Bill Gates, Reid Hoffman, Sam Altmanらがグローバルな署名運動サイトChange.orgに$30Mを投資

LinkedInの協同ファウンダーReid Hoffmanが今日(米国時間5/26)、社会的正義を実現するための署名運動サイトChange.orgに大きく賭けることを発表した。彼は3000万ドルの投資ラウンドをリードし、それにBill GatesやY Combinatorの社長Sam Altmanらのビッグネームが参加する。

HoffmanはLinkedInにこう書いている: “Change.orgは集団的アクションのためのグローバルなハブであり、市民参加が大きくなりつつある今の時代における重要な民主化勢力である。それは、重要な問題や政策に関して、ロビイストを雇わなくても本物のインパクトを及ぼすことのできる世界を実現する”。

この組織は2007年に今のCEO Ben Rattrayが創った。その後、世界中の2億人近い人びとがこのサイトを使って、人権、環境、教育、健康などの問題に関する気づき(awareness)を喚起してきた。

Rattrayは、そのグローバルなミッションについて書いている: “私たちは今、より参加性の高い新しい形の民主主義の、初期的な発展途上段階にいる。そして、市民の参加性を変革することのできるテクノロジーの力を実際に実現するためには、私たちの声がより広く到達し、より深い関わりを可能にするためのツールを作る必要がある”。

シリコンバレーで、もはやマンネリの常套句が、「“世界を変える(change the world)”ものを作る」、だ。

でもChange.orgは、NPOではなく利益を追うビジネスだ。同社は企業や非営利団体などに陳情や署名活動のスポンサーとして寄付を求め、それが同社の年間2000万ドルの収益になっている。しかしそれでも、社員の30%をレイオフすることを避けられなかった(2016年)。その後彼らはクラウドファンディングを導入し、今ではそれがChange.orgに“数百万ドルの収入”をもたらしている。

HoffmanがChange.orgのチームに賭けるのは、これが初めてではない。2014年には、Richard Branson, Ashton Kutcher, Twitterの協同ファウンダーEv Williamsらと並んで、名士らによる大きな投資に参加した。

また2012年には、Change.orgは4200万ドルあまりを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

著作権管理ブロックチェーンのBindedが、朝日新聞などから95万ドルを資金調達

Bindedは、ブロックチェーンを使う公開データベース上に著作権の恒久的な記録を作ることによって、写真家が自分の知財を容易に保護できるようにする。

それまでBlockaiという名前だった同社は、今日からBindedになる。テクノロジーっぽい名前から、ユーザーが得る利益、すなわち法的拘束力(binding)のある記録を作ること、を前面に打ち出した名前に変えたのだ。これなら、ビットコインやブロックチェーンを知らない人たちにもアピールするだろう。

ついでに同社は今日、新たな95万ドルの資金調達を発表した。その投資家は、Mistletoe, Asahi Shimbun, Vectr Ventures, M&Y Growth Partners, Tokyo Founders Fund, そしてSocial Startだ。Mistletoeを率いるTaizo Sonはゲーム企業GungHoの創業者で、SoftBankのMasayoshi Sonの弟、Asahi Shimbunは日本の新聞「朝日新聞」だ。これでBindedの資金総額は150万ドルになる。

BindedのCEO Nathan Landsは、日本の投資家が顔を揃えたことで、同社が著作権管理のグローバルスタンダードになる道が拓(ひら)けた、と示唆している。

なぜそんなスタンダードが必要なのか? さよう、たとえばアメリカの場合なら、作品は作られたときから著作権を有するが、それが法的効力を持つためには特許庁に権利を登録しなければならない。Landsが主張するBindedのメリットは、それが権利発生と法的有効化との中間に位置する点だ。登録に比べると時間もお金もかからないが、それでも第三者による記録として法的価値を持ちうる。

“著作権というものを簡易化し大衆化したいんだ”、と彼は述べる。

その主張に即してLandsは、Bindedのコアプロダクトを“つねに無料”、としている。そして今後加えていくさまざまなサービス…登録代行など…を有料化して、収益源にするつもりだ。

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ソフトバンク、巨大なビジョン・ファンドの第一次出資募集で930億ドルを集める

ソフトバンクは同社の1000億ドルの巨大ファンド ―- 史上最大 ―― が、今日(米国時間5/21)最初の募集を完了したことを発表した

日本の通信の巨人は、同社のVision Fundが最初の出資募集を終え930億ドルを獲得した。出資には数多くの著名企業が参加し、Apple、Qualcomm、UAE拠点のMubadala Investment Comapny、サウジアラビアの公共ファンド、PID、Foxconn、およびFoxconn傘下のSharpなどが名を連ねた。計画によると、目標の1000億ドルは6カ月以内に達成する見込みで、すでに投資家の約束を取り付けているという

同ファンドは少なくとも1000億ドルの資金提供を約束しており、企業の規模の大小、上場非上場を問わない。

そこからは幅広い分野が想定されるが、孫正義氏の声明によると、主たる目的は次世代インターネットと世界中をつなぐことにある。

テクノロジーには、今人類が直面している最大の課題とリスクに取り組む潜在能力がある。こうした問題を解決しようとする企業には、長期的に持続する資産と、その成功を支えるビジョンある戦略的投資パートナーが必要だ。

Softbankは改革を起こすテクノロジーへの大胆な投資と、破壊的起業家の支援を長年続けてきた。SoftBank Vision Fundはこの戦略に基づき次の段階の情報革命の基盤を作る企業の設立と成長を支援していく。

具体的な分野についてSoftBankは、モノのインターネット、AI、ロボティクス、情報基盤、通信、バイオ技術、フィンテック、モバイルアプリなどを挙げた。

支援企業の信用度とその膨大な規模から考えて、Vision Fundはテクノロジーベンチャーキャピタルとして過去に類を見ないものであり、資金がどう使われていくのか非常に興味深い。

すでにいくつか兆候を見ることができる。同ファンドは最初の募集完了以前から活動を始めている。最近の契約先には、インドのフィンテックのユニコーン、PaytmバーチャルリアリティーのImprobable Worlds中国のUberキラー、Didi Chuxing、および衛星インターネットのOneWebなどがある。ほかにもWeWorkなどの会社との関係が推測される未確認の投資が継続的に行われいる

今回の発表はドナルド・トランプ大統領の中東訪問に合わせたもので、Vision Fundの重要投資家がそこを拠点にしている。早くからホワイトハウスとのつながりを作ってきた成果と言える。SoftBank CEOの孫正義氏は、トランプ大統領との会談で米国への500億ドルの投資および新たに5万人分の雇用を生み出すことを約束している。

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極少額の投資や寄付を勧める動き


【編集部注】著者のPatrick Wallenは、弁護士でありRubicon Venture Capitalのフェロー。スタートアップとVCのプロフェッショナルである(この著者による他の記事:How Trump will impact venture capital: The future of QSBS)。

#DeleteUberの数が増えるにつれて、Lyftは自らを善意の提唱者であると宣伝する機会を、巧みに掴み取った。大衆からの支持を得るための試みの一環として、Lyftは乗客1人ごとに一定の寄付を開始する。

これは3月下旬に発表された“Round Up&Donate”(切り上げて寄付)計画に従うものだ。Lyft利用者は、運賃をドル単位で切り上げて(ランドアップ)その差額を寄付することを選べるようになる。たとえば、元の運賃が8ドル50セントだったとすると、利用者の支払い金額は9ドルとなり、差額の50セントはACLU(アメリカ自由人権協会)へ寄付され、市民の自由を守ることになる。

Term SheetStrictlyVCをフォローしている人たちは、個人投資または非営利支援のためのラウンドアッププログラム(切り上げプログラム)をサポートするために、かなりの投資が行われて来たことを思い起こすだろう。例えばPayPalや楽天のような大手のテクノロジー企業が、カリフォルニア州ニューポートビーチにあるAcornsに投資を行って来た。

6000万ドル以上の資金を持つAcornsは、ユーザーが買い物をする時の金額を切り上げて、その釣り銭を自動的に投資に回すことによってマイクロ投資を可能にするサービスを提供する。

AcornsのCEOであるNoah Kernerは、ラウンドアップ投資の事を「特に若い人たちとって、お手軽に(投資を)始める方法の1つです」と説明している。「そして私たちは、お客様たちが更なる投資を行うことのできる機能を提供しています」。

Acornsは、運用を開始して最初の8ヶ月の間に、2500万ドルの資金を調達したが、その利用者の4分の3は18歳から34歳だった。

Kernerによれば、釣り銭を使って投資することは「本当に無意識に行なうことができます」ということだ。彼は、「コーヒーを飲むことを我慢して、未来のスターバックスに投資せよ」といった古い金融格言を引用しながら、「しかし人びとの振舞を根本的に変えることは難しいことです。無意識の内にそうしたことを自動的に支援してあげる方が簡単です」と語った。

モバイル経済が2020年までに倍増し、1000億ドル以上になると予測される中で、企業たちは、こうした傾向に対応するために若年層に向けての努力を重ねている。米国の世帯の約65%が少なくとも1件の寄付を行なう中で、ミレニアム世代の85%近くが寄付を行っている。Millennial Impactレポートによれば、ミレニアム世代が最も寛大な世代であると主張する者もいる。

このマーケットに可能性見出しているのが、スタンドアロンアプリのCoin Upの CEOであるLeena Patidarだ。Coin Upは、Apple Storeに初めて登録されたモバイル寄付アプリの1つだ。Patidarは私にこう語った「(Appleは)当初、私たちを受け入れませんでした。Appleが私たちを承認するのは大変なことだったのです」。そして今彼女の会社には、マイクロ寄付の民主化に向かうライバルのDropsが加わった。

PatidarはLyft幹部とプログラムについてのコンサルティングを行い、切り上げの「主流化」をサポートしている。彼女は、Coin Upが若いユーザー層に合わせるようにデザインされていることから、顧客たちが自身のラウンドアッププログラムを実施し、寄付の上限を設定したり、寄付先のリストからの選択を行なうことができると話した。Kernerのコーヒーショップ訪問の格言に触れて、Patidarは「そうしたラテは高くつく可能性がありますね。寄付が何処に行くのか、どの程度の金額まで出て行くのかについて、制御する必要があるでしょう」。

Patidarによれば、彼女のアプリは、「特別な催しものに対する500ドル」はおそらく用意できないものの、「何かより大きな動きの一部として寄与したいと願う」ミレニアム世代向けのものだ。

App Storeの中では新しい種類のアプリたちであるにもかかわらず、少額寄付に関わる他の気にすべき傾向を見せるものもある。“America’s Charity Checkout Champions”を隔年で出版するEngage fo Goodの、コミュニケーション責任者であるMegan Strandは、POS(Point of Sale)業界とラウンドアップ寄付戦略の専門家だ。

Strandは、特に今年は、ラウンドアッププログラムに多くの「不満」が見られたと述べている。まだ出版されていないものの、私は彼女の調査に関する早期レポートに関して問い合わせを行うことができた。Strandは、1ドル以下の寄付は「促しやすいので」とコメントしつつ、現在のトレンドはラウンドアップ寄付に向かっていると語った。Strandは、これまでキャッシュレジスタで固定額の寄付を行えるようにしていた組織が、今やラウンドアップをオプションとして追加し、実際上これをディフォルトオプションにしつつあるという、初期の調査結果に驚いていた。

もし私たちが少額寄付を謳う壮大なストーリーで、ちびちびと小銭を巻き上げられているだけなのでは考えるのなら、Strandが挙げる事例に目を向けてみよう。例えばJC Pennyはラウンドアップ寄付を用いて、1年で300万ドル以上の寄付を集めた。POSに似たプログラムで固定額の寄付を提供できるeBayは同じ年に6000万ドルを集めている。そしてBank of America(BofA)の”Keep the Change”(釣り銭をとっておこう)プログラムは、その開始以来30億ドルを集めているのだ。Strandは、より親しみのある固定POS寄付が、最終的には非営利団体の総額を上げるという点で、ラウンドアップ戦略に道を譲るかどうかは、疑問視している。

誰もがマイクロ寄付の有効性について確信しているわけではない。イェール大学の経済学の教授であり、Impact Mattersの共同創業者であるDean Karlanも、こうしたラウンドアッププログラムが本当に寄付を増やすかどうかに関しては疑問を抱いている。Karlanは、上で触れたBofAの”Keep the Change”プログラムでの、1人当たりの平均額が小さいことを挙げて、こうした釣り銭を寄付することで結果的に「暖かくふんわりとした感覚」を私たちが得てしまい、そうして頭の中に生まれる「チャリテイボックス」によって結果的に後の大きな寄付が妨げられるのではないか、と心配している。私がKarlanと話した際には、ラウンドアップ寄付をすることで、「本当の姿よりも自分が利他的だという誤った感覚」に陥ってしまうのではないかと語っていた。

彼は語る「物を買うための取引コストが下がってきています。今や衝動的に慈善団体を作るのは10年前よりも簡単です。それについて深く考えることなく、ただ数回のクリックを行なうだけというのは、良くないことかもしれません」。Karlanは「私はデータを信じます」と宣言し、アカデミックの世界は「真の効果についての実際の証拠を待っているのです」と述べた。そしてLyftは何が上手く行くことなのかを示すための絶好のポジションにいると指摘している。最終的にKarlanは、このお手軽な寄付が、実質的な寄付を、増やすのかそれとも置き換えるのかがわかるまでは、Lyftのプログラムに対する賞賛は控えようと考えているのだ。

Strandは、ラウンドアッププログラムの広がりの見通しに対して熱心だが、すべてのプログラムが均等に扱われるわけではない。「Lyftが何をするのかに興味があります」とStrandは言う。「彼らにとってのチャレンジは、ユーザーに対して何故、そしてどのようにオプトインするのかを伝えることなのです」とStrand。「もしLyftがこれを続けるならば、それを正しく行って、それを積極的に推し進めることを願いますね」。そして以下のように付け加えた「これをアプリの誰も気にしない様な深い場所に埋め込んでしまうなら、間違ったやり方だということになります」。

何百万人ものユーザーに寄付を促すことには大きな影響を期待できるものの、Strandが指摘するように、ユーザーはなによりもまず、オプトインする必要がある。ただし、これはCoin UpのPatidarや、AcornsのKernerにとっては問題ではない。

「アプリをダウンロードする時点でオプトインすることになりますから」とKernerは言う。しかしLyftにとっては、このことは重要だが簡単なことではない。Libertarian Paternalism Is Not an Oxymoron(自由主義者の保護主義は語義矛盾ではない)という論文の中で、行動経済学の父Richard Thalerとその同僚であるCass Sunsteinは、オプトインを支える科学を探求し、人びとが現状維持に偏ることを説得力のある形で議論している。

これはLyftにとっては悪い知らせだ。 最近発表されたように、彼らはまずAndroidユーザーたちが、アプリ設定の中でプログラム参加を行えるようにする。つまりオプトインさせるということだ。もしその代わりに、オプトアウトを採用するならば、労なく金を集められるようにするようなものだ。

第3の選択肢は、ユーザーに明示的に選択させることだ。ThalerとSunsteinは、こうした強制的な選択は、オプトインを必要とするものよりも高い参加率をもたらすが、オプトアウトを要求するものよりは低い参加率になると結論付けている。

オプトアウトをデフォルトとすることに対して反対する者は、しばしば個人の自主性や、純粋な選択肢を持つ自由を理由に挙げている。しかしながら、例えば人生の早い時期で投資をしないことを選択するようなことが、個人的な利益にとっておそらく害になるということを知りながら、人間はしばしば愚かな選択をしてしまう。30歳未満の米国成人で株式で資産を持っているのは、25%強程度に過ぎない、という報告もある。これこそが、Kernerが人びとを「正しい」方向へ誘うというアイデアに熱心な理由だ。彼は言う「若い人たちは投資に意識が向いていません」だからこそ「Acornsが優しく誘うのです」。

Kernerは「早くから投資家になることは正しい選択です。顧客には多大な敬意を払っていますが、私たちはそのための水先案内人となろうとしているのです」と語る。

またその一方で、もしミレニアム世代が社会活動に寄付を行いたいと思っているのなら、そちらへのより広範な参加を促すようにデザインされたシステムを用いて、ミレニアム世代を誘うのも良いことだろう。

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(翻訳:Sako)

目に見えないボタンやスイッチを操作する‘タッチレスインタフェイス’のUltrahapticsが$23Mを調達

今VRやARに大金を投じているテクノロジー企業は、目の前のデジタルオブジェクトが本物であるとユーザーに信じこませる努力を重ねているが、ユーザーがそれらを本当に本物だと感じるためには、まだ重要な何かが足りない。

Ultrahapticsは、超音波を利用して、ユーザーが感じることのできる3Dのオブジェクトを空中に作り出そうとしている。同社が当面考えているのは、その技術を使って“タッチレスのインタフェイス”を作ることだ。それは、ユーザーの手の動きをシステムが追う、というタイプではなくて、空中に作られる目に見えないスイッチやダイヤルなどをユーザーが操作し、しかも触感によって操作の完了をユーザーに伝える。

イギリスのブリストルに拠を置く同社は、今日(米国時間5/3)のブログ記事で、2300万ドルのシリーズB資金を獲得したことを発表している。このラウンドには、Dolby Family Ventures, Woodford Investment Management, Cornes, およびIP Groupが参加した。Ultrahapticsの調達総額は、4000万ドルになる。

同社は仮想現実の入力技術で興味深い企画をいくつか抱えているが、今では自動車業界にも顧客を求めている。パートナー企業はUltrahapticsの技術を利用して、手のジェスチャで操作するダッシュボードを作ることができる。2か月前にそのデモを見る機会があったが、まだ明らかに有効なユースケースを模索中とはいえ、同社の技術は古くからあるさまざまな日常的問題に、新鮮な解を与えそうだ。

これまでの拡張現実の技術では、手の動きを追うことが標準的なコントロールインタフェイスだったが、その最大の問題は触感のフィードバックがないことだ。Ultrahapticsは、同社のソリューションがVRやARのニーズを満たすことを期待している。それは、ヘッドセットにデバイスを付加したり、テーブルトップのミニチュア世界を構築する使い方になるだろう。

同社は今、超音波プラットホームで何かを構築してみたいデベロッパーのために、Touchと名付けた開発キットを提供している。そして今四半期のアップデートで、そのインタフェイスに感覚を導入するためのライブラリを提供する予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自動車共有のGetaround、4500万ドルをトヨタ他から調達―メーカーとの提携を拡大へ

自動車共有サービスのGetaroundはBraemar Energy VenturesがリーダーとなったシリーズCのラウンドで4500万ドルの資金を調達した。このラウンドにはトヨタと中国のSAIC自動車が参加した他、以前からの投資家であるMenlo VenturesとTriangle Peak Partnersも加わっている。

Getaroundはこのラウンドで得た資金をベースに世界各地の有力交通関連企業との提携を拡大していく計画だ。世界中の人々があらゆる場所で即座に自動運転車にアクセスできるようにすることが最終的な目標だという。

Getaroundはこれまでもパートナー・ネットワークの拡大に熱心だった。最近ではUberとの提携を発表している。これはGetaroundのユーザーがサンフランシスコ地区で付近に駐車しているUber車を利用できるようにするためだ。これはUberにとっても稼働率をアップさせる効果がある。昨年10月にはトヨタと提携している(Getaroundはこのときトヨタが戦略的な投資を行うことも発表した)。

トヨタはリース契約においてGetaroundに参加することを奨励するインセンティブを設けた。つまりトヨタ車をリースする場合、Getaroundに参加していれば、レンタル料金がリース費用から差し引かれて所有者の負担が軽減される。

Getaroundはメルセデス・ベンツともパートナー契約を結んでおり、所有者がGetaroundを通じてレンタルを行えるようにしている。Getaroundではこうしたパートナー・ネットワークを世界の主要自動車メーカーに広げていきたい考えだ。Getaroundではメーカーがレンタル機能を工場で組み込んだ自動車を提供することを期待している。新たに調達した資金はこうした目標を達成するために用いられる。

自動車共有ネットワークの仕組が来るべき自動運転車の時代に与えるインパクトを想像することは容易だ。Getaroundでは自動運転のテクノロジーが現実のものとなったとき、車両を誰もが手軽に共有できるようにするソフト、ハードの開発に全力を挙げている。ただしそれまでの間は、現行自動車の共有を助けることによって自動車保有の負担を軽減し、将来生産台数が漸減することによって自動車メーカーが被るかもしれない損害を軽減するのを助けようとするもののようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Kickstarter、「プロジェクトのリクエスト」を提示

Kickstarterくらいクラウドファンディングの世界にいれば、あちことで様々なトレンドを目にせざるを得ない。Y Combinatorの「スタートアップのリクエスト」に倣い、Kickstarterは来年何がチャンスかを明確に示そうとしている。KickstarterのゴールはY Combintorよりはるかに不明瞭だが、同社はキャンペーン候補に対して、Kickstarterが何に重点をおいているかを表す明確なサインを送っている。

同クラウドファンディングサイトは、「クリエーションのためのツール」を具体的に指定している。Kickstarterによるとこのカテゴリーには、例えば昨年TechCrunch DisruptでデビューしたWazerのような文字通りのクリエーションツールと、クリエーションをもっと自由にとらえた ArtiphonのInstrument 1のようなツールの両方が含まれる。

あと2つの注目すべきカテゴリーはもっとわかりにくい。“Boundary Pushers”[限界を押し広げるもの] と “Delightful Design”[心地よいデザイン]は、どんな意味にでもとれる。Kickstarterが「プロジェクトのリクエスト」を発表する狙いがどうにもよくわからない。明確なゴールが示されないならなおさらだ。あらゆるクラウドファンディングのキャンペーンは限界を押し広げてよいデザインでなくてはならないと言える。

それでもこれが興味深いのは、Kickstarterがかつて宣言したゴールから方向転換する兆候に見えることだ。過去数年間、同サイトはアートやクリエイティブなプロジェクトをテクノロジー中心のプロジェクトよりも重視してきたように思える。この方針は、永遠のライバルであるIndiegogoが多くのハードウェア、テクノロジー関連プロジェクトのメッカになっていくことを意味していた。Kickstarterが再びテクノロジーの世界に戻ってきて、社内チームがクリエーターと協同でプロジェクトを成功させようとしているのは朗報だ。

個人的には、条件をもっと明瞭にしてほしい(XとYが欲しい、AとBではない)ところだが、どんな取り組みもどこかからスタートするしかない。Kickstarterの最初のテーマは少々ぼんやりしているが、フィードバックを受けてすぐに対応することがこの会社の特長なので、今後「プロジェクトのリクエスト」がどう進化していくか楽しみだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

インターネットを使わないローカルな通信ネットワークを作るgoTennaがシリーズBで$7.5Mを調達

インターネットを使わない通信を指向して2012年に創業されたgoTennaは、今や社員が23名にもなり、専用ハードウェアを発売するまでに成長した。今日同社は、Union Square Ventures率いるシリーズBのラウンドで、新たに750万ドルの資金を調達した。

goTennaのアプリ等を使うとスマートフォンがウォーキートーキー(トランシーバー)になり、同じくgoTennaを使っている近くのスマートフォンと通信できる。ニューヨークのブルックリン出身の同社は、消費者と企業団体の両方をターゲットにしているが、より将来性があるのは後者の方だ。自分たちだけの独自の通信ネットワークは、週末のピクニックなどには便利だが、行政機関などの災害対応チームにとっては、人の命にかかわるほど重要だ。

goTenna team at REI

goTennaのチーム(アウトドア用品ストアREIの店頭で)

今日(米国時間4/13)のラウンドも含めて合計わずか1680万ドルの調達資金で、同社はこれまで3つの製品を作った。goTennaとgoTenna Mesh、そしてgoTenna Proだ。そのうちgoTennaはアメリカの消費者が対象、Meshは国内と海外のユーザー、そしてProは行政や企業が対象だ。goTenna Meshはこの春発売予定で、Proは秋以降になる。

goTennaは基本的にはハードウェア企業だが、これまでずっと、収益源の多様化に努めてきた。昨年の秋には、goTenna Plusというサービス製品を立ち上げた。このサービスは、オフラインの地図検索や、受信確認、位置追跡などの機能がある。

また、国際化にも熱心だ。CEOのDaniela Perdomoによると、国際展開によって、応答性の優れたサプライチェーンを構築できる、という。

“これまではずっとR&Dモードでやってきたけど”、とPerdomoは語る。“それでも数百万ドル相当の製品を無理せずに売れたから、今後もR&D企業のままでいたい”。

資金調達があまり好きではないPerdomoは、それに臨む姿勢もかなり保守的だ。つまり、向こう1年半から2年のあいだに必要と思われる金額の50%増し、という額の調達をねらうのだ。その後は、外部資金に依存しなくてもやっていける、と彼女はきっぱりと言った。

今日のシリーズBには、goTennaの既存の投資家たちも参加した。それらは、Walden Venture Capital, MentorTech Ventures, Bloomberg Beta, BBG Ventures, そしてCollaborative Fundだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Virtualistics、VR用Excelで440万ドルを調達

リアル世界で正しく表現できないデータがたくさんあるなら、バーチャルリアリティーに送り込めばいい。

Virtualiticsは、VRヘッドセットを付けた状態でデータを分離、可視化、操作することでデータの理解を深めることを目的としている。

今日(米国時間4/11)このスタートアップはThe Venture Realty Fundのリードで440万ドルのシリーズAラウンドを完了したと発表した。

VRのビジネス生産性ツールへの応用はまだ遅れている。訓練やオリエンテーションなどの業務ではVRが大いに役立つと期待されているが、精度がまだ不足している。テレプレゼンスツールを使えば、容易に操作できる環境で深いレベルのコラボレーションが可能になると多くの人々が期待している。

データセットをアプリに読み込ませたあと、ユーザは特定のデータポイントを指定して表示方法やデータ区分を操作できる。

Virtualisticsは、データのビジュアル化はビジネスユーザーがVR環境を活用するのに適した機能の一つだと考えている。今月同社はベータテストを開始する予定で、Accetnureを始めとする主要顧客が参加する。料金はデバイス単位で徴収する。

CEOのMichael Amoriは自社の製品がデータを美しく見せるだけでなく、「没頭的ビジュアル化」によってデータサイエンティストが新たな「次元」の発見をする鍵になると信じている。

「データの情景をもっと効果的に可視化することができれば、正しいアルゴリズムを見つけられる可能性は高まる」とAmoriは本誌に伝えた。

Amoriは、非公開ベータテストは3~5か月で終了するので、その後大規模に公開し始める計画だと語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オンデマンド「犬の散歩代行」のWag、密かに資金調達ラウンドを実施

先週本誌は、ペットケア・ビジネス大手のRoverとDogVacayが合併を決めたことを報じた。一方情報筋によると、犬の散歩代行サービスのWagは市場拡大のために、過去2年間に2ラウンドの資金調達を行っていたことがわかった。

WagとDogVacayとRoverは似ているようにみえて、運営形態に重要な違いがある。DogVacayとRoverは、「マーケットプレイス」的モデルで、ペットシッターや散歩代行人はペットオーナーと直接連絡を取りあってペットを預かる。

それに対してWagはオンデマンド方式で、会社が散歩代行者を事前に選定しておき、要求に応じて都合のよい散歩人を派遣する。つまりWagは、AirbnbよりUberかLyftのような運営形態をとっている。これは散歩人の選定プロセスについても新市場への拡大についても言えることだ。

Wagは順調に市場を拡大している。2年前に本誌で紹介したときWagはオンデマンド散歩代行サービスをサンフランシスコでもスタートしたところだった。あれ以来、ロサンゼルス拠点の同社は数多くの都市でサービスを展開してきた。現在Wagの散歩代行サービスが受けられる場所には、オースチン、ボストン、シカゴ、デンバー、マイアミ、ニューヨーク、オレンジカウンティ、ポートランド、サンディエゴ、サンノゼ、シアトル、およびワシントンDCがある。

地域拡大のためにこれまで同社は未発表のラウンドで資金を調達してきた。過去2年間にシリーズAでGenral Catalystから、シリーズBでSherpa Venturesから資金を受けた。

情報筋によちると2回のラウンドで獲得した金額は合計1900万ドルで、General Catalystが400万ドル、Sherpa Venturesが昨年秋に1500万ドルを投入した。Wagはそれ以前にシード資金として240万ドルを、Freestyle Capital、CrunchFund、Greylock、Ludlow Ventures、RRE Ventures、Social Leverage、およびStructure Capitalから調達している。

WagとGeneral Catalystの広報はコメントを拒んでおり、Sherpaの広報は本誌の問い合わせに返答していない。

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ベストセラー‘Hillbilly Elegy’で白人貧困層の実態をリベラル層にも知らしめたJ.D. VanceがRevolution LLCでシリコンバレー以外のスタートアップを育成

出版から2か月でThe New York TimesのベストセラーリストのトップになったHillbilly Elegy〔仮訳: 「白人極貧層の悲歌」〕の、その強烈な著者J.D. Vanceは今、ややためらいがちにスポットライトを浴びている。同書の出版は、そのタイミングが絶妙だった。Vanceの成長回想録は民主党寄りのアメリカ人に、ドナルド・トランプの上昇を支えた側のアメリカ人たちの実態への、もっと早くから必要だったリアルな理解を与える。

本の出版から9か月後となる今日まで、Vanceは左右両勢力にとって、真っ先に引き合いに出される人物になっていた。そして彼は、そんな有名人としての立場を有効に利用すべく、AOLの協同ファウンダーSteve CaseがワシントンD.C.で創業した投資企業Revolution LLCに加わった。そこで彼が任されるのは、同社のRise of the Restイニシアチブの普及活動だ。「その他大勢の上昇」、その他大勢とは、シリコンバレーやニューヨークのテクノロジーバブルの外にいるスタートアップ、そしてこのイニシアチブは、彼らへの投資を振興しようとする。

Vanceはこう語る: “自分がメディアが望むスポークスパーソンであるか、自信はないけど、誰もが問題について話すことはできるし、また、この問題を理解し、解決のために何かをすることはできると思う。ここでのぼくの目標は、理解の喚起と何らかの行動、その両方だ。今そのための機会とプラットホームが与えられたのも、あの本のおかげだ”。

昨年の4月以来Vanceは、Peter ThielのVC企業Mithril Capital Management LLCでプリンシパルを務めた。Revolutionのパートナーになりサンフランシスコから故郷のオハイオに戻った今も、同じ役職だ。

Caseは語る: “J.D.とは、本が出た直後の6か月前に知り合った。彼はオハイオで育ち、その後各地を転々として最近はシリコンバレーに落ち着き、それからコロンバスに戻った。そこの地域社会を助ける仕事をしたい、と思ったからだ。彼はうちのイニシアチブにぴったりの人物だし、だから仲間になってもらった”。

Vanceの最初の仕事はRise of the Restの認知度を高めることだ。そしてその後徐々に投資の仕事も手掛ける。そのためにはまず、現在VC資金の80%近くの行き先であるカリフォルニアやニューヨーク、マサチューセツ以外の、スタートアップへの認知と関心を高めることが必要だ。

“シリコンバレーの投資家の多くは、自分の車を運転して来る者以外は投資に値しない、と見なしている”、とCaseは述べる。

でもこの前の選挙の打撃と衝撃のトラウマが、一部の投資家たちに新しい自覚を促しているようだ。彼らも西海岸の青の州〔民主党寄り〕の多くと同様に、Vanceの本などから、11月の選挙で決定的な役を果たした中部の、民主党政権に失望している人びとについて、理解を持つようになった。Washington PostはVanceを“ラストベルトの声”と呼び、New Republicはもっと地味に、 “リベラルメディアお気に入りの貧乏白人解説者”、とタイトルしている。

急に著名人になったVanceだが、まだワシントンからのお呼びはないそうだ。“政府の人からのアプローチはない。問題解決にはもちろん政策も必要だが、でも本当に重要なのはプライベートセクター(民間部門)の要素だ”、と彼は言う。

両方の掛け持ちは困難だ。Vanceが全国的に有名になった時期は、Thielが投資家から激しい政治マニアに変身した時期と一致している。6月の共和党全国大会におけるスピーチがその変化を決定づけ、そして最後に彼は、トランプの政権移行チームに加わった。

Vanceは、Mithrilの協同ファウンダー〔Thiel〕について語るときも、政治には深入りしない。“Peterは友だちだし、ぼくは彼の大ファンだ。でも彼とトランプ政権との関係の部分は、ぼくにとって遠い世界だ。本当はどんな仲なのか、よく分からないけど、彼自身が宣伝している部分は、良いと思うね”、とVanceは語る。

Vanceによると、今現在はRise of the Restにかかりっきりだ。数週間後に同社は、DCでサミットを開催し、彼がキーノートを担当する。“目的は、Rise of the Restを本格的に離陸させることだ”、と彼は述べる。“すでにSteveたちとトロッコを押し始めているけど、本格的に走りだすためにはメディアの協力も必要だ。今やろうとしていることが、全国的に知れ渡るようにすることが、ぼくの重責のひとつだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MuleSoftのIPO価格は予想を上回って17ドル、エンタープライズ系スタートアップの上場ブームとなるか

エンタープライズソフトウェアのMuleSoftが明日(米国時間3/17)上場するが、そのIPO価格は17ドルとなり、提案されていた14-16ドルよりもやや高い。

明日の上場先はニューヨーク証券取引所で、チッカーシンボルは“MULE”になる。2006年に創業したMuleSoftは、いろんなところのAPIを駆使して複数のアプリケーションを統合化したい、という企業のビジネスニーズに奉仕する。

同社の獲得資金は約2億2100万ドルになり、MuleSoftは上場の一環として1300万株の普通株を発行する。これにより同社の総評価額は21億4000万ドルとなり、この前プライベートに資金調達をしたときの15億ドルを大きく上回る。

このところ、うまくいっているIPOが多いから、明日のMuleSoftも上々だろう。

Snapchatの親会社Snap Inc.は先週上場して39億ドルを発行、価格は予想を上回る同じく17ドルだった。SNAPは初日の売買で44%アップし、最近株価は下がっているものの、商い額はIPO価格より上だ。今朝はラグジャリーグッズのメーカーCanada Gooseが上場して2億2500万ドルを獲得、終値はIPO価格12ドルを25%上回った(その12ドルも予想域より高い)。

MuleSoftのIPOは、大手エンタープライズソフトウェア企業の上場としては今年初めてである。それが成功すれば、そのほかのエンタープライズソフトウェア企業も後に続くだろう。先週は消費者テクノロジー企業Snap Inc.のまあまあの成功を見ているだけに、なおさら気が逸(はや)るところだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

500 Startupsは1000万ドルのファンドでラテンアメリカへの投資を継続

500 Startups は、グローバル投資へのコミットメントを新たなラテンアメリカファンドによって積み増ししている。目標金額は1000万ドルでその名称はLuchadores IIというものだ。これはスペイン語でレスラーを意味する。このファンドは、500 Startupsによるこの地域を対象にした2番目のもので、欧州、アジア、アメリカの中で、不十分な対応しか行われていない市場を対象にして、その数を増やしつつあるシード投資の一環だ。

アクセラレーターは2010年以降、様々な形でラテンアメリカへの投資を継続してきた。新ファンドのマネージングパートナーであるSantiago Zavalaは、ラテンアメリカにおけるユニコーンの数を倍増させる希望を胸に、約120社のラテンアメリカの新星たちに投資を行う。

500 Startupsの創業パートナーであるDave McClureは、国際投資を通して得ることのできる利益に対して、長期間強気の姿勢を保っている。米国内での取引、特にシリコンバレーでの取引は、その競争力故にプレミアム価格が付き易いからだ。

「私たちは、追加投資では10倍の利益を得ることを目指しています」とMcClureは国際的な投資について語った。500 Startupsのラテンアメリカに対する投資は、追加を含めて9500万ドル以上に達する。

しかし、ラテンアメリカの新興企業への投資の課題は、彼らが強力なエコシステムのサポートを欠いていることだ。より大きなB、C、Dラウンドを、この地域で見かけることは少ない。また起業家向けエコシステムへの強みを持つローカルな買収者も限られている。

これこそ、International Finance Corporation(IFC)が、新しいファンドに対するリミテッドパートナーとして加わった理由だ。従来IFCは、より後段のステージの企業への投資を行ってきたが、過去2年以上に関しては、リミテッドパートナーとしてシードステージのファンドにも自ら関わるようになった。

「私たちは、すべての発展途上マーケットの中で、マイクロファンドの最高の種を見つけようと努力しています」と、語るのはIFCのVC投資グローバルヘッドのNikunj Jinsiだ。

McClureは、 Accel Partners、Index Ventures、Sequoia Capital、そしてTiger Globalの名を、スタートアップの立ち上げからエグジットのための国際的なパイプラインを構築しているファンドとして挙げた。

「それ以外のファンドは、始めるのが遅すぎましたし、既に出来上がった企業を相手にしようとしているのです」とMcClureは付け加えた。

ラテンアメリカの中には、他の地域よりも速く成長しているエリアが存在する。500 Startupsの拠点が置かれているメキシコシティは成熟しているが、他の都市ではまだ、強力なメンターネットワークやその他の必要なリソースが不足している。

500 Startupsは、シードプログラムを通じて、国際的な提携と共に強力な関係を保とうとしている。同社はスタートアップを指導するために、定期的に、様々な地域にパートナーを送り出して、海外の企業にシリコンバレーを訪問する機会を提供している。

McClureはコミットしていないものの、本日(米国時間3月15日)のラテンアメリカファンドのアナウンスは、アジアへの展開を強く匂わせるものだった。同社は最近、中国での存在感を増したところだ。とはいえ、まだ同地域内での特定のファンドについては発表されていない。

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(翻訳:Sako)

Verizon VenturesとR/GAが共同で、デジタルメディア「ベンチャースタジオ」を発表

投資会社のVerizon Venturesと広告代理店のR/GAは、Verizon Media Tech Venture Studioという名前の新しいプログラムを発表した。

R/GAのグローバルCOOおよびR/GA venturesのマネージングパートナーであるStephen Plumleeによれば、これまで同代理店による”venture studio”プログラムたちは、他のスタートアップアクセラレーションプログラムに似た形で始まったが、いまは「金融資本、クリエイティブ資本、そして顧客関係資本」へのアクセスを拡大しているということだ。言い換えれば、スタートアップたちは単に資金やアドバイスを得るだけではなく、R/GAの制作スタッフや顧客と一緒に、製品に取り組むことになるということだ。

今回、Media Tech Venture Studioが最大10社に対して提供する14週間のプログラムでは、各自に10万ドルの資金を与え、ニューヨークにあるVerizonの新しい「オープンイノベーション」スペースも作業場所として提供する。同社が探しているのは、コンテンツの作成や、パーソナライゼーション、仮想現実と拡張現実、人工知能、コンテンツ配信、インタラクティブ広告、そしてeスポーツ分野のスタートアップだ。

「Verizonの考えは、市場に本当に出てみて、そこで何が起きているのかを知りたいということなのです」とVerizon VenturesのPaul Heitlingerは語る。「参加企業たちにとって真に魅力的なのは、Verizonのビジネスユニットと直接仕事ができることです・・・私たちの技術、ネットワーク、そして舞台裏のものすべてに触れることができるのです」。

同時にHeitlingerは、プログラムに参加しても「Verizonの専属として働かなければならいということは意味しません」と語った。

これらのスタートアップたちが、この後更にVerizon Venturesからの追加投資を受けることができるのか、という質問に対して彼は「いいえ、とは言いませんし、はい、とも言いません・・・Verizonのビジネスに良く馴染む特定の会社があると感じた場合には、他のスタートアップに対するものと同様に、私たちは投資を行いますよ」と答えた。

Verizonはデジタルメディアへより深く入りこもうと努力を重ねてきた、そうした動きは、go90モバイルビデオアプリや、AOL(TechCrunchの親会社)の買収はもちろん、現在進行中のYahoo買収 などに現れている。

Verizon Media Tech Venture Studioへの申込み期限は5月30日である。プログラムの開始は7月31日が予定されている。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: DAVID RAMOS/GETTY IMAGES

Googleがデータサイエンスと機械学習のコンペ主催プラットホームKaggleを買収

情報筋によるとGoogleは、データサイエンスや機械学習のアイデアのコンペ(懸賞)を主催しているKaggleを買収する*。〔*: このニュースの翌日(米国時間3/8)、Googleはサンフランシスコで行われたCloudNextカンファレンスで、この買収を確認した。〕

Kaggleの協同ファウンダーでCEOのAnthony Goldbloomは電話取材に対して、買収を否定した。Google自身は、“噂に関してコメントはしない”、と述べた。〔3月7日時点〕

Kaggleは2010年にGoldbloomとBen Hamnerが創業し、今ではここを自己表出のためのプラットホームとして利用しているデータサイエンティストが約50万人いる。同社は早くスタートした方だが、今ではDrivenData, TopCoder, HackerRankなど競合他社も少なくない。しかしKaggleはあえて特定の専門分野にフォーカスすることによって、今もトップの座を維持している。今では同社のサービスが、データサイエンスと機械学習のコンペの定番のように見なされている。

Googleが買収しようとしているのは、データサイエンスに関する最大でもっとも活発なコミュニティだ。買収によってこのコミュニティにおけるGoogleのマインドシェアも伸びるだろう(Tensorflowなどのプロジェクトを抱えるGoogleは今すでにかなり高いマインドシェアではあるが)。

KaggleとGoogleは、最近になって付き合いの履歴がある。今月の初めにはGoogleとKaggleが共同で、YouTubeのビデオを分類する賞金10万ドルのコンペを開始した。このコンペは、Google Cloud Platformとの深い統合が前提になっている。

GoogleはKaggleのサービスを、その名前を残したまま継続するようだ。

買収のねらいはKaggleの技術よりもコミュニティにあると思われるが、Kaggleはコンペを主催するためのおもしろいツールの数々や“カーネル”〔応募コードを実際に動かす環境やライブラリ〕も開発している。カーネルは、そのソースコードも(主に応募者のために)公開されている。以前それは、(コードを動かすための)“スクリプト”と呼ばれていた。

コンペ・サイトの通例として、Kaggleにも求人求職ボードがある。Googleがそれをどう利用するのかは、不明だ。

Crunchbaseのデータによると、Kaggleは2010年の立ち上げ以来1250万ドルを調達している(PitchBookによると1275万ドル)。投資家はIndex Ventures, SV Angel, Max Levchin, Naval Ravikant, GoogleのチーフエコノミストHal Varian, Khosla Ventures, そしてYuri Milnerだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プログラミング能力のない人でも株式市場で独創的なアルゴリズム取引ができるAlgoriz

Computer screen displays laptop graph  of financial trends.

株取引の儲かるアルゴリズムを思いついたら、それを自分で実装するか、または優秀なデベロッパーに実装を頼めばよい。でも、そんなことをしてたら機会を逃す、とお思いのあなたは、一体どうしたらよいか?

そんなとき助けてくれるのが、Y Combinatorの2017年冬季で勉強中のAlgorizだ。ファウンダーでCEOのSoraya TaghaviはGoldman Sachsで実際に株の売買をやってた人、そのとき彼女は、アイデアのあるトレーダーと、そのアルゴリズムを実際にプログラミングできる人を結びつける必要性を痛感した。そこで彼女は、アルゴリズムをふつうの英語で書けばそれがアプリケーションとして動く、というプラットホームを作った。

まず、アルゴリズムの書き方はこうだ: “If SNAP is up 3% from yesterday, and the S&P is down, sell 100 shares of SNAP”(SNAPが昨日より3%上げてS&Pが下げたら、SNAPの株を100株売る)。そのプラットホームは、S&Pのほかにも、さまざまな指標をサポートしている: ボリンジャーバンド、指数的変動平均、変動平均の収束と発散、などなど。

利食いをするタイミングや、最大許容損失なども指定できる。Algorizはふつうの文章による入力をアルゴリズムに変換し、そのプラットホーム上で24/7動かす。

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自分が考えたアルゴリズムを、過去のデータを使ってテストできるし、もちろん時価で動かすこともできる。

Algorizにはまだ、実際の売買の機能はないが、市場が、そのアルゴリズムに該当する状態になってきたら、メールで通知をくれる。実際に売り買いをせよ、という合図だ。今後実際に証券会社の機能を実装したら、その利用(株の売買)に関してはもちろん手数料を取るが、Algorizの利用料は無料になる。実際の売買に他の証券会社を使う人は、Algorizの使用が有料になる。

Algorizは今後、そのプラットホーム上で優れたアルゴリズムを作ったトレーダーと、資金力のある人を結びつける、マーケットプレースにもなりたい、と言っている。またアルゴリズムの扱い商材も、普通株だけでなく、通貨や先物取引にも広げたい。

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Googleが衛星画像事業Terra BellaをPlanet Labsに売却、Earthの画像はライセンスにより継続

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本誌TechCrunchが1月25日に報じたように、Googleは、SkySat Earthの画像衛星群を含むTerra Bellaの事業をPlanet Labsに売却することを、金曜日(米国時間2/3)に確認した。しかし売却の条件に複数年のライセンス条項が含まれているので、Google Earthなどの宇宙から地表を見た画像は、従来どおり提供される。

Planet LabsのWill MarshallInが、買収を発表するブログ記事で、SkySatの高解像度の画像衛星を7基入手できたことは“たいへんありがたい”、と言っている。中解像度の画像衛星を、同社は60基保有している。中解像度というのは3〜5メートルの精度、という意味で、Googleの衛星なら1メートル弱の精度を提供できる。だからGoogle EarthやGoogle Mapsの画像は、上図のように非常にくっきりしている。

PlanetはTerra Bellaの能力を宣伝して顧客層を広げたい。今でも同社の事業は順調だが、高解像度の画像を提供できれば、顧客企業が抱える消費者製品の増客にも貢献するだろう。そういう新市場開拓の形はまさに今、Googleへのライセンス提供、という形ですでに一つ実現している。

Terra Bellaも元々はGoogleによる買収の成果で、2014年に5億ドルで取得したSkybox Imagingがその原型だ。Googleは最近、包括的な親会社Alphabetを創設するなど、機構の合理化に取り組んでおり、衛星画像に関しても、機械設備の自社保有よりも専門企業からのライセンス購入の方が合理的、と判断されたのだ。

買収の価額等は公表されていないが、本誌の前の記事では、もうひとつの買い手候補Climate Corporationの予定価額が3億ドルとされていた。

金曜日の朝Planetは、キュビスト(cubist)と呼ばれる小型で低コストの衛星を、新たに88基打ち上げる計画を発表した。一度に打ち上げる人工衛星の数としては新記録であり、打ち上げは2月14日を予定している。

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Pitchbotで投資家相手のピッチの練習をしよう

既存顧客はどれくらい?市場規模はどんなもの?他に誰が投資したの?あなたはターゲットユーザー?これらは、すべての投資家があなたに質問してくるものだ、だから正しい答えを準備してそれを暗唱しておこう。Pitchbot.vcがその練習を手伝ってくれる。

Pitchbotはエンジェル、インキュベーター、シードファンド、あるいはVCとのミーティングをシミュレートする。ボットから出される製品、チーム、成長そしてバリューに関する質問に対して、あなたは複数の選択肢の中から答を選んで、投資家への印象付けを行おうと試みる。もしあなたの回答が、素晴らしいスタートアップの立ち上げの証になったなら、モックアップのファンド条件規定書を獲得することができる。見当違いの口先起業家だとみなされた場合には、ドアが閉ざされる。

pitchbot-メトリック

Pitchbotはとても楽しいが、それだけではなく、非常に教育的でもある。なぜならこれは、SequoiaやY Combinatorのような20のトップ投資家のブログと、彼らが創業者に何を質問しているのか、そして彼らが何を探しているのか、という情報に基いているからだ。あなたはエンジェルたちがどれほど他に誰が投資しているかを気にしていることを知ることができる、何故なら新しいスタートアップの場合、判断材料がとても少ないからだ。一方後期段階のVCは、あなたの会社が数百万ドルのエグジットに着実に向かっていること、お手軽な身売り(acqui-hire:人材ごと会社を買ってもらい被雇用者になること)をしないことなどを確認したがる。

「私は何百回もピッチを行い、またピッチを受けてきました」と語るのは、Pitchbotを作ったエンジェル投資家で、GigsterのCEO Roger Dickeyだ。そうしたインタビューはかなり予測可能であることが判明したので、起業家たちは共通した質問に対して準備を行うことによって、大きな成果を得ることが可能になるのだ。

pitchbot出口プラン

Dickeyは、彼自身のスタートアップGigsterができることを披露しながら、スタートアップコミュニティを助けるツールを作った。Gigsterは、アイデアを持つひとののアプリを概念化し、デザインし、コード化するサービスを有償で提供している。彼は、誰でも便利なアプリを作成できることをデモするために、Pitchbotの作成をGigsterに委託したのだ。Gigsterのフルサービス開発ショップは、シリーズAのラウンドにおいて、名門投資家であるアンドリーセン・ホロウィッツから1000万ドルを調達している。つまり明らかにDickeyは、何が資金を引き寄せるかを知っているのだ。

「神秘的で怖ろしく感じることが沢山ありますが、この感覚を最初に正しいものにしておかないと、自ら橋を燃やしてしまうかもしれません。これが、まずは『友好的な』ピッチを行い、次にフィードバックを用いてピッチを磨き上げ、そして実際のピッチを行うことが、共通の知恵となる理由です」とDickeyは言う。「このツールは、誰にとっても優しい投資家のようなものです」。

スタートアップ・ピッチ・プラクティス

さて、あなたのピッチはトップVCから大きな評価を得るだろうか?それとも、振り出しに戻って出直す必要があるだろうか?Pitchbotはそれを本当にホットに、投資家のオフィスに行く前に教えてくれる。

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(翻訳:Sako)

電源なしでいつまでも音を拾い続けるVesperの超長寿命超低電力マイクロフォンが$15Mの資金を獲得

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SiriやAlexaのようなデジタルアシスタントが、最近はますます賢いから、それらを常時使いたいというニーズも増えている。

でもマイクロフォンの今の技術は電気を食い過ぎるので、常時onにしておくのはちょっと難しい。そこで、ホームアシスタントと呼ばれる最近の新しい製品ジャンル、AmazonのAlexaやGoogle Homeを利用する製品は、テレビなどと同じく、家庭の電源につなぐ方式を選んでいる。

Vesperの、圧電効果を利用するMEMSマイクロフォンVM1010は、自分が受け取る音波そのものから電気エネルギーを生成することによって、モバイルデバイスをその周囲の環境により敏感に同調*させようとしている。〔*: 同調, tune into, ラジオ受信器等の放送電波等への‘同調’と同じ意味。ただし待ち受けには電池を要す(後述)。〕

今日(米国時間12/9)は、このボストンの会社が、Accompliceが指揮するシリーズAで1500万ドルを調達したことを発表した。AmazonのAlexa Fund, Hyperplane, Miraenano Tech, およびそのほかの匿名投資家たちがこの投資に参加した。

音声認識の広範囲化というメインのメリットのほかに、その圧電系には防水防塵という特性がある。屋外で使われるヘビーデューティーなシステムにも向いている。投資に参加したAmazon Alexaのチームは、とくにこの点に関心を示していた。

Amazon Alexa担当VPのSteve Rabuchinは、声明の中でこう述べている: “新しくて楽しいAlexa体験を顧客に提供する珍しい技術を支援することには、つねに関心を持っている。Vesperの技術には、Alexaの魅力的な新しいユースケースをもたらす可能性がある、と思われる。たとえばポータブルな電子製品では、マイクロフォンに汚れや水気に対する耐性が、重要な特性として求められる。そんな技術を持つ同社を私たちの投資で支えることは、とても喜ばしい”。

ミシガン大学がその誕生に部分的に関与しているVesperの技術は、自力で常時onのマイクロフォンだが、しかしそのためには、信じられないほど低電力のドローで人間の声の周波数特性をシークしている。すなわち同社のVM1010マイクロフォンが声を検知するときは、起動したシステムが音声中のキーワードの有無を判定する。そしてたとえば“OK Google”というキーワードを聞き取ったらデバイスはフル稼働になり、デジタルアシスタントが質問に応じられるようになる。以上すべてが、数ミリ秒内で生起する。同社によると、この技術によってマイクロフォンの待ち受け電池消費量が従来の1/100程度に減少する。

デジタルアシスタントやモバイルデバイス、防犯盗聴装置などは分かりやすい用例だが、Vesper自身は、IoTやインターネット接続車など用の、さまざまな専用MEMSマイクロフォンへの応用を、展望している。

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デベロッパーのためのクラウドスキル体験学習プラットホームQwiklabsをGoogleが買収

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Googleが今日(米国時間11/21)、Qwiklabsを買収したことを発表した。そこは、クラウド環境の運用に習熟したい、そしてクラウド上で動くアプリケーションを書きたい、という人たちのための体験学習プラットホームだ。

2012年にローンチしたQwiklabsこれまでもっぱら、Amazon AWS関連のスキルを教えてきた。AWSはいわばこの市場を支配している勢力だから、それも当然だ。Amazon自身も同プラットホーム上のデベロッパーたちに、自分のペースで勉強できるサイトとして、Qwiklabsを推奨している

Googleによると同社は今後Qwiklabsのプラットホームを利用して、“Google Cloud PlatformG Suiteを含む同社のすべてのクラウドプロダクトに関する、もっとも包括的で効率的で楽しい教育訓練を提供して、多くの人びとの定着を促進していきたい”、ということだ。

Qwiklabsはこれからも従来どおりの会員制学習サービスを提供していく、と言っているから、AWS向けのプログラムは継続するようだ。今後もまだAWSコースが増えていくのか、それはよく分からない。またGoogleのスポークスパーソンによると、この件に関して具体的に発表することはない、という。QwiklabのGoogle Cloudコースに関しても、いつから始めるなどの具体的な発表はまだできないそうだ。

Qwiklabsによると、これまで50万人あまりの人たちがそのプラットホームをのべ500万時間以上利用してAWSを勉強してきた。またCrunchBaseによれば、同社はこれまで外部資金を導入しておらず、今回の買収に関してはその価額などの詳細は公表されていない。

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