Pandoraの有料プランにファミリープランが登場、プレイリストの個人化なども遅まきながら導入

Pandoraが、その有料サービスのファミリーバージョンを立ち上げた。月額14ドル99セントで6名までが、有料版にアクセスできる(個人では9ドル99セントだった)。この新しい会費制は、とくに発表や宣伝もなく静かに始まったが、今朝(米国時間5/28)、Android Policeが見つけた

これによりPandoraは、少なくとも料金的にはSpotify PremiumやApple Musicと肩を並べる。6名まで月額14ドル99セント、というファミリープランがあるところも、同じだ。PandoraのPremium Familyは、年額では164ドル98セントになる。

Pandoraのファミリー有料会員制には、通常の有料機能のほかに、家族一人々々の音楽の好みに基づく、個人化されたプレイリストOur Soundtrackがある。Pandoraの個人化プレイリストは、先週、展開されたが、それは、Spotifyの人気機能を真似するべく、今年初めに発表されたものだ。

有料制の機能には、オンデマンドの聴取やプレイリストの作成、ダウンロードしてオフラインで聴く、スキップやリプレイは無制限、良い音質、広告なし、などもある。

画像クレジット: Pandora

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Vevoが自己アプリを廃止してほぼ全面的にYouTubeの利用へ移行

YouTubeはかねてから、Vevoの音楽配信サービスにとって重要な存在だったが、今日のブログ記事(米国時間5/24)でVevoは、YouTubeに集中する計画を発表した。それによりVevoは、“最大のオーディエンスにフォーカスして成長の機会を追求できる”、ということだ。YouTubeへの一本化に伴い、一部の不必要と思われるVevoの要素は取り去られる。

なくなるのはVevoのiOS, Android, およびWindowsアプリと、同社サイトの消費者向けの部分だ。“もっとも効率的な目標達成のために、これまでの独自の要素と運用プラットホームを廃止する”、とVevoは書いている。

このサービスのコンテンツをVevo独自のプレーヤーなどで試聴していた人は、プレイリストなどをYouTubeへインポートするツールを使うことになる。もちろん、Universal/Sony/Warner Musicが保有するサービス(Spotify)は今まさにそれをやっており、同時にまたYouTubeも、独自の音楽サービスを立ち上げてSpotifyなどと競合しようとしている。

そのため、すべての卵をYouTubeで孵(かえ)そうとするVevoの思い切った計画も、足かせを食らうかもしれない。YouTube以外に利用するプラットホームを同社はまだ明らかにしていないが、でもVariety誌によると、一部のスマートテレビへのアプリ提供は続けるらしい。

AmazonがEchoのビデオプラットホームとして計画しているYouTubeコンペティターも、そのリストに入るのかもしれない。でも当面は、Vevoは広告とオリジナルコンテンツに専念しつつ、Googleのビデオサービス(YouTube)への依存を重くしていくのだろう。

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YouTubeが有料会員制のRedサービスを改築して単独の音楽ストリーミングを提供Google Play Musicはそっちへ吸収

メッセージングに関するGoogleのフォーカスもそうだが、ストリーミングと音楽を独立のプロダクトにしたいというYouTubeの取り組みにも、混乱と出鱈目がもっぱら感じられる。今回同社は、それを単純化し一本化すべく、音楽と動画を分離し、前者に関して新たなサービスを立ち上げた

そのYouTube Musicは名前が示すとおり、5月22日にローンチされる音楽ストリーミングサービスだ。それはApple MusicやSpotifyとまともに競合することを目指し、業界の標準的なやり方として、最初は無料の試用期間、その後は月額$9.99の会員制になる。

広告が入る無料バージョンもあるが、それにはBGM化や曲のダウンロード、音楽発見機能などの、有料版にある機能がない。なお、気になっていた人もいると思われるが、これまでのGoogle Play MusicサービスはYouTube Musicにリプレースされる。

YouTube Musicは元々、有料制のビデオストリーミングサービスYouTube Redの一部だった。しかし今回の分離により、月額$11.99出してYouTube Redの会員になる人は、両方のサービスを利用できる。そしてこれからは、音楽とビデオの両方をカバーするという意味で、YouTube RedはYouTube Premiumへと改名される。

ますます混乱してきたようだが、要するにYouTubeは、顧客に音楽オンリーの有料会員制サービスを提供し、あと2ドルでビデオも楽しめますという人参をぶら下げたのだ。もっと意地悪な見方をすれば、YouTube Redが2ドル値上げされたのだ。お好きな方の解釈を、お取りいただきたい。

でもこの分割はとても合理的だ。SpotifyやApple Musicのような優れた音楽ストリーミングサービスがあるのに今でもYouTube上で無料で音楽を楽しんでいる人は多い。とくに途上国では、公共交通機関の中や、いろんなところに、たくさんのYouTubeリスナーがいる。それは、Spotifyなどが食い込めない市場だ。

しかしYouTubeのこの新しいサービスは当初、先進国市場(“第一世界”)だけを対象とする。それらは最初、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、そして韓国。次の段階でオーストリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデン、イギリスへ展開される。

画像クレジット: Patrick T. Fallon/Bloomberg, Getty Imagesより

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AIと創造性:アルバムコラボレーションの未来

【編集部注】著者のTaryn Southernは、デジタルアーティストであり映画監督でもある。彼女は現在、脳に関するドキュメンタリーを共同演出している。また彼女の音楽アルバム”I AM AI”は今年9月にリリースされる予定である。YouTuberとして、彼女は1000本以上の動画を制作し、5億回以上の再生数を数えている。

1年前に、私はアルバム制作に取り組み始めた。私はボーカル用のメロディと歌詞を書いていて、私のパートナーが全体の作/編曲を行っている。私たちはどちらも楽器を担当し、お互いを補い合っている。この関係における唯一の奇妙な点は…私のパートナーが人間ではないということだ。

それはAIなのだ。

この関係は好奇心から生まれたものだ。恐怖を煽る「見出し」が私のニュースフィードを埋め尽くした時期があった…たとえば「AIが私たちの仕事を、データを、そしてついには魂までをも奪う」といった類のものだ。

この議論は私に疑問を残した。AIの世界では本当は何が起きているのだろうか?私は偶然、AIが音楽を作るためにどのように使われて来たかを解説した記事に出会った。簡単なGoogel検索をしてみた私は、作曲は氷山の一角にすぎないことに気が付いた。AIは詩も書けば、フィルムの編集も行い、そしてアートを合成し…果てはチューリングテストにさえ合格していたのだ。

もっと知りたいと思った私は、手に入れることのできるすべてのAI音楽制作ツールを試し始めた。まず手始めにAmper、そしてAivaを使った。その後IBM WatsonとGoogle Magentaを使った(この世界には他にも数え切れないほどのツールが存在している、2,3例を挙げるなら、AI Music、Jukedeck、そしてLandrなどもある)。

私のサイドプロジェクトは、急速に本格的アルバム(”I AM AI”)制作へと進化した。これには人間と技術の間の希薄な関係を探求する一連のバーチャルリアリティーミュージックビデオを伴っている。昨年9月、私はAmperで制作した最初のシングルBreak Freeをリリースした。これはクリエイティブコミュニティで広範囲な注目と関心を引きつけた

多くの人が私に質問してきた:AIがあなたよりも創造的になる恐れがあると思うか?私の答は「いいえ」だ。多くの点で、AIは私がより創造的になる手助けをした。その際に、私の役割を編集者やディレクターのようなものへと変えながら。私はAIに(学習のためのデータ、または出力のためのパラメータの形で)指示を与える、するとAIが素材を出力してくるので、私はそれを編集しアレンジして、まとまりのある曲を作り上げるのだ。またAIを使うことにより、私はボーカルのメロディ、歌詞、ミュージックビデオなどの、創造の他の側面に向けて、多くの時間を割くことができた。それはただこれまでのやりかたとは違うだけで、創造的であることには変わりがない。とはいえ、先端技術恐怖症の人びとよ、安心するが良い:AIはまだ完璧な仲間ではない。

AIと共に進化する私たちの世界の未来は、誰にも予測できないが…私は楽観的だ。

AIとのコラボレーションプロセスを取り巻く謎は、まだ多く残されているので、会話の基本認識を擦り合わせるために、その内容を分解してみることは有益である。以下に私が使用した主要なプラットフォームと、それぞれとのコラボレーションから得た私の気付きを紹介して行こう。

  1. Amper 何人かのミュージシャンたちによって共同創業されたAmperは、商用のオリジナルスコアを作曲するためのプラットフォームとして出発した。現在は無償で一般公開されている。AmperはシンプルなUIを提供していて、そこではBPM(曲の速さ)や楽器編成、そして気分などを変えることができる。コードに関する知識は不要だ!

気付き:Amperを使い始めるまでは、私は異なる楽器の音を聞き分けていなかったし、自分が特定の音楽的好みを持っているとも思っていなかった。いまや、私は数十の楽器の音を聞き分け、特定の創造スタイルに磨きをかけている。たとえば、私は電子シンセサイザーを、ピアノと深みのあるベースとミックスすることをとても好むようになった。それは私が制作した360 VRミュージックビデオである以下のLife Supportの中で聞くことができる。

  1. AIVA:Aivaは、受賞歴のある深層学習アルゴリズムであり、初めて著作権協会に登録されたシステムだ。私は最初にロンドンで創業者の1人Pierre Barreauと会い、クラッシックの学習スタイルをポップス/シンセサイザーなどの楽器と組み合わせる機会に対して、本当に興奮した。AIVAは深層学習と強化学習を使用して、何千ものクラシック音楽を特定のスタイルで分析し、新しいスコアを作成する。

気付き:私がAIVAを用いた最初の曲Lovesickは、ロマン主義運動後期(1800年代の初期から中期にかけて)の数千曲の音楽を分析することで作成された。その結果、ウェストワールド風のピアノ曲が得られ、それを私が電子シンセサイザーを用いてポップファンク風にアレンジした。そのような馴染みのない素材とのコラボレーションは、これまでの思い込みを打ち破るという意味で非常に楽しいものだった。曲をアレンジしているときには、私は本当に私の「ポップスタイル習慣」の多くを無視しなければならなかった。

  1. Watson Beat(IBM):Watson Beatはフロントエンドを持っていないが、IBMの優秀なエンジニアたちが私に、始めるためのチュートリアルをいくつか教えてくれた。とはいえ、コードの扱いに対して自信をもっているならば、無償のオープンソースプログラムとしてGitHubからダウンロードすることが可能である。数日のうちには、私はシステムの操作に慣れていた。古いお気に入りの曲を入力して、スタイルにヒネリを入れた沢山の音楽の素を作り出してみた(たとえばペルー風ワルツのスタイルで演奏されるメリーさんの羊を想像できるだろうか?)。

気付き:私は、さまざまなデータ入力を、想像もしないジャンルとミックスした結果を楽しんだ。さらにそれによって、私の創造的なアイデアを支配している根本的な影響により多く気付くことができた。出力はMIDIで得られるので(これに対してAmperの出力はWAVあるいはMP3ファイルである)、演奏に際してアーティストたちは音符を自由に移調することが可能である。ありそうもない音楽のスタイルへと当てはめて行くことで、私はすっかりシンセサイザーの虜になった。Watson Beatを使った最初の曲は、今夏リリースされる可能性が高い。

  1. Google MagentaWatson同様に、MagentaはGithub上で無償で公開されるオープンソースである。簡単なフロントエンドを提供するツール(たとえばAI Duetsなど)も存在し、多少バックエンドのコーディングに関する知識が必要なものもある。クールなのは、Googleが備えとして提供しているツールの範囲と数である。おそらくプログラマーたちにとって最も強力な仕掛けだろう。

気付き:Magentaのツールでは、作曲だけに注意を向ける必要はない。サウンドを分析することも可能だ。例えばNSynthでは、2つの異なる楽器の音を組み合わせることができる(猫とハープをミックスしてみよう!)。Googleには、音色や振動の品質を調べるアルゴリズムがあり、多くのエキサイティングなアプリケーションが用意されている。

AIが人間の「特殊性」に関する多くの疑問を引き出すのは驚くべきことではない…しかし私たちは間違った議論に焦点を当てているのかもしれない。人類は常にテクノロジーと共に進化している。そして重要なのは私たちがAIをどのように利用するかの選択なのだ。私はこれが、氷山の一角に過ぎないと信じている…そしてそれは私たちが想像もできないような創造性を解き放つことになるだろう。

正式な音楽訓練を受けていない新しい物好きの人たちにとって、AIは非常に魅力的なツールとなるだろう ―― 単に学習のためではなく、自己表現の入口として。今や、誰でも、何処でも、音楽を作り上げる能力が手に入ったのだ ―― そして表現へ向かう渇望と能力こそが、私たちを人間たらしめているのだ。

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(翻訳:Sako)

Spotifyの新モバイル・アプリは無料版を強化――数週間で世界に展開

今日(米国時間4/24)、ニューヨークのグラマシーパークシアターで開催されたプレスイベントで、Spotifyの最高R&D責任者、 Gustav Söderströmは無料版音楽ストリーミングアプリの全く新しいバージョンを発表した。

Spotifyでは機械学習アルゴリズムの開発に多大の投資をしてきたおかげで、これまでの無料版でもリアルタイムでユーザーの好みを判断して曲を薦めることができるた。しかしシャッフルでしか同じ曲を聞けないなど再生形式に制限があった。

新バージョンでは各ユーザー向けにカスタマイズされた15チャンネルのどれかに含まれる曲であれば回数制限なしに何度でも繰り返し再生することができるようになった。15のチャンネルにはデイリーミックス、ディスカバーウィークリー、リリースレーダー、トゥデイズトップヒットなどがある。

Spotifyのユーザーは合計750トラック(再生時間にして40時間以上の楽曲)をオンデマンドで聴くことができるようになった。

無料バージョンのSpotifyアプリでもユーザーが作成したプレイリストに基づいて曲を推薦する。 ここに含まれる楽曲だけでなくプレイリストの名前も参考にするという。同社ではこれをプレイリストのアシストと呼んできるが、簡単にいえばユーザーがプレイリストに追加するために楽曲を検索するつど、Spotifyはユーザーの好みに合いそうな似たような曲を推薦してくれる。

また新アプリでは省データモード(同社ではデータ・セーバーと呼んでいる)が用意され、データ消費を最大75%節約できる。 これまでSpotifyの無料バージョンではオフライン再生ができなかった。つまり無料で音楽を聞きたければ常にインターネットに接続している必要があり、通信量を節約するならWiFiを使うしかなかった。

新しい省データ・モードでは3G回線を使って楽曲をダウンロードし、データをデバイスにキャッシュする。そのためユーザーは携帯網を利用しても以前ほどの通信量を必要としない。また3G回線を利用する以外に、データ通信量や電力消費を抑えるようストリーミングサービスとそのアプリが改良された。

ただし無料版に広告が流れるのは従来と変わらない。これは単に広告収入を得るためだけでなく、ユーザーに無料版を利用していることを意識させ、有料のプレミアム版にアップグレードさせるためでもある。

2014年にSpotifyは広告が流れる無料版のモバイル・アプリをリリースした。ユーザーはこのアプリで曲を再生し、プレイリストをシャッフルすることができた。この無料版のおかげでSpotifyは急激な成長を遂げた。現在Spotifyの無料版には9000万のユーザーがいる。無料版にこれほどユーザーがいれば、そこから有料版を契約するユーザーも大勢出てくる。実際、有料版ユーザーは7000万人以上だ。

Spotifyの世界のクリエーター・サービス事業の責任者、Troy Carterは「デート中にSpotifyで音楽を流しているとしよう。突然CMが流れるのはうれしくないはずだ」と言う。

同社では2014年以降、モバイル、ことに有料版のモバイルアプリに力を入れてきた。

Spotifyには3つの重要な柱がある。普遍性、個人化、フリーミアムだ。 「Spotifyのビジネスは90年代までのラジオ局のようなものだと考えている」とSöderströmは述べた。ラジオは楽曲の合間にCMを流し、リスナーはラジオで聞いた曲が気に入るとレコード店に行ってレコードを買った。

Spotifyの無料版はまさにこのラジオ局に相当する。Apple Musicのように3800万人がすべて有料版ユーザーであるような堅実なビジネスとなることが目標であれば、Spotifyはまず無料版で多数のリスナーを獲得し、その中からできるだけ大勢を有料版に転換させていく必要がある。

〔日本版〕Spotifyのプレスリリースによれば、新アプリはiOS版とAndroid版が用意され、数週間かけて世界に順次公開されるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

2017年の音楽の売上の43%、ストリーミングが再び音楽産業を成長路線に戻した

音楽産業に関する新しい報告書によると、ストリーミングサービスとその会費収入が音楽ビジネスを救った。2017年までの3年連続で業界の売上が伸びたのも、デジタルミュージックの消費のおかげだ。録音音楽の2017年のグローバルの売上は174億ドルで、2016年は160億ドルだったから8%の増だ。これには増加率39%で売上74億ドル(上記174億ドルの43%)のストリーミングの貢献が大きい。

ダウンロードや物理的アルバムなど古い形は7億8300万ドル減ったが、上記の成長ぶりはこれを補ってあまりある。

アメリカだけに限れば、昨年のデジタルの売上は15%増の65億ドルで、前年の56億5000万ドルから増加した。この売上の大半がストリーミングの会費収入で、2016年の25億ドルから2017年の40億ドルへ63%増加した。〔端数を含めると63%、という意味だろう。〕

アメリカは今や、ストリーミングの最大の市場であり、全世界の録音音楽の売上の40%を占める。アメリカの音楽サービスはイノベーションと多様化が進んでいるので、この報告書は2025年の有料会員数が今の4910万の倍近い9010万人になる、と予測している。

この報告書は、メディアとテクノロジーの分析企業MIDiA Researchと、デジタルメディアの業界団体DiMAの共作だ。

デジタル音楽はその売上額のほかに、音楽消費の形を変えたことの貢献度も大きい。

たとえばストリーミングサービスは利用が簡単なので、海賊行為は2013年に比べて50%以上減少した。また多くの人が、音楽の新しいジャンルやアーチストたちを、積極的に発見するようになった、と同報告書は言っている。挙げられている顕著な例は、Chance the Rapperが初めてストリーミングだけでグラミー賞を取り、YouTube上の音楽のトップテンの内6つがスペイン語であることだ。“Despacito”のようなヒット曲は、97日で視聴回数10億に達した。

ストリーミングによって生まれたもうひとつの大きな変化は、プレイリストの強大化だ。アンケートによれば、今や消費者の54%が、アルバムではなくプレイリストで音楽を聴いている。

2016年に比べて14億ドル売上が伸びたことによって、2017年のグローバルの総売上174億ドルは、2008年の177億ドルに接近した。過去10年間に見られた減少傾向が止まり、業界は再び成長モードに入ったようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Spotify、上場初日は時価総額265億ドルで引ける――高値からは10%ダウン

今日(米国時間4/33)、音楽ストリーミングの有力企業、Spotifyは直接上場(direct listing)を実施した。Spotifyが株式公開にあたってこの方法を取ることは以前から予告されていた。

上場初日の取引では、株価は165.90ドルを付けた後、149.01ドルで引けた。つまり公開時点の株価から10%のダウンということになる。今日の株式市場は軟調だったが、終値による時価総額は265億ドルとなり、数ヶ月前の資金調達ラウンドでの会社評価額を上回った。

上場当初の「参考価格」は132ドルで、これによる時価総額は235億ドルだった。証券会社を介さず新規に株式を発行しない直接上場であるため、伝統的な上場のような売出価格は設けられていない。

Sotifyは首尾よく目標とする時価総額を達成して上場は成功したわけだが、ウォールストリートの一部では「そもそも新株を発行せず、資金調達を行わないなら、なぜ上場する必要があったのか?」といぶかる声が聞かれる。

直接上場を選んだ理由はSpotifyが金融機関に手数料を払いたくないからだという噂は以前から流れているが、根拠がない。実はSpotifyは上場までずっとMorgan Stanley、Goldman Sachs、Allen & Coをリード投資家としている。

Spotifyが投資銀行を関与させなかったなどということはない。ただし直接上場方式を取ることで、従来方式による上場で通例である株式のロックアップの解除期日という厄介な問題を避けることができたのは事実だ。既存投資家や社員は通例、上場後6ヶ月間は持ち株を売ることができない。市場はこの期日に大量の売りが出ることを予期するためロックアップ終了が近づくと株価に対する引き下げ圧力となる。

では直接上場は今後の上場の前例となるだろうか?

Goodwater Capitalのファウンダー、マネージング・ディレクターのChi-Hua Chienは「ダイレクト・リスティングによる上場は興味深い。投資銀行が新株を一括して引き受ける上場の場合、業績と無関係な差益狙いの値動きや株式を売却できないロックアップ期間などが生じる。直接上場ではこうした問題が起きないので、今後の上場の前例になる可能性がある」と述べた。ChienはベンチャーキャピタルのKleiner Perkinsに在籍していた当時、Spotifyに投資を決めている。Chienはまた「株価はできるかぎり会社の実績を評価したものとなるべきだ。その意味で株式公開を考えている企業にとってSpotifyの上場方式は参考になるだろう」と述べた。

今回の上場では、単に方式が異なっただけでなく、お祭り騒ぎが一切なかったことも注目される。恒例の取引開始のベルを鳴らすセレモニーもなかったし、歓声を上げるSpotify社員の姿もなかった。

ところで上場されたニューヨーク証券取引所の表には上場を祝ってSpotifyのロゴの横断幕とスイス国旗が掲げられた―Spotifyはスウェーデン企業なのだが。

画像:BRYAN R. SMITH/AFP / Getty Images

〔日本版〕原文ではChi-Hua Chenと表記しているが、LinkedInの本人ページの表記、Chi-Hua Chienを採用した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google HomeからBluetoothスピーカーを鳴らせるようになった

今日(米国時間3/28)、Google Homeに重要なアップデートがあったことが発表された。ユーザーはGoogle HomeからBluetoothスピーカーに音楽をストリーミングすることができるようになった。

これまでGoogle HomeのBluetooth接続機能は受信の一方通行だった。つまりスマートフォンからGoogle Homeにストリーミングすることしかできなかった。しかし、Bluetoothの送信機能が利用できるようになったので、Google Home Miniの内蔵スピーカーはご存知のとおりの音質だが、リビングにあるもっと音質のいいスピーカーにストリーミングして音楽を楽しむことができる。

Googleによれば、この機能が追加されたのはHome Miniユーザーの強い要望によるものだという。 実際、大型のGoogle Homeのスピーカーは音楽再生に十分使える音質だ。

新しい機能を有効にするには、スマートフォンないしタブレットからGoogle Homeアプリの設定から「デフォルトのスピーカー」を開く。ここにペアリング可能なBluetoothスピーカーが表示されるので選択すればよい。

もちろんBluetoothスピーカーはGoogle Homeデバイスと同じ部屋にある必要はない。Homeのマルチルーム機能を使えば家中のHomeデバイスとスピーカーで同時に同じ音楽を再生することが可能だ。

ただしBluetoothスピーカーにはHomeデバイスに向かって送信する機能がないので、Bluetoothスピーカーを音声コマンドの入力のために使うことはできない。しかしほとんどのユーザーが必要としているのは余分なマイクではなく、良い音質のスピーカーだろうからこれが問題になることはないだろう。

〔日本版〕Google HomeのヘルプページのBluetoothスピーカー、ヘッドフォンの接続方法

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Marshall製ノイズキャンセリング対応ヘッドフォンが登場

Marshallといえば、ヘッドフォン市場でも高音質なプロダクトで知られている。そのMarshallが、アクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)機能を備えたヘッドフォンを発表した。名前はMarshall Mid ANCだ。価格269ドルのワイヤレスヘッドフォンで、昔ながらのMarshallらしいルックスを保持しつつ、最新のBluetooth aptXに対応している。

搭載される4つのマイクが周囲の音を検知して、無用なノイズをカットする。40mmドライバーを搭載し、良い音を聴かせてくれる。ノイズキャンセリング機能をオンにした場合のバッテリー駆動時間は20時間(Boseの最新モデルと同様)で、ノイズキャンセリングをオフにすれば30時間の駆動時間となっている。

市場には同様のスペックをもつヘッドフォンが溢れている状況ではある。しかし、マーシャル製のMid ANCには注目せざるを得ない。かねてよりバランスのとれた格好良さを追求しているメーカーとして知られているからだ。レトロなイメージももちつつ、しかしよくみればモダンで最新技術を採用している。個人的には買いだと思うがいかがだろうか。

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(翻訳:Maeda, H

次にロボットがやることは何か?ジャズマリンバの演奏だ

あなたが、ギャラのいい、デブで、態度のでかいジャズマリンバの演奏者なら、Shimonにご用心。この、マリンバを弾くロボットが、あなたの仕事をねらっている。Shimonはジョージア工科大学のRobotic Musicianship Groupの生まれで、私はここ数年、彼のキャリアを追っている。このビデオはAtlanta Science FestivalのときにFerst Center Presentsで撮られたもので、Shimonと、Zachary Robert Kondakのバンドが、Kondakのロックオペラの最新作からジャムしている。サックスは、Richard Saveryだ。

ぜひ見るべき。ほんとに、すばらしいから。

この演奏のいちばんすごいところは、ドラムのJason Barnesのロボットアーム的な右腕が、Shimonのタッピングに合わせてビートを叩き出すところだ。その、人間とマシンの融合は、見る者に畏怖の念すら抱(いだ)かせる。

ジャズビブラフォンなら、今のところ大丈夫ってか。でも、次のダンスパーティーで来てくれるバンドでは、すでにロボットがヴァイブを弾いてるかもよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Waveはサウンドを魔法のように操るデバイス

アイスランドの最も奥深い荒れ果てた土地に、魔法の花が咲いている。アイスランド民話(サガ)には、世界を支配する魔法のリング(指輪)が登場するが、いまそのうちの1つがWaveという名でインターネットに舞い降りた。

Waveはサウンドをコントロールするリングである。本質的には、これはウェアラブルなMIDIコントローラーであり、サウンドを奏でたり変えたり、空中で音楽を演奏させたりすることができる。これは小さくて巧妙な仕掛けである。出荷予定は今年の12月だ。

システムは、特定のサウンドあるいは機能を、特定のジェスチャーに割り当てることで動作する。手を振ってサウンドの効果を強めたり弱めたり、あるいは指をタップすることでサウンド効果を切り替えたりすることが可能だ。これはキーボードやギターと組み合わせて演奏しながら使うこともできる。このことで様々なスタイルで演奏することが可能になる。

Waveの販売価格は200ドルだが、早期割引は129ドルである。既に4万3000ドルを調達し、プロトタイプも動作している。Waveは、Logicを含む複数の音楽アプリと一緒に使うことができる。

活気に満ちたアイスランドのエルフたちのラブストーリーのための音楽を書くときにも、あるいは偉大な海龍であるHvítserkurを再び眠りにつかせるために歌うときにも、アイスランドのWaveデバイスが役立つことだろう。

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(翻訳:sako)

Alexaはあなたの音楽聴取履歴を覚えているのでリクエストも可能

AppleのHomePodが発表されてからのAmazonは、Alexaの音楽機能で攻勢に出ている。基本製品であるEchoの音質を良くし、Amazon Musicのコントロールも加えた。そして今日(米国時間3/8)同社は、アメリカとイギリスのユーザー向けに、単に曲とアーチストをリクエストするだけでない、より高度な音楽再生機能の提供を開始した。

まず目立つのは、ユーザーが前に聴いていた音楽に基づいて曲を指定できることだ。それによりたとえば、“先月ぼくが聴いてたHold Steadyの曲をかけて”とか、“今朝ぼくが聴いてた音楽をかけて”、といったリクエストができる。

これらは、同社の音楽サービスAmazon Musicの吸引力を高める工夫でもある。Amazon Musicの今の状態はSpotifyやApple Musicに比べると弱いし、またGoogleのHomeデバイスのように単純に既存の各種音楽サービスを選べるようにすることもできない。

しかもSonyやSonosなどの企業は自社のスピーカーにどんどんスマートアシスタント機能を加えているから、Alexaとしてもますます、音楽を重視せざるを得ない。今度の新しい音楽再生機能は、このアシスタントのAndroidとiOS両バージョンで利用できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleの簡易作曲システムSong Makerで曲作りを簡単に楽しく

GoogleがChrome Music Labに、新しい楽器Song Makerを加えた。その名のとおり、Song Makerは曲を作る。それは基本的には使いやすいシーケンサーで、ユーザーはブラウザーの中でメロディーを作る。ただしそれには、Music LabのMelody Makerツールのような自動化の機能はない。

それは本格的な作曲ソフトFL Studioではないが、楽しいし、ピアノやストリングス、木管楽器、シンセ、マリンバなどの中から楽器を選べる。小さなリズムセクションもあるから、曲にドラムスをつけられる。このほか、コンピューターにMidiキーボードをつけて楽器を演奏したり、歌を音符に翻訳してくれるレコーディングの機能もある。

Googleによると、Song MakerはMusic in Our Schools Monthのコンサートでローンチする。それはNational Association for Music Education(全米音楽教育協会)が企画した行事だ。

あなたの名曲ができたら、Song Makerがパーマリンクをくれるので、簡単に世界中と共有できる。この機会に、Music Labのそのほかの楽器も見てみよう。ぼくがとくに気に入っているのは、絵を音楽に翻訳するKandinskyだ。

Sound Makerを卒業したら、ブラウザーから使えるもっと複雑なシーケンサーがいろいろあるから、それらも試してみよう。代表的なのは、SoundationSampulatorAcid Machineなどだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

音楽の使用権を販売できるマーケットプレイス「Audiostock」が2.6億円調達、ラインナップは約9万点

音楽著作権プラットフォーム「Audiostock(オーディオストック)」を運営するクレオフーガは3月2日、スペースシャワーネットワーク日本ベンチャーキャピタル広島ベンチャーキャピタルFFGベンチャービジネスパートナーズトマト銀行港京共創科技投資(HBCC Investment)を引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は2億6000万円だ。

写真販売サービスの「Snapmart」をはじめ、クリエイターたちが従来とは異なる方法で収入を得られるサービスが近年増えてきている。Audiostockはその“音楽版”と言えるようなサービスかもしれない。

Audiostockは、クリエイターが自身で作った楽曲や効果音などの使用権を、動画製作会社など他のユーザーに対して音楽の使用権を販売できるマーケットプレイスだ。現在、同サービス上には約9万点の音楽使用権が販売されていて、クリエイターは売り上げに応じた印税を受け取ることができる。

音楽を使用する側のユーザーは、サービス上で購入手続きを行うだけで音楽の使用権を取得できる。著作権管理団体等への申請など各種手続きを簡素化できることなどがメリットだ。

先ほど述べたように、Audiostockでクリエイターの楽曲を購入するユーザーの1人として考えられるのは、その楽曲を使用した動画を制作するクリエイターたちだ。最近では、すっかり将来なりたい職業ランキング上位をキープするようになった「YouTuber」たちをはじめ、法人や個人問わず、さまざまな人々が動画コンテンツを制作・公開するという世の中になった。

インターネットの普及などに伴い知的財産権が侵害される被害が増えていることは事実だけれど、法により定められた方法で音楽を利用したいと考えているユーザーにとって、Audiostockを利用することによる手続きの簡素化は大きなメリットとなりうるだろう。

クレオフーガは今回調達した資金を利用して、マーケティング活動やプロダクト開発体制の強化に取り組むとしている。また、機械学習、ブロックチェーン、AI作曲等の先端技術の研究会を創設し、それらの技術を利用した新事業の創出も目指すという。

クレオフーガは2007年10月の設立。Audiostockを開発する以前から、音楽投稿サービスの「クレオフーガ」などを手がけてきた。同サービスのユーザー数は約2万人だという。また、2016年11月には、写真や動画素材のマーケットプレイス「PIXTA」を運営するピクスタとの資本業務提携を結んでいる(記事中に紹介したSnapmartも現在はピクスタ傘下だ)。記事執筆時点における同社の資本金は、3億355万円だ(資本準備金含む)。

音楽ストリーミングのSpotifyが上場目論見書提出――10億ドル規模、NY証券取引所へのDPOとなるもよう

有力な音楽ストリーミング・サービスのSpotifyが上場を準備していることが明らかとなった。

証券取引委員会に提出された書類によれば、Spotifyは10億ドル規模の上場を計画している。ただしわれわれがつかんだところでは同社は証券会社による引受を経ずに直接株式を公開する(DPO)という。10億ドルというのは暫定的な数字で、今後変更される可能性があるが、Spotifyの場合、新たな株式の発行と売り出しは予定されていない。公開されるのはあくまで既存投資家の株式となるようだ。

同社はニューヨーク証券取引所に上場を予定しており、ティッカー・シンボルはSPOTとなる。

提出された目論見書によれば、Spotifyの昨年の収入(売上)は40.9億ユーロ、2016年は29.5億ユーロ、 2015年は19.4億ユーロだった。純損失額は昨年が1.35億ユーロ、2016年が5.39億ユーロ、2015年が2.25億ユーロとなっている。

株主構成では共同ファウンダー、CEOのDaniel Ekが23.8%、共同ファウンダーのMartin Lorentzonが12.4%を所有している。

Spotifyによれば、現在61カ国で運営されており、月間アクティブ・ユーザーは1億5900万人、有料のプレミアム・サービス契約者は7100万人だという。

目論見書でSpotifyは下記のようないくつかの点に関してビジネス・リスクがあること認め、注意を喚起している。

同社はサービスの差別化と著作権者の権利保護について説明する中で、 「Apple、Amazon、Googleなど一部の競合他社は自身の音楽サービスをバンドルしたデバイスを開発し、また開発を継続している」と述べている。Spotify自身は現在スマートフォンやスマートアシスタントを内蔵したスマートスピーカーなどのデバイスを開発、販売していない。こうしたデバイスを大規模に売り出しているライバルは音楽サービスの利用者を増やす上で非常に有利な立場にある。こうした点からすると、Spotifyが将来スマートスピーカーやスマートヘッドホンの開発に向かうことはあり得る。

また同社は楽曲に関して知的所有権を有するレコード・レーベルに対して弱い立場にあると懸念する声もあった。つまり定期的な契約更改の際に、レーベル側はSpotifyが有利すぎると感じれば著作権料率を引き上げることができる。楽曲配信に関しては公的機関であるCopyright Royalty Board〔著作権ロイヤリティ委員会〕やASCAP、BMIといった著作権管理団体も各種の権利を有しており、Spotifyにとってコスト増の要因となり得る。楽曲使用に必要となる知的所有権はごく少数のレーベルや団体が独占している傾向にある。Spotifyが2017年にストリーミングした楽曲の87%についてUniversal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Group、Merlin Networkの4団体が権利を握っていた。こうした楽曲の権利者は料率を引き上げることによってSpotifyのビジネスを破綻させることも可能だ。

Spotifyの運営コストはこうしたコンテンツに対するロイヤリティ支払だけでなく、 ライバルに対抗するための研究開発や新機能の追加などによっても増大の傾向にある。ライセンス契約は複雑であり、契約に定められた最低支払額に達しないなどの場合は訴訟を招く可能性がある。こうした訴訟のコストも考慮しなければならないだろう。Spotifyはすでに多数の訴訟を抱えている。またGoogle等のライバルは巨大な特許権ポートフォリオを持っており、これをテコにしてSpotifyに対して知的所有権の侵害を主張してくる可能性もある。

取材継続中。

〔日本版〕DPO(Direct Public Offering )はニューヨーク証券取引所が定めた新しい上場方法で新株の売り出しを行わず、これに伴う証券会社の引受もバイパスするという。

画像:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Javascriptで作ったWinAmpエミュレータでインターネット・ガキだった自分を思い出そう

昔の子どものころからインターネット・ガキだった人は、WinAmpという小さなアプリケーションをおぼえているだろう。その小さなプログラムは、イコライザーのスライダーがいっぱいあって、まがい物のステレオ受信機みたいだったが、取説のMP3はWinAmpのミッションを“ラマ*の尻(けつ)を鞭でぶつこと”、と言っていた。〔*: llama, 当時のインターネット・ガキのこと〕

Jordan Eldredgeというプログラマーが、WinAmpへのオマージュをJavaScriptで作った。そのウィジェットを使えばスタンドアロンの音楽プレーヤーをどんなWebページの上にでも作れて、好きなスタイルをWinAmpの歴史から選べる。それをここで試せるし、コードはここからダウンロードできる。

“最初のヒントは、WinAmpのスキンがCSSのスプライトによく似た方法で実装されていることだった”、とEldredgeは述べている。“10代のころはWinAmpのスキンづくりで何時間も遊んでいた。コンピューターの上で初めてやった建設的でクリエイティブなことが、それだった”。

そのエミュレーターはWeb Audio APIを使って、オリジナルのWinAmpにできたことを、ほとんどすべて真似する。

“ぼくは3年前のアイデアを、いつまでも忘れられないおたくだね。‘それはやめるべきではないか?’、と自問する良識がぼくにはない。でもWinAmpのすべての機能をWebブラウザーという制限の中で作ることは、すごくクリエイティブでおもしろかった。WinAmpのスキンを考えた人も、同じような制限の中でクリエイティビティを刺激されたと思うね。ボタンを動かしたり、ウィンドウのサイズを変えたりできない中で、強力なユーザーインタフェイスを作ることは、すばらしいチャレンジだ。しかも、選択肢の多さに麻痺してしまうこともないしね”。

コード以外にEldredgeは、ボウリング場みたいなMP3プレーヤーを作りたい人のために、WinAmpのスキンをツイートするボットもリリースした。

そして極(きわ)めつけは、本誌TechCrunchのレポーターDevin Coldeweyが、これでやっと自分のオーディオファイルを整理できるようになったことだ:


[今でもWinAmpを使って手作業で音楽を整理している]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Alexaで音楽のプレイリストを作れるようになった(まずアメリカから)

最近の新製品Apple HomePodやGoogle Home Maxが示すように、スマートスピーカー(a.k.a.音声アシスタント)では何よりも音楽が重視される。一方この世界の先輩であるAmazon Echoは、オーディオがセールスポイントだったことはなかったが、でも最近のアップデートでは、そっちへ向けて小さな一歩を踏み出した。

そしてさらに今週Amazonはまた、小さいけど便利な音楽機能をEchoに加えた。Alexaを使って、プレイリストを作ったり編集できるのだ。まったく新たにプレイリストを作ったり、既存のリストに曲を加えたりできる。

この機能は数週間前にベータで導入され、今日からはAmazon Music Unlimitedのアメリカのユーザーに展開されていく。Amazonによると、これはユーザーの要望がもっとも多かった機能のひとつであり、Echoが音楽を聴くためにも利用されている証拠だ。

これまで、Amazon自身の製品は、競合製品に比べてオーディオをあまり重視していないが、最近ではSonosやHarmanとパートナーして音楽にも力を入れ始めた。しかしスマートスピーカーに関しては、Amazonは低価格製品で競合に勝とうとしているから、Echoがハイエンドのスピーカーになる可能性は低そうだ。

しかしそれでも、HomePodと違ってEchoでは、BluetoothやAUX出力で音を他のスピーカーへ 渡すことができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebookとユニバーサルミュージックの提携によって、利用者は動画内で許諾された音楽を使うことができるようになった

Facebookは本日(米国時間12月21日)、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)との間で、Facebook、Instagram、Oculusなどのユーザーたちがアップロードしてシェアする動画の中に、ユニバーサルミュージックの音楽を利用することができようにする、というライセンス契約を結んだことを発表した。また今回の提携により、FacebookはMessengerも含むプラットフォーム間で新しい「音楽を使った製品」を提供できるようになるという。

契約条件は明らかにされていないが、大手音楽会社がFacebook上でビデオやその他のソーシャル機能に対して、そのカタログをライセンスするのは初めてのことだ。

これにより、Facebookはユニバーサルミュージックグループと協力して、アーティストの作品が、Facebookとその関連プラットフォーム上でで保護され、補償されることになる。これは、さまざまな方法で行われる。私たちの理解では、そこにはFacebookが、この先実験的なソーシャルミュージックの機能を立ち上げていく権利も含まれているようだ。

「音楽とコミュニティービルディングの間には引き合う関係があります。私たちはそれをUMGと協力して、Facebook、Instagram、Oculus、そしてMessengerの中に取り込むことができる機会に興奮しています。音楽愛好家、アーティスト、そしてライターたちは、私たちが音楽と動画を通して創造性、つながり、そしてイノベーションを開放することで、とても居心地よく感じて貰えるようになるでしょう」と語るのは、FacebookのMusic Business Development and Partnershipsの責任者Tamara Hrivnakである。

「FacebookとUMGは、共に、音楽会社とソーシャルプラットフォーム間の協力のためのダイナミックな新しいモデルを作り出して行きます。こうすることで、ファンのための音楽のソーシャル体験を向上させながら、レコーディングアーティストやソングライターたちの関心を高めることができます」と、ユニバーサル・ミュージック・グループのデジタル戦略副社長のMichael Nashは付け加えた。「この提携は、イノベーションと音楽クリエイターへの公正な報酬が、相補的であること、共に繁栄することができることを示すための、最初の重要なステップなのです。私たちは、Facebookが、アーティストたち、ファンたち、そして世界に偉大な音楽を届けるために投資するすべての人たちに恩恵を与えてくれる、健全な音楽生態系に対する重要な貢献者になってくれることを期待しています」。

同社は、この取引の結果、どのような「音楽を使った」製品が登場するのかに関しては詳しくは述べていないが、その動きは主に、アーティストがファンたちとのつながりを深めることに重点を置いているように見える。特にファンたちにお気に入りの音楽を自分たちの動画に使わせたり、お気に入りの音楽をシェアさせたりすることがその中心となる。アーティストたちはまた、他の方法で音楽を使って、コミュニティに関わり育てていくこともできる。

この契約がFacebookのビデオ活動にどのように役立つかを想像するのは簡単だ。今年は動画のための専用ポータルFacebook Watchが登場し、動画に対するさらなる注力が行われた。

このパートナーシップは、音楽とソーシャル空間を統合して活動する他のハイテク企業たちに、Facebookが挑戦するのにも役立つ。例えばライバルの1つはSpotifyだ。同社は今年、ストリーミングサービス上でのプレゼンスを管理し、リリースをトラックしファンたちと繋がるための一連の新しいツールを提供した。またMusical.lyも同様のライバルだ。自分自身の口パクミュージックビデオが作れることで多数の若いファンを引きつけたこのサービスは、中国の大手ソーシャルメディアBytedanceに8億ドル以上で売却された

今回の買収により、Facebookは、 新しく立ち上げられた”Sound Collection”の内容を、クリエイター向けに、有名な曲で埋めることもできるようになった。

ユニバーサル・ミュージック・グループは既に、SpotifyやYouTubeなどの他の企業と協力しているため、ソーシャル企業と協力することは前例のない話ではない。(Varietyには契約に関するUMGからの内部メモが掲載されているが、その中にはプレスリリース以上の詳しい情報は含まれていない。これは主にパートナーシップを鼓舞するためのものだ)。

私たちの問い合わせに対して、Facebookは、新しいソーシャル機能の計画についての、より詳細な情報を共有することは拒否した。

同社は、新しい野心をもって、これからも似たようなパートナーシップを結ぶ計画を温めていることだろう。ユニバーサル・ミュージック・グループのライブラリーを宣伝することで、音楽販売、商品販売、コンサートチケット売上などを増やすことができることを示せたならば、新たなパートナーシップも結びやすくなるだろう。

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(翻訳:sako)

Amazon Musicはユーザーがアップロードした曲のストリーミングサービスを閉鎖する

音楽のストリーミングサービスはその初期のころ、他との差別化のために、ユーザーが自分が保有するMP3のコレクションをアップロードしてそのサービスから聴けるサイトもあった。たとえば、のちにPandoraに買収されたRdioでは、マッチング目的のために音楽をアップロードすることができた。一方Amazon Musicでは、MacやPCから自分の曲をアップロードして聴ける。

しかし、それも終わりだ。Amazonは今週ひっそりと、Amazon MusicのStorageサブスクリプションプランを廃止する、と発表した。2019年の1月からは、このプランで曲を再生したりダウンロードすることがまったくできなくなる。このサービス閉鎖に最初に気づいたSlashgearは、AmazonのWebサイトにある新しいヘルプページを紹介している。

それによると、Amazon Musicのデスクトップアプリから音楽をアップロードすることは、2017年12月18日をもって、できなくなる。再生やダウンロードに関しては、上記のようにかなりの猶予期間がある。つまり自分が過去にアップロードしたトラックを聴いたりダウンロードすることは、2018年の12月までできる。

閉鎖は、最大250曲までの無料ストレージプランと、年額25ドルで最大25万曲までの有料プラン、その両方に適用される。

しかし問い合わせに対してAmazonは、閉鎖を認めるとともに、“ただしAmazonから買った曲(MP3やAutoRip)は従来どおりモバイルやデスクトップから提供される”、と述べた。

Amazonは2013年に、Amazonから買ったCDをクラウドからMP3で聴けるために、AutoRipを導入した。でもそのときからすでに、勃興期のオンデマンドストリーミングサービスが最初からそれらの曲のMP3を提供していたため、AutoRipの利用者は少なかった。でも当時は、音楽のマッチングサービスがまだ一般的にあり、たとえばAppleのiTunes MatchやGoogleのScan-and-Matchなどがあった。

しかしその後Amazonは音楽のアップロードに背を向けるようになり、2015年秋には専用の音楽インポーターソフトウェアを閉鎖、代わりにAmazon Musicアプリを使うよう仕向けた。

2019年の1月以降、Amazon Musicのストレージサブスクリプションサービスがどうなるのか、それについての発表はまだない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon Alexaが指定した都市で流行っている曲や今の曲と似た曲をかけてくれる

AmazonのAlexaが、“Local Popularity”と名付けた新しい機能により、各都市で今流行っている曲をかけてくれる。Amazon EchoなどのAlexaデバイスに、“top songs in Los Angeles”とか“hits in Tokyo”などと指示すると、ロサンゼルスや東京で流行っている毎日違った曲をかけてくれるのだそうだ。その目的は、音楽の発見をより容易にすること。ユーザー自身に情報がなくても、新しいアーチストや曲を知ることができる。しかも、全国対応のヒットチャートだけでなく(それならユーザーも情報を持っているだろう)。

Amazon Alexaの音楽機能は今日(米国時間12/15)、これを含めて二つアップデートされた。どちらも、Amazon Music UnlimitedとPrime Musicの会員が楽しめる。

もうひとつの、“Play more like this”と名付けられた機能は、今鳴ってる曲と同じような曲をえんえんと聴き続けることができる。そんなプレイリストもあるけど、それをいちいち探す必要がない。

たとえば“Alexa, play songs similar to Taylor Swift”とか“Alexa, play songs like ‘Poker Face’”と指示すると、同じジャンルやスタイルの曲を次々と聴くことができる。

今週はこれら二つの新機能の前に、Alexaを音楽目覚まし時計として利用できる機能も加わった。これなんか、時計とスピーカーの両方があるEcho Spotをベッドルームに置けば、とても便利に利用できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa