クラウドベースのレコーディングプラットフォームSoundtrapがシリーズAで600万ドルを調達

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Soundtrapはクラウドベースの音楽や音声のレコーディングプラットフォームで、今回シリーズAで600万ドルを調達した。北欧のVC、Industrifondenがリード投資家となり、既存の投資家に加え、新規の投資家もこのラウンドに参加している。Spotifyの前CFOとCOOを務めたPeter Sterkyも参加した。Sountrapはこれまでに累計850万ドルを調達したことになる。

Soundtrapは、ユーザー同士がコラボしたり、マルチプラットフォームで使えるAppleのGarageBandのようなサービスと言えば比較しやすいだろう。Soundtrapは音楽やポッドキャスト用の音声などを録音することができ、独自の音源ソフトウェアとMIDIシーケンサーを持つサービスだ。

SoundtrapはiOS、Android、Chromebook、Mac、Windows(特に後者の3つのSoundtrapのバージョンは、技術的に見事なブラウザベースのサービスだ)で、クロスデバイスに対応している。これによりソフトウェアの強みが最大限発揮される。

全ての作業はクラウドに保存されるため、前回保存したところから、別のデバイスで作業を再開することが可能だ。そして、他のユーザーとオンラインで協力する機能もある。

SoundtrapのCEOで共同ファウンダーのPer Emanuelssonは、このような仕組みにしたことに対し、Soundtrapは単に使いやすいものを開発したのではなく、人と一緒に音楽を作った方が断然楽しいということを知ってもらうためのツールというアイデアから開発したためと話す。

Chromebook対応に伴い、Soundtrapは教師と生徒の間でも広まっている。これは当初、Emanuelssonと彼のチームを驚かせるものだった。だがこのスウェーデンのスタートアップは、今年の初めには教育業界を主要なターゲット市場に位置付け、Soundtrapの教育用ライセンスも設置した。

また、SoundtrapはGoogle for Educationの公式パートナーである。このGoogleのプログラムは、学校をターゲットとし、浸透率も高まっている。結果的に、週に200校が新たにSoundtrapを教室で使うツールキットに追加しているという。

今回の調達ラウンドには他にも、スウェーデンのプロデューサーで作曲家のAndreas Carlsson、TruecallerのファウンダーAlan MamediとNami Zarringhalam、TruecallerやPreziのアーリーインベスターMagnus Bergman、Nordic CapitalのKristoffer MelinderとJoakim KarlssonとUlf Rosberg、レコードレーベル、出版社でマネジメント会社のAristotracksのCEOで共同ファウンダーのLinus AndreenやLars Bergströmも参加している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Spotifyの遅すぎる日本ローンチ、先行サービスに追いつくことができるか

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音楽ストリーミングサービスSpotifyがついに日本でも利用できるようになる。本日、スポティファイジャパンは記者会見を行い、SpotifyのファウンダーでCEOのダニエル・エク氏はSpotifyの日本ローンチを発表した。Spotifyのウェブサイトではサービスの受付を開始し、徐々にユーザーを受け入れていくという。

改めて紹介すると、Spotifyは2006年にスウェーデンで創業し、2008年10月より音楽配信サービスを展開している。現在60カ国で展開し、アクティブユーザーは全世界で1億人以上のユーザーだ。その内有料会員は4000万人以上という。日本でも数年前からローンチ間近と伝えられながら、なかなか実現せず、ようやく本日の正式ローンチに至った。

SpotifyのファウンダーでCEOのダニエル・エク氏

会見に登壇したエク氏は「日本にはとてもユニークな文化があります。世界中のアーティストと日本をつなぎ、そして日本のアーティストを世界中の聴衆とつなげられることを嬉しく思います」とSpotifyのローンチについてコメントした。

Spotifyの日本版のサービスでは国内、海外の楽曲合わせて4000万以上の楽曲を提供する。Spotifyはモバイル、タブレット、パソコンのいずれからでも利用できるが、今回新たにPlayStation®4(またはPlayStation®3)からも楽曲を視聴できるようになった。

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Spotifyのデモの様子。多種多様なプレイリストが並ぶ

Spotifyの最大の特徴は、ユーザーにぴったりの楽曲を提案する機能が充実している点だ。ジャンルごとに多様なプレイリストを用意していて、利用可能なプレイリストは20億本以上あるという。日本では、「Best of J-ROCK」や「トウキョウ・スーパー・ヒッツ」など、日本の音楽業界に精通するエキスパートが選んだプレイリストも用意している。もちろん、ユーザーは自分で好みの曲を集めたプレイリストを作成することができ、友人と簡単にLINEやSNSでプレイリストを共有することが可能だ。

Spotifyの人気機能は、ユーザーの視聴履歴に基づいてパーソナライズされる2つのプレイリスト「Discover Weekly」と「Release Radar」だ。Discover Weeklyはユーザーの好みの楽曲をキュレートするプレイリストで、毎週月曜日に更新される。4000万人以上がこのプレイリストを視聴しているとSpotifyは言う。一方のRelease Radarは、毎週金曜日に更新され、ユーザーの好みに合う新リリースの楽曲をキュレートする。

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日本版のSpotifyでは世界に先駆け、歌詞機能を展開するとSpotifyは言う。日本ではカラオケが人気で、歌詞を見ながら楽曲を楽しむ文化がある。Spotifyはそういったユーザーのニーズに合わせて歌詞機能を開発したという。この他にもランニング時にユーザーの走っているペースに合わせて楽曲が聴ける機能やゲーム音楽も充実している。

気になる料金体系だがSpotifyは、無料プラン「Spotify Free」と月額980円(税込)の有料プラン「Spotify Premium」を用意している。無料プランは広告モデルだが、最新のトップチャートやプレイリストの視聴などSpotifyの基本的な機能を利用することができる。

Spotify Premiumには広告はなく、楽曲をダウンロードする機能でネット環境のないところでも音楽を楽しめたり、高音質(320kbps)の楽曲を聴いたりできるのが特徴だ。また、「Spotify Connect」を使用することで車内での視聴も可能になる。Spotify Premiumは30日間無料で試すことができる。

また、今回の会見では、アマゾンジャパンでバイスプレジデント、Kindle事業本部統括事業本部長を務めた玉木一郎氏が2016年10月1日付で、スポティファイジャパンの代表取締役に就任することを発表している。

日本でSpotifyをローンチするのに4年の準備期間がかかったとSpotifyは話していた。だが、その準備期間の間に、複数の国内プレイヤーとグローバルに展開する音楽ストリーミングサービスが日本でローンチを果たしている。国内プレイヤーには、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルとの共同出資による音楽配信サービス「AWA(アワ)」やコミュニケーションアプリ「LINE」が展開する「LINE MUSIC」が筆頭にあがる。日本でサービスを展開する世界的なプレイヤーには、Apple MusicGoogle Play Musicがある。AppleとGoogleに関しては、iOSとAndroidのプラットフォームを生かしたサービス展開ができるという大きな強みがある。国内で展開する音楽配信サービスのダウンロード数/会員数及び料金プランについて、TechCrunch Japan編集部で以下のようにまとめたので、参考にしてほしい。

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日本でローンチ済みの主要な音楽配信サービスの比較表

先行ローンチすることが、どのくらい音楽配信サービスにとって重要な要素となるかはまだ定かではない。だが、今使っているサービスを気に入って、プレイリストなどをカスタマイズしているユーザーは、新たに別のサービスに登録して、またゼロから自分好みの曲を集めたりするのを手間に感じるということは十分に考えられる。

Spotifyの日本参入は1年近く遅れを取っている上、比較すると価格もさほど他のサービスと変わらない。有料会員数でSpotifyは世界のトップを走るものの、Spotifyが今後他の先行サービスとの遅れをどのように取り戻せるかに注目したい。

音楽ストリーミング大手のSpotify、今月にも日本上陸

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1年前から予告はしていたが、今月ついにSpotifyが日本でもサービスを開始する。このスウェーデンの音楽ストリーミングサービスは、9月が終わる前には日本での展開を開始すると同社からTechCrunchに情報が届いた。

日経は今年の夏、近々Spotifyが日本でローンチすると伝えていた。日本の大手ビジネスニュースの出版元は、Spotify Premiumの価格はおよそ月額1000円(10ドルくらい)になると伝え、私たちもそれくらいの価格になると聞いている。

売上で見ると、日本の音楽市場は世界で2番目に大きい。Spotifyは有料会員が4000万人を超えたばかりだが、日本進出はまだだった。 TechCrunchは1年近く前の去年10月、Spotifyがアジア事業に注力し始め、インドネシアと日本でサービスを展開する予定だと伝えた。インドネシアには今年の3月に進出し、それ以降Spotifyはサービスを日本に持っていくことに注力していた。

Spotifyの東京オフィスは18ヶ月前に設立されていて、2年前から日本での採用も行っている。しかし、それでもこの市場では競合が先手を打つのをSpotifyは座って眺めているだけだった。今年上場を果たし、日本で7000万人のユーザーを擁すメッセージサービスLINEは、 昨年国内で音楽ストリーミングサービスをローンチした。AppleにGoogle、さらに国内Eコマース大手の楽天もライバルサービスを展開している。

Spotifyは、東京でチームを作るのにかなり時間がかかっている。9つの役職で現在も採用を行っているが、この遅延には理由があるようだ。日本のコンシューマーはまだストリーミングやレコードレーベルが提供するオンラインモデルに抵抗を感じ、CDを購入したいと思うコンシューマーも多い。しかし、日本における今年の楽曲の売上予測は30億ドル近く、音楽ストリーミング企業は他の国同様、日本も収益が多く得られる市場であると考えている。これは、近いうちにも上場が噂されるSpotifyにとって重要なことだろう。

SpotifyのCEODaniel Ekは今週、最新のユーザーマイルストーン達成を発表した。

Spotifyは日本のレーベルとの契約を取り付けている。レーベルから人材採用も行った。まだ日本では音楽ストリーミング熱がすごく高まっているわけではないが、他の競合が音楽ストリーミングの早期需要を喚起している段階で参入することで、Spotifyはその波に便乗しようとしているのだろう。コンシューマーが利用できる主なストリーミングサービスがいくつか出揃った今、日本の音楽業界のデジタルへの移行が始まろうとしている。

Spotifyのアジアにおける次の動きは、3月に私たちが伝えたように、インドを次のターゲットとしているようだ。しかし、私たちの知るところでは、Spotifyはまだそれに向けた確かな動きを見せていない。アジア進出もそれなりに時間がかかったため、インド進出、あるいは他のアジア市場への進出はもう少し先になることが予想される。

Spotifyは2013年に初めてアジア地域に進出し、現在香港、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシアの5カ国で利用可能となっている。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

イヤフォンのワイヤレス新時代、 Appleが159ドルのAirPodsを発表

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このたった8グラムの物体が159ドルもするなんて高いと思うだろうか。その金額にはそれなりの理由がある。iPhone 7の発表後、AppleはAirPodsを発表した。従来のEarPodsに慣れ親しんでいるなら、これもすぐに気に入るだろう。AirPodsはEarPodsのワイヤレス版だ。

このイヤフォンはオーディオ処理とペアリングを行うW1チップを内蔵している。プロダクトページによると、端末からオーディオを転送する際にBluetoothを利用しているそうだ。しかし、どのBluetooth端末でも使用できるのか、あるいはApple製品にのみ対応しているのかは明示されていない。

スマホとペアリングすると、同じApple IDを共有する他のApple端末とも自動でペアリングを行うことができる。MacでもiPhoneでもiPadでも、さらにはApple WatchでもAirPodsでシームレスに音楽を聞くことができる。

フルに充電すると、音楽を5時間再生することができる。ケースは充電器の代わりにもなっているので、充電するにはAirPodsをケースに戻す必要がある。15分間の充電で3時間のバッテリーが補給される。ケースには24時間分のバッテリーを保持することが可能だ。

AirPodsには、耳に装着したことを認識するセンサーを搭載している。これによりAppleはバッテリーを節約することができる。同様に、内蔵されているマイクは、ユーザーが話している時にだけ起動する。「Her」の映画がお気に入りの人には朗報だ。AirPodsをダブルタップするとSiriを起動させることができる。

AirPodsは10月後半に出荷予定だ。iPhone 7には通常のEarPodsが同梱される。専用のライトニングケーブルも一緒だ。

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しかしそれだけではない。Beatsも同じW1チップを搭載した新型ヘッドフォンをリリースする予定で、Apple IDと連動するという同じペアリングの仕組みを採用する。

BeatsXは、秋頃に149.95ドルで販売予定だ。耳に入れるタイプのイヤフォンで、首の後ろを回るコードでつながっている。ライトニングポートもあるので、iPhoneケーブルで充電可能だ。

Powerbeats 3 Wirelessも秋に199.95ドルで販売予定だ。これはmicro-USBで充電できる。Beats Solo 3 Wirelessの方はすでに事前予約を受け付けていて、これは299.95ドルだ。これもmicro-USBによる充電だ。

ワイヤレス新時代へようこそ。もうヘッドフォンジャックの時代を懐かしく感じているかもしれない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Apple Musicのパーソナライズした最新プレイリスト、iOSとmacOSのベータ版ユーザーはもう試せる

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Appleが9月7日に開催するiPhoneイベントが目前に迫る中、同社は近々リリース予定のiOS 10モバイルOSとmacOS Sierraのベータ版に登録しているApple Musicのサブスクライバーに対して、パーソナライズした音楽プレイリストの展開を開始した。この機能は、今年の6月にAppleが開催したWorldwide Developers Conferenceで発表されていたものだ。Apple Musicの最新プレイリストは、Spotifyが提供している「Discover Weekly」プレイリストに真っ向から挑むものだ。Spotifyのこの機能は、ローンチした年に4000万人が使うほど人気を得た。

Appleは、独自の「Discover Weekly」ならぬ「My New Music Mix」プレイリストを提供する。このプレイリストの楽曲は、毎週金曜日に更新される。

WWDCで、このプレイリストの名前は「Discovery Mix」と発表されていたが、AppleもさすがにSpotifyの機能と名前が似すぎていると思ったのか、リブランディングを行ったようだ。

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「My New Music Mix」はミュージックアプリの「For You」のセクションにあり、現段階ではユーザーの視聴履歴に基づいて選んだ25曲を配信している。

この機能の目的は、頻繁に聞く音楽に基づいて提案することで、Apple Musicの登録者が好きな楽曲やアーティストをより多く見つけられるようにすることだ。Spotifyの「Discover Weekly」と同じ意図だ。

本当の問題は、どちらのサービスのアルゴリズムが良いかということだろう。Apple Musicの機能はこの週末に展開し始めたばかりで、現段階では誰も十分に試せていない。結果が分かるのはもう少し先になる。

「My New Music Mix」以外にも、iOS 10のベータ版を利用しているApple Musicの有料登録者は、「My Favorites Mix」という別のプレイリストも追加されていることに気がつくだろう。これは毎週水曜日に更新され、このプレイリストではお気に入りの曲に加え、「他の曲も追加して」配信すると、Appleは説明に書いている。この「他の曲も追加」というのは、アプリがユーザーの最も気に入っている楽曲に基づき、ユーザーの好みにマッチすると選ばれた曲がこのプレイリストに追加されることを指している。ユーザーの好きな曲の中に、巧妙にいくつか新しい楽曲を忍ばせるもので、Appleはユーザーが楽曲を発見する手法に一捻り加えた。

Apple Musicのカスタマーはどちらのプレイリストにも登録でき、Spotifyと同じように新しい楽曲が配信されるごとに自動でダウンロードするよう設定することができる。

この最新プレイリストはiOS 10 ベータ版のApple Musicアプリ内にある。macOS SierraのiTunes 12.5にも同様に更新されている。

プレイリストの追加は、Apple Musicの大幅改訂の一環だ。Apple Musicのもともとのデザインは少しごちゃごちゃしていると批判を受けていた。AppleはWWDCで、Apple Musicの新な装いを発表した。アプリの下にあるナビゲーションタブから「Connect」と呼ぶソーシャルネットワーク機能を撤廃し、ユーザーの楽曲ライブラリをアプリの前面に持ってきて、それをアプリの中核に据えるようにした。

最初のレイアウトには課題があったものの、Apple MusicはApple OSに最初から内蔵されているという優位性だけで、Spotifyの脅威となることを示した。Appleは6月に、有料登録者が1500万人に届いたと発表している。Spotifyは3000万人の有料カスタマーを持ち、1億人の無料視聴者がいるのでまだリードしている。しかし、Apple Musicアプリの刷新と、より良い音楽発見機能が実装されれば、Spotifyにとってさらなる脅威となるだろう。

(画像クレジット:9to5Mac.comに感謝)

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Sonyの500ドルのインダッシュレシーバーはAndroid AutoとCarPlayをサポートして値頃感あり

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Sonyの、ダッシュボード埋込み型(in-dash, インダッシュ)カーステレオXAV-AX100は、あなたの車にAndroid AutoやCarPlayを安上がりに導入するためのベストの方法かもしれない。11月末に、499ドル99セントで発売される同機は、6.4インチ800 x 480のタッチスクリーンを搭載、NFCとBluetoothとaux入力をサポートし、また音声入力を起動する専用ボタンがある。

このXAV-AX100は、仕様を見るかぎり、競合機に比べて明白なアドバンテージがいくつかある。Pioneerの、仕様的にいちばん近い競合機はAppRadio 4かと思われるが、こちらは6.2インチのスクリーンで物理ボタンがなく、CarPlayしかサポートしていない。お値段は600ドルだ。Alpineにも、これぐらいから上の価格の製品がある。

デバイスを特定せず、値段が手頃な、タッチスクリーンをぜいたくに奮発したインダッシュレシーバーを出す、というSonyの決定は賢明だ。カーステレオに代表されるような各種二次製品はメーカー数も多く、とくに初期は競争が激しかったが、このところ、それほど飛び抜けた強力な製品はない。Sonyは、そこに目をつけたようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Spotifyが学習コンテンツで子ども向けカテゴリーを一新

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Spotifyは今朝(米国時間8月15日)、小さな子どものいる家族向けサービスの変更について発表した。今回の変更で子ども向けカテゴリーに語彙や言語学習に焦点をあてた新たなプレイリストが追加され、さらに曲の間に挿入されたボイスオーバーが、一緒に音楽を聞いている親と子どもの交流を促進する。

同社によれば、子どもが生まれてから特に0〜3歳の期間に、(一緒に歌うことを含めて)音楽を聞かせることで、脳や言語機能の発達を促すことができる。Spotifyはこの考えに基いて「子どもと家族」セクションを一新し、特に乳児・幼児にフォーカスすることを決めた。

新しい子ども向けプレイリストは、寝るときやお風呂の時間、車での移動といった日常生活に関する内容を中心に作られている。しかし、Spotify上にあるその他の選びぬかれたプレイリストと異なるのは、親子間の会話の促進を狙って曲間に挿入された、台詞や会話のきっかけとなるようなものの存在だ。

例えば、「次はどんな曲がいいでしょうか?」と尋ねる台詞が再生され、それを聞いている親子に対して、寝る前に聞くようなゆったりして落ち着いた曲を一緒に選ぶよう勧めるのだ。その他にも、親子に間抜けなダンスを作らせたり、子どもがリズムに合わせてジャンプしたり、手を叩いたり、体をくねらせたり、足を踏み鳴らしたりするよう促す台詞が挿入されるかもしれない。また、赤ちゃん言葉の子どもと親の会話を促し、会話の最初のステップをとるよう提案するような台詞もあるかもしれない。

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  2. Screen Shot 2016-08-15 at 10.22.41 AM

たくさんの有名人がボイスオーバーを担当しており、Spotifyの発表によれば、FantasiaやSarah Michelle Gellar、Wiz Khalifa、Tyler Perry、Juanes、Diego Torres、Frankie J、Laurie Berkner、Busy Philipps、Ashley Williamsなどが参加している。

また、準備されているプレイリストの内容も多岐に渡り、親が幼少期に聞いていたような「不朽の」名曲もあれば、Spotify上で他のリスナーに人気の最近の曲や、小さな子供だけでなく家庭で人気の曲も登録されている。

なお、ボイスオーバーとプレイリストは英語とスペイン語に対応している。

この新しい機能は、The Clinton FoundationとThe Opportunity Instituteの共同イニシアティブであるToo Small to Failに加え、Bezos Family FoundationのイニシアティブVroomより提供された研究結果に基いて、脳や言語機能の早期発達を促すために作られたとSpotifyは語る。Vroomは脳の発達に関する情報提供やプレイリスト内のアクティビティに関するアドバイスを行い、プレイリストの構築に携わった組織の名前は各プレイリストの情報内に記載されている。

さらに現在Spotifyは、Univision、the GRAMMY Museum、VH1 Save the Music Foundation、Fatherly、The Bump、Carnegie Hall、Gerber、ZERO TO THREEといった団体と協力しながら、継続的に子ども向けテーマ別プレイリストの作成にあたっている。

さらにSpotifyは、子ども向けカテゴリーのリニューアルを、同社にとって2つ目となる「社会貢献」イニシアティブに結びつけようとしている。イニシアティブの中でSpotifyは、Family Independence Initiativeとタッグを組み、プログラムのフィードバックを同社のネットワーク上の家族から集め、歌や音楽に関連したイベントを開催したい人に対して補助金を交付する予定だ。

「子どもと家族」セクションの改訂以外にも、Spotifyはユーザーベースの拡大に向けた取り組みの一環として、最近数多くの微調整や新機能の追加を行っていた。

例えば、今月Spotifyは初となるオリジナルビデオを発表した他、ゲームのサウンドトラックやその他の関連プレイリストを備えた新たなゲームセクションを追加していた。しかし、子ども向けセクションの一新で、Spotifyはより直接的にApple Musicに対抗しようとしている。というのも、SpotifyはAppleの「Frozen Radio」や「Lullabies」のように家族で楽しめるプレイリストを用意するだけではなく、子どもの早期学習に関連したコンテンツを提供しようとしているのだ。

新しい「子どもと家族」セクションにはspotify.com/singからアクセスできる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Spotifyの初オリジナルビデオは期待はずれな音楽史アニメ

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パッとしないオリジナルビデオ制作では、SpotifyがApple MusicやYouTubeに対抗することはできないだろう。ニューメディア企業ATTNとのコラボレーションで制作された3分間のビデオは、ウェブ上に溢れている無料動画となんら変わりないものだった。

「Deconstrucing」と名付けられたSpotify初となるこのビデオシリーズは、古臭い国歌や、LGBTラッパー、魔女のような振る舞いのアーティストなどについての短編アニメで構成されている。ハウスミュージックの誕生に関する最初のエピソードが、本日(米国時間8月11日)SpotifyアプリのVideos & Podcastsタブでプレミア上映され、今後さらにコンテンツが増えていく予定だ。以下がこの度発表されたビデオ。

5月にSpotifyはアプリ内のビデオコンテンツを充実させるため、12種類のオリジナルシリーズを制作予定だと発表した。以下が各シリーズの概要だ。

  • Rush Hour – バンに乗った2人のヒップホップアーティスト(伝説的なアーティストと新人)の話
  • Landmark – 音楽史を変えた出来事についてのドキュメンタリー
  • Drawn & Recorded – 音楽史のマイルストーンに関するアニメ(恐らくこれがDeconstructingになった)
  • Life in Short – 謎に包まれたアーティストの略歴紹介
  • Trading Playlists – 二人のセレブがお互いのSpotifyプレイリストを交換して音楽について教え合う
  • Singles – 様々なアーティストの代表曲をローファイなスタジオ録音音声で紹介
  • Rhymes & Misdemeanors – 音楽史に残る凶悪犯罪の検証
  • Ultimate/Ultimate – EDMアーティスト志望者のモキュメンタリー
  • Generations – 異なる世代のアーティストを組み合わせたパフォーマンス
  • Public Spaces – 歴史的建造物でのパフォーマンス
  • Flash Frame – Spotify版の音楽ビデオ
  • Focus On… – Spotifyのデータをもとに割り出された次世代の大型アーティストを追う

問題点として、オリジナルコンテンツはユニークで視聴者に見なければいけないと感じさせ、さらには話のネタにならない限りウケない。Game Of ThronesやHouse Of Cardsを思い浮かべてみてほしい。視聴者はこのような素晴らしい番組を制作者のプラットフォーム上でしか見ることが出来ないため、HBOやNetflixに利用料を払っているのだ。

しかし、Deconstructingの最初のエピソードは、どちらかというとアニメ化されたインフォグラフィックのようだった。ただの歴史を超越したドラマやストーリーがそこには感じられないのだ。ナレーションもわざとらしく媚をうっているように聞こえ、まるで法外な値段で制作されたスタートアップのローンチビデオと、バイラル化を狙いつつも内容の浅いBuzzFeedビデオの混ぜあわせのようにさえ感じる。

Spotify Deconstructed

実際のところ、元々Spotifyは3つのエピソードを公開する計画で、古い国歌がいかに差別・暴力的かという何ともつまらないエピソードからスタートしようとしていた。しかし昨夜急に計画が変更され、当初公開が予定されていた3つのエピソードには触れず、「How EDM Changed The World(電子音楽がどのように世界を変えたか)」という安っぽいビデオだけが公開されることとなった。どうやらSpotifyもビデオのクオリティに完全には満足していないようだ。

少なくとも来週中にはMetallicaに関するシリーズが公開される予定で、Napsterを廃業に追い込んだバンドという意味ではもっと面白いものを見ることができるかもしれない。さらにはApple Musicのビデオサービスとも対抗できるものになるだろう。なお、Apple Musicは最近権利を購入したCarpool Karaoke(米人気番組The Late Late Show with James Cordenの1コーナー)もビデオサービスの中に組み込む予定だ。

しかし、インターネット上の他のビデオを差し置いて、Spotifyの新しいビデオを見なければならない理由はどこにも見当たらない。つまり、この新たなサービスには、1億人のアクティブユーザーと3000万人の有料登録ユーザーを抱えるSpotifyのコミュニティに新たなユーザーを呼びこむ力がないのだ。Spotifyはビデオに手を出すのではなく、音楽という自らの強みを強化するような製品開発に集中すべきだ。新機能のRelease Raderプレイリストがその好例と言える。

Spotify Original Series

ビデオサービスへのリブランドは、未だビジネスモデルの安定化に取り組んでいるSpotifyにとってはとてつもなく大きな課題だ。ビデオ業界は既にYouTubeやNetflixなどの大手企業に支配されている上、既に忘れた人もいるかもしれないが、成功を左右する時期にVdioというサービスを立ち上げたことで軸がぶれてしまい廃業に追い込まれたRdioの例もある。

もしもSpotifyが音楽を聞いている人に視覚的なサービスを提供したいなら、再生されているアーティストの写真で構成されたスライドショーをループ再生すればいい。さらに、有名なバンドであれば個別にビジュアライザーを作ることもできるだろう。また、Geniusとのコラボで生まれたポップアップビデオ風の歌詞や曲の意味を表示する機能を強化してもいい。少なくともDeconstructingのような家でもつくれるようなアニメではなく、アーティストとのコネクションを利用して、Spotifyが今後他社とは違う映像を生み出していくことに期待したい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

TheWaveVRが250万ドルを調達、VR空間で音楽ライブを体験できるように

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音楽のデジタル化で、アーティストの楽曲を聞くという行為はこれまでに比べて格段に簡単になったかもしれないが、コンサートでのライブパフォーマンスの体験を再現できるような方法はこれまでなかった。

TheWaveVRはまさにそれを実現しようとしている。同社は、ソーシャルVRを利用し、これまでにないくらい音楽ファンとライブパフォーマンスの距離をデジタル上で近づけようとしてしているのだ。オースティンを拠点とし、設立からまだ6ヶ月のTheWaveVRは、募集枠を越える投資家が集まったシードラウンドで250万ドルを調達した。投資家にはKPCB Edge、Presence Capital、Rothenberg Ventures、RRE Ventures、The VR Fund、Boost VC、Luma Launch、Seedcampのほか、Mike FischerやJoe Krausといったエンジェル投資家が名を連ねた。

「私たちは、世界初となるVR上の音楽メタバースをつくることで、アーティストと音楽ファンのどちらにもツールを提供し、音楽による人の繋がり方を変えようとしています」とTheWaveVR CEOのAdam Arrigoは語る。「アーティストは、会場を本物そっくりのナイトクラブから宇宙に変えたり、想像もできないような照明を設定したりと、オーディエンスが音楽を楽しむ環境を完全にカスタマイズすることができます」

TheWaveVRのプラットフォーム上では、ユーザーがデジタルライターを頭上にかざしたり、頭を前後にふったりすると、アーティストがそれに反応することができるなど、両者の間でVRを通じたコミュニケーションがとれるようになっている。プラットフォーム上での体験の大部分が、ステージ上のアーティストの背後で巻き起こる素晴らしいデジタルライトショーによって構成されるため、少なくとも最初のうちは、このプラットフォームが特にEDM(電子ダンス音楽)に向いているといえる。現時点では全ての場面がアバターによって構成される可能性が高いが、まだこれは将来的なデジタルライブ体験の革命に向けた最初のステップに過ぎない。

初期のVR支持派にとっての課題は、プラットフォームのソーシャル面の可能性に関連した技術についてアーリーアダプターを納得させ、この技術は個々人で楽しむためのものだという、現時点ではもっともらしいイメージを拭い去ることだ。TheWaveVRの設立メンバーは、同社のプラットフォームを、ユーザーが仲間とプライベートコンサートを開いたり、ジャムセッションを開催したり、有名アーティストのライブへ行ったり、世界中の人と会ったりできるような空間に進化させていきたいと考えている。

TheWaveVRは、近々ロサンゼルスのVRLAカンファレンスで「サイレントレイヴ」を開催し、これまでで1番大きな実験を行う予定だ。会場では、参加者がヘッドフォンやヘッドセットを装着し、他の参加者と一緒に間抜けな姿を見せながらVR空間でDJの音楽を楽しむこととなる。これは、TheWaveVRにとって初めての大規模なライブイベントで、私も参加予定なのでTwitter上で今週末にその様子を確認してみてほしい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

PandoraがTicketflyとタッグを組んで近郊のライブ情報発信サービスを開始

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昨年、Spotifyがオススメ機能を担うエンジンをライブに向け、ユーザーが聞いている音楽にもとづいて近くで行われるライブ情報の提供を開始した。本日(米国時間7月27日)Pandoraは、昨年買収したTicketflyの力を借りつつ、同様のサービスを開始すると発表した。今後両社が協力して、ユーザーの聞く音楽のパターンをもとに、パーソナライズされたライブ情報の提供をPandoraユーザーに向けて行う。

あるアーティストがTicketfly上でイベントを作成すると、そのアーティストを好きなPandoraのユーザーは、近くで行われるライブに関するプッシュ通知を受け取るようになる。そして、ユーザーがプッシュ通知をタップすると、アプリ内のブラウザを通じてTicketflyのサイトに直接誘導され、チケットを購入することができる。

もしもイベントが発表された段階でまだチケットが販売されていなければ、ユーザーはプッシュ通知をタップして進んでいくことでリマインダーを設定することもできる。これにより、チケットの販売が開始されたときに2つ目の通知がユーザーのもとに届けられるようになる。

Ticketflyによれば、チケットの販売開始に関する通知サービスはそろそろ開始される予定だが、Pandoraアプリのフィードアラートはすでに公開されている。このフィード上に、イベントの発表やチケットの販売に関する情報が表示されるようになる。

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さらに、ユーザーの好みに合ったイベントのダイジェストが載ったメール配信サービスも今年中に開始される予定だ。このメールにはイベントのお得情報が掲載されているものもあり、ユーザーのチケット購入を促す効果があるとTicketflyは語る。

両社のサービスのさらなる統合に関するニュースは、昨年のPandoraによる4億5000万ドルでのTicketflyの買収後に巻き起こり、Pandoraのユーザーを地元のライブイベントへと結びつけることを目的としている。買収時点では、両社のサービスがどのくらいのレベルまで統合されていくのかハッキリしていなかったのだ。

この新たな動きによって、Ticketflyの1600組におよぶアーティストは、Pandoraの8000万人におよぶ月間アクティブユーザーをターゲットとすることができるとPandoraは述べる。同時に、Ticketflyが受け取るサービス料は、全てPandoraの米国会計基準上の売上に計上される予定だ。2つのサービスがPandoraの広く使われているアプリ上で繋がることで、両社の純利益も増加が見込まれる。

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「Pandoraアプリは世界で最も使われているアプリで、ユーザーは平均して月に24時間以上Pandoraアプリを利用しているのに加え、合計で月々18億3000万時間もPandoraアプリ経由で音楽を聴いています」とTicketflyのプロダクトディレクターのCaren Parkは発表の中で語っている。

さらにParkは、「これはつまり、イベントの発表時やチケット販売開始時に、これまでにないほどの数の目と耳が各イベントに向けられるようになることを意味します。さらにこれはまだはじまりに過ぎません。今後数ヶ月間のうちに、Pandoraのライブイベントマーケティングプラットフォームはさらに進化し、イベントの宣伝やアーティストのブランド構築が楽になることで、もっと多くのライブを少ない労力で行えるようになります」と付け加えた。

ユーザーの位置情報をもとに近くのイベント情報を発信するサービスは、今日ではたくさんの企業が行っている。Songkickとの協力によって生まれたライブ通知機能を備えたSpotifyやSongkick自身のほか、Bandsintown、Reverbnation、Jambase、Eventfulやその他の企業が同様のサービスを提供している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Lyftが乗車中に音楽が聴けるジュークボックスサービスを開発中か

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Lyftの車に乗り込むたびに、おそらく一度ならずドライバーからどんな音楽を聴きたいか尋ねられたことがあるだろう。あなたも私たち多くがそうするように、特に好みはないと答える傾向があるかもしれない。実のところ好みはあるのだが、いちいち考えたくないとか、あなたのSoundCloundの分かりにくいトラックをドライバーと分かち合う気になれないというのが理由だ。もっと別の方法があれば・・・。

最近Lyftが承認を得た特許によれば、Lyft はドライバーと乗客が乗車中の音楽をスムースに選べる仕掛けを考えているのかもしれない。2014年に出願されたその特許はLyftがドライバー・ジュークボックスを実現するための複数の方法について述べている。この件に詳しい情報提供者によれば、その特許は社内のハッカソンの結果から出願されたものだが、現在は特に何らかの作業が進行しているわけではないということだ。

しかしLyftとはお互いのサービスを真似しあうライバルであるUberは、つい先月ドライバーに流す曲を選択させるアプリケーションに関してPandoraと提携を交わしたばかりである。Uberはまた、乗車中に聴く音楽を乗客に選ばせるためSpotifyとも提携を行った。

Lyftは音楽提携の分野ではまだ何もしていないので、私たちはドライバー・ジュークボックスのようなアプリケーションの登場を心待ちにしている。

特許には、乗車時に乗客が音楽を選ぶシステムやドライバーと乗客の両方が音楽を選ぶシステムなどバリエーションがある。特許にはまた、RdioやSpotifyのようなサービスにまたがる様々な機能についての概要に触れ、ドライバーと乗客の共通の好みに合わせて、そうしたサービスからトラックを選択するオプションについても書かれている。

Lyftの広報担当者はTechCrunchに対して「私たちは様々なアイデアに対する特許を持っています。 それらのアイデアのいくつかは洗練されて実際のプロダクトやサービスに姿を変えますが、いくつかは使われません」と語った。「必ずしも当社の特許が将来の製品と直結するとは限りません」。

Lyft が開発を進めると決めれば、ドライバー・ジュークボックスがどのようなものになるかが明らかになるだろう。

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(翻訳:Sako Hiroshi)

Spotify>YouTube―音楽ストリーミングが音楽ビデオを追い越した

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ビデオが衰退しているわけではない。しかしオーディオはカムバックしつつある。アメリカでは史上初めて、オンデマンド・ストリーミングによって再生される楽曲の数がミュージック・ビデオの楽曲の数を追い越した。このシフトはビジネスがモバイルで収益を上げる上での音楽の重要性を示すものだが、同時にアーティストに著作権料をより多く支払うためにも役立つはずだ。

デジタル音楽のアナリティクスを専門とするBuzzAngle MusicがTechCrunchに語ったところによると、2016年に入って以降、アメリカのユーザーはオンデマンドで1140億曲をオーディオ・ストリーミングで再生しているという。これにはSpotify、Tidal、Apple Musicなどのサービスが含まれる。一方YouTubeアプリなどでの音楽ビデオの再生は950億回だった。MTV時代になって初めて音楽をオーディオのみで聞くことが復活した。

オンデマンド・オーディオ・ストリーミングは2016年の上半期に、前年同期比で107.8%の急成長を記録した。同期における音楽ビデオの伸びは23%だった。オンデマンド・ストリーミング全体では58.3%成長している。この数字はユーザーが意図して配信を要求したストリーミングのみがカウントされており、Pandoraのようなオンライン・ラジオは含まれていない。

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オンデマンド・ミュージック・ストリーミングのかなりの部分が有料契約オプションを持つSpotify、Apple Music (どちらも月額9.99ドル)などのサービスによるものだ。YouTubeは最近、広告なしでビデオでが視聴できる有料契約のオプションをスタートさせたが、大半のユーザーは広告を我慢して無料で視聴している。有料配信におけるロイヤルティーは無料ビデオの広告売上より大きくなるため、アーティストに1曲当たり支払われる額も増えている。

Spotifyの収入の大部分が著作権者への支払いにあてられるため、巨額の資金を持つライバルとの競争では苦戦している。Appleがオンデマンド・ミュージック・ストリーミングをスタートさせたのは2015年6月だったが、競争を有利に進めるためにiPhoneの売り上げによる巨大な資金力を注入している。Appleはユーザーを増やすための広告や、Drakeの新アルバムViews(BuzzAngleによると今年のトップ・アルバム)の先行独占配信権の獲得などに惜しげもなく資金を投入している。

Appleが音楽アプリで成功すれば、高価なハードウェアをさらに売ることに役立つ。Spotifyは今年に入って、厳しい条件だったが10億ドルの資金を転換社債で調達した。Spotifyは有料ユーザーを獲得する上で、Appleの3ヶ月の無料トライアルよりも同社が実施している無料オプションのほうが有効だと考えている。

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音楽そのものの売り上げは引き続き減少を続けている。デジタル楽曲の売り上げは24.2%、アルバムは 17.7%ダウンした。レコードが意外な復活を遂げ、17%の増加を示したとはいえ、CDセールスは9%ダウンし、物理的媒体のアルバムの売り上げは7%ダウンした(いずれも2016年上半期の対前年同期比)。

ストリーミングのロイヤルティーは消費者がCDに平均16.99ドルを支出していた黄金時代の水準には戻っていない。しかし有料契約者が増えればこのギャップは縮まるはずだ。あらゆるデバイスで常に再生が可能なストリーミング・サービスの普及で、ユーザーはシングルのヒット曲を聞くだけでなく、アーティストのアルバムの世界に浸る傾向を示している。そうした熱心なファンはアーティストのコンサートやグッズの売り上げの増大にも貢献する可能性が高い。

〔日本版〕Constin記者は元資料の増減の数字を利用している。音楽売り上げの分類が異なるため引用したグラフと記事中の数字は必ずしも一致しない。またグラフの注記によれば、「売り上げ報告が利用できるストアの分のみ集計。全ストアの売り上げはこの統計の額の2倍程度」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、ジェイ・ZのTidalと買収交渉―ビヨンセ、カニエ・ウェストがAppleで聞けるようになる?

NEW YORK, NY - MAY 17:  Jay-Z (L) and Memphis Bleek perform during TIDAL X: Jay-Z B-sides in NYC on May 17, 2015 in New York City.  (Photo by Theo Wargo/Getty Images for Live Nation)

「競争して勝てないなら買収してしまえ」という格言もある。 AppleはTidalと音楽ストリーミングの買収について交渉しているという。Tidalのアプリはビヨンセやカニエ・ウェストのようなビッグ・ネームの独占先行配信権を持っている。

Wall Street Journalの記事によると、交渉は始まったばかりで、買収が成立するとは限らないという。しかしAppleは音楽ストリーミングの分野でSpotifyと激しい競争を続けており、Tidalを買収できればApple Musicを大幅に強化することができる。

Appleはドレイクなどで自身の独占先行配信も強くプロモーションしているが、この分野ではTidalが先行している。ラップ・ミュージシャンのJay・ZがTidalを5600万ドルで買収したのは 2015年の3月だった。その後、Tidalは全面的なリニューアルを実行し、トップクラスのアーティスト多数と契約することに成功した。ビッグネームのアーティストの一部はTidalの所有権を共有することになった。Tidalに所属する著名なアーティストには、アリシア・キーズ、カルヴィン・ハリス、アーケイド・ファイア、コールドプレイのクリス・マーティン、ビヨンセ、ダフト・パンク、ジャック・ホワイト、J.コール、ジェイソン・アルディーン、カニエ・ウェスト、デッドマウ5、マドンナ、ニッキー・ミナージュ、リアーナ、アッシャーらが含まれる。

Tidal Exclusive Videos

Tidalはこうしたスターたちを共同所有者に加えるという条件で最新の楽曲を配信する権利を得た。当初こうした取り決めはビジネスとしてうまくいくはずがないと思われていた。しかしこのシステムのおかげでTidalはカニエ・ウェストの新アルバム、Life Of Pabloを数週間にわたって独占的に先行配信できた。またビヨンセのビジュアルな新アルバム、LemonadeをストリーミングできるのはいまだにTidalだけだ〔ジェイ・Zとビヨンセは結婚している〕。

Tidal Mobile

Appleは音楽をフラグシップ製品であるiPhonesの売れ行きも左右するようなモバイルの重要な要素と位置づけている。Tidalの言い値がいかに高かろうと、これだけのビッグネームをストリーミングできるとなればSpotifyに対する大きな強みとなる。

AppleがTidalの買収に成功すれば音楽ファンには便利になる。現在のストリーミングはバルカン諸国のように多数のサービスが並立し、楽曲のカタログは異なるアプリの間で細切れにされている。人気ラッパーのドレイクとカニエ・ウェストを聞きたいなら2つのアプリをインストールしなければならない。しかし一部のビッグネームを除けば2つのアプリはほとんどのミュージシャンが重複している。しかしリスナーはそれぞれに月額10ドルの料金を払わねばならない。Spotifyがレディー・ガガの前マネージャーでテクノロジー分野の投資家でもあるTroy Carterをスカウトしてから独占配信の傾向はますます強化された。

Apple Musicは現在1500万人の有料契約者がいるがSpotifyは3000万人だ(無料も含めた全リスナーは1億人)。 Apple Musicは急成長したが、音楽ストリーミング・サービスなど聞いたこともないような新規ユーザーを獲得するためにはTidalの買収は非常に効果的だ。そうでないとライバルのSpotifyはプレイリストとリスナー別のカスタマイズのしやすさを武器に地歩を固めてしまいかねない。

ただしAppleは現在でもApp StoreとiOSのオーナーであることを利用してSpotifyを妨害していると批判されている。AppleがTidalを所有すれば、リスナーは便利になると同時に選択肢が狭められることになるのも事実だ。しかしApple MusicでTidalのアーティストが聞けるのなら熱心なSpotifyファンの中にもAppleにに乗り換えるリスナーが出てくるだろう。

画像: Theo Wargo/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

‘音のPhotoshop’を自称する音響加工技術のiZotopeがさらに$7.5Mを調達

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Inceptionの予告編と、Rolling Stonesのレコードのリマスター盤と、ポッドキャストのSerialの共通点は何か?

どれも、すごいこと。そしてそれらの作者たちが全員、バックグラウンドではiZotopeのプロダクトを使って、そのすごさを演出していることだ。

iZotopeは2001年にMITの学部学生たちが創業し、最初にレコードシミュレーターの無料のプラグインをリリースして、競争の激しい音楽シーンでいきなり頭角を現した。2013年にはついにギアがオーバードライブに入り、1200万ドルのベンチャー資金を獲得した。今日(米国時間6/23)同社は新たに750万ドルの資金調達を発表したが、そのうちの250万ドルはABS Capitalと個人たちからのベンチャー資金、残る500万ドルはComericaからの融資枠だ。

“うちは音のPhotoshopみたいなもんだ”、とiZotopeのCEO Mark Ethierは語る。

そのAdobeと同じくiZotopeも、2003年にテレビの録音技術でエミー賞を取った。同社は、音のマスタリング、ミキシング、そして修復加工のためのソフトウェアとハードウェアを作っている。

本物のオーディオ狂(つまりぼくのお父ちゃん)についてぼくが知ってることといえば、新しいサウンドを体験するためなら何でもする、ということだ。そういう人にとっては、Native Instruments Komplete 10ライブラリにある12000のサウンドでも足りない。そんな人たちにiZotopeは、少なくともつかの間の逃避先を与える。

iZotopeのメインの仕事は、オーディオのトラックを修復加工するためのソフトウェアの制作だ。あなたは今、Mr.Robotの最終回を作っていて、すべてが完璧にできた。パチパチ音をたてて燃えている火のそばに、 White Roseが座っている。その表情も、ハープも、時計の音も、Emperor Neroのストーリーにふさわしく完全だ。

ところがそのとき、画面の外で、給仕を演じているエキストラが、オードブルがのっているトレイを床に落とした。以前なら、こんな場合は撮り直しになり、最初の完璧な雰囲気は失われる。しかしiZotopeのアルゴリズムは一種の音響スペクトログラムを作り、音を画像で表す。その画像を見ながらオーディオ技師たちは、要らない音を削除できる。

同社は2013年以降、倍の大きさになり、今の社員は100名を超えている。今後は製品の多様化とともに、より広い顧客ベースに奉仕していきたい、と考えている。

iZotopeの顧客は有名大企業が多いが、ホビイストや、自宅にスタジオがあってホームビデオを作っている人たちにも売っている。

“Star Warsの音響効果を作ったのと同じツールを、ミュージシャンたちが使ってドラムの音を加工している”、とEthierは付け加える。

競合製品は単純性とタップ一発で使えるモバイルのソリューションを売りにしているが、iZotopeはユーザー体験をだいじにしつつも、カスタマイズやコントロール、そして最先端の音響処理を重視している。

“今では、深層学習と機械学習で新しい技術を研究しているチームも、うちにいる”、とEthierは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BumbleがSpotifyと連携、デート相手は好みの音楽で決める

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Bumbleは急成長中の女性主導のデートアプリだ。今回BumbleはSpotifyと連携すると発表した。

Bumbleのユーザーは近いうちにデートのプロフィールにSpotifyのアカウントを連携し、プロフィールによく聞くアーティストを表示できるようになる。ユーザーが誰かのプロフィールに掲載されているアーティストをタップすると、Spotifyアプリのそのアーティストのページへと飛ぶ。

音楽の好みなんて些細なことと思うかもしれないが、好みの音楽はユーザーが誰かのプロフィールを右か左にスワイプするのを決めるほどの影響力があるとBumbleは考えているという。「音楽はその人がどのような人かについて多くを語ります。文化を通じてつながることは、意味ある関係を築く土台となります」とBumbleのファウンダーでCEOのWhitney Wolfeは言う。

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これまでもユーザーはプロフィールに好きな音楽を入力することができたが、多くのユーザーは時間をかけてまでプロフィールを埋めないこともBumbleは認識しているという。それに加え、ユーザーがこれからマッチングする可能性のある人が掲載している音楽を聴いてみたいと思った時にSpotifyへと直接飛ぶリンクがあるのも便利かもしれない。

現在、Spotifyにおけるユーザーの視聴行動を元に自動でよく聞くアーティストを引っ張って表示しているが、同社は特定のアーティストを隠せる機能も提供するという。これで、誰かに知られては恥ずかしいような音楽をプライベートで聞いている場合でも、Bumbleの公開プロフィールのペルソナにまでそれが反映される心配をなくす助けになるだろう。

パートナーシップは自然と起きたものだとBumbleは言う。この機能が実装に至ったのは、数年前にBumbleの社員とSpotifyで働くその社員の友人との取り止めもない会話がきっかけだったという。

この機能がユーザーのスワイプ傾向に影響を与えるのなら、デート相手を互いによく知るために、将来的に他の機能統合にも発展することになるかもしれない。

例えば、OpenTableのプロフィールと連携して良く行くレストランが表示されたり、Giltアカウントと連携してお気に入りのブランドを表示できたらどうだろう?アプリベースのデート相手探しだと限定的な情報(それも必ずしも正しいとは言えない情報)しか手に入らない状態で相手をスワイプするかどうかを決めなければならない。これらの連携は、意思決定において確かな情報をプロフィールに付加することにつながるだろう。

Bumbleにはこれ以上ユーザーにプラットフォームを使用してもらうためのインセンティブは必要ないようだ。アプリがローンチしてから18ヶ月が経つが、平均的なユーザーは日に100分もアプリを使用し、550万ユーザーを抱えているという(デイリーでアプリを使用しているのは110万人だそうだ)。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

Apple Musicの新しいデザインは以前のiPodを彷彿とさせる

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本日、Appleはまったく新しいバージョンのApple Musicを発表した。シンプルさを念頭に置きながら、「まったくのゼロから」創り上げたと同社は語る。

この発表に加え、Apple Musicの有料会員数が1500万人を超えたことも明らかになった。ユーザーの多くはApple Musicが提供するコンテンツには満足しているものの、その複雑なUIは同サービスの弱点でもあった。それが今回のアップデートによって改善されるかもしれない。

今回のアップデートにより、Apple Musicのデザインは明るくかつシンプルなものへと生まれ変わる。以前のバージョンにあった複雑さを取り除き、快適にサービスが利用できるように配慮されている。何百万もの音楽を一気に表示するのではなく、バックグラウンドを有効に活用することで、対話するようにアプリを操作できるようになった。新しいデザインは、敷居が低くてシンプルな以前のiPodを彷彿とさせるようなデザインとなっている。

複雑さを抑えるため、Apple Musicを起動した直後の画面はユーザーの音楽ライブラリを表示するようになっている。そして、このライブラリは2つのセクションに分けられる。ローカルに保存された音楽のセクションと、ストリーミング音楽のセクションだ。現在のApple Musicには「For You」と名付けられたタブがあるのだが、それこそが音楽を見つけにくくしていた。

その「For You」タブは残されるものの、そのタブはさらにDiscover、Recently Played、毎日更新されるプレイリスト用のセクションに分けられる。

それともう一つ。新しいApple Musicには歌詞を表示する機能が加えられる。流れる音楽にあわせて歌うことができるようになったのだ。

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[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

GoogleのAIが初期のCasioのシンセに匹敵する音とメロディーを作り出す

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それは1989年だった。親たちはベルリンの壁が取り壊されるのを見ていたが、あなたは二階の自分の部屋でCasio SA-1の電池を交換し、コンサートに備えていた。それが叩き出すビートは熱い。あなたはデモ曲“Wake me up before you go-go”聴き、自分もやる気むんむんとなる。100種類ある音色の02番、”HONKY-TONK PIANO”を選ぶ。そのプラスチック製の象牙(鍵盤)をまさぐり、気分は絶好調。さあ、行くぜ!

しかし、ここまで^

悪くないね、そう思わない? でもこいつは、当時7歳の練習熱心な子の迷演ではなくて、人工知能が作ったオリジナル曲だ。そのAIを作ったのはGoogle ResearchというかGoogle Brainの連中。すでに記事のタイトルにあるから、驚かなかったと思うが、タイトルを飛ばしていきなり本文を読んだ人は、どうだったかな? ( )。

これは、“マシンインテリジェンスに音楽やアートの高度な生成能力を持たせるための研究プロジェクト”Magentaの、最初の公開出力だ。プロジェクトのサイエンティストの一人Douglas Eckによると、機械学習は発話認識(speech recognition)のような比較的単純明快なタスクではかなり進歩してきたが、でもそれは、たとえば、音の並びが音楽と呼べるためには何がどうあるべきか、を学習できるだろうか? あるいは、アートとして鑑賞できる色や言葉の並びを? へんてこな詩(PDF)を作ったことは、あったけど。

“発話認識や、翻訳、画像アノテーション〔タグ付けなど〕などでうまくいったやり方を基盤として、アートや音楽を創造できるすばらしいツールを作れる、と信じている”、とEckは書いている。

クリエイティブなワークは何でもそうだが、Magentaもまず必要なのは練習、そしてフィードバックだ。そのためGoogleは、クリエイティブとプログラミングの両方の分野に、コミュニティへの参加を呼びかけている。コードのチェックや、データの供給などのためだ。このプロジェクトはGitHubに置かれ、Google自身のオープンソースの機械学習プラットホームTensorFlowも利用できる。あなた自身の、フォークを作ってみよう。

研究者たちが初めて、コンピューターに作曲をさせてみたのは、もうかなり昔の話だ(数十年前)。でもGoogle Researchの潤沢なリソースと頭脳があれば、Magentaはもう一歩二歩進んだ結果を見せてくれるかもしれない。

このプロジェクトの今後の進捗は、Magentaのブログでチェックできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ユーザー主導の音楽ビデオサービスMusical.lyがライブストリーミングのlive.lyをローンチ

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Musical.lyが音楽ビデオの枠を超えて、ユーザーがビデオをライブストリーミングできるプラットホームlive.lyをローンチした。ユーザーはlive.lyアプリを使ってブロードキャストができ、友だちなどはそれを、musical.lyで見る(視る)ことができる。

昨年ローンチしたmusical.lyは急成長が続いていて、今ではこの地球上の約8000万人のティーンが利用している。このアプリを使うと音楽ビデオを簡単に作れるし、またRihannaやMeghan Trainorといった人気アーチストの曲に自分の声をダビングすることもできる。

そして、live.lyが加わったことによって、“録画した(された)ビデオ”だけがコンテンツではなくなった。ライブのストリーミングはFacebookがFacebook Liveをローンチし、またTwitterのPeriscopeの絶えざる進化により、人気が爆発している。Musical.lyもこのトレンドに乗って、ライブビデオのビジネスでも強力なプレーヤーになりたいのだ。

musical.lyは最初、‘口パク’サービスとしてティーンたちの人気アプリになった。でも副CEOのAlex Zhuによると、やがて人びとは“自分たちが予想もしなかったやり方でmusical.lyを利用するようになった”。コメディや動物のビデオなど、音楽以外の利用が増えたためlive.lyは、そういう多様なビデオを軸に、ユーザーが互いにリアルタイムで対話する手段になるだろう、と彼は期待している。

live.lyはすでに一部のユーザーに提供されているが、数週間後には全ユーザーが利用できるようになる。

Musical.lyは、数年前にSnapchatが大人気になって以来初めての、急成長のソーシャルネットワークの一つだ。

本誌TechCrunchは、この上海生まれの企業の巨額の資金調達について報じたが、そのときの評価額は約5億ドルで、投資にはGGV CapitalやGreylockなどが参加した。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマホのイヤフォンで聴く音楽をゴージャスな3Dサラウンドサウンドに変えてしまうBoom

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Boom for iOSは音楽を変える。たぶん、良い方へ。このアプリは一種のイコライザーで、通常のMP3の音に低音と奥行きを加える。ベースがよく鳴る3Dサウンド的な音になるから、超安物のイヤーバッドでも音楽を楽しめる。スピーカーからの音には、臨場感‘らしさ’が加わる。

しかし、万人向き、ではないかもしれない。Peter Schickeleの後期のアルバムを昔のVictrolaで聴きたい、という純粋派には、たぶんだめだ。

そのほかの人は、このアプリを自分の音楽系アプリの一員に加えるとよいだろう。使い方はとても簡単で、このアプリを通して音楽を聴き、さまざまなエフェクトを選ぶ。3Dのサラウンドもどきもあれば、いろんなブースターもある。5日間無料で試用して気に入ったらお金を払う。DRMで保護されていたり、ストリーミングの音楽には使えない。

いろんな曲で試してみたが、音の分離が良くなるし、相当極端なリバーブもかけられる。

OS X上には5年前からあるアプリケーションで、これを作っているGlobal Delight社によると、月間アクティブユーザーは250万人以上いる。同社は、Camera PlusやVizmatoも作っている。

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ソフトウェアアーキテクトのSandhya Prabhuは、こう説明する: “市場における重要な差別化要因は、独自のオーディオ処理ロジックを使っていることだ。それによりこのアプリは、ヘッドフォンから聴こえるふつうのステレオ音に、リアルなサラウンドの空間感覚を加える。高価なハードウェアがなくても、いつでもどこでも、サラウンドサウンドを楽しめる”。

同社はこの技術を、ストリーミングサービスや各種メーカー企業にライセンスしている。だからそのうち、SchickeleのP.D.Q. Bachを昔のJVCのヘッドフォンで聴いても、すごい音になるだろう。18世紀のフリューゲルホーン奏者たちも、本当はそんな音を出したかった、…のではないだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プリンスとデヴィット・ボウイからはじまった音楽ストリーミングサービス

U.S. musician Prince performs at the Hop Farm Festival near Paddock Wood, southern England July 3, 2011.  Pop superstar Prince had no will, his sister said in court documents filed on Tuesday in state court in Carver County, Minnesota. Tyka Nelson petitioned for a special administrator to oversee Prince's estate, the documents showed.  REUTERS/Olivia Harris/File Photo

【編集部注】執筆者のTien Tzuo氏は、企業向けSaaSアプリケーションを開発するZuoraのCEO。

プリンスの早過ぎる死の後、彼の知られざる功績が次々と明らかになっている。差出人不明の小切手や、公民権活動家としての一面、そしてチャリティコンサートなどがその一例だ。現在、Paisley Park(プリンスが創設したレコード会社)のスタッフは、喪に服すファンにむけて、CDやTシャツなどの記念品が詰まった紫色の箱を配布している。

しかし、私は別のことついて記事を書きたいと思う。それは、プリンスファンへの仮想ラブレターとして、2001年のバレンタインデーに誕生した、オンライン購読型の音楽クラブNPG Music Clubのことだ。

ご存知の通り、プリンスとインターネットの関係はあまり良いものではなかった。その証拠に、ネット上で彼の痕跡を探してみてほしい。彼の音楽に関する厳重な管理や、頻発した削除要請の結果、痕跡をみつけることは、ほぼ不可能だと分かるだろう。しかし、あまり知られていないのは、プリンスがデジタルサービスにおける定期購読モデルの先駆者であったということだ。

5年間もの間、NPGMC(プリンスのバックバンドThe New Power Generationに由来)では、月間もしくは年間のメンバーシップが発行されており、メンバーには単に新しい曲が送られるだけではなく、コンサートでの特別席チケットのほか、サウンドチェックやアフターパーティーに参加できるパスなどが提供されていた。

そして恐らく最も重要なのは、NPGMCのウェブサイトが、プリンス最愛のファンに、気の合う熱狂的な仲間が集まる温かいコミュニティの中で「人生と呼ばれるものを乗り切る」ための場を提供していたということだ。

彼のその他の功績のように、プリンスは定期購読型のビジネスモデルでも成功をおさめていた。NPGMCは、単に請求書を毎月送付して、水路のように繰り返し発生する会員費をプリンスのもとへ運び込んでいたわけではない。NPGMCは、丁寧にそして敬意をもって育まれた、有意義な関係性の上に成り立っていたのだ。

音楽自体が、水や電気のようなものになっていくだろう。

— デヴィット・ボウイ

その代表例として、会員がNPGMCのサイトが重くて上手くアクセスできないと不満を伝えたとき、プリンスは、月々の会員費を7.75ドル(年会費100ドル)から、2.5ドル(永久会員費25ドル)に下げたというエピソードがある。また、2006年には、プリンスの築き上げた強固なコミュニティを讃え、ウェビー賞(ウェブ界のアカデミー賞とされる賞)のLifetime Achievement Awardが贈られた。その際にプリンスは、「オンラインにおける、プリンスのリーダーシップが、エンターテイメント界の形を変え、更にはアーティストとファンの関係性を再形成した」と評されていた。

プリンスは、いつも彼の一番のファンである購読者を最優先しようとしていたため、開設から5年経った頃、NPGMCがその可能性の限界に達したと感じ、ウェブサイトを閉鎖してしまった。閉鎖時に彼は、「NPGMCは、今のあり方で行き着けるところまで来たと感じている」と語っていた。

結果的にNPGMCは、プリンスが購読者に対して価値を提供し、アーティストとファンの関係に本当の意味で敬意を払っていると言えるような状態になるまで、半永久的な休止状態となった。その後NPGMCは、定期購読型の音楽仲間の集まりとして復活することはなかったものの、プリンス自身は、定期購読モデルにおいて大きな役割を担い続けている。

2015年12月に、プリンスは2枚のアルバムHITnRUN(Phase OneとPhase Two)を、Jay Zによる音楽ストリーミングサービス、Tidal上で発表した。Jay Zはプリンスとのパートナーシップに関する声明の中で、「全てのクリエイティブな人々に、彼らを愛しサポートしてくれるファンへ、直接語りかけられるような機会が与えられるべきだという信念を、プリンスとTidalは共有しています。そして、プリンスとのパートナーシップが、一対一のつながりや芸術を世界へ直接届ける、というTidalの真の哲学を表しているのです。」と述べた。

偉大なる故デヴィッド・ボウイは、2002年に音楽の未来について「音楽自体が、水や電気のようなものになっていくだろう」と予言しており、プリンスも同じ考えを持っていた。音楽を、デジタルフォーマットの購読型クラブを通してファンに直接届けるにあたり、ファンと直接的な関係や繋がりを築くため、二人共CDより遥か先を見据えていたのだ。

1980年代(そしてもっと後の年代まで!)の多くの子供達のように、私はプリンスを聞きながら育った。だからこそ、私を含む忠実なファンより、革新者であり先駆者、音楽界のアイコン、インスピレーション、宣教師、預言者そして詩人であり、常にそこにはない何かがあることを約束し、それをみつけるために私たちを導いてくれた彼に、お別れを告げよう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake