Uberの第3四半期は純損失2722億円ながら、わずかながら調整後利益を確保

米国時間11月4日の取引終了後、米国ライドシェアリングの巨人、Uber(ウーバー)が第3四半期の決算を報告した。注目すべきは、長年利益を上げていなかった同社が、純損失は未だに20億ドル(約2268億円)を超えているにも関わらず、調整後EBITDA(大きく修正された利益指標)800万ドル(約9億円)の利益をひねり出したことだ。

調整後利益のニュースは、Uberの国内ライバルであるLyft(リフト)が、最近やはりなんとか利益を上げたことを報告した数日後のことだった。

第3四半期、Uberの総取扱高(同社プラットフォーム上を流れたすべての商品、サービスの総額)は231億ドル(約2兆6199億円)で対前年比57%増だった。そこから生まれた売上48億ドル(約5444億円)は対前年比72%増だった。そしてその売上はUberに純損失24億ドル(約2722億円)をもたらした。この数字は、同社が保有する他社株式の再評価による「20億ドルの純損失」を含んでいる。

同社の1株当たり調整前純損失1.28ドルは、前年同期の0.62ドルの2倍強だった。

アナリストらは、1株あたり損失0.33ドル、売上442億ドル(約5兆129億円)と予測していた。同社の株価は時間外取引で5%前後下落した。

部門ごとの実績に入る前にいっておくと、Uberは次の第4四半期の総取扱高を250億~260億ドル(約2兆8353億〜2兆9488億円)、その結果の調整後EBITDA利益を2500万~7500万ドル(約28億〜85億円)と予測している。Uberほどの規模と歴史をもつ会社が、GAAP純利益のような成熟企業の数値ではなく、いまだに調整後EBITDAのような子どもだましの指標を使っていることは、普通なら嘲笑の対象だ。しかし、Uberは投資家に対し、2021年修正後利益の境界値を越えるべく必死に努力すると長年言ってきただけに、このガイダンスは注目に値する。

部門別実績

全体を見渡すと、ここ数年Uberのフードデリバリー事業の総取引高は、同社のライドシェアリング事業よりもはるかに大きい。実際、そろそろUberをタクシーアプリよりもフードデリバリー会社と考えるべき時かもしれない。

それはともかく、同社の部門別成績を総取扱高から見てみよう。

画像クレジット:Uber

最近同社のライドシェアリング事業がフードデリバリー事業よりも早く成長していることは注目すべきだが、これにはわけがある。Uber Eats(ウーバーイーツ)がパンデミックの最中に雑草のように伸びたのに対し、人間の移動は人々がステイホーム期間中激減した。COVID(新型コロナウイルス感染症)の勢いが一部の地域で弱まり始めている今、状態は戻りつつある。

Uberが乗車よりも食べ物で多く収益を上げていることを踏まえ、上記の総取扱高から下記の売上が生まれていることに注目して欲しい。

画像クレジット:Uber

タクシーサービスとオンデマンド食品配達の収益がほぼ同じであること、貨物輸送事業が同社の事業全体の中で意味のある位置を占めるだけの収益を上げていることはいずれも注目に値する。

次に、各グループの利益を、実際には調整後EBITDAだが、見てみよう。

画像クレジット:Uber

表からわかるように、Uberはフード事業をほぼ採算水準に持ち込むことに成功した。これは、1年前の同サービスの位置づけと比べて大きな前進だ。そしてUberのライドシェアリング事業の利益は、同社の調整後事業経費をほぼ相殺している。全体では、Uberは調整後の黒字につま先を届かせ、上述のように調整後EIBTDA、800万ドルを達成した。

しかし、正直なところ「本当に」印象的なのは、Uberが調整後EBITDAの数値をわずか1年でここまで改善したことだ。

しかし、すべての費用、諸経費を含めると、UberのGAAP経常損益はマイナス5億7200万ドル(約649億円)になる。そこに利息費用その他の経費を算入すると、四半期の損失は24億4000万ドル(約2767億円)、毎月8億ドル(約907億円)に上る。Uberの経常損失とGAAP損失の相違を生んでいるのはなにか? 投資の価値下落だ。会社は次のように述べている。

2021年9月30日までの3カ月および9カ月の債券および株式の未実現損失については、Didi(ディディ)への投資によるそれぞれ32億ドル(約3629億円)および17億ドル(約1928億円)の主な未実現純損失を、2021年第3四半期中に実現したZomato(ゾマト)への投資の未実現利益9億4000万ドル(約1066億円)、Aurora(オーロラ)への投資によるそれぞれ1億200万ドル(約116億円)および5億7300万ドル(約650億円)の未実現利益、および公正価値オプションの下で計上されたその他の証券投資によるそれぞれ7300万ドル(約83億円)および5600万ドル(約64億円)の未実現純利益が一部相殺しています。

まあ簡単に言えば、中国政府のDidiへの介入によって、Uberの純利益は悪い方へ行き着いたということだ。

要約すると、Uberは今も不採算だが、パンデミックから立ち直りつつあり、少なくとも調整後利益はなんとか達成した。次は真の損益分岐点に達するかどうかに注目だ。

画像クレジット:NurPhoto / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Fiskerがデビューモデルとなる電動SUV「Ocean」の2022年11月発売を目指す

Fisker(フィスカー)は、米国時間11月3日に行われた第3四半期決算説明会で、電気自動車製造事業の立ち上げについて明るい見通しを示し、Foxconn(フォックスコン)との製造パートナーシップ、中国のバッテリー大手CATLとのバッテリー供給契約の確保、そしてデビューモデルであるSUV「Ocean」の生産準備が順調に進んでいることを強調した。

CEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は、2022年11月に自動車製造受託メーカーのMagna Steyr(マグナ・シュタイヤー)と提携してOceanの生産を開始し、同年第1四半期までに1日2台の生産を行うと投資家向け説明会で述べた。また、2022年後半には米国および欧州で納車が始まる見込みだ。

これらの期限を守るために、Fiskerは支出のペースを上げている。直近の四半期では、一般管理費が数百万ドル増の1030万ドル(約11億7000万円)と控えめに増加した一方で(2021年6月30日までの3カ月間では790万ドル=約9億円=だった)、その他の費用は急激に増加した。Fiskerの重要な研究開発項目(同社はまだ自動車を製造・販売する準備をしているため、現在は研究開発モードであることを思い出して欲しい)は、2021年第2四半期の4530万ドル(約51億円)から第3四半期では9930万ドル(約112億円)へと100%以上増加した。この増加は、従業員を増やし、プロトタイプの開発に費用をかけた結果であると幹部は話した。

R&D費の驚くべき増加は、Fiskerがここ数週間で大量の現金を銀行口座に追加した理由を物語っている。車両をマーケットに投入し、最終的にドライバーに届けるには多額の資金が必要だ。

FiskerとCATL

FiskerとCATLのバッテリー契約は大きなニュースだ。中国企業CATLは、2025年まで年間5ギガワット時以上の初期容量を供給し、量を増やすオプションが付いている。Fisker Oceanには2種類のバッテリーパックが用意され、2022年にプロトタイプができる。基本のバッテリーパックには、低コストだがエネルギー密度の低いリン酸鉄リチウム(LFP)を使用する。もう1つのバッテリーには、エネルギー密度が高く航続距離も長いニッケルマンガンコバルト(NMC)を使用するが、それに伴いコストも上昇する。

「これにより、同じような価格帯のSUVでは世界最長の航続距離を実現することができます」とフィスカー氏は話す。2つのバッテリーパックの航続距離に関する詳細は、来週開催されるLAオートショーで明らかにされるという。LFP電池は、Tesla(テスラ)をはじめ、企業の間で低コストの選択肢として普及している。Teslaは、全世界の標準Model 3にLFP電池を採用すると発表した。

「なぜ我々が競合他社に先んじるのでしょうか? 我々は2021年、この技術を採用しました。ですから、12カ月後にFisker Oceanを手に入れたとき、あなたの技術は最新中の最新です。来年、他の車を買うとしたら、その技術はおそらく3年前に選択されたものでしょう」とフィスカー氏は述べた。

また、Fiskerは中国の顧客からの予約を受け付けるために、中国法人を設立している最中だが、来年の初めまでに手続きは完了しない可能性が高いとフィスカー氏は話した。現在、Fiskerに入っている予約の約80〜85%は米国からのものだ。

業績

さて、次は決算を取り上げる。明らかに、収益を上げる前の会社であるFiskerの決算で重要なことは通常の財務情報とは少し異なる。Fiskerが第3四半期の業績を発表した後、同社の株価は時間外取引で1%強上昇している。予想通り、同社の収益はつつましく、赤字だった。

市場では、同社が1株当たり0.35ドル(約39円)の損失を計上すると予想されていた。1株当たり0.37ドル(約42円)の損失は、換算すると約1億980万ドル(約125億円)の純損失に相当する。売上高は1万5000ドル(約170万円)にとどまり、これにより1000ドル(約11万3000円)の赤字となった。

Fiskerは最近、社債を発行して現金を14億ドル(約1591億円)に増やしたが、これは2021年6月30日の四半期末に発表した9億6200万ドル(約1093億円)から大幅に増加している。同社は、利回り2.5%の6億7750万ドル(約770億円)相当の転換社債を発行し、最終的な自動車生産に先立って資金を確保した。

現在、Fiskerはまだ収益を上げていないが、投資家はこうした状態が急速に変わることを期待している。Yahoo Financeのデータによると、2021年にはわずかだった売上高が、2022年には2億6420万ドル(約300億円)になると、アナリストは予想している。Fiskerが調達した現金は、一般市場の投資家からの無限に厳しい収益要求に応える際に役立つものとなりそうだ。

画像クレジット:Fisker Inc.

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(文:Aria Alamalhodaei、Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

第3四半期のクラウドインフラ市場は年20兆円規模に、チップ不足でも減速せず

Amazon(アマゾン)、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)のクラウドインフラベンダーのビッグ3が決算を発表した。お察しのとおり、業績は好調で、成長する市場は全世界で450億ドル(約5兆1300億円)を突破した。年換算で1800億ドル(約20兆5200億円)と、気が遠くなるような金額だ。過去12カ月の売上高は1640億ドル(約18兆6960億円)に達した。Synergy Researchによれば、当四半期の売上高は全体で37%増加した。

問題は、これらのベンダーが、スマートフォンからコンピュータまで、テクノロジーのサプライチェーン全体に影響を及ぼしているチップ不足に先手を打てるかどうかだ。

まずは、今期の市場シェアの70%を占めるトップ3のベンダーから見てみよう。Amazonは今回も市場をリードした。シェアは33%とここ数年安定しており、売上高成長率は39%と前四半期比では2%増加、前年同期比では10%増加し、目覚ましい成長を遂げた。

Amazonの売上高は161億ドル(約1兆8354億円)で、前年同期の116億ドル(約1兆3224億円)から増加した。少し計算してみれば、この数字が450億ドル(約5兆1300億円)の3分の1ではないことはわかるだろう。Synergy Researchは、インフラ、プラットフォームサービス、ホステッドプライベートクラウドの金額を集計しており、コンサルティングやハードウェアなど、純粋にクラウドインフラのカテゴリに属さない売上高を除いているためだ。

Microsoftがクラウドインフラ市場全体の把握をさらに難しくする。Synergy Researchのデータに基づいて計算すると、Azureインフラからの売上高は90億ドル(約1兆260億円)となり、前四半期の84億ドル(約9576億円)から増加した。同社によると、Azureおよびその他のクラウドサービスは50%成長した。前四半期の51%成長からわずかに減速した。前年同期比では2%増加した。

最後にGoogleだが、シェアは10%と安定しており、売上高は45億ドル(約5130億円)で前四半期の42億ドル(約4788億円)、前年同期の29億ドル(約3306億円)のいずれからも増加となった。Googleはクラウドインフラ市場で着実な進歩を続けている。

Canalysは、全体の売上高を494億ドル(約5兆6316億円)とさらに大きく見積もっており、年換算で2000億ドル(約22兆4000億円)近くになるとしている。成長率は少し低い35%を見込む。また、ビッグ3の市場シェアも若干異なり、Amazonが32%、Microsoftが21%、Googleが8%と見積もる。

どの数字を使うにせよ、いまだ高成長を続ける重要な市場だが、チップ不足により来年の成長が鈍化する可能性があるとCanalysは警告する。「全体的なコンピュート需要はチップ製造能力を上回っており、クラウドサービスプロバイダーによるインフラの拡張は制限される可能性があります」とCanalysのBlake Murray(ブレイク・マレー)氏は声明で述べた。

サプライチェーンの制約は、企業自身やアナリストらが決算説明会で気にしていたことでもある。MicrosoftのCFOであるAmy Hood(アミー・フッド)氏は、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)のアナリストであるKash Rangan(カッシュ・ランガン)氏から、サプライチェーンの問題がデータセンターの拡張に与える影響について具体的に質問され、次のように答えた

「第二に、サプライチェーンの影響、特にデータセンターに関する良い質問をいただきました。今期の支出を踏まえると、次へのガイダンスも似たようなものになると思います。カッシュ氏がいうことの多くは、リードタイムの長いものであると考えています。私たちは、観測したキャパシティのシグナルを満たすために必要なリードタイムをよく理解しています。複数のサプライヤーを利用することは、こうした状況に対応するために重要です。チームは非常に良い仕事をしたと感じています」とフッド氏は決算説明で語った。

Synergy ResearchのチーフアナリストであるJohn Dinsdale(ジョン・ディンスデール)氏は、これらの大手ベンダーが、チップ市場全体を覆う問題を横目に、その影響力により必要なものを入手できる可能性が高いと述べた。「これらの企業は、サプライチェーンの管理に長けており、巨大な顧客でもあるため、サプライヤーから優遇措置を受けられると考えるのが妥当だと思います」と同氏は話した。

「また、彼らが調整できる点がいくつかあります。建設とリースの意思決定、サーバーの寿命の若干の延長、ワークロードの異なる地域への切り替えなどです。今では、巨大で地理的に分散したデータセンターネットワークを持っているため、必要なものを手に入れる余裕が多くあります」と同氏は語る。

チップ市場の動向を注視しているMoor Insights and Strategiesの主席アナリストであるPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏も、コストが上昇したとしてもハイパースケーラーはおそらく供給を受けることになると話す。

「今はまだその段階ではないと思います。不足がさらにひどくなればそうなるでしょうが、近々そうなるとは考えていません。チップメーカーは利益率の高いデータセンターを優先するため、コンシューマー向けのPCやスマートフォンよりも優先されるのです」とムーアヘッド氏は話した。

供給の問題がデータセンターの成長に短期的な影響を与えたとしても、長期的にはこの市場を減速させることはないようだ。企業はより多くのワークロードをクラウドに移行しようと準備しているため、成長は確実と思われるが、サプライチェーンの影響の有無については次の四半期にわかるだろう。

画像クレジット:Chris Clor / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

アマゾンの株価が下落、第3四半期の売上減少、マクロ経済の状況によるコスト増で

1兆7500億ドル(約198兆7685億円)の価値がある企業を悪くいうのは極めて難しいことなので、今回それはしないが、Amazonの株主たちは米国時間10月28日午後の時間外にやや弱気になっている。取引終了後に発表されたAmazonの2021 第3四半期決算報告で、同社は売上と利益のさまざまなミスを含む最新の業績について詳しく述べている。


2021年9月30日で終わる3カ月において、eコマースとクラウドコンピューティングの巨人は1108億ドル(約12兆5859億円)、前年比15%増の売上を報告した。同期間の純利益は32億ドル(約3634億円)、1株あたり6ドル12セントだ。

アナリストたちが予想した売上は1116億ドル(約12兆6758億円)で、1株あたり利益は8ドル92セントだった。同社の純利益は前年比で49%落ち込んだ。記事を書いている米国時間10月28日午後で、Amazonの株価は5%強下落している。

しかし、Amazonの第3四半期の業績は、AWS部門の売上高が前年同期比で加速的に増加し、同社ファンが喜ぶような結果となっているが、第4四半期の業績は、これまでの結果を覆す可能性がある。同社の新CEOであるAndrew Jassy(アンディ・ジャシー)氏は、同社の業績ダイジェストで以下のように述べている。

第4四半期には、コンシューマープロダクツ事業において労働力不足、賃金コストの増加、グローバルなサプライチェーンの問題、貨物輸送コストの増加などに対処するため、数十億ドル(数千億円)の追加コストが発生すると見込んでいます。またその一方で、このホリデーシーズンに顧客や販売パートナーに与える影響を最小限に抑えるために、あらゆる手段を講じています。

経営陣は、差し迫ったコストを「顧客志向(カスタマーフォワード)」と位置づけ、長期的な成果のために短期的な打撃を受けることは妥当なことだと主張している。投資家は、将来のキャッシュフローを約束されても十分に満足できず、同社の時価総額を数百億ドル(数兆円)減らすことは避けられなかった。

しかし、私たちが指摘したように、第3四半期にAmazonが毎月10億ドル(約1136億円)を超える純利益を計上していることを考えると、同社に対してそれほど悪い印象を持つことはできない。

クラウドでの収入は、Amazonの業績において、TechCrunchが最も注目する要素であるため、そのデータを覗いてみよう。まず、同社のAWS部門の売上高と営業利益ベースでの業績は次のとおりだ。

画像クレジット:Amazon

 

つまり、前年同期比で約45億ドル(約5111億円)の新たな収益と、約15億ドル(約1704億円)の新たな営業利益が発生したことになる。興味のある方は、AWSの収益と営業費用の両方が、前年同期比で約39%増加していることを確認してほしい。では、純粋な成長指標を詳しく見てみよう。

画像クレジット:Amazon

このデータに注目すべき理由は、AWSがAmazonで最も急速に成長している分野だからだ。Amazonはeコマース事業で注目を集めているが、現在、静かで目立たないクラウドグループが成長を牽引している。投資家が、価値を引き出すために会社を2つに分割するよう要求する日は遠くないかもしれない。

画像クレジット:Jason Alden/Bloomberg/Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

マイクロソフトとAlphabetはともに投資家の成長予測を上向きに裏切る

スタートアップへの投資の世界的なブームを支えているのは、デジタル製品とサービスへの巨大な需要とその成長だ。しかも実は、小さなテクノロジー企業を後押ししている同じ追い風が巨大企業の力にもなっている。

ソーシャルの大手Snapの第4四半期の弱い成長予測と、ソーシャル大手Facebookの売上の鈍化の後を受けて、その他の巨大テクノロジー企業に対する予測が低くなったとしても許されるだろう。

しかし米国時間10月6日は、まるでスタートアップような扱いをされかねない市場の空気をぶち破って、MicrosoftとGoogleの親会社Alphabetはいずれもその売上が予測を上回った。

以下が、その数字だ。

時間外取引でMicrosoftの株価は1%の上昇、対してAlphabetは微減だった。

もちろん、どちらの決算報告も話題山積みだ。AlphabetとMicrosoftはともに、単なる企業というよりも企業帝国に近い。両社をすこし掘り下げてみよう。

Microsoftの2022会計年度第1四半期

Microsoftの強烈な数字の中心にあるのは、パブリッククラウドサービスAzureの成長だ。この売上源は前年比で50%成長し、恒常通貨ベースでは48%の成長となった。言い換えるとAzureは通貨変動によりわずかに上昇し、売上が髪の毛一本ほど増えた。

細部の話はともかくとして、Azureの成長はこのところずっと、ほぼ50%周辺を維持している。つまりMicrosoftのプロダクトの全体としてトップラインに、Azureからかなり大きな数字が加えられていることを意味している。

Microsoftの決算報告を見て目立つその他の数字は、検索とニュースの売上が前年比で40%伸びていることだ。この数字はトラフィック取得費用などを取り除いて調整されているが、このような公正を期しての調整はAlphabetも行っている。一方悪い方のニュースは、Surfaceの売上が17%落ちたことだが、新しいハードウェアを準備中だから好転の可能性もある。

サブスクリプションに関しては、Microsoftは好悪混交している。Office 365の企業売上は前年比で23%伸び、同じプロダクトの消費者収入は低めの10%という成長だ。そしてLinkedInの売上の42%増は、Microsoftにとってかなりの余録だ。

Alphabetの2021年第3四半期

Alphabetの財務報告の良いところは、短いので記事にしやすいことだ。下図を見てみよう。

Alphabetの決算報告

YouTubeの売上の伸びは依然として驚異的で、今回同社はこの製品を独立項目にしている。なお、2020年にはパンデミックで突然みんなが家にいるようになり、テクノロジー大手の検索広告の需要が落ち込んだが、その中でどこよりもGoogleの被害が大きかった。被害を受けたのは他の検索サービスもにも影響があった。

CNBCのマーケット予測記事によると、Google Cloudは今四半期の成長ターゲットに達しなかった。予想は50億7000万ドル(約5777億円)で、実値が49億9000万ドル(約5686億円)、一応成長ではあるが、投資家たちがGoogleのクラウドに期待していた額には達しなかった。

細かい科目も集めれば大きいが、グループの営業損失は当四半期に増えた。さまざまな研究開発事業は合わせて12億9000万ドル(約1470億円)の営業損失を計上し、前年同四半期の11億ドル(約1253億円)よりも大きくなった。

ここで両社の財務についてさらに1000の言葉で表現するのを止めると、2つの大手テック企業は堅実な成長率を上げ、彼らの間で数兆ドルを稼ぎ、株式買い戻しと配当金を含む株主に優しい活動に回収された2350万ドル(約27億円)を使った。テクノロジーの巨人になるには良い時代だ。

画像クレジット:Bryce Durbin/ TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フェイスブック第3四半期は売上未達、今後AR/VRの売上は新設部門に

米国の大手ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)であるFacebook(フェイスブック)は米国時間10月25日、取引開始後に第3四半期決算を発表した。売上高は290億ドル(約3兆3000億円)、希薄化後の1株当たり利益は3.22ドル(約366円)だった。Yahoo Financeが収集したデータによると、投資家は売上高295億8000万ドル(約3兆3670億円)、1株当たり利益は3.19ドル(約363円)と予想していた。

Facebookの株価は時間外取引で小幅に上昇しているが、これは売上高が予想をわずかに下回ったことに市場がショックを受けていないことを示している。

このサプライズのなさは、Facebookの報告書が、先に発表されたSnap(スナップ)のダイジェストに続いたためかもしれない。Snapは、第4四半期の業績が市場の予想よりもはるかに控えめなものになるとの見通しを示し、収益の伸び悩みの原因としてApple(アップル)とサプライチェーンの問題を挙げた。これを受けて同社の株価は下落した

Facebookは投資家への書簡の中で、売上高315億〜340億ドル(約3兆5850億〜3兆8700億円)と予想する2021年第4四半期のガイダンスを示した。市場予想はFacebookの数字を上回る348億9000万ドル(約3兆9710億円)だ。

Facebookの予想と市場の期待との間のギャップは、今後想定されることからきているようだ。Facebookは第4四半期のガイダンスに関して決算発表に次のように記している。

AppleのiOS 14の変更による継続的な逆風や、マクロ経済および新型コロナ関連の要因を踏まえ、当社の見通しは第4四半期に直面する大きな不確実性を反映しています。また、2020年の年末商戦でQuest 2の販売が好調だったことから、第4四半期の広告以外の収入は前年同期比で減少すると予想しています。

AppleのモバイルOSにおけるプライバシーの取り扱い方法の変更と、それに関連するダウンストリームの影響、および新型コロナウイルス感染症に起因する問題は懸念されていた。

Facebookはまた投資家向けダイジェストで「Facebook Reality Labs(フェイスブック・リアリティ・ラボ、FRL)を独立した部門として分離する」と報告した。「拡張現実や仮想現実の製品やサービスに多大なリソースを費やしてきた」ことを理由に、2つ目の収益カテゴリーを設ける時期が来たと考えているからだ。

次の四半期から、Facebookは2つの部門を持つことになる。1つは「Family of Apps」というくくりで「Facebook、Instagram、Messenger、WhatsApp、その他のサービス」からの収益を計上する。一方、FRLには「消費者向けハードウェア、ソフトウェア、コンテンツ関連の拡張現実および仮想現実 」が含まれる。

2つの部門を持つのは構わない。もしかしたら良いことかもしれない。しかし、なぜソーシャルアプリの決算をもっと細かく分類しないのか、とFacebookに問いたい。そうすれば、株主も理解しやすいだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

Snap第3四半期、iOSのプライバシー変更が広告ビジネスに予想以上の打撃を与えたと発表

Snap(スナップ)は米国時間10月21日の収支報告で、第3四半期の収益予想を達成できなかったと述べた。第3四半期の売上高は10億7000万ドル(約1214億円)で、ウォール街が予想していた11億ドル(約1248億円)には届かなかった。

同社のデイリーアクティブユーザー数(DAU)は3億600万人で、第2四半期の2億9300万人から増加した。この成長は急激ではないが、少し前までは完全に存在価値が失われる危険性があったプラットフォームとしては、十分に健全なものといえる。

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Snapchat(スナップチャット)は、Apple(アップル)がiOSのプライバシーに関する大きな変更を行ったことで、ユーザーの行動を自社の枠を超えて追跡しようとするアプリに新たな制限が設けられたことが、収益の減少につながったと考えている。SnapのEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)CEOは、通話の中で、広告主ツールへの影響がいかに破壊的であるかということに気づかなかったと述べている。多くの広告主は、これまで慣れ親しんできた広い視野を失ったことで、ユーザーの行動を計測するための新しい、より抑制された方法に適応しなければならなかった。「それらのツールからは、基本的に何も見えなくなってしまいました」とシュピーゲル氏は語った。

シュピーゲル氏は、Snapのビジネスの落ち込みは一時的なものであるとし、新しい標準に適応するには「時間を要する」と述べ、Appleの広告変更による長期的な影響はまだわからないとしている。また、Snapの業績不振には、より広範なパンデミックの市場トレンドも影響していると述べている。

ユーザープライバシーに大きな恩恵をもたらすiOSの変更に適応しようとしている広告ビジネスは、Snapだけではない。Facebook(フェイスブック)も、Appleの新しいポリシーにより広告をターゲティングする能力が低下したため、第3四半期に大きな影響が出ることが予想されると警告している。

意外なことではないが、SnapやFacebookなどの広告事業者が依存しているクロスプラットフォームのトラッキングについては、選択肢を提示された場合、ほとんどのユーザーがオプトアウトする。Facebookのリーダーとは異なり、シュピーゲル氏は、モバイルOSにより多くのプライバシー機能を追加するというアップルの決定を、その変更がSnapの収益にどのように影響するかにかかわらず、一貫して支持してきた。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

買収したRed Hatは成長を続けるがIBMの苦戦は続く

IBMは、Arvind Krishna(アルヴィンド・クリシュナ)氏が2020年CEOに昇格して以来、ハイブリッドクラウドやAIにフォーカスして戦略転換を進めてきた。その中心となっているのが、2018年に340億ドル(約3兆8810億円)で買収したソフトウェア会社Red Hat(レッドハット)だ。IBMは米国時間10月20日決算発表を行い財務成績はかなり厳しいものだったが、少なくともRed Hatは勢いよく成長を続けている。

IBMの第4四半期の売上高は176億2000万ドル(約2兆110億円)だったが、CNBCの報道によると、これはアナリスト予想の177億7000万ドル(約2兆280億円)を下回った。明るい話題としては、前年同期比で0.3%という非常に控えめな伸びを示したことが挙げられる。これは大したことではないと思うかもしれないが、過去10年間、ビッグブルー(IBMのニックネーム)は前年の売上高を上回ることはなかった

Red Hatを含むクラウドおよびコグニティブソフトウェア事業の売上高は、2.5%増の56億9000万ドル(約6490億円)となった。決算発表後に行われたアナリストへの説明会で、CFOのJim Kavanaugh(ジム・カバノー)氏は、Red Hatが第3四半期に17%成長したと指摘した。「Red Hatの売上高は、インフラストラクチャアプリケーション開発と新興テクノロジーで2桁の成長を達成しました。また、OpenShiftの経常収益が40%以上増加しました」と同社のコンテナオーケストレーションプラットフォームに言及しながら述べた。

以上が良いニュースだ。悪いニュースは、需要に追いつくためには技術者を雇う必要があり、その人件費はより高額になっていて、収益を抑制していることだ。「競争の激しい労働市場では、人材獲得や定着のためのコスト増などが当社の人件費を圧迫する要因となっていますが、現在の価格にはまだ反映されていません。今後の契約でこの価値を獲得することを期待していますが、収益構造に反映されるまでには時間がかかります」とカバノー氏は述べた。

つまり、Red Hatが問題なのではなく、IBMは自社の中心的企業からもっと収益を上げる方法を見つける必要があるということだ。Constellation ResearchのアナリストであるHolger Mueller(ホルガー・ミューラー)氏は、Red Hatを単にIBMのサービスを販売するだけの存在とするのではなく、真に中立的なプレイヤーであることをハイブリッドクラウド市場に納得させるために、Red Hatをさらに成長させる必要がある、と話す。

「IBMは、企業がRedHatを使用してロックインを回避できるようにして自らをクラウドの『スイス』と位置づけることが完全にできていません。これは有効な提案ですが、世の中のCxOの心を捉えていません」とミューラー氏は述べた。

一方、IBMは2020年発表したように、インフラストラクチャサービス部門を別会社としてスピンアウトしている最中だ。これは、クラウドとAIの戦略に基づいて会社を強固にするための動きと見られているが、来月この手続きが完了すると、バランスシートからその収益を失うことになり、財務的には痛みをともなう。

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その他の主要部門であるグローバルサービス部門は5%減、システム部門は12%減と大幅な減収となった。唯一、グローバルコンサルティングが12%成長したのが救いとなった。

IBMは少しずつ前進しているが、十分ではなく、また迅速でもない。IBMの株価は10月21日の取引終了時に9.56%下落した。株主は明らかにさらなる成果を求めている。Red Hatがリードしている一方で、他の部門は遅れを取り続けていて、投資家は満足していない。

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラが過去最高の四半期純利益1852億円を達成、世界的チップ不足の中でもEV販売が絶好調

Tesla(テスラ)は引き続き収益性を高めている。米国時間10月20日に発表した第3四半期の純利益は16億2000万ドル(約1852億円)で、前年同期の3億3100万ドル(約378億円)の約5倍に増えた。世界的なチップ不足とサプライチェーンの制約が業界に影響を及ぼしているにもかかわらず、この過去最高の利益は記録的な売上高の達成によるものだ。

注目すべきは、売上の大半が同社のラインナップでは安めの電気自動車Model YとModel 3で占められているにもかかわらず、16億2000万ドル(約1852億円、GAAPベース)の利益を確保できたことだ。なお、同社は9月30日までの四半期で、ビットコイン関連の減損5100万ドル(約58億円)を計上した。

営業利益は20億ドル(約2286億円)で、前年同期の8億900万ドル(約925億円)から増加し、第2四半期の13億ドル(約1486億円)からは54%増となった。また、第3四半期の売上高は137億5000万ドル(約1兆5721億円)で、前年同期の87億7000万ドル(約1兆円)から56%増加し、2021年第2四半期の119億6000万ドル(約1兆3675億円)を15%上回った。

Teslaは自らをエネルギー、テクノロジー、持続可能性の企業と称しているが、その売上は大部分が依然として電気自動車の販売からだ。Teslaの自動車関連の売上高は、第3四半期に120億ドル(約1兆3680億円)となり、前年同期に比べ50%増加した。その自動車関連売上高のうち約2億7900万ドル(約318億円)は環境クレジットの販売によるものだ。これは2019年第4四半期以降、最低の水準だった。一方、Teslaの自動車事業の売上総利益(GAAPベース)は、過去最高の30.5%に急上昇した。

決算はアナリスト予想を上回った。Yahoo Finance提供の売上高のアナリスト予想は136億2000万ドル(約1兆5557億円)だった。Factset提供のアナリスト予想は、売上高が136億ドル(約1兆5550億円)、利益を13億ドル(約1480億円)としていた。

今のところ、同社の成功は(同社が製造・販売する太陽光発電システムや蓄電池という他の2つの製品ではなく)電気自動車を生産・販売できるかどうかにかかっている。、またFSD(Full Self-Driving)と呼ばれるソフトウェアを、製品を購入したオーナーが広く利用できるようにすることができるかどうかにかかっている。一部のオーナーにベータ版ソフトウェアを公開するという戦術をめぐって、規制当局によるTeslaへの監視の目が厳しくなっている

同社は第3四半期決算報告で「半導体不足、港湾の渋滞、計画停電などのさまざまな課題が、私たちが工場をフル稼働させようとする際に影響を与えています」と指摘した。このコメントは、需要が問題なのではなく、同社が制約を受けているのはサプライチェーンや物流のみからであることを示唆している。

蓄電池の販売量(メガワット時ベース)は、前年同期比で71%増加した。しかし、第2四半期から第3四半期にかけて成長が鈍化し、メガワット時ベースの販売量はわずか1.6%の増加にとどまった。

太陽エネルギーの分野でも同じストーリーとなった。Teslaは第3四半期に83メガワットのソーラーパネルを設置した。前年同期比で46%の増加、前四半期比で2.35%の減少となった。第3四半期に設置したパネルの数は、2021年の四半期決算の中で最も低水準だった。

今回の好決算は、第3四半期にModel 3およびModel Yの販売台数が記録的に増加したためだ。第3四半期に24万1300台の電気自動車を納入し、予想を大きく上回る結果となった。世界的なチップ不足の影響で、他の米国の自動車メーカーは販売台数を減少させた。

販売台数の大部分(約96%)は、新型のModel 3セダンとModel Yクロスオーバーだった。納入台数は、第2四半期から20%増加し、前年同期比で73%増加となった。

生産台数も伸びた。第3四半期に23万7823台を生産し、同社の記録を更新した。

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画像クレジット:Tesla

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Xiaomiは4〜6月期過去最高64%の収益増加、自動運転技術会社Deepmotionを買収

Xiaomi(シャオミ、小米科技)は第2四半期、売上高が135億6000万ドル(約1兆4916億円)となり、12億8000万ドル(約1408億円)の純利益を計上した。これは、中国のテック巨人である同社が、世界的にスマートフォンの市場シェアを大きく伸ばしたことを受けたものだ。

2021年6月に終了した同四半期において、Xiaomiは前年同期比で64%の増収を達成し、純利益は80%以上の増加となった。

香港に上場している同社は、スマートフォンの出荷台数が5290万台に増加したことにより、同カテゴリの売上高が91億ドル(約1兆10億円)に増加したと発表した。市場調査会社のCanalysによると、それによりこの四半期、同社はApple(アップル)を抜いて世界第2位のスマートフォンメーカーになった。

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Xiaomiの国内最大のライバルであるHuawei(ファーウェイ)に対する米国政府の制裁措置に助けられ、Xiaomiは他のいくつかのメーカーとともに、国内だけでなく世界的にも市場シェアを拡大している。

また、IoTとライフスタイル製品カテゴリーからのXiaomiの収益も伸びを見せ、36%増の32億ドル(約3520億円)となった。

同社は決算報告の直後に、設立4年の自律走行技術スタートアップDeepmotion(深動科技)を約7730万ドル(約85億円)で買収すると発表した。この投資は、EV分野に今後10年間で100億ドル(約1兆1000億円)を投資するという同社の大胆な計画に沿ったものだ。

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Xiaomiは、EV業界に参入した最新の中国テック企業だ。中国の検索エンジン大手Baidu(バイドゥ、百度)は2021年初め、自動車メーカーGeely(ジーリー、吉利汽車)の協力を得てEVを製造すると発表した。2020年11月には、Alibaba(アリババ)と中国の国有自動車メーカーであるSAIC Motor(上海汽車集団)が手を組んで電気自動車を生産すると発表した。ライドシェア大手のDidi(ディディ、滴滴出行)とEVメーカーのBYD(比亜迪)も、配車サービス用のモデルを共同設計している。

筆者の同僚であるRita Liao(リタ・リャオ)は以前こう報じていた。

インターネットの巨人たちは、Xpeng(シャオペン、小鵬)やNio(ニオ、上海蔚来汽車)、Li Auto(リ・オート、理想汽車)など、すでに複数のモデルを発表し、しばしばTesla(テスラ)と比較される、より専門的なEVスタートアップの数々と競合している。これらEVメーカーは車内エンターテインメントから自律走行まで、様々な機能に投資して差別化を図ろうとしている。

Xiaomiにとって自動車メーカーとしての明らかな強みは、広大な小売ネットワークと国際的なブランド認知度だろう。また、スマートスピーカーや空気清浄機など、同社のスマートデバイスの一部は、セールスポイントとして車に簡単に組み込める。もちろん、真のチャレンジは製造にある。携帯電話の製造に比べ、自動車産業は資本集約的で、長く複雑なサプライチェーンを必要とする。Xiaomiがそれを成し遂げることができるかどうか、見守っていきたい。

Xiaomiは中国時間8月25日、Deepmotionへの投資は、同社製品の市場投入までの時間を短縮するのに役立つと述べた。

画像クレジット:Roman BalandinTASS / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Aya Nakazato)

AirbnbとDoorDashの株価が決算発表後に下落、新型コロナの実体経済への影響が重しに

民泊大手のAirbnbとオンデマンド配達のDoorDashが米国8月12日の取引開始直後に四半期決算を発表した。

両社とも新型コロナウイルス感染症のかなりの影響を受けた。Airbnbの2020年の売上高は初期のロックダウンで崩壊し、同社はかなりの資金を調達して難局に備えることになった。その後復活し、同社は新規上場を果たした。

それとは対照的にDoorDashは、人々が家に閉じこもり、配達を利用したために2020年の業績は目を見張るものだった。ちょうど2社の四半期決算が同じ日に発表されたので、新型コロナが業績にどのよな影響を及ぼしたのか分析してみよう。

Airbnbの第2四半期

Airbnbの第2四半期の売上高は13億ドル(約1425億円)で、前年同期の3億3500万ドル(約370億円)、2019年同期の12億1000万ドル(約1325億円)を上回った。成長率をみると、前年同期から299%、2019年同期からは10%の成長となった。

アナリストは2021年第2四半期の売上高を12億3000万ドル(約1350億円)と予想していた。

2021年第2四半期の損益では、諸経費を含めて6800万ドル(約75億円)の損失を計上した。かなり修正されている利益、調整後EBITDAは2億1700万ドル(約240億円)、営業利益は7億9100万ドル(約870億円)だった。今後の展望として、Airbnbは収益見通しについて次のように述べた。

2021年第3四半期の売上高は過去最高のものになり、調整後EBITDAと粗利益も最多となると予想しています。

調整後利益を増やして純損失を抑制し、巨額の現金を生み出した予想を上回るAirbnbの成長、そして第3四半期の売上高予想を市場はどのようにとらえたのだろうか。Airbnbの株価は時間外取引で4.5%ほど下げた。

困惑したかもしれない。投資家は同社が決算書のガイダンス部分に盛り込んだ以下の指摘について心配しているのだろう。

短期的には、新型コロナの影響とデルタ株を含むウイルスの新たな変異株の発生・拡散が、宿泊予約とキャンセルの頻度や時期を含め、旅行に関する全体的な動向に引き続き影響を及ぼします。その結果、宿泊や体験プログラム、グロスブッキングの前年との比較は今後も変動が大きく、安定しません。

Airbnbにとって2021年第3四半期は有望である一方で、将来の成長は現在も続くパンデミックのおかげでアップダウンがあったり、後ろ倒しになったりする可能性がありそうだ。旅行率の低下を指摘する指数があり、これはAirbnbに影響を及ぼすかもしれない。

同社の第2四半期決算結果と第3四半期の予想は、1年前に比べると素晴らしいものだ。しかし、それは新型コロナという危機から完全に脱したことを意味しない。

DoorDashの第2四半期

2021年第2四半期に新型コロナによる業界への追い風は全般的に少なかったにもかかわらず、DoorDashは注文数、注文代金で過去最多を記録した。6月30日までの3カ月で、オンデマンドフードデリバリーの同社の注文価格(マーケットプレイスGOV)は104億6000万ドル(約1兆1460億円)で、売上高は12億4000万ドル(約1360億円)となった。マーケットプレイスGOVの値は前年同期比70%増、売上高は同83%増だった。

投資家は売上高10億8000万ドル(約1180億円)を見込んでいたため、DoorDashはあっさりと予想を上回った。

DoorDashの収益性はどうだったのか。同社は1億200万ドル(約110億円)の純損失を計上し、全体として赤字だった。調整後EBITDAでは、1億1300万ドル(約120億円)の黒字だった。Uberがフードデリバリー事業で黒字を確保できなかったことを考えると、さほど悪くない。DoorDashの当期純利益は前年同期より減少したが、調整後EBITDAでは改善した。

DoorDashの株価は時間外取引で3.5%ほど下げた。

なぜか。はっきりとはわからない。DoorDashは「第3四半期のマーケットプレイスGOVは93億ドル〜98億ドル(約1兆190億円〜1兆740億)、調整後EBITDAは最大1億ドル(約110億円)」と予想している、と述べた。たしかに第2四半期のGOVからわずかに減少しているが、投資家らは第3四半期の売上高が前期よりも少なくなるのではと懸念している。読者のみなさんはGOV予想が控えめなのではと思うかもしれない。

原因は新型コロナだろうか。同社の決算資料での新型コロナへの言及は、新型コロナのその後の影響、そして注文やデリバリーで同社を使っているレストランに救援金を提供するためのこれまでの取り組みに終始している。従って、そこから絞り出せる要素は多くはない。ただ、同社は決算報告の終わりに以下のように述べた。

オムニチャネルのローカルコマースに向けた幅広い世間のシフトが出現しようとしていると確信しています。しかしながら、ローカルコマースの規模や断片化は、解決すべき問題がより難しくなり、内部と外部の関係者間の調整がこれまで以上に複雑なものになり、競争上の脅威が増すことをうかがわせています。と同時に、消費者行動のペースはここ数四半期の並外れたものに比べて緩やかなものになると想定しています。

より簡単に言うと、こうだ。DoorDashは将来、緩やかな成長、これまでよりも複雑な事業環境、新規マーケット参入に伴う競争の激化を予想している。これは投資家を興奮させるような要因のミックスではなく、我々もそうだとは思わない。

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画像クレジット: TechCrunch

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nariko Mizoguchi

Disney+の第3四半期の契約者数は予想を上回る1億1600万人、アジア市場が下支え

Disney(ディズニー)のストリーミングサービスの新規契約者は、新型コロナウイルスによるロックダウンとマスク着用義務が終わったのに伴い第2四半期のはじめは伸び悩んでいたが、成長率は改善しつつある。同社は米国8月12日、爆発的な第3四半期決算を発表し、その中でDisney+の契約者数の増加はアナリストの予想を超えたことが示された。ウォールストリートが予想していた1億1450万人を超え、前年同期比100%超の伸びを示した。

Disneyの決算はまた、あらゆる数字が予想を上回った。売上高は予想の167億6000万ドル(約1兆8510億円)に対し170億2000万ドル(約1兆8800億円)、1株あたり利益は予想の55セント(約60円)に対して80セント(約88円)だった。しかもDisneyのテーマパークが営業を再開した。

パンデミックはストリーミングを含め多くの業界で成長メトリクス予測を狂わせた。競争がますます激しさを増している業界にあってNetflixに対抗できる数少ない競合相手の1つとして、Disney+はかなり確立された存在だが、新型コロナの影響でいくらかの浮き沈みはあった。パンデミック初期には、ストリーミングは上昇傾向にあった。今年3月、Disney+はサービス開始からわずか16カ月で契約者数1億人を超えた。その際、Disneyの取締役は2024年までの契約者数は2億6000万人という予想に向けて順調だと述べた。

しかしDisneyの第2四半期決算では、経済再開がDisney+の数字に影響を及ぼした。人々は家にこもる代わりにすべきことがあり、ワクチンも広範に接種できるようになったためだ。そうしてDisney+の契約者数は、アナリストの1億930万人という予想に対して1億360万人にとどまり、その結果株価は下落した。

新型コロナが誘発した新規契約者数への効果が鈍化したのは同社だけではなかった。Netflixも年初は新型コロナ、そして制作の遅れやリリーススケジュールのようなものへの広範囲にわたる影響のために契約者数の伸びは低調だった。

しかし契約者数で再び予想を上回ったNetflixの直近の四半期は、Disney+も同様に伸びるかもしれないことを予感させた。そうした成長を支えたのは、アジアでのマーケット拡大だ。昨年のインドとインドネシアに続いてDisney+ Hotstarの提供が6月にマレーシアとタイで始まった。

ただ、Disney+のHotstarバージョンは低価格であるため、ユーザー1人あたりの月間売上高(ARPU)の減少につながった。第3四半期のARPUは、前年同期よりもDisney+ Hotstarとのミックスが多かったために、4.62ドル(約510円)から4.16ドル(約460円)へと減少した、とDisneyは説明した。

Disneyの他のストリーミングサービス、HuluとESPN+では同様の傾向はみられなかった。

Huluの購読ビデオサービスのARPUは前年同期の11.39ドル(約1260円)から13.15ドル(約1450円)に増え、ライブTVサービス(+SVOD)は68.11ドル(約7520円)から84.09ドル(約9290円)になった。ESPN+サービスも4.18ドル(約460円)から4.47ドル(約490円)へと増加した。

全体的に契約者数の増加もみられた。ESPN+は前年同期比75%増の1490万人に達し、Huluの契約者総数は21%増の4280万人となった。

「当社の消費者直接取引事業はかなり好調です。四半期末時点のDisney+、ESPN+、 Huluの契約者総数は1億7400万人近くで、今後多くの新コンテンツがプラットフォームに加わります」とDisneyのCEO、Bob Chapek (ボブ・チャペック)氏はプレスリリースで述べた。

同社の消費者直接取引事業は、契約者数や広告収入の増加などHuluの好業績のおかげで売上高は57%増の43億ドル(約4750億円)となり 、営業損失は6億ドル(約660億円)から3億ドル(約330億円)に減少した。

こうした売上増や損失減は、プログラミングや制作、マーケティング、テクノロジーのコストによるDisney+の大きな損失で相殺された。ただしDisney+の損失は契約売上高の増加と「Cruella」のDisney+ Premier Accessリリースの成功でいくぶん抑制された(Disneyの会計四半期は7月3月までであり、そのため「Black Widow」の米国でのリリース後の爆発的な人気や、スター女優スカーレット・ヨハンソン氏による訴訟の影響はこれらの数字には反映されていない)。

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画像クレジット: Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

FiskerとフォックスコンのEVパートナーシップは「予想よりも速く進んでいる」とFiskerのCEOが表明

米国の電気自動車メーカーであるFisker(フィスカー)は、2021年の運営費用が4億9000万ドル(約538億1000万円)から5億3000万ドル(約582億2000万円)に達すると予想しているが、これは、Ocean(オーシャン)SUVのプロトタイプの研究開発費、先端技術のテストと検証、雇用、Foxconn(フォックスコン)とのパートナーシップの「加速」によって当初の見通しよりもやや増えている。

関連記事:フォックスコンと米Fiskerが電気自動車製造に関する正式契約を締結

米国時間8月5日の市場閉場後に第2四半期の業績報告を行った同社は、通年の主要な非GAAP運営費用と設備投資の予想を、当初の4億5000万ドル(約494億2000万円)から5億1000万ドル(約560億1000万円)という数字から引き上げた。業績報告の中で挙げられていたのは、2021年のプロトタイプ活動への研究開発費だが、その主要部分は先進運転支援システムのテストと検証、パワートレイン、およびユーザーインターフェイスによって構成されている。同社はまた、仮想検証ソフトウェアツールや、最近厳しくなったEuro NCAPおよびIIHSの安全規制に対応するための、人材採用、仮想および物理テストなどの社内コストへの支出が増加していることも指摘している。

CFOでCOOの共同創業者Geeta Gupta Fisker(ギータ・グプタ・フィスカー)氏は、業績報告会の中で、サードパーティだけに頼るのではなく、テストと検証を行うための内部体制を整える戦略的決定を下したことを付け加えた。

共同創業者でCEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は米国時間8月5日のインタビューで「予想よりも速く進んでいる」Foxconnとのパートナーシップも支出の増加に寄与していると語った。

そのインタビューの中で、ヘンリック・フィスカー氏は「私たちの方向性は本当に一致しています」と語っている。「両社がこのプログラムに投資しているという意味で、これは非常にユニークなビジネス取引であるということができます。私たちが単にFoxconnを雇って車を作るわけではありません」。

Fiskerは現在、2つの車両プログラムを実施中だ。その最初の電気自動車であるFisker Ocean SUVは、ヨーロッパの自動車委託製造業者Magna Steyr(マグナ・シュタイヤー )によって組み立てられる。生産開始は2022年11月の予定で今の所順調に進んでいる、と同社は8月5日の発表で繰り返した。納車は2022年の終わりに欧米で開始され、2023年には月産5000台以上の生産能力を達成する計画だ。中国の顧客への納車も2023年には開始される予定である。

この5月にFiskerは、iPhoneを組み立てている台湾企業であるFoxconnと、新しい電気自動車を共同開発および製造する契約を締結した。ヘンリック・フィスカー氏によれば、両社は「極めて速やかに」設計を進めており、現在、トランクを開く新しい方法の特許やその他の技術革新に取り組むなど、エンジニアリングと技術の詳細に取り組んでいる。

「私たちは急激に加速しています、おそらく2021年の終わりまでにはいくつかの初期のプロトタイプが手に入ることでしょう」と彼はいう。

両社はまた、この新しいEVのデザインが都会のライフスタイル向けになることも決定した。

「万人向けの車を作ることはできません」と彼はいう。「農民向けであり、かつ都会のアパートに住む人のためでもある車を作ることはできません。これらは2つの異なる種類の車なのです。ということで、今回のEVには都会的なライフスタイルを選択しました」。

このプロジェクトPEAR(Personal Electric Automotive Revolutionの略)で生産される車両は、Fiskerのブランド名の下で北米、ヨーロッパ、中国、インドで販売される。Fiskerの8月5日の発表によれば、プリプロダクションは2023年末までに米国で開始され、翌年には増産される予定だということだ。

ヘンリック・フィスカー氏は、米国における製造拠点を明らかにしなかった。彼は最近ウィスコンシン州にあるFoxconnの製造施設を訪れ、この地域のサプライチェーンと同様に「印象的な」施設であると発言している。そして最終決定はFoxconnのものであるとFiskerは述べている。しかしFiskerは、自動車メーカーが顧客に直接販売できる州で電気自動車を生産したいと考えている。ウィスコンシン州では現在この行為は禁止されている。

「それは、私たちが店舗に出ていって電気自動車を販売するために変更しなければならない主要な事の1つになるでしょう」と彼は述べた。

業績報告

同社の第2四半期業績報告の概要は以下の通りだ。2つの重要な要素を心にとめておいて欲しい。Fiskerは2020年のこの時点では上場されていなかった。そのため前年との比較は利用することができない。この会社は基本的に収益開始前だが、グッズ販売から2万7000ドル(約296万5000円)を得ている。

Fiskerの報告によれば、前四半期から22%増加し、2万7000ドル(約296万5000円)の収益が生み出されたとされている。またFiskerは、前四半期の1億7680万ドル(約194億1000万円)の純損失と比較して、今四半期の純損失は4620万ドル(約50億7000万円)、つまり1株あたり0.16ドル(約17.6円)の純損失を報告している。第1四半期のこの大きな純損失だが、SECによる現金以外の項目を処理する方法の変更によって、第1四半期に1億3800万ドル(約151億4400万円)のワラント保証が要求されたことに起因する。公開ワラントは現在廃止されており、同社は将来の収益にこれらの影響を受けることはもうないと述べている。

第1四半期の営業損失は3300万ドル(約36億2000万円)だったが、第2四半期の営業損失は5310万ドル(約58億3000万円)となった。重要なのは、同社が「アセットライト」アプローチと呼んでいる方法を使用して現金を保持していることだ。つまり、工場を建設するのではなく、パートナーに依存するということを意味する。6月30日に終了した四半期の現金および現金同等物は9億6200万ドル(約1056億1000万円)で、第1四半期の9億8510万ドル(約1081億3000万円)をわずかに下回った。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:FiskerFoxconn電気自動車決算発表

画像クレジット:Fisker

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(文: Kirsten Korosec、翻訳:sako)

Uberの第2四半期は配車、配達事業の売上高は成長するも赤字幅は拡大

Uber(ウーバー)は米国時間8月4日、取引開始直後に第2四半期決算を発表した。前日には米国内でのライバルであるLyft(リフト)も同期決算を明らかにしていた

Lyftが調整後EBITDAで黒字をなんとか達成した一方で、Uberはそうではなかったのは注目に値する。しかしUberはDidiやAurora Innovationなど他社への投資のおかげで第2四半期に11億4000万ドル(約1250億円)の純利益を生み出した。

上から順に、Uberのグロスブッキング(取扱高)は計219億ドル(約2兆4015億円)で、前年同期に比べて114%増えた。売上高におけるグロスプラットフォーム支出は39億3000万ドル(約4310億円)となり、前年同期の19億1000万ドル(約2090億円)から105%増となった。

第2四半期の業績は、Uberが税引前で黒字化を達成するという目標に向けて順調に歩むに足るもので、決算発表によると、同社は第4四半期までに調整後EBITDAで黒字を繰り返す。

Yahoo Financeが集めたデータによると、アナリストはUberの売上高を37億4000万ドル(約4100億円)、1株あたり利益はマイナス0.51ドル(約55円)と予想していた。売上高はアナリスト予想を上回ったものの、調整後EBITDA損失額は予想よりも大きくなった。アナリストは、調整後EBITDAで3億2450万ドル(約355億円)の赤字を予想していたが、実際には5億900万ドル(約560億円)の赤字だった。

Uberの株価は時間外取引で8%超下落した。その後は持ち直したが、それでも6%超落ち込んでいる。

Uberの各事業の取扱高に目を向けると、配車部門は第2四半期にこれまでで最大の伸びとなる前年同期比184%増の88億4000万ドル(約9690億円)だった。取扱高全体のかなりの部分を占める配達部門は同85%増の129億1000万ドル(約1兆4155億円)だった。

消費者支出額で大きな差があったにもかかわらず、配達部門の取扱高における売上高の割合は配車部門のものよりも少なくなり、売上高は配達部門が19億6000万ドル(約2150億円)、配車部門が16億2000万ドル(約1780億円)だった。

Uberの中で最も売上高が少ないFreightは前年同期比64%成長し、3億4800万ドル(約380億円)だった。小規模ではあるが、同社はFreight部門をを拡大し、2022年末までに調整後EBITDAベースで収支が合うようにするための手段として戦略的買収や提携を行ってきた。

Uber Freightは7月にプライベートエクイティグループTPG Capitalから22億5000万ドル(約2470億円)でTransplaceを買収した。この取引にはUber株での7億5000万ドル(約820億円)が含まれ、残りは現金で支払われた。

Uberの主要事業である配車事業と配達事業はいずれも黒字ではなく、Uberを調整後の赤字から救うことはできなかった。しかし、同社の配車事業は調整後EBITDAで2020年同期を下回ったものの1億7900万ドル(約200億円)の黒字を達成した。その一方で、配達事業は調整後EBITDAで1億6100万ドル(約180億円)の損失と、またも赤字となった。

Uberの配車事業の調整後EBITDAは、同社の未割り当て費用に比べればわずかなものだ。調整後EBITDAは5億900万ドル(約560億円)の赤字で、赤字幅は前年同期から39%縮小した。それでも収支が合うようになるまでの道のりは長い。

しかしUberの第2四半期には、他からの収入という点で特筆すべきものがあった。同社の11億9000万ドル(約1300億円)という営業損失は、19億3000万ドル(約2115億円)もの営業外収入でかなり改善した。営業外収入の大半は、Didiへの投資での14億ドル(約1535億円)の含み益、Aurora Investmentsへの投資での4億7100万ドル(約520億円)の含み益など、計19億1000万ドル(約2090億円)が「債券と持株」からのものだっった。

Didiは第2四半期に上場した。

地域別業績に目を向けると、Uberの事業が最も早く立ち直ったのはAPAC(アジア・太平洋)地域で、同地域の売上高は前年同期の2億1700万ドル(約240億円)から227%増加し、7億900万ドル(約780億円)に達した。次いでEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域の成長幅が大きく、売上高は前年同期の3億5800万ドル(約390億円)から159%増の9億2900万ドル(約1020億円)となった。米国とカナダの売上高は前年同期の11億3000万ドル(約1240億円)から76%増の19億8000万ドル(約2170億円)で、南米はより控えめな44%成長だった。

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(文:Alex Wilhelm、Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

Nikolaが電動セミトラックの納車見通しを下方修正、バラ色とはいえない予測は収益面でも続く

SPAC(特別買収目的会社)との合併により上場を果たした電動トラックのスタートアップ企業であるNikola(ニコラ)は、サプライチェーンの制約から多くの遅延が発生している影響で、年内に納車できる車両の台数が半減する見通しであると、米国時間8月3日に警告した。

未だ量産開始前の段階にある同社は、第2四半期の決算発表の中で、年内に50〜100台の生産を計画していた電動セミトラックの生産台数を、25〜50台に引き下げると発表した。バラ色とは言えない予測は、収益面でも続いた。

同社は2021年度の売上高予想を、0ドル〜750万ドル(約8億2000万円)へと引き下げた。これまでは1500万ドル(約16億4000万円)〜3000万ドル(約32億7000万円)と予想していた。

Nikolaの報告によると、第2四半期の純損失は1億4300万ドル(約155億9000万円)と、前年同期の1億1570万ドル(約171億2000万円)の損失から増加したとのこと。調整後1株当たりの純損失は20セント(約22円)で、実際にはアナリストの予想よりも良い結果となった。同社の当四半期末の現金残高は6億3260万ドル(689億8000万円)となっている。

今回の決算発表では、量産前試作車のテストやアリゾナ州に建設している工場の0.5期工事の完了など、電動トラックの量産に向けた進捗状況に焦点が当てられたが、市場の関心は、見通しの下方修正や、創業者のTrevor Milton(トレバー・ミルトン)氏が証券詐欺で起訴されたことによる影響の方に向けられた。他に同社の最新情報としては、14台の量産前試作車と、5台のアルファ版および9台のベータ版のプロトタイプを製作したことが発表された。

Nikolaの株価は、日中の取引で7.47%下落した。

2020年NikolaののCEO兼会長を辞任したミルトン氏は、米国時間7月29日、連邦大陪審により2件の証券詐欺および1件の通信詐欺の罪で起訴された。検察は訴状の中で、ミルトン氏がソーシャルメディアを利用したり、テレビに頻繁に出演したりして、同社が製品を製造する前に「Nikolaに関する虚偽の誤解を招くような情報」を市場に氾濫させる広報活動を行ったと詳述している。

2020年3月、Nikolaは特別目的買収会社であるVectoIQ Acquisition Corp.(ベクトIQ・アクイジション)との合併により株式公開することを発表した。ミルトン氏は、その年の夏に会社が上場した後、Twitterに頻繁に投稿し、個人投資家に向けて直接的にメッセージを発信していた。そして9月、GMが20億ドル(約2181億円)の出資を発表した数日後に、著名な空売り専門投資会社のHindenburg Research(ヒンデンブルグ・リサーチ)が、Nikolaに詐欺の疑いがあると告発。米国証券取引委員会はこの件について調査を開始し、2週間後にミルトン氏は会長を辞任した。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Nikola電気自動車決算発表トラック

画像クレジット:Nikola

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GMの第2四半期は約3110億円の黒字、リコール費用は約875億円

General Motors(ゼネラル・モーターズ)が米国時間8月4日に発表した決算で、電気自動車Chevrolet Boltの2017年から2019年にかけての2回のリコール費用が8億ドル(約875億円)だったことが明らかになった。Boltバッテリーの欠陥修理のコストは同社の第2四半期の保証費用13億ドル(約1420億円)の大半を占めた。

CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏は業績発表の中で、リコールは同社が韓国のLG Energy Solutionsとの合弁で開発中のバッテリーセルテクノロジーであるUltiumプラットフォームには影響しない、と明言した。「(Ultiumは)異なるバッテリーシステムであり、Ultiumセルを製造する合弁会社プラントは厳格な品質プロセスに従っています」と述べた。

GMは7月に、発火リスクを解決するために欠陥のあるバッテリーモジュールを交換する計画だと顧客に伝え、Boltの2回目となるリコールを発表した。GMは顧客にバッテリー交換の準備が整ったことを知らされるまで、毎使用後にクルマを充電し、バッテリーレベルを走行可能距離70マイル(約112km)以下にしないようアドバイスしている

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GMの第2四半期の売上高は342億ドル(約3兆7450億円)で、第1四半期より17億ドル(約1860億円)増え、前年同期からは174億ドル(約1兆9050億円)増となった。また、最終損益は28億4000万ドル(約3110億円)の黒字だった。前年同期は主にパンデミックとそれにともなう経済低迷のために7億5800万ドル(約830億円)の赤字だった。41億ドル(約4490億円)という調整後総収入にはリコール費用も含まれている。

収入は中古車価格、トラックやSUVの販売、そしてGM Financialの好調な業績によって増えた。GMの貸付部門の総売上高は34億ドル(約3720億円)、調整後収入は15億8000万ドル(約1730億円)だった。

「GM Financialの売上高は、中古車の価格により引き続き過去最高となりました」と同社CFOのPaul Jacobson(ポール・ジェイコブソン)氏は会見で述べた。

同社は2021年後半の見通しについても強気だ。調整後の通年収益予想を115億ドル〜135億ドル(約1兆2590億〜1兆4780億円)に、1株あたり収益を5.40〜6.40ドル(約590〜700円)に上方修正した。これまでは通年収益100億〜110億ドル(約1兆950億〜1兆2040億円)、1株あたり収益4.5〜5.25ドル(約490〜570円)を予想していた。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:GM決算発表リコール

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

Lyftが調整後EBITDAで初の黒字を達成、事業がコロナ打撃からリバウンド

米配車サービスのLyft(リフト)は米国時間8月3日の取引開始直後に第2四半期決算を発表した。全体として同社の業績は新型コロナウイルスパンデミックと、それによる米国のロックダウンで大打撃を受けた前年同期からリバウンドした。

Lyftはまた、調整後EBITDAで黒字を確保できた。これまで黒字を達成できていなかった同社は、収益を算出するのにより厳しい指標となる調整後EBITDAを好んで使っている。第2四半期の調整後EBITDAは2380万ドル(約26億円)だった。

同社の経営陣は8月3日の決算会見でマイルストーン達成を喜んだ。「ここしばらく視界にとらえていたマイルストーンを今期達成しました」と共同創業者でCEOのLogan Green(ローガン・グリーン)氏は述べた。同氏は2020年同期の決算会見で、Lyftが「文字通り移動を止めた100年に1度のグローバルパンデミックに直面し、と同時にカリフォルニア州のProposition 22法案が進行中だ」と指摘した。

同社の調整後EBITDAは2020年第2四半期にそれまでで最悪の2億8000万ドル(約305億円)の赤字となった。以降、同社は毎四半期、調整後EBITDAを増やしてきた。直近の四半期では調整後EBITDAマージン(比率)が3%ととなった。調整後の黒字を達成すると投資家らに約束したのち、Lyftはそれを実現した。

決算発表を受け、同社の株価は時間外取引で7%近く上昇している。

Lyftの第2四半期の売上高は7億6500万ドル(約830億円)で、3億3930万ドル(約370億円)だった前年同期の2倍超となった。これは注目に値することだが、2020年のこの時期、経済と配車サービスは新型コロナパンデミックで打ちのめされていたことを忘れないで欲しい。言い換えると、今期の売上増は予想されていた。

さらに重要なのは、同社の第2四半期の売上高は前四半期の6億900万ドル(約660億円)から25.6%成長したことだ。つまり、デルタ変異株のために米国内のコロナ新規感染者数が増えているにもかかわらず、同社はなんとか成長したことを意味する。

第2四半期のアクティブ乗客は1710万人で、この数字は前年同期の868万人から97%増えた。第1四半期にLyftは同期のアクティブ乗客が1349万人だったと発表した。また、第2四半期のアクティブ乗客1人あたりの売上高(44.63ドル、約4860円)は前年同期(39.06ドル、約4260円)から増えた。2021年第1四半期の45.13ドル(約4900円)からはわずかに減少した。

Lyftの成長は市場の予想を超えた。Yahoo Financeのデータによると、市場予想は売上高6億9620万ドル(約760億円)だった。この成長にもかかわらず、すべての費用を計算に入れると同社はまだ赤字だ。第2四半期に同社は2億5190万ドル(約275億円)の赤字を計上した。前年同期の4億3710万ドル(約480億円)の赤字から42%改善したが、それでも大きな数字だ。

第2四半期の赤字には、株式報酬とそれに関する給与税費用の2億780万ドル(約230億円)、以前明らかにした特定の古い自動車保険の負債のために再保険をかける取り決めに関連する費用2040万ドル(約20億円)が含まれる。

第2四半期にLyftの売り上げ関連の費用総額は増えたが、それは前年同期に比べて急激に売上高が増えたかを考えると予想されたことだった。同社はまた、一般管理費、そして「事業とサポート」項目の数字もなんとか削減した。しかしR&DコストとS&M費用はどちらも前年同期を上回った。

最後に現金をみてみよう。過去3カ月、調整後EBITDAで黒字を生み出すことができたにもかかわらず、Lyftの事業は第2四半期に現金2750万ドル(約30億円)を使った。同社の事業は2019年第3四半期から支出が上回っている。しかし資金不足に陥るのでは、と心配しなくてもいい。同社は成長を支えるために現金20億ドル(約2180億円)超を保有している。

Lyftの事業がかつてよりも収益性の高いものに成長しているという兆しが見える。同社の一般管理費なしの配車サービスモデル収益性を示すのに使われるnon-GAAP指標の貢献利益は、第2四半期に59.1%と過去最高となった。前年同期のこの数字は34.6%で、2017年第1四半期以来最低だった。

忘れないよう書いておくと、Lyftは費用のかさむLevel 5という自動運転車両テクノロジープログラムを現在抱えていない。同社はLevel 5をトヨタのWoven Planet Holdingsに売却した。この取引は7月13日に完了した。Lyftは決算会見時に、第2四半期に比べて、Level 5に関連するコストが第3四半期には約2000万ドル(約2180億円)減ると見込んでいる、と述べた。

それは、同社がロボタクシー競争に関わることに興味がない、ということではない。

Lyftは7月、まずはマイアミとオースティでスタートし、今後5年間で多くの都市におけるLyft配車サービスネットワークで自動運転車を少なくとも1000台展開するためのArgo AI、Fordとの提携を発表した。Argoの自動運転車両テクノロジーを搭載した最初のFord自動運転車両は2021年後半にマイアミにおいてLyftのアプリで使えるようになる見込みだ。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Lyft決算発表配車サービス

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(文:Alex Wilhelm、Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

パンデミックの影響が鈍化し始めている

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

先週私たちの仕事は中国で始まりアフリカのスタートアップ活動を掘り下げもう一度中国を扱い、ラテンアメリカのスタートアップエコシステムを深く掘り下げ、そしてそしてRobinhood(ロビンフッド)IPOの再考で締めくくった。言い換えれば、実際にはほとんど何も起こっていなかったのだが。

金曜日にAmazon(アマゾン)の株が急落するのをみて驚いたことだろう。なにしろ、同社はこの四半期に1130億ドル(約12兆3940億円)をわずかに超える巨額の収益を記録したのだ。そして、パブリッククラウドビジネスであるAWSは、順調に進んでいるように見えている。

しかし、投資家はそれ以上の成長を期待しており、それに応じてシアトルを拠点とするeコマースプレイヤーAmazonの価格を設定していたのだ。Amazonが収益に対する期待を裏切って、2021年第3四半期の成長を「2020年第3四半期と比較して10%から16%の間」成長となることを予測したために、投資家たちがその株を手放したのだ。

しかし、金融プレスの一部が指摘しているように、投資家からひどい目にあわされているのはAmazonだけではない。Etsy(エツィー)とeBay(イーベイ)も今週下落している。投資家たちは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのおかげで電子商取引にもたらされた急成長期が、少なくとも鈍化していて、実質的には終わっている可能性を予想しているようだ。つまり、スタートアップを含む多くの企業で評価額がリセットされるということだ。

パンデミックの初期段階で減速したすべての企業が苦しんでいるわけでもない、Duolingo(デュオリンゴ)は成長が鈍化しているにもかかわらず、公開企業として力強い第1週を過ごした。しかし、デルタ変異種があろうとなかろうと、投資クラスは市場の枠組みを変えている。それを心に留めておくのが賢明だろう。

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それは新しい製品だ

先週から私の脳裏を離れないのは、Robinhoodが消費者投資に関するゲームをどれだけ変えたかということだ。もちろん、先週は主に同社のIPOとそのやや軟調な初期の取引実績について取り上げた。しかし、最終的なS-1/A申請書に埋もれているのは、Robinhoodの文化的影響に関する新しい証拠なのだ。

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同ユニコーンの申請書の冒頭に掲げられているのは2つの統計値だ。それは以下のようなものだ。

画像クレジット:Robinhood

げっ、と思ったかもしれないが、これが示しているのは膨大な投資アカウント数と、毎月のアクティブユーザー数だ。だが考えてみれば、これらは2021年3月31日の数字だ。それらはすでに古くなっている。同じ申請書内で、Robinhoodは、6月30日までの四半期に投資アカウント数が2250万に増加したことを示している。これは、1四半期で25%の成長だ。

当然のことながら、2021年の第2四半期には、二度と起こらないことがいくつか起きたが、それでもこれはなお驚くような結果だ。

Robinhoodの初期の投資家であるIndex(インデックス)のJan Hammer (ヤン・ハマー)氏は、彼の投資先の公開を受けてコメントを送ってきたが、同社の動向は、金融サービスを揺るがすためにハイテク企業によって行われている動きの一部なのだと主張している。Robinhoodのような企業は「古い金融商品に新しい塗装を施したものではない」と彼は書いている。

それは正しいと思う。そして重要な点は、時代遅れのウェブサイトや二流のモバイルエクスペリエンスを提供している市場の既存のプレイヤーたちを酷評しているところだ。たとえばZ世代が、Robinhood、eToro(イートロ)、M1 Finance(M1ファイナンス)でなければ代わりに何を使えば良いというのだろう。まあよくわからないがジョン・ハンコック(アメリカ独立戦争を資金面で支えた政治家)とか?。彼らが言うように、歯磨き粉はチューブに戻らない。

Fidelity(フィデリティ)とVanguard(ヴァンガード)は、一体どうすればRobinhoodのユーザーたちに自分たちのサービスに戻るように説得できるというのだろう?彼らはそうできるのだろうか?それともある世代の投資家たち全員が既存の金融プレイヤーを完全にスキップしてしまったのだろうか?強気のRobinhoodは後者のように考えているに違いない。そしてその見方を私も打ち消すことができないのだ。

Robinhoodの業績が、今後の何期かの四半期にどのように推移するかはわからないが、RobinhoodのMAU(月間アクティブユーザー数)や、M1のAUM(運用資産残高)などを考えると、フィンテックのスタートアップたちは信頼できる401(k)業者たちのいくつかを出し抜いたと言えるだろう。それはフィンテックたちが間もなくさらに深く掘り下げると、私が確信している市場だ。

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アフリカについて

アフリカに戻ってみよう、7月のデータはどうだっただろうか?私たちのアフリカ大陸の2021上半期の力強いパフォーマンスの調査は、6月で終わっていたので、いくつかのデータを追加しておこう。アフリカを情勢をウォッチするThe Big Deal(ザ・ビッグ・ディール)によれば、アフリカのスタートアップたちはこの四半期に71回のラウンドで3億800万ドル(約337億8000万円)を調達した。これは約37億ドル(約4058億2000万円)のランレートだ。よりシンプルに言えば、アフリカのスタートアップは、ベンチャーキャピタルの調達に関しては、これまでで最高の年を迎えている。

ではまた、ワクチン接種が無事に終わりますように。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:The TechCrunch Exchange新型コロナウイルスワクチンRobinhood決算発表アフリカ

画像クレジット:TechCrunch

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(文: Alex Wilhelm、翻訳:sako)

メッセージ機能を含むPayPalの新しい「スーパーアプリ」が立ち上げ準備完了

PayPal(ペイパル)が自らを「スーパーアプリ」に変身させる計画が、立ち上げに向け動き出した。

PayPalのCEOであるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏が、今週行われた第2四半期の決算説明会で投資家に向けて語ったところによると、同社の新しい消費者向けデジタルウォレットアプリの初期バージョンの「コードは完成」しており、同社はゆっくりと立ち上げに向け準備を整えているとのことだ。今後数カ月の間に、同社は米国内でのサービスを十分に強化し、四半期ごとに新しい決済サービス、金融サービス、コマース、ショッピングツールを提供していく予定だ。

これは、PayPalを、中国のWeChat(ウィーチャット)やAlipay(アリペイ)、インドのPaytm(ペイティーエム)の米国版にしようとするプロダクトの方向性の転換だ。こうしたアプリと同じように、PayPalはモバイル決済だけでなく、多くの消費者サービスをワンストップで提供することを目指している。

PayPalは過去の四半期で上記の新機能には、高機能な口座振替、小切手現金化、予算管理ツール、請求書払い、暗号資産サポート、サブスクリプション管理、今買って後で支払う機能などが含まれる可能性があると述べていた。また、2019年に40億ドル(約4400億円)を投じて買収したHoney(ハニー)のモバイルショッピングツールにより、商取引機能を統合するとも述べている。

これまでPayPalは、Honeyを単独のアプリケーション、ウェブサイト、ブラウザの拡張機能として運営してきたが、スーパーアプリには、取引検索や価格追跡など多くの機能を組み込む可能性があるという。

シュルマン氏は米国時間7月28日の決算説明会で、スーパーアプリには他にもいくつかの機能、すなわち、高利回りの預金、口座振替資金への早期アクセス、ピアツーピア決済以外のメッセージング機能(アプリのユーザーインターフェースにより家族や友人と直接チャットできること)などが含まれることを明らかにした。

PayPalは、これまでメッセージ機能を搭載する計画を発表していなかったが、今思えば、人々がチャットとピアツーピア決済を組み合わせることが多いという点で、この機能は理に適っている。例えばユーザーは、アプリから自動でリクエストを送るのではなく、自分で送りたいと思うかもしれない。また、お金を受け取った後に「ありがとう」などの感謝の言葉を伝えたい場合もある。現在、このような会話は、決済アプリの外で、iMessageなどのプラットフォーム上で行われている。だが、これは変わる可能性がある。

「これにより、プラットフォーム上で多くのエンゲージメントが得られるようになると考えています」とシュルマン氏は話す。「メッセージをやり取りするために、プラットフォームを離れる必要はありません」。

PayPalは、ユーザーのエンゲージメントが高まることで、アクティブなアカウント1件あたりの平均収益が向上すると見込む。

また、シュルマン氏は「暗号資産関連の機能追加」についても示唆したが、詳細は不明だ。PayPalは今月初め、米国内の適格なPayPal顧客を対象に、暗号資産の購入限度額を2万ドル(約220万円)から10万ドル(約1100万円)に引き上げた(年間購入限度額なし)。また、同社は2021年、消費者が暗号資産を使って何百万ものオンラインビジネスで決済することを可能にした。この場合、まず暗号資産を現金に換え、次に米ドルで決済する。

アプリのコードは完成しているが、シュルマン氏は今後もプロダクトエクスペリエンスを試行錯誤していく予定だと語り、初期バージョンが「すべてではない」と述べた。つまり、四半期ごとに着実にリリースし、新機能を追加していく予定だ。

ただし、初期の新機能としては、高利回りの貯金、ユーザーエクスペリエンスを向上させた請求書払い、請求先やアグリゲーターの増加、口座振替の早期利用、予算管理ツール、新しい双方向メッセージング機能などがあると話した。

すべての新機能をスーパーアプリに統合するため、PayPalはユーザーインターフェースの大幅な見直しを行う。

「明らかに、ユーザーエクスペリエンスは再設計されつつあります」とシュルマン氏は話す。「リワードとショッピングを追加します。また、クラウドソーシングや慈善団体への寄付など、寄付に関する機能も充実しています。さらに、今すぐ購入して後払いする機能も完全に統合されます。前回数えたところでは、スーパーアプリに搭載される予定の新機能は25個ほどになりました」。

また、デジタルウォレットアプリは、エンドユーザーに合わせてパーソナライズされるため、同じアプリは2つとない。これは、人工知能と機械学習の両方の機能を利用して実行され「各顧客の体験と機会を向上させる」とシュルマンは述べている。

PayPalの業績は、第2四半期の売上高については、ウォール街が予想した62億7000万ドル(約6900億円)に対して62億4000万ドル(約6860億円)となり、1株当たり利益は予想1.12ドル(約123円)に対して1.15ドル(約127円)となった。また、顧客からの総支払額も、アナリストが予想していた2952億ドル(約32兆4700億円)に対し、40%増の3110億ドル(約34兆2100億円)となった。しかし、eBayが独自のマネージドペイメントサービスに移行したことが影響し、第3四半期の見通しを下方修正したことから、同社の株価は下落した

なお、PayPalの新規アクティブアカウントは第3四半期に1140万件の純増となり、アクティブアカウント総数は4億300万件に達した。

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カテゴリー:フィンテック
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

半導体不足解消と新車需要によりフォードは2021年の利益増加を予想

Ford(フォード)は、2021年の第2四半期に、半導体不足がピークを迎えたにもかかわらず、SUV「Bronco(ブロンコ)」などの新型車の強い需要が追い風となり、予想を上回る営業成績を収めたと、直近の決算報告で述べた。

4月の時点で同社は、第2四半期に予定していた生産台数の約50%が失われ、同期間の利益が赤字になると予想していた。しかし、決算報告によると、会社全体で11億ドル(約1200億円)の利払前・税引前利益を計上することができたという。

米国時間7月28日の決算説明会で、フォードのJim Farley(ジム・ファーレイ)CEOが「すでに利益が出ている」と述べた電気自動車「Mustang Mach-E(マスタング・マックE)」をはじめとするフォード車に対する需要は、米国では2020年の7倍に増えており「半導体の供給が安定し、需要により密接に沿うことが可能になれば、事業は『バネのように跳ね返る』」と、フォードから発表された声明でファーレイ氏は語っている。

今後については「半導体の供給状況の改善が予想される中、自動車生産量の増加に伴い下半期の運転資本の好転が期待されるため、通期の調整後フリー・キャッシュ・フローの目標を40億ドル(4380億円)から50億ドル(約5480億円)に引き上げました」と、同社は述べている。

表面上は楽観的に見えるものの、会見中に質問を受けたファーレイ氏は、もう少し慎重で現実的な意見を述べた。

「半導体不足の問題は2021年いっぱい続くと見られ、来年の前半にも影響が出る可能性があります」と語った同氏は、次のように続けた。「我々はFABサプライヤー各社と話し合いを続けてきました。彼らは資源を再配分し、自動車向けの供給を増やしていると言っています。しかし、この困難を乗り越えたと本当に安心できるまで、予断を許さないと私は思います」。

自動車業界は、第3四半期に入ってからチップの供給に改善の兆しが見えてきているものの「状況はまだ流動的だ」とファーレイ氏は語っている。

ファーレイ氏は間違っていない。Semiconductor Industry Association(半導体工業会)によると、半導体の売上は、2021年4月に前月比1.9%増加したのに対し、5月には4.1%増加したという。さらに、6月に発表されたWorld Semiconductor Trade Statistics(世界半導体市場統計)の報告によれば、世界における半導体の年間売上高は、2021年に19.7%、2022年に8.8%増加すると予測されている。今月初め、Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(台湾積体電路製造公司)は、生産努力を強化したことにより、今期から製造現場での半導体不足が大幅に解消されると予想していると述べていた。同社は、すでに2021年の上半期にマイクロコントローラユニットの生産量を前年同期比で30%増加させており、新型コロナウイルス流行前の2018年の水準より最大30%以上まで引き上げるつもりだと述べている。

それは期待できそうだ。しかし、誰もが同じ考えを持っているわけではない。国際的なチップメーカーであるシンガポールのFlex(フレックス)は最近、世界的なチップ不足が2022年半ばまで続くだろうと警告している。これは、自動車、特に電気自動車の需要が増加していることに加え、新型コロナウイルスの影響からゲーム機、タブレット、ノートパソコンなど、娯楽用電子機器を購入する人が増えていることが原因だ。

フォードはSK Innovation(SKイノベーション)と提携し、バッテリーセルの製造者となることで、バッテリー供給の不安を解消しようとしているのと同様に、半導体メーカーやサプライヤーと緊密に連携することによって、将来必要となるチップ数の予測に役立てようとしていると、ファーレイ氏は述べている。

半導体が不足している大きな理由の1つは、2020年の春に新型コロナウイルス流行の影響から販売台数が減少した際に、自動車メーカーが発注を減らしたことにある。だが、2020年の第3四半期になって乗用車の需要が回復してきた頃には、すでにチップメーカーは家電やIT関連の顧客からの注文をこなすのに手一杯な状態になっていたのだ。

フォードの擁護のためにいうと、ウイルスの流行を予測し、そのためにどれだけのチップが必要になるかを予測するのは簡単ではない。2020年のトイレットペーパー買い占めによる品不足のような事態にならないことを祈ろう。

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カテゴリー:モビリティ
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画像クレジット:Ford Motor Company

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hirokazu Kusakabe)