ウェブ接客ツール「KARTE」提供のプレイド、5億円の資金調達—キャンペーンの売上7割増の事例も

プレイド代表取締役社⻑の倉橋健太氏

プレイド代表取締役社⻑の倉橋健太氏

ウェブ接客ツール「KARTE(カルテ)」を提供するプレイドは8月3日、Fidelity Growth Partners Japanおよび既存株主のフェムトグロースキャピタル投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を実施し、合計5億円の資金調達を実施した。また今回の調達にあわせて、Fidelity Growth Partners Japanのデービッド・ミルスタイン氏が同社の社外取締役に就任する。

2014年9月にクローズドベータ版を公開し、2015年3月に一般にサービスを公開したKARTEは、リアルタイムにECサイトの来訪者を分析し、その状況にあわせてメッセージを配信したり、クーポンを発行したりという「接客」をすることでコンバージョンを促すツールだ。

導入費用は月額5000円から。接客数に応じて料金が発生する従量制課金制となっている。ユニークユーザー(UU)10万人以上の場合は定額のエンタープライズプランも用意する。ネットショップ作成サービスのカラーミーショップなどはワンクリックで導入ができるなど、外部サービスとの連携も積極的に進めている。

導入企業はアパレル・コスメ・家電といった各種ECサイトをはじめ、ホテルや人材紹介、不動産、英会話などに拡大。処理するページビューは月間10億以上。また累計UUは2億人以上で、一般公開した2015年3月以降、前月比40%増の成長を続けているという。「想像以上に著名なECサイトに使って頂けている。ECサイトは結局これまで来訪者がちゃんと見えないままサービスを提供してきた。ユーザーの行動や心理状況までをリアルタイムで見られるツールはほかにないと思っている」(プレイド代表取締役社長の倉橋健太氏)

 

その具体的な実績はというと——例えばアパレルECのベイクルーズでは、購入金額の合計が一定額を超えるとノベルティをプレゼントするキャンペーンを実施していたのだそう。その際、カート内の商品の合計金額が下回る場合にのみ「あと少しの金額を購入すれば貴重なノベルティがもらえる」という旨のバナーを表示した。これによって昨年比でキャンペーンの売上が69%も増加するという結果が出たそうだ。

ベイクルーズの事例

ベイクルーズの事例

 

またコスメECのコスメ・コムでは、共通の特徴を持った商品に興味を持った来訪者に対して、より詳細な情報をまとめた比較コンテンツに誘導して情報提供(接客)を行ったという。その結果、接客を実行した来訪者は接客されていない来訪者と比較して、購入率がPCで約6%、スマートフォンで約25%向上したという。

プレイドでは、今回調達した資金をもとに、エンジニアを中心とした人員を強化。サポート体制についても拡充する。「サービスの稼働率を上げるためにはサーポートとコンサルの両方が大事。顧客の分からないことを解決するだけでなく、次はさらに何ができるかを知ってもらうためのチームを強化したい」(倉橋氏)。また今夏をめどに、さらに大きな機能も提供することを検討中だという。さらに今後はグローバル展開を見据えた準備も進めるとしている。

テキストメッセージだけを使う超簡単なeコマースプラットホームLocent、意外と他の目的にも

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Y Combinatorの今年の夏季クラスでローンチしたLocentは、テキストメッセージだけを使うeコマースプラットホームだ。

オンラインの小売で最大の障害が、面倒なチェックアウトプロセスだ。Locentはユーザ企業に、ふつうにテキストできる電話番号を一つ与える。そしてチェックアウトプロセスを単なるテキストメッセージにしてしまう。

ユーザ企業はLocentにアカウントを作り、電話番号をもらう。それからLocentのバックエンドを利用して、品物を並べる。それらの値段、写真、キーワードなどをアップロードする。

お客はその番号に、ほしい品物のキーワードをテキストする。決済のリンクが出るので、そこでトランザクションを完了する。

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Locentの最終的な目標は、ふつうの小売店にそんな‘テキスト店’を持ってもらうことだが、今のところは既存のブランドやインフルエンサーのマーケティング的(==誘導的)利用が主体だ。

たとえばSnapchatのスターShondurasの場合は、Locentの番号にファンからメッセージが来ると、その返事で会員制のTwitchチャネルのリンクを教える。最初の12時間で‘ファンテキスト’は8000通あまり殺到し、彼らはただちに、Twitchチャネルのリンクを返事で受け取った。

Locentの協同ファウンダMatt JosephとRyan MacInnesによると、このサービスを利用すれば既存のマーケティングチャネルがワンクリックの売り場に変身する。

同社は、Locentを寄付のプラットホームにすることも考えている。とくに、2016年は大統領選の年だから、資金集めが賑やかになるだろう。候補者がLocentの番号入りの名刺をばらまいたとすると、そこにテキストしたユーザは寄付のページへ連れて行かれる。

バックエンドとしてTwilioStripeを利用しているが、Locentそのものは、そこらの商店のおっちゃんでも簡単に使えるプラットホームだ。

料金は、Stripeの2.9%+30セントに加えて、売値の3%だ。

LocentはY CombinatorとChaac Venturesから63万ドルを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon Primeのユーザはトイレットペーパーをたくさん買うために4ドル99セントを余計に払うのだ!

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Amazon Primeは今やAmazonの速達便のことだが、その年間速達料金は99ドルもする。荷物を早く受け取れるだけでなく、ビデオコンテンツなども普通便より早く見られる。これに慣れてしまうと、しかし、脱(ぬ)けられない。

最近のPrime特典は、会員限定Dashドングルのプロモーションだ。特定の品物の注文が簡単にできる小さなハードウェアだが、最初の一時期をのぞいては、これも4ドル99セントでユーザが買うのである。

たとえば、トイレットペーパーをいつも簡単に注文したい人は、Cottonelle Dashをトイレに常備しておく。早いとはいっても、近くのコンビニに行くほど早くはないし、昼寝しているところを配達に起こされるかもしれない。それらすべてがOKなら、良い買い物かも。おっと、トイレットペーパーのブランドは、もちろんCottonelleのみだ。

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そのほかに、上図のように、洗剤のTideとペーパータオルのBounty用のDashボタンがある。どれも4ドル99セントで買うんだよ。これらのブランドだけを買うために。

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同じ物をもっと多く買うためにAmazonに金を払うとは、なんとすばらしい企画だ。天才的な悪魔にしか発想できないよ、こんなの。これまでありえなかった、クールな技術ではあるけどね。

エイプリルフールのジョークかな? 違う、今は7月だ。

本物のフール(馬鹿者)のジョークだよ!

こんなものは、各ブランドのプロモーションとして、無料で消費者の手に渡るべきものだろう。しかも、Prime会員に限定しない方が得じゃない、ブランドにとって。それでなくても、最近はみんな、Amazonでお金を使いすぎだ。こんなくだらない物に4ドル99ドルを喜んで払う人は、トップクラスの使いすぎ人種だね。

〔訳注: これらブランド品目特定Dashボタンで買うと、ふつうにAmazonで(Primeで)買うよりさらに安いのか、そこが、よく分かりません。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ソーシャルメディアでの評価は散々(?)だったAmazonプライムデー

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利用者からの不満の声はあったものの、Amazonのプライムデーは膨大な売上を記録した。ブラックフライデーやサイバーマンデーなどを含む感謝祭後のセールス期間をライバルと想定し、それに匹敵する大量売上デーを作ろうとする目論見は見事成功したわけだ。

Amazonによるとプライムデーの売上は、プライム会員限定のセールスであったにも関わらず、ブラックフライデーの売上を超えたのだとのこと。ただし、ソーシャルネットワーク上での盛り上がりを獲得することはできなかったようだ。Twitter上で不満の投稿を目にした方も多いことだろう。

ソーシャルメディアの記事をみてみると、割引率や商品バリエーションなどについて不満を感じた人が多かった模様だ。また、Amazon製品(Kindleやタブレットなど)を期待していた人は、在庫数の少なさにがっかりした人が多かった様子だ。

販売数量をみると、Amazonデバイスが非常に多かったようだ。たとえばAmazon Echoスピーカーは数千台を売上、またFire TV Sticksは1時間のうちに何万台も売り上げたらしい。しかし在庫が出払ったあと、商品の補充は行われなかった。利用者は無益にキャンセルリストに登録することになってしまったのだ。

このAmazonプライムデーについて、ブログ、Twitter、Instagram、WordPress、Reddit、Foursquareなどのソーシャルネットワーク上でのメンションについて調査したAdobeによれば、ブラックフライデーと比してソーシャルネットワーク上での盛り上がりには欠けていたとのこと。プライムデー開始から10時間程度の間に、ソーシャルネットワーク上でのメンションは9万件ほどであったとのこと。しかし2014年のブラックフライデーについていえば(同じ時間幅で)20倍(160万)のメンションがあったとのことだ。

アメリカ国内からの発言をみると、50%が否定的な評価を下していたとのこと(#PrimeDayFailなどというハッシュタグも登場した)。主な原因は目玉商品の不在によるものだ。目立った商品はソックスやマイクロファイバー・タオル、ないしアダム・サンドラーの映画などで、魅力に欠けると評価した人も多い。評価の割合をまとめておくと「Sadness」が50%、「Joy」が23%、「Admiration」が19%で「Surprise」が8%となっている。

Adobe以外にもプライムデーに関するソーシャルの動向を取りまとめてみたところがある。たとえばAdWeekはAmobee Brand Intelligenceの調査を掲載している。それによるとプライムデー開催日の13時(東部標準時)段階で、分析した11万2581件のツイートのうち肯定的な評価は23%しかなかく、12%がネガティブ(65%は中立的なものであったとのこと)であったそうだ。プライムデー前日についてみると、Amazonについての投稿は22%が肯定的で大差ないものながら、ネガティブな投稿は7%だけなのだそうだ。ネガティブツイートが241%になったと評価している。

ただし、ネガティブなツイートが多くあったにもかかわらず、売上を大いに伸びることとなった。言ってみれば「悪評も宣伝のうち」(no such thing as bad publicity)を体現したことになるわけだ。

たとえばAdobeのシニアアナリストであるJoe Martinの指摘によれば、Experianのデータによると、Amazonへのリファラルトラフィックの15.2%をソーシャルネットワークからのものが占めることになったのだそうだ。1週間前の水曜日は11.3%だったので、35%伸びたことになる(ニュースサイトやメディアサイトからのものは6.7%で、こちらは前の週から4.3%の伸びとなっている)。

つまり、Twitter上での評判は良くなかったものの、いずれにせよ顧客を引き寄せる役にはたったということだ。リンクを辿ってAmazonを訪問した人には、実際に買い物をした人も多い。Amazonからはプライムデーにおける販売額などについてのレポートが出ているが、ネット上に流れた悪評についての言及はない。

Twitter上で「こんなものいらない」などとも言われた製品(マイクロファイバータオルなど)の販売数が多くなっているという現象が見られるのは、なかなか興味深い(マイクロファイバータオルは1万枚を売り上げた。また、やはりTwitter上で「Amazonのセールスでこれはなあ」などとも言われていたラバーメイドの食品保存容器セットは2万8000セットも売り上げている)。

もちろん宣伝になればなんでも良いわけでもない。たとえばAltimeter GroupのアナリストであるOmar AkhtarはInternet Retailer’s wrap-upの記事で「このような否定的な評価が出てくることはAmazonにとってけっして良いことではありません」と述べている。ブラックフライデーなどのショッピングイベントは消費者に満足感をもたらすものであり、Amazonはそうした満足感を顧客に提供することに失敗してしまったと述べている。

繰り返しになるが、このプライムデーは年会費99ドルのプライム会員限定のセールスだ(訳注:日本とアメリカではプライム会員向けサービスの内容が異なります)。既に会員になっている人向けのものなので、少々悪評があったとしても気にすることはないとAmazonが考えているとするなら、それは大きな間違いだ。プライムデーについて悪い評判も多かったことや、改善可能性についても真摯に判断していく必要があるように思う。

さらに、プライムデー開催の目的は商品を売ることだけでなく、プライム会員を増やすということでもあったはずだ。それであればなおさらのこと、利用者の評価に耳を傾ける必要がある。

プライムデーの開催で売上が伸びたとしても、そこで生じた不信感がAmazonに対する悪感情の萌芽となる可能性もあるだろう。プライム会員になろうかと考えていた人も、ソーシャルメディア上に流れてくる悪評を見て考えなおしたというようなケースもありそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

Amazon、「プライムデーはブラックフライデーを上回る大成功、今後も継続する」と発表

2015-07-17-amazonprimeday

今月15日のプライムデー ・セールがAmazonの販売量を急増させたとわれわれは報じたが、今日(米国時間7/16)、Amazon自身がその詳細を発表した。これによるとプライムデーの販売記録は2014年のブラックフライデーを上回り、過去最高を記録したという。

Amazonによると、世界のプライム会員はこの1日で3440万のアイテムを購入した。これは毎秒398件に相当し、すべてのブラックフライデーの記録を破った。また新しくプライム会員となった人数も新記録だったという。

おそらくこの最後の点がプライムデーのもっとも重要な成果だろう。アメリカの場合、99ドルの年会費を払ってプライム会員になると、2000万種類の商品が送料無料で2日以内に配達され、14の大都市圏では無料で即日配達される。さらに音楽、テレビ番組、映画のストリーミング、写真の容量無制限のバックアップ、Kindleの電子書籍の貸出などさまざまなサービスが無料で提供される。

プライムデーの目的は商品を売ることよりむしろプライム会員を増やすことにあったはずだ。プライム会員は会費を払う上に、Amazon.comでのショッピングの金額がそれまでより増えることが知られている。

今回の成功を受けて、Amazonはプライムデーを今後も開催すると確認した。

一方で、当日のソーシャル・メディアには、「プライムデーの内容が期待したほどではない」とか「欲しい品物があっという間に売り切れた」などの不満が多数投稿された。

Amazonも数量限定商品が非常に早く売り切れたことを認めている。Fire TVスティックは数万個が1時間以内に売り切れ、Amazonのデバイスの販売で新記録を作ったという。インターネットに常時接続されてパーソナル・アシスタントの役も果たすEchoスピーカーは15分で売り切れた。Fireタブレットの販売台数もブラックフライデーの記録を上回った。全体として「数十万台のAmazonデバイスが売れた」という。

その他のアイテムについてもAmazonは販売数を挙げている。それによると、ロード・オブ・ザ・リングの3本セット5万6000、テレビが4万7000、Boseのヘッドフォンが5万1000、 ラバーメイドの容器セットが2万8000、圧力鍋が2万4000、iRobotのRoombaが595、映画フィフティ・シェイズ・オブ・グレイのブルーレイディスクが1万2000、MeguiarのX2020マイクロファイバータオルが1万、などとなっている。

Amazonとは独立にその販売状況を調査しているChannelAdvisorによれば、アメリカにおけるAmazonのプライムデーの売上は前年の同時期から93%アップしたという。またEUでは53%アップした。ただしChannelAdvisorのデータはAmazonに出品しているオンライン・マーチャントについてのもので、Amazon自身が販売するKinleなどのアイテムは含まれていない。Amazon自身の販売成績はされに高い。

「最初のプライムデーは大成功だったといえる。アメリカではサードパーティーのマーチャントの売上はブラックフライデーにほぼ並んだ。EUでの売上も伸びたがアメリカほどではなかった」とChannelAdvisorは結論している。

〔日本版〕Amazonのプレスレリリースによると、日本でもっともたくさん売れたアイテムはグリーン・スムージー・ミックスだという。アメリカではロード・オブ・ザ・リング3部作セット、イギリスではレノボのノートパソコン、ドイツとオーストリアではクロックスのサンダルなどとなっている。なおAmazonの発表には販売数量のみ含まれ、売上高については一切触れられていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、「Googleで買う」ボタンを発表―ワンクリックでモバイル広告から購入ページへ

2015-07-16-googlebuybutton

今日(米国時間7/15)、Googleは「Googleで買う(Purchases on Google)」という新機能を発表した。これによって消費者はモバイル検索から今までより簡単に商品を購入できるようになる。

この機能についてはWall Street Journalが5月に最初の記事を掲載し、その後Googleがそのニュースを全体として確認していた。

今後は一部のモバイル検索広告中に「買う」ボタンが表示され、クリックすると直接購入ページへジャンプできるようになる。

もう少し詳しくいうと、商品の発送などのフルフィルメント処理を行うのは従来通りマーチャントだが、購入ページはGoogle自身がホストする。Googleは「商品の購入にあたって消費者がいちいちマーチャントとやりとりをしなくてすみ、モバイル・コマースが簡単になる」としている。購入ページはマーチャントのブランド・ページになっているものの、消費者がそのページを見て期待していたような商品ではないと判断した場合はそのまま検索を続けられるようになっている。

今朝、ニューヨークで開かれたプレスイベントでGoogleは「今後数週間かけ10数社の小売業者と提携してこの機能のテストを行う」と明らかにした。その後まずアメリカで今年から来年にかけてモバイル広告主に対して広くこの機能を提供していく。

Google retail event

アップデート: 「Googleで買う」機能について、Googleがブログ記事を公開した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

楽天、バーチャル試着室のスタートアップ、Fits.Meを買収―ファッションeコマースに意欲

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日本のAmazonともいうべき巨大eコマース企業、楽天はデジタル・メディアとeコマースの強化に惜しみなく投資中だ。今回はファッション分野のスタートアップを買収した。

楽天が買収したのはエストニアで創立され、現在ロンドンに本拠を置くFits.meだ。同社の開発したバーチャル試着室は消費者とリテラーの双方にメリットをもたらす。消費者は関心を持ったファッション・アイテムが自分に似あうかどうかオンラインで試着できる。同時にリテラーはユーザーに関する詳しい情報を入手できる。

楽天はFits.meを引き続き独立の事業として運営させる考えだ。同社はこれまで通り、独自にテクノロジーを開発し、ビジネスを拡大することになる。Fits.meのテクノロジーを利用している既存のクライアントにはThomas PinkHugo Bossのような有名ブランドやホーム・ショッピング・サービスのQVCなどがある。

Fits.meには65人の社員がおり、買収後もJames Gambrellが引き続きCEOを務める。共同ファウンダーのHeikki HaldrePaul Pallinも社員として活動中だ。

われわれの得た情報によると、楽天がFits.meを買収したのは数週間前だという。両者ともこの点についてはコメントを避けている。

この半年ほど楽天は精力的に買収と投資を進めている。3月にLyftに対する5億3000万ドルの投資ラウンドをリードし 、6月には資金を確保するため1880億円に上る株式の公募増資を行った。この増資のために設けられた大型買収の停止期間が今日(米国時間7/12)終了した。そこでFits.meの買収が公表されたわけだ(なお、楽天は別のヨーロッパ企業の買収にも興味を示しているという。一方、一時進んでいると伝えられたPopSugarの買収は不調に終わったもようだ)。

Fits.meは将来は楽天とさらに密接に事業を展開することになるだろう。まだ詳細は明らかでないが、楽天の事業にFits.meを利用できる分野が多数あるのは明らかだ。

メイン・ポータルRakuten.comにファッションや美容分野のショップが無数に出店している他に、楽天はファッション通販専門の StyLife(日本) やVault (アメリカ)を運営している。また楽天はPinterestの大株主だが、このソーシャル写真サイトは最近コマース分野に力を入れ始めている。

Fits.meが開発した消費者向けテクノロジーの一つは、ユーザーが関心を抱いたファッション・アイテムを着用してみせるオンランのバーチャル・マネキンだ。このロボット・マネキンは消費者が身長、体重、年齢などの情報を入力するとそれに合わせてサイズなどを変化させる。

楽天は当初Fits.meへの投資を考えていたようだが、交渉が進むうちにまるごとの買収を提案したという。Gambrellによれば「楽天はFits.meにとって適切なパートナーだと考えて提案を受諾した。楽天はさらなる成功のためにクリエーティブな方法を求めており、われわれは楽天の事業のさまざまな分野でその方法を提供できる」という。もう一つの考慮は、ライバルとの競争だ。GambrellによればFits.meが注目しているライバルは、バーチャル試着室のMetailからオンラインの消費者のアイテムの選択を助けるサービスまで320社もあるという。

これに加えて、この分野における集中化のトレンドもすでに目立っていた。eBayがPhiSixを、MyntraがFitiquetteを、それぞれ買収している。またFits.me自身もClothes Horseを買収している。楽天の傘下に加わることでFits.meは生き残りと事業の拡大の保証を得たことになる。

Fits.me、楽天ともに買収金額を明らかにしていないが、情報源によれば「投資家は皆ハッピーになった」という。

楽天の最近の買収は日本のトラベル・サイトVoyaginだった。ヨーロッパでの買収にはメッセージ・アプリのViber、ビデオストリーミングのWuaki、フランスのeコマース・ポータル、Priceministerなどがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

7月15日に注目―Amazonが創立20週年を祝うプライムデーで日本を含む世界9ヵ国で一大バーゲン

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アメリカでクリスマス商戦の幕開けとなる11月末のブラック・フライデーだが、去年はこの1日にオンラインだけで15億ドルもの売上があった。アメリカの小売業者にとってもっとも重要な日だ。しかしAmazonが発表したプライム・デーがブラック・フライデーからその地位を奪うかもしれない。

今やeコマースを代表する世界的大企業となったAmazonは来る7月15日に創立20周年を祝って世界9ヵ国(アメリカ、イギリス、スペイン、日本、イタリー、ドイツ、フランス、カナダ、オーストリア)のプライム会員向けの一大バーゲンを開催すると発表した。

Amazonプライム担当副社長のGreg Greeleyが発表したプレスリリースによれば、「プライムデーは当日一日かぎりのイベントで、ブラック・フライデーを上回る多数の商品のバーゲンが提供される」という。Amazonが昨年のブラック・フライデーに行ったバーゲンを割引の総額で上回るという意味のなのか、またプライムデーを今後毎年開催するのか、われわれはAmazon1にメールで問い合わせ中だ。

Amazonがブラック・フライデーとサイバー・マンデーに与えた巨大な影響を考えると、「ブラック・フライデーを上回る」というAmazonの意気込みには大いに期待が持てる。ブラック・フライデーとサイバー・マンデー(それぞれ感謝祭開けの金曜、月曜)ではAmazonは8000万種類の商品に割引を行った。しかもこの一大バーゲンは感謝祭の1週間前からスタートし、eコマースと現実店舗のライバルに大きなプレッシャーをかけた。

今回Amazonがプライムデーを実施するのが単に誕生日を祝うためでないのはもちろんだ。Amazonはそれまでの赤字続きから2014年第4四半期に2億1400万ドルの黒字へと劇的に転換した。その黒字化に大きく貢献したのがプライム会員の増加による会費収入だった。

こうしたバーゲンのおかげで プライム会員の会費の値上げは波乱なく受け入れられた。 またAmazonはDashボタンやインスタント配送などプライム会員向けの新しいサービスも提供を始めている。プライムデーは、さらに多くの消費者に99ドルの会費を払わせる(少なくとも1ヶ月の無料試用に参加させる)よう説得するよい機会になるに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

明日の商業はデベロッパが築く“体験型コマース”だ…売り方ではなく体験を作ろう

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[筆者: Atlee Clark](Shopifyでデベロッパリレーションを担当。アプリケーションとサードパーティデベロッパのエコシステムを指揮。)

旅行、交通運輸、メディア、不動産などなど、すべての産業がテクノロジによって変わった。商業もそんなイノベーションの一部を享受しているが、まだ変化は終わっていない。次の最前線は“どこでもコマース(Commerce Everywhere)”、それはオンラインとオフラインを混ぜあわせて、欲しいものがあればそれを、いつでも、どこでも、買えるようにする。

商業のこの変化は消費者が起こしたものではなく、また企業が率先したものでもない。デベロッパが作り出したものだ。API経済の成長によって利用できる新しいリソースが増え、また決済などビジネスの基本を支えるプラットホームが多様化したことにより、デベロッパの筋力が増した。これら新しいリソースをフルに活用するアプリケーションやユーザ体験が活況を呈し、今ではメジャーなトレンドになりつつある。そして今後は、お店が物を売るやり方と、消費者がそれらを買う買い方が、抜本的に変わる。

このような新しいコマースのあり方を体験型コマース(experiential commerce)と呼ぶのは、もはや買い物をするという単独の体験があるのではなくて、さまざまな楽しい体験の中にたまたま買い物もあるからだ。体験型コマースは、これまでの購入過程につきものだったギクシャクを取り除く。買い物をすることが、ほかの活動の流れの中の、ちょっとした一部になる。食器を洗いながら、テレビを見ながら、フィットネスの目標を追いながら、買い物もできる。

品物は、日用品から高級ファッションまで、何でもよい。Rebecca Minkoffの旗艦店であるSoHo店では、巨大な壁掛けディスプレイを見ながらスタイルを決め、それらを試着室へ送る。Dominoではピザの絵文字をツイートして注文し、 Amazonでは食器を洗いながらダッシュボタンを押して食器用洗剤の補充を頼める〔本誌日本語記事〕。

今あるこれらの例は、未来のコマースの姿を示すささやかなヒントにすぎない。今後の新しいテクノロジによって、想像したこともないような、エキサイティングなユーザ体験が提供されるだろう。それらが、世界のどこのデベロッパたちから生まれても、不思議ではない。

バックエンドツールがイノベーションを加速する

豊富で多様なAPIとプラットホームを利用できる今のデベロッパは、開発に要する時間労力が昔に比べるとずっと少ないため、先頭に立ってイノベーションを引っ張ることができる。とくに、複雑でコーディングに時間のかかるバックエンド部分をAPIとプラットホームがやってくれるから、デベロッパは自分の創造性を発揮できる部分に集中できる。

Stripeは、コマースを前進させるバックエンドツールの優れた例だ。従来の決済ソリューションは面倒だった: APIもドキュメンテーションもクライアントライブラリもない。Stripeは決済処理の面倒な部分をすべて引き受けるから、デベロッパは自分のアプリケーションにエレガントで使いやすいチェックアウト体験を導入できる。

またAPIが使えることによって、既存のeコマースプラットホームがコマースのイノベーションと機会を加速する新たな便宜にもなっている。彼らのAPIを使えば、売り買いトランザクションの一から十までをすべてやってくれる: 決済処理、仮想店頭の実装、顧客とのコミュニケーション、そして発送も。

既存のプラットホームを利用することによってデベロッパは、すでに十分な広がりのある、活発なユーザベースに簡単にアクセスできる。自分のアプリケーションのマーケティングやマネタイズに長期間、悪戦苦闘しなくてもよい。小さなデベロッパチームが大成功を収めることが近年多いのも、Google、Evernote、 Zendeskなどのプラットホームを利用できるからだ。

小さなデベロッパチームがコマースの未来を切り開く

APIとプラットホームの利用が民主化されているので、地球上のどこにいる、どんなに小さなデベロッパチームでも、明日のショッピング体験を導く強力で斬新なアプリケーションを構築できる。

これからは、小企業と小さなデベロッパチームとのコラボレーションが盛んになるだろう。小規模な商業者は、オンラインとオフラインの両方で、顧客の心に残るような結びつきを作り出すための、新しい方法に飢えている。それさえあれば、Amazonとも十分に競合できるし、数えきれないほど多い、自分と同じような小規模店の集合の中で、群を抜くことができるのだ。

今、デベロッパや小さなデベロッパショップにとって、コマースのイノベーションの市場機会はものすごく大きい。お店や買い物客は、今あるものへの対応で日々忙しいが、デベロッパは未来への道を描ける。コマースの次の新しい大波は、そこまで迫っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、Prime Nowによる1時間内配送サービスの提供を国外にも拡大。まずはロンドンを対象に

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Amazonが、1時間で商品の配送を行う「Amazon Prime」のサービスのロンドン展開を開始した。Prime Nowアプリケーションもアップデートされ、「ロンドンの一部地域にも対応」と記されている。6ヶ月ほど前にPrime Nowのサービスを開始して、今回のロンドン展開がアメリカ以外における最初の事例となる。Amazonにしてはずいぶん素早い国際展開であるようにも思える。

現在のところ、Prime Nowの適用範囲はロンドンのゾーン1(ないしはゾーン1の一部)に限られているようだ。ゾーン2やゾーン3の郵便番号を試してみると、サポート圏外となってしまった。しかしゾーン1圏内のSouthwarkの郵便番号を試すと、対象商品について1時間以内配送を行う対象地域である旨が表示された。なお、アプリケーション内には「対象地域は可及的速やかに拡大していく予定です」とも記されている。ロンドンに住んでいる人はamazon.co.uk/primenowにて対応地域か否かをチェックしてみれば良いだろう。

1時間以内配送が最初に導入されたのは昨年12月、マンハッタンにおいての話だった。そこからダラス、バルチモア、そしてマイアミへと対象地域を拡大していったのだった。Prime Nowを利用できるのはPrime会員のみだ。年会費が必要なPrime会員を増やすためのサービスとしての側面もあるわけだ。ロンドンなどの大都市圏においては地域密着型のデリバリーサービスなども誕生してきており、そこに対抗しようとする意図もあるものと思われる。さらにAmazonは出前注文の分野にも進出しつつある。このたびの1時間以内配送サービスの実現は、今後のサービス拡大に向けた一歩と捉えることも可能だろう。

Amazonによると、Prime Nowの配送に対応している製品は「数千種類」に及ぶとのこと。ただし注文額の合計は20ポンド以上である必要がある。切れてしまったキッチンタオルを購入するといった使い方にはむいていないことになる。配送時間体は朝8時か深夜0時までとなっているが、配送時間に2時間以内を指定した場合には追加コストはかからないが、しかし1時間以内を指定した場合には1回につき6.99ポンドの追加費用が必要となる(Prime会員は当日配送ないし翌日配送のサービスを無料で受けることができるようになっている)。

AmazonはPrime Nowのサービスを展開するにあたって、当初は「日用品」(essentials)の提供を行うためのサービスであるとしていた。しかし取り扱い製品は拡大を続け、たとえばロンドン版のPrime Nowでは、Apple TV、Raspberry Pi Model B、HPデスクジェットプリンター、あるいはDaewoo製電子レンジなどのハイテク製品を含む27の商品カテゴリーに及ぶプロダクトが対象となっている。

Prime Nowは結局、「すぐに欲しいもの」をターゲットとするサービスになりつつあると言ってよいだろうか。ホリデーや旅行のためのプロダクト、ないしパーティーやイベントで必要になるもの、さらには忘れていた誕生日の帳尻合わせ製品などがPrime Nowの対象となっているようだ。

なお、配達する人へのチップの支払いも行えるのがなかなか面白いところだ。いつも使うチップの額が設定できるようになっていて、それを配送製品などによって増減できるようになっている。チップはAmazonの支払いと同時に回収されるが「チップとして設定された額はすべて配達人に渡るようになっている」とのこと。また、Prime Nowのサービスに対応すべく、「専任の担当チーム」が働いているのだそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

所有型消費の無駄を追放するByeBuyでは、新しいテクノロジ製品をちょっとだけ使ってみることができる

ByeBuy team: Florian Hofer(技術担当), Behrad Mirashar(プロダクト担当), Michael Cassau(CEO), Simon Wiedemann(数学/アルゴリズム担当)

ByeBuyのチーム: Florian Hofer(技術担当), Behrad Mirashar(プロダクト担当), Michael Cassau(CEO), Simon Wiedemann(数学/アルゴリズム担当)

共有経済の時代だから、その中には共有消費もあるべきだ、と言うのなら、そうあるべき製品の代表が最新のガジェット類だ。それによって少なくとも、ごみ処理場のごみの山を小さくし、昨年Best Buyで買ったテクノロジ製品のリサイクルに、苦労することもなくなるだろう。

Speedcampが投資しているドイツのByeBuyは、ガジェットの消費に、購入ではなく使用料方式を導入しようとしている。ユーザは最新のテクノロジ製品を“所有する”のではなくて、必要なときに使うだけだ。

これまでGoldman SachsやRocket Internetで仕事をしたCEOのMichael Cassauによると、“これまでの単純な消費は古くなりつつあるし、とくに最新のテクノロジ製品では使用料方式を導入すべきだ”、という。

“どんなものでも、時間制のアイテムですら、売る、と、買う、の単純なパターンしかない。それは単に、われわれがほかのもっと良いやり方を知らないからだ。売らねば買わねばという古い思い込みに挑戦して、もっと違う、もっと軽い、意思とその表現形式を見つけるべきだ。ByeBuyは、そのために作った。それは簡単迅速な時間制の消費形式で、消費者のニーズ(買う決断はまだないが、ちょっと使ってみたい)にぴったり合っているはずだ”。

今や、車に乗りたくても、音楽を聴きたくても、それらを必ずしもいちいち“所有する”時代ではない。目的地までフライトして、そこからレンタカーを使い、音楽ストリーミングを聴きながら走る。そのほかのテクノロジ製品もそのすべてが、こんなモデルであってもおかしくない。“ちょっとだけ使ってみる、というモデルなら、購入や所有に伴う金銭的コストや心理的コストをずっと軽くすることができる”、とCassauは語る。

最初の展開はドイツとイギリスのみ。提供製品はXbox One(月額39.90ポンド)とApple Watch(34.90ポンド)と、ParrotのドローンBebop(79.90ポンド)だ。前金も契約の縛りもない。

まったく新しい消費形式だから、競合他社はまだない。でも、消費者がもう要らなくなったテクノロジ製品を毎日大量に投げ込んでいるオークションサイトeBayは、“安く試せる消費”のライバルになるかもしれない。“押入れに放り込んであるもう要らない製品も、とっても多いからね”、と、無駄の多い所有型消費をCassauは批判するのだ。

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スマートフォンの分解と修理で稼いできたiCrackedが消費者電子製品の全ライフサイクルサポート業へ大飛躍

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携帯電話やスマートフォンの修理屋だと思われている〔そして主にApple製品の分解ページ/記事シリーズの〕iCrackedには、実は大きな野心があった。

同社が目指しているのは消費者電子製品の販売企業だが、これまでの単に売るだけの小売業と違って、消費者の手元におけるその製品の全生涯のお世話をする。それを目指す第一歩として、スマートフォンの下取り過程の自動化から始める。そのために必要なキャリアとの新たな契約からデータの転送まで、一部始終を消費者に代わってiCrackedがやるつもりだ。

iCrackedのファウンダAJ Forsytheはこう言う、“その日が来たらボタンを押せばiTech(iCrackedのエンジニア)が画面に出る。そして彼があなたに新しいスマホを送り、古いのを下取りし、損傷説明を開示する”。

Forsytheによると、iCrackedはスマートフォンの大手流通企業とパートナーするつもりだが、その相手はVerizonのようなワイヤレスのキャリアでも、Best Buyのような大型店でもない。いずれにしてもサービスのローンチは来年のQ1を予定している。

今日同社は、iCracked Advantageを立ち上げてその目標に一歩近づいたようだ。それは一種の保険サービスで、来年スマホが壊れる人が(統計的には)4000万人いるから、その人たちに(希望者に)提供するサービスだ。

毎月7ドルの保険料で、地元のiTechによる同日(壊れた当日)の修理サービスを受けられる。ただし修理は実費の25ドル、これで、割れた画面、水漬けでだめになったデバイス、電池の欠陥、不具合なホームボタン、などを直してもらえる。最大5台までのファミリープランは月額25ドル、10台なら45ドルだ。

Forsytheによると、スマートフォンのオーナーの約30%が保険に入っている。それらは、AppleCareやSquareTrade、キャリア提供の保険などだ。世界のスマートフォン人口は今年20億を超えると言われているから、その70%が無保険ということは、膨大な市場機会だ。

Forsytheはビジネスコンセプトを次のように語る: “目標は消費者電子製品のライフサイクルの最初から最後までを完結することだ。壊れたら修理し、ニューモデルが出たら古いのを下取りして新しい機種を届ける。会員制だから、ユーザ自身は自分のデバイスのことをあれこれ心配する必要はない”。

ForsytheはCal Poly(カリフォルニア州立ポリテクニック大学)の学生だった2011年に、iPhoneの壊れたスクリーンを直してあげていたことが、自然にサイドビジネスとしてのiCrackedになっていった。

“iCrackedという名前はジョークだった〔cracked==壊れている〕。ぼくは必ず自分のスマホを一度壊してみるから、友だちにはジョークで、またiCrackedアプリをダウンロードしちゃったよ、なんて言っていた”。

4年後の今、iCrackedは世界の13か国で利用でき、2500名以上のiTechたちがこれまでに数十万のデバイスを修理した。そしてForsytheは今、iCrackedを単なるスマホの修理屋を超えたものにしたい、と考えているのだ。

“消費者電子製品の消費者自身が、アップグレードや修理や下取りなどのことを気にすべきではない。うちのライフサイクル完結サービスはスマートフォンとタブレットから始めるが、もちろん家の中やオフィスのいろんなインターネットデバイスにも手を広げていく”。

それはもう、カレッジの寮で生まれた修理屋企業とは思えない、ビッグな夢だ。

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Apple、テイラー・スウィフトに譲歩―無料トライアル期間中にもアーティストに印税支払を約束

2015-06-23-taylorswift

Appleのインターネット・ソフトウェアとサービス担当上級副社長のEddy Cueは先ほど、Appleは方針を変更し、Apple Musicの3ヶ月の無料トライアル期間中の分についてもアーティストに印税を支払うことにしたと Twitter発表した

これは無料トライアル期間中はアーティストに一切印税を払わないという方針に対してテイラー・スウィフトが厳しく抗議したことを受けたものだ。テイラーは大ヒット中のアルバム、1989をApple Musicに提供しないと述べた。

われわれが入手した情報によれば、Appleは無料トライアル期間中もストリーミング回数に応じた(その料率は明らかでないが)印税をアーティストに支払うことにしたという。

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Appleは6月30日からスタートする定額制の音楽ストリーミング・サービスApple Musicについて、ユーザーが契約後最初の3ヶ月を無料トライアル期間とするとしている。しかしながら、Appleはメジャー・レーベルに対して無料トライアル期間中に著作権者に対して印税の支払を行わず、ユーザーが料金を支払い始めた後で少額の割増を支払うという条件を飲ませた。

しかしこの条件はテイラー・スウィフトのブログ記事をきっかけに激しいバッシングを受けることになった(私も昨日の記事で、Appleは欲深すぎる―印税を払うべきだと論じた)。

印税を支払うことに方針を変更したことでAppleのイメージは改善されるだろう。またアーティストのボイコット運動に火をつける危険も減った。Beggars Groupに所属するアーティストたちも、テイラーとは別にAppleに抗議していた。

Taylor Swift Apple Music

テイラー・スウィフトととBeggars Groupが新しい条件を受諾したかどうかはまだ公式に明らかにされていない。しかしスウィフトは「皆さんの応援ありがとう。私は大いに勇気づけられ、意気が上がってます」とツイートしている。

スウィフトは、これに先立って「広告入りで無料の音楽配信」というサービスの哲学に賛成できないという理由で1989をSpotifyから引き上げている。Spotifyもまた非常に低額(月0.99ドル)で3ヶ月のトライアル期間を設けている。しかしわれわれが聞いたところによるとSpotifyはトライアル期間中もアーティストに印税を支払うことにしているという。Spotify、Apple Musicともにトライアル期間中に、通常の契約期間よりは低料率であるものの、印税の支払をすることになりそうだ。

昨日、私はAppleはApple Musicの長期的な成功のためにはトライアル期間中も印税を払うべきだと論じたが、どうやらAppleはこの点である程度譲歩することにしたようだ。Appleが印税を支払うべき理由については上記の記事を参照していただきたい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitterがプロダクトページを導入、いよいよ本格的なeコマースへ

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Twitterがさきほど発表した新しい機能により、“プロダクトや場所の発見がより容易になる”そうだ。

同社はeコマースにも手を広げ、昨年秋には[Buy]ボタンを導入した。でも、たった一つのツイートでものを売るのはしんどいし、読者がそのプロダクトについて何も知らないこともある。そこでTwitterは、プロダクトそのものに関するページを作って、情報やコンテンツを提供することにした。

それらのページには複数のツイートや、製品に関する基本的な情報、そして、そう、もちろん、実際に製品をそこで買う機能もある。たとえば下図は、Andy Weirのベストセラー、The Martianを売ってるページだ。
The Martian page

また、本誌TechCrunchなどTwitterに指定された“キュレーター”が、いろんなテーマのコレクションを作れる。たとえば本誌は、”スマートキッチンガジェット5種“というコレクションをツイートした。コレクションは画像が複数あるふつうのツイートに見えるが、でもそれを開くとさらに個々の製品に関するツイートへ行き着く。そしてそれらのツイートには、プロダクトページへのリンクがある。

キッチンガジェットのコレクションにはぼくは関与していないし、得意な分野でもないけど、ポップスターDemi Lovatoがおすすめする製品や、Game of Thrones関連製品のコレクションを、ここではご紹介しておこう。

Twitterのブログ記事は、これはまだテストだ、と言っている:

これは、まだ始まったばかりです。数か月後には個人化(パーソナライゼーション)を強化して、あなたが知りたいと思っている場所や物に関する情報をお届けする予定です。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonが一般人が商品配送に参加できるアプリを開発中との情報

2015-06-17-amazon-shipping1

Amazonは人類全員を商品配送事業に組み込みたいらしい。Wall Street Journalの記事によると、Amazonは一般人が小売店舗で商品をピックアップし注文者に届けるアルバイトができるアプリを開発中だという。

WSJの情報源はこのプロジェクトが実際にスタートするのか、スタートするとしていつかからかについては語っていないが、プロジェクトの社内コードはOn My Wayだという。

Amazonはきわめて優秀な商品お勧めエンジンの開発などでオンライン・ショッピング体験をスムーズ化すると同時に同時に物流の効率化、高速化についても莫大な努力を払ってきた。

Amazonは通常の宅配業者を利用した配送の他に、Uberやタクシーのドライバー、バイク便のメッセンジャーなどを利用した即日配達の案も試みている。Prime Now生鮮食品のAmazonFreshの配達時間は数時間にまで短縮されている。Amazonはドローンによる配送プロジェクトを公開して世間を驚かせたが、こちらは規制の壁に直面している。Amazonはまたユーザーが荷物を受け取りに出向けるピックアップ・ロッカーを設置したり、セブンイレブンの店内にAmazonの商品を預かるスペースを借り受けるなどしている。

WSJの記事によれば、On My Wayプロジェクトもおそらくこうした既存の配送方法を利用するようだ。参加者はこうしたロッカーやAmazonの商品を預かるコンビニなどでパッケージをピックアップし、最終目的へ届けるのだろうという。

配送コストの上昇に歯止めをかけるほどの効果があるかどうかは不明だが、数多くのスタートアップに加えてAmazonのような巨人もオンデマンド即日配送の実現に向けて努力しているので、いずれ誰かがプレークスルーに成功するだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

高級ホテル予約のrelux、海外の旅行代理店に予約を開放——訪日客の取り込みを加速

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僕たちのオフィスは東京・秋葉原のほど近くにあるのだけれど、秋葉原でここ半年ほどものすごい勢いで増えているモノがある。それは中国人を中心とした海外からの旅行者だ。2014年に1300万人を超えた訪日外国人数は、2015年には1500万人を超えるとも言われている。中国の富裕層を中心に、日本で家電やブランド品を大量に購入する「爆買い」ツアーが開催されるということも少なくないそうだ。

宿泊予約サイト「relux(リラックス)」を手がけるLoco Partnersが、そんな訪日旅行者をターゲットにしたサービスを強化する。同社は6月16日、中国および台湾の旅行代理店向けに訪日旅行予約のBtoBサービス「relux グローバルプラットフォーム」の提供を開始した。

reluxではこれまで、提携する日本国内の高級ホテルや高級旅館の情報を収集。最低価格保証やオリジナルサービスを付与して、サイト上で旅行者に対して直接販売してきた。

今回開始したrelux グローバルプラットフォームは、その情報を海外の旅行代理店などにリアルタイムに提供するというもの。アカウントを発行された旅行代理店は、専用のウェブサイトを経由して、reluxの持つホテル・旅館情報をリアルタイムで閲覧し、事前決済での予約ができる。

サービスの利用は無料。旅行代理店は決済額の4.0〜5.0%の手数料を取得できる。代理店は、中国語圏で数多く利用されているQQやWeChatといったコミュニケーションツールでreluxのスタッフに相談することも可能だという。

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reluxで予約できるのは通常高級ホテル・旅館が中心で、価格帯も1泊5万円以上というものも少なくない。だが今後増加するであろう訪日旅行者を見越して、1万円台から宿泊できるホテルなども提供できるよう準備中とのこと。

アカウントの発行対象になるのは、国外の旅行代理店。対応言語は中国語(繁体字・簡体字)、英語。今回の発表にあわせて、13の旅行代理店がパートナーとして参加する。Loco Partners今後もアジア圏を中心に代理店を拡大していく見込み。

ザワットが2.5億円の資金調達、ブランド品オークション「スマオク」で越境CtoC実現へ

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「同じ戦い方をしていたら完全にレッドオーシャンの中。僕らはほかのフリマアプリとは違うニーズを見つけた」——こう語るのはスマートフォン向けのオークションサービス「スマオク」を手がけるザワットの代表取締役社長である原田大作氏だ。

ザワットは6月11日、SIG Asia Investments, LLLP、MSキャピタル、IMJインベストメントパートナーズが運用するファンド「IMJ-IP Open Innovation FundⅠ」を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額2億5000万円を調達したことをあきらかにした。

スマオクはブランド品に特化したスマートフォン向けのオークションサービスだ。CtoCでのオークションのほかに、自ら商品を仕入れて5分限定、1円スタートのオークションなども展開している。

2013年11月にリリースしてから約1年半、「資金力がなかったのでテストマーケティング的な動きだった」(原田氏)とのことで具体的な数字は教えてもらえなかったのだけれど、メルカリやLINE MALL、Frillなどを筆頭にする、いわゆる「フリマアプリ」とは違う属性のニーズをつかんでいることが分かったのだという。

外国籍ユーザーのブランド品ニーズに活路

「フリマアプリはF1層(20〜34歳の女性)のユーザーが多いのに対して、スマオクは地方在住の30〜40代女性のユーザーが多い。また同時に、(落札の)ベトナムや中国をはじめとした外国籍のユーザーの落札件数や金額も大きい」(原田氏)

原田氏は最近リアルで開催されているBtoB向けのオークションにも参加しているそうなのだが、そこでも東南アジアの業者がブランド品を次々と落札していると説明する。「円安の影響もあるが、『checked in Japan(日本で本物かどうかチェックされている)』のブランド品ニーズは非常に高い。日本ほど(ブランド中古品の)マーケットができていて、綺麗な商品があるところはない」(原田氏)

こういった背景もあって、今後は海外、特に「日本発アジア圏」の越境CtoCのサービスを展開していくという。ザワットはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのインキュベーションプログラムにも採択されていることもあり、そのネットワークを利用するほか、海外パートナーを募ることも検討している。

現在は試験的に中国のオークション・ECサイト「タオバオ」などで商品を販売しているそうだが、今後はスマオクのプラットフォームを海外展開していく予定。半年後には海外のビジネスの比率を50%程度まで引き上げたいとしている。

AlibabaのファウンダーJack Maがアメリカ市場への進出について語る

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ファウンダーで経営執行役会長のJack Maは、Alibabaのアメリカにおけるチャンスは大きいと話した。「Alibabaは中国で創業しましたが、Alibabaは世界のために誕生したのです」。

Maは今日、The Economic Club of New Yorkで登壇し、The Wall Street Journalに先日寄稿した記事 (有料ページ)と同様の論点に触れた。Alibabaは成長を続け、特に史上最大のIPOを達成した直後から、アメリカ進出の予定について頻繁に聞かれるようになったと言う。「Amazonと対決するのはいつ頃の予定ですか?eBayと張り合うのはいつになりますか?」と尋ねられるそうだ。

「eBayやAmazonに深い敬意を表します」と話し、「私たちがチャンスだと考え、戦略とするのは、アメリカの小さいビジネスに対し、中国市場への進出と中国での商品の販売を手伝うことだと考えています」と続けた。

また中国の中産階級は、アメリカ全土の人口と同じくらいなったと指摘し、次の10年でその数は5億人に上ると予想していると話した。中国はその中産階級のために製品を輸入する必要があるという。国内製造は中国のリソースを圧迫し、公害の問題も発生させているのが主な要因だ。

「アメリカの製品がもっと必要です」と彼は言った。

Maは、既にNokiaのような国際的な大企業と手を組んでいるが、同様のことをアメリカの中小企業とも行っていきたいとした。これは彼の世界規模のヴィジョンと紐付いている。10年か20年内に、Alibabaはシンプルな公約を果たせるようにする考えだ。それは「どこからでも購入でき、どこからでも販売できる」ということだ。これはつまり、オンラインの買い物客は、世界中のどこにいてもAlibabaから商品を購入でき、72時間以内に受け取れるようにするということだ(中国国内の買い物客なら24時間以内での配達を目指す)。

Alibabaがアメリカでは特に浸透していないこともMaは認めた。Amazonとよく比較されるが、Alibabaは自社で商品を購入したり、販売したりしないと説明する。代わりに小さいビジネスが、製品の購入と販売、そして在庫管理と配達ができるようにサポートしていると話した。Alibabaのこの事業は昨年、3900億ドルの売上高に結びつき、今年にでもAlibabaは世界規模ではWalmartより大きくなる可能性があると話した。最終的に、1兆ドルの売上高を目指しているという。

質疑応答の際、Maは中国政府と協力する上での課題について問われた。アメリカの企業が中国で仕事をするのに課題はあるが、同時にこれまで中国企業もアメリカで仕事をする上で課題もあったと説明した。重要なのは、忍耐強くあることと長期的な視点で物事を考えることだという。

「次の10年か20年で、中国で成功するアメリカのインターネット企業も多く現れるでしょう。なぜなら、この流れは止められないからです」と彼は言った。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

SoftBank、韓国のeコマース大手、Coupangに10億ドルを投資―評価額は50億ドルか

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6月はソフトバンクにとって早くも大忙しの月になっている。評価額10億ドルのフィンランドのゲーム会社、Supercellを事実上買収した翌日(米国時間6/2)、ソフトバンクは韓国最大のeコマース企業、Coupang.に10億ドルをt投資したことを発表した。

Coupangはいわば韓国のAmazonのような存在で、昨年巨額の資金調達を行った。2014年5月にSequoiaが10億ドルの評価額で1億ドルを出資し、12月にはBlackrockがさらに3億ドルを投資している。

CoupangもSoftBankも今回の出資における会社評価額を公表していないが、TechCrunchが得た情報によれば、50億ドルだという。

10億ドルクラブ

この投資でCoupangは評価額が10億ドルを超えるスタートアップのクラブ入りした。しかも同時に、さらにメンバーが少ない(XiaomiとFlipkartなどを含む)1回のラウンドで10億ドル以上を調達したクラブのメンバーにもなった。いったいCoupangのどこがそれほど魅力的だったのだろう?

Coupangのビジネスはいわば「次世代のeコマース」の先駆けだ。同社のアプリは2500万ダウンロードを数えている。韓国の人口が5000万であることを考えると大変な普及率だ。モバイルが売上の75%、サービスへの全トラフィックの85%を占める(ちなみにAmazonは、2014年のクリスマス商戦でモバイル経由の注文が60%だった と発表している)。

またCoupangは独自の物流ネットワークとフルフィルメント・センター群を構築している。消費者への配送の最後を受け持つのは‘Coupangメン’と呼ばれるドライバーとトラックの大部隊だ。

Coupangも当初はサードパーティーの運送業者と契約していたが、Coupangメンの導入によってブランド認知と消費者との会話を格段に向上させることに成功したという。Coupangメンは配達の際にしばしばキャンディーやサンプル商品などを無料で配り、お礼のメモを置いてくるなどの努力をしている。

こうした消費者サービに加えてCoupangは配達が非常に速い。2014年から即日配達(ときには数時間で配達)をスタートさせている。今回のSoftBankの投資と支援により、「フルフィルメントとモバイルアプリの両面でイノベーションが加速される」とCoupangは述べた。シリコンバレー、シアトル、上海、ソウルに所在する同社の研究開発センターには一層のリソースが流れ込むことになるだろう。

SoftBankのバイスチェアマンで元GoogleのNikesh Aroraは声明を発表し、「クーパンは、世界のインターネット企業の中でも非常に成長が著しく、かつ革新的な企業のうちの一つだ。同社は、先端テクノロジーを活用して世界中で展開するEコマース事業における同日配送、モバイルコマース、カスタマーサービスはどうあるべきかという観点において、新しい業界基準を確立することになるだろう」と述べた。

SoftBankはアジアへの投資を加速

今回の巨額の投資は、アジアにおける有望なeコマース企業を傘下に収める最近のSoftBankの戦略の延長線上にあり、それを加速させるものといえる。昨年SoftBankはインドネシアのeコマース、Tokopediaに1億ドルを投じ、インドにおけるAmazonのライバル、Snapdealの6億2700万ドルのラウンドをリードしている。

SoftBankはまたアジア地域におけるタクシー・アプリにも大金を出資している。東南アジアのGrabTaxiは2億5000万ドルをSoftbankから得ている。同社はインドにおけるUberのライバル、Olaの2億1000万ドルのラウンド 、中国におけるDid Dacheの6億ドルのラウンドでもリード投資家を務めている(Did Dacheはその後最大のライバル、Kuaidi Dacheと10億ドルの評価額で合併した)。

〔日本版〕ソフトバンクが発表した日本語プレスリリースはこちら(PDF)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon、配送ボックスを映画「ミニオンズ」でラッピング

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看板も雑誌広告ももう古い。広告主がブランドを多くの人前に曝らしたいなら、Amazonのダンボールに広告を載せるのが一番だ。いや、少なくともそれがUniversal PicturesとIllumination EntertainmentとAmazonが交わした新たな提携の主旨だ。この小売業者は顧客からの注文を、近日上映される映画『ミニオンズ」のキャラクターを配した輝くイエローの梱包ボックスに入れて出荷し始めた。この契約はAmazonが初めて配送ボックスを第三者ブランドでラッピングすることを許したものだ。

映画会社とAmazonのペアは、”Despicable Me”[邦題『怪盗グルーの月泥棒』]アニメシリーズ最新作にピッタリの企画だ。この人気映画は世界中で15億ドルの興行収入を上げ、登場キャラクターはすでに商品化されている。「ミニオンズ」は、ぬいぐるみ、フィギュア、ボードゲーム、ビデオゲーム、その他のオモチャ等大量の消費者製品に採用されている。靴下、靴、帽子、その他アクセサリーや、ベッドシーツ、カーテン、キッチン用品、壁紙からMottのアップルソースやジュース等のパッケージ製品にまで使われている。

そしてもちろん、Amazonも大々的に。

従来の印刷広告と同じく、Amazonの新ボックスはブランド自体の認知度を高めるだけでなく、映画の封切日(7月10日)を告知することによって作品のプロモーションを後押しする。箱にはAmazonの専用URLも書かれている。実はウェブサイト、amazon.com/minionsはあらゆる「ミニオン」グッズのための専用ショッピングサイトになっている。Amazonによると、映画の公開日が近づくにつれサイトにコンテンツが追加されるという。

Amazonは、このボックスが「選ばれた」配送センターから出荷され、本、電子機器、DVD、おもちゃ、スポーツ用品等様々な注文に対応するサイズを揃えているとも言っている。箱のサイズごとに、異なるミニオンが登場する ― スチュアートは大きな箱に、ボブは中サイズ、ケビンは一番小さな箱にといった具合だ。

パートナーたちはまず5月末に、ツイートFacebook記事でこの箱をチラ見せして、消費者の玄関先に「もうすぐ」ミニオンがやってくることを伝えた。ソーシャルメディアで見る限り、過去数週間に多くの顧客がこの箱が届くのを見ている(アップデート:本誌はこのボックスが5月25日から発送され7月10日まで続くことを確認した。

殆どの消費者(おっと、この男を除く)にとって新マーケティングキャンペーンの結果はポジティブのようだ。中にはある箱入手するためだけにAmazonで注文するつもりだとツイートしている人もいる。

契約の詳細はThe LA Timesが最初に報じた。

Amazonは、今後も同様のカスタムブランドボックスが使われる可能性があるのか、また今回のプロモーション期間中何人がこの黄色い箱を受け取るのかについてコメントを拒んだ。しかし本誌は、同社が今後も類似のマーケティングキャンペーンに対して門戸を開いていると理解している。

Image credit: Pantone, which has a Minions paint color.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook