeff Wilkeは声明で述べた。「RJはプロダクトのポートフォリオとテクノロジーをマッチさせることで、素晴らしい組織をつくった。そのようなイノベーティブな企業に投資できることに興奮している」。

Rivianは、設立以来ずっと鳴りを潜めていた興味深い会社だ。創業者でCEOのRJ Scaringeが2009年にMainstream Motorsとして設立し、2011年に社名をRivianに変え、フロリダを後にした。現在、同社は米国内4カ所の開発拠点と英国のオフィスに従業員750人超を抱えている。従業員のほとんどは、拡張力のある自動車サプライチェーンに近いミシガンにいる。

Rivianはまた、カリフォルニア州のサンノゼとアーバインにも拠点を置いていて、そこではエンジニアが自動運転車のテクノロジーに取り組んでいる。Rivianは、三菱自動車がDiamond-Star Motorsというジョイントベンチャーをクライスラーと立ち上げ、 Eclipse、Plymouth Laser、Dodge Avengerなどを生産していたイリノイ州ノーマルにある工場を2017年に買い取った。

Rivianはここ数年間活動的ではあったが、大きなカミングアウトは昨年11月のLAオートショーだった。その際、電気で走るR1TピックアップとR1S SUVを発表した。フレキシブルなスケートプラットフォームを使ったこ米国内顧客への納車は2020年後半に始まる見込みだ。

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電脳交通が兵庫県篠山地区でタクシー乗り放題サービスを実証実験

電脳交通は2月15日、西日本旅客鉄道、日本交通、兵庫県・篠山市と共同で、タクシー乗り放題サービスの実証実験を開始することを発表した。同社は、電話でのやり取りが主体となる旧来のタクシー予約システムを、クラウドに移して効率化を目指すスタートアップ。TechCrunch Tokyo 2018のスタートアップバトルでファイナリストに残った1社だ。

具体的には篠山エリアへの旅行者を対象に、タクシー乗り放題用パスポートを定額で販売。購入者はこのパスポートを提示することで、JR篠山口駅および篠山市内の指定観光施設を相互に何度でも乗り放題となる。

タクシーを呼び出すには、パスポートに記載されているQRコードから専用のウェブサイトにアクセスして、行き先や配車時間を入力すればいい。電脳交通は今回の実証実験で、この配車システムの構築を担当するとのこと。

実証実験は、3月9日〜17日の9日間で、利用には当日を含む事前の予約が必要となる。パスポートの料金は5000円、販売数量は1日5組、利用時間は10時〜19時(配車は18時30分で終了)となっている。パスポート1枚で中型タクシー1台の利用が可能だ。乗り降りが可能な施設は、JR篠山口駅のほか、丹波古陶館/能楽資料館、特産館ささやま、丹波杜氏酒造記念館、福住宿場町ホテルなどを全19カ所。

今回の実証実験で各社は、鉄道とタクシーを組み合わせた周遊移動手段を提供することで観光地のさらなる発展を目指すとのこと。

ホンダ、都市型全電動車「Urban EV」のインテリアを初公開

Hondaは2017年に、将来のビジョンについて語ったとき、都市型EVのコンセプトも少しだけ話した。そこには1970年代のCivic第一世代の面影があった。

あれから2年、そのUrban EVの量産モデルがすごそこまで来た。同社はついに(ほんの僅かではあるが)都市型全電動車の室内を垣間見せてくれた。

Urban EVの正式発表は来月の2019 Genegva Motor Showになる。その後市場に出回るまでに時間はかからないだろう。Hondaは2019年中にはEVをヨーロッパ市場に持ち込む計画だと話した。

Honda、2019 Geneva Motor Showで発表予定のEVプロトタイプのインテリア写真を公開

写真をみるとダッシュボードはテクノロジー志向ですっきりしたデザインだ。右に大型のデジタル画面が、ドライバー正面にはデジタル計器群が見える。ハンドルにはトグルスイッチがいくつもついているので、車のさまざまな機能を操作するのだろう。

ハンドルのすぐ右と、右端に見えるパネルはドライバーと助手席の人それぞれが使うように作られているらしい。位置とレイアウトからみて、タッチスクリーン画面と思われる。

Hondaは、「インテリアは暖かくて魅力的な雰囲気を目指しており、2017年のFrankfurt Motor Showで発表したEVコンセプトに由来している」と語った。

HondaはこのEVだけでなく、電気自動車全般に関して大きい計画をもっている。去る2017年、Honda Motor Co. の八郷隆弘社長・CEOは、Urban EVについて「遠い将来のビジョン」などではない、と強調した。

Hondaは電動化、すなわちハイブリッド、プラグイン、および全電動駆動を、ヨーロッパで発売する新モデルのすべてに展開する計画だ。同社は2025年までにヨーロッパ売上の2/3に電動テクノロジーを導入したいと考えている。

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ソフトバンク、自動運転配達のnuroに9.4億ドルを資金提供

自動運転配達のスタートアップNuroが、9.4億ドルの資金をSoftBank Vision Fundから調達した。驚きの金額は同社の配送サービスの拡大、新規パートナー獲得、人材強化、自動運転ロボットの規模拡大などに使われる。

NuroはSoftBank、Greylock Partners、およびGaorong Capitalから合計10億ドル以上を調達している。

「われわれは過去2年半の期間に素晴らしいチームを結成し、最初の無人サービスをスタートし、素晴らしいパートナーたちと共にわれわれの日常生活を根本的に改善するテクノロジーを開発してきた」とNuroの共同ファウンダー、Dave Fergusonが声明で語った。「この提携によって、地域商業に関するわれわれのビジョン実現を次のステップに進め、われわれのテクノロジーを広く応用する機会を得ることができる」

Nuroは、自動運転システムを開発し、これを地元商品のラストワンマイル配達のために設計されたカスタム無人自動車と組み合わせてきた。配達車には車室が2つありレジ袋が最大6個ずつ入る。

「Nuroのワールドクラスのチームは、自動運転技術を実験室から路上へとスケールアップすることに成功した」とSoftBank Investment Adviserのパートナー、Michael Ronenが声明で語った。「わずか2年の間にDaveとJiajunらのチームは、ロボットを小売店や顧客とつなぐことによって、Nuroをコンセプトから真のビジネスへと発展させた」

2018年同社はKrogerと提携してアリゾナ州で配達サービスのパイロットテストを行った。テスト車には当初Toyota Priusが使われていたが、昨年12月には配達専用ロボット置き換えられた。R1と呼ばれる無人運転車は、アリゾナ州フェニックスに隣接するスコッツデールの郊外で非常用ドライバーなしの自動運転サービスを運行している。

今はこの自動配達サービスが注目を集めているが、Nuroが同社の自動運転技術を、無人トラック運送のスタートアップ、Ikeにライセンスしたことも注目に値する。

IkeはNuroのシステムのコピーを利用しており、今回のラウンドに基づくとその価値は数十億ドルと思われる。NuroはIkeの少数株を保有している。

先週Ikeは自身の5200万ドルの調達ラウンドを発表したが、Nuroとの継続的な技術関係はない。以前Ikeのファウンダー・CEO Aleden Woodrowは、このコピーは(完全に派生した互換性のない)「ハードフォーク」だと説明した。

このライセンス契約は、Nuroの経営陣がビジネスの多様化を望んでいることの現れだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WaymoのCTOが語る、会社の過去、現在、そして次に来るもの

10年前、10人あまりのエンジニアたちが、Charleston RoadにあるGoogleのマウンテンビューメインキャンパスに、Project Chauffeur(お抱え運転手プロジェクト)のために集められた。これはGoogleの未踏最先端研究”X”の中に生まれた秘密の取り組みだった。

Project Chauffeur ―― 一般には「Google自動運転車プロジェクト」として知られている ―― は、こうして2009年1月に始まった。プロジェクトはやがてその試験的状態を卒業し、2016年にはWaymoと呼ばれる会社として独立した。

このプロジェクトを当初率いていたのはSebastian Thrunである。彼が現在も開発が続く、全てのエコシステムの立ち上げに尽力したのだ。ベンチャーキャピタリストたちが注目し殺到した。自動車アナリストたちは態度を変え、規制当局、都市計画者、そして政策立案者たちはデータを収集し、自動運転車が都市に及ぼす影響について考慮し始めた。

このプロジェクトはまた、自分自身の会社を作りたいエンジニアたちの、跳躍台でもあり続けた。たとえばそうしたエンジニアとして、Auroraの共同創設者Chris Urmson、Argo AIの共同創業者Bryan Salesky、Otto(や最近はPronto.ai)の起業を手がけたAnthony Levandowskiたちの名前が挙げられる。

だが設立当初から参加していたエンジニアたちの多くが、まだWaymoに残っていることは、あまり知られていないかもしれない。それはAndrew Chatham、Dmitri Dolgov、Dirk Haehnel、Nathaniel Fairfield、そしてMike Montemerloといった人びとだ。「初期」の定義の仕方によっては、Hy Murveit、Phil Nemec、そしてDan Egnorなどの、8〜9年間そこにいる人たちも含まれることになる。

今回、WaymoのCTO兼エンジニアリング担当副社長のDolgovに対して、TechCrunchはインタビューを行った。話題はその黎明期について、10周年を迎えるにあたって、そして将来についてである。

以下は、明瞭さのために短く編集された、Dolgovとのインタビューの抜粋である。

TechCrunch(TC):どのようにプロジェクトを始めたのかをお聞きしましょう。Googleの自動運転プロジェクトの最初の日々について教えていただけますか。

DOLGOV私がこの分野に引きつけられた理由を考えてみると、それはいつでも3つの主要なものに行き着きます。テクノロジーのもたらす影響、テクノロジーそのもの、そして取り組む対象の困難さです(一緒に働く人たちはもちろん大切ですが)。その時点では、きわめて重大な安全性への影響があることは明らかでしたが、その先に、効率性を改善し、人や物の輸送から面倒を取り除く可能性が見越されていました。

決して尽きることのない、こうした高揚感があるのです。自動運転車の仕事を、最初にしたときの事をおぼえています。それは私が書いたソフトウェアを使って、自動車自身が走行した最初の経験でした。これは本当に初期のできごとでした。これは2007年のことです。この体験は私を完全に圧倒しました(Dolgovは、Googleプロジェクトが開始される以前の2007年11月に、DARPA Urban Challengeに参加していた)。

TC:(Googleの共同創業者)ラリー・ペイジが思い付いた、この10本の100マイルチャレンジはどのようなものでしたか?それについて少し説明していただけますか?

DOLGOV:これはおそらく、私たちがこのプロジェクトを2009年にGoogleで始めた際の主要なマイルストーンでした。そしてチャレンジは、それぞれが100マイルの距離がある10本のルートを走行することでした。もちろん、始めから終わりまで、人間は全く介入することなしに、走行させなければなりません。

これらは、非常に明瞭かつ明確に定義された、精密なルートでした。最初に自動運転モードに切り替えた後は、全100マイルを自力で走行しなければなりませんでした。

それぞれのルートは、タスクの完全な複雑さを収集できるように意図的に選択されました。当時私たちにとっては、とにかく問題の複雑さを理解することが先決でした。すべてのルートはベイエリアにありました。私たちはパロアルト周辺の都市環境で運転を行いました、高速道路上で多くの時間を費やし、ベイエリアのすべての橋を訪れました。マウンテンビューからサンフランシスコに行くルートがありましたが、そこにはロンバードストリートを通ることも含まれていました。また私たちは、レイクタホの周りを回るコースも持っていました。

私たちは環境の複雑さを可能な限りカバーしようとしました。そしてそのタスクが本当に素晴らしかった点は、そのことで私たちがこの問題の複雑さの中心を、本当にすばやく把握することができたということなのです。

TC:これらのチャレンジを完了するのにどれくらい時間がかかったのですか?

DOLGOV:それらを終えるのは、2010年の秋までかかりました。

TC:プロジェクトが2010年までに、これらのチャレンジを完了することができたと考えると、凄いことですが、それでもこのタスクにはまだ多くのやるべきことが残されているように思えます。

DOLGOV:その通りです。しかし、私はそれが問題の本質だと思います。 何かを1〜2回、あるいはほんの数回実行できるプロトタイプを作ることと、一般の人たちが日常的に使うことのできる製品を作ることの間には、とても大きな違いがあります。そして、特にこの分野では、私たちが始めたときには、このような一度きりの挑戦で成果を出すことはとても簡単だったのです。

しかし、本当に難しいのは、それを製品にするためにシステムから引き出す必要のある、信じられないレベルの性能なのです。それこそが一番難しいことです。そして二番目に難しいことは、その先に遭遇することになる、果てることなく湧いてくる、滅多に起きない問題の種類の複雑さなのです。おそらく99%の状況ではそうした問題に出会うことはないでしょう。しかしそれでも出会うかもしれない1%もしくは1.1%の状況のために、準備をしておかなければならないのです。

TC:そうした初期の日々を振り返ったときに、あるいはもっと最近のことでも良いのですが ―― 乗り越えられそうもない、あるいはテクノロジーがまだそのレベルに達していないように思われた、ソフトウェアあるいはハードウェアの問題に遭遇した瞬間はあったでしょうか?

DOLGOV:初期の頃には、私たちはあらゆる種類の問題に直面していました。このプロジェクトの歴史の初期段階には、どうやってそこに到達すればよいかを本当にはわからないまま、問題を解決しようとしていただけだったのです。

問題に取り組み始めて、それに向かった進歩が行われます。この数年が、私にとってどのように感じたものかを振り返るならば、ここに一つ問題があったとか、少数のいくつか本当に難しい問題があったとか、一つの壁にぶつかっていたといった表現では全く足りない状況だったと思います。

そうではなく、何百もの本当に難しい問題に遭遇していたのです。とはいえ、そうした問題のいずれもが、レンガの壁のような難攻不落なものではありませんでした。ご存知のように、チームは素晴らしく、テクノロジーは本当に強力で、その問題の解決を進めることができたからです。

しかし、常にこれらの本当に複雑な数百の問題を、同時に扱い続けなければなりませんでした。どれか一つの問題の解決により深く踏み込むと、それがどれだけ難しいかをさらに思い知るといった具合だったのです。

これはとても面白い組み合わせでした。一方では、問題はより困難になり、それについての学びも多くなりました。しかし、その一方では、テクノロジーが急速に進歩し、当初予想されていたよりも速くブレークスルーが起きていたのです。

TC:このプロジェクトが(公式発表とは別に)変化したことに気付いたのはいつでしょう?それが単に問題を解くだけにはとどまらず、ビジネスになり得ると思ったのはいつなのでしょうか?

DOLGOV:私の考えでは、それは私たちの思考が進化し、この技術による、よりはっきりと定義つけられたプロダクトと商用アプリケーションに、より多くの投資が行われたときでしょうね。

私たちが始めた、本当に最初の段階では、問題は「そもそもこれは実現可能なのか?このテクノロジーはうまく働くのか?」でした。とはいえ、このテクノロジーが成功したら、その影響は果てしないものになるという認識は、皆にとって明らかだったと思います。

どのような商用アプリケーションやどのような製品が、その影響をもたらすのかは明らかではありませんでした。しかし、このテクノロジーが世界を変えるだろう方法はたくさんあったので、その点についてあまり心配し続けることはあまりありませんでした。

このテクノロジーを眺めたときに、私たちが開発しているのはドライバーなのです:ソフトウェアとハードウェアの双方ですが ―― 車の中で実行されているソフトウェアとクラウドの中で実行されているソフトウェアがあります。私達はテクノロジースタック全体を、ドライバーとして見なしています。

米国には、人間によって運転されているのべ3兆マイル(4.8兆キロ)もの道があります。ある場合には、彼らは自分自身で運転(drive)し、ある場合には他の人を使役し(drive)、またある場合には貨物を動かして(drive)います。もし「ドライバー」(driver)であるテクノロジーを手に入れたなら、それをすべての場合に展開することが可能です。しかし、それらにはそれぞれ長所と短所があります。

時間が経つにつれて「最も魅力的なものは何だろう?」そして、「どのような順序で取り組むべきなのだろう?」という私たちの考えが成熟して行きました。

それこそが、これまでの作業の結果私たちが現在行っているものなのです。配車サービス(UberやLyftのようなもの)は、私たちが追求している最初の商用アプリケーションです。それ以外にも、長距離輸送、長距離配送に取り組んでいます。いつかこの技術を、個人所有の車、地域の配達業務、公共交通機関などなどに展開することに興味を持っています。

TC:どのようなアプリケーションに一番興味を持っていますか?世の中で見過ごされているなあとあなたが思っているものや、個人的にもっとも興味をお持ちのものは何でしょう?

DOLGOV:このテクノロジーと(そのテクノロジーを利用した)ドライバーが世界中に、そしてさまざまな商用アプリケーションに展開されているのを見ることに、とても興味を持っています。しかし、私が最も興味を持っているものは、私たちの最優先の目標として追求が行われている配車サービスです。

私はそれが最も短期間に、最も多くの人たちに、良い影響を与えることだと思っています。

私はまた私たちの車を使って日々走り回っています。今日仕事場に来るのにも使っています。マウンテンビューとパロアルト周囲で様々な用足しを行うために使っています。これらの車の体験を重ねられることは素晴らしいことです、そしてそうすることによって、本当に多くの移動の面倒が取り除かれています。

TC:なるほど、現在毎日通勤に自動運転車をお使いなのですね?

DOLGOV:はい。まあカリフォルニアではまだ中に人が乗っていますけれど。

TC:どのくらいそれを続けていらっしゃるのですか?

DOLGOVかなりの間です。実際、永遠に続けているような気がします。

私はいつでも車の中で時間を過ごして来ました。自分が開発している製品を体験し、テクノロジーに直接触れることはとても大切だと思っています。これは、プロジェクトの初期の頃に、私たちが少人数ですべてのことをこなしていたときにも同様でした。

チームが成長しても、少なくとも毎週一度は、私自身もテクノロジーを体験しテスト走行をするようにしています。

私たちが配車アプリケーションの追求を始め、そのためのアプリケーションを開発し、それをユーザー向け製品にするためのインフラストラクチャを構築したときには、私は初期のテスターの1人でした。

それはもう3年ほど前になります。

TC:かつて現在のようなポジションにいることになるとお考えでしたか?10年前に、この先10年でこうなるとは予想されていたでしょうか?あるいは、それは想像よりも早く、あるいは遅く起きたのでしょうか?

DOLGOV:私にとっては、2009年の時点ではハードウェア、ソフトウェア、そしてAIと機械学習によるいくつかのブレークスルーは予想していませんでした。今日の技術は、おそらく2009年の時点で予想していたものよりも、はるかに強力なものであると言うことができると思います。

しかしその一方で、実際の製品を実際に開発し、それを人びとが利用できるように展開するという挑戦は、私が予想していたものよりもずっと困難であることがわかりました。なので、それは両方の側面を含んでいますね。

TC:そこでおっしゃるブレークスルーとはどのようなものでしょうか?

DOLGOV:たくさんあります。LiDARとレーダーは、遥かに強力になりました。

そして強力になることによって、すなわち、より長い範囲、より高い解像度、そしてより多くの機能を実現することによって、望めば、そのセンサーの能力の中で、状況に関するより豊かな情報を得ることができるようになりました。これらはセンサー側の話ですね。

計算、特にハードウェアアクセラレーションによる並列計算は、ニューラルネットワークの進歩にとって非常に強力な支援となりました。これによって大きく後押しされることになりました。

そして、深層学習がやってきて、ニューラルネット自身がいくつかのブレークスルーをもたらしました。

TC:そうですね…あなたが挙げた最後の2つの例ですが、私はそれらがここ数年でもたらされた最新のブレークスルーだと思います。期間的にはそんな捉え方でよろしいのでしょうか?

DOLGOV:このプロジェクトでは常に機械学習を使用してきましたが、それは現在用いられている機械学習とは異なるものでした。

たしか2012年だったと思いますが、私たちのプロジェクトに対して有意義な取り組みが行われ、Googleの中で、自動運転テクノロジーと深層学習の協力が行われるようになりました。

間違いなく、その当時のGoogleは、自動運転と深層学習の両者に真剣に投資する唯一の会社でした。

その時点では、私たちはその(ニューラル)ネットを自動車の中でリアルタイムに動作させることができるようなハードウェアを、所有していませんでした。しかし、クラウドのなかで実行できる、とても興味深いことはあったのです。

深層学習にとって、2013年はとても重要な年でした。ImageNetが大きな競争に勝ったそのときが、深層学習のブレークスルーとなったと考えています。それは、コンピュータビジョン競争における他のすべてのアプローチよりも優れていたのです。

TC:2009年の時点で、2019年には多数の自動運転車企業が、カリフォルニア州の路上でテストをするようになっていると想像することはできましたか?それは見込みがありそうなことだったのでしょうか?

DOLGOV:いえいえ、とんでもない。2009年や2010年の時点では、私はそんなことは想像していませんでした。

プロジェクトの初期段階では、人びとは私たちに冷笑的でした。業界ではこのプロジェクトが面白おかしく取り上げられ、Googleの自動運転プロジェクトに対する、沢山のおふざけが生み出されました。

まあ「おや、なんだかGoogleの中でこのSFネタを実現しようと努力している、おかしな奴らがいるようだぞ」と言われていたところから、現在のような何百とは言わないまでも数十の企業が追求するような主要な産業に育ったことは、驚くべきことですね。

Googleの自動運転レクサスRX 450h

TC:一般の人びとが、街のなかで自動運転車に乗るようになるきっかけはどのようなものでしょうか?純粋に成熟度の問題なのでしょうか?それともWaymoも含めて、すべての企業がその方向への利用者の誘導に責任を持つべきものなのでしょうか?

DOLGOV:新しいテクノロジーと変化に対する人びとの態度には、常に個々人の違いがあると思います。より目立つ否定的な意見もあります。しかし実際には、過去10年間の私の経験から見たときには、前向きな態度と興奮が圧倒的に強くなって来ています。

このプロジェクトを通して私が繰り返し経験してきたことは、とても力強いこのプロジェクトが、人びとの態度を不信と不安から、テクノロジーに触れることによって、興奮と安心そして信頼へと変えていったことです。

私たちの車の一台に、誰かを案内して実際の乗車をするとしましょう。誰もハンドルを握っていない車に乗ることに不安を感じている人でも、一度経験することによって、またその製品がいかに有用かを理解することによって、そしていかに車がきちんと動作するかを知ることによって、徐々に信頼しはじめるのです。それが本当に信頼へとつながっていくのです。

技術がより普及し、より多くの人びとがそれを直接経験するようになれば、それが助けになるでしょう。

TC:2009年当時の最大の課題は今でも同じでしょうか?残っている最後の難問は何でしょう?

DOLGOV:2009年には、すべての問題は、それぞれ解決が必要な個別の問題でしたが、現在ではそれを製品化するということに尽きます。

それは、自動運転システム全体を示すこと、そしてテクノロジーの評価と展開のためのツールとフレームワークの開発をすることにかかっています。そしてご存知のように、全体として変わることなく大切なことは、開発を素早く繰り返すことと、新しいことを学び、そして発見された新しい技術的課題を解決する力なのです。

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(翻訳:sako)

Uberの自転車シェアサービス「JUMP」は回転率が高い

昨年サンフランシスコでは、JUMPの電動アシスト自転車を6万3000人以上が62万5000回利用したと同社は今日(米国時間2/10)発表した。サンフランシスコのJUMPバイクは、1台あたり1日に平均7回利用された。ドック方式レンタル自転車業界の平均は1日あたり1~2回だ。

JUMPは昨年始めに250台の自転車を導入し、10月に250台追加した。運行台数が少ないために1日あたりの利用が多いとも考えられるが、250台から500台に増やしてからも利用状況は変わっていないとJUMPは言っている。

現在サンフランシスコにはFord GoBikesが1200台あり5500人のアクティブ利用者がいる。昨年Ford GoBikesの総利用回数は140万回だったと市交通局は報告している。10月時点での利用回数は、Ford GoBikesが1台あたり1~2回なのに対してJUMPは8~10回だった。業界全体でみると、ドック方式では1日1台あたり平均1~2回利用されたと2017年の全米都市交通協会の報告書に書かれている。

その一方で、JUMPの利用によって、Uberの利用回数は減り続けている。昨年7月、Uberは自動車利用回数が10%減ったのに対して、JUMPとUberの合計は15%増だった。

「調査結果が公開された7月以降も、傾向は変わっていない」とJUMP CEO Ryan Rzepeckiはブログに書いた。「全体(Uber + JUMP)の利用が増えるなかで、Uber車の乗車は減っていて、ピーク時には、UberアプリでJUMPを使い始めたユーザーのUber乗車がさらに減っている。

数ヶ月前、JUMPは4G機能を搭載した次世代電動アシスト自転車を発表した。ほかにも内蔵診断システム、引き込み式ケーブルロック、スマートフォン用マウントなどを備えている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

現状の電動スクーターは事故が多い…Consumer Reports誌の調査より

Consumer Reports誌の調査を見るかぎり、電動スクーター(eスクーター)のメーカーは安全性について再考せざるを得ないようだ。

同誌によると、電動スクーターは2017年の後半以降、アメリカで1545件の傷害事故を起こしている。同誌は、テクノロジーを利用するスクーター共有プラットホームのトップ企業であるBirdやLimeが認可されている47の都市で、110の病院と5つのお役所からデータを集めた。

このニュースの直前には、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が公表した研究が、スクーターの事故で発生した治療を要する負傷者は249名、その1/3は救急車で病院に搬送された、と言っている。

その研究報告の主な筆者であるUCLAの救急医Tarak Trivediが、CNETにこう語っている: “重傷者もいる。軽い切り傷やすり傷ばかりではない。本物の骨折もある”。

スクーター企業のCEOたちはみな、安全を強調しているが、しかし安全性はこの分野のビジネスの優先事項になっていないようだ。その安全軽視の姿勢が消費者にも伝染して、eスクーターや乗り捨て自転車はヘルメットを着けずに乗るのがふつうになっている。そしてそこに、粗悪なハードウェアと無責任な乗車マナー、夜間乗車などの条件が重なると、当然のように事故は起こり犠牲者も出る。先週はテキサス州オースチンで、Limeのスクーターに乗っていた歩行者がUberのドライバーに轢かれて死亡した。そのLimeのスクーターに乗ってた人は、禁じられている高速道路を走行していた。

LimeやBirdなどスクーターのトップ企業は、無料のヘルメットを提供しているし、正しい乗り方マナーを奨励している。でも、ヘルメットの着用や、自動車専用道路を走らないことなどを“強制する”方法はない。

今日(米国時間2/6)、シリーズDで3億1000万ドルを獲得したばかりのLimeは、安全性向上のために今後どんな努力をするだろうか。

関連記事: Bird CEO on scooter startup copycats, unit economics, safety and seasonality…Bird CEOインタビュー(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

トヨタが自動車サブスクリプションのKintoをスタート、エコドライブにはボーナスポイント

日本のトヨタ自動車は自動車サブスクリプションのKintoを正式にスタートさせた。このサービスは去年末に発表され、自動車その他の交通手段を定額のサブスクリプションで提供する他、中古車の売買、整備、補修部品販売なども行う。

Kintoは100%子会社のトヨタファイナンシャルサービスと、住友商事グループの住友三井オートサービスが出資している。トヨタの発表によれば、Kintoへの当初の出資は18億円(1600万ドル)だという。

Kintoの設立は数年前から始まっていた新しい形の自動車利用へのシフトを明確化するものだろう。世界の自動車メーカーはサブスクリプション・モデルを各種実験している。ただし結果は成功ばかりではない。VolvoのCare by Volvoはもっとも成功した例だが、キャデラックはBook by Cadillacサービスを中止している。ただしGMでは再開の方策を検討しているという。

他の自動車サブスクリプションと異なり、Kintoはサービスをゲーム化しているのが特色だ。実際の運用はこの秋から開始されるが、顧客のドライビングの「エコ」、「安全」の度合いを判定し、それに応じたボーナスポイントを還元するという。トヨタではドライビングをどのような基準で判定するのか具体的に明かしてないが、利用される自動車はインターネットに接続され、各種センセーで情報がモニターされるものとみられる。【略】

Kintoのサービスは当面、日本で実施される予定で、ヨーロッパ、アメリカは対象とされていない。Kinto Oneのメンバーはトヨタの自動車1台(プリウス、カローラ・スポーツ、アルファード、ベルファイア、クラウン)を3年間利用できる。利用できるモデルは2019年秋までにさらに拡大される予定だ。Kinto Oneのサブスクリプションは消費税を含まず月額4万6100円(419ドル)から9万9000円(901ドル)まで。Kinto Selectプランの場合、ユーザーは3年契約で6車種のLexuxの中から選択できる。こちらは月額18万円(1638ドル)だ。

両サービスとも月額定額で、任意保険、自動車税、登録費用、車検費用などを含んだパッケージだ。

ハイエンド版のKinto Selectは今週ただちに運営がスタートする。 Kinto Oneは3月1日スタートの予定。それぞれトヨタとLexusの首都圏のディーラーの一部で試行が開始される。この夏には大都市圏に拡大されるという。

画像:Toyota

(日本版)トヨタ自動車のKintoのプレスリリース

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滑川海彦@Facebook Google+

KDDIら、一般公道で5G活用した複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験へ

アイサンテクノロジー、KDDI、KDDI総合研究所、損保ジャパン日本興亜、ティアフォー、岡谷鋼機、名古屋大学は2月9日、愛知県一宮市で、愛知県による「平成30年度自動運転実証推進事業」における自動運転の実証実験を実施する。

同実験では国内で初めて一般公道において5Gを活用した複数車両の遠隔監視型自動運転を行う計画だ。

実験で使用する2台の自動運転車のうち、1台に5Gを搭載。運転席を無人の状態としたうえで自動走行を行う。自動走行を行うにあたり、遠隔にいる1名の運転手が2台を同時に監視し、緊急時には制御を行う。

同実験における各社の主な役割は以下の通りだ。

KDDI:5G自動運転車の開発・提供、4G LTE通信ネットワークの提供および5Gエリアの構築・評価、車載通信機および遠隔管制卓とクラウドシステムをつなぐ通信システムの提供

KDDI総合研究所:5G自動運転車の開発・提供、5Gを活用した遠隔自動運転実現のためのシステム設計の検討と実装のサポート

アイサンテクノロジー:高精度3Dマップ更新・作成、アプリケーション作成、自動運転の実証、報告書作成

ティアフォー:自動運転ソフトウェア「Autoware」の提供、自動運転に係る技術支援と助言

損保ジャパン日本興亜:自動運転に係るリスクアセスメント、自動運転専用保険・サービスの開発検討

岡谷鋼機:自動運転事業の実用化検証支援

名古屋大学:モニター調査および取り纏め

KDDIは「将来の移動手段を確保するために自動運転技術や5GといったICTの利活用が注目されています。自動運転の高度化により、買い物難民やバス・タクシー運転手不足に対する市民の移動手段としての活用や観光促進や車産業振興にもつながることが期待されます」とコメントしている。