グリーンテクノロジの新しい女王はアグテック(AgTech)だ

[筆者:Rob Leclerc, Melissa Tilney ]

編集者注記: Rob LeclercとMelissa Tilneyはそれぞれ、農業とアグテック(AgTech)を対象とする投資のマーケットプレースAgFunderの、CEOとコミュニケーション担当のトップだ。

2013年の後期にMonsantoがClimate Corporationを約10億ドルで買収するまでは、農業におけるテクノロジとイノベーションに関心を向ける投資家はほとんどいなかった。わずか1年で状況は大きく変わった。翌2014年は農業テクノロジのNetscape的瞬間と呼ばれ、この部門が急に大ブレークした。昨年に関する公式非公式のさまざまなデータによると、農業全域にわたるテクノロジ関連(アグテック, AgTech)の投資事案は264件あり、それらが合計で23億600万ドルあまりの資金を受け取った。この額は、フィンテック(fintech, 金融関連テクノロジ)の21億ドルや、それまでのグリーンテックの女王であるクリーンテック(cleantech, 環境非汚染/浄化テクノロジ)の20億ドルよりも大きい。

なぜ急に?

CleanTech Groupのデータによると、アグテックへの投資は2013年まで比較的フラットだった。それまで農業技術のイノベーションといえば、バイオテクノロジーと種子の遺伝子工学に限られていた。どちらも、投資とイノベーションは農業部門と密接に結びついている選手たちに限定されていた。種子の遺伝子工学(seed genetics)と収量増大技術(crop inputs)以外のアグテックは、クリーンテックと結びついているものが多かった。

そして、2013年に変化が起きた。その年、 アグテックへの投資は75%伸び、119案件8億6000万ドルにのぼった。いくつかのデータから類推すると2014年は、前年比成長率が170%(3倍弱)となり、投資の活況は2015年にも続いている。

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2013年の相転移を起こした原動力は、三つのトレンドの相乗効果だ:

  1. マクロ経済の大きな変化により農業の需給バランスが崩れたこと
  2. 消費者の嗜好性が変わったこと
  3. 各種の新しいハードウェア技術の合流によりコンピュータの利用がデスクトップから解放され多変量ビッグデータの収集*が自動化されたこと〔*: 農地などからの〕

状況の激変

1920年代の農業の機械化と、1940-1960年代の緑の革命がもたらした新しい利益は、すでに使い尽くされてしまった。最近の10年間で主要作物の収量は、世界的な人口増と経済成長と、もろもろのグローバル化によって需要圧力が増しているにもかかわらず、減少傾向にある。

人口は各年7760万人ずつ増加しており、2050年には100億に達すると予想される。それと同時に、ミドルクラスは2030年までに倍増すると予想されている。収入が増えると食費支出が増え(エンゲルの法則)、動物性蛋白質をより多く食べる(1ポンドの牛肉に8ポンドの穀物を要する)。経済的に豊かな人びとが増え、食糧と燃料と繊維(衣料)の需要が増えると、専門家の予測では今後35年以内に農業生産、とくに穀物の生産量を今の倍にする必要がある

1990年代半ばからの中国の経済成長により、農業は需要が供給を上回るようになり、1999年以来、農業の成長率はテクノロジ以外の全産業中最高である。投資家や起業家たちもやっと、農業に注目するようになった。

農業部門の成長を支えている長期的なトレンドに加え、今では一般大衆が食糧の生産と流通や、農業が環境に与える影響について、よく知っているようになった。

農業は現在、排出される温室効果ガスの30%を作り出しているが、それは1990年以降75%増加している。そのため、農業には大きな改革が必要とされ、また多くの情報に接している消費者たちは、化学物質の使用量の少ない地元産の、持続可能な食べ物を求めている。農業のサプライチェーンは、そういう生産物を提供できるよう、進化する必要がある。このことは新世代のスタートアップのための機会を作り出し、彼らは大型農家にとっては小さすぎる新しい市場に、農業進出の足がかりを見つけている。

さらにまた、ハードウェアとソフトウェアの進歩も、この市場に対する機会を作り出している。安価で多様な構成の可能なモバイルデバイスと、それを支える電池や無線通信の技術が、テクノロジをオフィスのデスクトップから解放した。それと同時に、低価格で高度なハードウェアセンサが登場して、大きなデータ集合の集収を自動化している。

テクノロジのこのようなシフトと、ドローンやAI、衛星化地図、ロボット、物のインターネット(IoT)といったエキサイティングな技術により、今や農業が、多くのテクノロジにとって肥沃な市場になりつつある。中には、消費者や企業向けにはありえなかった応用技術が、農業に対してならある、というものもあるだろう。そういうテクノロジに着目している投資家たちは、確信ある投資の意思決定をできるために、農業についてもっとよく知る必要がある。

成長の潜在力

農業はヴァリューチェーンがとても長いので、その市場は垂直というよりむしろ水平だという説もある。ざっと数えただけでも農業には16種の業種分類(下位区分)があり、それらの中には‘バイオテクノロジー’や‘食品のeコマース’、‘各種電脳器具’などもある。そしてその16の中には、全アドテック市場の5%以上のシェアを持つ業種分類が10ある(下図)。それらのどの分野にも大きな成長の余地があり、たとえば今年すでに、5000万ドルを調達したドローンメーカーの3D Roboticsや9500万ドルを獲得した小型衛星企業Planet Labsはどちらも、初期の重要な市場機会として農業を挙げている。

フードテック企業のSoylentは評価額1億ドルで2000万ドルを調達し、植物の性質を変えるArcadia BioSciencesは最近、8600万ドルのIPOを申請した。そして、まだ起業したばかりのFlowHiveが、まるで起死回生とばかりに、「蜂蜜自動採集巣箱」のためにIndiegogoで680万ドルあまりを集め、クラウドファンディングのトップテンに入った。


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資本は、アグテックというお店の前の道路に行列を作っている。2015Q1には、Finistere VenturesとMaumee Venturesがともに、アグテックファンドを立ち上げた。また、アグに注力しているPaine & Partnersは8億9300万ドルのプライベート・エクイティ・ファンドを発表し、その一部はアグテックへの投資に行く。投資家は、大麻にも注目している。Snoop Doggは2500万ドルのファンドを発表し、Founders FundはPrivateer Holdingsに7500万ドルを投資した。後者(PH)は、マリファナのYelpと呼ばれるLeafyに投資している。

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今年はイグジットもあった。精密栽培のFarmers EdgeはKleiner PerkinsからシリーズBの資金を調達した直後に、GranDuke Geomaticsの買収を発表した。Farmers EdgeはClimate Corporationのやり方に倣ったようで、後者は2014年にSolum、YieldPop、640 Labsなどを買収している。高成長をねらっているVCの投資は、古参のアグ大手にとってプレッシャーになるだろう。古参の連中は買収に関しては保守的で、起業家精神やイノベーションのための強力な環境を育てていない。

大胆不敵な大志大望

この前のクリーンテックのときもそうだったが、アグテック企業もその多くが大穴狙いのでっかい目標を掲げている。投資家がそれにひっかかるのは、彼らもまた、つねに、大きな市場ポテンシャルのある大きな問題のソリューションを探しているからだ。

農業は水資源の70%を消費しているが、水利権法が初めてできた19世紀初頭から今日まで、水資源の持続可能な管理に関して、農家に対するインセンティブはほとんどない。最近は複数年にわたる大規模な干ばつがあったため、いくつかのアグテック企業が水をもっと持続可能的に使うためのソリューションを開発している。ホワイトハウスの気候対策事業のパートナーに指名されたSWIIMは、H2OのためのAirbnbを開発している。そのハードウェア+ソフトウェアのソリューションは、農家自身が自分の農地の水分を測定し、水の利用を最適化し、余剰水を行政や企業に貸し出せるようにする。

一方、植物性マヨネーズのHampton Creekは、エッグレスエッグ(卵なし卵)製品の標準処方を作ろうとしている。純植物性の美味な‘卵’が完成したらそれは、1200億ドルの卵産業にディスラプティブ〔disrupt==創造的破壊〕な効果を及ぼす。もちろん投資家も、そう考える。同社はシリコンバレーの大物たち: Khosla Ventures、Founders Fund、Li-Kai ShingのHorizons Ventures、Jerry Yang(Yahooファウンダ)、Marc Benioff(Salesforce)、Eduardo Saverin(Facebook)らから9000万ドルを調達した。

さらに極端なニューヨークのModern Meadowは、3Dプリントで肉と皮革を作っている。3Dプリントした肉が市場に出回り消費者が信用するのはまだ先の話だが、Modern Meadowがまずねらうのは540億ドルの皮革市場に、本物の細胞から培養した牛皮を抱(かか)えて参入することだ。それは、動物を殺して取る皮革と違って、有害な化学的処理を必要としない。

リターンはまだ実証途上

新世代のアグテックは大規模な流動性イベント(liquidity event, 株式→現金化イベント)をあまり経験していない。むしろ、向こう数年間は投資家にとっても試行の期間だ。アグテック企業の場合は一般的に、戦略的買収が流動性に向かうメインの路線だが、しかし既存企業の多くが無関心だ。John DeereやSyngentaなどが沈黙している間、Monsantoだけが競争者不在で駆け出した。2011年にMonsantoはBeelogicsとDivergenceを買収し、2012年には〔精密栽培の〕Precision Plantingを2億1000万ドルで買収、2013年にはサンフランシスコにMonsanto Venturesを設立して、Agradis、GrassRoots、Rosetta Green(3500万ドル)、そしてClimate Corp.(9億300万ドル)を買収した。前述したように、Monsantoの資金にアクセスできるようになったClimate Corpは自分自身が買収魔になり、Farmers Edgeなどシリコンバレーのスタートアップと競い始めている。

アグのサブセクタ(構成業種)のうち、食品eコマースやバイオエナジーなどは、サイズ的にIPOが見えるところまで来ているが、そのほかの業種はまだまだ小物揃いだ。でもそれは、今後の5年間で変わるだろう。農業には、大きな公開企業を生み出してきた歴史がある。今はまだ幼児期のアグテックも、それと同じだろう。

画像はAgFunderの2014年アグテック投資報告書(年報)より。アグテックの投資案件データはここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

農地の土壌水分を自動測定して灌水量を適正化するTule

前世紀までの技術的進歩により、農家の仕事は以前に比べてずいぶん楽になった。でも、農地に対する水の管理は、まだ手作業によるところが大きい。大農場では多くの人を雇って車で圃場を巡回させ、作物の健康状態や土の湿り具合をチェックしている。

Y Combinatorが支援するTule(“トゥーリー”と発音する)は、その過程を、広い土地の上の植物の水分量を感知するデバイスを使って、より簡単な作業にしてくれる。そのデバイスは、植物から空気中に放出される水分の蒸散量ないし‘蒸発散量’(evapotranspiration)を測定する。そしてセンサが集めた蒸散量のデータは、同社のサイトのサーバへ送られる。

水管理は農家にとってますます重要になりつつある。農務省のデータによると、合衆国の水資源の大半が農作物向けであり、その90%以上は西部諸州で消費されている。

カリフォルニア州のようなところでは、水の管理がとくに重要だ。アーモンドやアボカド、いちご、ぶどうなどの作物は土壌中の水分の管理に細心の注意が必要だが、今州は干ばつに見舞われている。

そのため、わずか一滴の水でも農家とその農地にとっては重要だ。土壌中の水分は、多すぎても少なすぎても何千エーカーもの農地の作物に悪影響を与え、食糧の不足や価格の上昇を招くだけでなく、農家の所得に壊滅的な打撃を与える。

農家が広い圃場をチェックするために、今ではドローンという最新のツールがある。しかし、環境学の学位を持つTuleの協同ファウンダTom Shaplandによると、ドローンでは、農家の人が目で見て分かること以上のことは分からない。

“ドローンは作物の画像を農家の人に見せるが、それはすでに目で見て分かっていることであり、土壌中の状態までは分からない”、とShaplandは言う。

Edynのような土壌湿度センサでは、土壌のごく一部や、特定の植物に関してしか分からない。

Shaplandは、彼がカリフォルニア大学デイヴィス校でPhDを取得したときの研究を、実際に農業に生かしたい、と考えた。彼と協同ファウンダのJeff LaBargeは、Tuleを作って、Shaplandの言うことの方が作物の健康を維持するための灌水の方法として、正しくて実装可能なソリューションであることを、実証しようとした。

Tuleの技術の原理は19世紀からあるが、実装が高価につくため、実用化はされなかった。その、センサというものがない時代のシステムは一基が50万ドルもするもので、一世紀以上にわたり、大学の研究室の外に出ることはなかった。

Tuleのセンサは30分以下で据え付けられ、一度に最大10エーカーの農地を測定でき、センサ一台の費用は1500ドルだ。

農家の人が作物の状態をモバイルでチェックできるアプリも、もうすぐリリースできる。今はPCなどからTuleのWebサイトにログインして、作物の状態をリアルタイムでチェックする。画面にはその農家の作物のデータや、向こう一週間の天気予報が出る。それを見て、その週の灌水の量を調節する。

LaBargeとShaplandは、将来的には水分の測定だけでなく、必要な作物への必要な量の灌水を自動的に行うシステムを作りたい、あるいは、誰かがきっと作るだろう、と考えている。彼らの関心対象は、もっぱら、水だ。

このようなセンサは、未来の世界の食糧生産にも貢献するだろう。35年後(21世紀半ば)の世界の人口は90億と予想されている。国連の食糧農業機構(FAO)の予想では、そのときまでに食糧の生産量を60%増やす必要がある。Shaplandによると、彼のセンサによって農家が正しい灌水をするようになれば、世界の食糧生産量は少なくとも30%はアップする。

Tuleはこの技術を大学からライセンスされた、という形になっているので、‘大学のお墨付き’が農家に対するセールストークでものを言うかもしれない、とShaplandは考えている。一方LaBargeは、地元のトマト名人からのお墨付きの方が有効、と言う。“彼らが良いと言えば、その地域の農家全員が採用するからね”、と彼は言う。

Tuleは最近、Khosla VenturesとBloomberg Betaからシード資金を獲得している。額は公開されていないが、100万ドル以上、という説がある。

同社のセンサ装置は現在、同社のWebサイトで予約販売している。

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ニューヨークの都心ブルックリンで農産物の産直を展開するFarmigoに地域農家も好感

 

ニューヨークのどまんなかで、農産物の地産地消でスタートアップしているFarmigoは、サンフランシスコ出身だ。ぼくみたいに。

今でもチームはウェストコーストにいるし、イスラエルのテルアビブにもいる。2年前にファウンダでCEOのBenzi Ronenと同社の本社は、合衆国を横断してニューヨークのブルックリン(Brooklyn)に来た。このシリーズBuilt in Brooklynの中でも、変わり種だ。

Ronenによると、“Brooklynは地域産の自然食品が360度全方向から集まるすばらしいハブだ。地元産の農産物もね。オンラインとオフラインの企業の協力体制も、ここは理想的だ。食べ物スタートアップとメディアスタートアップとのコミュニケーションも良い”。

Farmigoがローンチしたのは実は2011年のTechCrunch’s Disrupt SFだった。そのときの彼らのプロダクトは、コミュニティ支援型農業(community supported agriculture, CSA)のためのソフトウェアで、地元消費者と地元農家をオンラインでつなぎ、配達はたいへんなので消費者がコミュニティの配布センターに来て、品物をもらう。センターは学校でも、どこかのオフィスでも家でも、どこでもよい。

Ronenは曰く、同社は食品の生産者たちを結びつけることによって、従来的な“食品チェーンを崩壊させたい”。ただしマーケットプレースの構築は、容易ではない。“参加意欲のある農家が十分にいるか。そして、そうやって産直的に食料を買いたい消費者が十分にいるか。この二つが最大の難題だ”。

“現時点では、農家はうちに集まってくる。従来的な食品チェーンでは末端小売価格の20%しか農家の手に渡らないのに対し、うちでは60%wp渡しているからだ”、と彼は言う。

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農業経営支援のFarmLogsが早くもシリーズB、$10Mを獲得

ほぼ1年前にFarmLogs 400万ドルのシリーズAの獲得を発表した。そして今日同社は、農業のデジタル化を推進するための新たな資金として、シリーズBで1000万ドルを獲得したことを発表した。

この新たな投資は既存の投資家であるDrive CapitalとHuron River Ventures、およびHyde Park Venture Partnersによって行われた。SV Angelと、Y Combinatorの社長Sam Altmanもこのラウンドに参加し、これでFarmLogsの総資金額は1500万ドルになった。

YCの2012年の冬季クラスを卒業してローンチしたミシガン州在籍の同社は、その後すさまじく成長し、2014年の前半でマーケットシェアが創業当時の3倍に増大した。新たな資金は今後のさらなる技術開発と、人員増に充てられる。〔この場合のマーケットシェアとは、(ユーザ農家の収量/全農家の収量)✕100%。〕

同社はシリコンバレーで創業され、その後ミシガン州Ann Arborへ移った。今年の初めにCEOで協同ファウンダのJesse Vollmarは本誌に、輪作計画の最適化と一層の合理化を行うシステムと、さまざまな営農データの自動収集に力を入れたい、と言っていた。

たとえばFarmLogsは、現代的な農業機械からのデータを費用の安いBluetoothで収集し分析している。これらのデータに基づいてFarmLogsは作物農家を、利益予測や経費記録、営農スケジュールの効率化などの面で支援している。

Vollmarは声明文の中で、“今後とも優秀な技術者、データサイエンティスト、デザイナーたちを増やしていきたい。弊社が持ち得た活力と、世界中の農家のために大きな価値を築ける弊社の能力には、われながら感嘆している。新たな資金により、より使いやすいソフトウェアを作り、すべての農家に最良の科学と技術を遅滞なくご提供して参りたい”、と述べている。

ヘタな駄洒落: もちろん、これから収穫量が増えるのはユーザの農家だけでなく、FarmLogs自身もだ。

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企業集団Farm2050は農業スタートアップを資金と技術面で援助していく…Google会長Eric Schmidtも発起人

2050年には世界の人口が100億になり、その命を支えるためには食糧を今より70%増産する必要がある。しかし食糧増産技術に取り組んでいるスタートアップたちは、生産や試験のための十分な資金を欠き、苦労しているところが多い。そこでGoogleの会長Eric SchmidtのInnovation EndeavorsFlextronicsのLab IXは今日(米国時間11/20)、AgTech(農業技術)スタートアップを資金や技術面で支援する集団Farm2050を立ち上げた。

Farm2050のそのほかの構成員は、GoogleとDuPont、Agco、UTCのSensitech、そして3D Roboticsだ。FlextronicsのLab IXを率いるLior Susanによると、“農業をやることは今でもかっこ良くないと思われている。VCたちが色めき立つようなIPOもなければ買収もない”。そんな状況の中でFarm2050は、AgTechのエコシステムを育てていきたいのだ。

Farm2050は今、グローバルな食糧危機を解決するアイデアを抱えたスタートアップたちを、支援対象企業として募集している。

Innovation Endeavorsの専務取締役Dror Bermanによると、“起業家が挑戦すべき問題はたくさんあるが、その中の10%ぐらいに90%の起業家の関心が集中している”。農業は、その10%に入っていない。本当に重要な課題に起業家たちの関心が分散すれば、テクノロジ企業の数は今の100倍〜1000倍ぐらいにはなるはずなのだ。

農業には今すでに大きな市場があり、その規模は全世界で1200億ドルと言われる。しかしほかの産業に比べると農業は、その技術的進歩を加速するための支援構造を欠いている。でも、ここに突破口が開かれれば、本当に人間を救うことができる。

Bermanは語る: “100年前にはHaber-Bosch processが化学肥料の生産を可能にした。50年前にはコールドチェーン技術(長距離冷蔵輸送・貯蔵技術)により新鮮な農産物の長距離輸送が可能になった。そして今日では、ロボット工学と機械学習が農業を変えつつある”。

Farm2050は、食糧増産技術のアイデアなら何でも歓迎する。具体的には、中心となるのはロボット工学とデータサイエンスの、農業技術全般もしくは特定農産物への応用だ。

この集団が投資家の集団ではなく企業集団なのは、単にアイデアに金を出す、というのではなくて、AgTechのイノベーションに対する技術的支援がすぐさま可能になるからだ。Bermanによると、企業は自分たちの技術が役に立つと思ったら、即席でインキュベータを立ち上げたりスタートアップに投資することがよくある。Farm2050はそのようなリソースを育成して、新進企業を支援していく。この集団にはたとえば、サプライチェーンのエキスパートやセンサ技術の経験豊富な専門家がいる。

今では、個々の企業に直接投資するのではなく、社会的な課題への投資を介してスタートアップを育てるという、ソーシャルなベンチャー資本、Social Venture Capital(SVC)が萌芽している。Farm2050もその投資的な側面は、まさにSVCだ。Susanはこう言う: “われわれの子どもも孫も、この地球で生きていく。スタートアップに投資している連中が、そのことに貢献できないのなら、それは大醜態だ”。

最新のSF映画Interstellarには、地球規模での食糧不足の惨状がリアルに描かれている。読者の中に、AgTechをやろうかなぁと迷っている起業家がいたら、決心を固めるためにその映画と、今日のFarm2050の発表がきっとお役に立つだろう。確かに今の世界には、ソーシャルゲームや写真アプリ作ることよりもずっと重要な課題があるのだ。〔余計な訳注: SF映画なんか見るより、世界の最貧飢餓地帯を旅した方がよいね。〕

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ニューヨークの都心ブルックリンで無農薬野菜を作るGotham Greens、その農地は”屋上”

本誌の連載ビデオ記事Built in Brooklynで前回は、Gowanus地区にオープンしたWhole Foodsを取り上げた。スーパーの開店なんてこの連載の趣旨に合わない、と思われた方もおられるかもしれないが、実は、都市農業のスタートアップGotham Greensがここにいるのだ。

この企業は、お店の屋上に作った温室で無農薬の農産物を作り、Whole Foodsで売っている。というか、Gotham Greensの屋上温室農場はニューヨークに3つあり、ほかの都市にも作る予定だ。また、売っているお店はWhole Foodsだけではない

でも、なぜ。屋上で? 協同ファウンダでCEOのViraj Puriは、“今では持続可能な農業という大きなトレンドがあり、うちはその一翼だ”、と言っている。

“都市には農地が少ないし、土地の肥えた場所もあまりない。でも、屋上という未利用の広大なスペースがある”、と彼は語る。“その広大なスペースをそのままほっておくよりも、何かを栽培して高品質な製品を地域のお客さんに提供した方がいいよね”。

同社の役員には、もう一人の協同ファウンダEric Haleyのほかにchief agricultural officer(CAO, 農業担当最高責任者)Jennifer Nelkin Frymarkがいる。ビデオでは同社の歴史や農法が語られ、温室の内部を詳しく見せてくれる。

ビデオ中の静止画像はGotham Greens/Mark Weinberg/Ari Burling提供。

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農家のデータ管理のすべてを面倒見るFarmLogsが半年でシェアを三倍増

ミシガン州のFarmLogsが今日(米国時間9/5)、この若き企業の社歴における重要な節目を発表した。創業2年の同社は成長著しく、今や顧客は50の州のどの州にもいて、110億ドル相当あまりの収穫を同社のサービスが管理している。この数字は、6か月前に比べて3倍増だ。FarmLogsの推計では、全米の農家の15%が同社のサービスを利用している。

シリコンバレーでスタートした同社はその後ミシガン州Ann Arborに移った。今年の初めにCEOで協同ファウンダのJesse Vollmarは、同社の中心的目標として、最適な輪作作物の決定をインテリジェントに行えるシステムと、活動データ収集の自動化を挙げた。

声明文の中でVollmarは、“このたび、弊社の顧客が合衆国のすべての洲に存在することになり、弊社が全国の農家の信頼を勝ち得たことを誇りに思う。この重要なマイルストーンに達し得たことは、弊社のプロダクトが合衆国の農業に重要でポジティブな影響を与えうることを意味している。弊社のこれまでの成長のペースは、FarmLogsで仕事をしている人たちのすばらしい資質の表れであり、つねに農家のためを最優先するプロダクトを弊社が作っていることの証拠でもある”、と述べている。

FarmLogsの農業に対するデータ駆動型のアプローチは、モバイルWebを利用して農家の作付け計画を迅速に助け、利益を予想し、経費を記録し、効率的な営農スケジュールを導く。しかもそのソフトウェアは、GPSを利用して各農家の所在地の天候の履歴を調べることができる。ユーザである農家は、そのソフトウェアのモバイルアプリからメモを記録したり、データを入力したりする。それは、農業という最古の産業における、ラジカルな革命だ。

Vollmarは曰く、“FarmLogsを利用すると農家は、自分の農地に何が起きているかをとても容易に知ることができる。降雨、肥効、作物の健康状態、土壌条件、農業機械の状態、などなどがWebやモバイルの分かりやすいインタフェイスへ送られる。大学等における農業研究の最新の成果をつねに取り入れて、合衆国のすべての農家にもっとも進んだ情報を提供している”。

FarmLogsはY Combinatorの2012年の冬学期を卒業し、2014年初めにはシリーズAで400万ドルを調達した。それにより正社員を8名から18名に増員して、成長を加速した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))