Zoomの新3Dアバター機能で、ちょっと不気味な動物としてミーティングに参加できるように

百聞は一見にしかず、というが、このZoom(ズーム)の新機能のイメージは次のひと言で言い表せる。「はぁ?」。

Zoomは米国時間3月22日、ウサギ(または犬、キツネ、パンダ、馬など)の姿でミーティングに参加できる機能を発表した。アバター機能は、ユーザーの頭の動きや顔の表情をミラーリングするために目、鼻、口の形を認識するが、同社は発表の中で、この機能は顔認識を使用しておらず、生体情報も保存しないことを明らかにしている。

これらのアバターは、Zoom疲れしている人に、実際にカメラに映ることなくボディランゲージや顔の表情を伝える方法を提供することを目的としている。その一方で、あなたが高校の教師だとして、クラスを教えるためにログインしたのに、代わりに25匹のウサギがズラッと画面に並び、まるでパンデミック時代の「ドニー・ダーコ」のリイマジニングの登場人物であるかのように、あなたをぼんやり見つめ返しているとしたら……。

アバターは、Zoomバージョン5.10.0以降であれば、WindowsとmacOSのデスクトップデバイス、およびiOSモバイルデバイスの両方で利用できる(馬になりたいAndroidユーザーの方、ごめんなさい)。この機能を使用するには「ビデオの開始 / 停止」ボタンの横にあるキャレット(^)マークをクリックする。「バーチャル背景を選択」または「ビデオフィルターを選択」のどちらかを選択すると「アバター」というタブが表示され、種族間変身を完成させることができる。

アバターは、バーチャル背景に対応している。しゃべる動物のアバターは、パーカーとTシャツのどちらかを着られるということも重要なポイントだ。

展開当初は動物アバターのみだが、今後、他の種類のアバターが追加されることは容易に想像できる(ここでまったく根拠のない予想を文章にしてみると、ZoomはUniversal Picturesと提携し、あなたの上司がミニオンに変身することだろう)。

Zoomは、この機能がバーチャルな小児科受診、子どもの科学教室、または「バーチャルイベント中のアイスブレーカー」として役立つかもしれないと提案している。最後の1つは無理があるかもしれない。しかし、もしZoomが、世界的なパンデミックの2年目に突入した我々のZoom疲れを癒したいのであれば、これをどうしたらもっと盛り上げられるか、いくつかの提案がある。

  • ボイスモジュレーターを取り入れる。そしてダース・ベイダーのように話しかけて、同僚を威嚇する
  • Zoomにポイントをつけてゲーム化する。ポイントは何の役に立つのかって?私はプロダクトデザイナーではないのでそれは知らない
  • タイムリミットのあるZoomルームにHPバーを追加する。時間の終わりに近づくと、画面の横に炎が現れ、会議が終わると爆発gifになる
  • Zoomで通話した人の10万人に1人が「トロン」風にコンピューターに吸い込まれることを伝えて、ユーザーベースにアドレナリンを放出させる。自分の肉体を再びコントロールできるようになる唯一の方法は、先延ばしにしていたメールを送ることだけ
  • 釣りのミニゲーム。企業向けソフトウェアでも、釣りのミニゲームさえあればすべてよりうまくいくものだ

画像クレジット: Zoom

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Den Nakano)

NICT、カメラ1台で動作や表情も再現可能な自分のデジタルツイン・3Dアバターを構築する技術「REXR」開発

NICT、カメラ1台で動作や表情も再現可能な自分のデジタルツイン・3Dアバターを構築する技術「REXR」開発

細やかな表情の変化を様々な方向から再現した3Dアバター

情報通信研究機構(NICT)は3月14日、たった1台のカメラの画像から自分のデジタルツインとなる3Dアバターをモデリングし、細かい表情や動作も三次元的にリアルに表現できる技術「REXR」(レクサー。Realistic and Expressive 3D avatar)を開発したと発表した。メタバースなどでのコミュニケーションで、アバター同士の深い相互理解が実現する可能性がある。同研究は、NICT ユニバーサルコミュニケーション研究所 先進的リアリティ技術総合研究室のMichal Joachimczak氏、劉珠允氏、安藤広志氏によるもの。

メタバースやMR(複合現実)で自分の分身となる3Dアバターは、現状ではあらかじめ用意されたCGキャラクターを使用することが多く、微妙な表情や動作の表現は難しい。自分自身のリアルな3Dモデルを作ろうとすれば、何台ものカメラやセンサーを使って体中をキャプチャーするといった大がかりなシステムが必要となる。NICTは、複数のAIモジュールを組み合わせることで、それをたった1台のカメラで可能にした。

まずは、カメラの前で1回転した画像からリアルな全身モデルを構築する。モデルができれば、後はカメラの前で動くことで、その表情や姿勢が推定されてモデルに反映される。時間ごとに変化する動作や表情が、3Dアバターに三次元的に再現され、どの方向からでも見られるようになる。

コミュニケーションの最中にわずかに顔に生じる表情の変化「微表情」(micro-expressions)や動作を忠実に再現できるため、アバターを通しての「深い信頼関係の構築やシビアなビジネス交渉」もリモートで可能になるとNICTは話す。今後は3Dアバターの三次元形状の正確さや動きの滑らかさといった精度の向上と、リアルタイム対応を可能にする技術開発を進めてゆくとのことだ。この技術の活用、実証実験、普及の際の倫理的、法的、社会的課題については、超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)のXR遠隔コミュニケーションWGなどと連携して取り組むとしている。

Meta、Horizon Worldsでアバターがお互いに約1.2m近づけない機能をオンオフ切り替え可能に

Meta(メタ)の新しいVR空間であるHorizon Worlds(ホライゾンワールド)とVenues(ヴェニュー)で、すでに女性が体を触られたりセクハラを受けたりしているという報告を受け、Facebook(フェイスブック)として知られていた会社は2022年2月、各アバターの周りに半径約60cmの泡を作る新しい「Personal Boundary(パーソナルバウンダリー)」機能を展開した。この機能により、アバターが互いに約1.2m以内に近づくことができなくなった。米国時間3月14日、Metaはこの機能をカスタマイズし、ユーザーがオプションでこの設定をオフにしたり、有効にするタイミングを制御できるようにした。

Horizon Worldsのすべての体験でバウンダリーをデフォルトでオンにする代わりに、すべてのインタラクションでこの設定を有効にするかどうかをユーザーが選択できるようにすると、Metaは発表した。これにより、VRユーザーは、この機能が開始される前の標準的な設定であったように、約1.2mのパーソナルバウンダリーをオフにすることができるようになる。望まないインタラクションを防ぐための小さなパーソナルバウンダリーはまだ存在すると、同社は言っているが、それは、過去にMetaの仮想世界で悪質な業者がレイプのシミュレーションを行うのを防ぐには、十分ではなかったことに注意するべきだ。

またユーザーは、友達以外に対してパーソナルバウンダリーを有効にすることができる。この場合、初対面の人と一緒にいるときは安全機能を有効にし、フレンドリストに載っている人とバーチャルに遊んでいるときはオフにすることができる。また、これまでと同じように、すべての体験でパーソナルバウンダリーを有効にすることもできる。

しかし、Metaによると、友達以外にだけパーソナルバウンダリーをオンにするよう初期設定を調整しており、このことは安全機能を少し後退させていることになる。Horizon Worldsが新しいソーシャルネットワークであることを考えると、人々は、仮想空間で出会った後、現実には知らない他のユーザーと友達になるかもしれない。つまり、ユーザーの友達リストは、そのユーザーが明確に信頼する人のリストとはまったく違うかもしれないのだ。というわけで、ここでも多少の注意が必要だ。

画像クレジット:Meta

Metaは、2月にパーソナルバウンダリー機能を展開した後、コミュニティからのフィードバックに基づいてこの変更を行ったと主張している。同社は、この新しいオプションにより、Horizon Worldsで他のアバターとハイタッチ、ガッツポーズ、自撮りをより簡単に行えるようになると考えている。

また、Metaによると、パーソナルバウンダリーは、2人が初めて会ったときに、より制限の多い設定にデフォルトで変更される。例えば、1人のパーソナルバウンダリーがオフで、もう1人のパーソナルバウンダリーがオンに設定されている場合、プラットフォームは2人の間に1.2mの空間を設定する。そして、ライブイベントのVR体験「Horizon Venues」に参加するすべての人のパーソナルバウンダリーは、およそ1.2mでデフォルトがオンになるようになったという。

この変更についての発表の中で、Metaは、VRのための開発が「もはや固定視点と従来のフラットスクリーンデバイスに制限されない今、我々がコンピューティングの世代で取り組んだ最も難しい挑戦の一部である」ことを代表していると認めている。

この声明は、同社のVR空間における女性を守ることができなかった以前の失敗の責任を、VR世界のための構築は新しいものであり、したがって、いくつかの試行錯誤が含まれるという事に責任逃れしているだけのようにみえる。そもそもMetaがより多くの女性エンジニアやゲーマーの意見を求めていれば、この話題が出なかったとは考えにくい。結局のところ、仮想空間における性的暴行は、他の仮想現実ゲームや、Second Life(セカンドライフ)のようなVRの先駆け、さらにはRoblox(ロブロックス)の子ども向け仮想ゲームでも繰り返し起こっていることなのだ。Metaが新しいVR環境を設計する際に、ビルトインの保護機能を考慮しなかったとは信じられない。また、成長や規模を第一に考え、ユーザーの安全を第二に考えるというFacebookの傾向は、Horizon Worldsのような新しいプロジェクトにも受け継がれていることがわかる。

同社は、パーソナルバウンダリーがVR体験に与える影響についてより多くのことを学びながら、改善を続けていくとしている。

画像クレジット:Meta

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Metaの社内研究開発グループNPE TeamがグループのためのToDoアプリ「Move」を発表

Metaの社内的な研究開発グループ「NPE Team」が、「Move」という新しいソーシャルアプリをローンチした。これは個人とグループ両用のToDoリストで、ユーザーはこのアプリで、個人でもグループでも何かしらのプロジェクトのために集まり、ToDoリストを作成し、まだ終わってない作業に関する注意や催促などすることができる。従来のToDoアプリと異なるのは、全体がゲーム化されている点で、終わった作業に対してユーザーがポイントを得たり、またアルパカで表現されるアバターに帽子や服、サングラスなどを着せてカスタマイズすることもできる。

その狙いはどうやら、グループへの参加を促すことにありそうだ。たとえばアバターのカスタム化では、グループのどのメンバーが生産性が高かったかを表現できる。たとえばアバターが何もアクセサリーを付けていなかったら、その人はグループのプロジェクトにまだ参加していないといった感じで。それを軽いプレッシャーにして、参加を促すこともできそうだ。

Metaによると、Moveは同社のNew Product Experimentation(NPE)の、まだ小規模の初期テスト段階であり、完成したらコミュニティの事業やクラスのプロジェクトで使われるだろうと考えている。彼らによると、これは一種の「ソーシャルタスキング」ツールであり、グループのToDoがアクセスしやすく、より透明になる。アプリはローンチの前に、コミュニティのリーダーたちにテストしてもらい、フィードバックを得ている。

Moveは、学生のグループプロジェクトや婦人会 / 女子会、同好会、ルームメートたちのToDoリスト、地区会、コミュニティのプロジェクト、あるいは個人のToDoリストや家族の雑用にも使えると同社は提案している。

MetaのNPE Teamは最近フォーカスを変えて、次世代の新しいソーシャル体験を作るよりも、もっとグローバルな視野を持っている。Metaがこれまで投資してきたのは、AIでバーチャルキャラクターを作るデベロッパープラットフォームInworld AIや、元服役者の社会復帰やこれから親になるLGBTQの家族を助ける、特にソーシャルではないアプリだ。同社によると、このようなNPEの方針変更には、小規模な起業家チームへの投資も含まれるという。

Moveの立ち上げは、このグループがソーシャルのプロジェクトを完全に放棄したのではないことを示しているようだ。しかしこのアプリは、12月からのNPEの方針転換よりも前に開発されていた。

アプリは現在、米国のApple App Storeで無料でダウンロードできる。アプリ内支払いやサブスクリプションはない。Metaによると、このファーストリリースからより多くを学びたいという。

画像クレジット:Meta

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(文:Sarah Perez、加筆:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

ゲームエンジン「Unity」を用いた専用アプリで、骨格運動と筋活動の3次元データを可視化

東京大学は3月3日、複数のカメラで撮影したビデオ映像から人体のポーズをコンピューター上に3次元再構成し、運動解析、筋活動解析の後、ただちにデータベース化して可視化するまでを完全自動化するサービスを開発したと発表した。スポーツ、介護、医療など幅広い分野での運動データの利用が可能になるという。アバターやロボットの全身運動のデータ取得にも使えるとしている。

同研究は、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター 社会連携講座「ヒューマンモーション・データサイエンス」の中村仁彦上席研究員、東京大学大学院情報理工学系研究科 池上洋介助教、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター HERNANDEZ Cesar特任研究員、東京大学大学院情報理工学系研究科 櫻井彬光氏ら研究グループによるもの。人の体のデジタルツイン(コンピューター上に再現された「双子」)を作成しデータベース化するためのビデオ映像入力から筋活動出力までの工程を、完全自動化することに成功した。

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

カメラ4台を用いたモーションキャプチャーの様子

研究グループはこれまでに、モーションキャプチャーで得られた骨格の運動から関節に働く力や筋活動を推定する技術、骨格モデルを対象者の体型に合わせる骨格スケーリング、複数カメラで撮影した映像から骨格運動を3次元に再構成し筋活動解析を行う技術などを開発してきた。また、モーションキャプチャーにおいては、体にマーカーを装着することなく行える効率的な方法も編み出している。

今回の研究では、映像入力から筋活動の出力までを支える一連のアルゴリズムを統合し、全体の計算をパッケージ化してAmazon Web Services(AWS)上に実装することに成功した。また、計算を完了しデータベースに記録されたデータは直後から検索が可能になり、可視化システムによりグラフ表示も行えるようになる。さらに、ゲームエンジン「Unity」を用いた専用アプリで運動を3D表示することも可能となった。

東京大学が人体のデジタルツイン作成を完全自動化、ビデオ映像入力から運動解析・筋活動解析・データベース化まで

グラフ化された運動解析データ

以前は、計算段階で人手による例外処理を必要とするなど、生産性に限界があったため、特定のアスリートに限った運動解析しか行えなかったが、この全自動化されたシステムを用いれば、多くの人の運動解析が可能となる。研究グループは、「青少年スポーツ選手、競技スポーツの選手からスポーツ愛好家、リハビリや健康ために運動を行う高齢者まで、広い世代の多くの方々に運動解析や筋活動解析を使ってもらえるようになった」と話す。今後は「チーム競技のデジタイズとチームプレイの解析、計算の効率化・高速化、スポーツ・データサイエンティストの養成」などの研究に取り組み、東大発スタートアップでの商用実施を目指すとのことだ。

BTS所属のHYBEも注目、AI使った合成アバターをクリエイター向けに提供する韓国Neosapience

人工知能(AI)を活用した音声・映像技術は、近年、着実に人気を集めている。韓国のスタートアップ、Neosapience(ネオサピエンス)は、ユーザーがスタジオで録音や編集をすることなく、テキストを動画に変換できる合成音声・動画プラットフォーム「Typecast」を開発した。

Neosapienceは米国時間2月22日、成長を加速させ、新たな地域(特に米国)での事業を拡大するために、シリーズBラウンドで2150万ドル(約24億7400万円)を調達したと発表した。BRV Capital Managementが主導した今回の資金調達により、同社の累計調達額は約2670万ドル(約30億7200万円)に達した。本ラウンドには他にも、Stic Ventures、Quantum Venturesが参加した。既存投資家であるCompany K Partners、Albatross Investment Capital、Daekyo Investment、TimeWorks investmentsも参加した。

Neosapienceの共同創業者兼CEOであるTaesu Kim(キム・テス)氏はこう述べている。「今回の資金調達により、リーチを拡大し、限界をさらに押し広げることができます。より少ない労力でコンテンツを作ることを可能にするだけでなく、AIを使ったバーチャルアクターを誰もが利用できるようになるという我々のビジョンを実行することが可能になります」。

元Qualcomm(クアルコム)のエンジニアが集まって2017年に設立した同社は、韓国語と英語の170人のバーチャル声優を提供するAIボイスサービスプロバイダーとしてスタートした。2022年1月には、実在の人物のように見えるAIを活用した合成動画(アバター)機能を追加した。日本語やスペイン語など、他の言語も追加していく予定だという。

画像クレジット:Neosapience

同社のユーザーの大多数は主にクリエイターや企業のクライアントで、ビジネスやVlog、ゲームなどの個人的なチャンネルのためにビデオやオーディオコンテンツを作成するためにこのツールを使用していると、キム氏はTechCrunchに語った。企業クライアントには、韓国のボーイズグループBTSの声を作りたいと考えている、同グループが所属するHYBE Entertainmentの子会社HYBE EDUのようなメディアやエンターテインメント企業の他、オーバーザトップ(OTT)プラットフォームも含まれている。また、複数の電子書籍プラットフォームがTypecastを利用して、同社のAI声優が作成したさまざまなオーディオブックを提供していると、同氏は説明してくれた。ユーザーは、実際の俳優を雇う代わりにTypecastのアバターを使用することで、音声品質を維持しながらコストと時間を削減できるという。

「クリエイターが当社のサービスを使って、より多くの、より良いコンテンツを作ることを支援したいと考えています。クリエイターエコノミー全体が我々にとっては対応可能な市場であり、その規模は1040億ドル(約11兆9700億円)と推定されています」とキム氏はいう。

画像クレジット:Neosapience

競合他社との違いの1つは、人間のような感情の表現、話し方、韻律制御、ボーカル、ラップボイス技術など、Typecastの高度な技術にあるとキム氏は語る。

BRV Capital ManagementのマネージングディレクターであるYeemin Chung(チョン・イェミン)氏は、声明で次のように述べている。「人間の感情をテクノロジーによって表現することは、これまで非常に難しいことでした。「Neosapienceは、音声・映像合成の分野で先頭を走り続け、個人のクリエイターやエンターテインメントのための商業インフラの構築に成功しました。世界中のメディア企業は、デジタルコンテンツやバーチャルコンテンツの制作に感情を組み込む方法を革新するために、(この技術に)簡単にアクセスすることができます」。

Neosapienceのユーザーは現在、100万人以上いるという。過去2年間、2019年11月のローンチ以来、その収益は毎月約18%の成長を遂げている。同社の従業員は1月時点で41人。

「この1年で急速に成長しましたが、AIを活用したバーチャルヒューマンと、その合成メディアやインタラクティブコンテンツへの応用において、誰もが認めるグローバルリーダーになるために、さらに邁進する機会があると考えています」とキム氏は語った。

関連記事:実在しているような合成アバターがしゃべるプレゼン動画を簡単に作れるSynthesiaの技術

画像クレジット:Neosapience

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(文:Mike Butcher、翻訳:Den Nakano)

凸版印刷、アバターの真正性を証明する管理基盤AVATECTを開発、メタバースでのアバター不正利用やなりすまし抑止

凸版印刷、アバターの真正性を証明する管理基盤AVATECTを開発、メタバースでのアバター不正利用やなりすまし抑止

凸版印刷は2月18日、メタバースへの社会的な関心の高まりを受け、自分の分身として生成されたアバターに対し、唯一性を証明するアバター生成管理基盤「AVATECT」(アバテクト)を開発したと発表した。2月より試験提供を開始する。

凸版印刷は、写真1枚で3Dアバターを自動生成できる同社サービス「MetaCloneアバター」や、構築したメタバースの中で様々なビジネスを行う事業者などに向けて、AVATECTの試験提供を実施。複数のメタバース事業者間における同一アバターの行動分析や、それに伴うプライバシー保護の有用性の検証を経て、2022年9月までにアバター管理事業を開始し、2025年度までにメタバース関連事業として100億円の売り上げを目指す。

昨今、メタバース市場への関心が高まる一方、本人の許可や確認のない映像などによりアバターが生成されてしまう危険性や、アバターのなりすまし・不正利用がメタバース普及の大きな課題になっているという。また凸版印刷は、メタバース上でアバターの行動に対する倫理規定が進んでおらずディープフェイクのようなリスクが生じる危険性があると指摘。

凸版印刷は、メタバース普及に伴うそれらセキュリティリスクを低減させるため、アバターの出自や所有者情報を管理すると同時に、NFTや電子透かしによってアバターの唯一性・真正性を証明できるアバター生成管理基盤として、AVATECTを開発した。

アバターに関するメタ情報を管理

アバターを生成した際に「モデル情報」(氏名・身体的特徴・元となる顔写真など)、「モデルが当該アバター生成に対して許諾しているか(オプトイン)の情報」「アバター生成者(もしくは生成ソフトウェア、サービス)情報」「アバター生成日時情報」「現在のアバター利用権情報」などを、メタ情報として記録。「アバター生成管理基盤」に、アバター本体とメタ情報を紐づけて保管する。

NFT化と電子透かしで唯一性と真正性を証明

生成したアバターをNFT化することで、アバターに唯一性を示す情報を付与する。一方、NFT化だけではアバターの不正コピーや二次加工は防止できないため、AVATECTでは、目視では判別できない情報「電子透かし」を埋め込むことで、オリジナルかコピーされたものかを判別できるようにし、アバターの真正性を証明する。凸版印刷、アバターの真正性を証明する管理基盤AVATECTを開発、メタバースでのアバター不正利用やなりすまし抑止

アバターの本人認証(2022年度実装予定)

凸版印刷が提供する「本人確認アプリ」との連携により、アバターの登録やメタバースへのアバターのアップロードロード権限を、本人確認された利用者のみに限定することを実現する。またこの本人確認アプリでは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が提供する公的個人認証システムと連携し、マイナンバーカードを使って本人確認を行う。

将来的には、メタバース内で提供される会員入会申込みやオンライン決済のような本人確認が必要なサービスにおいて、アバターと本人確認された利用者を紐づけることで、サービス事業者が本人確認書類の確認プロセスを経ずにサービス提供を行えるようにする。

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

エイベックス・テクノロジーズは2月16日、ウェブカメラとPCだけでVRM形式3Dキャラクターモデル(アバター)を全自動で動かして遊べるPC用ソフト「RiBLA Broadcast (β)」の無料提供を開始した。創作物の総合マーケット「BOOTH」(ブース)上で公開している(ダウンロードにはpixiv IDが必要)。対応OSはWindows10以降、macOS 10.15.7以降(10.12以前は動作しない)。

合わせて、RiBLA初のオリジナルキャラクターのアバターを無償配布し、キャラクターグッズの予約販売も行っている。PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

RiBLA Broadcast (β)は、ウェブカメラの撮影映像を基に、VRM形式アバターを操作できるというVtuberツール。ユーザーの動作・表情の情報をカメラ映像から自動で取得しており、骨格推定・AIによる表情認識を行っているため、専用のトラッキング機材を導入することなく、初期コストなしで全自動でアバターを動かせる。表情切り替えや細かな動きの調整については、手動でも行える。

また、任意のVRM形式アバターをドラッグ&ドロップですぐに導入できるほか、背景としてクロマキーや好きな画像を設定可能。

このほか、オープンソースソフトウェアの配信ツールOpen Broadcaster Software(OBS)と組み合わせることで、YouTubeやTwitchなど動画配信プラットフォームでの生配信に利用できる。

無償提供のオリジナルキャラクターは、「生駒ミル」(いこまみる)、「九条フレカ」(くじょうふれか)の2種類で、イラストレーターのkonomi(きのこのみ)氏がデザインしている(九条フレカは後日公開)。フォーマットはVRM形式で、今後もラインナップを追加予定という。

PCとウェブカメラだけで3Dキャラクターを動かせる、Vtuberツール「RiBLA Broadcast (β)」が無料提供開始

画像左側キャクターが九条フレカ(くじょうふれか)で、右側が生駒ミル(いこまみる)。キャラクターデザインは、konomi(きのこのみ)氏が担当している

またこれらアバターは、RiBLA Broadcast (β)以外にも、3Dモデルを扱えるソフトウェアやVR向けSNSなど、様々なサービス・用途で利用可能。


©Avex Technologies Inc.

チャットやビデオ会議の代わりにアバターを採用、孤独を感じない快適なデジタルワークプレイスを提供する「Pesto」

Pesto’の社員アバター(画像クレジット:Pesto)

私たちの仕事の世界がメタバースに移行しつつある中、以前はPragli(プラグリ)として知られていたPesto(ペスト)は、リモートワークを少しでも孤独を軽減しようと、アバターアプローチで参入している。

「Zoom疲れ」は、2019年に会社の構想を練り始め、1年後に正式発表したDoug Safreno(ダグ・サフレノ)氏と共同創業者のVivek Nair(ヴィヴェク・ネア)氏にとってリアルなものだった。彼らのアイデアは、従業員が職場でアバターをカスタマイズできるデジタルネイティブなヒューマンワークプレイスで、アバターがビデオの代わりとなり、疲労感が少なく、よりパーソナルになるというものだ、CEOのサフレノ氏はメールで説明した。

「workplace(ワークプレイス)」には、社員が作ったさまざまな部屋があり、スクリーンシェア、ビデオ、ゲーム、または空間的な機能を含むオーディオファーストのコラボレーションのための組織的なスペースとなる。

「私たちがPestoを設立したのは、テキストチャットとビデオ会議の間で行き詰まったからです」と、サフレノ氏は付け加えた。「テクストチャットは、やりとりが多く、時間がかかるのでイライラしますし、また、ビデオ会議は堅苦しく、スケジュールを組むのが大変でした。ビデオ会議は、やる気をなくさせるようで、楽しいものではないです。Pestoは、より人間らしいリモートワークの方法なのです」。

2年近く経った今、Enhatch(エンハッチ)、Sortify.tm(ソルティファイ.tm)、HiHello(ハイヘロー)、FullStory(フルストーリー)、aiPass(aiパス)、Tidal Migrations(タイダルマイグレーション)といった企業の1万以上のチームと連携し、ユーザーは1億分以上の音声とビデオを記録しており、同社の初期の仕事は成果を上げている。

米国時間2月1日、同社は、Headline(ヘッドライン)が主導し、K9 Ventures(K9ベンチャーズ)、Rucker Park Capital(ラッカーパークキャピタル)、NextView Ventures(ネクストヴューベンチャーズ)、Collaborative Fund(コラボレーティブファンド)、Correlation Ventures(コーリレーションベンチャーズ)、Garrett Lord(ギャレット・ロード)、Nikil Viswanathan(ニキル・ヴィスワナサン)、Joe Lau(ジョー・ラウ)が参加する500万ドル(約5億7300万円)のシード資金調達を発表した。

サフレノ氏は、世界は「産業革命以来、人々の働き方に最大の変化が起きています」と、語る。オフィスの稼働率が20%以下にとどまっている中、ほとんどの社員が対面式の仕事に戻る可能性は低いにもかかわらず、オフィスで働くために作られたツールを使わざるを得なくなっていると彼は考えている。これに対し、Pestoは、対面よりもデジタルで共同作業や交流を行う未来の仕事に適合するように設計されていると、彼は付け加えた。

利益率や売上高は明らかにしなかったが、1年前は創業者2人だけだったのが、今では従業員数は8人に増えたという。

今回の資金調達により、ペストは総額600万ドル(約6億8800万円)の投資を行うことになる。この資金は、製品設計やエンジニアリングチームの雇用、製品開発、特に職場のメタバース体験を深める機能の構築し、より複雑なコラボレーションニーズを持つ大企業をターゲットにした開発に使われる予定だ。

Pestoは現在、無料で利用できるが、2022年後半には有料ティアを導入する予定だ。

HeadlineのパートナーであるJett Fein(ジェット・ファイン)氏は「こだわりのあるユーザーベース」を持つ企業をよく探しており、Pestoにそれを見出した。

リモートワークがなくなるとは思えないので「より本格的でコラボレーション可能なツール」が求められているのだと、彼は付け加えた。Pestoは、多くの企業や従業員が抱えている、ビデオ会議疲れやコラボレーションスペースの不足といった問題を解決してくれると確信しているからだ。

このように、同社のメタバース機能は「自然で自由な人間同士の交流」を職場に取り戻すことができる点で、際立っていると感じており、今後このような従業員間の交流に投資する企業が増えていくことが予想される。

「Doug(ダグ)、Vivek(ヴィヴェック)、Daniel Liem(ダニエル・リエム)氏(創業者 / 製品責任者)の3人は、まさに未来の仕事のために作られたプラットフォームを作り上げました」とファイン氏はいう。「過去数年間、私たちは分散型チームで仕事をすることの利点と落とし穴を目の当たりにしてきました。自由と柔軟性を手に入れた反面、職場でよく見られる仲間意識や予定外の会話は失われてしまいました。Pestoはこうした課題に対する答えであり、遠隔地でのコラボレーションや共同作業が、直接会っているときと同じかそれ以上に効果的に感じられるような未来を創造するものです」。

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(文:Christine Hall、翻訳:Yuta Kaminishi)

OBS経由でZoomビデオ会議に利用可能、PCとウェブカメラだけでVTuber用アバターが使えるシステムが無償公開

ユーザーローカルは1月28日、ウェブカメラの映像を基にPC用ウェブブラウザー上にVTuberで使われるVRMキャラクターを表示する「ユーザーローカルWebcam VTuber」の無償提供を開始した。ソフトウェアをインストールするといったことは必要ない。利用者によるオリジナルVRMモデルのアップロードをサポートするほか、オープンソースソフトウェアの配信ツールOBS(Open Broadcaster Software)やHDMIキャプチャーと組み合わせることで、YouTubeでの配信やZoom通話に利用できる。

Webcam VTuberは、ウェブカメラを搭載したPCのウェブブラウザーで「ユーザーローカルWebcam Tuber」サイトにアクセスするだけで利用可能なサービス。

同サービスでは、AIアルゴリズムによってカメラ映像から利用者の顔の動きやまばたきを読み取り、画面内のVRMキャラクターにリアルタイム反映させる。ハンドトラッキングにも対応しており、腕や手のひら、指の動きを3Dモデルに反映できる。なお、AIによる顔のトラッキングや骨格推定はすべてウェブブラウザー内でのみ行われ、利用者のカメラ映像がインターネット上に送信されることはない。

顔の表情は「笑顔」「困り顔」「怒り顔」などがプリセットされており、画面上の表情アイコンやショートカットキー(1~5の数字)により変更可能。キャラクターアバターも複数モデルに切り替え可能で、利用者によるオリジナルVRMモデルのアップロードにも対応する。

動画配信ツールOBSなどで画面合成して配信したい場合、背景をグリーンバックに変更する必要がある。画面上の操作ボタンは非表示にできる。配信中のキャラクターのサイズ変更は、ショートカットキーとして「i」(ズームイン)、「o」キー(ズームアウト)を利用する。

対応OSは、Windows、Mac(M1以降推奨)、対応ブラウザーはChrome、Firefox。利用マニュアルも同時に配信している。

MetaがInstagramに3Dアバターを導入、FacebookとMessengerにも新オプションを展開

Meta(メタ)は、同社の3DアバターをInstagram(インスタグラム)に導入し、さらにFacebook(フェイスブック)とMessengerアプリにもアップデートされたアバターを展開することを発表した。これにより米国、カナダ、メキシコのユーザーは、ステッカー、フィード投稿、Facebookのプロフィール画像などにバーチャルな自分を表示できるようになった。

米国時間1月31日のアップデートでは、VRを含むすべてのプラットフォームで、数種類のカラーの人工内耳と耳かけ型補聴器が追加された。また、今回のアップデートではFacebookのステッカー、Messengerチャット、InstagramストーリーズやDMに表示される車いすが追加された。Metaは、アバターがより本人らしく見えるように特定の顔の形を調整することで、アバターの見た目も改善している。同社は、今後もアバターエディターにアイテムを追加していく予定だという。

MetaのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同氏のFacebookプロフィールに掲載された声明の中でこう述べている。「Metaのアバターは、表情や顔、肌のトーンを増やし、車いすや補聴器なども追加してアップデートされました。デジタル衣類の実験も始めています。アバターは、Quest、Facebook、Instagram、Messengerのすべてで使用できます。いつの日か、表情豊かなものからフォトリアリスティックなものまで、複数のアバターを持てるようになるでしょう。近いうちにもっとシェアできることを楽しみにしています」。

今回のアップデートにより、ユーザーはVRを含むすべてのMetaプラットフォームで同じアバターを使えるようになった。ユーザーがFacebookやMessengerでアバターに加えた変更は、自動的にInstagramにも反映され、その逆も同様だ。ユーザーは、異なるプラットフォーム用に異なるアバターを作成するオプションもある。Metaは、時間をかけて、ユーザーがアバターを場所から場所へと簡単に移動できるようにすることを目標としており、将来的にはこれに関する最新情報を共有する予定だと述べている。

画像クレジット:Meta

また、MetaはNFLと提携し、スーパーボウルに向けてファンがお気に入りチームを応援する方法を提供する。2月28日までの期間中、ユーザーは自分のアバターが着る洋服を通してCincinnati Bengals(シンシナティ・ベンガルズ )またはLos Angeles Rams(ロサンゼルス・ラムズ)を応援することができる。どちらかのチームを選びたくないユーザーのために、ニュートラルな「Super Bowl LVI」シャツも用意されている。

Metaのアバター&アイデンティティ担当ジェネラルマネージャーであるAigerim Shorman(アイゲリム・ショーマン)氏は、今回のローンチについてブログで次のように述べている。「VRとQuestは当社のメタバースビジョンの重要な部分ですが、私たちはメタバースを相互に接続されたデジタルワールドとして捉えており、スマホやパソコンなどのより身近なプラットフォームに加えて、VRとARを橋渡しするものだと考えています。アバターを当社のプラットフォームに展開することは、この実現に向けた初期の一歩です。あなたの新しいバーチャルな自分が、オンライン上であなたの望むように表現されるよう願っています」。

同社は、Snap(スナップ)のBitmojiに対抗する手段として、2020年に初めてアバターを発表し、その後も継続的にアップデートを行ってきた。例えば、Metaは2021年、アバターをよりカスタマイズ可能で多様性のあるものにすることを目的として、目、鼻、ひげ、ヘアスタイルの新しいオプションを発表したが、今回の新しい変更はその一環だといえる。しかし、Metaはこれまでのアバター採用に関する数字を公表していない。

今回のアップデートは、Metaが2月2日に第4四半期および通期の業績を発表する予定であるタイミングで行われた。同社はその際、AR・VRハードウェア部門の業績を初めて公表する予定だ。

画像クレジット:Meta

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(文:Aisha Malik、翻訳:Aya Nakazato)

韓国NAVER Zがメタバースクリエイター向けの約115億円ファンドを設立

韓国のインターネット複合企業NAVER Group(ネイバーグループ)は、若いユーザーをターゲットにした最もホットなインターネットトレンドに乗り続けている。メッセージサービス大手のLINE人気の自撮りアプリSnowを手がけたのも同社だ。そして今、RobloxやEpic Gamesなどの大手ゲーム会社で話題になっているメタバースという最新のコンセプトに向かっている。

3DアバターアプリZepetoを運営するNAVERの子会社であるNAVER Zは、クリエイターがスマートフォン、PC、VR機器向けに2Dおよび3Dコンテンツを開発できるプラットフォームUnityを搭載した新開発のプラグインを宣伝するため、今後数カ月内に1億ドル(約115億円)のファンドを設立する。

リリースから4年となるZepetoは、エンターテインメント、ゲーム、ソーシャルネットワーキングを融合させた体験を提供している。ユーザーは、自撮りした写真を3Dアバターに変換したり、デジタル空間をデザインしたり、他のユーザーと交流したりすることができる。NAVER Zの最高戦略責任者であるRudy Lee(ルディ・リー)氏はTechCrunchに、Zepetoの月間アクティブユーザー数は2020年5月の1000万人から1月時点で2000万人に増加したと語った。

同アプリの登録ユーザーは1年半前からほぼ倍増して2億9000万人となり「ワールド」という、Robloxの「エクスペリエンス」に相当するユーザー生成型の仮想空間での平均セッション時間は30分だという。

Zepetoは世界中にユーザーを抱えているが、特に韓国と中国の10代から20代前半の女性に人気がある。ターゲット層を考えれば、GucciRalph Laurenなどのデザイナーブランドや、BlackpinkやSelena Gomezといったセレブが、Zepetoを使って自社ブランドのデジタル体験を構築しているのは当然だろう。現実の世界ではほとんどの人にとって法外に高価なデザイナーズアクセサリーが、Zepetoの仮想世界では突然手ごろな値段になる。

1億ドルのクリエイターファンドは、Zepetoがサポートする「メタバース」体験を多様にすることを可能にする。NAVER Zは、Zepeto上で3D体験を生成するUnityプラグインを使用する有望なスタジオに出資する予定だ。また、プラグインを使用するZepetoの非常に有望なクリエイターには、再生、訪問、アクティブユーザーなどのパフォーマンス指標に基づいて、現金報酬を提供する。

この取り組みは、ソフトバンクビジョンファンド IIが主導し、Mirae Asset、大手のKポップタレント事務所、およびその他の投資会社が参加した、Naver Zの2021年の1億9000万ドル(約219億円)という大型のシリーズBラウンドのおかげだ。

多くのバーチャルエンターテインメントプラットフォームと同様、Zepetoは収益化をアイテム販売に頼っている。2018年の立ち上げ以来、20億個のアイテムを販売し、2020年半ばの販売数は6億個だった。売上最多のクリエイターの2021年の粗利益は50万ドル(約5800万円)だった。

画像クレジット:Zepeto

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

TikTokが新機能を続々開発中、アバター、ライブオーディオストリーム、クリエイター向けツールなどが見つかる

TikTok(ティックトック)が数多くの新機能を開発している。Bitmoji風のアバター、For Youページのキーワードによるフィルタリング、チャット、オーディオオンリーのライブストリーム、ライブストリーム中の画面共有、そしてクリエイターがサブスクライバー専用のエモートやサブスクライバー専用のコメントセクションを作ることができるTwitch風サブスクリプション機能などだ。一連の開発途上機能は、ソーシャルメディアアナリストのMatt Navarra(マット・ナバラ)氏が見つけた。

この手のリークはそのまま受け取ることはできない。TikTokが新しいアイデアをいろいろと試していることは、それがアプリに反映されるという意味ではないからだ。それでも開発中の機能はプラットフォーム計画のヒントを与えることがある。

「私たちは常に、コミニュティに価値をもたらしTikTok体験を豊かにする新しい方法を考えています」とTokTok広報担当者はいう。その担当者はこれらの機能が実際に検討されていることを認めたが、TikTokが新しいアイデアを試している時、ユーザーのフィードバックを得ることが最終目標だと強調した。最終結果(採用された場合)がリークで見たものと大きく変わることもある。

リークされた機能の中には、有料クリエイターサブスクリプションのようにすでに何らかのかたちで公開テストされているものもある。しかし、サブスクライバー専用のエモートやコメントセクション(Twitchからの完全な借り物)は、これも最近TikTokがテストしているデスクトップストリーミングソフトウェアであるTikTok Live Studioとの関係を踏まえると理に適っている。キーワードフィルタリングは、Twitter(ツイッター)のミュートに似た機能で、For Youページを整理しようとしているTikTokの現在進行中の取り組みの一環として以前にも言及されている。

関連記事:TikTokがTwitter、Instagramに続き有料サブスク導入を限定テスト、クリエイターの収益化の道を探る

「For Youフィードで見たくないコンテンツに関連したワードやハッシュタグを指定できる機能を開発しています」とTikTokが12月のブログ記事で述べている。

リークした他のアイデア、アバターオーディオオンリーのライブストリームなどは、TikTok拡大計画の別の方向性を示している。ライブストリームビデオができるなら、ライブオーディオへの関心を(少々遅いが)収益化しない手はない。それに、そろそろTikTokでグループメッセージができても良いころだ。

画像クレジット:SOPA Images Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

【コラム】ソーシャルメディアの人々をWeb3へと誘う5つのNFTトレンド

Twitter(ツイッター)に対する批判が高まる中、大半のテック創業者とVCたちは、Web 2.0かWeb3のどちらかを支持している。

Web3の支持者は、Web3がインターネットの未来であり、今後数年でブロックチェーンベースの製品がWeb 2.0に完全に取って代わると信じている。

Web 2.0の断固たる支持者は、Web3は利益を出すことを目論むさまざまな暗号技術によって祭り上げられた誇大広告に過ぎず、ブロックチェーン技術の応用範囲は基本的に限られていると主張している。

筆者は、Web 2.0アプリを10年以上に渡って構築し、やはり10年以上に渡って暗号技術に投資してきた創業者として、最もおもしろいビジネスチャンスは、Web 2.0とWeb3の交差部分に存在すると思っている。

ブロックチェーンの消費者市場における真の潜在性は、Web 2.0とWeb3の併合によって解き放たれる。

エネルギー、人材、リソースがWeb3に注入され、インターネット初期が思い起こされるのはワクワクする。インターネット初期の状況を思い出すくらいシリコンバレーに長くいる人たちにとって、現在の状況と当時の状況の類似性は否定できない。

しかし今回は、成長率が非常に高い。Web3の専門家はこの事実をWeb3がインターネットの未来であり、Web 2.0はまもなく消滅するという議論を支える事実として指摘している。

しかし、インターネットの初期と現在とでは、1つ重要な違いがある。Web 1.0より前は、インターネットは存在していなかった。我々はみんなアナログの生活を送っていた。普及当初のインターネットは比較的退屈な存在と戦っていた。フリーポルノ、チャットルーム、ゲーム、音楽、eメール、動画などだ。指先を動かすだけで世界の情報が手に入るようになった。土曜日にわざわざ大ヒット映画を観に行くこともなくなった。決してフェアな戦いではなかった。

自分では絶対に履かないとわかっているスニーカーを2000ドル(約23万円)で買ってしまった。このスニーカーはNFTとしてのみ存在するため、履けないのだ。狂気の沙汰かもしれないが、昔親指が痛くなるヒールにお金を使っていたのと大差ないような気がする。

Web3は新しい段階に入ってきている。現代人は強く惹き付けられるデジタル製品に夢中になっている。平均的な消費者がTikTok(ティックトック)をスクロールするのを止めないのは、分散化の時代の先触れとなりたいからでも、クリエーターエコノミーを支援したいからでも、インフレーションを抑制したいと考えているからでもない。彼らはそんなことはどうでもよいのだ。それに彼らは、BAYC(Bored Ape Yacht Club)CryptoPunksを買うお金もない。

平均的なインターネットユーザーが気にしているのは、ソーシャルメディアで自分がどのように見えているかである。これが橋渡し役となる。そして、この橋渡し役の鍵となるのがNFTである。

ソーシャルメディアのオーディエンスをまとめてWeb3に移行させる5つのNFTトレンドを以下に示す。

NFTの検証

懐疑的な人は、NFTは右クリックするだけで基盤となるファイルを保存できるため、間抜けだという。しかし、これは一時的な問題だ。近い将来、すべての大手ソーシャルプラットフォームはNFT検証を実装するだろう。これにより、ウォレットを接続して、自分のプロファイルの検証済NFTを表示できるようになる。と同時に、指紋テクノロジーによって、各プラットフォームは、盗まれたファイルを容易に検出し、削除できるようになる。

TikTokユーザーが自分の投稿で一意の検証済NFTを表示して使用できるようになると、ゲームは完全に様変わりすることになる。というのは、NFTを購入して配信することのソーシャル的な価値が急激に向上するからだ。

サイドチェーン

Polygon(ポリゴン)などのサイドチェーンが普及してくると、NFTの価格は下がってくる。輸送費がかからないため、開発者はNFTにより高い対話性と構成可能性を組み込むことができ、その結果、本質的にNFTのソーシャル性を高めることができる。

ポケモンGOをブロックチェーン上で運用して、各ポケモンが交換したり売ったりできるNFTになっている状況を想像してみて欲しい。獲得した各ポケモンは独自の特徴を備えており、さまざまな場所で課題をクリアすることでポケモンを独自に進化させることができる。ポケモンのレベルが向上すると、そのパワーがオンチェーンでアップデートされる。ゲームを進めていくと、暗号化トークンを獲得できる。このトークンはゲームの外の世界でも価値を持っている。

音楽

2021年のNFTブームでは主に視覚的なアートが中心だったが、次の段階では、音楽が対象になる。音楽NFTは最終的にはアートよりもずっと大規模なものになると思われる。収集するものが物理的なアートであれNFTであれ、コレクターの行為を促す強い欲求は同じだ。つまり、自身の芸術的センスを相手に表現したいという欲求、個人グループを問わず自身のアイデンティティを表現したいという欲求、そして場合によっては利益を上げたいという欲求だ。

初期のNFTブームには少なからず投機的な動機があったものの、自己表現とアイデンティティを取り巻く衝動こそがアート収集を促すより基本的な原動力であると思う。そして、人が自身の特徴やアイデンティティを表現する方法として最も普及している方法の1つとして音楽がある。

TikTokミュージック動画を始めて以来、ミュージックトラックはTikTok上で共有される動画の主要コンポーネントになっている。だが、現在使用できるミュージックはごく一般的なものだ。みんな同じ曲を使うことしかできない。

お気に入りのアーティストが60秒の音楽トラックをNFTとして数量限定でリリースするようになったらどうだろう。あなたはその1つを購入して、クールなTikTokを作る。これが口コミでまたたく間に広がる。数百万人の人たちが突如としてその曲を使って独自のTikTokを作りたいと考えるようになる。しかし、使える数は100コピーだけ。あなたには毎日、その曲を購入したいというオファーがくる。販売するか手元に置いておくかはあなた次第。

ファッション

Web 2.0時代幕開けの頃、筆者は20代だったが、自分の収入をすべてファッションに使っていたものだ。おしゃれなジーンズ、かかとの高いヒール、サングラス、ハンドバッグ。良いものを身に付けたいという欲求は飽くことを知らなかった。

しかし、この10年でソーシャルな活動の大半がオンラインにシフトし、筆者のファッション支出も減少した。最近本当に欲しいものといえば、エクセサイズ関連商品を除けば、カラフルなZoomのトップくらいだ。おしゃれな洋服を購入する楽しみはすっかり薄れてしまった。

ところが先日、筆者は自分でも驚くようなことをしてしまった。自分では絶対に履かないとわかっているスニーカーを2000ドルで買ってしまったのだ。このスニーカーはNFTとしてのみ存在するため、履けないのだ。暗号資産の泥沼にはまり込んだことない人に、このような買い物をする理由を説明するのは難しいが、ほとんど狂気の沙汰であることは自分でもわかっている。だけど、昔親指が痛くなるヒールにお金を使っていたのと大差ないとは思うのだが。

ソーシャルメディアのオーディエンスがデジタル版の自己を着飾るために使うデジタル製品に大金を使う時代がやってきたようだ。既存の代表的なNFTといえば大半がゲームやアバター関連だが、大量のオーディエンスに変革をもたらす魅力的な使用例としてARフィルターがある。

Kim Kardashian(キム・カーダシアン)がカスタムのARフィルターをリリースしたらどうだろう。フェイスリフト、リップフィルター、メークアップ、ヘアスタイル、衣服、宝石などだ。どれもキム独自のものだ。これらを購入すれば、あなただけがそのフィルターで自分のTikTok動画を飾ることができる。飽きたら転売すればよい。キム、あなたのホワイトリストに私を追加してくれる?

ダイナミックなアバター

はいはい、わかってますよ。プロフィール画像を気味の悪い類人猿に変えるなんて何を考えているのかわからない、ですよね。実は私もBored Ape(ボアード・エイプ)のデジタルアートを持っている。ただし、自分のプロフィール画像に使う気にはならならず、代わりにWorld of Women(ワールドオブウーマン)の画像を使っている。どうして仕事用の顔写真の代わりに自分になんとなく似ているアルゴリズムで生成された漫画の画像を使うのかって?楽しいからだ。それに写真ではなかなか表現できない私の性格の一面を表すことができる。

ただ、私のプロフィール画像はちょっと古くさい感じになってしまった。少し動く画像だったらよかったのに。

ダイナミックさ、パーソナライゼーション、動きがNFTアバターにも取り入れられるようになってきた。セルフィーを撮ると、AIが理想のあなたに近いユニークなカスタムの3Dアバターを生成してくれる。Bitmojiに似ているが、もっと良い。人物の表情やポーズ、衣服、アクセサリーを更新することもできるし、人物を踊らせることもできる。キーボードを打つだけで自分の声でしゃべらせることもできる。これを使えば、自分の印象をうまく伝えているという実感が持てる魅力的なTikTokの投稿を簡単に作れるだろう。演技力や撮影のスキルを磨くための時間は最小限で済み、その分、自分の伝えたいメッセージの作成に時間を費やすことができる。

ダイナミックなアバターはソーシャルメディア上での自己表現を民主化する機会になるだろう。その結果、より多くのクリエーターたちが自身を表現できるようになるだろう。

Facebook(フェイスブック)が登場した当初は、ばかげていると思ったが、楽しかった。数日おきにログオンすると、親友の誕生日を知らせてくれたりするし、友人の派手なプロフィール画像につっこみを入れたりしていたものだ。その後、フィード、モバイル写真とアルゴリズム、インタグラムモデル、ラテ、完全にフィルターされた生活がやってくる。その過程で、楽しさは薄れソーシャル奴隷のようになってしまう。ほとんど知らない人たちの気分の悪くなる記事をスクロールして読んでは、お返しとばかりに醜悪な投稿をする。こんなはずじゃなかったのに。

Zuckerberg(ザッカーバーグ)氏がMeta(メタ)についてのビジョンを語ったとき、みんな軽蔑の目で見ている感じだった。「ソーシャルメディアで私達の生活を台無しにした上に、今度は残された最後の物理的なつながりまで消滅させて、Matrix(マトリックス)に出てくる植物人間のようにしてしまうつもりか」と誰もが叫びたい気持ちだった。

とはいえ、賛否両論はあると思うが、私達はすでにメタバースの世界へと歩みを進めており、それは止められない。生活のバーチャル化は進む一方だ。Web3では、バーチャル世界での豊かな経験が実現される。これが空虚感の少ない、少しは人間らしいものであってくれることを願うばかりだ。

NFTおよびWeb3がもたらすあらゆるものによって、人との交流が昔のように楽しいものになるような仮想現実が創造されることを楽しみにしたいと思う。

編集部注:本稿の執筆者Prerna Gupta(プレーナ・グプタ)氏は、HookedやSmuleといったモバイルエンターテイメントアプリを立ち上げ、10億人以上の人々にリーチしてきた。現在、NFT領域でステルスプロジェクトに取り組んでいる。

画像クレジット:Iryna+ mago / Getty Images

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(文:Prerna Gupta、翻訳:Dragonfly)

【コラム】ソーシャルメディアの人々をWeb3へと誘う5つのNFTトレンド

Twitter(ツイッター)に対する批判が高まる中、大半のテック創業者とVCたちは、Web 2.0かWeb3のどちらかを支持している。

Web3の支持者は、Web3がインターネットの未来であり、今後数年でブロックチェーンベースの製品がWeb 2.0に完全に取って代わると信じている。

Web 2.0の断固たる支持者は、Web3は利益を出すことを目論むさまざまな暗号技術によって祭り上げられた誇大広告に過ぎず、ブロックチェーン技術の応用範囲は基本的に限られていると主張している。

筆者は、Web 2.0アプリを10年以上に渡って構築し、やはり10年以上に渡って暗号技術に投資してきた創業者として、最もおもしろいビジネスチャンスは、Web 2.0とWeb3の交差部分に存在すると思っている。

ブロックチェーンの消費者市場における真の潜在性は、Web 2.0とWeb3の併合によって解き放たれる。

エネルギー、人材、リソースがWeb3に注入され、インターネット初期が思い起こされるのはワクワクする。インターネット初期の状況を思い出すくらいシリコンバレーに長くいる人たちにとって、現在の状況と当時の状況の類似性は否定できない。

しかし今回は、成長率が非常に高い。Web3の専門家はこの事実をWeb3がインターネットの未来であり、Web 2.0はまもなく消滅するという議論を支える事実として指摘している。

しかし、インターネットの初期と現在とでは、1つ重要な違いがある。Web 1.0より前は、インターネットは存在していなかった。我々はみんなアナログの生活を送っていた。普及当初のインターネットは比較的退屈な存在と戦っていた。フリーポルノ、チャットルーム、ゲーム、音楽、eメール、動画などだ。指先を動かすだけで世界の情報が手に入るようになった。土曜日にわざわざ大ヒット映画を観に行くこともなくなった。決してフェアな戦いではなかった。

自分では絶対に履かないとわかっているスニーカーを2000ドル(約23万円)で買ってしまった。このスニーカーはNFTとしてのみ存在するため、履けないのだ。狂気の沙汰かもしれないが、昔親指が痛くなるヒールにお金を使っていたのと大差ないような気がする。

Web3は新しい段階に入ってきている。現代人は強く惹き付けられるデジタル製品に夢中になっている。平均的な消費者がTikTok(ティックトック)をスクロールするのを止めないのは、分散化の時代の先触れとなりたいからでも、クリエーターエコノミーを支援したいからでも、インフレーションを抑制したいと考えているからでもない。彼らはそんなことはどうでもよいのだ。それに彼らは、BAYC(Bored Ape Yacht Club)CryptoPunksを買うお金もない。

平均的なインターネットユーザーが気にしているのは、ソーシャルメディアで自分がどのように見えているかである。これが橋渡し役となる。そして、この橋渡し役の鍵となるのがNFTである。

ソーシャルメディアのオーディエンスをまとめてWeb3に移行させる5つのNFTトレンドを以下に示す。

NFTの検証

懐疑的な人は、NFTは右クリックするだけで基盤となるファイルを保存できるため、間抜けだという。しかし、これは一時的な問題だ。近い将来、すべての大手ソーシャルプラットフォームはNFT検証を実装するだろう。これにより、ウォレットを接続して、自分のプロファイルの検証済NFTを表示できるようになる。と同時に、指紋テクノロジーによって、各プラットフォームは、盗まれたファイルを容易に検出し、削除できるようになる。

TikTokユーザーが自分の投稿で一意の検証済NFTを表示して使用できるようになると、ゲームは完全に様変わりすることになる。というのは、NFTを購入して配信することのソーシャル的な価値が急激に向上するからだ。

サイドチェーン

Polygon(ポリゴン)などのサイドチェーンが普及してくると、NFTの価格は下がってくる。輸送費がかからないため、開発者はNFTにより高い対話性と構成可能性を組み込むことができ、その結果、本質的にNFTのソーシャル性を高めることができる。

ポケモンGOをブロックチェーン上で運用して、各ポケモンが交換したり売ったりできるNFTになっている状況を想像してみて欲しい。獲得した各ポケモンは独自の特徴を備えており、さまざまな場所で課題をクリアすることでポケモンを独自に進化させることができる。ポケモンのレベルが向上すると、そのパワーがオンチェーンでアップデートされる。ゲームを進めていくと、暗号化トークンを獲得できる。このトークンはゲームの外の世界でも価値を持っている。

音楽

2021年のNFTブームでは主に視覚的なアートが中心だったが、次の段階では、音楽が対象になる。音楽NFTは最終的にはアートよりもずっと大規模なものになると思われる。収集するものが物理的なアートであれNFTであれ、コレクターの行為を促す強い欲求は同じだ。つまり、自身の芸術的センスを相手に表現したいという欲求、個人グループを問わず自身のアイデンティティを表現したいという欲求、そして場合によっては利益を上げたいという欲求だ。

初期のNFTブームには少なからず投機的な動機があったものの、自己表現とアイデンティティを取り巻く衝動こそがアート収集を促すより基本的な原動力であると思う。そして、人が自身の特徴やアイデンティティを表現する方法として最も普及している方法の1つとして音楽がある。

TikTokミュージック動画を始めて以来、ミュージックトラックはTikTok上で共有される動画の主要コンポーネントになっている。だが、現在使用できるミュージックはごく一般的なものだ。みんな同じ曲を使うことしかできない。

お気に入りのアーティストが60秒の音楽トラックをNFTとして数量限定でリリースするようになったらどうだろう。あなたはその1つを購入して、クールなTikTokを作る。これが口コミでまたたく間に広がる。数百万人の人たちが突如としてその曲を使って独自のTikTokを作りたいと考えるようになる。しかし、使える数は100コピーだけ。あなたには毎日、その曲を購入したいというオファーがくる。販売するか手元に置いておくかはあなた次第。

ファッション

Web 2.0時代幕開けの頃、筆者は20代だったが、自分の収入をすべてファッションに使っていたものだ。おしゃれなジーンズ、かかとの高いヒール、サングラス、ハンドバッグ。良いものを身に付けたいという欲求は飽くことを知らなかった。

しかし、この10年でソーシャルな活動の大半がオンラインにシフトし、筆者のファッション支出も減少した。最近本当に欲しいものといえば、エクセサイズ関連商品を除けば、カラフルなZoomのトップくらいだ。おしゃれな洋服を購入する楽しみはすっかり薄れてしまった。

ところが先日、筆者は自分でも驚くようなことをしてしまった。自分では絶対に履かないとわかっているスニーカーを2000ドルで買ってしまったのだ。このスニーカーはNFTとしてのみ存在するため、履けないのだ。暗号資産の泥沼にはまり込んだことない人に、このような買い物をする理由を説明するのは難しいが、ほとんど狂気の沙汰であることは自分でもわかっている。だけど、昔親指が痛くなるヒールにお金を使っていたのと大差ないとは思うのだが。

ソーシャルメディアのオーディエンスがデジタル版の自己を着飾るために使うデジタル製品に大金を使う時代がやってきたようだ。既存の代表的なNFTといえば大半がゲームやアバター関連だが、大量のオーディエンスに変革をもたらす魅力的な使用例としてARフィルターがある。

Kim Kardashian(キム・カーダシアン)がカスタムのARフィルターをリリースしたらどうだろう。フェイスリフト、リップフィルター、メークアップ、ヘアスタイル、衣服、宝石などだ。どれもキム独自のものだ。これらを購入すれば、あなただけがそのフィルターで自分のTikTok動画を飾ることができる。飽きたら転売すればよい。キム、あなたのホワイトリストに私を追加してくれる?

ダイナミックなアバター

はいはい、わかってますよ。プロフィール画像を気味の悪い類人猿に変えるなんて何を考えているのかわからない、ですよね。実は私もBored Ape(ボアード・エイプ)のデジタルアートを持っている。ただし、自分のプロフィール画像に使う気にはならならず、代わりにWorld of Women(ワールドオブウーマン)の画像を使っている。どうして仕事用の顔写真の代わりに自分になんとなく似ているアルゴリズムで生成された漫画の画像を使うのかって?楽しいからだ。それに写真ではなかなか表現できない私の性格の一面を表すことができる。

ただ、私のプロフィール画像はちょっと古くさい感じになってしまった。少し動く画像だったらよかったのに。

ダイナミックさ、パーソナライゼーション、動きがNFTアバターにも取り入れられるようになってきた。セルフィーを撮ると、AIが理想のあなたに近いユニークなカスタムの3Dアバターを生成してくれる。Bitmojiに似ているが、もっと良い。人物の表情やポーズ、衣服、アクセサリーを更新することもできるし、人物を踊らせることもできる。キーボードを打つだけで自分の声でしゃべらせることもできる。これを使えば、自分の印象をうまく伝えているという実感が持てる魅力的なTikTokの投稿を簡単に作れるだろう。演技力や撮影のスキルを磨くための時間は最小限で済み、その分、自分の伝えたいメッセージの作成に時間を費やすことができる。

ダイナミックなアバターはソーシャルメディア上での自己表現を民主化する機会になるだろう。その結果、より多くのクリエーターたちが自身を表現できるようになるだろう。

Facebook(フェイスブック)が登場した当初は、ばかげていると思ったが、楽しかった。数日おきにログオンすると、親友の誕生日を知らせてくれたりするし、友人の派手なプロフィール画像につっこみを入れたりしていたものだ。その後、フィード、モバイル写真とアルゴリズム、インタグラムモデル、ラテ、完全にフィルターされた生活がやってくる。その過程で、楽しさは薄れソーシャル奴隷のようになってしまう。ほとんど知らない人たちの気分の悪くなる記事をスクロールして読んでは、お返しとばかりに醜悪な投稿をする。こんなはずじゃなかったのに。

Zuckerberg(ザッカーバーグ)氏がMeta(メタ)についてのビジョンを語ったとき、みんな軽蔑の目で見ている感じだった。「ソーシャルメディアで私達の生活を台無しにした上に、今度は残された最後の物理的なつながりまで消滅させて、Matrix(マトリックス)に出てくる植物人間のようにしてしまうつもりか」と誰もが叫びたい気持ちだった。

とはいえ、賛否両論はあると思うが、私達はすでにメタバースの世界へと歩みを進めており、それは止められない。生活のバーチャル化は進む一方だ。Web3では、バーチャル世界での豊かな経験が実現される。これが空虚感の少ない、少しは人間らしいものであってくれることを願うばかりだ。

NFTおよびWeb3がもたらすあらゆるものによって、人との交流が昔のように楽しいものになるような仮想現実が創造されることを楽しみにしたいと思う。

編集部注:本稿の執筆者Prerna Gupta(プレーナ・グプタ)氏は、HookedやSmuleといったモバイルエンターテイメントアプリを立ち上げ、10億人以上の人々にリーチしてきた。現在、NFT領域でステルスプロジェクトに取り組んでいる。

画像クレジット:Iryna+ mago / Getty Images

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(文:Prerna Gupta、翻訳:Dragonfly)

息を呑むような没入型バーチャルコンサートの未来を切り開くAmazeVRが約17億円調達

コンテンツ生成ツールでお気に入りのアーティストのVRコンサートを体験できるバーチャルリアリティコンサートプラットフォームAmazeVR(アメイズVR)は、1500万ドル(約17億円)を調達した発表した。このラウンドでは、3週間で募集枠を超える申し込みがあった。

Partners InvestmentMurex Partnersがこの資金調達ラウンドを共同でリードし、Smilegate Investment、Quantum Ventures KoreaABC Partners、Everrich Group、GS Groupのコーポレートベンチャーキャピタル部門のGS Futures、We Ventures、Base Investment、Dunamu&Partners、そして既存投資家のMirae Asset Venture Investment、Mirae Asset Capital、Partners Investment、Timewise Investmentが参加した。

AmazeVRは2015年の創業以来、合計3080万ドル(約35億円)を調達しており、急成長を推進するために2022年初めにシリーズBを調達する計画だという。同社の共同CEOであるErnest Lee(アーネスト・リー)氏はTechCrunchに対し、新たな資金をさらなる従業員の採用に充てる予定だと語った。リー氏によると、AmazeVRは2021年を12人の従業員でスタートしたが、現在はハリウッドとソウルに3倍の41人を抱えている。

「当社は、関わっている(音楽、エンターテインメント、テック、ゲーム)業界から、優秀な人材を集めることができました」と同氏は話した。「これにより、VRとメタバースの人気の高まりを最大限に活用し、主要アーティストの息を呑むようなVRコンサートを、まず映画館に、そして世界中の家庭に届けるのに理想的な位置につけています」 。

ソーシャルメディアの登場で、ファンはお気に入りのアーティストにかつてないほどアクセスできるようになったが、それでもスクリーンで隔てられているのが現状だ。AmazeVRによるVRコンサートは、ファンをスクリーンの向こう側に連れて行き、お気に入りのアーティストと対面させることで人間的なつながりを生み出す、とリー氏は語る。ユーザーはアバターとして参加し、他のユーザーとぶらついたり、一緒にVRコンサートを体験したりする。

「ファンの記憶に残るのは、すばらしいVR体験ではなく、幻想的な没入感の中で好きなアーティストと実際に対面し、現実との境界線を曖昧にする、目に見えないような優れた技術を構築することが当社のゴールです」とリー氏はTechCrunchのインタビューで述べた。

ロサンゼルスに本社を置き、ソウルにオフィスを構えるAmazeVRは、JB Lee(JB・リー)氏、Steve Lee(スティーブ・リー)氏、Jeremy Nam(ジェレミー・ナム)氏、Steven Koo(スティーブン・クー)氏という、韓国のメッセージングアプリKakao(カカオ)の元幹部が設立した会社だ。Kakaoの株式市場デビュー後、グローバルなインパクトを持つ企業の設立に再挑戦しようと考えた共同創業者4人は、ソウルを離れ、VRで未来を切り開くためにシリコンバレーに移住した。

リー氏によると、AmazeVRは2015年からVR技術を開発していて、2019年末にVRコンサートに完全に方向転換したという。

同社はパンデミック以前から、VRコンサートを通じたより没入感のある音楽体験の必要性を信じていた。しかし、音楽業界は少し距離を感じ、懐疑的だった。その主な理由は、最も収益性の高い収入源であるライブコンサートのカニバリゼーション(共食い現象)に対する懸念だったとリー氏はいう。

最近では、新型コロナウイルスの大流行によって市場での採用が加速し、AmazeVRは製品とマーケットの適合性を迅速に見つけられるようになっている。音楽業界も新しい技術に対して考え方が柔軟になり、そしてVRコンサートがライブコンサートではなく、新しいカテゴリーのエンターテインメントであることに人々が気づき始めたと、リー氏は続けた。

「音楽業界はパラダイムシフトを迎え、多くの企業が次の大きなものを取り入れようとしています。ライブストリームからバーチャルコンサート、Fortnite(フォートナイト)のショーまで多くの試みを目にしました。パンデミックはこのシフトを加速させただけです」とリー氏は語った。「これらの他のすべてのソリューションは、すでに存在するものから増分価値を提供するだけであり、他のソリューションはファンにとってカバーする価値、すなわち人間的なつながりを真に捉えていません」

AmazeVRは2022年春、グラミー賞を3回受賞しているMegan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオ)氏とともに、米国内の一部のAMCシアターを巡演する初の商業VRコンサートを展開する。AmazeVRはすでに2人目のアーティストとして世界的な一流アーティストを確保し、3人目のアーティストを最終決定しているとリー氏は語った。同社初のVRコンサートツアーは、長年の研究開発の結果、独自の9Kカメラと、複雑なUnreal EngineベースのVRコンサート視覚効果(VFX)モジュールを自動化し、一度に100台以上のヘッドセットを駆動できるソフトウェアによるものだ。同社は、コンテンツ制作の規模を拡大し、2024年までに新しいVRコンサートをシアター内と自宅の視聴者の両方に毎週リリースする予定だ。

「VRコンサートがいかにインパクトがあるかは、実際に体験してみないとわかりません。VRはついに2Dの体験をすべて吹き飛ばすことができるのです。当社の技術のおかげで、スクリーンからは得られないリアルな臨場感、お気に入りのアーティストがすぐそばにいて、あなたと向かい合っているような感覚を呼び起こすことができます」とリー氏は話した。「これは音楽の新しい次元を切り開くもので、録音が登場して以来、アーティストとファンがつながる初の新しい方法の1つです。投資家がこのことを理解し、当社の革新と成長を支援してくれることに感激しています」。

画像クレジット:AmazeVR

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(文:Kate Park、翻訳:Nariko Mizoguchi

NFTゲーム大手Dapper Labsの次なる挑戦はアバター用デジタルアクセサリープラットフォーム「The Warehouse」

100億ドル(約1兆1374億円)を超える取引量を記録したNFTの大ヒットイヤーが終わろうとしている中、昨今のNFTプロジェクトの開発者たちは、今日のドルを追いかけるか、明日のユーザーを追いかけるかというジレンマに直面している。

Dapper Labs(ダッパー・ラボ)は、NBAのトップショットをヒットさせた2021年の主流ブレイクアウトの1つを作った会社で、投資家に対し、後者に賭ける開発者を惹きつけることができると納得させようとしている。最近の時価総額が76億ドル(約8674億円)に達した同スタートアップは米国時間12月13日、その追求の成果の一部を提示し、スターのためのアバターを提供するスタートアップGenies(ジーニーズ)とのパートナーシップによるプロダクトを披露した。それは野心的なNFTストアで、ユーザーがアニメのアバターを作ったり、NFTのアクセサリーを身につけたりできるようにし、Web3デジタルアイデンティティのハブとして機能することを目指していく。

「The Warehouse」と呼ばれるこの新しいプラットフォームは、招待制の小規模なユーザーネットワーク向けにローンチされ、今後数カ月のうちに、徐々により幅広いユーザー層に提供される予定であると両スタートアップはTechCrunchに語った。

この新しいプラットフォームでは、ユーザーは、Geniesアプリ内で作成する3Dアニメのアバターに、DapperのブロックチェーンネットワークFlow(フロー)で作られるマスクや靴、バックパックなどのデジタルアクセサリーを装着することができる。Geniesによると、店舗の大部分のアイテムは20ドル(約2270円)未満で販売されるが、それは特に一次販売に限定されるという。これらの商品の所有者が個々のアイテムの二次販売の市場を決めることになる。The Warehouseではローンチ時に二次的なマーケットプレイスが有効化される予定はなく、Geniesのチームは、この取り組みがやがて、再販価値ではなくプロダクトへフォーカスするコミュニティを生み出すことを期待している。

画像クレジット:Genies

Geniesはすでに、同社のネイティブモバイルアプリ内でデジタルアパレルやアクセサリーを販売する試みを行っているが、この投機的事業にはブロックチェーンやNFT関連の要素は含まれていない。GeniesのNFTエコノミーへの進出は、Dapperという特定ブランドのブロックチェーンに対する賭けである。Bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)のようなネットワークほど分散化されていないかもしれないが、手数料の安さ、トランザクション能力の高さ、そしてクレジットカード処理やパスワードを忘れてしまうユーザーのようなWeb3「ラグジュアリー」に優しい開発者プラットフォームなど、切り離すことのできないユーザー利益の数々を提供するものだ。

Flowだけが、より安価な手数料とオンボーディングのしやすさを備えた消費者フレンドリーなブロックチェーンへの唯一の賭けではないことは確かだが、Dapperは将来の成功を約束して投資家から6億ドル(約684億9300万円)を調達した。Wax(ワックス)やSolana(ソラナ)のような競合するレイヤー1のチェーンでは、開発者がプラットフォームの強みとコインホルダーのウォレットを利用しようとしているため、ここ数カ月でネイティブのNFTプロジェクトからより多くの動きが見られている。ベンチャー投資家たちは2021年中に、Ethereumブロックチェーンを「ロールアップ」プロダクトでスケールしようとするいくつかの新たな暗号資産ユニコーンを立ち上げた。これにより開発者は、ネットワークのセキュリティを活用しながら、セカンダリーチェーン上での取引の処理とバンドルを進めることができるようになる。

2021年初めのNBA Top Shotの急成長はDapperに大きな注目を集め、月間取引額は2020年12月の100万ドル(約1億1400万円)弱から2021年2月には2億2500万ドル(約256億8300万円)近くに達した。最近においては、Top Shotのバイヤーとトランザクションのネットワークは最も顕著なライバルAxie Infinity(アクシー・インフィニティ)よりもはるかに下に位置している。暗号資産アナリティクスを行うサイトCryptoSlam(クリプトスラム)によると、Axie Infinityは2021年11月時点で、Top Shotの6万4000人に対して52万人を超えるユニークバイヤーを擁していた。Top Shotがその部隊を立ち上げて以来、NFT市場は爆発的に拡大している一方で、新たな高トラフィックプロジェクトの大半はEthereumを採用しており、そのネットワークを流れる何千億という流動的な暗号資産の活用を図っている。

画像クレジット:Genies

The Warehouseのローンチは、Dapperにとって特に大きな節目となる。Dapperは、Top Shotでの失敗から学びながら、開発者を惹きつけ、再び注目を集めることを期待している。Top Shotは拡大するオーディエンスへの対応に初期の段階から苦労しており、Dapperがますます多くのNFT Momentsを発行し続けることで、アーリーアダプターの一部は自分たちのNFTの価値を失い、フラストレーションを感じてきたという経緯がある。

「Genies WarehouseはNBA Top Shot以来最大のFlow向けリリースであり、同様の成功を期待しています」とDapper LabsのCEOであるRoham Gharegozlou(ロハム・ガーレゴズルー)氏は声明で述べている。

Geniesは今のところ知名度が高いわけではないが、同スタートアップの著名なパートナーは間違いなくその名を馳せている。何年も前から、アバターのスタートアップが現れ「デジタルアイデンティティ」のパイの一部を獲得しようとしてきたが、ゲームメーカーはサードパーティシステムの採用に興味を示さず、セレブたちはソーシャルメディアの影響力を分析するのに忙しくて、仮想世界のことをわざわざ考えることもなかった。

Geniesは、最近の記憶ではどのスタートアップよりも、ウェブの未来への明らかにニッチなビジョンを備えたプロダクトに対するセレブとのパートナーシップネットワーク構築に成功しているが、2021年はNFTをより熱心に公に受け入れたことで、投資家の間でシェアが高まっている。Geniesは先週、Universal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ)と提携し、同グループのレコーディングアーティストのアバターやデジタルグッズをホストすることを発表した。Geniesはすでに、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)氏、J Balvin(J・バルヴィン)氏、Cardi B(カーディ・B)氏などの著名なミュージシャンやアーティストたちとパートナーシップを結んでいる。

2021年5月にGeniesは、Mary Meeker(メアリー・ミーカー)氏のベンチャーファンドBond(ボンド)の支持を獲得し、同ファンド主導で6500万ドル(約74億2200万円)のシリーズB資金調達を行っている。

関連記事:アバター作成スタートアップGeniesがNFT人気に乗じて約71億円調達

NFTはテック業界やベンチャー投資家クラスに受け入れられているものの、消費者においては、何年もの間ゲームの中で購入してきたものと同じように見える高価なデジタルアイテムが、どのようにオンライン体験に革命を起こすのかについて、依然として懐疑的な見方が存在していることを示すエビデンスが多くあるようだ。

チャットアプリのDiscord(ディスコード)は2021年11月、CEOのJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏がNFTウォレットプラットフォームMetaMask(メタマスク)との統合のスクリーンショットをツイートしたことで、ユーザーから激しい反発を受けた。多くの批判的なものを含む何千ものリプライが殺到した後、シトロン氏はそれが単なる「社内コンセプト」であり、同社には「現時点で組み込む計画はない」こと、そして「Web3には多くの利点があるが、当社の規模で取り組む必要がある多くの問題もある」ことを明確にしたツイートを続けた。

関連記事:Discordがユーザーの反発を受けて暗号資産やNFTの調査を一時中断

DapperもGeniesも、The WarehouseのデビューでNFT業界の重荷の一端を断ち切ろうとしている。

「これはアバターの1万プロフィール画像プロジェクトでも、NFTや暗号資産に文化を持ち込むものでもありません」とGeniesのCEOであるAkash Nigam(アカシ・ニガム)氏は語っている。「私たちはこれを、消費者に向けたメタバース全体に広がるデジタルアイデンティティを創造するための第一歩だと考えており、ウェアラブルな創造ツールを未来の消費者と才能ある人々に提供することを目指しています」。

画像クレジット:Iann Dior

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(文:Lucas Matney、翻訳:Dragonfly)

Snapchat、メタバースに出てくるような顔になれる新レンズをリリース

Snapchat(スナップチャット)は米国時間12月23日、ビデオゲームSims(シムズ)のキャラクターのように見えるARフィルターのAvatar(アバター)レンズをリリースした。もっと、今っぽい表現をするとメタバースに登場するような顔になれるものだ。このレンズを使うには、Snapchatアプリでカメラを開いてSnapchatのウェブサイトにあるQRコードをスキャンする。すると、メタバースでの自分の肌が怖いほど滑らかなのを目にする。そばかすやニキビなどは存在しない。

新しいSnapchatのレンズは、特に同社が拡張現実に全面的に取り組んでいるため、本質的に注目すべきものではない。これは数年来続いているオンとオフを繰り返すバイラルのトレンドの続きだ。過去から判断すれば、おそらくすぐにTikTokに登場する。

関連記事:Snapがより高度なAR体験を可能にするクリエーター向け新機能やツールを発表、年次イベント「Lens Fest」で

Snapchatは2020年8月にCartoon Faceレンズをリリースし、ユーザーは自分のペットを「Disneyfy(ディズニー化)」するのに使えると気づいた。#disneydogというタグはTikTokに飛び火して4090万回の視聴を獲得した。そしてSnapchatは同年12月にCartoonレンズをリリースし、再びバイラルの金字塔を打ち立てた。このレンズでは、以前のレンズよりも人間の顔をよりリアルに再現することができる。

しかし、Snapchatはこのトレンドを若干改良したバージョンを作り続けていて、結局、これらもバイラルになる。人間というのは予測可能なものだ。

2021年6月、ディズニー風のトレンドは、リリース後の最初の週に28億インプレッション(広告が表示された回数)を獲得したCartoon Style 3Dレンズで再び圧倒的な記録を打ち立てた。そして今回、顔だけでなく服も漫画風になるAvatarレンズが登場した。次は、Horizon Worldsで誰かが作ったような、身の回りのものを再現するレンズだろうか。おそらく。

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MetaのVRマルチプレイヤーワールド「Horizon Worlds」が米国・カナダで18歳以上向けに一般配信開始

2021年12月初め、SnapchatはAR技術の祭典であるLens Festを開催した。同社はこのイベントで、200カ国超から25万人以上のレンズクリエイターが参加したと発表した。合計で250万個のレンズが作られ、3兆5千億回以上視聴された。一方、SnapchatのTikTokクローンであるSpotlightは、クリエイター1万2000人の投稿に対して、総額2億5000万ドル(約286億円)を授与した。同社によると、Spotlightの投稿の65%以上がSnapchatのクリエイティブツールやレンズのいずれかを使用しているとのことだ。

Niantic(ナイアンティック)やSnapchatのような企業は、仮想現実よりも拡張現実の方がメタバースを構築するのに適していると考えている。しかし、Meta(メタ)のようなヘッドセット好きのテック大企業にとっても、ARはメタバースで実際に自分自身の姿を見せるのに役立つ。SnapchatのAvatarフィルターは、筆者を非現実的なバービー風に見せるが、それでも、茶髪で眼鏡をかけたどこにでもいる白人女性のように見える私のMeta Horizonアバターよりは、少しパーソナライズされているように感じられる。

関連記事:ナイアンティック「現実世界のメタバース」構築のために約344億円調達、評価額1兆328億円に

ただ、このような自分を目の当たりにすると、何か違和感がある。

Snapchatのレンズの中のアバターは筆者のように見えるが、眉毛は美容師に丁寧に整えてもらったかのように完璧に手入れされている。唇はふっくらとし、リップグロスをつけているようだが、筆者はその日メイクをしていなかった。

VRメタバースでは、自分を表現するアバターが必要だ。そうでなければ、ただの見えない塊になってしまう。バーチャルペルソナを作るのをサポートしようとReady Player Me(レディ・プレイヤー・ミー)、Spatial(スパティアル)、Genies(ジーニーズ)のようなスタートアップが登場している。しかし、拡張現実では、深く入り込めるようにする方法で現実世界を変化させることが前提となっている。SnapchatのARフィルターはおもしろいが、ARメタバースにアバターは必要ない。そしておそらく、ネット上で自分自身の最高の姿だけを見せることがどれほど危険なことか、私たちはすでに知っているというのは良いことだ。

画像クレジット:Snapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Snapchat、メタバースに出てくるような顔になれる新レンズをリリース

Snapchat(スナップチャット)は米国時間12月23日、ビデオゲームSims(シムズ)のキャラクターのように見えるARフィルターのAvatar(アバター)レンズをリリースした。もっと、今っぽい表現をするとメタバースに登場するような顔になれるものだ。このレンズを使うには、Snapchatアプリでカメラを開いてSnapchatのウェブサイトにあるQRコードをスキャンする。すると、メタバースでの自分の肌が怖いほど滑らかなのを目にする。そばかすやニキビなどは存在しない。

新しいSnapchatのレンズは、特に同社が拡張現実に全面的に取り組んでいるため、本質的に注目すべきものではない。これは数年来続いているオンとオフを繰り返すバイラルのトレンドの続きだ。過去から判断すれば、おそらくすぐにTikTokに登場する。

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Snapchatは2020年8月にCartoon Faceレンズをリリースし、ユーザーは自分のペットを「Disneyfy(ディズニー化)」するのに使えると気づいた。#disneydogというタグはTikTokに飛び火して4090万回の視聴を獲得した。そしてSnapchatは同年12月にCartoonレンズをリリースし、再びバイラルの金字塔を打ち立てた。このレンズでは、以前のレンズよりも人間の顔をよりリアルに再現することができる。

しかし、Snapchatはこのトレンドを若干改良したバージョンを作り続けていて、結局、これらもバイラルになる。人間というのは予測可能なものだ。

2021年6月、ディズニー風のトレンドは、リリース後の最初の週に28億インプレッション(広告が表示された回数)を獲得したCartoon Style 3Dレンズで再び圧倒的な記録を打ち立てた。そして今回、顔だけでなく服も漫画風になるAvatarレンズが登場した。次は、Horizon Worldsで誰かが作ったような、身の回りのものを再現するレンズだろうか。おそらく。

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2021年12月初め、SnapchatはAR技術の祭典であるLens Festを開催した。同社はこのイベントで、200カ国超から25万人以上のレンズクリエイターが参加したと発表した。合計で250万個のレンズが作られ、3兆5千億回以上視聴された。一方、SnapchatのTikTokクローンであるSpotlightは、クリエイター1万2000人の投稿に対して、総額2億5000万ドル(約286億円)を授与した。同社によると、Spotlightの投稿の65%以上がSnapchatのクリエイティブツールやレンズのいずれかを使用しているとのことだ。

Niantic(ナイアンティック)やSnapchatのような企業は、仮想現実よりも拡張現実の方がメタバースを構築するのに適していると考えている。しかし、Meta(メタ)のようなヘッドセット好きのテック大企業にとっても、ARはメタバースで実際に自分自身の姿を見せるのに役立つ。SnapchatのAvatarフィルターは、筆者を非現実的なバービー風に見せるが、それでも、茶髪で眼鏡をかけたどこにでもいる白人女性のように見える私のMeta Horizonアバターよりは、少しパーソナライズされているように感じられる。

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ただ、このような自分を目の当たりにすると、何か違和感がある。

Snapchatのレンズの中のアバターは筆者のように見えるが、眉毛は美容師に丁寧に整えてもらったかのように完璧に手入れされている。唇はふっくらとし、リップグロスをつけているようだが、筆者はその日メイクをしていなかった。

VRメタバースでは、自分を表現するアバターが必要だ。そうでなければ、ただの見えない塊になってしまう。バーチャルペルソナを作るのをサポートしようとReady Player Me(レディ・プレイヤー・ミー)、Spatial(スパティアル)、Genies(ジーニーズ)のようなスタートアップが登場している。しかし、拡張現実では、深く入り込めるようにする方法で現実世界を変化させることが前提となっている。SnapchatのARフィルターはおもしろいが、ARメタバースにアバターは必要ない。そしておそらく、ネット上で自分自身の最高の姿だけを見せることがどれほど危険なことか、私たちはすでに知っているというのは良いことだ。

画像クレジット:Snapchat

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

【コラム】完全なソーシャルメタバース体験は「音声」の要素が揃うことで実現する

Facebook(フェイスブック)の社名がMeta(メタ)に変更されたことで触発された「メタバース」にまつわる会話の多くは、ビジュアル的な要素に焦点を当てている。ほとんど言及されていないのは、オーディオだ。しかし仮想環境を現実のものにするには、音声は間違いなく重要になる。

時には、それがすべての場合もある。

Spike Jonze(スパイク・ジョーンズ)に尋ねてみよう。この映画監督は、2013年の映画「Her(her/世界で1つの彼女)」のタイトルロールで、その声を演じていた当初の女優を降板させ、Scarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)の官能的な音声に置き換えた。コンピューターオペレーティングシステムであるサマンサは生身の人間として登場することはなかったが、ジョーンズは、元の女優が三次元のペルソナを作るのに必要な感情をうまく表現できていないと感じたのだ。

視聴者をストーリーの前提に引き込み、十分真実味のあるストーリーに仕立ててくれる、洗練されたキャラクターを作るのに、音声は不可欠な要素であった。

The Washington Post(ワシントン・ポスト)が指摘しているように、Metaのメタバース構想の要となるものは、その多くがビデオゲームの世界に、ただし分断されたゲームの世界に限られるが、すでに存在している。ゲームの世界では、音声がますます重要な役割を果たしている。Metaは、統合された相互運用可能な体験を約束しているが、高度にテクスチャ化された、生き生きとしたデジタル音声が豊富に含まれていなければ、メタバースは包括的で没入的というよりは不完全なものになるだろう。

1970年代半ばのMcGurk Effect(マガーク効果)の研究では、聴覚と視覚の認識の不一致から生じる認知的不協和が観察された。アバターと十分に合致しない音声は、参加者を仮想環境から切り離す可能性がある。

本当の自分を表現する

人間は社会的存在であり、現在推進されているメタバースは、参加者が家庭と職場の両方で独特のペルソナを作り出す社会的環境である。アバターを使えば、プレイヤーは自分が見られたいように自分を表現することができる。人間、宇宙人、動物、野菜、漫画やその他無数の選択肢があるだろう。プレイヤーは新たな装いを試すように、一時的に新しい「ルックス」を試用できる。ジェンダーと種は流動的である。

しかし、視覚的な存在感に合わせて自分の声の聞こえ方を変えることができなければ、アイデンティティの変化は妨げられる。自分の声を他の人に提示するペルソナに合わせることは、パーソナライズされたプレイヤーアイデンティティの中核的要素である。この状況はすでに多くの人がビデオゲームで慣れているものだ。

プレイ中のゲームで、あごひげをはやした無骨で巨大な騎士に遭遇した場合、そのキャラクターは深く荒々しい声をし、甲冑を身にまとっていることが予想される。ゲーム会社は、ノンプレイヤーキャラクター(NPC)を声優とオーディオの専門家が入念に制作し、没入感のある体験を提供することで、こうしたイメージの伝達を確保している。

しかしオンラインゲーム環境や将来のメタバースでは、その騎士は実在する人物が表現するものとなり、体験は大きく異なってくる。予想されるような太くしゃがれた成熟味ある声ではなく、マイク品質に問題のある甲高いティーンエイジャーの声を聞いて、困惑することもあるかもしれない。音と視覚の間の極端な不一致は、体験の没入的な質を損なう。メタバースアバターに十分な没入感を持たせるには、人々が完全なデジタル体験を作り出せるよう配慮する必要がある。

カバーの提供

ソニック(音響の)アイデンティティの技術は、没入感の提供に加えて、プレイヤーに「真の」匿名性をもたらし得る。彼らは、他人に見てもらいたいと思うような人物(または存在)になることができる。これは多くの人にとって、時には敵対的なオンライン環境からの強力な保護となるだろう。地理的な特徴をわからないようにして、参加者がプレイヤーコミュニティをよりスムーズに統合できるようにすることも考えられる(オフショアのカスタマーサポートコールセンターが恩恵を受ける可能性のあるケイパビリティだ)。音声チックを有する人にとっては、明らかにしたくない身体障害を覆うことにもつながる。

音声変更技術は、オンラインでの差別や嫌がらせを緩和するのにも役立つ。医学専門誌「International Journal of Mental Health and Addiction(メンタルヘルスと中毒に関する国際ジャーナル)」に2019年に掲載された研究によると、女性ゲーマーは他のプレイヤーとの口頭でのコミュニケーションを避け、不快なやり取りを減らすことが多いという。音声変更技術により、特定のジェンダーに関係なく、完全に匿名性が確保された会話に参加することが可能になり、自分自身をより快適に表現できるようになる。

学術誌「Human-Computer Interactions(ヒューマンコンピュータインタラクション)」の研究者らは2014年に「音声はオンラインゲームの体験を根本的に変え、仮想空間をより強力に社会性のあるものにしている」と結論づけている。

筆者自身の会社のデータからは、音声でコミュニケーションを取るプレイヤーは、よりゲームに没頭するように感じる自意識に変容し、より長い時間ゲームに関わり、結果としてゲーム内でより多くのお金を投じるようになることが明らかになっている。

メタバースに欠けているもの

真に完全な没入型体験を実現するには、3Dビジュアルとリアルタイムオーディオを組み合わせて、人々が自分自身の表現を行う上で、耳を傾けてもらいたいという彼らの思いに添う形で実現できるようにする必要がある。参加者は、自分の視覚的アバターと同じくらい独創的で独自性のある自分自身の音響表現を望んでいる。そして、自分の声を外見と同じようにきめ細かくカスタマイズするツールを求めている。プレイヤーの没入感とエンゲージメントを維持するには、拡張されたオーディオと3Dビデオの両方が調和している必要がある。

リアルタイムオーディオは、人々がどのようにして究極の個性をコンテンツにもたらすことができるかを定義し、オーディオをメタバースのすばらしいイコライザーとして機能させる。残念なことに、現在の音声体験は、すべてを網羅するメタバースの約束に沿った没入的な品質を提供することが難しくなっている。

熱心なアーリーアダプターたちの実験にもかかわらず、リアルタイムオーディオのペルソナは、良くても制限的だ。人の音声をデジタルの自己に合わせるためのツールは限られており、音質は視覚的な品質にまだ及ばない。

だが、利用可能なオーディオ技術における最近の進歩は、プレイヤーによる独自のソニックアイデンティティ形成を現状よりはるかに容易なものへと変えようとしている。プラットフォーム開発者やゲーム開発者が利用できる新しいソリューションにより、ライターやプロデューサー、オーディオエンジニアは、ゲーム内に音声修正技術を組み込んで、自然に聞こえるファンタジー音声をオンデマンドかつリアルタイムで生成できるようになっている。

このことは、プレイヤーを魅了して完全にフォーカスさせ、離れさせることなくその体験へのエンゲージメントを維持するような、包括的で没入的な聴覚体験の提供を通して、収益化のための新しい道を生み出す可能性へとつながっていく。

企業は、人々がデジタル空間で自分自身の視覚表現を形作ることを可能にする、強力なツールへの投資を進めている。こうした企業は、デジタル表現がシームレスになるソーシャルオーディオ体験に合わせてカスタマイズされた、ソニックアイデンティティを見過ごしてはならない。

メタバースはそれなしでは完成しないだろう。

編集部注:本稿の執筆者Jaime Bosch(ハイメ・ボッシュ)氏はVoicemodの共同創設者兼CEO。

画像クレジット:luza studios / Getty Images

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(文:Jaime Bosch、翻訳:Dragonfly)